JP2019111744A - 液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置、ならびに液体噴射ヘッドチップの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置、ならびに液体噴射ヘッドチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた噴射特性を得ることが可能な液体噴射ヘッドチップを提供する。【解決手段】液体噴射ヘッドチップは、所定の配列方向に配列されると共に複数のチャネルを画定する複数の駆動壁を含み、複数の駆動壁のそれぞれが配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と第1端面および第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する本体部と、第1端面のうちの少なくとも一部から第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第1駆動電極と、を含むアクチュエータプレートを備える。【選択図】図6B

Description

本開示は、液体を噴射する液体噴射ヘッドチップ、その液体噴射ヘッドチップを備えた液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置、ならびにその液体噴射ヘッドチップの製造方法に関する。
被記録媒体に画像を記録する記録装置として、液体噴射ヘッドを備えた液体噴射記録装置が知られており、その液体噴射ヘッドは、液体を噴射する液体噴射ヘッドチップを含んでいる。この液体噴射記録装置では、液体噴射ヘッドチップから被記録媒体に液体が噴射されるため、その被記録媒体に画像が記録される。
この液体噴射ヘッドチップは、液体を噴射させるために電気的に駆動するアクチュエータプレートを備えており、そのアクチュエータプレートは、駆動電極を含んでいる。この駆動電極は、複数のチャネルの容積を電気的に変化させることにより、その複数のチャネルに収容された液体を放出させる。
アクチュエータプレートを備えた液体噴射ヘッドチップの構成に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、アクチュエータプレートの形成工程において駆動電極が短絡することを防止するために、無電解めっき法を用いて駆動電極をパターン形成している(例えば、特許文献1参照)。
特開平08−267769号公報
アクチュエータプレートを備えた液体噴射ヘッドチップの構成に関して様々な検討がなされているが、その液体噴射ヘッドチップの噴射特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
そこで、優れた噴射特性を得ることが可能な液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置、ならびに液体噴射ヘッドチップの製造方法を提供することが望まれている。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップは、所定の配列方向に配列されると共に複数のチャネルを画定する複数の駆動壁を含み、複数の駆動壁のそれぞれが配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と第1端面および第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する本体部と、第1端面のうちの少なくとも一部から第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第1駆動電極と、を含むアクチュエータプレートを備えたものである。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドは、液体を噴射する液体噴射ヘッドチップと、その液体噴射ヘッドチップに液体を供給する供給部と備え、その液体噴射ヘッドチップが上記した本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップと同様の構成を有するものである。
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置は、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、その液体を収容する収容部とを備え、その液体噴射ヘッドチップが上記した本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップと同様の構成を有するものである。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップの製造方法は、基体の上に、所定の配列方向に配列された複数の開口部を有するマスクを形成し、複数の開口部のそれぞれよりも配列方向における内側の領域において基体を部分的に除去することにより、その配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と第1端面および第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する複数の駆動壁を含むと共にその複数の駆動壁により複数のチャネルが画定されるように本体部を形成し、マスクを用いて、そのマスクの表面および複数の駆動壁を含む本体部の表面のそれぞれに電極材料を成膜し、その電極材料のうちの一部が成膜されたマスクを除去することにより、第1端面のうちの少なくとも一部から第3端面に至る範囲を被覆すると共に電極材料を含む第1駆動電極および第2端面のうちの少なくとも一部から第3端面に至る範囲を被覆すると共に電極材料を含む第2駆動電極のうちの少なくとも一方を形成するものである。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドまたは液体噴射記録装置によれば、アクチュエータプレートにおいて第1駆動電極が第1端面のうちの少なくとも一部から第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆しているので、優れた噴射特性を得ることができる。
本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップの製造方法によれば、マスクに設けられた複数の開口部のそれぞれよりも内側の領域において基体を部分的に除去することにより、複数のチャネルが画定された本体部を形成したのち、そのマスクを用いて電極材料を成膜することにより、第1駆動電極および第2駆動電極のうちの少なくとも一方を形成しているので、優れた噴射特性が得られる液体噴射ヘッドチップを製造することができる。
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置の構成を表す斜視図である。 図1に示した液体噴射ヘッドの構成を拡大して表す斜視図である。 図2に示した液体噴射ヘッドチップの構成を表す斜視図である。 図2に示した液体噴射ヘッドチップの構成を表す他の斜視図である。 図4に示した液体噴射ヘッドチップの構成を表す断面図である。 図5に示したアクチュエータプレートの構成のうちの一部を拡大した平面図である。 図5に示したアクチュエータプレートの構成のうちの一部を拡大した断面図である。 本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための平面図である。 本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための断面図である。 図7Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための平面図である。 図7Bに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 図8Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための平面図である。 図8Bに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 図9Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための平面図である。 図9Bに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 比較例の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための平面図である。 図11Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための断面図である。 比較例の液体噴射ヘッドチップの製造方法に関する課題を説明するための断面図である。 本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップの製造方法に関する利点を説明するための断面図である。 液体噴射ヘッドチップの構成に関する変形例1を表す断面図である。 変形例1の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための平面図である。 図15Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 液体噴射ヘッドチップの構成に関する変形例2を表す断面図である。 変形例2の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための平面図である。 図17Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 変形例3の液体噴射ヘッドチップの製造方法を説明するための平面図である。 図18Aに続く液体噴射ヘッドチップの製造工程を説明するための断面図である。 液体噴射ヘッドチップの構成に関する変形例4を表す断面図である。
以下、本開示の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.液体噴射記録装置(液体噴射ヘッドチップおよび液体噴射ヘッド)
1−1.全体構成
1−2.液体噴射ヘッドの構成
1−3.液体噴射ヘッドチップの構成
1−4.液体噴射ヘッドチップのうちの主要部の構成
1−5.動作
1−6.製造方法
1−7.作用および効果
2.変形例
<1.液体噴射記録装置(液体噴射ヘッドチップおよび液体噴射ヘッド)>
本開示の一実施形態の液体噴射記録装置に関して説明する。
なお、本開示の一実施形態の液体噴射ヘッドチップおよび液体噴射ヘッドのそれぞれは、ここで説明する液体噴射記録装置のうちの一部である。そこで、液体噴射ヘッドチップおよび液体噴射ヘッドのそれぞれに関しては、以下で併せて説明する。
ここで説明する液体噴射記録装置は、例えば、被記録媒体に画像を形成するプリンタである。被記録媒体の種類は、特に限定されないが、例えば、紙およびフィルムなどである。
<1−1.全体構成>
最初に、液体噴射記録装置の全体構成に関して説明する。
図1は、液体噴射記録装置の一具体例であるプリンタ1の斜視構成を表している。ただし、図1では、筐体10の外縁(輪郭)を破線で示すことにより、その筐体10の内部を示している。
このプリンタ1は、主に、被記録媒体である記録紙Pに対して、後述する記録用の液体であるインク9(図2参照)を用いて画像を記録(印刷)するインクジェット方式の記録装置であり、いわゆるインクジェットプリンタである。
なお、プリンタ1は、例えば、図示しない循環機構において循環されているインク9を用いるインク循環方式のインクジェットプリンタでもよいし、その循環機構において循環されていないインク9を用いる非インク循環方式のインクジェットプリンタでもよい。
具体的には、プリンタ1は、例えば、図1に示したように、筐体10の内部に、一対の搬送機構2a,2bと、インクタンク3と、インクジェットヘッド4と、供給チューブ50と、走査機構6とを備えている。
なお、図1および後述する各図面では、プリンタ1の一連の構成要素を認識しやすくするために、適宜、各構成要素の縮尺を変更している。
[搬送機構]
搬送機構2a,2bは、プリンタ1に投入された記録紙Pを搬送方向D(X軸方向)に搬送させる機構である。
搬送機構2a,2bのそれぞれは、例えば、グリッドローラ21およびピンチローラ22を含んでいる。グリッドローラ21およびピンチローラ22のそれぞれは、例えば、搬送方向Dと交差する方向(Y軸方向)に延在しており、その方向に延在する回転軸を中心として回転可能である。また、搬送機構2a,2bのそれぞれは、例えば、図示しないモータなどの駆動源に接続されており、その駆動源の動力を利用して回転する。
ここでは、記録紙Pの平面形状は、例えば、一対の長辺および一対の短辺により画定される矩形(長方形)である。このため、搬送方向Dは、例えば、記録紙Pの長手方向に沿った方向(X軸方向)であると共に、搬送方向Dに交差する方向は、例えば、記録紙Pの短手方向に沿った方向(Y軸方向)である。
[インクタンク]
インクタンク3は、インク9を貯蔵する器である。ここで、インクタンク3は、本開示の「収容部」の一実施形態である。
インクタンク3の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、プリンタ1は、例えば、互いに異なる色のインク9を収容する4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)を備えている。インクタンク3Y,3M,3C,3Bは、例えば、搬送方向Dにおいて上流側から下流側に向かってこの順に配列されている。
インクタンク3Yは、例えば、イエロー(Y)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Mは、例えば、マゼンタ(M)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Cは、例えば、シアン(C)のインク9を貯蔵している。インクタンク3Bは、例えば、ブラック(B)のインク9を収容している。
インクタンク3Y,3M,3C,3Bのそれぞれは、例えば、インク9の種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。以下では、必要に応じて、インクタンク3Y,3M,3C,3Kを「インクタンク3」と総称する。
[インクジェットヘッド]
インクジェットヘッド4は、記録紙Pに画像を記録するために、その記録紙Pに液滴状のインク9を噴射するデバイス(ヘッド)である。ここで、インクジェットヘッド4は、本開示の「液体噴射ヘッド」の一実施形態である。
ここで説明するインクジェットヘッド4は、例えば、いわゆるエッジシュートタイプのインクジェットヘッドである。
具体的には、エッジシュートタイプのインクジェットヘッド4では、後述するように、複数のチャネルC1のそれぞれが所定の方向(例えば、Z軸方向)に延在している場合において、複数のノズル孔H2のそれぞれから複数のチャネルC1のそれぞれの延在方向と同様の方向(Z軸方向)にインク9が噴射される(図3参照)。すなわち、各チャネルC1の延在方向と各ノズル孔H2からインク9が噴射される方向とは、互いに一致している。
インクジェットヘッド4の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。ここでは、プリンタ1は、例えば、図1に示したように、上記した4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)に対応して、互いに異なる色のインク9を噴射する4個のインクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)を備えている。インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、例えば、搬送方向Dと交差する方向においてこの順に配列されている。
インクジェットヘッド4Yは、例えば、イエローのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Mは、例えば、マゼンタのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Cは、例えば、シアンのインク9を噴射する。インクジェットヘッド4Bは、例えば、ブラックのインク9を噴射する。
インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bのそれぞれは、例えば、インク9の種類(色)が互いに異なることを除いて、互いに同様の構成を有している。以下では、必要に応じて、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bを「インクジェットヘッド4」と総称する。
なお、インクジェットヘッド4の詳細な構成に関しては、後述する(図2参照)。
[供給チューブ]
供給チューブ50は、インクタンク3からインクジェットヘッド4にインク9を供給する供給管である。
[走査機構]
走査機構6は、搬送方向Dと交差する方向においてインクジェットヘッド4を走査させる機構である。
この走査機構6は、例えば、一対のガイドレール61a,61bと、キャリッジ62と、駆動機構63とを含んでいる。
ガイドレール61a,61bのそれぞれは、例えば、搬送方向Dと交差する方向に延在している。キャリッジ62は、例えば、ガイドレール61a,61bにより支持されており、そのガイドレール61a,61bに沿って搬送方向Dと交差する方向に移動可能である。駆動機構63は、例えば、一対のプーリ631a,631bと、無端状のベルト632と、駆動モータ633とを含んでいる。
プーリ631a,631bは、例えば、ガイドレール61a,61bの間に配置されている。プーリ631a,631bのそれぞれは、例えば、ガイドレール61a,61bの両端近傍に対応する位置に、Y軸方向に延在するように配置されている。ベルト632は、例えば、プーリ631a,631bの間において巻回されている。このベルト632は、例えば、キャリッジ62に連結されており、そのキャリッジ62の上には、例えば、インクジェットヘッド4が載置されている。キャリッジ62は、例えば、インクジェットヘッド4が載置される平板状の基台62aと、その基台62aと交差するように立設された平板状の壁部62bとを含んでいる。
搬送機構2a,2bおよび走査機構6を移動機構として利用することにより、記録紙Pおよびインクジェットヘッド4は相対的に移動可能である。
<1−2.液体噴射ヘッドの構成>
次に、液体噴射ヘッドであるインクジェットヘッド4の構成に関して説明する。
図2は、図1に示したインクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)の斜視構成を拡大して表している。
このインクジェットヘッド4は、例えば、図2に示したように、固定板40と、インクジェットヘッドチップ41と、供給機構42と、制御機構43と、ベースプレート44とを備えている。ここで、インクジェットヘッドチップ41は、本開示の「液体噴射ヘッドチップ」の一実施形態であると共に、供給機構42は、本開示の「供給部」の一実施形態である。
[固定板]
固定板40は、インクジェットヘッド4の一連の構成要素が固定される板状の部材である。具体的には、固定板40の一面には、例えば、インクジェットヘッドチップ41と、供給機構42(後述する流路部材42a)と、ベースプレート44とが固定されている。
[インクジェットヘッドチップ]
インクジェットヘッドチップ41は、インクジェットヘッド4のうちの主要部であり、インク9を噴射する。なお、インクジェットヘッドチップ41の詳細な構成に関しては、後述する(図3〜図6Aおよび図6B参照)。
[供給機構]
供給機構42は、供給チューブ50を介して供給されたインク9をインクジェットヘッドチップ41(後述するインク導入孔410a:図3および図4参照)に供給する機構である。この供給機構42は、例えば、インク連結管42cを介して互いに連結された流路部材42aおよび圧力緩衝器42bを含んでいる。
流路部材42aは、インク9が流れる流路として機能する部材であり、固定板40の一面に固定されている。圧力緩衝器42bは、例えば、インク9が貯留される貯留室を有している。この圧力緩衝器42bは、ベースプレート44により支持された状態において流路部材42aの上方に配置されており、その圧力緩衝器42bには、供給チューブ50が取り付けられている。
この供給機構42では、供給チューブ50を介して圧力緩衝器42bにインク9が供給されると、その圧力緩衝器42bのうちの貯留室にインク9が貯留される。この圧力緩衝器42bは、流路部材42aおよびインク連結管42cを介して、貯留室に貯留されているインク9をインクジェットヘッドチップ41(インク導入孔410a)に供給する。
[制御機構]
制御機構43は、インクジェットヘッドチップ41の動作を制御する機構である。この制御機構43は、例えば、回路基板43aと、駆動回路43bと、フレキシブル基板43cとを含んでいる。
回路基板43aは、例えば、インクジェットヘッドチップ41を駆動させるための駆動回路43bを搭載する基板であり、その駆動回路43bは、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)などを含んでいる。この回路基板43aは、例えば、固定板40と交差するように立設されており、ベースプレート44に固定されている。
フレキシブル基板43cは、駆動回路43bとインクジェットヘッドチップ41(後述する駆動電極Ed:図5、図6Aおよび図6B参照)とを互いに電気的に接続させる基板である。フレキシブル基板43cの一面には、例えば、図示しない複数の引き出し電極が設けられている。
[ベースプレート]
ベースプレート44は、固定板40と交差するように立設された板状の部材である。このベースプレート44は、固定板40の一面に固定されており、例えば、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。
<1−3.液体噴射ヘッドチップの構成>
次に、液体噴射ヘッドチップであるインクジェットヘッドチップ41の構成に関して説明する。
図3および図4のそれぞれは、図2に示したインクジェットヘッドチップ41の斜視構成を表している。図5は、図4に示したインクジェットヘッドチップ41の断面構成(XY面に沿った断面)を表している。
ただし、図3では、インクジェットヘッドチップ41の一連の構成要素が互いに組み合わされた状態を示している。一方、図4では、インクジェットヘッドチップ41の一連の構成要素を見やすくするために、その一連の構成要素が互いに離間された状態を示している。
また、図5では、アクチュエータプレート411とノズルプレート412との位置関係を分かりやすくするために、そのノズルプレート412に設けられている複数のノズル孔H2を破線で示している。
このインクジェットヘッドチップ41は、例えば、図3および図4に示したように、カバープレート410と、アクチュエータプレート411と、ノズルプレート(噴射孔プレート)412と、支持プレート413とを含んでいる。
具体的には、カバープレート410およびアクチュエータプレート411のそれぞれは、XZ面に沿うように延在しており、カバープレート410およびアクチュエータプレート411は、Y軸方向において互いに重ねられている。ノズルプレート412および支持プレート413のそれぞれは、XY面に沿うように延在しており、ノズルプレート412および支持プレート413は、後述する嵌合孔413aにカバープレート410およびアクチュエータプレート411が嵌め込まれた状態において、Z軸方向において互いに重ねられている。
カバープレート410は、後述する接着剤D(図5)を介してアクチュエータプレート411に貼り付けられている。ノズルプレート412は、Z軸方向におけるカバープレート410およびアクチュエータプレート411の一端部に接着剤を介して取り付けられている。
[カバープレート]
カバープレート410は、アクチュエータプレート411を被覆する部材である。
具体的には、カバープレート410は、例えば、図3〜図5に示したように、複数のスリット410bが設けられたインク導入孔410aを有している。インク導入孔410aは、例えば、X軸方向に延在する窪みである。複数のスリット410bのそれぞれは、例えば、複数のチャネルC1のそれぞれの延在方向(Z軸方向)と同様の方向に延在すると共にY軸方向においてカバープレート410を貫通する溝(貫通溝)である。複数のスリット410bは、例えば、X軸方向において間隔を隔てながら配列されている。
ここで、後述するように、アクチュエータプレート411に設けられている複数のチャネルC1は、インク9が噴射される複数の噴射チャネルC1eと、インク9が噴射されない複数のダミーチャネルC1dとを含んでいる。ここで、複数のダミーチャネルC1dは、本開示の「非噴射チャネル」の一実施形態である。
複数のスリット410bのそれぞれの位置は、例えば、複数の噴射チャネルC1eのそれぞれの位置に対応している。このため、インク導入孔410aは、各スリット410bを介して各噴射チャネルC1eに連通されているが、各ダミーチャネルC1dに連通されていない。複数のダミーチャネルC1dのそれぞれは、インク導入孔410aのうちの非貫通部分(複数のスリット410bが設けられていない部分)により遮蔽されている。
これにより、複数の噴射チャネルC1eに複数のスリット410bを介してインク9が供給されるため、その複数の噴射チャネルC1eにインク9が充填される。これに対して、複数のダミーチャネルC1dにインク9が供給されないため、その複数のダミーチャネルC1dにインク9が充填されない。
なお、カバープレート410は、例えば、後述するアクチュエータプレート411の形成材料と同様の材料を含んでいる。
[アクチュエータプレート]
アクチュエータプレート411は、複数のノズル孔H2からインク9を噴射させるために電気的に駆動する部材である。
具体的には、アクチュエータプレート411は、例えば、図3〜図5に示したように、複数のチャネルC1を有している。複数のチャネルC1のそれぞれは、Z軸方向に延在しており、その複数のチャネルC1は、X軸方向において間隔を隔てながら配列されている。
すなわち、アクチュエータプレート411は、複数のチャネルC1を画定する複数の駆動壁Wdを含んでいる。複数の駆動壁Wdのそれぞれは、Z軸方向に延在しており、その複数の駆動壁Wdは、所定の配列方向(X軸方向)において間隔を隔てながら配列されている。これにより、チャネルC1のうちの一部(噴射チャネルC1e)は、互いに隣り合う2個の駆動壁Wdの間に形成されている。
複数のチャネルC1のそれぞれは、Y軸方向において貫通しないように後述する本体部Bdに設けられた溝(非貫通溝)である。複数のチャネルC1のうち、複数の噴射チャネルC1eのそれぞれは、例えば、インク9に圧力を付与する圧力室として機能する。この圧力室として機能する複数の噴射チャネルC1eを利用して、アクチュエータプレート411は、複数の噴射チャネルC1eに収容されたインク9を噴射させる。
複数のチャネルC1のそれぞれは、Z軸方向において、本体部Bdの一端部(ノズルプレート412に近い側の端部)から、その本体部Bdの他端部(ノズルプレート412から遠い側の端部)に向かって延在している。ただし、複数のダミーチャネルC1dのそれぞれは、例えば、本体部Bdの他端部まで延在しているため、その本体部Bdの他端部において終端している。これに対して、複数の噴射チャネルC1eのそれぞれは、例えば、本体部Bdの他端部まで延在しておらずに、その本体部Bdの途中(一端部と他端部との間の位置)において終端している。
なお、例えば、図3、図4および後述する図18Bに示したように、各噴射チャネルC1eを画定する内壁面C1Mは、ノズルプレート412から遠い側における各噴射チャネルC1eの端部近傍において切り上がっている。
これにより、アクチュエータプレート411は、例えば、一端部側に位置すると共に複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1dの双方が設けられている第1チャネル形成部分411aと、他端部側に位置すると共に複数の噴射チャネルC1eが設けられておらずに複数のダミーチャネルC1dだけが設けられている第2チャネル形成部分411bとを含んでいる。上記した複数の駆動壁Wdは、複数のチャネルC1(複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1d)を画定しているため、上記した第1チャネル形成部分411aに設けられている。
上記したように、各噴射チャネルC1eは、インク9を噴射させるのに対して、各ダミーチャネルC1dは、インク9を噴射させない。複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1dは、例えば、X軸方向において交互に配置されている。
複数の噴射チャネルC1eのそれぞれは、複数のノズル孔H2のそれぞれに連通されているのに対して、複数のダミーチャネルC1dのそれぞれは、複数のノズル孔H2のそれぞれに連通されていない。これにより、上記したように、各噴射チャネルC1eにインク9が充填されるのに対して、各ダミーチャネルC1dにインク9が充填されない。
複数の駆動壁Wdのそれぞれの側面には、Z軸方向に延在する駆動電極Edが設けられている。この駆動電極Edは、噴射チャネルC1eを画定する駆動壁Wdの側壁に設けられた一対のコモン電極Edcと、ダミーチャネルC1dを画定する駆動壁Wdの側壁に設けられた一対のアクティブ電極Edaとを含んでいる。噴射チャネルC1eの内部において互いに対向する一対のコモン電極Edcは、例えば、図示しないコモン端子を介して互いに電気的に接続されている。ダミーチャネルC1dの内部において互いに対向する一対のアクティブ電極Edaは、例えば、図示しないアクティブ端子を介して互いに電気的に接続されている。ただし、図3および図4では、複数の駆動電極Edの図示を省略している。ここで、アクティブ電極Edaは、本開示の「第1駆動電極」の一実施形態であると共に、コモン電極Edcは、本開示の「第2駆動電極」の一実施形態である。
各アクティブ電極Edaは、例えば、カバープレート410とアクチュエータプレート411との界面から駆動壁Wdの側面の途中まで延在しているため、その側面のうちの一部を被覆している。また、各コモン電極Edcは、例えば、カバープレート410とアクチュエータプレート411との界面から駆動壁Wdの側面の途中まで延在しているため、その側面のうちの一部を被覆している。
複数の駆動電極Edおよび回路基板43a(駆動回路43b)は、例えば、フレキシブル基板43cに設けられた図示しない複数の引き出し電極を介して互いに電気的に接続されている。これにより、フレキシブル基板43cを介して駆動回路43bから複数の駆動電極Edに駆動電圧が印加される。この場合には、例えば、コモン電極Edcおよびアクティブ電極Edaのそれぞれに対して、互いに極性が異なる駆動電圧が印加される。図3では、フレキシブル基板43cのうちの一部(複数の駆動電極Edに接続されている部分)の輪郭だけを破線で示していると共に、図4では、フレキシブル基板43cの図示を省略している。
なお、アクチュエータプレート411は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの圧電材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。より具体的には、アクチュエータプレート411は、例えば、Y軸方向における分極方向が一方向となるように設定された1枚の圧電基板である(カンチレバータイプ)。
[ノズルプレート]
ノズルプレート412は、インク9の噴射口である複数のノズル孔H2が設けられた部材である。
このノズルプレート412は、例えば、Z軸方向において互いに反対の方向を向く一対の面(対向面および接着面)を有している。これにより、ノズルプレート412は、例えば、接着面において中間プレート413の一面に接着されていると共に、対向面において記録紙Pに対向する。この対向面には、例えば、インク9の付着などを防止するために、図示しない撥液膜が設けられている。
複数のノズル孔H2は、例えば、X軸方向において間隔を隔てながら配列されている。各ノズル孔H2は、例えば、Z軸方向においてノズルプレート412を貫通する開口(貫通口)であり、アクチュエータプレート411に設けられた各噴射チャネルC1eに連通されている。このため、X軸方向における複数のノズル孔H2の形成ピッチ(互いに隣り合う2個のノズル孔H2間の距離)は、例えば、X軸方向における複数の噴射チャネルC1eの形成ピッチ(互いに隣り合う2個の噴射チャネルC1e間の距離)と同様である。なお、各ノズル孔H2は、例えば、X軸方向における各噴射チャネルC1eの中心に対応する位置に配置されている。これにより、複数の噴射チャネルC1eに充填されたインク9は、複数のノズル孔H2から噴射される。ノズル孔H2からインク9が噴射される方向は、上記したように、各噴射チャネルC1eの延在方向(Z軸方向)と同様の方向である。
ノズル孔H2の開口形状、すなわちZ軸方向から見たノズル孔H2の形状は、特に限定されないが、例えば、円形である。ただし、ノズル孔H2の内径は、例えば、インク9が噴射される方向において次第に小さくなっている。このため、ノズル孔H2は、例えば、テーパ状の貫通口である。このノズル孔H2は、例えば、エキシマレーザ装置などを用いて形成されている。
なお、ノズルプレート412は、例えば、ポリイミドなどの絶縁性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、ノズルプレート412は、例えば、ステンレス鋼(SUS)などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
[支持プレート]
支持プレート413は、カバープレート410、アクチュエータプレート411およびノズルプレート412を支持する部材である。
この支持プレート413は、例えば、図4に示したように、X軸方向に延在する嵌合孔413aを有している。この嵌合孔413aには、例えば、カバープレート410およびアクチュエータプレート411が互いに積層された状態で嵌め込まれる。
なお、支持プレート413は、例えば、嵌合孔413aにカバープレート410およびアクチュエータプレート411が嵌め込まれた状態において、ノズルプレート412に当接されている。これにより、カバープレート410およびアクチュエータプレート411は、支持プレート414により支持されている。
<1−4.液体噴射ヘッドチップのうちの主要部の構成>
次に、インクジェットヘッドチップ41のうちの主要部であるアクチュエータプレート411の構成に関して説明する。
ここでは、図5、図6Aおよび図6Bを参照しながら、アクチュエータプレート411の詳細な構成に関して説明する。図6Aは、図5に示したアクチュエータプレート411の平面構成のうちの一部を拡大していると共に、図6Bは、図5に示したアクチュエータプレート411のうちの断面構成のうちの一部を拡大している。
アクチュエータプレート411は、図5、図6Aおよび図6Bに示したように、複数の駆動壁Wdを含む本体部Bdと、その本体部Bdに設けられた複数の駆動電極Ed(複数のアクティブ電極Edaおよび複数のコモン電極Edc)とを含んでいる。
[本体部]
本体部Bdは、アクチュエータプレート411のうちの複数のチャネルC1が設けられている部分である。
複数の駆動壁Wdは、上記したように、X軸方向において間隔を隔てながら配列されているため、その複数の駆動壁Wdにより複数のチャネルC1(複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1d)が画定されている。これにより、複数のチャネルC1は、上記したように、複数の駆動壁Wdと同様にX軸方向において間隔を隔てながら配列されている。この場合には、上記したように、複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1がX軸方向において交互に配置されている。
本体部Bdに設けられている複数のチャネルC1のそれぞれは、上記したように、非貫通溝である。このため、各駆動壁Wdは、図6Bに示したように、一側面M1、他側面M2および上面M3を有している。
一側面M1は、駆動壁Wdが有する2つの側面のうちの一方であると共に、他側面M2は、上記した2つの側面のうちの他方である。このため、一側面M1および他側面M2は、複数の駆動壁Wdの配列方向(X軸方向)において互いに反対の方向を向いている。上面M3は、一側面M1および他側面M2のそれぞれに連結されている。これにより、複数の駆動壁Wdのそれぞれの断面形状は、上記した一側面M1、他側面M2および上面M3により画定されている。ここで、一側面M1は、本開示の「第1端面」の一実施形態である。他側面M2は、本開示の「第2端面」の一実施形態である。上面M3は、本開示の「第3端面」の一実施形態である。
XY面に沿った駆動壁Wdの断面の形状は、特に限定されないが、例えば、矩形(長方形)である。
ここで、複数の駆動壁Wdは、上記したように、複数のチャネルC1を画定している。このため、一側面M1および他側面M2のそれぞれは、複数のチャネルC1を画定しており、より具体的には、噴射チャネルC1eおよびダミーチャネルC1dのいずれかを画定している。
駆動壁Wdが有する2つの側面と一側面M1および他側面M2との対応関係は、その2つの側面とチャネルC1の種類(噴射チャネルC1eおよびダミーチャネルC1d)との関係に応じて決定される。
ここでは、例えば、一側面M1は、ダミーチャネルC1dを画定する駆動壁Wdの側面である。この場合には、互いに隣り合う2個の駆動壁Wdにより、ダミーチャネルC1dが画定されている。このため、ダミーチャネルC1dを画定している一方の駆動壁Wdの側面(一側面M1)に駆動電極Edが設けられていると共に、ダミーチャネルC1dを画定している他方の駆動壁Wdの側面(一側面M1)に駆動電極Edが設けられている。これにより、ダミーチャネルC1dの内部では、一方の駆動壁Wdの一側面M1に設けられた駆動電極Edと他方の駆動壁Wdの一側面M1に設けられた駆動電極Edとが互いに対向している。
また、例えば、他側面M2は、噴射チャネルC1eを画定する駆動壁Wdの側面である。この場合には、互いに隣り合う2個の駆動壁Wdにより、噴射チャネルC1eが画定されている。このため、噴射チャネルC1eを画定している一方の駆動壁Wdの側面(他側面M2)に駆動電極Edが設けられていると共に、噴射チャネルC1eを画定している他方の駆動壁Wdの側面(他側面M2)に駆動電極Edが設けられている。これにより、噴射チャネルC1eの内部では、一方の駆動壁Wdの他側面M2に設けられた駆動電極Edと他方の駆動壁Wdの他側面M2に設けられた駆動電極Edとが互いに対向している。
[駆動電極]
駆動電極Edは、複数の噴射チャネルC1eを圧力室として機能させるために、駆動壁Wdを電気的に駆動(変形)させる電極である。
複数の駆動電極Edのそれぞれは、図6Aに示したように、複数のチャネルC1のそれぞれの延在方向(Z軸方向)と同様の方向に延在するように、一側面M1および他側面M2のそれぞれに設けられている。
ただし、複数の駆動電極Edは、一側面M1のうちの一部だけを被覆していてもよいし、その一側面M1の全体を被覆していてもよい。また、複数の駆動電極Edは、他側面M2のうちの一部だけを被覆していてもよいし、その他側面M2の全体を被覆していてもよい。ここでは、一側面M1に設けられている複数の駆動電極Edは、例えば、その一側面M1のうちの一部だけを被覆していると共に、他側面M2に設けられている複数の駆動電極Edは、その他側面M2のうちの一部だけを被覆している。
各駆動電極Edが一側面M1のうちの一部を被覆している範囲は、特に限定されない。ここでは、例えば、Y軸方向における駆動壁Wdの寸法(高さ)がH1である場合、そのY軸方向において各駆動電極Edが一側面M1のうちの一部を被覆している範囲の寸法(高さ)H2は、H2=H1/2という関係を満たしている。
上記した高さH1,H2に関する関係は、例えば、各駆動電極Edが他側面M2のうちの一部を被覆している範囲に関しても同様である。
ここで、複数の駆動電極Edは、複数の駆動壁Wdを電気的に駆動させるために、上記したように、複数のアクティブ電極Edaおよび複数のコモン電極Edcを含んでいる。
ここでは、例えば、上記したように、一側面M1がダミーチャネルC1dを画定しているため、そのダミーチャネルC1dを画定している駆動壁Wdの側面(一側面M1)に設けられている駆動電極Edは、アクティブ電極Edaである。これにより、ダミーチャネルC1dの内部では、一対のアクティブ電極Edaが互いに対向している。
また、例えば、上記したように、他側面M2が噴射チャネルC1eを画定しているため、その噴射チャネルC1eを画定している駆動壁Wdの側面(他側面M2)に設けられている駆動電極Edは、コモン電極Edcである。これにより、噴射チャネルC1eの内部では、一対のコモン電極Edcが互いに対向している。
なお、コモン電極Edcは、例えば、ノズルプレート412から遠い側における噴射チャネルC1eの端部近傍から本体部Bdの上面に引き出された上面引き出し部Edc1を含んでいる。
(アクティブ電極)
アクティブ電極Edaは、図6Bに示したように、一側面M1のうちの一部から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆しているため、一側面M1および上面M3のそれぞれに沿うように連続的に延在している。これにより、XY面に沿ったアクティブ電極Edaの断面の形状は、途中で折れ曲がった形状である。
アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆しているのは、そのアクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、そのアクティブ電極Edaを用いた駆動壁Wdの駆動動作が安定に維持されるからである。
詳細には、アクティブ電極Edaが上面M3まで被覆しておらずに一側面M1だけを被覆している場合には、駆動壁Wdのうちの1つの面(一側面M1)、すなわち1つの平坦な領域だけがアクティブ電極Edaにより被覆されるため、その平坦な領域だけにアクティブ電極Edaが密着される。この場合には、駆動壁Wdに対するアクティブ電極Edaの密着力が不十分であるため、そのアクティブ電極Edaの形成時、より具体的にはアクティブ電極Edaの形成材料の成膜時などにおいて、駆動壁Wdからアクティブ電極Edaが剥離しやすくなる。アクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離すると、そのアクティブ電極Edaを用いて駆動壁Wdが継続的に駆動されにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作が安定に維持されにくくなる。もちろん、アクティブ電極Edaは、そのアクティブ電極Edaの形成時に限らず、そのアクティブ電極Edaの形成後(プリンタ1の使用時)においても駆動壁Wdから剥離しやすくなる。
これに対して、アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆している場合には、駆動壁Wdのうちの2つの面(一側面M1および上面M3)、すなわち途中で折れ曲がった領域がアクティブ電極Edaにより被覆されるため、その途中で折れ曲がった領域にアクティブ電極Edaが密着される。この場合には、駆動壁Wdに対するアクティブ電極Edaの密着力が高くなるため、そのアクティブ電極Edaの形成時(成膜時)などにおいて、駆動壁Wdからアクティブ電極Edaが剥離しにくくなる。これにより、アクティブ電極Edaを用いて駆動壁Wdが継続的に駆動されやすくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作が安定に維持されやすくなる。
特に、アクティブ電極Edaは、後述するように、コモン電極Edcとは異なり、実質的に駆動壁Wdを駆動させる電極である。このため、アクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなることにより、コモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなる場合と比較して、駆動電極Ed(アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edc)を用いた駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。
アクティブ電極Edaの形成材料は、特に限定されないため、そのアクティブ電極Edaの形成方法などとの関係において、任意に設定可能である。具体的には、アクティブ電極Edaの形成材料は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)およびアルミニウム(Al)などの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上などである。ただし、アクティブ電極Edaは、例えば、単層でもよいし、多層でもよい。アクティブ電極Edaが多層である場合には、例えば、各層が互いに異なる種類の金属材料を含んでいてもよい。
中でも、アクティブ電極Edaは、湿式めっき法を用いて形成されていることが好ましい。すなわち、アクティブ電極Edaは、めっき膜であることが好ましい。アクティブ電極Edaがめっき膜であることが好ましいのは、例えば、湿式めっき法を用いることにより、一側面M1だけでなく上面M3まで十分に被覆するようにアクティブ電極Edaが容易かつ安定に形成されやすくなるからである。
なお、上記したように、カバープレート410およびアクチュエータプレート411は、互いに重ねられている。このため、アクティブ電極Edaのうちの一部、すなわちアクティブ電極Edaのうちの上面M3を被覆している部分Taは、例えば、図5に示したように、駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれている。
部分Taが駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれているのは、その部分Taが駆動壁Wdおよびカバープレート410により挟持されるため、プリンタ1(インクジェットヘッドチップ41)の使用時などにおいて、アクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなるからである。これにより、駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。
(コモン電極)
なお、コモン電極Edcは、アクティブ電極Edaと同様の構成を有していてもよいし、アクティブ電極Edaと異なる構成を有していてもよい。コモン電極Edcがアクティブ電極Edaと異なる構成を有していても、そのアクティブ電極Edaが上記した構成(上面M3まで被覆している構成)を有していれば、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcがいずれも上記した構成を有していない場合と比較して、駆動壁Wdの駆動動作が安定に維持されやすくなるからである。
ここでは、例えば、図6Bに示したように、コモン電極Edcは、アクティブ電極Edaと同様の構成を有している。すなわち、コモン電極Edcは、例えば、他側面M2のうちの一部から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆しているため、他側面M2および上面M3のそれぞれに沿うように連続的に延在している。XY面に沿ったコモン電極Edcの断面の形状は、途中で折れ曲がった形状である。
コモン電極Edcが他側面M2だけでなく上面M3まで被覆していると、アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆している場合と同様の理由により、そのコモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなる。これにより、駆動電極Ed(アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edc)を用いた駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。
なお、コモン電極Edcの形成材料は、特に限定されないため、そのコモン電極Edcの形成方法などとの関係において、任意に設定可能である。コモン電極Edcの形成材料に関する詳細は、例えば、上記したアクティブ電極Edaの形成材料に関する詳細と同様である。ただし、コモン電極Edcの形成材料およびアクティブ電極Edaの形成材料は、互いに同じでもよいし、互いに異なってもよい。
中でも、コモン電極Edcは、上記したアクティブ電極Edaと同様に、めっき膜であることが好ましい。コモン電極Edcがめっき膜であると、アクティブ電極Edaがめっき膜である場合と同様の理由により、他側面M2だけでなく上面M3まで十分に被覆するようにコモン電極Edcが容易かつ安定に形成されやすくなる。
なお、コモン電極Edcのうちの一部、すなわちコモン電極Edcのうちの上面M3を被覆している部分Tcは、例えば、図5に示したように、上記した部分Taと同様に、駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれている。部分Tcが駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれていると、部分Taが駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれている場合と同様の理由により、プリンタ1の使用時などにおいてコモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなるからである。
(非被覆空間)
ただし、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcは、例えば、図5、図6Aおよび図6Bに示したように、互いに離間されている。このため、アクティブ電極Edaとコモン電極Edcとの間には、例えば、上面M3のうちの一部を露出させるための非被覆空間Sが設けられている。
より具体的には、上記したように、アクティブ電極Edaは上面M3のうちの一部を被覆していると共に、コモン電極Edcも上面M3のうちの一部を被覆している。しかしながら、アクティブ電極Edaのうちの上面M3を被覆している部分Taとコモン電極Edcのうちの上面M3を被覆している部分Tcとは、互いに連結されておらずに、互いに離間されている。
アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcが非被覆空間Sを介して互いに離間されているのは、アクティブ電極Edaとコモン電極Edcとが互いに接続されることに起因した短絡の発生を防止するためである。
X軸方向における非被覆空間Sの寸法(幅)Wは、特に限定されないため、任意に設定可能である。
[接着剤]
カバープレート410およびアクチュエータプレート411は、例えば、図5に示したように、接着剤Dを用いて互いに貼り合わされている。
具体的には、例えば、図5、図6Aおよび図6Bに示したように、カバープレート410とアクチュエータプレート411とを互いにを重ね合わせた場合に生じる空間、すなわち非被覆空間Sに接着剤Dが供給されている。これにより、カバープレート410およびアクチュエータプレート411は、例えば、非被覆空間Sに充填された接着剤Dを介して互いに貼り合わされている。
非被覆空間Sに供給された接着剤Dを介してカバープレート410およびアクチュエータプレート411が互いに貼り合わされているのは、その非被覆空間S以外の場所に供給された接着剤Dを介してカバープレート410およびアクチュエータプレート411が互いに貼り合わされる場合と比較して、駆動壁Wdの駆動動作が安定化するからである。
詳細には、カバープレート410にアクチュエータプレート411が密接された状態において、そのカバープレート410にアクチュエータプレート411を固定するためには、十分な量の接着剤Dを用いてカバープレート410とアクチュエータプレート411とを互いに貼り合わせることが望ましい。
しかしながら、非被覆空間S以外の場所に接着剤Dが供給される場合には、その接着剤Dの量が十分に多くなると、その接着剤Dの存在に起因して、カバープレート410とアクチュエータプレート411との間の距離が大きくなりすぎると共に、その距離がばらつきやすくなる。この場合には、カバープレート410からアクチュエータプレート411に至るインク9の流路長が大きくなりすぎると共に、その流路長がばらつきやすくなる。これにより、接着剤Dを介してカバープレート410がアクチュエータプレート411に強固に固定される一方で、駆動壁Wdの駆動動作が安定化しにくくなる。
これに対して、非被覆空間Sに接着剤Dが供給される場合には、その接着剤Dの量が十分に多くなっても、その接着剤Dが非被覆空間Sから溢れない限り、その接着剤Dの存在はカバープレート410とアクチュエータプレート411との間の距離に影響を及ぼさない。この場合には、十分な量の接着剤Dを用いても、カバープレート410とアクチュエータプレート411との間の距離が大きくなりすぎないと共に、その距離がばらつきにくくなる。これにより、カバープレート410からアクチュエータプレート411に至るインク9の流路長が小さくなると共に、その流路長がばらつきにくくなる。よって、駆動壁Wdの駆動動作が安定化しながら、接着剤Dを介してカバープレート410がアクチュエータプレート411に強固に固定される。
なお、接着剤Dは、例えば、図5に示したように、非被覆空間Sに供給されるだけでなく、カバープレート410とアクチュエータプレート411とを互いに重ね合わせた際に生じる隙間Gに供給されてもよい。接着剤Dが非被覆空間Sだけでなく隙間Gにも供給されていると、その接着剤Dを介してカバープレート410がアクチュエータプレート411により強固に固定されるからである。
<1−5.動作>
次に、プリンタ1の動作に関して説明する。以下では、プリンタ1の動作に関して説明したのち、そのプリンタ1のうちの主要部であるインクジェットヘッド4の動作に関して説明する。
[プリンタの動作]
このプリンタ1では、例えば、以下の手順により、記録紙Pに画像などが記録される。
初期状態(記録前の準備状態)では、図1に示したように、4個のインクタンク3(3Y,3M,3C,3B)に互いに異なる4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)のインク9が収容されている。
各インクタンク3に収容されているインク9は、いわゆる水頭差を利用して、供給チューブ50を介して圧力緩衝器42bに供給されている。これにより、インクジェットヘッド4では、インク連結管42cおよび流路部材42aを介してインク導入孔410aにインク9が供給されているため、そのインク9がスリット410bを介して噴射チャネルC1eに充填されている。
この初期状態において、プリンタ1が稼働すると、搬送機構2a,2bのそれぞれのグリッドローラ21が回転するため、グリッドローラ21およびピンチローラ22により記録紙Pが搬送方向Dに搬送される。この場合には、駆動機構63(駆動モータ633)が駆動するため、プーリ631a,631bのそれぞれが回転することにより、ベルト632が作動する。また、キャリッジ62がガイドレール61a,61bを介して搬送方向Dと交差する方向において往復移動する。これにより、4個のインクジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4B)から記録紙Pに4色のインク9が噴射されるため、その記録紙Pに画像が記録される。
[インクジェットヘッドの動作]
このインクジェットヘッド4では、例えば、以下の手順により、せん断(シェア)モードを用いて記録紙Pにインク9が噴射される。
最初に、キャリッジ62が往復移動すると、図2〜図6Aおよび図6Bに示したように、駆動回路43bは、フレキシブル基板43cを介して、アクチュエータプレート411に設けられた複数の駆動電極Edに駆動電圧を印加する。より具体的には、駆動回路43bは、複数の駆動電極Ed(複数のアクティブ電極Edaおよび複数のコモン電極Edc)のうちの複数のアクティブ電極Edaに駆動電圧を印加する。これにより、噴射チャネルC1eを画定している一対の駆動壁Wdは、その噴射チャネルC1eに隣接されている2個のダミーチャネルC1dに向かって突出するように変形する。
ここで、上記したように、アクチュエータプレート411は、Y軸方向における分極方向が一方向となるように設定された1枚の圧電基板である。また、アクティブ電極Edaは、一側面M1のうちの一部だけを被覆していると共に、コモン電極Edcは、他側面M2のうちの一部だけを被覆している。この場合には、各アクティブ電極Edaに駆動電圧が印加されることにより、いわゆる圧電厚み滑り効果を利用して各駆動壁WdがY軸方向において屈曲変形する。これにより、各噴射チャネルC1eは、上記した各駆動壁Wdの屈曲変形を利用して、あたかも膨らむように変形する。
各駆動壁Wdの屈曲変形を利用して、各噴射チャネルC1eの容積が増大する。これにより、インク導入孔410aに供給されたインク9は、各スリット410bを介して各噴射チャネルC1eに誘導される。
続いて、各噴射チャネルC1eに誘導されたインク9は、圧力波として各噴射チャネルC1eの内部に伝播する。この場合には、ノズルプレート410に設けられたノズル孔H2に圧力波が到達したタイミングにおいて、各アクティブ電極Edaに印加される駆動電圧がゼロ(0V)になる。これにより、屈曲変形した各駆動壁Wdが元の状態に戻るため、各噴射チャネルC1eの容積が元に戻る。
最後に、各噴射チャネルC1eの容積が元に戻ると、各噴射チャネルC1eの内部において圧力が増加するため、各噴射チャネルC1に誘導されたインク9が加圧される。これにより、各ノズル孔H2から外部(記録紙P)に液滴状のインク9が噴射される。
この場合には、例えば、上記したように、各ノズル孔H2がテーパ状の貫通口であるため、インク9の噴射速度が増加すると共に、そのインク9の直進性が向上する。これにより、記録紙Pに記録される画像などの品質が向上する。
<1−6.製造方法>
次に、プリンタ1の製造方法に関して説明する。ここでは、インクジェットヘッドチップ41のうちの主要部であるアクチュエータプレート411の形成工程に関して説明する。
図7Aおよび図7B〜図10A〜図10Bは、アクチュエータプレート411の形成工程を表している。ただし、図7A、図8A、図9Aおよび図10Aのそれぞれは、図6Aに対応する平面構成を示していると共に、図7B、図8B、図9Bおよび図10Bのそれぞれは、図6Bに対応する断面構成を示している。
アクチュエータプレート411を形成する場合には、最初に、図7Aおよび図7Bに示したように、基体100を準備する。この基体100は、後工程において複数のチャネルC1が形成されることにより、本体部Bdになる。
図7A中に破線で示した複数のチャネル形成領域Rは、後工程において複数のチャネルC1(複数の噴射チャネルC1eおよび複数のダミーチャネルC1d)が形成される領域を表している(図9Aおよび図9B参照)。このため、複数のチャネル形成領域Rの構成は、複数のチャネルC1の構成に対応している。
具体的には、複数のチャネル形成領域Rのそれぞれは、Z軸方向に延在していると共に、その複数のチャネル形成領域Rは、所定の配列方向(X軸方向)において間隔を隔てながら配列されている。特に、複数の噴射チャネルC1eに対応する複数のチャネル形成領域R1のそれぞれの平面形状は、例えば、X軸方向の寸法(幅W1)およびZ軸方向の寸法(長さL1)により画定される矩形(長方形)である。また、複数のダミーチャネルC1dに対応する複数のチャネル形成領域Rのそれぞれは、上記した幅W1を有している。
続いて、図8Aおよび図8Bに示したように、基体100の上に、複数の開口部101Kを有するマスク101を形成する。
マスク101の種類は、複数の開口部101Kが設けられたパターン形成物であれば、特に限定されない。具体的には、マスク101は、例えば、レジストパターンである。
ここでは具体的に図示しないが、レジストパターンであるマスク101の形成手順は、例えば、以下の通りである。最初に、基体100の表面にフォトレジストを塗布したのち、そのフォトレジストを加熱することにより、フォトレジスト層を形成する。続いて、フォトレジスト層の上に、パターニング用のマスクを配置する。続いて、パターニング用のマスクを用いてフォトレジスト層を選択的に露光する。これにより、複数の開口部101Kが形成されるため、その複数の開口部101Kを有するレジストパターン(マスク101)が形成される。最後に、パターニング用のマスクを除去する。
複数の開口部101Kの構成は、上記した複数のチャネル形成領域Rの構成に対応している。具体的には、複数の開口部101Kのそれぞれは、Z軸方向に延在していると共に、その複数の開口部101Kは、上記した所定の配列方向(X軸方向)において間隔を隔てながら配列されている。特に、複数の噴射チャネルC1eに対応する複数の開口部101Kは、X軸方向の寸法(幅W2)を有している。また、複数のダミーチャネルC1dに対応する複数の開口部101Kのそれぞれは、上記した幅W2を有している。
ただし、マスク101を形成する場合には、例えば、開口部101Kの幅W2をチャネル形成領域Rの幅W1よりも大きくする。これにより、開口部101Kの開口面積をチャネル形成領域Rの面積よりも大きくする。
ここでは、例えば、上記したように、噴射チャネルC1eに対応する開口部101Kにおいて、幅W2が幅W1よりも大きくなると共に、Z軸方向における寸法(長さ)が長さL1よりも大きくなるようにする。また、例えば、上記したように、ダミーチャネルC1dに対応する開口部101Kにおいて、幅W2が幅W1よりも大きくなると共に、長さが長さL1よりも大きくなるようにする。
この場合には、例えば、X軸方向における一方側(例えば、右側)において、開口部101Kを画定するマスク101の端縁(開口端)がチャネル形成領域Rの外縁よりも外側にシフトすると共に、そのX軸方向における他方側(例えば、左側)において、マスク101の開口端がチャネル形成領域Rの外縁よりも外側にシフトするようにする。これにより、X軸方向における両側においてチャネル形成領域Rが拡張された領域に相当するように、開口部101Kを形成する。
また、マスク101を形成する場合には、例えば、上面引き出し部Edc1のうちの一部をZ軸方向において噴射チャネルC1eよりも外側に待避させるために、その噴射チャネルC1eに対応する開口部101Kの内部に孤立パターン部101Aを設ける。この場合には、例えば、Z軸方向において孤立パターン部101Aの端部の位置とチャネル形成領域Rの外縁の位置とを互いに一致させる。
続いて、マスク101が設けられた基体100を部分的に除去することにより、図9Aおよび図9Bに示したように、複数のチャネルC1を形成する。これにより、複数のチャネルC1を有する本体部Bdが形成される。
この場合には、X軸方向において複数の開口部101Kのそれぞれよりも内側の領域(各チャネル形成領域R)を途中まで掘り下げる。これにより、X軸方向において間隔を隔てながら配列されると共に、上記した一側面M1、他側面M2および上面M3を有するように、複数の駆動壁Wdが形成される。よって、複数の駆動壁Wdにより複数のチャネルC1が画定される。
基体100を部分的に除去する方法は、その基体100をY軸方向において貫通しないように途中まで掘り下げることが可能な方法のうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。中でも、基体100を切削加工する方法が好ましい。切削加工する方法が好ましいのは、細長いチャネル形領域Rにおいて基体100が効率よく短時間で除去されるため、複数のチャネルC1が容易かつ高精度に形成されるからである。切削加工に用いる加工機の種類は、特に限定されないが、例えば、ダイサーなどである。
複数のチャネルC1を有する本体部Bdが形成される場合には、図9Bから明らかなように、各駆動壁Wdにおいて、上面M3のうちの一部(略中央部)だけがマスク101により被覆される。これにより、X軸方向におけるマスク101の両側(一側面M1に近い側および他側面M2に近い側)において上面M3が露出する。
続いて、マスク101を用いて、本体部Bdの表面に駆動電極Edの形成材料(電極材料)を成膜することにより、図10Aおよび図10Bに示したように、その電極材料を含む電極膜Fを形成する。この場合には、本体部Bdの表面に電極材料が成膜されるだけでなく、孤立パターン部101Aを含むマスク101の表面にも電極材料が成膜される。
これにより、各駆動壁Edでは、一側面M1から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆するように電極膜F1が形成されると共に、他側面M2から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆するように電極膜F2が形成される。また、孤立パターン部101Aを含むマスク101の表面を被覆するように電極膜F3が形成される。
電極膜F1を形成する場合には、例えば、電極材料の成膜量を調整することにより、その電極膜F1が一側面M1のうちの一部を被覆するようにする。また、電極膜F2を形成する場合には、例えば、電極材料の成膜量を調整することにより、その電極膜F2が他側面M2のうちの一部を被覆するようにする。電極材料の成膜量は、例えば、電極材料の成膜時間などの条件に応じて調整可能である。
電極材料の成膜方法は、マスク101を用いて電極材料を選択的に成膜することが可能な方法のうちのいずれか1種類または2種類以上であれば、特に限定されない。具体的には、成膜方法は、例えば、蒸着法、化学気相成長(CVD)法、スパッタリング法、電解めっき法および無電解めっき法などである。ただし、めっき法は、例えば、湿式めっき法に限られず、乾式めっき法でもよい。中でも、湿式めっき法が好ましい。湿式めっき法が好ましいのは、電極材料の成膜工程においてめっき膜が成長することにより、一側面M1、他側面M2および上面M3のそれぞれを十分に被覆するように電極膜Fが容易に形成されやいからである。
最後に、孤立パターン部101Aを含むマスク101を除去する。この場合には、マスク101と一緒に電極膜F3を除去することにより、電極膜F1,F2だけを残存させる。
これにより、図6Aおよび図6Bに示したように、残存した電極膜Fにより駆動電極Edが形成される。具体的には、電極膜F1により、一側面M1のうちの一部から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆するようにアクティブ電極Eacが形成されると共に、電極膜F2により、他側面M2のうちの一部から上面M3のうちの一部に至る範囲を被覆するようにコモン電極Edcが形成される。
この場合には、マスク101が存在していた場所では上面M3が電極膜Fにより被覆されていなかったため、そのマスク101が除去されることにより、非被覆空間Sが形成される。これにより、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcは、非被覆空間Sを介して互いに離間される。
孤立パターン部101Aが存在していた場所では、その孤立パターン部101Aの表面を被覆するように電極膜F3が形成されるため、その電極膜F3が孤立パターン部101Aと一緒に除去されることにより、上面引き出し部Edc1のうちの一部がZ軸方向において噴射チャネルC1eよりも外側に待避する。
よって、本体部Bdに複数の駆動電極Ed(複数のアクティブ電極Eacおよび複数のコモン電極Edc)が設けられるため、その本体部Bdおよび複数の駆動電極Edを含むアクチュエータプレート411が完成する。
<1−7.作用および効果>
最後に、プリンタ1およびその製造方法の作用および効果に関して説明する。
[プリンタに関する作用および効果]
このプリンタ1では、アクチュエータプレート411において駆動壁Wdに駆動電極Edが設けられており、その駆動電極Edが一側面M1または他側面M2だけでなく上面M3も被覆している。この場合には、上記したように、駆動電極Edが上面M3まで被覆しておらずに一側面M1または他側面M2だけを被覆している場合と比較して、駆動壁Wdに対する駆動電極Edの密着力が向上する。これにより、駆動電極Edの形成時などにおいて、その駆動電極Edが駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、その駆動電極Edを用いて駆動壁Wdが継続的に駆動しやすくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作が安定に維持されるため、優れた噴射特性を得ることができる。
特に、駆動電極Edにより被覆されている一側面M1がダミーチャネルC1dを画定していれば、その駆動電極Edは、いわゆるアクティブ電極Edaである。この場合には、実質的にアクチュエータプレート411を駆動させるアクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、コモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなる場合と比較して、その駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作がより安定に維持されるため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、アクティブ電極Edaがめっき膜であれば、一側面M1だけでなく上面M3まで十分に被覆するようにアクティブ電極Edaが容易かつ安定に形成されると共に、そのアクティブ電極Edaが駆動壁Wdに対して十分に密着する。これにより、アクティブ電極Edaが駆動壁Wdからさらに剥離しにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作がさらに安定に維持されやすくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作がさらに安定に維持されるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、駆動電極Edにより被覆されている他側面M2が噴射チャネルC1eを画定していれば、その駆動電極Edは、いわゆるコモン電極Edcである。この場合には、アクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなるだけでなく、コモン電極Edaも駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作がより安定化するため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、コモン電極Edcがめっき膜であれば、他側面M2だけでなく上面M3まで十分に被覆するようにコモン電極Edcが容易かつ安定に形成されると共に、そのコモン電極Edcが駆動壁Wdに対して十分に密着する。これにより、コモン電極Edcが駆動壁Wdからさらに剥離しにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作がさらに安定に維持されやすくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作がさらに安定に維持されるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、アクティブ電極Edaのうちの一部(部分Ta)が駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれていれば、その部分Taが駆動壁Wdおよびカバープレート410により挟持される。これにより、プリンタ1の使用時などにおいてアクティブ電極Edaが駆動壁Wdからより剥離しにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作がより安定に維持されやすくなる。よって、アクティブ電極Edaを用いたアクチュエータプレート411の駆動動作がより安定化するため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、コモン電極Edcのうちの一部(部分Tc)も駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれていれば、その部分Tcが駆動壁Wdおよびカバープレート410により挟持される。よって、上記した部分Taが駆動壁Wdとカバープレート410とにより挟まれている場合と同様の理由により、プリンタ1の使用時などにおいてコモン電極Edcが駆動壁Wdからより剥離しにくくなるため、その駆動壁Wdの駆動動作がさらに安定に維持されやすくなる。よって、コモン電極Edcを用いたアクチュエータプレート411の駆動動作がより安定化するため、より高い効果を得ることができる。
また、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcが非被覆空間Sを介して互いに離間されていれば、アクティブ電極Edaとコモン電極Edcとが互いに接続されることに起因した短絡の発生が防止されるため、より高い効果を得ることができる。
この場合には、非被覆空間Sに供給された接着剤Dを介してアクチュエータプレート411とカバープレート410とが互いに貼り合わされていれば、その非被覆空間Sに供給された十分な量の接着剤Dを介してアクチュエータプレート411とカバープレート410とが互いに強固に接着される。しかも、十分な量の接着剤Dを用いた場合においても、アクチュエータプレート411とカバープレート410との間の距離が大きくなりすぎないと共に、その距離がばらつきにくくなる。よって、アクチュエータプレート411の駆動動作がより安定化するため、より高い効果を得ることができる。
上記した一連のプリンタ1に関する作用および効果は、インクジェットヘッドチップ41およびインクジェットヘッド4のそれぞれにおいても同様に得られる。
[プリンタの製造方法に関する作用および効果]
また、プリンタ1(インクジェットヘッドチップ41)の製造方法では、マスク101に設けられた複数の開口部101Kのそれぞれよりも内側の領域(チャネル形成領域Rのそれぞれ)において基体100を部分的に除去することにより、複数のチャネルC1が画定された本体部Bdを形成したのち、そのマスク101を用いて電極材料を成膜することにより、その電極材料を含む駆動電極Ed(アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edc)を形成している。
この場合には、各チャネルC1の幅W1よりも各開口部101Kの幅W2が大きくなるように調整するだけで、上面M3まで被覆するようにアクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcのそれぞれが既存の方法を用いて容易に形成される。よって、優れた噴射特性が得られるインクジェットヘッドチップ41を製造することができる。
特に、基体100を部分的に除去する際に、その基体100を切削加工すれば、細長いチャネル形領域Rにおいて基体100が効率よく短時間で除去される。よって、複数のチャネルC1が容易かつ高精度に形成されるため、より高い効果を得ることができる。
また、電極材料を成膜するために、湿式めっき法を用いて電極材料を成膜すれば、一側面M1、他側面M2および上面M3のそれぞれを十分に被覆するように電極膜Fが容易に形成されると共に、その電極膜Fが駆動壁Wdに対して十分に密着するため、より高い効果を得ることができる。
特に、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、以下で説明する観点においても利点が得られる。
図11Aおよび図11Bは、比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法を説明するために、図9Aおよび図9Bに対応する平面構成および断面構成を表している。
図12は、比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法に関する課題を説明するために、図6Bのうちの一部に対応する断面構成を表している。図13は、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法に関する利点を説明するために、図6Bのうちの一部に対応する断面構成を表している。ただし、図12および図13のそれぞれでは、マスク101を用いて電極材料が成膜されることにより、電極膜F(F1〜F3)が形成された状態を示している。
比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法は、例えば、図11Aおよび図11Bに示したように、開口部101Kの幅W2をチャネル形成領域Rの幅W1に等しくすることを除いて、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法と同様である。
この比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、図12に示したように、上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆するように電極膜F1(アクティブ電極Eda)が形成されると共に、上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆するように電極膜F2(コモン電極Edc)が形成される。この場合には、上記したように、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcのそれぞれが駆動壁Wdから剥離しやすくなるだけでなく、短絡が発生しやすくなるため、インクジェットヘッドチップ41の正常な動作を担保しにくくなる可能性がある。
詳細には、幅W2が幅W1に等しい場合(図11Aおよび図11B)には、開口部101Kを画定するマスク101の開口端の位置とチャネル形成領域Rの外縁の位置とが互いに一致している。この場合には、複数のチャネルC1を形成するために基体100を部分的に除去する工程において、その除去処理時の負荷(いわゆる加工負荷)がマスク101に及びやすくなる。これにより、図12に示したように、マスク101では、上面M3を被覆していた部分101Xが加工負荷に起因して浮きやすくなるため、その部分101Xと上面M3との間に空間Yが生じやすくなる。
この空間Yが生じると、例えば、電極材料の成膜方法として湿式めっき法を用いた場合において、部分101Xと駆動壁Wdとの間の隙間Gを通じて空間Yの内部にめっき液が浸入しやすくなるため、その空間Yの内部に不要な電極膜Zが形成されやすくなる。この電極膜Zが成長すると、アクティブ電極Edaとコモン電極Edcとが意図せずに電極膜Zを介して互いに電気的に接続されるため、短絡が発生しやすくなる。短絡が発生すると、インクジェットヘッドチップ41の噴射特性が低下するどころか、そのインクジェットヘッドチップ41は動作不能になる可能性がある。
これに対して、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、図9Aおよび図9Bに示したように、開口部101Kの幅W2をチャネル形成領域Rの幅W1よりも大きくしている。これにより、図13に示したように、一側面M1だけでなく上面M3まで被覆するように電極膜F1(アクティブ電極Eda)が形成されると共に、他側面M2だけでなく上面M3まで被覆するように電極膜F2(コモン電極Edc)が形成される。
この場合には、幅W2が幅W1よりも大きいため、開口部101Kを画定するマスク101の開口端の位置がチャネル形成領域Rの外縁の位置よりも外側にずれており、すなわち開口端がX軸方向において外縁よりも外側に待避している。これにより、基体100を部分的に除去する工程において、マスク101に加工負荷が及びにくくなる。よって、マスク101では、部分101Xが浮きにくくなるため、その部分101Xと上面M3との間に空間Yが生じにくくなる。
この空間Yが生じにくくなることにより、上記した比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法を用いた場合とは異なり、例えば、電極材料の成膜方法として湿式めっき法を用いても、不要な電極膜Zが形成されにくくなる。これにより、電極膜Zに起因した短絡が発生しにくくなるため、インクジェットヘッドチップ41の正常な動作を担保することができる。
この他、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、さらに、以下で説明する利点も得られる。
比較例のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、図12に示したように、電極膜F1が一側面M1を被覆するだけでなくマスク101の側面も広範囲において被覆する。この場合には、電極膜F3と一緒にマスク101が除去されると、そのマスク101の側面を広範囲において被覆していた電極膜F1のうちの一部も一緒に除去されるため、その電極膜F1が途中でちぎれやすくなる。よって、アクティブ電極Edaの端部にいわゆるバリが発生しやすくなるため、そのバリに起因してアクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しやすくなる。この問題は、電極膜F2(コモン電極Edc)に関しても同様に得られる。
これに対して、本実施形態のインクジェットヘッドチップ41の製造方法では、図13に示したように、電極膜F1が上面M3を被覆すると共にマスク101の側面も僅かに被覆する。この場合には、電極膜F3と一緒にマスク101が除去されても、そのマスク101の側面を被覆していた電極膜F1のうちの一部が一緒に除去されないため、その電極膜F1が途中でちぎれにくくなる。よって、アクティブ電極Edaの端部にバリが発生しにくくなるため、そのアクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなる。この利点は、電極膜F2(コモン電極Edc)に関しても同様に得られる。
<2.変形例>
上記したプリンタ1の構成および製造方法に関しては、適宜、変更可能である。なお、以下で説明する一連の変形例に関しては、任意の2種類以上が互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
図6Aおよび図6Bでは、アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆すると共に、コモン電極Edcが他側面M2だけでなく上面M3まで被覆するようにした。しかしながら、例えば、図6Bに対応する図14に示したように、アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆する一方で、コモン電極Edcが上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆するようにしてもよい。ここで、アクティブ電極Edaは、本開示の「第1駆動電極」の一実施形態である。また、一側面M1は、本開示の「第1端面」の一実施形態であり、他側面M2は、本開示の「第2端面」の一実施形態であり、上面M3は、本開示の「第3端面」の一実施形態である。
図14に示したアクチュエータプレート411の構成は、例えば、上記したように、コモン電極Edcが上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆していることを除いて、図6Bに示したアクチュエータプレート411の構成と同様である。
図14に示したアクチュエータプレート411の形成手順は、例えば、以下で説明することを除いて、図6Bに示したアクチュエータプレート411の形成手順と同様である。
基体100の上にマスク101を形成する場合には、例えば、図8Aに対応する図15Aに示したように、噴射チャネルC1eに対応する開口部101Kにおいて、幅W2が幅W1に等しくなるようにする。一方、ダミーチャネルC1dに対応する開口部101Kでは、図8Aに示した場合と同様に、幅W2が幅W1よりも大きくなるようにする。
このマスク101を用いて電極材料を成膜することにより、例えば、図10Bに対応する図15Bに示したように、噴射チャネルC1eでは、上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆するように電極膜F2が形成されると共に、ダミーチャネルC1dでは、図10Bに示した場合と同様に、一側面M1だけでなく上面M3まで被覆するように電極膜F1が形成される。この電極膜F2は、例えば、上面M3を被覆する代わりに、マスク101の側面を被覆する。
電極材料の成膜後、電極膜F3と一緒にマスク101を除去する。この場合には、マスク101の側面を被覆していた電極膜F2の一部も併せて除去する。これにより、図14に示したように、電極膜F1により、一側面M1だけでなく上面M3も被覆するようにアクティブ電極Edaが形成されると共に、電極膜F2により、上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆するようにコモン電極Edcが形成される。この場合には、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcが非被覆空間Sを介して互いに離間される。
これにより、アクティブ電極Edaが一側面M1だけでなく上面M3まで被覆しているため、上記したように、そのアクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなる。この場合には、アクティブ電極Edaが上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆していると共に、コモン電極Edcも上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆している場合と比較して、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcを用いたアクチュエータプレート411の駆動動作が安定に維持される。よって、図6Bに示した場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
なお、例えば、図6Bに対応する図16に示したように、アクティブ電極Edaが上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆すると共に、コモン電極Edcが他側面M2だけでなく上面M3まで被覆するようにしてもよい。ここで、コモン電極Edcは、本開示の「第1駆動電極」の一実施形態である。また、他側面M2は、本開示の「第1端面」の一実施形態であり、一側面M1は、本開示の「第2端面」の一実施形態であり、上面M3は、本開示の「第3端面」の一実施形態である。
図16に示したアクチュエータプレート411の構成は、例えば、上記したように、アクティブ電極Edaが上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆していることを除いて、図6Bに示したアクチュエータプレート411の構成と同様である。
図16に示したアクチュエータプレート411の形成手順は、例えば、以下で説明することを除いて、図6Bに示したアクチュエータプレート411の形成手順と同様である。
基体100の上にマスク101を形成する場合には、例えば、図8Aに対応する図17Aに示したように、ダミーチャネルC1dに対応する開口部101Kにおいて、幅W2が幅W1に等しくなるようにする。一方、噴射チャネルC1eに対応する開口部101Kでは、図8Bに示した場合と同様に、幅W2が幅W1よりも大きくなるようにする。
このマスク101を用いて電極材料を成膜することにより、例えば、図10Bに対応する図17Bに示したように、ダミーチャネルC1dでは、上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆するように電極膜F1が形成されると共に、噴射チャネルC1eでは、図10Bに示した場合と同様に、他側面M2だけでなく上面M3まで被覆するように電極膜F2が形成される。この電極膜F1は、例えば、上面M3を被覆する代わりに、マスク101の側面を被覆する。
電極材料の成膜後、電極膜F3と一緒にマスク101を除去する。この場合には、マスク101の側面を被覆していた電極膜F1の一部も併せて除去する。これにより、図16に示したように、電極膜F1により、上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆するようにアクティブ電極Edaが形成されると共に、電極膜F2により、他側面M2だけでなく上面M3も被覆するようにコモン電極Edcが形成される。この場合には、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcが非被覆空間Sを介して互いに離間される。
これにより、コモン電極Edcが他側面M2だけでなく上面M3まで被覆しているため、上記したように、そのコモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなる。この場合には、アクティブ電極Edaが上面M3まで被覆せずに一側面M1だけを被覆していると共に、コモン電極Edcも上面M3まで被覆せずに他側面M2だけを被覆している場合と比較して、アクティブ電極Edaおよびコモン電極Edcを用いたアクチュエータプレート411の駆動動作が安定に維持される。よって、図6Bに示した場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
図8Aでは、上記したように、基体100を部分的に除去する工程において、マスク101に加工負荷が及びにくくするために、開口部101Kの幅W2をチャネル形成領域Rの幅W1よりも大きくした。
この場合には、例えば、図8Aに対応する図18Aに示したように、チャネル形成領域Rよりも離れる方向に孤立パターン部101Aの位置をずらしてもよい。
この場合には、マスク101が設けられた基体100を部分的に除去することにより、例えば、図18Aに対応する図18Bに示したように、複数のチャネルC1(噴射チャネルC1e)が形成される。ただし、図18Bでは、YZ面に沿った断面を示している。
これにより、孤立パターン部101Aの端部がZ軸方向においてチャネル形成領域Rの外縁よりも外側に待避する。この場合には、基体100を部分的に除去する工程において、孤立パターン101Aに加工負荷が及びにくくなるため、その孤立パターン101Aが浮きにくくなる。よって、不要な電極膜Z(図12)がより形成されにくくなることにより、短絡がより発生しにくくなるため、インクジェットヘッドチップ41の正常な動作を担保しやすくなる。
ただし、ここでは具体的に図示しないが、孤立パターン部101Aを形成しなくてもよい。この場合には、孤立パターン部101Aの形成場所を被覆するように上面引き出し部Edc1が形成される。
[変形例4]
図6Bでは、上記したように、アクティブ電極Edaが一側面M1のうちの一部を被覆すると共に、コモン電極Edcが他側面M2のうちの一部を被覆するようにした。しかしながら、例えば、図6Bに対応する図19に示したように、アクティブ電極Edaが一側面M1のうちの全体を被覆すると共に、コモン電極Edcが他側面M2のうちの全体を被覆するようにしてもよい。この場合には、例えば、上記したように、電極材料の成膜時間などの条件を調整することにより、アクティブ電極Edaによる一側面M1の被覆範囲を制御可能であると共に、コモン電極Edcによる他側面M2の被覆範囲を制御可能である。なお、図19に示したアクチュエータプレート411は、例えば、Y軸方向における分極方向が互いに異なる方向となるように設定された2枚の圧電基板が積層された積層体である(シェブロンタイプ)。
この場合においても、アクティブ電極Edaが駆動壁Wdから剥離しにくくなると共に、コモン電極Edcが駆動壁Wdから剥離しにくくなるため、図6Bに示した場合と同様の効果を得ることができる。
以上、一実施形態を挙げながら本開示に関して説明したが、本開示の態様は上記した一実施形態において説明された態様に限定されず、種々の変形が可能である。
具体的には、例えば、1個の液体噴射ヘッド(液体噴射ヘッドチップ)が1色の液体(インク)を噴射せずに、その1個の液体噴射ヘッドが互いに異なる複数色(例えば、2色など)の液体を噴射してもよい。
また、例えば、液体噴射ヘッドは、上記したエッジシュートタイプの液体噴射ヘッドに限定されず、サイドシュートタイプの液体噴射ヘッドでもよい。このサイドシュートタイプの液体噴射ヘッドでは、アクチュエータプレートに設けられた各チャネルが特定の方向に延在している場合において、ノズルプレートに設けられた各ノズル孔から各チャネルの延在方向と交差する方向にインクが噴射される。
また、例えば、本開示の液体噴射ヘッドチップ、液体噴射ヘッドおよび液体噴射記録装置のそれぞれが適用される用途は、インクジェットプリンタに限定されず、他の用途でよい。他の用途は、例えば、ファクシミリおよびオンデマンド印刷機などの他の装置である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
所定の配列方向に配列されると共に複数のチャネルを画定する複数の駆動壁を含み、前記複数の駆動壁のそれぞれが、前記配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する、本体部と、
前記第1端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第1駆動電極と、
を含むアクチュエータプレートを備えた、液体噴射ヘッドチップ。
(2)
前記複数のチャネルは、液体を噴射させる複数の噴射チャネルと、前記液体を噴射させない複数の非噴射チャネルとを含み、
前記第1端面は、前記非噴射チャネルを画定している、
上記した(1)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(3)
前記第1駆動電極は、めっき膜である、
上記した(1)または(2)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(4)
さらに、前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第2駆動電極を含み、
前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とが互いに離間されることにより、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記第3端面のうちの一部を露出させるための非被覆空間が設けられている、
上記した(1)ないし(3)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドチップ。
(5)
前記複数のチャネルは、液体を噴射させる複数の噴射チャネルと、前記液体を噴射させない複数の非噴射チャネルとを含み、
前記複数の噴射チャネルおよび前記複数の非噴射チャネルは、前記配列方向において交互に配置されており、
前記第1端面は、前記非噴射チャネルを画定しており、
前記第2端面は、前記噴射チャネルを画定している、
上記した(4)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(6)
前記第1駆動電極および前記第2駆動電極のそれぞれは、めっき膜である、
上記した(4)または(5)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(7)
さらに、前記アクチュエータプレートを被覆するカバープレートを備え、
前記第1駆動電極のうちの前記第3端面を被覆している部分は、前記駆動壁と前記カバープレートとにより挟まれている、
上記した(1)ないし(6)のいずれかに記載の液体噴射ヘッドチップ。
(8)
さらに、前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第2駆動電極を含み、
前記第2駆動電極のうちの前記第3端面を被覆している部分は、前記駆動壁と前記カバープレートとにより挟まれている、
上記した(7)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(9)
前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とが互いに離間されることにより、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記第3端面のうちの一部を露出させるための非被覆空間が設けられており、
前記アクチュエータプレートおよび前記カバープレートは、前記非被覆空間に供給された接着剤を介して互いに貼り合わされている、
上記した(8)に記載の液体噴射ヘッドチップ。
(10)
上記した(1)ないし(9)のいずれかに記載され、液体を噴射する液体噴射ヘッドチップと、
前記液体噴射ヘッドチップに前記液体を供給する供給部と
備えた、液体噴射ヘッド。
(11)
上記した(10)に記載され、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容する収容部と
を備えた、液体噴射記録装置。
(12)
基体の上に、所定の配列方向に配列された複数の開口部を有するマスクを形成し、
前記複数の開口部のそれぞれよりも前記配列方向における内側の領域において前記基体を部分的に除去することにより、前記配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と前記第1端面および前記第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する複数の駆動壁を含むと共に、前記複数の駆動壁により複数のチャネルが画定されるように、本体部を形成し、
前記マスクを用いて、前記マスクの表面および前記複数の駆動壁を含む前記本体部の表面のそれぞれに電極材料を成膜し、
前記電極材料のうちの一部が成膜された前記マスクを除去することにより、前記第1端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面に至る範囲を被覆すると共に前記電極材料を含む第1駆動電極、および前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面に至る範囲を被覆すると共に前記電極材料を含む第2駆動電極のうちの少なくとも一方を形成する、
液体噴射ヘッドチップの製造方法。
(13)
前記基体を切削加工することにより、前記基体を部分的に除去する、
上記した(12)に記載の液体噴射ヘッドチップの製造方法。
(14)
湿式めっき法を用いて前記電極材料を成膜する、
上記した(12)または(13)に記載の液体噴射ヘッドチップの製造方法。
1…プリンタ、3…インクタンク、4…インクジェットヘッド、9…インク、42…供給機構、100…基体、101…マスク、101K…開口部、410…カバープレート、411…アクチュエータプレート、Bd…本体部、C1…チャネル、C1d…ダミーチャネル、C1e…噴射チャネル、Ed…駆動電極、Eda…アクティブ電極、Edc…コモン電極、F(F1〜F3)…電極膜、H2…ノズル孔、M1…一側面、M2…他側面、M3…上面、P…記録紙、S…非被覆空間、Wd…駆動壁。

Claims (14)

  1. 所定の配列方向に配列されると共に複数のチャネルを画定する複数の駆動壁を含み、前記複数の駆動壁のそれぞれが、前記配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と、前記第1端面および前記第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する、本体部と、
    前記第1端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第1駆動電極と、
    を含むアクチュエータプレートを備えた、液体噴射ヘッドチップ。
  2. 前記複数のチャネルは、液体を噴射させる複数の噴射チャネルと、前記液体を噴射させない複数の非噴射チャネルとを含み、
    前記第1端面は、前記非噴射チャネルを画定している、
    請求項1記載の液体噴射ヘッドチップ。
  3. 前記第1駆動電極は、めっき膜である、
    請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドチップ。
  4. さらに、前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第2駆動電極を含み、
    前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とが互いに離間されることにより、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記第3端面のうちの一部を露出させるための非被覆空間が設けられている、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドチップ。
  5. 前記複数のチャネルは、液体を噴射させる複数の噴射チャネルと、前記液体を噴射させない複数の非噴射チャネルとを含み、
    前記複数の噴射チャネルおよび前記複数の非噴射チャネルは、前記配列方向において交互に配置されており、
    前記第1端面は、前記非噴射チャネルを画定しており、
    前記第2端面は、前記噴射チャネルを画定している、
    請求項4記載の液体噴射ヘッドチップ。
  6. 前記第1駆動電極および前記第2駆動電極のそれぞれは、めっき膜である、
    請求項4または請求項5に記載の液体噴射ヘッドチップ。
  7. さらに、前記アクチュエータプレートを被覆するカバープレートを備え、
    前記第1駆動電極のうちの前記第3端面を被覆している部分は、前記駆動壁と前記カバープレートとにより挟まれている、
    請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドチップ。
  8. さらに、前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面のうちの一部に至る範囲を被覆する第2駆動電極を含み、
    前記第2駆動電極のうちの前記第3端面を被覆している部分は、前記駆動壁と前記カバープレートとにより挟まれている、
    請求項7記載の液体噴射ヘッドチップ。
  9. 前記第1駆動電極と前記第2駆動電極とが互いに離間されることにより、前記第1駆動電極と前記第2駆動電極との間に前記第3端面のうちの一部を露出させるための非被覆空間が設けられており、
    前記アクチュエータプレートおよび前記カバープレートは、前記非被覆空間に供給された接着剤を介して互いに貼り合わされている、
    請求項8記載の液体噴射ヘッドチップ。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載され、液体を噴射する液体噴射ヘッドチップと、
    前記液体噴射ヘッドチップに前記液体を供給する供給部と
    備えた、液体噴射ヘッド。
  11. 請求項10に記載され、被記録媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体を収容する収容部と
    を備えた、液体噴射記録装置。
  12. 基体の上に、所定の配列方向に配列された複数の開口部を有するマスクを形成し、
    前記複数の開口部のそれぞれよりも前記配列方向における内側の領域において前記基体を部分的に除去することにより、前記配列方向において互いに反対の方向を向く第1端面および第2端面と前記第1端面および前記第2端面のそれぞれに連結された第3端面とを有する複数の駆動壁を含むと共に、前記複数の駆動壁により複数のチャネルが画定されるように、本体部を形成し、
    前記マスクを用いて、前記マスクの表面および前記複数の駆動壁を含む前記本体部の表面のそれぞれに電極材料を成膜し、
    前記電極材料のうちの一部が成膜された前記マスクを除去することにより、前記第1端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面に至る範囲を被覆すると共に前記電極材料を含む第1駆動電極、および前記第2端面のうちの少なくとも一部から前記第3端面に至る範囲を被覆すると共に前記電極材料を含む第2駆動電極のうちの少なくとも一方を形成する、
    液体噴射ヘッドチップの製造方法。
  13. 前記基体を切削加工することにより、前記基体を部分的に除去する、
    請求項12記載の液体噴射ヘッドチップの製造方法。
  14. 湿式めっき法を用いて前記電極材料を成膜する、
    請求項12または請求項13に記載の液体噴射ヘッドチップの製造方法。
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