JP2019108392A - DPP−4阻害薬とα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せ - Google Patents

DPP−4阻害薬とα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せ Download PDF

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Abstract

【課題】例えば糖尿病患者における、DPP−4阻害薬とα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せであって、α−グルコシダーゼ阻害薬が減らされた量で使用されてもよい組合せを提供する。【解決手段】DPP−4阻害薬とα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せであって、代謝疾患を治療および/または予防すること、あるいは体重コントロールを改善すること、あるいはα−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用を予防することの1つまたは複数における使用のための組合せ。【選択図】図1

Description

本発明は、それを必要とする患者における、例えば糖尿病患者(細小血管または大血管疾患または合併症を有してもよいし、それらのリスクがあってもよい)における、好ましくは肥満もしくは過体重であるか、もしくはそのリスクがある、および/または肝機能もしくは腎機能障害(例えば、軽度、中等度、重度もしくはESRDステージのもの)を有するか、もしくはそのリスクがある、および/または使用される(または、例えば、高齢の対象、および/または腎機能障害を有する対象における)α−グルコシダーゼ阻害薬の用量減少が示されていてもよい/推奨されていてもよい、2型糖尿病患者における、例えば治療法における使用のための、例えば代謝疾患、特に糖尿病、とりわけ2型糖尿病[例えば食後の高血糖および/またはそれに関係する状態(例えば糖尿病合併症、例えば細小血管もしくは大血管疾患、例えば心血管もしくは脳血管疾患、腎症、網膜症またはニューロパチー)を含めた]を治療および/または予防することにおける、ならびに/あるいは体重コントロールを改善すること、体重を減少させること、満腹感を誘発すること、胃内容排出を抑制すること、および/または食物摂取量を減少させることのための使用のための、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)とα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せであって、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬がDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と共投与される場合に、減らされた量および/または低頻回(1日)投与(例えば1日1回、2回または3回、0.2〜0.3mgのような低用量のボグリボース;1日1回、2回または3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のアカルボース;あるいは、1日1回、2回または3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のミグリトール)で存在してもよいし、使用されてもよい組合せに関する。
本発明はさらに、特に対象による食物の摂取量を変更するおよび/または減少させるための、ある種のDPP−4阻害薬[例えば、GLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用であって、特に前記食物が、脂肪および/または炭水化物に富むもの(例えば高カロリーの、口に合う、甘い、および/または脂肪の多い食物)、例えばグリセミック指数が高い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が脂肪に由来する食物である、使用に関する。
現在、世界の多くの地域のライフスタイルは、「脂質を生成する」、座ることの多い、およびカロリー過多の環境の多数の誘惑に関連または起因することが多い、たくさんの食事、およびカロリーの「食間」摂取(例えば、固形食物、スナック、および飲料による)、ならびに運動不足によって特徴付けられる。
このライフスタイルは、しばしば「西洋的ライフスタイル」と呼ばれ、一般に不健康なものと考えられている。我々の食物は以前は、平均10%のタンパク質、30%の脂肪および60%の炭水化物からなっており、その炭水化物の大部分は、ゆっくり吸収される形態の炭水化物であった。現在消費される食物、特に食間のスナックははるかに高い量の、急速に吸収される炭水化物と脂肪を有する。急速に吸収される炭化水素の量はグリセミック指数として、または総炭水化物量の単糖類および二糖類の割合として測定することができる。急速に吸収される炭水化物および/または高脂肪の過剰摂取は、空腹感の低下、およびストレスの上昇をもたらす。また人間には、ストレスまたは月経前緊張症によって高まる場合もある、甘いおよび/または脂肪の多い食物への渇望を有する者もいるし、あるいは彼らは気晴らし食いまたは強迫性食習慣として現れる心理学的な問題を有していることもある。
上記したこの西洋的ライフスタイル、摂食行動、食物もしくは味の好み、および/または心理学的障害の結果として、食物、特に高カロリーの不健康な食物、例えば、ソーダ、ジュース、チョコレートミルク、加糖コーヒー、キャンディー、チョコレート、ケーキ、ビスケット、クラッカー、フレンチフライ、バーガー、ジャムもしくはゼリーまたは蜂蜜のかかった白いパン、チップス、甘くて脂肪の多いシリアルの一般的な過剰摂取が存在する。
したがって、従来の体重管理アルゴリズム、例えば、食事、運動、行動もしくはライフスタイルの修正、または、特に極端に太っている対象の場合における、肥満外科(減量)手術に加えて、またはそれらの代わりに、例えば体重増加、過体重、肥満、またはそれらに関連もしくは関係する他の(代謝)疾患または障害を管理、治療または予防するための、体重の減少を促進するための、体重をコントロールするための、摂食行動を変えるための、食物もしくは味の好みを調節するための、および/または、例えば個体の確立した栄養必要量、および健康的な栄養状態のライフスタイルを満たすように、健康な摂食と不健康な摂食との適切なバランスを維持もしくは調整するための、薬学的または薬物治療学的介入による体重管理のためのさらなる選択肢の必要性が依然として存在する。
2型糖尿病の治療において、α−グルコシダーゼ阻害薬(AGI;アカルボース、ミグリトール、ボグリボースを含む)が、2型糖尿病におけるグルコースコントロールのガイドラインによって推奨されている。AGIは、小腸においてα−グルコシダーゼを阻害することによって、消化管による炭水化物の吸収を遅らせ、したがって食後の血糖レベルおよびインスリンレベルを下げることに効果がある。
本発明は、それを必要とする患者(例えば肥満であってもなくてもよい糖尿病患者、例えば腎機能障害を有するか、もしくはそのリスクがあり、例えば使用されるα−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬の用量減少が示されていてもよい、および/または細小血管もしくは大血管疾患もしくは合併症を有するか、もしくはそのリスクがある糖尿病患者)において、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、例えば治療法(例えば血糖および/または体重コントロールを改善する、体重を減少させる、満腹感を誘発する、胃内容物排出を抑制する、および/または食物摂取量を減少させるための、ならびに/あるいは代謝疾患、特に糖尿病、とりわけ2型糖尿病および/またはそれに関係する状態、例えば細小血管もしくは大血管疾患、例えば心血管もしくは脳血管疾患、腎症、網膜症またはニューロパチーなどの糖尿病合併症を治療および/または予防するための)における使用のための、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)とα−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えば、ボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せであって、例えばα−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬が、DPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と共投与される場合に、減らされた量および/または低頻回(1日)投与(例えば1日1〜3回、0.2mgのような低用量のボグリボース;1日1〜3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のアカルボース;あるいは1日1〜3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のミグリトール)で存在するか、あるいは使用される組合せに関する。
さらに本発明は、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えば、ボグリボース、ミグリトール、またはアカルボース)の治療的使用に関連する副作用、例えば胃腸有害作用(例えば、消化不良、鼓腸もしくは下痢、または悪心もしくは嘔吐)を予防する、それから保護する、(例えば、その可能性もしくは発生を)減少させる、またはそれを最小限にすることにおける使用のための、ある種のDPP−4阻害薬(1種または複数の活性剤と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン)に関する。
したがって、ある種の特定の実施形態において、本発明は、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)とα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せ、または併用、または組合せ投与(例えば同時に、順次に、もしくは別々に)に関する。
本発明はさらに、特に、対象による食物の摂取量を変更するおよび/または減少させるための、ある種のDPP−4阻害薬[例えば、GLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用であって、特に前記食物が、脂肪および/または炭水化物に富むもの(例えば高カロリーの、口に合う、甘い、および/または脂肪の多い食物)、例えばグリセミック指数が高い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が脂肪に由来する食物である、使用に関する。
さらに本発明は、ある種のDPP−4阻害薬(例えば、食欲抑制、食物の好みの変化、および/または体重減少のために、1種または複数の他の活性剤、例えばGLP−1受容体アゴニスト、例えば短期作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/または、例えば体重コントロールのために、α−グルコシダーゼ阻害薬、例えばボグリボースと併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン)を使用することによる、例えば肥満の(例えばヒト)対象における、体重の管理と前糖尿病/糖尿病の管理との組合せ(例えば血糖コントロール以上に、例えば食欲抑制、食物の好みの変化、体重減少、および/または体重コントロールのための)の原理に関する。
本発明はさらに、高カロリーの(口に合う、脂肪および/または炭水化物に富む)食物の摂取を減少させるための、ならびに/あるいは、特に不健康なおよび/または高カロリーの(例えば口に合う、脂肪および/または炭水化物に富む)食物の摂取量を減らしながら、場合によっては、健康なおよび/または低カロリーの食物の摂取量を(例えば不健康なおよび/または高カロリーの食物の摂取量と相対的に)増やしながら、食物もしくは味の好み、または食物の選択を高カロリーの(口に合う、脂肪および/または炭水化物に富む)食物の摂取から調節するまたは変化させるための、ある種のDPP−4阻害薬[例えばGLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用に関する。
したがって本発明は、摂食態度を変えて、食および/または味の好みを健康な食物に変化させるための、ある種のDPP−4阻害薬[例えばGLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用に関する。
したがって本発明は、摂食態度を変えて、食および/または味の好みを不健康な食物から変化させるための、ある種のDPP−4阻害薬[例えばGLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用に関する。
さらに本発明は、カロリー摂取、過剰な食物エネルギーの摂取、体重、総体脂肪量、総体脂肪率、内臓脂肪および/または過食を減少させる、それらの減少を容易にする、あるいはそれらの増加を予防するための、ある種のDPP−4阻害薬[例えばGLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]の使用に関する。
一実施形態において、本明細書に記述する対象は、例えば糖尿病、脂質異常症、高血圧、および/またはメタボリックシンドロームのような併存症のリスク因子またはそのような併存症を有するまたは有しない、過体重または肥満者である。
特に本明細書に記述する対象は、例えば糖尿病を有するまたは有しない、過体重または肥満者である。
別の実施形態において、本明細書に記述する対象は、食物を異常または過剰に摂取する対象である。
別の実施形態において、本明細書に記述する対象は、例えば肥満または過体重を伴うまたは伴わない、糖尿病(例えば1型または2型糖尿病、またはLADA、特に2型糖尿病)を有する対象である。
特に本発明での対象は、ヒト、例えば、ヒトの子供、ヒトの青年、またはヒトの成人であってもよい。
一実施形態において、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せは、高炭水化物食を避けることを嫌がる対象に特に有用でありうる。
一実施形態において、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せは、アジア人集団(例えば東アジア、南アジア、または東南アジア)において、および/または炭水化物含有量がより多い東洋式の食事に従っていることにおいて特に有用でありうる。
一実施形態において、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せは、アジア人集団(例えば、東アジア、南アジア、または東南アジア)に、および/または不健康な西洋式の食事の(代謝に対する)悪影響を減少させる、治療する、予防する、または管理することに特に有用である。
一実施形態において、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)と、α−グルコシダーゼ阻害薬/遮断薬(例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)との組合せは、アジア人集団(例えば東アジア、南アジア、または東南アジア)に、ならびに/あるいは、糖尿病および/または肥満/過体重(特に、「糖尿肥満」のような)を治療することに、ならびに/あるいは(不健康な)摂食行動を変えることに、(不健康な)食物または味の好みを(健康な食事に)調節するまたは変化させることに、ならびに/あるいは、例えば個体の確立した栄養必要量、および健康的な栄養状態のライフスタイルを満たすように、健康な摂食と不健康な摂食との適切なバランスを維持または調整することに特に有用でありうる。
例えば、本発明の意味における不健康な食物は、A)群からD)群の1つまたは複数からの食物であってもよい。
A)グリセミック指数が60%超である
B)グリセミック指数が40%超であり、総エネルギー量の30%超が脂肪由来である
C)単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物含有量の25%超を占める
D)単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物含有量の25%超を占め、総エネルギー量の30%超が脂肪由来である
例えば、本発明の意味における健康な食物は、E群からH群の1つまたは複数からの食物であってもよい。
E)グリセミック指数が60%未満である。
F)グリセミック指数が40%未満であり、総エネルギー量の30%未満が脂肪由来である
G)単糖類および/または二糖類の量が合わせて、総炭水化物含有量の25%未満を占める
H)単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物含有量の25%未満を占め、総エネルギー量の30%未満が脂肪由来である
さらに本発明は、本明細書に記述するような代謝疾患(例えば2型糖尿病および/または肥満)の治療および/または予防における使用であって、それを必要とする患者(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の患者)における、特に
カロリー摂取、過剰な食物エネルギーの摂取、体重、総体脂肪量、総体脂肪率、内臓脂肪および/または過食の減少、減少の容易化、または増加の予防をさらに必要とする患者における、ならびに/あるいは
食物、特に脂肪および/または炭水化物に富む食物(例えば高カロリーの、口に合う、甘い、および/または脂肪の多い食物)、例えばグリセミック指数が高い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類の量が総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が脂肪に由来する食物の摂取量の変更および/または減少をさらに必要とする患者における、ならびに/あるいは
高カロリーの(口に合う、脂肪および/または炭水化物に富む)食物の摂取の減少、ならびに/あるいは食物もしくは味の好み、または食物の選択の、不健康な食物(例えば本明細書に記述したもの)からの健康な食物(例えば、本明細書に記述したもの)への調節または変化をさらに必要とする患者における、例えば不健康なおよび/または高カロリーの(口に合う、脂肪および/または炭水化物に富む)食物の摂取量の減少を必要とする、ならびに/あるいは健康なおよび/または低カロリーの食物の摂取量の増加を必要とする患者における
使用のための、DPP−4阻害薬[例えばGLP−1受容体アゴニスト(特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)を含めた、1種または複数の他の活性剤、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態のボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、好ましくはリナグリプチン]に関する。
したがって、特定の実施形態において、本発明の意味の範囲内の好ましいDPP−4阻害薬は、リナグリプチンである。
本明細書で規定した、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を含み、1種または複数の他の活性剤を一緒に含んでもよい、治療法(治療または予防)における使用のための医薬組成物または組合せも企図される。
さらに本発明は、本明細書に記述した治療法(治療または予防)における使用のための、それぞれ本明細書で規定した1種、2種またはそれ以上のさらなる活性剤と併用されてもよいある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)に関する。
さらに本発明は、本発明の治療および/または予防の目的に適した医薬組成物を調製するための、それぞれ本明細書で規定した1種、2種またはそれ以上のさらなる活性剤と併用されてもよいある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用に関する。
さらに本発明は、それぞれ本明細書に記述した、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)、および場合により1種または複数の他の活性剤あるいは治療剤を必要とする患者に投与することを含む、本明細書に記述する治療的(治療または予防)方法に関する。
本発明の他の態様は、上記および下記(実施例および特許請求の範囲を含む)から当業者に明らかとなる。
本発明の態様、特に医薬化合物、組成物、組合せ、方法、および使用は、先におよび以下に規定した、1種または複数の他の活性剤、例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短期作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/または、α−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と組み合わせてもよい、ある種のDPP−阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を指す。
リナグリプチンおよび天然GLP−1による、雄性Sprague Dawleyラット(肥満モデル)の1日に2回の皮下注射治療が、最高で8%というかなりの体重(BW)減少をもたらすことを示すグラフである。データは10匹の動物の平均値+SEM(平均の標準誤差)を示す。 これらの動物における、リナグリプチンと天然GLP−1との組合せの適用後の、体脂肪量のかなりの減少を示すグラフである。 リナグリプチンおよび天然GLP−1で治療した動物は、高脂肪食の摂取の減少において食物の好みの変化を有することを示すグラフである。 リナグリプチンおよび天然GLP−1で治療した動物は、標準食への変更において食物の好みの変化を有することを示すグラフである。
グリセミック指数は、血糖値を上昇させる食物の能力の指標である。食物のグリセミック指数は、少なくとも10人の健康なヒトからなる群に、消化できる(利用できる)炭水化物を50グラム含む食物の一部を与え、次いで、その後の2時間の間の彼らの血糖値への影響を測定することによって決定される。各人について、2時間の血糖応答の下面積(グルコースAUC)を測定する。別の機会に、同じ人々の群がグルコースを50g摂取し、彼らの2時間の血糖応答も測定される。食物のグリセミック指数は、その食物について決定されたAUCをグルコースについて測定されたAUCで割り、100%を掛けたものである(群の平均として算出される)。高いグリセミック指数を有する食物は、急速に消化される炭水化物を含み、それは血糖のレベルの急速な上昇および低下を生じさせる。反対に、低いグリセミック指数スコアを有する食物は、ゆっくり消化される炭水化物を含み、それは血糖のレベルの比較的緩やかな低い上昇を生じさせる。
本文脈において、単糖類は、より単純な炭水化物へと加水分解することができない炭水化物を示すことを意図する。食物中の最も重要な単糖類は、グルコースおよびフルクトースである。
本文脈において、二糖類は、2つの単糖類に加水分解することができる炭水化物を示すことを意図される。食物中で最も重要な二糖類は、スクロース、マルトースおよびラクトースである。
食物中の単糖類または二糖類の量は、酵素的な、気液クロマトグラフィー(GLC)法、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって特異的に分析することができる。分析される食物マトリックスに応じて、分析前に、エタノール水溶液(通常80%(v/v))において、低分子量の炭水化物を抽出することが望ましい可能性がある。関連の分析方法は、例えばSouthgate, "Determination of food carbohydrates", Elsevier, Science Publishers, Barkinggate, 1991;Greenfield, "Food composition data. Production, management and use", Elsevier Appleid Science, London, 1992;およびDepartment of Health, "Dietery sugars and human health, Her Majesty’s Stationary Office, London, 1989によって示されている。
本文脈において、炭水化物は"Carbohydrates in human nutrition. (FAO Food and Nutrition Paper - 66)", Report of a Joint FAO/WHO Expert Consultation, Rome, 14-18 April 1997, Report of a Joint FAO/WHO Expert Consultation Rome, 14-18 April 1997にあるようなもの、すなわちポリヒドロキシアルデヒド、ケトン、アルコール、酸、それらの単純な誘導体、およびアセタール型の結合を有するそれらのポリマーと定義することができる。
本文脈において、脂肪は、グリセロールおよびコレステロールに由来するモノ−、ジ−、およびトリカルボン酸エステルを示すことを意図し、その2つのうちグリセロールは、食物中のより重要なエネルギー源である。食物中の脂肪の量はFAO:Food energy-methods of analysis and conversion factors, Report of a Technical Workshop, Rome, 3-6 December 2002に開示されているように決定することができる。
本文脈において、総炭水化物含有量は、食物に存在する炭水化物の和を示すことを意図する。総炭水化物含有量はそのようには測定されず、むしろ食物の総質量と、非炭水化物成分の質量の和との差として算出される(FAO: Food energy-methods of analysis and conversion factors, Report of a Technical Workshop, Rome, 3-6 December 2002)。
本文脈において、食物は、特に断りがない限り、任意の形態の食物、すなわち液状食物と固形食物の両方、ならびに基本的な食物、およびキャンディー、スナックなどを示すことを意図する。
本文脈において、食物の摂取量を減少させることは、本発明で示す通り、別の活性剤と組み合わせてもよいある種のDPP−4阻害薬を投与された1または複数の対象からなる群によって食べられた食物の量(そのエネルギー含有量で測定される)が、別の活性剤と組み合わせてもよいある種のDPP−4阻害薬を投与されていない同様の対照群と比較して、減少することを示すことを意図する。
同様に、食物の摂取量を増加させることは、本発明で示す通り、別の活性剤と組み合わせてもよいある種のDPP−4阻害薬を投与された1または複数の対象からなる群によって食べられた食物の量(そのエネルギー含有量で測定される)が、別の活性剤と組み合わせてもよいある種のDPP−4阻害薬を投与されていない同様の対照群と比較して、増加することを示すことを意図する。
本文脈において、食物の異常または過剰な摂取は、肥満のような病理学的な結果を有する摂取、あるいは、例えば妊娠もしくは月経前緊張症と関連する心理学的な状態、または気晴らし食いもしくは強迫性食習慣のような心理学的な疾患に起因しうる摂取を示すことを意図する。
本明細書で使用する、化合物の有効量は、所与の状態または体の異常、例えば疾患または障害、およびその合併症の徴候(例えば、臨床症状)を治癒、緩和、または部分的に阻止するのに十分な量を意味する。これを達成するのに適切な量を「有効量」と定義する。各目的についての有効量は、状態、疾患または損傷の重篤度、ならびに対象の体重と全身状態、および投与形態などに依存する。適切な投与量の決定は、値のマトリックスを構築し、マトリックスでの異なる点を試験することによる、経験を積んだ医者または獣医の通常の技術の範囲内である日常的な実験を用いて行うことができることが理解されるであろう。
本文脈において、治療および治療することは、状態、例えば疾病または障害と闘う目的での、患者または対象の管理およびケアを意味する。その用語は、症状または合併症を緩和するための、疾患、障害または状態の進行を遅らせるための、症状および合併症を緩和または軽減するための、ならびに/あるいは、疾患、障害または状態をなくすまたは治癒させるための、ならびに状態を予防するための、活性化合物の投与のような、患者または対象が患っている所与の状態の治療の全範囲を含むことを意図し、ここで予防は、疾患、状態、または障害と闘う目的での患者の管理およびケアとして理解されるべきであり、症状または合併症の発症を予防するまたは遅らせるための活性成分の投与を含む。
特に注記がない限り、本発明の意味の範囲内で、本発明による使用または方法は、医学的な、例えば治療的および/または予防的な使用/方法、あるいは非医学的な、例えば非治療的および/または非予防的な使用/方法(例えば美容のための使用または方法)のいずれかに関するものであってもよい。
したがって、特に注記がない限り、本発明の意味の範囲内で、本発明による治療および/または予防は、医学的な、例えば治療的および/または予防的な目的での治療および/または予防、あるいは非医学的な、例えば非治療的および/または非予防的な目的(例えば美容またはライフスタイルの目的)での治療および/または予防のいずれかに関するものであってもよい。
したがって、一態様において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)による特定の種類の食物(例えば不健康な食物)の摂取量を変更するまたは減少させるための、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に、短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用であって、食物が高いグリセミック指数を有する、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が前記食物の総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が前記食物中の脂肪に由来する、使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を減少させるための方法であって、前記食物が高いグリセミック指数を有し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬の前記対象への投与を含む、方法を提供する。
特にこの態様において、食物のグリセミック指数は60%超、例えば65%超、例えば70%超、例えば75%超、例えば80%超、例えば90%超であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を減少させるための方法であって、単糖類および/または二糖類が、前記食物の総炭水化物量の大部分を占め、前記方法が、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の前記対象への投与を含む、方法を提供する。
特にこの態様において、総炭水化物含有量のうちの単糖類および/または二糖類の量は合わせて25%超、例えば30%超、例えば40%超、例えば50%超、例えば60%超、例えば70%超、例えば80%超、例えば90%超、または100%であってもよい。
この態様の一実施形態において、単糖類、二糖類および三糖類は合わせて、総炭水化物量の25%超を占める。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を減少させるための方法であって、食物が40%超のグリセミック指数を有し、総エネルギー量の30%超が前記食物中の脂肪に由来し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
この態様において、グリセミック指数が40%超、例えば45%超、例えば50%超、例えば55%超、例えば60%超、例えば65%超、例えば70%超、例えば75%超、例えば80%超、例えば90%超であり、総エネルギー量の30%超、例えば35%超、例えば40%超、例えば50%超、例えば60%超、例えば70%超、例えば80%超が脂肪由来である、食物の任意の組合せが含まれる。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を減少させるための方法であって、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超を占め、総エネルギー量の30%超が前記食物中の脂肪に由来し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
この態様において、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超、例えば30%超、例えば40%超、例えば45%超、例えば50%超、例えば70%超、例えば80%超、例えば90%超、または100%を占め、総エネルギー量の30%超、例えば35%超、例えば40%超、例えば50%超、例えば60%超、例えば70%超、例えば80%超が脂肪由来である、食物の任意の組合せが含まれる。
したがって、さらに別の態様において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)による特定の種類の食物(例えば健康な食物)の摂取量を変更するまたは増加させるための、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用であって、食物が低いグリセミック指数を有する、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が前記食物の総炭水化物量の小部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の小部分が前記食物中の脂肪に由来する、使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を増加させる方法であって、食物が低いグリセミック指数を有し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬の前記対象への投与を含む、方法を提供する。
特にこの態様において、食物のグリセミック指数は60%未満、例えば50%未満、例えば40%未満、例えば35%未満、例えば30%未満、例えば20%未満、例えば10%未満、例えば5%未満であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を増加させる方法であって、単糖類および/または二糖類が前記食物の総炭水化物量の小部分を占め、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の前記対象への投与を含む、方法を提供する。
特にこの態様において、総炭水化物含有量のうちの単糖類および/または二糖類の量は合わせて、25%未満、例えば20%未満、例えば15%未満、例えば10%未満、例えば5%未満であってもよい。
この態様の一実施形態において、単糖類、二糖類および三糖類は合わせて、総炭水化物量の25%未満を占める。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を増加させる方法であって、食物が40%未満のグリセミック指数を有し、総エネルギー量の30%未満が前記食物中の脂肪に由来し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
この態様において、グリセミック指数が40%未満、例えば30%未満、例えば20%未満、例えば10%未満、例えば5%未満であり、総エネルギー量の30%未満、例えば20%未満、例えば10%未満、例えば5%未満が脂肪由来である、食物の任意の組合せが含まれる。
さらなる態様において、本発明は、対象による食物の摂取量を増加せるための方法であって、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%未満を占め、総エネルギー量の30%未満が前記食物中の脂肪に由来し、前記方法が1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
この態様において、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%未満、例えば20%未満、例えば15%未満、例えば10%未満、例えば5%未満を占め、総エネルギー量の30%未満、例えば25%未満、例えば20%未満、例えば15%未満、例えば10%未満、例えば5%未満が、脂肪由来である、食物の任意の組合せが含まれる。
別の態様において、上記した通りのグリセミック指数が高い食物、ならびに/あるいは、単糖類および/または二糖類が総炭水化物量の大部分を占める食物、ならびに/あるいは、総エネルギー量の大部分が脂肪由来である食物の摂取量の減少は、上記した通りのグリセミック指数が低い食物、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が総炭水化物量の小部分を占める食物、ならびに/あるいは総エネルギー量の小部分が脂肪由来である食物の摂取量の増加を伴う。
したがって、さらに別の態様において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における、食物もしくは味の好み、または食物の選択を、例えばそれぞれ上記した通り、グリセミック指数が高い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が前記食物の総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が前記食物中の脂肪に由来する、不健康な食物から調節するまたは変化させるための、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用を提供する。
したがって、さらに別の態様において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における、食物もしくは味の好み、または食物の選択を、例えばそれぞれ上記した通り、グリセミック指数が低い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が前記食物の総炭水化物量の小部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の小部分が前記食物中の脂肪に由来する、健康な食物へと調節するまたは変化させるための、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1))、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用を提供する。
したがって、さらに別の態様において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における、食物もしくは味の好み、または食物の選択を、例えばグリセミック指数が高い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が総炭水化物量の大部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の大部分が脂肪に由来する(それぞれ、より詳細に上に述べた通り)不健康な食物から、グリセミック指数が低い、ならびに/あるいは単糖類および/または二糖類が総炭水化物量の小部分を占める、ならびに/あるいは総エネルギー量の小部分が脂肪に由来する(それぞれ、より詳細に上に述べた通り)健康な食物へと調節するまたは変化させるための、1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の使用を提供する。
例えば、一実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)による食物の摂取量を減少させるための方法であって、前記食物が60%超のグリセミック指数を有する、または前記食物が総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、40%超のグリセミック指数を有し、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)による食物の摂取量を減少させるための方法であって、前記食物中の単糖類および/または二糖類が合わせて前記食物の総炭水化物量の25%超を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1)、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)による食物の摂取量を減少させるための方法であって、総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、前記食物中の単糖類および/または二糖類が合わせて前記食物の総炭水化物量の25%超を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象における食物の摂取量を増加させる方法であって、前記食物が、60%未満のグリセミック指数を有する、または前記食物が、総エネルギー量の30%未満が脂肪由来であることと合わせて、40%未満のグリセミック指数を有し、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象における食物の摂取量を増加させる方法であって、単糖類および/または二糖類が合わせて前記食物の総炭水化物量の25%未満を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象における食物の摂取量を増加させる方法であって、総エネルギー量の30%未満が脂肪由来であることと合わせて、単糖類および/または二糖類が合わせて前記食物の総炭水化物量の25%未満を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、食物を異常または過剰に摂取する対象を治療する方法であって、グリセミック指数が60%超である、または総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、グリセミック指数が40%超であり、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、食物を異常または過剰に摂取する対象を治療する方法であって、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、食物を異常または過剰に摂取する対象を治療する方法であって、総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超を占め、前記方法が別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、グリセミック指数が60%超である、または総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、グリセミック指数が40%超である食物から調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超を占める食物から調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、総エネルギー量の30%超が脂肪由来であることと合わせて、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%超を占める食物から調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、グリセミック指数が60%未満である、または総エネルギー量の30%未満が脂肪由来であることと合わせて、グリセミック指数が40%未満である食物へと調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%未満を占める食物へと調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
別の実施形態において、本発明は、対象(例えば過体重、肥満、および/または糖尿病の対象)における食物もしくは味の好み、または食物の選択を、総エネルギー量の30%未満が脂肪由来であることと合わせて、単糖類および/または二糖類が合わせて総炭水化物量の25%未満を占める食物へと調節するまたは変化させる方法であって、別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。
食物のエネルギーの量は、一般にカロリーまたはジュールで示され、それは例えば、ボンベ熱量計において食物を燃焼することによって測定することができる。脂肪によるエネルギーの量は、上記のように分析された食物中の脂肪の量に38kJ/gを掛けることによって決定することができる。
多くの人々は、甘いおよび/または脂肪の多い食物が良い味を有すると思っているので、人々が甘いおよび/または脂肪の多い食物を好むことは周知のことである。したがって本発明は、味の好みを調節する、特に甘くて脂肪の多い食物から味の好みを調節する方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を投与することを含む、方法も提供する。
西洋式ライフスタイルが健康的でないことは、糖尿病および糖尿病合併症などの病理学的結果を伴う肥満の増加によって証明されている通り、極めて明らかであり、その意味で、西洋式ライフスタイルは異常であると考えなければならない。したがって、一実施形態において、本発明はライフスタイル、特に食物の好みを正常化する方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を投与することを含む、方法も提供する。
一実施形態において、治療される対象は、強い食欲、空腹感、または甘いもしくは脂肪の多い食物への渇望を有する。これは、例えばストレス、禁煙、妊娠、月経前緊張症に関係している可能性もあり、気晴らし食い、強迫性食習慣、および季節性情動障害などの生理学的問題または疾患によるものである可能性もある。
気晴らし食い障害(BED)は、かなり新しい診断可能な障害である(例えば、Int.J.Obesity, 2002, 26, 299-307 and Curr.Opin.Pshyciatry, 17, 43-48, 2004)を参照されたい。BEDは神経性過食症(BN)のように、気晴らし食いエピソードによって特徴付けられる。しかしBEDを有する対象は、BNを有する患者とは反対に、例えば自己誘発嘔吐、過度な運動、および下剤、利尿薬または浣腸の濫用などの代償行為を行わない。研究は、一般人口の1〜3%がBEDを患っていることを示しているのに対して、肥満患者に関してはより高い罹患率(25〜30%まで)が報告されている[Int.J. Obesity, 2002, 26, 299-307]。これらの数は、BEDの対象が肥満であるまたは肥満でない可能性があることを示し、また、肥満患者がBEDを有するまたは有しない可能性があることを示し、すなわち肥満の原因がBEDであることを示している。しかしBEDを有する対象の一部は、最終的に、過剰なカロリー摂取によって肥満になる。実験室での研究は、BED患者が肥満の対照群よりも、多くのデザートおよびスナック(脂肪に富み、タンパク質が少ない)を消費することを示しており[Int.J.Obesity, 2002, 26, 299-307]、したがって本発明の方法は、BEDの治療に適していると考えられる。
一実施形態において、本発明は、対象におけるBEDを治療する方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。特に、前記対象は肥満である。
神経性過食症(BN)は、BEDのような同じ気晴らし食いエピソードによって特徴付けられるが、BNは上述の代償行為によっても特徴付けられる。BNを有する対象の一部は、結局、代償行為が過剰なカロリー摂取を完全には埋め合わせることができない程度まで肥満になる。研究は、BN患者の過食物(binges)とBED患者の過食物とを比較し、BNを有する対象における過食物が、BEDを有する対象における過食物よりも炭水化物および糖含有量が多いと結論づけた。しかし、摂取カロリー数に相違は見られなかった[Int.J.Obesity, 2002, 26, 299-307]。したがって本発明の方法は、BNの治療に適していると考えられる。
一実施形態において、本発明は、対象におけるBNを治療する方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。特に、前記対象は肥満である。
食物への渇望、または特定の食物を食べたいという強い願望は、通常は、脂肪の多いまたは炭水化物に富む食物などの高エネルギーの食物に関連する[Appetite、17、177-185、1991; Appetite、17、167-175、1991]。そのような食物の例としては、チョコレート、ビスケット、ケーキおよびスナックが挙げられる。食物を異常に欲する者の一部は結局、過剰なカロリー摂取によって肥満になる。本発明の方法は、食物への渇望、特に脂肪の多いまたは炭水化物に富む食物への渇望の治療に適していると考えられる。
一実施形態において、本発明は、対象における食物への渇望、例えば脂肪の多いまたは炭水化物に富む食物への渇望、例えばチョコレートへの渇望を治療する方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。特に、前記対象は肥満である。
スナックは、食事の間に食される、一般的に軽い、手軽な、急いで食べられる(hurried)便利な食べ物である。スナックは一般的に脂肪が多く、炭水化物に富む。研究は、間食の流行が、特に米国の子供達の間で大きくなっていること、および間食が、例えば子供達における、BMIの上昇の大きな原因であることを示している[J.Pediatrics、138、493-498、2001; Obes. Res.、11、143-151、2003]。より健康なスナックへの変化が、近年起こっているBMIの上昇をおそらく止めうる、または変えうる。ここに示すデータは1種または複数の他の活性剤と併用されてもよいある種のDPP−4阻害薬が、食物の好みを、脂肪が多く炭水化物に富む食物から、低脂肪でグリセミック指数の低い食物に変化させることができることを例示している。したがって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬は、間食の量の減少、またはスナックの好みをより健康なスナックへ変えることにおいて有用である。
一実施形態において、本発明は、対象におけるスナックの好みを、低脂肪でグリセミック指数の低いスナックに変える方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法に関する。特に、前記対象は肥満である。
一実施形態において、本発明は、対象のスナック摂取(「間食」)の量を減らす方法であって、1種または複数の他の活性剤と併用されてもよい、有効量のある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を前記対象に投与することを含む、方法を提供する。特に、前記対象は肥満である。
前述の考察によれば、1種または複数の別の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬(例えば低用量形態の、例えばボグリボース、ミグリトールまたはアカルボース、好ましくはボグリボース)と併用されてもよい、ある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)は、BED、BN、食物への渇望(例えば、チョコレートへの渇望)、もしくは間食または過食によって引き起こされる肥満または過体重の治療において有用であると考えられる。
本発明の対象は、原則として任意の動物、特に哺乳動物、例えばヒト、ペット動物、例えばネコおよびイヌ、ならびに動物園の動物、例えばゾウ、キリン、ライオン、およびヘビにすることができ、中でもヒトが好ましい。
2型糖尿病は、正常範囲の血漿グルコースレベルの維持のために必要な要求を満たさないという結果を伴う、インスリン耐性およびインスリン分泌障害という二重の内分泌作用を含む複雑な病理生理学事象から生じる、一般的な慢性および進行性の疾患である。これは、慢性高血糖症、およびそれに関連する細小血管もしくは大血管合併症または慢性障害、例えば糖尿病腎症、網膜症もしくは神経障害、または大血管(例えば心血管もしくは脳血管)合併症につながる。血管性疾患要素は一連の糖尿病関連疾患に重要な役割を果たすが、唯一の因子ではない。合併症の頻発は余命の顕著な短縮につながる。糖尿病が誘発する合併症を理由として、糖尿病は現在、先進工業諸国において最も発生頻度の高い、成人で発症する失明、腎不全および切断手術の原因であり、心血管疾患のリスクの2倍から5倍の増加に関連する。
さらに糖尿病(特に2型糖尿病)は、肥満と共に存在し、相関することが多く、これらの2つの状態は一緒になって、特に複雑な治療的難題を課す。インスリン耐性に対する肥満の影響を理由に、体重の減量およびその維持は、前糖尿病、メタボリックシンドロームまたは糖尿病を有する過体重または肥満個体の重要な治療上の目標である。研究は、2型糖尿病を有する対象の体重減少が、インスリン耐性の低下、血糖症または脂肪血症の測定値の改善、および血圧の低下に関連することを示している。長期にわたる体重減少の維持は、血糖コントロールを改善して、糖尿病合併症を予防する(例えば心血管系疾患または事象のリスクの低下)と考えられる。したがって減量は、糖尿病を有する、またはそのリスクがあるすべての過体重または肥満個体に推奨される。しかし2型糖尿病を有する肥満患者は、一般的な非糖尿病集団よりも、減量することおよび減少した体重を維持することにはるかに苦労する。
本文脈において、肥満の(obese)または肥満(obesity)は、過剰な脂肪組織を意味する。本文脈において、肥満は健康リスクを与える任意の程度の、過度の脂肪症であると考えるのが一番良い。正常な個体と肥満の個体の違いは、概算することができるにすぎないが、肥満によって与えられる健康リスクは、おそらく脂肪症の増大と一体である。広い意味で、ボディマス指数(BMI=体重(キログラム)÷身長(m)の2乗)が25を超える(または≧30kg/m2または≧27kg/m2)個体は肥満とみなされる。
過体重を、個体が25kg/m2より大きく30kg/m2より小さいボディマス指数(BMI)を有する状態と定義することができる。「過体重」および「前糖尿病」という用語は、互換的に使用される。
肥満もまた、個体が30kg/m2以上のBMIを有する状態と定義することができる。WHOの定義に従って、用語「肥満」を以下のように分類することができる。クラスIの肥満は、BMIが30kg/m2以上であるが35kg/m2未満である状態であり、クラスIIの肥満は、BMIが35kg/m2以上であるが40kg/m2未満である状態であり、クラスIIIの肥満(過剰肥満)は、BMIが40kg/m2以上である状態である。肥満は、例えば内臓肥満および腹部肥満を含むことができる。
内臓肥満を、ウエスト対ヒップ比が男性で1.0以上、女性で0.8以上と測定される状態と定義することができる。それはインスリン耐性リスクおよび前糖尿病の発生を示す。
腹部肥満は、ウエスト周りが男性で40インチまたは102cmを超え、女性で35インチまたは94cmを超える状態であると一般に定義することができる。日本人または日本人患者に関しては、腹部肥満は、ウエスト周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上と定義されている(例えば日本のメタボリックシンドローム診断調査委員会(investigating committee for the diagnosis of metabolic syndrome in Japan)を参照されたい)。
2型糖尿病の治療は、典型的には食事および運動から始まり、その後に経口性抗糖尿病薬の単剤療法が続く。従来の単剤療法は、一部の患者において、血糖を最初はコントロールし得るが、それは高い二次的な失敗率と関連する。血糖コントロールの維持に対する単剤療法の限界は、複数の薬物の併用によって、少なくとも一部の患者で、および限定的な期間について克服され、単剤による長期療法の間に持続できない血糖減少を達成することができる。ほとんどの2型糖尿病患者において、従来の単剤療法は失敗し、複数の薬物による治療が必要になるであろうという結論を入手可能なデータが裏付けている。
しかし、2型糖尿病は進行性疾患であるので、従来の併用療法に対し良好な初期反応を示す患者でさえ、最終的には投薬量の増加、またはインスリンによるさらなる治療を必要とするであろう。なぜなら、血糖値を長期間の間、安定的に維持することが非常に困難であるからである。既存の併用療法は、血糖コントロールを高める潜在能力を有するが、限界がないわけではない(特に長期有効性に関して)。さらにこれまでの療法は、副作用(例えば、低血糖または体重増加)のリスク上昇を示すことがあり、それはこれまでの療法の有効性および許容性を損ないうる。
したがって、多くの患者にとって、これらの既存の薬物療法は、治療にもかかわらず代謝コントロールの進行的な悪化をもたらし、特に長期的には代謝の状態を十分にコントロールすることができず、したがって進行型の、進行期の、または後期2型糖尿病(従来の経口または非経口抗糖尿病薬物治療にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である糖尿病を含む)において、血糖コントロールの達成および維持に失敗する。
したがって高血糖症の徹底的な治療は、慢性障害の発生を減少させることができるが、多くの糖尿病患者は、長期有効性の限界、従来の抗高血糖症治療薬の忍容性および投与の不便さという理由もあって、依然として十分な治療を受けていない。
加えて、肥満、過体重または体重増加(例えばいくつかの従来の抗糖尿病薬物療法の副作用または有害作用としてのもの)は、糖尿病およびその細小血管または大血管合併症の治療をさらに複雑にする。
治療失敗のこの高発生率が、糖尿病患者における高率の長期高血糖症関連合併症または慢性障害(細小血管および大血管合併症、例えば糖尿病腎症、網膜症もしくは神経障害、または脳血管もしくは心血管合併症、例えば心筋梗塞、卒中または死亡を含む)の主要な一因である。
治療法(例えば第一選択または第二選択療法、ならびに/あるいは単剤または(初期もしくは付加の)併用療法)において従来から使用されている経口抗糖尿病薬としては、それらに限定されないが、メトホルミン、スルホニル尿素薬、チアゾリジンジオン、グリニドおよびα−グルコシダーゼ阻害薬が挙げられる。
治療法(例えば第一選択または第二選択療法、ならびに/あるいは単剤または(初期もしくは付加の)併用療法)において従来から使用されている非経口(典型的には注射用)抗糖尿病薬としては、それらに限定されないが、GLP−1またはGLP−1類似体、およびインスリンまたはインスリン類似体が挙げられる。
しかし、これらの従来の抗糖尿病薬または抗高血糖症薬の使用は、様々な有害作用と関連する可能性がある。例えばメトホルミンは、乳酸アシドーシスまたは胃腸の副作用と関連する可能性があり、スルホニル尿素薬、グリニド、およびインスリンまたはインスリン類似体は、低血糖および体重増加に関連する可能性があり、チアゾリジンジオンは、浮腫、骨折、体重増加、および心不全/心臓への影響と関連する可能性があり、α−グルコシダーゼ遮断薬、およびGLP−1またはGLP−1類似体は、胃腸の有害作用(例えば消化不良、鼓腸もしくは下痢、または悪心もしくは嘔吐)と関連する可能性がある。
したがって、有効で、安全で、忍容性のある治療法を提供することが、当分野において依然として必要である。
さらに、2型糖尿病の治療法においては、状態を効果的に治療すること、状態に固有の合併症を回避すること、および疾患の進行を遅らせることが必要である。
さらに、2型糖尿病の治療法においては、糖尿病表現型、血糖および/または代謝コントロール、ならびに/あるいは(血中)グルコースプロファイルの持続的改善(好ましくは、長期および/または慢性的治療の間にわたって)が必要である。
さらに、抗糖尿病治療は、糖尿病後期にしばしば見られる長期合併症を予防するだけでなく、腎機能障害などの進行した合併症を有する、または合併症の進行リスクがある糖尿病患者の治療選択肢であることが依然として必要である。
さらに、従来の抗糖尿病治療法と関連する有害作用のリスクを予防する、または減少させることが依然として必要である。
さらに、糖尿病を有するまたは有しない肥満患者に、特にそのような患者の体重を減少させる、体重の減少を容易にする、体重をコントロールする、体重を維持する、および/または体重の増加を予防するための有効で、安全で、忍容性のある治療法を提供することが、当分野において依然として必要である。
さらに、糖尿病と肥満の二重の流行(「糖尿肥満」)の管理においては、これらの状態を一緒に治療または予防すること、特に長期的な体重減少および体重コントロールを達成すること、および血糖コントロールを改善することにおいて、安全で、忍容性のある、有効な治療法を見出すことが目標である。
本発明の範囲内において、本明細書に示したある種のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)、ならびに本明細書に示した1種または複数の他の活性剤(例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、もしくはGLP−1類似体、例えばエクセナチドもしくは天然GLP−1、および/または、例えばボグリボースなどα−グルコシダーゼ阻害薬を含む))と併用されてもよい、DPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)の本発明による組合せ医薬、医薬組成物、使用または方法は、それらを本発明の目的に適したものにする、および/または本明細書で述べた必要性の1つおよび複数を満たすのに適したものにする特性を有する。
CD26としても知られている酵素DPP−4(ジペプチジルペプチダーゼIV)は、N末端にプロリンまたはアラニン残基を有する多数のタンパク質のN末端からジペプチドを切断することが判明している、セリンプロテアーゼである。この特性によりDPP−4阻害剤は、生物活性を有するペプチド(GLP−1ペプチドを含む)の血漿レベルに干渉し、また糖尿病の治療に有望な薬であると考えられている。
例えば、DPP−4阻害薬およびそれらの使用は、WO2002/068420、WO2004/018467、WO2004/018468、WO2004/018469、WO2004/041820、WO2004/046148、WO2005/051950、WO2005/082906、WO2005/063750、WO2005/085246、WO2006/027204、WO2006/029769、WO2007/014886;WO2004/050658、WO2004/111051、WO2005/058901、WO2005/097798;WO2006/068163、WO2007/071738、WO2008/017670;WO2007/128721、WO2007/128724、WO2007/128761またはWO2009/121945に開示されている。
本発明の意味の範囲内でのDPP−4阻害薬としては、それらに限定されないが、上述および下述のDPP−4阻害薬のいずれか、好ましくは経口および/または皮下活性DPP−4阻害薬が挙げられる。
本発明の意味の範囲内でのGLP−1受容体アゴニストとしては、それらに限定されないが、外因性GLP−1(天然または合成)、GLP−1類似体、GLP−1模倣体、およびGLP−1受容体によるシグナル伝達を促進する任意の他の物質(ペプチド性または非ペプチド性、例えば小分子)が挙げられ、好ましくはそれらの任意の短時間作用型のもの、例えば短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、またはGLP−1類似体、例えばエクセナチドまたは天然GLP−1が挙げられる。
本発明の文脈内では、短時間作用型GLP−1、GLP−1模倣体、またはGLP−1類似体は、例えばエキセンジン−4もしくはエクセナチドまたは天然GLP−1などの短い半減期を有する(または少なくとも1日2回皮下投与される)そのような薬剤を指す。
したがって、短時間作用型GLP−1受容体アゴニストは、本明細書では、例えばエクセナチドまたは天然GLP−1などの24時間未満の作用持続時間を有する、または約13時間未満、10時間未満、5時間未満、もしくは2.5時間未満(例えば約2.4時間もしくはそれ以下)の短い半減期を有する、または少なくとも1日2回皮下投与されるような薬剤であると言及されてもよい。
これらの薬剤のすべてが所望の特性および機能を示している限り、これらの薬剤のすべてを企図し、それらは本発明の範囲内に含まれる。
第1の実施形態(実施形態A)において、本発明の文脈におけるDPP−4阻害薬は、式(I)
または式(II)
または式(III)
または式(IV)
(式中、R1は、([1,5]ナフチリジン−2−イル)メチル、(キナゾリン−2−イル)メチル、(キノキサリン−6−イル)メチル、(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル、2−シアノ−ベンジル、(3−シアノ−キノリン−2−イル)メチル、(3−シアノ−ピリジン−2−イル)メチル、(4−メチル−ピリミジン−2−イル)メチル、または(4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イル)メチルおよびR2は3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル、(2−アミノ−2−メチル−プロピル)−メチルアミノまたは(2−(S)−アミノ−プロピル)−メチルアミノを表し、)
の任意のDPP−4阻害薬、またはその薬学的に許容される塩である。
第1の実施形態(実施形態A)に関して、好ましいDPP−4阻害薬は、以下の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩である。
・1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2004/018468、実施例2(142)と比較されたい)
・1−[([1,5]ナフチリジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2004/018468、実施例2(252)と比較されたい):
・1−[(キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2004/018468、実施例2(80)と比較されたい):
・2−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−(ブタ−2−イニル)−5−(4−メチル−キナゾリン−2−イルメチル)−3,5−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−d]ピリダジン−4−オン(WO2004/050658、実施例136と比較されたい):
・1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−[(2−アミノ−2−メチル−プロピル)−メチルアミノ]−キサンチン(WO2006/029769、実施例2(1)と比較されたい):
・1−[(3−シアノ−キノリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(30)と比較されたい):
・1−(2−シアノ−ベンジル)−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(39)と比較されたい):
・1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−[(S)−(2−アミノ−プロピル)−メチルアミノ]−キサンチン(WO2006/029769、実施例2(4)と比較されたい):
・1−[(3−シアノ−ピリジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(52)と比較されたい):
・1−[(4−メチル−ピリミジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(81)と比較されたい):
・1−[(4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(82)と比較されたい):
・1−[(キノキサリン−6−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−((R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(WO2005/085246、実施例1(83)と比較されたい):
これらのDPP−4阻害薬は、構造的に類似するDPP−4阻害薬と区別される。なぜなら、それらは非常に優れた効能および長期作用と、好都合な薬理学的特性、受容体選択性、および好都合な副作用プロファイルとを組み合わせている、または他の医薬活性物質と組み合わされた場合に、治療上の予期せぬ利点または改善をもたらすからである。これらの調整は前述の刊行物に開示されている。
第2の実施形態(実施形態B)において、本発明の文脈におけるDPP−4阻害薬は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、アログリプチン、ゲミグリプチン、オマリグリプチン、エボグリプチン、
(2S)−1−{[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エチルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル、
(2S)−1−{[1,1,−ジメチル−3−(4−ピリジン−3−イル−イミダゾール−1−イル)−プロピルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル、
(S)−1−((2S,3S,11bS)−2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン、
(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−((2S,4S)−4−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ピロリジン−2−イル)メタノン、
(1((3S,4S)−4−アミノ−1−(4−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピロリジン−3−イル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−オン、
(2S,4S)−1−{2−[(3S,1R)−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンチルアミノ]−アセチル}−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル、
(R)−2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロ−ベンゾニトリル、
5−{(S)−2−[2−((S)−2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−プロピル}−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−2,8−ジカルボン酸ビス−ジメチルアミド、
3−{(2S,4S)−4−[4−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル]ピロリジン−2−イルカルボニル}チアゾリジン、
[(2R)−1−{[(3R)−ピロリジン−3−イルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−イル]ボロン酸、
(2S,4S)−1−[2−[(4−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル)アミノ]アセチル]−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル、
2−({6−[(3R)−3−アミノ−3−メチルピペリジン−1−イル]−1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル}メチル)−4−フルオロベンゾニトリル、
6−[(3R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル]−5−(2−クロロ−5−フルオロ−ベンジル)−1,3−ジメチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオン、および
(S)−2−メチルピラゾロ[1,5−a]プリミジン−6−カルボン酸{2−[(2−シアノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチルアミノ]−2−メチルプロピル}アミド、
から選択されるDPP−4阻害薬、またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の実施形態Aの前述したDPP−4阻害薬の中で、より好ましいDPP−4阻害薬は、1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン、特にその遊離塩基(リナグリプチンまたはBI1356としても知られる)である。
さらなるDPP−4阻害薬として、以下の化合物を挙げることができる。
−以下の構造式Aを有するシタグリプチン(MK−0431)は、(3R)−3−アミノ−1−[3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−5H−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7−イル]4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−1−オン、別名(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンである。
一実施形態において、シタグリプチンは、その二水素リン酸塩の形態、すなわちシタグリプチンリン酸塩である。さらなる実施形態において、シタグリプチンリン酸塩は結晶性無水物または一水和物の形態である。この実施形態のクラスはシタグリプチンリン酸塩一水和物を指す。シタグリプチンの遊離塩基、およびその薬学的に許容される塩は米国特許第6,699,871号、およびWO03/004498の実施例7に開示されている。結晶性シタグリプチンリン酸塩一水和物はWO2005/003135およびWO2007/050485に開示されている。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
シタグリプチンの錠剤は、商品名Januvia(登録商標)で市販されている。シタグリプチン/メトホルミンの組合せの錠剤は、商品名Janumet(登録商標)で市販されている。
−以下の構造式Bの構造を有するビルダグリプチン(LAF−237)は、(2S)−{[(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)アミノ]アセチル}ピロリジン−2−カルボニトリル、別名(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンである。
ビルダグリプチンは、詳細には米国特許第6,166,063号、およびWO00/34241の実施例1に開示されている。ビルダグリプチンの特定の塩はWO2007/019255に開示されている。ビルダグリプチンの結晶形態、およびビルダグリプチンの錠剤はWO2006/078593に開示されている。ビルダグリプチンはWO00/34241またはWO2005/067976に記載されているように、製剤化することができる。放出が改良されたビルダグリプチン製剤はWO2006/135723に記載されている。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
ビルダグリプチンの錠剤は、商品名Galvus(登録商標)で市販される予定である。ビルダグリプチン/メトホルミンの組合せの錠剤は、商品名Eucreas(登録商標)で市販されている。
−以下の構造式Cを有するサキサグリプチン(BMS−477118)は、(1S,3S,5S)−2−{(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)アセチル}−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、別名(S)−3−ヒドロキシアダマンチルグリシン−L−cis−4,5−メタノプロリンニトリルである。
サクサグリプチンは、詳細には米国特許第6,395,767号、およびWO01/68603の実施例60に記載されている。
一実施形態において、サクサグリプチンはWO2004/052850に開示されているような、そのHCl塩またはそのモノベンゾエート塩の形態である。さらなる実施形態において、サクサグリプチンは遊離塩基の形態である。さらなる実施形態において、サクサグリプチンはWO2004/052850に開示されているような、遊離塩基の一水和物の形態である。サクサグリプチンのHCl塩および遊離塩基の結晶形態はWO2008/131149に開示されている。サクサグリプチンの調製方法はまた、WO2005/106011およびWO2005/115982にも開示されている。サクサグリプチンはWO2005/117841に記載されているように、錠剤に製剤化することができる。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−以下の構造式Eを有するアログリプチン(SYR−322)は、2−({6−[(3R)−3−アミノピペリジン−1−イル]−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イル}メチル)ベンゾニトリルである。
アログリプチンは、詳細にはUS2005/261271、EP1586571、およびWO2005/095381に開示されている。一実施形態において、アログリプチンはWO2007/035629に開示されるように、その安息香酸塩、その塩酸塩またはそのトシル酸塩の形態である。この実施形態のクラスは、アログリプチン安息香酸塩に関するものである。アログリプチン安息香酸塩の多形はWO2007/035372に開示されている。アログリプチンの調製方法はWO2007/112368、詳細にはWO2007/035629に開示されている。アログリプチン(すなわちその安息香酸塩)は、WO2007/033266に記載されるように、錠剤に製剤化し投与することができる。アログリプチン/ピオグリタゾンの固形調製物、ならびにその調製および使用はWO2008/093882に記載されている。アログリプチン/メトホルミンの固形調製物、ならびにその調製および使用はWO2009/011451に記載されている。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(2S)−1−{[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)エチルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−カルボニトリルもしくはその薬学的に許容される塩、好ましくはメシル酸塩、または
(2S)−1−{[1,1,−ジメチル−3−(4−ピリジン−3−イル−イミダゾール−1−イル)プロピルアミノ]アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリルもしくはその薬学的に許容される塩:
これらの化合物およびそれらの調製方法はWO03/037327に開示されている。前者の化合物のメシル酸塩、およびその結晶多形はWO2006/100181に開示されている。後者の化合物のフマル酸塩、およびその結晶多形はWO2007/071576に開示されている。これらの化合物はWO2007/017423に記載されているように、医薬組成物に製剤化することができる。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(S)−1−((2S,3S,11bS)−2−アミノ−9,10−ジメトキシ−1,3,4,6,7,11b−ヘキサヒドロ−2H−ピリド[2,1−a]イソキノリン−3−イル)−4−フルオロメチル−ピロリジン−2−オン(別名カルメグリプチン)またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2005/000848に開示されている。この化合物(詳細には、その二塩酸塩)の調製方法も、WO2008/031749、WO2008/031750およびWO2008/055814に開示されている。この化合物はWO2007/017423に記載されるように、医薬組成物に製剤化することができる。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−((2S,4S)−4−(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ピロリジン−2−イル)メタノン(別名ゴソグリプチン)またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2005/116014、およびUS7291618に開示されている。
したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(1((3S,4S)−4−アミノ−1−(4−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピロリジン−3−イル)−5,5−ジフルオロピペリジン−2−オン、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2007/148185およびUS20070299076に開示されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(2S,4S)−1−{2−[(3S,1R)−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)シクロペンチルアミノ]アセチル}−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル(別名メログリプチン)、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2006/040625およびWO2008/001195に開示されている。詳細には、特許請求された塩は、メタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩を含む。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(R)−2−[6−(3−アミノ−ピペリジン−1−イル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリミジン−1−イルメチル]−4−フルオロベンゾニトリル、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法および使用はWO2005/095381、US2007060530、WO2007/033350、WO2007/035629、WO2007/074884、WO2007/112368、WO2008/033851、WO2008/114800、およびWO2008/114807に開示されている。詳細には、特許請求された塩は、コハク酸塩(WO2008/067465)、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、(R)−マンデル酸塩、および塩酸塩を含む。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−5−{(S)−2−[2−((S)−2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−プロピル}−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−2,8−ジカルボン酸ビスジメチルアミド、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物および調製方法はWO2006/116157およびUS2006/270701に開示されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−3−{(2S,4S)−4−[4−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−5−イル)ピペラジン−1−イル]ピロリジン−2−イルカルボニル}チアゾリジン(別名テネリグリプチン)、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO02/14271に開示されている。特定の塩はWO2006/088129およびWO2006/118127(特に塩酸塩、臭化水素酸塩を含む)に開示されている。この化合物を使用する併用療法はWO2006/129785に記載されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−[(2R)−1−{[(3R)−ピロリジン−3−イルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−イル]ボロン酸(別名デュトグリプチン)、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2005/047297、WO2008/109681およびWO2009/009751に開示されている。特定の塩はWO2008/027273(クエン酸塩、酒石酸塩を含む)に開示されている。この化合物の製剤はWO2008/144730に記載されている。デュトグリプチン(その酒石酸塩)とメトホルミンとの製剤はWO2009/091663に記載されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(2S,4S)−1−[2−[(4−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル)アミノ]アセチル]−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル(別名ビセグリプチン)、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2005/075421、US2008/146818、およびWO2008/114857に開示されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−2−({6−[(3R)−3−アミノ−3−メチルピペリジン−1−イル]−1,3−ジメチル−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル}メチル)−4−フルオロベンゾニトリルもしくはその薬学的に許容される塩、または6−[(3R)−3−アミノ−ピペリジン−1−イル]−5−(2−クロロ−5−フルオロ−ベンジル)−1,3−ジメチル−1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオンもしくはその薬学的に許容される塩;
これらの化合物およびそれらの調製方法は、それぞれWO2009/084497およびWO2006/068163に開示されている。これらの2つの化合物の後者を使用する併用療法はWO2009/128360に記載されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
−(S)−2−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−カルボン酸{2−[(2−シアノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチルアミノ]−2−メチルプロピル}アミド(別名アナグリプチン)、またはその薬学的に許容される塩:
この化合物およびその調製方法はWO2004/067509に開示されている。この化合物を使用する併用療法はWO2009/139362に記載されている。したがって、例えばこの化合物またはその塩を製造、製剤化または使用するための方法に関する詳細については、これらの文献を参照する。
好ましくは本発明のDPP−4阻害薬は、リナグリプチン、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、サクサグリプチン、テネリグリプチン、アナグリプチン、ゲミグリプチン、およびデュトグリプチン、または本明細書で述べたDPP−4阻害薬のうちの1つのその薬学的に許容される塩、またはそのプロドラッグからなる群から選択される。
本発明で強調すべき特に好ましいDPP−4阻害薬はリナグリプチンである。本明細書で用いる用語「リナグリプチン」は、その水和物および溶媒和物ならびにその結晶形態を含めたリナグリプチンまたはその薬学的に許容される塩を指し、好ましくは、リナグリプチンは1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチンを指す。結晶形態はWO2007/128721に記載されている。リナグリプチンの製造方法は、例えば特許出願WO2004/018468およびWO2006/048427に記載されている。リナグリプチンは、構造的に類似したDPP−4阻害薬とは区別される。なぜなら、リナグリプチンは非常に優れた効能および長期作用と、好都合な薬理学的特性、受容体選択性、および好都合な副作用プロファイルとを組み合わせている、または単剤療法、または2剤もしくは3剤併用療法において、治療上の予期せぬ利点または改善をもたらすからである。
いかなる疑いも避けるために、特定のDPP−4阻害薬と関連して上で引用した上述の文献および以下の文献の各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
本発明の一実施形態は、腎疾患、腎機能異常または腎機能障害をさらに患う患者における代謝疾患(特に2型糖尿病)の治療および/または予防における使用に適したDPP−4であって、特に前記DPP−4阻害薬が前記患者に、正常な腎機能を有する患者と同じ用量レベルで投与され、したがって、例えば前記DPP−4阻害薬が腎機能の障害に対して、投与を減らすように調整される必要がないことを特徴とする、DPP−4阻害薬に関する。
例えば、本発明によるDPP−4阻害薬(特に、腎機能が低下した患者に適している可能性があるもの)は、その活性代謝産物が、好ましくは比較的広い(例えば、約100倍超)治療濃度域を有する、および/または、特に肝代謝または胆汁中排泄によって(好ましくは腎臓にさらなる負担をかけることなく)主に排出されるような経口DPP−4阻害薬であってもよい。
さらに詳細には、本発明によるDPP−4阻害薬(特に腎機能が低下した患者に適している可能性があるもの)は比較的広い(例えば、約100倍超)治療濃度域を有する(好ましくはプラセボと同等な安全性プロファイルである)、および/または以下の薬物動態特性(好ましくは経口治療用量レベルで)の1つまたは複数を満たす、経口DPP−4阻害薬であってもよい。
−DPP−4阻害薬は、肝臓を介して実質的にまたは主に(例えば経口投与量の80%超または90%超)排泄される、および/または腎排泄は、実質的にない、または主要でない排出経路でしかないことを示す(例えば放射性標識炭素(14C)物質の経口用量の排出を追跡することにより測定された量は、例えば測定した経口投与量の10%未満、好ましくは7%未満である)、
−DPP−4阻害薬は、親薬物として大部分は変化せずに排泄され(例えば放射性標識炭素(14C)物質の経口投薬後の尿および大便中の排泄された放射能の平均が70超、または80%超、好ましくは90%である)、および/または代謝によって実質的に排出されない、もしくは少量程度しか排出されない(例えば30%未満、または20%未満、好ましくは10%)、
−DPP−4阻害薬の1種または複数の(主要)代謝産物は、薬理学的に不活性である。
例えば主要な代謝産物は標的酵素DPP−4に結合せず、任意選択で、親化合物と比較して急速に排出される(例えば代謝産物の消失半減期が20時間以下、好ましくは約16時間以下、例えば15.9時間である)。
一実施形態において、3−アミノピペリジン−1−イル置換基を有するDPP−4阻害薬(薬理的に不活性であってもよい)の血漿中(主要)代謝産物は、3−アミノピペリジン−1−イル部分のアミノ基がヒドロキシル基に置き換わって、3−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル部分(例えば、キラル中心の立体配置の反転によって形成される3−(S)−ヒドロキシピペリジン−1−イル部分)を形成するような誘導体である。
さらに、本発明によるDPP−4阻害薬の特性は、以下のうちの1つまたは複数であってもよい。定常状態の迅速な達成(例えば経口治療用量レベルによる治療の2日目と5日目の間に定常状態の血漿レベル(定常血漿濃度の90%超に達する)、少量の蓄積(例えば、経口治療用量レベルによる平均蓄積比RA,AUCが1.4以下である)、および/または、好ましくは1日1回用いた場合に、DPP−4阻害に対する長時間効果を維持すること(例えば経口治療用量レベルにおいて、DPP−4阻害がほぼ完全(90%超)、経口治療薬物用量の1日1回の摂取後の24時間の間隔にわたって80%超の阻害である)、治療上の用量レベルで、食後2時間の血中グルコース可動域の著しい低下が(治療の1日目にすでに)80%以上であること、および1日目に尿に排泄される無変化の親化合物の累積量が投与量の1%未満であり、定常状態で約3〜6%以下まで増加すること。
したがって、例えば本発明によるDPP−4阻害薬は、前記DPP−4阻害薬が、主に非腎臓排泄経路を有する、すなわち前記DPP−4阻害薬が腎臓を介して、実質的に排泄されない、もしくは少量程度(例えば投与された経口用量、好ましくは経口治療用量の10%未満、好ましくは7%未満、例えば約5%)しか排泄されない(例えば放射標識炭素(14C)物質の経口用量の排出を追跡することによって測定される)ことを特徴としてもよい。
さらに、本発明によるDPP−4阻害薬は、前記DPP−4阻害薬が実質的または主に肝臓、胆汁または大便を介して排泄されること(例えば放射標識炭素(14C)物質の経口用量の排出を追跡することによって測定される)を特徴としてもよい。
さらに、本発明によるDPP−4阻害薬は、
前記DPP−4阻害薬が、主に親薬物として無変化排泄されること(例えば放射標識炭素(14C)物質の経口投与後の尿および大便に排泄される放射能の平均が70%超、または80%超、好ましくは90%である)
前記DPP−4阻害薬が代謝を介して、実質的に排泄されない、もしくは少量程度しか排出されないこと、および/または
前記DPP−4阻害薬の主要代謝産物が薬理学的に不活性である、または比較的広い治療濃度域を有すること
を特徴としてもよい。
さらに本発明によるDPP−4阻害薬は、
前記DPP−4阻害薬が、慢性腎不全(例えば軽度、中等度もしくは重度の腎機能障害または末期の腎疾患)を有する2型糖尿病患者の糸球体および/または尿細管機能を著しく害さないこと、ならびに/あるいは
軽度または中等度の腎機能障害を有する2型糖尿病患者の血漿中の前記DPP−4阻害薬のトラフレベルが、正常な腎機能を有する患者のレベルに匹敵すること、ならびに/あるいは
前記DPP−4阻害薬が、腎機能の障害(例えば軽度、中等度もしくは重度の腎機能障害または末期腎疾患、好ましくは腎機能障害の段階にかかわらず)を有する2型糖尿病患者において用量を調整する必要がないこと
を特徴としてもよい。
さらに本発明によるDPP−4阻害薬は、
前記DPP−4阻害薬が、患者の80%超においてトラフ(最後の投与後24時間)でDPP−4活性の50%超の阻害をもたらす用量で、その最小限の有効用量を実現すること、および/または
前記DPP−4阻害薬が、患者の80%超においてトラフ(最後の投与後24時間)でDPP−4活性の80%超の阻害をもたらす用量で、その完全治療用量を実現すること
を特徴としてもよい。
さらに本発明によるDPP−4阻害薬は、腎機能障害または腎臓合併症と診断された、および/または腎臓合併症の発生のリスクがある2型糖尿病患者、例えば糖尿病性腎症(慢性および進行性腎機能不全、アルブミン尿、タンパク尿、体内の体液貯留(浮腫)、および/または高血圧を含む)を有する、またはそのリスクがある患者における使用に適していることを特徴としてもよい。
糖尿病の治療のモニタリングにおいて、HbA1c値、すなわちヘモグロビンB鎖の非酵素的グリコシル化の産物が格別に重要である。その形成は血糖値および赤血球の寿命に実質的に依存するので、「血糖記憶」の意味におけるHbA1cが、先行する4〜12週の平均血糖値を反映する。HbA1cレベルが長時間にわたって、より徹底した糖尿病治療によって十分にコントロールされていた糖尿病患者(すなわち試料中の全ヘモグロビンの6.5%未満)は、糖尿病性細小血管障害からかなり良好に保護される。糖尿病に利用可能な治療は、1.0〜1.5%のオーダーの、HbA1cレベルの平均的改善を糖尿病患者に与えうる。HbA1cレベルのこの低下は、すべての糖尿病患者のHbAlcを7.0%未満、好ましくは6.5%未満、さらに好ましくは6%未満という所望の目標範囲の状態にするのには十分ではない。
本発明の意味の範囲内で、不適切なまたは不十分な血糖コントロールは、特に患者が6.5%超、特に7.0%超、より好ましくは7,5%超、特に8%超のHbA1c値を示す状態を意味する。血糖コントロールが不適切なまたは不十分な患者の実施形態は、それらに限定されないが、7,5〜10%(別の実施形態において7.5〜11%)のHbAlc値を有する患者を含む。不適切なコントロールを受けている患者の特殊な従属実施形態は、それに限定されないが、9%以上のHbA1c値を有する患者を含めた、血糖コントロールが劣っている患者を意味する。
血糖コントロールにおいて、HbA1cレベルの改善に加えて、2型糖尿病患者に推奨される他の治療目標は、空腹時血漿グルコース(FPG)レベルおよび食後の血漿グルコース(PPG)レベルを正常、またはできるだけ正常付近に改善することである。食前(空腹時)血漿グルコースの推奨される所望の目標範囲は70〜130mg/dL(もしくは90〜130mg/dL)または110mg/dL未満であり、食後2時間での血漿グルコースについては180mg/dL未満または140mg/dL未満である。
一実施形態において、本発明の意味の範囲内での糖尿病患者は、これまで抗糖尿病薬で治療を受けたことのない患者(薬物未投与患者)を含んでもよい。したがって、一実施形態において本明細書に記述する治療法が、薬物未投与患者に使用されてもよい。別の実施形態において、本発明の意味の範囲内での糖尿病患者は、例えば1種、2種またはそれ以上の、本明細書に示した従来の経口および/または非経口抗糖尿病薬について血糖コントロールが不十分であった患者、例えばメトホルミン、チアゾリジンジオン(特にピオグリタゾン)、スルホニル尿素薬、グリニド、GLP−1もしくはGLP−1類似体、インスリンもしくはインスリン類似体、またはα−グルコシダーゼ阻害薬による(単剤)療法にもかかわらず、あるいはメトホルミン/スルホニル尿素、メトホルミン/チアゾリジンジオン(特に、ピオグリタゾン)、スルホニル尿素薬/α−グルコシダーゼ阻害薬、ピオグリタゾン/スルホニル尿素薬、メトホルミン/インスリン、ピオグリタゾン/インスリン、またはスルホニル尿素/インスリンによる2剤併用療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分であった患者などの、進行したまたは後期の2型糖尿病の患者(従来の抗糖尿病療法に失敗した患者を含む)を含んでもよい。したがって、一実施形態において本明細書に記述する治療法が、例えば本明細書で述べた従来の経口および/または非経口抗糖尿病薬の単剤療法、または2剤もしくは3剤併用療法などの治療法を経験した患者において使用されてもよい。
本発明の意味の範囲内での糖尿病患者のさらなる実施形態は、
−メトホルミン療法が禁忌である患者、例えばラベルによるメトホルミン療法に対して1つまたは複数の禁忌を有する患者、例えば、
腎疾患、腎障害または腎不全(例えばある地域で認可されたメトホルミンの製品情報により特定されるような)、
脱水、
不安定なまたは急性の鬱血性心不全、
急性または慢性代謝性アシドーシス、および
遺伝性ガラクトース不耐症
から選択される少なくとも1つの禁忌のある患者、ならびに
−メトホルミンに起因する1つ以上の忍容できない副作用、特にメトホルミンと関連する胃腸の副作用を患う患者、例えば、
悪心
嘔吐
下痢
腸内ガス、および
腹部のひどい不快感
から選択される少なくとも1つの胃腸の副作用を患う患者
を含む、メトホルミン療法が適していない患者を意味する。
本発明の治療法に適している可能性がある糖尿病患者のさらなる実施形態は、それに限定されないが、通常のメトホルミン療法が適切でない糖尿病患者、例えばメトホルミンに対する忍容性の低下、不耐性、もしくは禁忌により、または腎機能の(軽度の)障害/低下により、用量減少したメトホルミン療法を必要とする糖尿病患者(高齢患者、例えば60歳以上〜65歳を含む)を含んでもよい。
本発明の意味の範囲内での患者(例えば糖尿病および/または肥満の)のさらなる実施形態は、例えば血清クレアチニン値の上昇(例えば年齢の正常値の上限を超える血清クレアチニン値、例えば男性で130μmol/l以上〜150μmol/l、または1.5mg/dl以上(136μmol/l以上)および女性で1.4mg/dl以上(124μmol/l以上))または異常なクレアチニンクリアランス(例えば30ml/分以上〜60ml/分の糸球体濾過量(GFR))によって示唆されるような、腎疾患、腎機能異常、または腎機能の不全もしくは障害(軽度、中等度および重度の腎機能障害を含む)を有する患者を意味する。
本文脈において、さらに詳細な例について、軽度の腎機能障害が、例えば50〜80ml/分のクレアチニンクリアランス(男性で1.7mg/dL以下、および女性で1.5mg/dL以下の血清クレアチン値にほぼ相当する)によって示唆されてもよく、中等度の腎機能障害が、例えば30〜50ml/分のクレアチニンクリアランス(男性で1.7mg/dL超〜3.0mg/dL以下、および女性で1.5mg/dL超〜2.5mg/dL以下の血清クレアチンレベルにほぼ相当する)によって示唆されてもよく、重度の腎機能障害が、例えば30ml/分未満のクレアチニンクリアランス(男性で3.0mg/dL超、および女性で2.5mg/dL超の血清クレアチン値にほぼ相当する)によって示唆されてもよい末期段階の腎疾患の患者は、透析(例えば血液透析または腹膜透析)を必要とする。
他のさらに詳細な例について、腎疾患、腎機能異常または腎機能障害を有する患者は、慢性的な腎臓の不全または障害を有する患者を含み、それは糸球体濾過量(GFR、ml/分/1.73m2)に応じて5つの病期に分けることができる。第1期は、90以上の正常GFRに加えて、持続性アルブミン尿または既知の器質的もしくは遺伝性腎疾患によって特徴付けられ;第2期は、軽度の腎機能障害を表すGFRの穏やかな減少(60〜89)によって特徴付けられ;第3期は、中等度の腎機能障害を表すGFRの中等度の減少(GFR30〜59)によって特徴付けられ;第4期は、重度の腎機能障害を表すGFRの重度の減少(GFR15〜29)によって特徴付けられ;最後の第5期は、透析を必要とする、または確立された腎不全(末期腎疾患、ESRD)を表す、15未満のGFRによって特徴付けられる。
本発明の意味の範囲内の患者(例えば糖尿病および/または肥満)のさらなる実施形態は、腎臓合併症、例えば糖尿病性腎症(慢性および進行性腎機能不全、アルブミン尿、タンパク尿、体内の体液貯留(浮腫)および/または高血圧を含む)を発症している、または発症するリスクがある2型糖尿病および/または肥満の患者を意味する。
本発明の治療法に適した代謝障害または代謝疾患の例としては、それらに限定されないが、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、高血糖、食後高血糖、吸収後高血糖、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、過体重、肥満、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高非エステル型脂肪酸血症、空腹時または食後高脂血症、例えば食後脂肪血症(例えば食後高トリグリセリド血症)、高血圧症、アテローム性動脈硬化症、内皮機能異常、骨粗しょう症、慢性全身性炎症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、糖尿病網膜症、ニューロパチー、腎障害、多嚢胞性卵巣症候群、および/またはメタボリックシンドロームを挙げることができる。
本発明はさらに、
それを必要とする患者に(例えば本明細書に記載されている患者、例えば過体重、肥満および/または糖尿病を有する患者)、
特に、カロリー摂取、過剰な食物エネルギー摂取、体重、総体脂肪塊、総体脂肪率、内臓脂肪および/または過食の低減、その低減の促進またはその増加の予防をさらに必要とする患者にならびに/あるいは
食品の摂取の変更および/または低減をさらに必要とする患者に、特に、前記食品は、脂肪および/または炭水化物が豊富であり(例えば高カロリーの、美味な、甘いおよび/または脂肪分の多い食品)、例えば高グリセミック指数を有するならびに/あるいは単糖および/または二糖が炭水化物の総量の大部分を構成するならびに/あるいはエネルギーの総量の大部分が脂肪に由来するような食品であり、ならびに/あるいは
高カロリーの(美味な、脂肪および/または炭水化物が豊富な)食品の摂取の低減ならびに/あるいは健康に良くない食品(例えば本明細書に記載されているような)から離れて、健康に良い食品(例えば本明細書に記載されているような)への、食品もしくは味の好みまたは食品の選択の調節または移行をさらに必要とする患者に、健康に良くないおよび/または高カロリーの(例えば美味な、脂肪および/または炭水化物が豊富な)食品摂取の量の減少を必要とする患者ならびに/あるいは健康に良いおよび/または低カロリーの食品摂取の量の増加を必要とする患者などにおいて、
以下の方法
−例えば、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、空腹時血中ブドウ糖不良(IFG)、高血糖、食後高血糖、吸収後高血糖、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA)、過体重、肥満、脂質異常症、高脂血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高NEFA血症、食後高脂血症(例えば食後高トリグリセリド血症)、高血圧、アテローム性動脈硬化症、内皮細胞機能不全、骨粗鬆症、慢性全身性炎症、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、網膜症、ニューロパチー、腎症、多嚢胞性卵巣症候群および/または代謝症候群などの代謝障害もしくは疾患を予防すること、その進行を遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療すること、
−血糖コントロールを改善することおよび/または維持することならびに/あるいは空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコース、吸収後血漿グルコースおよび/またはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cを低減するための、あるいは治療にもかかわらず血糖コントロールの悪化もしくは低下、インスリン療法の必要性またはHbA1cの上昇を予防すること、そのリスクを低減すること、その進行を遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療すること;
−前糖尿病、耐糖能障害(IGT)、空腹時血中ブドウ糖不良(IFG)、インスリン抵抗性からおよび/または代謝症候群から2型糖尿病への進行を予防すること、それを遅らせること、その発症を遅延させることまたはその進行を逆転させること;
−微小血管性および大血管性疾患など、腎症、ミクロもしくはマクロアルブミン尿、タンパク尿、網膜症、白内障、ニューロパチー、学習もしくは記憶障害、神経変性もしくは認知障害、心血管もしくは脳血管疾患、組織虚血、糖尿病性足病変もしくは潰瘍、アテローム性動脈硬化症、高血圧、内皮細胞機能不全、心筋梗塞、急性冠動脈症候群、不安定狭心症、安定狭心症、末梢動脈閉塞性疾患、心筋症、心不全、心リズム障害、血管再狭窄および/または脳卒中などの糖尿病の合併症を予防すること、そのリスクを低減すること、その進行を遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療すること;
−体重および/または体脂肪および/または肝脂肪および/または筋細胞内脂肪を低減することあるいは体重および/または体脂肪および/または肝脂肪および/または筋細胞内脂肪の増加を予防することあるいは体重および/または体脂肪および/または肝脂肪および/または筋細胞内脂肪の低減を促進すること;
−膵臓ベータ細胞の変性および/または膵臓ベータ細胞の機能性の低下を予防すること、遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療することならびに/あるいは膵臓ベータ細胞の機能性を改善するための、保存するためのおよび/または回復させるためのならびに/あるいは膵臓のインスリン分泌の機能性を刺激するためのおよび/または回復させるためのまたは保護するための;
−脂肪肝を含む非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および/または肝線維症を予防すること、遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療すること(例えば脂肪肝、(肝)炎症および/または肝脂肪の異常蓄積を予防すること、その進行を遅らせること、その発症を遅延させること、それを減弱させること、治療することまたは逆転させること);
−従来の抗糖尿病単剤または併用療法に失敗した2型糖尿病を予防すること、その進行を遅らせること、その発症を遅延させることまたはそれを治療すること;
−十分な治療効果のために必要な従来の抗糖尿病薬物療法の用量の低減を達成すること;
−従来の抗糖尿病薬物療法と関連する有害作用(例えば低血糖または体重増加)のリスクを低減すること;ならびに/あるいは
−インスリン感受性を維持することおよび/または改善することならびに/あるいは高インスリン血症および/またはインスリン抵抗性を治療するためのまたは予防するための方法
の少なくとも1つにおける使用のための、ある特定のDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチンであり、例えばGLP−1受容体アゴニスト、特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体を含めたものなどおよび/または(好ましくは)ボグリボースなどのα−グルコシダーゼ阻害薬などの、1種または複数の他の活性剤と組み合わせてもよい)
に関する。
特定の実施形態では、本発明はさらに、
対象に(例えばそれを必要とするヒト対象、例えば過体重、肥満および/または糖尿病を有する患者など)、
カロリー摂取、過剰な食物エネルギー摂取、体重、総体脂肪塊、総体脂肪率、内臓脂肪および/または過食を低減する方法、その低減を促進する方法またはその増加を予防する方法ならびに/あるいは
食品の摂取を変更する方法および/または低減する方法、特に、前記食品は、脂肪および/または炭水化物が豊富であり(例えば高カロリーの、美味な、甘いおよび/または脂肪分の多い食品)、例えば高グリセミック指数を有するならびに/あるいは単糖および/または二糖が炭水化物の総量の大部分を構成するならびに/あるいはエネルギーの総量の大部分が脂肪に由来するような食品であり、ならびに/あるいは
高カロリーの(美味な、脂肪および/または炭水化物が豊富な)食品の摂取を低減する方法ならびに/あるいは健康に良くない食品(例えば本明細書に記載されているような)から離れて、健康に良い食品(例えば本明細書に記載されているような)への、食品もしくは味の好みまたは食品の選択を調節または移行する方法、健康に良くないおよび/または高カロリーの(例えば美味な、脂肪および/または炭水化物が豊富な)食品摂取の量を減少させる方法ならびに/あるいは健康に良いおよび/または低カロリーの食品摂取の量を増加させる方法であって、
本明細書に定義されているようなある特定のDPP−4阻害薬の有効量(好ましくはリナグリプチンを、例えば0.3〜10mgもしくは0.1〜30mg、好ましくは1から5mgまでもしくは1から10mgまでの皮下量で、例えば1日当たり2.5mgもしくは5mgなど)およびGLP−1受容体アゴニスト、特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体および/またはアルファ−グルコシダーゼ阻害薬(例えばボグリボース、ミグリトールもしくはアカルボースを、低用量の形などで、好ましくはボグリボース)を、対象に(例えば同時に、例えば1日2回、例えば皮下もしくは経皮)投与することを含む方法に関する。
本発明の範囲内では、本発明による組合せ、組成物または組み合わされた使用は、活性成分または材料の同時投与、逐次投与または別々投与を想定し得ることが理解されるべきである。
この状況において、「組合せ」または「組み合わされた」は、本発明の意味の範囲内では、限定されることなく、例えば成分または材料の同時使用、逐次使用または別々使用などの、固定されたおよび固定されていない(例えば自由な)形(キットを含む)および使用を含み得る。
本発明の組み合わされた投与は、例えば、単一のまたは2つの別個の製剤または剤形で、それらを同時に投与することによってなどの、活性成分または材料を一緒に投与することによって行われ得る。あるいは、投与は、例えば2つの別個の製剤または剤形で連続的になど、活性成分または材料を逐次的に投与することによって行われ得る。
本発明の併用療法について、活性成分または材料は、別々に投与され得る(それらが別個に製剤化されることを暗示する)または一緒に製剤化され得る(それらが同一の調製物でもしくは同一の剤形で製剤化されることを暗示する)。よって、本発明の組合せの1つの要素の投与は、組合せの他の要素の投与の前、投与と同時または投与の後であり得る。
例えば、一実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、異なる製剤または異なる剤形で投与される。
別の実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、同一の製剤または同一の剤形で投与される。
さらなる実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、同時に投与される。
さらなる実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬は、経口投与され、GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、皮下投与される。
さらなる実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、それぞれ皮下投与される。
さらなる実施形態では、本発明による併用療法について、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、同時におよびそれぞれ皮下投与される。
本発明は、
a)本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)を含み、1種または複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物ならびに
b)本明細書に定義されているようなGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)を含み、1種または複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい医薬組成物
を含む、キットオブパーツまたは併用療法の製品も提供する。
本発明は、
a)本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)ならびに
b)本明細書に定義されているようなGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)
を含み、DPP−4阻害薬およびGLP−1受容体アゴニストの、例えば本発明の目的のための、組み合わせた(例えば同時の)使用を指示する使用説明書
を含んでもよいキットも提供する。
本発明は、
a)本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)ならびに
b)本明細書に定義されているようなGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)
を含み、1種または複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤
を含んでもよい、医薬組成物あるいは固定された用量の組合せも提供する。
本発明は、
a)本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)
を含み、
b)本明細書に定義されているようなGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)
を含んでもよく、
1種または複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤
を含んでもよい、全身使用のための、経皮もしくは皮下(注射用)医薬組成物、送達システムまたはデバイスも提供する。
さらに、本発明は、
本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬(好ましくはリナグリプチン)
を含み、
本明細書に定義されているようなGLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)
を含んでもよく、
1種または複数の薬学的に許容される担体および/または希釈剤
を含んでもよく、
それを必要とする患者への皮下投与、例えば注射による投与のための、本発明による医薬組成物に関する。
特に断りのない限り、併用療法は、第1の選択療法、第2の選択療法もしくは第3の選択療法または初期もしくは追加併用療法または代替療法を指すこともある。
実施形態Aに関して、本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬の合成方法は、当業者に知られている。有利には、本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬は、文献に記載されているような合成方法を使用して調製することができる。したがって、例えば、式(I)のプリン誘導体は、国際公開第2002/068420号、国際公開第2004/018468号、国際公開第2005/085246号、国際公開第2006/029769号または国際公開第2006/048427号に記載されているように得ることができ、それらの開示は本明細書に組み込まれる。
式(II)のプリン誘導体は、例えば、国際公開第2004/050658号または国際公開第2005/110999号に記載されているように得ることができ、それらの開示は本明細書に組み込まれる。
式(III)および(IV)のプリン誘導体は、例えば、国際公開第2006/068163号、国際公開第2007/071738号または国際公開第2008/017670号に記載されているように得ることができ、それらの開示は本明細書に組み込まれる。本明細書における上記に具体的に言及されている、それらのDPP−4阻害薬の調製は、それと関連して言及されている出版物に開示されている。特定のDPP−4阻害薬の多形結晶変態および製剤は、それぞれ国際公開第2007/128721号または国際公開第2007/128724号に開示されており、それらの開示は本明細書にその全体が組み込まれる。特定のDPP−4阻害薬とメトホルミンとのまたは他の組合せ相手との製剤は、国際公開第2009/121945号に記載されており、その開示は本明細書にその全体が組み込まれる。
リナグリプチン/メトホルミンIR(即時放出)の2剤の固定された組合せ(錠剤)の典型的な投薬含量は、2.5/500mg、2.5/850mgおよび2.5/1000mgであり、それらは1日1〜3回、特に1日2回投与され得る。
リナグリプチン/メトホルミンXR(長期放出)の2剤の固定された組合せ(錠剤)の典型的な投薬含量は、5/500mg、5/1000mgおよび5/1500mg(それぞれ錠剤1個)または2.5/500mg、2.5/750mgおよび2.5/1000mg(それぞれ錠剤2個)であり、それらは1日1〜2回、特に1日1回投与され得、好ましくは晩に食事とともに服用され得る。
本発明は、メトホルミン(例えば塩酸メトホルミンを500から2000mgまでの全日量で、例えば500mg、850mgまたは1000mgを1日1回または2回など)との(追加または初期)併用療法における使用のための、本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬をさらに提供する。
実施形態Bに関して、実施形態BのDPP−4阻害薬の合成方法は、科学文献におよび/または公開特許文書に、特に本明細書に引用されているものに記載されている。
本発明の組合せの要素は、種々のやり方によって、例えば、経口、経頬、舌下、腸内、非経口(例えば、経皮、筋肉内もしくは皮下)、吸入による(例えば、液剤もしくは散剤の吸入、エアゾール剤)、経肺、鼻腔内(例えば噴霧)、腹腔内、経膣、直腸または局所の投与経路によって投与され得、それぞれの投与経路に適切な、従来の非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバントおよび媒体を含有する適した単位剤形の製剤に、単独でまたは一緒に製剤化され得る。
ある実施形態では、本発明によるDPP−4阻害薬は、好ましくは経口投与される。別の実施形態では、GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、好ましくは注射によって(好ましくは皮下に)投与される。
DPP−4阻害薬の適した用量および剤形は、当業者によって決定され得、本明細書にまたは関連性のある参照文献に記載されているものを含み得る。
温血脊椎動物、特にヒトにおける医薬適用について、本発明の化合物は通常、0.001から100mg/kg体重までの投与量で、好ましくは0.01〜15mg/kgまたは0.1〜15mg/kgで、いずれの場合にも1日1〜4回使用される。この目的のために、他の活性物質と組み合わされてもよい化合物は、1種または複数の不活性の従来の担体および/または希釈剤と一緒に、例えばトウモロコシデンプン、ラクトース、グルコース、微結晶性セルロース、マグネシウムステアレート、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロースもしくは硬い油脂などの脂肪質の物質またはそれらの適した混合物と一緒に、素錠もしくはコーティング錠、カプセル剤、散剤、懸濁剤または坐剤などの従来の生薬調製物に組み込まれ得る。
したがって、本明細書に定義されているようなDPP−4阻害薬を含む、本発明による医薬組成物は、当技術分野において記載されているようなおよび所望される投与経路に適切な、薬学的に許容される製剤賦形剤を使用して、当業者によって調製される。そのような賦形剤の例は、希釈剤、結合剤、担体、充填剤、滑沢剤、流動促進剤、結晶化遅延剤、崩壊剤、可溶化剤、着色剤、pH調節剤、界面活性剤および乳化剤を含むが、それらに限定されるものではない。
本発明のDPP−4阻害薬の経口製剤または剤形は、既知の技術に従って調製され得る。
実施形態Aによる化合物に適した希釈剤の例は、セルロース粉末、リン酸水素カルシウム、エリスリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、α化デンプンまたはキシリトールを含む。
本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬の医薬組成物または剤形(例えば経口錠剤)は、典型的には、賦形剤として(活性材料に加えて)、例えば、1種または複数の希釈剤、結合剤、崩壊剤および滑沢剤、好ましくはそれぞれ本明細書における下記に開示されているようなものを含有し得る。ある実施形態では、崩壊剤が存在していてもよい。
実施形態Aによる化合物に適した滑沢剤の例は、タルク、ポリエチレングリコール、カルシウムベヘネート、カルシウムステアレート、水添ヒマシ油またはマグネシウムステアレートを含む。
実施形態Aによる化合物に適した結合剤の例は、コポビドン(ビニルピロリドンと他のビニル誘導体との共重合物)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、α化デンプンまたは低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)を含む。
実施形態Aによる化合物に適した崩壊剤の例は、トウモロコシデンプンまたはクロスポビドンを含む。
本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬の(経口)調製物または剤形を調製するのに適した方法は、
・粉末混合物中の活性物質の適した打錠賦形剤との直接打錠、
・適した賦形剤との造粒およびその後の適した賦形剤との混合およびその後の打錠およびフィルムコーティングまたは
・粉末混合物もしくは顆粒剤のカプセル剤への充填
である。
適した造粒方法は、
・インテンシブミキサー内での湿式造粒後、流動床乾燥、
・ワンポット造粒、
・流動床造粒または
・適した賦形剤との乾式造粒(例えばローラー圧縮によって)およびその後の打錠もしくはカプセル剤への充填
である。
本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬の例示的な組成物(例えば錠剤コア)は、第1の希釈剤であるマンニトール、追加の結合剤の特性を有する第2の希釈剤としてのα化デンプン、結合剤であるコポビドン、崩壊剤であるトウモロコシデンプンおよび滑沢剤としてのマグネシウムステアレートを含み、コポビドンおよび/またはトウモロコシデンプンを含んでもよい。
本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬の錠剤は、フィルムコーティングされてよく、好ましくはフィルムコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール(PEG)、タルク、二酸化チタンならびに酸化鉄(例えばレッドおよび/またはイエロー)を含む。
さらなる実施形態では、本発明によるDPP−4阻害薬は、好ましくは注射によって(好ましくは皮下に)投与される。別の実施形態では、GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、好ましくは同様に注射によって(好ましくは皮下に)投与される。
GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)および/または本発明のDPP−4阻害薬の注射用製剤(特に皮下使用)は、注射用の液剤または懸濁剤を得るための、例えば、通常は滅菌水を含む適した液体担体を使用して、ならびにさらなる添加剤、例えば保存剤、pH調整剤、緩衝剤、等張化剤、溶解助剤および/または界面活性剤などを使用してもよく、既知の製剤技術に従って調製され得る。加えて、注射用製剤は、薬物(複数可)の放出を遅延させるさらなる添加剤、例えば塩、溶解度変性剤または沈殿剤を含み得る。さらに加えて、注射用GLP−1製剤は、GLP−1を安定化させる薬剤(例えば界面活性剤)を含み得る。
例えば、GLP−1受容体アゴニスト(例えばエキセナチド)を含有し、本発明のDPP−4阻害薬と一緒に含有してもよい注射用製剤(特に皮下使用)は、以下の添加剤:張性調整剤(例えばマンニトールなど)、抗菌保存剤(例えばメタクレゾールなど)、緩衝剤またはpH調整剤(例えば、pH4.5の緩衝溶液として、注射用水中の氷酢酸およびナトリウムアセテート三水和物など)をさらに含み得、可溶化剤および/または安定化剤(例えば界面活性剤もしくは洗浄剤など)をさらに含んでもよい。
さらなる実施形態では、本発明によるDPP−4阻害薬は、好ましくは経皮送達システムによって投与される。別の実施形態では、GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、好ましくは同様に経皮送達システムによって投与される。
GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)および/または本発明のDPP−4阻害薬の(例えば経皮貼付剤もしくはゲルのための)経皮製剤は、例えば、適した担体を使用して、およびさらなる添加剤を使用してもよく、既知の製剤技術に従って調製され得る。経皮通過を容易にするために、例えば、皮膚におけるマイクロチャネルまたは微小孔の形成を含む技術など、例えば、イオントフォレーシス(低レベルの電流に基づく)、ソノフォレーシス(低周波超音波に基づく)またはマイクロ穿刺など、あるいは薬物担体薬剤(例えば、トランスファーソームなどの弾性もしくは脂質小胞)または透過促進剤の使用などの、種々の方法およびシステムが使用され得る。
本発明のDPP−4阻害薬および/または本発明のGLP−1受容体アゴニストの剤形、製剤および投与に関するさらなる詳細については、科学文献および/または公開特許文書、特に本明細書に引用されているものに言及されている。
医薬組成物(または製剤)は、種々のやり方でパッケージされ得る。一般に、流通のための物品は、1種または複数の医薬組成物を適切な形で含有する、1つまたは複数の容器を含む。錠剤は、典型的には、取り扱い、流通および貯蔵の容易さのためにならびに貯蔵中の環境との長期にわたる接触における組成物の適切な安定性を保証するために、適切な一次包装に包装される。錠剤のための一次容器は、瓶またはブリスターパックであり得る。
例えば、本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬を含む医薬組成物または組合せ(錠剤)に適した瓶は、ガラスまたはポリマー(好ましくはポリプロピレン(PP)もしくは高密度ポリエチレン(HD−PE))製であってよく、ねじ蓋で密封され得る。ねじ蓋には、子供による内容物へのアクセスを防止または妨害するための、チャイルドレジスタント安全クロージャー(例えば押してねじるクロージャー)を備え得る。必要に応じて(例えば高湿度の領域内)、乾燥剤(例えばベントナイト粘土、モレキュラーシーブまたは好ましくはシリカゲルなど)の追加の使用によって、パッケージされた組成物の貯蔵寿命を延長することができる。
例えば、本発明の実施形態AによるDPP−4阻害薬を含む医薬組成物または組合せ(錠剤)に適したブリスターパックは、上部箔(錠剤によって破ることが可能)および下部(錠剤用のポケットを含有する)を含むまたはこれらから形成される。上部箔は、内側(封されている側)の上を、ヒートシール性ポリマー層でコーティングされている金属箔、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金箔(例えば20μm〜45μm、好ましくは20μm〜25μmの厚さを有する)を含有し得る。下部は、多層ポリマー箔(例えばポリ(塩化ビニリデン)(vinylidene choride)(PVDC)でコーティングされたポリ(塩化ビニル)(PVC);もしくはポリ(クロロトリフルオロエチレン)(chlorotriflouroethylene)(PCTFE)で積層されたPVC箔)または多層ポリマー−金属−ポリマー箔(例えば冷間成形可能な積層PVC/アルミニウム/ポリアミド組成物など)を含有し得る。
特に高温多湿の気候条件下での長い貯蔵期間を保証するために、多層ポリマー−金属−ポリマー箔(例えば積層ポリエチレン/アルミニウム/ポリエステル組成物)製の追加の上包またはパウチを、ブリスターパックに使用してよい。このパウチパッケージ内の補助的な乾燥剤(例えばベントナイト粘土、モレキュラーシーブまたは好ましくはシリカゲルなど)は、そのような厳しい条件下において、貯蔵寿命をさらに延長することができる。
注射用液剤は、バイアル、カートリッジまたはプレフィルド(使い捨て)ペンなどの、さらにパッケージされ得る、典型的な適切な提示形態で利用可能であり得る。
物品はさらに、治療製品の商業用パッケージに慣習的に含まれる使用説明書を指すラベルまたは添付文書を含んでよく、これは、そのような治療製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、禁忌および/または警告についての情報を含有し得る。一実施形態では、ラベルまたは添付文書は、組成物を、本明細書に記載されている目的のいずれにも使用することができることを示す。
第1の実施形態(実施形態A)に関して、本明細書の実施形態Aにおいて言及されているDPP−4阻害薬の典型的に必要とされる投与量は、静脈内投与される場合には、0.1mg〜10mg、好ましくは0.25mg〜5mgであり、経口投与される場合には、0.5mg〜100mg、好ましくは2.5mg〜50mgまたは0.5mg〜10mg、より好ましくは2.5mg〜10mgまたは1mg〜5mgであり、いずれの場合にも1日1〜4回である。したがって、例えば1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチンの投与量は、経口投与される場合には、患者1人当たり1日当たり0.5mg〜10mgであり、好ましくは患者1人当たり1日当たり2.5mg〜10mgまたは1mg〜5mgである。
例えば、リナグリプチンの用量は、ヒト患者に皮下投与または静脈内投与される場合には、患者1人当たり1日当たり、0.3〜10mgの範囲であり、好ましくは1から5mgまでの範囲であり、特に2.5mgである。
さらなる実施形態では、例えば、リナグリプチンの用量は、ヒト患者に皮下投与される場合には(例えば肥満のヒト患者においてまたは肥満を治療するためなど)、患者1人当たり1日当たり、0.1〜30mgの範囲であり、好ましくは1から10mgまでの範囲であり、特に5mgである。
本明細書の実施形態Aにおいて言及されているDPP−4阻害薬を含む医薬組成物を用いて調製される剤形は、0.1〜100mgの投与量範囲の活性材料を含有する。したがって、例えば1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチンの特定の経口投薬含量は、0.5mg、1mg、2.5mg、5mgおよび10mgである。
第2の実施形態(実施形態B)に関して、本明細書の実施形態Bにおいて言及されているDPP−4阻害薬の、哺乳動物に、例えば体重およそ70kgの例えば人間に投与すべき用量は、一般に1人当たり1日当たり、約0.5mgから約350mgまで、例えば約10mgから約250mgまで、好ましくは20〜200mg、より好ましくは20〜100mgの活性部分であり得る、または例えば同一サイズのものであってよい1〜4回の単回用量に好ましくは分割されている、1人当たり1日当たり、約0.5mgから約20mgまで、好ましくは2.5〜10mgであり得る。単回経口投薬含量は、例えば、10、25、40、50、75、100、150および200mgのDPP−4阻害薬の活性部分を含む。
DPP−4阻害薬であるシタグリプチンの経口投薬含量は、通常25から200mgの間の活性部分である。シタグリプチンの推奨用量は、活性部分(遊離塩基無水物)について計算すると、1日1回100mgである。シタグリプチン遊離塩基無水物(活性部分)の単位投薬含量は、25、50、75、100、150および200mgである。シタグリプチンの特定の単位投薬含量(例えば1錠当たり)は、25、50および100mgである。シタグリプチン遊離塩基無水物と等量のシタグリプチンホスフェート一水和物は、医薬組成物中に、すなわち、それぞれ32.13、64.25、96.38、128.5、192.75および257mgが使用される。腎不全を有する患者には、調整された投与量の25および50mgのシタグリプチンが使用される。シタグリプチン/メトホルミンの2剤の組合せの典型的な投薬含量は、50/500mgおよび50/1000mgである。
DPP−4阻害薬であるビルダグリプチンの経口投与量範囲は、通常1日10から150mgの間であり、特に1日25から150mgの間、25から100mgの間または25から50mgの間または50から100mgの間である。1日経口投与量の特定例は、25、30、35、45、50、55、60、80、100または150mgである。より特定の態様では、ビルダグリプチンの1日投与量は、25から150mgの間または50から100mgの間であり得る。別のより特定の態様では、ビルダグリプチンの1日投与量は、50または100mgであり得る。活性材料の適用は、1日最大3回まで、好ましくは1日1回または2回行われ得る。特定の投薬含量は、50mgまたは100mgのビルダグリプチンである。ビルダグリプチン/メトホルミンの2剤の組合せの典型的な投薬含量は、50/850mgおよび50/1000mgである。
アログリプチンは、患者に、5mg/日から250mg/日の間の経口日用量で投与され得、アログリプチンを10mgから200mgの間で投与されてもよく、10mgから150mgの間で投与されてもよく、10mgから100mgの間で投与されてもよい(いずれの場合にもアログリプチンの遊離塩基形の分子量に基づく)。したがって、使用され得る具体的な経口投与量は、1日当たり10mg、12.5mg、20mg、25mg、50mg、75mgおよび100mgのアログリプチンを含むが、これらに限定されない。アログリプチンは、その遊離塩基形でまたは薬学的に許容される塩として投与され得る。
サキサグリプチンは、患者に、2.5mg/日から100mg/日の間の経口日用量で投与され得、2.5mgから50mgの間で投与されてもよい。使用され得る具体的な経口投与量は、1日当たり2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、30mg、40mg、50mgおよび100mgのサキサグリプチンを含むが、これらに限定されない。サキサグリプチン/メトホルミンの2剤の組合せの典型的な投薬含量は、2.5/500mgおよび2.5/1000mgである。
本発明のDPP−4阻害薬の特別な実施形態は、低用量レベルで、例えば、患者1人当たり1日当たり100mg未満または70mg未満、患者1人当たり1日当たり、好ましくは50mg未満、より好ましくは30mg未満または20mg未満、さらに好ましくは1mgから10mgまで、特に1mgから5mgまで(より特に5mg)の経口用量レベルで、治療的に有効であるDPP−4阻害薬を経口投与されるもの(必要に応じて、同一サイズのものであってよい1〜4回の単回用量、特に1回または2回の単回用量に分割され、優先的に1日1回または2回経口投与され(より優先的には1日1回)、有利には、食物の有無にかかわらず、1日のいつでも投与されるものを指す。したがって、例えば、1日経口量5mgのBI 1356は、1日1回の投与レジメン(すなわち5mgのBI 1356を1日1回)または1日2回の投与レジメン(すなわち2.5mgのBI 1356を1日2回)で、食物の有無にかかわらず、1日のいつでも与えることができる。
GLP−1受容体アゴニスト(特に、エキセナチドまたは天然型GLP−1などの、短時間作用型のGLP−1、GLP−1模倣体またはGLP−1類似体)は、典型的には、皮下注射によって、例えば1〜30μg、1〜20μgまたは5〜10μgなどの量で、例えば1日1回、2回または3回投与される。その実施形態は、少なくとも1日2回投与されるべきそれらの短時間作用型GLP−1類似体(または一般に、任意の短時間作用型GLP−1受容体アゴニスト)、例えばエキセナチドなどを指す。
例えば、エキセナチドは、典型的には、皮下注射によって1日2回投与される(例えばバイエッタとして、例えば5〜30μg、特に5〜20μg、好ましくは5〜10μgの用量で製剤化され、具体的な投薬含量は5または10μgである)。
本発明による組合せおよび組成物中の活性材料の投与量は変化し得るが、活性材料の量は、適した剤形が得られるようなものでなければならない。よって、選択される投与量および選択される剤形は、所望の治療効果、投与経路および治療の継続期間によって決まるものとする。組合せの投与量範囲は、単一薬剤についての最大耐量からより低用量まで、例えば最大耐量の10分の1までであり得る。
本発明の意味の範囲内で強調されるべき特に好ましいDPP−4阻害薬は、1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン(BI 1356またはリナグリプチンとしても知られている)である。BI 1356は、高力価、24時間の作用の持続時間および広い治療域を示す。1、2.5、5または10mgのBI 1356を1日1回12日間の多回経口用量を受けている2型糖尿病患者において、BI 1356は、好都合な薬力学的および薬物動態学的プロファイルを示し(例えば下表3を参照のこと)、定常状態の迅速な達成(例えば全用量群において治療の2日目から5日目の間に定常状態血漿レベルに到達する(13日目に投与前血漿濃度の90%を超える)、わずかな蓄積(例えば1mgを超える用量で平均蓄積比RA,AUC≦1.4を有する)およびDPP−4阻害に対する長時間持続効果の保存(例えば5mgおよび10mgの用量レベルでほぼ完全な(90%を超える)DPP−4阻害、すなわち、それぞれ定常状態で92.3および97.3%の阻害、ならびに薬物摂取後24時間の間隔にわたって80%を超える阻害を有する)、ならびに2.5mg以上の用量で80%以上の食後2時間血中グルコース変動の有意な低減(既に1日目において)、および1日目に尿中に排泄された未変化親化合物の蓄積量は、投与された用量の1%未満であり、12日目に約3〜6%以下に増加(腎クリアランスCLR,ssは、投与された経口用量に対して約14から約70mL/分までであり、例えば5mg用量について腎クリアランスは約70ml/分である)を示す。2型糖尿病を有する人々において、BI 1356は、プラセボ様の安全性および忍容性を示す。約5mg以上の低用量で、BI 1356は、丸24時間のDPP−4阻害の持続時間を有する、真の1日1回経口薬物として作用する。治療経口用量レベルで、BI 1356は、主に肝臓を介して排泄され、少程度のみ(投与された経口用量の約7%未満)が腎臓を介して排泄される。BI 1356は、主として胆汁を介して未変化で排泄される。BI 1356の腎臓を介して排泄される画分は、経時的におよび用量を増加するにつれて極めて僅かにのみ増加し、その結果、おそらく患者の腎機能に基づいてBI 1356の用量を変更する必要はない。BI 1356の腎外排泄は、その低い蓄積可能性および広い安全域と組み合わされて、腎機能不全および糖尿病性腎障害の高い有病率を有する患者集団において、著しく有益であり得る。
異なる代謝機能障害が同時に起こることが多いため、いくつかの異なる有効成分を互いに組み合わせるように指示されることがかなり多い。したがって、診断された機能障害に応じて、DPP−4阻害薬を、それぞれの障害には慣習的であり得る1種または複数の活性物質、例えば他の抗糖尿病物質、特に血中糖レベルもしくは血中脂質レベルを低下させ、血中HDLレベルを上昇させ、血圧を低下させるまたはアテローム性動脈硬化症もしくは肥満の治療において指示される活性物質の中から選択される1種または複数の活性物質などと組み合わせる場合には、改善された治療結果を得ることができる。
上述のDPP−4阻害薬は、単剤療法におけるそれらの使用に加えて、他の活性物質と併せて使用されてもよく、それによって、改善された治療結果を得ることができる。そのような併用治療は、物質の自由な組合せとしてまたは固定された組合せの形で、例えば錠剤またはカプセル剤の状態で与えられ得る。このために必要とされる組合せ相手の医薬製剤は、医薬組成物として商業的に得ることができるまたは当業者が従来の方法を使用して製剤化することができる。医薬組成物として商業的に得ることができる活性物質は、先行技術の多数の場所に、例えば、毎年出版される薬物リスト、連邦製薬工業協会(the federal association of the pharmaceutical industry)の「Rote Liste(登録商標)」の中にまたは「米医薬品便覧(Physicians’ Desk Reference)」として知られている、処方薬に関する製造業者の情報の毎年更新される編集物の中に記載されている。
抗糖尿病薬組合せ相手の例は、メトホルミン;グリベンクラミド、トルブタミド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリボルヌリドおよびグリクラジドなどのスルホニル尿素;ナテグリニド;レパグリニド;ミチグリニド;ロシグリタゾンおよびピオグリタゾンなどのチアゾリジンジオン;メタグリダーゼ(metaglidase)などのPPARガンマモジュレーター;例えばリボグリタゾン、ミトグリタゾン(mitoglitazone)、INT−131およびバラグリタゾンなどのPPAR−ガンマアゴニスト;PPAR−ガンマアンタゴニスト;テサグリタザール、ムラグリタザール、アレグリタザール、インデグリタザルおよびKRP297などのPPAR−ガンマ/アルファモジュレーター;例えばロベグリタゾンなどのPPAR−ガンマ/アルファ/デルタモジュレーター;AICARなどのAMPK−活性化剤;アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC1およびACC2)阻害薬;ジアシルグリセロール−アセチルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害薬;GPR119アゴニスト(SMT3−受容体−アゴニスト)などの膵臓ベータ細胞GCRPアゴニスト、例えばGPR119アゴニストである5−エチル−2−{4−[4−(4−テトラゾール−1−イル−フェノキシメチル)−チアゾール−2−イル]−ピペリジン−1−イル}−ピリミジンまたは5−[1−(3−イソプロピル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ピペリジン−4−イルメトキシ]−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピリジンなど;11β−HSD−阻害薬;FGF19アゴニストまたは類似体;アカルボース、ボグリボースおよびミグリトールなどのアルファ−グルコシダーゼ遮断薬;アルファ2−アンタゴニスト;ヒトインスリン、インスリンリスプロ、インスリングルリジン(insulin glusilin)、r−DNA−インスリンアスパルト、NPHインスリン、インスリンデテミル、インスリンデグルデク、インスリントレゴピル(insulin tregopil)、インスリン亜鉛懸濁液およびインスリングラルギンなどのインスリンおよびインスリン類似体;胃抑制ペプチド(GIP);アミリンおよびアミリン類似体(例えばプラムリンチドまたはダバリンチド);エキセンジン−4などのGLP−1およびGLP−1類似体、例えばエキセナチド、エキセナチドLAR、リラグルチド、タスポグルチド、リキシセナチド(AVE−0010)、LY−2428757(GLP−1のPEG化型)、デュラグルチド(LY−2189265)、セマグルチドまたはアルビグルチド;例えばダパグリフロジン、セルグリフロジン(KGT−1251)、アチグリフロジン(atigliflozin)、カナグリフロジン、イプラグリフロジン、ルセオグリフロジンまたはトホグリフロジンなどのSGLT2−阻害薬;タンパク質チロシン−ホスファターゼ(例えばトロデュスケミン)の阻害薬;グルコース−6−ホスファターゼの阻害薬;フルクトース−1,6−ビスホスファターゼモジュレーター;グリコーゲンホスホリラーゼモジュレーター;グルカゴン受容体アンタゴニスト;ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)阻害薬;ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)阻害薬;PDGF−受容体−キナーゼなどのチロシン−キナーゼの阻害薬(50mg〜600mg)(欧州特許出願公開第564409号、国際公開第98/35958号、米国特許第5093330号、国際公開第2004/005281号および国際公開第2006/041976号を参照のこと)またはセリン/トレオニンキナーゼの阻害薬;グルコキナーゼ活性化剤を含むグルコキナーゼ/調節タンパク質モジュレーター;グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害薬;SH2−ドメイン含有イノシトール5−ホスファターゼ2型(SHIP2)の阻害薬;高用量サリチレートなどのIKK阻害薬;JNK1阻害薬;プロテインキナーゼC−シータ阻害薬;リトベグロン、YM178、ソラベグロン、タリベグロン、N−5984、GRC−1087、ラファベグロン、FMP825などのベータ3アゴニスト;AS3201、ゼナレスタット、フィダレスタット、エパルレスタット、ラニレスタット、NZ−314、CP−744809およびCT−112などのアルドースレダクターゼ阻害薬;SGLT−1またはSGLT−2阻害薬;KV1.3チャネル阻害薬;例えば[(3S)−6−({2’,6’−ジメチル−4’−[3−(メチルスルホニル)プロポキシ]ビフェニル−3−イル}メトキシ)−2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸などのGP
R40モジュレーター;SCD−1阻害薬;CCR−2アンタゴニスト;ドーパミン受容体アゴニスト(ブロモクリプチンメシレート[Cycloset]);4−(3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)フェニル)−4−オキソブタン酸;サーチュイン刺激薬;ならびに他のDPP IV阻害薬である。
メトホルミンは、通常、約100mgから500mgまでもしくは200mg〜850mg(1日1〜3回)または約300mg〜1000mgを1日1回もしくは2回、あるいは遅延放出メトホルミンを、約100mg〜1000mgもしくは好ましくは500mg〜1000mgの用量で1日1回もしくは2回または約500mg〜2000mgを1日1回の種々の投与レジメンを使用して、1日当たり約500mgから2000mgまで、最大2500mgまで変化する用量で与えられる。特定の投薬含量は、250、500、625、750、850および1000mgの塩酸メトホルミンであり得る。
10〜16歳の子供について、メトホルミンの推奨開始用量は、1日1回与えられる500mgである。この用量が十分な結果をもたらさない場合、用量を1日2回500mgに増加させてよい。1週間に500mgずつ2000mgの最大日用量まで、さらなる増量を行ってよく、分割用量(例えば2回または3回の分割用量)で与えられ得る。メトホルミンは、悪心を減少させるために食物とともに投与され得る。
ピオグリタゾンの投与量は、通常約1〜10mg、15mg、30mgまたは45mgを1日1回である。
ロシグリタゾンは、通常4から8mgまでの用量で1日1回(または2回に分割して)与えられる(典型的な投薬含量は、2、4および8mgである)。
グリベンクラミド(グリブリド)は、通常2.5〜5から20mgまでの用量で1日1回(もしくは2回に分割して)与えられる(典型的な投薬含量は、1.25、2.5および5mgである)、または微粉化グリベンクラミドが、0.75〜3から12mgまでの用量で1日1回(もしくは2回に分割して)与えられる(典型的な投薬含量は、1.5、3、4.5および6mgである)。
グリピジドは、通常2.5から10〜20mgまでの用量で1日1回(もしくは最大40mgまで2回に分割して)与えられる(典型的な投薬含量は、5および10mgである)、または長期放出グリベンクラミドが、5から10mgまで(最大20mgまで)の用量で1日1回与えられる(典型的な投薬含量は、2.5、5および10mgである)。
グリメピリドは、通常1〜2から4mgまで(最大8mgまで)の用量で1日1回与えられる(典型的な投薬含量は、1、2および4mgである)。
グリベンクラミド/メトホルミンの2剤の組合せは、通常1日1回1.25/250から1日2回10/1000mgまでの用量で与えられる(典型的な投薬含量は、1.25/250、2.5/500および5/500mgである)。
グリピジド/メトホルミンの2剤の組合せは、通常2.5/250から10/1000mgまでの用量で1日2回与えられる(典型的な投薬含量は、2.5/250、2.5/500および5/500mgである)。
グリメピリド/メトホルミンの2剤の組合せは、通常1/250から4/1000mgまでの用量で1日2回与えられる。
ロシグリタゾン/グリメピリドの2剤の組合せは、通常1日1回または2回4/1mgから1日2回4/2mgまでの用量で与えられる(典型的な投薬含量は、4/1、4/2、4/4、8/2および8/4mgである)。
ピオグリタゾン/グリメピリドの2剤の組合せは、通常30/2から30/4mgまでの用量で1日1回与えられる(典型的な投薬含量は、30/4および45/4mgである)。
ロシグリタゾン/メトホルミンの2剤の組合せは、通常1/500から4/1000mgまでの用量で1日2回与えられる(典型的な投薬含量は、1/500、2/500、4/500、2/1000および4/1000mgである)。
ピオグリタゾン/メトホルミンの2剤の組合せは、通常1日1回または2回15/500mgから1日3回15/850mgまでの用量で与えられる(典型的な投薬含量は、15/500および15/850mgである)。
非スルホニル尿素インスリン分泌促進薬ナテグリニドは、通常60から120mgまでの用量で、食事とともに与えられる(最大360mg/日まで、典型的な投薬含量は、60および120mgである);レパグリニドは、通常0.5から4mgまでの用量で、食事とともに与えられる(最大16mg/日まで、典型的な投薬含量は、0.5、1および2mgである)。レパグリニド/メトホルミンの2剤の組合せは、1/500および2/850mgの投薬含量で利用可能である。
アカルボースは、通常25から100mgまでの用量で、食事とともに与えられる(通常1日3回)。ミグリトールは、通常25から100mgまでの用量で、食事とともに与えられる(通常1日3回)。ボグリボースは、通常0.2から0.3mgまでの用量で、食事とともに与えられる(通常1日3回)。
血中脂質レベルを低下させる組合せ相手の例は、シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンなどのHMG−CoA−レダクターゼ阻害薬;ベザフィブレート、フェノフィブレート、クロフィブレート、ゲンフィブロジル、エトフィブレートおよびエトフィリンクロフィブレートなどのフィブレート系薬;アシピモックスなどのニコチン酸およびその誘導体;PPAR−アルファアゴニスト;例えば{4−[(R)−2−エトキシ−3−(4−トリフルオロメチル−フェノキシ)−プロピルスルファニル]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸などのPPAR−デルタアゴニスト;アシル−コエンザイムAの阻害薬:アバシミブなどのコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT;EC2.3.1.26);エゼチミブなどのコレステロール吸収阻害薬;コレスチラミン、コレスチポールおよびコレセベラムなどの胆汁酸に結合する物質;胆汁酸輸送の阻害薬;D4F、リバースD4F、LXR調節活性物質およびFXR調節活性物質などのHDL調節活性物質;トルセトラピブ、JTT−705(ダルセトラピブ)または国際公開第2007/005572号からの化合物12(アナセトラピブ)などのCETP阻害薬;LDL受容体モジュレーター;MTP阻害薬(ロミタピド);ならびにApoB100アンチセンスRNAである。
アトルバスタチンの投与量は、通常1mgから40mgまでまたは10mgから80mgまでを1日1回である。
血圧を低下させる組合せ相手の例は、アテノロール、ビソプロロール、セリプロロール、メトプロロールおよびカルベジロールなどのベータ−遮断薬;ヒドロクロロチアジド、クロルタリドン、キシパミド、フロセミド、ピレタニド、トラセミド、スピロノラクトン、エプレレノン、アミロリドおよびトリアムテレンなどの利尿薬;アムロジピン、ニフェジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、ニカルジピン、フェロジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、イスラジピン、ニルバジピン、ベラパミル、ガロパミルおよびジルチアゼムなどのカルシウムチャネル遮断薬;ラミプリル、リシノプリル、シラザプリル、キナプリル、カプトプリル、エナラプリル、ベナゼプリル、ペリンドプリル、フォシノプリルおよびトランドラプリルなどのACE阻害薬;ならびにテルミサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、アジルサルタンおよびエプロサルタンなどのアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)である。
テルミサルタンの投与量は、通常1日当たり20mgから320mgまでまたは40mgから160mgまでである。
血中HDLレベルを増加させる組合せ相手の例は、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害薬;内皮リパーゼ阻害薬;ABC1の調節剤;LXRアルファアンタゴニスト;LXRベータアゴニスト;PPAR−デルタアゴニスト;LXRアルファ/ベータ調節剤;ならびにアポリポタンパク質A−Iの発現および/または血漿濃度を増加させる物質である。
肥満の治療のための組合せ相手の例は、シブトラミン;テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット);アリザイム(セチリスタット);デクスフェンフルラミン;アキソキン;CB1アンタゴニストであるリモナバンなどのカンナビノイド受容体1アンタゴニスト;MCH−1受容体アンタゴニスト;MC4受容体アゴニスト;NPY5およびNPY2アンタゴニスト(例えばベルネペリット);SB−418790およびAD−9677などのベータ3−ARアゴニスト;APD356(ロルカセリン)などの5HT2c受容体アゴニスト;ミオスタチン阻害薬;Acrp30およびアディポネクチン;ステロイルCoAデサチュラーゼ(SCD1)阻害薬;脂肪酸シンターゼ(FAS)阻害薬;CCK受容体アゴニスト;グレリン受容体モジュレーター;Pyy3−36;オレキシン受容体アンタゴニスト;およびテソフェンシン;ならびに2剤の組合せであるブプロピオン/ナルトレキソン、ブプロピオン/ゾニサミド、トピラメート/フェンテルミンおよびプラムリンチド/メトレレプチンである。
アテローム性動脈硬化症の治療のための組合せ相手の例は、ホスホリパーゼA2阻害薬;PDGF−受容体−キナーゼなどのチロシン−キナーゼの阻害薬(50mg〜600mg)(欧州特許出願公開第564409号、国際公開第98/35958号、米国特許第5093330号、国際公開第2004/005281号および国際公開第2006/041976号を参照のこと);酸化LDL抗体および酸化LDLワクチン;アポA−1ミラノ;ASA;ならびにVCAM−1阻害薬である。
本発明は、本明細書に記載されている特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。本明細書に記載されているものに加えて、本発明の種々の変更例が、本開示から当業者には明らかになり得る。そのような変更例は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
本明細書に引用されている全ての特許出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明のさらなる実施形態、特徴および利点は、以下の例から明らかになり得る。以下の例は、本発明を限定することなく、本発明の原理を例として説明するのに役立つ。
GLP−1受容体アゴニストと併用してもよいリナグリプチンによる、体重および体脂肪量の減少、ならびに味の好みの変化
肥満モデル
雄性Sprague Dawleyラットは、6週齢でTaconicからのものである。研究の間ずっと、ラットは2つの食餌−標準の齧歯類用食餌であるAltromin1324(Brogaarden、Denmark)と、チョコスプレッド(Nutella,Ferrero Italy)、ピーナツバター、および標準の齧歯類用食餌であるAltromin1324(Brogaarden、Denmark)の粉末からできた高脂肪のペースト(HFD)とを自由に選択することができる。動物は実験の前の23週間、その食餌で飼育する。最初の投与(28週目)の1週間前に、各ラットを単独にした。
0日目が最初の投与日である。動物は1日2回の治療を受け(生理食塩水の皮下注射、リナグリプチン0.5mg/kg、天然GLP−1 0.4mg/mlおよびそれらの組合せ)、午前7時〜9時の間および午後3時〜5時の間で投与を受けた。動物は32日間投与を受けた。ラットを研究33日目に絶命させた。
主要な発見
1日2回のリナグリプチンおよび天然GLP−1による皮下注射治療は、最高で8%というかなりの体重(BW)減少をもたらす。データは10匹の動物の平均値+SEM(平均の標準誤差)を示す(図1)。
したがって体脂肪量は、リナグリプチンと天然GLP−1との組合せの適用後、かなり減少した(図2)。
リナグリプチン/GLP−1で治療した動物は、a)高脂肪食の摂取の減少、およびb)標準食への変更において、食物の好みの変化を有する(図3a、3b)。
DPP−4阻害薬リナグリプチンおよび天然GLP−1の共投与は、体重減量および食欲抑制を誘発する
リナグリプチンは、2型糖尿病の治療について認可されているジペプチジルペプチダーゼ(DPP)−4阻害薬である。DPP−4阻害薬は体重に対して中立的であり、そのことは内因性インクレチンレベルの上昇が減量自体を促進するのに十分でない可能性があることを示唆する。ここで、ラットモデルにおいて、リナグリプチンおよび天然GLP−1(7−36)の皮下への共投与の効果を評価する。正常体重のラットにおいて、短時間のリナグリプチン治療(0.5mg/kgを1日2回皮下注射)は、夜間の食物摂取に何の影響も与えないのに対して、GLP−1治療(0.4mg/kgを1日2回皮下注射)は、わずかで短い食物摂取の抑制を引き起こす。それに対して、リナグリプチンおよびGLP−1の共投与は活発な急激な食欲抑制応答を誘発する。食餌誘発性肥満(DIO)ラットにおいて、リナグリプチンまたはGLP−1の14日間の単剤療法は体重に影響を与えないが、追加の14日間のリナグリプチン(0.5mg/kgを1日2回皮下注射)とGLP−1(0.4mg/kgを1日2回皮下注射)との組合せ治療による継続は、食物摂取量および体重の持続的な減少(ベースライン体重と比較して−6.4±0.8%)を誘発する。興味深いことに、リナグリプチンとGLP−1治療の組合せの体重減少効果は、口に合う高脂肪−高炭水化物食の摂取よりも標準食への好みの顕著な増大と関連する。加えて、リナグリプチンとGLP−1との組合せ治療は、側坐核におけるプレプロダイノルフィンmRAレベルを特異的に増加させる。これらのデータは、リナグリプチンおよびGLP−1による組合せ治療が、肥満ラットモデルにおいて相乗的に体重を減少させることを実証する。この抗肥満効果は、報酬予測および習慣学習に関与するドーパミン作動性前脳領域においてダイノルフィン活性の増大と関連していると思われる、食欲抑制および食の好みの変化によって引き起こされる。結論として、リナグリプチンおよびGLP−1(天然GLP−1、GLP−1受容体アゴニスト、またはGLP−1模倣体もしくは類似体、例えば短時間作用型GLP−1)の共投与は、したがって体重管理と糖尿病管理との組合せ、ならびに肥満患者における食欲抑制、食の好みの変化、および減量について、新規の治療原理として有望である可能性がある。
リナグリプチンとボグリボースとの組合せによるグルコースおよび体重コントロール
ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害薬であるリナグリプチンと、α−グルコシダーゼ阻害薬(AGI)ボグリボースとの併用療法が、血糖および体重コントロールを改善または維持できることを調査する。標準食で飼育した雄性ZDF−Leprfa/Crl(糖尿病fa/fa)ラットを、体重および空腹時血漿グルコース(FPG)に基づいて割り付ける(n=10/群)。2つの試験−S1:ビヒクル、リナグリプチン(1mg/kg)、高用量のボグリボース(10mg/kg)、またはリナグリプチン+ボグリボース;S2:低用量のボグリボース(1mg/kg)を除いてS1と同じ−において、ラットに、4日間毎日経口投与する。経口耐糖能検査(4g/kg、経口投与)を4日目に実施し、体重を毎日記録する。4日目の平均FPG値は、S1およびS2において、それぞれ7.39mMおよび8.18mMであり、平均インスリン値は2.01ng/mLおよび3.76ng/mLである。グルコースコントロールの改善をビヒクルと比較して、リナグリプチン(S1−10%、S2−17%;共にP<0.05)、ボグリボース(S1−33%、P<0.001;S2−18%、P<0.01)、リナグリプチン+ボグリボース(S1−33%、S2−33%;共にP<0.001)で認める。グルコースコントロールの改善は、それぞれの単独の薬物(P<0.01)と比較して、リナグリプチン+低用量のボグリボースによって高まる。スクロース負荷の5分後、血漿活性GLP−1が、ビヒクルと比較して、リナグリプチン(S1 160%、P<0.01;S2 144%、P<0.001)およびリナグリプチン+ボグリボース(S1 834%、S2 639%;共にP<0.001)で増加し、それはリナグリプチンまたはボグリボース単独よりも大きい(すべてP<0.001)。ビヒクルと比較して、リナグリプチンが誘発するグルコースコントロールの改善は、全体の体重の変化から独立している(S1+0.7%、S2−0.2%;いずれもP=ns)。それに対して、ボグリボース(S1−3.0%;S2−1.7%)およびリナグリプチン+ボグリボース(S1−3.4%;S2−2.0%)は、ビヒクルと比較して、全体の体重を減少させる(すべてP<0.001)。リナグリプチン+ボグリボースによる療法は、グルコースコントロールの改善を高める。この組合せは、AGIの副作用を最小限にすることができる。なぜなら、低用量のボグリボースは血糖コントロールを維持するのに必要とされうるからであり、活性GLP−1レベルの上昇の相乗作用によってさらなる有益な効果を有しうるからである。
リナグリプチンとボグリボースとの組合せによるグルコースおよび体重コントロール
ジペプチジルペプチダーゼ−4阻害薬であるリナグリプチンと、α−グルコシダーゼ阻害薬(AGI)ボグリボースとの併用療法が、血糖および体重コントロールを改善または維持できることを調査する。標準食で飼育した雄性ZDF−Leprfa/Crl(糖尿病fa/fa)ラットを、体重および空腹時血漿グルコース(FPG)に基づいて割り付ける(n=10/群)。2つの試験−S1:ビヒクル、リナグリプチン(1mg/kg)、高用量のボグリボース(10mg/kg)、またはリナグリプチン+ボグリボース;S2:低用量のボグリボース(1mg/kg)を除いてS1と同じ−において、ラットに、4日間毎日経口投与する。経口耐糖能検査(4g/kg、経口投与)を4日目に実施し、体重を毎日記録する。4日目の平均FPG値は、S1およびS2において、それぞれ7.39mMおよび8.18mMであり、平均インスリン値は2.01ng/mLおよび3.76ng/mLである。グルコースコントロールの改善をビヒクルと比較して、リナグリプチン(S1−10%、S2−17%;共にP<0.05)、ボグリボース(S1−33%、P<0.001;S2−18%、P<0.01)、リナグリプチン+ボグリボース(S1−33%、S2−33%;共にP<0.001)で認める。グルコースコントロールの改善は、それぞれの単独の薬物(P<0.01)と比較して、リナグリプチン+低用量のボグリボースによって高まる。スクロース負荷の5分後、血漿活性GLP−1が、ビヒクルと比較して、リナグリプチン(S1 160%、P<0.01;S2 144%、P<0.001)およびリナグリプチン+ボグリボース(S1 834%、S2 639%;共にP<0.001)で増加し、それはリナグリプチンまたはボグリボース単独よりも大きい(すべてP<0.001)。ビヒクルと比較して、リナグリプチンが誘発するグルコースコントロールの改善は、全体の体重の変化から独立している(S1+0.7%、S2−0.2%;いずれもP=ns)。それに対して、ボグリボース(S1−3.0%;S2−1.7%)およびリナグリプチン+ボグリボース(S1−3.4%;S2−2.0%)は、ビヒクルと比較して、全体の体重を減少させる(すべてP<0.001)。リナグリプチン+ボグリボースによる療法は、グルコースコントロールの改善を高める。この組合せは、AGIの副作用を最小限にすることができる。なぜなら、低用量のボグリボースは血糖コントロールを維持するのに必要とされうるからであり、活性GLP−1レベルの上昇の相乗作用によってさらなる有益な効果を有しうるからである。
本発明は、以下の事項を含んでいると捉えることもできる。
(付記1)
それを必要とする患者において、1種または複数種の他の薬剤と併用されてもよい、
DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと、ボグリボース、ミグリトールおよびアカルボースから選択されるようなα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せであって、
代謝疾患、特に糖尿病、とりわけ2型糖尿病を治療および/または予防すること、ならびに/あるいは
体重コントロールを改善すること、体重を減少させること、満腹感を誘発すること、胃内容排出を抑制すること、または食物摂取量を減少させること、ならびに/あるいは
α−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用を予防する、それから保護する、その可能性もしくは発生を減少させる、またはα−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用を最小限にすること
の1つまたは複数における使用のための組合せ。
(付記2)
α−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用が、消化不良、鼓腸もしくは下痢、または悪心もしくは嘔吐などの胃腸有害作用から選択される、付記1に記載の使用のための組合せ。
(付記3)
患者が、細小血管および/または大血管の疾患または合併症を有してもよいし、それらのリスクがあってもよい糖尿病患者である、付記1または2に記載の使用のための組合せ。
(付記4)
患者が、肥満もしくは過体重であるか、もしくはそのリスクがある、および/または腎機能障害(例えば、軽度、中等度、重度もしくはESRDステージのもの)を有するか、もしくはそのリスクがある、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬の用量減少を指示された2型糖尿病患者である、付記1、2または3に記載の使用のための組合せ。
(付記5)
患者が、肥満または過体重である2型糖尿病患者である、付記1、2、3または4に記載の使用のための組合せ。
(付記6)
患者が、α−グルコシダーゼ阻害薬の用量減少を必要とする2型糖尿病患者である、付記1から5までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記7)
患者が、食事および/または運動のみ(第一選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、付記1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記8)
患者が、食事および/または運動に加えた、α−グルコシダーゼ阻害薬による単剤療法(第二選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、付記1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記9)
患者が、食事および/または運動に加えた、α−グルコシダーゼ阻害薬と、1種または複数の他の抗糖尿病薬、例えば、メトホルミン、スルホニル尿素薬、もしくはインスリンとの併用療法(第三選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、付記1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記10)
α−グルコシダーゼ阻害薬が、低用量および/もしくは低頻回投与で、存在するかまたは使用される、付記1から9までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記11)
DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がボグリボースであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、それぞれ、0.2〜0.3mgのような低用量のボグリボースである、付記1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記12)
DPP−4阻害薬、好ましくは、リナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がアカルボースであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、それぞれ、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のアカルボースである、付記1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記13)
DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がミグリトールであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のミグリトールである、付記1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記14)
DPP−4阻害薬およびα−グルコシダーゼ阻害薬が、同時に、逐次的に、または別々に患者に投与される、付記1から13までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
(付記15)
DPP−4阻害薬が、1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン、またはその薬学的に許容される塩である、付記1から14までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。

Claims (15)

  1. それを必要とする患者において、1種または複数種の他の薬剤と併用されてもよい、
    DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと、ボグリボース、ミグリトールおよびアカルボースから選択されるようなα−グルコシダーゼ阻害薬との組合せであって、
    代謝疾患、特に糖尿病、とりわけ2型糖尿病を治療および/または予防すること、ならびに/あるいは
    体重コントロールを改善すること、体重を減少させること、満腹感を誘発すること、胃内容排出を抑制すること、または食物摂取量を減少させること、ならびに/あるいは
    α−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用を予防する、それから保護する、その可能性もしくは発生を減少させる、またはα−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用を最小限にすること
    の1つまたは複数における使用のための組合せ。
  2. α−グルコシダーゼ阻害薬に関連する副作用が、消化不良、鼓腸もしくは下痢、または悪心もしくは嘔吐などの胃腸有害作用から選択される、請求項1に記載の使用のための組合せ。
  3. 患者が、細小血管および/または大血管の疾患または合併症を有してもよいし、それらのリスクがあってもよい糖尿病患者である、請求項1または2に記載の使用のための組合せ。
  4. 患者が、肥満もしくは過体重であるか、もしくはそのリスクがある、および/または腎機能障害(例えば、軽度、中等度、重度もしくはESRDステージのもの)を有するか、もしくはそのリスクがある、および/またはα−グルコシダーゼ阻害薬の用量減少を指示された2型糖尿病患者である、請求項1、2または3に記載の使用のための組合せ。
  5. 患者が、肥満または過体重である2型糖尿病患者である、請求項1、2、3または4に記載の使用のための組合せ。
  6. 患者が、α−グルコシダーゼ阻害薬の用量減少を必要とする2型糖尿病患者である、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  7. 患者が、食事および/または運動のみ(第一選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  8. 患者が、食事および/または運動に加えた、α−グルコシダーゼ阻害薬による単剤療法(第二選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  9. 患者が、食事および/または運動に加えた、α−グルコシダーゼ阻害薬と、1種または複数の他の抗糖尿病薬、例えば、メトホルミン、スルホニル尿素薬、もしくはインスリンとの併用療法(第三選択療法としての)にもかかわらず、血糖コントロールが不十分である2型糖尿病患者である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  10. α−グルコシダーゼ阻害薬が、低用量および/もしくは低頻回投与で、存在するかまたは使用される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  11. DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がボグリボースであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、それぞれ、0.2〜0.3mgのような低用量のボグリボースである、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  12. DPP−4阻害薬、好ましくは、リナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がアカルボースであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、それぞれ、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のアカルボースである、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  13. DPP−4阻害薬、好ましくはリナグリプチンと共投与される場合、α−グルコシダーゼ阻害薬がミグリトールであり、好ましくは、1日1回、2回または3回、25〜50mg(または100mgまで)のような低用量のミグリトールである、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  14. DPP−4阻害薬およびα−グルコシダーゼ阻害薬が、同時に、逐次的に、または別々に患者に投与される、請求項1から13までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
  15. DPP−4阻害薬が、1−[(4−メチル−キナゾリン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−(R)−アミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の使用のための組合せ。
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