JP2019108088A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力の増大を抑制する。【解決手段】HUD装置1では、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6が、表示する画像を表す表示光を、車両のウインドシールドWSへ向けて照射する。また、防塵窓7、制御部9および駆動部11が、表示光の偏光方向を変更することにより、第1偏光状態と、第1偏光状態とは異なる第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。第1偏光状態は、表示光がウインドシールドWSへ入射してウインドシールドWSで反射したときにおいて、第2偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が高く、且つ、第2偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が低い状態である。第2偏光状態は、第1偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が低く、且つ、第1偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が高い状態である。【選択図】図1
Description
本開示は、移動体に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置に関する。
ヘッドアップディスプレイ装置から照射されて移動体のウインドシールドで反射する反射光の主成分は一般的にS偏光である。そして偏光サングラスは、反射光の主成分となるS偏光を遮断するものが主流である。すなわち、運転者が偏光サングラスを使用する場合には、S偏光は、偏光サングラスで吸収されて偏光サングラスを透過しない。このため、ウインドシールドに投影される虚像を運転者が偏光サングラスを介して視認する場合に、この虚像の輝度が、偏光サングラスを使用していない場合と比較して小さくなってしまう。これにより、偏光サングラスの使用時と不使用時とで虚像の輝度の差が生じ、運転者に違和感を生じさせてしまうおそれがあった。
特許文献1には、ヘッドアップディスプレイ装置から照射される光の偏光方向を偏光方向変更部材により調整することにより、運転者の目に到達する反射光がS偏光およびP偏光の両方を有するようにする技術が記載されている。これにより、偏光サングラスの使用時と不使用時とで虚像の輝度の差を小さくすることができる。
特許文献1に記載の技術では、偏光サングラスの使用時と不使用時との両方で虚像の輝度を確保するために、S偏光およびP偏光の両方の成分が含まれるように偏光方向を変更しているために、偏光サングラスの使用時および不使用時の両方で最適ではない偏光方向となっている。
このため、偏光サングラスの使用時と不使用時との両方で必要な輝度を確保するために、光源から照射される光の輝度を高くする必要があり、消費電力の増大と、これに起因した発熱量の増大とを招く恐れがあった。
本開示は、消費電力の増大を抑制することを目的とする。
本開示の一態様は、照射部(3,4,5,6)と、切替部(7,9,11,31,32,33)とを備えるヘッドアップディスプレイ装置(1)である。照射部は、表示する画像を表す表示光を、移動体のウインドシールド(WS)へ向けて照射するように構成される。切替部は、表示光の偏光方向を変更することにより、少なくとも、予め設定された第1偏光状態と、第1偏光状態とは異なるように予め設定された第2偏光状態との何れかの状態に切り替えるように構成される。第1偏光状態は、表示光がウインドシールドへ入射してウインドシールドで反射したときにおいて、第2偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が高く、且つ、第2偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が低い状態である。第2偏光状態は、表示光がウインドシールドへ入射してウインドシールドで反射したときにおいて、第1偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が低く、且つ、第1偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が高い状態である。
このように構成された本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、ウインドシールドで反射した反射光においてS偏光の輝度が高い第1偏光状態と、反射光においてP偏光の輝度が高い第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。このため、本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、偏光サングラスの不使用時に第1偏光状態に切り替え、偏光サングラスの使用時に第2偏光状態に切り替えることが可能となる。これにより、本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、偏光サングラスの不使用時において、P偏光の輝度が低くてもS偏光の輝度が高い状態にすることができ、照射部から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。同様に、本開示のヘッドアップディスプレイ装置は、偏光サングラスの使用時において、S偏光の輝度が低くてもP偏光の輝度が高い状態にすることができ、照射部から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置1(以下、HUD装置1)は、車両に搭載されており、図1に示すように、ウインドシールドWSの下方に設置される。HUDは、Head-Up Displayの略である。
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態のヘッドアップディスプレイ装置1(以下、HUD装置1)は、車両に搭載されており、図1に示すように、ウインドシールドWSの下方に設置される。HUDは、Head-Up Displayの略である。
HUD装置1は、ウインドシールドWSの下方からウインドシールドWSに向けて、画像を表示するための表示光を照射する。これにより、ウインドシールドWSに虚像Ivが投影され、車室内の運転席に着座する運転者は、その投影された虚像を車両前方の実際の風景に重ねて視認することができる。なお、ウインドシールドWSでは、S偏光の反射率がP偏光の反射率と比較して非常に高く、S偏光の反射が主となる。S偏光は、光の入射面に対して垂直に電界が振動する偏光である。P偏光は、光の入射面内で電界が振動する偏光である。入射面は、ウインドシールドWSに対して垂直であり、且つ、入射光と反射光とを含む面である。
HUD装置1は、筐体2、発光素子3、表示器4、平面鏡5、凹面鏡6、防塵窓7、選択スイッチ8、制御部9、照度センサ10および駆動部11を備える。
筐体2は、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6を収容する。筐体2は、車
両のダッシュボード内に配置される。
筐体2は、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6を収容する。筐体2は、車
両のダッシュボード内に配置される。
発光素子3は、表示器4へ向けて光を照射する。本実施形態では、発光素子3は、発光ダイオードである。
表示器4は、発光素子3からの光を、液晶パネル、カラーフィルタおよび偏光フィルタを通過させることで、偏光方向が予め設定された方位角θLCDとなる直線偏光の表示光を照射する周知の液晶ディスプレイである。
表示器4は、発光素子3からの光を、液晶パネル、カラーフィルタおよび偏光フィルタを通過させることで、偏光方向が予め設定された方位角θLCDとなる直線偏光の表示光を照射する周知の液晶ディスプレイである。
表示器4の表示画面4aは、長方形状に形成されている。表示画面4aの長手方向をx軸とし、表示画面4aの短手方向をy軸として、方位角θLCDは、表示光の進行方向に垂直な表示画面4aのx軸と、直線偏光の表示光の電場が振動する振動方向との成す角度である。
また虚像Ivは、表示画面4aの形状に対応して、長方形状に形成されている。そして、虚像Ivの長手方向をx軸とし、虚像Ivの短手方向をy軸として、虚像Ivのx軸が車両の幅方向と平行となるように、表示器4の表示画面4aが配置されている。
平面鏡5は、表示器4から照射された表示光を凹面鏡6へ向けて反射する。
凹面鏡6は、平面鏡5で反射された表示光によって形成される表示像を拡大するための鏡である。凹面鏡6は、平面鏡5で反射された表示光を、筐体2の開口部2aに向けて反射する。筐体2の開口部2aは、ウインドシールドWSと凹面鏡6との間に配置されるようにして円形状に形成されている。このため、凹面鏡6で反射された光は、ウインドシールドWSに照射される。
凹面鏡6は、平面鏡5で反射された表示光によって形成される表示像を拡大するための鏡である。凹面鏡6は、平面鏡5で反射された表示光を、筐体2の開口部2aに向けて反射する。筐体2の開口部2aは、ウインドシールドWSと凹面鏡6との間に配置されるようにして円形状に形成されている。このため、凹面鏡6で反射された光は、ウインドシールドWSに照射される。
防塵窓7は、円形状の2分の1波長板で形成されており、筐体2の開口部2aを塞ぐように設置される。2分の1波長板は、その速軸に対して平行な偏光成分と垂直な偏光成分との間で180度の位相差を生じさせる部材である。
選択スイッチ8は、車両の運転席に座っている運転者DRが操作可能な位置に設置されている。選択スイッチ8は、裸眼モードおよびサングラスモードの何れか一方を選択するために運転者DRに操作される。選択スイッチ8は、運転者DRの操作に応じて、裸眼モードを示す裸眼モード指示信号、または、サングラスモードを示すサングラスモード指示信号を制御部9へ出力する。
制御部9は、CPU、ROMおよびRAM等を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPUが実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御部9を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
照度センサ10は、車両の周囲の明るさを検出し、検出結果を示す照度検出信号を制御部9へ出力する。
駆動部11は、図2に示すように、モータ21と、傘歯車22,23とを備える。モータ21は、制御部9から出力される駆動信号に従って、出力軸21aを回転させる。傘歯車22は、その中心軸がモータ21の出力軸21aと一致するようにして、モータ21の出力軸21aの先端に取り付けられている。傘歯車23は、その中心軸が防塵窓7に対して垂直になるようにして、防塵窓7上に取り付けられる。
駆動部11は、図2に示すように、モータ21と、傘歯車22,23とを備える。モータ21は、制御部9から出力される駆動信号に従って、出力軸21aを回転させる。傘歯車22は、その中心軸がモータ21の出力軸21aと一致するようにして、モータ21の出力軸21aの先端に取り付けられている。傘歯車23は、その中心軸が防塵窓7に対して垂直になるようにして、防塵窓7上に取り付けられる。
そして傘歯車22,23は、中心軸が互いに直交するようにして、互いに噛み合っている。このため、モータ21の出力軸21aを回転させることにより、この回転力が傘歯車22を介して傘歯車23に伝達され、矢印Dcで示すように、防塵窓7を回転させることができる。
図3の偏光特性PP1は、光が発光素子3から照射されてから表示器4に到達するまでにおける偏光方向を示す。図3の偏光特性PP2は、表示光が表示器4から照射されてから防塵窓7に到達するまでにおける偏光方向を示す。図3の偏光特性PP3は、裸眼モードで、表示光が防塵窓7を通過してからウインドシールドWSに到達するまでにおける偏光方向を示す。図3の偏光特性PP4は、裸眼モードで、表示光がウインドシールドWSで反射してから運転者DRに到達するまでにおける偏光方向を示す。図3の偏光特性PP5は、サングラスモードで、表示光が防塵窓7を通過してからウインドシールドWSに到達するまでにおける偏光方向を示す。図3の偏光特性PP6は、サングラスモードで、表示光がウインドシールドWSで反射してから運転者DRに到達するまでにおける偏光方向を示す。
図3の偏光特性PP1に示すように、発光素子3から照射される光は、偏光方向が一様に分布している。
図3の偏光特性PP2に示すように、表示器4から照射され照射される表示光は、方位角θLCDを有する直線偏光である。
図3の偏光特性PP2に示すように、表示器4から照射され照射される表示光は、方位角θLCDを有する直線偏光である。
図3の偏光特性PP3に示すように、2分の1波長板で形成されている防塵窓7の速軸FAが、方位角θLCDを有する直線偏光に対して角度αN傾くように配置される。これにより、防塵窓7から照射される表示光の直線偏光の方位角が、(θLCD−2αN)となる。このときの直線偏光の方位角は、0度付近である。
図3の偏光特性PP4に示すように、防塵窓7を通過した表示光がウインドシールドWSで反射することにより、偏光方向が角度Δθだけプラス方向へ変化する。これにより、表示光が運転者DRに到達するときの直線偏光の方位角が0度となる。角度Δθは、上記の入射面と、表示光がウインドシールドWSに入射するときにおける上記のy軸との成す角度である。角度Δθは、ウインドシールドWSが車両の幅方向に沿って湾曲していることに起因して生じる。
図3の偏光特性PP5に示すように、2分の1波長板で形成されている防塵窓7の速軸FAが、方位角θLCDを有する直線偏光に対して角度αS傾くように配置される。これにより、防塵窓7から照射される表示光の直線偏光の方位角が、(θLCD−2αS)となる。このときの直線偏光の方位角は、90度付近である。
図3の偏光特性PP6に示すように、防塵窓7を通過した表示光がウインドシールドWSで反射することにより、偏光方向が角度Δθだけプラス方向へ変化する。これにより、表示光が運転者DRに到達するときの直線偏光の方位角が90度となる。
図4は、表示光が運転者DRに到達するときにおける輝度と、防塵窓7の速軸FAと上記のx軸との成す角度θwとの関係を示すグラフである。図4の曲線L1は、S偏光の輝度とP偏光の輝度との加算値である。図4の曲線L2は、P偏光の輝度である。
図4に示すように、S偏光の輝度とP偏光の輝度との加算値は、角度θwがθ1[°]であるときに最大値となる。このため、本実施形態では、S偏光の輝度とP偏光の輝度との加算値が、この最大値の90%以上となる角度範囲R1内に、裸眼モードにおける角度θwが設定される。以下、裸眼モードにおける角度θwを角度θwnという。
また、P偏光の輝度は、角度θwがθ2[°]であるときに最大値となる。このため、本実施形態では、P偏光の輝度が、この最大値の90%以上となる角度範囲R2内に、サングラスモードにおける角度θwが設定される。以下、サングラスモードにおける角度θwを角度θwsという。
次に、制御部9が実行するモード変更処理の手順を説明する。モード変更処理は、制御部9の動作中において繰り返し実行される処理である。
このモード変更処理が実行されると、制御部9は、図5に示すように、まずS10にて、入力された照度検出信号が示す照度が、予め設定された切替判定値より大きいか否かを判断する。ここで、照度が切替判定値より大きい場合には、S20にて、発光素子3の輝度を予め設定された高輝度設定値に設定して、S40に移行する。これにより、発光素子3は、輝度が高輝度設定値となるように発光する。
このモード変更処理が実行されると、制御部9は、図5に示すように、まずS10にて、入力された照度検出信号が示す照度が、予め設定された切替判定値より大きいか否かを判断する。ここで、照度が切替判定値より大きい場合には、S20にて、発光素子3の輝度を予め設定された高輝度設定値に設定して、S40に移行する。これにより、発光素子3は、輝度が高輝度設定値となるように発光する。
一方、照度が切替判定値以下である場合には、S30にて、発光素子3の輝度を、高輝度設定値より小さくなるように設定された低輝度設定値に設定して、S40に移行する。これにより、発光素子3は、輝度が低輝度設定値となるように発光する。
そしてS40に移行すると、選択スイッチ8からの出力信号(すなわち、裸眼モード指示信号およびサングラスモード指示信号)に基づいて、サングラスモードから裸眼モードに切り替えられたか否かを判断する。ここで、サングラスモードから裸眼モードに切り替えられていない場合には、S60に移行する。
一方、サングラスモードから裸眼モードに切り替えられた場合には、S50にて、駆動信号を駆動部11へ出力することによりモータ21を駆動させて防塵窓7を回転させることにより、防塵窓7の角度θwを角度θwnに変更し、モード変更処理を一旦終了する。
またS60に移行すると、選択スイッチ8からの出力信号に基づいて、裸眼モードからサングラスモードに切り替えられたか否かを判断する。ここで、裸眼モードからサングラスモードに切り替えられていない場合には、モード変更処理を一旦終了する。
一方、裸眼モードからサングラスモードに切り替えられた場合には、S70にて、駆動信号を駆動部11へ出力することによりモータ21を駆動させて防塵窓7を回転させることにより、防塵窓7の角度θwを角度θwsに変更し、モード変更処理を一旦終了する。
このように構成されたHUD装置1では、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6が、表示する画像を表す表示光を、車両のウインドシールドWSへ向けて照射する。また、防塵窓7、制御部9および駆動部11が、表示光の偏光方向を変更することにより、予め設定された第1偏光状態と、第1偏光状態とは異なるように予め設定された第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。第1偏光状態は、表示光がウインドシールドWSへ入射してウインドシールドWSで反射したときにおいて、第2偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が高く、且つ、第2偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が低い状態である。第2偏光状態は、表示光がウインドシールドWSへ入射してウインドシールドWSで反射したときにおいて、第1偏光状態と比較して表示光のS偏光の輝度が低く、且つ、第1偏光状態と比較して表示光のP偏光の輝度が高い状態である。
このようにHUD装置1は、ウインドシールドWSで反射した反射光においてS偏光の輝度が高い第1偏光状態と、反射光においてP偏光の輝度が高い第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。このため、HUD装置1は、偏光サングラスの不使用時に第1偏光状態に切り替え、偏光サングラスの使用時に第2偏光状態に切り替えることが可能となる
。これにより、HUD装置1は、偏光サングラスの不使用時において、P偏光の輝度が低くてもS偏光の輝度が高い状態にすることができ、発光素子3から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。同様にHUD装置1は、偏光サングラスの使用時において、S偏光の輝度が低くてもP偏光の輝度が高い状態にすることができ、発光素子3から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。
。これにより、HUD装置1は、偏光サングラスの不使用時において、P偏光の輝度が低くてもS偏光の輝度が高い状態にすることができ、発光素子3から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。同様にHUD装置1は、偏光サングラスの使用時において、S偏光の輝度が低くてもP偏光の輝度が高い状態にすることができ、発光素子3から照射される光の輝度を高くしなければならない事態の発生を抑制し、消費電力の増大を抑制することができる。
また表示器4は、直線偏光の表示光を照射する。そして防塵窓7は、表示光がウインドシールドWSに至るまでに通過する経路上に配置され、内部を通過する表示光における直線偏光の偏光方向を変更する機能を有する。また、駆動部11のモータ21および傘歯車22,23は、第1偏光状態となるように予め設定された角度θwnと、第2偏光状態となるように予め設定された角度θwsとの何れかの角度となるように防塵窓7を回転させる。
HUD装置1は、更に、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6を収容する筐体2を備える。筐体2には、表示光をウインドシールドWSへ向けて筐体2の内部から外部へ通過させるための開口部2aが形成される。防塵窓7は、開口部2aを塞ぐように配置される。これにより、HUD装置1は、防塵窓7により、筐体2内に塵が入ってしまうのを防止するとともに表示光の偏光方向を変更することができ、HUD装置1の部品数の増大を抑制することができる。
またHUD装置1は、車両の周囲の明るさとの間で正の相関を有するように、表示器4から照射される表示光の明るさを設定する。これにより、HUD装置1は、車両の周囲が暗い場合に虚像Ivの輝度を低くすることができ、車両の周囲が暗い場合に、運転者にとって虚像Ivが見え難くなってしまう事態の発生を抑制することができる。
以上説明した実施形態において、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6は照射部に相当し、防塵窓7、制御部9および駆動部11は切替部に相当する。
また、防塵窓7は偏光方向変更部材に相当し、モータ21および傘歯車22,23は回転部に相当し、角度θwnは第1偏光角度に相当し、θwsは第2偏光角度に相当し、S40〜S70は表示光設定部としての処理に相当する。
また、防塵窓7は偏光方向変更部材に相当し、モータ21および傘歯車22,23は回転部に相当し、角度θwnは第1偏光角度に相当し、θwsは第2偏光角度に相当し、S40〜S70は表示光設定部としての処理に相当する。
(第2実施形態)
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
第2実施形態のHUD装置1は、図6に示すように、開口部2aの代わりに開口部2bが形成された点と、防塵窓7の代わりに防塵窓31を備える点と、偏光部材32が追加された点と、駆動部11の代わりに駆動部33を備える点とが第1実施形態と異なる。また、第2実施形態のHUD装置1は、モード変更処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
筐体2の開口部2bは、ウインドシールドWSと凹面鏡6との間に配置されるようにして矩形状に形成されている。
防塵窓31は、矩形状の2分の1波長板で形成されており、筐体2の開口部2bを塞ぐように設置される。偏光部材32は、矩形状の2分の1波長板で形成されている。
防塵窓31は、矩形状の2分の1波長板で形成されており、筐体2の開口部2bを塞ぐように設置される。偏光部材32は、矩形状の2分の1波長板で形成されている。
駆動部33は、図7に示すように、モータ41と、ピニオンギア42,43と、ラックギア44,45とを備える。
モータ41は、制御部9から出力される駆動信号に従って、出力軸41aを回転させる
。
モータ41は、制御部9から出力される駆動信号に従って、出力軸41aを回転させる
。
ピニオンギア42,43は、その中心軸がモータ41の出力軸41aと一致するように、且つ、防塵窓31の短手方向の長さよりも互いに離れた状態で、出力軸41aに取り付けられている。
ラックギア44は、ピニオンギア42と噛み合った状態で、防塵窓31の長手方向に沿って延びるように設置される。ラックギア45は、ピニオンギア43と噛み合った状態で、防塵窓31の長手方向に沿って延びるように設置される。そしてラックギア44,45は、ラックギア44とラックギア45との間から防塵窓31を視認可能な状態で設置される。またラックギア44,45は、筐体2とウインドシールドWSとの間で防塵窓31の長手方向に沿って移動可能となるように、図示しない支持部材により支持される。
そして偏光部材32は、ラックギア44,45においてピニオンギア42,43が噛み合っているのとは反対側でラックギア44,45に固定される。また偏光部材32は、ラックギア44とラックギア45との間で掛け渡すように配置される。
このため、モータ41の出力軸41aを回転させることにより、この回転力がピニオンギア42,43を介してラックギア44,45に伝達され、矢印Dlで示すように、偏光部材32を防塵窓31の長手方向に沿って移動させることができる。これにより、HUD装置1は、偏光部材32が防塵窓31を覆っている状態と、偏光部材32が防塵窓31を覆っていない状態との何れかに切り替えることができる。
HUD装置1は、裸眼モードで、偏光部材32が防塵窓31を覆っていない状態にし、サングラスモードで、偏光部材32が防塵窓31を覆っている状態にする。
図8の偏光特性PP2は、表示光が表示器4から照射されてから防塵窓7に到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP11は、裸眼モードで、表示光が防塵窓31を通過してからウインドシールドWSに到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP12は、裸眼モードで、表示光がウインドシールドWSで反射してから運転者DRに到達するまでにおける偏光方向を示す。
図8の偏光特性PP2は、表示光が表示器4から照射されてから防塵窓7に到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP11は、裸眼モードで、表示光が防塵窓31を通過してからウインドシールドWSに到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP12は、裸眼モードで、表示光がウインドシールドWSで反射してから運転者DRに到達するまでにおける偏光方向を示す。
図8の偏光特性PP13は、サングラスモードで、表示光が防塵窓31を通過してから偏光部材32に到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP14は、サングラスモードで、表示光が偏光部材32を通過してからウインドシールドWSに到達するまでにおける偏光方向を示す。図8の偏光特性PP15は、サングラスモードで、表示光がウインドシールドWSで反射してから運転者DRに到達するまでにおける偏光方向を示す。
図8の偏光特性PP2に示すように、表示器4から照射され照射される表示光は、方位角θLCDを有する直線偏光である。図8の偏光特性PP2は、図3の偏光特性PP2と同一である。
図8の偏光特性PP11に示すように、2分の1波長板で形成されている防塵窓31の速軸FA1が、方位角θLCDを有する直線偏光に対して角度α1傾くように配置される。これにより、防塵窓31から照射される表示光の直線偏光の方位角が、(θLCD−2α1)となる。このときの直線偏光の方位角は、0度付近である。
図8の偏光特性PP12に示すように、防塵窓31を通過した表示光がウインドシールドWSで反射することにより、偏光方向が角度Δθだけプラス方向へ変化する。これにより、表示光が運転者DRに到達するときの直線偏光の方位角が0度となる。
図8の偏光特性PP13に示すように、2分の1波長板で形成されている防塵窓31の速軸FA1が、方位角θLCDを有する直線偏光に対して角度α1傾くように配置される。これにより、防塵窓31から照射される表示光の直線偏光の方位角が、(θLCD−2α1)となる。このときの直線偏光の方位角は、0度付近である。なお、偏光特性PP13は、偏光特性PP11と同一である。
図8の偏光特性PP14に示すように、2分の1波長板で形成されている偏光部材32の速軸FA2が、方位角が0度付近である直線偏光に対して角度α2傾くように配置される。これにより、偏光部材32から照射される表示光の直線偏光の偏光方向が、2×α2度だけプラス方向へ変化する。このときの直線偏光の方位角は、90度付近である。
図8の偏光特性PP15に示すように、偏光部材32を通過した表示光がウインドシールドWSで反射することにより、偏光方向が角度Δθだけプラス方向へ変化する。これにより、表示光が運転者DRに到達するときの直線偏光の方位角が90度となる。
第2実施形態のモード変更処理は、S50,S70の代わりにS52,S72の処理を実行する点が第1実施形態と異なる。
すなわち、図9に示すように、S40にて、サングラスモードから裸眼モードに切り替えられた場合には、S52にて、駆動信号を駆動部33へ出力することによりモータ41を駆動させて偏光部材32を裸眼モード位置へ移動させ、モード変更処理を一旦終了する。裸眼モード位置は、偏光部材32が防塵窓31を覆っていない位置である。
すなわち、図9に示すように、S40にて、サングラスモードから裸眼モードに切り替えられた場合には、S52にて、駆動信号を駆動部33へ出力することによりモータ41を駆動させて偏光部材32を裸眼モード位置へ移動させ、モード変更処理を一旦終了する。裸眼モード位置は、偏光部材32が防塵窓31を覆っていない位置である。
また、S60にて、裸眼モードからサングラスモードに切り替えられた場合には、S72にて、駆動信号を駆動部33へ出力することによりモータ41を駆動させて偏光部材32をサングラスモード位置へ移動させ、モード変更処理を一旦終了する。サングラスモード位置は、偏光部材32が防塵窓31を覆っている位置である。
このように構成されたHUD装置1では、発光素子3、表示器4、平面鏡5および凹面鏡6が、表示する画像を表す表示光を、車両のウインドシールドWSへ向けて照射する。また、制御部9、防塵窓31、偏光部材32および駆動部33が、表示光の偏光方向を変更することにより、第1偏光状態と、第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。
このようにHUD装置1は、ウインドシールドWSで反射した反射光においてS偏光の輝度が高い第1偏光状態と、反射光においてP偏光の輝度が高い第2偏光状態との何れかの状態に切り替える。このため、HUD装置1は、偏光サングラスの不使用時に第1偏光状態に切り替え、偏光サングラスの使用時に第2偏光状態に切り替えることが可能となる。これにより、第2実施形態のHUD装置1は、第1実施形態のHUD装置1と同様の効果を奏する。
また表示器4は、直線偏光の表示光を照射する。偏光部材32は、内部を通過する表示光における直線偏光の偏光方向を変更する機能を有する。駆動部33は、表示光がウインドシールドWSに至るまでに通過する経路上に偏光部材32が配置されるサングラスモード位置と、上記経路上に偏光部材32が配置されていない裸眼モード位置との何れかの位置となるように偏光部材32を移動させる。
以上説明した実施形態において、制御部9、防塵窓31、偏光部材32および駆動部33は切替部に相当し、偏光部材32は偏光方向変更部材に相当し、駆動部33は移動部に相当し、サングラスモード位置は第1偏光位置に相当し、裸眼モード位置は第2偏光位置に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
例えば上記実施形態では、車両の周囲の明るさに基づいて発光素子3の輝度を2段階で設定する形態を示したが、例えば、車両の周囲の明るさの増大に伴い連続的に発光素子3の輝度を大きくするようにしてもよい。
[変形例1]
例えば上記実施形態では、車両の周囲の明るさに基づいて発光素子3の輝度を2段階で設定する形態を示したが、例えば、車両の周囲の明るさの増大に伴い連続的に発光素子3の輝度を大きくするようにしてもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、HUD装置が自動車に搭載される形態を示したが、自動車に限定されるものではなく、例えば二輪車に搭載されるようにしてもよい。
上記実施形態では、HUD装置が自動車に搭載される形態を示したが、自動車に限定されるものではなく、例えば二輪車に搭載されるようにしてもよい。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
上述したHUD装置1の他、当該HUD装置1を構成要素とするシステム、当該HUD装置1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、表示方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…HUD装置、3…発光素子、4…表示器、5…平面鏡、6…凹面鏡、7…防塵窓、9…制御部、11…駆動部、31…防塵窓、32…偏光部材、33…駆動部、WS…ウインドシールド
Claims (5)
- 表示する画像を表す表示光を、移動体のウインドシールド(WS)へ向けて照射するように構成された照射部(3,4,5,6)と、
前記表示光の偏光方向を変更することにより、少なくとも、予め設定された第1偏光状態と、前記第1偏光状態とは異なるように予め設定された第2偏光状態との何れかの状態に切り替えるように構成された切替部(7,9,11,31,32,33)とを備え、
前記第1偏光状態は、前記表示光が前記ウインドシールドへ入射して前記ウインドシールドで反射したときにおいて、前記第2偏光状態と比較して前記表示光のS偏光の輝度が高く、且つ、前記第2偏光状態と比較して前記表示光のP偏光の輝度が低い状態であり、
前記第2偏光状態は、前記表示光が前記ウインドシールドへ入射して前記ウインドシールドで反射したときにおいて、前記第1偏光状態と比較して前記表示光のS偏光の輝度が低く、且つ、前記第1偏光状態と比較して前記表示光のP偏光の輝度が高い状態であるヘッドアップディスプレイ装置(1)。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイであって、
前記照射部は、直線偏光の前記表示光を照射し、
前記切替部(7,9,11)は、
内部を通過する前記表示光における直線偏光の偏光方向を変更する機能を有する偏光方向変更部材(7)と、
少なくとも、前記第1偏光状態となるように予め設定された第1偏光角度と、前記第2偏光状態となるように予め設定された第2偏光角度との何れかの角度となるように前記偏光方向変更部材を回転させるように構成された回転部(21,22,23)とを備え、
前記偏光方向変更部材は、前記表示光が前記ウインドシールドに至るまでに通過する経路上に配置されるヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1に記載のヘッドアップディスプレイであって、
前記照射部は、直線偏光の前記表示光を照射し、
前記切替部(31,32,33)は、
内部を通過する前記表示光における直線偏光の偏光方向を変更する機能を有する偏光方向変更部材(32)と、
少なくとも、前記表示光が前記ウインドシールドに至るまでに通過する経路上に前記偏光方向変更部材が配置される第1偏光位置と、前記経路上に前記偏光方向変更部材が配置されていない第2偏光位置との何れかの位置となるように前記偏光方向変更部材を移動させるように構成された移動部(33)と
を備えるヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項2に記載のヘッドアップディスプレイであって、
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、更に、前記照射部を収容する筐体(2)を備え、
前記筐体には、前記表示光を前記ウインドシールドへ向けて前記筐体の内部から外部へ通過させるための開口部(2a)が形成され、
前記偏光方向変更部材は、前記開口部を塞ぐように配置されるヘッドアップディスプレイ装置。 - 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のヘッドアップディスプレイであって、
前記移動体の周囲の明るさとの間で正の相関を有するように、前記照射部から照射される前記表示光の明るさを設定するように構成された表示光設定部(S40〜S70)を備えるヘッドアップディスプレイ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017243817A JP2019108088A (ja) | 2017-12-20 | 2017-12-20 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017243817A JP2019108088A (ja) | 2017-12-20 | 2017-12-20 | ヘッドアップディスプレイ装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019108088A true JP2019108088A (ja) | 2019-07-04 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019108088A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP3750696A1 (en) | 2019-06-10 | 2020-12-16 | Mazda Motor Corporation | Molding method and molded article |
DE102023117328A1 (de) | 2022-07-11 | 2024-01-11 | Yazaki Corporation | Fahrzeug-Anzeigevorrichtung |
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-
2017
- 2017-12-20 JP JP2017243817A patent/JP2019108088A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7495447B2 (ja) | 2022-07-07 | 2024-06-04 | 矢崎総業株式会社 | 車両用表示装置 |
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