JP2019107702A - 押湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】管状体に装着された押湯スリーブを含む金属鋳造のための押湯システム。【解決手段】管状体14は、第1端部18と、反対側の第2端部22と、使用時に力が加わると、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるようにそれらの間に設けられる圧縮部とを有する。押湯スリーブ12は、長手軸Zを有するとともに、鋳造中に液体金属を受けるキャビティを規定する、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁16を含み、該側壁は管状体の第2端部に隣接する基部16aを有する。管状体は、キャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定する。管状体は、基部から側壁内に延びる少なくとも1つの切欠きを有し、管状体の第2端部は、切欠き内に一定の深さまで突出する。切欠きは、キャビティから離れている溝24であってもよい。本発明はまた、該システムにおいて使用するための押湯スリーブ、および押湯システムを用いた方法に属する。【選択図】図1a

Description

本発明は、鋳型を用いる金属鋳造操作で用いる押湯システム、該押湯システムで用いる押湯スリーブ、および該押湯システムを含む鋳型を作製する方法に関する。
典型的な鋳造プロセスにおいて、溶融金属が、鋳物の形状を規定する予め形成された鋳型キャビティ内に注がれる。しかしながら、金属は凝固時に収縮し、結果として、最終鋳物において許容できない欠陥となる引け巣を生じる。これは、鋳造業界においてよく知られた問題であり、鋳型形成中に、パターンプレートに取り付けることによって、または後でスリーブを形成された鋳型のキャビティに挿入することによって鋳型に一体化された押湯スリーブまたはライザの使用によって対処されている。各押湯スリーブは、鋳型キャビティと連通する追加の(通常、囲まれた)容積またはキャビティを提供するので、溶融金属も押湯スリーブ内に入る。凝固中、押湯スリーブ内の溶融金属は、鋳型キャビティ内に逆流して、鋳物の収縮を補償する。
鋳物の凝固および鋳型材料の除去後、押湯スリーブ内からの不所望の残留金属が鋳物に付着したままであり、除去されなければならない。残留金属の除去を容易にするために、押湯スリーブキャビティは、ネックダウンスリーブと一般的に呼ばれる設計において、その基部(すなわち、鋳型キャビティに最接近することになる押湯スリーブの端部)に向かって先細にされてもよい。強い打撃が残留金属に与えられると、鋳型近傍にある最も弱い部分で分離する(「ノックオフ」として一般的に知られるプロセス)。鋳物上の小さなフットプリントもまた、隣接する特徴部によってアクセスが制限され得る鋳物の領域において押湯スリーブの位置決めを可能にするのに望ましい。
押湯スリーブは、鋳造鋳型キャビティの表面上に直接取付けられてもよいけれども、押湯エレメント(ブレーカコアとしても知れられる)とともにしばしば使用される。ブレーカコアは、通常中心に穴があり、鋳型キャビティと押湯スリーブとの間に位置する、耐火材料から成るディスク(典型的に、樹脂結合砂コア、またはセラミックコア、または押湯スリーブ材料から成るコア)に過ぎない。ブレーカコアを貫通する孔の直径は、押湯スリーブの内部キャビティ(必ずしも先細である必要はない)の直径よりも小さく設計されて、ノックオフが鋳物に近接するブレーカコアにおいて生じる。
鋳物砂は、2つの主要なカテゴリ、化学結合(有機または無機結合剤に基づく)と粘土結合とに分類可能である。化学結合造型結合剤は、典型的に、自己硬化システムであり、該システムでは、結合剤および化学硬化剤が砂と混合されて、結合剤および硬化剤が直ちに反応し始めるが、十分にゆっくりと、砂をパターンプレートの周りに造型させ、その後除去および鋳造のために十分に硬化させる。
粘土結合造型は、粘土と結合剤としての水とを用い、「生」すなわち未乾燥状態で使用可能であり、一般的に生砂と呼ばれる。生砂混合物は、圧縮力下のみにおいては、すぐに流れず、または容易に移動しないので、パターンの周りに生砂を詰め込み、鋳型に十分な強度特性を与えるために、ジョルティング(jolting)、バイブレーティング(vibrating)、スクイージング(squeezing)およびラミング(ramming)の様々な組み合わせが、高い生産性で一様な強度の鋳型を製造するのに適用される。砂は、典型的には、通常1または複数の油圧ラムを用いて高圧で圧縮される(詰め込まれる)。
このような高圧造型プロセスにスリーブを適用するために、通常、押湯スリーブのための装着点として、予め定める位置における造型パターンプレート(鋳型キャビティを規定する)上にピンが設けられる。要求されるスリーブがピン上に設置される(フィーダの基部がパターンプレート上または上方にあるように)と、押湯スリーブが覆われて鋳型枠が充填されるまで、鋳物砂をパターンプレート上にかつ押湯スリーブの周囲に注ぐことによって、鋳型が形成される。鋳物砂およびそれに続く高圧力の適用は、押湯スリーブの損傷および破損を生じ得、特に、打ち固め前に押湯スリーブがパターンプレートと直接接触する場合、鋳物の複雑性および生産性要求が高まるにつれて、より寸法が安定した鋳型が必要とされ、その結果、より高いラミング圧力への傾向および結果としてのスリーブの破損を生じ得る。
出願人は、WO2005/051568、WO2007141446、WO2012110753およびWO2013171439に記載される、押湯スリーブとの組み合わせで用いる様々な折り畳み式押湯エレメントを開発してきた。押湯エレメントは、造型中に圧力を受けると圧縮し、これによって押湯スリーブを損傷から保護する。
US2008/0265129は、内部に押湯キャビティを有するフィーダ本体を含む、鋳造金属のために使用される鋳型に挿入するための押湯インサートを記載している。フィーダ本体の底部側は、鋳型と連通しており、フィーダ本体の上部側には、エネルギ吸収装置が設けられる。
EP1184104A1(Chemex GmbH)は、鋳物砂が圧縮されたときに、順に嵌り込み、第1(下側)部分の外壁と第2(上側)部分の内壁が面一になる、2部分押湯スリーブ(断熱性または発熱性であってもよい)を記載している。
EP1184104A1の図3a〜図3dは、2部分押湯スリーブ(102)の伸縮動作を示す。押湯スリーブ(102)は、パターン(122)と直接接触しており、これは、不十分な表面仕上げ、鋳物表面の局所的な汚れ、および副次的な鋳造欠陥を生じ得るので、発熱性スリーブが使用されるとき弊害をもたらす。また、たとえ下側部分(104)が先細であったとしても、下側部分(104)は、打ち固め中に受ける力に耐えるように比較的厚くされなければならないので、依然としてパターン(122)上に幅広のフットプリントが存在する。これは、ノックオフおよびパターン上の押湯システムに占有される空間の観点から不十分である。下側の内側部分(104)と上側の外側部分(106)とは、保持要素(112)によって適所に保持される。保持要素(112)は、伸縮動作を行うことを可能にするために折れて取れ鋳物砂内に落下する。保持要素は、時間とともに鋳物砂に蓄積し、鋳物砂を汚す。これは、特に、保持要素が発熱性材料から成る場合に面倒を引き起こす。なぜなら保持要素が反応して、小さな爆発性の欠陥を生じることがあるからである。
US6904952(AS Luengen GmbH & Co. KG)は、管状体が一時的に押湯スリーブの内壁に接着される押湯システムを記載している。鋳物砂が圧縮されるときに押湯スリーブと管状体との間に相対移動が存在する。
増大する要求が、部分的には造型設備の進歩によって、また部分的には製造している新たな鋳物によって高圧造型システムで用いる押湯システムに突きつけられる。ダクタイル鋳鉄のある等級および特定の鋳物形状は、ある金属の押湯エレメントのネックを通して押湯性能の有効性に悪影響を及ぼし得る。また、ある造型ラインまたは鋳物形状は、砂の薄層だけによって分離される鋳物表面に近接しているスリーブの基部に生じる過圧縮(押湯エレメントの圧潰または押湯システムの伸縮)を結果としてもたらし得る。本発明は、金属鋳造で用いる押湯システムを提供し、先行技術の押湯システムに関連する1または複数の課題を克服しようとする、または有用な代替物を提供しようとするものである。
本発明の第1態様に従えば、管状体に装着された押湯スリーブを含み、
管状体は、第1端部と、反対側の第2端部と、使用時に力が加わると、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるようにそれらの間に設けられる圧縮部とを有し、
押湯スリーブは、長手軸を有するとともに、鋳造中に液体金属を受けるキャビティを規定する、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁を含み、該側壁は管状体の第2端部に隣接する基部を有し、
管状体はキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定し、
少なくとも1つの切欠きが基部から側壁内に延び、管状体の第2端部が切欠き内に一定の深さまで突出する、金属鋳造のための押湯システムが提供される。
使用時において、押湯システムは、鋳型パターン上に装着され、典型的にはパターンプレートに取り付けられた成形ピン上に設置されて、管状体を鋳型に隣接するように該システムを適所に保持する。管状体によって規定される開放孔は、押湯スリーブキャビティから鋳型キャビティまでの通路を提供して、鋳物が冷却し収縮するにつれて鋳物を押湯する。造型およびそれに続く打ち固め中、押湯システムは、管状体の長手軸(孔軸)の方向に力を受けることになる。管状体の第2端部が押湯スリーブの切欠き内に一定の深さで保持されると、この力が圧縮部を圧潰させ、管状体とスリーブとの間の相対移動の可能性がなくなる。したがって、高い圧縮圧力は、押湯スリーブの破損よりもむしろ、管状体の変形を引き起こす。典型的には、押湯システムは、少なくとも30、60、120または150N/cmの打ち固め圧力(パターンプレートでの測定時)を受けることになる。
WO2005/051568の図3は、圧縮性ブレーカコア(10、管状体である)と、押湯スリーブ(20)とを含む押湯システムを示す。ブレーカコアは、押湯スリーブの基部に接着剤によって取り付けられる半径方向側壁領域を含む。WO2005/095020の図1は、第1成形体(4、管状体)と、第2成形体(5、押湯スリーブ)とを含む押湯システムを示す。第1成形体(4)は、蛇腹の形態であり、円環状支持面によって押湯スリーブの基部に接続される変形要素を含む。本発明において、管状体は、押湯スリーブの基部に取り付けられるよりもむしろ、押湯スリーブの切欠き内に嵌合する。
金属ブレーカコア(折り畳み式または管状伸縮)が用いられると、金属、通常は鋼は、鋳造時に加熱され、フィーダ内の液体金属からある量のエネルギを取り出す。金属ブレーカコアは、一般的に管状装着面を有し、したがって大きさを減少させたり、これを全体的に除去することは、金属フィーダから取り出されるより少ないエネルギでより素早くコアを加熱させるブレーカコアにおける(冷たい)金属の量を減少させる。さらに、ブレーカコアを発熱性スリーブに部分的に埋設することによって、追加のエネルギを受け取り、過熱され、順にコアのネックを通して押湯性能を改善する。
管状体
管状体は、2つの機能:(i)管状体が押湯スリーブから鋳型までの通路を提供する貫通する開放孔を有すること、および(ii)管状体の変形(折り畳み部による)はさもなければ押湯スリーブの破損を生じ得るエネルギを吸収するように作用することを提供する。
管状体は、圧縮部を含む。一実施形態において、圧縮部は、階段状形状を有する。階段状形状はWO2005/051568から知られている。一実施形態において、圧縮部は、単一のステップまたは「キンク」を含む。他の実施形態において、圧縮部は、少なくとも2,3,4,5または6の段またはねじれを含む。このような一実施形態において、圧縮部は4〜6の段またはねじれを含む。
ステップまたはキンクの直径は、測定可能である。一実施形態において、すべての段は同じ直径を有する。他の実施形態において、段の直径は管状体の第1端部に向かって減少し、すなわち圧縮部は円錐台形である。
円錐台形状の圧縮部と孔軸/押湯スリーブ長手軸との間のテーパ角度μは、測定可能である。一連の実施形態において、円錐台形部は、軸から50、40、30、20、15または10°以下の角度で傾斜する。一連の実施形態において、円錐台形部は、軸から少なくとも3、5、10または15°の角度で傾斜する。一実施形態において、角度μは5〜20°である。わずかなテーパは、さらなる圧縮を提供するのに有益であり得る。
階段状形状は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含んでもよく、一対の第1および第2側壁領域間に形成される角度が測定可能である。内角(θ)は管状体の内側から測定され、外角(φ)は管状体の外側から測定される。圧縮部が潰れると、角度θおよびφが打ち固め時に減少することは理解されるであろう。一連の実施形態において、一対の第1および第2側壁領域間の角度は、少なくとも30、40、50、60または70°である。一連の実施形態において、一対の第1および第2側壁領域間の角度は、120、100、90、80、70、60または50°以下である。一実施形態において、一対の第1および第2側壁領域間の角度は、60〜90°である。
階段状形状は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含んでもよく、第1側壁領域と管状体の長手軸(孔軸)との間に形成される角度αが測定可能である。同様に、第2側壁領域と孔軸との間に形成される角度βが測定可能である。
一実施形態において、角度αおよびβは同じである。
一実施形態において、αまたはβは、約90°であり、すなわち第1側壁領域または第2側壁領域は、孔軸に略垂直である。
一実施形態において、αまたはβは約0であり、すなわち第1側壁領域または第2側壁領域は、孔軸に略平行である。
一実施形態において、αおよびβのそれぞれは、40〜70°、30〜60°または35°〜55°である。
管状体の高さは、孔軸に平行な方向に測定可能であり、圧縮部の高さ(これも孔軸に平行な方向に測定される)と比較してもよい。一連の実施形態において、圧縮部の高さは、管状体の高さの少なくとも20、30、40または50%に対応する。他の一連の実施形態において、圧縮部の高さは、管状体の高さの90、80、70または60%以下に対応する。
管状体の大きさおよび質量は、用途に依存する。
一般的に、可能であるときには管状体の質量を減少させることが好ましい。これは、材料コストを低減し、鋳造中に、たとえば管状体の熱容量を減少させることによって有益でもあり得る。一実施形態において、管状体は、50、40、30、25または20g未満の質量を有する。
管状体は、長手軸、孔軸を有していることが理解される。一般的に、押湯スリーブおよび管状体は、孔軸と押湯スリーブの長手軸とが同じであるように成形される。しかしながら、このことは必須ではない。
管状体の高さは、孔軸に平行な方向に測定されてもよく、切欠きの深さ(第1深さ)と比較されてもよい。いくつかの実施形態において、管状体の第1深さに対する高さの比は、1:1〜5:1、1.1:1〜3:1、または1.3:1〜2:1である。
管状体は、内径および外径を有し、内径および外径(すべて孔軸に平行な面において測定)の差である厚みを有する。管状体の厚みは、管状体が切欠き内に突出することを可能にするようにされなければならない。いくつかの実施形態において、管状体の厚みは、少なくとも0.1、0.3、0.5、0.8、1、2または3mmである。いくつかの実施形態において、管状体の厚みは、5、3、2、1.5、0.8または0.5mm以下である。一実施形態において、管状体は、0.3〜1.5mmの厚みを有する。小さな厚みは、管状体を製造するのに必要とされる材料を減少させて側壁の対応する切欠きを細くすることを可能にし、管状体の熱容量、したがって鋳造時に押湯金属から吸収されるエネルギ量を減少させるなどのいくつかの理由のために有益である。切欠きは、側壁の基部から延び、切欠きが広くなればなるほど、基部は、それを収容するようにより広くしなければならない。
一実施形態において、管状体は、円形断面を有する。しかしながら、断面は、非円形、たとえば長円形、小判(obround)形または楕円形であってもよい。一実施形態において、管状体は、押湯スリーブ(使用時に鋳物に隣接する)から離れる方向に細い(先細になる)。鋳物に隣接する狭窄部は、フィーダネックとして知られ、フィーダのより良いノックオフを提供する。一連の実施形態において、先細ネックの孔軸に対する角度は、55、50、45、40または35°以下である。
ノックオフをさらに改善するために、管状体の基部は、内向きリップを有して、造型パターンへの装着のための面を提供し、結果として生じる鋳物フィーダネックに切込みを形成してその除去(ノックオフ)を容易にする。
管状体は、金属(たとえば鋼、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、銅など)またはプラスチックを含む様々な適切な材料から製造可能である。特定の実施形態において、管状体は、金属から成る。金属管状体は、造型圧力に耐えるのに十分な強度を保持する一方、小さな厚みを有することができる。一実施形態において、管状体は、押湯スリーブ材料から製造されない(断熱性であるか発熱性であるかにかかわらず)。押湯スリーブ材料は、一般的には、小さな厚みで造型圧力に耐えるほど十分に強くなく、一方で、より厚い管状体は、側壁においてより広い溝を必要とするので、全体として、押湯システムの大きさ(および関連するコスト)を増大させる。また、押湯スリーブ材料から成る管状体は、鋳物と接触した場合に、乏しい表面仕上げおよび欠陥も生じさせ得る。
ある実施形態において、管状体が金属から成る場合、一定の厚みの単一金属片からプレス成形されてもよい。一実施形態において、管状体は、引き抜き加工によって製造され、これによって金属シートブランクがパンチの機械的作用によって成形型内に半径方向に引き込まれる。このプロセスは、引き込み部分の深さがその直径を超え、一連の型を通してその部分を再び引き込むことによって達成されるとき、深絞りとみなされる。他の実施形態において、管状体は、へら絞りまたは回転成形プロセスによって製造され、これによって金属のブランクディスクまたはチューブがまず回転旋盤に装着されて高速で回転される。次いで、局所的な圧力が、要求される完成部品の内部寸法プロファイルを有するマンドレル上およびそのまわりに金属を流下させる一連のローラまたはツールパスに印加される。
プレス成形またはへら絞りに適するために、金属は、成形プロセス中に引裂きまたは亀裂を防止するように十分に展性があるべきである。ある実施形態において、押湯エレメントは、最小0.02%(グレードDC06、欧州標準EN10130―1999)から最大0.12%(グレードDC01、欧州標準EN10130−1999)までの範囲にある典型的な炭素含有量を有する冷間圧延鋼から製造される。一実施形態において、管状体は、0.05、0.04または0.03%未満の炭素含有量を有する鋼から成る。
押湯スリーブ
一実施形態において、切欠きは、側壁の基部から延びる溝である。側壁の溝は押湯スリーブキャビティから分離していることは理解されるであろう。一実施形態において、溝は押湯スリーブキャビティから少なくとも5、8または10mmに配置される。
他の実施形態において、切欠きは押湯スリーブキャビティに隣接している。このような一実施形態において、切欠きの端部は側壁のレッジによって規定される。
切欠きは、切欠きが基部から離れて側壁内まで延びる距離である第1深さを有するとみなされる。典型的には、切欠きは一様な深さを有し、すなわち基部から側壁内までの距離は、どの場所で測定しても同じである。しかしながら、可変深さの切欠きが必要に応じて使用可能であり、第1深さは最小深さであることが理解されるであろう。なぜならこれは、管状体が切欠き内に突出することができる程度を決定するからである。
打ち固め前に、管状体は、切欠き内に第2深さまで受容され、管状体は切欠き内に少なくとも部分的に突出する。一実施形態において、管状体は、切欠き内に完全に突出し、すなわち第2深さは第1深さに等しい。
一実施形態において、管状体の圧縮部は、切欠きから離れている。あるいは、管状体の圧縮部は押湯スリーブ(打ち固め前)の切欠き内に部分的にまたは完全に突出する。圧縮部の大きさおよび形状は、圧縮部の配置に影響を与える。均一かつ一貫性のある圧潰を可能にし、スリーブの粒子が圧縮部のスリーブに対する移動によって研磨されるのを最小限にするために、圧縮部が押湯スリーブの外側に配置されるのがより実用的である。
切欠きは、管状体を受容可能でなければならない。したがって、切欠きの断面(孔軸に垂直な平面における)は、管状体の断面に対応し、たとえば溝は円形溝であり、管状体は円形断面を有する。一実施形態において、少なくとも1つの切欠きは、単一の連続溝である。他の実施形態において、押湯スリーブは一連のスロットを有し、管状体は対応する形状、たとえばキャステレーティッドエッジを有する。
一連の実施形態において、切欠きは、少なくとも20、30、40または50mmの第1深さを有する。一連の実施形態において、第1深さは、100、80、60または40mm以下である。一実施形態において、第1深さは、25〜50mmである。第1深さは、押湯スリーブの高さと比較可能である。一実施形態において、第1深さは、押湯スリーブの高さの10〜50%または20〜40%に対応する。
切欠きは、孔軸および/または押湯スリーブ軸に略垂直な方向に測定される最大幅(W)を有するとみなされる。切欠きの幅は管状体が切欠きの内部に受容可能とするのに十分でなければならないことは理解されるであろう。一連の実施形態において、切欠きは、少なくとも0.5、1、2、3、5、8または10mmの最大幅を有する。一連の実施形態において、切欠きは、15、10、5、3または1.5mm以下の最大幅を有する。一実施形態において、切欠きは、1〜3mmの最大幅を有する。これは、切欠きが溝である(キャビティから離れている)ときに特に有用である。一実施形態において、切欠きは、5〜10mmの最大幅を有する。これは、切欠きがキャビティと隣接しているときに特に有用である。
切欠きは一様な幅を有していてもよく、すなわち切欠きの幅はどの場所で測定しても同じである。あるいは、切欠きは一様ではない幅を有していてもよい。たとえば、切欠きが溝であるとき、側壁の基部から離れて狭くなってもよい。したがって、最大幅が側壁の基部において測定され、次いで幅が第1深さにおいて最小値にまで減少する。
一連の実施形態において、第2深さ(D2、管状体が切欠きに受容される深さ)は、第1深さの少なくとも30、40または50%である。一連の実施形態において、第2深さは、第1深さの90、80または70%以下である。一実施形態において、第2深さは、第1深さの80〜100%である。
典型的には、管状体は、一様な深さまで切欠き内に突出し、すなわち基部から管状体の端部までの距離は、どの場所で測定しても同じである。しかしながら、一様でない周縁(たとえばキャステレーテッドエッジ)を有する管状体が、該距離が変化するように必要に応じて使用可能であり、第2深さが最大深さとされ、鋳物砂の鋳物への侵入を回避するために管状体と側壁の基部との間に間隙がないことを確保することは理解されるであろう。
押湯スリーブ材料の特質は特に限定されず、たとえば断熱性、発熱性またはそれらの組み合わせであってもよい。発熱性押湯スリーブは発熱し、これは溶融金属をより長い間液体に保つのに役立つ。発熱性スリーブは、Foseco社によって販売されるFEEDEX(登録商標)レンジの製品などの高速点火高発熱性高密度スリーブ、または著しく低い密度を有し、FEEDEXレンジのスリーブよりも発熱性が低い、Foseco社によって販売されるKALMINEX(登録商標)レンジの製品などの発熱断熱性スリーブであってもよい。
一実施形態において、押湯スリーブは発熱性押湯スリーブである。上述のように、本発明は、押湯スリーブ内に管状体の一部を埋設し、押湯スリーブキャビティの外側に突出する装着面を用いないことによって管状体(ブレーカコア)に(冷たい)金属の総量を減少させることによって押湯性能に悪影響を与える可能性のある冷却を回避する。この利点は、これは金属管状体(ブレーカコア)を過熱するのを助けとなると思われるので、断熱性スリーブよりもむしろ発熱性スリーブを用いるときより顕著である。
製造方法は特に限定されず、スリーブは、たとえば真空成形プロセスまたはコアショット法のいずれかを用いて製造されてもよい。典型的には、押湯スリーブは、低密度および高密度耐火充填剤(たとえばケイ砂、かんらん石、アルミノケイ酸塩中空微小球および繊維、シャモット、アルミナ、軽石、パーライト、バーミキュライト)と結合剤との混合物から成る。発熱性スリーブは、燃料(通常、アルミニウムまたはアルミニウム合金)と、酸化剤(典型的には、酸化鉄、二酸化マグネシウムまたは硝酸カリウム)と、通常開始剤/増感剤(典型的には氷晶石)とをさらに必要とする。
一実施形態において、従来の押湯スリーブが製造され、次いで押湯スリーブ材料が基部から除去されて、たとえば穿孔または研磨によって切欠きを形成する。他の実施形態において、押湯スリーブが適所に切欠きとともに、典型的には、切欠きを規定するツールを組み込むコアショット法によって製造され、たとえばツールは薄いマンドレルを有し、該マンドレルのまわりにスリーブが形成され、その後スリーブがツールおよびマンドレルから除去される(剥ぎ取られる)。さらなる実施形態において、スリーブは管状体のまわりに形成される。
一連の実施形態において、押湯スリーブは、少なくとも8kN、12kN、15kN、20kNまたは25kNの強度(破砕強度)を有する。一連の実施形態において、スリーブ強度は、25kN、20kN、18kN、15kNまたは10kN未満である。比較を容易にするために、押湯スリーブの強度は、押湯スリーブ材料から成る50×50mmの円筒試験体の圧縮強度として規定される。201/70EM圧縮試験機(Form & Test Seidner、ドイツ)が用いられ、製造者の指示に従って動作される。試験体は、下側のスチールプレートの中央部に設置され、下側プレートが20mm/分の速度で上側プレートに向かって移動するにつれて破壊に至る。押湯スリーブの有効強度は、正確な組成、使用される結合剤および製造方法に依存するだけでなく、スリーブの大きさおよび設計にも依存し、これは、試験体の強度が通常、標準平坦上部スリーブのために測定された強度よりも高いという事実によって示される。
一連の実施形態において、押湯スリーブは、少なくとも0.5、0.8、1.0または1.3g/cmの密度を有する。他の一連の実施形態において、押湯スリーブは2.0、1.5または1.2g/cm以下の密度を有する。KALMIN S(登録商標)は、0.45g/cmの典型的な密度を有する市販のスリーブである。低密度発熱断熱性押湯スリーブは、ブランド名KALMINEX(登録商標)の下で利用可能であり、典型的には0.58〜0.95g/cmの密度を有する。FEEDEX HD(登録商標)は、1.4g/cmの密度を有する市販の高密度高発熱性スリーブである。一般的には、耐火充填材の種類および他の成分を調整することによってスリーブの密度を増加させることは、典型的には、強度の増加をもたらす。
発熱性押湯スリーブを評価するときに考慮可能なパラメータは、点火時間、到達する最大温度(Tmax)、発熱反応の継続時間(バーンタイム)、およびモジュラスエクステンションファクタ(Modulus Extension Factor)(MEF、凝固時間の延長×xの係数)を含む。
一実施形態において、押湯スリーブは、少なくとも1.40、1.55または1.60のMEFを有する。KALMINEX(登録商標)押湯スリーブは、発熱断熱性スリーブであり、典型的には1.58〜1.64のMEFを有し、一方、FEEDEX(登録商標)スリーブは、発熱性であり、典型的には1.6〜1.7のMEFを有する。KALMIN S(登録商標)押湯スリーブは、断熱性であり、典型的には1.4〜1.5のMEFを有する。
一実施形態において、押湯スリーブは、側壁の基部から離間した天板を含む。側壁および天板はともに、鋳造中、液体金属を受容するためのキャビティを規定する。このような一実施形態において、天板および側壁は、一体的に形成される。あるいは、側壁および天板は分離可能であり、すなわち天板は蓋である。一実施形態において、側壁および天板の両方とも、押湯スリーブ材料から成る。
押湯スリーブは、円筒、長円およびドームを含む多くの形状で利用可能である。そのようなものとして、側壁は、押湯スリーブの長手軸に平行またはそこから角度が付けられている。天板(存在している場合)は、上部が平坦、ドーム状、上部が平坦なドーム状、または他の適切な形状であってもよい。
スリーブの天板は、押湯スリーブキャビティが包囲されるように閉じていてもよく、造型パターンに取り付けられる成形ピン上に押湯システムを装着するのを支援するように、フィーダの上部(基部とは反対側)を通って部分的に延びる凹部(止まり穴)を含んでもよい。あるいは、押湯スリーブは、フィーダキャビティが開いたフィーダ天板の全体を通って延びる開口(開口孔)を有していてもよい。開口は、支持ピンを収容するのに十分に幅が広く、造型中、砂が押湯スリーブキャビティに入るのを回避するのに十分に狭くなければならない。開口の直径は、押湯スリーブキャビティの最大直径と比較されてもよい(両方とも押湯スリーブの長手軸に垂直な平面で測定される)。一実施形態において、開口の直径は、押湯スリーブキャビティの最大直径の40、30、20、15または10%以下である。
使用時において、押湯システムは、典型的には、砂が圧縮され打ち固められる前に、造型パターンプレート上の要求された位置に押湯システムを保持するために支持ピン上に設置される。打ち固め時に、スリーブは造型パターン表面に向かって移動し、固定されている場合、ピンは押湯スリーブの天板に穴をあけてもよく、または単に、スリーブが下方に移動するにつれて開口または凹部を横断してもよい。この移動および天板のピンとの接触は、スリーブの小断片が折れ取れて鋳物キャビティ内に落下するのを生じさせ、乏しい表面仕上げまたは鋳物表面の局所的な汚れをもたらし得る。これは、天板の開口または凹部を、金属、プラスチックまたはセラミックなどの様々な適切な材料から製造されてもよい、中空インサートまたは内部カラーでライニングすることによって解消可能である。したがって、一実施形態において、押湯スリーブは、フィーダの天板の開口または凹部をライニングする内部カラーを含むように修正されてもよい。このカラーは、スリーブが製造された後、スリーブの天板の開口または凹部に挿入されてもよく、またはあるいはスリーブの製造中に組み込まれ、これによって、スリーブ材料がカラーの周囲にコアショットされまたは成形され、その後、スリーブが硬化されてカラーを適所に保持する。このようなカラーは、スリーブを造型および打ち固め中に支持ピンによって生じ得る損傷から保護する。
本発明はまた、第1態様の実施形態に従う押湯システムで用いる押湯スリーブに属する。
本発明の第2態様に従えば、長手軸を有し、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁と、長手軸に略交差して延びる天板とを含み、側壁および天板はともに鋳造中に液体金属を受容するためのキャビティを規定し、
側壁は天板から離間した基部を有し、溝が基部から側壁内に延びている、金属鋳造で用いる押湯スリーブが提供される。
第1態様に関する上記説明は、第2態様の押湯スリーブが天板を含まなければならないことを除いて、第2態様にも適用される。溝が基部から離れて延び、天板に向かって延びることが理解されるであろう。
一実施形態において、開口(開放孔)は、フィーダの天板を通って延びる。このような一実施形態において、内部カラーが開口をライニングする。この実施形態は、押湯スリーブが上述のように支持ピンとともに使用されるとき、有用である。
一実施形態において、天板は閉じられ、すなわち開口はフィーダの天板を通って延びない。
本発明の第3態様に従えば、
第1態様の押湯システムをパターン上に設置することであって、該押湯システムは管状体上に装着された押湯スリーブを含み、
押湯スリーブは鋳造中に液体金属を受容するためのキャビティを規定する連続した側壁を含み、該側壁は管状体に隣接する基部を有し、
管状体はキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定し、管状体は、第1端部と、反対側の第2端部と、その間に設けられる圧縮部とを有し、
切欠きが基部から側壁内に延び、管状体の第2端部が切欠き内に一定の深さまで突出する、押湯システムをパターン上に設置することと、
パターンを鋳型材料で取り囲むことと、
鋳型材料を圧縮することと、
パターンを圧縮された鋳型材料から除去して、鋳型を形成することとを含み、
鋳型材料を圧縮することは、圧縮部が圧縮され、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるように押湯システムに圧力を印加することを含む、鋳型を作製する方法が提供される。
鋳型は、水平分割または垂直分割鋳型であってもよい。垂直分割造型機(DISA Industries A/Sによって製造されたディーサマティック無枠造型機など)で用いられる場合、押湯システムは、典型的に、通常の鋳型製造サイクル中の水平位置において、揺動(パターン)プレート上に設置される。スリーブは、水平パターンまたは揺動プレート上に、手動でまたはロボットの使用によって自動的に設置されてもよい。
第1および第2態様に関する上記説明は、第3態様にも適用される。特に、一実施形態において、切欠きは、溝(キャビティから離れている)である。他の実施形態において、切欠きは、鋳物に隣接している。
一連の実施形態において、鋳型材料を圧縮することは、少なくとも30、60、90、120または150N/cmの打ち固め圧力を印加することを含む。
一実施形態において、圧縮部は、階段状形状を有する。このような一実施形態において、階段状形状は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含み、圧縮部の圧縮は一対の第1および第2側壁領域間の角度を減少させる。
一実施形態において、鋳型材料は、粘土結合砂(通常、生砂という)であり、典型的には、ナトリウムまたはカルシウムベントナイトなどの粘土と、水と、炭塵および穀粉粘結剤などの添加剤との混合物を含む。あるいは、鋳型材料は結合剤を含有する型砂である。
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して一例としてだけ説明される。
本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。 本発明の実施形態に従う押湯システムを示す概略図である。
図1aを参照して、圧縮前の押湯システム10が示される。押湯システムは、管状体14に装着された発熱性押湯スリーブ12を含む。押湯スリーブ12は、長手軸Zを有し、連続した側壁16が、この軸まわりに概略的に半径方向に延びて鋳造中に溶融金属を受容するキャビティを規定する。押湯スリーブ12の上部は示されていない。
管状体14は、第1端部18において内側に先細となっており、パターンプレート20と接触して押湯ネックを形成する。管状体14は、側壁16の基部16aから延びる溝24内に突出する第2端部22を有する。溝24はキャビティから離れている。第2端部22および溝24は、管状体14を適所に一定の深さで固定する摩擦嵌合を提供するように寸法決めされ成形される。
管状体14は、使用時にキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定する。本例において、孔軸は長手軸Zに沿って横たわる。
管状体14は、第1端部18と第2端部22との間に2つのステップ26を含み、圧縮部を構成する。ステップ26は、交番する一連の第1側壁領域26aおよび第2側壁領域26bであるとみなすことができる。第1側壁領域26aは、孔軸Zに垂直であり、第2側壁領域26bは、孔軸Zに平行である。一対の第1側壁領域26aおよび第2側壁領域26b間の角度は90°である。第1および第2側壁領域の直径は、押湯スリーブから離間する方向に減少し、圧縮部は円錐台形であるとみなすことができる。管状体14の第1および第2端部18,22間の距離は、D1として示される。
図1bを参照して、圧縮後の押湯システム10が示される。打ち固め中の軸Zに沿う力の印加は、管状体14を圧潰させ、これによって第1端部18と第2端部22との間の距離をD2にまで減少させる。押湯スリーブ12は、打ち固め中、パターン20により近づく。
図2aを参照して、圧縮前の押湯システム28が示される。押湯システムは、管状体30に装着された発熱性押湯スリーブ12と、支持ピン32とを含む。管状体30は、第1端部34において内側に先細となっており、パターンプレート20と接触して押湯ネックを形成する。管状体30は、溝24内に突出する第2端部36を有する。
成形ピン32の上部は、スリーブ12の天板40に相補う凹所38内に配置され、打ち固め時に、スリーブ12が下方に移動すると、成形ピン32の上部が天板40の上部において薄い部分を貫通する。必要に応じて、カラーが凹所38に嵌め込まれて、ピン32が天板40に孔をあけたときにスリーブの破片が折れて取れる危険性を回避することができた。あるいは、狭い開口が、凹所38の代わりに天板40を通って延び、それによって支持ピン32を収容することができた。この場合、開口は、押湯スリーブキャビティの最大直径の約15%に対応する直径を有していた。
管状体30は、図2bにおいて押湯スリーブなしで示される。管状体30は、第1端部34と第2端部36との間に、単一の外向きキンク40を含み、圧縮部を構成する。キンク40は第1側壁領域40aと第2側壁領域40bとによって形成される。第1側壁領域40aは長手軸Zに対して角度αをなし、第2側壁領域40bは長手軸Zに対して角度βをなす。角度αおよびβは、同じである(両方とも約50°)。第1および第2側壁領域40a,40b間に形成される角度θは、約80°である。α+β+θ=180°であることは理解されるであろう。
打ち固め時、力が軸Zの方向に印加されて、管状体を圧潰させ、これによって第1および第2端部34,36間の距離を減少させ、角度θを減少させる。
図3aを参照して、圧縮前の押湯システム42が示される。押湯システム42は、管状体44に装着された発熱性押湯スリーブ12を含む。管状体42は、第1端部46において先細となっており、パターンプレート20と接触して押湯ネックを形成する。管状体42は、使用時にパターンプレート20の表面に位置する基部に内向きリップまたはフランジ48を有し、結果として生じる金属フィーダネックに切込みを形成してその除去(ノックオフ)を容易にする。管状体42は、溝24の全深さまで溝24内に突出する第2端部50を有する。先細溝が使用されてもよく、それによって管状体が溝が狭くなりすぎる溝の端部まで完全に突出するができない。
管状体44は、第1端部46と第2端部50との間に4つの内向きキンク52を含み、圧縮部を構成する。キンク52は、交番する一連の第1側壁領域52aおよび第2側壁領域52bによって形成される。第1側壁領域52aは長手軸Zと角度αをなし、第2側壁領域52bは長手軸Zと角度βをなす。角度αおよびβは同じである(両方とも約50°)。2以上のキンク52の使用は、蛇腹型構造を提供するとみなすことができる。一対の第1および第2側壁領域52a,52b間に形成される内角θは、約80°である。α+β+θ=180°であることは理解されるであろう。
図3bを参照して、圧縮後の押湯システム42が示される。打ち固め中に軸Zに沿う力の印加は、管状体44’を圧潰させ、これによって第1端部46と第2端部50との間の距離をD2まで減少させる。押湯スリーブ12は、打ち固め時にパターン20により近づく。
図4aを参照して、圧縮前の押湯システム54が示される。押湯システムは、管状体58に装着された発熱性押湯スリーブ56を含む。押湯スリーブ56は、長手軸Zを有し、連続した側壁60が、この軸まわりに概略的に半径方向に延びて鋳造中に溶融金属を受容するキャビティを規定する。連続した側壁60は基部60aを有し、そこから切欠き62が延びる。切欠き62の端部は、側壁60のレッジ60bによって規定される。切欠き62は、孔軸Zに垂直な方向に測定される幅Wを有する。
管状体58は、第1端部64において内側に先細となっており、パターンプレート20と接触して押湯ネックを形成する。管状体58は、切欠き62内に突出しレッジ60bに当接する第2端部66を有する。管状体58および切欠き62は、管状体58が側壁60にぴったりと嵌り込むように寸法決めされ成形される。管状体58は、使用時にキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定する。本例において、孔軸は長手軸Zに沿って横たわる。
管状体58は、第1端部64と第2端部66との間に3つの内向きキンク68を含み、蛇腹状圧縮部を構成する。キンク68は交番する一連の第1側壁領域68aおよび第2側壁領域68bである。各第1側壁領域68aは長手軸Zと角度αをなし、各第2側壁領域68bは長手軸Zと角度βをなす。角度αおよびβは同じである(両方とも約50°)。一対の第1および第2側壁領域68a,68b間に形成される内角θは約80°である。α+β+θ=180°であることは理解されるであろう。
図4bは、圧縮後の押湯システム54を示す。管状体58は圧潰して、第1端部64から第2端部66までの距離をD2にまで減少させる。キンクは圧縮されて角度θを約5°にまで減少させる。
図5は、押湯スリーブ12(図1)または押湯スリーブ56(図4)などの押湯スリーブと組み合わせて使用する管状体70を示す。管状体70は、第1端部72と第2端部74とを有し、貫通する開放孔を規定する。孔は長手軸Z(孔軸)を有する。管状体は、交番する一連の第1側壁領域76aおよび第2側壁領域76bを有する内向きキンク76からなる圧縮部を有する。圧縮部は円錐台形であり、キンク76の直径は第2端部74から第2端部72にわずかに減少し、すなわち管状体はパターンプレート20に向かって内側に先細となっている。テーパの角度μは10°未満(孔軸Zに対して測定)である。
第1側壁領域76aは孔軸と内角αをなし、第2側壁領域76bは孔軸と内角βをなす。角度αは、角度β(約45°)よりもわずかに大きい(約60°)。第1および第2側壁領域間の角度は、約75°(管状体の内側または外側で測定されるかにかかわらず)である。
本発明は、次の実施形態が可能である。
(1)管状体に装着された押湯スリーブを含み、
管状体は、第1端部と、反対側の第2端部と、使用時に力が加わると、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるようにそれらの間に設けられる圧縮部とを有し、
押湯スリーブは、長手軸を有するとともに、鋳造中に液体金属を受けるキャビティを規定する、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁を含み、該側壁は管状体の第2端部に隣接する基部を有し、
管状体はキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定し、
少なくとも1つの切欠きが基部から側壁内に延び、管状体の第2端部が切欠き内に一定の深さまで突出する、金属鋳造のための押湯システム。
(2)圧縮部は、第1および第2側壁領域によって構成される単一のステップまたはキンクを含む、押湯システム。
(3)圧縮部は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含み、これによって複数のステップ/キンクを提供する押湯システム。
(4)交番する一連の第1および第2側壁領域は、ともに4つのステップまたはキンクを形成する押湯システム。
(5)(i)一対の第1および第2側壁領域間に形成される角度θは60〜90°であり、(ii)第1側壁領域と管状体の長手軸との間に形成される角度αは30〜60°であり、および/または(iii)第2側壁領域と管状体の長手軸との間に形成される角度βは30〜60°である押湯システム。
(6)各ステップ/キンクは、長手軸に垂直な方向に測定された直径を有し、すべてのステップ/キンクは同じ直径を有する押湯システム。
(7)各ステップ/キンクは、長手軸に垂直な方向に測定される直径を有し、ステップ/キンクの直径は、管状体の第1端部に向かって減少して円錐台形状の圧縮部を形成する押湯システム。
(8)円錐台形状の圧縮部は、15°以下の角度で長手軸から傾斜している押湯システム。
(9)管状体は金属である押湯システム。
(10)金属は炭素含有量0.05%未満の鋼である押湯システム。
(11)切欠きは基部から離れて第1深さまで延び、管状体は切欠き内に第1深さまで突出する押湯システム。
(12)切欠きは基部から離れて第1深さまで延び、第1深さは押湯スリーブの高さの5〜30%に対応する押湯システム。
(13)切欠きは溝である押湯システム。
(14)切欠きは押湯スリーブキャビティに隣接する押湯システム。
(15)管状体の圧縮部は切欠きから離れている押湯システム。
(16)押湯スリーブは発熱性押湯スリーブである押湯システム。
(17)押湯スリーブは少なくとも25kNの破砕強度を有する押湯システム。
(18)長手軸を有し、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁と、長手軸に略交差して延びる天板とを含み、側壁および天板はともに鋳造中に液体金属を受容するためのキャビティを規定し、側壁は天板から離間した基部を有し、溝が基部から側壁内に延びている、押湯システムにおいて使用するための押湯スリーブ。
(19)押湯システムをパターン上に設置することであって、該押湯システムは管状体上に装着された押湯スリーブを含み、
押湯スリーブは鋳造中に液体金属を受容するためのキャビティを規定する連続した側壁を含み、該側壁は管状体に隣接する基部を有し、
管状体はキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定し、管状体は、第1端部と、反対側の第2端部と、その間に設けられる圧縮部とを有し、
切欠きが基部から側壁内に延び、管状体の第2端部が切欠き内に一定の深さまで突出する、押湯システムをパターン上に設置することと、
パターンを鋳型材料で取り囲むことと、
鋳型材料を圧縮することと、
パターンを圧縮された鋳型材料から除去して、鋳型を形成することとを含み、
鋳型材料を圧縮することは、圧縮部が圧縮され、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるように押湯システムに圧力を印加することを含む、鋳型を作製する方法。
(20)鋳型材料を圧縮することは、少なくとも30N/cmの打ち固め圧力を印加することを含む方法。
(21)圧縮部は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含む階段状形状を有し、圧縮部の圧縮は、一対の第1および第2側壁領域間の角度θを減少させる方法。

Claims (20)

  1. 管状体に装着された押湯スリーブを含み、
    管状体は、第1端部と、反対側の第2端部と、それらの間の圧縮部であって、使用時に力が加わると、圧縮部の圧潰によって第1端部および第2端部間の距離が不可逆的に小さくなるように設けられる圧縮部とを有し、
    押湯スリーブは、長手軸を有するとともに、鋳造中に液体金属を受けるキャビティを規定する、長手軸の略周囲に延びる連続した側壁を含み、該側壁は管状体の第2端部に隣接する基部を有し、
    管状体はキャビティを鋳物に接続するための貫通する開放孔を規定し、
    少なくとも1つの切欠きが側壁に形成され、基部から側壁に延びて溝またはレッジを形成し、管状体の第2端部が切欠き内に一定の深さまで突出し、
    押湯スリーブは、切欠きに突出する管状体の部分であって、押湯スリーブの長手軸に略平行な管状体の部分によって支持されることを特徴とする、金属鋳造のための押湯システム。
  2. 圧縮部は、第1および第2側壁領域によって構成される単一のステップまたはキンクから成ることを特徴とする、請求項1に記載の押湯システム。
  3. 圧縮部は、交番する一連の第1および第2側壁領域から成り、これによって複数のステップ/キンクを提供することを特徴とする、請求項1に記載の押湯システム。
  4. 交番する一連の第1および第2側壁領域は、ともに4つのステップまたはキンクを形成することを特徴とする、請求項3に記載の押湯システム。
  5. (i)一対の第1および第2側壁領域間に形成される角度θは60〜90°であり、(ii)第1側壁領域と管状体の長手軸との間に形成される角度αは30〜60°であり、および/または(iii)第2側壁領域と管状体の長手軸との間に形成される角度βは30〜60°であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の押湯システム。
  6. 各ステップ/キンクは、長手軸に垂直な方向に測定された直径を有し、すべてのステップ/キンクは同じ直径を有することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の押湯システム。
  7. 各ステップ/キンクは、長手軸に垂直な方向に測定される直径を有し、ステップ/キンクの直径は、管状体の第1端部に向かって減少して円錐台形状の圧縮部を形成することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の押湯システム。
  8. 円錐台形状の圧縮部は、15°以下の角度で長手軸から傾斜していることを特徴とする、請求項7に記載の押湯システム。
  9. 管状体は金属であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の押湯システム。
  10. 金属は炭素含有量0.05%未満の鋼であることを特徴とする、請求項9に記載の押湯システム。
  11. 切欠きは基部から離れて第1深さまで延び、管状体は切欠き内に第1深さまで突出することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の押湯システム。
  12. 切欠きは基部から離れて第1深さまで延び、第1深さは押湯スリーブの高さの10〜40%に対応することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の押湯システム。
  13. 切欠きは溝であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の押湯システム。
  14. 切欠きは、基部から側壁に延び、押湯スリーブキャビティに隣接してレッジを形成することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の押湯システム。
  15. 管状体の圧縮部は切欠きから離れていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の押湯システム。
  16. 押湯スリーブは発熱性押湯スリーブであることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の押湯システム。
  17. 押湯スリーブは少なくとも25kNの破砕強度を有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の押湯システム。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の押湯システムをパターン上に設置することと、
    パターンを鋳型材料で取り囲むことと、
    鋳型材料を圧縮することと、
    パターンを圧縮された鋳型材料から除去して、鋳型を形成することとを含み、
    鋳型材料を圧縮することは、圧縮部が圧縮され、第1端部および第2端部間の距離が小さくなるように押湯システムに圧力を印加することを含むことを特徴とする鋳型を作製する方法。
  19. 鋳型材料を圧縮することは、少なくとも30N/cmの打ち固め圧力を印加することを含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
  20. 圧縮部は、交番する一連の第1および第2側壁領域を含む階段状形状を有し、圧縮部の圧縮は、一対の第1および第2側壁領域間の角度θを減少させることを特徴とする、請求項18または19に記載の方法。
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