本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、パチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、パチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、演出用モータ308L,308R、下方位置検出スイッチ313L,313R、中間位置検出スイッチ314L,314R、上方位置検出スイッチ315L,315R、演出用ソレノイド318L,318Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。まず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9の発光及び演出ユニット300の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
なお、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
この実施例では、以下に説明する演出ユニット300の可動体302による可動体演出や、演出ユニット300とスピーカ8L,8R、及び演出用LED9とによる複合演出や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。
次に、図3〜図9に基づいて、演出ユニット300について説明する。図3は、(A)は可動体が第1位置にある演出ユニットを示す正面図、(B)は可動体が第2位置にある演出ユニットを示す正面図である。図4は、演出ユニットを斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図5は、演出ユニットを斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図6は、(A)は図3のA−A断面図、(B)はB−B断面図である。図7は、(A)は可動体が第2位置にある演出ユニットを示す正面図、(B)は可動体が第2位置にある演出ユニットを示す背面図である。図8は、(A)は図7のC拡大図、(B)は図7のD拡大図である。図9は、(A)は図8(B)のE−E断面図、(B)は図8(B)のF−F断面図である。
図3〜図5に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301と、該ベース部301の上部の第1位置(図3(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図3(B)参照)とに移動可能な可動体302と、該可動体302の移動を案内する第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319と、を有する。
ベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが演出表示装置5の表示画面の各辺に沿うように配設され、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cの間から演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている(図1参照)。
図4及び図5に示されるように、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面には、後述する第1可動部302Aを上下方向に案内する第1案内手段303L,303Rが設けられている。第1案内手段303L,303Rは、上下方向に延びる案内軸306L,306Rと、左側辺部301b及び右側辺部301cに対し案内軸306L,306Rを前面側から挟み込むように固定されるカバー部材307L,307Rと、から主に構成される。
案内軸306L,306Rは、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部304L,304Rと、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部305L,305Rと、により、軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
また、図11及び図12の右図に示すように、案内軸306L,306Rの上端には、従動ギヤ339が固着されており、案内軸306L,306Rの上方(上軸受部304L,304R)には、演出用モータ308L,308Rが固定されている。なお、演出用モータ308L,308Rは、駆動軸337が下方に突出するように設けられており、該駆動軸337の先端に固着された駆動ギヤ338は案内軸306L,306Rの従動ギヤ339に噛合されている。よって、演出用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。
図4及び図5に戻って、案内軸306L,306Rには、第1可動部302Aから左右方向に延びるアーム309L,309Rと、アーム309L,309Rの下方に配置され可動体302を第2位置から第1位置に移動させる駆動体310L,310Rと、が昇降可能に取付けられている。なお、案内軸306L,306Rに対するアーム309L,309R及び駆動体310L,310Rの取付形態については、後段にて説明する。
また、カバー部材307L,307Rには、駆動体310L,310R及び第1可動部302Aの上下方向の移動を案内する凹溝312L,312Rが設けられている。この凹溝312L,312Rには、駆動体310L,310Rの前面側に延びる規制片311L,311Rと、第1可動部302Aのアーム309L,309Rの前面側に延びる規制片317L,317Rと、が挿入されており、これにより駆動体310L,310R及び第1可動部302Aの上下方向の移動が案内される(図8(A)及び図9(A)、(B)参照)。
また、凹溝312L,312Rには、凹溝312L,312Rの上方位置にてアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出する上方位置検出スイッチ315L,315Rと、凹溝312L,312Rの中間位置にて駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rを検出する中間位置検出スイッチ314L,314R(図4参照)と、凹溝312L,312Rの下方位置にて駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rを検出する下方位置検出スイッチ313L,313Rが設けられている(図10〜図12参照)。
さらに、カバー部材307L,307Rには、可動体302を上辺部301aと前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318Rが設けられている。
なお、演出用ソレノイド318L,318Rは、図11及び図12の右図に示すように、前後に進退可能な係止部材318aを備えている。演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、係止部材318aが案内軸306L,306R側に突出するようになっている。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、第1可動部302Aを係止部材318aに係止させて可動体302を第1位置に保持できる。また、図11(B)に示すように、演出用ソレノイド318Lがオンの状態時には、係止部材318aが案内軸306L,306R側から退避するようになっている。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態を解いて可動体302を第2位置に落下させることができる。
図3〜図5に示すように、ベース部301の上辺部301aには、第2可動部302Bの第1位置及び第2位置間の移動を案内する第2案内手段319が設けられている。この第2案内手段319は、左右側方に離間して配置されるガイド部324L,324Rと、ガイド部324L,324R同士を連結する連結板材341と、連結板材341に取付けられる後述する第3装飾部材320と、から主に構成されている。このガイド部324L,324R及び連結板材341は、透光性を有する透光部材により一体に形成されている。
また、第3装飾部材320は、主に非透光性部材により構成され、その一部に透光性を有する透光部320aが形成されている。また、ベース部301の上辺部301aには、前面に複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられており、演出用LEDからの光は、連結板材341及び透光部320aを介して前方側に出射可能とされている。
図6に示すように、ガイド部324Lの左側方には、凹状に形成されたガイド溝330が形成されており、ガイド溝330は、上下方向(案内軸306L,306Rと略平行)に延びる垂直部327と、垂直部327の上端から後方に湾曲しながら斜め上方向(正面側から見て奥側上方)に延びる湾曲部328と、湾曲部328の後端から屈曲して後下方向(湾曲部328に対して斜め下方向)に延びる屈曲部329と、の形状を有する。なお、ガイド部324Lとガイド部324Rとは同一構成であるため、ここでは、ガイド部324Lのみ説明し、ガイド部324Rの説明を省略する。なお、図6においては、説明の便宜上カバー部材307Rの構成を省略している。
図3〜図5に示すように、可動体302は、第1可動部302Aと、該第1可動部302Aに連結される第2可動部302Bと、から構成されている。第1可動部302Aは、第1装飾部材322と、該第1装飾部材322の左右側方に配置され第1可動部302Aを案内軸306L,306Rに対し上下方向に移動可能に支持するアーム309L,309Rと、から主に構成されている。アーム309L,309Rには、上下方向に貫通する貫通孔331L,331Rが形成されており(図9(B)参照)、該貫通孔331L,331Rには案内軸306L,306Rが挿入される。当該貫通孔331L,331Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも大寸とされている。なお、アーム309L,309Rの後面側の一部は、ハニカム状に肉抜きされており、これによりアーム309L,309Rの強度が保持されながらも軽量化される。
また、アーム309L,309Rの前面には、前述した規制片317L,317Rが突設されており、該規制片317L,317Rは、凹溝312L,312R内にそれぞれ挿入されている(図8及び図9(B)参照)。これにより、後述するように左右の案内軸306L,306Rが回転したときに、アーム309L,309Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制され、案内軸306L,306Rが回転することにより第1可動部302Aが微動したり、捩れが生じて上昇しにくくなること等が防止される。つまり、第1可動部302Aは、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する間は姿勢(遊技者から視認可能な状態)を維持する。
なお、図示しないが、凹溝312L,312Rにおける左右方向の幅寸法から規制片317L,317Rの左右方向の板厚を差し引いた差寸法は、アーム309L,309Rにおける貫通孔331L,331Rの内径と案内軸306L,306Rの外径との差寸法よりも小さく設定されている。言い換えると、左右方向における凹溝312L,312Rと規制片317L,317Rとの間の遊び寸法は、貫通孔331L,331Rと案内軸306L,306Rとの間の遊び寸法よりも小さく設定されている。
このようにすることで、案内軸306L,306Rによりアーム309L,309Rが上下に移動案内されるときに、案内軸306L,306Rの外周に形成された溝部321にアーム309L,309Rにおける貫通孔331L,331Rの開口縁等が引っ掛かりにくく(噛みにくく)して第1可動部302Aの上下動が阻害されることを回避しつつ、アーム309L,309Rの回転を規制することができる。
また、第1装飾部材322は、主に非透光性部材により構成され、その一部が透光部322aにより構成されているとともに、その背面には、複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられている。これにより演出用LEDからの光が透光部322aを通して前方に出射可能とされている。
また、図6に示すように、第2可動部302Bは、第2装飾部材323と、該第2装飾部材323の一方端側の左右に配置される第1アーム部325L,325Rと、該第2装飾部材323の他方端側の左右に配置される第2アーム部326L,326Rと、から主に構成されている。
第1アーム部325L,325Rは、第2可動部302Bを第2案内手段319におけるガイド部324L,324Rに対し移動可能に支持する。詳しくは、第1アーム部325L,325Rの先端には、ガイドローラ340L,340Rが設けられており、ガイドローラ340L,340Rは、第2案内手段319におけるガイド溝330,330に挿入されており、ガイド溝330,330に沿って移動可能となっている。
また、第2アーム部326L,326Rは、第1可動部302Aに対して回動可能に軸支されており、これにより、第1可動部302Aと第2可動部302Bとが、屈曲する屈曲動作(図6(A)の状態)と、延伸する延伸動作(図6(B)の状態)と、を行うことが可能となっている。換言すれば、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において、第1可動部302Aに対し奥側に傾倒する第1状態となり、可動体302が第2位置にある状態において、第1可動部302Aに対し並設される第2状態となる。
また、第1可動部302Aの第1装飾部材322は、正面視において第2可動部302Bの第2装飾部材323よりも大きく形成されている。さらに、第1可動部302Aの重量は、第2可動部302Bの重量よりも大きくなっている。
また、第2装飾部材323は、主に非透光性部材により構成され、その一部が透光部323aにより構成されているとともに、その背面には、複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられている。これにより演出用LEDからの光が透光部323aを通して前方に出射可能とされている(図3(B)及び図4参照)。
図7、図8(B)及び図9に示すように、案内軸306L,306Rには、第1可動部302A及び第2可動部302Bそれぞれを上方に移動させる駆動体310L,310Rが上下方向に移動可能に設けられる。
詳しくは、図9に示すように、略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。貫通孔332L,332Rは、案内軸306L,306Rの外径よりも若干大寸に設けられているとともに、貫通孔332L,332Rの内周面には、係合部333が突設されており、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に嵌合されている。図9(B)に示すように、係合部333の上下幅L3は、溝部321の上下幅L4よりも小さく形成されているため、係合部333が溝部321内に嵌合された際には、上下方向に隙間(遊び)が形成される。なお、貫通孔332L,332Rは、案内軸306L,306Rの外径よりも大寸に設けられているため、駆動体310L,310Rは、案内軸306L,306Rに対して若干傾斜できるようになっている。
また、前述のように、駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rは、凹溝312L,312R内に挿入されているため、左右の案内軸306L,306Rが回転したときには、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制される。
そして、係合部333が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転すると駆動体310L,310Rが上昇し、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転すると駆動体310L,310Rが下降するようになっている(図12参照)。さらに、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に遊びを持って嵌合されているため、案内軸306L,306Rの回転時における係合部333と溝部321との摩擦が少なく、駆動体310L,310Rが昇降移動しやすくなっている。
また、図8(B)に示すように、駆動体310L,310Rの上部には、第1弾性部材334L,334Rが設けられている。また、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにおける上部には、第2弾性部材335L,335Rが設けられている。
なお、第1弾性部材334L,334R及び第2弾性部材335L,335Rは、合成樹脂により構成されており、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されている。具体的には、第1弾性部材334L,334Rは、衝撃を熱エネルギーへ変換し消失させる特性を有するゴム素材の合成樹脂であり、第2弾性部材335L,335Rは、衝撃を波動に変換し吸収する特性を有するゲル状のシリコーン素材の合成樹脂であり、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも衝撃吸収率が高い。
次に、第1可動部302Aと第2可動部302Bの移動態様について、図10〜図14に基づいて説明する。図10は、(A)は第1位置にある可動体の状態を示す説明図、(B)は、第3位置にある可動体の状態を示す説明図、(C)は第2位置にある可動体の状態を示す説明図である。図11は、(A)は第1位置にあるときの可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図、(B)は、(A)の状態から第2位置に落下した可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図である。図12は、(A)は第2位置から第1位置に戻す動作の初期の可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図、(B)は第2位置から第1位置に戻す動作の後期の可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図である。図13は、第2可動部が略水平を向く状態から第2位置に移動する状態を示す説明図である。図14は、(A)は第2位置において可動体の落下に伴う衝撃が第1弾性部材に伝わっていない状態を示す説明図、(B)は(A)可動体の落下に伴う衝撃が第1弾性部材に伝わった状態を示す説明図である。
図10(A)及び図11(A)に示されるように、駆動初期状態では、可動体302は、演出用ソレノイド318L,318Rにより第1可動部302Aが係止され、第1位置にて保持されている。このとき、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rは、第2案内手段319におけるガイド溝330,330の屈曲部329にそれぞれ挿入されており、これにより、第2可動部302Bは、その第1アーム部325L,325R側が第2アーム部326L,326R側よりも奥側下方側に落ち込み、第1可動部302Aに対し鋭角を成すように傾倒している(第1状態、図6(A)参照)。具体的には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとで成す内角が鋭角となっている。また、駆動体310L,310Rは、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rの上部に固定された第2弾性部材335L,335Rに載置される駆動待機位置に配置されている。
前述のように、第1可動部302Aの第1装飾部材322は、正面視において第2可動部302Bの第2装飾部材323よりも大きく形成されているため、可動体302が第1位置にあるときには、第1可動部302Aの第1装飾部材322により第2可動部302Bの第2装飾部材323が被覆され、第2可動部302Bの第2装飾部材323が正面側から視認不能となる。また、第2可動部302Bが第1可動部302Aに対し鋭角を成すように傾倒しているため、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において遊技者から極めて視認困難となっており、遊技者からは第1可動部302Aのみ視認可能となる。
また、このとき、凹溝312L,312Rに設けられた上方位置検出スイッチ315L,315Rは、アーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出しているとともに、下方位置検出スイッチ313L,313Rは、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rを検出している。これら上方位置検出スイッチ315L,315R及び下方位置検出スイッチ313L,313Rからの検出信号により、演出制御用CPU120は、可動体302が第1位置に保持され、かつ、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に配置されていると判定する。
ここで、演出制御用CPU120は、所定条件が成立したこと(例えば、可動体演出の実行中において落下タイミングとなったこと等)に基づいて、演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態とする。これにより、係止部材318aが前側へ退避され、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態が解除される(図11(B)の右図参照)。このように、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態が解除されると、まず、第1可動部302Aがその自重により落下する。
詳しくは、図10(B)及び図13に示されるように、第1可動部302Aが落下すると、第2アーム部326L,326Rが引っ張られ、第2可動部302Bが第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rを中心として前側に傾くように回動する。第2可動部302Bが略水平方向を向いた際には、第1可動部302Aにより第2可動部302Bがほとんど被覆されており、第2可動部302Bが正面側から視認し難い。
また、図13に示されるように、第1可動部302Aがさらに下方に落下することにより、第2可動部302Bの第2アーム部326L,326Rがさらに下方に引っ張られ、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rが屈曲部329を乗り上げる。つまり、第2可動部302Bは、第2アーム部326L,326Rが鉛直下方向に移動するとともに、第1アーム部325L,325Rが斜め前方向に移動するため、第2可動部302Bが遊技者側に迫りながら急激に出現する(視認可能となる)。なお、可動体302が落下すると所定時間後に演出用ソレノイド318Lがオフの状態となり、係止部材318aが案内軸306L側に突出するようになる。
次いで、図10(C)及び図11(B)に示すように、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rが湾曲部328及び垂直部327にガイドされながら第1可動部302Aと共に(一緒に)落下する。詳しくは、可動体302は、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態で第2位置に移動する。
第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態にあっては、第2可動部302Bの第2装飾部材323における第1可動部302Aの第1装飾部材322側の端縁は、第1可動部302Aの第1装飾部材322における第2可動部302Bの第2装飾部材323の端縁よりも後方側に配置され、前後方向に若干重畳している。また、可動体302が第2位置にあるとき(延伸動作時)には、第2案内手段319に取付けられた第3装飾部材320が、正面側から見て第1可動部302Aの第1装飾部材322及び第2可動部302Bの第2装飾部材323に連なり、第1装飾部材322、第2装飾部材323、第3装飾部材320により一の装飾部を形成できる。
また、前述のように、第1可動部302Aの重量は、第2可動部302Bの重量よりも大きくなっているため、可動体302を第1位置に保持する演出用ソレノイド318L,318Rが退避して第1可動部302Aが落下した際には、第1可動部302Aの重量により第2可動部302Bを追従させて落下させることができ、可動体302の落下動作をスムーズに行うことができる。
図14に示すように、可動体302が第2位置に落下した際には、駆動体310L,310Rにより可動体302の第1位置と反対側(下方側)への移動が規制されるとともに、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにより駆動体310L,310Rの可動体302の第1位置と反対側(下方側)への移動が規制される。
詳しくは、まず、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが駆動体310L,310Rの上部に設けられた第1弾性部材334L,334Rに衝突し、これにより可動体302の下方側への移動が規制される。この第1弾性部材334L,334Rは、可動体302が落下した際において当該可動体302と駆動体310L,310Rとの間に生じる衝撃を緩和する。なお、このとき、第1可動部302Aのアーム309L,309Rは、駆動体310L,310Rに直接的に当接しない。
また、可動体302が第2位置に落下した際に生じる衝撃は、第1弾性部材334L,334Rにより緩和されながらも駆動体310L,310Rに伝わる。前述したように、駆動体310L,310Rの各係合部333は、案内軸306L,306Rの各溝部321内に上下方向に遊びを持って嵌合されているため、可動体302が第2位置に落下した際の衝撃が駆動体310L,310Rに伝わると該駆動体310L,310Rが下方側へ移動する。このときには、駆動体310L,310Rの下方に配置される第2弾性部材335L,335Rを介してカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにより駆動体310L,310Rの下方への移動が規制される。つまり、第2弾性部材335L,335Rは、可動体302が落下した際において駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に生じる衝撃を緩和するようになっている。なお、このとき駆動体310L,310Rは、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに直接的に当接しない。
また、図14(B)に示すように、可動体302が第2位置に落下した際には、図14(A)に示す可動体302(アーム309L,309R)が第1弾性部材334L,334Rの上面に当接した状態(可動体302の落下に伴う衝撃が第1弾性部材334L,334Rに伝わっていない状態)に比べ、第2弾性部材335L,335Rの上面が寸法L1分低くなっているとともに、第1弾性部材334L,334Rの上面が寸法L2分低くなっている。この寸法L1は、第2弾性部材335L,335Rの変形量であり、寸法L2は、第2弾性部材335L,335Rの変形量と第1弾性部材334L,334Rの変形量の和である。
前述のように、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されているため、第2弾性部材335L,335Rの変形量(L1)は、第1弾性部材334L,334Rの変形量(L2−L1)よりも小さくなっている。したがって、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rに対して若干傾斜した際等には、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に第1弾性部材334L,334Rを用いるよりも駆動体310L,310Rの傾斜を小さくできる。そのため、駆動体310L,310Rの傾斜により駆動体310L,310Rの各係合部333と案内軸306L,306Rの各溝部321とにかかる負荷を効果的に低減することができる。
次いで、図12(A)に示すように、可動体302を第1位置へ戻す場合、演出制御用CPU120は、演出用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させ、駆動体310L,310Rを上昇させる。これにより、駆動体310L,310Rの上部に載置されていた第1可動部302A及び第2可動部302Bが上方へ移動する。
そして、図12(B)に示すように、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが係止部材318aを前方へ押し込んで上方へ移動する。アーム309L,309Rが係止部材318aよりも上方に移動すると、図示しない圧縮バネの付勢力により係止部材318aが後方に突出し、アーム309L,309Rが係止部材318aに係止され、これにより、可動体302が第1位置に保持される。可動体302が第1位置に保持されると、アーム309L,309Rの規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315Rにより検出され、演出制御用CPU120は、規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315Rにより検出されたことに基づいて、可動体302が第1位置に保持されたとして、演出用モータ308L,308Rの第1方向への回転を停止させるとともに、第2方向へ逆回転させ、駆動体310L,310Rを下方へ移動させる。その後、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rが下方位置検出スイッチ313L,313Rにより検出されたことに基づき、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に戻ったとして、演出用モータ308L,308Rをオフ状態として案内軸306L,306Rの回転を停止させる。
なお、図示しないが、凹溝312L,312Rの中間位置には、中間位置検出スイッチ314L,314Rが設けられており、駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rを検出可能であるため、演出制御用CPU120は、中間位置検出スイッチ314L,314Rが規制片311L,311Rを検出したことに基づいて、駆動体310L,310Rを凹溝312L,312Rの中間位置にて停止させることができる。これによれば、例えば、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときに予告演出として可動体302を第1位置と第2位置との間の第3位置に落下させて停止させること等を行うことができ、可動体302により演出性を向上させることができる。
なお、演出制御用CPU120は、可動体演出の実行を決定したとき、可動体302を第2位置まで落下させる演出パターンまたは第3位置まで落下させる演出パターンのいずれかを決定し、決定した演出パターンに基づいて可動体演出を実行するようにしてもよい。具体的には、可動体302を落下させる可動体演出が、例えば、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときに予告演出として行われる場合等において、変動表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用CPU120は、可動体302を第2位置まで落下させる演出パターンを、第3位置まで落下させる演出パターンよりも高い割合で決定するようにし、可動体302が第2位置まで落下したときの大当り期待度が高くなるようにしてもよい。このように、可動体302の落下位置により大当り期待度が異なるようにすることで、可動体302の落下位置に注目させることができる。
また、可動体302を第3位置に落下させて停止させた場合であっても、可動体302落下時に駆動体310L,310Rにかかる衝撃を第1弾性部材334L,334Rにより緩和することができる。なお、第3位置は、可動体302が落下された場合に第2可動部302Bが略水平方向を向いた状態(図10(B)参照)となる位置に設定されているが、これに限られず、演出を効果的に行える位置に適宜設定すればよい。また、可動体の停止位置は複数設定されていてもよい。
また、このように第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下する可動体演出が、例えば、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときに予告演出として行われる場合等にあっては、第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下する前において、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが表示画面右下に縮小表示されるとともに、第1可動部302A及び第2可動部302Bの落下を示唆するエフェクト画像が表示される。なお、このような表示内容は演出の種別等に応じて種々に変更可能である。
なお、可動体302が落下する可動体演出の実行タイミングとしては、変動中予告、疑似連演出、スーパーリーチへの発展、大当り確定演出、確率変動への昇格演出等といった複数の実行タイミングで実行可能である。また、これら複数の実行タイミングごとに、落下位置、演出用LED9の発光態様、演出効果音の出力態様といった種々の演出制御が異なるようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、上記のように所定条件が成立したことに基づいて演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材308を後側へ退避させ、係止状態を解除して第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させるようにしていたが、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させる際に、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて検出片316L,316Rが検出されているか否かを確認し、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて検出片316L,316Rが検出されていること、つまり、駆動体310L,310Rが駆動待機位置にあることを条件に、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させるようにしてもよい。
このようにすることで、駆動体310L,310Rが何らかの要因(例えば、引っ掛かりなど)により駆動待機位置に位置していないにも関わらず、第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下され、駆動待機位置よりも上方にある駆動体310L,310Rにより可動体302が第2停止位置へ到達する前に落下が阻害されることを回避できる。
なお、演出制御用CPU120は、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させるときに駆動体310L,310Rが駆動待機位置に配置されていない場合、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させる演出の代替演出(例えば、演出表示装置5により第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下する映像を表示するなど)を実行するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させる可動体演出の実行を決定した場合、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に配置されているか否かを、落下タイミングよりも前に確認するようにすればよい。あるいは、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するか否かを決定するときや、図柄の変動表示が開始されたときに駆動体310L,310Rが駆動待機位置に配置されているか否かを確認し、駆動待機位置に配置されていない場合には可動体演出の実行を決定しないまたは実行を無効とするようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、駆動体310L,310Rが第1可動部302A及び第2可動部302Bを上昇させてから駆動待機位置へ戻るまでの期間内に下方位置検出スイッチ313L,313Rにより駆動体310L,310Rを検出できなかった場合、演出用モータ308L,308Rを再度駆動(リトライ)し、それでも所定期間内に下方位置検出スイッチ313L,313Rにより駆動体310L,310Rが検出できなかった場合に、上記したような代替演出を実行するようにしてもよい。
以上説明したように、パチンコ遊技機1にあっては、第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動可能な可動体302と、可動体302が第1位置から第2位置へ移動したときに可動体302の第1位置と反対側への移動を規制する駆動体310L,310Rと、駆動体310L,310Rにより可動体302の移動が第2位置にて規制されたときに可動体302の第1位置と反対側への移動を駆動体310L,310Rを介して規制するカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rと、可動体302と駆動体310L,310Rとの間で生じる衝撃を緩和する第1弾性部材334L,334Rと、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に生じる衝撃を緩和する第2弾性部材335L,335Rと、を備える。
このようにすることで、可動体302を第2位置において2つの規制部により好適に規制できるとともに、規制により生じる衝撃を、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの2箇所にて第1弾性部材334L,334R及び第2弾性部材335L,335Rにより分散して緩和できるので、衝撃による負荷が可動体302や一の規制部に集中して破損したりすることを抑制することができる。
より具体的には、可動体302の下方側への移動を駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとで規制するため、規制時に生じる衝撃を駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rとの相対移動により分散させることができる。加えて、可動体302と駆動体310L,310Rとの間には、第1弾性部材334L,334Rが設けられ、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間には、第2弾性部材335L,335Rが設けられているため、隣接する部材同士間での衝撃を緩和できる。
また、可動体302と駆動体310L,310Rとは、第1弾性部材334L,334Rにより直接当接することがなく、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとは、第2弾性部材335L,335Rにより直接当接することがない。そのため、可動体302や駆動体310L,310R及びカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにかかる負荷を限りなく小さくできる。
また、駆動体310L,310Rは、移動可能に設けられ、演出用モータ308L,308Rにより可動体302を第2位置から第1位置へ移動させるように駆動するので、可動体302の移動と規制とを一の部材で兼用することができるため、部品点数を削減することができる。
また、第2位置は、第1位置よりも下方に設けられ、可動体302は自重で第1位置から第2位置へ落下可能であるので、可動体302の落下による衝撃を、駆動体310L,310R、カバー部材307L,307Rの下部336L,336R、第1弾性部材334L,334R、第2弾性部材335L,335Rにより好適に緩和することができるとともに、可動体302が第1位置から第2位置へ急激に落下するため、遊技者にインパクトを与えることができ、演出性を向上させることができる。
また、第2規制部は、可動体302を支持するカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに設けられており、規制により生じる衝撃を、可動体302を支持するカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに伝達して分散させることができるので、可動体302の下方への移動を第2位置で安定して規制することができる。
また、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されているため、例えば、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rに対して若干傾斜した際等には、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に第1弾性部材334L,334Rを用いるよりも駆動体310L,310Rの傾斜を小さくでき、駆動体310L,310Rの傾斜により駆動体310L,310Rの各係合部333と案内軸306L,306Rの各溝部321とにかかる負荷を効果的に低減することができる。
また、可動体302は、第1可動部302Aと第2可動部302Bとから構成され、第1可動部302Aと第2可動部302Bとは互いに回動可能となっているとともに、第1可動部302Aのアーム309L,309Rは、案内軸306L,306Rに対して遊びを持って取付けられており、且つ第2可動部302Bのガイドローラ340L,340Rは、若干の遊びを持ってガイド溝330,330に挿入されているので、可動体302が第2位置に落下した際には、第1可動部302Aと第2可動部302Bが前記遊びの範囲内で回動することによりその衝撃を逃がすことができる。
また、パチンコ遊技機1にあっては、第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動可能であり、第1可動部302Aと該第1可動部302Aに対し傾倒可能な第2可動部302Bとを有する可動体302と、第1可動部302Aを移動案内する第1案内手段303L,303Rと、第1案内手段303L,303Rとは別個に設けられ、第2可動部302Bを移動案内する第2案内手段319と、を備え、第2案内手段319は、第1案内手段303L,303Rに対し略平行な垂直部327と、垂直部327から奥側へ延設される第2案内部(湾曲部328及び屈曲部329)と、を有し、第1可動部302Aは、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する間は遊技者から視認可能な状態を維持し、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において、湾曲部328及び屈曲部329に案内されることにより第1可動部302Aに対し奥側に傾倒する第1状態となり、可動体302が第2位置にある状態において、垂直部327に案内されることにより第1可動部302Aに対し並設される第2状態となる。
すなわち、第2可動部302Bは、第1状態(屈曲動作)において、第1可動部302Aに対し奥側に傾倒することで、遊技者から視認困難または視認不能となり、第2状態(延伸動作)において、第1可動部302Aに対し並設されることで、遊技者から視認可能な状態となる。つまり、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する際に、第1可動部302Aは遊技者から視認可能な状態を維持するのに対し、第2可動部302Bは第1状態(遊技者から視認困難または視認不能な状態)と第2状態(遊技者から視認可能な状態)とに変化するため、遊技者に意外性を与えることができる。
また、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを別個の案内部材(第1案内手段303L,303R、第2案内手段319)により移動案内することで、第1可動部302Aに影響を与えることなく、第2可動部302Bを傾倒させることができる。
具体的には、第1可動部302Aは、そのアーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rと規制片317L,317Rとが、第1案内手段303L,303Rの案内軸306L,306Rと凹溝312L,312Rとにより、第1位置及び第2位置間を上下方向に移動するように案内される。一方、第2可動部302Bは、その第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rが第2案内手段319におけるガイド溝330,330の垂直部327により上下方向に移動し、湾曲部328及び屈曲部329により奥側に傾倒するように案内される。つまり、第1可動部302Aは、第1案内手段303L,303Rにより上下方向にのみ移動案内されていることで、第2可動部302Bが湾曲部328及び屈曲部329により奥側に傾倒するように案内されても、第1可動部302Aは上下方向へ移動するだけで、遊技者から視認可能な姿勢を保つことができる。
また、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを1つの案内部材により案内する場合には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの移動中に相対的な捻じれ等が生じると、第1可動部302Aまたは第2可動部302Bの一部が案内部材に干渉して、それ以上移動できない等の動作不良を引き起こす虞がある。
対して、この実施例のように、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを別個の第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319により移動案内する場合には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの移動中に相対的な捻じれ等が生じても、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319が互いに相対的に移動しやすくなっており、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの捻じれ等を解消させることができ、動作不良を防止できる。また、第2案内手段319は、その前方側下端部がフリーな状態(ベース部301等に固定されていない状態)であるため、第1案内手段303L,303Rに対してさらに相対移動しやすくなっている。
さらに、第1案内手段303L,303Rと第2案内手段319とが別個に設けられていることで、第2案内手段319を第1可動部302Aの移動に影響を与えない場所または影響を与え難い場所に予め自由に設計できる。換言すれば、第2案内手段319の位置は、第1案内手段303L,303Rの延長線上の位置に限定されない。
また、第2可動部302Bは、第1位置において、湾曲部328及び屈曲部329により奥側に収容されるので、上下方向の省スペース化を図ることができる。
また、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319は、別個になっているため、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319のそれぞれの設置場所及びサイズ(長さ等)等を自由に設定できるため、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319を設置するスペースを小さくできる。
また、第2可動部302Bは、第1状態において第1可動部302Aに対し鋭角をなすように後側に傾倒するので、第1状態においてより遊技者から視認困難とすることができる。具体的には、第1状態において第1可動部302Aと第2可動部302Bとで成す内角が鋭角であり、略垂直方向を向く第1可動部302Aに対し第2可動部302Bが直角または鈍角を成す場合に比べ、第2可動部302Bの上下方向から見たときの範囲が狭くなるため、遊技者から視認困難とすることができる。
第2案内部は、垂直部327から奥側へ向けて上方に傾斜する湾曲部328と、垂直部327から奥側へ向けて下方に傾斜する屈曲部329と、を有するので、湾曲部328により、可動体302が第1位置に向けて移動時には、第1可動部302Aに対し第2可動部302Bをスムーズに傾倒させることができるとともに、屈曲部329により、第1可動部302Aに対し第2可動部302Bが鋭角をなすように傾倒させることができる。
換言すれば、屈曲部329に落ち込むことで、第2可動部302Bが第1可動部302Aに対し鋭角をなすように傾倒する。したがって、可動体302が第1位置にあるときには、屈曲部329により第2可動部302Bの前方側への移動が規制されるため、第1可動部302Aに係止する演出用ソレノイド318L,318Rにかかる荷重を小さくできる。
また、可動体302が第2位置に向けて移動時には、第2可動部302Bが略水平を向くまでは、第2可動部302Bが正面側から視認困難となっており、それを越えると、第2可動部302Bの第2アーム部326L,326R側が垂直部327により鉛直方向に移動案内されるとともに、第1アーム部325L,325R側が屈曲部329により斜め前方向に移動案内されるため、第1可動部302Aの落下速度が一瞬緩まるとともに、第2可動部302Bが遊技者側に迫りながら急激に出現するようになり、可動体302の動作に変化を与えることができる。
また、垂直部327は、案内軸306L,306Rと略平行に設けられているため、可動体302が第2位置に向けて移動時において、第1アーム部325L,325R側が垂直部327に差し掛かると、第2可動部302Bが第1可動部302Aと略平行となるように案内されるため、第1可動部302A及び第2可動部302B双方の一体感を向上させることができる。
また、第2案内手段319は、第2可動部302Bの左右側を各々案内する一対のガイド部324L,324Rと、一対のガイド部324L,324R各々を連結する連結板材341と、を有し、連結板材341には、可動体302が第2位置へ移動したときに可動体302の装飾部の一部を構成する第3装飾部材320が設けられている。つまり、可動体302が第2位置にあるときには、第2案内手段319に取付けられた第3装飾部材320が、正面側から見て第1可動部302Aの第1装飾部材322及び第2可動部302Bの第2装飾部材323に連なり、第1装飾部材322、第2装飾部材323、第3装飾部材320により一の装飾部を形成できる。換言すれば、第2案内手段319の一部を利用して可動体302を装飾することができる。なお、この実施例では、第2案内手段319の一部に第3装飾部材320が設けられ、可動体302が第2位置にあるときに第1装飾部材322と第2装飾部材323と第3装飾部材320が連なり一の装飾部を形成する形態について例示したが、限定されるものではなく、第2案内手段全体に装飾を施し、可動体302が第2位置にあるときに、該第2案内手段全体が第1装飾部材322と第2装飾部材323と連なり一の装飾部を形成するようになっていてもよい。
さらに、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態にあっては、第2可動部302Bの第2装飾部材323における第1可動部302Aの第1装飾部材322側の端縁は、第1可動部302Aの第1装飾部材322における第2可動部302Bの第2装飾部材323の端縁よりも後方側に配置され、前後方向に若干重畳している。したがって、可動体302が第2位置にあるときには、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323との接合部分が正面側から視認困難であり、美観が向上する。
また、一対のガイド部324L,324Rは、連結板材341により連結されることで強度が補強されているため、ガイド部324L,324Rの大きさを小さくできるとともに、可動体302の第2位置に向けての移動時にガイド部324L,324R同士の捻じれ等が生じにくい。
また、連結板材341は、透光性を有する透光部材により形成されているため、この連結板材341を介して第3装飾部材320の透光部320a側に出射できる。つまり、第3装飾部材320の背面に演出用LEDが設けられたLED基板等を設けなくてもよい。
また、可動体302は、自重で第1位置から第2位置へ落下するため、可動体302を第1位置から第2位置へ極力早く出現させることができ、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、可動体302の第1位置に向けての移動時には、駆動体310L,310Rにより、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが、オフの状態の演出用ソレノイド318L,318Lの係止部材318aを前方へ押し込んで上方へ移動し、且つ図示しない圧縮バネの付勢力により再度後方へ突出した係止部材318aに係止される構造であるため、可動体302を第1位置に保持するための制御を簡素化できる。
また、第1案内手段303L,303Rは、駆動体310L,310Rを移動させる移動手段(例えば、演出用モータ308L,308R、駆動ギヤ338、従動ギヤ339、案内軸306L,306R、溝部321)とは別個に設けられる凹溝312L,312Rを備えていることで、第1可動部302Aの第2位置から第1位置への移動が安定する。
さらに、この凹溝312L,312Rにより駆動体310L,310Rの規制片311L,311R及び第1可動部302Aの規制片317L,317Rが案内されるため、規制片311L,311R及び規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315R及び中間位置検出スイッチ314L,314Rにて確実に検出されるとともに、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rが下方位置検出スイッチ313L,313Rにて確実に検出される。
なお、前記実施例では、駆動体310L,310Rに第1弾性部材334L,334Rが固定され、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに第2弾性部材335L,335Rが固定される形態について説明したが、これに限定されるものではなく、第1衝撃緩和手段は、移動体と第1規制部との間に設けられ、第2衝撃緩和手段は、第1規制部と第2規制部との間に設けられていればよい。
具体的には、第1衝撃緩和手段は、移動体と第1規制部との間に設けられていれば、移動体と第1規制部のいずれかに固定されていてもよいし、移動体と第1規制部のいずれにも固定されず、単に移動体と第1規制部との間にフリーな状態で設けられていてもよい。また、第2衝撃緩和手段も同様に、第1規制部と第2規制部との間に設けられていれば、第1規制部と第2規制部のいずれに固定されていてもよいし、第1規制部と第2規制部のいずれにも固定されず、単に第1規制部と第2規制部との間にフリーな状態で設けられていてもよい。
なお、前記実施例では、第1弾性部材334L,334Rと第2弾性部材335L,335Rとが弾性などの特性の異なる合成樹脂により構成されていたが、これに限定されるものではなく、第1衝撃緩和手段及び第2衝撃緩和手段は、同一の特性を有する合成樹脂により構成されていてもよい。また、大きな衝撃が掛かりやすい第1衝撃緩和手段を安価な弾性部材により構成し、第1衝撃緩和手段よりも衝撃が掛かりにくい第2衝撃緩和手段を第1衝撃緩和手段よりも高価な弾性部材により構成するなど、第1弾性部材334L,334Rと第2弾性部材335L,335Rとを製造コストが異なる部材により構成するようにしてもよい。すなわち、第1衝撃緩和手段と第2衝撃緩和手段とは、特性、形状、大きさ、材質等が異なる部材にて構成してもよいし、同一の部材にて構成してもよい。なお、第1衝撃緩和手段及び第2衝撃緩和手段は、合成樹脂により構成されていたが、これに限られず、衝撃を緩和できるものであればよく、例えば、バネ等であってもよい。
また、前記実施例では、駆動源により上下に移動可能であり、移動体を上昇させるための駆動体310L,310Rを第1規制部とした形態について例示したが、これに限定されるものではなく、第1規制部は、移動体の落下による衝撃により移動可能(振動等を含む)な部材であってもよいし、移動体の落下位置を変更するために上下に移動可能な部材であってもよい。すなわち、第1規制部は、移動体の第2位置への移動を規制でき、且つ第2規制部に対して相対移動可能な部材であればよい。
また、前記実施例では、第1規制部は、上下方向(移動体の移動方向)に1つの部材により設けられている形態について例示したが、これに限定されるものではなく、2つ以上に分割されていてもよい。
また、前記実施例では、第2規制部を第1規制部よりも第2位置側に設けられるカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとした形態について例示したが、第2規制部は、必ずしも第1規制部よりも第2位置側に設けられるものではなく、移動体の移動が第2位置にて規制されたときに該移動体の前記第1位置と反対側への移動を規制できれば、第1規制部の側方等に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、第2規制部(カバー部材307L,307Rの下部336L,336R)がベース部301に設けられている形態について例示したが、これに限定されるものではなく、ベース部301以外の個所に設けられていてもよい。具体的には、遊技盤に固定される構造物を第2規制部とし、この構造物により第1規制部が停止されるようにしてもよい。
また、この実施例では、第1可動部302A及び第2可動部302Bは、第1位置と第2位置との間で、上下方向に移動するようになっていたが、これに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向、前後方向等に移動可能とされてもよい。
また、この実施例では、第1可動部302A及び第2可動部302Bは、第1位置から第2位置まで、自重により自由落下するようになっていたが、これに限定されるものではなく、駆動により上昇、下降するようにしてもよい。具体的には、可動体302をモータで駆動可能なアーム等により上昇、下降するようにしてもよい。
また、この実施例では、駆動体310L,310Rの移動手段の一例として、例えば、演出用モータ308L,308R、駆動ギヤ338、従動ギヤ339、案内軸306L,306R、溝部321、を例示したが、これに限定されるものではなく、ラックギヤとピニオンギヤなど、他の移動手段を適用してもよい。
また、前記実施例では、第2可動部302Bは、第1位置において第1可動部302Aにより視認不能または視認困難となっていたが、これに限定されるものではなく、第1位置においてもその一部または全部が視認可能となっていてもよい。
また、前記実施例では、可動体302は、第1可動部302Aと該第1可動部302Aに対し回動可能に連結された第2可動部302Bとから構成されていたが、これに限定されるものではなく、3以上の複数の可動部を有していてもよい。また、第1可動部に対し第2可動部が屈曲変形可能に設けられていてもよい。また、前記実施例では、第1可動部302Aと第2可動部302Bとは、第2可動部302B側に設けられた第2アーム部326L,326Rにより互いに回動可能に接続されていたが、これに限定されるものではなく、第1可動部302Aにアームを設け、そのアームと第2可動部302Bとを回動可能に接続してもよい。
また、前記実施例では、第1位置において、可動体302は、第1可動部302Aに係止する演出用ソレノイド318L,318R(保持手段)により保持されていたが、これに限られず、保持手段を第1位置における第2可動部302Bの近傍に設け、第2可動部302Bを係止することで第1位置に保持するようにしてもよい。また、第1可動部302Aに係止する保持手段に加え、該保持手段とは別個の保持手段により第2可動部302Bを補助的に保持してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、パチンコ遊技機901等)であって、
第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動可能な移動体(例えば、可動体302)と、
前記移動体が前記第1位置から前記第2位置へ移動したときに該移動体の前記第1位置と反対側への移動を規制する第1規制部(例えば、駆動体310L,310R)と、
前記第1規制部により前記移動体の移動が前記第2位置にて規制されたときに該移動体の前記第1位置と反対側への移動を前記第1規制部を介して規制する第2規制部(例えば、カバー部材307L,307Rの下部336L,336R)と、
前記移動体と前記第1規制部との間で生じる衝撃を緩和する第1衝撃緩和手段(例えば、第1弾性部材334L,334R)と、
前記第1規制部と前記第2規制部との間に生じる衝撃を緩和する第2衝撃緩和手段(例えば、第2弾性部材335L,335R)と、(例えば、図8及び図9参照)
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図27の時刻t1)から所定期間(例えば、図27の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図27:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力する
ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
上記遊技機によると、移動体を第2位置において2つの規制部により好適に規制できるとともに、規制により生じる衝撃を、第1規制部と第2規制部との2箇所にて第1衝撃緩和手段及び第2衝撃緩和手段により分散して緩和できるので、衝撃による負荷が移動体や一の規制部に集中して破損したりすることを抑制することができる。また、電子部品の動作不具合を回避することができるため、電子部品をより安定して制御することができる。特に、上記遊技機は、電子部品の動作不具合を回避できるので、意図しない演出や動作等の発生を高いレベルで抑制できることに加えて、衝撃による負荷が移動体や一の規制部に集中して破損したりすることを抑制することができるので、可動体302等の移動体を用いた演出動作の反復に起因する移動体の破損や不具合を高いレベルで抑制できる。このことは、遊技機の信頼性につながる。
さらに、遊技機に設けられた電子部品をより安定して動作させることが可能な遊技機の一例として、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図27の時刻t1)から所定期間(例えば、図27の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図27:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力する
ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例としての遊技機の一例を説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図15は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図16は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機(以下、「遊技機」と略記する場合がある)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902の所定位置(図15に示す例では、遊技領域9010の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域9010の中央付近には、表示手段としての演出表示装置905が設けられている。演出表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を「導出表示」(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上方位置に、第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aおよび第2保留表示器9025Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
演出表示装置905の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uが設定されている。第1保留表示エリア905Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア905Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア905Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア905Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア905Dおよび第2保留表示エリア905Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、「アクティブ画像」または「アクティブ表示」と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア905Dまたは第2保留表示エリア905Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置905における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
第1保留表示エリア905Dおよび第2保留表示エリア905Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され(青色が最も低い選択割合)、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される(赤色が最も低い選択割合)。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図16に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方位置には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図16に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域9010の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L,908Rが設けられており、さらに遊技領域9010の周辺部には、演出用LED909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域9010における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域9010に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域9010の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。
演出表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置905の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、「リーチ演出表示」(あるいは単に「リーチ演出」)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L,908Rによる音声出力動作や、演出用LED909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が予め定められた通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置906Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、予め定められた確変大当り図柄が停止表示される場合には、大当り遊技状態の終了後に、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図16に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、第1ランプ基板90210、第2ランプ基板90220といった各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015、演出制御基板9012からの信号を中継する中継基板9019なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100やスイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などが搭載されている。演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置905、スピーカ908L,908R、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205、駆動機構90201といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、演出表示装置905における表示動作や、スピーカ908L,908Rからの音声出力動作、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205などにおける点灯/消灯動作、駆動機構90201の動作を行わせる機能、つまり、演出用の電気部品を制御して所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ908L,908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
さらに、パチンコ遊技機901は、第1ランプ駆動部9014を備える。第1ランプ駆動部9014は、演出制御基板9012からの制御信号に基づいて第1ランプ部909の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第1ランプ駆動部9014と第1ランプ部909とは、同じ基板(中継基板9019とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
さらに、パチンコ遊技機901は、第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094、第5ランプ駆動部9095を備える。第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094は、第1ランプ基板90210に実装されている。第5ランプ駆動部9095は、第2ランプ基板90220に実装されている。
第2ランプ駆動部9092は、演出制御基板9012から中継基板9019を介して供給される制御信号に基づいて第2ランプ部90202の各LED90202A(図31参照)に駆動信号を供給し、各LED90202Aを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第3ランプ駆動部9093は、演出制御基板9012から中継基板9019および第3ランプ駆動部9093を介して供給される制御信号に基づいて第3ランプ部90203の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第4ランプ駆動部9094は、演出制御基板9012から中継基板9019を介して供給される制御信号に基づいて第4ランプ部90204の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。第5ランプ駆動部9095は、演出制御基板9012から中継基板9019および第4ランプ駆動部9094を介して供給される制御信号に基づいて第5ランプ部90205の各LEDに駆動信号を供給し、各LEDを別個に点灯又は消灯させるように構成されている。
さらに、パチンコ遊技機901は、役物駆動部9091を備える。役物駆動部9091は、演出制御基板9012からの制御信号に基づいて駆動機構90201のステッピングモータなどに駆動信号を供給し、駆動機構90201を動作させるように構成されている。役物駆動部9091と駆動機構90201におけるステッピングモータなどとは、同じ基板(中継基板9019とは別基板)に実装されてもよいし、別基板にそれぞれ実装されてもよい。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図17(A)は、演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図17(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1でもよく、3以上の複数でもよい。
図17(A)に示す例において、コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄等の可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図17(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105と、を備えて構成される。
図18は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図18に示すように、この実施形態では、主基板9011の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3´、普図表示結果決定用の乱数値MR4´、変動パターン決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR5´の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えば図22に示す遊技制御カウンタ設定部90154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアにより各種の数値データを更新することで、乱数値MR1´〜MR5´の一部を示す数値データをカウントしてもよい。
図19は、変動カテゴリ及び変動パターンの具体例を示している。図16に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブル等を構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図19に示すようなテーブルを構成するデータ等が記憶されている。
図20は、ROM90101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図20(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル90130Aと、図20(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル90130Bとが予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル90130Aは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル90130Bは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
図21は、ROM90101に記憶される大当り種別決定テーブル90131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル90131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル90131では、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられている。
図16に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によりバックアップされているバックアップRAMであればよい。RAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行等を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図22に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図22に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155と、を備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データ等を保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データ等を保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部で保留番号と対応付けて記憶してもよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021により検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4´を示す数値データ等を保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
また、この実施の形態では、演出表示装置905は遊技盤902よりも背面側に配設され、該遊技盤902に形成された開口902cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤902における開口902cには枠状のセンター飾り枠9051が設けられている。また、遊技盤902の背面と演出表示装置905との間には演出ユニット90300が設けられており、演出制御基板9012には、この演出ユニット90300に設けられる駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204等の複数の電子部品が接続されている。なお、図16において、これら電子部品のうち駆動機構90201、第5ランプ部90205以外の図示は省略している。
演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。演出制御基板9012に搭載された表示制御部90123は、演出制御用CPU90120の制御に基づいて(例えば、演出制御用CPU90120からの表示制御指令などに基づき)、演出表示装置905において表示する演出画像の映像信号を出力し、演出表示装置905に演出画像を表示する。一例として、表示制御部90123には、VDP(Video Display Processor)90123A(図25参照)、CGROM(Character Generator ROM)90123B(図25参照)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。例えば、演出制御用CPU90120は、上記の演出制御パターンに含まれる表示制御データなどに従って、演出表示装置905の表示画面内に表示させる演出画像を指定する表示制御指令を表示制御部90123に送信する。表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの表示制御指令に従って、CGROMなど(記憶部)に格納されているデータを用いて、当該表示制御指令によって指定される演出画像を表示するための映像信号を出力する。これによって、演出制御用CPU90120の制御(演出制御パターンなどに基づく制御)に従った演出画像の映像信号が出力されたことになり、そして、演出表示装置905に当該演出画像が表示されることになる。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板9012の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O90125の出力ポートからは、演出表示装置905へと伝送される映像信号や、音声制御基板9013へと伝送される制御信号(効果音信号)、第1ランプ駆動部9014へと伝送される制御信号、中継基板9019を介して第2ランプ駆動部9092(又は第3ランプ駆動部9093)、第4ランプ駆動部9094(又は第5ランプ駆動部9095)、役物駆動部9091とのそれぞれへと伝送される制御信号などが出力される。なお、制御信号は、シリアル信号として供給される。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図16に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
例えば、ROM90121には、第1保留表示エリア905Dに表示される第1保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM90121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第1保留表示の表示態様のそれぞれに、第1保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、例えば、ROM90121には、第2保留表示エリア905Uに表示される第2保留表示の表示態様を複数種類のうちの何れかに決定するために参照される保留表示態様決定テーブルが記憶されている。具体的には、ROM90121には、当該保留表示態様決定テーブルにおいて決定され得る表示態様の種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の保留表示態様決定テーブルが記憶されている。保留表示態様決定テーブルには、第2保留表示の表示態様のそれぞれに、第2保留表示の表示態様決定用の乱数値MR6´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。なお、複数の保留表示態様決定テーブルに代えて、全部の保留表示態様決定テーブルの情報を含む1つの大きな保留表示態様決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、ROM90121には、保留演出(「作用演出」、「保留変化演出」とも称する)の実行有無を決定するために参照される保留演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的に、保留演出実行有無決定テーブルには、保留演出の実行なし及び実行ありのそれぞれに、保留演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。この実施形態において、保留演出とは、第1保留表示エリア905Dに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出と、第2保留表示エリア905Uに表示されている保留表示の表示態様を予告態様に変化させる先読予告演出とである。なお、保留演出には複数種類が存在し、演出表示装置905の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用して保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出も存在する。当該保留変化演出には、演出表示装置905の表示領域においてキャラクタ等が保留表示に作用するが保留表示の表示態様を変化させない保留変化ガセ演出も存在する。
また、ROM90121には、アクティブ表示を含む特別画像を変化させるアクティブ表示変化演出(成功演出)の実行有無を決定するために参照されるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルが記憶されている。具体的には、アクティブ表示変化実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行なし及び実行ありのそれぞれに、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。
この実施形態において、アクティブ表示変化演出とは、特別画像を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。つまり、アクティブ表示や、アクティブ表示を囲うアクティブ表示枠や、アクティブ表示に応じた情報(例えば、アクティブ表示またはアクティブ表示周囲やアクティブ表示枠の周囲に表示される文字や画像等)等を予告態様に変化させる演出(主予告演出)である。アクティブ表示変化演出には、上述の如く、共通演出と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させるときに実行される成功演出(アクティブ表示変化演出とも称される)と、共通演出を実行した後に特別画像を変化させないときに実行される失敗演出(アクティブ表示変化ガセ演出とも称される)とが含まれる。成功演出は、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用して特別画像の表示態様を変化させる演出である。一方、失敗演出は、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用しないことにより特別画像の表示態様を変化させない演出、または、演出表示装置905の表示領域において特別画像に作用するが特別画像の表示態様を変化させない演出である。
また、アクティブ表示変化演出には、特別画像の態様を第1系統の変化であって複数の態様のうちのいずれかに変化させる第1系統変化演出と、特別画像の態様を第2系統の変化であって複数の態様のうちのいずれかに変化させる第2系統変化演出とが含まれる。第1系統変化演出には、当該第1系統変化演出に応じた、共通演出と、成功演出と、失敗演出とが存在し、第2系統変化演出には、当該第2系統変化演出に応じた、共通演出と、成功演出と、失敗演出とが存在する。なお、第1系統変化演出は、特別画像内のアクティブ表示(特別画像として表示されるアクティブ表示)の表示態様を変化させる演出とし、第2系統変化演出は、特別画像内のアクティブ表示枠(特別画像として表示されるアクティブ表示枠)の表示態様を変化させる演出としている。
また、ROM90121には、アクティブ表示変化演出の一つである第1系統変化演出の実行タイミング(当該変動におけるいずれのタイミングで実行するか等のタイミング)を決定するために参照される第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルが記憶されていている。この第1系統変化演出は、第1系統変化演出の実行タイミングにより、第1系統変化演出に係る成功演出が実行される割合が異なる。また、ROM90121には、当該第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の第1系統変化演出の演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。この第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングのそれぞれに、第1系統変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。また、複数の第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第1系統変化演出の実行タイミング決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
また、ROM90121には、アクティブ表示変化演出の一つである第2系統変化演出の実行タイミング(当該変動におけるいずれのタイミングで実行するか等のタイミング)を決定するために参照される第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルが記憶されていている。この第2系統変化演出は、第2系統変化演出の実行タイミングにより、第2系統変化演出に係る成功演出が実行される割合が異なる。また、ROM90121には、当該第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルにおいて決定され得る実行タイミングの種類やそれぞれの決定割合等が互いに異なる複数の第2系統変化演出の演出実行タイミング決定テーブが記憶されていてもよい。この第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルには、実行タイミングのそれぞれに、第2系統変化演出の実行タイミング決定用の乱数値(非図示)と比較される数値(決定値)が割当てられている。また、複数の第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルに代えて、全部の第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルの情報を含む1つの大きな第2系統変化演出の実行タイミング決定テーブルをROM90121に記憶してもよい。
演出表示装置905は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。演出制御用CPU90120の制御に基づいて表示制御部90123からI/O90125を介して演出表示装置905に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、入力された映像信号に基づいて、表示パネルを駆動し、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、演出表示装置905には、各種の演出画像が表示されることになる。
なお、表示制御部90123は、演出表示装置905への制御の他、演出制御用CPU90120による制御のもとで、第1ランプ部909や第2ランプ部90202などの制御も行う。ここで、駆動機構90201に対する駆動制御や、第1ランプ部909、第2ランプ部90202などに対する発光制御の流れの詳細については後述する。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、演出表示装置905に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、第1ランプ駆動部9014に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線、中継基板9019に対する指令を示す情報信号を伝送するための配線等が接続されている。さらに、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。
[演出ユニットの構造]
次に、図23および図24に基づいて、演出ユニット90300について説明する。図23は、(A)は演出ユニットを示す正面図、(B)は背面図である。図24は、(A)は可動部が傾倒位置にある状態、(B)は可動部が起立位置にある状態を示す正面図である。
図15、図23および図24に示すように、演出ユニット90300は、遊技盤902と該遊技盤902の背面側に設けられる演出表示装置905との間に設けられ、所定箇所に固設されたベース部90301と、該ベース部90301に対し回動可能に設けられた可動部90302と、可動部90302を横向きに傾倒する傾倒位置(図24(A)参照)と縦向きに起立する起立位置(図24(B)参照)と、の間で回動させる第1演出用モータ90303と、を有する。
ベース部90301には、軸受孔90310が貫通して形成されているとともに、該軸受孔90310の周辺には、軸受孔90310を中心とする円弧形状をなすガイド溝90311が形成されている。ベース部90301の背面における軸受孔90310の右下方位置には、可動部90302を回動させる第1演出用モータ90303が背面に固設されており、ベース部90301を貫通して前側に突出した駆動軸(図示略)の先端には、回転盤90312が固着されている。第1演出用モータ90303は、駆動機構90201の一部である。
回転盤90312の周縁所定箇所には、前後方向を向く軸部材90313が突設されており、該軸部材90313には、リンク部材90314の下端が回動可能に軸支されている。また、回転盤90312の周縁における軸部材90313の反対側には検出片90315が突設されており、該検出片90315が回転盤90312の下方に設けられた位置検出センサ90316により検出されることで、演出制御用CPU90120は可動部90302が傾倒位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部90302は、回動部材90320と、回動部材90320の前面側に該回動部材90320に対してスライド移動可能に設けられた可動部材90321と、回動部材90320の背面側にて可動部材90321と一体に移動するラックギヤ90322と、を有する。可動部材90321は、回動部材90320に対し回動軸325側の第1位置と該第1位置よりも回動軸90325から離れる第2位置と、の間で往復移動可能とされている。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU90120は、可動部90302が起立位置にあるときに、可動部材90321を第1位置と第2位置との間で移動させる可動演出を実行するようになっている。また、可動部材90321は、第1位置にあるときには演出表示装置905の表示画面の下方に少なくとも一部が退避し、第2位置において演出表示装置905の表示画面の前面側に少なくとも一部が重畳するようになっている(図15参照)。
回動部材90320は、左右方向に延びる略板状の部材からなり、前面右側には、軸受孔90310に後側から挿入されることで回動軸90325と、回動軸90325の左側に突設されガイド溝90311に後側から挿入される第1ガイド軸90326と、回動軸90325の右上に突設されガイド溝90311に後側から挿入される第2ガイド軸90327と、が突設されている。
ガイド溝90311を挿通してベース部90301の前面側に突出した第2ガイド軸90327の先端には、リンク部材90314の上端が回動可能に軸支されている。つまり、回転盤90312と回動部材90320とはリンク部材90314を介して連結されている。また、回動軸90325の外周には、回動部材90320を常時起立位置側へ向けて付勢するコイルバネ90328が設けられている。
第1ガイド軸90326の左側には、可動部材90321を左右方向に案内する直線状のスライド溝が左右方向に向けて延設されている。回動部材90320の前面におけるスライド溝の上方には、可動部材90321をスライドさせるための第2演出用モータ90330が固設されており、ベース部90301を貫通して後側に突出した駆動軸の先端には、ラックギヤ90322を作動させるピニオンギヤ331が固着されている。なお、この実施の形態では、第2演出用モータ90330としてステッピングモータが適用されている。第2演出用モータ90330は、駆動機構90201の一部である。
回動部材90320の左側の背面には、ラックギヤ90322を付勢するための引張バネ90323の左端が係止されるフックが後向きに突設されている。また、右側の背面には、ラックギヤ90322の右端に形成された検出片を検出する位置検出センサ90333が設けられており、該検出片が位置検出センサ90333により検出されることで、演出制御用CPU90120は可動部材90321が第1位置に位置していることを特定できるようになっている。
可動部材90321は、円盤状の発光部90321Aと、発光部90321Aから右側に延びる取付部90321Bと、を有する。発光部90321Aは、内部に図示しない第5ランプ部90205が設けられ、前方に光を出射可能とされている。また、取付部90321Bの背面に2つのボスを設け、該ボスを回動部材90320のスライド溝に挿入して、ラックギヤ90322と固定することで、回動部材90320前側に配置された可動部材90321と回動部材90320の後側に配置されたラックギヤ90322とが一体化されている。
一体化された可動部材90321とラックギヤ90322とは、2つのボスがスライド溝に挿入されていることで、回動部材90320に対し左右方向にスライド移動可能に案内される。また、ラックギヤ90322の右側には、左端が回動部材90320のフック90332に係止された引張バネ90323の右端が係止されるフック90335が後向きに突設されている。すなわち、引張バネ90323は、一端が回動部材90320のフック90332に係止され、他端がラックギヤ90322のフック90335に係止されていることで、可動部材90321を常時第2位置側へ向けて付勢する。
このように構成された演出ユニット90300の可動部90302は、駆動初期状態において、図24(A)に示すように傾倒位置に位置している。そして、第1演出用モータ90303により回転盤90312が正面視右周りに回動することにより、リンク部材90314により第2ガイド軸90327が下方に引かれることで、回動軸90325を中心として正面視時計回りに約90度回転し、図24(B)に示す起立位置まで回転する。なお、傾倒位置から起立位置へ回動する際に、コイルバネ90328の付勢力が作用するため、第1演出用モータ90303にかかる負荷が軽減される。また、第1演出用モータ90303を逆駆動させることで、起立位置から傾倒位置へ回動する。
[発光制御および駆動制御の詳細]
ここでは、図27を参照しながら、駆動機構90201に対する駆動制御や、第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等に対する発光制御の流れなどを説明する。
第1ランプ駆動部9014は、シリアル信号として供給される制御信号を、第1ランプ部909の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9014B(以下、「変換IC9014B」ともいう。)を備える。変換IC9014Bは、駆動対象であるLEDの数に応じて複数設けてもよい。変換IC9014Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述の変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。変換IC9014Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125を介して変換IC9014Bに供給される。第1ランプ駆動部9014で駆動する第1ランプ部909の各LEDは、例えば、遊技領域9010における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲に設けられた装飾用LEDとして機能する。なお、演出制御基板9012および第1ランプ駆動部9014が設けられる基板とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
第2ランプ駆動部9092は、演出制御基板9012から中継基板9019を介してシリアル信号として供給される制御信号を、第2ランプ部90202の各LED90202A(図31参照)を個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9092B(以下、「変換IC9092B」ともいう。)を備える。変換IC9092Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述のシリアル・パラレル変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。変換IC9092Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9092Bに供給される。なお、演出制御基板9012および中継基板9019と、中継基板9019および第1ランプ基板90210とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
第3ランプ駆動部9093は、シリアル信号として供給される制御信号を、第3ランプ部90203の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9093B(以下、「変換IC9093B」ともいう。)を備える。変換IC9093Bには、固有のアドレスが設定されている(詳しくは後述)。
当該制御信号は、アドレスを指定する部分を含む。変換IC9092Bと変換IC9093Bとは接続されており、変換IC9092Bは、供給された制御信号が指定するアドレスが自己のアドレスと同じでない場合(ここでは、当該アドレスが変換IC9093Bを指定するものになっている場合)には、当該制御信号をそのまま変換IC9093Bに供給するようになっている。このように、変換IC9093Bは、その前段に位置する変換ICである変換IC9092Bを介して制御信号を受け取る。このような構成によって、制御信号は、当該制御信号が指定するアドレスを有する変換ICに精度良く供給される。なお、変換IC9092Bや変換IC9093Bに供給される制御信号は、演出制御用CPU90120からI/O90125及び中継基板9019を介して、第2ランプ駆動部9092の変換IC9092Bに供給される。
第4ランプ駆動部9094は、シリアル信号として供給される制御信号を、第4ランプ部90204の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9094B(以下、「変換IC9094B」ともいう。)を備える。変換IC9094Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC9093Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC9094Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9094Bに供給される。第2ランプ駆動部9092、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094でそれぞれ駆動する第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204の各LEDは、例えば、遊技領域9010の周辺部に設けられている演出用LED909の一部として機能する。そのため、第1ランプ基板90210は、遊技領域9010の周辺部に設けられている。
第5ランプ駆動部9095は、シリアル信号として供給される制御信号を、第5ランプ部90205の各LEDを個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9095B(以下、「変換IC9095B」ともいう。)を備える。変換IC9095Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、変換IC9093Bなどと同様の方法で設定されればよい。変換IC9095Bに供給される制御信号は、VDP90123AからI/O90125及び中継基板9019を介して変換IC9094Bに供給される。第5ランプ駆動部9095で駆動する第5ランプ部90205の各LEDは、図23(A)に示した発光部90321Aに設けられている。第2ランプ基板90220自体も、発光部90321Aに設けられており、第4ランプ駆動部9094からの制御信号が図23に示した配線90361を介して供給される。
VDP90123Aが変換IC9014Bや変換IC9092Bや変換IC9094Bにどのような制御信号を出力するかは、CGROM90123Bに格納されている点灯データ(LEDの点灯パターンや、どのLEDを点灯させるかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データは、圧縮されてCGROM90123Bに格納されている。これは、VDP90123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
VDP90123Aは、演出制御用CPU90120の制御のもと、点灯データに従った制御信号を、変換IC9014B、および変換IC9092Bや変換IC9094Bに供給する(供給先のICのアドレスを指定する制御信号を供給する)。変換IC9014B、変換IC9092Bおよび変換IC9094Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、各駆動対象(LED)それぞれに、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、点灯データに従った態様(発光色、発光期間)で第1ランプ部909、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205が発光する。
なお、第2ランプ部のLED90202A(およびLED90202B)は、後述のようにRGBの各LEDを有する。なお、他のランプ部のLEDについても同様である。また、駆動信号はRGBそれぞれのLEDに対応して生成され、RGBそれぞれのLEDに個別に入力される。この実施の形態では、Low信号によってLEDがオン(発光)する。駆動信号は、制御信号が供給されるごとに繰り返し出力されるので、Low信号が連続して出力されたときにはLow信号の供給期間が長くなる。Low信号の供給期間(Low信号が出力される回数)が長いと、LEDの発光期間も長くなり、その分、LEDは明るく発光して見える。このように、繰り返し出力される駆動信号は、Low信号の回数によってPWM制御され、各LEDの発光輝度(各色の発光輝度)はPWM制御による発光期間(つまり、Low信号の期間)によって階調制御される。このため、各LED90202Aは、繰り返し供給される制御信号に応じて個別にカラー発光が可能となっている(RGBの各LEDの輝度(発光期間)を調整することで、種々の色を表現可能となっている)。
役物駆動部9091は、シリアル信号として供給される制御信号を、駆動機構90201が有する各ステッピングモータ(通常複数)を個別に駆動する各駆動信号に変換するシリアル・パラレル変換IC9091B(以下、「変換IC9091B」ともいう。)と、駆動信号に応じた駆動電流を駆動機構90201に供給する駆動ドライバ9091Cとを備える。変換IC9091Bには、固有のアドレスが設定されている。なお、アドレスは、後述の変換IC9093Bなどと同様の方法(詳しくは後述)で設定されればよい。駆動機構90201は、図23に示した第1演出用モータ90303や第2演出用モータ90330である。役物駆動部9091自体は、遊技盤902に設けられており、役物駆動部9091の駆動ドライバ9091Cからのモータ制御信号が配線を介して第1演出用モータ90303や第2演出用モータ90330に供給される。なお、演出制御基板9012および役物駆動部9091が設けられる基板とは、フレキシブルケーブル、ハーネス等の配線部材を介して電気的に接続される。
演出制御用CPU90120がどのような制御信号を出力するかは、ROM90121に格納されている演出制御パターンなどに含まれる駆動データ(駆動機構90201のモータなどをどのように動かすかや、どのモータを動かすかなどを示すデータ)などによって指定される。当該点灯データや駆動データは、非圧縮でROM90121に格納されている。これは、演出制御用CPU90120が非圧縮のデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。
演出制御用CPU90120は、駆動データに従った制御信号を、中継基板9019を介して変換IC9091Bに供給する。変換IC9091Bは、ラッチ回路やシフトレジスタなどを備え、自己のアドレスを指定する制御信号のうち、アドレスを指定する部分以外のデータ信号(ここでは、1ビットごとにHigh又はLowを示す24ビットのデータ信号)を各駆動信号(1ビットのデータ信号(High信号又はLow信号))に分離するなどして、シリアルの制御信号をパラレルの駆動信号に変換し、駆動対象(各ステッピングモータ)に、変換したパラレルの各駆動信号を同時に供給する。このような動作が順次繰り返されることによって、駆動データに従った態様で駆動機構90201が動作し、可動部材90321を駆動する。
なお、音声制御基板9013を介した音声出力は、演出制御用CPU90120によって行うが、表示制御部90123によって行ってもよい。また、演出制御用CPU90120の制御のもとで、VDP90123Aは、CGROM90123Bが記憶する画像データに従って、映像信号を生成して、演出表示装置905に供給し、演出画像を表示させる。画像データは、圧縮されてCGROM90123Bに格納されている。これは、VDP90123Aが圧縮されたデータを使用する仕様になっているからである。これによって、データを効率良く扱うことができる。そして、データ量が大きくなることを抑制できる。
演出制御基板9012は、中継基板9019を介して第2ランプ駆動部9092に電力を供給するとともに、第2ランプ駆動部9092を介して第2ランプ部90202に電力を供給する。例えば、演出制御基板9012は、第2ランプ駆動部9092の変換IC9092B用にVCCを出力し、第2ランプ部90202のLED90202A用にVCL1を出力し、LED90202B用にVCL2を出力する。これらは別個のラインで変換IC9092B及びLED90202A,90202Bそれぞれに供給される(つまり、電力は、別々の供給ラインで供給される)。演出制御基板9012は、中継基板9019を介して第1ランプ駆動部9014に電力を供給するとともに、第1ランプ駆動部9014を介して第1ランプ部909に電力を供給する。例えば、演出制御基板9012は、第1ランプ駆動部9014の変換IC9014B用にVCCを出力し、第1ランプ部909のLED用にVCL1を出力する。これらは別個のラインで変換IC9014B及びLEDそれぞれに供給される。なお、演出制御基板9012は、第3ランプ駆動部9093、第4ランプ駆動部9094、第5ランプ駆動部9095についても、第2ランプ駆動部9092と同様に電力を供給する。
なお、各変換ICや各LEDに供給される各VCCや各VCL1(または各VCL2)は、互いに独立して生成され、別個の供給ラインで供給されてもよいし、少なくとも一部を共通の電圧とするようにしてもよい。
演出制御基板9012は、中継基板9019を介して役物駆動部9091に電力を供給する。役物駆動部9091は、演出制御基板9012からの電力に基づいて駆動機構90201に電力を供給して駆動機構90201を動作させる(駆動信号の形で電力を供給してもよい。)。例えば、演出制御基板9012は、駆動機構90201のステッピングモータの駆動に必要な電圧としてVDDを出力し、当該VDDは、最終的に駆動機構90201のステッピングモータに供給される。
また、演出制御基板9012は、変換ICの駆動に必要な電圧として5V(VCC)を出力し、当該VCCは、役物駆動部9091の変換IC9091Bに供給される。例えば、演出制御基板9012は、駆動機構90201の駆動に必要な電圧として5V(VCC)を変換IC9091Bに出力する。
なお、駆動機構90201に設けられた回転位置センサからの検出信号(可動部材90321を移動させるモータの初期位置を検出した信号)は、演出制御用CPU90120にフィードバックされる。
なお、各シリアル・パラレル変換IC(変換IC9014B、9091B〜9095B)は、駆動対象(制御対象)(ステッピングモータやLEDなど)の数や端子数に応じて複数設けられてもよい(例えば、役物駆動部9091において変換IC9091Bの他、同じ種類の他の変換ICを1以上設けるなど)。この場合、複数の変換IC(同じ種類の変換IC)は、直列的に接続され、かつ、個々には固有のアドレスが設定される。演出制御用CPU90120やVDP90123Aは、駆動対象に接続された変換ICのアドレスを指定する制御信号を出力する。制御信号が出力されると、直列的に接続された変換ICのうち最初の変換ICがまず制御信号を受け取る。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定している場合、当該最初の変換ICは当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力する。当該制御信号が当該最初の変換ICのアドレスを指定していない場合(後続の変換ICを指定している場合)、当該最初の変換ICは当該制御信号をそのまま2番目に接続された変換ICに出力する。2番目に接続された変換ICは、前記最初の変換ICからの制御信号が、自身のアドレスを指定するものである場合には、当該制御信号をパラレルの駆動信号に変換して出力するが、自身のアドレスを指定するものでない場合には、前記と同様次に接続された変換ICに当該制御信号を供給する。このようなことによって、所望の変換ICに制御信号を伝送することができる。なお、変換IC9092Bが複数あるときには、変換IC9093Bのアドレスを指定する制御信号は、複数の変換IC9092Bそれぞれを通過して変換IC9093Bに供給される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU90120は、音声制御基板9013を介してスピーカ908L,908Rを制御して音声を出力させたり、表示制御部90123や第1ランプ駆動部9014を介して第1ランプ部909を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第2ランプ駆動部9092を介して第2ランプ部90202を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第3ランプ駆動部9093を介して第3ランプ部90203を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第4ランプ駆動部9094を介して第4ランプ部90204を点灯/消灯させたり、表示制御部90123や第5ランプ駆動部9095を介して第5ランプ部90205を点灯/消灯させたり、役物駆動部9091を介して駆動機構90201を動作させ、可動部材90321を動かしたり、表示制御部90123を介して演出表示装置905の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。
次に、演出制御基板9012から出力される制御信号の出力方式(タイミング)について説明する。上述したように、変換IC9091B〜9095Bは、演出制御基板9012から出力される制御信号に基づいて、駆動対象の電子部品(駆動機構90201、LEDなど)を駆動させるための駆動信号を出力する。電子部品を継続して駆動するための方法としては、例えば、変換ICが、駆動信号を出力させるための制御信号(ON信号)の入力を受けた場合には、駆動信号の出力を停止させるための制御信号(OFF信号)の入力を受けるまでは、駆動信号を出力し続けるという方法が考えられる。
図26は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートの一例を示す図である。図26を参照して、時刻t1に制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力し続ける。この場合、LEDは、点灯状態を維持することになる。なお、上述したように、LED駆動信号はPWM信号で出力されるが、図26では説明のため簡略化している。
しかし、上記構成によると、例えば、各変換ICが制御信号(ON信号)の入力を受けとって電子部品を駆動している状態で、その後、演出制御基板9012と各変換ICとを接続する配線の一部が断線又は短絡してしまった場合、各変換ICは制御信号(OFF信号)の入力を受けることができないため、電子部品を意図せず常時駆動し続けてしまう。そのため、電子部品が損傷(例えば、駆動機構90201のモータが損傷)してしまうという事態を招きかねない。
そこで、この実施の形態では、変換IC9091B〜9095Bとして、制御信号の入力を受けてから所定期間経過後に駆動信号の出力を停止可能な機能(タイムアウト機能)を有する変換ICを利用している。ここで、タイムアウト機能を有する変換ICを利用する場合に電子部品を継続して駆動するための方法について説明する。
図27は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートの他の例を示す図である。図27を参照して、時刻t1に、演出制御基板9012から制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力する。次に、変換ICは、制御信号の入力を受けて(例えば、時刻t1)から所定期間T(例えば、1秒)が経過した後(時刻t2)に駆動信号の出力を停止する。なお、演出制御基板9012から制御信号が出力されるタイミングと、変換ICが当該制御信号の入力を受けるタイミングとは無視できるほど小さいため、ここでは当該タイミングを時刻t1としている。そのため、時刻t1〜時刻t2まではLEDは点灯状態となるが、変換ICが制御信号の入力を受けるまで(時刻t3)はLEDは消灯状態となる。
次に、時刻t3に、演出制御基板9012から制御信号(ON信号)が出力されて、当該制御信号の入力を変換ICが受けると、変換ICはLED駆動信号を出力する。そして、LEDを継続して点灯状態にするため(すなわち、LEDを所定期間Tを超えて電子部品を継続して駆動するため)に、演出制御基板9012は、制御信号を出力した時刻t3から所定期間Tが経過する前の時刻t4に、再度、制御信号を出力する。変換ICは、制御信号の入力を受けた時刻t3から所定期間Tが経過する前の時刻t4に制御信号を受けるため、駆動信号の出力を停止することなく、出力を継続する。同様に、演出制御基板9012は、前の制御信号を出力した時刻t5(時刻t6,時刻t7)から所定期間Tが経過する前の時刻t6(時刻t7,時刻t8)に次の制御信号を出力するため、LEDは時刻t3以降継続して点灯状態を保つことができる。
なお、図27の例では、演出制御基板9012が制御信号を出力してから、次の制御信号を出力するまでの各時間間隔(例えば、時刻t3〜時刻t4、時刻t4〜時刻t5等)が同一である構成について説明したが、当該構成に限られない。具体的には、演出制御基板9012は、LEDを継続して駆動させる場合、制御信号を出力してから所定期間Tが経過するまでの間に、再度、制御信号を出力するという条件を満たしていれば、各時間間隔が同一でない場合であってもよい。
このように、タイムアウト機能を有する変換ICを利用する場合に電子部品を継続して駆動するためには、当該変換ICへの制御信号(ON信号)の出力が途切れないようにすることが重要となる。そこで、演出制御基板9012は、制御信号を出力する演出制御用CPU90120やVDP90123Aがハングアップなどにより制御信号を出力することができなくなった場合に備えて、補完的に制御信号を出力するための出力回路(または、ソフトウェアプログラム)を設けておいてもよい。例えば、この出力回路は、RAM90122の出力バッファに格納されている制御信号を出力し続ける機能を有している。
なお、このタイムアウト機能は、有効または無効に設定可能に構成されていてもよい。具体的には、各変換ICの所定端子が接地されている場合にはタイムアウト機能が有効に設定され、当該所定端子が抵抗を介して接地されている場合には当該機能が無効に設定される。なお、このようにハードウェアとして固定して設定される構成に限られず、例えば、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120、VDP90123A)からの指令(タイムアウト機能の有効または無効の設定指令、例えば、当該端子の入力がHレベルかLレベルか)に従って、各変換ICが当該機能を有効または無効に設定する構成であってもよい。
図28は、制御信号および駆動信号のタイミングチャートのさらに他の例を示す図である。図28を参照して、時刻t1〜時刻t4までは、VDP90123Aから制御信号(ON信号)が一定間隔で出力されているため、この期間、LEDは点灯状態を維持している。ここで、時刻t4に、VDP90123Aが制御信号を出力した後、ハングアップしてしまい制御信号を出力することができなくなったとする。この場合、出力回路は、時刻t5以降において、出力バッファに残っている制御信号(ON信号)をバッファ信号として出力し続ける。具体的には、出力回路は、バッファ信号を出力してから所定期間Tが経過するまでの間に、再度、バッファ信号を出力する。これにより、メインで制御信号を出力するVDP90123Aがハングアップしてしまった場合であっても、LEDの点灯状態を維持することができる。なお、出力回路は、VDP90123Aがハングアップしたことを検出する機能を有するものとする。
次に、ある変換ICから別の変換ICに、制御信号及びクロック信号を供給(出力)する場合の信号の出力波形形状の設定方式について説明する。上述したように、中継基板9019と直接接続されていない変換IC9093Bおよび変換IC9095Bは、それぞれ変換IC9092Bおよび変換IC9094Bを介して制御信号及びクロック信号を受ける。
ここで、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bは、同一基板(第1ランプ基板90210)に設けられているが、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bは、それぞれ異なる基板(第1ランプ基板90210および第2ランプ基板90220)に設けられている。すなわち、変換IC9092Bと変換IC9093Bとは同一基板内で電気的に接続されており、変換IC9094Bと変換IC9095Bとは、基板外で電気的に接続されている。具体的には、第1ランプ基板90210と第2ランプ基板90220は、ケーブルなどの配線部材で接続されている。変換IC同士が基板内で接続される場合には、基板外(ケーブルなどを介して)で接続される場合よりも波形の減衰率が小さく外来ノイズ耐性が高い。このことから、不要な放射ノイズの低減を図るため、図29に示すように、基板内接続と基板外接続とで波形形状を変更する。
図29は、信号の出力波形のイメージ図である。図29を参照して、各変換ICは、入力を受けた制御信号及びクロック信号を他の変換ICに出力する場合の出力波形を、通常スルーレート(図29(a))または低スルーレート(図29(b))に設定可能である。各変換ICには、出力するクロック信号のスルー出力、および出力する制御信号のスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子SE(図31,図33参照)が設けられている。設定端子SEをL(ロー)に設定(図31参照)するとクロック信号および制御信号のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、設定端子SEをH(ハイ)に設定(図33参照)するとクロック信号および制御信号のスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
通常スルーレートの出力波形とは、入力を受けた信号(制御信号及びクロック信号)と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる出力波形である。具体的には、通常スルーレートに設定されている場合には、他の変換ICに出力する信号の立ち上がり部分の傾き(単位時間あたりの電圧変化量)が、入力を受けた信号の立ち上がり部分の傾き以上となる。また、低スルーレートの出力波形とは、通常スルーレートの出力波形よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる出力波形である。具体的には、低スルーレートに設定されている場合には、他の変換ICに出力する信号の立ち上がり部分の傾きが、入力を受けた信号の立ち上がり部分の傾き未満となる。
高スルーレートの出力波形は、OFF信号からON信号へ、ON信号からOFF信号へと急激に信号が切り替わり、この瞬間に変換ICなどにスパイク状の電流が流れることになる。このような電流の急激な変化は、変換ICなどの回路が持つ寄生インダクタンスに応じて、誘導電圧を生じノイズを発生させる原因となる。一方、低スルーレート出力波形は、高スルーレート出力波形に比べ、OFF信号からON信号へ、ON信号からOFF信号へ切り替わりが緩やかで、この瞬間に変換ICなどに流れる電流を小さくすることができる。そのため、低スルーレート出力波形は、高スルーレート出力波形に比べ、ノイズの発生を抑えることができる、また、低スルーレート出力波形のように信号の立ち上がりが遅い方が、高調波のレベルを小さくすることができる。ただし、信号が外部からノイズの影響を受けたとき、低スルーレート出力波形では、当該ノイズの影響を受けてON信号が変換ICなどで認識できない可能性がある。しかし、高スルーレート出力波形であれば、低スルーレート出力波形に比べ、ノイズの影響を受けてもON信号を変換ICなどで認識することができる可能性が高い。つまり、低スルーレート出力波形は、ノイズを外部に放射しにくいが、外部からのノイズに弱いという特徴がある。一方、高スルーレート出力波形は、ノイズを外部に放射しやすいが、外部からのノイズに強いという特徴がある。
したがって、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bのように基板内で接続されており、波形の減衰が小さく外部ノイズ耐性が高い場合、変換IC9093Bに制御信号を出力する変換IC9092Bを、低スルーレートの波形を出力するように設定することにより、信号の立ち上がりに起因して生じる高周波のノイズの発生量を低下させることができる。一方、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bのように基板外で接続されており、波形の減衰が大きく外部ノイズの影響を受け易い場合、変換IC9095Bに制御信号を出力する変換IC9094Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
ここで、各変換ICは、入力した制御信号及びクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えてもよい。すなわち、一般に演出制御基板9012などから出力されたクロック信号および制御信号は、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、各変換ICに到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号や制御信号が入力される場合がある。そこで、変換ICは、単に入力したクロック信号や制御信号をそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号や制御信号を本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備えてもよい。この場合、設定端子SEの設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。
他方で、設定端子SEの設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、変換ICの外部に増幅回路等を設けて、変換ICの外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
なお、変換IC同士が基板内で接続される場合であっても、例えば、図30に示すように、中継基板9019を介して制御信号の入力を受けた変換ICから、当該制御信号が他の複数の変換ICに分岐して出力される場合には、当該制御信号の入力を受けた変換ICは、通常スルーレートの波形を出力するように設定される。図30は、変換IC同士の接続の変形例を示す図である。
図30(a)を参照して、変換IC9092Bは、変換IC9093Bおよび変換IC9094Bと、同一基板(第1ランプ基板90210)に設けられている。しかし、図25の例とは異なり、変換IC9092Bは、基板内で、変換IC9093Bおよび変換IC9094Bと電気的に接続されている。より具体的には、変換IC9092Bは、制御信号を分岐して変換IC9093Bおよび変換IC9094Bに供給する。そのため、分岐損失により、変換IC9092Bから出力される制御信号の波形が減衰し易くなるため、外部ノイズの影響を受け易くなる。そのため、このような場合には、変換IC9092Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
図30(b)を参照して、変換IC9092Bは、変換IC9093Bと同一基板(第1ランプ基板)に設けられ、変換IC9094Bは第3ランプ基板230に設けられている。ここで、変換IC9092Bは、基板内で変換IC9093Bと電気的に接続されているものの、基板外で変換IC9094Bと電気的に接続されている。より具体的には、図30(a)の場合と同様に、変換IC9092Bは、制御信号を分岐して変換IC9093Bおよび変換IC9094Bに供給する。そのため、この場合にも、変換IC9092Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定することにより、外部からのノイズ耐性を高くする。
なお、図30(a)において、例えば、変換IC9092Bが変換IC9093Bに接続され、変換IC9093Bに変換IC9094Bが接続されるような構成(各変換ICがそれぞれ直列接続される構成)の場合には、制御信号の波形が減衰し難く外部ノイズの影響を受けにくいため、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bを低スルーレートの波形を出力するように設定にしてもよい。
次に第2ランプ駆動部9092および第2ランプ部90202の具体的な回路構成例について説明する。上述のように第2ランプ駆動部9092は、シリアル・パラレル変換IC9092Bを備えるが、これらの回路構成例を図31に示す。
第2ランプ駆動部9092は、コネクタ9017Aを備え、コネクタ9017Aによって外部と接続される。コネクタ9017Aは、8端子を備える。1番端子及び4番端子は接地されている。2番端子は、制御信号が供給される外部のデータラインに接続されている。3番端子は、制御信号の同期を取るためのクロック信号が供給される外部のクロックラインに接続されている。各ラインは、第2ランプ駆動部9092のシリアル・パラレル変換IC9092Bにおける制御信号及びクロック信号(演出制御基板9012から供給される同期信号)の出力端子に接続されている。5番端子及び6番端子は、外部の電源ライン(中継基板9019経由のラインでもよいし、演出制御基板9012からのラインでもよい。)に接続されており、VDD(12V)の電圧が印加される。つまり、電力供給には、2つの端子(接地される端子も必要なので、合計では4つの端子)が使用される。通常、接続端子に流すことができる電流の電流値が決まっているが(例えば、1つ1Aまで)、第2ランプ部90202のLED90202Aを駆動する電流の電流値は大きいので(例えば、1.5A)、2つの端子を確保してLED90202Aを駆動する電流の電流値を確保している。7番端子はVCC(シリアル・パラレル変換IC9092Bなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、8番端子は、接地される。VCLとVCCとは別系統で供給され、共通化されることはない(つまり、LED90202Aに電力を供給する電源ラインとシリアル・パラレル変換IC9092Bに電力を供給する電源ラインとが別々になっている)。このためLED90202Aに大きな電流が流れてもVCLに影響することがないため、抵抗R2の抵抗値を抵抗R1よりも小さくすることができ、LED90202Aの発光輝度を大きくできる。もちろん、VCLとVCCとを別系統で供給せずに、共通化してもよい。
5番端子及び6番端子は、電源ラインL1に接続される。電源ラインL1は、5番端子及び6番端子を介して供給されるVDD(12V)を電源IC541CでVCC(5V)に降圧しVCL1として第2ランプ駆動部9092内(シリアル・パラレル変換IC9092Bなど)やLED90202Aに供給する出力と、電源IC541Cで降圧せずにVCL2としてLED90202Bに供給する出力と、に分岐する。つまり、電源IC541Cで供給する出力を分離することで異なる電圧で駆動するLED(LED90202A、LED90202B)を第2ランプ部90202に設けることができる。
ここで、図31に示す回路構成では、VCL1(5V)で駆動されるLED90202AとVCL2(12V)で駆動されるLED90202Bとが併用されるシリアル・パラレル変換IC9092Bを用いている。そのため、シリアル・パラレル変換IC9092Bは、ESD(Electro-Static Discharge)保護端子SCRに高い駆動電圧のVCL2(12V)と接続する。これにより、当該回路構成では、12V以上の電圧をシリアル・パラレル変換IC9092BをESD保護端子SCRに流すことが可能になるため、静電気放電による高電圧による回路破損を回避することができる。
電源IC541CのVCL1の出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCL1の出力の途中は、コンデンサC1の一端に接続され、コンデンサC1の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCL1の電位の安定化が図られている。
電源IC541CのVCL2の出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、電源IC541CのVCL2の出力の途中は、コンデンサC2の一端に接続され、コンデンサC2の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCL2の電位の安定化が図られている。
VCCの出力には、ノイズフィルタを設けて、ノイズを除去してもよい。また、VCCの出力の途中は、コンデンサC3の一端に接続され、コンデンサC3の他端は接地されている。このような回路構成によって、VCCの電位の安定化が図られている。
第2ランプ駆動部9092は、シリアル・パラレル変換IC9092Bを備える。シリアル・パラレル変換IC9092BのDATA端子及びCLK端子は、データラインL4とクロックラインL5とによって、コネクタ9017Aの2番端子及び3番端子それぞれに接続されている。これによって、制御信号は、コネクタ9017Aの2番端子からデータラインL4を介してシリアル・パラレル変換IC9092BのDATA端子に入力され、クロック信号は、コネクタ9017Aの3番端子からクロックラインL5を介してシリアル・パラレル変換IC9092BのCLK端子に入力される。なお、データラインL4及びクロックラインL5それぞれの途中には、増幅器A1及びA2がそれぞれ接続され、また、プルアップ抵抗R5及びR6がそれぞれ接続される。これによって、制御信号及びクロック信号としてのHigh信号又はLow信号を的確にシリアル・パラレル変換IC9092Bに伝達することができる。なお、データラインL4及びクロックラインL5には、保護回路HKも接続されている。保護回路HKは、静電気放電から第2ランプ駆動部9092を保護する回路であり、ダイオードアレイなどを含む保護素子S1を備える。保護素子S1にも、VCL2(12V)が印加される。保護回路HKは、VCL2とグラウンドとの間かつ保護素子S1に接続されたコンデンサC5も有する。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子ADR0〜ADR4は、当該シリアル・パラレル変換IC9092Bのアドレスを設定するための端子である。ここでは、端子ADR0〜ADR4が全て接地されているため、アドレスとして「00000」が設定されている。ADR0〜ADR4の少なくともいずれかをLDO端子などに接続することで、その端子に対応する部分が「1」に設定される。このようにすることで、アドレスが設定される(例えば、端子ADR0がLDO端子などに接続されている場合には、アドレスは「10000」となる。)。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子Q0〜Q23からは、制御信号を変換した駆動信号を出力する。端子Q0〜Q20は、LED90202Aが備えるRGBのLEDそれぞれのカソードに接続されている。LED90202Aが備えるRGBのLEDそれぞれのアノードは、電源IC541Cの出力に接続され、VCL1が印加される。このため、駆動信号として、Low信号が出力されたときには、当該Low信号が出力された端子に接続されたLEDに電流が流れ、当該LEDが発光する。端子Q21〜Q23は、LED90202Bが備えるRGBのLEDそれぞれのカソードに接続されている。LED90202Bが備えるRGBのLEDそれぞれのアノードは、電源IC541Cの出力に接続され、VCL2が印加される。このため、駆動信号として、Low信号が出力されたときには、当該Low信号が出力された端子に接続されたLEDに電流が流れ、当該LEDが発光する。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの端子LDOと端子DVDDとは、所定の電圧を出力する。端子LDOと端子DVDDは、コンデンサC5及びC6を介して接地されている。また、端子R_Irefは、抵抗R1を介して接地され、かつ、コンデンサC5及びC6に接続されている。この実施の形態で使用されているシリアル・パラレル変換IC9092Bでは、端子Q0〜Q23の少なくともいずれかに駆動信号としてLow信号が出力されたときにLEDに流れる電流(複数のLEDが発光するときには、複数のLEDそれぞれに流れる電流の合計)が、端子R_Irefから抵抗R1を介してグラウンドに流れるようになっている。当該電流の電流値(個々のLEDに流れる電流)は、抵抗R1の抵抗値による。従来、端子R_Irefを直接接地していた。しかし、端子R_Irefを直接接地する場合、シリアル・パラレル変換IC9092Bの内部抵抗をリファレンス抵抗として用いてLEDを定電流で駆動するので、出力電流を20mAに固定した場合、内部抵抗のバラツキにより約30%程度の電流値の誤差が生じており、LEDの発光がまばらになる可能性があった。そこで、端子R_Irefに抵抗R1を接続して、抵抗R1をリファレンス抵抗として用いてLEDを定電流で駆動するので、出力電流を20mAに固定した場合、抵抗R1の抵抗値を可変することで約3%程度の誤差に抑えることができ、LEDの発光を安定させることが可能となる。
シリアル・パラレル変換IC9092Bの各端子VDDは、コネクタ9017Aの7番端子の出力に接続され、VCC1が印加される。端子VREFは、コンデンサC7を介して接地される。各端子VDDは、コンデンサC8〜C11を介して接地もされている(これによって、各端子VDDに印加される電圧を安定化させている。)。端子GNDは、接地されている。
端子DATA0は、制御信号の供給ルートに沿って直列的に接続された次の変換IC(例えば、図25に示す第3ランプ駆動部9093のシリアル・パラレル変換IC9093B)の端子DATAに接続され、制御信号(アドレスがシリアル・パラレル変換IC9092Bを指定していない場合)が次の変換ICに供給される。端子CLKは、前記次の変換ICの端子CLKに接続され、クロック信号が次の変換ICに供給される。その他の端子は、接地されている。
また、シリアル・パラレル変換IC9092Bは、端子CLKから供給されるクロック信号に従って動作するとともに、端子CLK0からクロック信号を次の変換ICに供給する。シリアル・パラレル変換IC9092Bは、端子DATAから供給される制御信号が自身のアドレスを指定する場合には、当該制御信号が示す24ビットの情報(High信号又はLow信号)を1ビットずつラッチし、端子Q0〜Q23からラッチした情報を駆動信号(High信号又はLow信号)として出力する。また、繰り返し供給される制御信号ごとに駆動信号が出力されるので、Low信号が供給される回数に応じてRGBのLEDの発光輝度が調整される(発光輝度がPWM制御によって制御される)。なお、High信号が供給されるときには、LEDは消灯する。RGBの発光輝度や発光の有無に応じて各LED90202Aの発光色や発光輝度が調整される。所定の制御信号を調整することによって、各LED90202Aを所望の発光色かつ発光輝度で発光させたり消灯させたりすることができる。発光時にLED90202Aを流れた電流(各LEDに流れる電流の総和)は、抵抗R1を介してグラウンドに流れる。なお、LED90202Aに流れる電流の電流値は、抵抗R1に依存するので、抵抗R1が大きければ電流値が小さくなり、LED90202Aの発光輝度が小さくなる。この実施の形態では、VCL1とVCL2との電源ラインが共通化されているため、LED90202Aに大きな電流が流れたときにVCL2の電位が安定しないことがある(特に下がってしまうことがある)。このため、抵抗R1の抵抗値を大きく設定し(ここでは、抵抗R1の抵抗値を6kΩとしているが、他の抵抗値であってもよい。)、LED90202Aの発光輝度(1回の駆動信号によって発光したときの発光輝度)を低くする代わりにLED90202Aに流れる電流を小さくし、VCL1の電位を安定させるとよい(これによって、シリアル・パラレル変換IC9092Bの動作を安定させることができる。)。なお、この実施の形態では、電源ラインL1を電源IC541Cで出力を分岐させ、VCL1を供給する電源ラインにコンデンサC1を接続し、VCL2を供給する電源ラインにコンデンサC2を接続することで、各コンデンサによって、VCL1やVCL2の電位を安定化させることができる(特にVCL1の電位を安定させ、シリアル・パラレル変換IC9092Bの動作を安定させることができる。)。
さらに、シリアル・パラレル変換IC9092Bでは、端子Q0〜Q23から出力する駆動信号を、内蔵CR発振回路を用いて変化タイミングを分散させている。具体的に、図32は、シリアル・パラレル変換が出力する駆動信号の位相分離を説明するための図である。図32に示す内蔵CR発振回路は6MHzのクロック信号を発信しているので、駆動信号を1MHzのPWMクロック信号として6層に分離し、シリアル・パラレル変換IC9092Bの24ch(端子Q0〜Q23)の出力端子、1グループ4chの6グループに分け、駆動信号の変化タイミシグを分散する。
グループ1が端子Q0〜Q3から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ2が端子Q4〜Q7から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ3が端子Q8〜Q11から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ4が端子Q12〜Q15から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ5が端子Q16〜Q19から出力する駆動信号のPWMクロック信号に、グループ6が端子Q20〜Q23から出力する駆動信号のPWMクロック信号にそれぞれ対応する。それぞれのグループのPWMクロック信号は、1MHzずつ周期がずれている。シリアル・パラレル変換IC9092Bは、シリアル信号からパラレル信号に変換する際に、パラレル信号の出力周期をグループ単位でずらして、シリアル・パラレル変換IC9092Bから外部への電波放射(ノイズ発生)を抑えることができる機能を内蔵したICである。
ただし、モータなどを駆動する場合、モータ回転時に周期がずれると制御精度が低下するため、同じ周期に属するグループの端子(例えば、端子Q0〜Q3)に限定して接続する必要がある。一方、LEDのように動作を伴わないデバイスについては、モータ等の駆動制御に比べて周期ズレの影響が小さいので、使用するグループの端子を限定することなく自由に使用することが可能である。また、シリアル・パラレル変換IC9092Bの出力端子が24ch(端子Q0〜Q23)ではなく、12ch(端子Q0〜Q11)の場合であれば、1グループを4chとして3グループに分ければよい。
次に役物駆動部9091の回路構成例を図33に示す。役物駆動部9091は、図33に示す回路構成を有する。なお、図33の回路構成は、図31の回路構成と基本的には同じであるので、異なる部分について説明する。シリアル・パラレル変換IC9092Bとシリアル・パラレル変換IC9091Bとは同じものを使用でき、LED90202Aに代えて駆動ドライバ9091Cおよび駆動機構(例えば、モータなど)201を使用する。図31と図33とでは、外部と接続されるコネクタが同じである。つまり、役物駆動部9091は、コネクタ9017Aを備え、コネクタ9017Aによって外部と接続される。コネクタ9017Aは、8端子を備える。5番端子及び6番端子はVCL(駆動ドライバ9091Cなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、7番端子はVCC(シリアル・パラレル変換IC9091Bなどを駆動するための電圧)が供給される外部の電源ラインに接続され、8番端子は、接地される。図33では、VCLとVCCとが別系統で供給され、共通化されることはない(つまり、駆動ドライバ9091Cに電力を供給する電源ラインとシリアル・パラレル変換IC9091Bに電力を供給する電源ラインとが別々になっている)。このため、駆動ドライバ9091Cに大きな電流が流れてもVCLに影響することがないため、抵抗R2の抵抗値を抵抗R1よりも小さくすることができ、駆動ドライバ9091Cに供給する電流量を大きくできる。
役物駆動部9091は、シリアル・パラレル変換IC9091Bでシリアル信号として供給される制御信号を、駆動機構90201が有する各ステッピングモータ(通常複数)を個別に駆動する各駆動信号に変換し、当該駆動信号に基づき駆動機構90201を駆動する出力電圧を駆動ドライバ9091Cが駆動機構90201に供給する。
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。主基板9011では、遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図34のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図35は、特別図柄プロセス処理として、図34に示すS9015で実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S90101)。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図36のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図36に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(S9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(S9072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(S9072;No)、S9072の処理を繰返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取込む。
このとき取込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
S9072でタイマ割込みフラグがオンである場合には(S9072;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(S9073)、コマンド解析処理を実行する(S9074)。S9074で実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
S9074でコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(S9075)。S9075の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、第1ランプ部909における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行われる。
S9075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(S9076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによりカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、S9072の処理に戻る。S9076で更新され、演出制御に用いられる各種の乱数値としては、後述する確定図柄決定用の乱数値の他、MR6´〜MR12´等の各種乱数値が含まれる。
図36のS9074では、コマンド解析処理として図37に示すフローチャートの処理を実行する。図38は、演出制御プロセス処理として、図36のS9075で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、入賞時演出決定処理を実行する(S90150)。
まず、第1保留表示エリア905Dに追加表示させる際の保留表示の表示態様を決定する決定処理について説明する。図39は、保留表示の表示態様の決定割合の設定例を示す図である。なお、ROM90121には、変動カテゴリに応じた7種類の保留表示態様決定テーブルが記憶されているものとする。図39(A)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA1´(短縮・非リーチハズレ)」、又は、変動カテゴリ「PA2´(非リーチ(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H―TBL1)である。図39(B)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA3´(ノーマルリーチ(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL2)である。図39(C)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA4´(スーパーリーチα(ハズレ))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL3)である。
図39(D)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PA5´(スーパーリーチβ(ハズレ)」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H―TBL4)である。図39(E)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB3´(ノーマルリーチ(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL5)である。図39(F)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB4´(スーパーリーチα(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL6)である。図39(G)は、上述の7種類のうち、変動カテゴリ「PB5´(スーパーリーチβ(大当たり))」であるときに選択される保留表示態様決定テーブルによる保留表示の表示態様の決定割合の設定例(H−TBL7)である。
図39によれば、(A)〜(G)の各テーブルによって、保留表示の表示態様が決定されるが、決定される表示態様の種類は、通常表示態様と、第1特定表示態様と、第2特定表示態様との3つに大別される。通常表示態様は「球体」である。第1特定表示態様は、「文字」を用いたアイコン形状の表示態様(文字アイコンとも呼ぶ)である。第2特定表示態様は、「人型キャラクタ」よりなる「キャラクタ」を用いたアイコン形状の表示態様(「キャラクタアイコン」とも呼ぶ)である。「球体」の例は図15に示される。「文字アイコン」の例は図43および図45に示される。「キャラクタアイコン」の例は図43および図46に示される。「文字アイコン」および「キャラクタアイコン」のようなアイコン状の保留表示は、一般的な「球体」による通常表示態様とは異なる種別の特定表示態様の保留表示として演出に用いられる。
「球体」の保留表示は、図39の各テーブルにおいて「赤色球」「黄色球」「青色球」「白色球」と表示されている。「球体」の保留表示は、例えば、リーチとなる場合には非リーチとなる場合に比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色(初期色)が決定され難くなっている。また、リーチとなる場合においては熱いリーチ(例えば、スーパーリーチ)となるときには熱くないリーチ(例えば、ノーマルリーチ)となるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。あるいは、図19及び図39によれば、特図表示結果が「大当り」であるときには特図表示結果が「ハズレ」であるときに比べて、赤色や黄色が決定され易く、青色や白色が決定され難くなっている。換言すれば、赤色や黄色の表示態様は青色や白色の表示態様に比べて、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。より詳細には、赤色、黄色、青色、白色の順に、熱い演出が実行される期待度や、大当りとなる期待度が高い。
文字アイコンの保留表示の表示態様は、図39の各テーブルにおいて「文字」と表示されている。「文字」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示が文字アイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
キャラクタアイコンの保留表示の表示態様は、図39の各テーブルにおいて「キャラクラ」と表示されている。「キャラクタ」に決定されると、新たに追加して出現する保留表示がキャラクタアイコンの表示態様(通常表示態様)とされ、当該保留表示がされた保留記憶に対応して、前述のような保留表示態様変化演出と変動対応表示態様変化演出とのいずれかが実行され得る。
図39のテーブルによれば、乱数値MR6´の決定割合を参照して理解されるように、大当りの期待度が高い変動表示である程、文字アイコンによる保留表示またはキャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。この例では、また、大当りとなる期待度が高い程、文字アイコンによる保留表示よりも、キャラクタアイコンによる保留表示が選択される割合が高い。
図38に示したS90150の入賞時演出決定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部90191等に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS90170〜90177の処理の何れかを選択して実行する。
S90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送された第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド等を受信したか否かに基づき、演出表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理等を含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
S90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、演出表示装置905における飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために特別図柄の変動パターンや表示結果の種類等に応じた確定飾り図柄を決定する処理や、第1保留表示又は第2保留表示をシフトさせてアクティブ表示エリアAHAに第1保留表示または第2保留表示に対応するアクティブ表示に応じた情報を表す特別画像を表示する処理、各種の演出や各種演出の演出態様(例えば、主予告演出であるアクティブ表示変化演出や、当該アクティブ表示変化演出の演出態様)を決定する処理等を含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
S90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU90120は、読出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を演出表示装置905に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板9013に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号を第1ランプ駆動部9014に出力して第1ランプ部909を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。
こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読出されたこと、あるいは、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したこと等に対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。演出制御パターンから終了コードが読出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
S90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S90174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
S90175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
S90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了等に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読出し、S90172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号等を出力する等して、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図40は、可変表示開始設定処理として、図38のS90171で実行される処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、例えば主基板9011から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S90522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がされたときには(S90522;Yes)、例えば主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ること等により、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターン(即ち、図19の「PA1´−1」「PA2´−1」「PA2´−2」「PA2´−3」)であるか否かを判定する(S90523)。
S90523で非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S90523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90524)。一例として、S90524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「左」の演出図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。
次に、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「右」の演出図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときは、右確定図柄決定テーブルにおける設定等により、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、S90524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
S90523で非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S90523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90525)。一例として、S90525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「左」と「右」の演出図柄表示エリア5L、5Rで揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照すること等により、確定飾り図柄のうち演出表示装置905の表示領域における「中」の演出図柄表示エリア5Cで停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
S90522で特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S90522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(S90526)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(S90526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90527)。この場合には、演出制御カウンタ設定部90193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90121等に予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照すること等により、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
S90526で「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(S90526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S90528)。一例として、S90528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部90193のランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM90121等に予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照すること等により、演出表示装置905の画面上で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア905L,905C,905Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無等に応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われてもよい。
図37のコマンド解析処理におけるS90513の処理において時短ではないことが特定されている場合(S90155:NO)、S90524、S90525、S90527、S90528の処理の何れかを実行した後には、保留消化処理を実行する(S90531)。具体的には、当該変動に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(換言すれば、当該変動に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。例えば、第1特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときには(今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに連動したものであるときは)、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる(第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示を含む特別画像を表示させる)。より詳細には、演出制御用CPU90120は、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに移動させてアクティブ表示を表示させる演出制御パターンを使用パターンとしてセットするとともに、セットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により、第1保留表示エリア905Dの右端に表示されている保留表示に対応するアクティブ表示をアクティブ表示エリアAHAに表示させる。なお、アクティブ表示エリアAHAにおけるアクティブ表示は、保留表示と同じ態様で表示してもよく、保留表示に対応するが保留表示とは異なる表示態様で表示されてもよい。第2特図ゲームと連動して飾り図柄の変動を開始するときも同様である。
また、S90531の処理では、演出制御用CPU90120は、第1保留表示エリア905Dにおいて、消化する保留表示(アクティブ表示)の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1保留表示エリア905Dにおいてシフトし、第2保留表示エリア905Uにおいて、アクティブ表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2保留表示エリア905Uにおいてシフトする。
S90531の処理を実行した後には、演出実行設定処理を実行する(S90532)。演出実行設定処理(S90532)には、保留表示が「球体」に決定されたときにおいて、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様を決定する処理、実行するときのアクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定する処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等が含まれている。
また、演出実行設定処理(S90532)には、新たに出現表示された保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理、および、これらの処理結果に基づいて演出制御パターンを設定(又は、再設定)する処理等がさらに含まれている。
表示態様変化演出実行タイミング選択処理は、文字アイコンまたはキャラクタアイコンのアイコン形状で保留表示がされた保留記憶に対応する表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の実行タイミングを選択決定する処理である。図41(B),(C)等に示すように、このような保留表示の実行タイミングは、例えば当該保留記憶に対応する保留表示が出現した後の1回目の保留表示シフト後における保留表示中のタイミングと、当該保留記憶に対応するアクティブ表示中のタイミングとのいずれかに選択決定される。
表示態様変化演出種類選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の種類を選択決定する処理である。図41(D),(E)等に示すように、このような表示態様変化演出の種類は、第1変化演出〜第4変化演出のいずれかに選択決定される。
変化態様選択処理は、「文字」または「キャラクタ」のアイコン形状の表示の表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の保留表示またはアクティブ表示の演出態様を選択決定する処理である。図41(F)〜(M)等に示すように、文字アイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「好機」表示と「激熱」表示とのいずれかに選択決定される。キャラクタアイコンの表示態様変化演出(保留表示態様変化演出または変動対応表示態様変化演出)の演出態様は、「変化なし」と「2人」表示と「3人」表示とのいずれかに選択決定される。
S90532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S90533)。一例として、S90533の処理では、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行ってもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音等である。大当り告知発光の一例は、フラッシュランプの発光等である。また、S90533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、第1ランプ部909が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
S90533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S90534)。続いて、演出表示装置905における飾り図柄等の変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(S90535)。例えば、S90532の演出実行設定処理において使用パターンとしてセットされた演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部90123のVDP等に対して伝送させること等により演出表示装置905の画面上で飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板9013に伝送すること等によりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号を第1ランプ駆動部9014に対して伝送させること等により第1ランプ部909における発光を開始させるための設定を行う。
S90535の処理を実行した後には、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファ90194Bに格納されているコマンドを消化する(S90536)。具体的には、演出制御用CPU90120は、第1特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに対応付けられたコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられたコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに連動して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納されているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンドを、入賞順を維持しつつシフトする。
また、S90536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM90122等に設けられる第1先読予告バッファ90194Cまたは第2先読予告バッファ90194Dに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S90537)、可変表示開始設定処理を終了する。
ここで、演出実行設定処理(S90532)について詳述する。まず、当該変動に対応するアクティブ表示に対するアクティブ表示変化演出を実行するか否かを決定する処理、およびアクティブ表示変化演出を実行すると決定したときのアクティブ表示変化演出の種類を決定する処理(どのアクティブ表示変化演出を実行するかを決定する処理)について説明する。
図41は、保留選択時演出パターンテーブルを示す図である。特に、図41(A)は、アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルによる決定割合の設定例を示す。また図41(B)〜(M)は、保留表示が文字アイコンまたはキャラクタアイコンのようなアイコン形状の表示態様に決定されたときにおいて、表示態様変化演出実行タイミング選択処理、表示態様変化演出種類選択処理、および、変化態様選択処理を実行するアイコン演出設定処理に用いられる各種データテーブルである。
詳細には、図41(A)の設定例は、保留表示の表示態様が「球体」に決定されたときに、アクティブ表示変化演出を実行するか否かや、アクティブ表示変化演出の種類(どのアクティブ表示変化演出を実行するか)を実行するときのアクティブ表示変化演出の演出態様の決定割合の設定例である。アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルには、アクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が、「実行有」と、「実行無」とのそれぞれに、図41に示すような決定割合で割当てられている。また、このアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルの「実行有」には、決定用の乱数値MR7´(非図示)と比較される数値(決定値)が、「第1系統変化演出」と、「第2系統変化演出」と、「第1系統変化演出および第2系統変化演出」とのそれぞれに、図41(A)に示すような決定割合で割当てられている。また、第1系統変化演出には、演出態様が類似する複数種類の演出態様が含まれる。第2系統変化演出には、演出態様が類似する複数種類の演出態様が含まれる。具体的には、第1系統変化演出は、アクティブ表示の表示態様に作用する演出であり、第2系統変化演出は、アクティブ表示枠の表示態様に作用する演出であり、第1系統変化演出と第2系統変化演出とで作用する対象が異なる。
なお、「実行有」「第1系統変化演出」は、第1系統変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表し、「実行有」「第2系統変化演出」は、第2系統変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表し、「実行有」「第1系統変化演出および第2系統変化演出」は、第1系統変化演出と第2系統変化演出との両方の変化演出をアクティブ表示変化演出として行う旨を表す。また、「実行無」は、アクティブ表示変化演出を行わない旨を表している。また、変動パターン1´−Xは、図19に示す変動パターンPA1´−1を表し、変動パターンPA2´−Xは、図19に示す変動パターンPA2´−1、PA2´−2、PA2´−3のいずれかを表し、変動パターンPA3´−Xは、図19に示す変動パターンPA3´−1、PA3´−2のいずれかを表し、変動パターンPA4´は、図19に示す変動パターンPA4´−1、PA4´−2、PA4´−3、PA4´−4のいずれかを表す。変動パターンPA5´−X、PB4´−X、PB5´−Xについても同様である。
ここで、再び、図40に戻り、可変表示開始設定処理を引き続き説明する。演出実行設定処理(S90532)においては、演出制御用CPU90120は、新たに出現表示された保留表示として、図39の保留表示態様決定テーブルにより文字アイコンまたはキャラクタアイコンによる保留表示が選択されたものがあるときに、例えば、図41(B)〜(M)を用いて説明したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実現するための処理を実行する。例えば、図41(B)または図41(C)により表示態様変化演出タイミングが保留表示中として選択決定されたときには、これから開始される変動表示において、保留消化に応じて保留表示がシフトした後に、前述したように選択決定された演出内容での表示態様変化演出を実行するための設定処理をする。
一方、演出実行設定処理(S90532)において、図41(B)または図41(C)により表示態様変化演出タイミングがアクティブ表示中として選択決定されたときには、演出対象となる保留記憶に対応するアクティブ表示が実行されるときまで、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、演出対象となる保留記憶に対応する第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aにおけるバッファ番号のデータに対応付けて、表示態様変化演出を実行することを指定するアクティブ表示中変化演出指定データを記憶しておくとともに、前述したように選択決定された演出内容を特定するデータを、RAM90122に設けられた表示態様変化演出記憶領域に記憶しておく。そして、演出制御用CPU90120は、演出実行設定処理のS90532において、これから開始される変動表示が、アクティブ表示中変化演出指定データにより指定された演出対象の保留記憶に対応する変動表示であるか否かを判定し、演出対象の保留記憶に対応する変動表示であると判定されたときに、表示態様変化演出記憶領域に記憶された演出内容を特定するデータに基づいて、アクティブ表示中において表示態様変化演出を実行させる。
以上に説明したような処理が実行されることにより、演出実行設定処理(S90532)において、文字アイコンまたはキャラクタアイコンにより保留表示の表示態様が選択され、表示態様変化演出を実行するときには、当該表示態様変化の対象となる保留表示が出現した後の最初の保留表示中、または、当該保留表示に対応する保留記憶に基づく変動表示が実行されるときのアクティブ表示中において、演出実行設定処理(S90532)における演出設定に基づいて、表示態様変化演出が実行されることとなる。
また、演出実行設定処理(S90532)において、演出制御用CPU90120は、「球体」で表示された保留表示について、アクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルとアクティブ表示変化演出の実行有無決定用の乱数値MR7´と、変動パターン指定コマンドにより指定された当該変動(当該可変表示)の変動パターン(可変表示パターン)とにより、アクティブ表示変化演出を実行するか否か、アクティブ表示変化演出を実行する場合には、複数のアクティブ表示変化演出の演出態様のうち、いずれのアクティブ表示変化演出を実行するかを決定する。
なお、演出制御用CPU90120は、先ずアクティブ表示変化演出の実行有無を決定し、「実行有」と決定したときには「第1系統変化演出」か「第2系統変化演出」か「第1系統変化演出および第2系統変化演出」の何れかを決定してもよい。
図42は、表示態様変化演出と、当該表示態様変化演出における表示態様変化実行の有無との関係を示すタイミングチャートである。図42(A)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行された例が示されている。図42(B)には、保留表示またはアクティブ表示を対象として表示態様変化演出が実行された後に、表示態様変化が実行されなかった例が示されている。
図43は、文字アイコン選択テーブルおよびキャラクタアイコン選択テーブルを示す図である。図43(A)に文字アイコン選択テーブルが示され、図43(B)にキャラクタ選択テーブルが示されている。
図43(A)の文字アイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「注意」という文字よりなる文字アイコンと、図41(F)〜(I)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「好機」の文字よりなる文字アイコンと、図41(F)〜(I)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「激熱」の文字よりなる文字アイコンとが選択可能に設定されている。これら文字アイコンの大当りへの期待度は、「注意」<「好機」<「激熱」という関係がある。
図43(B)のキャラクタアイコン選択テーブルにおいては、保留表示の出現時表示として選択される通常表示態様の「1人」のキャラクタアイコンと、図41(J)〜(M)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第1変化表示として選択可能な「2人」のキャラクタアイコンと、図41(J)〜(M)の演出選択テーブルにより表示態様変化演出時の第2変化表示として選択可能な「3人」のキャラクタアイコンとが選択可能に設定されている。これらのキャラクタアイコンについての大当りへの期待度は、「1人」<「2人」<「3人」という関係がある。
次に、前述した第1変化演出〜第4変化演出の演出パターンを選択するためのデータが設定された変化演出パターンテーブルを説明する。変化演出パターンテーブルは、RAM90122に記憶されている。
図44は、変化演出パターンテーブルを示す図である。変化演出パターンテーブルにおいては、第1変化演出〜第4変化演出の種類別に、保留表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンと、アクティブ表示中に変化演出をする選択がされたときの演出パターンとが示されている。保留表示中に変化演出をする選択と、アクティブ表示中に変化演出をする選択とのそれぞれは、図41(B)〜(E)のデータテーブルを用いて行なわれる。
次に、保留表示として文字アイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図45は、演出表示装置905において保留表示として文字アイコン9061を表示したときの演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図39のような保留表示態様決定テーブルを用いて文字アイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図45(A)に示すような通常表示態様である「注意」表示という文字アイコン9061による保留表示を第1保留表示エリア905Dに出現させる表示がされる。
図41(B)の文字保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「保留表示中」として選択決定され、かつ、図41(D)の文字保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第1変化演出」に選択決定されたときには、「注意」表示がされた文字アイコン9061による保留表示が出現した後の1回目の保留シフト後の保留表示中において、図45(B)に示すように、表示態様変化演出として、青色の矢印が「注意」表示という文字アイコン9061による保留表示に対して下方向に作用する第1変化演出が実行される。
図41(F)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルにより第1変化演出後の表示が「激熱」表示に選択決定されたときは、図45(C)に示すように、第1変化演出による表示態様変化演出の実行後に、第1保留表示エリア905Dにおいて、文字アイコン9061による保留表示が「注意」表示から「激熱」表示に変化させられる。このように、文字アイコン9061による保留表示が変化したときには、その保留表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留表示後のアクティブ表示としてキャラクタアイコンを表示したときの演出表示例を説明する。図46は、演出表示装置905において保留表示としてキャラクタアイコン9062を表示した後のアクティブ表示の演出表示例を示す表示画面図である。
新たな第1保留記憶が発生したときに、図39のような保留表示態様決定テーブルを用いてキャラクタアイコンによる保留表示態様が決定された場合には、まず、図46(A)に示すような通常表示態様である「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示を第1保留表示エリア905Dに出現させる表示がされる。図46(A)の状態は、「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示が出現表示された後、それ以前の保留表示が消化されて、次回の変動表示をする保留表示として、「1人」表示というキャラクタアイコン9062による保留表示がされている状態が示されている。
そして、図41(C)のキャラクタ保留表示時変化演出タイミング選択テーブルにより変化演出のタイミングが「アクティブ表示中」として選択決定され、かつ、図41(E)のキャラクタ保留変化演出種類選択テーブルにより変化演出種類が「第4変化演出」に選択決定されたときには、図46(B)に示すような、「1人」表示がされたキャラクタアイコン9062による保留表示に対応するアクティブ表示が、アクティブ表示エリアAHAにおいて、「1人」表示のキャラクタアイコン9062により行なわれ、図46(B)に示すように、表示態様変化演出として、赤色の矢印が「1人」表示のキャラクタアイコン9062によるアクティブ表示に横方向から作用する第4変化演出が実行される。
そして、図41(M)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルにより第3変化演出後の表示が「3人」表示に選択決定されたときは、図46(C)に示すように、第4変化演出による変化演出の実行後に、アクティブ表示エリアAHAにおいて、キャラクタアイコン9062による保留表示が「1人」表示から「3人」表示に変化させられる。このように、キャラクタアイコン9062によるアクティブ表示が変化したときには、今回の変動表示についての遊技者の大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、演出実行設定処理(S90532)に含まれ、図41(B)〜(M)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示をするときの演出を設定するためのアイコン演出設定処理を説明する。
図47は、アイコン演出設定処理を示すフローチャートである。図41(B)〜(M)の各種データテーブルを用いて文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出を設定するための処理については、前述した演出実行設定処理(S90532)に関する処理内容に関連して前述したが、図47では、文字アイコンおよびキャラクタアイコンによる保留表示またはアクティブ表示をするときの演出の設定の流れを明確化するために、アイコン演出設定処理の具体的な処理内容を説明する。
図39のテーブルにおいて、文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様が選択決定されたときに、アイコン演出設定処理が実行される。アイコン演出設定処理において、演出制御用CPU90120は、以下のような処理を実行する。まず、乱数値MR10´を抽出し、図39のテーブルにおいて選択された文字アイコンまたはキャラクタアイコンの保留表示態様に応じて、図41(B)または図41(C)に示す変化演出タイミング選択テーブルを用いて、「保留表示中」と「アクティブ表示中」とのどちらかを表示態様変化演出の実行タイミングとして選択決定する(S90700)。
次に、乱数値MR11´を抽出し、S90700により選択決定された「保留表示中」または「アクティブ表示中」の変化演出実行タイミングに応じて、図41(D)または図41(E)に示す変化演出種類選択テーブルを用いて、「保留表示中」については、「第1変化演出」または「第2変化演出」を選択決定し、「アクティブ表示中」については、「第3変化演出」または「第4変化演出」を選択決定する(S90701)。
次に、S90701において「第1変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90702)。「第1変化演出」が選択決定されたとS90702により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90703)。「保留表示中」が選択決定されたとS90703により判定されたときは、保留表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(F)の第1変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90704)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90703により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第1変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(G)の第1変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第1変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90705)、処理を終了する。
また、S90701において「第1変化演出」が選択決定されていないとS90702により判定されたときは、S90701において「第2変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90706)。「第2変化演出」が選択決定されたとS90706により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90707)。
「保留表示中」が選択決定されたとS90707により判定されたときは、保留表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(H)の第2変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90708)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90707により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第2変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(I)の第2変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示のうちのいずれかを、第2変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90709)、処理を終了する。
また、「第2変化演出」が選択決定されていないとS90706により判定されたときは、S90701において「第3変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90710)。「第3変化演出」が選択決定されたとS90710により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90711)。「保留表示中」が選択決定されたとS90711により判定されたときは、保留表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(J)の第3変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90712)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90711により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第3変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(K)の第3変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第3変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90713)、処理を終了する。
また、S90701において「第3変化演出」が選択決定されていないとS90710により判定されたときは、S90701において「第4変化演出」が選択決定されたか否かを判定する(S90714)。「第4変化演出」が選択決定されたとS90714により判定されたときは、S90700において「保留表示中」が選択決定されたか否かを判定する(S90715)。「保留表示中」が選択決定されたとS90715により判定されたときは、保留表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(L)の第4変化演出保留表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90716)、処理を終了する。
一方、「保留表示中」が選択決定されていないとS90715により判定されたとき(アクティブ表示中が選択決定されたとき)は、アクティブ表示中に第4変化演出を実行するために、乱数値MR12´を抽出し、図41(M)の第4変化演出アクティブ表示中変化選択テーブルを用い、表示結果(大当り、ハズレ)に応じて、「変化なし」、「2人」表示、「3人」表示のうちのいずれかを、第4変化演出後の表示変化態様として選択決定し(S90717)、処理を終了する。
以上に説明したアイコン演出設定処理により、文字アイコンまたはキャラクタアイコンを用いた演出が設定され、当該処理での設定に基づいて可変表示中演出処理(S90172)が実行されることにより、例えば図45のような保留表示態様変化演出、および、図46のような変動対応表示態様変化演出が実行されることとなる。
[アイコン表示による表示態様変化演出の変形例]
次に、前述したようなアクティブ表示の演出の各種変形例について説明する。
(a) 前述した実施の形態では、図41(B)〜(M)、図45、図46に示すように、保留表示中の1つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計2つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングで、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、図48に示されるように、保留表示中における表示態様変化演出の実行タイミングが複数のタイミングから選択可能としてもよい。
図48は、保留表示中の表示態様変化演出の実行タイミングを複数のタイミングから選択する演出例を示す説明図である。図48(A)には、表示態様変化演出のタイミングを説明するための第1保留表示エリア905Dおよびアクティブ表示エリアAHAが示されている。図48(B)には、図41(B)に示された文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。図48(C)には、図41(C)に示されたキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルの変形例が示されている。
図48(A)を参照して、この変形例では、保留表示中の2つのタイミングと、アクティブ表示中の1つのタイミングとの合計3つのタイミングのうちいずれか1つのタイミングにおいて、文字アイコン表示、または、キャラクタアイコン表示の表示態様を変化させる表示態様変化演出を実行可能である。保留表示中における2つの表示態様変化演出実行タイミングは、たとえば、第1保留表示エリア905Dにおいて、「1」〜「4」の番号が付された保留表示領域のうち、「2」の番号が付された2番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第1保留表示中)と、「1」の番号が付された1番目に古い保留記憶に対応する保留表示がされる表示領域に保留表示がされたとき(第2保留表示中)との2つである。
この変形例では、前述したように第1保留表示中、第2保留表示中、および、アクティブ表示中の3つのタイミングから、選択された1つのタイミングで、表示態様変化演出が実行される。この変形例では、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、図48(B)の文字保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図48(B)のテーブルでは、図41(B)のテーブルと同様に、アクティブ表示中に保留表示中と比べて文字アイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。一方、この変形例では、キャラクタアイコン表示で保留表示がされるときには、図48(C)のキャラクタ保留表示変化演出タイミング選択テーブルを用いて、タイミングが選択される。図48(C)のテーブルでは、図41(C)のテーブルと同様に、保留表示中にアクティブ表示中と比べてキャラクタアイコンの表示態様変化が選択される割合が低く設定されている。このような設定により、この変形例では、前述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、このようにすれば、演出がより変化に富んだものとなり、演出の面白みをより一層向上させることができる。
また、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、保留表示が出現した保留表示領域に近い程、選択される割合が高く設定されている。これにより、文字アイコン表示で保留表示がされるときには、第1保留表示中のタイミングで表示態様変化演出が実行されるときと、第2保留表示中のタイミングで表示態様変化が演出実行されるときとで、「変化なし」、「好機」表示、「激熱」表示の選択割合を異ならせてもよい(たとえば選択割合が高い方が「激熱」表示の選択割合が低い等)。
なお、この変形例では、たとえば4つある保留表示領域のうちの一部(2つ)を対象として、保留表示中に、表示態様変化演出が実行可能となる例を示した。しかし、これに限らず、すべての保留表示領域を対象として、保留表示中に、表示態様変化演出が実行可能となるようにしてもよい。また、アクティブ表示については、アクティブ表示の実行が継続される期間を複数の期間に分け、それら複数の期間のそれぞれを表示態様変化演出が実行可能となる期間とし、いずれかの期間を表示態様変化演出を実行する期間として選択可能としてもよい。このようにすれば、演出がより変化に富むものとなり、演出の面白みをより一層向上させることができる。
表示態様変化演出を実行するタイミングは、前述した実施の形態および変形例として説明したものを含み、対象となる保留記憶に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行されるものであれば、どのようなタイミングを設定してもよい。
(b) 前述した実施の形態では、図45等に示すように、保留表示が文字アイコンでされたときは、表示態様変化演出により文字アイコンの表示態様が変化する例を示し、保留表示がキャラクタアイコンでされたときは、表示態様変化演出によりキャラクタアイコンの表示態様が変化する例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出の変化パターンの変形例としては、たとえば、保留表示が文字アイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出により文字アイコンがキャラクタアイコン等のその他のアイコンに変化する演出をしてもよい。また、保留表示がキャラクタアイコンでされたときに、所定の割合で、表示態様変化演出によりキャラクタアイコンが文字アイコン等のその他のアイコンに変化する演出をしてもよい。このような演出をすれば、特定表示の表示態様(アイコンの表示態様)の変化、または、特定表示の種別(アイコンの種別)の変化が生じることに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、この変形例では、変更後のアイコンとして、たとえば、文字アイコン、および、キャラクタアイコンのように、保留表示の出現時に表示可能なアイコン表示を用いてもよく、保留表示の出現時に表示されない、特定のアイコン表示を用いてもよい。
(c) 前述した実施の形態では、図41〜図48に示すような表示態様変化演出を保留表示中とアクティブ表示中とのいずれかの期間において実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出を保留表示中とアクティブ表示中との両方のタイミングで実行可能としてもよい。
(d) 前述した実施の形態では、図41〜図48に示すような表示態様変化演出を保留表示期間中およびアクティブ表示期間中におけるいずれか1回のタイミングで実行可能とした例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出は、表示態様変化演出を保留表示期間中およびアクティブ表示期間中において、複数回のタイミングで段階的に実行可能としてもよい。その場合には、たとえば、アイコン表示の変化態様を複数段階に分けて選択可能とし、アイコン表示が複数回のタイミングで段階的に変化可能なように選択設定してもよい。
(e) 前述した実施の形態では、図41〜図48に示すような表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示が、アイコン形状で表示される例を示した。しかし、これに限らず、表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示は、通常表示の表示態様(たとえば「球体」)と異なる表示態様であればよく、アイコン形状に限られるものではない。したがって、表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示保留表示は、球体であっても、通常表示が取得る形状および色等の表示態様と異なる表示態様(たとえば、大きさが異なる、色が異なる等)であればよい。
(f) 図41〜図48に示すような表示態様変化演出の対象となる保留表示またはアクティブ表示の種類(たとえば保留出現表示時に選択されるアイコン表示の種類)が複数種類ある場合については、保留表示期間中およびアクティブ表示期間中における複数のタイミングのうち、保留表示期間中には全く表示態様変化演出が実行されない種類が含まれてもよく、アクティブ表示期間中には全く表示態様変化演出が実行されない種類が含まれてもよい。
(g) 前述した実施の形態では、図41〜図48に示すような表示態様変化演出の実行対象となる保留表示について、始動入賞時(保留記憶時)に図39に示すように保留表示の出現表示時の表示態様のみを選択決定する例を示したが、このような始動入賞時(保留記憶時)には、図41(F)〜(M)に示すような保留表示中またはアクティブ表示中における保留表示態様変化演出後の最終的な表示態様(変化なし、「好機」、「激熱」、「2人」、「3人」等)を選択決定してもよい。
(h) 前述した実施の形態では、図41〜図48に示すような表示態様変化演出の実行対象となる保留表示の表示態様については、図39に示すように、キャラクタアイコンとすること、または、文字アイコンとすることを決定するが、前述した「球体」のように、文字アイコンの色、および、キャラクタアイコンの色も選択決定してもよい。つまり、表示態様変化演出の実行対象となる保留表示の表示態様は、アイコンの形状とアイコンの色との組合せを選択決定可能としてもよい。そして、同じアイコンでも、選択される色により大当りに対する期待度が異なるように設定してもよい。
(i) 前述したアイコン表示の表示態様変化演出は、保留個数が3個または4個等の所定数以上であることを条件として実行してもよい。
(j) 保留表示中のアイコン表示とアクティブ表示中のアイコン表示とは、完全に同じアイコン表示である必要はない。例えば、保留表示中のアイコン表示は白色等の第1の色で表示される一方、アクティブ表示中のアイコン表示は、黒色等の第2の色で表示される等、保留表示中のアイコン表示とアクティブ表示中のアイコン表示との表示態様が一部異なるようにしてもよい。また、文字アイコンについては、保留表示中のアイコンの文字が明朝体で表示され、アクティブ表示中のアイコンの文字がブロック体で表示される等、文字は同じであるが書体が異なってもよい。また、キャラクタアイコンについては、保留表示中のアイコンが男性のキャラクタで表示され、アクティブ表示中のアイコンが女性のキャラクタで表示される等、人数は同じであるが性別が異なってもよい。
(k) 前述した実施の形態では、保留表示とアクティブ表示とを同じ表示手段(演出表示装置905)で表示する例を示したが、これに限らず、保留表示とアクティブ表示とを異なる表示手段(例えば、保留表示を第1演出表示装置で表示し、アクティブ表示を第2演出表示装置で表示するように)で表示してもよい。
(l) 前述した実施の形態では、保留表示とアクティブ表示とは、異なる表示領域を用いて表示する例を示したが、これに限らず、同じ表示領域を用いて切替え表示するようにしてもよい(例えば、保留表示を表示しているときはアクティブ表示領域を表示せず、アクティブ表示をしているときには保留表示領域を表示しない表示等)。
(m) 前述した実施の形態では、アイコン表示の表示態様(文字アイコン、キャラクタアイコン)によって、表示態様変化演出の演出態様(種別)が異なるようにしてもよい。たとえば、アイコン表示の表示態様(演出態様)に対応する専用の表示態様変化演出を設けて、当該演出を実行するようにしてもよい。
[可動部材を用いた演出例]
次に、可動部材90321を用いた演出例を説明する。図49は、バトルリーチ演出が実行されるときの演出表示装置905の表示画面図である。図50は、ストーリーリーチ演出が実行されるときの演出表示装置905の表示画面図である。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、演出制御用CPU90120により実行される。バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出は、リーチ演出のうち、ノーマルリーチと呼ばれる通常のリーチ演出と比べて、大当り表示結果となるときに選択される割合が高く設定された複数種類の特別のリーチ演出(スーパーリーチ演出)のうちに含まれる特定のスーパーリーチ演出である。例えば、図19に示した変動カテゴリ「PB4´」のスーパーリーチα(大当り)で実行されるリーチ演出がバトルリーチ演出で、変動カテゴリ「PB5´」のスーパーリーチβ(大当り)変動カテゴリで実行されるリーチ演出がストーリーリーチ演出である。さらに、これらスーパーリーチ演出においては、大当り期待度が、たとえば、バトルリーチ演出<ストーリーリーチ演出という関係に設定されている。なお、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との大当り期待度は、この逆の関係でもよい。
バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のそれぞれは、演出表示装置905の画像表示による演出表示と、可動部材90321の演出動作とが組合せられた演出である。
図49に示すバトルリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示においては、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおいて演出図柄の変動表示が一斉に開始され、たとえば、「左」,「右」,「中」というような所定の停止順番に従って、演出図柄表示エリア905L,905R,905Cにおいて演出図柄の変動表示が順次停止されていき、最終的に全演出図柄表示エリアで演出図柄が停止して、表示結果が導出表示されたときに、変動表示が終了する。
演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図49(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア905L,905Rが停止した段階で、同一図柄が停止すると、リーチ状態となる。リーチ状態となるタイミングまでの変動表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとで異ならない、通常変動表示の演出態様で実行される。ノーマルリーチとスーパーリーチとでは、リーチ状態となった後の演出態様が異なる。
リーチ演出としてバトルリーチ演出が実行されるときには、図49(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「バトルリーチ」という文字が示されたメッセージ画像9053が画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出が実行されることが報知される。
バトルリーチ演出においては、図49(C)〜(E)に示すように、味方キャラクタ9061a(遊技者の味方側)と、敵キャラクタ9062a(遊技者の敵側)とが対戦(バトル)する動画像を表示する対戦演出(対戦時の効果音および対戦時の楽曲音の出力も含む演出)が実行される。
バトルリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、図49(E)に示すように味方キャラクタ9061aが勝利する勝利演出画像表示がされ、さらに、図49(D),(E)に示すように勝利演出画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像が表示され、かつ、可動部材90321が起立位置に動作して、演出表示装置905の表示領域の前方に出現する勝利演出が実行される。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、味方キャラクタ9061aが敗北する画像表示をする敗北演出がされ、図49(D),(E)に示すような粒子エフェクト画像9071および可動部材90321を用いた演出が実行されない。
具体的に、対戦演出においては、図49(C)に示すように味方キャラクタ9061aおよび敵キャラクタ9062aが登場する表示がされた後、図49(D)に示すように、味方キャラクタ9061aと敵キャラクタ9062aとが対戦(バトル)する動画像が表示される。たとえば図49(D)では味方キャラクタ9061aが敵キャラクタ9062aを攻撃する場面が示されている。図49(D)に示すように、対戦演出において、味方キャラクタ9061aが攻撃する場面(勝利を示唆する場面)では、演出表示装置905の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての粒子エフェクト画像9071を出現させて、勝利演出表示に重畳表示する粒子エフェクト演出がされる。味方キャラクタ9061aが勝利する場合には、図49(E)に示すように、味方キャラクタ9061aが敵キャラクタ9062aを倒して味方キャラクタ9061aが勝利したことを特定可能な画像が表示される勝利演出が実行される。勝利演出においては、さらに、図49(E)に示すように、可動部材90321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置905の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材90321は、発光させられる。
図49(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材90321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材90321の周囲で、重畳表示する粒子エフェクト画像9071の出現表示数が増加して粒子エフェクト画像9071の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材90321の動作に基づく演出効果を高めるために粒子エフェクト画像9071を用いて実行される演出であり、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材90321の動作態様と、粒子エフェクト画像9071の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図49(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、バトルリーチ演出に遊技者が勝利したこと(大当りとなったこと)が報知される。その後、図49(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図49(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
一方、バトルリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述した敗北演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
次に、図50に示すストーリーリーチ演出を説明する。演出図柄の変動表示が一斉に開始された後、図50(A)のように、「左」,「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rが停止してリーチ状態となった後、リーチ演出としてストーリーリーチ演出が実行されるときには、まず、図50(B)のように、「左」,「中」,「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rにおける演出図柄が縮小された小図柄表示形式となって画面右上隅部に移動表示され、「ストーリー前半」という文字が示されたメッセージ画像9054Aが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が実行されることが報知される。
ストーリーリーチ演出は、たとえば特定の物語のようなストーリー性がある動画像(ストーリー動画像)が表示される演出である。この例では、ストーリーリーチ演出が、前半部と後半部との2部構成とされている。ストーリーリーチ演出は、ストーリーが完結せずに途中で演出が終了してはずれ表示結果が導出表示される場合と、ストーリーが最後まで継続し演出が完結して大当り表示結果が導出表示される場合とがある。
なお、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部で終了する演出が実行され、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーリーチ演出が前半部から後半部に続き最後まで継続する演出が実行されるようにしてもよい。
また、ストーリーリーチ演出は、最後まで演出が実行された方が、前半部で演出が終了された場合よりも、大当りの期待度が高くなるように、演出が選択される設定がされてもよい。また、ストーリーリーチ演出は、前半部と後半部とに分かれていない1部構成であってもよい。
メッセージ画像9054Aが表示された後、「ストーリー前半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。「ストーリー前半」が終了し、「ストーリー後半」が続いて実行されるときに、図50(C)のように、「ストーリー後半」という文字が示されたメッセージ画像9054Bが画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が継続して実行されることが報知される。なお、ストーリーリーチ演出においては、メッセージ画像9054A,9054Bのようなストーリーリーチ演出であることを報知する画像は表示されなくてもよい。
メッセージ画像9054Bが表示された後、「ストーリー後半」に対応するストーリーに従って展開される動画像が表示される。ストーリーリーチ演出において、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、ストーリーが完結したことが特定可能な画像表示として、図50(D)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像が表示され、かつ、図50(E)に示すように、可動部材90321が起立位置に動作して、演出表示装置905の表示領域の前方に出現するストーリー完結演出が実行される。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、ストーリーが完結しないことが特定可能なストーリー未完結演出がされ、図50(D),(E)に示すような黒画像9072、炎エフェクト画像9073、および、可動部材90321を用いた演出が実行されない。
具体的に、ストーリー完結演出においては、図50(D)に示すように、演出表示装置905の表示領域全体を黒色の黒画像9072に変化させ、演出表示装置905の画面中央下部の領域で、演出効果表示としての炎エフェクト画像9073を出現させて、黒画像9072に重畳表示する演出がされる。ストーリー完結演出においては、さらに、図50(E)に示すように、可動部材90321が、起立位置に移動することにより、演出表示装置905の表示領域における中央部の領域に出現する可動体動作演出がされる。そして、出現した可動部材90321は、発光させられる。
図50(E)に示すように、可動体動作演出により可動部材90321が出現して起立位置に移動したときには、可動部材90321の周囲で、重畳表示する炎エフェクト画像9073の炎が大きくなって炎エフェクト画像9073の表示範囲が拡大するような表示態様を示す動画像が表示される。その動画像は、可動部材90321の動作に基づく演出効果を高めるために炎エフェクト画像9073を用いて実行される演出であり、図49の場合と同様に、動作効果演出と呼ばれる。このような動作効果演出により、可動部材90321の動作態様と、炎エフェクト画像9073の表示態様とが関連した演出が実行されることとなる。このような演出が実行されることにより、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出をすることができる。
そして、図50(F)のように、小図柄形式で表示されていた演出図柄において大当り表示結果(同一図柄停止)が導出表示され、「おめでとうございます」という文字が示されたメッセージ画像55が、リーチ状態の結果を示す演出であるリーチ結果演出として画面中央部に表示される。これにより、ストーリーリーチ演出が完結したことが報知される。その後、図50(G)のように、小図柄形式で大当り表示結果が表示されていた演出図柄が、図50(A)のような元の大きさと元の位置に復帰して表示され、「大当り」という文字が示されたメッセージ画像74が演出図柄の下方に表示される停止図柄演出が行なわれる。
ストーリーリーチ演出においては、バトルリーチ演出と同様にエフェクト画像を表示するが、バトルリーチ演出とは異なり、演出表示装置905の表示領域全体を黒画像とし、その黒画像上にエフェクト画像を重畳表示することにより、エフェクト画像をより一層強調して表示することができ、バトルリーチ演出よりも演出効果が高い画像表示を実行することができる。これにより、バトルリーチ演出よりも大当りへの期待度が高く設定されたストーリーリーチ演出の貴重感(プレミア感)を高めることができる。
一方、ストーリーリーチ演出において、変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、前述したストーリー未完結演出が実行され、小図柄形式で表示されていた演出図柄においてはずれ表示結果が導出表示され、その演出図柄が、元の大きさと元の位置に復帰して表示されることとなる。
なお、可動部材90321は、円盤状の部分が、演出制御用CPU90120により駆動制御されるモータ等の駆動手段により回転動作させることが可能に構成されてもよい。そのように可動部材90321の円盤状の部分を回転制御可能な構成とする場合には、図49(E)または図50(E)のように、可動部材90321が起立位置に動作して演出表示装置905の表示領域の前方に、出現するとき、または、出現したときに、円盤状の部分を回転させる制御をしてもよい。その場合には、可動部材90321の回転動作に合せて、図49(E)の粒子エフェクト画像9071および図50(E)の炎エフェクト画像9073のようなエフェクト画像を動作させる画像を演出表示装置905において表示する演出制御を実行してもよい。そのようにすれば、可動部材90321とエフェクト画像とを用いたことにより得られる演出効果をより高めることができる。
また、可動部材90321は、回転動作に限らず、その構成部材の一部または全部が、演出制御用CPU90120により駆動制御されるソレノイド等の駆動手段により、開閉または収縮する等の変形動作をする構成の可動部材としてもよく、そのような構成とする場合には、特定の演出場面において、演出表示装置905の表示領域の前に位置した可動部材の変形動作に合せて、演出表示装置905に表示するエフェクト画像を動作させる画像を表示する演出制御を実行してもよい。
次に、バトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のような特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例をタイミングチャートを用いて説明する。
図51は、特定のスーパーリーチ演出におけるエフェクト演出と可動体演出との制御例を示すタイミングチャートである。図51(A)には、図49に示すようなバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。図51(B)には、図50に示すようなストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例が示されている。
まず、図51(A)を参照して、演出制御用CPU90120により実行されるバトルリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。バトルリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図49(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置905において実行される。
演出表示装置905においては、リーチ状態が発生すると、図49(B),(C)に示すように、メッセージ画像9053が表示されるとともに、バトルリーチ演出に対応する対戦演出等の動画像が表示される。演出表示装置905において図49(D),(E)に示すような、対戦演出の画像表示から勝利演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図49(D),(E)に示すような対戦演出画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像を演出表示装置905において表示する粒子エフェクト演出と、可動部材90321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置905において図49(E),(F)に示すような、可動部材90321が起立位置に移動するとともに、勝利演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、バトルリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなバトルリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図49(E)に示すような勝利演出の画像上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置905において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置905において図49(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置905において図49(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像9072上に粒子エフェクト画像9071を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、バトルリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材90321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
次に、図50(B)を参照して、演出制御用CPU90120により実行されるストーリーリーチ演出でのエフェクト演出と可動体演出との制御例を説明する。ストーリーリーチ演出が実行されるときには、演出図柄(特別図柄)の変動表示の開始時からリーチ状態の発生時までの間に、図50(A)に示すような通常変動表示の演出態様で演出図柄の変動表示が演出表示装置905において実行される。
演出表示装置905においては、リーチ状態が発生すると、図50(B),(C)に示すように、メッセージ画像9054A,9054Bが表示されるとともに、ストーリーリーチ演出に対応するストーリー動画像等の動画像が表示される。演出表示装置905において図50(D),(E)に示すような、ストーリー演出の画像表示からストーリー完結演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第1回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第1回目の映像の変化の節目となるタイミング(第1映像変化節目)においては、図50(D),(E)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像を演出表示装置905において表示する炎エフェクト演出と、可動部材90321を動作させる可動体動作演出とが連携する態様で実行される。
演出表示装置905において図50(E),(F)に示すような、可動部材90321が起立位置に移動するとともに、ストーリー完結演出の画像表示からリーチ結果演出の画像表示に変化するタイミングは、ストーリーリーチ演出に関する映像の第2回目の変化の節目(映像カットの切れ目)となる時期である。このようなストーリーリーチ演出に関する第2回目の映像の変化の節目となるタイミング(第2映像変化節目)においては、図50(E)に示すような黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示する画像等の動作効果演出が演出表示装置905において実行される。
そして、動作効果演出および可動体動作演出が終了すると、演出表示装置905において図50(F)に示すようなリーチ結果演出の画像表示が実行されることにより、リーチ結果が報知される。その後、リーチ結果演出が終了すると、演出表示装置905において図50(G)に示すような停止図柄演出が実行されることにより、演出図柄の停止図柄が確定する表示が行なわれるとともに、変動表示が終了する。
このように、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、黒画像9072上に炎エフェクト画像9073を重畳表示するような演出効果表示が実行される。さらに、ストーリーリーチ演出においては、リーチ演出に関する映像の変化の節目となるタイミングにおいて、可動部材90321のような可動体演出と演出効果表示とを連携させた演出が実行される。
図49,図51(A)に示すバトルリーチ演出、および、図50,図51(B)に示すストーリーリーチ演出は、具体的に、演出制御用CPU90120において、次のような処理が実行されることにより実現される。
変動パターン指定コマンドとして、スーパーリーチの変動パターン指定コマンドのうち、バトルリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターン指定コマンドが演出制御基板9012において受信されると、演出制御用CPU90120は、可変表示開始設定処理(S90171)において、図49および図51(A)に示すような、バトルリーチ演出をする演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM90122に設定(記憶)する。バトルリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターン指定コマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU90120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動表示を開始し、可変表示中演出処理(S90172)において、バトルリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行ない、図49および図51(A)に示すようなバトルリーチ演出を実行する。
変動パターン指定コマンドとして、スーパーリーチの変動パターン指定コマンドのうち、ストーリーリーチ演出を実行する種類のスーパーリーチの変動パターンが指定された変動パターン指定コマンドが演出制御基板9012において受信されると、演出制御用CPU90120は、可変表示開始設定処理(S90171)において、図50および図51(B)に示すような、ストーリーリーチ演出をする演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行なうための演出制御データ(プロセスデータ等)を、予め記憶された複数種類の演出制御データから選択して、RAM90122に設定(記憶)する。ストーリーリーチ演出は、変動表示結果が大当り表示結果となるときと、はずれ表示結果となるときとで一部が異なるため、変動表示結果が特定可能な変動パターン指定コマンドまたは表示結果指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU90120が、受信したコマンド内容を解析することにより、変動表示結果を認識し、変動表示結果に応じた演出制御データを選択する。そして、演出制御用CPU90120は、演出図柄の変動表示を開始し、可変表示中演出処理(S90172)において、ストーリーリーチ演出を実行するために設定した演出制御データを用いて、可動体演出処理および演出効果表示処理等を実行することにより、演出表示装置905の画像表示制御および可動部材90321の動作制御を行ない、図50および図51(B)に示すようなストーリーリーチ演出を実行する。
図49および図51(A)に示すバトルリーチ演出と、図50および図51(B)に示すストーリーリーチ演出とのように、複数種類の演出表示において、可動体演出が実行可能であるときに、いずれの種類の演出表示が行なわれるかに応じて、エフェクト画像を黒画像上に重畳表示する態様の演出効果表示と、エフェクト画像を演出画像上に重畳表示する態様の演出効果表示というような、異なる態様の演出効果表示が表示可能であるので、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることができる。
また、図49(E)および図51(A)に示すように、可動部材90321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるバトルリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図49(D),(E)の粒子エフェクト画像9071のような特定態様の演出効果表示を、勝利演出画像の表示のような特定種類の演出表示に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される特定種類の演出表示と演出表示装置905のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となり、特定種類の演出表示による可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果をより一層高めることができる。
また、図50(E)および図51(B)に示すように、可動部材90321のような可動体を動作させる可動体演出が実行されるストーリーリーチ演出のような特定種類の演出表示が実行されるときに、図50(D),(E)の炎エフェクト画像9073のような特定態様の演出効果表示を、黒画像9072のような演出表示装置905の全表示領域で表示された所定画像に重畳表示する演出が実行可能であるので、可動体演出が実行される所定種類の所定演出と演出表示装置905のような表示手段での演出効果表示とを連携させることが可能となることに加えて、可動体演出を強調して遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、スーパーリーチ以外のリーチ演出において実行してもよく、リーチ演出以外の演出において実行してもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出は、演出に関する映像の変化の節目となるタイミングで実行する例を示したが、これに限らず、演出の実行開始時から所定時間経過後のタイミング等の演出に関する映像の変化の節目となるタイミング以外のタイミングで実行するようにしてもよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出における演出効果表示として、粒子エフェクト画像と、炎エフェクト画像とを一例として説明したが、これに限らず、当該演出効果表示としては、光が放射する態様のエフェクト画像等のその他の種類の演出効果表示を用いてもよい。
また、図49および図50に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出との2種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とした例を示したが、これに限らず、3種類以上の複数種類の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能としてもよい。
また、図49および図50に示すように、バトルリーチ演出とストーリーリーチ演出とのような複数の演出表示のうち、いずれの演出表示が行なわれるかに応じて、異なる態様の演出効果表示を表示可能とするときに、黒画像9072を表示するか否かにより演出効果表示の態様を異ならせた例を示した。しかし、これに限らず、演出効果表示の態様を異ならせる例としては、どの種類の演出表示も黒画像を表示するが、エフェクト画像のような演出効果表示の種類が異なるようにしてもよい。その場合における演出効果表示の種類が異なるとは、演出効果表示の画像の形状、色、表示範囲、輝度等の演出効果表示の構成要素のいずれかが異なるものであればよい。
また、前述したバトルリーチ演出およびストーリーリーチ演出のように可動体と演出効果表示とを連携(連係)させる演出としては、図49および図50に示すような演出効果表示の画像を先に表示した後に可動体を動作させる演出に限らず、演出効果表示の画像表示と可動体の動作とを同じタイミングで実行する演出を用いてもよく、可動体を先に動作させた後に演出効果表示の画像を表示する演出を用いてもよい。
また、前述したストーリーリーチ演出のように黒画像9072を用いる演出としては、演出表示装置905の表示領域全体に黒画像9072を表示する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、エフェクト画像を表示する領域等の演出表示装置905における一部の表示領域に黒画像9072を表示する制御をしてもよい。
また、前述した可動部材のような可動体とエフェクト画像のような演出効果表示とを連携させる演出として、演出表示の状況が異なる複数種類の演出表示がされるときのそれぞれにおいて可動体を動作させる演出をする場合には、可動体を動作させる演出表示の状況に応じて、異なる種類の演出効果表示としてのエフェクト画像表示を可動体の動作に連係させて表示する演出を実行するようにしてもよい。たとえば、次のような演出表示の状況において、異なる種類のエフェクト画像表示を実行するようにしてもよい。(a)演出図柄の変動表示中においてリーチ状態となる前に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(b)擬似連における仮停止時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(c)ノーマルリーチの実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(d)スーパーリーチの演出の実行中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(e)演出内容が発展する発展演出形式のスーパーリーチの実行中における演出の発展時に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(f)大当り表示結果となったことを報知した後に再度抽選演出(たとえば、確変大当りとするか非確変大当りとするかを抽選する演出等)をするときに、可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(g)大当り遊技状態の演出中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。(h)遊技が行なわれていないときに実行される客待ちデモ表示中に可動体を動作させることに対応してエフェクト画像表示を表示するとき。なお、前述したような複数種類の演出表示の状況において実行するエフェクト画像表示のうち、少なくとも2つが異なっていればよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1)上記実施形態による遊技機は、
遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機901等)であって、
複数の電子部品(例えば、駆動機構90201(各種モータ)、ソレノイド、センサ、第2ランプ部90202、第3ランプ部90203、第4ランプ部90204、第5ランプ部90205等)を制御する制御手段(例えば、演出制御用CPU90120、VDP90123A、専用IC等)と、
前記制御手段から出力される制御信号に基づいて、前記電子部品を駆動させるための駆動信号を出力する出力手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)とを備え、
前記出力手段は、制御信号の入力を受けて(例えば、図27の時刻t1)から所定期間(例えば、図27の所定期間T)経過後に駆動信号の出力を停止する停止手段(図27:タイムアウト機能)を含み、
前記制御手段は、制御信号を出力し前記所定期間を越えて前記電子部品を継続して駆動させる場合、該制御信号を出力してから前記所定期間が経過するまでの間(例えば、時刻t1から所定期間Tが経過するまでの間)に、該制御信号を出力する。
上記構成によると、電子部品の動作不具合を回避することができるため、電子部品をより安定して制御することができる。
(2) 遊技機において、
前記出力手段は、前記制御手段から出力されるシリアル信号方式の制御信号を、パラレル信号方式の駆動信号に変換する変換手段(例えば、シリアル・パラレル変換IC9091B〜9095B等)を含む。
上記構成によると、制御手段と出力手段との間の通信配線数を削減することができる。
(3) 遊技機において、
前記停止手段を有効または無効に設定する設定手段(各変換ICのタイムアウト機能を有効または無効に設定するための所定端子、演出制御基板9012等)をさらに備える。
上記構成によると、用途に応じて停止手段の機能を有効または無効に設定変更することができるため、部品共通化によるコスト削減が可能となる。
(4) 遊技機において、
前記制御手段が設けられた第1基板(例えば、演出制御基板9012等)と、
前記出力手段が設けられた第2基板(例えば、第1ランプ基板90210等)とをさらに備え、
前記第1基板および前記第2基板は、配線部材(フレキ、ハーネス等)を介して電気的に接続されている。
上記構成によると、別の基板に配置されているので、配線の不具合(断線又は短絡等)により発生し得る制御異常が発生することを抑制することができる。
(5) 遊技機において、
前記出力手段は、駆動信号としてPWM信号を出力することにより、前記電子部品の駆動を制御する(例えば、駆動信号は、Low信号の回数によってPWM制御され、各LEDの発光輝度はPWM制御による発光期間によって階調制御される。)。
上記構成によると、PWM制御により電力効率を高めることができる。
(6) 遊技機において、
前記出力手段は、
入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、図29(a)に示す通常スルーレート設定の出力状態等)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、図29(b)に示す低スルーレート設定の出力状態等)とのいずれかの出力状態に設定可能であり、
当該出力手段と同一基板内に前記他の出力手段が設けられている場合には、前記第2出力状態に設定されている(例えば、変換IC9092Bおよび変換IC9093Bのように基板内で接続されている場合、変換IC9092Bを低スルーレートの波形を出力するように設定する)。
上記構成によると、同一基板内で出力するときの出力状態が第2出力状態に設定されているので、基板外へのノイズの放射を抑えることができる。
(7) 遊技機において、
前記出力手段は、
入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、図29(a)に示す通常スルーレート設定の出力状態等)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、図29(b)に示す低スルーレート設定の出力状態等)とのいずれかの出力状態に設定可能であり、
当該出力手段が設けられている基板と配線部材を介して接続された他の基板に前記他の出力手段が設けられている場合には、前記第1出力状態に設定されている(例えば、変換IC9094Bおよび変換IC9095Bのように基板外で接続されている場合、変換IC9094Bを通常スルーレートの波形を出力するように設定する)。
上記構成によると、配線部材を介して接続された他の基板に出力するときの出力状態が第1出力状態に設定されているので、制御信号に対する外部からのノイズによる影響を抑えることができる。
(8) 遊技機において、
動作を行う可動部材(例えば、演出ユニット90300等)を更に備え、
前記出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(例えば、図32に示すグループ1〜6に対応する端子Q0〜端子23等)からパラレル通信方式による特定信号を出力し、
前記特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なり(例えば、図32に示すグループ1〜6のPWMクロック信号は、1MHzずつ周期がずれている。)、
前記可動部材を動作させる駆動手段(例えば、駆動機構90201のモータ等)は、前記出力手段の同一グループの前記特定信号出力部(例えば、同じ周期に属するグループの端子(例えば、端子Q0〜Q3))から出力される特定信号にもとづいて駆動される。
上記構成によると、パラレル通信方式による特定信号の出力周期をずらすことで、基板外へのノイズの放射を抑えることができる。
(9) 遊技機において、
前記遊技機は、変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御可能であり、
未だ開始されていない変動表示について、保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部90151A、第2特図保留記憶部90151B、第1始動入賞時受信コマンドバッファ90194A、第2始動入賞時受信コマンドバッファ194B等)と、
前記保留記憶手段が記憶する保留記憶を保留表示(例えば、保留表示等)として表示可能な保留表示手段(例えば、演出表示装置905、RAM90102、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905U等)と、
変動表示の実行中に、当該変動表示に対応する変動対応表示(例えば、アクティブ表示等)を行なうことが可能な変動対応表示手段(例えば、演出制御用CPU90120、図40のS90532等)と、
対象となる保留記憶の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化(例えば、図45の保留表示中変化)と、当該変動表示の実行中に変動対応表示の態様を変化させる変動対応表示態様変化(例えば、図46のアクティブ表示中変化)との少なくともいずれかの表示態様変化を、対象となる保留記憶に対応する保留表示期間および変動表示期間の期間中における複数のタイミングのうちのいずれかのタイミングで実行させることが可能な表示態様変更手段(例えば、演出制御用CPU90120、図40のS90532、図47のアイコン演出設定処理、図38のS90172等)とをさらに備え、
前記表示態様変更手段は、変化対象の表示の種別が、通常表示とは異なる第1特定表示(例えば、図43(A)の文字アイコン表示)と第2特定表示(図43(B)のキャラクタアイコン表示)とのいずれであるかに応じて、前記表示態様変化を実行させるタイミングの選択割合が異なる(図41(B),(C)のように、文字アイコン表示は保留表示中に変化演出実行割合が高く、キャラクタアイコン表示はアクティブ表示中に変化演出実行割合が高い。そして、図41(F)〜(M)のように、変化演出実行時に実際に表示態様が変化する割合が、保留表示中と、アクティブ表示中とで等しい。したがって、文字アイコン表示と、キャラクタアイコン表示とのいずれであるかに応じて、保留表示中とアクティブ表示中とで、アイコンの表示態様が変化する頻度が異なり、保留表示中とアクティブ表示中とのいずれで表示態様を変化させるかを選択する割合が異なる。)。
上記構成によれば、保留表示態様変化と変動対応表示態様変化とについて、変化対象の表示の種別および表示態様変化のタイミングに遊技者を注目させることができ、保留表示の態様の変化について遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 以上、本発明の実施形態について説明したが、パチンコ遊技機901の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(2) アクティブ表示エリアAHAに表示されたアクティブ表示の表示態様が特殊態様であるときに、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれかに対して、保留変化演出を実行してもよく、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれかに特殊態様で表示される保留表示がある場合、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示のいずれか、またはアクティブ表示に対して保留変化演出またはアクティブ表示変化演出を実行してもよい。
(3) 第1系統変化演出または第2系統変化演出のいずれかがアクティブ表示の表示態様におけるアクティブ表示の色を変化させる演出でもよい。この場合、例えば、形状を変化させる第1系統変化演出やアクティブ表示枠の線の太さを変化させる第2系統変化演出の様に、第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905U第1保留表示エリア905D、第2保留表示エリア905Uに表示された保留表示に表示されていた保留表示の色と比べて大当りの期待度が高い色(例えば、青色で表示されていた保留表示の場合には黄色や赤色等の色)の表示態様となるようにアクティブ表示の表示態様における色を変化させればよい。
(4) 例えば、図41におけるアクティブ表示変化演出実行有無決定テーブルによる決定割合の設定例における変動パターン「PA4´−X」のアクティブ表示変化演出の「実行有」と「実行無」と割合の様に、45%(第1系統変化演出15%、第2系統変化演出10%、第1系統変化演出および第2系統変化演出20%の和)対55%の様に「実行有」と「実行無」とのそれぞれに割合が設定されてもよく、図41における変動パターン「PA1´−X」の様に「実行有」と「実行無」との割合が、0%対100%の様に、この実施形態に係る割合とは、複数のうちいずれかが0%として設定されるような割合が設定されてもよい。
(5) 確変制御において、大入賞口内に予め特定領域を設け、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づき、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割当てられたことにより、大入賞口内の特定領域に遊技球が進入しやすい遊技状態に制御し、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、確変状態に制御する遊技機でもよい。
(6) プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行う遊技機(封入式遊技機)にも本発明を適用することができる。
(7) 前述した実施の形態では「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、例えば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値、100%を含む値、0%および100%を含まない値でもよい。
(8) 前述した実施の形態では、確変大当りとして、変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置907における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(9) なお、上述した実施の形態では、演出制御用CPU90120(およびVDP90123A)が制御信号を出力する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、演出制御用CPU90120(およびVDP90123A)とは別に、上述したような制御信号の出力機能を有する専用ICを演出制御基板9012内に設けて、当該専用ICにより出力される構成であってもよい。
(10) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。