以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられている。ガラス扉枠50を閉鎖した状態では、図1に示すようにガラス窓50aを通して遊技領域10が視認可能であり、ガラス扉枠50を開放した状態では、遊技領域10などに遊技店員が接触可能となっている。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の可変表示とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、可変表示結果(変動表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」と、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(例えば飾り図柄:数字などを示す図柄など)が変動表示(例えば上下方向等のスクロール表示や更新表示等)される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
画像表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と画像表示装置5との間には、後述する演出ユニット300が設けられている。
画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、実行が保留されている特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成される。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、画像表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数(つまり、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数)をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、遊技効果ランプ9(演出用LEDなどであってもよい)が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対して遊技者によってなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14(LED制御基板などであってもよい)、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23、満タン検出スイッチ24)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9、演出用モータ308L,308R、下方位置検出スイッチ313L,313R、中間位置検出スイッチ314L,314R、上方位置検出スイッチ315L,315R、演出用ソレノイド318L,318Rといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
画像表示装置5は、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これにより、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、打球発射装置(図示略)によって遊技球が遊技領域10に向けて発射される。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄(例えば「−」などの普図)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄:例えば「7」などの普図)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過すると遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄:例えば「3」、「7」などの特図)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄:例えば「−」などの特図)が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態(例えば、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態)に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
画像表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲーム(第1又は第2特図ゲーム)が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(これも演出の一種である。)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となる(リーチが成立する)ことがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
実施の形態では、可変表示中に上記リーチ状態となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの変動表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、演出図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄(例えば、「3」の大当り図柄)が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄(例えば、「7」の大当り図柄)が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。このような制御は、高ベース制御とも称される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける変動表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
変動表示結果が「ハズレ」となる場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、演出図柄の変動表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示されることや、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に、演出図柄の変動表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定演出図柄が停止表示されることもある。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図3(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
変動パターン指定コマンド81XX(H)は特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定(通知)する演出制御コマンドである。「XX」はEXTデータである。当該コマンドの「XX」には、変動パターン(図6参照、詳しくは後述する)に対応する数値が設定される。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号が「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、演出図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあってもよい。変動パターン指定コマンドは、特図ゲーム開始時(変動開始時)に送信される。
表示結果指定コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否か及び大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する演出制御コマンドである。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。表示結果指定コマンド8CXX(H)の「XX」には、可変表示結果に対応する数値が設定される(例えば、図3(B)に示すように、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」、「確変大当り」なら「02」など)。表示結果指定コマンド8CXX(H)は、特図ゲーム開始時(変動開始時)に送信される。
図柄確定指定コマンド8F00(H)は、第1特図ゲームにおける第1特図の可変表示(変動)又は第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示(変動)の終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する演出制御コマンドである。図柄確定指定コマンドは、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄など)を導出表示することを指定するものでもある。図柄確定指定コマンドは、特図ゲームの終了時(変動終了時)に送信される。
当り開始指定コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定(通知)する演出制御コマンドである。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信設定される。当り終了指定コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定(通知)する演出制御コマンドである。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
第1始動入賞指定コマンドB100(H)は、第1始動入賞口への入賞を指定する演出制御コマンドである。第2始動入賞指定コマンドB200(H)は、第2始動入賞口への入賞を指定する演出制御コマンドである。このコマンドは、始動入賞時に送信される。
デモ表示指定コマンドコマンド9F00(H)は、デモ表示(特図ゲームや大当り遊技状態に制御されていないときなどに表示される客待ちデモンストレーション画面の表示)を指定する演出制御コマンドである。デモ表示指定コマンドは、デモ表示を行う際に送信される。
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104または遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
CPU103は、S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図5は、特別図柄通常処理として、図4のS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(S232)。これにより、第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(S234)。
S231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S235の処理は、S231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
S235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(S236)。これにより、S209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(S237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、S237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(S238)。
S234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(S239)。一例として、S239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、S232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。
確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、S239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(S240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(S242)。一例として、S242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「確変」と「非確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
S242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(S243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」ではない場合には(S240;No)、S243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(S246)。一例として、S240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、S240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。また、このとき、決定した今回の可変表示結果(「ハズレ」、「確変」の「大当り」、「非確変」の「大当り」のいずれか)もRAM102の所定領域に格納される。当該可変表示結果は、次の特図ゲームが実行されるまで、RAM102の所定領域に保持される(バックアップデータとしても保持され、電源復旧時コマンドの送信時などで使用される。)。
S246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(S247)、特別図柄通常処理を終了する。S247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すS111の変動パターン設定処理が実行される。
S235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(S248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(デモ表示指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4に戻り、S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、演出図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
実施の形態では、図6に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
S114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
ここで、演出ユニット300について、図8〜図14を用いて説明する。演出ユニット300は、可動体302が自重により落下可能に構成され、例えば、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)のリーチ演出として、例えば原点位置である第1位置(上方位置)にある可動体302が自重により第2位置(下方位置)に落下する可動体動作演出が実行可能となっている。図8は、(A)は可動体302が第1位置にある演出ユニット300を示す正面図、(B)は可動体302が第2位置にある演出ユニット300を示す正面図である。図9は、演出ユニット300を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。図10は、演出ユニット300を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図11は、(A)は図8のA−A断面図、(B)はB−B断面図である。図12は、(A)は可動体302が第2位置にある演出ユニット300を示す正面図、(B)は可動体302が第2位置にある演出ユニット300を示す背面図である。図13は、(A)は図12のC拡大図、(B)は図12のD拡大図である。図14は、(A)は図13(B)のE−E断面図、(B)は図13(B)のF−F断面図である。
図8〜図10に示すように、演出ユニット300は、遊技盤2と該遊技盤2の背面側に設けられる画像表示装置5との間に設けられ、正面視略下向きコ字形に形成されるベース部301と、該ベース部301の上部の第1位置(図8(A)参照)と該第1位置よりも下方の第2位置(図8(B)参照)とに移動可能な可動体302と、該可動体302の移動を案内する第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319と、を有する。
ベース部301は、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cにより下向き略コ字形に形成され、各上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cが画像表示装置5の表示画面の各辺に沿うように配設され、上辺部301a、左側辺部301b及び右側辺部301cの間から画像表示装置5の表示画面を視認できるようになっている(図1参照)。
図9及び図10に示されるように、ベース部301の左側辺部301b及び右側辺部301cの前面には、後述する第1可動部302Aを上下方向に案内する第1案内手段303L,303Rが設けられている。第1案内手段303L,303Rは、上下方向に延びる案内軸306L,306Rと、左側辺部301b及び右側辺部301cに対し案内軸306L,306Rを前面側から挟み込むように固定されるカバー部材307L,307Rと、から主に構成される。
案内軸306L,306Rは、図10に示すように、左側辺部301b及び右側辺部301cの前面上部に固定される上軸受部304L,304Rと、カバー部材307L,307Rの後面下部に設けられる下軸受部305L,305Rと、により、軸心周りに回転可能に軸支されている。案内軸306L,306Rの周面には、凹状の溝部321が螺旋状に形成されている。
また、図16及び図17の右図に示すように、案内軸306L,306Rの上端には、従動ギヤ339が固着されており、案内軸306L,306Rの上方(上軸受部304L,304R)には、演出用モータ308L,308Rが固定されている。演出用モータ308L,308Rは、駆動軸337が下方に突出するように設けられており、該駆動軸337の先端に固着された駆動ギヤ338は案内軸306L,306Rの従動ギヤ339に噛合されている。よって、演出用モータ308L,308Rを駆動させることにより案内軸306L,306Rが軸心周りに回転する。
図9及び図10に戻って、案内軸306L,306Rには、第1可動部302Aから左右方向に延びるアーム309L,309Rと、アーム309L,309Rの下方に配置され可動体302を第2位置(下方位置)から第1位置(上方位置:原点位置)に上昇移動させる駆動体310L,310Rと、が昇降可能に取付けられている。なお、案内軸306L,306Rに対するアーム309L,309R及び駆動体310L,310Rの取付形態については、後段にて説明する。
また、カバー部材307L,307Rには、駆動体310L,310R及び第1可動部302Aの上下方向の移動を案内する凹溝312L,312Rが設けられている。この凹溝312L,312Rには、駆動体310L,310Rの前面側に延びる規制片311L,311Rと、第1可動部302Aのアーム309L,309Rの前面側に延びる規制片317L,317Rと、が挿入されており、これにより駆動体310L,310R及び第1可動部302Aの上下方向の移動が案内される(図13(A)及び図14(A)、(B)参照)。
また、凹溝312L,312Rには、凹溝312L,312Rの上方位置にてアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出する上方位置検出スイッチ315L,315Rと、凹溝312L,312Rの中間位置にて駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rを検出する中間位置検出スイッチ314L,314R(図9参照)と、凹溝312L,312Rの下方位置にて駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rを検出する下方位置検出スイッチ313L,313Rが設けられている(図15〜図17参照)。
さらに、カバー部材307L,307Rには、可動体302を上辺部301aと前後方向に重畳する位置(第1位置)に保持するための演出用ソレノイド318L,318Rが設けられている。
演出用ソレノイド318L,318Rは、図16及び図17の右図に示すように、前後に進退可能な係止部材318aを備えている。演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、係止部材318aが案内軸306L,306R側に突出するようになっている。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオフの状態時には、第1可動部302Aを係止部材318aに係止させて可動体302を第1位置に保持できる。また、図16(B)に示すように、演出用ソレノイド318Lがオンの状態時には、係止部材318aが案内軸306L,306R側から退避するようになっている。つまり、演出用ソレノイド318L,318Rがオンの状態時には、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態を解いて可動体302を第2位置に落下させることができる。
図8〜図10に示すように、ベース部301の上辺部301aには、第2可動部302Bの第1位置及び第2位置間の移動を案内する第2案内手段319が設けられている。この第2案内手段319は、左右側方に離間して配置されるガイド部324L,324Rと、ガイド部324L,324R同士を連結する連結板材341と、連結板材341に取付けられる後述する第3装飾部材320と、から主に構成されている。このガイド部324L,324R及び連結板材341は、透光性を有する透光部材により一体に形成されている。
また、第3装飾部材320は、主に非透光性部材により構成され、その一部に透光性を有する透光部320aが形成されている。また、ベース部301の上辺部301aには、前面に複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられており、演出用LEDからの光は、連結板材341及び透光部320aを介して前方側に出射可能とされている。
図11に示すように、ガイド部324Lの左側方には、凹状に形成されたガイド溝330が形成されており、ガイド溝330は、上下方向(案内軸306L,306Rと略平行)に延びる垂直部327と、垂直部327の上端から後方に湾曲しながら斜め上方向(正面側から見て奥側上方)に延びる湾曲部328と、湾曲部328の後端から屈曲して後下方向(湾曲部328に対して斜め下方向)に延びる屈曲部329と、の形状を有する。なお、ガイド部324Lとガイド部324Rとは同一構成であるため、ここでは、ガイド部324Lのみ説明し、ガイド部324Rの説明を省略する。さらに、図11においては、説明の便宜上カバー部材307Rの構成を省略している。
図8〜図10に示すように、可動体302は、第1可動部302Aと、該第1可動部302Aに連結される第2可動部302Bと、から構成されている。第1可動部302Aは、第1装飾部材322と、該第1装飾部材322の左右側方に配置され第1可動部302Aを案内軸306L,306Rに対し上下方向に移動可能に支持するアーム309L,309Rと、から主に構成されている。アーム309L,309Rには、上下方向に貫通する貫通孔331L,331Rが形成されており(図14(B)参照)、該貫通孔331L,331Rには案内軸306L,306Rが挿入される。当該貫通孔331L,331Rの内径は、案内軸306L,306Rの外径よりも大寸とされている。なお、アーム309L,309Rの後面側の一部は、ハニカム状に肉抜きされており、これによりアーム309L,309Rの強度が保持されながらも軽量化される。
また、アーム309L,309Rの前面には、前述した規制片317L,317Rが突設されており、該規制片317L,317Rは、凹溝312L,312R内にそれぞれ挿入されている(図13及び図14(B)参照)。これにより、後述するように左右の案内軸306L,306Rが回転したときに、アーム309L,309Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制され、案内軸306L,306Rが回転することにより第1可動部302Aが微動したり、捩れが生じて上昇しにくくなること等が防止される。つまり、第1可動部302Aは、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する間は姿勢(遊技者から視認可能な状態)を維持する。
なお、図示しないが、凹溝312L,312Rにおける左右方向の幅寸法から規制片317L,317Rの左右方向の板厚を差し引いた差寸法は、アーム309L,309Rにおける貫通孔331L,331Rの内径と案内軸306L,306Rの外径との差寸法よりも小さく設定されている。言い換えると、左右方向における凹溝312L,312Rと規制片317L,317Rとの間の遊び寸法は、貫通孔331L,331Rと案内軸306L,306Rとの間の遊び寸法よりも小さく設定されている。
このようにすることで、案内軸306L,306Rによりアーム309L,309Rが上下に移動案内されるときに、案内軸306L,306Rの外周に形成された溝部321にアーム309L,309Rにおける貫通孔331L,331Rの開口縁等が引っ掛かりにくく(噛みにくく)して第1可動部302Aの上下動が阻害されることを回避しつつ、アーム309L,309Rの回転を規制することができる。
また、第1装飾部材322は、主に非透光性部材により構成され、その一部が透光部322aにより構成されているとともに、その背面には、複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられている。これにより演出用LEDからの光が透光部322aを通して前方に出射可能とされている。
また、図11に示すように、第2可動部302Bは、第2装飾部材323と、該第2装飾部材323の一方端側の左右に配置される第1アーム部325L,325Rと、該第2装飾部材323の他方端側の左右に配置される第2アーム部326L,326Rと、から主に構成されている。
第1アーム部325L,325Rは、第2可動部302Bを第2案内手段319におけるガイド部324L,324Rに対し移動可能に支持する。詳しくは、第1アーム部325L,325Rの先端には、ガイドローラ340L,340Rが設けられており、ガイドローラ340L,340Rは、第2案内手段319におけるガイド溝330,330に挿入されており、ガイド溝330,330に沿って移動可能となっている。
また、第2アーム部326L,326Rは、第1可動部302Aに対して回動可能に軸支されており、これにより、第1可動部302Aと第2可動部302Bとが、屈曲する屈曲動作(図11(A)の状態)と、延伸する延伸動作(図11(B)の状態)と、を行うことが可能となっている。換言すれば、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において、第1可動部302Aに対し奥側に傾倒する第1状態となり、可動体302が第2位置にある状態において、第1可動部302Aに対し並設される第2状態となる。
また、第1可動部302Aの第1装飾部材322は、正面視において第2可動部302Bの第2装飾部材323よりも大きく形成されている。さらに、第1可動部302Aの重量は、第2可動部302Bの重量よりも大きくなっている。
また、第2装飾部材323は、主に非透光性部材により構成され、その一部が透光部323aにより構成されているとともに、その背面には、複数の演出用LEDが設けられたLED基板(図示略)が取付けられている。これにより演出用LEDからの光が透光部323aを通して前方に出射可能とされている(図8(B)及び図9参照)。
図12、図13(B)及び図14に示すように、案内軸306L,306Rには、第1可動部302A及び第2可動部302Bそれぞれを上方に移動させる駆動体310L,310Rが上下方向に移動可能に設けられる。
詳しくは、図14に示すように、略直方体をなす駆動体310L,310Rには、上下方向に貫通する貫通孔332L,332Rが形成されており、該貫通孔332L,332Rには案内軸306L,306Rが挿入される。貫通孔332L,332Rは、案内軸306L,306Rの外径よりも若干大寸に設けられているとともに、貫通孔332L,332Rの内周面には、係合部333が突設されており、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に嵌合されている。図14(B)に示すように、係合部333の上下幅L3は、溝部321の上下幅L4よりも小さく形成されているため、係合部333が溝部321内に嵌合された際には、上下方向に隙間(遊び)が形成される。なお、貫通孔332L,332Rは、案内軸306L,306Rの外径よりも大寸に設けられているため、駆動体310L,310Rは、案内軸306L,306Rに対して若干傾斜できるようになっている。
また、前述のように、駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rは、凹溝312L,312R内に挿入されているため、左右の案内軸306L,306Rが回転したときには、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rを中心として回転することが規制される。
そして、係合部333が案内軸306L,306Rの溝部321に嵌合されていることで、案内軸306L,306Rが第1方向に回転すると駆動体310L,310Rが上昇し、案内軸306L,306Rが第1方向とは逆の第2方向に回転すると駆動体310L,310Rが下降するようになっている(図17参照)。さらに、係合部333は、案内軸306L,306Rの溝部321内に遊びを持って嵌合されているため、案内軸306L,306Rの回転時における係合部333と溝部321との摩擦が少なく、駆動体310L,310Rが昇降移動しやすくなっている。
また、図13(B)に示すように、駆動体310L,310Rの上部には、第1弾性部材334L,334Rが設けられている。また、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにおける上部には、第2弾性部材335L,335Rが設けられている。
第1弾性部材334L,334R及び第2弾性部材335L,335Rは、合成樹脂により構成されており、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されている。具体的には、第1弾性部材334L,334Rは、衝撃を熱エネルギーへ変換し消失させる特性を有するゴム素材の合成樹脂であり、第2弾性部材335L,335Rは、衝撃を波動に変換し吸収する特性を有するゲル状のシリコーン素材の合成樹脂であり、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも衝撃吸収率が高い。
次に、第1可動部302Aと第2可動部302Bの移動態様について、図15〜図19に基づいて説明する。図15は、(A)は第1位置にある可動体の状態を示す説明図、(B)は、第3位置にある可動体の状態を示す説明図、(C)は第2位置にある可動体の状態を示す説明図である。図16は、(A)は第1位置にあるときの可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図、(B)は、(A)の状態から第2位置に落下した可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図である。図17は、(A)は第2位置から第1位置に戻す動作の初期の可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図、(B)は第2位置から第1位置に戻す動作の後期の可動体の状態及び演出用ソレノイドの状態を示す説明図である。図18は、第2可動部が略水平を向く状態から第2位置に移動する状態を示す説明図である。図19は、(A)は第2位置において可動体の落下に伴う衝撃が第1弾性部材に伝わっていない状態を示す説明図、(B)は(A)可動体の落下に伴う衝撃が第1弾性部材に伝わった状態を示す説明図である。
図15(A)及び図16(A)に示されるように、駆動初期状態では、可動体302は、演出用ソレノイド318L,318Rにより第1可動部302Aが係止され、第1位置にて保持されている。このとき、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rは、第2案内手段319におけるガイド溝330,330の屈曲部329にそれぞれ挿入されており、これにより、第2可動部302Bは、その第1アーム部325L,325R側が第2アーム部326L,326R側よりも奥側下方側に落ち込み、第1可動部302Aに対し鋭角を成すように傾倒している(第1状態、図11(A)参照)。具体的には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとで成す内角が鋭角となっている。また、駆動体310L,310Rは、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rの上部に固定された第2弾性部材335L,335Rに載置される駆動待機位置に配置されている。
前述のように、第1可動部302Aの第1装飾部材322は、正面視において第2可動部302Bの第2装飾部材323よりも大きく形成されているため、可動体302が第1位置にあるときには、第1可動部302Aの第1装飾部材322により第2可動部302Bの第2装飾部材323が被覆され、第2可動部302Bの第2装飾部材323が正面側から視認不能となる。また、第2可動部302Bが第1可動部302Aに対し鋭角を成すように傾倒しているため、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において遊技者から極めて視認困難となっており、遊技者からは第1可動部302Aのみ視認可能となる。
また、このとき、凹溝312L,312Rに設けられた上方位置検出スイッチ315L,315Rは、アーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出しているとともに、下方位置検出スイッチ313L,313Rは、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rを検出している。これら上方位置検出スイッチ315L,315R及び下方位置検出スイッチ313L,313Rからの検出信号により、演出制御用CPU120は、可動体302が第1位置に保持され、かつ、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に配置されていると判定する。
ここで、演出制御用CPU120は、所定条件が成立したこと(例えば、スーパーリーチBのリーチ演出における可動体動作演出の実行中において落下タイミングとなったこと等)に基づいて、演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態とする。これにより、係止部材318aが前側へ退避され、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態が解除される(図16(B)の右図参照)。このように、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態が解除されると、先ず、第1可動部302Aがその自重により落下する。
詳しくは、図15(B)及び図18に示されるように、第1可動部302Aが落下すると、第2アーム部326L,326Rが引っ張られ、第2可動部302Bが第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rを中心として前側に傾くように回動する。第2可動部302Bが略水平方向を向いた際には、第1可動部302Aにより第2可動部302Bがほとんど被覆されており、第2可動部302Bが正面側から視認し難い。
また、図18に示されるように、第1可動部302Aがさらに下方に落下することにより、第2可動部302Bの第2アーム部326L,326Rがさらに下方に引っ張られ、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rが屈曲部329を乗り上げる。つまり、第2可動部302Bは、第2アーム部326L,326Rが鉛直下方向に移動するとともに、第1アーム部325L,325Rが斜め前方向に移動するため、第2可動部302Bが遊技者側に迫りながら急激に出現する(視認可能となる)。なお、可動体302が落下すると所定時間後に演出用ソレノイド318Lがオフの状態となり、係止部材318aが案内軸306L側に突出するようになる。
次いで、図15(C)及び図16(B)に示すように、第2可動部302Bの第1アーム部325L,325Rが湾曲部328及び垂直部327にガイドされながら第1可動部302Aと共に(一緒に)落下する。詳しくは、可動体302は、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態で第2位置に移動する。
第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態にあっては、第2可動部302Bの第2装飾部材323における第1可動部302Aの第1装飾部材322側の端縁は、第1可動部302Aの第1装飾部材322における第2可動部302Bの第2装飾部材323の端縁よりも後方側に配置され、前後方向に若干重畳している。また、可動体302が第2位置にあるとき(延伸動作時)には、第2案内手段319に取付けられた第3装飾部材320が、正面側から見て第1可動部302Aの第1装飾部材322及び第2可動部302Bの第2装飾部材323に連なり、第1装飾部材322、第2装飾部材323、第3装飾部材320により一の装飾部を形成できる。
また、前述のように、第1可動部302Aの重量は、第2可動部302Bの重量よりも大きくなっているため、可動体302を第1位置に保持する演出用ソレノイド318L,318Rが退避して第1可動部302Aが落下した際には、第1可動部302Aの重量により第2可動部302Bを追従させて落下させることができ、可動体302の落下動作をスムーズに行うことができる。
図19に示すように、可動体302が第2位置に落下した際には、駆動体310L,310Rにより可動体302の第1位置と反対側(下方側)への移動が規制されるとともに、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにより駆動体310L,310Rの可動体302の第1位置と反対側(下方側)への移動が規制される。
詳しくは、先ず、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが駆動体310L,310Rの上部に設けられた第1弾性部材334L,334Rに衝突し、これにより可動体302の下方側への移動が規制される。この第1弾性部材334L,334Rは、可動体302が落下した際において当該可動体302と駆動体310L,310Rとの間に生じる衝撃を緩和する。このとき、第1可動部302Aのアーム309L,309Rは、駆動体310L,310Rに直接的に当接しない。
また、可動体302が第2位置に落下した際に生じる衝撃は、第1弾性部材334L,334Rにより緩和されながらも駆動体310L,310Rに伝わる。前述したように、駆動体310L,310Rの各係合部333は、案内軸306L,306Rの各溝部321内に上下方向に遊びを持って嵌合されているため、可動体302が第2位置に落下した際の衝撃が駆動体310L,310Rに伝わると該駆動体310L,310Rが下方側へ移動する。このときには、駆動体310L,310Rの下方に配置される第2弾性部材335L,335Rを介してカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにより駆動体310L,310Rの下方への移動が規制される。つまり、第2弾性部材335L,335Rは、可動体302が落下した際において駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に生じる衝撃を緩和するようになっている。このとき駆動体310L,310Rは、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに直接的に当接しない。
また、図19(B)に示すように、可動体302が第2位置に落下した際には、図19(A)に示す可動体302(アーム309L,309R)が第1弾性部材334L,334Rの上面に当接した状態(可動体302の落下に伴う衝撃が第1弾性部材334L,334Rに伝わっていない状態)に比べ、第2弾性部材335L,335Rの上面が寸法L1分低くなっているとともに、第1弾性部材334L,334Rの上面が寸法L2分低くなっている。この寸法L1は、第2弾性部材335L,335Rの変形量であり、寸法L2は、第2弾性部材335L,335Rの変形量と第1弾性部材334L,334Rの変形量の和である。
前述のように、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されているため、第2弾性部材335L,335Rの変形量(L1)は、第1弾性部材334L,334Rの変形量(L2−L1)よりも小さくなっている。したがって、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rに対して若干傾斜した際等には、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に第1弾性部材334L,334Rを用いるよりも駆動体310L,310Rの傾斜を小さくできる。そのため、駆動体310L,310Rの傾斜により駆動体310L,310Rの各係合部333と案内軸306L,306Rの各溝部321とにかかる負荷を効果的に低減することができる。
次いで、図17(A)に示すように、可動体302を第1位置へ戻す場合、演出制御用CPU120は、演出用モータ308L,308Rにより案内軸306L,306Rを第1方向に回転させ、駆動体310L,310Rを上昇させる。これにより、駆動体310L,310Rの上部に載置されていた第1可動部302A及び第2可動部302Bが上方へ移動する。
そして、図17(B)に示すように、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが係止部材318aを前方へ押し込んで上方へ移動する。アーム309L,309Rが係止部材318aよりも上方に移動すると、図示しない圧縮バネの付勢力により係止部材318aが後方に突出し、アーム309L,309Rが係止部材318aに係止され、これにより、可動体302が第1位置に保持される。可動体302が第1位置に保持されると、アーム309L,309Rの規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315Rにより検出され、演出制御用CPU120は、規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315Rにより検出されたことに基づいて、可動体302が第1位置に保持されたとして、演出用モータ308L,308Rの第1方向への回転を停止させるとともに、第2方向へ逆回転させ、駆動体310L,310Rを下方へ移動させる。その後、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rが下方位置検出スイッチ313L,313Rにより検出されたことに基づき、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に戻ったとして、演出用モータ308L,308Rをオフ状態として案内軸306L,306Rの回転を停止させる。
図示しないが、凹溝312L,312Rの中間位置には、中間位置検出スイッチ314L,314Rが設けられており、駆動体310L,310Rの規制片311L,311Rを検出可能であるため、演出制御用CPU120は、中間位置検出スイッチ314L,314Rが規制片311L,311Rを検出したことに基づいて、駆動体310L,310Rを凹溝312L,312Rの中間位置にて停止させることができる。これによれば、例えば、画像表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときにリーチ演出や予告演出として可動体302を第1位置と第2位置との間の第3位置(途中位置)に落下させて停止させること等を行うことができ、可動体302により演出性を向上させることができる。
演出制御用CPU120は、可動体動作演出の実行を決定したとき、可動体302を第2位置まで落下させる演出パターンまたは第3位置まで落下させる演出パターンのいずれかを決定し、決定した演出パターンに基づいて可動体動作演出を実行するようにしてもよい。具体的には、可動体302を落下させる可動体動作演出が、例えば、スーパーリーチBのリーチ演出として行われる場合等において、変動表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用CPU120は、可動体302を第2位置(下方位置)まで落下させる演出パターンを、第3位置(途中位置)まで落下させる演出パターンよりも高い割合で決定するようにし、可動体302が第2位置まで落下したときの大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
また、可動体302を第3位置に落下させて停止させた場合であっても、可動体302落下時に駆動体310L,310Rにかかる衝撃を第1弾性部材334L,334Rにより緩和することができる。本実施の形態では、第3位置は、可動体302が落下された場合に第2可動部302Bが略水平方向を向いた状態(図15(B)参照)となる位置に設定されているが、これに限られず、演出を効果的に行える位置に適宜設定すればよい。
また、可動体302の停止位置は複数設定されていてもよい。
また、可動体302を落下させる可動体動作演出が、例えば、画像表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときに予告演出として行われるようにしてもよい。この予告演出として行われる場合等において、変動表示結果が大当り表示結果となる場合、演出制御用CPU120は、可動体302を第2位置まで落下させる演出パターンを、第3位置まで落下させる演出パターンよりも高い割合で決定するようにし、可動体302が第2位置まで落下したときの大当り期待度が高くなるようにしてもよい。このように、可動体302の落下位置により大当り期待度が異なるようにすることで、可動体302の落下位置に注目させることができる。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
また、このように第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下する可動体動作演出が、例えば、画像表示装置5において演出図柄の変動表示が実行されているときにリーチ演出や予告演出として行われる場合等にあっては、第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下する前において、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが表示画面右下に縮小表示されるとともに、第1可動部302A及び第2可動部302Bの落下を示唆するエフェクト画像が表示される。このような表示内容は演出の種別等に応じて種々に変更可能である。
可動体302が落下する可動体動作演出の実行タイミングとしては、変動中予告、疑似連演出、スーパーリーチへの発展、大当り確定演出、確率変動への昇格演出等といった複数の実行タイミングで実行可能である。また、これら複数の実行タイミングごとに、落下位置、演出用LED9の発光態様、演出効果音の出力態様といった種々の演出制御が異なるようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、上記のように所定条件(例えば、スーパーリーチBのリーチ演出における可動体動作演出の実行中において落下タイミングとなったこと等)が成立したことに基づいて演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318aを後側へ退避させ、係止状態を解除して第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させるようにしていたが、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させる際に、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて検出片316L,316Rが検出されているか否かを確認し、下方位置検出スイッチ313L,313Rにて検出片316L,316Rが検出されていること、つまり、駆動体310L,310Rが駆動待機位置にあることを条件に、第1可動部302A及び第2可動部302Bを落下させるようにしてもよい。
このようにすることで、駆動体310L,310Rが何らかの要因(例えば、引っ掛かりなど)により駆動待機位置に位置していないにも関わらず、第1可動部302A及び第2可動部302Bが落下され、駆動待機位置よりも上方にある駆動体310L,310Rにより可動体302が第2停止位置へ到達する前に落下が阻害されることを回避できる。また、駆動体310L,310Rが駆動待機位置に位置していない場合は、後述するように可動体動作異常と判定し、後述の図22に示すように、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)に固定するようにしてもよい。
(演出制御基板12の動作)
図20(A)は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、可動体302の動作を確認する可動体動作確認処理を行う(S51A)。
図21は、可動体動作確認処理として、図20(A)のS51Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、上方位置検出スイッチ315L,315Rからの検出信号により、可動体302が第1位置(上方位置)にあるか否かを判定する(S80)。例えば、上方位置検出スイッチ315L,315Rが第1可動部302Aのアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出している場合には、可動体302が第1位置(上方位置)にあると判定する。可動体302が第1位置(上方位置)に位置していない場合(S80;No)、落下前復帰回数Mが「3」であるか否かを判定する(S81)。なお、落下前復帰回数Mは、可動体302の落下前の復帰回数を示すものであり、パチンコ遊技機1の電源オンにより、「0」にリセットされる。落下前復帰回数Mが「3」ではない場合(S81;No)、可動体302を第1位置(上方位置)に位置させる原点対応位置に駆動体310L,310Rを上昇させるという駆動体上昇動作を実行させ(S82)、落下前復帰回数Mに「1」を加算し(S83)、S80に戻る。一方、落下前復帰回数Mが「3」である場合(S81;Yes)、可動体動作正常フラグをオフに設定する(S84)。可動体動作正常フラグは、可動体302(移動体)の動作が正常に行われることが可能な状態(つまり、可動体302の動作が正常)であることを示すフラグであり、このフラグがオンであれば可動体302の動作が正常であることを示し、オフであれば可動体302(移動体)の動作が正常に行われることが不能な状態(つまり、可動体302の動作が異常)であることを示す。S84のあと、落下前復帰回数Mを「0」にリセットし(S85)、この可動体動作確認処理を終了する。
一方、S80において、可動体302が第1位置(上方位置)に位置している場合(S80;Yes)、可動体302の保持を解除する(S86)。図16(B)に示すように、演出用ソレノイド318Lをオンの状態とし、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態を解いて可動体302を第2位置に落下させる。S86のあと、保持解除回数Qに「1」を加算(S87)する。なお、保持解除回数Qは、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態を解除(つまり、可動体302を第1位置(原点位置)に保持することを解除)した回数を示すものであり、パチンコ遊技機1の電源オンにより、「0」にリセットされる。
S87のあと、可動体302が第2位置(下方位置)にあるか否かを判定する(S88)。例えば、上方位置検出スイッチ315L,315Rが第1可動部302Aのアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出していない場合には、可動体302が第2位置(下方位置)に落下したと判定する。なお、可動体302が第2位置(下方位置)に位置することを検出する図示しない可動体下方位置検出スイッチを設け、第2位置(下方位置)に位置する可動体302のアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを図示しない可動体下方位置検出スイッチにより検出するようにしてもよい。可動体302が第2位置(下方位置)にない場合(S88;No)、保持解除回数Qが「3」であるか否かを判定する(S89)。保持解除回数Qが「3」でない場合(S89;No)、S86に戻る。一方、保持解除回数Qが「3」である場合(S89;Yes)、可動体動作正常フラグをオフに設定し(S90)、保持解除回数Qを「0」にリセットし(S91)、この可動体動作確認処理を終了する。
一方、S88において、可動体302が第2位置(下方位置)に位置している場合(S88;Yes)、可動体302を第1位置(上方位置)に位置させる原点対応位置に駆動体310L,310Rを上昇させるという駆動体上昇動作を実行させ(S92)、落下後復帰回数Nに「1」を加算する(S93)。この落下後復帰回数Nは、可動体302の落下後の復帰回数を示すものであり、パチンコ遊技機1の電源オンにより、「0」にリセットされる。S93のあと、可動体302が第1位置(上方位置)に復帰しているか否かを判定する(S94)。例えば、上方位置検出スイッチ315L,315Rが第1可動部302Aのアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出している場合には、可動体302が第1位置(上方位置)にあると判定する。
可動体302が第1位置(上方位置)に復帰している場合(S94;Yes)、可動体動作正常フラグをオンに設定し(S95)、落下後復帰回数Nを「0」にリセットし(S96)、この可動体動作確認処理を終了する。
一方、可動体302が第1位置(上方位置)に復帰していない場合(S94;No)、落下後復帰回数Nが「3」であるか否かを判定する(S97)。落下後復帰回数Nが「3」でない場合(S97;No)、S92に戻る。落下後復帰回数Nが「3」である場合(S97;Yes)、可動体動作正常フラグをオフに設定し(S98)、落下後復帰回数Nを「0」にリセットし(S96)、この可動体動作確認処理を終了する。
図20(A)に戻って、可動体動作確認処理(S51A)の後、可動体動作正常フラグがオフであるか否かを判定する(S51B)。可動体動作正常フラグがオフである場合(S51B;Yes)、可動体動作演出を制限するとの報知を行う(S51C)。例えば、図20(B)に示すように、画像表示装置5の表示画面には、「可動体動作異常」との可動体動作異常情報と、「可動体動作演出を制限します。」との可動体動作演出制限情報と、「駆動体を上昇移動させ、可動体を上方位置に固定します。」との可動体固定情報とが表示される。ここでは、パチンコ遊技機1の電源投入直後であり、図20(A)の演出制御プロセス処理が実行される前であるので、上記各情報が画像表示装置5の表示画面に大きく表示されているが、他の表示との関係で小さく表示するようにしてもよい。また、画像表示装置5での表示とともに、あるいはその表示に替えて、遊技効果ランプ9などのランプ(LEDであってもよい)で報知するようにしてもよい。また、画像表示装置5での表示やランプ報知の少なくとも一方とともに、あるいはその表示やランプ報知の少なくとも一方に替えてスピーカ8L、8Rから報知音声を出力するようにしてもよい。
可動体動作演出制限報知(S51C)の後、可動体302を第1位置(上方位置)に固定する(S51D)。例えば、図22に示すように、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)に固定する。言い換えれば、可動体302を第1位置(上方位置)に制止する制止位置(原点対応位置)に駆動体310L,310Rを停止させることにより、可動体302が第1位置(上方位置)に固定される。また、上方位置検出スイッチ315L,315Rが第1可動部302Aのアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出することにより、可動体302が第1位置(上方位置)にあることが判定できる。なお、駆動体310L,310Rが制止位置(原点対応位置)に位置することを検出する図示しない駆動体上方位置検出スイッチを設け、制止位置(原点対応位置)に位置する駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rを図示しない駆動体上方位置検出スイッチにより検出するようにしてもよい。また、図22では、演出用ソレノイド318Rの係止部材318aが第1可動部302Aに係止された状態となっているが、係止部材318a等が破損してこの係止部材318aが第1可動部302Aに係止できない状態や、演出用ソレノイド318Rが故障した状態であっても、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302が第1位置(上方位置)に固定されることは言うまでもない。
可動体動作正常フラグがオフでないとき(S51B;No)やS51Dのあと、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う(図7参照)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。
(コマンド解析処理)
図20(A)に示すコマンド解析処理(S54)では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
図7に、コマンド解析処理による解析によって特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドに対応してコマンド解析処理にて行われる処理内容と、の関係を示す。図中における各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて表示エリア5Hの保留表示画像の数を増減させてもよい。
図23は、コマンド解析処理として、図20(A)のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S680)。このとき、受信コマンドがなければ(S680;No)、コマンド解析処理を終了する。
S680にて受信コマンドがある場合には(S680;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドがデモ表示指定コマンドであるか否かを判定する(S681)。そして、デモ表示指定コマンドであるときには(S681;Yes)、デモ表示指定コマンドの受信から所定時間(例えば30秒)が経過したか否かを判定する(S682)。デモ表示指定コマンドの受信から所定時間(例えば30秒)が経過していれば(S682;Yes)、デモ演出動作制御を開始する(S683)。演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させるなどして、デモ表示を開始する制御を行うとともに、デモ表示に対応したデモ表示用の効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rからデモ音声を出力させる音声制御や、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させるランプ制御を行う。S683のあと、可動体動作正常フラグがオフであるか否かを判定する(S684)。可動体動作正常フラグがオフでない場合(S684;No)、デモ演出時可動体動作確認期間であるか否かを判定する(S685)。デモ演出時可動体動作確認期間であれば(S685;Yes)、可動体動作確認処理を実行する(S686)。S686の可動体動作確認処理は、前述の図21に示した可動体動作確認処理(S51A)と同一の処理内容であるため、ここでの説明を省略するが、このS686での処理内容を適宜に変更してもよい。なお、可動体動作確認処理(S686)において、可動体302の動作が異常であると判定され、可動体動作正常フラグがオフに設定された場合に、図20(B)に示す可動体動作演出制限報知を表示するようにしてもよいし、デモ演出表示の邪魔にならないように、可動体動作演出制限報知の表示(「可動体動作異常」との可動体動作異常情報、「可動体動作演出を制限します。」との可動体動作演出制限情報、「駆動体を上昇移動させ、可動体を上方位置に固定します。」との可動体固定情報など)を小さく表示したり、前記各情報のいずれかを減じて表示したりしてもよい。
デモ表示指定コマンド以外の受信コマンドを受信した場合(S681;No)、デモ表示指定コマンドの受信から所定時間(例えば30秒)が経過していない場合(S682;No)、可動体動作正常フラグがオフである場合(S684;Yes)、デモ演出時可動体動作確認期間でない場合(S685;No)、S686のあと、その他の解析処理を実行する(S687)。S687では、その他の受信コマンド(デモ表示指定コマンド以外の受信コマンド)に応じた設定を行ってから(S687)、コマンド解析処理を終了する。S687では、例えば、図7に示すようにそのコマンドに応じた処理内容でそれぞれ処理される。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(演出図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5に画像を表示させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたり、演出ユニット300の駆動制御を行ったりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図24は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における演出図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図25は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(S521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、演出図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA2−1)であるか否かを判定する(S522)。
S522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(S522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(S523)。一例として、S523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの演出図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの演出図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄(非リーチ組合せの演出図柄)を決定する。
S522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(S522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(S524)。一例として、S524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの演出図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの演出図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定演出図柄(リーチ組合せの演出図柄)を決定する。
S521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(S521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定演出図柄の組合せを決定する(S525)。一例として、S525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の演出図柄を決定する。
S523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターン設定処理を実行する(S530)。図26は、演出制御パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。演出制御パターン設定処理において、演出制御用CPU120は、今回使用する変動パターンが、可動体302の自重落下する可動体動作演出を実行するパターン(例えば図6に示すスーパーリーチBの変動パターンPA3−4、PB3−4)であるか否かを判定する(S711)。つまり、スーパーリーチBの変動パターンにおいて、可動体302が自重落下する可動体動作演出が実行される。可動体動作演出を実行するパターン(つまり、スーパーリーチB)であるときには(S711;Yes)、可動体動作正常フラグがオンであるか否かを判定する(S712)。可動体動作正常フラグがオンであれば(S712;Yes)、可動体動作演出有りに決定する(S713)。一方、可動体動作正常フラグがオンでなければ(S712;No)、可動体動作演出に替えて代替演出の実行に決定する(S714)。
変動パターンが可動体動作演出を実行するパターン(つまり、スーパーリーチB)でないとき(S711;No)、S713のあと、S714のあとには、決定内容に応じた演出制御パターンを設定する(S715)。設定される演出制御パターンは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンで演出図柄の可変表示を実行する演出制御パターンである。
図25に戻り、S530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(S531)。そして、画像表示装置5における演出図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(S533)。このときには、例えばS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて演出図柄の変動を開始させればよい。このとき、保留表示図柄の移動表示なども開始される。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S536)、可変表示開始設定処理を終了する。
S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図27は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(S551)。一例として、S551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(S551;No)、演出制御用CPU120は、現在が予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(S552)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が予告演出実行期間であることを表しているなどして、予告演出実行期間であると判定したときには(S552;Yes)、予告演出を実行する演出動作制御を行う(S553)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、予告演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にS553が繰り返し実行されることで、予告演出の実行が実現する。
S553のあと、予告演出実行期間でない場合(S552;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(S558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(S558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(S559)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や枠役物LED26L、26R(装飾用LED)を点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
リーチ演出動作制御(S559)のあと、可動体動作演出期間であるか否かを判定する(S560)。可動体動作演出期間であれば(S560;Yes)、可動体動作正常フラグがオンであるか否かを判定する(S561A)。可動体動作正常フラグがオンであれば(S561A;Yes)、可動体動作制御を行う(S561B)。
一方、可動体動作正常フラグがオンでなければ(S561A;No)、可動体動作制御に替えて代替演出制御を行う(S562)。このS562での代替演出は、図28(A1)〜(A3)に示すように、可動体動作演出(つまり、可動体302の自重による落下動作)と同様の表示が画像表示装置5に表示される演出である。より詳しく言えば、代替演出は、図28(A1)に示すように、落下前の可動体302における第1可動部302Aの画像I1の一部が画像表示装置5の表示画面の上部に表示され、図28(A2)に示すように、落下途中の第1可動部302Aの画像I1が表示され、図28(A3)に示すように、落下後の第1可動部302Aの画像I1及び第2可動部302Bの画像I2が画像表示装置5の表示画面に表示される表示演出である。代替演出により、可動体302の自重落下と同様の表示が実行される。なお、代替演出の実行に合わせて、該代替演出に対応する効果音等がスピーカ8L,8Rから出力されるようにしたり、遊技効果ランプ9の点灯せるようにしたりしてもよい。
代替演出は、可動体302の自重落下と同様の表示演出に限定されるものではない。代替演出としては、例えば、図28(B1)〜(B3)に示すように、可動体動作演出(つまり、可動体302の自重による落下動作)とは異なる表示が画像表示装置5に表示される演出であってもよい。可動体動作演出とは異なる代替演出は、図28(B1)に示すように、可動体302とは無関係の謎の球体の画像I3が画像表示装置5の表示画面に表示され、図28(B2)に示すように、謎の球体が爆発する画像I4が表示され、図28(B3)に示すように、キャラクタの画像I5が画像表示装置5の表示画面に表示される表示演出である。なお、代替演出の実行に合わせて、該代替演出に対応する効果音等がスピーカ8L,8Rから出力されるようにしたり、遊技効果ランプ9の点灯せるようにしたりしてもよい。
また、代替演出としては、画像表示装置5による表示演出を用いること無く、スピーカ8L,8Rから出力される効果音のみとしたり、遊技効果ランプ9の点灯等のみとしたりしてもよい。
リーチ演出実行期間でないと判定したとき(S558;No)、可動体動作演出期間でないと判定したとき(S560;No)、S561Bのあと、S562のあと、その他の演出動作制御を行う(S563)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9を点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にS563が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、演出図柄の可変表示動作、保留表示予告の移動表示などであってもよい。)の実行が実現する。S563のあと、可変表示中演出処理は終了する。
S551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が演出図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(S551;Yes)、主基板11からの図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(S567)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(S567;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
S567にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(S567;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、演出図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定演出図柄)(S171で決定した組合せの確定演出図柄)を導出表示させる制御を行い(S568)、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(S570)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(S571)、可変表示中演出処理を終了する。
S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信した場合には、演出プロセスフラグの値をアタッカー開放時演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
S174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー開放時演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー開放時演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
S175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯、点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ遊技機1にあっては、可動体302(移動体)の動作が正常に行われることが不能な状態においては、可動体302を上方位置(第1位置)に制止する原点対応位置(制止位置)に位置するので、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)へ移動することを防止できる。これにより、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)に移動することに起因する、遊技の不信感や違和感を防止でき、遊技の興趣を向上できる。
この実施の形態では、可動体302が下方位置(第2位置)に自重により落下可能であるので、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)へ自重落下することを防止できる。
また、可動体302の復帰動作を所定回数行ったときに該可動体302が正常動作しなかった場合には、駆動体360L,360R(特定部材)を原点対応位置(制止位置)に位置させるので、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)へ移動することや、可動体302が動作すべきときに該可動体302が上方位置(第1位置)に止まったままで下方位置側(第2位置側)への移動がされないことや、可動体302が下方位置(第2位置)に移動したままで上方位置(第1位置)に復帰できないことを防止できる。つまり、可動体302の意図しない移動や、意図しない上方位置(第1位置)又は下方位置(第2位置)での停止(静止)を防止できる。
また、駆動体360L,360R(特定部材)は、可動体302を下方位置(第2位置)に規制する駆動待機位置(規制位置)に位置され、上方位置(第1位置)から移動してきた可動体302に接触して該可動体302を下方位置(第2位置)に規制する。駆動待機位置(規制位置)に位置する駆動体360L,360Rにおける可動体302との接触側とは反対側には、該駆動体360L,360Rを支持可能な下部336L,336R(受止部)が位置する。第1弾性部材334L,334R(第1衝撃緩和手段)は、可動体302の移動(落下)によって可動体302と駆動体360L,360R(特定部材)との間に生じる衝撃を緩和する。第2弾性部材335L,335R(第2衝撃緩和手段)は、可動体302の移動(落下)によって駆動体360L,360R(特定部材)と下部336L,336R(受止部)との間に生じる衝撃を緩和する。このため、可動体302の移動(落下)衝撃を第1弾性部材334L,334R(第1衝撃緩和手段)及び第2弾性部材335L,335R(第2衝撃緩和手段)により分散して緩和できるので、衝撃による負荷が可動体302や下部336L,336R(受止部)に集中して破損したりすることを抑制できる。これにより、可動体302の移動(落下)衝撃を効果的に緩和することができ、破損耐性を向上させることができる。
また、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態においては、駆動体360L,360R(特定部材)が原点対応位置(制止位置)に位置されており、このときに可動体302を動作させるタイミングになると、該可動体302が動作する演出に替えて代替演出(図28参照)を実行するので、演出上の違和感を与えないようにすることができる。
また、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態においては、駆動体360L,360R(特定部材)が原点対応位置(制止位置)に位置されており、このときには、可動体302が動作する演出(可動体動作演出)の発生を制限する。例えば、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態では、可動体302が動作する演出の発生を禁止することにより、演出上の違和感を与えることを防止することができる。つまり、演出上の違和感を与えることを少なくとも低減することができる。
また、第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動可能な可動体302と、可動体302が第1位置から第2位置へ移動したときに可動体302の第1位置と反対側への移動を規制する駆動体310L,310Rと、駆動体310L,310Rにより可動体302の移動が第2位置にて規制されたときに可動体302の第1位置と反対側への移動を駆動体310L,310Rを介して規制するカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rと、可動体302と駆動体310L,310Rとの間で生じる衝撃を緩和する第1弾性部材334L,334Rと、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に生じる衝撃を緩和する第2弾性部材335L,335Rと、を備える。
このようにすることで、可動体302を第2位置において2つの規制部により好適に規制できるとともに、規制により生じる衝撃を、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの2箇所にて第1弾性部材334L,334R及び第2弾性部材335L,335Rにより分散して緩和できるので、衝撃による負荷が可動体302や一の規制部に集中して破損したりすることを抑制することができる。
より具体的には、可動体302の下方側への移動を駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとで規制するため、規制時に生じる衝撃を駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rとの相対移動により分散させることができる。加えて、可動体302と駆動体310L,310Rとの間には、第1弾性部材334L,334Rが設けられ、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間には、第2弾性部材335L,335Rが設けられているため、隣接する部材同士間での衝撃を緩和できる。
また、可動体302と駆動体310L,310Rとは、第1弾性部材334L,334Rにより直接当接することがなく、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとは、第2弾性部材335L,335Rにより直接当接することがない。そのため、可動体302や駆動体310L,310R及びカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rにかかる負荷を限りなく小さくできる。
また、駆動体310L,310Rは、移動可能に設けられ、演出用モータ308L,308Rにより可動体302を第2位置から第1位置へ移動させるように駆動するので、可動体302の移動と規制とを一の部材で兼用することができるため、部品点数を削減することができる。
また、第2位置は、第1位置よりも下方に設けられ、可動体302は自重で第1位置から第2位置へ落下可能であるので、可動体302の落下による衝撃を、駆動体310L,310R、カバー部材307L,307Rの下部336L,336R、第1弾性部材334L,334R、第2弾性部材335L,335Rにより好適に緩和することができるとともに、可動体302が第1位置から第2位置へ急激に落下するため、遊技者にインパクトを与えることができ、演出性を向上させることができる。
また、可動体302を支持するカバー部材307L,307Rの下部336L,336R(第2規制部)では、規制により生じる衝撃を、下部336L,336Rに伝達して分散させることができるので、可動体302の下方への移動を第2位置で安定して規制することができる。
また、第2弾性部材335L,335Rは、第1弾性部材334L,334Rよりも変形し難い合成樹脂にて構成されているため、例えば、駆動体310L,310Rが案内軸306L,306Rに対して若干傾斜した際等には、駆動体310L,310Rとカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとの間に第1弾性部材334L,334Rを用いるよりも駆動体310L,310Rの傾斜を小さくでき、駆動体310L,310Rの傾斜により駆動体310L,310Rの各係合部333と案内軸306L,306Rの各溝部321とにかかる負荷を効果的に低減することができる。
また、可動体302は、第1可動部302Aと第2可動部302Bとから構成され、第1可動部302Aと第2可動部302Bとは互いに回動可能となっているとともに、第1可動部302Aのアーム309L,309Rは、案内軸306L,306Rに対して遊びを持って取付けられており、且つ第2可動部302Bのガイドローラ340L,340Rは、若干の遊びを持ってガイド溝330,330に挿入されているので、可動体302が第2位置に落下した際には、第1可動部302Aと第2可動部302Bが前記遊びの範囲内で回動することによりその衝撃を逃がすことができる。
また、本実施の形態のパチンコ遊技機1にあっては、第1位置と該第1位置とは異なる第2位置との間で移動可能であり、第1可動部302Aと該第1可動部302Aに対し傾倒可能な第2可動部302Bとを有する可動体302と、第1可動部302Aを移動案内する第1案内手段303L,303Rと、第1案内手段303L,303Rとは別個に設けられ、第2可動部302Bを移動案内する第2案内手段319と、を備え、第2案内手段319は、第1案内手段303L,303Rに対し略平行な垂直部327と、垂直部327から奥側へ延設される第2案内部(湾曲部328及び屈曲部329)と、を有し、第1可動部302Aは、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する間は遊技者から視認可能な状態を維持し、第2可動部302Bは、可動体302が第1位置にある状態において、湾曲部328及び屈曲部329に案内されることにより第1可動部302Aに対し奥側に傾倒する第1状態となり、可動体302が第2位置にある状態において、垂直部327に案内されることにより第1可動部302Aに対し並設される第2状態となる。
すなわち、第2可動部302Bは、第1状態(屈曲動作)において、第1可動部302Aに対し奥側に傾倒することで、遊技者から視認困難または視認不能となり、第2状態(延伸動作)において、第1可動部302Aに対し並設されることで、遊技者から視認可能な状態となる。つまり、可動体302が第1位置と第2位置との間で移動する際に、第1可動部302Aは遊技者から視認可能な状態を維持するのに対し、第2可動部302Bは第1状態(遊技者から視認困難または視認不能な状態)と第2状態(遊技者から視認可能な状態)とに変化するため、遊技者に意外性を与えることができる。
また、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを別個の案内部材(第1案内手段303L,303R、第2案内手段319)により移動案内することで、第1可動部302Aに影響を与えることなく、第2可動部302Bを傾倒させることができる。
具体的には、第1可動部302Aは、そのアーム309L,309Rの貫通孔331L,331Rと規制片317L,317Rとが、第1案内手段303L,303Rの案内軸306L,306Rと凹溝312L,312Rとにより、第1位置及び第2位置間を上下方向に移動するように案内される。一方、第2可動部302Bは、その第1アーム部325L,325Rのガイドローラ340L,340Rが第2案内手段319におけるガイド溝330,330の垂直部327により上下方向に移動し、湾曲部328及び屈曲部329により奥側に傾倒するように案内される。つまり、第1可動部302Aは、第1案内手段303L,303Rにより上下方向にのみ移動案内されていることで、第2可動部302Bが湾曲部328及び屈曲部329により奥側に傾倒するように案内されても、第1可動部302Aは上下方向へ移動するだけで、遊技者から視認可能な姿勢を保つことができる。
また、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを1つの案内部材により案内する場合には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの移動中に相対的な捻じれ等が生じると、第1可動部302Aまたは第2可動部302Bの一部が案内部材に干渉して、それ以上移動できない等の動作不良を引き起こす虞がある。
これ対して、本実施の形態のように、第1可動部302Aと第2可動部302Bとを別個の第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319により移動案内する場合には、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの移動中に相対的な捻じれ等が生じても、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319が互いに相対的に移動しやすくなっており、第1可動部302Aと第2可動部302Bとの捻じれ等を解消させることができ、動作不良を防止できる。また、第2案内手段319は、その前方側下端部がフリーな状態(ベース部301等に固定されていない状態)であるため、第1案内手段303L,303Rに対してさらに相対移動しやすくなっている。
さらに、第1案内手段303L,303Rと第2案内手段319とが別個に設けられていることで、第2案内手段319を第1可動部302Aの移動に影響を与えない場所または影響を与え難い場所に予め自由に設計できる。換言すれば、第2案内手段319の位置は、第1案内手段303L,303Rの延長線上の位置に限定されない。
また、第2可動部302Bは、第1位置において、湾曲部328及び屈曲部329により奥側に収容されるので、上下方向の省スペース化を図ることができる。
また、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319は、別個になっているため、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319のそれぞれの設置場所及びサイズ(長さ等)等を自由に設定できるため、第1案内手段303L,303R及び第2案内手段319を設置するスペースを小さくできる。
また、第2可動部302Bは、第1状態において第1可動部302Aに対し鋭角をなすように後側に傾倒するので、第1状態においてより遊技者から視認困難とすることができる。具体的には、第1状態において第1可動部302Aと第2可動部302Bとで成す内角が鋭角であり、略垂直方向を向く第1可動部302Aに対し第2可動部302Bが直角または鈍角を成す場合に比べ、第2可動部302Bの上下方向から見たときの範囲が狭くなるため、遊技者から視認困難とすることができる。
第2案内部は、垂直部327から奥側へ向けて上方に傾斜する湾曲部328と、垂直部327から奥側へ向けて下方に傾斜する屈曲部329と、を有するので、湾曲部328により、可動体302が第1位置に向けて移動時には、第1可動部302Aに対し第2可動部302Bをスムーズに傾倒させることができるとともに、屈曲部329により、第1可動部302Aに対し第2可動部302Bが鋭角をなすように傾倒させることができる。
換言すれば、屈曲部329に落ち込むことで、第2可動部302Bが第1可動部302Aに対し鋭角をなすように傾倒する。したがって、可動体302が第1位置にあるときには、屈曲部329により第2可動部302Bの前方側への移動が規制されるため、第1可動部302Aに係止する演出用ソレノイド318L,318Rにかかる荷重を小さくできる。
また、可動体302が第2位置に向けて移動時には、第2可動部302Bが略水平を向くまでは、第2可動部302Bが正面側から視認困難となっており、それを越えると、第2可動部302Bの第2アーム部326L,326R側が垂直部327により鉛直方向に移動案内されるとともに、第1アーム部325L,325R側が屈曲部329により斜め前方向に移動案内されるため、第1可動部302Aの落下速度が一瞬緩まるとともに、第2可動部302Bが遊技者側に迫りながら急激に出現するようになり、可動体302の動作に変化を与えることができる。
また、垂直部327は、案内軸306L,306Rと略平行に設けられているため、可動体302が第2位置に向けて移動時において、第1アーム部325L,325R側が垂直部327に差し掛かると、第2可動部302Bが第1可動部302Aと略平行となるように案内されるため、第1可動部302A及び第2可動部302B双方の一体感を向上させることができる。
また、第2案内手段319は、第2可動部302Bの左右側を各々案内する一対のガイド部324L,324Rと、一対のガイド部324L,324R各々を連結する連結板材341と、を有し、連結板材341には、可動体302が第2位置へ移動したときに可動体302の装飾部の一部を構成する第3装飾部材320が設けられている。つまり、可動体302が第2位置にあるときには、第2案内手段319に取付けられた第3装飾部材320が、正面側から見て第1可動部302Aの第1装飾部材322及び第2可動部302Bの第2装飾部材323に連なり、第1装飾部材322、第2装飾部材323、第3装飾部材320により一の装飾部を形成できる。換言すれば、第2案内手段319の一部を利用して可動体302を装飾することができる。本実施の形態では、第2案内手段319の一部に第3装飾部材320が設けられ、可動体302が第2位置にあるときに第1装飾部材322と第2装飾部材323と第3装飾部材320が連なり一の装飾部を形成する形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2案内手段全体に装飾を施し、可動体302が第2位置にあるときに、該第2案内手段全体が第1装飾部材322と第2装飾部材323と連なり一の装飾部を形成するようになっていてもよい。
さらに、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323とが上下に並設された状態にあっては、第2可動部302Bの第2装飾部材323における第1可動部302Aの第1装飾部材322側の端縁は、第1可動部302Aの第1装飾部材322における第2可動部302Bの第2装飾部材323の端縁よりも後方側に配置され、前後方向に若干重畳している。したがって、可動体302が第2位置にあるときには、第1可動部302Aの第1装飾部材322と第2可動部302Bの第2装飾部材323との接合部分が正面側から視認困難であり、美観が向上する。
また、一対のガイド部324L,324Rは、連結板材341により連結されることで強度が補強されているため、ガイド部324L,324Rの大きさを小さくできるとともに、可動体302の第2位置に向けての移動時にガイド部324L,324R同士の捻じれ等が生じにくい。
また、連結板材341は、透光性を有する透光部材により形成されているため、この連結板材341を介して第3装飾部材320の透光部320a側に出射できる。つまり、第3装飾部材320の背面に演出用LEDが設けられたLED基板等を設けなくてもよい。
また、可動体302は、自重で第1位置から第2位置へ落下するため、可動体302を第1位置から第2位置へ極力早く出現させることができ、遊技者にインパクトを与えることができる。
また、可動体302の第1位置に向けての移動時には、駆動体310L,310Rにより、第1可動部302Aのアーム309L,309Rが、オフの状態の演出用ソレノイド318L,318Lの係止部材318aを前方へ押し込んで上方へ移動し、且つ図示しない圧縮バネの付勢力により再度後方へ突出した係止部材318aに係止される構造であるため、可動体302を第1位置に保持するための制御を簡素化できる。
また、第1案内手段303L,303Rは、駆動体310L,310Rを移動させる移動手段(例えば、演出用モータ308L,308R、駆動ギヤ338、従動ギヤ339、案内軸306L,306R、溝部321)とは別個に設けられる凹溝312L,312Rを備えていることで、第1可動部302Aの第2位置から第1位置への移動が安定する。
さらに、この凹溝312L,312Rにより駆動体310L,310Rの規制片311L,311R及び第1可動部302Aの規制片317L,317Rが案内されるため、規制片311L,311R及び規制片317L,317Rが上方位置検出スイッチ315L,315R及び中間位置検出スイッチ314L,314Rにて確実に検出されるとともに、駆動体310L,310Rの検出片316L,316Rが下方位置検出スイッチ313L,313Rにて確実に検出される。
また、実施の形態では、移動(例えば、落下)してきた可動体302を駆動体310L,310Rが受け止める構成であるので、検出片316L,316Rは、可動体302の落下衝撃によって駆動体310L,310Rの変位を許容する大きさを有することが特に有用となる。例えば、検出片316L,316Rは、その検出幅方向の長さが、可動体302の落下衝撃による駆動体310L,310Rの変位を含む長さとすればよい。可動体302の落下衝撃で駆動体310L,310Rが多少動いても、駆動体310L,310Rの検出結果に影響がでないようにすることができる。これにより、好適に可動体302を動作させることができる。
前記実施の形態では、駆動体310L,310Rに第1弾性部材334L,334Rが固定され、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに第2弾性部材335L,335Rが固定される形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1弾性部材334L,334R(第1衝撃緩和手段)は、可動体302(移動体)と駆動体310L,310R(第1規制部)との間に設けられ、第2弾性部材335L,335R(第2衝撃緩和手段)は、駆動体310L,310R(第1規制部)と下部336L,336R(第2規制部)との間に設けられていればよい。
具体的には、第1衝撃緩和手段は、移動体と第1規制部との間に設けられていれば、移動体と第1規制部のいずれかに固定されていてもよいし、移動体と第1規制部のいずれにも固定されず、単に移動体と第1規制部との間にフリーな状態で設けられていてもよい。
また、第2衝撃緩和手段も同様に、第1規制部と第2規制部との間に設けられていれば、第1規制部と第2規制部のいずれに固定されていてもよいし、第1規制部と第2規制部のいずれにも固定されず、単に第1規制部と第2規制部との間にフリーな状態で設けられていてもよい。
前記実施の形態では、第1弾性部材334L,334Rと第2弾性部材335L,335Rとが弾性などの特性の異なる合成樹脂により構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1衝撃緩和手段及び第2衝撃緩和手段は、同一の特性を有する合成樹脂により構成されていてもよい。また、大きな衝撃が掛かりやすい第1衝撃緩和手段を安価な弾性部材により構成し、第1衝撃緩和手段よりも衝撃が掛かりにくい第2衝撃緩和手段を第1衝撃緩和手段よりも高価な弾性部材により構成するなど、第1弾性部材334L,334Rと第2弾性部材335L,335Rとを製造コストが異なる部材により構成するようにしてもよい。すなわち、第1衝撃緩和手段と第2衝撃緩和手段とは、特性、形状、大きさ、材質等が異なる部材にて構成してもよいし、同一の部材にて構成してもよい。さらに、第1衝撃緩和手段及び第2衝撃緩和手段は、合成樹脂により構成されていたが、これに限られず、衝撃を緩和できるものであればよく、例えば、バネ等であってもよい。
前記実施の形態では、駆動体310L,310Rに第1弾性部材334L,334Rが固定され、カバー部材307L,307Rの下部336L,336Rに第2弾性部材335L,335Rが固定されているが、これに限定されるものではない。例えば、駆動体310L,310Rに第1弾性部材334L,334Rと第2弾性部材335L,335Rとが固定されるようにしてもよい。
前記実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時やデモ表示演出時において可動体302の動作確認を行っており、落下前復帰回数M、保持解除回数Q、落下後復帰回数Nについての再度駆動(リトライ)の回数を、例えば3回としているが、これ以外の回数としてもよい。
前記実施の形態では、駆動源(演出用モータ308L,308R)により上下に移動可能であって、可動体302(移動体)を上昇させるための駆動体310L,310Rを第1規制部とした形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1規制部は、移動体の落下による衝撃により移動可能(振動等を含む)な部材であってもよいし、移動体の落下位置を変更するために上下に移動可能な部材であってもよい。すなわち、第1規制部は、移動体の第2位置への移動を規制でき、且つ第2規制部に対して相対移動可能な部材であればよい。
前記実施の形態では、第1規制部は、上下方向(移動体の移動方向)に1つの部材により設けられている形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2つ以上に分割されていてもよい。
また、前記実施の形態では、第2規制部を第1規制部よりも第2位置側に設けられるカバー部材307L,307Rの下部336L,336Rとした形態について例示したが、第2規制部は、必ずしも第1規制部よりも第2位置側に設けられるものではなく、移動体の移動が第2位置にて規制されたときに該移動体の前記第1位置と反対側への移動を規制できれば、第1規制部の側方等に設けられていてもよい。
また、前記実施の形態では、第2規制部(カバー部材307L,307Rの下部336L,336R)がベース部301に設けられている形態について例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベース部301以外の個所に設けられていてもよい。具体的には、遊技盤に固定される構造物を第2規制部とし、この構造物により第1規制部が停止されるようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、第2可動部302Bは、第1位置において第1可動部302Aにより視認不能または視認困難となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置においてもその一部または全部が視認可能となっていてもよい。
また、前記実施の形態では、可動体302は、第1可動部302Aと該第1可動部302Aに対し回動可能に連結された第2可動部302Bとから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、可動体302は、単数の可動部を有するものでも、3以上の複数の可動部を有するものであってもよい。また、第1可動部に対し第2可動部が屈曲変形可能に設けられていてもよい。また、前記実施の形態では、第1可動部302Aと第2可動部302Bとは、第2可動部302B側に設けられた第2アーム部326L,326Rにより互いに回動可能に接続されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動部302Aにアームを設け、そのアームと第2可動部302Bとを回動可能に接続してもよい。
また、前記実施の形態では、第1位置において、可動体302は、第1可動部302Aに係止する演出用ソレノイド318L,318R(保持手段)により保持されていたが、これに限られず、保持手段を第1位置における第2可動部302Bの近傍に設け、第2可動部302Bを係止することで第1位置に保持するようにしてもよい。また、第1可動部302Aに係止する保持手段に加え、該保持手段とは別個の保持手段により第2可動部302Bを補助的に保持してもよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
また、本実施の形態では、第1可動部302A及び第2可動部302Bは、第1位置と第2位置との間で、上下方向に移動するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1位置と第2位置との間で左右方向、前後方向、斜め方向等に移動可能とされてもよい。
また、本実施の形態では、第1可動部302A及び第2可動部302Bは、第1位置から第2位置まで、自重により落下するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動により上昇、下降するようにしてもよい。具体的には、可動体302をモータで駆動可能なアーム等により鉛直方向や斜め方向に上昇、下降するようにしてもよい。つまり、自重による落下に限らず、例えば駆動手段によって第1可動部302A及び第2可動部302Bが第1位置と第2位置とに移動可能(鉛直方向、斜め方向、水平方向、左右方向、前後方向などに移動可能)な場合にも適用可能である。
また、本実施の形態では、駆動体310L,310Rの移動手段の一例として、例えば、演出用モータ308L,308R、駆動ギヤ338、従動ギヤ339、案内軸306L,306R、溝部321、を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラックギヤとピニオンギヤなど、他の移動手段を適用してもよい。
(変形例1)
変形例1では、可動体動作演出中に可動体302の動作異常があった場合に、駆動体360L,360R(特定部材)を原点対応位置(制止位置)に上昇させ、可動体302を第1位置(上方位置)に固定するとともに、緊急用代替演出を実行可能とするものである。図29に示すように、変形例1の可変表示中演出処理(S172)において、演出制御用CPU120は、可動体動作制御を行ったあと(S561B)、可動体302の動作が正常か異常かを判定する。例えば、演出制御用CPU120は、演出用ソレノイド318L,318Rをオン状態として係止部材318aを後側へ退避させ、第1可動部302Aと係止部材318aとの係止状態を解除した直後(例えば係止解除から数ミリ秒あるいは数十ミリ秒が経過した時点など)においても、上方位置検出スイッチ315L,315Rによりアーム309L,309Rの規制片317L,317Rが検出されている場合には可動体302が落下していないと判定することができる。
可動体302の動作が異常であれば(S561C;Yes)、可動体動作正常フラグをオフに設定し(S561D)、演出期間中動作異常発生フラグをオンに設定し(S561E)、図22に示すように、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)に固定する。
その後のタイマ割込の発生において、可動体動作正常フラグがオンでないと判定し(S561A;No)、演出期間中動作異常発生フラグがオンであるか否かを判定する(S561G)。演出期間中動作異常発生フラグがオンでなければ(S561G;No)、代替演出制御を行う(S562)。一方、演出期間中動作異常発生フラグがオンであれば(S561G;Yes)、緊急用代替演出制御を行う(S562)。緊急用代替演出制御は、可動体動作演出が開始して可動体302の動作異常が発生した時点から該可動体動作演出の終了までの残り期間において代替演出が実行されるという特質を有する。つまり、緊急用代替演出制御は、残り時間に応じた時間長さの代替演出である。このため、緊急用代替演出としては、残り期間が十分にある場合には、代替演出を同様の内容の演出を実行可能であるが、残り時間が短い場合には、可動体動作演出の結果のみを表示する演出となることがある。変形例1によれば、可動体動作演出中に可動体302の動作異常があった場合に、駆動体360L,360R(特定部材)を原点対応位置(制止位置)に上昇させ、可動体302を第1位置(上方位置)に固定するとともに、残り時間に応じた時間長さの緊急用代替演出を実行ことができる。可動体動作演出中に可動体302の動作異常があった後における可動体302(移動体)の意図しない移動や、意図しない上方位置(第1位置)又は下方位置(第2位置)での停止(静止)を防止できる。
なお、S561F、S561Hにおいて、図20(B)に示す可動体動作演出制限報知を表示するようにしてもよいし、リーチ演出の表示の邪魔にならないように、可動体動作演出制限報知の表示(「可動体動作異常」との可動体動作異常情報、「可動体動作演出を制限します。」との可動体動作演出制限情報、「駆動体を上昇移動させ、可動体を上方位置に固定します。」との可動体固定情報など)を小さく表示したり、前記各情報のいずれかを減じて表示したりしてもよい。
(変形例2)
変形例2では、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常(可動体302が第1位置(上方位置)に位置していないとの異常)があった場合に、可動体302を第1位置(上方位置)に復帰させたり、可動体302を第1位置(上方位置)に復帰できないときに駆動体360L,360R(特定部材)を原点対応位置(制止位置)に上昇させ、可動体302を第1位置(上方位置)に固定したりするものである。図30は、変形例2の可動体異常確認処理(S161)を有する演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図31は、図30のS161にて実行される可動体異常確認処理の一例を示すフローチャートである。
図31(A)に示す可動体異常確認処理(S161)では、演出制御用CPU120は、まず、可動体動作演出期間であるか否かを判定する(S751)。例えば、図6に示すスーパーリーチBの変動パターンPA3−4、PB3−4の実行中でないときは可動体動作演出期間ではないと判定される。また、図6に示すスーパーリーチBの変動パターンPA3−4、PB3−4の実行中であっても、図27に示すリーチ演出動作制御(S559)が開始されて可動体動作演出期間になっていなければ可動体動作演出期間ではないと判定される。可動体動作演出期間であれば(S751;Yes)、可動体異常確認処理を終了する。一方、可動体動作演出期間でなければ(S751;No)、可動体動作正常フラグがオンであるか否かを判定する(S712)。可動体動作正常フラグがオンでなければ(S752;No)、可動体異常確認処理を終了する。一方、可動体動作正常フラグがオンであれば(S752;Yes)、可動体302が上方位置(第1位置)にあるか否かを判定する(S753)。可動体302が上方位置(第1位置)にあれば(S753;Yes)、可動体異常確認処理を終了する。一方、可動体302が上方位置(第1位置)になければ(S753;No)、可動体302を第1位置(上方位置)に位置させる原点対応位置に駆動体310L,310Rを上昇させるという駆動体上昇動作を実行する(S754)。
S754のあと、上昇復帰回数Rに「1」を加算し(S755)、可動体302が第1位置(上方位置)にあるか否かを判定する(S756)。例えば、上方位置検出スイッチ315L,315Rが第1可動部302Aのアーム309L,309Rの規制片317L,317Rを検出している場合には、可動体302が第1位置(上方位置)にあると判定する。可動体302が第1位置(上方位置)に位置していない場合(S756;No)、上昇復帰回数Rが「3」であるか否かを判定する(S758)。なお、上昇復帰回数Rは、可動体302の上昇復帰回数を示すものであり、パチンコ遊技機1の電源オンにより、「0」にリセットされる。上昇復帰回数Rが「3」ではない場合(S758;No)、S754に戻る。一方、上昇復帰回数Rが「3」ではある場合(S758;Yes)、可動体動作正常フラグをオフに設定し(S759)、図22に示すように、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)に固定する(S761)。S761のあと、上昇復帰回数Rを「0」にリセットし(S762)、可動体異常確認処理を終了する。
S756において、可動体302が第1位置(上方位置)に位置している場合(S756;Yes)、可動体動作正常フラグをオンに設定し(S757)、可動体異常確認処理を終了する。
変形例2によれば、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常があった場合に、可動体302を第1位置(上方位置)に復帰させることができる。また、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常があった場合に、可動体302を第1位置(上方位置)に復帰できないときに駆動体360L,360R(特定部材)を原点対応位置(制止位置)に上昇させ、可動体302を第1位置(上方位置)に固定することができ、代替演出を実行ことができる。これにより、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常があった後における可動体302(移動体)の意図しない移動や、意図しない上方位置(第1位置)又は下方位置(第2位置)での停止(静止)を防止できる。
変形例2では、可動体異常確認処理(S161)における上昇復帰回数Rについての再度駆動(リトライ)の回数を、例えば3回としているが、これ以外の回数としてもよい。また、遊技状態に応じて上昇復帰回数Rが異なるようにしてもよい。例えば、確変中(確変状態)は、上昇復帰回数Rの再度駆動(リトライ)の回数を増やした値(例えば4回以上)としてもよい。確変状態では、可動体動作演出の出現頻度が通常状態よりも高いことから、上昇復帰回数Rの再度駆動(リトライ)の回数を増やすことにより、なるべく可動体302(役物、可動役物)を動作させることができ、可動体動作演出が不実行となることを抑制することができる。
変形例2の可動体異常確認処理において、図20(B)に示す可動体動作演出制限報知を表示するようにしてもよいし、演出表示の邪魔にならないように、可動体動作演出制限報知の表示(「可動体動作異常」との可動体動作異常情報、「可動体動作演出を制限します。」との可動体動作演出制限情報、「駆動体を上昇移動させ、可動体を上方位置に固定します。」との可動体固定情報など)を小さく表示したり、前記各情報のいずれかを減じて表示したりしてもよい。
図31(A)に示す処理では、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常(可動体302が第1位置(上方位置)に位置していないとの異常)があった場合に、可動体302の第1位置(上方位置)への復帰確認を行っている(S754〜S758)が、図31(B)に示す処理では、可動体302の第1位置(上方位置)への復帰確認を行わず(つまり、S754〜S758を削除し)、可動体302を第1位置(上方位置)に強制的に固定するようになっている。図31(B)に示す処理によれば、可動体動作演出以外の期間において可動体302の動作異常があると、可動体302の第1位置(上方位置)への復帰確認を行わずに直ちに可動体302を第1位置(上方位置)に強制的に固定することができ、可動体302の動作異常後における可動体302(移動体)の意図しない移動や、意図しない上方位置(第1位置)又は下方位置(第2位置)での停止(静止)を防止できる。
(変形例3)
前記実施の形態では、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態においては、駆動体360L,360R(特定部材)が原点対応位置(制止位置)に位置されており、このときには、可動体302が動作する演出(可動体動作演出)の当選後にその実行を制限(例えば禁止)しているが、可動体動作演出が当選しないように制限(例えば禁止)するようにしてもよい。例えば、図32に示すように可動体動作(役物動作)が正常か異常かによって使用する決定テーブルが異なるようにすればよい。図32(A)に示すように、可動体302の動作が正常に行われることが可能な状態では、スーパーリーチBのリーチ中演出種類決定テーブルは、役物動作演出の決定割合が80%であり、キャラクタ登場演出が20%に設定されている。これに対して、図32(B)に示すように、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態では、スーパーリーチBのリーチ中演出種類決定テーブルは、役物動作演出に替わる代替演出の決定割合が80%であり、キャラクタ登場演出が20%に設定されている。変形例3によれば、可動体動作演出が当選しないように制限(例えば禁止)することができる。
(変形例4)
変家例4では、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態においては、図33に示すように可動体動作(役物動作)が異常な場合は、正常な場合に比べて、可動体動作演出(役物動作演出)が決定される割合を低くした決定テーブルを用いればよい。図33に示すように、可動体302の動作が正常に行われることが可能な状態では、スーパーリーチBのリーチ中演出種類決定テーブルは、可動体動作演出(役物動作演出)の決定割合が80%であり、キャラクタ登場演出が20%に設定されている。これに対して、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態では、スーパーリーチBのリーチ中演出種類決定テーブルは、可動体動作演出(役物動作演出)の決定割合が10%であり(前記の80%に比べて大きく減少している)、キャラクタ登場演出が90%に設定されている。変形例4の場合には、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態では、可動体302の動作が正常に行われる状態に比べて、可動体302が動作する演出の発生する割合が低くなるようにすることにより、演出上の違和感を与えることを低減することができる。また、可動体302の動作が正常に行われることが不能な状態において、可動体動作演出(役物動作演出)に決定された場合には、代替演出が実行されるので、演出上の違和感を与えないようにすることができる。
(変形例5)
変形例5の演出ユニット300では、図34に示すように、駆動体310L,310Rとは別の受止部345L,345Rで可動体302を受け止め可能であり、可動体302を第2位置(下方位置)に規制するための受止部345L,345Rでの受け止め位置(規制位置)よりもさらに下方側に離れた離間待機位置(待機位置)に駆動体310L,310Rが位置する構成となっている。受止部345L,345Rは、カバー部材307L,307Rの所定箇所(例えば下部箇所)に形成されたものである。駆動体310L,310Rの離間待機位置は、受止部345L,345Rでの受け止め位置(規制位置)である第2位置(下方位置)よりもさらに下方側に寸法L5だけ離れた位置である。受止部345L,345Rの上面には、第1弾性部材334L,334Rが設けられ、可動体302の落下衝撃を吸収可能となっている。
変形例5では、第2位置(下方位置)に落下する可動体302を、駆動体310L,310Rではなく、受止部345L,345Rで受け止める構成としているが、このような構成であっても、可動体302(移動体)の動作が正常に行われることが不能な状態においては、可動体302を上方位置(第1位置)に制止する原点対応位置(制止位置)に位置するので、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)へ移動することを防止できる。これにより、意図せずに可動体302が下方位置側(第2位置側)に移動することに起因する、遊技の不信感や違和感を防止でき、遊技の興趣を向上できる。
上記実施の形態や各変形例では、図22に示すように、駆動体310L,310Rを原点対応位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)に固定しているが、駆動体310L,310Rを原点対応位置よりも更に上方の奥位置に上昇させて停止させることで、可動体302を第1位置(上方位置)よりも上方の奥側位置に固定するようにしてもよい。
なお、代替演出は、常に裏で表示させてもよい。例えば、代替演出の表示画像が画像表示装置5に表示画面に表示されているものの、可動体302の背後に隠れて見えないようになっているものであってもよい。また、可動体動作演出の表示画像と代替演出の表示画像とを表示制御部123において内部的に並列して生成し、代替演出の表示画像を可動体動作演出の表示画像よりも下層レイヤーに設定されているときには、画像表示装置5に表示画面には可動体動作演出の表示画像が表示され、代替演出の表示画像が可動体動作演出の表示画像に隠れて見えなくなっているとしてもよい。代替演出の表示画像を表示する場合には、代替演出の表示画像を可動体動作演出の表示画像よりも上層レイヤーに設定すればよい。
上記実施の形態や各変形例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
上記実施の形態や各変形例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
上記実施の形態や各変形例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。また、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。