JP2019104505A - 液体品質管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このようにしてビール樽内のビールは、顧客へ提供される。
一方、ビールを充填したビール樽は、室温環境に置かれている場合が多い。よって冷却槽内の冷却水におけるビール冷却管の特に入口側付近では、略室温のビールとの熱交換により、冷却水温度は上昇し、冷却水中の氷は溶けていく。よって例えば検出した氷量を基に冷凍機を作動させて冷却水温度を低下させ、また撹拌装置により冷却水を撹拌することで、冷却水温度を設定範囲に維持し、注出ビール温度が既定範囲に維持されるようにしている。
撹拌モータにおける動作性能劣化、さらには故障が発生した場合には、冷却槽内の冷却水は撹拌されない又は撹拌不十分な状態になり、冷却管内を通過するビールと冷却水との熱交換効率は低下する。その結果、注出されるビール温度が既定範囲から外れることが多くなる、あるいは、いわゆるぬるいビールを提供してしまうことになる。
このように、従来、顧客に提供するビールの温度品質管理までは、不十分である場合があるという現実がある。
即ち、本発明の一態様における液体品質管理装置は、貯蔵容器内の液体を、加圧により供給管を通して注出装置へ供給し、該注出装置に備わる冷却装置にて冷却を行い、上記注出装置から飲用容器へ注出する液体供給システムに付加可能な液体品質管理装置であって、
上記冷却装置は、冷却水を収容した冷却槽と、上記冷却水に浸され内側を上記液体が流れる液体冷却管と、上記冷却水に浸され内側を冷媒が流れる冷媒配管と、上記冷媒を循環させ上記冷却水の一部を氷結させる冷凍機と、上記冷却水の撹拌を行う撹拌装置とを有し、液体冷却管及び冷媒配管のいずれか一方は冷却槽の中央側に位置し、いずれか他方は上記一方の外側で冷却槽の側壁側に位置する、
上記液体品質管理装置は、
上記飲用容器へ注出される液体量を検出する流量センサと、
上記冷却槽内に配置され上記冷却水の温度を検出する冷却水温度センサと、
上記流量センサ及び上記冷却水温度センサと電気的に接続された撹拌状態分析部であって、上記液体が注出された状態における上記冷却水の温度低下情報を基に、上記撹拌装置の異常を判断する撹拌状態分析部と、
を備えたことを特徴とする。
液体供給システム70は、貯蔵容器10と、加圧源15と、供給管30と、注出装置50とを有し、貯蔵容器10内の液体(上述のように実施形態ではビール)20を、加圧源15による加圧によって供給管30を通して注出装置50へ供給つまり圧送し、注出装置50から飲用容器(例えばジョッキ)40へ注ぎ出すシステムである。ここで貯蔵容器10は、実施形態では、ビールメーカーにてビールが充填された、いわゆるビール樽と呼ばれるステンレス製容器であり、例えば5L、10L、19L等の内容量のものがある。加圧源15は、炭酸ガスボンベである。供給管30は、貯蔵容器10と注出装置50との間でビールの通液を可能にする、可撓性を有する例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル等製の樹脂チューブである。後述するように、供給管30には、液体品質管理装置101に含まれる機器が取り付けられる。また、供給管30から注出装置50における液体注出口54に至るまで、流体の通液管路の内径は、通液管路内のスポンジ洗浄を容易にするため全て同寸法にて設計されているのが好ましい。
冷凍機53は、冷媒用の圧縮機及び凝縮器、凝縮器を冷却する冷却ファンなどから構成されており、圧縮、凝縮した冷媒を冷媒配管57内で蒸発させ、循環させる。
冷媒配管57も螺旋状に形成され、本実施形態では冷却槽51内で、液体冷却管52の外側つまり冷却槽51の側壁側に配置され、その殆どが冷却水55に浸される(図1、図2)。よって、冷媒配管57内を通過する際の冷媒の蒸発により、冷媒配管57の外側周辺の冷却水55が冷却され、さらには冷却水55の一部は氷結する。また冷媒配管57は、金属製で熱伝導率が高い、例えば銅等で作製される。
また撹拌モータ581は、故障していなければ、基本的に休みなく連続的に、一定速度にて撹拌翼582を回転するものである。
液体品質管理装置101は、冷却槽内の冷却水55における温度低下情報を基に、撹拌装置58に異常があることの判断を可能にして、注出される液体20の品質維持を可能にする装置である。
これらの構成部分について、以下に順次説明を行う。
また、流量センサ111の検出信号を基に、液体品質管理装置101は、注出装置50から飲用容器40へ注出した液体20、本実施形態ではビール、の実測流量を求めるように構成してもよい。
また、温度低下情報には、上述の図4B及び図5Bの場合のように、温度範囲がゼロである場合も含まれる。
尚、撹拌状態分析部130における動作については、図6及び図7を参照して以下で詳しく説明する。
尚、このような撹拌状態分析部130における動作については、図6及び図7を参照して以下で詳しく説明する。
尚、このような撹拌状態分析部130における動作については、図6及び図7を参照して以下で詳しく説明する。
流体流路調整装置170は、本願出願人による例えば特許5649801号に開示されるような装置であり、供給管30に設置されて、液体注出口54から飲用容器40へのビール(液体20)注出中に、貯蔵容器10内のビールが無くなったとき(貯蔵容器10が空になったとき)、また貯蔵容器10を交換する際に、注出装置50の液体注出口54から加圧気体である炭酸ガスが噴出するのを防止する装置である。
尚、液体供給システム70では、既に説明したように、注出装置(ビールディスペンサー)50におけるレバー56の店スタッフによる操作により、液体(ビール)20が飲用容器40に注出される。このとき、液体20は、液体冷却管52の通過時に冷却水55との熱交換によって冷却され注出される。温度上昇した冷却水55は、注出装置50内の冷凍機53及び撹拌装置58の作動により、略0℃に維持される。
図6は概略動作を示している。即ち、図6のステップS10において、撹拌状態分析部130における判断動作を実行するための前提条件が確認され、次のステップS20にて、冷却水55の温度低下に関する測定処理が実行され、次のステップS30にて撹拌装置58の異常の有無が判断される。これらの各処理動作について、図7を参照して以下でさらに詳しく説明する。尚、図7において、ステップS11、12、13は、ステップS10に属し、ステップS21は、ステップS20に属し、ステップS31、32は、ステップS30に属する。
まず、判断動作に至るまでの冷却水55における温度変化について説明する。
液体20が注出装置50内の冷却水55内の液体冷却管52内を流れることで、図4Aを参照して説明した、実線で示す温度変化551のように、冷却水55の温度は、ほぼ0℃から、一例として約0.5℃から約3℃程度まで、一旦上昇する。冷却水55の温度は、冷却水温度センサ120にて検知される。また、撹拌装置58による撹拌動作によって冷却水55は撹拌されており、液体20の注出停止後において、冷却水55の温度は、図4Aの温度変化551のように、下降に転じる。
ここで、設定温度として、本実施形態では一例として0.3℃を設定している。勿論、設定温度を0.3℃に限定するものではなく、注出装置50毎、使用状況等に応じて、適宜、設定可能である。
即ち、撹拌装置58の異常を検出することが可能になり、撹拌装置58の異常に着目して顧客に提供する液体の温度品質管理を行うことが可能になる。
該効果は、上述した、撹拌状態分析部130が流体ストッパ装置1710に対して液体20の注出を停止させることでも達成可能である。
また、分析装置200から送受信部160を介した制御指令にて撹拌状態分析部130が、例えば流体ストッパ装置1710の作動を制御することもできる。
52…液体冷却管、53…冷凍機、54…液体注出口、55…冷却水、
57…冷媒配管、58…撹拌装置、70…液体供給システム、
101…液体品質管理装置、111…流量センサ、120…冷却水温度センサ、
130…撹拌状態分析部、131…温度低下情報判断部、132…液体温度判定部、
140…液体温度センサ、150…作動停止検出部、160…送受信部、
170…流体流路調整装置、190…通信回線。
Claims (9)
- 貯蔵容器内の液体を、加圧により供給管を通して注出装置へ供給し、該注出装置に備わる冷却装置にて冷却を行い、上記注出装置から飲用容器へ注出する液体供給システムに付加可能な液体品質管理装置であって、
上記冷却装置は、冷却水を収容した冷却槽と、上記冷却水に浸され内側を上記液体が流れる液体冷却管と、上記冷却水に浸され内側を冷媒が流れる冷媒配管と、上記冷媒を循環させ上記冷却水の一部を氷結させる冷凍機と、上記冷却水の撹拌を行う撹拌装置とを有し、液体冷却管及び冷媒配管のいずれか一方は冷却槽の中央側に位置し、いずれか他方は上記一方の外側で冷却槽の側壁側に位置する、
上記液体品質管理装置は、
上記飲用容器へ注出される液体量を検出する流量センサと、
上記冷却槽内に配置され上記冷却水の温度を検出する冷却水温度センサと、
上記流量センサ及び上記冷却水温度センサと電気的に接続された撹拌状態分析部であって、上記液体が注出された状態における上記冷却水の温度低下情報を基に、上記撹拌装置の異常を判断する撹拌状態分析部と、
を備えたことを特徴とする液体品質管理装置。 - 上記温度低下情報は、上記撹拌状態分析部に設定した、温度範囲と、該温度範囲を上記冷却水の温度が低下するのに要する低下時間との関係情報であり、上記撹拌状態分析部は、上記温度低下情報と既定情報との比較を行い上記異常を判断する温度低下情報判断部を有する、請求項1に記載の液体品質管理装置。
- 上記冷却水温度センサは、上記他方の配管よりもさらに冷却槽の側壁側に配置される、請求項1又は2に記載の液体品質管理装置。
- 上記冷却水温度センサは、上記液体冷却管に近接又は接触して配置される、請求項1又は2に記載の液体品質管理装置。
- 当該液体品質管理装置は、液体温度センサをさらに備え、該液体温度センサは、上記貯蔵容器の出口で上記供給管に設置され、かつ上記撹拌状態分析部と電気的に接続され、
上記撹拌状態分析部は、上記貯蔵容器から排出された液体の温度を貯蔵容器内液体温度として測定し該貯蔵容器内液体温度と既定液体温度との比較を行う液体温度判定部を有し、貯蔵容器内液体温度が既定液体温度以上である状態において、上記撹拌装置の異常の判断を行う、請求項1から4のいずれかに記載の液体品質管理装置。 - 当該液体品質管理装置は、上記冷凍機の作動停止を検出する作動停止検出部をさらに備え、該作動停止検出部は、上記撹拌状態分析部と電気的に接続され、
上記撹拌状態分析部は、上記冷凍機の作動停止状態において、上記撹拌装置の異常の判断を行う、請求項1から5のいずれかに記載の液体品質管理装置。 - 当該液体品質管理装置は、上記撹拌状態分析部と電気的に接続され通信回線と情報の送受信を行う送受信部をさらに備え、該送受信部は、上記撹拌装置の異常を通信回線へ送信する、請求項1から6のいずれかに記載の液体品質管理装置。
- 当該液体品質管理装置は、流体流路調整装置をさらに備え、該流体流路調整装置は、上記供給管に設置され、上記注出装置から液体の注出を停止する流体ストッパ装置を有する、請求項1から7のいずれかに記載の液体品質管理装置。
- 上記撹拌状態分析部は、撹拌装置の異常の判断に対応して上記流体ストッパ装置に対して上記注出装置から液体の注出を停止させる、請求項8に記載の液体品質管理装置。
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