図1は、複合機1と端末装置5A、サーバ5B、およびプリンタ5Cとの接続の例を示す図である。図2は、複合機1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、MFPユニット2のハードウェア構成の例を示す図である。図4は、サーバユニット3のハードウェア構成の例を示す図である。図5は、MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれの機能的構成の例を示す図である。
図1に示す複合機1は、様々な機能を集約した装置であって、一般に「画像形成装置」または「MFP(Multi Function Peripherals)」と呼ばれることがある。
複合機1は、通信回線5Dを介して端末装置5A、サーバ5B、およびプリンタ5Cなどと通信する。通信回線5Dとして、インターネット、LAN(Local Area Network)回線、または公衆回線などが用いられる。
複合機1は、図2に示すように、MFPユニット2、サーバユニット3、およびタッチパネルディスプレイ4などによって構成される。
MFPユニット2は、コピー、ファックス、スキャン、ボックス、ローカルプリントなどの機能を有する。
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像データなどを保存し管理するための機能である。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
ローカルプリント機能は、ボックスまたはデスクトップに保存されているファイルに示される書類などの画像を印刷する機能である。
サーバユニット3は、サーバ機またはパーソナルコンピュータに相当する装置であって、ウェブサーバ、FTP(File Transfer Protocol)サーバ、またはネットワークプリントなどの機能を有する。
ネットワークプリント機能は、フォルダまたはデスクトップに保存されているファイルに示される書類などの画像をMFPユニット2または他のプリンタ(例えば、プリンタ5C)に印刷させる機能である。
サーバユニット3として、組込みコンピュータ(例えば、組込みLinux(登録商標)または組込みWindowsなど)が用いられる。組込みコンピュータは、「組込みコンピュータシステム」または「ビルトインサーバ」などと呼ばれることもある。
タッチパネルディスプレイ4は、MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれの画面を表示する。また、タッチパネルのタッチ面のタッチされた位置の座標を示すデータ(以下、「座標データ」と記載する。)をサーバユニット3へ送信する。
サーバユニット3は、MFPユニット2の筐体に内蔵されている。タッチパネルディスプレイ4は、MFPユニット2の上部に設けられている。このように、MFPユニット2、サーバユニット3、およびタッチパネルディスプレイ4は、一体的に構成されている。
MFPユニット2、サーバユニット3、およびタッチパネルディスプレイ4は、電源を共用している。しかし、MFPユニット2のオペレーティングシステムおよびサーバユニット3のオペレーティングシステムは、互いに独立して動作する。
MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれの機能によって基本的なサービスがユーザへ提供される。さらに、これらの機能を組み合わせることによって、応用的なサービスがユーザへ提供される。
画面をタッチパネルディスプレイ4に表示させる処理は、サーバユニット3が行う。つまり、サーバユニット3を操作するための画面だけでなくMFPユニット2を操作するための画面も、タッチパネルディスプレイ4をサーバユニット3が制御することによって表示される。
さらに、座標データも、MFPユニット2のためのものであってもサーバユニット3のためのものであっても、サーバユニット3を介してタッチパネルディスプレイ4からMFPユニット2へ送信される。そして、座標データは、MFPユニット2のためのものであれば、サーバユニット3からMFPユニット2へ転送される。
端末装置5Aは、複合機1のサービスをユーザが受けるためのクライアントである。端末装置5Aとして、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどが用いられる。
サーバ5Bは、ファイルを保存し、複合機1からの要求に応じて適宜、保存しているファイルを提供する。サーバ5Bとして、ファイルサーバまたはクラウドサーバなどが用いられる。
MFPユニット2は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b、ROM(Read Only Memory)20c、補助記憶装置20d、NIC(Network Interface Card)20e、モデム20f、スキャンユニット20g、プリントユニット20h、およびフィニッシャ20iなどによって構成される。
NIC20eは、サーバユニット3のハブ30f(図4参照)にケーブルで繋がれており、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルでサーバユニット3と通信する。さらに、ハブ30fを介して複合機1の外部の装置、例えば端末装置5Aまたはサーバ5Bなどと通信することができる。
モデム20fは、ファックス端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
スキャンユニット20gは、プラテンガラスの上にセットされた用紙に記されている画像を読み取って画像データを生成する。
プリントユニット20hは、スキャンユニット20gによって読み取られた画像のほか、複合機1の外部の装置またはサーバユニット3から受信した画像データに示される画像を用紙に印刷する。
フィニッシャ20iは、プリントユニット20hによって得られた印刷物に対して、必要に応じて後処理を施す。後処理は、ステープルで綴じる処理、パンチ穴を開ける処理、または折り曲げる処理などである。
CPU20aは、MFPユニット2のメインCPUである。RAM20bは、MFPユニット2のメインメモリである。RAM20bとして、DDR−SDRAM(Double Data Rate Secure Digital Synchronous Dynamic Random Access Memory)のようなSDRAMが用いられる。後述するRAM30b(図4参照)も、同様である。
ROM20cまたは補助記憶装置20dには、オペレーティングシステムのほか、上述のコピーなどの機能を実現したりサービスを提供したりするためのアプリケーションが記憶されている。さらに、第一の連携プログラム20P(図5参照)が記憶されている。第一の連携プログラム20Pは、サーバユニット3の画面とともにMFPユニット2の画面をディスプレイモジュール4Aに表示するためのプログラムである。
これらのプログラムは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。補助記憶装置20dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
サーバユニット3は、図4に示すように、CPU30a、RAM30b、ROM30c、補助記憶装置30d、NIC30e、ハブ30f、ビデオボード30g、およびホストアダプタ30hなどによって構成される。
NIC30eは、ハブ30fにケーブルで繋がれており、ハブ30fを介してTCP/IPなどのプロトコルでMFPユニット2のほか、複合機1の外部の装置と通信する。
ハブ30fには、上述の通り、NIC30eおよびMFPユニット2のNIC20eがケーブルで繋がれている。さらに、ルータにケーブルで繋がれている。そして、ハブ30fは、これらの機器の間でやり取りされるデータを中継する。
ビデオボード30gは、タッチパネルディスプレイ4のディスプレイモジュール4A(図2参照)とケーブルで繋がれており、画面を表示するための映像信号を生成しディスプレイモジュール4Aへ送信する。ビデオボード30gは、「グラフィックボード」または「ビデオカード」などと呼ばれることもある。ビデオボード30gおよびディスプレイモジュール4Aのインタフェースの規格として、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)またはD−SUB(D-Subminiature)などが用いられる。
ホストアダプタ30hは、タッチパネルディスプレイ4のタッチパネルモジュール4Bとケーブルで繋がれており、座標データをタッチパネルモジュール4Bから受信する。ホストアダプタ30hとタッチパネルモジュール4Bとのインタフェースの規格として、USB(Universal Serial Bus)またはIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394などが用いられる。
CPU30aは、サーバユニット3のメインCPUである。RAM30bは、サーバユニット3のメインメモリである。
ROM30cまたは補助記憶装置30dには、オペレーティングシステムのほか、上述の機能を実現しまたはサービスを提供するためのアプリケーションなどのプログラムが記憶されている。さらに、第二の連携プログラム30P(図5参照)が記憶されている。第二の連携プログラム30Pは、MFPユニット2の画面とともにサーバユニット3の画面をディスプレイモジュール4Aに表示するためのプログラムである。
これらのプログラムは、RAM30bにロードされ、CPU30aによって実行される。補助記憶装置30dとして、ハードディスクまたはSSDなどが用いられる。
タッチパネルディスプレイ4は、図2に示すように、ディスプレイモジュール4Aおよびタッチパネルモジュール4Bなどによって構成される。
ディスプレイモジュール4Aは、サーバユニット3から送信されてきた映像信号に基づいて画面を表示する。ディスプレイモジュール4Aとして、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイまたは液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイが用いられる。
タッチパネルモジュール4Bは、タッチ面がタッチされたことを検知するごとに、タッチされた位置の座標を示す座標データをサーバユニット3へ送信する。
次に、第一の連携プログラム20PによってMFPユニット2に実現される機能および第二の連携プログラム30Pによってサーバユニット3に実現される機能を、図5などを参照しながら説明する。
第一の連携プログラム20Pによると、図5に示す画面構成データ記憶部201、画面描画部202、画面構成データ送信部203、および次処理判別部204などがMFPユニット2に実現される。
第二の連携プログラム30Pによると、図5に示す画面構成データ記憶部301、対応関係記憶部302、共通アイコン検出部311、除去アイコン選出部312、画面描画部313、除去要求部314、画面連結部315、操作対象判別部316、次処理判別部317、およびタッチデータ転送部318などがサーバユニット3に実現される。
以下、MFPユニット2の各部およびサーバユニット3の各部の処理を、ディスプレイモジュール4Aに画面を表示するための処理およびタッチパネルモジュール4Bへのタッチに応答するための処理に大別して説明する。
〔ディスプレイモジュール4Aに画面を表示するための処理〕
図6は、デスクトップ画面7A1の例を示す図である。図7は、画面構成データ6A1の例を示す図である。図8は、デスクトップ画面7D1の例を示す図である。図9は、画面構成データ6D1の例を示す図である。図10は、対応関係データ6Gの例を示す図である。図11は、連結画面7J1の例を示す図である。
MFPユニット2の画面構成データ記憶部201には、ユーザがMFPユニット2を操作するための画面であるMFP画面7Aごとに、MFP画面7Aを構成するオブジェクトごとの配置などを示す画面構成データ6Aが予め記憶されている。さらに、オブジェクトごとの画像データ6Cが予め記憶されている。
なお、MFP画面7Aのサイズは予め決められており、ディスプレイモジュール4Aの表示面を左右に2等分したサイズである。後述するサーバ画面7Dにおいても、同様である。MFP画面7Aの原点は左下の頂点であり、X軸方向は左から右への方向であり、Y軸方向は上から下への方向である。ディスプレイモジュール4Aの表示面、タッチパネルモジュール4Bのタッチ面、および後述するサーバ画面7Dにおいても、同様である。また、説明の簡単のため、タッチ面の解像度および表示面の解像度が同じである場合を例に説明する。
例えば、図6のようなデスクトップ画面7A1の画面構成データ6Aとして、図7のような画面構成データ6A1が画面構成データ記憶部201に記憶されている。デスクトップ画面7A1は、MFPユニット2のオペレーティングシステムのデスクトップのMFP画面7Aである。デスクトップ画面7A1には、オブジェクトとして8つのアイコン7A11〜7A18が配置されている。
アイコン7A11は、ゴミ箱機能のアイコンである。ゴミ箱機能は、ファイルおよびボックスを削除する機能である。アイコン7A11の上にファイルまたはボックスのアイコンがドラッグアンドドロップされると、そのファイルまたはボックスが削除される。
アイコン7A12は、ある書類を再現するための書類ファイルのアイコンである。7A13〜7A17も、同様である。
アイコン7A18は、あるボックスのアイコンである。アイコン7A18がダブルタップされると、そのボックスに保存されているファイルの一覧を示す画面がディスプレイモジュール4Aに表示される。つまり、そのボックスがオープンする。
画面構成データ6A1には、図7に示すように、デスクトップ画面7A1のオブジェクトごとのオブジェクトデータ6Bが含まれている。つまり、オブジェクトデータ6Bとして、アイコン7A11〜7A18それぞれのオブジェクトデータ6B1〜6B8が含まれている。オブジェクトデータ6Bには、それに対応するオブジェクトの情報として、識別コード、第一の属性コード、および位置などの情報が示されている。
「識別コード」は、そのオブジェクトを識別するコードである。「第一の属性コード」は、そのオブジェクトの属性を識別するコードである。そのオブジェクトが、あるファイルのアイコンである場合は、そのファイルの種類を識別するコードが第一の属性コードとして示される。または、そのオブジェクトが、ある機能である場合は、その機能を識別するコードが第一の属性コードとして示される。
「位置」は、デスクトップ画面7A1における、そのオブジェクトの位置である。本例では、そのオブジェクトの位置として、そのオブジェクトを囲むことができる最小の矩形の4つの頂点それぞれの座標が示される。
そのほか、オブジェクトデータ6Bには、そのオブジェクトに対応付けられているファイルのファイル名またはそのオブジェクトに対応付けられているアプリケーションの識別子などが必要に応じて示される。
なお、画面構成データ6Aは、アイコンが移動し、削除され、または追加されるごとに、更新される。
さらに、デスクトップ画面7A1を構成するオブジェクトつまりアイコン7A11〜7A18それぞれの画像データ6C1〜6C8が画像データ6Cとして画面構成データ記憶部201に記憶されている。画像データ6Cのフォーマットとして、GIF(Graphics Interchange Format)またはJPEG(Joint Photographic Experts Group)などが用いられる。後述する画像データ6Fも、同様である。
サーバユニット3の画面構成データ記憶部301には、ユーザがサーバユニット3を操作するための画面であるサーバ画面7Dごとに、サーバ画面7Dを構成するオブジェクトごとの配置などを示す画面構成データ6Dが予め記憶されている。さらに、オブジェクトごとの画像データ6Fが予め記憶されている。
例えば、図8のようなデスクトップ画面7D1の画面構成データ6Dとして、図9のような画面構成データ6D1が画面構成データ記憶部301に記憶されている。デスクトップ画面7D1は、サーバユニット3のオペレーティングシステムのデスクトップのサーバ画面7Dである。デスクトップ画面7D1には、オブジェクトとして4つのアイコン7D11〜7D14が配置されている。
アイコン7D11は、ゴミ箱機能のアイコンである。アイコン7D11の上にファイルまたはボックスのアイコンがドラッグアンドドロップされると、そのファイルまたはボックスが削除される。
アイコン7D12は、あるボックスのアイコンである。アイコン7D12がダブルタップされると、そのボックスがオープンする。アイコン7D13も、同様である。
アイコン7D14は、ウェブブラウザ機能のアイコンである。アイコン7D14がダブルタップされると、ウェブブラウザが起動する。
画面構成データ6D1には、図9に示すように、デスクトップ画面7D1のオブジェクトごとのオブジェクトデータ6Eが含まれている。つまり、オブジェクトデータ6Eとして、アイコン7D11〜7D14ごとのオブジェクトデータ6E1〜6E4が含まれている。オブジェクトデータ6Eには、それに対応するオブジェクトの情報として、識別コード、第二の属性コード、および位置などの情報が示されている。
「識別コード」は、そのオブジェクトを識別するコードである。「第二の属性コード」は、第一の属性コードと同様に、そのオブジェクトの属性を識別するコードである。つまり、そのオブジェクトが、あるファイルのアイコンである場合は、そのファイルの種類を識別するコードが第二の属性コードとして示される。または、そのオブジェクトが、ある機能である場合は、その機能を識別するコードが第二の属性コードとして示される。
ただし、第二の属性コードの定義の仕方は、第一の属性コードの定義の仕方と共通していなくても構わない。つまり、MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれ独自に第一の属性コードまたは第二の属性コードを定義してもよい。識別コードも同様に、それぞれ独自に付けることができる。
「位置」は、デスクトップ画面7D1における、そのオブジェクトの位置である。本例では、そのオブジェクトの位置として、そのオブジェクトを囲むことができる最小の矩形の4つの頂点それぞれの座標が示される。
そのほか、オブジェクトデータ6Eには、そのオブジェクトに対応付けられているファイルのファイル名またはそのオブジェクトに対応付けられているアプリケーションの識別子などが必要に応じて示される。
なお、画面構成データ6Dは、アイコンが移動し、削除され、または追加されるごとに、更新される。
さらに、デスクトップ画面7D1を構成するオブジェクトつまりアイコン7D11〜7D14それぞれの画像データ6F1〜6F4が画像データ6Fとして画面構成データ記憶部301に記憶されている。
対応関係記憶部302には、図10に示すような対応関係データ6Gが予め記憶されている。対応関係データ6Gは、MFPユニット2の機能およびサーバユニット3の機能のうちの共通する2つの機能それぞれの第一の属性コードおよび第二の属性コードを互いに対応付けてペアとして示している。
例えば、MFPユニット2およびサーバユニット3には、ともに、ゴミ箱機能が備わっている。そこで、対応関係データ6Gには、ゴミ箱機能の第一の属性コードである「5300h」およびゴミ箱機能の第二の属性コードである「5310h」が互いに対応付けられて示されている。
また、ローカルプリント機能およびネットワークプリント機能は、画像をプリントユニット20hによって印刷する点で共通する。そこで、対応関係データ6Gには、ローカルプリント機能の第一の属性コードである「6201h」およびネットワークプリント機能の第二の属性コードである「6202h」が互いに対応付けられて示されている。
ところで、ディスプレイモジュール4Aには、複数のMFP画面7Aおよび複数のサーバ画面7Dのうちの最近に選択されたMFP画面7Aおよびサーバ画面7Dが1つずつ並んで表示される。以下、最近に選択されたMFP画面7Aおよびサーバ画面7Dをそれぞれ、「被選択MFP画面」および「被選択サーバ画面」と記載する。
ただし、デフォルトの被選択MFP画面および被選択サーバ画面として、それぞれ、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1が予め設定されている。したがって、MFPユニット2のオペレーティングシステムおよびサーバユニット3のオペレーティングシステムが起動した直後は、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1が表示される。
その後、ユーザによる操作、CPU20aによる処理の結果、またはCPU30aによる処理の結果などに伴って、カレントの被選択MFP画面または被選択サーバ画面に代えて次に表示すべきMFP画面7Aまたはサーバ画面7Dが選択される。これにより、被選択MFP画面または被選択サーバ画面が切り換わる。
画面描画部202は、被選択MFP画面であるMFP画面7Aをディスプレイモジュール4Aに表示させるための、ビットマップデータであるMFP画面データ6HAを、そのMFP画面7Aの画面構成データ6AおよびそのMFP画面7Aを構成するオブジェクトそれぞれの画像データ6Cに基づいて生成する。そして、生成したMFP画面データ6HAをサーバユニット3へ送信する。
なお、これらの画面構成データ6Aおよび画像データ6Cは、画面構成データ記憶部201から読み出される。MFP画面7Aの中の、オブジェクトが配置されない部分すなわち余白には、予め設定されている色の画素を配置すればよい。
画面構成データ送信部203は、その画面描画部202によってそのMFP画面7AのMFP画面データ6HAが生成される際に、そのMFP画面7Aの画面構成データ6Aをサーバユニット3へ送信する。
また、画面描画部202は、後述するように、そのMFP画面7Aをいずれかのオブジェクトが除去されるように一時的に更新し、更新後のMFP画面7AのMFP画面データ6HAを生成しサーバユニット3へ送信することがある。ただし、画面構成データ送信部203は、この場合は、画面構成データ6Aを送信しなくてもよい。
サーバユニット3において、MFPユニット2からMFP画面データ6HAおよび画面構成データ6Aが送信されてくると、連結画面7Jをタッチパネルモジュール4Bに表示させるための処理が、共通アイコン検出部311ないし画面連結部315によって実行される。
連結画面7Jは、MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dを左右に並べた画面である。MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dのサイズは、ともに、ディスプレイモジュール4Aの表示面を左右に2等分したサイズである。よって、連結画面7Jのサイズは、ディスプレイモジュール4Aの表示面のサイズに等しい。
以下、図11(A)のような、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1からなる連結画面7J1を、連結画面7Jとして表示させる場合を例に、この処理について説明する。
共通アイコン検出部311は、被選択MFP画面および被選択サーバ画面それぞれから、共通する2つの機能それぞれのアイコンを共通アイコンとして検出する。本例では、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1それぞれから検出する。検出の方法は、次の通りである。
共通アイコン検出部311は、被選択サーバ画面の画面構成データ6D(本例では、図9に示す、デスクトップ画面7D1の画面構成データ6D1)を画面構成データ記憶部301から読み出す。さらに、対応関係データ6G(図10参照)を対応関係記憶部321から読み出す。
共通アイコン検出部311は、対応関係データ6Gに1つ目のペアとして示される第一の属性コードおよび第二の属性コードに注目する。そして、その第一の属性コードを示すオブジェクトデータ6Bを画面構成データ6A(本例では、図7に示す画面構成データ6A1)の中から検索するとともに、その第二の属性コードを示すオブジェクトデータ6Eを画面構成データ6D1の中から検索する。
そして、そのようなオブジェクトデータ6Bおよびオブジェクトデータ6Eが見つかったら、共通アイコン検出部311は、それぞれに係るアイコンを1組の共通アイコンとして検出する。
例えば、対応関係データ6Gには、1つ目のペアの第一の属性コードおよび第二の属性コードとして、それぞれ「5300h」および「5310h」が示される。そこで、共通アイコン検出部322は、「5300h」を第一の属性コードとして示すオブジェクトデータ6Bおよび「5310h」を第二の属性コードとして示すオブジェクトデータ6Eを検索する。すると、オブジェクトデータ6B1およびオブジェクトデータ6E1が見つかる。そこで、共通アイコン検出部322は、オブジェクトデータ6B1に係るアイコンつまりアイコン7A11およびオブジェクトデータ6E1に係るアイコンつまりアイコン7D11を1組の共通アイコンとして検出する。
共通アイコン検出部311は、2つ目以降のペアについても同様に、そのペアの第一の属性コードおよび第二の属性コードに注目し、共通アイコンの検出を試みる。本例では、共通アイコン検出部311による処理の結果、共通アイコンとしてアイコン7A11およびアイコン7D11のペアのみが検出される。
除去アイコン選出部312は、1組の共通アイコンつまりアイコン7A11およびアイコン7D11のうちの、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1を左右に並べたときの両画面の境界から遠いほうのアイコンを、除去アイコンとして選出する。
アイコン7A11と境界との距離は、オブジェクトデータ6B1に示される「位置」に基づいて算出することができる。オブジェクトデータ6B1に示される位置によって、アイコン7A11の右端のX座標が分かる。アイコン7A11と境界との距離は、アイコン7A11の右端とデスクトップ画面7A1の右端との距離なので、アイコン7A11の右端のX座標が「Xa3」であり、デスクトップ画面7A1の幅が「長さLw」ならば、「Lw−Xa3」がアイコン7A11と境界との距離である。
アイコン7D11と境界との距離は、オブジェクトデータ6E1に示される「位置」に基づいて算出することができる。オブジェクトデータ6E1に示される位置によって、アイコン7D11の左端のX座標が分かる。アイコン7D11と境界との距離は、アイコン7D11の左端とデスクトップ画面7D1の左端との距離なので、アイコン7D11の右端のX座標が「Xa5」であれば、「Xa5」がアイコン7A11と境界との距離である。
本例では、アイコン7D11のほうがアイコン7A11よりも境界から遠い。よって、除去アイコン選出部312は、除去アイコンとしてアイコン7D11を選出する。
画面描画部313は、サーバ画面7Dをディスプレイモジュール4Aに表示させるための、ビットマップデータであるサーバ画面データ6HDを、そのサーバ画面7Dの画面構成データ6Dおよびそのサーバ画面7Dを構成するオブジェクトそれぞれの画像データ6Fに基づいて生成する。本例では、デスクトップ画面7D1のサーバ画面データ6HDを生成する。
なお、これらの画面構成データ6Dおよび画像データ6Fは、画面構成データ記憶部301から読み出される。サーバ画面7Dの中の余白には、予め設定されている色の画素を配置すればよい。
また、被選択サーバ画面のアイコンが除去アイコンとして選出された場合は、画面描画部313は、サーバ画面7Dから一時的にそのアイコンを除去して、サーバ画面データ6HDを生成する。本例では、デスクトップ画面7D1からアイコン7D11を除去し、サーバ画面データ6HDを生成する。
除去要求部314は、除去アイコンとして選出されたアイコンが被選択MFP画面のアイコンである場合に、除去要求データ6M1をMFPユニット2へ送信することによって、そのアイコンを被選択MFP画面から除去するようにMFPユニット2へ要求する。
除去要求データ6M1には、そのアイコンを識別する情報(例えば、位置)が示されている。これは、MFPユニット2から送信されてきた画面構成データ6Aに示されている。
除去要求部314は、さらに、除去要求データ6M1とともに、対アイコンデータ6M2をMFPユニット2へ送信する。
対アイコンデータ6M2には、サーバ画面7Dの中の、そのアイコンとともに共通アイコンとして選出されたアイコンの位置を示す情報が示されている。この情報として、この選出されたアイコンのオブジェクトデータ6Eに示される位置を長さLwだけ右へシフトした位置の座標が示されている。この座標は、MFP画面7Aの右にサーバ画面7Dを並べた場合の、MFP画面7Aの座標系における選出されたアイコンの位置を表わしている。
本例では、除去アイコンとして選出されたアイコンが、アイコン7D11つまり被選択サーバ画面のアイコンなので、MFPユニット2の要求がなされないが、以下、被選択MFP画面のアイコンが選出された場合におけるMFPユニット2の処理について、説明する。
MFPユニット2において、画面描画部202は、除去要求データ6M1を受信すると、除去要求データ6M1に示される情報によって識別されるアイコンを被選択MFP画面の中から検索し、そのアイコンを一時的に除去してその被選択サーバ画面のMFP画面データ6HAを生成し直す。
そして、画面描画部202は、除去前に送信していたMFP画面データ6HAに代えて、生成し直したMFP画面データ6HAをサーバユニット3へ送信する。
サーバユニット3において、画面連結部315は、画面描画部313によって生成されたサーバ画面データ6HDおよびMFPユニット2から受信したMFP画面データ6HAに基づいて、連結画面7J(本例では、連結画面7J1)の画面データ6Jを生成し、ビデオボード30gへ送信する。
なお、除去アイコンとして被選択MFP画面のアイコンが選出された場合は、画面連結部315は、そのアイコンの除去後に生成されたMFP画面データ6HAが送信されてくるのを待って、画面データ6Jを生成し始めてもよい。
ビデオボード30gは、画面データ6Jを映像信号6Kに変換し、ディスプレイモジュール4Aへ送信する。
そして、ディスプレイモジュール4Aは、映像信号6Kに基づいて連結画面7J1を表示する。ただし、本例では、連結画面7J1は、アイコン7D11が図11(B)のように除去された状態で表示される。
〔タッチパネルモジュール4Bへのタッチに応答するための処理〕
図12および図13は、連結画面7Jに対するタッチ操作の例を示す図である。
ユーザは、タッチパネルモジュール4Bのタッチ面をタッチすることによって、MFPユニット2またはサーバユニット3のいずれかに対する操作を行う。
タッチパネルモジュール4Bは、タッチ面がタッチされている間、定期的に、例えば、0.1秒ごとに、タッチされた位置の座標を示す座標データ6Lをサーバユニット3に送信する。
サーバユニット3において、座標データ6Lが受信され始めると、操作対象判別部316は、ユーザによる操作がMFPユニット2に対するものなのかサーバユニット3に対するものなのかを次のように判別する。
操作対象判別部316は、1番目の座標データ6Lに示される座標の位置つまり最初にタッチされた位置が連結画面7Jの中のMFP画面7Aの側に属する場合は、ユーザによる操作がMFPユニット2に対するものであると判別する。一方、サーバ画面7Dの側に属する場合は、サーバユニット3に対するものであると判別する。
次処理判別部317は、タッチパネルモジュール4Bから送信されてくる座標データ6Lに基づいて、サーバユニット3の、次に実行すべき処理(以下、「次処理」と記載する。)を判別する。ところで、座標データ6Lに示される座標は、連結画面7Jにおける座標である。また、デスクトップ画面7D1は、連結画面7J1において連結画面7J1の原点から右へ長さLwだけシフトしている。そこで、次処理判別部317は、座標データ6Lに示される座標を左へ長さLwだけシフトさせることによって、デスクトップ画面7D1における座標に変換する。そして、変換後の座標(以下、「シフト座標」と記載する。)に基づいて次処理を判別する。
ここで、連結画面7J1が連結画面7Jとして表示されている場合における判別の例を2つ挙げる。
1回または数回連続して座標データ6Lが受信され、これらの座標データ6Lそれぞれからアイコン7D12のシフト座標として得られ、座標データ6Lが約0.5秒間通知されなくなり、再び1回または数回連続して座標データ6Lが受信され、これらの座標データ6Lそれぞれからアイコン7D12のシフト座標として得られる。このような場合に、次処理判別部317は、アイコン7D12が図12(A)のようにダブルタップされたと認識する。
そして、次処理判別部317は、次処理を、アイコン7D12に対応するボックスに保存されているファイルの一覧の画面をサーバ画面7Dとして表示する処理であると判別する。
または、連続して受信される座標データ6Lそれぞれから得られるシフト座標が、アイコン7D12の位置の座標からアイコン7A11の位置の座標へ向かって連続的に変化し、アイコン7A11の位置の座標になった後、座標データ6Lが受信されなくなる。このような場合は、次処理判別部317は、図12(B)のようにアイコン7D12がアイコン7A11にドラッグアンドドロップされたと認識する。
なお、座標データ6Lに示される座標は、ドラッグの途中で、連結画面7Jの中のサーバ画面7Dの領域からMFP画面7Aの領域へ進入するが、ユーザの指がタッチパネルモジュール4Bのタッチ面から離れるまでは、操作対象判別部316および次処理判別部317は、サーバユニット3に対する一連の操作であるものとして座標データ6Lを上述の通り取り扱う。
そして、次処理判別部317は、次処理を、アイコン7A11とともに共通アイコンとして検出されたアイコンつまりアイコン7D11に対応する機能をアイコン7D12に対応するボックスに対して適用すると、判別する。具体的には、アイコン7D11に対応する機能は、ゴミ箱機能なので、そのボックスをデスクトップから削除する処理であると判別する。
ところで、アイコン7A11は、デスクトップ画面7D1の外に配置されたものであって、デスクトップ画面7D1に配置されたものではない。
そこで、次処理判別部317は、デスクトップ画面7A1に配置されているアイコン7A11〜7A18のうちの、共通アイコン検出部311によって共通アイコンとして検出されたアイコンが、デスクトップ画面7D1に配置されているとみなす。この際に、そのアイコンの、デスクトップ画面7D1の座標系における位置の座標を、そのアイコンのオブジェクトデータ6B(図7参照)および連結画面7J1とデスクトップ画面7D1との位置関係に基づいて算出する。そして、算出した座標に基づいて、デスクトップ画面7D1の外のアイコンの存在を認識する。
そして、サーバユニット3において、次処理が実行される。その結果、図12(A)の例の場合は、アイコン7D12に対応するボックスに保存されているファイルの一覧の画面がサーバ画面7Dとして表示される。または、図12(B)で説明した例の場合は、アイコン7D12に対応するボックスがデスクトップから削除される。
一方、ユーザによる操作がMFPユニット2に対するものであると操作対象判別部316によって判別された場合は、タッチデータ転送部318が、タッチパネルモジュール4Bから送信されてくる座標データ6Lを順次、MFPユニット2へ転送する。
MFPユニット2において、次処理判別部204は、サーバユニット3から受信した座標データ6Lに示される座標に基づいて、MFPユニット2の次処理を判別する。サーバユニット3の次処理判別部317は、座標データ6Lに示される座標をシフトさせた。しかし、MFP画面7Aの原点とタッチパネルモジュール4Bの表示面の原点とが一致するので、次処理判別部204は、座標データ6Lに示される座標をシフトさせない。なお、原点が一致しない場合は、MFP画面7Aに合うようにシフトさせる必要がある。
ここで、連結画面7J1が連結画面7Jとして表示されている場合における判別の例を2つ挙げる。
座標データ6Lに示される座標がアイコン7A12の位置の座標からアイコン7A11の位置の座標へ向かって連続的に変化し、アイコン7A11の位置になった後、座標データ6Lが受信されなくなる。このような場合は、次処理判別部204は、図13(A)のようにアイコン7A12がアイコン7A11にドラッグアンドドロップされたと認識する。
そして、次処理判別部317は、次処理を、アイコン7A11に対応する機能をアイコン7A12に対応するボックスに対して適用すると、判別する。具体的には、そのボックスをデスクトップから削除する処理であると判別する。
図11(B)に示した連結画面7J1の例では、アイコン7A11が残しアイコン7D11が除去されたが、アイコン7D11が残りアイコン7A11が除去されることがある。この状態において、座標データ6Lに示される座標がアイコン7A12の位置の座標からアイコン7D11の座標へ向かって連続的に変化し、アイコン7D11の位置になった後、座標データ6Lが受信されなくなる。このような場合は、次処理判別部204は、図13(B)のようにアイコン7A12がアイコン7D11にドラッグアンドドロップされたと認識する。
そして、次処理判別部317は、次処理を、アイコン7D11とともに共通アイコンとして検出されたアイコンつまりアイコン7A11に対応する機能をアイコン7A12に対応するファイルに対して適用すると、判別する。具体的には、アイコン7A11に対応する機能は、ゴミ箱機能なので、そのファイルをデスクトップから削除する処理であると判別する。なお、アイコン7D11の位置およびアイコン7D11とともに共通アイコンとして検出されたアイコンは、対アイコンデータ6M2に基づいて判別することができる。
そして、MFPユニット2において、次処理が実行される。その結果、図13(A)の例の場合は、アイコン7A12に対応するファイルがデスクトップから削除される。図13(B)の例の場合も、同様である。
MFPユニット2が次処理を行うのに伴って、被選択MFP画面として表示されているMFP画面7Aの中のオブジェクトの配置が変わったり、被選択MFP画面があるMFP画面7Aから他のMFP画面7Aに変わったりすることがある。同様に、サーバユニット3が次処理を行うことによって、被選択サーバ画面として表示されているサーバ画面7Dの中のオブジェクトの配置が変わったり、被選択サーバ画面があるサーバ画面7Dから他のサーバ画面7Dに変わったりすることがある。
このような場合は、MFPユニット2およびサーバユニット3の各部は、上述の処理を適宜、実行し直す。例えば、デスクトップ画面7D1のアイコン7D12がダブルタップされた場合は、被選択サーバ画面がデスクトップ画面7D1からアイコン7D12に対応するボックスに保存されているファイルの一覧の画面に変わる。そこで、MFPユニット2およびサーバユニット3の各部は、被選択サーバ画面をこの一覧の画面に変えて、上述の処理を実行する。
図14は、MFPユニット2の全体的な処理の流れの例を示すフローチャートである。図15は、サーバユニット3の全体的な処理の流れの例を示すフローチャートである。
次に、MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dを合成して表示する際の、MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
MFPユニット2は、オペレーティングシステムの起動後、第一の連携プログラム20Pに基づいて、図14に示す手順で処理を実行する。
一方、サーバユニット3は、オペレーティングシステムの起動後、第二の連携プログラム30Pに基づいて、図15に示す手順で処理を実行する。
MFPユニット2は、デフォルトの被選択MFP画面つまりデスクトップ画面7A1のMFP画面データ6HAを画面構成データ6A1(図7参照)およびデスクトップ画面7A1のオブジェクトそれぞれの画像データ6Cに基づいて生成し始め、サーバユニット3へ送信し始める(図14の#701)。さらに、デスクトップ画面7A1の画面構成データ6A(図7参照)をサーバユニット3へ送信する(#702)。
サーバユニット3は、画面構成データ6Aを受信するとともに(図15の#721)、MFP画面データ6HAを受信し始めると(#722)、被選択MFP画面および被選択サーバ画面それぞれから共通アイコンを検出する(#723)。最初は、画面構成データ6A1および画面構成データ6D1(図9参照)に基づいてデスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1それぞれから共通アイコンを検出する。以下、被選択MFP画面および被選択サーバ画面それぞれがデスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1である場合を例に説明する。
さらに、サーバユニット3は、デスクトップ画面7A1およびデスクトップ画面7D1それぞれから検出された共通アイコンのうちのどちらを除去し、どちらを残すのかを決定する(#724)。なお、共通アイコンが複数組、検出された場合は、各組について、どちらを除去しどちらを残すのかを決定する。
サーバユニット3は、デスクトップ画面7A1の共用アイコンを除去しデスクトップ画面7D1の共通アイコンを残すと決定した場合は(#725でYes)、除去要求データ6M1および対アイコンデータ6M2をMFPユニット2へ送信する(#726)。
MFPユニット2は、除去要求データ6M1および対アイコンデータ6M2を受信すると(#703でYes)、デスクトップ画面7A1から共通アイコンを除去してMFP画面データ6HAを生成しサーバユニット3へ送信し始める(#704、#705)。
サーバユニット3は、共通アイコンが除去された状態のデスクトップ画面7A1のMFP画面データ6HAを受信し始める(#727)。さらに、共通アイコンを除去することなくデスクトップ画面7D1のサーバ画面データ6HDを生成し始める(#728)。
そして、サーバユニット3は、ステップ#727で受信し始めたMFP画面データ6HAおよびステップ#728で生成し始めたサーバ画面データ6HDに基づいて連結画面7Jの画面データ6Jを生成し、映像信号6Kに変換してディスプレイモジュール4Aへ送信する(#730)。
一方、デスクトップ画面7D1の共用アイコンを除去しデスクトップ画面7A1の共通アイコンを残すと決定した場合は(#725でNo)、サーバユニット3は、共通アイコンを除去した状態のデスクトップ画面7D1のサーバ画面データ6HDを生成し始める(#729)。
そして、サーバユニット3は、ステップ#722で受信し始めたMFP画面データ6HAおよびステップ#729で生成し始めたサーバ画面データ6HDに基づいて連結画面7Jの画面データ6Jを生成し、映像信号6Kに変換してディスプレイモジュール4Aへ送信する(#730)。
サーバユニット3は、座標データ6Lを受信し始めると(#731でYes)、ユーザによる操作がMFPユニット2およびサーバユニット3のいずれに対するものであるのかを判別する(#732)。
ユーザによる操作がサーバユニット3に対するものであると判別した場合は(#733でYes)、サーバユニット3は、座標データ6Lに基づいて次処理を判別する(#734)。そして、次処理を実行する。次処理が現在のサーバ画面7Dの遷移を伴うものである場合は(#735でYes)、遷移後のサーバ画面7Dに被選択サーバ画面を変更し(#736)、ステップ#723に戻って上述の処理を実行する。
一方、ユーザによる操作がMFPユニット2に対するものであると判別した場合は(#733でNo)、サーバユニット3は、受信した座標データ6Lを順次、MFPユニット2へ転送する(#737)。
MFPユニット2は、座標データ6Lを受信し始めると(#706でYes)、座標データ6Lに基づいて次処理を判別する(#707)。そして、次処理を実行する。次処理が現在のMFP画面7Aの遷移を伴うものである場合は(#708でYes)、遷移後のMFP画面7Aに被選択サーバ画面を変更し(#709)、ステップ#721に戻って上述の処理を実行する。
サーバユニット3は、MFPユニット2から遷移後のMFP画面7AのMFP画面データ6HAおよび画面構成データ6Aを受信したら(#738でYes)、ステップ#723に戻って上述の処理を実行する。
本実施形態によると、ユーザがMFPユニット2およびサーバユニット3を並行して使用する場合において、MFPユニット2およびサーバユニット3それぞれの画面の中から共通する機能に係るアイコンを検出し、いずれか一方を除去し他方を共用する。よって、これらの画面を従来よりもすっきりと表示させることができる。
図16は、連結画面7J1の例を示す図である。図17は、連結画面7J2の例を示す図である。図18は、アイコン7A21の変形例を示す図である。図19は、2つのアイコン7Aa、7Daおよびこれらを用いて生成した連結画面7Jの例を示す図である。図20は、アイコンおよび選択肢7S1、7S2の例を示す図である。
本実施形態では、MFP画面7Aまたはサーバ画面7Dの中の、一時的に除去したアイコンの位置を、余白のまま残したが、他のアイコンを一時的に配置してもよい。例えば、デスクトップ画面7D1からアイコン7D11を一時的に除去した後、図16に示すように、アイコン7D15をアイコン7D11の位置に一時的に配置してもよい。
本実施形態では、共通アイコンとしてMFP画面7Aおよびサーバ画面7Dそれぞれから検出されたアイコンのうち、MFP画面7Aとサーバ画面7Dとの境界から近いほうを残し、遠いほうを一時的に除去した。しかし、残すアイコンおよび除去するアイコンを他の規則に基づいて決定してもよい。
例えば、2つのアイコンのうち、より高い機能に対応するアイコンを残し、他方のアイコンを除去してもよい。ここで、この場合の表示の一例を挙げる。
連結画面7J2は、連結画面7Jの1つであって、図17(A)のようにMFP画面7A2およびサーバ画面7D2を左右に並べたものである。MFP画面7A2には、ローカルプリント機能に対応するアイコン7A21が配置されている。サーバ画面7D2には、ネットワークプリント機能に対応するアイコン7D21が配置されている。
対応関係データ6G(図10参照)によると、ローカルプリント機能およびネットワークプリント機能が互いに対応付けられているので、共通アイコン検出部311は、アイコン7A21およびアイコン7D21を1組の共通アイコンとして検出する。
ローカルプリント機能は、印刷を行うデバイスとしてプリントユニット20hしか選択することができない。一方、ネットワークプリント機能によると印刷を行うデバイスとしてプリントユニット20hだけでなくプリンタ5Cを選択することができる。つまり、ネットワークプリント機能のほうがローカルプリント機能よりも高機能であると言える。
そこで、除去アイコン選出部312は、より高い機能に対応するアイコンつまりアイコン7D21を残し、除去するアイコンとして、他方のアイコンつまりアイコン7A21を選出する。
すると、除去要求部314は、アイコン7A21の位置などを示すデータを除去要求データ6M1としてMFPユニット2へ送信し、画面描画部202は、除去要求データ6M1に基づいてアイコン7A21を除去してMFP画面7A2のMFP画面データ6HAを生成しサーバユニット3へ送信する。
そして、画面描画部313は、アイコン7D21を除去することなくサーバ画面7D2のサーバ画面データ6HDを生成する。画面連結部315は、受信されたMFP画面データ6HAおよび生成されたサーバ画面データ6HDに基づいて連結画面7J2の画面データ6Jを生成し、ビデオボード30gへ送信する。ビデオボード30gは、画面データ6Jを映像信号6Kに変換し、ディスプレイモジュール4Aへ送信する。ディスプレイモジュール4Aは、映像信号6Kに基づいて、図17(B)のようにアイコン7A21を除去した状態で連結画面7J2を表示する。
または、アイコン7A21が図18(A)に示すような、複数の機能に対応するアイコンである場合は、アイコン7A21を除去する代わりに、図18(B)のようにこれらの機能のうちの印刷の機能を表わさない状態に変更して、配置してもよい。または、図18(C)のように印刷の機能をグレーアウトした状態に変更して、配置してもよい。
または、次のようにアイコンを変更し、連結画面7Jを表示させてもよい。画面描画部202は、図19(A)のように、MFP画面7Aの右端の所定の高さの位置に所定の画像(例えば、ゴミ箱を表わす画像)の左半分を、所定の機能(例えば、ゴミ箱機能)に対応するアイコンの代わりに代替アイコン7Aaとして配置する。画面描画部313は、サーバ画面7Dの左端のその所定の高さの位置にその所定の画像の右半分を、その所定の機能と対応関係データ6Gによって対応付けられている機能に対応するアイコンの代わりに代替アイコン7Daとして配置する。
そして、画面連結部315は、これらのMFP画面7Aおよびサーバ画面7Dを並べることによって連結画面7Jを生成すればよい。これにより、図19(B)に示すように、これらのアイコン7Aaおよびアイコン7Daが1つのアイコンとして境界上に配置されたように見える。
本実施形態では、共通アイコンの使い方の例として、共通アイコンの上に他のアイコンをドラッグアンドドロップする例を挙げた。しかし、共通アイコンを他のアイコンとともに使用しないことがある。つまり、共通アイコンを単独で使用することがある。例えば、共通アイコンをタップしたりフリックしたりする場合である。
そこで、共通アイコンを単独で使用する場合であっても、例えば次のように、MFPユニット2およびサーバユニット3のいずれかを選択的に操作することができるようにしてもよい。
除去アイコン選出部312は、MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dそれぞれから共通アイコン検出部311によって検出された共通アイコンのうち、MFP画面7Aから検出された共通アイコンを除去アイコンとして選出する。すると、画面描画部202、画面描画部313、除去要求部314、および画面連結部315それぞれが上述の処理を行うことによって、2つの共通アイコンのうちのMFP画面7Aから検出された共通アイコンだけが除去された状態で、連結画面7Jがディスプレイモジュール4Aに表示される。
操作対象判別部316は、連結画面7Jの中の共通アイコンが左へフリックされた場合は、ユーザによる今回の操作がMFPユニット2に対する操作であると判別する。そして、タッチデータ転送部318は、座標データ6LをMFPユニット2へ転送する。すると、次処理判別部204は、MFP画面7Aの中の共通アイコンがフリックされたものとみなして、次処理を判別する。
一方、連結画面7Jの中の共通アイコンが右へフリックされた場合は、ユーザによる今回の操作がサーバユニット3に対する操作であると判別する。
または、連結画面7Jの中の共通アイコンがタップされた場合は、操作対象判別部316は、図20のように、MFPユニット2およびサーバユニット3のいずれかを選択するための選択肢7S1、7S2を表示させてもよい。そして、MFPユニット2が選択されたら、今回のタップがMFPユニット2に対する操作であると判別し、サーバユニット3が選択されたら、サーバユニット3に対する操作であると判別すればよい。
または、操作対象判別部316は、その共通アイコンを操作する直前に操作されたアイコンがMFP画面7Aの中のものであれば、MFPユニット2に対する操作であると判別し、サーバ画面7Dの中のものであれば、サーバユニット3対する操作であると判別してもよい。
ただし、MFPユニット2およびサーバユニット3を使用するユーザが異なる場合は、共通アイコンが単独で使用されたら、操作対象判別部316は、この共通アイコンが本来所属している画面に係るユニットに対する操作であると判別してもよい。つまり、この共通アイコンがMFP画面7AのものであればMFPユニット2に対する操作であると判別し、サーバ画面7Dのものであればサーバユニット3に対する操作であると判別する。その共通アイコンが他のアイコンのドロップ先であれば、MFPユニット2およびサーバユニット3を使用するユーザが異なるか否かに関わらず、操作対象判別部316は、当該他のアイコンの所属に応じて判別すればよい。
本実施形態では、除去アイコン選出部312は、MFPユニット2またはサーバユニット3の状況に関わらず除去アイコンを選出した。しかし、MFPユニット2またはサーバユニット3の状況に応じて選出してもよい。
例えば、MFPユニット2のプリントユニット20hで紙詰まりまたはトナー切れなどの不具合が発生しているときに、MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dのそれぞれから共通アイコンとして、ローカルプリント機能のアイコンおよびネットワークプリント機能のアイコンが共通アイコン検出部311によって検出された場合は、除去アイコン選出部312は、ローカルプリント機能のアイコンを除去アイコンとして選出し、ネットワークプリント機能のアイコンを残すと決定する。または、除去アイコンを選出せず両方とも残すと決定する。すなわち、ネットワークプリント機能のアイコンつまりプリントユニット20h以外にも出力先を指定することができる機能のアイコンは、選出の対象から除外する。
しかし、プリントユニット20hにおいて不具合が発生する前に、既にネットワークプリント機能のアイコンが除去された連結画面7Jが表示され、その後に不具合が発生する場合がある。この場合は、除去アイコン選出部312は、除去アイコンの選出をやり直してもよい。そして、その結果に応じて、各部は、上述の通り処理を行えばよい。
MFPユニット2およびサーバユニット3をそれぞれ異なるユーザが使用している場合は、共通アイコン検出部311は、共通アイコンを検出しないようにしてもよい。つまり、アイコンの共有化の処理を行わないようにしてもよい。
または、MFPユニット2およびサーバユニット3を1人のユーザが使用していたが、いずれか一方を他のユーザが使用し始めた場合は、共通アイコン検出部311は、除去アイコンの選出をやり直してもよい。そして、その結果に応じて、各部は、上述の通り処理を行えばよい。これにより、アイコンの共有化がキャンセルされる。ただし、特定の機能(例えば、ゴミ箱機能)のアイコンは、引き続き共有アイコンとして共通アイコン検出部311によって検出されるようにしてもよい。これにより、特定の機能のアイコンは、引き続き、MFPユニット2およびサーバユニット3によって共有される。
本実施形態では、MFP画面7Aおよびサーバ画面7Dの合成および座標データ6Lの振分けなどをサーバユニット3が行ったが、MFPユニット2が行ってもよい。
その他、複合機1の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。