JP2019101343A - 画像表示装置および画像表示装置の製造方法 - Google Patents

画像表示装置および画像表示装置の製造方法 Download PDF

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準平 澤田
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Abstract

【課題】画像表示装置において、液体方式を用いて、画像表示パネルと透明保護板との間に透明接着層を形成する製造工程の高効率化を実現できる技術を提供することを目的とする。【解決手段】画像表示装置100は、画像表示領域を有する液晶パネル10と、画像表示領域上に配置された透明保護板20と、画像表示領域と透明保護板20との間に配置された透明接着層30とを備え、透明接着層30は、透明接着層30の外周部を構成する枠体部32と、枠体部32の内周側に配置された充填部31とを有し、枠体部32は外部からの力によって変形可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、画像表示パネルの前面側に透明保護板を備えた画像表示装置に関するものである。
画像表示装置は、画像を表示する液晶パネルおよび有機EL(Electro―Luminescence)パネルなどの画像表示パネルを有する。画像表示装置には、画像表示パネルの画面を構成する前面を衝撃等から保護するために、画像表示パネルの前面側にガラスおよび透明樹脂などの透明保護板を設けたものがある。このような画像表示装置では、画像表示パネルの前面と透明保護板との間に透明接着層を設けることで、画像表示パネルの前面と透明保護板との間に所定の間隔を確保し、外部から加えられた衝撃が直接画像表示パネルの前面に加わることなく緩和されるようにしている。
従来の画像表示装置では、画像表示パネルの前面と透明保護板との間に透明接着層を設けるための方式は2つに大別できる。1つは、予めフィルム状に加工された透明接着剤を用いて画像表示パネルと透明保護板とを貼り合わせるフィルム方式である。もう1つは、液状の透明接着剤を用いて画像表示パネルと透明保護板とを貼り合わせた後に、液状の透明接着剤を硬化する液体方式がある。(例えば、特許文献1参照)。
特許第3321718号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の画像表示装置では、液状の透明接着剤を用いる液体方式において、画像表示パネルと透明保護板との貼り合わせ時に接着剤のはみ出し、および気泡の残留などによる外観不良を抑制するために、精密な定量塗布、および高精度に貼り合わせが可能な装置が必要である。そのため、画像表示装置において、製造工程の高効率化が難しいという問題点があった。
そこで、本発明は、画像表示装置において、液体方式を用いて、画像表示パネルと透明保護板との間に透明接着層を形成する製造工程の高効率化を実現できる技術を提供することを目的とする。
本発明に係る画像表示装置は、画像表示領域を有する画像表示パネルと、前記画像表示領域上に配置された透明保護板と、前記画像表示領域と前記透明保護板との間に配置された透明接着層とを備え、前記透明接着層は、前記透明接着層の外周部を構成する枠体部と、前記枠体部の内周側に配置された充填部とを有し、前記枠体部は外部からの力によって変形可能である。
本発明によれば、画像表示領域を有する画像表示パネルと、画像表示領域上に配置された透明保護板と、画像表示領域と透明保護板との間に配置された透明接着層とを備え、透明接着層は、透明接着層の外周部を構成する枠体部と、枠体部の内周側に配置された充填部とを有し、枠体部は外部からの力によって変形可能である。
したがって、充填部を枠体部の高さ位置よりも低い位置まで充填し、枠体部を変形させながら充填部が隅々まで隙間なく行き渡るように調整することができる。これにより、画像表示パネルと透明保護板との貼り合わせ時の外観不良の発生を抑制することができる。よって、液体方式を用いて、画像表示パネルと透明保護板との間に透明接着層を形成する画像表示装置の製造工程の高効率化を実現できる。
実施の形態1に係る画像表示装置の正面図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の断面図である。 図3のA−A線断面図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態1に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る画像表示装置の断面図である。 図9のB−B線断面図である。 実施の形態3に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態3に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態4に係る画像表示装置の断面図である。 図15のC−C線断面図である。 実施の形態4に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態4に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態4に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 図19のD−D線断面図である。 実施の形態4に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 図21のE−E線断面図である。 実施の形態5に係る画像表示装置の断面図である。 図23のF−F線断面図である。 図24のG−G線断面図である。 実施の形態5に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態5に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態5に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態5に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態6に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態6に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態6に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態6に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態6に係る画像表示装置の製造方法を示す断面図である。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1について、図面を用いて以下に説明する。まず、本発明の実施の形態1に係る画像表示装置100の構成を説明する。図1は、画像表示装置100の正面図である。図2は、画像表示装置100の構成を示す分解斜視図である。図3は、画像表示装置100の断面図である。図4は、図3のA−A線断面図である。
本明細書においては、主として画像表示装置が備える画像表示パネルが液晶パネルである場合について説明するが、画像表示パネルは、有機EL、またはプラズマディスプレイパネルなど他の構成であってもよい。
図1に示すように、画像表示装置100は、正面から視た場合に、透明保護板20を備える。透明保護板20の一部、より具体的には透明保護板20の外周部を除く部分は、後述する液晶パネル10の画像表示領域に対応している。
図2と図3に示すように、画像表示装置100は、画像表示パネルである液晶パネル10と、液晶パネル10の前面側に配置された透明保護板20と、液晶パネル10の前面と透明保護板20の背面との間に配置された透明接着層30とを備えている。バックライトユニット、筐体、画像を表示するための制御基板、バックライトユニットを点灯するための制御基板、各種コネクタおよびケーブルは図示しない。画像表示装置100において、前面側とは、画像表示装置100の画像が表示される面が設けられた側であり、画像表示装置100に表示される画像を観察する側である。
図2では、紙面左側が前面側であり、紙面右側が背面側である。また、画像表示装置100の前面側の面を、画像表示装置100の前面または画面といい、液晶パネル10の前面側の面を、液晶パネル10の前面または画面という。そして、前面または画面の裏側の面を背面という。また、他の構成部材においても、前面側の面をその構成部材の前面といい、背面側の面をその構成部材の背面という。
また、本明細書において、「〜上」という場合、構成要素間に介在物が存在することを妨げるものではない。例えば、「A上に設けられたB」と記載している場合、AとBとの間に他の構成要素Cが設けられたものも設けられていないものも含む。
液晶パネル10は、カラーフィルタと対向電極とが形成されたガラス基板からなるカラーフィルタ基板と、各画素に対応してTFT(Thin Film Transistor)アレイなどのスイッチング素子と画素電極とが形成されたガラス基板からなるアレイ基板とを有し、これら2枚のガラス基板との間に液晶が設けられている。通常、カラーフィルタ基板は液晶パネル10の前面側に設けられ、アレイ基板は液晶パネル10の背面側に設けられる。カラーフィルタ基板およびアレイ基板の液晶が設けられた側には、それぞれ配向膜が設けられており、液晶分子が所定の向きに配向されている。カラーフィルタ基板に形成されたカラーフィルタおよびアレイ基板に形成されたスイッチング素子は、画像が表示される画像表示領域に対応した位置に形成されている。
また、液晶パネル10は、カラーフィルタ基板およびアレイ基板よりも液晶パネル10の前面側および背面側にそれぞれ偏光板が設けられている。液晶パネル10に接続された制御回路からの電気信号により、アレイ基板に形成されたスイッチング素子を制御して、対向電極と画素電極との間に設けられた液晶に印加される電圧を制御することで液晶分子の配向状態が制御される。これにより、液晶パネル10の背面側から前面側に透過する光量を制御することができる。
液晶パネル10の背面側に配置されたバックライトユニットから出射された光が、液晶パネル10の背面側から入射し、各画素の液晶分子の配向状態に応じた光量で液晶パネル10の前面側から出射される。バックライトユニットは、液晶パネル10の背面から画像表示領域の全体に光が入射するように形成された面光源を有する。
バックライトユニットの面光源は、例えば、複数の蛍光灯を液晶パネル10の画像表示領域に平行な方向に並べ、複数の蛍光灯と液晶パネル10との間に拡散シートなどの光学シートを配置して構成された面光源であってもよい。または、液晶パネル10の背面側の画像表示領域に対向する位置に配置された導光板と、導光板の端面に配置された蛍光灯、LED(Light Emitting Diode)またはLEDアレイとにより構成された面光源であってもよい。さらには、白色有機ELなど他の発光デバイスにより構成された面光源であってもよい。
なお、画像表示パネルが液晶パネルではなく、有機ELパネルおよびプラズマディスプレイパネルなど自発光型の画像表示パネルである場合には、バックライトユニットは必要ではない。
透明保護板20は、ガラス、アクリル、およびポリカーボネートなどの屈折率が1.4以上1.6以下で、波長400nm以上800nm以下の可視光透過率が90%以上の硬質材料で形成されている。透明保護板20は、画像表示装置100の前面に加えられた力が液晶パネル10の前面に伝わるのを防止するために、ヤング率が109Pa以上の硬質材料で形成されるのが好ましい。硬質材料としては、例えば、耐衝撃性に優れた化学強化ガラスおよびポリカーボネートなどが好ましい。透明保護板20の厚みは、画像表示装置100の画面サイズおよび用途によって適宜選択することができるが、重量の増加を抑制しつつ液晶パネル10を衝撃から保護するためには、透明保護板20の厚みは、0.7mm以上3mm以下が好ましい。
透明保護板20は、前面側に反射防止膜、アンチグレア膜、またはハードコート膜などのコーティング膜が形成されていてもよく、背面側の液晶パネル10の画像表示領域に対向する位置より外周側の外枠領域に遮光部を有していてもよい。透明保護板20は、透明接着層30によって液晶パネル10の前面に接着され、図示しないが、他にも接着剤によって筐体に接着されている。この接着剤として、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂などの接着剤が用いられる。
図2と図4に示すように、透明接着層30は、充填部31および枠体部32を備える。充填部31および枠体部32は、透明接着層30の背面から前面に渡って設けられる。枠体部32は、透明接着層30の外周部を構成する。充填部31は、枠体部32の内周側に配置される。
充填部31は、可視光の透過率が90%以上、屈折率が1.4以上1.6以下であり、屈折率が透明保護板20に近い透明な合成樹脂で形成される。枠体部32は、ゲル状物質で形成される。ゲル状物質は、可視光透過率が90%以上、屈折率が1.4以上1.6以下であることが好ましいが、この限りではない。充填部31、枠体部32、および透明保護板20のそれぞれの屈折率は、視認性を良くするために屈折率の差が0.1の範囲内に収まるように設定され、好ましくは差が0.05の範囲内、より好ましくは差が0.02の範囲内に収まるように設定される。
透明接着層30の屈折率は、無機フィラーの添加、有機官能基の付与、または透明接着層30を膨潤させる際の溶媒の種類を変えることによって調整することができる。透明接着層30は、液晶パネル10の前面と透明保護板20の背面との間に、0.05mm以上5mm以下の厚さで隙間なく、また気泡の発生もなく充填されている。そのため、透明保護板20と透明接着層30との界面での光の反射率を大幅に低下させることができることから、良好な視認性を得ることができる。
透明接着層30は、透明保護板20よりも柔らかく、透明接着層30を構成する充填部31の弾性率は、貯蔵弾性率が103Pa以上107Pa以下、損失弾性率が102Pa以上106Pa以下であることが好ましい。また、枠体部32は、貯蔵弾性率が105Pa以下、損失弾性率が104Pa以下であることが好ましい。
充填部31として、シリコーンゴムなどの珪素を含む合成ゴム、アクリルゴムおよびウレタンゴムなどの炭素を含む合成ゴムを用いることができる。シリコーンゴムは、ガラス転移点が−120℃以下であり、アクリルゴムおよびウレタンゴムなどの炭素を含む合成ゴムよりもガラス転移点の温度が低いため、画像表示装置100の使用温度範囲、例えば、−40℃以上+85℃以下で温度サイクルを繰り返しても、透明接着層30の剥離および気泡の発生などの不具合が生じにくく、より好ましい。
また、充填部31は、合成樹脂を溶媒で膨潤して形成された比較的軟らかいゲル状の合成樹脂、例えば、針入度(JIS K2207)が20以上70以下、貯蔵弾性率が103Pa以上105Pa以下のシリコーンゲルであってもよい。
充填部31は、熱硬化型、または室温硬化型の合成樹脂であれば製造プロセスを簡略化できるため好ましい。また、充填部31は、硬化後の液晶パネル10の画面へのストレスを少なくするために、硬化時収縮率が1%以下のシリコーンゴムがより好ましい。
枠体部32は、ゲル状物質であり、例えば、針入度(JIS K2207)が20以上70以下、貯蔵弾性率が105Pa以下の珪素を含むシリコーンゲルが好ましく、ウレタンゲルなどの炭素を含む合成ゴムも用いることができる。ゲルとは、珪素を含む合成ゴム、または炭素を含む合成ゴム、すなわち架橋ネットワークを有する樹脂を、溶媒により膨潤させたもののことである。例えばシリコーンゴムをシリコーンオイルで膨潤させたものがシリコーンゲルである。ゲルには、その他様々な架橋ネットワークを有する樹脂を、水またはアルコールなど様々な溶媒で膨潤させたものも含む。
また、枠体部32は、平均一次粒子径が5nm以上100nm以下の無機微粒子を含有していてもよい。無機微粒子は、例えば、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、および酸化アルミニウムなどの酸化物、フッ化マグネシウムおよびフッ化カルシウムなどのフッ化物、その他炭酸カルシウム、カオリンおよびタルクなどの粘土鉱物などであってよく、表面が疎水化処理された無機微粒子が好ましい。なお、膨潤する溶媒が水の場合、疎水化処理をしないものが好ましい。
また、枠体部32は、紫外線硬化性の官能基を含有していてもよい。紫外線硬化性の官能基は、紫外線を照射することで架橋される官能基である。例えば、ラジカル重合型の場合には、モノマーおよびオリゴマーとしてアクリロイル基、光重合開始剤としてベンゾフェノン、または増感剤として3級アミンなどの官能基であってよく、また、カチオン重合型の場合には、モノマーおよびオリゴマーとしてエポキシ樹脂、ビニルエーテル、光重合開始剤としてスルホニウム系、またはヨードニウム系の官能基であってよい。
また、枠体部32は、液晶パネル10の画像表示領域の外側にあることが好ましく、画像表示領域の内側に一部、または全体が入っている状態も含む。画像表示領域の内側に枠体部32が設けられる場合、枠体部32と充填部31との屈折率をそれぞれ近い値にし、可視光透過率を高くすることが好ましい。
次に、画像表示装置100の製造方法について説明する。図5〜図8は、画像表示装置100の製造方法を示す断面図である。より具体的には、図5は、透明保護板20の裏面上に枠体部32を形成する工程を示す断面図である。図6は、枠体部32の内周側に充填部31を塗布する工程を示す断面図である。図7は、減圧下で枠体部32を介して液晶パネル10と透明保護板20を貼り合わせる工程を示す断面図である。図8は、液晶パネル10に面圧を加えることで枠体部32を変形させて充填部31を全体に広げる工程を示す断面図である。なお、図5では、透明保護板20の裏面上に枠体部32を形成する方法を示したが、液晶パネル10の前面上に枠体部32を形成してもよい。
まず、図5に示すように、透明保護板20を用意し、次に透明保護板20の裏面に枠体部32を形成する。ここで、枠体部32は、液晶パネル10と貼り合わせた際に液晶パネル10に載置可能な範囲の大きさで形成される。また、熱硬化型または紫外線硬化型のゲル状物質を用いて枠体部32は形成される。ここでは、枠体部32はシリコーンゲルで形成される場合について説明するが、炭素を含むウレタンゲルなどその他のゲル状物質も用いることができる。
シリコーンゲルを硬化する前の液状シリコーン樹脂の粘度を10Pa・s以上1000Pa・s以下に調整し、エア式またはメカ式のディスペンサを用いて、液状シリコーン樹脂からなる枠体部32を透明保護板20の裏面の所定位置に塗布する。硬化前の液状シリコーン樹脂の粘度は、混合する溶媒の量および添加する無機微粒子の量を制御することで10Pa・s以上1000Pa・s以下に調整することができる。ディスペンサのノズルからの単位時間あたりの液状シリコーン樹脂の排出量を一定にして、ディスペンサの移動速度を一定にすることで、透明保護板20の裏面に形成される硬化前の枠体部32の高さ位置をほぼ一定にすることができる。粘度を10Pa・s以上1000Pa・s以下に調整しているため、硬化前の液状シリコーン樹脂は形状保持性を有し、硬化前の枠体部32にほぼ一定の高さ位置を保持させることができる。
そして、透明保護板20の裏面に塗布した液状シリコーン樹脂からなる枠体部32を硬化させる。枠体部32の形成に用いた液状シリコーン樹脂が熱硬化型の場合は、70℃以上80℃以下で5分程度加熱すればよく、紫外線硬化型の場合は、数秒間紫外線を照射すればよい。枠体部32の形成に用いた液状シリコーン樹脂を硬化させることで、貯蔵弾性率が105Pa以下、損失弾性率が104Pa以下のシリコーンゲルからなる枠体部32が形成される。なお、液状シリコーン樹脂が紫外線硬化型の場合は、ディスペンサのノズル付近に紫外線照射LEDなどを配置することで、塗布しながら硬化させることも可能となり、製造工程を効率化することができる。
次に、図6に示すように、枠体部32の内周側に硬化前の液状シリコーン樹脂からなる充填部31を塗布する。なお、充填部31を形成する液状シリコーン樹脂が液状の透明接着剤に相当する。ここでは、充填部31についても枠体部32と同様、シリコーン樹脂で形成される場合について説明するが、その他の炭素を含む材料などの場合も同様の方法で形成することができる。
充填部31を形成する液状シリコーン樹脂は、塗布面の平滑性および塗布時の流動性を高くするために、硬化前の粘度は10mPa・s以上10Pa・s以下が好ましい。低粘度材料を用いることで液晶パネル10と透明保護板20とを貼り合わせた際に隅々まで隙間なく充填部31を配置しやすくなる。
液状シリコーン樹脂からなる充填部31も枠体部32と同様に、エア式またはメカ式のディスペンサを用いて所定位置に塗布してもよい。充填部31を形成する硬化前の液状シリコーン樹脂は粘度が低いため、透明保護板20の裏面に塗布すると、透明保護板20の裏面の枠体部32が配置されていない領域に拡がる。そのため、透明保護板20の裏面に隙間なく透明接着層30を形成することができる。ここで、充填部31の高さ位置は、枠体部32の高さ位置よりも低くなるようにする。例えば、充填部の高さ位置が0.3mmであれば枠体部32はそれよりも高く、0.4以上0.8mm以下が好ましい。
次に、図7に示すように、減圧下で枠体部32の上に液晶パネル10を配置する。枠体部32を形成するシリコーンゲルは、硬化後に粘着性およびタック性(ねばつき)を有しているため、充填部31を硬化する前であっても、透明接着層30の上に液晶パネル10を保持することができる。
次に、図8に示すように、液晶パネル10に面圧を加えることで枠体部32を変形、つまり圧縮させて充填部31と液晶パネル10とを隙間なく貼り合わせる。この工程は、図7と同様、減圧下で行われてもよく、内部にできた空洞の減圧条件が保たれるのであれば大気圧下で行われてもよい。液晶パネル10と透明保護板20とを貼り合わせた状態で熱、または紫外線照射により充填部31を硬化させる。その後、必要に応じて0.1MPa以上0.4MPa以下程度の圧力で加圧するオートクレーブ処理を行ってもよい。これにより、図8に示すように、画像表示装置100が完成する。
次に、画像表示装置100の作用効果について、従来の画像表示装置と比較しながら説明する。
従来の画像表示装置では、枠体部として外部からの力によって変形する材質のものを用いていないため、充填部は枠体部の高さ位置よりも低い位置までしか充填されない場合、空隙を埋めることができないことから、枠体部の高さ位置まで充填する必要があり、液晶パネル10と透明保護板20との貼り合わせ時のはみ出し外観不良の要因になるという問題があった。
これに対して、画像表示装置100は、画像表示領域を有する液晶パネル10と、画像表示領域上に配置された透明保護板20と、画像表示領域と透明保護板20との間に配置された透明接着層30とを備え、透明接着層30は、透明接着層30の外周部を構成する枠体部32と、枠体部32の内周側に配置された充填部31とを有し、枠体部32は外部からの力によって変形可能である。
したがって、充填部31を枠体部32の高さ位置よりも低い位置まで充填し、枠体部32を変形させながら充填部31が隅々まで隙間なく行き渡るように調整することができる。これにより、液晶パネル10と透明保護板20との貼り合わせ時の外観不良の発生を抑制することができる。よって、液体方式を用いて、液晶パネル10と透明保護板20との間に透明接着層30を形成する画像表示装置100の製造工程の高効率化を実現できる。以上より、画像表示装置100の歩留まり向上を図ることができる。
また、透明接着層30は、外部からの力によって変形可能な枠体部32を有することで流動性を有する状態で塗布、および硬化される充填部31の形状を任意に調整することができる。
枠体部32は、貯蔵弾性率105Pa以下、かつ、損失弾性率104Pa以下のゲル状物質からなるため、充填部31が硬化するまでの間、液晶パネル10と透明保護板20の間隔、すなわち枠体部32の厚さを液晶パネル10へのダメージを抑えながら調整することができる。
液晶パネル10と透明保護板20とを貼り合わせる工程は、画像表示領域上または透明保護板20上にゲル状物質からなる枠体部32を形成する第1の工程と、枠体部32の内周側に枠体部32の高さ位置よりも低い位置に液状シリコーン樹脂からなる充填部31を配置する第2の工程と、画像表示領域と透明保護板20を減圧条件下で貼り合わせた後、液晶パネル10に面圧を加えることで枠体部32を変形させて充填部31を隙間なく行き渡らせる第3の工程とを備える。したがって、生産性良く、気泡不良のない画像表示装置100を製造することができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係る画像表示装置について説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
実施の形態2では、枠体部32は、ゲル状物質ではなく、熱可塑性樹脂からなり、加熱することで弾性率が低下する。すなわち、枠体部32に対して加熱しながら力を加えることで変形させることができる。
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、またはフッ素樹脂などを用いることができる。加熱しながら変形させるため、加熱後の弾性率は105Pa以下であることが好ましい。また、液晶パネル10、および透明保護板20への熱ダメージを避けるため、軟化点は低く設計されたもの、具体的には軟化点が70℃以下のものが好ましい。軟化点を低くするためには、分子量を小さく調整するなどを挙げることができる。また、可視光透過率も高い方が好ましく、80%以上のものを用いることがさらに好ましい。
次に、画像表示装置の製造方法について説明する。ここでは、実施の形態1に係る画像表示装置100の製造方法を説明する際に用いた図面を用いて説明する。
まず、図5〜図7に示す実施の形態1の場合と同一の工程を行う。次に、図8に示すように、加熱しながら液晶パネル10に面圧を加えることで枠体部32を変形、つまり圧縮させて充填部31と液晶パネル10とを隙間なく貼り合わせる。
以上のように、実施の形態2に係る画像表示装置では、枠体部32は、熱可塑性樹脂からなり、加熱することで弾性率が低下するため、充填部31が硬化するまでの間、液晶パネル10と透明保護板20との間隔、すなわち枠体部32の厚さを液晶パネル10へのダメージを抑えながら調整することができる。このように、枠体部32として熱可塑性樹脂を用いた場合においても、画像表示装置の製造工程を高効率化することができる。
枠体部32は、ゲル状物質に代えて熱可塑性樹脂からなり、第3の工程において、加熱しながら液晶パネル10に面圧を加えることで枠体部32を変形させるため、生産性良く、気泡不良のない画像表示装置を製造することができる。
<実施の形態3>
次に、実施の形態3に係る画像表示装置300について説明する。図9は、画像表示装置300の断面図である。図10は、図9のB−B線断面図である。図11〜図14は、画像表示装置300の製造方法を示す断面図である。なお、実施の形態3において、実施の形態1,2で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
図9と図10に示すように、実施の形態3では、透明接着層30は、充填部31の内部にスペーサー部33をさらに有する。
スペーサー部33は、例えば球状であり、可視光透過率が90%以上、屈折率が1.4以上1.6以下である。また、スペーサー部33の屈折率は、視認性を良くするために充填部31の屈折率と同じに設定される。より具体的には、スペーサー部33の屈折率は、充填部31の屈折率との差が、0.1の範囲内に収まるように設定され、好ましくは差が0.05の範囲内、より好ましくは差が0.02の範囲内に収まるように設定される。
また、スペーサー部33は貯蔵弾性率が105Pa以上、107Pa以下であることが好ましい。また、スペーサー部33は、充填部31と似た材質、つまり充填部31がシリコーンゲルの場合、スペーサー部33はシリコーンゴムであることが好ましい。画像表示装置300は、スペーサー部33を有することで液晶パネル10と透明保護板20の間隔を一定に保つことができる。
なお、図10において、スペーサー部33は、6つ配置された状態を示しているが、この限りではなく、例えば4つまたは8つなどであってもよい。
次に、図11〜図14を用いて、画像表示装置300の製造方法について説明する。図11は、図5と同一の工程であるので説明を省略する。なお、枠体部32は、液状シリコーン樹脂として説明するが、実施の形態1,2で説明したように、熱硬化型または紫外線硬化型のシリコーン樹脂、または熱可塑性樹脂であってもよい。
図12に示すように、充填部31と同時にスペーサー部33を形成する。このとき、スペーサー部33は、充填部31の液状シリコーン樹脂に含有された状態で、ディスペンサで同時に塗布されてもよく、また、充填部31を塗布する前に透明保護板20上に形成されていてもよい。この場合、スペーサー部33の形成方法として、ディスペンサなどで液状シリコーン樹脂を塗布した後、液状シリコーン樹脂を硬化してもよいし、先に硬化したシリコーンゴムなどを配置してもよい。
次に、図13に示すように、減圧下で枠体部32の上に液晶パネル10を配置する。枠体部32を形成するシリコーンゲルは、硬化後に粘着性およびタック性(ねばつき)を有しているため、充填部31を硬化する前であっても、透明接着層30の上に液晶パネル10を保持することができる。
次に、図14に示すように、液晶パネル10に面圧を加えて枠体部32を変形、つまり圧縮させる際、スペーサー部33と液晶パネル10が接触することで変形が止まるため、液晶パネル10と透明保護板20の間隔を容易に一定に保つことができる。
以上のように、実施の形態3に係る画像表示装置では、透明接着層30は、充填部31の内部に充填部31と屈折率が同じスペーサー部33をさらに有する。したがって、枠体部32を変形させたときに、スペーサー部33と液晶パネル10が接触することで一定の状態で変形を止めることができる。これにより、液晶パネル10と透明保護板20の間隔を一定に保つことができる。
<実施の形態4>
次に、実施の形態4に係る画像表示装置400について説明する。図15は、画像表示装置400の断面図である。図16は、図15のC−C線断面図である。なお、実施の形態4において、実施の形態1〜3で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
図15と図16に示すように、実施の形態4では、枠体部32は、少なくとも1ヶ所に不連続部34を有する。例えば、充填部31を囲むように形成された枠体部32の2ヶ所に不連続部34を有する。そのため、充填部31の一部が不連続部34に入り込んでいる。
画像表示装置400では、枠体部32の一部に不連続部34が設けられるため、実施の形態1〜3の場合とは異なる製造方法により製造することができる。以下、本実施の形態4に係る画像表示装置400の製造方法について説明する。
図17〜図19と図21は、画像表示装置400の製造方法を示す断面図である。図20は、図19のD−D線断面図である。図22は、図21のE−E線断面図である。より具体的には、図17は、透明保護板20の裏面に枠体部32を形成する工程を示す断面図である。図18は、透明保護板20と液晶パネル10を、枠体部32を介して貼り合せる工程を示す断面図である。図19は、枠体部32の不連続部34から液状シリコーン樹脂を注入する工程を示す断面図である。図21は、枠体部32を変形させ、注入した充填部31の液面を不連続部34まで上昇させる工程を示す断面図である。
まず、図17に示すように、透明保護板20の裏面に枠体部32を形成する液状シリコーン樹脂を、不連続部34を設ける場所以外の場所に塗布する。枠体部32は、実施の形態1〜3で説明したように、熱硬化型または紫外線硬化型のシリコーン樹脂、または熱可塑性樹脂であってもよく、ディスペンサなどを用いて高さ位置がほぼ一定になるように塗布する。そして、枠体部32を所定位置に塗布した後、加熱または紫外線照射により枠体部32を硬化させる。または予め硬化されたフィルムを用いて枠体部32を形成してもよい。
次に、図18に示すように、硬化させた枠体部32の上に、液晶パネル10を配置する。枠体部32は、粘着性、およびタック性(ねばつき)を有しているため、液晶パネル10が接着される。この状態において、枠体部32は、矩形枠状の一辺の少なくとも1ヶ所(例えば2ヶ所)で形成されておらず、不連続部34が設けられる。そして、不連続部34を上方に向けて、液晶パネル10を接着した状態で透明保護板20を立てる。この際、液晶パネル10を立てることを補助し、透明保護板20から液晶パネル10が剥がれないようにするために、液晶パネル10の背面と透明保護板20の前面との間を挟んで固定する治具を用いてもよい。
次に、図19に示すように、液晶パネル10と透明保護板20との間に充填部31を形成する液状シリコーン樹脂を注入する。透明保護板20が接着された液晶パネル10は、不連続部34を上方に向けて立てられている。そのため、不連続部34から充填部31となる硬化前の液状シリコーン樹脂を注入することで、液晶パネル10と透明保護板20と枠体部32とで囲まれた空間に充填部31を隙間なく、かつ、気泡の発生もなく充填することができる。不連続部34から注入される、充填部31となる硬化前の液状シリコーン樹脂は、実施の形態1で説明したように硬化前の粘度が10mPa・s以上10Pa・s以下の液状シリコーン樹脂であってもよく、また、熱硬化型、紫外線硬化型、または室温硬化型のいずれであってもよい。
次に、図21に示すように、液晶パネル10または透明保護板20に面圧を加え、枠体部32を変形、つまり圧縮させることで、充填部31の液面を不連続部34まで上昇させる。その状態で保持したまま、加熱、紫外線照射、または時間を経過することで充填部31を硬化させる。このようにすることで、液晶パネル10と透明保護板20との貼り合わせ時の充填部31への気泡混入を抑制することができる。
なお、図20と図22において、不連続部34は、枠体部32の1辺に2つ形成した状態を示しているが、この限りではなく、3つ、または4つ形成してもよいし、例えば2辺に形成することも可能である。また、充填部31を注入する注入口である不連続部34は1つだけではなく、複数であってもよい。このようにすることで、液状シリコーン樹脂の注入速度を上げ、また、空気の出口とすることもできる。
以上のように、実施の形態4に係る画像表示装置400では、枠体部32は、少なくとも1ヶ所に不連続部34を有するため、不連続部34から液状シリコーン樹脂および空気などの出入りが可能となる。
液晶パネル10と透明保護板20とを貼り合わせる工程は、画像表示領域上または透明保護板20上に、少なくとも1ヶ所に不連続部34を有するゲル状物質からなる枠体部32を形成する第1の工程と、画像表示領域と透明保護板20を貼り合わせた後、枠体部32の不連続部34から、液状シリコーン樹脂からなる充填部31を注入する第2の工程と、液晶パネル10または透明保護板20に面圧を加えることで枠体部32を変形させて充填部31の液面を調整する第3の工程とを備える。したがって、生産性良く、気泡不良のない画像表示装置400を製造することができる。
<実施の形態5>
次に、実施の形態5に係る画像表示装置500について説明する。図23は、画像表示装置500の断面図である。図24は、図23のF−F線断面図である。図25は、図24のG−G線断面図である。なお、実施の形態5において、実施の形態1〜4で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
図23〜図25に示すように、実施の形態5では、透明保護板20は、少なくとも1つの凹部21を有する。例えば、透明保護板20は矩形形状の1辺に1つの凹部21を有する。そのため、充填部31の一部が凹部21に入り込んでいる。
画像表示装置500では、透明保護板20の少なくとも1ヶ所に凹部21が設けられるため、実施の形態1〜4の場合とは異なる製造方法により製造することができる。以下、本実施の形態5に係る画像表示装置500の製造方法について説明する。
図26〜図29は、画像表示装置500の製造方法を示す断面図である。より具体的には、図26は、液晶パネル10の前面に枠体部32を形成する工程を示す断面図である。図27は、液晶パネル10と透明保護板20を、枠体部32を介して貼り合わせる工程を示す断面図である。図28は、透明保護板20の凹部21から液状シリコーン樹脂を注入する工程を示す断面図である。図29は、枠体部32を変形させ、注入した充填部31の液面を凹部21まで上昇する工程を示す断面図である。
まず、図26に示すように、液晶パネル10の前面に枠体部32を形成する液状シリコーン樹脂を塗布する。枠体部32は、実施の形態1〜4で説明したように熱硬化型または紫外線硬化型のシリコーン樹脂、または熱可塑性樹脂であってもよく、ディスペンサなどを用いて高さ位置がほぼ一定になるように塗布する。そして、枠体部32を所定位置に塗布した後、加熱または紫外線照射により枠体部32を硬化させる。または予め硬化されたフィルムを用いて枠体部32を形成してもよい。
次に、図27に示すように、硬化させた枠体部32の上に、透明保護板20を配置する。枠体部32は、粘着性、およびタック性(ねばつき)を有しているため、透明保護板20が接着される。この状態において、枠体部32が凹部21に対向する位置にある。そして、凹部21を上方に向けて、液晶パネル10を接着した状態で透明保護板20を立てる。この際、液晶パネルを立てることを補助し、透明保護板20から液晶パネル10が剥がれないようにするために、液晶パネル10の背面と透明保護板20の前面との間を挟んで固定する治具を用いてもよい。
次に、図28に示すように、液晶パネル10と透明保護板20との間に充填部31を形成する液状シリコーン樹脂を注入する。透明保護板20が接着された液晶パネル10は、凹部21を上方に向けて立てられている。そのため、凹部21から充填部31となる硬化前の液状シリコーン樹脂を注入することで、液晶パネル10と透明保護板20と枠体部32とで囲まれた空間に充填部31を隙間なく、かつ、気泡の発生もなく充填することができる。凹部21から注入される充填部31となる硬化前の液状シリコーン樹脂は、実施の形態1で説明したように、硬化前の粘度が10mPa・s以上10Pa・s以下の液状シリコーン樹脂であってもよく、熱硬化型、紫外線硬化型、または室温硬化型のいずれであってもよい。
次に、図29に示すように、液晶パネル10または透明保護板20に面圧を加え、枠体部32を変形、つまり圧縮させることで、充填部31の液面を凹部21まで上昇させる。その状態で保持したまま、加熱、紫外線照射、または時間を経過することで充填部31を硬化させる。このようにすることで、液晶パネル10と透明保護板20との貼り合わせ時の充填部31への気泡混入を抑制することができる。なお、図27〜図29において、凹部21は、1つだけ形成した状態を示しているが、この限りではなく、複数であってもよい。
以上のように、実施の形態5に係る画像表示装置500では、透明保護板20は、少なくとも1つの凹部21を有するため、凹部21から液状シリコーン樹脂および空気などの出入りが可能となる。
透明保護板20は少なくとも1つの凹部21を有し、液晶パネル10と透明保護板20とを貼り合わせる工程は、液晶パネル10の画像表示領域上または透明保護板20上にゲル状物質からなる枠体部32を形成する第1の工程と、画像表示領域と透明保護板20を貼り合わせた後、凹部21から液状シリコーン樹脂からなる充填部31を注入する第2の工程と、液晶パネル10または透明保護板20に面圧を加えることで枠体部32を変形させて充填部31の液面を調整する第3の工程とを備える。したがって、生産性良く、気泡不良のない画像表示装置500を製造することができる。
<実施の形態6>
次に、実施の形態6に係る画像表示装置600について説明する。図30〜図34は、画像表示装置600の製造方法を示す断面図である。より具体的には、図30は、液晶パネル10の前面に枠体部32を形成する工程を示す断面図である。図31は、液晶パネル10と透明保護板20を、枠体部32を介して貼り合わせる工程を示す断面図である。図32は、枠体部32を変形させ、液晶パネル10と透明保護板20の間隔を広くする工程を示す断面図である。図33は、透明保護板20の凹部21から液状シリコーン樹脂を注入する工程を示す断面図である。図34は、枠体部32を変形させ、注入した充填部31の液面を凹部21まで上昇する工程を示す断面図である。なお、実施の形態6において、実施の形態1〜5で説明したものと同一の構成要素については同一符号を付して説明は省略する。
図30〜図34に示すように、実施の形態6では、充填部31を注入する前に、枠体部32を変形させて透明保護板20と液晶パネル10の間隔を広くする製造方法を用いている。以下、本実施の形態6に係る画像表示装置600の製造方法について説明する。
図30、図32〜図34は、図26〜図29と同一の工程であるので説明を省略する。枠体部32は、液状シリコーン樹脂として説明するが、実施の形態1〜5で説明したように、熱硬化型または紫外線硬化型のシリコーン樹脂、または熱可塑性樹脂であってもよい。図31に示すように、液晶パネル10の画像表示領域と透明保護板20とを貼り合わせた後、充填部31を注入する前に、枠体部32が液晶パネル10の画像表示領域と透明保護板20に密着した範囲内で、液晶パネル10の画像表示領域または透明保護板20を引っ張って、枠体部32を変形、つまり伸長させて、画像表示領域と透明保護板20との間隔を広くする。これにより、注入口を広くすることができる。
なお、枠体部32が熱可塑性樹脂からなる場合は、加熱しながら液晶パネル10の画像表示領域または透明保護板20を引っ張ることで枠体部32を変形させる。また、透明保護板20が凹部21を有する代わりに、実施の形態4の場合と同様に、枠体部32が不連続部34を有していてもよい。この場合にも上記の動作で注入口を広くすることができる。
以上のように、実施の形態6に係る画像表示装置600では、第2の工程において、液晶パネル10の画像表示領域と透明保護板20を貼り合わせた後、枠体部32が画像表示領域と透明保護板20に密着した範囲内で、画像表示領域または透明保護板20を引っ張って画像表示領域と透明保護板20との間隔を広くした状態で不連続部34または凹部21から充填部31を注入する。
したがって、注入口を広くすることで、充填部31の注入速度を速めることができるため、製造工程がより高効率になる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10 液晶パネル、20 透明保護板、21 凹部、30 透明接着層、31 充填部、32 枠体部、33 スペーサー部、34 不連続部、100,300,400,500,600 画像表示装置。

Claims (11)

  1. 画像表示領域を有する画像表示パネルと、
    前記画像表示領域上に配置された透明保護板と、
    前記画像表示領域と前記透明保護板との間に配置された透明接着層と、
    を備え、
    前記透明接着層は、前記透明接着層の外周部を構成する枠体部と、前記枠体部の内周側に配置された充填部とを有し、
    前記枠体部は外部からの力によって変形可能である、画像表示装置。
  2. 前記枠体部は、貯蔵弾性率105Pa以下、かつ、損失弾性率104Pa以下のゲル状物質からなる、請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記枠体部は、熱可塑性樹脂からなり、加熱することで弾性率が低下する、請求項1記載の画像表示装置。
  4. 前記枠体部は、少なくとも1ヶ所に不連続部を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記透明保護板は、少なくとも1つの凹部を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記透明接着層は、前記充填部の内部に前記充填部と屈折率が同じスペーサー部をさらに有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 画像表示領域を有する画像表示パネルと透明保護板とを貼り合わせる工程を含む画像表示装置の製造方法であって、
    前記画像表示パネルと前記透明保護板とを貼り合わせる工程は、
    前記画像表示領域上または前記透明保護板上にゲル状物質からなる枠体部を形成する第1の工程と、
    前記枠体部の内周側に前記枠体部の高さ位置よりも低い位置に液状の透明接着剤からなる充填部を配置する第2の工程と、
    前記画像表示領域と前記透明保護板を減圧条件下で貼り合わせた後、前記画像表示パネルに面圧を加えることで前記枠体部を変形させて前記充填部を隙間なく行き渡らせる第3の工程と、
    を備える、画像表示装置の製造方法。
  8. 画像表示領域を有する画像表示パネルと透明保護板とを貼り合わせる工程を含む画像表示装置の製造方法であって、
    前記画像表示パネルと前記透明保護板とを貼り合わせる工程は、
    前記画像表示領域上または前記透明保護板上に、少なくとも1ヶ所に不連続部を有するゲル状物質からなる枠体部を形成する第1の工程と、
    前記画像表示領域と前記透明保護板を貼り合わせた後、前記枠体部の前記不連続部から、液状の透明接着剤からなる充填部を注入する第2の工程と、
    前記画像表示パネルまたは前記透明保護板に面圧を加えることで前記枠体部を変形させて前記充填部の液面を調整する第3の工程と、
    を備える、画像表示装置の製造方法。
  9. 画像表示領域を有する画像表示パネルと透明保護板とを貼り合わせる工程を含む画像表示装置の製造方法であって、
    前記透明保護板は少なくとも1つの凹部を有し、
    前記画像表示パネルと前記透明保護板とを貼り合わせる工程は、
    前記画像表示領域上または前記透明保護板上にゲル状物質からなる枠体部を形成する第1の工程と、
    前記画像表示領域と前記透明保護板を貼り合わせた後、前記凹部から液状の透明接着剤からなる充填部を注入する第2の工程と、
    前記画像表示パネルまたは前記透明保護板に面圧を加えることで前記枠体部を変形させて前記充填部の液面を調整する第3の工程と、
    を備える、画像表示装置の製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記画像表示領域と前記透明保護板を貼り合わせた後、前記枠体部が前記画像表示領域と前記透明保護板に密着した範囲内で、前記画像表示領域または前記透明保護板を引っ張って前記画像表示領域と前記透明保護板との間隔を広くした状態で前記不連続部または前記凹部から前記充填部を注入する、請求項8または請求項9記載の画像表示装置の製造方法。
  11. 前記枠体部は、前記ゲル状物質に代えて熱可塑性樹脂からなり、
    前記第3の工程において、加熱しながら前記面圧を加える、または加熱しながら前記画像表示領域または前記透明保護板を引っ張ることで前記枠体部を変形させる、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
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