JP2019099952A - 耐油紙および耐油紙の製造方法 - Google Patents

耐油紙および耐油紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄葉であっても油分の抜けや油分のしみの発生を防止することができる優れた耐油性を有し、かつ、加熱時に発生するDCPが極めて微量な耐油紙を提供する。【解決手段】紙基材の少なくとも片面に塗工層を有する耐油紙であって、前記塗工層が、デンプンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、エピクロロヒドリン変性脂肪酸およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸サイズ剤とを含有し、100℃で10分間加熱した際に発生するガス中の1,3−ジクロロ−2−プロパノール濃度が0.6ppm以下であることを特徴とする耐油紙。【選択図】なし

Description

本発明は、耐油紙とその製造方法に関するものである。
耐油紙は、洗剤、菓子、乾燥食品等の包装容器用素材として広く使用されている。耐油紙の用途としては様々なものがある。例えば耐油性を付与した板紙は、菓子等の食品用の箱、とりわけ油脂分を大量に含むチョコレート菓子等の箱等として使用される。また、耐油性を付与した薄葉紙は、ファーストフードにおけるハンバーガーや揚げ物を包装する容器、コンビニエンスストアにおけるテイクアウト食材の包装容器等として使用される。
紙に耐油性を付与する手段としては、優れた耐油性を有するフッ素樹脂系の耐油剤が従来から広く使用されている。例えば、紙の表面にフッ素樹脂系耐油剤を塗工して耐油層を設けたクッキングシート、または、紙層間にフッ素樹脂系耐油剤層を設けた菓子箱用の耐油板紙等が存在する。しかし、フッ素樹脂系耐油剤を使用した紙については、100〜180℃の食品調理温度で加熱した場合、長期に残留しやすい成分が発生することが確認されている。長期に残留しやすい成分とは、例えば、炭素数8〜10のフッ素系アルコール化合物等である。また、これらのフッ素樹脂系耐油剤を使用した紙を焼却した際には、パーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸等のフッ素化合物が発生し、環境に影響を及ぼすことが懸念されている。
そのため、フッ素樹脂系耐油剤を使用しない耐油紙が検討されている。例えば特許文献1には、エチレン−ビニルアルコール−ビニルエステル共重合体(A)と炭素数が8以上の脂肪酸から誘導される脂肪酸誘導体(B)からなり、成分(A)100質量部に対する成分(B)の配合量が1〜100質量部である耐油層を、紙基材の少なくとも一方の表面に乾燥質量換算で0.5〜5.0g/m設け、前記脂肪酸誘導体(B)が3価以上アミンと高級脂肪酸のアミドである耐油紙が開示されている。特許文献1に記載の耐油紙は、フッ素樹脂系耐油剤を使用せず、紙を折り曲げた際の折り曲げ部においても実用上問題にならない程度に耐油性の維持が可能である。
WO2014/038516号公報
しかしながら、特許文献1の耐油紙を加熱すると、1,3−ジクロロ−2−プロパノール(以下、DCPと記載する。)が発生することがある。DCPは化学物質排出把握管理促進法第二種指定化学物質に指定されている化合物であるため、DCPの発生量を減少させた耐油紙が求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、薄葉であっても油分の抜けや油分のしみの発生を防止することができる優れた耐油性を有し、かつ、加熱時に発生するDCPが極めて微量な耐油紙を提供することを課題とする。
特許文献1の耐油紙に使用する脂肪酸誘導体には、特にエピクロロヒドリンで変性された脂肪酸が好適に使用される。本発明者らは、エピクロロヒドリンと脂肪酸との反応が、副生成物としてDCPを生成することに着目した。エピクロロヒドリンと脂肪酸との反応により生成したエピクロロヒドリン変性脂肪酸には、副生成物であるDCPが含有される。これにより、エピクロロヒドリン変性脂肪酸を含有する耐油紙は、加熱時にDCPを発生させてしまう。
本発明者らは、このDCPの無害化方法を鋭意検討した。その結果、デンプン類にエピクロロヒドリン変性脂肪酸と特定の分散剤とを添加した混合液を、塩基性物質で処理して調製した塗工液により、上記課題を解決できることを見出した。このような塗工液で耐油層を形成した耐油紙は、薄葉であっても優れた耐油性を有し、かつ、加熱時のDCP発生量を低減させることが可能である。本発明は、以下のような構成を有している。
(1)紙基材の少なくとも片面に塗工層を有する耐油紙であって、前記塗工層が、デンプンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、エピクロロヒドリン変性脂肪酸およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸サイズ剤とを含有し、100℃で10分間加熱した際に発生するガス中の1,3−ジクロロ−2−プロパノール濃度が0.6ppm以下であることを特徴とする耐油紙。
(2)前記脂肪酸サイズ剤が酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする前記(1)に記載の耐油紙。
(3)紙基材の少なくとも片面に塗工層を有する耐油紙の製造方法であって、前記製造方法は、塗工液を製造する塗工液製造工程と、前記塗工液を前記紙基材に塗工して前記塗工層を形成する塗工工程とを含み、前記塗工液製造工程は、デンプンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、エピクロロヒドリン変性脂肪酸およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸サイズ剤と、塩基性物質とを混合することを特徴とする耐油紙の製造方法。
(4)前記塗工液製造工程を、溶液の温度を60℃以上に保って行うことを特徴とする前記(3)に記載の耐油紙の製造方法。
(5)前記塩基性物質が水酸化ナトリウムであることを特徴とする前記(3)または(4)のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
(6)前記塩基性物質の含有量がエピクロロヒドリン変性脂肪酸100質量部に対して0.5〜10質量部であることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
本発明の耐油紙は、薄葉であっても油分の抜けや油分のしみの発生を防止することができる優れた耐油性を有し、かつ、加熱時のDCP発生量を低減させることができる。また、本発明の耐油紙の製造方法は、上記の優れた耐油性を有し、かつ、加熱時のDCP発生量を低減させた耐油紙を製造することができる。
本発明の実施形態について以下に説明する。ただし、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(耐油紙)
本実施形態の耐油紙は、紙基材の少なくとも片面に、フッ素樹脂系耐油剤を含まない特定の成分を有した塗工層を有している。この塗工層が耐油層として働くことによって、油分の抜けや油分のしみの発生を防止することが可能となり、薄葉の耐油紙であっても高いレベルの耐油性を発現することが可能となった。
本実施形態の耐油紙の塗工層は、デンプン及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種(以下、単に「デンプン類」ともいう)と、脂肪酸サイズ剤とを含有している。以下、塗工層を構成する各成分について説明する。
(デンプン類)
デンプン類を塗工層に含有させることにより、耐油性を付与することができる。
デンプン類は、特に限定されず、各種公知のものの中から適宜選択して使用することができる。デンプンとしては、例えばデンプンの原料からみると、トウモロコシ、馬鈴薯、小麦、米、タピオカ、甘藷等を原料とするデンプンを使用することができる。また、これらのデンプンを2種類以上組み合わせて使用することもできる。塗工層がデンプン類を含有していると、製袋時等に機械等で耐油紙表面をこすられたときでも、塊状の塗膜粕が発生しにくい。
デンプンの誘導体としては、例えば酸化、尿素リン酸エステル化、酢酸エステル化、ヒドロキシエチル化、カチオン化、酵素処理、焙焼化等を行ったデンプン誘導体を使用することができる。また、これらのデンプン誘導体を2種類以上組み合わせて使用することもできる。デンプン誘導体の具体例としては、例えば酸化デンプン、疎水化デンンプン、酢酸デンプン、燐酸エステル化デンプン、アセチル化デンプン、エーテル化デンプン、カチオン化デンプン、カルバミン酸デンプン、ヒドロキシメチル化デンプン、ヒドロキシエチル化デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン等が挙げられる。これらの中では、耐油性をより一層高められる観点から、酸化デンプン、疎水化デンプン、または酸化デンプンと疎水化デンプンを組み合わせたものが好ましく用いられる。
酸化デンプンは、デンプンを次亜塩素酸ナトリウムで酸化処理することにより得ることができる。デンプン粒子の非結晶部分が酸化処理されることにより、水酸基等が酸化され、カルボキシ基が生成される。この反応により、酸化処理済みのデンプンは、未処理のデンプンよりも酸化されにくくなる。同時に、デンプン分子の加水分解等により、低分子量物質が生成される。この反応により、酸化処理済みのデンプンは、粘度安定性と透明性に優れるという特性も得る。酸化デンプンは、化学的に安定であり、耐油性に優れているため、紙基材に塗工されることによって、紙基材に優れた耐油性を付与することができる。
疎水化デンプンの製造方法は、特に限定されない。疎水化デンプンの製造方法としては、例えば、デンプンをアルミン酸アルカリ又は水酸化アルカリの存在下でオルガノシラン水溶液と密に接触させる方法、シリコーンやアルケニル化合物で誘導体化する方法、水性系においてオクテニルコハク酸無水物やドゼセニルコハク酸無水物等の有機酸無水物とデンプンを反応させる方法、デンプンにアクリロニトリル等の疎水性モノマーや疎水性不飽和酸モノマーを共重合させる方法、コハク酸とデンプンをエステル化する方法、特開2006−37316号公報に開示されているデンプンとC8−24−アルキルメタクリレート基を有するスチレン−アクリル系ポリマーを混合する方法等を挙げることができる。特に、デンプンとC8−24−アルキルメタクリレート基を有するスチレン−アクリル系ポリマーを混合する疎水化デンプンの製造方法が、耐油性の観点から好ましい。
デンプン類の重量平均分子量は、40000〜100000の範囲が好ましく、50000〜100000の範囲がより好ましい。重量平均分子量を40000以上とすることにより、耐油性をより一層向上させることができる。一方、重量平均分子量を100000以下とすることにより、塗工液の粘度上昇を抑え、塗工時の液はねや塗工ムラを抑えることができる。デンプンの重量平均分子量は、原料デンプンの重量平均分子量や置換基の置換度などを適切に設定することによって調整することができる。原料デンプンの重量平均分子量の調整方法としては、例えば、酸加水分解、酸化分解、酵素分解などの従来公知の方法を採用することができる。重量平均分子量は、プルランを基準分子量としたGPC法で測定することができる。
塗工層を構成するデンプン類は、架橋剤で架橋されていてもよい。架橋剤で架橋されたデンプンを塗工層に用いることによって、耐油紙の耐油性を一層向上させることができる。
デンプン類の架橋剤は、特に限定されないが、具体的には、イソシアネート系樹脂、アミノアルデヒド系樹脂、グリオキザール系樹脂、エポキシ系樹脂、カルボジイミド系樹脂、無機金属塩、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エピクロロヒドリン系の化合物等が挙げられる。これらの中でも、安全性、経済性、反応性の観点から、エピクロロヒドリン系架橋剤であることが好ましく、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂が特に好ましい。架橋剤の添加量は、架橋剤の種類、反応するための基の数、反応率にもよるが、デンプン類の固形分に対し、1〜25質量%添加すればよい。
(脂肪酸サイズ剤)
脂肪酸サイズ剤は、塗工層中のデンプン類の有する耐油性をさらに向上させるために添加される成分であり、デンプン類との相溶性に優れている。脂肪酸サイズ剤は、従来から紙用の表面サイズ剤として使用されてきたものである。脂肪酸としては、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよいし、植物性脂肪酸であっても動物性脂肪酸であってもよい。
紙用の脂肪酸サイズ剤として代表的なものは、脂肪酸をカチオンで変性させたものである。脂肪酸サイズ剤は、代表的な脂肪酸サイズ剤の具体例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、または機能性を付与するために変性された脂肪酸にポリアミン系のカチオン性定着剤を付与したものが挙げられる。機能性を付与するために変性された脂肪酸としては、エピクロロヒドリン変性剤でエポキシ化されたエピクロロヒドリン変性脂肪酸が特に好ましい。
本実施形態では、エピクロロヒドリン変性脂肪酸を脂肪酸サイズ剤として使用する。エピクロロヒドリン変性脂肪酸としては、高級脂肪酸に、ポリアミンを反応させてポリアミド縮合物を生成し、さらにエピクロロヒドリン化合物でエポキシ化されているものが好ましい。
高級脂肪酸としては、炭素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸又は多価カルボン酸が好ましく、特に炭素数12〜25のものが好ましい。脂肪族カルボン酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、トール油脂肪酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸等が使用できる。ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン、アミノエチルエタノールアミン等が挙げられる。高級脂肪酸とポリアミンとの縮合反応で得られるものとしては、3価以上のアミンと高級脂肪酸のアミドが好ましい。3価以上のアミンと高級脂肪酸のアミドの具体例としては、ポリエチレンポリアミンと高級脂肪酸の縮合物、ステアリン酸とメラミンの反応物などが挙げられる。脂肪酸と多価アミンの縮合物は、エピクロロヒドリンを用いて4級塩としたものがより好適に使用できる。
(乳化安定剤)
脂肪酸サイズ剤の安定剤として、酢酸ナトリウムを添加することが好ましい。酢酸ナトリウムの含有量は、エピクロロヒドリン変性脂肪酸に対して50質量%以下であることが好ましい。また、1〜10質量%の範囲であることがより好ましい。
(分散剤)
脂肪酸サイズ剤の皮膜性等を向上させるため、分散剤の添加が必要である。本実施形態では分散剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを使用する。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、塗工液のゲル化を生じさせずに後述するDCP無害化処理を行える点で、脂肪酸サイズ剤の分散剤として好適である。分散剤の含有量は、エピクロロヒドリン変性脂肪酸に対して1〜5質量%であることが好ましい。
本実施形態の耐油紙に不適当な分散剤の例として、例えばグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。グリセリン脂肪酸エステルを分散剤として使用すると、後述する塩基性物質によるDCP無害化処理において塗工液がゲル化し、成膜が不可能になってしまう。
(塩基性物質)
塗工液からDCPを無害化するため、デンプン類、脂肪酸、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルの混合液に塩基性物質を添加し、加熱しつつ撹拌することが必要である。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物や塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物や塩等の無機塩基性物質、あるいは、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン等の第1、2、3級有機アミン類、あるいは、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウムヒドロキシド類などが使用できる。これらの中では、工業的には無機塩基性物質、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
塩基性物質の含有量は、エピクロロヒドリン変性脂肪酸100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。
このように、本実施形態では、塗工液を製造する際に、デンプン類、脂肪酸、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルの混合液中に塩基性物質を添加して加熱しつつ撹拌するという簡便な方法でDCPの無害化が可能である。このDCP無害化方法は、DCPを予め無害化した脂肪酸等を必要としないため、低コストである。
よって、本実施形態の製造方法では、加熱時のDCP発生量を低減させ、かつ、薄葉でも優れた耐油性を実現する耐油紙を、低コストで製造することが可能となる。
(粘度)
デンプン類とエピクロロヒドリン変性脂肪酸とポリオキシアルキレンアルキルエーテルとの混合溶液を塩基性物質で処理して作成した塗工液の粘度は、150〜630mPa・sが好ましい。塗工液の粘度をこのような範囲にすれば、塗工液のポンプ送液が容易になる、塗工液を均一に塗工することが容易になる、といった効果がある。
ここで塗工液の粘度は、濃度19〜22%、液温30〜40℃の条件でB型粘時計を用いて測定する。
(塗工層)
本実施形態の耐油紙の塗工層は、デンプン類と、脂肪酸サイズ剤とを含有している。塗工層を構成する成分としては、紙基材上に皮膜を形成し、油分のしみと拡がりを抑制する観点から、デンプン類が必須成分であり、かつ主成分であることが好ましい。ここで、主成分とは、塗工層の全固形分の50質量%以上であることを意味している。塗工層の全固形分中のデンプン類の含有割合は、50〜90質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましい。また、デンプン類の塗膜は、製袋時等に機械等で表面をこすられたときに、粉状物の発生が少なく、好ましい。
デンプン類の皮膜を形成させる観点から、脂肪酸サイズ剤の含有割合は塗工層の全固形分の50質量%未満であることが好ましい。脂肪酸サイズ剤の含有割合は5〜49質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の耐油紙は、上記成分を有した塗工層を有することによって、油分が内部にまで浸透することを阻止することができる。また、塗工層の一部は紙基材の一部まで浸透して存在していることから、耐油紙の表面に付着した油分が紙基材の内部に浸透したときであっても油分の拡がりを阻止することができる。
塗工層の形成量(固形分)は、特に限定されないが、片面で、1.0〜10.0g/mであることが好ましく、2.0〜6.0g/mであることがより好ましい。
塗工層の形成に用いる塗工液は、前記の各種成分の他に、バインダー、顔料などを含んでいてもよい。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。
バインダーとしては、カゼインやポリビニルアルコール等の水溶性高分子、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の水分散液が使用できる。
顔料としては、特に限定されないが、例えば、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、合成マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛などが使用できる。これらの顔料は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
(紙基材)
本実施形態の耐油紙に用いる紙基材としては、特に限定されず、各種の紙、板紙を使用することができ、用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、晒または未晒クラフト紙、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、板紙、白板紙、ライナー、セミグラシン紙、グラシン紙、片艶紙、パーチメント紙等を紙基材とすることができる。
紙基材を構成するパルプとしては、特に限定されず、通常製紙用として使用されるあらゆるものが使用できる。例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(GP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の未晒、半晒、あるいは晒パルプ、亜硫酸パルプ、古紙パルプ等が使用できる。紙基材のパルプとしては、寸法安定性に優れるLBKPを多く配合することが好ましい。具体的には、紙基材の全パルプ100質量%のうちLBKPを60〜100質量%含有させることが好ましい。LBKP含有量をこの範囲にすることで、紙基材中に塗工液を浸透させ乾燥させたとき、塗工液中のデンプン類、脂肪酸サイズ剤の濃度が塗工層の表面側に近づくに従って高くなる塗工層を形成することができる。これにより、油抜けと油しみを効果的に抑制することができる。デンプン類が耐油紙の厚さ方向に濃度勾配を持って存在することは、例えばヨウ素デンプン反応で着色することによって、耐油紙の断面等の色の濃さから目視観察で評価することができる。
紙基材の坪量は、特に限定されないが、16〜150g/mであることが好ましい。紙基材の坪量を上記範囲内とすることにより、塗工層を形成する際に必要な強度を保持させることができる。なお、紙基材の坪量は150g/mを超えると、折り目部分で紙基材の座屈が生じやすくなるため、紙基材の割れを生じ、折り目の耐油性が低下し易くなる傾向となる。また、紙基材のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度は、特に限定されるものではないが、30〜200秒であることが好ましい。
紙基材のパルプのJIS P8121−1995に準じて測定したカナダ標準フリーネス(叩解度)は特に限定されないが、塗工液の浸透性、塗工時の紙基材の強度等の観点から、80〜350mlとすることが好ましい。カナダ標準フリーネスのより好ましい範囲は100〜300mlである。
なお、使用するパルプは、例えば、ビーター、ジョルダン、シングルディスク・リファイナー、コニカルリファイナー、円筒型リファイナー、デラックス・ファイナー、ダブル・ディスク・リファイナー(DDR)、媒体攪拌ミル、振動式ミル等の叩解機により上述した叩解度となるように調整される。叩解の条件は特に限定されないが、各種リファイナーの刃の形状、回転数、パルプの濃度、パルプの繊維長、パルプの粗度等が叩解後のパルプ物性に影響することを鑑み、適宜叩解条件が選択される。
また、紙基材の密度は、特に限定されないが、0.6〜1.2g/cmとすることが好ましく、0.7〜1.1g/cmとすることがより好ましい。これにより、紙基材の塗工時の強度を高めることができる。紙基材の密度を高める具体的方法としては、紙基材の抄造時に湿紙状態で加圧する方法がある。また、乾燥後にマシンカレンダーやソフトニップカレンダー、グロスカレンダーを使用する方法、あるいは紙基材抄造後にスーパーカレンダーを使用する方法でも、紙基材の密度を高めることができる。その中でも、湿紙時に使用する加圧処理は乾燥後のカレンダー処理と比較しても、紙基材中の水分が高い状態で圧力を与えることが可能であり、効率的に密度を高めることができるため好ましい。
紙基材のサイズ度は、特に限定されないが、JIS P 8122:2004に準ずるステキヒトサイズ度が0〜10秒程度の範囲とすることが好ましい。紙基材のサイズ度は、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系等の内添サイズ剤の種類や含有量、パルプの種類、平滑化処理等によって制御することができる。内添サイズ剤の含有量は、特に限定されないが、紙基材のパルプ100質量部に対して0〜0.3質量部程度の範囲が好ましい。内添サイズ剤は、塗工液を適度に浸透させる観点から通常よりも少量添加することが好ましく、添加しなくてもよい。内添サイズ剤の含有量は、より好ましくは紙基材のパルプ100質量部に対して0〜0.25質量部、さらに好ましくは0.05〜0.25質量部である。
紙基材に内添サイズ剤を少量添加することによって、塗工液の濃度が低く、且つ塗工量が多くても、塗工中に紙基材の紙切れが発生するおそれがない。一方、内添サイズ剤の含有量を0.3質量部以下とすることによって、塗工液中のデンプン類等が紙基材中に適度に浸透し、しかも塗工層の表面側に近づくに従って高濃度で存在するような塗工層を形成することができる。
また、紙基材の厚みは、特に限定されないが、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。また、紙基材の厚みは、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。紙基材の厚みを上記範囲内とすることにより、適度な強度を有することができ、塗工層の塗工適性を高めることができる。
紙基材にはさらに、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等に代表される定着剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、無定形シリカ、尿素−ホルマリン樹脂粒子等に代表される填料類、ポリアクリルアミド系ポリマー、デンプン等に代表される紙力増強剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロロヒドリン樹脂等に代表される湿潤紙力増強剤、その他、濾水剤、青み付けなどの色調調整用の染料、蛍光染料など各種助剤類を挙げることができる。
本実施形態の耐油紙は、特に限定されないが、坪量が20〜150g/mであることが好ましく、25〜80g/mであることがより好ましい。このような坪量とすることによって、本実施形態の耐油紙は、包装容器や箱等の成型容器用として使用することができる。
(耐油紙の製造方法)
耐油紙の製造方法、特に塗工液製造工程と塗工工程について以下に記載する。
<紙基材の製造方法>
紙基材は、常法により各種抄紙機により抄紙し、湿紙を形成し、乾燥させた後、表面サイズプレス処理マシンカレンダー等による平滑化処理等、常法による処理工程を経て製造される。
抄紙機としては、エアクッションヘッドボックスあるいはハイドロリックヘッドボックスを有する長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ型ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機等を挙げることができる。
<塗工液製造工程>
塗工液は、前記の各種成分の他に、バインダー、顔料、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤を適宜添加して、調製される。DCP無害化のために塩基性物質を添加した後に行う撹拌の際、溶液の温度は60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。溶液を前記温度に保つ時間は30分以上であることが好ましい。
塗工液の溶剤としては、通常、水が使用される。塗工液の濃度は、固形分の濃度で、1〜30%が好ましく、3〜25%がより好ましい。塗工液の濃度を1〜30%とすることにより、ゲル化せずポンプ送液することができる。
<塗工工程>
紙基材の少なくとも片面に、塗工液を塗工し、引き続き乾燥機を通して、塗工液を乾燥させる。
塗工液の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置を用いることができ、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ツーロールサイズプレスコーター、ポンドサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、キャレンダーによるニップコーター等が適宜用いられる。
塗工液の塗工方法としては、中でも、生産効率を高めるために、ブレードコーターやバーコーターを用いることが好ましく、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター等を用いることも好ましい。また、塗工については、オンマシンコーティングが生産効率の点で好ましい。
本実施形態では、ポンドサイズプレスコーターで塗工することが好ましい。これにより、2本のロールの間に塗工液溜りを形成し、その液溜りを紙基材が通過し、さらに2本のロールで絞られることで、紙基材内部に塗工液を浸透させることができる。
また、本実施形態では塗工層形成後、必要に応じて平滑化処理を行うことができる。平滑化処理は通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシン又はオフマシンで行われる。なお、本発明の効果を損なわない限りにおいて、塗工層塗工前の紙基材、または塗工層を形成した原紙を平滑化処理することも可能である。
(DCP発生量)
このように製造した耐油紙を、ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ質量分析法(HS−GC/MS)で測定した。耐油紙から発生したDCPの質量は、耐油紙の質量に対して、0.6ppm以下であった。
塗工液に塩基性物質を添加して加温することで、塗工液中のDCPが塩基性物質により脱塩素化反応を起こし、グリセリン等に変換されることにより、このような低DCP濃度の耐油紙が実現できたものと推測される。
以下に実施例を挙げて本発明の耐油紙をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
(実施例1)
酸化デンプン(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)水溶液85部、および、分散剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸(商品名:PT8107、星光PMC株式会社製)15部を混合し、水酸化ナトリウムを脂肪酸に対して3.5%添加した後、溶液の温度を80℃に保って加熱撹拌し、塗工液を調製した。酸化デンプン水溶液の濃度は18%である。
カナダ標準フリーネスが300mlとなるようレファイナーで調整したLBKPからなるパルプを用い、内添填料として酸化チタン(商品名:タイベークR780、石原産業社製)を3%配合し、坪量50g/mで抄造した非塗工紙を紙基材として用いた。
この紙基材を用いて、ロッドメタリングサイズプレスコーター(ロッドメタリングサイザー)にて、一方の面に塗工液を形成量が4g/mとなるように塗工し、乾燥させた。以上の工程を経ることによって、片面に塗工層を有する耐油紙を得た。この耐油紙の坪量は50g/mであった。また、紙基材のステキヒトサイズ度は0秒以下であった。
(実施例2)
実施例1の塗工液の調製において、加熱撹拌を70℃で行った以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(実施例3)
実施例1の塗工液の調製において、水酸化ナトリウムを脂肪酸に対して5.2%添加した以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(実施例4)
実施例1の塗工液の調製において、水酸化ナトリウムを脂肪酸に対して7.0%添加した以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(実施例5)
実施例1の塗工液の調製において、水酸化ナトリウムを脂肪酸に対して0.86%添加した以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(実施例6)
実施例1の塗工液の調製において、加熱撹拌処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(実施例7)
実施例1の塗工液の調製において、加熱撹拌を60℃で行った以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(比較例1)
実施例1の塗工液の調製において、水酸化ナトリウムを添加せず、加熱撹拌を行わなかった以外は、実施例1と同様にして耐油紙を得た。
(比較例2)
実施例1の塗工液の調製において、分散剤としてグリセリン脂肪酸エステル系分散剤を含有する脂肪酸(商品名:サイズパインDL−FA20、荒川化学工業株式会社製)を使用した。結果、塗工液がゲル化し、塗工層を形成することが不可能になり、耐油紙を製造することができなかった。
かくして得られた耐油紙について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(DCP発生量の測定方法)
ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ質量分析法(HS−GC/MS)により、耐油紙の加熱時に発生するDCP濃度を測定した。まず、耐油紙10×10cmを半分にカットして蛇腹折りにし、カットした紙片の両方を容量20mmのHSバイアルに詰めて密栓した。このHSバイアルを100℃10分間加熱したときの揮発成分を測定し、耐油紙の質量に対して発生したDCPの質量を得た。
(耐油度の測定方法)
TAPPI UM−557法(キット法)により耐油紙の表面側の塗工面の耐油度を測定した。なお、本発明において耐油度は6級以上が好ましい。
Figure 2019099952
実施例1〜7の耐油紙は、キット法の耐油性において優れており、また、加熱した際に発生するDCP濃度も低かった。特に、水酸化ナトリウム添加量が多く、高温で加熱撹拌処理を行っている実施例1〜4におけるDCPの発生量は検出限界量である0.1ppm未満であり、極めて微量であった。
一方、比較例1の耐油紙は、水酸化ナトリウムを添加していないため、実施例1〜7と同一の脂肪酸を使用しているにも関わらず、加熱時に発生する気体のDCP濃度が2.0ppmと高かった。このことから、塗工液調製の際に水酸化ナトリウムを添加し加熱撹拌する処理が、耐油紙のDCP含有量を減少させていることが分かった。
また、比較例2の、分散剤としてグリセリン脂肪酸エステル系分散剤を含有する脂肪酸を使用した塗工液は、水酸化ナトリウムを添加した際に塗工液がゲル化してしまい、塗工層を形成することができなかった。このことから、分散剤としてグリセリン脂肪酸エステル系分散剤を含有する脂肪酸を用いた耐油紙は、水酸化ナトリウムによる処理でDCPを減少させられないことが分かった。

Claims (6)

  1. 紙基材の少なくとも片面に塗工層を有する耐油紙であって、
    前記塗工層が、デンプンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、
    エピクロロヒドリン変性脂肪酸およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸サイズ剤とを含有し、
    100℃で10分間加熱した際に発生するガス中の1,3−ジクロロ−2−プロパノール濃度が0.6ppm以下であること
    を特徴とする耐油紙。
  2. 前記脂肪酸サイズ剤が酢酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
  3. 紙基材の少なくとも片面に塗工層を有する耐油紙の製造方法であって、
    前記製造方法は、
    塗工液を製造する塗工液製造工程と、
    前記塗工液を前記紙基材に塗工して前記塗工層を形成する塗工工程とを含み、
    前記塗工液製造工程は、
    デンプンおよびその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、
    エピクロロヒドリン変性脂肪酸およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含有する脂肪酸サイズ剤と、
    塩基性物質とを混合すること
    を特徴とする耐油紙の製造方法。
  4. 前記塗工液製造工程を、溶液の温度を60℃以上に保って行うことを特徴とする請求項3に記載の耐油紙の製造方法。
  5. 前記塩基性物質が水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
  6. 前記塩基性物質の含有量がエピクロロヒドリン変性脂肪酸100質量部に対して0.5〜10質量部であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
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