JP2019097976A - 凍結保存装置及びその装置を含む自動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】試料を取り出す際に、キャニスターを、保存容器内での収容時の位置から開口部の真下に正確に位置決めし、更に、人手を介することなく自動で干渉なく引き上げる。【解決手段】懸吊支持/位置決め部材132のコの字型の部位をネックプラグ12の軸方向に押し込むと、第1垂直部分132aは、挿通溝内に押し込まれていく。この操作によるキャニスター13の移動は、第2垂直部分132cが蓋部121の側面121Aに当接すると終了する。次に昇降機2で持ち上げる場合、貫通孔に昇降アーム22を貫通させる。この状態で、昇降アーム22を上昇させると、ネックプラグ12が直接的に上昇し、また、第2水平部分132dがガイド溝に嵌入状態となっているので、キャニスター13全体としてはネックプラグ12に対して懸吊状態となっており、それによりキャニスター13は、ネックプラグ12と一体的に上昇する。【選択図】図2
Description
本発明は、凍結保存装置及びその装置を含む自動システムに関する。
特に医薬やバイオテクノロジーの分野においては、血液、精子、受精卵、細胞等の生体試料(以下、単に“試料”と称す)を凍結保存する場合があり、そのときに使用する装置が凍結保存装置である。
図7は、従来の凍結保存装置を説明するための図である。図7(a)に示すように、従来の凍結保存装置100は、試料収納前は、中空構造の保存容器101と当該保存容器101を密閉する蓋の役割を果たすネックプラグ102とから構成されている。
試料の保冷に際しては、図7(b)に示すような試料収納容器103aと懸吊部材103bから成るキャニスター(保存器具)103の試料収納容器103a内に所定数の試料が収納され、そして、そのキャニスター103が、液体窒素(LN:Liquid Nitrogen)が貯留された保存容器101内に収容され、ネックプラグ102により密閉されることにより実現される。例えば、保存容器101内は、−150℃以下に保持される。
なお、通常、キャニスター103は、保存容器101内に複数収容できるようになっており、それらは、収納効率を上げるため保存容器101の内壁に沿って配置されている。
ここで、上記のように複数の試料が収納された凍結保存装置100から任意の試料を取り出す際の作業工程を以下に列挙説明する。
イ)ネックプラグ102を取り外す。
ロ)目的の試料が収納されたキャニスター103を、ネックプラグ102を取り外したことにより露呈した開口部の真下に移動させる。
ハ)当該キャニスター103の懸吊部材103bに指を掛けて当該キャニスター103を開口部に沿って引き上げ、装置外に取り出す。なお、装置の保冷効率を高めるため、開口部は、キャニスター103の一つ分が通過できる大きさになっている。
ニ)引き上げたキャニスター103から目的の試料を取り出す。
イ)ネックプラグ102を取り外す。
ロ)目的の試料が収納されたキャニスター103を、ネックプラグ102を取り外したことにより露呈した開口部の真下に移動させる。
ハ)当該キャニスター103の懸吊部材103bに指を掛けて当該キャニスター103を開口部に沿って引き上げ、装置外に取り出す。なお、装置の保冷効率を高めるため、開口部は、キャニスター103の一つ分が通過できる大きさになっている。
ニ)引き上げたキャニスター103から目的の試料を取り出す。
なお、かかる凍結保存装置の詳細は例えば特許文献1に開示されている。但し、当該文献においては、図2に示すように、キャニスターの最大収容個数は3である。
しかしながら、上述のような従来の凍結保存装置では、以下のような課題がある。すなわち、試料を凍結保存装置から取り出す際に、目的のキャニスター103を、保存容器101内での収容時の位置から開口部の真下に正確に位置決めすることが難しい。また、目的のキャニスター103を保存容器101内から持ち上げる際に、キャニスター103を一方の手で持ち、キャニスター103からの試料の取り出しを他方の手で行うため、操作性が悪い。また、懸吊部材103bの上部の持ち手部分が短くて操作がしづらく、そのためキャニスター103を落としてしまうおそれがある。更に、試料を取り出す際に、必ず外さなければならないネックプラグ102が邪魔になる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、試料を取り出す際に、キャニスターを、保存容器内での収容時の位置から開口部の真下に正確に位置決めすることができる凍結保存装置を提供することを課題とする。
また、本発明の別の課題は、試料を取り出す際に、キャニスターを、保存容器から開口部を介して上方外部へ、人手を介することなく自動で干渉なく引き上げることができる、凍結保存装置を含む自動システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] 1以上のキャニスターが収容される保存容器と、
前記保存容器のネック部の開口部を閉塞するためのネックプラグと、を備える凍結保存装置であって、
前記キャニスターは、試料が収納される収納容器と、下部において前記収納容器を支持固定し、上部が懸吊可能なように構成されている懸吊支持部材と、から成り、
前記懸吊支持部材が、前記保存容器内における前記キャニスターの保存位置を決定するための第1垂直部分と、前記保存容器から前記キャニスターを取り出す際の取り出し位置を決定するための第2垂直部分と、を少なくとも有する、凍結保存装置。
[2] 前記ネックプラグは、前記開口部に嵌挿される断熱材部と、前記断熱材部の上方に延設された当該断熱材部の径より大きい径を有する蓋部と、を有し、
前記キャニスターの保存位置において、前記第1垂直部分は、前記開口部の側壁に当接し、前記第2垂直部分は、前記蓋部の側面の法線方向の所定距離に位置し、
前記キャニスターの取り出しの際には、少なくとも前記第2垂直部分が前記蓋部の側面方向に押されることに伴って、前記キャニスターが前記断熱材部の下方に移動し、
前記第2垂直部分が前記蓋部の側面に当接すると、前記キャニスターと前記ネックプラグとが同軸の位置関係となる、[1]に記載の凍結保存装置。
[3] 前記断熱材部は、キャニスターの取り出しの際の移動に伴って、前記懸吊支持部材の、少なくとも前記第1垂直部分が挿通する挿通溝を有する、[2]に記載の凍結保存装置。
[4] 前記懸吊支持部材の前記懸吊可能な上部は、少なくとも、前記蓋部の上面に掛止可能な水平部分を有する、[1]に記載の凍結保存装置。
[5] 前記蓋部の上面には、前記水平部分が嵌入するガイド溝が設けられている、[4]に記載の凍結保存装置。
[6] 請求項4に記載の凍結保存装置と、
前記ネックプラグを垂直方向に昇降可能な昇降機と、を備える、自動システム。
[7] 前記昇降機は、昇降動作可能なアームを有し、
前記蓋部は、前記アームを貫通可能な貫通孔を有し、
前記アームを前記貫通孔に貫通した状態で、前記アームを昇降させることにより、前記ネックプラグを昇降させる、[6]に記載の自動システム。
[1] 1以上のキャニスターが収容される保存容器と、
前記保存容器のネック部の開口部を閉塞するためのネックプラグと、を備える凍結保存装置であって、
前記キャニスターは、試料が収納される収納容器と、下部において前記収納容器を支持固定し、上部が懸吊可能なように構成されている懸吊支持部材と、から成り、
前記懸吊支持部材が、前記保存容器内における前記キャニスターの保存位置を決定するための第1垂直部分と、前記保存容器から前記キャニスターを取り出す際の取り出し位置を決定するための第2垂直部分と、を少なくとも有する、凍結保存装置。
[2] 前記ネックプラグは、前記開口部に嵌挿される断熱材部と、前記断熱材部の上方に延設された当該断熱材部の径より大きい径を有する蓋部と、を有し、
前記キャニスターの保存位置において、前記第1垂直部分は、前記開口部の側壁に当接し、前記第2垂直部分は、前記蓋部の側面の法線方向の所定距離に位置し、
前記キャニスターの取り出しの際には、少なくとも前記第2垂直部分が前記蓋部の側面方向に押されることに伴って、前記キャニスターが前記断熱材部の下方に移動し、
前記第2垂直部分が前記蓋部の側面に当接すると、前記キャニスターと前記ネックプラグとが同軸の位置関係となる、[1]に記載の凍結保存装置。
[3] 前記断熱材部は、キャニスターの取り出しの際の移動に伴って、前記懸吊支持部材の、少なくとも前記第1垂直部分が挿通する挿通溝を有する、[2]に記載の凍結保存装置。
[4] 前記懸吊支持部材の前記懸吊可能な上部は、少なくとも、前記蓋部の上面に掛止可能な水平部分を有する、[1]に記載の凍結保存装置。
[5] 前記蓋部の上面には、前記水平部分が嵌入するガイド溝が設けられている、[4]に記載の凍結保存装置。
[6] 請求項4に記載の凍結保存装置と、
前記ネックプラグを垂直方向に昇降可能な昇降機と、を備える、自動システム。
[7] 前記昇降機は、昇降動作可能なアームを有し、
前記蓋部は、前記アームを貫通可能な貫通孔を有し、
前記アームを前記貫通孔に貫通した状態で、前記アームを昇降させることにより、前記ネックプラグを昇降させる、[6]に記載の自動システム。
本発明の凍結保存装置によれば、試料を取り出す際に、キャニスターを、保存容器内での収容時の位置から開口部の真下に正確に位置決めすることができる。
具体的には、キャニスターの取り出しの際には、少なくとも第2垂直部分を蓋部の側面方向に押し、それが当該側面に当接すると、キャニスターとネックプラグとが同軸の位置関係になっているとしているので、何らの計測も調整も必要がない。
具体的には、キャニスターの取り出しの際には、少なくとも第2垂直部分を蓋部の側面方向に押し、それが当該側面に当接すると、キャニスターとネックプラグとが同軸の位置関係になっているとしているので、何らの計測も調整も必要がない。
また、懸吊支持部材の懸吊可能な上部に、蓋部の上面に掛止可能な水平部分を設けることにより、ネックプラグを持ち上げれば、それと一体的にキャニスターを持ち上げることができる。
更に、蓋部の上面に、その水平部分が嵌入するガイド溝を設ければ、上記の位置決めが容易になると共に、安定的に、キャニスターを持ち上げることができ、落下させることもなくなる。
また、上記のように、ネックプラグと一体で持ち上げているので、キャニスターの取り出しの際に、ネックプラグが邪魔になることはない。
更に、蓋部の上面に、その水平部分が嵌入するガイド溝を設ければ、上記の位置決めが容易になると共に、安定的に、キャニスターを持ち上げることができ、落下させることもなくなる。
また、上記のように、ネックプラグと一体で持ち上げているので、キャニスターの取り出しの際に、ネックプラグが邪魔になることはない。
また、本発明の自動システムによれば、試料を取り出す際に、キャニスターを、保存容器から開口部を介して上方外部へ、人手を介することなく自動で干渉なく引き上げることができる。
以下、本発明を適用した一実施形態である凍結保存装置の構成について、凍結保存装置を含む自動システムと併せて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る凍結保存装置1の保存容器11内にキャニスター13が収容されている状態を示す断面図であり、同図と、図3及び図4を参照して、本実施形態に係るキャニスター13及びネックプラグ12の構造を説明する。
まず、図3を主に参照して、キャニスター13について説明する。キャニスター13は、所定数の試料が収納可能な、略円筒形状の試料収納容器131と、その試料収納容器131が下部に支持固定され、上部が他の部材に懸吊可能な構造となっている懸吊支持/位置決め部材132とで構成されている。
懸吊支持/位置決め部材132は、更に詳細には、垂直に延びる支柱部分であって、最下部に試料収納容器131が支持固定される第1垂直部分132aと、その第1垂直部分132aの上端から水平に延びる部分であって、第1垂直部分132aとの境界部分に、キャニスター13が保存容器11内に収容されているときに保存容器11のネック部112の縁端部112aに掛止可能な湾曲部分133を有する第1水平部分132bと、その第1水平部分132bの他端から上方に垂直に延びる第2垂直部分132cと、その第2垂直部分132cの上方端から水平に延びる第2水平部分132dとで構成されている。
ここで、図3に示すように、第1水平部分132b、第2垂直部分132c、及び第2水平部分132dにより、コの字型(あるいはU字型)が形成されている。なお、第1水平部分132b及び第2垂直部分132cの長さを規定する必要があるが、それについては後の動作の説明において説明する。
次に、図4(a)を主に参照して、ネックプラグ12について説明する。ネックプラグ12は、保存容器11のネック部112の開口部111を閉塞するために設けられており、蓋部121と断熱材部122とから構成されている。ここで、断熱材部122の径は、蓋部121の径より小さくし、かつ、断熱材部122の径は、保存容器11の開口部111の径と略同一とする。これにより、ネックプラグ12が保存容器11の開口部111に嵌め込まれた際に、断熱材部122の側面122Aと保存容器11の開口部111の内壁111Aとが密着関係となり、保存容器11の断熱効果を高めることができる。具体的には、本実施形態の凍結保存装置1は、保存容器11の内部に液体窒素を貯留することにより、保存容器11内を例えば−150℃以下の低温に保持することができる。
なお、本実施形態の凍結保存装置1は、保存容器11の内部で気化した液体窒素による内圧上昇を防ぐためのガス放出機能を有することが好ましい。具体的には、本実施形態の凍結保存装置1では、保存容器11内に液体窒素を貯留する際、保存容器11の開口部111とネックプラグ12の断熱材部122との隙間から、気化した液体窒素を保存容器11の外部に放出することができる。
また、図4(a)及び図4(b)に示すように、断熱材部122は、その中心軸から放射状に等角に側面まで延びる縦方向のほぼ全長に渡った溝である6個の挿通溝122aを有している。言い換えれば、1つの挿通溝122aと、それに相対する反対側の挿通溝122aとで、一方の側面から反対側の側面まで貫通する1つの溝と捉えることもできる。
各挿通溝122aの幅は、後に詳しく説明するように、第1垂直部分132aがスムーズに干渉なく挿通できる幅であればよく、特に限定されるものではない。
また、図4(a)に示すように、蓋部121の上面には、その中心から放射状に等角に側面まで延びる6本のガイド溝121aを有している。言い換えれば、1つのガイド溝121aと、それに相対する反対側のガイド溝121aとで、一方の側面から反対側の側面まで渡る1本の溝と捉えることもできる。
なお、それらのガイド溝121aの幅及び深さに関し、後に詳しく説明するように、幅は、懸吊支持/位置決め部材132の第2水平部分132dが嵌る幅であればよく、深さは、第2水平部分132dがその嵌入状態から容易に外れないような深さであればよい。
蓋部121には、また、後に説明する昇降機2の昇降アーム22が挿通される貫通孔121bが設けられている。
なお、本実施形態においては、保存容器11に収容可能なキャニスター13の数を6としており、従って、それに対応して、上述のように断熱材部122の挿通溝122aと蓋部121のガイド溝121aの数がそれぞれ6となっている。すなわち、保存容器11に収容可能なキャニスター13の数が変われば、対応してそれらの数も適宜変更することができるものである。
図1に戻り、同図に示す収容状態においては、上述のように、第1水平部分132bの湾曲部分133が保存容器11のネック部112の縁端部112aに掛止するとともに、第1垂直部分132aがそのネック部112の内側に設けられている開口部111の内壁111Aに当接することにより、キャニスター13が物理的に安定した状態で保存容器11内に収容できるようになっている。
なお、図1に示すように、キャニスター13の収容状態においては、第1水平部分132b、第2垂直部分132c、及び第2水平部分132dが(言い換えれば、懸吊支持/位置決め部材132のコの字型の部分が)、保存容器11の外部に存在している。また、第2垂直部分132cは、蓋部121の側面121Aから、その法線方向の所定距離に位置している。
次に、図2(a)〜(d)を参照して、特定のキャニスター13を保存容器11から取り出す場合の動作手順について説明する。
先ず、取り出したい試料が収納されたキャニスター13の、上述のようなコの字型の部位を若干持ち上げて、第1水平部分132bの湾曲部分133の、保存容器11のネック部112の縁端部112aに対する掛止状態を解除する。次いで、当該コの字型の部位をネックプラグ12の軸方向に押し込むと、図2(a)に示すように、第1垂直部分132aは、断熱材部122の挿通溝122a内に押し込まれていくと共に、試料収納容器131について言えば、ネックプラグ12の下方(言い換えれば、保存容器11の開口部111の下方)に移動していく。
先ず、取り出したい試料が収納されたキャニスター13の、上述のようなコの字型の部位を若干持ち上げて、第1水平部分132bの湾曲部分133の、保存容器11のネック部112の縁端部112aに対する掛止状態を解除する。次いで、当該コの字型の部位をネックプラグ12の軸方向に押し込むと、図2(a)に示すように、第1垂直部分132aは、断熱材部122の挿通溝122a内に押し込まれていくと共に、試料収納容器131について言えば、ネックプラグ12の下方(言い換えれば、保存容器11の開口部111の下方)に移動していく。
なお、この動作に必要な第2垂直部分132cの長さは、ネックプラグ12の蓋部121の上面121Bから断熱材部122の挿通溝122aまでの高さと、更に第1水平部分132bの湾曲部分133の高さを考慮した必要かつ十分な長さである。
コの字型の部分を押し込むことによるキャニスター13の移動は、図2(b)に示すように、第2垂直部分132cがネックプラグ12の蓋部121の側面121Aに当接すると終了する。なお、そのときのネックプラグ12とキャニスター13の懸吊支持/位置決め部材132の構造的位置関係を図5の部分拡大図で示している。
図2(b)及び図5を参照して、ここで、第1水平部分132bの長さ、蓋部121及び断熱材部122のそれぞれの径、試料収納容器131の径等が互いに有すべき条件について説明する。
まず、第2垂直部分132cが蓋部121の側面121Aに当接したときに、キャニスター13が正確に位置づけられている(試料収納容器131がネックプラグ12と同軸になっている)条件は、式(1)で示される。
なお、ここでは、第1垂直部分132aと第2垂直部分132cの太さを無視している。
「第1水平部分132bの長さ」
=「断熱部材122の半径」+「蓋部121の半径」 ・・・(1)
なお、ここでは、第1垂直部分132aと第2垂直部分132cの太さを無視している。
「第1水平部分132bの長さ」
=「断熱部材122の半径」+「蓋部121の半径」 ・・・(1)
また、キャニスター13の引き上げ時に、保存容器11の開口部111の側壁111Aに干渉しない条件(第2垂直部分132cが蓋部121の側面121Aに当接したときに、第1垂直部分132aが開口部111の側壁111Aに衝突しない条件でもある)は、式(2)で示される。
なお、ここでは、第1垂直部分132aの太さを考慮している。
「試料収納容器131の半径」+「第1垂直部分132aの太さ」
<「保存容器11の開口部111の半径(断熱材部122の半径)」 ・・・(2)
なお、ここでは、第1垂直部分132aの太さを考慮している。
「試料収納容器131の半径」+「第1垂直部分132aの太さ」
<「保存容器11の開口部111の半径(断熱材部122の半径)」 ・・・(2)
かかる関係により、後述のようにネックプラグ12とキャニスター13を一体で鉛直上方に持ち上げたときに、キャニスター13の試料収納容器131及び第1垂直部分132aが、保存容器11の開口部111の側壁111Aと干渉することはない。
図2(b)の状態になったら、ネックプラグ12を保存容器11から外してそれを手で持ち上げることにより、キャニスター13を一体で持ち上げることができるが、以下説明するように、昇降機2を用いてキャニスター13を自動的に持ち上げて保存容器11から取り出すこともできる。以下、その構成及び動作手順について説明する。
図2(c)に示すように、昇降機2は、昇降機本体21と昇降アーム22とで概略構成されている。そこで、この昇降機2により、キャニスター13をネックプラグ12と一体で持ち上げるためには、図2(c)に示すように、また図6((a)が正面図、(b)が側面図)の部分拡大図で示すように、ネックプラグ12の蓋部121の貫通孔121bに昇降機2の昇降アーム22を貫通させる。なお、貫通孔121bの断面形状は、安定化の観点から、昇降アーム22の断面形状に合致するものであるが、典型的には方形である。
この状態で、図2(d)に示すように、昇降機本体21により昇降アーム22を上昇させると、ネックプラグ12が直接的に上昇し、また、キャニスター13の懸吊支持/位置決め部材132の第2水平部分132dがネックプラグ12の蓋部121のガイド溝121aに嵌入状態となっているので、キャニスター13全体としては、ネックプラグ12に対して懸吊状態となっており、それによりキャニスター13は、ネックプラグ12の上昇に伴って一体的に上昇する。
なお、上昇中、キャニスター13の安定した懸吊状態を担保するためには、第2水平部分132dの長さは、蓋部121の半径以上あることが好ましい。なお、第1垂直部分132a及び第1水平部分132bのそれぞれの一部が、断熱材部122の挿通溝122a内に挿通状態になっていることでも、キャニスター13の安定化が図られている。
以上の説明が、目的の試料を取り出すためにキャニスター13を保存容器11から取り出すときの構成及び動作であるが、目的の試料を取り出したのち、キャニスター13を保存容器11に再度収容する動作は以下である。
すなわち、ネックプラグ12と一体的に持ち上げたキャニスター13から目的の試料を取り出しただけの状態、すなわち凍結保存装置1と昇降機2の位置関係が不変であれば、そのまま昇降機2によりキャニスター13をネックプラグ12と一体的に降下させればよい。そして、ネックプラグ12を保存容器11に嵌挿固定し、その後、キャニスター13の第2垂直部分132cを蓋部121の側面121Aから離すように引き、最終的に、第1水平部分132bの湾曲部分133が保存容器11のネック部112の縁端部112aに掛止するとともに、第1垂直部分132aがそのネック部112の開口部111の内壁111Aに当接した状態になると、キャニスター13が物理的に安定した収容位置に収まることとなる。
なお、何らかの作業により、ネックプラグ12及びキャニスター13を昇降アーム22から外した場合や、凍結保存装置1と昇降機2の位置関係が変わった場合には、凍結保存装置1と昇降機2の位置関係を合わせて上記収容手順を踏めばいいが、その場合には、昇降機2を用いなくても、キャニスター13をネックプラグ12と一体で、手で収容することもできる。但し、そのとき、キャニスター13の第2垂直部分132cが蓋部121の側面121Aに当接している状態であることが重要である。
以上のように、上述した実施形態によれば、任意の試料を凍結保存装置1から取り出す際に、目的のキャニスター13を、保存容器11内での収容時の位置から開口部の真下に正確に位置決めすることができる。
また、目的のキャニスター13を、保存容器11内から自動で引き上げて取り出すことができるので、その際作業者の両手が空くことになる。
更にその際、キャニスター13を安定して引き上げることができ、落下の心配もない。
また、目的のキャニスター13を、保存容器11内から自動で引き上げて取り出すことができるので、その際作業者の両手が空くことになる。
更にその際、キャニスター13を安定して引き上げることができ、落下の心配もない。
また、ネックプラグ12と一体でキャニスター13を引き上げているので、キャニスター13の取り出し時にネックプラグ12が邪魔になることもない。
一方、キャニスター13を収容する場合にも、ネックプラグ12と一体で容易に行える。
一方、キャニスター13を収容する場合にも、ネックプラグ12と一体で容易に行える。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施の形態では、キャニスター13が、上部の開口した略円筒形状の試料収納容器131を備える構成を一例として説明したが、第1垂直部132aによって支持固定され、冷却・凍結対象試料を保持できれば任意の構成を取ることができる。例えば、試料収納容器は、水平方向に開口を有し、高さ方向に複数資料を保持するラック型であってもよい。また、キャニスターの収納容器の形状は、円筒状に限らず、角型であってもよい。
本発明の凍結保存装置及びその装置を含む自動システムは、例えば、バイオメディカル基礎研究、医療、製薬、畜産(精子、受精卵保存)などの生体試料凍結保存分野に採用することができる。
1…凍結保存装置、11…保存容器、12…ネックプラグ、121…蓋部、121a…ガイド溝、121b…貫通孔、122…断熱材部、122a…挿通溝、13…キャニスター、131…試料収納容器、132…懸吊支持/位置決め部材、132a…第1垂直部分、132b…第1水平部分、132c…第2垂直部分、132d…第2水平部分、2…昇降機、21…昇降機本体、22…昇降アーム、100…凍結保存装置、101…保存容器、102…ネックプラグ、103…キャニスター、103a…試料収納容器、103b…懸吊部材
Claims (7)
- 1以上のキャニスターが収容される保存容器と、
前記保存容器のネック部の開口部を閉塞するためのネックプラグと、を備える凍結保存装置であって、
前記キャニスターは、試料が収納される収納容器と、下部において前記収納容器を支持固定し、上部が懸吊可能なように構成されている懸吊支持部材と、から成り、
前記懸吊支持部材が、前記保存容器内における前記キャニスターの保存位置を決定するための第1垂直部分と、前記保存容器から前記キャニスターを取り出す際の取り出し位置を決定するための第2垂直部分と、を少なくとも有する、凍結保存装置。 - 前記ネックプラグは、前記開口部に嵌挿される断熱材部と、前記断熱材部の上方に延設された当該断熱材部の径より大きい径を有する蓋部と、を有し、
前記キャニスターの保存位置において、前記第1垂直部分は、前記開口部の側壁に当接し、前記第2垂直部分は、前記蓋部の側面の法線方向の所定距離に位置し、
前記キャニスターの取り出しの際には、少なくとも前記第2垂直部分が前記蓋部の側面方向に押されることに伴って、前記キャニスターが前記断熱材部の下方に移動し、
前記第2垂直部分が前記蓋部の側面に当接すると、前記キャニスターと前記ネックプラグとが同軸の位置関係となる、請求項1に記載の凍結保存装置。 - 前記断熱材部は、キャニスターの取り出しの際の移動に伴って、前記懸吊支持部材の、少なくとも前記第1垂直部分が挿通する挿通溝を有する、請求項2に記載の凍結保存装置。
- 前記懸吊支持部材の前記懸吊可能な上部は、少なくとも、前記蓋部の上面に掛止可能な水平部分を有する、請求項1に記載の凍結保存装置。
- 前記蓋部の上面には、前記水平部分が嵌入するガイド溝が設けられている、請求項4に記載の凍結保存装置。
- 請求項4に記載の凍結保存装置と、
前記ネックプラグを垂直方向に昇降可能な昇降機と、を備える、自動システム。 - 前記昇降機は、昇降動作可能なアームを有し、
前記蓋部は、前記アームを貫通可能な貫通孔を有し、
前記アームを前記貫通孔に貫通した状態で、前記アームを昇降させることにより、前記ネックプラグを昇降させる、請求項6に記載の自動システム。
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2017
- 2017-12-05 JP JP2017233619A patent/JP2019097976A/ja active Pending
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