JP2019094138A - エレベーター装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図4は、従来の昇降路に設置される制御盤の例を示す図である。制御盤1は、4つの金属筐体1a,1b,1c,1dを縦に連結した構成になっており、ピット底面から1m程度の高さの点検台床面6に設置される。
それぞれの金属筐体1a,1b,1c,1dは、高さが1m程度あり、制御盤1全体では4m程度の高さになる。
2段目の金属筐体1bには、信号処理部3が内蔵される。信号処理部3は、エレベーター装置の制御装置を構成する。
3段目の金属筐体1cには、回生抵抗部4が内蔵される。回生抵抗部4は、乗りかごを停止させるブレーキ作動時に、巻上機に接続される抵抗器を備える。
4段目の金属筐体1dには、蓄電部5が内蔵される。蓄電部5は、停電時に使用される二次電池で構成される。
3段目や4段目の金属筐体1c,1dは、点検台床面6から2m以上の高さであるため、床面に立った作業員には届かず、容易に内部を見ることはできない。しかしながら、通常の保守点検時には、回生抵抗部4についての保守作業を行うことは稀である。また、蓄電部5は乗りかごの上から保守作業を行う。したがって、図4に示すような作業員の手が届かない場所に配置しても、保守点検を行う上で問題はない。
金属筐体1cとして、水が侵入しない密閉に近い構成とした場合、回生抵抗部4で発生した熱が金属筐体1c内に留まり、金属筐体1cに隣接した金属筐体1dにも熱が伝わってしまう。金属筐体1dに内蔵された二次電池は、高温の環境で使用されると劣化が早く進む可能性があり、好ましくない。
本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、乗りかごの昇降路に設置され、積み重ねられた複数の筐体と、複数の筐体の内の第1の筐体に配置され、乗りかごの駆動及び制御を行う駆動処理部と、複数の筐体の内の第2の筐体に配置され、二次電池を搭載した蓄電部と、複数の筐体の内の第3の筐体に配置され、乗りかごのブレーキとして機能する抵抗器を搭載した回生抵抗部とを備え、第1の筐体の上側に第2の筐体を配置し、第2の筐体の上側に第3の筐体を配置するようにしたものである。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本例のエレベーター装置が備える制御盤100の構成例を示す。
本例のエレベーター装置は、機械室レスタイプのエレベーター装置として構成され、昇降路10(図2)内に制御盤100が設置されている。
各金属筐体110〜150には、前面に蓋部材111〜151がネジ止めなどで取り付けられており、それぞれの蓋部材111〜151を外すことで、各金属筐体110〜150の内部を見ることができる。
2段目の第2金属筐体120には、補助筐体122が配置され、補助筐体122の内部に信号処理部200が収納される。
3段目の第3金属筐体130は、内部が空洞であり、他の金属筐体110,120,140,150から引き出された信号ケーブル600のみが入った状態になっている。
5段目の第5金属筐体150には、補助筐体152が配置され、補助筐体152の内部に回生抵抗部500が収納される。
主回路部300と信号処理部200と蓄電部400と回生抵抗部500とを接続する信号ケーブル600は、金属筐体110〜150の内部を通過させている。入力部や巻上機などの外部と接続する信号ケーブル(不図示)は、金属筐体110〜150から外に引き出される構造になっている。
なお、主回路部300などの各処理部の具体的な機能については後述する(図3)。
図2は、本例の制御盤100を昇降路10内に配置した状態を示す。
昇降路10には、乗りかご12がメインロープ13により吊り下げられる。このメインロープ13の他端には、釣り合い錘14が取り付けられ、昇降路10の内部の乗りかご12の昇降に伴って、釣り合い錘14も上下する。なお、乗りかご12の下部には、テールコード15が接続されている。
なお、図2では図示していないが、制御盤100は、昇降路10内に配置された支柱などの部材に固定されて設置される。
図3は、本例のエレベーター装置の制御盤100による回路構成例を示す。
制御盤100に内蔵された信号処理部200は、エレベーター装置の動作を制御する制御装置201を備え、制御装置201が各部の制御を行う。そして、主回路部300は、制御装置201の制御に基づいて、巻上機800の駆動信号を生成する処理を行う。すなわち、信号処理部200は、外部から供給される三相交流などの電源700を直流に変換するコンバータ301と、直流を巻上機駆動用の交流に変換するインバータ302とを備え、インバータ302が出力する交流が巻上機800に供給される。したがって、信号処理部200と主回路部300とにより、乗りかごの駆動制御を行う駆動処理部が構成される。
次に、エレベーター装置が本例の制御盤100を備えることによる効果について説明する。
まず、本例の制御盤100が昇降路10に配置されていることで、エレベーター装置として別途機械室を設置する必要がなく、機械室レスタイプのエレベーター装置として構成できる。特に制御盤100は、防水性を有するほぼ密閉性を持った構造であるため、万一の火災発生時の放水が行われても、制御盤100の内部に水が侵入せず、火災発生時の非常用エレベーターとして運用することが可能になる。
すなわち、本例の制御盤100は、非常に大きなサイズであるが、従来の制御盤と同様に容易に保守点検を行うことができる。
したがって、蓄電部400に配置された二次電池が、回生抵抗部500の熱で熱くなることを抑えることができ、高温による二次電池の劣化を最小限に抑えることができる。
信号ケーブル600が制御盤100の外側に露出した場合、信号ケーブル600は耐候性に優れたいわゆる屋外用のケーブルを使用する必要があるので、高価な信号ケーブルが必要とされる。
これに対して、本例の制御盤100が使用する信号ケーブル600は、金属筐体110〜150の内部に配置されるため、通常の屋内配線用のケーブルでよい。したがって、第2金属筐体120と第4金属筐体140との間を空けたことによる、信号ケーブルのコスト上昇を抑えることができる。
なお、上述した実施の形態例では、制御盤100として、信号処理部200と主回路部300とをそれぞれ別の金属筐体110、120内に配置するようした。これに対して、例えば信号処理部200と主回路部300とからなる駆動処理部を、1つの筐体に納めるようにしてもよい。
このようにして、発熱部材である抵抗器が配置された回生抵抗部500を、より他の処理部から離すようにしてもよい。
また、図3に示すブロック図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。さらに、上述した実施の形態で示した各筐体のサイズ(高さ)についても一例であり、その他のサイズで構成してもよい。
Claims (4)
- 乗りかごの昇降路に設置され、積み重ねられた複数の筐体と、
前記複数の筐体の内の第1の筐体に配置され、前記乗りかごの駆動制御を行う駆動処理部と、
前記複数の筐体の内の第2の筐体に配置され、二次電池を搭載した蓄電部と、
前記複数の筐体の内の第3の筐体に配置され、前記乗りかごのブレーキとして機能する抵抗器を搭載した回生抵抗部とを備え、
前記第1の筐体の上側に前記第2の筐体を配置し、前記第2の筐体の上側に前記第3の筐体を配置するようにした
エレベーター装置。 - さらに、前記第1の筐体と前記第2の筐体との間、又は前記第2の筐体と前記第3の筐体との間に、前記複数の筐体の一つを構成する第4の筐体を配置し、前記駆動処理部と、前記蓄電部及び前記回生抵抗部とを接続するケーブルを、前記第4の筐体の内部を通過させるようにした
請求項1に記載のエレベーター装置。 - 前記駆動処理部と前記蓄電部と前記回生抵抗部とは、それぞれを収めた前記筐体の内部の別の筐体に収納し、それぞれの筐体を二重化して、防水性を持たせるようにした
請求項1に記載のエレベーター装置。 - 前記駆動処理部は、制御処理を行う信号処理部と、その信号処理部による制御で駆動信号の処理を行う主回路部とを備え、
前記信号処理部と、前記主回路部を、それぞれ別の筐体に収納するようにした
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレベーター装置。
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