JP2019092391A - 生殖細胞欠損動物を用いる遺伝子改変動物の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を簡便に、特にほぼ100%の確率で得る方法を提供する。【解決手段】目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物胚に導入することを含む方法。【選択図】なし

Description

本発明は、生殖細胞欠損動物を用いる遺伝子改変動物の作製方法に関する。
遺伝子改変動物は、遺伝子の生体内での機能を解析するために多用されており、外来遺伝子を導入するトランスジェニック動物、および、内在性遺伝子を破壊するノックアウト動物が知られている。
遺伝子改変動物の作製は、野生型の動物胚に目的の遺伝子改変を有する多能性細胞を導入すること、または動物胚に直接目的の遺伝子改変を導入することにより行われる。多能性細胞は動物胚を偽妊娠仮親の子宮に移植して発生させると動物胚から発生する個体は、細胞の一部は野生型の細胞からなり、他の部分は遺伝子改変を有する細胞からなるというキメラ状態となる。これは生殖細胞においても、同様であるが、生殖細胞に導入した多能性幹細胞が寄与した個体目的の遺伝子改変を有する精子と卵子とを交配させると、目的の遺伝子改変をホモで有する遺伝子改変動物を得ることができる。生殖細胞に導入した多能性幹細胞が寄与した個体の生殖腺から得られる目的の遺伝子改変を有する精子または卵子をもう片方の配偶子と交配させると、目的の遺伝子改変をヘテロで有する遺伝子改変動物を得ることができる。また、受精後間もない前核期の胚に目的の遺伝子改変を行うためのDNA、またはRNAを導入することにより、全身または一部の細胞が目的の遺伝子改変を受けた個体を得ることもできる。目的とする遺伝子改変が生殖細胞にも反映されていれば、安定的に遺伝子改変動物を得ることができる。このようにして、遺伝子改変動物の作製が行われている。
特許文献1は、発生段階または成体において致死的な表現型を示す遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を効率よく得る方法を開示する。特許文献1では、遺伝子改変動物は、臓器や組織の全部または一部が欠失する遺伝子改変を有し、これにより致死的であるはずなので、従来は、遺伝子改変をヘテロで有する親を用意し、メンデルの遺伝法則により遺伝子改変をホモで有する個体を4分の1の確率で得ていた。特許文献1は、この確率を顕著に向上させる方法を開示するが、特許文献1では、以下の原理が用いられている。すなわち、遺伝子改変動物(−/−)は通常は致死であり発生しないが、発生段階の胚において正常な多能性細胞を導入すると、この欠失が多能性細胞により補完(胚盤胞補完ともいう)され、動物を成体まで生存させることができる。そして得られた成体の配偶子はほぼ100%ホモで遺伝子改変を有するから、得られた精子と卵子とを交配させると高い確率で、遺伝子改変をホモで有する遺伝子改変動物を得ることができるという画期的な技術である。
非特許文献1は、Prdm14遺伝子のノックアウトマウスが生殖細胞を欠失することを開示する。Prdm14遺伝子のノックアウトマウスは、生殖細胞が欠失するので交配させることができない。
US2011/0067125A1
Yamaji, M. et al., Nature Genetics, 40(8):1016-1022, 2008
このような状況下、本発明者らは、さらに簡便な遺伝子改変動物の作製方法が開発されれば、そのニーズは大きいと考えるに至った。本発明は、生殖細胞欠損動物を用いる遺伝子改変動物の作製方法を提供する。
本発明者らは、Prdm14遺伝子の遺伝子破壊動物において、雄の場合は精子が完全に欠失し、雌の場合は卵子が完全に欠失することを見出した。本発明者らはまた、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物の胚に、該異常を有しない多能性細胞を導入すると、導入した細胞のみから由来する精子または卵子が得られることを見出した。本発明者らは、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物の例としてPrdm14遺伝子の遺伝子破壊動物を用いて、その胚に、Prdm14に関して正常な多能性細胞を導入すると、導入した細胞のみから由来する精子または卵子が得られることを見出した。本発明者らはさらに、上記において胚に導入する細胞として、遺伝子改変を有する多能性細胞を用いると、Prdm14遺伝子の遺伝子破壊動物の体内で、得られる精子または卵子が、実質的に遺伝子改変を有する精子のみまたは卵子のみであることを見出した。本発明によれば、このようにして得られた遺伝子改変を有する精子および卵子を交配させることでほぼ100%の確率で確実に遺伝子改変動物が得られる。本発明によればまた、優性形質を示す遺伝子改変を有する動物を作製する場合には、上記により得られた遺伝子改変を有する精子または卵子のいずれかを、他の卵子または精子と交配させることで100%の確率で確実に遺伝子改変動物が得られる。
本発明者らはまた、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物の胚(例えば、Prdm14の発現または活性を低下させた動物の胚)に、Prdm14に関して正常な多能性細胞を導入すると、導入した多能性細胞が生殖細胞に従来よりも高い割合で寄与することを見出した。本発明者らはさらに、上記において胚に導入する細胞として、遺伝子改変を有する多能性細胞を用いると、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物(例えば、Prdm14遺伝子の遺伝子破壊動物)の体内で、遺伝子改変を有する精子または卵子が従来よりも高い確率で得られることを見出した。本発明によれば、このようにして得られた遺伝子改変を有する精子および卵子を交配させることで高い確率で遺伝子改変動物が得られ、遺伝子改変動物の作製手順が大幅に簡略化される。
本発明は、このような知見に基づく発明である。すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作成する方法であって、
(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物胚に導入することを含む、方法。
(2)目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、
(a)発生段階において自己の生殖細胞を欠損する異常が、Prdm14遺伝子の発現若しくは活性の低下または欠失である、上記(1)に記載の方法。
(3)上記(1)または(2)に記載の方法であって、遺伝子改変が優性形質を示し、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−1)得られた個体を他の個体と交配して、遺伝子改変動物を得ることと
をさらに含む、方法。
(4)遺伝子改変が、1または複数の遺伝子改変を含み、全ての遺伝子改変が優性形質を示す、上記(3)に記載の方法。
(5)上記(1)または(2)に記載の方法であって、遺伝子改変が劣性形質を示す遺伝子改変を含み、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−2)得られた雄の個体と得られた雌の個体とを交配して、遺伝子改変動物を得ることと
をさらに含む、方法。
(6)目的の遺伝子改変が、1または複数の遺伝子改変を含むものである、上記(4)に記載の方法。
(7)上記(5)に記載の方法であって、
目的の遺伝子改変が、優性形質を示す遺伝子改変と劣性形質を示す遺伝子改変を含み、
方法は、
(c−2)において、雄および雌のどちらも劣性形質を示す遺伝子改変をホモで有し、かつ、雄または雌のどちらかが優性形質を示す遺伝子改変をホモで有する、方法。
(8)上記(3)に記載の方法であって、遺伝子改変がハプロ不全の形質を示す遺伝子改変である、方法。
(9)上記(3)に記載の方法であって、遺伝子改変が外来遺伝子の導入である、方法。
(10)上記(5)に記載の方法であって、遺伝子改変がノックアウトである、方法。
(11)目的の遺伝子改変を有する生殖細胞を作製する方法であって、
目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を発生段階において自己の生殖細胞を欠損する異常を有する動物胚に導入することを含む方法。
(12)発生段階において自己の生殖細胞を欠損する異常が、Prdm14遺伝子の発現若しくは活性の低下または欠失である、上記(11)に記載の方法。方法。
(13)遺伝子改変動物の製造における、生殖細胞欠損動物胚の使用。
本発明によれば、遺伝子改変動物を高い確率で得ることができる。本発明によれば、特に発生段階において致死性である遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を高い確率で得られる点で有用である。
図1は、第一の実施形態の一例を示す。 図2Aは、第二の実施形態の一例を示す。 図2Bは、第二の実施形態の一例を示す。 図3は、第三の実施形態の一例を示す。 図4Aは、第四の実施形態の一例を示す。 図4Bは、第四の実施形態の一例を示す。 図5Aは、生殖細胞特異的な細胞死誘導システムの一例を示す。 図5Bは、生殖細胞特異的な細胞死誘導システムの一例を示す。 図5Cは、生殖細胞特異的な細胞死誘導システムの一例を示す。 図5Dは、生殖細胞特異的な細胞死誘導システムの一例を示す。 図6は、Prdm14遺伝子座の遺伝子破壊部位におけるガイドRNAのターゲッティング部位を示す。 図7は、得られたPrdm14遺伝子座の破壊部位を示す。変異型#1では、11塩基対が欠失し、変異型#4では、17塩基対が欠失した。 図8は、ES細胞(ESC)を移植されたPrdm14ノックアウト動物胚から発生させた動物の生殖細胞が導入したES細胞由来の細胞から実質的になることを示す。 図9は、Prdm14ノックアウト動物では生殖細胞が欠失することを示す補助データである。
発明の具体的な説明
本明細書では、「Prdm14」は、PRドメイン含有タンパク質14(PR domain-containing protein 14)をコードする遺伝子を意味する。Prdm14は、PRドメインジンクフィンガータンパク質14(RP domain zinc finger protein 14)とも呼ばれる。Prdm14タンパク質は、例えば、HPRD ID:11457で登録されたアミノ酸配列を有し、その遺伝子は、染色体上の8q13.3に位置することが知られている。また、Prdm14遺伝子のノックアウトマウスでは、卵巣および精巣において生殖細胞が欠損することが知られている(Yamaji M. et al., Nature Genetics, 40: 1016-1022, 2008)。
本明細書では、「生殖細胞」とは、生殖細胞を形成する特異な細胞集団として始原生殖細胞から分化して生じる細胞腫であって、始原生殖細胞から精子および卵などの配偶子が形成されるまでの分化過程で生じるすべての生殖細胞系列の細胞種を指す。
本明細書では、「発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物」またはその胚とは、発生段階において自己の生殖細胞を生じない動物またはその胚を意味する。例えば、そのような動物としては、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的(cell-autonomous)な異常を有する動物が挙げられる。
本明細書では、「細胞自律的な異常」とは、細胞が有する異常が当該細胞に対する影響しか質的にまたは量的に実質的に有しないことを意味する。「細胞自律的な異常」は、好ましくは他の細胞に働きかける機構の異常ではない。「細胞自律的な異常」は、例えば、その異常を有する細胞にのみ影響が生じる異常であるから、正常な細胞を導入すると、その細胞は、当該宿主からは異常の影響を受けない。「細胞自律的な異常」としては、例えば、組織特異的な細胞死を誘発する改変、および、組織分化に必要でかつ細胞自律的な因子を欠損した改変が挙げられる。例えば、Prdm14遺伝子の発現若しくは活性の低下または欠失は、細胞自律的な異常であり得る。また、生殖細胞特異的な発現を示す遺伝子、より具体的には例えばPrdm14、Blimp1、Nanos3、Stella、Ddx4、Tnap、Nanog、Oct4、Fut4、およびSox17などのエンハンサーおよび/またはプロモーターを利用して、所望のエンハンサーおよび/またはプロモーターが駆動するタイミングで、生殖細胞に特異的に細胞死を引き起こさせるシステムを組込んだ改変も、細胞自律的な異常であり得る。生殖細胞特異的な発現を示す遺伝子は、例えば、生殖細胞に一時期または長期に特異的に発現する遺伝子とすることができる。
細胞死の誘導は、例えば、薬剤誘導性遺伝子発現システム(例えば、テトラサイクリン応答性発現誘導システム)と組み合わせることで、Caspase−8、Caspase−9、Barnase、およびジフテリアトキシンなどの細胞障害性遺伝子を、胎内の薬物(例えば、ドキシサイクリン)濃度依存的に生殖細胞(例えば、始原生殖細胞)で発現させることによって達成され得る。以下、生殖細胞特異的に細胞傷害性を発生させる方法の例を図5A〜Dを参照して説明する。
図5Aは、生殖細胞特異的プロモーターと薬剤誘導性遺伝子発現システムと組み合わせて生殖細胞特異的に薬物濃度依存的な細胞死を誘導する系において、薬剤誘導性遺伝子発現システムがTet−Onシステムである系を例示する。図5Aでは、生殖細胞特異的プロモーターに作動可能にリバーステトラサイクリン制御性トランス活性化因子(rtTA)が連結されている。この系が組込まれた胎児は、生殖細胞特異的にrtTAを発現している。ここで、ドキシサイクリン(Dox)などのテトラサイクリン系化合物により、rtTAが発現する生殖細胞でのみ、細胞傷害性遺伝子が誘導され、生殖細胞特異的に細胞死を誘発させることができる。
同じ目的の他の方法としては、Cre−LoxPなどの遺伝子組換えシステムによって生殖細胞特異的に細胞障害性遺伝子を発現させる方法が挙げられる。図5Bは、Cre−LoxPなどの組織特異的遺伝子組換えシステムを用いて生殖細胞特異的に細胞死を誘導する系を例示する。図5Bでは、構成的活性化型プロモーターの下流に、生理学的に意味の無い遺伝子(ダミー遺伝子)と細胞傷害性遺伝子とを連結させている。この状態では、細胞が細胞死を誘発することがない。しかし、上記においてダミー遺伝子の上流と下流にLoxP配列を配置されている。また、この細胞は、生殖細胞特異的プロモーターに作動可能に連結されたCreを有する。この系では、細胞が生殖細胞に分化すると、生殖細胞特異的プロモーターにより駆動されるCreが生殖細胞特異的に発現し、LoxP配列に作用してダミー遺伝子を除去し、これにより、構成的活性化型プロモーターに作動可能に細胞傷害性遺伝子を連結させることで、生殖細胞特異的に細胞傷害性遺伝子を発現させ、結果として生殖細胞特異的に細胞を誘発することができる。この系において、Creリコンビナーゼに代えて、4−水酸化タモキシフェンにより活性化されるCreERを用いてもよいであろう。CreERは、Creリコンビナーゼとエストロゲン受容体のリガンド結合領域の変異体との融合タンパク質として知られ、4−水酸化タモキシフェンにより活性化される。
同じ目的のさらに他の方法としては、生殖細胞特異的に細胞障害性シグナルのレセプターを発現させたのちに任意のタイミングでリガンドを作用させて生殖細胞特異的に細胞死を誘導する方法が挙げられる。この場合、細胞傷害性シグナルのレセプターを発現しない細胞は、リガンドに非感受性であることが好ましい。図5Cは、生殖細胞特異的プロモーターに作動可能に細胞傷害性シグナルレセプターを連結した系を細胞に組込んでいる。細胞が生殖細胞に分化すると、細胞表面に細胞傷害性シグナルレセプターが発現し、リガンド依存的に細胞死が誘発される。細胞傷害性シグナルレセプターとそのリガンドの例としては、ジフテリアトキシンレセプターとジフテリアトキシンが挙げられる。
同じ目的のさらに他の方法としては、化合物誘導性細胞障害システムが例示できる。他化合物誘導性細胞傷害システムの例としては、HSV-TK/GCVシステムHSV-TK/GCVシステム(Moolten FL et al., Hum. Gene Ther. 1990; 1: 125-134) を用いる系や、inducible caspase-9 (Straathof KC et al., Blood 2005; 105: 4247-4254)を用いる系が挙げられる。図5Dは、HSV-TK/GCVシステムを例示する。具体的には、ガンシクロビル(GCV)は、非リン酸化形態では細胞傷害性が弱い。しかしながら、ヘルペスウイルス属が有するチミジンキナーゼ遺伝子(HSV−TK)を作用させると、GCVはリン酸化され、GCV三リン酸に変換され、細胞傷害性を獲得する。従って、HSV−TKを生殖細胞特異的プロモーターに作動可能に連結し、HSV−TKを生殖細胞特異的に発現させることにより、生殖細胞特異的に細胞死を誘発できる。また、inducible caspase-9は、caspase-9において、CARDがFKBP12により置き換えられたタンパク質であり、AP1903などのタクロリムス誘導体存在下でのみ二量体化することができ、活性化して細胞に細胞死を誘発させることができる。inducible caspase-9を生殖細胞特異的プロモーターに作動可能に連結した系を導入した細胞が生殖細胞に分化すると、タクロリムス誘導体により生殖細胞特異的に細胞死が誘発される。
本発明においては、これらの方法をさらに組み合わせて用いてもよい。当業者であれば、本明細書の内容および技術常識に基づいて生殖細胞特異的な細胞死の誘導を実現することができるであろう。発生段階で生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚の生殖細胞は、胚盤胞補完法の原理により、胚に導入した多能性細胞に置き換わる。
本明細書では、「Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた」またはこの類似の表現は、Prdm14遺伝子の発現を低下または欠失させること、および、Prdm14のタンパク質レベルまたは活性を低下または欠失させることを意味する。
本明細書では、「動物」とは、哺乳動物および鳥類を意味する。動物としては、特に限定されないが、例えば、マウスおよびラットなどの齧歯類、ブタおよびウシなどの家畜動物、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ニワトリなどの鳥類、並びにサルなどの霊長類が挙げられる。本明細書では、動物は非ヒト動物である。
本明細書では、「多能性細胞」(pluripotent cell)とは、ES細胞およびiPS細胞などの多能性幹細胞、並びに、内部細胞塊(ICM)などの多能性細胞を意味する。多能性細胞は、あらゆる細胞に分化できることで知られ、生殖系列に寄与することができる。
本明細書では、「遺伝子改変を有する多能性細胞」とは、遺伝子改変を有し、かつ生殖系列に寄与することができる細胞を意味する。
本明細書では、「遺伝子改変」とは、遺伝子が野生型と異なることを意味し、天然の改変および人工の改変が含まれる。遺伝子改変の代表的な例としては、トランスジェニックおよびノックアウトが挙げられる。
本明細書では、「優性形質」とは、遺伝子改変に対して用いられる場合、遺伝子改変が父方または母方のどちらかの染色体上に1つ含むだけで遺伝子改変の表現型が表われることを意味する。優性形質を示す遺伝子改変の代表的な例としては、ハプロ不全を引き起こす遺伝子の機能破壊、Y染色体上の遺伝子の破壊、ドミナントネガティブのタンパク質をコードする遺伝子の導入、およびトランスジェニックが挙げられる。
本明細書では、「劣性形質」とは、遺伝子改変に対して用いられる場合、遺伝子改変が父方および母方の両方の染色体で行われていなければ、遺伝子改変の表現型が表われないことを意味する。例えば、劣性遺伝子のノックアウトは、劣性形質を示す遺伝子改変の代表的な例として挙げられる。
本明細書では、「ホモ」とは、遺伝子改変に対して用いられる場合、父方および母方の染色体の両方に遺伝子改変を有することを意味する。
本明細書では、「ヘテロ」とは、遺伝子改変に対して用いられる場合、父方または母方のいずれか一方のみに遺伝子改変を有することを意味する。
本明細書では、「交配」とは、次世代を得るために生物の二個体間で受精を行うことを意味する。交配としては、人工授精により交配すること、および生殖を目的として雄と雌とを対合させることが挙げられる。
本発明によれば、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)に導入することを含む方法が提供される。上記(a)により、目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する生殖細胞(すなわち、目的の遺伝子改変をホモで有する生殖細胞)を高い確率で得ることができる。(a)を実施した後は、動物胚を仮親の子宮に移植して発生させると目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する生殖細胞を得ることができるので、その後は、常法により遺伝子改変動物を得ることができる。
本発明では、Prdm14をノックアウトするか実質的に完全にノックダウンすると、上記(a)により、生殖細胞100個あたりの遺伝子改変を有する生殖細胞の数を、90個以上、95個以上、98個以上、99個以上、または100個とすることができる。本発明ではまた、Prdm14をヘテロでノックアウトすると、上記(a)により、生殖細胞100個あたりの遺伝子改変を有する生殖細胞の数を5個以上または10個以上とすることができる。
動物胚は、8細胞期の胚から胚盤胞期の胚まで様々な胚を用いることができ、このような動物胚に多能性細胞を導入する方法は当業者に周知である。多能性細胞としては、ES細胞およびiPS細胞などの多能性幹細胞や内部細胞塊(ICM)などの多能性細胞が挙げられ、本発明において胚に導入することができる。胚に導入する多能性幹細胞の数も、適宜決定することができ、特に限定されないが例えば、胚盤胞に導入する場合には3個〜10個程度とすることができる。
本発明によれば、上記(a)では、目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を用いることが必要である。また、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)は、例えば、遺伝子工学的な手法、例えば、Prdm14遺伝子のノックダウンやノックアウトにより作製することができる。Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚は、発生させると生殖細胞を欠失する。
例えば、Prdm14ノックダウン動物胚は、動物胚にshRNAなどのRNA干渉を引き起こすRNAを発現させることにより作製することができる。Prdm14ノックダウン動物胚は、Prdm14ノックダウン多能性細胞(例えば、Prdm14遺伝子に対するshRNAを恒常的に発現する多能性細胞)をテトラプロイド補完法や胚に注入する通常のキメラ形成法で生殖系列に移行させて、交配することにより得ることができる。また、Prdm14ノックアウト動物胚は、Prdm14のヘテロノックアウト動物の雄と雌とを掛け合わせることで得ることができる。遺伝子のノックアウトは、相同組換え、およびゲノム編集(CRISPR/CAS9系)などの当業者に周知の方法により行うことができる。
本発明のある態様では、遺伝子改変が劣性形質を示す単一または複数の遺伝子改変である。この態様においては、本発明は、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、
(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)に導入すること、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−2)得られた雄の個体と得られた雌の個体とを交配して、遺伝子改変動物を得ることと
を含む方法が提供される。上記の(c−2)において、上記(b)で得られた雄の個体と雌の個体とを交配することを特徴とする。この態様は、第一の実施形態として一例を図1を参照しながら後述する。
本発明のある態様では、遺伝子改変が優性形質を示す単一または複数の遺伝子改変である。この態様においては、本発明は、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、
(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)に導入すること、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−1)得られた個体を他の個体と交配して、遺伝子改変動物を得ることと
を含み得る。遺伝子改変が優性形質を示す場合には、上記(c−1)では、片方の性別の個体を上記(b)で得られた個体とし、もう片方の性別の個体は、他の個体とすることができる。この態様は、遺伝子改変が単一の場合を第二の実施形態として一例を図2を参照しながら後述する。
本発明のある態様では、遺伝子改変が優性形質を示す遺伝子改変と劣性形質を示す遺伝子改変の両方を含む。この態様では、
目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、
(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)に導入すること、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−2)得られた雄の個体と得られた雌の個体とを交配して、遺伝子改変動物を得ることと
を含む方法であって、(c−2)において、雄および雌のどちらも劣性形質を示す遺伝子改変をホモで有し、かつ、雄または雌のどちらかが優性形質を示す遺伝子改変をホモで有する、方法が提供される。劣性形質を示す遺伝子改変については、雌雄両方がホモで有しなければならず、優性形質を示す遺伝子改変については、雄および雌の少なくとも一方がホモで有していればよい。この態様は、第三の実施形態として一例を図3を参照しながら後述する。
本発明のある態様では、遺伝子改変が優性形質を示す複数の遺伝子改変のみを含む。この態様においても、本発明は、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作製する方法であって、
(a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)に導入すること、
(b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
(c−1)得られた個体を他の個体と交配して、遺伝子改変動物を得ることと
を含み得る。遺伝子改変が優性形質を示す遺伝子改変のみの場合には、遺伝子改変が複数であっても、上記(c−1)では、片方の性別の個体を上記(b)で得られた個体とし、もう片方の性別の個体は、他の個体とすることができる。この態様は、遺伝子改変が単一の場合を第四の実施形態として一例を図4を参照しながら後述する。
以下、第一の実施形態として、遺伝子改変が1遺伝子の改変であり劣性形質を示す遺伝子改変である場合(図1参照)、第二の実施形態として、遺伝子改変が1遺伝子の改変であり優性形質を示す遺伝子改変である場合(図2参照)、第三の実施形態として、遺伝子改変が複数遺伝子の改変であり、劣性形質を示す遺伝子改変を含む場合(図3参照)、および、第四の実施形態として、遺伝子改変が複数遺伝子の改変であり、全ての遺伝子改変が優性形質を示す遺伝子改変である場合(図4参照)を順に説明する。図中、一例としてPRDM14−/−で説明をするが、これに限定されず、発明は、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚)において成立するものと理解される。
第一の実施形態
第一の実施形態では、遺伝子改変が劣性形質を示す単一の遺伝子改変である。第一の実施形態では、遺伝子改変が劣性であるから、この遺伝子改変をホモで有する遺伝子改変動物を得ることが目標となる。以下、劣性形質を示す遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を得る方法の例として、第一の実施形態を説明する。なお、第一の実施形態では、Prdm14はその発現または活性が低下しており、これにより生殖細胞が欠失していればよいが、図1では、一例としてPrdm14ホモノックアウトの例が示されている。
まず、上記(a)として、雄および雌の両方の胚を含むように、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)を提供する。図1では、Prdm14がホモでノックアウトされた雄と雌の動物胚を提供する例が示されている。上記(a)において雄と雌を含むように胚を提供する理由は、上記(c)において、上記胚から得られた雄と雌とを交配させることが必要であるためである。Prdm14は常染色体上に位置するため、例えば、Prdm14ヘテロノックアウト動物同士を交配させれば、均等に雄と雌とが得られることとなる。
次に、上記(b)として、得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得る。宿主動物は、胚と同種の偽妊娠仮親とすることができ、得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させる方法は、当業者に周知の方法により実施することができる。個体は、帝王切開手術または分娩により得ることができる。
さらに上記(c−2)として、上記(b)により得られた雄と雌とを交配させて、遺伝子改変動物を得る。上記(b)では、雄も雌も生殖細胞はほぼ100%が遺伝子改変をホモで有する個体が得られるので、得られた雄と雌とを交配させれば、ほぼ100%の確率で遺伝子改変をホモで有する遺伝子改変動物を得ることができる。遺伝子改変が劣性形質を示す場合には、遺伝子改変をホモで有する遺伝子改変動物を得る必要があるが、第一の実施形態では、このような動物がほぼ100%の確率で得られることとなり有利である。
第二の実施形態
以下、図2AおよびBを参照しながら、第二の実施形態について説明する。図2AおよびBでは、遺伝子改変の例としてトランスジェニック(TG)の例が示されているが、必ずしもTGである必要は無く、優性形質を示す遺伝子改変であれば、例えば、ハプロ不全である遺伝子の破壊であってもよい。
まず、上記(a)として、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)を提供する。動物胚は、雄若しくは雌またはその両方とすることができる。第二の実施形態において(a)において雄および雌の少なくとも一方の動物胚を提供すればよい理由は、遺伝子改変が優性形質を示す場合には、目的の遺伝子改変動物は、遺伝子改変を父方および母方の染色体の少なくとも一方に有していればよいため、(c−1)において、交配させる一方の性の個体が生殖細胞として遺伝子改変を有する生殖細胞を有していれば十分であるからである。従って、(c−1)における他の個体は任意の個体とすることができる。優性形質を示す遺伝子改変をホモで有する多能性細胞は、特に限定されないが例えば、多能性細胞の特定遺伝子または遺伝子座の遺伝子改変により得ることができる。(b)については、第一の実施形態と同じであるため説明は省略する。
第三の実施形態
以下、図3を参照しながら、第三の実施形態について説明する。図3では、一例として劣性形質を示す遺伝子改変を2つ有し、かつ、優性形質を示す遺伝子改変を1つ有する場合が例示されている。すなわち、第三の実施形態は、第一の実施形態と第二の実施形態との組合せに相当するものである。図3ではまた、劣性形質を示す遺伝子改変の例として、ノックアウトが例示され、優性形質を示す遺伝子改変の例としてトランスジェニックが例示されているが、第一の実施形態および第二の実施形態において説明されたように、それぞれ劣性形質を示し、優性形質を示す限りこれらに限定されない。
(a)は、第一の実施形態と同様である。すなわち、まず、上記(a)として、雄および雌の両方の胚を含むように、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14の発現または活性を低下または欠失させた動物胚)を提供する。この理由は、目的の遺伝子改変動物が、劣性形質を示す遺伝子改変に関してはホモで有さなければならないため、(c−2)として、当該遺伝子改変をホモで有する生殖細胞を有する雄と雌とを交配させる必要があるためである。
第三の実施形態における特徴は、(a)において動物胚に導入する多能性細胞は、雄および雌のどちらに導入する多能性細胞も、劣性形質を示す遺伝子改変をホモで有することが必要であるが、優性形質を示す遺伝子改変については、雄および雌の少なくとも一方のみがホモで有していればよい点である。優性形質を示す遺伝子改変については、雄および雌の両方がホモで有していてもよい。
そして、(c−2)において、雄および雌のどちらもその生殖細胞は劣性形質を示す遺伝子改変をホモで有し、かつ、その生殖細胞は雄または雌のどちらかが優性形質を示す遺伝子改変をホモで有する。このようにすることで、図3に示されるように、劣性形質を示す遺伝子は、必ず交配後得られる産仔ではホモで有することになり、優性形質を示す遺伝子は、交配後得られる産仔で少なくともヘテロで有することになって、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物をほぼ100%の確率で得ることができる。
第四の実施形態
以下、図4AおよびBを参照しながら、第四の実施形態を説明する。第四の実施形態は、優性形質を示す遺伝子改変を複数有する遺伝子改変動物を得ること以外は、第二の実施形態と同一である。従って、各工程についての説明は省略する。
図4Aは、図2のAに対応する図のみを示しているが、図2Bに対応する実施形態も、第四の実施形態には含まれる。遺伝子改変が複数になった点が相違し、それ以外は第二の実施形態と同一であることが理解される。
図4Bは、2つの遺伝子改変を別々の多能性細胞にそれぞれ導入し、雄と雌とを交配させて、2つの遺伝子改変をヘテロで有する遺伝子改変動物を作製するスキームを示すものである。図4Bでは、目的遺伝子Aの遺伝子改変を有する精子については、図2Aに対応する工程により、目的遺伝子Bの遺伝子改変を有する卵子については図2Bに対応する工程により作製することができる。この態様では、目的遺伝子AとBとは別の染色体上に位置するものとすることが好ましく、または、離れた遺伝子座に位置するものとすることが好ましい。この態様においては、(c−1)において、他の個体は、別の目的遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞をPrdm14遺伝子の発現または活性を低下または欠失させた動物胚に導入する(a)と(b)により得られた個体である。
変形例
以下、変形例を説明する。この変形例は、(a)において、Prdm14の発現または活性が低下した形態であり、完全に消失していない場合を想定するものである。この変形例においては、第一の実施形態から第四の実施形態までのいずれの形態の変形例も可能であるが、まず、最初に、第二および第四の実施形態の変形例について以下説明する。
(a)においてPrdm14の発現または活性が欠失した場合には、図8に示されるように生殖細胞のほぼ全てがRHT−ES細胞に由来した。そのため、目的の遺伝子改変を有する多能性細胞をRHT−ES細胞の代わりに胚に導入すれば、ほぼ全ての生殖細胞が、目的の遺伝子改変を有することになるということが、上記第一から第四の実施形態における利点であり、(c−1)または(c−2)においてほぼ100%の確率で目的の遺伝子改変の表現型を示す遺伝子改変動物を得ることができる。
変形例では(a)において、Prdm14の発現または活性が完全には消失していない動物胚を用いる。このような動物胚の一例として、例えば、Prdm14+/−の動物胚およびPrdm14ノックダウン胚などのPrdm14改変胚を用いることができる。Prdm14ノックダウン胚は、当業者に周知のRNA干渉を用いた方法により容易に作製することができる。
例えば、後述する実施例に記載するように、Prdm14+/−の動物胚に、RHT−ES細胞を導入すると、生殖細胞のうちの約16%程度がRHT−ES細胞に由来する生殖細胞であった。すなわち、Prdm14は、完全にその発現または活性が消失していなくてもよく、部分的に発現や活性が低下していれば、胚に導入した多能性細胞が生殖細胞に寄与する余地を与えることとなる。
そしてそのようにして得られた、少なくとも一部の生殖細胞は、遺伝子改変をホモで有する生殖細胞で構成されることとなり、別の性の配偶子と交配させることにより、一定確率で目的遺伝子をヘテロで有する遺伝子改変動物を得ることができる。
変形例は、第一から第四の実施形態に比べると、目的の遺伝子改変動物を得る確率が低い点で不利であるようにも思われる。しかしながら、従来の方法と比較すると、従来の方法では遺伝子改変を有する多能性細胞は、動物胚に導入され、該動物胚からキメラマウスを取得して、キメラマウスの内、キメラ率の高いマウスを選択して野生型マウスと交配させ、F1として目的の遺伝子改変動物を得る。しかし、従来法では、第一世代において、目的の遺伝子改変を有する細胞の生殖細胞への寄与が実質的に確認できない個体が多く、また、仮に生殖細胞に寄与した個体が見出されたとしても、生殖細胞に占める遺伝子改変を有する生殖細胞の割合が低く、実用上は、キメラ個体を選別する第一のスクリーニング工程と、キメラ個体を交配させて得られる産仔から目的の遺伝子改変動物を選別する第二のスクリーニング工程の2回のスクリーニング工程が必要であり、作業が繁雑であった。これに対して、本発明の変形例では、第一世代の生殖細胞は実質的な割合で全ての第一世代のマウスに組込まれるため、第一のスクリーニング工程を省略することができ、かつ第二のスクリーニングも、目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物が安定して一定の割合(例えば、ヘテロノックアウトですら約16%)で含まれることから、容易である。また、Prdm14の発現または活性をより強く低下させれば、より効率よく目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物が得られる。
次に、第一および第三の実施形態の変形例について以下説明する。この変形例では、(a)において、Prdm14の発現または活性が低下した形態であり、完全に消失していないこと以外は、第一および第三の実施形態の説明と同一であるので、第一および第三の実施形態を参照し、説明は省略する。また、変形例における(a)については、上記第二および第四の実施形態の変形例と同一であるため、上記第二および第四の実施形態の変形例を参照し、説明は省略する。以下では、従来法との対比を行い、本変形例の特徴を説明する。
従来法では、目的遺伝子が劣性形質を示す遺伝子である場合であっても、多能性細胞としては目的遺伝子の遺伝子改変をヘテロで有する多能性細胞を動物胚に導入して、第一世代の個体(キメラ個体)を得た。キメラ個体のうち、一部の個体は生殖系列に導入した多能性細胞か寄与しているので、これを選別した上で、野生型と交配し、全身の細胞が目的遺伝子の遺伝子改変をヘテロで有する細胞からなる第二世代の個体を得ていた。そして、さらに第二世代の個体同士を交配させることで、メンデルの遺伝法則に従い、4分の1の確率で目的の遺伝子改変をヘテロで有する遺伝子改変動物を第三世代として得ていた。
これに対して、本発明の変形例では、第一世代では、得られた精子または卵子には、必ず目的遺伝子の遺伝子改変をヘテロで有する多能性細胞が一定割合で寄与するので、キメラ個体を選別する作業は不要であり、省略することができるという利点を有する。第二世代と第三世代の交配については従来法と同様に行うことができる。
あるいは、本発明の変形例の別の態様では、第一世代において、多能性細胞が生殖細胞に一定割合で必ず寄与するので、第一世代同士を掛け合わせることで第二世代として一定確率で目的の遺伝子改変をヘテロで有する遺伝子改変動物を得ることが可能である。このようにすると、第三世代までの交配が不要であり、遺伝子改変動物を容易に得ることができる。
このように、いずれの実施形態およびその変形例においても、従来法よりも遙かに簡便に目的遺伝子の遺伝子改変動物を得ることが可能となる。
本発明の別の側面では、遺伝子改変動物の製造における生殖細胞欠損動物胚の使用が提供される。生殖細胞欠損動物胚には、例えば、所望の遺伝子改変を施した細胞を第一から第四の実施形態およびその変形例で示した通りに導入して、所望の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を製造することができる。
以下、実施例によって発生過程において自己の生殖細胞を欠損する動物胚(例えば、発生過程において自己の生殖細胞を欠損する細胞自律的な異常を有する動物胚、例えば、Prdm14の発現または活性を低下させた動物胚)に、野生型の正常なES細胞を導入すると、前記動物胚を発生させて得られる個体の生殖細胞がすべて導入したES細胞で占有されることを示す。
実施例1:Prdm14ヘテロノックアウト動物およびノックアウト胚の作製
本実施例では、Prdm14ヘテロノックアウトマウス(Prdm14+/−)およびノックアウト胚(Prdm14−/−)を作製した。
Prdm14ヘテロノックアウトマウスの作製
C57BL6、BDF1、およびICRは日本SLCから購入した。hCas9発現プラスミド(addgene 41815. Mali et al. Science., 339:823-826,2013)、およびガイドRNA発現ベクター(addgene 41823. Mali et al. Science., 339:823-826,2013) にマウスPrdm14の配列(配列番号1、そのアミノ酸配列が配列番号2)を組み込んだプラスミド(図6参照)をそれぞれ10ng/μlの濃度で含む溶液を顕微鏡下でマイクロマニピュレーターを用いてBDF1×C57BL6由来の前核期胚の前核へ注入した。胚を回収しKSOM-AA(Millipore社製)で1日培養し2細胞期まで発生した胚を交配後0.5日目の偽妊娠ICR系統マウスの卵管へと移植した。出産から3週後に耳の一部を採取し50mM NaOH 90μl中で95℃、10分間処理した後1M Tris HCl(pH8.0)で中和しゲノムDNA溶液を採取した。得られたゲノムDNA溶液をTKS GFlex(TAKARA)とPrdm14フォワードプライマー:TACAATCTGCCCTGGTACAA(配列番号3)、Prdm14リバースプライマー:AGAACTCTCTGTGGGAACCA(配列番号4)を用いてGene Amp PCR system 9700(Applied Biosystems;AB)によりPCR反応を行った。PCR産物からWizard SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega)によりDNAを精製したのち、FASMAC社により提供される受託シークエンスサービスを利用して標的部位のDNA配列を解析した。その結果、2種のPrdm14変異型が得られた(図7中の#1および#4を参照)。
ES細胞の調製
ES細胞は、マウスB6 ES細胞のROSA26遺伝子座にヒストンH2BとtdTomato(赤色蛍光タンパク)を融合させたタンパク質をコードするDNA配列を発現可能に含むベクターをエレクトロポレーション法によりノックインして作製した(例えば、Molecular Reproduction and Development, Volume 82, Issue 12, pages 916-917, 2015参照)。このES細胞(以下、RHT−ES細胞という)は、赤色蛍光を指標として移植した他の動物中でその存在部位、分布を可視化することが可能である。
RHT−ES細胞は、ゼラチンコートを施したディッシュにて、Glagow's Modified Eagle's Medium(GMEM;Sigma,St.Louis,MO)に、10%ウシ胎児血清(FBS;Nichirei)、0.1mM 2-メルカプトメタノール(Invitorogen)、0.1mM非必須アミノ酸(Invitorogen)、1mM ピルビン酸ナトリウム塩(Invitorogen)、1% L−グルタミン−ペニシリン−ストレプトマイシン(Sigma)、1,000 U/ml leukiemia inhibitory factor (LIF; Millipore)を添加した培地で培養した。なお、当然のことであるが、RHT−ES細胞は、Prdm14遺伝子に関しては正常である。
胚盤胞注入法を用いたキメラマウスの作製
図7に示される変異型#1と#4の個体を交配させ、交配後2.5日目に桑実胚を卵管と子宮還流により採取し、KSOM-AAにより1日培養してノックアウト胚(Prdm14−/−)を胚盤胞として得た。
顕微鏡下でマイクロマニピュレーターを用いてRHT−ES細胞を1個の胚盤胞に対して約5個の割合で、腔へ注入した。胚の回復を待った後、交配後2.5日目の偽妊娠ICR系統マウスの子宮へと移植し、移植後11日目(胎齢13.5日目、「E13.5」ともいう)に帝王切開し、胎仔を取り出した。得られた胎仔を蛍光顕微鏡下で観察しキメラ形成の判定を行った。
フローサイトメーターを用いたキメラ形成率の測定とPrdm14ノックアウトマウスの判定
RHT−ES細胞に組込まれたtdTomatoに起因する赤色蛍光から、RHT−ES細胞とPrdm14−/−細胞とのキメラであることが確認されたE13.5マウス胚から胎児繊維芽細胞(MEF)、血球細胞、および生殖細胞を取り分けた。具体的には、臓器を含まない胚体をハサミで細切後、0.025%トリプシン−EDTA(invitrogen)によって37℃で10分間処理することで、MEFを得た。また、生殖堤をハサミで細切後、0.025%トリプシン−EDTA(invitrogen)によって37℃下で10分間処理することで、生殖細胞を含む細胞懸濁液を得た。さらに、肝臓をピペッティングにより解離することで、血球細胞を含む細胞懸濁液を得た。
上記で得られた血球細胞を含む細胞懸濁液にマウス抗CD45−PE−Cy7抗体(eBio社製)、生殖細胞を含む細胞懸濁液に抗SSEA1−APC抗体(eBio社製)をそれぞれ0.5μl加え、遮光した氷上で30分間静置した。血球細胞、MEF、および生殖細胞それぞれをPBS(staining medium;SM)で洗浄後、1μg/mlヨウ化プロピジウム(Propidium iodide;PI)を含んだPBSで再懸濁し、FACSAria II(BD Biosciences)と解析ソフトウェア、Flow−joを用いて解析した。
また、残りのMEF懸濁液をFACSAria IIを用いてtdTomato陰性細胞を分取し、上記と同様に変異配列解析をした。
その結果、図8に示されるように、Prdm14−/−胚にRHT−ES細胞を導入して得た胚では、SSEA1発現細胞(すなわち、生殖細胞)におけるtdTomato発現細胞の割合が99.6%であり、生殖細胞は実質的にRHT−ES細胞に由来する細胞により占有されていた。すなわち、Prdm14−/−胚にRHT−ES細胞を導入して得た胚では、RHT−ES細胞は、正常に生殖系列に分化し、生殖堤に移動し、始原生殖細胞に特徴的なSSEA−1陽性の特徴を示すことが明らかとなると共に、生殖細胞のほぼ全てがRHT−ES細胞からなることが明らかとなった。また、陰性対照としての野生胚に野生型ES細胞を導入して得た胚では、SSEA1発現細胞におけるES細胞由来細胞の割合は0.057%と非常に低かった。その一方で、Prdm14+/−胚にRHT−ES細胞を導入して得た胚では、SSEA1発現細胞におけるtdTomato発現細胞の割合はPrdm14遺伝子野生型の胚を用いたときと同等かそれ以上(例えば、16.1%)であった。Prdm14+/−胚を用いると、生殖細胞において胚由来の細胞とRHT−ES細胞由来の細胞とが混在し、かつRHT−ES細胞の寄与することができた。
なお、図9に示されるように上記で得られるPrdm14−/−胚は、生殖細胞を欠失することが確認された。
このように、Prdm14−/−胚にES細胞を導入すると、得られた胚における生殖細胞は、導入したES細胞により占有されることが明らかとなった。
ES細胞を導入したPrdm14−/−胚(雄および雌)を成長させて交配させれば、ES細胞に由来する個体を得ることができる。
発明者らは、この原理を活用して、ほぼ100%の確率で遺伝子改変を有する生殖細胞(精子または卵子)を得る方法、簡便に遺伝子改変を有する生殖細胞を得る方法、および簡便に目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を得る方法を考案した。

Claims (13)

  1. 目的の遺伝子改変を有する遺伝子改変動物を作成する方法であって、
    (a)目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物胚に導入することを含む、方法。
  2. 発生段階において自己の生殖細胞を欠損する異常が、Prdm14遺伝子の発現若しくは活性の低下または欠失である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、遺伝子改変が優性形質を示し、
    (b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
    (c−1)得られた個体を他の個体と交配して、遺伝子改変動物を得ることと
    をさらに含む、方法。
  4. 遺伝子改変が、1または複数の遺伝子改変を含み、全ての遺伝子改変が優性形質を示す、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1または2に記載の方法であって、遺伝子改変が劣性形質を示す遺伝子改変を含み、
    (b)得られた動物胚を宿主動物の母胎中で発生させて個体を得ることと、
    (c−2)得られた雄の個体と得られた雌の個体とを交配して、遺伝子改変動物を得ることと
    をさらに含む、方法。
  6. 目的の遺伝子改変が、1または複数の遺伝子改変を含むものである、請求項4に記載の方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、
    目的の遺伝子改変が、優性形質を示す遺伝子改変と劣性形質を示す遺伝子改変を含み、
    方法は、
    (c−2)において、雄および雌のどちらも劣性形質を示す遺伝子改変をホモで有し、かつ、雄または雌のどちらかが優性形質を示す遺伝子改変をホモで有する、方法。
  8. 請求項3に記載の方法であって、遺伝子改変がハプロ不全の形質を示す遺伝子改変である、方法。
  9. 請求項3に記載の方法であって、遺伝子改変が外来遺伝子の導入である、方法。
  10. 請求項5に記載の方法であって、遺伝子改変がノックアウトである、方法。
  11. 目的の遺伝子改変を有する生殖細胞を作製する方法であって、
    目的の遺伝子改変を父方の染色体および母方の染色体の両方に有する多能性細胞を、発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物胚に導入すること、
    を含む、方法。
  12. 発生段階において自己の生殖細胞を欠損する動物胚が、Prdm14遺伝子の発現若しくは活性を低下または欠失させた動物胚である、請求項11に記載の方法。
  13. 遺伝子改変動物の製造における、生殖細胞欠損動物胚の使用。
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