JP2019092154A - 監視カメラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】監視業務に対する利便性が高く、かつ、映像認識機能の追加とバージョンアップとを容易に行うことができる監視カメラシステムを提供する。【解決手段】撮像した映像データをH.264形式の符号化方法とJPEG形式の符号化方法のそれぞれで符号化してネットワークに配信する監視カメラ2−1〜2−Nと、監視カメラ2−1〜2−Nとは独立に設けられて、ネットワーク3から、JPEG形式の符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する映像認識装置4と、ネットワーク3から、H.264形式の符号化方法で符号化された符号化データを受信し、監視対象物の動きの認識結果に関する情報を受信して、符号化データを復号した映像および監視対象物の動きの認識結果を提示する監視端末5とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、監視カメラにより撮像された映像を解析して監視対象物の動きを認識する機能を有した監視カメラシステムに関する。
従来から、監視カメラにより撮像された映像を解析して監視対象物の動きを認識する機能(以下、映像認識機能と記載する)が知られている。例えば、特許文献1には、映像認識機能を有した人工知能を備えた監視カメラが記載されている。
国際公開第2016/199192号
特許文献1に記載される監視カメラは、カメラ自体に映像認識機能が実装されている。このため、映像認識機能が実装されていない監視カメラシステムに対して、特許文献1に記載される監視カメラを用いて映像認識機能を追加する場合、監視カメラシステムが備えていた全ての監視カメラを特許文献1に記載される監視カメラに置き換える必要がある。この場合、監視カメラシステムが備えていた監視カメラの台数に応じて、映像認識機能の追加に要するコストがアップするという課題があった。
また、特許文献1に記載される監視カメラを備える監視カメラシステムでは、映像認識性能を向上させるためのバージョンアップを行う場合、監視カメラごとにバージョンアップを行う必要がある。このため、監視カメラの台数に応じてバージョンアップの作業量が増加し、バージョンアップに要するコストがアップする。
この発明は上記の課題を解決するものであり、監視業務に対する利便性が高く、かつ、映像認識機能の追加とバージョンアップを容易に行うことができる監視カメラシステムを得ることを目的とする。
この発明に係る監視カメラシステムは、監視カメラ、映像認識装置および監視端末を備える。監視カメラは、撮像した映像データを、動画の表示に適した符号化方法と映像認識の処理負荷が少ない符号化方法とを含む複数の異なる符号化方法のそれぞれで符号化してネットワークに同時に配信する。映像認識装置は、監視カメラとは独立に設けられて、ネットワークから、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する。監視端末は、ネットワークから、動画の表示に適した符号化方法で符号化された符号化データを受信し、監視対象物の動きの認識結果に関する情報を受信して、符号化データを復号した映像および監視対象物の動きの認識結果を提示する。
この発明によれば、監視カメラが、撮像した映像データを、動画の表示に適した符号化方法と映像認識の処理負荷が少ない符号化方法を含む複数の異なる符号化方法のそれぞれで符号化してネットワークに配信する。映像認識装置は、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データから監視対象物の動きを認識し、監視端末が、動画の表示に適した符号化方法で符号化された符号化データを復号した映像を提示する。これにより、監視業務に対する利便性を高めることができる。また、監視カメラとは独立して設けられた映像認識装置が映像認識を行うので、監視カメラシステムに映像認識装置を設けるか、映像認識装置のバージョンアップを行うだけで、映像認識機能の追加とそのバージョンアップを容易に行うことができる。
この発明の実施の形態1に係る監視カメラシステムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る監視カメラシステムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る監視カメラシステムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る監視カメラシステムの構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る監視端末の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る監視カメラによる顔切り出し機能の概要を示す説明図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る監視カメラシステム1の構成を示すブロック図である。監視カメラシステム1は、監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された映像に基づいて被監視場所の様子を監視する。監視カメラシステム1は、ネットワーク3に接続された、監視カメラ2−1〜2−N、映像認識装置4、監視端末5および映像記憶装置6から構成される。Nは監視カメラの台数であり、2以上の整数である。
監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれは、被監視場所を撮像した映像データを、複数の異なる符号化方法のそれぞれで符号化した複数の符号化データを生成する。複数の異なる符号化方法には、少なくとも、動画の表示に適した符号化方法と、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法とが含まれる。監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれは、符号化データをインターネットプロトコル(以下、IPと記載する)データに変換して、ネットワーク3に配信する。ネットワーク3は、インターネットまたはLAN(Local Area Network)といったIPネットワークである。
動画の表示に適した符号化方法には、映像のライブ配信に向いた、圧縮率の高い符号化方法が採用される。例えば、H.264形式の符号化方法を採用してもよい。
また、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法として、例えば、JPEG形式の符号化方法を採用してもよい。JPEG形式の符号化方法では、H.264形式の符号化方法とは異なって1フレームの画像がその前後のフレーム画像の相関から圧縮されず、1フレームの画像がその前後のフレーム画像から影響を受けない。これにより、処理負荷の少ない映像認識を行うことができる。
なお、動画の表示に適した符号化方法として、H.264形式の符号化方法を例に挙げたが、動画の表示に適した符号化方法であれば、H.264形式以外の符号化方法であってもよい。同様に、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法として、JPEG形式の符号化方法を例に挙げたが、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法であれば、JPEG形式以外の符号化方法であってもよい。
監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが、JPEG形式の符号化方法で映像データを符号化したIPデータaと、H.264形式の符号化方法で同一の映像データを符号化したIPデータbとを生成して、ネットワーク3に同時に配信する。
なお、図1では、監視カメラ2−1のみがIPデータaおよびIPデータbを配信しているが、監視カメラ2−2〜2−Nからも同様にIPデータaおよびIPデータbが配信されているものとする。
また、監視カメラ2−1〜2−Nは、撮像部20、符号化部21、記憶部22および通信部23を備える。撮像部20は、視野内の光が入力される光学系を有しており、光学系に入力された光を画像データに変換して被監視場所の映像データを生成する。符号化部21は、撮像部20により撮像された映像データを符号化する。符号化部21により映像データに施される符号化方法は、前述したように、JPEG形式の符号化方法およびH.264形式の符号化方法が挙げられる。
記憶部22は、撮像部20により撮像された映像データまたは符号化部21により生成された符号化データを記憶する。記憶部22には、その記憶容量に応じた期間分の映像が記憶される。通信部23は、符号化部21により符号化された符号化データをIPデータに変換してネットワーク3に送出する。
映像認識装置4は、監視カメラ2−1〜2−Nにより撮像された映像から監視対象物の動きを認識する機能(映像認識機能)を有した装置であり、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれとは独立して設けられる。監視カメラシステム1において、監視カメラ2−1〜2−Nは、映像認識機能を有しておらず、映像認識装置4が、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれで撮像された映像から監視対象物の動きを認識する。
また、映像認識装置4は、通信部40、認識部41および記憶部42を備える。通信部40は、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−Nと通信し、監視端末5と通信し、映像記憶装置6と通信する。例えば、通信部40は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから、ネットワーク3に配信されたIPデータaおよびIPデータbのうちから、映像認識の処理負荷が少ないIPデータaを受信する。
認識部41は、通信部40により監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから受信された符号化データ(IPデータa)から映像を復号し、復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する。監視対象物は、被監視場所に存在する移動物体であり、例えば、人間、車両が挙げられる。人工知能は、認識部41に設けられて、被監視場所における監視対象物の動き(例えば、人間の行動の特徴)を認識する。
記憶部42は、認識部41による監視対象物の動きの認識結果を記憶する。記憶部42には、その記憶容量に応じた期間分の認識結果が記憶されることになる。例えば、記憶部42は、監視対象物の動きの認識結果であるイベント情報をイベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶してもよい。これにより、監視対象物の動きが発生した時刻(イベント発生時刻)、その動きの認識結果および認識対象の映像データを、監視者に提示することが可能となり、監視業務に対する利便性が向上する。
記憶部42の記憶容量を、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが有する記憶部22の記憶容量の合計よりも多くし、さらに、記憶部42における、個々の監視カメラからの符号化データを記憶する記憶容量を、個々の監視カメラが有する記憶部22の記憶容量よりも多くする。これにより、映像認識装置4は、監視カメラ2−1〜2−Nよりも記憶可能な映像の期間が長くなり、その分、監視対象物の動きを認識できる期間も長くなるので、監視業務に対する利便性の高い監視カメラシステム1を提供することができる。
映像認識装置4による映像認識は、監視カメラ2−1〜2−Nの映像の解像度、符号化速度および符号化データの送信速度に応じてその処理負荷が変化する。
そこで、映像認識装置4からの指示に従って、映像の解像度、映像データの符号化速度および符号化データの送信速度を調整する機能を監視カメラ2−1〜2−Nに持たせてもよい。
例えば、認識部41が、映像認識の処理負荷が演算処理能力または処理環境に応じた値となる解像度、符号化速度および送信速度を決定する。通信部40は、認識部41により決定された解像度、符号化速度および送信速度を、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれに送信する。監視カメラ2−1〜2−Nにおいて、撮像部20が、映像認識装置4から指定された映像の解像度に調整し、符号化部21が、映像認識装置4から指定された符号化速度に調整し、通信部23が、映像認識装置4から指定された送信速度に調整する。これにより、映像認識の処理負荷を低減させることができる。この場合、映像認識装置4を演算処理能力が低い安価な計算機で実現でき、監視カメラシステム1を安価に提供することができる。
監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれは、撮像した映像を補正する映像補正機能を有してもよい。例えば、監視カメラ2−1〜2−Nが、夜間または暗所で撮像するための照明を有する場合、照明の明暗に追随して自動ゲイン制御を行う機能、および、逆光で人物の顔が黒く撮像されないよう逆光補正する機能を撮像部20に持たせる。撮像部20は、映像認識装置4からの指示に応じて上記映像補正を実行する。これにより、映像補正により精細化された映像が認識処理の対象となるので、映像認識の性能が向上する。
監視端末5は、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−Nから符号化データを受信し、映像認識装置4から監視対象物の動きの認識結果を受信して、符号化データを復号した映像および認識結果を提示する。表示部5aは、監視端末5が備える表示装置であり、映像および認識結果は、例えば、表示部5aに表示される。
また、監視端末5は、通信部50、処理部51および提示部52を備える。通信部50は、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−N、映像認識装置4、および映像記憶装置6のそれぞれと通信する。例えば、通信部50は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれからネットワーク3に配信された符号化データを受信する。
処理部51は、通信部50により受信された符号化データから映像を復号して、復号した映像を提示部52に出力する。また、処理部51は、通信部50によって映像認識装置4から受信された監視対象物の動きの認識結果を提示部52に出力する。
提示部52は、処理部51により復号された映像または監視対象物の動きの認識結果を監視者に視覚的または聴覚的に提示する。例えば、提示部52は、表示部5aを制御して映像データを表示させる。また、提示部52は、提示すべきデータに関する音声を、不図示のスピーカから出力させてもよい。
処理部51は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信されている複数の符号化データのうちから、受信対象の符号化データを選択する。例えば、処理部51は、通信部50に対し、ネットワーク3に配信されたIPデータaおよびIPデータbのうち、監視者から指定された監視カメラのIPデータbを受信するように指示する。通信部50は、処理部51からの指示に従い、受信対象の監視カメラから送信された符号化データを選択的に受信する。これにより、被監視場所のうち、監視者が要求した場所の映像が提示されるので、監視業務に対する利便性が向上する。
映像記憶装置6は、通信部60、処理部61および記憶部62を備えており、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された複数の符号化データを記憶する。
通信部60は、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−Nと通信し、映像認識装置4と通信し、監視端末5と通信する。例えば、通信部60は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された符号化データを受信する。
処理部61は、記憶部62に対する符号化データの読み出しと書き込みとを管理する。例えば、処理部61は、通信部60によって受信された符号化データを記憶部62に書き込み、要求された符号化データを記憶部62から読み出して通信部60に送信させる。
記憶部62は、通信部60により監視カメラ2−1〜2−Nから受信された符号化データを記憶する。記憶部62の記憶容量は、映像認識装置4が備える記憶部42の記憶容量よりも多い。これにより、映像記憶装置6は、映像認識装置4よりも長期間の映像データを記憶することができる。
次に動作について説明する。
まず、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれは、被監視場所を撮像した映像データを、JPEG形式の符号化方法で符号化したIPデータaと、H.264形式の符号化方法で符号化したIPデータbとを生成して、ネットワーク3に同時に配信する。
映像認識装置4が備える通信部40は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信されたIPデータaとIPデータbのうち、映像認識の処理負荷が少ないIPデータaを選択的に受信する。
映像認識装置4が備える認識部41は、通信部40により監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから受信されたIPデータaから映像を復号し、映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する。例えば、認識部41が備える人工知能は、符号化データから復号された映像データを多層構造で演算して、映像に映っている監視対象物の動きを認識する。多層構造で演算する方法には、多層ニューラルネットワークを用いてもよい。映像から監視対象物の特徴量を抽出する方法には深層学習を用いてもよい。
深層学習の代表的な手法として、コンボリューショナル・ニューラル・ネットワーク(以下、CNNと記載する)と呼ばれる手法がある。CNNでは、多層ニューラルネットワークを用いた多段階の演算が実行される。それぞれの段階で畳み込み演算を行うことにより映像の局所の特徴を空間的に統合して、次の段階の中間層のニューロンへ入力する。さらに、プーリングあるいはサブサンプリングと呼ばれる、特徴量を空間方向へ圧縮する操作が行われる。CNNでは、このような多段階の演算によって監視対象物の動きを精度よく認識することができる。
次に、記憶部42は、監視対象物の動きの認識結果であるイベント情報をイベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて、監視カメラごとに記憶する。
監視端末5が備える処理部51は、監視端末5が備える通信部50に対して、定期的に映像認識装置4にアクセスするように指示する。通信部50は、処理部51からの指示に従って、定期的にイベント情報の要求情報を映像認識装置4に送信する。
映像認識装置4が備える認識部41は、映像認識装置4が備える通信部40により受信されたイベント情報の要求情報に対応する、イベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを、記憶部42から読み出す。通信部40は、認識部41により記憶部42から読み出されたイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを、要求元の監視端末5に送信する。
監視端末5が備える処理部51は、通信部50によって映像認識装置4から受信されたイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを提示部52に出力する。提示部52は、処理部51から入力したイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを、表示部5aに表示して監視者に提示する。監視対象物の動きを動画表示する場合を示したが、文字表示してもよく、監視対象物の動きを示す音情報を出力してもよい。これにより、監視者は、定期的な映像から被監視場所の様子を確認でき、さらに、監視対象物の動きの経時的な変化を確認することが可能である。
なお、映像認識装置4は、監視対象物の動きが認識された映像の特徴を人工知能で学習してもよい。例えば、認識部41が備える人工知能が、映像から監視対象物の動きを認識すると、当該映像の特徴をさらに学習する。人工知能は、映像の特徴の学習結果を利用して、映像から監視対象物の動きを認識する。これにより、映像認識の性能を向上させることができる。
また、監視者は、リアルタイムなイベント情報だけでなく、過去のイベント情報も閲覧することができる。例えば、監視端末5が備える処理部51は、通信部50に対し、監視者から指定されたイベント発生時刻のイベント情報を取得するように指示する。通信部50は、処理部51からの指示に従い、監視者から指定されたイベント発生時刻のイベント情報の要求情報を映像認識装置4に送信する。
映像認識装置4が備える認識部41は、通信部40によって受信されたイベント情報の要求情報に対応するイベント発生時刻のイベント情報および認識対象の映像データを記憶部42から読み出す。続いて、通信部40は、認識部41によって記憶部42から読み出されたイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを、要求元の監視端末5に送信する。
監視端末5が備える提示部52は、通信部50によって映像認識装置4から受信されたイベント情報および認識対象の映像データを表示部5aに表示して監視者に提示する。
監視対象物の動きを動画表示する場合を示したが、文字表示してもよく、監視対象物の動きを示す音情報を出力してもよい。これにより、監視者は、指定したイベント発生時刻におけるイベント情報および認識対象の映像データを閲覧することができる。
また、監視端末5は、監視カメラ2−1〜2−Nにより撮像された映像のうち、監視者から指定された1つまたは複数の映像を提示することができる。
例えば、監視者は、監視端末5が備える不図示の入力装置を用いて、監視カメラ2−1〜2−Nが撮像している複数の映像うち、1つまたは複数の映像を選択する。処理部51は、監視者が選択した1つまたは複数の映像を撮像している監視カメラからIPデータbを受信するように通信部50に指示する。
次に、通信部50は、処理部51から指定された1つまたは複数の監視カメラが配信しているIPデータbを選択的に受信する。処理部51は、通信部50によって受信されたIPデータbから映像を復号し、復号した映像を提示部52に出力する。提示部52は、処理部51により復号された映像を表示部5aに表示して監視者に提示する。指定した監視カメラの映像を動画表示する場合を示したが、文字表示してもよく、被監視場所の様子を示す音情報を出力してもよい。これにより、監視者は、指定した監視カメラが撮像した映像を監視することができる。
また、映像記憶装置6には、監視カメラ2−1〜2−Nから配信されたIPデータbが長期間保存される。例えば、映像記憶装置6が備える通信部60は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された複数のIPデータaおよびIPデータbのうち、動画表示に適したIPデータbを選択的に受信する。処理部61は、通信部60により受信されたIPデータbを記憶部62に記憶する。これにより、監視カメラ2−1〜2−Nにより撮像された映像データ(IPデータb)が、映像記憶装置6の記憶容量に応じた期間だけ保存される。
監視者は、リアルタイムな映像だけでなく、過去の映像も閲覧することができる。
例えば、監視端末5が備える処理部51は、通信部50に対し、監視者から指定された時刻に対応する符号化データを取得するように指示する。通信部50は、処理部51からの指示に従って、監視者から指定された時刻に対応する符号化データの要求情報を、映像記憶装置6に送信する。
映像記憶装置6が備える処理部61は、通信部60によって受信された要求情報に対応する時刻のIPデータbを記憶部62から読み出す。通信部60は、処理部61によって記憶部62から読み出されたIPデータbを要求元の監視端末5に送信する。監視端末5が備える処理部51は、通信部50により受信されたIPデータbから映像を復号し、復号した映像を提示部52に出力する。提示部52は、処理部51により復号された映像を表示部5aに表示して監視者に提示する。これにより、監視者は、指定した過去の時刻の映像を閲覧することができる。
特許文献1に記載される監視カメラを用いて、映像認識機能がない監視カメラシステムに映像認識機能を追加する場合、システムに既存の監視カメラを、特許文献1に記載される監視カメラに交換する必要がある。このため、システムに映像認識機能を追加するために必要なコストは、交換する監視カメラの台数に応じて高くなる。
これに対して、実施の形態1に係る監視カメラシステム1では、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが映像認識機能を有しておらず、監視カメラ2−1〜2−Nとは独立して設けられた映像認識装置4が映像認識を行う。これにより、映像認識機能を有していない監視カメラシステムに対して映像認識装置4を追加するだけで、映像認識機能を持たせることができ、監視カメラシステム1を安価に提供できる。
さらに、映像認識機能の向上を目的としたバージョンアップを行う場合、特許文献1に記載される監視カメラを用いたシステムでは、監視カメラごとにバージョンアップを行う必要があった。このため、監視カメラの台数に応じた作業費用が発生する。
これに対して、実施の形態1に係る監視カメラシステム1では、監視カメラ2−1〜2−Nとは独立して設けられた映像認識装置4に対してバージョンアップ作業を行うだけでよい。これにより、監視カメラシステム1を安価に提供できる。
さらに、特許文献1に記載される監視カメラが有する映像認識機能の性能を向上させる場合、監視カメラが備える演算装置の処理性能以下の範囲でしか性能を向上させることができない。このため、監視カメラが備える演算装置の処理性能を超える性能を持たせるには、より高性能で高価な監視カメラに交換する必要があった。
これに対し、実施の形態1に係る監視カメラシステム1では、高性能な映像認識装置4に交換するだけで映像認識機能の性能を向上させることができる。従って、監視カメラの台数によらず、安価な監視カメラシステム1を提供することができる。
以上のように、実施の形態1に係る監視カメラシステム1では、監視カメラ2−1〜2−Nが、撮像した映像データを、H.264形式の符号化方法とJPEG形式の符号化方法のそれぞれで符号化して、ネットワーク3に配信している。
映像認識装置4は、JPEG形式の符号化方法で符号化された符号化データから、監視対象物の動きを認識し、監視端末5が、H.264形式の符号化方法で符号化された符号化データを復号した映像を提示する。これにより、映像認識装置4および監視端末5は、それぞれの処理に適した符号化方法の符号化データを得ることができるので、監視業務に対する利便性を高めることができる。
また、監視カメラ2−1〜2−Nとは独立して設けられた映像認識装置4が映像認識を行うので、監視カメラシステムに映像認識装置4を設けるか、映像認識装置4のバージョンアップを行うだけで、映像認識機能の追加とそのバージョンアップを容易に行うことができる。
実施の形態1に係る監視カメラシステム1において、監視端末5は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された複数の符号化データのうちから、受信対象の符号化データを選択する機能を有する。このように構成することで、被監視場所のうち、監視者が要求した場所の映像が提示されるので、監視業務に対する利便性が向上する。
実施の形態1に係る監視カメラシステム1において、映像認識装置4は、監視対象物の動きの認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。このように構成することで、監視対象物の動きが発生した時刻とその動きの特徴を監視者に提示することが可能となり、監視業務に対する利便性が向上する。
実施の形態1に係る監視カメラシステム1において、映像認識装置4は、監視対象物の動きの特徴が認識された映像の特徴を人工知能で学習し、学習結果を利用して映像から監視対象物の動きを認識する。これにより、映像認識の性能を向上させることができる。
実施の形態1に係る監視カメラシステムにおいて、監視カメラ2−1〜2−Nは、映像の解像度、映像データの符号化速度および符号化データの送信速度を調整する機能を有する。これにより、映像認識の処理負荷を低減させることができるので、映像認識装置4を演算処理能力が低い安価な計算機で実現でき、監視カメラシステム1を安価に提供することができる。
実施の形態1に係る監視カメラシステム1において、監視カメラ2−1〜2−Nは、撮像した映像を補正する映像補正機能を有する。これにより、映像補正されて精細化された映像が映像認識処理の対象となるので、映像認識の性能が向上する。
実施の形態1に係る監視カメラシステム1において、映像認識装置4は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれよりも記憶容量が多い。
特に、映像認識装置4が備える記憶部42の記憶容量を、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが有する記憶部22の記憶容量の合計よりも多くし、さらに、記憶部42における、個々の監視カメラからの符号化データを記憶する記憶容量を、個々の監視カメラが有する記憶部22の記憶容量よりも多くする。これにより、映像認識装置4は、監視カメラ2−1〜2−Nよりも記憶可能な映像の期間が長くなり、その分、監視対象物の動きを認識できる期間も長くなるので、監視業務に対する利便性の高い監視カメラシステム1を提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、映像認識装置が、監視カメラから受信した符号化データを利用して監視対象物の動きを認識する構成を示した。これに対して、実施の形態2では、映像認識装置が、映像記憶装置に記憶された符号化データから監視対象物の動きを認識する構成について説明する。
図2は、この発明の実施の形態2に係る監視カメラシステム1Aの構成を示すブロック図である。図2において、図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。監視カメラシステム1Aは、監視カメラ2−1〜2−Nにより撮像された映像に基づいて被監視場所の様子を監視する。監視カメラシステム1Aは、ネットワーク3に接続された監視カメラ2−1〜2−N、映像認識装置4A、監視端末5および映像記憶装置6Aから構成される。なお、図1と同様に、Nは監視カメラの台数であり、2以上の整数である。
監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが、JPEG形式の符号化方法で映像データを符号化したIPデータaと、H.264形式の符号化方法で同一の映像データを符号化したIPデータbとを生成して、ネットワーク3に同時に配信する。
なお、図2では、監視カメラ2−1のみがIPデータaおよびIPデータbを配信しているが、監視カメラ2−2〜2−Nからも同様にIPデータaおよびIPデータbが配信されているものとする。
映像認識装置4Aは、監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された映像データを解析して監視対象物の動きを認識する装置であり、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれとは独立して設けられる。監視カメラシステム1Aにおいて、監視カメラ2−1〜2−Nは、映像認識機能を有しておらず、映像認識装置4Aが、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれで撮像された映像データから監視対象物の動きを認識する。
また、映像認識装置4Aは、映像記憶装置6Aから読み出した符号化データから、監視対象物の動きを認識する。
また、映像認識装置4Aは、通信部40A、認識部41Aおよび記憶部42を備える。通信部40Aは、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−Nと通信し、監視端末5と通信し、映像記憶装置6Aと通信する。例えば、通信部40Aは、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信されたIPデータaおよびIPデータbから、映像認識の処理負荷が少ないIPデータaを受信する。また、通信部40Aは、映像記憶装置6Aに記憶された複数のIPデータaのうちから、監視者が要求したIPデータaを受信する。
認識部41Aは、通信部40Aによって受信された符号化データ(IPデータa)から映像を復号し、復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する。監視対象物は、被監視場所に存在する移動物体であり、例えば、人間、車両が挙げられる。人工知能は、認識部41Aに設けられて、被監視場所における監視対象物の動き(例えば、人間の行動の特徴)を認識する。
記憶部42は、認識部41Aによる監視対象物の動きの認識結果を記憶する。認識部41には、その記憶容量に応じた期間分の認識結果が記憶されることになる。例えば、記憶部42は、監視対象物の動きの認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶してもよい。これにより、監視対象物の動きが発生した時刻(イベント発生時刻)とその動きの認識結果とを監視者に提示することが可能となり、監視業務に対する利便性が向上する。
映像認識装置4Aによる映像認識は、監視カメラ2−1〜2−Nの映像の解像度、符号化速度および符号化データの送信速度に応じてその処理負荷が変化する。
そこで、映像認識装置4Aからの指示に従い、映像の解像度、映像データの符号化速度および符号化データの送信速度を調整する機能を監視カメラ2−1〜2−Nに持たせてもよい。
例えば、認識部41Aが、映像認識の処理負荷が演算処理能力または処理環境に応じた値となる解像度、符号化速度および送信速度を決定する。通信部40Aは、認識部41Aにより決定された解像度、符号化速度および送信速度を監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれに送信する。監視カメラ2−1〜2−Nにおいて、撮像部20が、映像認識装置4Aから指定された映像の解像度に調整し、符号化部21が、映像認識装置4Aから指定された符号化速度に調整し、通信部23が、映像認識装置4Aから指定された送信速度に調整する。これにより、映像認識の処理負荷を低減させることができる。この場合、映像認識装置4Aを演算処理能力が低い安価な計算機で実現でき、監視カメラシステム1Aを安価に提供することができる。
監視端末5は、ネットワーク3を介して監視カメラ2−1〜2−Nから符号化データを受信し、映像認識装置4Aから対象物の動きの認識結果を受信し、符号化データを復号した映像および認識結果を提示する。表示部5aは、監視端末5が備える表示装置であり、映像および認識結果は、例えば、表示部5aに表示される。
映像記憶装置6Aは、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された複数の符号化データを記憶する記憶装置であり、通信部60A、処理部61Aおよび記憶部62を備える。通信部60Aは、ネットワーク3を介して、監視カメラ2−1〜2−Nと通信し、映像認識装置4Aと通信し、監視端末5と通信する。例えば、通信部60Aは、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された符号化データを受信する。
処理部61Aは、記憶部62に対する符号化データの読み出しと書き込みを管理する。例えば、処理部61Aは、監視カメラ2−1〜2−Nから同時に配信されて通信部60Aによって受信されたIPデータaとIPデータbとを互いに対応付けて記憶部62に記憶させる。また、処理部61Aは、映像認識装置4Aから要求された符号化データを記憶部62から読み出し、通信部60Aに指示して要求元の映像認識装置4Aに送信させる。
映像記憶装置6Aが備える記憶部62は、通信部60Aにより監視カメラ2−1〜2−Nから受信された符号化データを記憶する。記憶部62の記憶容量は、映像認識装置4Aが備える記憶部42の記憶容量よりも多い。これにより、映像記憶装置6Aは、映像認識装置4Aよりも長期間の映像データを記憶することができる。
次に動作について説明する。
監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれは、被監視場所を撮像した映像データを、JPEG形式の符号化方法で符号化したIPデータaと、H.264形式の符号化方法で符号化したIPデータbとを生成して、ネットワーク3に同時に配信する。
映像記憶装置6Aが備える通信部60Aは、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信された複数のIPデータaおよびIPデータbを受信する。映像記憶装置6Aが備える処理部61Aは、通信部60Aによって受信されたIPデータaおよびIPデータbを記憶部62に記憶する。これにより、監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された映像データ(IPデータaおよびIPデータb)が映像記憶装置6Aの記憶容量に応じた期間だけ保存される。
監視カメラシステム1Aでは、映像認識装置4Aが、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれで撮像された映像の認識処理を一括して行っている。このため、映像認識装置4Aの処理負荷が過大になると、映像認識処理が遅延もしくは停止する可能性がある。
なお、映像認識装置4Aの処理負荷が過大になる要因としては、例えば、監視カメラ2−1〜2−Nによる符号化データの送信速度の変動が考えられる。
そこで、認識部41Aは、例えば、監視カメラ2−1〜2−Nによる符号化データの送信速度を許容閾値と比較して送信速度が許容閾値を超えた場合、映像認識が遅延もしくは停止する可能性があると判断する。このとき、認識部41Aは、通信部40Aに対して、映像記憶装置6Aに記憶された符号化データから、認識対象の符号化データを受信するように指示する。通信部40Aは、認識部41Aの指示に従い、認識対象の時刻に対応する符号化データの要求情報を、映像記憶装置6Aに送信する。
なお、監視カメラの台数等から、映像認識装置4Aの処理負荷が過大になることが予想される場合、認識部41Aは、上記許容閾値との比較をすることなく、必ず通信部40Aに対して、映像記憶装置6Aに記憶された符号化データから、認識対象の符号化データを受信するように指示してもよい。
映像記憶装置6Aが備える処理部61Aは、通信部60Aにより受信された要求情報に対応する時刻のIPデータaを記憶部62から読み出す。通信部60Aは、処理部61Aによって記憶部62から読み出されたIPデータaを、要求元の映像認識装置4Aに送信する。映像認識装置4Aが備える認識部41Aは、通信部40Aによって受信されたIPデータaから映像を復号し、復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する。
以上のように、実施の形態2に係る監視カメラシステム1Aは、監視カメラ2−1〜2−Nから同時に配信された複数の符号化データを互いに対応付けて記憶する映像記憶装置6Aを備える。映像記憶装置6Aは、記憶した複数の符号化データのうち、要求された符号化データを要求元に送信する。映像認識装置4Aは、映像記憶装置6Aから送信された符号化データを受信して、受信した符号化データを復号した映像から対象物の動きの特徴を認識する。これにより、映像認識装置4Aによる映像認識の処理負荷が過大になり得る状況になっても、映像認識の遅延もしくは停止に陥ることなく、安定した映像認識処理を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、監視カメラ、映像認識装置、監視端末および映像記憶装置が同一のネットワークに接続された構成を示したが、実施の形態3では、これらが接続するネットワークとは別に設けられたネットワークに接続されている監視端末から被監視場所の監視を行う構成について説明する。
図3は、この発明の実施の形態3に係る監視カメラシステム1Bの構成を示すブロック図である。図3において、図1および図2と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。監視カメラシステム1Bは、被監視場所7の様子を監視するための監視カメラシステム1A、および、監視場所8における監視端末9から構成されている。図1と同様に、Nは監視カメラの台数であり、2以上の整数である。被監視場所7は、監視場所8にある監視端末9から監視される場所であり、監視場所8とは異なる場所である。
監視端末9は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、監視カメラ2−1〜2−Nから符号化データを受信し、映像認識装置4Aから監視対象物の動きの認識結果を受信して、符号化データを復号した映像および認識結果を提示する。表示部9aは、監視端末9が備える表示装置であり、映像および認識結果は、例えば、表示部9aに表示される。
また、監視端末9は、通信部90、処理部91および提示部92を備える。通信部90は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、監視カメラ2−1〜2−N、映像認識装置4Aおよび映像記憶装置6Aのそれぞれと通信する。例えば、通信部90は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信されたIPデータaおよびIPデータbから、映像認識の処理負荷が少ないIPデータaを受信する。また、通信部90は、映像記憶装置6Aに記憶された複数のIPデータaのうちから、監視者が要求したIPデータaを受信する。
処理部91は、通信部90により受信された符号化データから映像を復号して、復号した映像を提示部92に出力する。また、処理部91は、通信部90によって映像認識装置4Aから受信された監視対象物の動きの認識結果を提示部92に出力する。
提示部92は、処理部91により復号された映像または監視対象物の動きの認識結果を監視者に視覚的または聴覚的に提示する。例えば、提示部92は、表示部9aを制御して映像データを表示させる。また、提示部92は、提示すべきデータに関する音声を、不図示のスピーカから出力させてもよい。
処理部91は、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれから配信されている複数の符号化データのうちから、受信対象の符号化データを選択する。例えば、処理部91は、通信部90に対し、ネットワーク3に配信されたIPデータaおよびIPデータbのうち、監視者から指定された監視カメラのデータを受信するように指示する。通信部90は、処理部91からの指示に従い、受信対象の監視カメラから送信された符号化データを選択的に受信する。これによって、被監視場所7のうち、監視者が要求した場所の映像が提示されるので、監視業務に対する利便性が向上する。
ネットワーク3は、ネットワーク10とは別のネットワークであって、例えば、被監視場所7の構内ネットワーク(LAN)により実現される。
ネットワーク10は、ネットワーク3に接続されたネットワークであり、例えば、監視場所8の構内ネットワーク(LAN)により実現される。
次に動作について説明する。
監視端末9は、監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された映像のうち、監視者から指定された1つまたは複数の映像を提示することができる。例えば、監視者は、監視端末9が備える不図示の入力装置を用いて、監視カメラ2−1〜2−Nが撮像している複数の映像うち、1つまたは複数の映像を選択する。処理部91は、監視者が選択した1つまたは複数の映像を撮像している監視カメラからIPデータbを受信するように通信部90に指示する。
通信部90は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、処理部91から指定された1つまたは複数の監視カメラが配信するIPデータbを選択的に受信する。処理部91は、通信部90により受信されたIPデータbから映像を復号して、復号した映像を提示部92に出力する。提示部92は、処理部91により復号された映像を表示部9aに表示して監視者に提示する。指定した監視カメラの映像を動画表示する場合を示したが、文字表示してもよく、被監視場所の様子を示す音情報を出力してもよい。
これにより、監視者は、指定した監視カメラによって撮像された被監視場所7の映像を監視することが可能である。
また、監視端末9は、映像認識装置4Aによる認識結果を閲覧することができる。
例えば、監視端末9が備える処理部91が、通信部90に対し、監視者から指定されたイベント発生時刻に対応するイベント情報を取得するように指示する。通信部90は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、監視者から指定されたイベント発生時刻に対応するイベント情報の要求情報を映像認識装置4Aに送信する。
映像認識装置4Aが備える認識部41Aは、通信部40Aによって受信されたイベント情報の要求情報に対応するイベント発生時刻のイベント情報および認識対象の映像データを記憶部42から読み出す。通信部40Aは、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、認識部41Aによって記憶部42から読み出されたイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを、要求元の監視端末9に送信する。
監視端末9が備える提示部92は、通信部90により映像認識装置4Aから受信されたイベント情報および認識対象の映像データを表示部9aに表示して監視者に提示する。
監視対象物の動きを動画表示する場合を示したが、文字表示してもよく、監視対象物の動きを示す音情報を出力してもよい。これにより、監視者は、指定したイベント発生時刻におけるイベント情報および認識対象の映像データを閲覧することができる。
監視者は、リアルタイムな映像だけでなく、過去の映像も閲覧することができる。
例えば、監視端末9が備える処理部91は、通信部90に対し、監視者から指定された時刻に対応する符号化データを取得するように指示する。通信部90は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、監視者から指定された時刻に対応する符号化データの要求情報を映像記憶装置6Aに送信する。
映像記憶装置6Aが備える処理部61Aは、通信部60Aによって受信された要求情報に対応する時刻のIPデータbを記憶部62から読み出す。通信部60Aは、処理部61Aによって記憶部62から読み出されたIPデータbを要求元の監視端末9に送信する。監視端末9が備える処理部91は、ネットワーク3およびネットワーク10を介して、通信部90により受信されたIPデータbから映像を復号し、復号した映像を提示部92に出力する。提示部92は、処理部91により復号された映像を表示部9aに表示して監視者に提示する。これにより、監視者は、指定した過去の時刻の映像を閲覧することができる。
なお、映像認識装置4Aが備える記憶部42の記憶容量を、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが有する記憶部22の記憶容量の合計よりも多くし、さらに、記憶部42における、個々の監視カメラからの符号化データを記憶する記憶容量を、個々の監視カメラが有する記憶部22の記憶容量よりも多くしてもよい。これにより、映像認識装置4Aは、監視カメラ2−1〜2−Nよりも記憶可能な映像の期間が長くなり、その分、監視対象物の動きを認識できる期間も長くなるので、監視業務に対する利便性の高い監視カメラシステム1Bを提供することができる。
以上のように、実施の形態3に係る監視カメラシステム1Bにおいて、映像認識装置4Aが、監視カメラ2−1〜2−Nから受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識し、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像と併せて記憶する。監視端末9は、映像認識装置4Aから送信されたイベント情報を受信し、受信したイベント情報を提示する。
このように構成することで、監視カメラシステム1Bに映像認識装置4Aを設けるか、映像認識装置4Aのバージョンアップを行うだけで映像認識機能の追加とそのバージョンアップを容易に行うことができる。また、監視端末9は、監視カメラ2−1〜2−Nから符号化データを受信して映像認識を行わなくても、映像認識装置4Aにアクセスするだけで監視対象物の動きの認識結果(イベント情報)を得ることができる。これにより、監視業務に対する利便性が高いシステムを提供することが可能である。
なお、実施の形態3では、実施の形態2に係る監視カメラシステム1Aを被監視場所7に設けた場合を示したが、実施の形態1に係る監視カメラシステム1を、被監視場所7に設けてもよい。このように構成しても、上記と同様の効果が得られる。
実施の形態3に係る監視カメラシステム1Bにおいて、映像認識装置4Aは、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれよりも記憶容量が多い。
特に、映像認識装置4Aが備える記憶部42の記憶容量を、監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれが有する記憶部22の記憶容量の合計よりも多くし、さらに、記憶部42における、個々の監視カメラからの符号化データを記憶する記憶容量を、個々の監視カメラが有する記憶部22の記憶容量よりも多くする。これにより、映像認識装置4Aは、監視カメラ2−1〜2−Nよりも記憶可能な映像の期間が長くなり、その分、監視対象物の動きを認識できる期間も長くなるので、監視業務に対する利便性の高い監視カメラシステム1Bを提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態1では、監視カメラ、映像認識装置、監視端末および映像記憶装置が同一のネットワークに接続されている構成を示したが、実施の形態4では、これらの装置が接続しているネットワークと無線通信によって接続された、監視カメラ、映像認識装置、監視端末および映像記憶装置からなる移動設備が、監視カメラ映像を使用して当該移動設備とは異なる被監視場所の監視を行う構成について説明する。
図4は、実施の形態4に係る監視カメラシステム1Cの構成を示すブロック図である。図4において、図1、図2および図3と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。監視カメラシステム1Cは、被監視場所7の様子を監視する移動設備101と、移動設備101内の様子を監視する監視カメラシステム1Aとを備える。
移動設備101は、被監視場所7の様子を監視する監視カメラシステム100を備えている。被監視場所7には、無線装置110aが設けられ、移動設備101には、無線装置110bが設けられる。監視カメラシステム1Aと監視カメラシステム100との間は、無線装置110aと無線装置110bとによって、無線伝送路を介して接続されている。
監視カメラシステム100は、監視カメラ102−1〜102−N、映像認識装置104、監視端末105および映像記憶装置106が同一のネットワーク103に接続されている。なお、Nは、監視カメラの台数であり、2以上の整数である。移動設備101は、被監視場所7とは異なる場所で移動する、公共の交通機関などで使用される設備であり、例えば、鉄道車両である。
監視カメラ102−1〜102−Nは、移動設備101内の様子を撮像した映像データを、動画の表示に適した符号化方法と、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法とのそれぞれで符号化してネットワーク103に同時に配信する設備側監視カメラである。また、監視カメラシステム100において、監視カメラ102−1〜102−Nは映像認識機能を有さない。
映像認識装置104は、ネットワーク103から、監視カメラ2−1〜2−Nによって映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識する設備側映像認識装置である。なお、映像認識装置104は、監視カメラ102−1〜102−Nのそれぞれとは独立して設けられ、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。
監視端末105は、ネットワーク103を介して、被監視場所7のイベント情報を映像認識装置104から受信して、受信したイベント情報を提示する設備側監視端末である。また、監視端末105は、監視カメラ102−1〜102−Nによってネットワーク103に配信された符号化データを受信し、監視対象物の動きの認識結果に関する情報を映像認識装置104から受信して、符号化データを復号した映像および監視対象物の動きの認識結果を提示してもよい。表示部107は、監視端末105が備える表示装置であって、映像および認識結果は、例えば、表示部107に表示される。
図5は、監視端末105の構成を示すブロック図である。図5に示すように、監視端末105は、通信部150、処理部151および提示部152を備える。通信部150は、ネットワーク103を介して、監視カメラ102−1〜102−N、映像認識装置104および映像記憶装置106のそれぞれと通信を行う。例えば、通信部150は、無線装置110bおよび映像記憶装置106を介してネットワーク103に送信された監視カメラ2−1〜2−Nのそれぞれからの符号化データを受信し、監視カメラ102−1〜102−Nのそれぞれからネットワーク103に配信された符号化データを受信する。
処理部151は、通信部150によって受信された符号化データから映像を復号して、復号した映像を提示部152に出力する。また、処理部151は、通信部150によって映像認識装置104から受信された監視対象物の動きの認識結果を提示部152に出力する。提示部152は、処理部151によって復号された映像または監視対象物の動きの認識結果を監視者に視覚的に提示する。例えば、提示部152は、表示部107を制御して映像データを表示させる。
処理部151は、監視カメラから配信された符号化データの中から、受信対象の符号化データを選択する。例えば、処理部151は、通信部150に対し、被監視場所7のネットワーク3に配信されたIPデータ(符号化データ)を受信するように指示する。通信部150は、処理部151からの指示に従って、受信対象の監視カメラから配信されたIPデータを選択的に受信する。これにより、被監視場所7のうち、監視者が要求した場所の映像が提示されるので、監視業務に対する利便性が向上する。
映像記憶装置106は、設備側映像記憶装置であり、監視カメラ102−1〜102−Nのそれぞれからネットワーク103に配信された符号化データを受信して記憶し、監視端末105からの指示に従って、再生対象の監視カメラ映像を再生する機能を有する。
また、映像記憶装置106は、監視カメラシステム1Aが備える監視端末5からの指示に従い、無線装置110bを介して、監視カメラ102−1〜102−Nのそれぞれからネットワーク103に配信された符号化データを、無線装置110aへ送信させる機能を有する。
ネットワーク103は、ネットワーク3とは別の設備内ネットワークであり、例えば、移動設備101が備える基幹ネットワーク(LAN)によって実現される。無線装置110aは、ネットワーク3に接続されており、無線装置110bは、ネットワーク103に接続されている。無線装置110aおよび無線装置110bによって、移動設備101が地上を移動しても、ネットワーク3とネットワーク103との接続が保たれる。
図6は、実施の形態4に係る監視カメラによる顔切り出し機能の概要を示す説明図である。顔切り出し機能とは、監視カメラによって撮像された画像から人の顔を検知し、検知した人の顔を含む画像範囲を切り出す機能である。監視カメラによって撮影された、1920画素×1080ラインのサイズの画像200に、人物201a、人物201b、人物201cおよび人物201dが映っている場合、監視カメラは、それぞれの人物を中心とした240画素×320ラインの画像範囲を指定して切り出す。これにより、部分画像202a、部分画像202b、部分画像202cおよび部分画像202dが生成され、監視カメラは、これらの部分画像を符号化してネットワークに配信する。例えば、部分画像202a、部分画像202b、部分画像202cおよび部分画像202dが、映像認識の処理負荷が少ないJPEG形式の符号化方法で符号化された符号化データがIPデータcである。
次に動作について説明する。
監視カメラシステム1Aが備える監視端末5は、監視カメラシステム100が備える監視カメラ102−1〜102−Nによって撮像された映像のうち、監視者から指定された1つまたは複数の映像を提示することができる。例えば、監視者は、監視端末5が備える不図示の入力装置を用いて、監視カメラ102−1〜102−Nが撮像している複数の映像のうち、1つまたは複数の映像を選択する。処理部51は、監視者が選択した1つまたは複数の映像を撮像している1つまたは複数の監視カメラからのIPデータaを、監視カメラシステム1Aに送信するように通信部50に指示する。
なお、移動設備101から監視カメラシステム1Aに送信されるIPデータは、IPデータaの代わりに、部分画像が符号化されたIPデータcであってもよいが、以降では、説明の簡単のために、IPデータaを扱うものとする。
通信部50は、ネットワーク3、無線装置110aおよび無線装置110bを介して、監視者によって選択された映像を撮像している、移動設備101の1つまたは複数の監視カメラから配信されたIPデータaを選択的に無線装置110bに送信するよう映像記憶装置106に指示する。映像記憶装置106は、監視カメラ102−1〜102−Nから配信されたIPデータaのうち、監視端末5からの指示に応じた1つまたは複数の監視カメラから配信されたIPデータaを、無線装置110bに送信する。
無線装置110bは、映像記憶装置106から受信したIPデータaを、無線伝送路を介して無線装置110aに送信する。無線装置110aは、移動設備101から受信したIPデータaを、ネットワーク3に送信する。映像認識装置4Aは、監視カメラ102−1〜102−Nから配信された符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識して、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。監視端末5は、ネットワーク3を介して映像認識装置4Aから受信したイベント情報を提示する。これにより、監視端末5において、監視者は、指定した監視カメラによって撮像された移動設備101の映像を監視することができる。
移動設備101から監視カメラシステム1Aに送信されるIPデータがIPデータaである場合を示したが、IPデータaの代わりに、部分画像が符号化されたIPデータcであってもよい。部分画像が符号化されたIPデータcでは、全体画像が符号化されたIPデータaに比べて画像容量が削減されるので、無線装置110aと無線装置110bとの間の無線伝送路として、伝送容量が少ない携帯電話回線のような安価な回線を使用することができる。
また、監視端末5において、監視者は、指定した監視カメラによって撮像された被監視場所7の映像と、指定した監視カメラによって撮像された移動設備101の映像とを比較して、被監視場所7と移動設備101との間での人または物の同定を行うことができる。このように、複数の被監視場所(例えば、被監視場所7と移動設備101)における監視対象物を1つの監視端末5で監視することで、監視業務に対する利便性が高いシステムを提供することが可能である。
また、移動設備101が備える監視端末105は、監視カメラシステム1Aが備える監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された被監視場所7の映像のうち、監視者から指定された1つまたは複数の映像を提示することができる。例えば、監視者は、監視端末105が備える不図示の入力装置を用いて、監視カメラ2−1〜2−Nが撮像している複数の映像のうち、1つまたは複数の映像を選択する。処理部151は、監視者が選択した1つまたは複数の映像を撮像している1つまたは複数の監視カメラのIPデータaを、監視カメラシステム100に送信するよう通信部150に指示する。
なお、監視カメラシステム1Aから移動設備101に送信されるIPデータは、IPデータaの代わりに、部分画像が符号化されたIPデータcであってもよいが、以降では、説明の簡単のために、IPデータaを扱うものとする。
通信部150は、ネットワーク103、無線装置110bおよび映像記憶装置106を介して、監視者によって選択された映像を撮像している、被監視場所7の1つまたは複数の監視カメラから配信されたIPデータaを選択的に送信するように無線装置110aに指示する。無線装置110aは、監視カメラ2−1〜2−Nから配信されたIPデータaのうち、監視端末105からの指示に応じた1つまたは複数の監視カメラから配信されたIPデータaを、無線装置110bに送信する。
無線装置110bは、無線装置110aから受信したIPデータaを映像記憶装置106に出力する。映像記憶装置106は、監視カメラシステム1Aから受信したIPデータaを、ネットワーク103に送信する。映像認識装置104は、監視カメラ2−1〜2−Nから配信された符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識し、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。監視端末105は、ネットワーク103を介して映像認識装置104から受信したイベント情報を提示する。これにより、監視端末105において、監視者は、指定した監視カメラによって撮像された被監視場所7の映像を監視することができる。
監視カメラシステム1Aから移動設備101に送信されるIPデータがIPデータaである場合を示したが、IPデータaの代わりに、部分画像が符号化されたIPデータcであってもよい。部分画像が符号化されたIPデータcでは、全体画像が符号化されたIPデータaに比べて画像容量が削減されるので、無線装置110aと無線装置110bとの間の無線伝送路として、伝送容量が少ない携帯電話回線のような安価な回線を使用することができる。
また、監視端末105において、監視者は、指定した監視カメラによって撮像された移動設備101の映像と、指定した監視カメラによって撮像された被監視場所7の映像とを比較して、被監視場所7と移動設備101との間での人または物の同定を行うことができる。このように、複数の被監視場所(例えば、移動設備101と被監視場所7)における監視対象物を1つの監視端末105で監視することによって、監視業務に対する利便性が高いシステムを提供することが可能である。
以上のように、実施の形態4に係る監視カメラシステム1Cにおいて、ネットワーク3には、無線装置110aおよび無線装置110bを介して移動設備101が接続されている。移動設備101は、監視カメラ102−1〜102−Nと、映像記憶装置106とを備える。映像認識装置4Aは、ネットワーク3から、監視カメラ102−1〜102−Nにより符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識して、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。監視端末5は、ネットワーク3を介して映像認識装置4Aから受信したイベント情報を提示する。映像記憶装置106が、無線装置110bを介した通信機能を有するので、監視端末5は、無線装置110aおよび無線装置110bを介して映像記憶装置106にアクセスするだけで、監視カメラ102−1〜102−Nによって撮像された移動設備101内の映像に基づく監視対象物の動きを認識することができる。これにより、移動設備101における監視対象物の動きの認識処理を、映像認識装置4Aと映像認識装置104とに分散させることができるので、映像認識装置104の処理能力を低くすることが可能であり、映像認識装置104を安価に実現できる。
実施の形態4に係る監視カメラシステム1Cにおいて、映像記憶装置6Aは、無線装置110aおよび無線装置110bを介して、ネットワーク103に符号化データを送信する。移動設備101は、映像認識装置104と、監視端末105とを備える。映像認識装置104は、ネットワーク103から、監視カメラ2−1〜2−Nにより符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識して、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する。監視端末105は、ネットワーク103を介して映像認識装置104から受信したイベント情報を提示する。これにより、被監視場所7で認識された人または物と、移動設備101内で認識された人または物との同定が可能であり、監視業務に対する利便性が高いシステムを提供することが可能である。
実施の形態4に係る監視カメラシステム1Cにおいて、映像認識装置4Aは、監視カメラ102−1〜102−Nによって撮像された画像の部分画像が符号化された符号化データから監視対象物の動きを認識する。映像認識装置104は、監視カメラ2−1〜2−Nによって撮像された画像の部分画像が符号化された符号化データから監視対象物の動きを認識する。例えば、撮像画像から切り出された人の顔部分の画像が符号化された符号化データを、無線装置110aと無線装置110bとの間でやり取りする。これにより、無線装置110aと無線装置110bとの間の無線伝送路として、伝送容量が少ない携帯電話回線のような安価な回線を使用することができ、監視業務に対する利便性が高いシステムを安価に提供することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、実施の形態のそれぞれの自由な組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
1,1A,1B,1C 監視カメラシステム、2−1〜2−N,102−1〜102−N 監視カメラ、3,10,103 ネットワーク、4,4A,104 映像認識装置、5,9,105 監視端末、5a,9a,107 表示部、6,6A,106 映像記憶装置、7 被監視場所、8 監視場所、20 撮像部、21 符号化部、22,42,62 記憶部、23,40,40A,50,60,60A,90 通信部、41,41A 認識部、51,61,61A,91 処理部、52,92 提示部、101 移動設備、200 画像、201a,201b,201c,201d 人物、202a,202b,202c,202d 部分画像。

Claims (13)

  1. 撮像した映像データを、動画の表示に適した符号化方法と映像認識の処理負荷が少ない符号化方法とを含む複数の異なる符号化方法のそれぞれで符号化してネットワークに同時に配信する監視カメラと、
    前記監視カメラとは独立に設けられて、前記ネットワークから、映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像を人工知能で解析して監視対象物の動きを認識する映像認識装置と、
    前記ネットワークから、動画の表示に適した符号化方法で符号化された符号化データを受信し、監視対象物の動きの認識結果に関する情報を受信して、符号化データを復号した映像および監視対象物の動きの認識結果を提示する監視端末と
    を備えたことを特徴とする監視カメラシステム。
  2. 映像認識の処理負荷が少ない符号化方法は、JPEG形式の符号化方法であり、
    動画の表示に適した符号化方法は、H.264形式の符号化方法であること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  3. 前記ネットワークには、複数の前記監視カメラが接続されており、
    前記監視端末は、
    複数の前記監視カメラのそれぞれから配信された複数の符号化データのうちから、受信対象の符号化データを選択する機能を有すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の監視カメラシステム。
  4. 前記監視カメラから同時に配信された複数の符号化データを互いに対応付けて記憶する映像記憶装置を備え、
    前記映像記憶装置は、
    記憶した複数の符号化データのうち、前記映像認識装置から要求された符号化データを要求元の前記映像認識装置に送信し、
    前記映像認識装置は、
    前記映像記憶装置から送信された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の監視カメラシステム。
  5. 前記映像認識装置は、監視対象物の動きの認識結果であるイベント情報をイベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  6. 前記映像認識装置は、監視対象物の動きが認識された映像の特徴を人工知能で学習し、学習結果を利用して映像から監視対象物の動きを認識すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  7. 前記監視カメラは、前記映像認識装置からの指示に従って、映像の解像度、映像データの符号化速度および符号化データの送信速度を調整する機能を有すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  8. 前記監視カメラは、撮像した映像を補正する映像補正機能を有すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  9. 前記ネットワークには、複数の前記監視カメラが接続されており、
    前記映像認識装置は、
    複数の前記監視カメラから受信した複数の符号化データを復号した映像から、監視対象物の動きを認識し、認識結果であるイベント情報をイベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶し、
    前記監視端末は、
    前記映像認識装置への要求に応じて送信されたイベント情報、イベント発生時刻および認識対象の映像データを受信して提示すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  10. 前記映像認識装置は、前記監視カメラよりも記憶容量が多いこと
    を特徴とする請求項5または請求項9記載の監視カメラシステム。
  11. 前記ネットワークには、無線装置を介して移動設備が接続されており、
    前記移動設備は、
    撮像した映像データを、動画の表示に適した符号化方法と映像認識の処理負荷が少ない符号化方法とを含む複数の異なる符号化方法のそれぞれで符号化して、前記ネットワークとは別の設備内ネットワークに同時に配信する複数の設備側監視カメラと、
    前記設備側監視カメラから配信された符号化データを記憶し、前記無線装置を介して、前記ネットワークに符号化データを送信する設備側映像記憶装置とを備え、
    前記映像認識装置は、
    前記ネットワークから、前記設備側監視カメラにより映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識して、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶し、
    前記監視端末は、
    前記ネットワークを介して前記映像認識装置から受信したイベント情報を提示すること
    を特徴とする請求項1記載の監視カメラシステム。
  12. 前記監視カメラから同時に配信された複数の符号化データを互いに対応付けて記憶する映像記憶装置を備え、
    前記映像記憶装置は、前記無線装置を介して、前記設備内ネットワークに符号化データを送信し、
    前記移動設備は、
    前記設備内ネットワークから、前記監視カメラにより映像認識の処理負荷が少ない符号化方法で符号化された符号化データを受信し、受信した符号化データを復号した映像から監視対象物の動きを認識して、認識結果であるイベント情報を、イベント発生時刻および認識対象の映像データと併せて記憶する設備側映像認識装置と、
    前記設備内ネットワークを介して前記設備側映像認識装置から受信したイベント情報を提示する設備側監視端末と
    を備えたことを特徴とする請求項11記載の監視カメラシステム。
  13. 前記映像認識装置は、前記設備側監視カメラによって撮像された画像の部分画像が符号化された符号化データから監視対象物の動きを認識し、
    前記設備側映像認識装置は、前記監視カメラによって撮像された画像の部分画像が符号化された符号化データから監視対象物の動きを認識すること
    を特徴とする請求項12記載の監視カメラシステム。
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