JP2019092125A - 無線リソース設計装置、無線リソース設計方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
ストレージから読み出した発生トラヒックに関する情報に基づいて、各メッシュにおける関数によって定義される通信品質の推定に用いるパラメータを算出し、算出したパラメータを用いて、1つの無線リソースを追加配備する前と追加配備した後との間の通信品質の差分を各メッシュについて算出する算出手段と、
前記算出手段により算出した前記差分に基づいて、複数の凸関数によって定義される所定の目的関数を最大化するように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定するメッシュ決定手段と、
目的関数又は凸関数の値が所定の達成条件を満たす最小の追加無線リソース数を決定する無線リソース数決定手段と
を備えることを特徴とする無線リソース設計装置が提供される。
本実施の形態では、イベントに参加するモバイル端末ユーザの集団を一つの動体(以降、動体と呼ぶ)としてとらえ、イベント当日に各動体がいると想定される時間・場所・モバイル通信の有無に関するデータ、イベント会場に既設となっている無線リソースの位置情報、追加で配備可能な無線リソースの諸元、イベント当日の品質目標基準などを、後述する計算装置100への入力とすることで、計算装置100が、与えられたイベント当日における品質基準を満足するために追加の無線リソースの数と配備する場所を導出する。
図1は、本実施の形態における計算装置100の装置構成例を示す。図1に示すように、計算装置100は、イベント時における無線リソース配備を導出する上で、無線リソースの配備場所を導出するソフトウェア(プログラム)により実現される機能部である無線リソース設計部110を有する。また、計算装置100には、導出時に要する入出力データを保存するためのストレージである入力データ用ストレージ120と出力データ用ストレージ130が接続される。なお、入力データ用ストレージ120と出力データ用ストレージ130は計算装置100内の記憶装置により実現してもよいし、計算装置100の外部の装置として実現してもよい。また、計算装置100を無線リソース設計装置と称してもよい。
以下、無線リソース設計部110の動作例を、図3の動作フローチャートの手順に沿って説明する。
ステップS1において、無線リソース設計部110は、入力データ用ストレージ120から本動作に必要なデータを読み込む。読み込むデータは、(1)メッシュに関するデータ、(2)モバイル端末ユーザの行動ログに関するデータ、(3)無線リソースに関するデータ、(4)その他のデータである。以下、それぞれのデータについて説明する。
メッシュに関するデータは下記のとおりである。
・MESH_LEN:1メッシュ辺りの長さ(m)
図4に、X_MIN, X_MAX, Y_MIN,Y_MAX、及びMESH_LENを図示している。本実施の形態では、通信品質を推定するエリアの範囲及び追加の無線リソースを配備する場所の候補は、1辺がMESH_LENあたりの複数の正方形で構成されるメッシュによって表現される。
モバイル端末ユーザの行動ログに関するデータは、イベント時を想定してシミュレートしたモバイル端末ユーザの集団(動体)の行動ログであり、単位時間あたりにおける位置情報(緯度経度)、通信行動の有無(通信が存在する場合は単位時間当たりの発生トラヒック量として記録される)が、動体IDごとに記述されている。動体の行動ログのイメージを図5に示す。
(3)無線リソースに関するデータ
本実施の形態における無線リソースは下記の4タイプに分けられるものとする。
・RADIUS_COVERj:無線リソースjのカバー範囲を示す円の半径(m)
・COM_MAXj:無線リソースjに同時接続可能な端末数の上限(タイプ2,4のみ)
・OFFLOADj:無線リソースjがトラヒックをオフロード可能か(=1)、否か(=0) (タイプ2,4のみ)
なお、本実施形態におけるカバー範囲の形は半径固定の円を想定しているが、これらに限られるわけではなく、カバー範囲の形及び、縮小・拡大・回転等のカバー範囲を変形する上で可能な動作がパラメータとして与えられていればよい。
その他のデータとして下記のデータがある。
・通信品質推定式・係数:通信品質推定に用いる計算式と係数
・品質基準:追加無線リソースの配備場所を決定するためのルール、複数の凸関数から定義される目的関数と達成条件で構成される。
<ステップS2>
ステップS2において、無線リソース設計部110は、入力データの設定に従いメッシュデータを生成する。すなわち、無線リソース設計部110は、入力データに従い、図4に示すようなメッシュ空間を生成する。次に、無線リソース設計部110は、メッシュ毎に動体ログを集計し、以下の変数を算出する。
例えば、10:00〜10:59までの1分刻みの動体ログを使用した場合、t=60である。
・メッシュiの通信端末数 ci: [メッシュiに存在し通信中の動体数] × N_T/t
・メッシュiの通信端末数のうちタイプ2、4の無線リソースに接続する可能性がある端末数c'i:ci × RATE_COVER
・メッシュiの発生トラヒック量 tri : [メッシュiに存在する動体が発している総トラヒック量] / t
次に、無線リソース設計部110は、モバイル端末がどの無線リソースに接続するかをメッシュ毎に定める。本実施の形態では、各モバイル端末は、まずは、タイプ1の無線リソースの中から、最寄りの無線リソース、すなわち各タイプ1無線リソースと対象メッシュ間との距離が一番短い無線リソースに接続するものとしているが、これに限られるものではなく、ステップS1における無線リソースに関するデータと対象メッシュの位置を入力として予め定義されている接続先メッシュに従って、メッシュ毎に接続先となる無線リソースが決定される。
ステップS3において、無線リソース設計部110は、メッシュ毎に通信品質推定に必要なパラメータを算出する。本実施の形態では、メッシュ毎の通信品質値として、各メッシュの中心地で推定した値を用いるものとする。
[1-1:メッシュiに無線リソースjが配備されいていない場合]
・diff_tri = tri×c'i/ci
・tri = tri ‐diff_tri
・ci = ci‐c'i
・c'i =0
[1-2:メッシュiに無線リソースjが配備されいている場合]
[1-2-1:OFFLOADj=0の場合]
・tri = tri + Σs∈A-idiff_trs
[1-2-2:OFFLOADj=1の場合]
・tri = tri ‐tri×c'i/ci
・ci = ci‐c'i + 1
・c'i =0
・ni = ni+1
[2:Σi∈A c'i>COM_MAXjの場合]
・total_c'j = Σi∈A c'i
・c''i = c'i×COM_MAXj/total_c'j
[2-1:メッシュiに無線リソースjが配備されいていない場合]
・diff_tri = tri×c''i/ci
・tri = tri ‐diff_tri
・ci = ci‐c''i
・c'i = c'i‐c''i
[2-2:メッシュiに無線リソースjが配備されいている場合]
[2-2-1:OFFLOADj=0の場合]
・tri = tri +Σs∈A-idiff_trs
[2-2-2:OFFLOADj=1の場合]
・tri = tri ‐tri×c''i/ci
・ci = ci‐c''i + 1
・c'i = c'i‐c''i
・ni = ni+1
無線リソース設計部110は、ni、ci、c'i、triを更新後、通信品質推定に用いる変数を算出する。本実施の形態では、以下の4項目を利用する(メッシュ毎に以下の4項目が算出されるものとする)。
メッシュiの中心地から接続先のタイプ1無線リソースまでの距離
・Trj:
メッシュiが接続するタイプ1無線リソースjに流れるトラヒック量
・Ni:
メッシュiの中心地と半径RADIUS_neighborで構成される円内に中心地が含まれるメッシュ空間における単位面積辺りの端末数
・Ci:
メッシュiの中心地と半径RADIUS_neighborで構成される円内に中心地が含まれるメッシュ空間における単位面積辺りの接続中端末数
無線リソースjに接続しているメッシュの集合をBjとするとTrjは以下の式によって算出される。
ステップS4において、無線リソース設計部110は、各メッシュの通信品質を算出する。ここでは、無線リソース設計部110は、与えられた推定式に従って各メッシュの通信品質を算出する。本実施の形態では通信品質の一つであるスループットを推定する。式fとして、係数aとステップS3で算出されるパラメータによって表現される下記式を用いる。
次に、無線リソース設計部110は、各メッシュに無線リソースを配備した場合における通信品質の増減を算出する。本実施の形態では、追加の無線リソースを配備する場所を決定するために、無線リソースをメッシュkに配備した場合におけるメッシュiのスループット差分Δthi (k)を以下の場合分けに従い算出する。
ステップS2で生成されたメッシュの総数をMESH_NUMALLとすると、Δthi (k)は無線リソースをメッシュ(=k)に配備する毎にMESH_NUMALLの数だけ計算されるため、Δthi (k)の総数はMESH_NUM2 ALLとなる。
・無線リソースをメッシュkに配備したことによって変化したメッシュiから最寄りの無線リソースjとメッシュiの中心との距離di (k)を再計算する。
[2-1-1:メッシュiに無線リソースjが配備されいていない場合]
・diff_tri (k) = tri×c'i/ci
・tri (k) = tri ‐diff_tri (k)
・ci (k) = ci‐c'i
・c'i (k) = 0
・ni (k )= ni
[2-1-2:メッシュiに無線リソースjが配備されいている場合]
[2-1-2-1:OFFLOADj=0の場合]
・tri (k) = tri +Σs∈A-idiff_trs (k)
[2-1-2-2:OFFLOADj=1の場合]
・tri (k) = tri ‐tri×c'i/ci
・ci (k) = ci‐c' i +1
・c'i (k) = 0
・ni (k) = ni+1
[2-2:Σi∈A c'i>COM_MAXjの場合]
・total_c'j = Σi∈A c'i
・c''i = c'i×COM_MAXj/total_c'j
[2-2-1:メッシュiに無線リソースjが配備されいていない場合]
・diff_tri (k) = tri×c''i/ci
・tri (k) = tri ‐diff_tri (k)
・ci (k) = ci‐c''i
・c'i (k) = c'i‐c''i
・ni (k) = ni
[2-2-2:メッシュiに無線リソースjが配備されいている場合]
[2-2-2-1:OFFLOADj=0の場合]
・tri (k) = tri +Σs∈A-idiff_trs (k)
[2-2-2-2:OFFLOADj=1の場合]
・tri (k) = tri ‐tri×c''i/ci
・ci (k) = ci‐c''i +1
・c'i (k) = c'i‐c''i
・ni (k) = ni+1
次に、無線リソース設計部110は、tri (k)、ci (k)、ni (k)を用いて、下記の式に従い、Trj (k)、Nj (k)、Cj (k)を算出する。なお、無線リソースjに接続しているメッシュの集合をBj、メッシュiの中心地と半径RADIUS_neighborで構成される円内に中心地が含まれるメッシュの数をMESH_NUMi、集合をDiとする。
ステップS6において、無線リソース設計部110は、入力データとした与えられた品質基準に従い、無線リソースを配備するメッシュを決定する。
ステップS7において、無線リソース設計部110は、無線リソースの配備メッシュの決定に従い、メッシュ毎にスループット推定に必要なパラメータの更新を行う。すなわち、ステップS6で無線リソースを配備するメッシュkが定まるので、ni、ci、c'i、tri、thiを下記のように、該当するΔni (k)、ci (k)、c'i (k)、tri (k)、Δthi (k)で更新する。
ci = ci (k)
c'i = c'i (k)
tri = tri (k)
thi = thi +Δthi (k)
<ステップS8>
ステップS8では、無線リソース設計部110は、動作終了判定を行う。具体的には、これまでに追加した無線リソースの数がRS_MAXに達していない、かつ、品質基準の達成条件を満たしていない場合、ステップS5に戻る。無線リソースの数がRS_MAXに達した場合は、それまでに追加した無線リソースの数、その配備先メッシュの中心地(緯度経度情報) 等を出力データ用ストレージに出力した後、動作を終了する。品質基準の達成条件は、目的関数又は凸関数の値等で予め定義されており、品質基準の達成条件を満たした場合は、それまでに追加した無線リソースの数、その配備先メッシュの中心地(緯度経度情報)等を出力データ用ストレージに出力した後、動作を終了する。
これまでに説明した本発明に係る技術を、ビッグサイトでの屋内展示型イベントを対象に適用して、無線LAN‐APの配備場所を導出した結果を実施例として以下に示す。
以上、説明したとおり、本実施の形態では、イベントトラヒック対策を目的とした無線リソースの追加配備を事前に検討する上で、予め定めた複数の凸関数によって定義される目的関数と達成条件によって構成される品質基準を満たす最小の無線リソース数とその配備場所を導出することとした。具体的には、無線リソース設計部110が、イベント当日に各動体がいると想定される時間・場所・モバイル通信の有無に関するデータ、イベント会場に既設となっている無線リソースの位置情報、追加で配備可能な無線リソースの諸元、イベント当日の品質目標基準などの入力値を基に、無線リソースを1つ追加配備することによる通信品質の差分を算出し、通信品質の推定値及び無線リソースの追加配備による差分値を基に目的関数が算出され、目的関数を最も大きくする場所に無線リソースを配備していくことで、達成条件を満足する最小の追加配備無線リソース数とその配備場所を導出する。
本実施の形態によれば、複数のメッシュにより分割された対象エリアにおいて、既設の無線リソースに追加で配備する最小の追加無線リソース数とその配備場所を決定する無線リソース設計装置であって、ストレージから読み出した発生トラヒックに関する情報に基づいて、各メッシュにおける関数によって定義される通信品質の推定に用いるパラメータを算出し、算出したパラメータを用いて、1つの無線リソースを追加配備する前と追加配備した後との間の通信品質の差分を各メッシュについて算出する算出手段と、前記算出手段により算出した前記差分に基づいて、複数の凸関数によって定義される所定の目的関数を最大化するように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定するメッシュ決定手段と、目的関数又は凸関数の値が所定の達成条件を満たす最小の追加無線リソース数を決定する無線リソース数決定手段とを備えることを特徴とする無線リソース設計装置が提供される。なお、無線リソース設計部110は、算出手段、メッシュ決定手段及び無線リソース数決定手段の例である。
110 無線リソース設計部
120 入力データ用ストレージ
130 出力データ用ストレージ
200 ドライブ装置
201 記録媒体
202 補助記憶装置
203 メモリ装置
204 CPU
205 インタフェース装置
206 表示装置
207 入力装置
Claims (7)
- 複数のメッシュにより分割された対象エリアにおいて、既設の無線リソースに追加で配備する追加無線リソースの数とその配備場所を決定する無線リソース設計装置であって、
ストレージから読み出した発生トラヒックに関する情報に基づいて、各メッシュにおける関数によって定義される通信品質の推定に用いるパラメータを算出し、算出したパラメータを用いて、1つの無線リソースを追加配備する前と追加配備した後との間の通信品質の差分を各メッシュについて算出する算出手段と、
前記算出手段により算出した前記差分に基づいて、複数の凸関数によって定義される所定の目的関数を最大化するように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定するメッシュ決定手段と、
目的関数又は凸関数の値が所定の達成条件を満たす最小の追加無線リソース数を決定する無線リソース数決定手段と
を備えることを特徴とする無線リソース設計装置。 - 前記メッシュ決定手段は、スループットが所定の閾値以上となるメッシュの数が最大になるような追加無線リソースを配備するメッシュが複数存在する場合において、スループットが前記所定の閾値未満となるエリアにおける平均スループットが最大になるように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線リソース設計装置。 - 前記メッシュ決定手段は、スループットが前記所定の閾値未満となるエリアにおける平均スループットが最大になるような追加無線リソースを配備するメッシュが複数存在する場合において、前記対象エリア全体の平均スループットが最大になるように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線リソース設計装置。 - 複数のメッシュにより分割された対象エリアにおいて、既設の無線リソースに追加で配備する追加無線リソースの数とその配備場所を決定する無線リソース設計装置が実行する無線リソース設計方法であって、
ストレージから読み出した発生トラヒックに関する情報に基づいて、各メッシュにおける関数によって定義される通信品質の推定に用いるパラメータを算出し、算出したパラメータを用いて、1つの無線リソースを追加配備する前と追加配備した後との間の通信品質の差分を各メッシュについて算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出した前記差分に基づいて、複数の凸関数によって定義される所定の目的関数を最大化するように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定するメッシュ決定ステップと、
目的関数又は凸関数の値が所定の達成条件を満たす最小の追加無線リソース数を決定する無線リソース数決定ステップと
を備えることを特徴とする無線リソース設計方法。 - 前記メッシュ決定ステップにおいて、前記無線リソース設計装置は、スループットが所定の閾値以上となるメッシュの数が最大になるような追加無線リソースを配備するメッシュが複数存在する場合において、スループットが前記所定の閾値未満となるエリアにおける平均スループットが最大になるように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の無線リソース設計方法。 - 前記メッシュ決定ステップにおいて、前記無線リソース設計装置は、スループットが前記所定の閾値未満となるエリアにおける平均スループットが最大になるような追加無線リソースを配備するメッシュが複数存在する場合において、前記対象エリア全体の平均スループットが最大になるように、追加無線リソースを配備するメッシュを決定する
ことを特徴とする請求項5に記載の無線リソース設計方法。 - コンピュータを、請求項1ないし3のうちいずれか1項における前記無線リソース設計装置における各手段として機能させるためのプログラム。
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