JP2019091124A - 信頼度評価システム、信頼度評価方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力系統の安定度推定の精度を向上することができる信頼度評価システムを提供する。【解決手段】信頼度評価システム1は、信頼度評価部113と、系統状態比較部114と、評価モデル切替部115と、を持つ。信頼度評価部113は、電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するための信頼度評価モデルに入力し、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を供給信頼度の評価指標として取得する。系統状態比較部114は、第1特徴量と、電力系統における実際の系統状態に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。評価モデル切替部115は、第1特徴量と第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上の場合、信頼度評価モデルを切り替える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、信頼度評価システム、信頼度評価方法、及びプログラムに関する。
発電を行う電力設備を含む電力系統において、電力系統を監視し、電力系統に電力を安定的に供給させるための電力系統監視システムが知られている。
電力系統(以下、適宜「系統」という)において、需要家へ電力を送り届ける能力の度合いを供給信頼度と呼んでいる。系統運用者の立場から供給信頼度を見た場合、アデカシーとセキュリティという二つの概念がある。アデカシーは、静的供給信頼度であり、系統設備の計画的な停止など運用制約を考慮して、系統が電力需要に見合う送電余力を確保している設備構成となっているかどうかの度合いに関する概念である。一方、セキュリティは動的供給信頼度であり、突発的に発生する故障などの予期せぬ外乱に対して、系統の安定度が維持され、周波数や電圧が正常を保つことができるかということに関する概念である。
系統運用者が電力系統をリアルタイムに運用する段階で、これらの供給信頼度を確保する際の基準として、系統を構成する設備のうち、1つの設備が故障したとしても残りの設備だけで電力供給を継続できるようにする「N−1信頼度基準」が広く採用されている。また、重要な設備などについては2つの設備が故障しても電力供給を継続できるようにする「N−2信頼度基準」が採用されることもある。
動的な供給信頼度を維持する制御のうち、想定される事故によって発生する電力供給の支障を回避するため、想定事故発生前に予め対策を行う予防制御という考え方がある。予防制御では、現在の系統情報を取得して状態推定を行い、推定された系統状態に対して想定事故が発生した場合の信頼度が検討される。もし系統において、電力の供給支障が発生する場合、発電機出力の調整や調相制御などの事前対策が検討される。但し、通常の予防制御では、供給支障による信頼性のデメリットと事前対策による経済性のデメリットの両方を考慮し、それらが協調するように系統が制御される。
近年では、電力システム改革が行われており、それに加えて、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを用いた再生可能エネルギー電源が増加している。従って、今後の系統では、電力供給に関する不確実性が増大することが懸念されている。系統において不確実性が存在している場合でも、供給信頼度を動的に維持するためには、ある程度余裕を持った系統の運転点(電圧、位相、発電機出力等の制御値が適用される状態)を探す必要がある。そのため、将来とりうる系統状態における供給信頼度評価と予防制御を行うことが必要となる。
従来の電力系統では、系統運用者の経験則から事前に想定した特定の潮流ケースに対して連続潮流計算や安定度計算などの物理モデルベースの詳細シミュレーションによる解析を行うことが可能であった。しかし、今後の電力系統では、再生可能エネルギー電源の変動や、発送電分離による系統運用者が完全に管理・制御できない不確実な要素が増加することになる。このような、不確実性が増加した系統では、将来とりうる無数の潮流ケースに対して系統の安定度を判別することが要求されるため、従来の物理モデルベースの解析方法では計算時間が膨大となる恐れがある。
そこで、電圧・位相・負荷・発電機出力・潮流といった計測可能な情報(入力)と、系統の供給信頼度(出力)の複数の組み合わせに基づいて、統計的手法あるいは機械学習を用いて学習モデルを構築し、物理モデルベースの解析手法の代わりに瞬時に入力から出力を推定する方法が適用され得る。
事故発生時の系統現象を学習するには、シミュレーションによる大量の教師データが必要となる。例えば、系統の供給信頼度の推定において、事前にオフライン解析を行い、機械学習等により供給信頼度の推定モデルを作成し、オンライン計算を行う際には潮流計算・過渡安定度計算を行わず、推定モデルを用いて供給信頼度を推定する方法が適用され得る。
しかし、学習によって作成した推定モデルを用いて系統の高精度な信頼度推定を行うには、推定モデル作成時に想定された系統状態と実際の系統状態との乖離が小さいことが望ましく、系統状態の乖離が大きいと誤判定の原因となる。
本発明が解決しようとする課題は、推定モデル作成時に想定された系統状態と実際の系統状態との乖離の大きさを判定し、より系統状態の乖離が小さい推定モデルを選択することで、電力系統の安定度推定の精度を向上することができる信頼度評価システム、信頼度評価方法、及びプログラムを提供することである。
実施形態の信頼度評価システムは、再生可能エネルギー電源が接続された電力系統において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するものである。信頼度評価システムは、信頼度評価部と、系統状態比較部と、評価モデル切替部と、を持つ。信頼度評価部は、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するための信頼度評価モデルを用いて、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を前記供給信頼度の評価指標として取得する。系統状態比較部は、前記信頼度評価モデルの作成時に想定した前記電力系統が供給する電力の状態に基づいて求められる第1特徴量と、前記電力系統における実際の系統状態に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。評価モデル切替部は、前記系統状態比較部により前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、前記信頼度評価部が用いる信頼度評価モデルを切り替える。
以下、実施形態の信頼度評価システム、信頼度評価方法、及びプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の信頼度評価システム1の構成の一例を示す図である。再生可能エネルギー電源23が接続された電力系統21において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、電力系統21が供給する電力の供給信頼度を評価するシステムである。
信頼度評価システム1は、現在の電力系統21の系統運用状態から、将来(例えば、現時点から30分後あるいは60分後)の系統運用状態を推定し、将来の系統運用状態で想定事故が起きた場合の供給信頼度を評価する。そして、信頼度評価システム1は、仮に、電力供給に支障などが発生する場合に、予防制御内容を計算・出力するコンピュータ装置である。供給信頼度の具体的な評価項目としては、例えば、過負荷、過渡安定度、電圧安定度、周波数安定度などがある。これらの評価項目が、予め定められた管理値(閾値)を超過すると、設備の故障・脱落が発生し、停電を引き起こすおそれがあるため、信頼度評価システム1は、評価項目に基づいて供給信頼度を評価して停電を未然に防止する。
信頼度評価システム1は、例えば、処理部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、通信部(不図示)とを備える。信頼度評価システム1には、電力系統21が接続されている。電力系統21には、例えば、発電機22(22a、22b)と、再生可能エネルギー電源23(23a、23b、23c、23d)と、需要家24(24a)とが含まれる。
まず、信頼度評価システム1により制御される電力系統21について説明する。発電機22は、例えば、火力発電、水力発電、原子力発電等を行う大規模発電機である。再生可能エネルギー電源23は、例えば、再生可能エネルギーである太陽光、風力等を用いて発電する電源である。再生可能エネルギー電源は、様々な規模で構築され得る。個々の再生可能エネルギー電源23や需要家24は、例えば、地域毎にまとめられてもよいし、地域集合31(31a、31b、31c)として取り扱われてもよい。
電力系統21は、例えば、信頼度評価システム1と連携するための装置として、複数の計測装置25(25a、25b、・・・、25n)と、複数の制御端末装置26(26a、26b、・・・、26n)とを備える。計測装置25は、電力系統21の各所の電圧、位相、潮流や、変圧器、発電機22、再生可能エネルギー電源23などの各種電力系統設備の状態などの系統情報を計測し、計測した系統情報を信頼度評価システム1に送信する。
制御端末装置26は、信頼度評価システム1からの制御指令を受信して、系統制御機器や発電機22(出力量等)の制御や再生可能エネルギー電源23の出力抑制などを行う。ここで、系統制御機器とは、例えば、進相コンデンサ、分路リアクトル、SVC(Static Var Compensator)等を含む。
次に、信頼度評価システム1の構成について説明する。
処理部11は、系統情報収集部111と、系統状態推定部112と、信頼度評価部113と、系統状態比較部114と、評価モデル切替部115と、制御内容計算部116と、制御指令送信部117とを備える。以下の説明において、処理部11の各構成要素(111〜117)以外が処理を行う場合や、各構成要素(111〜117)以外の構成要素(不図示)または、各構成要素(111〜117)のいずれか1つ以上が処理を行う場合については、動作主体を「処理部11」と表す。
系統情報収集部111、系統状態推定部112、信頼度評価部113、系統状態比較部114、評価モデル切替部115、制御内容計算部116、制御指令送信部117の各機能部のうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの各機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
系統情報収集部111は、電力系統21に設置されている計測装置25から現在の電力系統に関する各種情報を取得する。記憶部12には、処理部11の動作プログラムや各種データが記憶されている。記憶部12には、例えば、後述の信頼度評価モデル12aと、系統運用者によって入力された需要予測情報12bと、想定事故ケース情報12cと、運用計画情報12e、再生可能エネルギー出力予測情報12d等が記憶されている。
需要予測情報12bは、1日の各時間帯(例えば30分毎)における需要の大きさを予測した情報であり、系統運用者の経験則等から高精度に予測される。運用計画情報12eは、調相設備の投入・解列、発電機22の起動・停止、発電機22の出力の増減など、予め決められた電力系統21の運用計画の情報である。
想定事故ケース情報12cは、電力系統21において想定される事故が予め類型化された情報である。予め類型化された事故としては、例えば、送電線故障、母線故障、発電機故障(発電機22の故障)、変圧器故障などが代表的である。図2は、実施形態の想定事故ケース情報12cの内容の一例を示す図である。図2に示されように、想定事故ケース情報12cは、例えば、事故を示すNoに対して、事故対象箇所(事故点)と、事故様相とが対応付けられた情報である。
事故対象箇所は、電力系統21において事故が発生すると想定される場所である。事故様相は、電力系統21において発生する事故の類型である。図中の「3Φ3LG」等の情報は、事故様相を表すコードである。
図1に戻り、再生可能エネルギー出力予測情報12dは、将来(例えば、現時点から30分後あるいは60分後)の再生可能エネルギー電源23の出力予測に関する情報である。再生可能エネルギー電源23は、天候などの影響を受けて出力が変動するという不確実性を有している。再生可能エネルギー出力予測情報12dは、不確実性を考慮して、例えば確率分布で表される。
図3は、実施形態の再生可能エネルギー出力予測の確率分布の例を示す図である。図3のグラフにおいて、縦軸は発生確率、横軸は再生可能エネルギー出力である。図3に示されるように、再生可能エネルギー出力は、出力に変動が生じるため、何らかの確率分布を持つものとして定義する。再生可能エネルギー出力の不確実性は、例えば、出力の範囲が予測値の±σ(σ:標準偏差)の内側(68.27%)にあるものと定義することによって表される。
なお、この範囲については任意に決定することができ、例えば、再生可能エネルギー出力の範囲は、予測値の±2σや±3σの内側と定義してもよいし、標準偏差以外の指標、例えば、再生可能エネルギー電源23の容量比を用いて予測値の±10%の内側などと定義してもよい。このような不確実性を含んだ再生可能エネルギー出力予測情報12dを、再生可能エネルギー電源23あるいは地域集合31毎に記憶部12に記憶させる。
図4は、実施形態の再生可能エネルギー出力予測情報12dの一例を示す図である。図4に示されるように、この再生可能エネルギー出力予測情報12dでは、エリア(地域集合31)毎に、再生可能エネルギー出力予測値と確率分布における±σに相当する値が与えられている。このような再生可能エネルギー出力予測情報12dを用いることで、信頼度評価システム1は、不確実性によって変動が生じる再生可能エネルギー出力を含む系統状態のあらゆる組合せパターンに対して、将来の電力系統21の信頼度を維持可能であるか否かを評価することができる。
図1に戻り、系統状態推定部112は、電力系統21において計測された電力系統21が供給する電力の状態と、再生可能エネルギー電源23の出力の予測値と、電力需要に関する需要情報12bと、電力系統21内の電力供給に関する運用計画情報12eとに基づいて、電力系統21の将来の系統状態を推定する。電力系統21において計測された電力系統21が供給する電力の状態は、電力系統21内の複数箇所の電圧、位相、負荷、発電機出力、潮流の少なくともいずれかを含む系統情報である。系統状態推定部112は、例えば、上記の系統情報と、再生可能エネルギー出力予測情報12dと、電力系統21内の電力の需要予測情報12b(需要情報)と、電力系統21内の電力供給に関する運用計画情報12e(供給情報)と、を含む電力情報に基づいて将来の系統状態を推定する。ここで、再生可能エネルギー電源23に関する出力の予測値は、予測値よりも所定量大きい値(例えば予測値+σ)、および、予測値よりも所定量小さい値(例えば予測値−σ)を含む。
図5は、系統状態情報におけるノードデータの例を示す図である。図6は、系統状態情報におけるブランチデータの例を示す図である。図5のノードデータでは、ノード名毎に、電圧、位相、発電機出力(有効電力出力、無効電力出力)、負荷(有効電力負荷、無効電力負荷)、および、調相設備の情報が対応付けられている。また、図6のブランチデータでは、ブランチ名毎に、有効電力潮流、無効電力潮流、有効電力損失、および、無効電力損失の情報が対応付けられている。
図1に戻り、信頼度評価部113は、例えば、系統状態推定部112によって推定された将来の系統状態と、複数の想定事故様相を含む想定事故ケース情報12cと、再生可能エネルギー出力予測情報12dとを、後述の信頼度評価モデル12aに入力し、算出された評価指標に基づいて供給信頼度を評価する。信頼度評価モデル12aは、後述のように評価モデル切替部115により選択され、適宜切り替えられる。
信頼度評価部113は、例えば、オフラインの事前解析によって作成された信頼度評価モデル12aを用いて、系統状態推定部112によって推定された将来の系統状態と、想定事故ケース情報12cと、再生可能エネルギー出力予測情報12dと、を入力値として、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つを供給信頼度の評価指標として取得する。
また、信頼度評価部113は、リアルタイムでのオンラインの運用時に、電力系統21についての複数の再生可能エネルギー電源23による出力が異なる複数の潮流断面と、想定事故ケース情報12cにおける複数の想定事故様相と、を用いて信頼度評価モデル12aから評価指標を計算する。潮流断面とは、ある時間断面における電力系統21の有効電力および無効電力の流れ等を示す情報である。
なお、この信頼度評価部113とは別に、オフライン解析を行う評価モデル作成部(不図示)が、電圧、位相、負荷、発電機出力、潮流の少なくともいずれかの系統情報と、評価指標と、を相関性分析した結果を用いて、評価指標との相関性が所定以上高い情報を信頼度評価モデル12aの入力変数として選定し、選定した入力変数と評価指標とを教師データとして学習することで信頼度評価モデル12aを事前に作成し、記憶部に格納する。
系統状態比較部114は、再生可能エネルギー出力予測と想定事故ケース情報12cを用いて、使用中の信頼度評価モデル12aの作成時に想定した系統状態と、系統状態推定部112より算出した実際の系統状態と、を比較し、系統状態の乖離の大きさを判定する。
系統状態比較部114は、例えば、信頼度評価モデルの作成時に想定した電力系統が供給する電力の状態に基づいて求められる第1特徴量と、電力系統における実際の系統状態に基づいて求められる第2特徴量とを比較して第1特徴量と第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。第1特徴量及び第2特徴量については後述する。
評価モデル切替部115は、系統状態比較部114によって、使用中の信頼度評価モデル12aの作成時に想定した系統状態と、系統状態推定部112より算出した実際の系統状態と、の乖離が所定値以上と判定された場合に、使用する信頼度評価モデル12aの切り替えを行う。評価モデル切替部115は、例えば、系統状態比較部114により、後述のように第1特徴量(信頼度評価モデルの作成時に想定した系統状態の特徴量)と第2特徴量(実際の系統状態の特徴量)との乖離の大きさが所定値以上と判定された場合、発電機の運転状態(起動・停止)や需要等が異なる系統状態を想定して作成された複数の信頼度評価モデル12aの中から、次に使用する信頼度評価モデルを選択する。
評価モデル切替部115は、例えば、複数の信頼度評価モデル12aのそれぞれの第1特徴量と第2特徴量との差分を計算し、差分が最小となる信頼度評価モデル12aを次に使用すべき信頼度評価モデルとして選択する。
制御内容計算部116は、信頼度評価部113により評価された供給信頼度に問題があると判定した場合に、電力系統21内の機器のうち、評価指標との相関性が所定以上高い入力変数を制御できる機器を制御対象機器として選択する。
制御指令送信部117は、制御内容計算部114により最終的に算出された制御内容に基づく制御指令を制御端末装置26に送信する。制御端末装置26は、受信した制御指令に基づいて系統制御機器や発電機22(出力量等)の制御、再生可能エネルギー電源23の出力抑制を行う。
入力部13は、信頼度評価システム1のユーザ(系統運用者)が情報を入力する手段であり、例えば、キーボードやマウスである。例えば、ユーザが入力部13を用いて想定事故ケース情報12c、運用計画情報12e等を入力すると、処理部11を介してそれらの情報が記憶部12に記憶される。
表示部14は、情報の表示手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。表示部14は、例えば、信頼度評価部113による信頼度の評価結果を表示する。また、表示部14は、例えば、制御内容計算部114により算出された制御内容等を表示することで、系統運用者による制御に関する意思決定支援を実現できる。
次に、信頼度評価モデル12aについて説明する。図7は、実施形態の信頼度評価モデル12aのイメージ図である。
図7に示されるように、信頼度評価モデル12aに対して入力される情報は、例えば、推定された将来の系統状態の情報(Pは有効電力。Qは無効電力。Vは電圧。θは位相)と、想定事故様相と、再生可能エネルギー出力予測(確率分布)である。また、信頼度評価モデル12aから出力される情報は、例えば、評価項目としての過負荷、過渡安定度、電圧安定度、周波数安定度に対応する、評価指標としての過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕である。それらの評価項目毎に信頼度評価モデル12aを用意する。また、各評価指標としては、安定限界点までの余裕を用いる。
上記の各評価項目における評価指標(安定限界点までの余裕)の例について説明する。過負荷の安定限界点は、送電線や変圧器の過負荷耐量と経過時間に応じて決定される。図8は、実施形態の過負荷耐量と時間の関係を示すイメージ図である。図8に示すように、例として、過負荷耐量が連続耐量のときは連続容量となるが、過負荷耐量が30分耐量のときは30分容量となり、過負荷耐量が10分耐量のときは10分容量となる。つまり、送電線を流れる潮流が時間帯毎の過負荷耐量を超過しないように電力系統21を運用しなければならない。過負荷余裕は、例えば、「(過負荷耐量)−(送電線潮流)」の積分値で表すことができる。
また、図9は、実施形態の電圧の安定限界点を示すP−Vカーブのイメージ図である。図9のグラフにおいて、縦軸は系統電圧、横軸は需要である。図9に示すように、点P1は、事故に起因した系統動揺の収束後の電圧と需要に対応した点である。また、点P2は、安定限界電圧と安定限界需要(安定限界点)に対応した点である。つまり、需要が安定限界点より大きくなると不安定になる。したがって、電圧安定度余裕(負荷余裕)は、例えば、負荷に関して、「(安定限界点)−(現在の運転点)」として表すことができる。
過渡安定度は、系統事故などの擾乱に対して、複数の発電機22が同期を保って運転できるかどうかの尺度であり、同期を外れて異常加速(脱調)する発電機22があれば不安定となる。過渡安定度を定量的に示す指標として、一般に、エネルギー関数法に基づく指標等があるが、ここでは、一例として、CCT(Critical Clearing Time:臨界事故除去時間)を用いる。CCTを用いて、下記のように過渡安定度が安定か不安定かを判定できる。
CCT ≧(事故除去時間):安定
CCT <(事故除去時間):不安定
したがって、例えば、「CCT−(事故除去時間)」を過渡安定度余裕とすることができる。
CCT ≧(事故除去時間):安定
CCT <(事故除去時間):不安定
したがって、例えば、「CCT−(事故除去時間)」を過渡安定度余裕とすることができる。
なお、評価指標については、上記に挙げたものは例に過ぎず、上記以外の評価指標を定義することも可能である。例えば、過渡安定度余裕は、エネルギー関数法に基づき「(減速エネルギー)−(加速エネルギー)」、あるいは「180°−(発電機の位相)」などと定義してもよい。
次に、信頼度評価モデル12aの作成方法について説明する。再生可能エネルギー出力予測が図4のようになる場合において、再生可能エネルギー電源23が存在するエリアがN箇所(Nは任意の自然数)、各エリアがとり得る再生可能エネルギー出力を「予測値−σ」、「予測値」、「予測値+σ」の3パターンと考えると、系統がとり得る潮流状態は3Nの組合せとなる。再生可能エネルギー出力予測とは、再生可能エネルギー出力予測値(以下、単に「予測値」ともいう。)と確率分布とを含む概念である。
しかし、「3N×(想定事故様相数)」の過渡安定度計算を行うと、再生可能エネルギー電源23が存在するエリア数によっては膨大な計算時間が掛ってしまい、リアルタイムで信頼度を評価することができなくなる。そこで、本実施形態では、評価モデル作成部は、信頼度評価モデル12aをオフライン解析によって事前に作成し、信頼度評価部113がこの信頼度評価モデル12aをオンライン解析で使用することで信頼度を評価する。
次に、信頼度評価モデル12aの作成処理について説明する。図10は、実施形態の信頼度評価モデル12aの作成処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、大きく分けて2つのフェーズがあり、ステップS1〜ステップS4がステップS9での学習で使う教師データ作成フェーズで、ステップS6〜ステップS9が信頼度評価システム1に用いる信頼度評価モデル12a作成フェーズである。
まず、処理部11は、系統運用者による入力部13を用いたデータ入力に基づいて、計算に用いる潮流断面と事故様相を設定する(ステップS1)。ここで、潮流断面と事故様相のデータセット例について説明する。図11は、実施形態の信頼度評価モデル12a作成のための潮流断面および事故様相のデータセットのテーブルTの一例を示す図である。
ベースとなる潮流断面に対して、図11に示すように、各エリアの再生可能エネルギー出力を一定の出力量の刻みで割り振る。再生可能エネルギー出力の刻み幅を仮に10%刻みで10%〜100%の10通りとし、エリア数N、想定事故様相数M(Mは任意の自然数)とすると、(10N×M)個のデータセットが用意される。なお、ベース潮流断面(例えば、全再生可能エネルギー電源の出力が定格容量の70%と設定した断面)から各エリアの再生可能エネルギー出力が変化すると、電力系統21において電力供給の需給アンバランスが発生するため、例えば需給調整発電機の容量比にしたがって再生可能エネルギー出力変化分を案分するなど、予め決められた任意のルールにしたがって各データセットで需給調整発電機の出力調整を行う。
図10に戻り、処理部11は、設定した潮流断面と事故様相に基づいて、潮流計算を実施する(ステップS2)。次に、処理部11は、潮流計算結果を初期値として、過渡安定度計算を実施する(ステップS3)。
次に、処理部11は、過渡安定度計算の計算結果に基づいて、供給信頼度の各評価指標を算出する(ステップS4)。処理部11は、例えば、各評価指標のうち、過負荷余裕を評価する場合は、過渡安定度が安定となって系統動揺が収束した結果を用いることで、事故後の各ブランチの「(過負荷耐量)−(送電線潮流)」を計算する。また、処理部11は、各評価指標のうち、電圧安定度余裕を評価する場合も、系統動揺が収束した結果を用いて、徐々に負荷を増加させて繰り返し潮流計算を実施してP−Vカーブを作成する。
また、処理部11は、各評価指標のうち、過渡安定度余裕を評価する場合は、事故除去時間を徐々に変化させながら繰り返し過渡安定度計算を行ってCCTを求める。処理部11は、上記の処理がテーブルTにおける各データセットに対して全ケースで完了したか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5で肯定的な判定を得た場合、処理部11は、処理をステップS6に進める。ステップS5で否定的な判定を得た場合、処理部11は、処理をステップS1に戻す。
処理部11は、算出した潮流計算結果と算出した評価指標とを用いて、入力変数候補となる系統情報と、各評価指標との相関性を分析する(ステップS6)。入力変数候補は、各ノードの電圧、位相、発電機出力、負荷、各ブランチの潮流、損失などの系統情報を含む。処理部11は、例えば、相関性の分析において、次式(1)で表される相関係数rを使用する。
ここで、xiはi番目データセットの入力変数、x〜は入力変数の期待値、yiはi番目データセットの評価指標、y〜は評価指標の期待値となる。各入力変数候補と評価指標の相関係数を計算することで、評価指標と相関性の高い入力変数を判定できるようになる。
処理部11は、求めた相関性の分析結果に基づいて、多数の入力変数候補の中から相関性の低い不要な入力変数を除外することで入力変数を選定する(ステップS7)。この他、処理部11は、多重共線性等を考慮して入力変数を選定してもよい。なお、処理部11は、相関性の分析結果を制御内容計算部114でも活用するために、各評価指標と各入力変数との感度行列を作成してもよい。ここでの感度行列とは、入力変数毎に、値が変わったときの評価指標の変わり方(変わりやすさ)を求め、それを行列として表したものである。
処理部11は、信頼度評価モデル12aの精度を向上させるため、入力変数をクラスタリングする(ステップS8)。処理部11は、例えば、クラスタリングをする場合に、まず、事故様相毎にクラスタを分割する。事故前の潮流状態が同じであっても、事故様相によって電力系統の振る舞いは大きく異なるからである。その他、処理部11は、k-meansや階層型などのクラスタリング手法を用いてもよい。
処理部11は、分割したクラスタ毎に学習を行い、各クラスタに応じた評価モデルを作成し(ステップS9)、フローチャートの処理を終了する。処理部11は、例えば、学習方法として、ニューラルネットワークやランダムフォレストなどの手法を用いてもよい。その他、処理部11は、回帰分析(例えば、線形回帰分析、重回帰分析)等の手法を用いてもよい。
処理部11は、以上のステップにより、オフライン解析で事前に信頼度評価モデル12aを作成し、信頼度評価部113が使用できるように記憶部12に記憶させることで、信頼度評価システム1上では計算負荷が大きい過渡安定度計算を実行せずに、系統事故が発生した場合の供給信頼度を評価することができる。
次に、系統状態比較部114について詳細に説明する。電力系統21内の電力の需要は時々刻々と変化し、その時々の需要に応じて発電機出力は調整される。電力の需要の状況によっては発電機の起動・停止といった運転状態も変化し、電力系統21内の潮流分布は常に変化する。信頼度評価モデル12aは、ある特定の系統状態(需要の大きさ、発電機の運転状態、系統内のループ構成、等)において、再生可能エネルギー出力分布が様々な変化をした時の安定度を評価するために用いられるモデルである。したがって、信頼度評価モデル12aによって電力系統21の安定度を高精度に推定するためには、評価モデル作成時に想定した系統状態と実際の系統状態の乖離が少ないことが必要になる。
図12は、実施形態の系統状態比較部114のシステム構成の内容の一例を示す図である。系統状態比較部114は、例えば、想定系統状態作成部141と、想定系統特徴量算出部142と、実系統特徴量算出部143と、特徴量比較部144とを備える。
想定系統状態作成部141は、記憶部12を参照し、現在使用中の信頼度評価モデル12aの作成時に想定した潮流断面12f(ベース潮流断面)に基づいて、想定系統状態を再現する。想定系統状態作成部141は、現在の再生可能エネルギー出力予測情報12dに基づいて、各地域の再生可能エネルギー出力を設定する。想定系統状態作成部141は、現在使用中の信頼度評価モデル12a作成時と同じルール(手法)に基づいて電力系統21の需給調整を行い、計算結果に基づいて、再生可能エネルギー電源の出力の予測値に対応した信頼度評価モデル12aの想定系統状態を再現する。このようにして、想定系統状態作成部141は、系統状態推定部112によって推定された実系統の系統状態と再生可能エネルギー出力条件が同じになる想定系統状態を作成する。
想定系統特徴量算出部142および実系統特徴量算出部143では、想定系統と実系統それぞれの系統状態を定量的に比較するための特徴量を算出する。想定系統特徴量算出部142は、予め想定された電力系統21が供給する電力の状態を示す系統状態に基づいて第1特徴量を算出する。実系統特徴量算出部143は、例えば、系統状態推定部112により算出された現在の実系統状態に含まれる情報を入力値として、第2特徴量を算出する。実系統特徴量算出部143は、例えば、電力系統21において計測された系統状態の計測情報と再生可能エネルギー出力予測情報12dとに基づいて第2特徴量を算出する。
特徴量比較部144は、第1特徴量と第2特徴量とを比較し、第1特徴量と第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。判定において、特徴量比較部144は、例えば、第1特徴量と第2特徴量との差分を計算し、想定系統状態と前記実系統状態の乖離の大きさを示す系統状態類似度を算出する。上記の系統状態を表す特徴量は、例えば、短絡インピーダンスである。
図13は、実施形態の短絡インピーダンスを特徴量として用いた場合の系統状態比較部114の構成の一例を示す図である。系統状態比較部114は、例えば、想定系統状態作成部141と、想定系統短絡インピーダンス算出部142Aと、実系統短絡インピーダンス算出部143Aと、特徴量比較部144Aとを備える。想定系統短絡インピーダンス算出部142Aは、想定系統の短絡インピーダンスを算出する。実系統短絡インピーダンス算出部143Aは、実系統の短絡インピーダンスを算出する。短絡インピーダンスは、想定系統状態作成部141または系統状態推定部112から得られる状態量、および想定事故ケース情報12cを用いて、故障計算あるいは安定度計算から算出できる。このとき、安定度計算は、事故発生直後までの短時間での計算を行えばよい。
事故発生直後に事故点に流れ込む事故電流をIs、事故発生直前の電圧をVsとすれば、短絡インピーダンスZsは次式で計算できる。
但し、短絡インピーダンスの計算結果は、事故ケースによって異なる。また、系統全体の状態を比較するには、一箇所の短絡インピーダンスだけでなく、複数箇所の短絡インピーダンスを比較する必要がある。図14は、実施形態の短絡インピーダンスの算出箇所を示す図である。図14に示すように、短絡インピーダンスは、想定事故箇所と同じ箇所において算出される。例えば、短絡インピーダンスZs1は、代表想定事故ケース1(ブランチ1におけるいずれかの事故様相)の場合に算出し、短絡インピーダンスZs2は、代表想定事故ケース2の場合に算出する、等のように系統各所の短絡インピーダンス{Zs1,Zs2,…,Zsn}を算出する。
短絡インピーダンス比較部144Aでは、想定系統短絡インピーダンス算出部142Aおよび実系統短絡インピーダンス算出部143Aの計算結果を比較し、系統状態の類似度を判定する。短絡インピーダンス算出部142Aから得られた計算結果を、Zs´=(Zs1´,Zs2´,…,Zsn´)、短絡インピーダンス算出部143Aから得られた計算結果をZs´´=(Zs1´´,Zs2´´,…,Zsn´´)とすると、系統状態の類似度は式(3)のように表現できる。
但し、ΔZsは、ベクトル量であるため、系統状態の類似度を表すために、スカラ量に変換されることが望ましい。例えば、スカラ量への変換方法は、統計的処理(最大値、最小値、平均値など)を用いてもよい。また、スカラ量への変換方法は、式(4)に示すようにΔZsのノルムをとってもよい。
上記のように、スカラ量に変換したΔZsが小さければ想定系統の系統状態と実系統の系統状態との乖離は小さいと判断することができる。上記では、系統状態の乖離の大きさを示す指標として短絡インピーダンスを用いた例を説明したが、その他の指標を用いてもよい。例えば、駆動点インピーダンス、発電機容量、発電機出力等の情報のいずれか、あるいはこれらを組み合わせて使用してもよい。駆動点インピーダンスとは、ある任意の点から系統を一括して覗いた場合のインピーダンスである。
電力系統21の任意の点の駆動点インピーダンスを計算し、その値に差がでていれば、監視先の発電機の並列状態、あるいはループ構成が異なっていると判定できる。また、各発電機の運転状態が既知情報である場合、想定系統状態と実系統状態の発電機運転状態をデータベース化して、相互に参照することで系統状態の差異を確認してもよい。さらに、発電機容量あるいは発電機出力といった情報と組み合わせて、事前解析の結果などから安定度に与える影響を類推してもよい。
次に、評価モデル切替部115について説明する。以下の説明では、系統状態の乖離を示す指標として、例えば、短絡インピーダンスのノルムを用いる。
図15は、実施形態の信頼度評価モデル12aの切り替え処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、評価モデル切替部115は、系統状態比較部114によりスカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||を取得する(ステップS21)。評価モデル切替部115は、スカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS22)。なお、スカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||の閾値は、系統解析結果などから安定度の差が大きくなる値を求める等、系統運用者が任意に決めることができるものとする。
ステップS22で肯定的な判定を得た場合、信頼度評価部113は、現在の信頼度評価モデル12aを継続して使用する。ステップS22で否定的な判定を得た場合、評価モデル切替部115は、全ての信頼度評価モデル12aのスカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||を計算する(ステップS23)。評価モデル切替部115は、例えば、事前に作成したm個の信頼度評価モデル12aに対して、モデル作成時に想定した系統状態(m個の系統状態)と実際の系統状態との短絡インピーダンス差ΔZsall=(||ΔZs1||,||ΔZs2||,…,|| ΔZsm||)を取得する。
評価モデル切替部115は、取得した短絡インピーダンス差に基づいて、スカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||が最小となる信頼度評価モデル12aを選択し、選択した信頼度評価モデル12aを評価モデルとして使用するように切り替える(ステップS24)。評価モデル切替部115は、例えば、||Zsmin||=min(ΔZsall)となる信頼度評価モデル12aを選択し、切り替えを行う。
評価モデル切替部115は、選択した最小の||Zsmin||が予め定められた閾値以下になるか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25で肯定的な判定を得た場合、評価モデル切替部115は、切り替え後の信頼度評価モデル12aを信頼度評価部113で使用することを決定する(ステップS26)。ステップS25で否定的な判定を得た場合、切り替え後の評価モデル切替部115は、現在の系統状態がオフライン解析時に想定していない系統状態であることを表示部14から系統運用者に知らせる(ステップS27)。
また、計算をより簡略化するため、信頼度評価システム1は、上記に示した手順以外の切り替え処理を行ってもよい。例えば、複数の信頼度評価モデル12aを時間帯毎に予め用意しておく。評価モデル切替部115は、例えば、使用中の信頼度評価モデル12aに関して第1特徴量と第2特徴量との差分が予め定められた閾値以上となった場合に、次の時間帯の信頼度評価モデルを使用すべき信頼度評価モデルとして選択する。
図16は、実施形態の信頼度評価モデル12aの切り替え処理の流れの他の一例を示すフローチャートである。ステップS31からステップS37のうち、ステップS33およびステップS34以外の処理は図15におけるフローチャートの処理と同様である。評価モデル切替部115は、系統状態比較部114によりスカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||を取得する(ステップS31)。評価モデル切替部115は、スカラ量に変換された短絡インピーダンス差||ΔZs||が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32で肯定的な判定を得た場合、信頼度評価部113は、現在の信頼度評価モデル12aを継続して使用する。ステップS32で否定的な判定を得た場合、評価モデル切替部115は、次に適用すべき時間断面の信頼度評価モデル12aに切り替える(ステップS33)。
ここで、時間断面の信頼度評価モデル12aとは、例えば、昼・夜、あるいは季節などを考慮した時間変化に伴う代表的な系統断面を予め想定し、想定された各系統断面において事前に作成された複数の信頼度評価モデルのことをいう。例えば、使用中の信頼度評価モデル12aが8月昼間の時間断面に対応するものである場合、次に適用すべき時間断面は8月夜間となる。
次に、評価モデル切替部115は、切り替え後の信頼度評価モデル12aを用いて、短絡インピーダンス差||ΔZs||を取得する(ステップS34)。評価モデル切替部115は、短絡インピーダンス差||ΔZs||が予め定められた閾値以下になるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で肯定的な判定を得た場合、評価モデル切替部115は、切り替え後の信頼度評価モデル12aを信頼度評価部113で使用することを決定する(ステップS36)。
ステップS35で否定的な判定を得た場合、切り替え後の評価モデル切替部115は、現在の系統状態がオフライン解析時に想定していない系統状態であることを表示部14から系統運用者に知らせる(ステップS37)。
以上説明した実施形態によれば、信頼度評価システム1は、推定モデル作成時に想定された系統状態と実際の系統状態との乖離の大きさを判定し、より系統状態の乖離が小さい推定モデルを選択することで、現実の系統状態により適した信頼度評価モデル12aを選択して使用することができる。
すなわち、信頼度評価システム1は、オフライン解析により事前に作成した複数の信頼度評価モデルから現在の系統状態に対して適切な信頼度評価モデル12aを選択し、高精度な安定度の推定を可能とする。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、再生可能エネルギー電源が接続された電力系統において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価する信頼度評価システムが、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するための信頼度評価モデルを用いて、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を前記供給信頼度の評価指標として取得する信頼度評価部と、前記信頼度評価モデルの作成時に想定した前記電力系統が供給する電力の状態から求められる第1特徴量と、前記電力系統における実際の系統状態に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する系統状態比較部と、前記系統状態比較部により前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、前記信頼度評価部が用いる信頼度評価モデルを切り替える評価モデル切替部と、を持つことにより、供給信頼度の推定において推定結果を学習により更新し、電力系統の安定度推定の精度を向上することができる。
本発明の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態と変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態において、再生可能エネルギー出力の予測値やその確率分布は系統運用者が入力するものとしたが、予測機能そのものを信頼度評価システム1に組み込んでもよい。また、確率分布も図3のような正規分布でなくてもよい。
また、上述の実施形態では、確率分布の標準偏差によって不確実性を表現したが、その他の指標を用いてもよい。他の指標とは、例えば、再生可能エネルギー電源23の容量比を用いて予測値±25%などのような固定値であってもよい。また、信頼度評価モデル12aの評価指標として、実施形態に挙げたもの以外を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、信頼度評価システム1は、系統内の制御機器に制御指令を送る制御指令送信部117を備えているが、これは必ずしも必要なく、信頼度評価結果あるいは制御内容の表示のみを行うものであってもよく、運用者の意思決定支援に用いられるものであってもよい。
1…信頼度評価システム、11…処理部、12…記憶部、12a…信頼度評価モデル、12b…需要予測情報、12c…想定事故ケース情報、12d…再生可能エネルギー出力予測情報、12e…運用計画情報、13…入力部、14…表示部、21…電力系統、22…発電機、22a…発電機、22b…発電機、23…再生可能エネルギー電源、24…需要家、25…計測装置、26…制御端末装置、31…地域集合、111…系統情報収集部、112…系統状態推定部、113…信頼度評価部、114…系統状態比較部、114…制御内容計算部、115…評価モデル切替部、115…制御指令送信部、116…制御内容計算部、117…制御指令送信部、141…想定系統状態作成部、142…短絡インピーダンス算出部、142…想定系統特徴量算出部、142A…想定系統短絡インピーダンス算出部、143…実系統特徴量算出部、143A…実系統短絡インピーダンス算出部、144…特徴量比較部、144A…短絡インピーダンス比較部
Claims (10)
- 再生可能エネルギー電源が接続された電力系統において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価する信頼度評価システムであって、
前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するための信頼度評価モデルを用いて、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を前記供給信頼度の評価指標として取得する信頼度評価部と、
前記信頼度評価モデルの作成時に想定した前記電力系統が供給する電力の状態に基づいて求められる第1特徴量と、前記電力系統における実際の系統状態に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定する系統状態比較部と、
前記系統状態比較部により前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、前記信頼度評価部が用いる前記信頼度評価モデルを切り替える評価モデル切替部と、
を備える、信頼度評価システム。 - 前記電力系統において計測された前記電力系統が供給する電力の状態と、前記再生可能エネルギー電源の出力の予測値と、電力需要に関する需要情報と、電力供給に関する供給情報とに基づいて、前記電力系統の少なくとも将来の系統状態を推定し、前記信頼度評価モデルに対する入力値として前記信頼度評価部に提供する系統状態推定部を更に備える、
請求項1に記載の信頼度評価システム。 - 前記系統状態比較部は、前記信頼度評価部が用いる複数の信頼度評価モデルの作成時に想定されたベース潮流断面と、前記再生可能エネルギー電源の出力の予測値と、を入力することで前記信頼度評価モデルの作成時と同じ手法に基づいて需給調整を行い、計算結果に基づいて、前記再生可能エネルギー電源の出力の予測値に対応した前記信頼度評価モデルの想定系統状態を作成する想定系統状態作成部と、
前記想定系統状態に含まれる情報を入力値として、前記第1特徴量を算出する想定系統特徴量算出部と、
前記系統状態推定部により算出された現在の実系統状態に含まれる情報を入力値として、前記第2特徴量を算出する実系統特徴量算出部と、
前記第1特徴量と前記第2特徴量との差分を計算する特徴量比較部と、を備える、
請求項2に記載の信頼度評価システム。 - 前記想定系統特徴量算出部は、前記想定系統状態に含まれる前記電力系統において想定される事故の想定事故ケース情報を入力値として、前記想定系統状態における前記電力系統の短絡インピーダンスを前記第1特徴量として算出し、
前記実系統特徴量算出部は、前記電力系統において計測された前記電力系統が供給する電力の状態を入力値として、前記実系統状態における前記電力系統の前記短絡インピーダンスを前記第2特徴量として算出する、
請求項3に記載の信頼度評価システム。 - 前記評価モデル切替部は、前記系統状態比較部により前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、
複数の前記信頼度評価モデルのそれぞれの前記第1特徴量と前記第2特徴量との差分を計算し、前記差分が最小となる前記信頼度評価モデルを次に使用すべき信頼度評価モデルとして選択する、
請求項3に記載の信頼度評価システム。 - 前記複数の信頼度評価モデルは、時間帯毎に用意されており、
前記評価モデル切替部は、使用中の前記信頼度評価モデルに関して前記第1特徴量と前記第2特徴量との差分が予め定められた閾値以下となった場合に、使用中の前記信頼度評価モデルの次の時間帯の前記信頼度評価モデルを次に使用すべき信頼度評価モデルとして選択する、
請求項3に記載の信頼度評価システム。 - 前記予め想定された前記電力系統が供給する電力の状態は、前記電力系統内の電力の需要予測情報と、前記電力系統内の電力供給に関する運用計画情報とを含む、
請求項2から6のうちいずれか1項に記載の信頼度評価システム。 - 前記電力系統において計測された前記電力系統が供給する電力の状態は、電圧、位相、負荷、発電機出力、潮流のうち少なくとも一つを含む、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の信頼度評価システム。 - 再生可能エネルギー電源が接続された電力系統において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価する信頼度評価システムを制御するコンピュータが、
前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価するための信頼度評価モデルを用いて、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を前記供給信頼度の評価指標として取得し、
前記信頼度評価モデルの作成時に想定した前記電力系統が供給する電力の状態に基づいて求められる第1特徴量と、前記電力系統に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定し、
前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、前記信頼度評価モデルを切り替える、
信頼度評価方法。 - 再生可能エネルギー電源が接続された電力系統において、予め類型化された事故が発生したと仮定した場合における、前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価する信頼度評価システムを制御するコンピュータに、
前記電力系統が供給する電力の供給信頼度を評価する信頼度評価モデルを用いて、過負荷余裕、過渡安定度余裕、電圧安定度余裕、周波数安定度余裕のうちの少なくともいずれか1つ以上を前記供給信頼度の評価指標として取得させ、
前記信頼度評価モデルの作成時に想定させた前記電力系統が供給する電力の状態に基づいて求められる第1特徴量と、前記電力系統に基づいて求められる第2特徴量との乖離の大きさが所定値以上であるか否かを判定させ、
前記第1特徴量と前記第2特徴量との前記乖離の大きさが所定値以上であると判定された場合、前記信頼度評価モデルを切り替えさせる、
プログラム。
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