以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
実施形態に係る物品管理システムは、収納ケースを格納する棚が設置されるエリアにおいて、収納ケース及び収納ケース内の物品を管理するシステムである。
物品管理システムは、エリア内を自動で移動する情報収集装置を用いて収納ケースの位置及び収納ケース内の物品を特定する。物品管理システムは、収納ケースの位置及び収納ケース内の物品に基づいて、収納ケース及び収納ケース内の物品が適切に配置されているかをチェックする。
図1は、実施形態に係る物品管理システムの構成例を概略的に示す図である。図1が示すように、物品管理システム1は、情報収集装置10及びサーバ装置20などから構成される。ここでは、図1に対して、左右方向をX軸方向とし、上下方向をY軸方向とする。
図1が示す例では、物品管理システム1は、棚A乃至Fが格納する収納ケース及び収納ケース内の物品を管理する。ここでは、棚A及びBと棚C乃至Fとは、向き合っているものとする。即ち、棚A及びBは、X軸方向において、棚C乃至F方向に向いている。また、棚C乃至Fは、X軸方向において反対方向に向いている。
情報収集装置10は、ルートR上を移動して棚A乃至Fの収納ケース及び収納ケース内の物品を特定するためのセンサデータを収集する。
サーバ装置20は、情報収集装置10を制御して所定のルート(たとえば、ルートR)上を移動させる。サーバ装置20は、所定のルート上を移動する情報収集装置10からのセンサデータに基づいて、収納ケース及び収納ケース内の物品が適切に配置されているかを判定する。
次に、棚A乃至Fについて説明する。ここでは、代表して棚Aについて説明する。
図2は、棚Aの構成例を示す図である。図2が示すように、棚Aは、矩形に形成され、複数の段を有する。ここでは、棚Aは、3つの段を有する。棚Aは、各段に収納ケース30を格納する。図2が示す例では、棚Aは、各段に収納ケース30を5つ格納する。
なお、棚Aの段数及び格納される収納ケース30の個数は、特定の構成に限定されるものではない。
また、棚B乃至Fは、棚Aと同様の構成であってもよいし、他の構成であってもよい。
次に、収納ケース30について説明する。
図3は、収納ケース30の構成例を示す図である。図3が示すように、収納ケース30は、矩形に形成される。ここでは、収納ケース30は、上部を開放した構造を有する。なお、収納ケース30は、密閉された構造であってもよい。収納ケース30は、前面にコード31を備える。
コード31は、光学的に認識可能なコードである。コード31は、固有のID(コードID)をエンコードして得られるコードである。たとえば、コード31は、二次元コード(たとえば、QRコード(登録商標))又はバーコードである。なお、コード31の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、収納ケース30は、物品41乃至44を格納する。
たとえば、物品管理システム1が商品を販売する店舗に設置される場合、物品41乃至44は、商品である。また、物品管理システム1が図書館に設置される場合、物品41乃至44は、本である。物品41乃至44の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
物品41乃至44は、固有のID(RFID(Radio Frequency Identifier)タグコード)を格納するRFIDタグ51乃至54(無線端末)をそれぞれ備える。
RFIDタグ51乃至54は、RFIDタグリーダと無線でデータを送受信する。RFIDタグ51乃至54は、RFIDタグリーダから無線で電力の供給を受け、活性化する。RFIDタグ51乃至54は、RFIDタグリーダからのリクエストに対して、自身が格納するIDを返信する。
次に、情報収集装置10の構成について説明する。
図4は、情報収集装置10の構成例を示す図である。図5は、情報収集装置10の検知範囲2の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報収集装置10は、筐体11、車輪12、制御装置13、支持体14、RFIDタグリーダ15(15a乃至15f)及びカメラ16(16a及び16b)などを有する。
筐体11は、車輪12及び支持体14が取り付けられ、制御装置13を搭載する。車輪12は、筐体11に取り付けられる。車輪12は、後述する移動機構によって回転することにより筐体11を移動させる。筐体11には、車輪12の回転により移動する移動方向を変更する機構を有する。また、筐体11の移動方向を変更する機構は、車輪12に設けてもよいし、車輪12とは別に設けてもよい。
制御装置13は、例えば、RFIDタグリーダ15によるRFIDタグとの通信、RFIDタグから受信するデータの処理、および、上位装置とのデータの送受信などを行う。また、制御装置13は、情報収集装置10の移動を制御する。制御装置13は、例えば、コンピュータなどにより構成される。制御装置13は、1つのコンピュータによって実現されてもよいし、複数のコンピュータによって実現されてもよい。
ここでは、情報収集装置10は、筐体11の移動方向への移動および移動方向の変更などが制御装置13によって制御される自走式の装置であるものとする。ただし、情報収集装置10は、検知範囲2が所定のルートを移動するものであればよく、自走するものに限定されるものではない。例えば、情報収集装置は、人力で移動する台車に搭載した装置であってもよいし、人が手に持って移動できる携帯可能な装置などであってもよい。
支持体14は、筐体11に上部に向って取り付けられる。RFIDタグリーダ15(15a乃至15f)は、支持体14に取り付ける。RFIDタグリーダ15a乃至15fは、支持体14の上端から下端までに所定の間隔で取り付けられる。
RFIDタグリーダ15は、物品に取り付けられたRFIDタグとの無線通信するデバイスである。RFIDタグリーダ15は、RFIDタグからの電波によりRFIDタグの識別情報(ID)を読み取る。各RFIDタグリーダ15は、通信用アンテナと通信制御部とを有する。RFIDタグリーダ15は、通信用アンテナの特性及び通信用アンテナの設置向き等により電波の送受信が行える検知範囲2が設計される。RFIDタグリーダ15は、指向性アンテナを有するものとする。RFIDタグリーダ15は、指向性アンテナなどによりRFIDタグを検知する検知範囲2としての通信範囲が設定される。
図4及び図5に示す例では、各RFIDタグリーダ15a乃至15fは、検知範囲2a乃至2fが情報収集装置10としての検知範囲2を形成するように支持体14に取り付けられる。図5に示す例では、各RFIDタグリーダ15が上下方向に並べて取り付けられる。このため、検知範囲2は、上下方向の範囲が広くなるように形成される。情報収集装置10としての検知範囲2は、各RFIDタグリーダ15a乃至15fの設定位置および設置方向などにより適宜設定可能である。実施形態では、RFIDタグリーダ15による検知範囲2は、図5に示す筐体11の移動方向に対して左側になるように設定されるものとする。
図4が示すように、カメラ16(16a及び16b)は、支持体14に取り付けられる。カメラ16a及び16bは、支持体14の所定の位置に所定の間隔を空けて取り付けられる。
カメラ16は、棚を撮影するデバイスである。カメラ16は、棚を撮影可能な高さに設置される。カメラ16は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)カメラなどである。
図5が示すように、カメラ16は、RFIDタグリーダ15と同一の方向を向いて取り付けられる。即ち、カメラ16は、RFIDタグリーダ15がRFIDタグを検知することができる方向の画像を撮影する。実施形態では、カメラ16は、図5に示す筐体11の移動方向に対して左側を撮影するように支持体14に取り付けられる。
次に、情報収集システムの制御系の構成例について説明する。
図6は、情報収集システムの制御系の構成例を示す図である。
図6に示す構成例において、情報収集装置10は、センサデータなどを処理するデータ処理部として、プロセッサ101、ROM102、RAM103、無線通信インターフェース104、有線通信インターフェース105、記憶装置106、リーダインターフェース107、カメラインターフェース108、入力装置109及び表示装置110などを有する。ここでは、センサデータは、RFIDタグから読み取ったデータ及びカメラ16で撮影された画像データなどである。
プロセッサ101は、例えば、CPUである。プロセッサ101は、ROM102又は記憶装置106が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。
ROM102は、プロセッサ101が実行するプログラムあるいは制御データなどを記憶する。RAM103は、ワーキングメモリとして機能する。
無線通信インターフェース104は、上位装置としてのサーバ装置20と通信するための通信ユニットである。例えば、プロセッサ101は、無線通信インターフェース104を介して、後述する処理によって収集した情報をサーバ装置20へ送信する。また、プロセッサ101は、無線通信インターフェース104を介してサーバ装置20から供給される情報を受信する。
有線通信インターフェース105は、後述する有線通信インターフェース125と通信接続するためのインターフェースである。例えば、プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を介して、情報収集装置10の移動(走行)に関連するデータを取得する。また、プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を介して後述するプロセッサ121へ移動要求などを送るようにしてもよい。なお、有線通信インターフェース105は、プロセッサ121と通信接続できるインターフェースであればよく、無線通信によりプロセッサ121と無線通信するインターフェースであってもよい。
記憶装置106は、書換え可能な不揮発性のメモリである。記憶装置106は、例えば、SSD(ソリッドステートドライブ)、または、HDD(ハードディスクドライブ)などで構成する。記憶装置106は、プロセッサ101が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。例えば、記憶装置106は、後述する各処理を実行するためのプログラム及びデータを格納するようにしてもよい。また、記憶装置106は、後述する処理によって収集したデータなどを格納する。
リーダインターフェース107は、RFIDタグリーダ15を通信接続するためのインターフェースである。リーダインターフェース107は、ケーブルによって各RFIDタグリーダ15に接続するものであってもよいし、近距離無線通信などにより各RFIDタグリーダ15に通信接続するものであってもよい。
カメラインターフェース108は、カメラ16を通信接続するためのインターフェースである。カメラインターフェース108は、ケーブルによって各カメラ16に接続するものであってもよいし、近距離無線通信などにより各カメラ16に通信接続するものであってもよい。
なお、リーダインターフェース107及びカメラインターフェース108は、USB接続をサポートするものであってもよい。また、リーダインターフェース107及びカメラインターフェース108は、Bluetooth(登録商標)接続をサポートするものであってもよい。
入力装置109は、操作指示などを入力するための操作装置である。表示装置110は、情報を表示するためのディスプレイである。例えば、入力装置109と表示装置110とは、タッチパネル付きの表示装置により構成してもよい。なお、情報収集装置10に対する直接的な操作指示が不要であれば、入力装置109は、省略してもよい。また、情報収集装置10における情報の表示が不要であれば、表示装置110は、省略してもよい。
また、図6に示す構成例において、情報収集装置10は、移動を制御する移動制御部として、プロセッサ121、ROM122、RAM123、無線通信インターフェース124、有線通信インターフェース125、記憶装置126、移動機構127、エンコーダ128、IMU129、LRF130、距離センサ131及び接触センサ132などを有する。
プロセッサ121は、例えば、CPUである。プロセッサ121は、ROM122又は記憶装置126が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。
ROM122は、プロセッサ121が実行するプログラムあるいは制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。RAM123は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。
無線通信インターフェース124は、上位装置としてのサーバ装置20と通信するための通信ユニットである。例えば、プロセッサ121は、無線通信インターフェース124を介して、移動(走行)状況を示すデータおよび各種のセンサが検知した情報などをサーバ装置20へ送信する。また、プロセッサ121は、無線通信インターフェース104を介してサーバ装置20から供給される情報を受信する。
有線通信インターフェース125は、有線通信インターフェース105と通信するためのインターフェースである。例えば、プロセッサ121は、有線通信インターフェース125を介してプロセッサ101へ移動状況を示すデータおよび各種のセンサが検知する情報などを送信する。また、プロセッサ121は、有線通信インターフェース125を介して、プロセッサ101からの移動指示などの情報を取得するようにしてもよい。なお、有線通信インターフェース125は、プロセッサ101と通信接続できるインターフェースであればよく、無線通信によりプロセッサ101と無線通信するインターフェースであってもよい。
記憶装置126は、書換え可能な不揮発性のメモリである。記憶装置126は、例えば、SSD、または、HDDなどで構成する。記憶装置126は、移動状況を示すデータおよび各種のセンサが検知する情報などを格納する。また、記憶装置126は、プロセッサ101が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶してもよい。例えば、記憶装置126は、後述する移動制御を実現するためのプログラム及びデータを格納するようにしてもよい。
移動機構127は、筐体11を移動させるための機構である。移動機構127は、車輪12を回転させる駆動力を発生させるモータ等を有する。また、移動機構127は、筐体11の移動方向を変更する機構を有する。移動機構127は、プロセッサ121からの指示に応じた移動及び移動方向の変更などを行う。
エンコーダ128は、車輪12の回転量を測定する。IMU129は、慣性計測装置(Inertial Measurement Unit)である。IMU129は、例えば、3軸の角度または角速度と加速度とを検出する。LRF130は、レーザ距離計(Laser Range Finder)である。LRF130は、レーザを用いて距離を測定する距離計である。3D距離センサ131は、3次元での距離情報を測定するセンサである。接触センサ132は、接触したものを検知するセンサである。
エンコーダ128、IMU129、LRF130、3D距離センサ131及び接触センサ132は、移動に関連する各種の情報(移動状況を示す情報)を取得するためのセンサである。エンコーダ128、IMU129、LRF130、3D距離センサ131及び接触センサ132は、測定(検知)した情報をプロセッサ121へ供給する。プロセッサ121は、エンコーダ128、IMU129、LRF130、3D距離センサ131及び接触センサ132から取得する情報に基づいて筐体11の移動制御等を行う。例えば、自律走行に先立って走行場所のLRF130から見た地図を作成する場合、LRF130は、距離測定情報、エンコーダ128は、測定する車輪12の回転量を示す情報、IMU129は回転角度情報をプロセッサ121へ通知する。プロセッサ121はこれらの情報に基づきSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を行うことにより、正確な地図を得る。以降、自律走行時は、LRF130は距離測定情報、エンコーダ128は測定する車輪12の回転量を示す情報、IMU129は回転角度情報をプロセッサ121へ通知する。プロセッサ121は、LRF130は、距離測定情報と地図とのマッチングを行い、エンコーダ128とIMU129による補正された移動距離情報により正確な筐体の現在位置又は姿勢(方向)を逐次把握することが出来る。
次に、サーバ装置20の構成例について説明する。
図7は、サーバ装置20の構成例を示すブロック図である。
図7に示す構成例において、サーバ装置20は、プロセッサ141、ROM142、RAM143、無線通信インターフェース144、記憶装置145、入力装置146及び表示装置147などを有する。
プロセッサ141は、例えば、CPUである。プロセッサ141は、ROM142又は記憶装置145が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。
ROM142は、プロセッサ141が実行するプログラムあるいは制御データなどを記憶する。RAM143は、ワーキングメモリとして機能する。
無線通信インターフェース144は、無線通信するためのインターフェースである。無線通信インターフェース144は、情報収集装置10と通信するためのインターフェースである。無線通信インターフェース144は、無線通信インターフェース104及び無線通信インターフェース124を通信する。例えば、プロセッサ141は、無線通信インターフェース144を介して、情報収集装置10が収集した情報を受信する。また、プロセッサ141は、無線通信インターフェース144を介して、情報収集装置10の移動状況を示すデータおよび各センサが検知する情報などを受信する。また、プロセッサ141は、無線通信インターフェース144を介して、情報収集装置10へ動作指示などの情報を供給するようにしてもよい。
記憶装置145(記憶部)は、書換え可能な不揮発性のメモリである。記憶装置145は、例えば、SSD、HDDなどで構成する。記憶装置145は、情報収集装置10から収集したデータなどを格納する。また、記憶装置145は、後述する処理によって得られる情報などを格納する。また、記憶装置145は、プロセッサ141が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶してもよい。
記憶装置145は、棚情報テーブル、収納ケース情報テーブル、コード情報テーブル及び物品テーブルを格納する。棚情報テーブル、収納ケース情報テーブル、コード情報テーブル及び物品テーブルについては、後述する。
入力装置146は、操作指示などを入力するための操作装置である。表示装置147は、情報を表示するためのディスプレイである。例えば、入力装置146と表示装置147とは、タッチパネル付きの表示装置により構成してもよい。
また、サーバ装置20には、情報を紙などの媒体に印刷するためのプリンタを接続するためのインターフェースを具備するようにしてもよい。また、入力装置146および表示装置147は運用形態に応じて省略してもよい。また、サーバ装置20は、複数であってもよい。
次に、棚情報テーブルについて説明する。
棚情報テーブルは、各棚の位置、向き及びサイズを格納する。
図8は、棚情報テーブルの構成例を示す。図8が示すように、棚情報テーブルは、「棚番号」、「基準点座標、姿勢」及び「サイズ」を対応付けて格納する。
「棚番号」は、棚を特定する番号である。ここでは、棚A乃至棚Fは、「棚番号」として「1」乃至「6」をそれぞれ割り当てられているものとする。
図9は、「基準点座標、姿勢」及び「サイズ」を説明するための図である。
「基準点座標、姿勢」は、「基準点座標」及び「姿勢」から構成される。
「基準点座標」は、棚の位置を示す基準点の座標である。図9が示すように、基準点は、棚の底部に設定される。基準点は、棚が開放する面の下底の中心に設定される。「基準点座標」は、棚A乃至Fが設置されるエリアにおいて(グローバルな座標系において)基準点の位置を示す座標である。
「姿勢」は、棚の向きを示す。「姿勢」は、棚に格納される収納ケース30を見込む方向を示す。ここでは、「姿勢」は、所定の基準線との角度を示す。
「基準点座標、姿勢」は、基準点のX座標(たとえば、メートル)、基準点のY座標(たとえば、メートル)及び棚の向きの角度(たとえば、度)から構成される。
「サイズ」は、棚の外寸を示す。「サイズ」は、幅(W)、高さ(h)及び奥行き(D)(たとえば、メートル)から構成される。
次に、収納ケース情報テーブルについて説明する。
収納ケース情報テーブルは、各収納ケース30の位置、コード31の位置及び収納ケース30のサイズを示す。
図10は、収納ケース情報テーブルの構成例を示す。図10が示すように、収納ケース情報テーブルは、「ケース番号」、「棚番号」「収納ケースオフセット」、「コードオフセット」及び「サイズ」を対応付けて格納する。
「ケース番号」は、収納ケース30を特定する番号である。
「棚番号」は、対応する「ケース番号」の収納ケース30が格納される棚を示す番号である。
図11は、「収納ケースオフセット」を説明するための図である。
「収納ケースオフセット」は、収納ケース30の位置を示すオフセットである。「収納ケースオフセット」は、棚の基準点から収納ケース30の基準点までの差分の座標である。図11では、ベクトル201は、「収納ケースオフセット」を示す。ベクトル201は、棚の基準点から収納ケース30の基準点までのベクトルである。収納ケース30の基準点は、収納ケース30の前面の下底の中心部に設定される。
「収納ケースオフセット」は、X座標、Y座標及びZ座標(たとえば、メートル)から構成される。「収納ケースオフセット」は、棚の基準点を原点とする座標系で示される。
図12は、「コードオフセット」及び「サイズ」を説明するための図である。
「コードオフセット」は、コード31の位置を示すオフセットである。「コードオフセット」は、収納ケース30の基準点からコード31の基準点までの差分の座標である。図12では、ベクトル202は、「コードオフセット」を示す。ベクトル202は、収納ケース30の基準点からコード31の基準点までのベクトルである。コード31の基準点は、コード31の中心部に設定される。
「サイズ」は、収納ケース30の外寸を示す。「サイズ」は、幅(W)、高さ(h)及び奥行き(D)(たとえば、メートル)から構成される。
次に、コード情報テーブルについて説明する。
コード情報テーブルは、コード31が添付される収納ケース30に関する情報を示す。
図13は、コード情報テーブルの構成例を示す。図13が示すように、「コードID」、「ケース番号」及び「収納ケース属性」を対応付けて格納する。
「コードID」は、コード31をデコードして得られるIDである。
「ケース番号」は、対応する「コードID」のコード31が添付される収納ケース30を特定する番号である。
「収納ケース属性」は、収納ケース30の内容に関する情報である。ここでは、「収納ケース属性」は、「収納ケース属性#1」乃至「収納ケース属性#n」から構成される。
「収納ケース属性#1」は、収納ケース30に格納される資料の名称を示す。
たとえば、「収納ケース属性」は、格納日時又は保管期限などを示すものであってもよい。「収納ケース属性」の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
次に、物品テーブルについて説明する。
物品テーブル(物品情報)は、所定の棚の収納ケースに収納された物品に関する情報を示す。
図14は、物品テーブルの構成例を示す。図14が示すように、物品テーブルは、「RFIDタグコード」、「物品ID」、「物品属性#1」、「物品属性#2」、「在庫定数」、「前回棚卸在庫数」、「前回棚卸時刻」、「最新棚卸在庫数」、「最新棚卸時刻」及び「物品属性#3」乃至「物品属性#n」などを対応付けて格納する。
「RFIDタグコード」は、RFIDタグから読み取るIDを示す。
「物品ID」は、対応する「RFIDタグコード」のRFIDタグが添付された物品を特定するIDである。
「物品属性#1」は、物品の名称を示す。
「物品属性#2」は、物品が格納される収納ケース30のケース番号を示す。
「在庫定数」は、物品が存在する個数を示す。ここでは、1つの物品に対して1つのRFIDタグが添付されているため、「在庫定数」は、「1」である。
「前回棚卸在庫数」は、前回の棚卸作業によって確定した物品の個数である。
「前回棚卸時刻」は、前回の棚卸作業が行われた日時である。
「最新棚卸在庫数」は、これから行われる棚卸作業によって確定する物品の個数である。
「最新棚卸時刻」は、当該棚卸作業が行われる行日時である。
「物品属性#3」乃至「物品属性#n」は、物品に関する他の情報を示す。
記憶装置145は、物品テーブルは、施設ごとに物品テーブルを格納する。
次に、情報収集装置10が実現する機能について説明する。
まず、情報収集装置10のプロセッサ121が実現する機能について説明する。プロセッサ121は、記憶装置126などに格納されるプログラムを実行すること以下の機能を実現する。
プロセッサ121は、サーバ装置20からの制御に従って所定のルートで情報収集装置10を移動させる機能を有する。
たとえば、プロセッサ121は、無線通信インターフェース124を通じて、情報収集装置10の移動経路を示す経路情報をサーバ装置20から受信する。
経路情報は、棚からのセンサデータの取得を開始する座標(棚開始点)及び棚からのセンサデータの取得を終了する座標(棚終了点)を示す。経路情報は、複数の棚について棚開始点及び棚終了点を備えてもよい。経路情報は、複数の棚について棚開始点及び棚終了点を備える場合、情報収集装置10が巡回する棚の順序をさらに示すものであってもよい。
図15は、経路情報の例を説明するための図である。
ここでは、情報収集装置10は、棚A乃至棚Fのからセンサデータを取得するものとする。
図15が示す例では、経路情報は、棚A乃至棚Fの棚開始点及び棚終了点を示す。図15が示すように、経路情報は、棚Aの棚開始点としてF−WP1を示す。また、経路情報は、棚Aの棚終了点としてF−WP2を示す。
経路情報は、棚Bの棚開始点及び棚終了点としてF−WP3及びF−WP4を示す。経路情報は、棚Cの棚開始点及び棚終了点としてF−WP5及びF−WP6を示す。経路情報は、棚Dの棚開始点及び棚終了点としてF−WP6及びF−WP7を示す。経路情報は、棚Eの棚開始点及び棚終了点としてF−WP7及びF−WP8を示す。経路情報は、棚Fの棚開始点及び棚終了点としてF−WP8及びF−WP9を示す。
まず、プロセッサ121は、情報収集装置10の位置を取得する。たとえば、プロセッサ121は、距離測定情報とSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)で得た地図とのマッチングにより情報収集装置10の位置を取得してもよいし、ビーコン信号などに基づいて情報収集装置10の位置を取得してもよい。
情報収集装置10の位置を取得すると、プロセッサ121は、移動機構127などを用いて、所定の棚についての棚開始点に情報収集装置10を移動させる。棚開始点に情報収集装置10を移動させると、プロセッサ121は、有線通信インターフェース125を通じて、棚開始点に移動したことを示す信号をプロセッサ101に送信する。
当該信号を送信すると、プロセッサ121は、移動機構127などを用いて、所定の速度で棚終了点に情報収集装置10を移動させる。棚終了点に情報収集装置10を移動させると、プロセッサ121は、有線通信インターフェース125を通じて、棚終了点に移動したことを示す信号をプロセッサ101に送信する。
当該信号を送信すると、プロセッサ121は、他の棚についての棚開始点に情報収集装置10を移動させる。プロセッサ121は、上記の通り各棚の棚開始点及び棚終了点に情報収集装置10を移動させる。
最後の棚についての棚終了点に情報収集装置10を移動させると、プロセッサ121は、所定の終了位置に情報収集装置10を移動させる。
次に、情報収集装置10のプロセッサ101が実現する機能について説明する。プロセッサ101は、記憶装置106などに格納されるプログラムを実行すること以下の機能を実現する。
まず、プロセッサ101は、棚の画像を撮影する機能を有する。
プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を通じて、棚開始点に移動したことを示す信号を受信したか判定する。当該信号を受信したと判定すると、プロセッサ101は、カメラ16を用いて、棚を撮影する。即ち、プロセッサ101は、カメラ16を用いて棚が格納する収納ケース30を撮影する。
プロセッサ101は、棚終了点に到達するまで撮影を継続する。たとえば、プロセッサ101は、所定の間隔(たとえば、移動距離が10cmもしくは移動時間が1秒)で棚を撮影する。プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を通じて棚終了点に移動したことを示す信号を受信すると、撮影を終了する。
撮影を終了すると、プロセッサ101は、無線通信インターフェース104を通じて、撮影した画像をサーバ装置20へ送信する。
ここでは、プロセッサ101は、撮影した画像に関する撮影画像テーブルを生成する。
図16は、撮影画像テーブルの構成例を示す。図16が示すように、撮影画像テーブルは、「センシング経路」、「センシング対象棚」、「タイムスタンプ」、「カメラ番号」、「カメラ座標」及び「撮影画像ID」などを対応付けて格納する。
「センシング経路」は、情報収集装置10が移動する経路を特定する番号である。
「センシング対象棚」は、画像を撮影した棚を特定する番号である。
「タイムスタンプ」は、画像を撮影した日時を示す。ここでは、「タイムスタンプ」は、年月日及び時刻を示す。
「カメラ番号」は、画像を撮影したカメラ16を特定する番号である。たとえば、「1」は、カメラ16aを示す。また、「2」は、カメラ16bを示す。
「カメラ座標」は、画像を撮影したカメラ16の撮影位置及び角度を示す。即ち、「カメラ座標」は、情報収集装置10の位置(X座標、Y座標)、カメラ16が設置される高さ(Z座標)及びカメラ16の向き(度)から構成される。
「撮影画像ID」は、画像を特定するIDである。たとえば、「撮影画像ID」は、撮影画像のファイル名である。
プロセッサ101は、棚終了点に移動したことを示す信号を受信すると、撮影画像及び撮影画像テーブルをサーバ装置20に送信してもよい。また、プロセッサ101は、サーバ装置20からのリクエストに応じて撮影画像及び撮影画像テーブルをサーバ装置20に送信してもよい。
また、プロセッサ101は、物品に添付されるRFIDタグからRFIDタグコードを読み取る機能を有する。
プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を通じて、棚開始点に移動したことを示す信号を受信したか判定する。当該信号を受信したと判定すると、プロセッサ101は、RFIDタグリーダ15を通じて、棚の収納ケース30に格納される物品のRFIDタグからRFIDタグコードを取得する。
たとえば、RFIDタグリーダ15は、RFIDタグにRFIDタグコードを取得するためのリクエストを送信する。RFIDタグは、当該リクエストに対するレスポンスとしてRFIDタグコードをRFIDタグリーダ15に送信する。RFIDタグリーダ15は、レスポンスとしてRFIDタグコードを受信する。RFIDタグリーダ15は、受信したRFIDタグコードをプロセッサ101に送信する。
プロセッサ101は、棚終了点に到達するまでRFIDタグコードの取得を継続する。たとえば、プロセッサ101は、所定の間隔(たとえば、移動距離が10cmもしくは移動時間が1秒)でRFIDタグコードを取得する。プロセッサ101は、有線通信インターフェース105を通じて棚終了点に移動したことを示す信号を受信すると、RFIDタグコードの取得を終了する。
RFIDタグコードの取得を終了すると、プロセッサ101は、無線通信インターフェース104を通じて、取得したRFIDタグコードを含む読取タグテーブルをサーバ装置20へ送信する。
図17は、読取タグテーブルの構成例を示す。図17が示すように、読取タグテーブルは、「センシング経路」、「センシング対象棚」、「タイムスタンプ」、「リーダ番号」、「アンテナ座標」及び「RFIDタグコード」などを対応付けて格納する。
「センシング経路」は、情報収集装置10が移動する経路を特定する番号である。
「センシング対象棚」は、RFIDタグコードを取得した物品の収納ケース30を格納する棚を特定する番号である。
「タイムスタンプ」は、RFIDタグコードを取得した日時を示す。ここでは、「タイムスタンプ」は、年月日及び時刻を示す。
「リーダ番号」は、RFIDタグコードを取得したRFIDタグリーダ15を特定する番号である。たとえば、「1」は、RFIDタグリーダ15aを示す。
「アンテナ座標」は、RFIDタグコードを取得したRFIDタグリーダ15のアンテナの位置及び角度を示す。即ち、「アンテナ座標」は、情報収集装置10の位置(X座標、Y座標)、アンテナが設置される高さ(Z座標)及びアンテナの向き(度)から構成される。
「RFIDタグコード」は、取得されたRFIDタグコードを示す。
プロセッサ101は、棚終了点に移動したことを示す信号を受信すると、取得タグテーブルをサーバ装置20に送信してもよい。また、プロセッサ101は、サーバ装置20からのリクエストに応じて取得タグテーブルをサーバ装置20に送信してもよい。
次に、サーバ装置20のプロセッサ141が実現する機能について説明する。プロセッサ141は、記憶装置145などに格納されるプログラムを実行すること以下の機能を実現する。
まず、プロセッサ141は、無線通信インターフェース144を通じて経路情報を情報収集装置10に送信する機能を有する。
たとえば、プロセッサ141は、入力装置146を通じて、センサデータを取得する棚の入力を受け付ける。棚の入力を受け付けると、プロセッサ141は、当該棚の棚開始点及び棚終了点を含む経路情報を生成する。なお、プロセッサ141は、入力装置146を通じて、棚の棚開始点及び棚終了点の入力を受け付けてもよい。
経路情報を生成すると、プロセッサ141は、無線通信インターフェース144を通じて、生成した経路情報を情報収集装置10に送信する。
また、プロセッサ141は、情報収集装置10からの撮影画像及び撮影画像テーブルなどに基づいて、棚の基準点からコード31の位置までのオフセットを算出する機能を有する。
プロセッサ141は、撮影画像から棚全体の画像(全体画像)を取得する。たとえば、プロセッサ141は、種々の画像処理の手法を用いて、複数の撮影画像から全体画像を取得する。なお、棚全体が写る撮影画像がない場合には、プロセッサ141は、いくつかの撮影画像を統合して全体画像を生成してもよい。
図18は、全体画像の例を示す。図18が示す例では、情報収集装置10は、棚Aを撮影したものとする。図18が示すように、全体画像は、棚Aの全体が写る。即ち、全体画像は、棚Aに格納される各収納ケース30が写る。
全体画像を取得すると、プロセッサ141は、全体画像におけるコード31の位置を特定する。たとえば、プロセッサ141は、ラスタスキャンなどを行い全体画像における各コード31の位置を特定する。
図19は、全体画像からコード31を抜き出した画像である。図19が示すように、プロセッサ141は、全体画像において各コード31を抽出し、各コードの位置を特定する。
全体画像におけるコード31の位置を特定すると、プロセッサ141は、全体画像における棚Aの基準点から全体画像の撮影位置までのオフセット(基準オフセット)を算出する。
図20は、プロセッサ141が基準オフセットを算出する動作を説明するための図である。図20が示すように、プロセッサ141は、全体画像を撮影したカメラ16の撮影位置と全体画像における棚Aの基準点の座標とに基づいて基準オフセットを算出する。
基準オフセットを算出すると、プロセッサ141は、基準オフセットに基づいて、棚の基準点から各コード31の中心部までのオフセットを算出する。即ち、プロセッサ141は、オフセットとして、棚の基準点を原点とした座標系における各コード31の位置を特定する。
各コード31のオフセットを算出すると、プロセッサ141は、各コード31に関する読取コードテーブルを生成する。
図21は、読取コードテーブルの構成例を示す。図21が示すように、読取コードテーブルは、「コードID」、「中心座標(全体画像の座標系)」及び「中心座標(オフセット)」などを対応付けて格納する。
「コードID」は、コード31をデコードして得られたIDである。
「中心座標(全体画像の座標系)」は、全体画像において、対応する「コードID」のコード31の中心部の座標を示す。ここでは、「中心座標(全体画像の座標系)」は、全体画像におけるピクセルで座標を示す。
「中心座標(オフセット)」は、基準点から、対応する「コードID」のコード31の中心部までのオフセットを示す。「中心座標(オフセット)」は、メートルで座標を示す。
また、プロセッサ141は、情報収集装置10からの読取タグテーブルなどに基づいて、物品テーブルを更新する機能を有する。
プロセッサ141は、所定の棚に関して、読取タグテーブルから情報収集装置10が読み取ったRFIDタグコードを取得する。また、プロセッサ141は、当該棚の物品テーブルを取得する。
プロセッサ141は、物品テーブルの各「RFIDタグコード」と一致するRFIDタグコードが読取タグテーブルにあるか判定する。
物品テーブルのRFIDタグコードと一致するRFIDタグコードが読取タグテーブルにあると、プロセッサ141は、物品テーブルの当該RFIDタグコードの「最新棚卸在庫数」に「1」を格納する。
また、プロセッサ141は、物品テーブルのRFIDタグコードと一致するRFIDタグコードが読取タグテーブルにない場合、物品テーブルの当該RFIDタグコードの「最新棚卸在庫数」に「0」を格納する。
また、プロセッサ141は、物品テーブルの各「最新棚卸時刻」に現在の時刻を格納する。
図22は、プロセッサ141が棚卸を完了した後の物品テーブルの例を示す。図22が示すように、「物品テーブル」の各「最新棚卸在庫数」は、「1」又は「0」を格納する。また、「物品テーブル」の各「最新棚卸時刻」は、棚卸を行った時刻を格納する。
また、プロセッサ141は、収納ケース情報テーブル、コード情報テーブル及び読取コードテーブルに基づいて収納ケース30の配置に関するエラーを特定する機能を有する。
プロセッサ141は、収納ケース30が収納ケース情報テーブルにおいて示される位置に配置されているか判定する。
プロセッサ141は、収納ケース情報テーブル及びコード情報テーブルに基づいて、コード情報テーブルの「コードID」と収納ケース情報テーブルの「コードオフセット」とを紐付ける。即ち、プロセッサ141は、コードIDと当該コードIDの位置とを紐付ける。
プロセッサ141は、読取コードテーブルに基づいて、各コード31の位置が適切であるかを判定する。たとえば、プロセッサ141は、「コードID」に紐付く「コードオフセット」と読取コードテーブルの「中心座標(オフセット)」とが一致するか判定する。なお、プロセッサ141は、両者の差(たとえば、両者の距離)が所定の閾値以下であれば、両者が一致すると判定してもよい。
両者が一致しない場合、プロセッサ141は、収納ケース30の配置に関するエラーとして、当該「コードID」のコード31が添付された収納ケース30が適切な位置に配置されていない(ケース誤配置)と判定する。また、プロセッサ141は、読取コードテーブルの「コードID」がコード情報テーブルにない場合にも、エラーとして、ケース誤配置と判定する。
また、プロセッサ141は、コード情報テーブルの「コードID」が読取コードテーブルにない場合、エラーとして、当該「コードID」のコード31が添付された収納ケース30が欠損している(ケース欠損)と判定する。
また、プロセッサ141は、物品テーブルに基づいて、物品に関するエラーと特定する機能を有する。
プロセッサ141は、収納ケース30が物品テーブルにおいて前記収納ケース30に対応付けられたRFIDタグコードのRFIDタグが添付されている物品を収納しているか判定する。
プロセッサ141は、物品テーブルにおいて、「在庫定数」より「最新棚卸在庫数」が下回る物品が欠品している(物品欠品)と判定する。
また、プロセッサ141は、収納ケースの配置に関するエラー及び物品に関するエラーを示すエラーテーブルを生成する機能を有する。
図23は、エラーテーブルの構成例を示す。図23が示すように、エラーテーブルは、「特定情報」及び「差異情報」を含む。
「特定情報」は、エラーが生じた物品又は収納ケース30を特定する情報である。「特定情報」は、「棚」、「段」、「位置」、「収納ケース」及び「物品ID」から構成される。
「棚」は、棚を特定する番号である。
「段」は、エラーが生じた収納ケース30又はエラーが生じた物品を格納する収納ケース30が配置される段数である。
「位置」は、エラーが生じた収納ケース30又はエラーが生じた物品を格納する収納ケース30が配置される順序である。ここでは、「位置」は、段において左から配置される順序である。
「収納ケース」は、エラーが生じた収納ケース30又はエラーが生じた物品を格納する収納ケース30を特定する番号である。
「物品ID」は、エラーが生じた物品を特定するIDである。
「差異情報」は、収納ケース情報テーブル及び物品テーブルなどが示す収納ケース及び物品の配置と実際の配置との差異を示す。即ち、「差異情報」は、収納ケースの配置に関するエラー及び物品に関するエラーを示す。
「差異情報」は、「エラー内容」及び「物品属性#1」から構成される。
「エラー内容」は、プロセッサ141が特定したエラーの内容を示す。たとえば、「エラー内容」は、「物品欠品」、「ケース誤配置」又は「ケース欠損」などである。
「物品属性#1」は、エラーが生じた物品の物品属性#1である。
また、プロセッサ141は、収納ケースの配置に関するエラー及び物品に関するエラーを表示装置147に表示する機能を有する。
たとえば、プロセッサ141は、エラーを示す画像(エラー表示画面)を表示装置147に表示する。
図24は、エラー表示画面の例を示す。図24が示すように、エラー表示画面は、現実に配置された収納ケース30を模式的に表示する。
エラー表示画面は、表示領域301、表示領域302、枠303、表示領域304及び表示領域305などを表示する。
表示領域301は、当該棚におけるエラーの概要などを表示する。たとえば、表示領域301は、棚番号、日時、物品総数、物品定数、物品欠品、ケース欠損及びケース誤配置などを表示する。
日時は、棚卸を行った日時を示す。
物品総数は、当該棚に現実に配置された物品の総数である。
物品定数は、当該棚の収納ケース30に格納されているべき物品の総数である。
物品欠品は、欠品した物品の個数である。
ケース欠損は、欠損している収納ケース30の個数である。
ケース誤配置は、誤配置されている収納ケース30の個数である。
表示領域302は、収納ケース30ごとのエラーの詳細を表示する。たとえば、表示領域302は、欠品している物品の物品ID及び物品属性などを表示する。
枠303は、収納ケース30又は収納ケース30が格納する物品にエラーが生じていることを示す。ここでは、枠303は、実線である場合には、エラーが生じていないことを示す。また、枠303は、破線である場合には、エラーが生じていることを示す。
表示領域304は、収納ケース30が格納する物品に生じたエラーを示す。ここでは、表示領域304は、斜線のボックス及び白地のボックスによってエラーを示す。表示領域304は、4つの斜線のボックスを備える場合、エラーが生じていないことを示す。表示領域304は、2つの斜線のボックス及び2つの白地のボックスを備える場合、当該収納ケース30に格納される物品の一部が欠品していることを示す。
表示領域305は、エラーの内容をテキストで示す。たとえば、表示領域305は、物品が欠品していることを示す「欠品」、当該収納ケース30が誤配置されていることを示す「誤配置」又は当該収納ケース30が欠損していることを示す「欠損」などを表示する。
図25は、エラー表示画面の他の例である。図25が示すエラー表示画面は、収納ケース30ごとにエラーを示す。
図25が示すように、エラー表示画面は、枠401及び表示領域402乃至405などを備える。
枠401は、色によってエラーの内容を示す。たとえば、枠401は、青である場合、エラーが生じていないことを示す。また、枠401は、赤である場合、エラーが生じていることを示す。
表示領域402は、収納ケース30に格納される物品の比率を示す。表示領域402は、斜線のボックスで収納される物品の比率を示す。即ち、表示領域402は、収納される物品と欠品している物品の比率に従って、斜線のボックスと白地のボックスとを表示する。
表示領域403は、収納ケース30が配置される位置を示す。たとえば、表示領域403は、収納ケース30が配置される棚、段及び順序などを示す。
表示領域404は、収納ケース属性を表示する。
なお、エラー表示画面の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、プロセッサ141は、読取タグデータに基づいて、収納ケース情報テーブルを更新する機能を有する。
プロセッサ141は、読取タグデータの「中心座標(オフセット)」を、収納ケース情報テーブルにおいて同一の「コードID」に対応する「コードオフセット」に上書きする。
次に、物品管理システム1の動作例について説明する。
まず、物品管理システム1が棚卸を行う動作例について説明する。
図26は、物品管理システム1が棚卸を行う場合、情報収集装置10の動作例について説明するためのフローチャートである。ここでは、情報収集装置10のプロセッサ121は、経路情報を受信したものとする。
まず、プロセッサ121は、情報収集装置10の位置を取得する(ACT11)。位置を取得すると、プロセッサ121は、情報収集装置10を所定の棚の棚開始点に移動させる(ACT12)。なお、プロセッサ121は、棚の棚終了点に向けて情報収集装置10を移動させる。
プロセッサ121が情報収集装置10を棚開始点に移動させると、プロセッサ101は、RFIDタグリーダ15を通じてRFIDタグからRFIDタグコードを読み取る(ACT13)。
RFIDタグコードを読み取ると、プロセッサ101は、カメラ16を用いて棚を撮影する(ACT14)。プロセッサ101が棚を撮影すると、プロセッサ121は、棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させたか判定する(ACT15)。
プロセッサ121が棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させていないと判定すると(ACT15、NO)、情報収集装置10は、ACT13に戻る。
プロセッサ121が棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させたと判定すると(ACT15、YES)、プロセッサ101は、無線通信インターフェース124を通じて、読取タグテーブル、撮影画像及び撮影画像テーブルなどのセンサデータをサーバ装置20へ送信する(ACT16)。
プロセッサ101がセンサデータをサーバ装置20へ送信すると、プロセッサ121は、経路情報を参照して他に棚があるか判定する(ACT17)。プロセッサ121が、他に棚があると判定すると(ACT17、YES)、情報収集装置10は、ACT12に戻る。
他に棚がないと判定すると(ACT17、NO)、プロセッサ121は、所定の終了位置に情報収集装置10を移動させる(ACT18)。プロセッサ121が所定の終了位置に情報収集装置10を移動させると、情報収集装置10は、動作を終了する。
次に、サーバ装置20の動作例について説明する。
図27は、物品管理システム1が棚卸を行う場合、サーバ装置20の動作例について説明するためのフローチャートである。
サーバ装置20のプロセッサ141は、無線通信インターフェース144を通じてセンサデータを情報収集装置10から受信する(ACT21)。センサデータを受信すると、プロセッサ141は、撮影画像から各コード31の位置を特定する(ACT22)。各コード31の位置を特定すると、プロセッサ141は、特定した位置などに基づいて読取コードテーブルを生成する(ACT23)。
読取コードテーブルを生成すると、プロセッサ141は、読取タグテーブルからRFIDタグコードを取得する(ACT24)。RFIDタグコードを取得すると、プロセッサ141は、RFIDタグコードに基づいて物品テーブルを更新する(ACT25)。
物品テーブルを更新すると、プロセッサ141は、他に棚があるか判定する(ACT26)。他に棚があると判定すると(ACT26、YES)、プロセッサ141は、ACT21に戻る。
他に棚がないと判定すると(ACT26、NO)、プロセッサ141は、動作を終了する。
次に、情報収集装置10がエラーを表示する動作例について説明する。
図28は、情報収集装置10がエラーを表示する動作例について説明するためのフローチャートである。
まず、情報収集装置10のプロセッサ141は、エラーを表示する棚の選択を受け付ける(ACT31)。棚の選択を受け付けると、プロセッサ141は、収納ケース情報テーブル、コード情報テーブル及び読取コードテーブルに基づいて、収納ケース30に関するエラーを特定する(ACT32)。
収納ケース30に関するエラーを特定すると、プロセッサ141は、物品テーブルに基づいて、物品に関するエラーを特定する(ACT33)。物品の関するエラーを特定すると、プロセッサ141は、収納ケース30に関するエラー及び物品の関するエラーを表示装置147に表示する(ACT34)。
エラーを表示すると、プロセッサ141は、表示動作を終了するか判定する(ACT35)。たとえば、プロセッサ141は、表示動作を終了する操作の入力を受け付けたか判定する。
表示動作を終了しないと判定すると(ACT35、NO)、プロセッサ141は、ACT31に戻る。
表示動作を終了すると判定すると(ACT35、YES)、プロセッサ141は、動作を終了する。
次に、物品管理システム1が収納ケース情報テーブルを更新する動作例について説明する。
図29は、物品管理システム1が収納ケース情報テーブルを更新する場合、情報収集装置10の動作例について説明するためのフローチャートである。ここでは、情報収集装置10のプロセッサ121は、経路情報を受信したものとする。
まず、プロセッサ121は、情報収集装置10の位置を取得する(ACT41)。位置を取得すると、プロセッサ121は、情報収集装置10を所定の棚の棚開始点に移動させる(ACT42)。なお、プロセッサ121は、棚の棚終了点に向けて情報収集装置10を移動させる。
プロセッサ121が情報収集装置10を棚開始点に移動させると、プロセッサ101は、カメラ16を用いて棚を撮影する(ACT43)。プロセッサ101が棚を撮影すると、プロセッサ121は、棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させたか判定する(ACT44)。
プロセッサ121が棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させていないと判定すると(ACT44、NO)、情報収集装置10は、ACT43に戻る。
プロセッサ121が棚の棚終了点まで情報収集装置10を移動させたと判定すると(ACT44、YES)、プロセッサ101は、無線通信インターフェース124を通じて、撮影画像及び撮影画像テーブルをサーバ装置20へ送信する(ACT45)。
プロセッサ101が撮影画像及び撮影画像テーブルをサーバ装置20へ送信すると、プロセッサ121は、経路情報を参照して他に棚があるか判定する(ACT46)。プロセッサ121が、他に棚があると判定すると(ACT46、YES)、情報収集装置10は、ACT42に戻る。
他に棚がないと判定すると(ACT46、NO)、プロセッサ121は、所定の終了位置に情報収集装置10を移動させる(ACT47)。プロセッサ121が所定の終了位置に情報収集装置10を移動させると、情報収集装置10は、動作を終了する。
次に、サーバ装置20の動作例について説明する。
図30は、物品管理システム1が収納ケース情報テーブルを更新する場合、サーバ装置20の動作例について説明するためのフローチャートである。
サーバ装置20のプロセッサ141は、無線通信インターフェース144を通じて撮影画像及び撮影画像テーブルを情報収集装置10から受信する(ACT51)。撮影画像及び撮影画像テーブルを受信すると、プロセッサ141は、撮影画像などから各コード31の位置を特定する(ACT52)。各コード31の位置を特定すると、プロセッサ141は、特定した位置などに基づいて読取コードテーブルを生成する(ACT53)。
読取コードテーブルを生成すると、プロセッサ141は、読取コードテーブルに基づいて収納ケース情報テーブルを更新する(ACT54)。
収納ケース情報テーブルを更新すると、プロセッサ141は、他に棚があるか判定する(ACT55)。他に棚があると判定すると(ACT55、YES)、プロセッサ141は、ACT51に戻る。
他に棚がないと判定すると(ACT55、NO)、プロセッサ141は、動作を終了する。
なお、情報収集装置10は、1つのプロセッサから構成されてもよい。また、プロセッサ101は、プロセッサ121の機能の一部を実現するものであってもよい。また、プロセッサ121は、プロセッサ101の機能の一部を実現するものであってもよい。
また、プロセッサ141は、プロセッサ101又は121の機能の一部を実現するものであってもよい。
また、物品管理システム1は、複数の情報収集装置10を備えてもよい。
以上のように構成された物品管理システムは、コードが添付された収納ケースを格納する棚の画像を取得する。物品管理システムは、コードの位置を特定することで収納ケースが適切な位置に配置されているかをチェックする。
また、物品管理システムは、収納ケースが格納する物品に添付されたRFIDタグからRFIDタグコードを取得する。物品管理システムは、取得したRFIDタグコードに基づいて、物品の欠品をチェックする。
その結果、物品管理システムは、収納ケース及び収納ケースに格納される物品が適切に配置されているかチェックすることができる。そのため、物品管理システムは、収納ケースの物品を適切に管理することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。