JP2019086086A - バルブ装置及びバルブ装置の組付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハウジングとボビンとの間を安定してシールすることが可能なバルブ装置を提供する。【解決手段】ケース31及びプレート32を具備するハウジング30と、ハウジング30に収容され、当該ハウジング30によって軸方向における一側が変形されることでハウジング30に対して軸方向の位置が固定されたボビン40と、ボビン40の軸方向における他側とハウジング30との間の、軸方向の隙間をシールする下側Oリング58と、を具備する。【選択図】図1
Description
本発明は、流体の流れを制御するためのバルブ装置及びバルブ装置の組付方法の技術に関する。
従来、流体の流れを制御するためのバルブ装置が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載されるバルブ装置は、ボビンに巻回される電磁コイルに電流が流されることで駆動するソレノイドバルブである。ボビンは、ハウジングに収容される。ハウジングは、有底筒状の部材と、当該有底筒状の部材を閉塞するフランジ部と、を具備する。ボビンとハウジングとの間には、ボビンの軸方向に潰されるOリングが設けられる。ボビンは、Oリングの弾性復元力によって所定の位置で保持される。
以上の如く構成されたバルブ装置において、ボビンは、一般的に、寸法公差が大きくなり易い樹脂成形によって成形される。特許文献1に記載されるバルブ装置においては、この寸法公差の影響で、ボビンとハウジングとの間の隙間の幅(軸方向幅)が変動し、Oリングの潰し代が変動してしまう可能性がある。これにより、潰し代が大きくなり過ぎてOリングを過剰に潰してクリープが発生し易くなってしまったり、潰し代が小さくなり過ぎてOリングを十分に潰せずにシール性が低下する可能性があった。以上の如く、従来技術においては、ハウジングとボビンとの間を安定してシールすることが困難であった。
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ハウジングとボビンとの間を安定してシールすることが可能なバルブ装置を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ハウジングと、前記ハウジングに収容され、当該ハウジングによって軸方向における一側が変形されることで前記ハウジングに対して前記軸方向の位置が固定されたボビンと、前記ボビンの前記軸方向における他側と前記ハウジングとの間の、前記軸方向の隙間をシールする第一シール部と、を具備するものである。
請求項2においては、前記ボビンの他側には、前記ハウジングと当接する当接部と、前記軸方向に窪んだ凹部と、が形成され、前記第一シール部は、前記凹部に配置されるものである。
請求項3においては、前記ボビンは、前記一側の一部が変形されているものである。
請求項4においては、前記一部は、前記ボビンの前記一側に形成され、前記軸方向に突出する突起部である。
請求項5においては、前記突起部は、前記ボビンの全周に亘って等間隔に複数配置されるものである。
請求項6においては、前記突起部は、前記ボビンの全周に亘って延びる環状に形成されるものである。
請求項7においては、前記ボビンと前記ボビンと隣接する部材との間の、前記軸方向とは異なる方向の隙間をシールする第二シール部をさらに具備するものである。
請求項8においては、ハウジング、ボビン及びシール部を準備する工程と、前記ボビン及び前記シール部を前記ハウジングに収容する工程と、を具備し、前記収容する工程は、前記ハウジングによって前記ボビンの前記一側を変形させることで前記ハウジングに対して前記ボビンの軸方向の位置を固定すると共に、前記シール部によって前記ボビンの前記他側と前記ハウジングとの間の前記軸方向の隙間をシールするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、ハウジングとボビンとの間を安定してシールすることができる。
請求項2においては、ハウジングとボビンとの間をより安定してシールすることができる。
請求項3においては、ボビンを変形させ易くすることができる。
請求項4においては、ボビンを変形させ易くすることができる。
請求項5においては、ボビンをバランスよく変形させることができる。
請求項6においては、シール性を向上させることができる。
請求項7においては、突起部の変形に関わらずボビンとボビンと隣接する部材との間をシールすることができる。
請求項8においては、ハウジングとボビンとの間を安定してシールすることができる。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、本発明の一実施形態に係るバルブ装置10について説明する。
図1に示すバルブ装置10は、流体の流れを制御するためのものである。本実施形態に係るバルブ装置10は、エンジンに設けられ、当該エンジンの冷却水が流通する流路を開閉する用途に用いられる(不図示)。バルブ装置10は、ソレノイド20及びバルブ60等を具備する。なお、以下においては、バルブ60を上方へ移動させた状態を基準として、バルブ装置10の構成を説明する。
ソレノイド20は、後述するバルブ60を上下に往復移動させるためのものである。ソレノイド20は、ハウジング30、ボビン40、コイル51、接続部52、上側コア53、下側コア54、プランジャ55、バネ56、上側Oリング57及び下側Oリング58を具備する。
ハウジング30は、後述するボビン40等を収容するための部材である。ハウジング30は、ケース31及びプレート32を具備する。
ケース31は、その上端部が閉塞されると共にその下端部が開放される有底略筒状に形成される部材である。ケース31は、プレス成形によって成形される。図2に示すように、ケース31には、フランジ部31a、貫通孔31b及び当接面31cが形成される。
フランジ部31aは、ケース31の下端部に形成される。フランジ部31aは、ケース31の外周面から外側に広がるように形成される。貫通孔31bは、ケース31の上端部を上下に貫通する平面視略円状の孔である。当接面31cは、ボビン40と当接する面である。当接面31cは、ケース31の底面(ケース31の上端部において下方を向いた面)によって形成される。
プレート32は、その板面を上下に向けて配置される略平板状の部材である。プレート32には、その中央部を上下に貫通する平面視略円状の貫通孔32aが形成される。プレート32は、ケース31のフランジ部31aと重ね合わせて配置されると共にフランジ部31aと連結されることで、ケース31の下方を閉塞する。
ボビン40は、後述するコイル51を支持するための略筒状の部材である。ボビン40の詳細については後述する。
コイル51は、ボビン40に巻回される銅線によって構成される。コイル51は、ケース31に収容される。
図1に示す接続部52は、電源(不図示)とコイル51とを接続するためのものである。接続部52は、コイル51に外装されると共に、その左部がケース31に形成された開口部から左方へ突出するように形成される。接続部52は、端子52aを介して前記電源とコイル51とを接続する。
図2に示す上側コア53は、磁性体によって構成される。上側コア53は、その上端部が閉塞されると共にその下端部が開放される有底略円筒状に形成される。上側コア53は、その上面から上方へ突出する突出部53aを具備する。突出部53aは、ケース31の貫通孔31bの内径と略同一の外径を有する略円板状に形成される。上側コア53は、ケース31の貫通孔31bに突出部53aが嵌め合わされることによって、ケース31の上端部に固定される。
下側コア54は、略円筒状の磁性体によって構成される。下側コア54は、ケース31の内部において、上側コア53の下方に配置される。下側コア54は、後述するプランジャ55及びバネ56を受けることができるように、その内径が上下中途部で適宜変化するように形成される。下側コア54は、大径部54a及び小径部54bを具備する。
大径部54aは、下側コア54のうち、外径が大きい部分(下端部を除く部分)である。大径部54aは、その外径が上側コア53の外径よりも小さくなるように形成される。
小径部54bは、下側コア54の下端部である。小径部54bは、その外径がプレート32の貫通孔32aの内径と略同一となるように形成される。下側コア54は、小径部54bがプレート32の貫通孔32aに嵌め合わされることによって、プレート32に固定される。
プランジャ55は、略円筒状の磁性体によって構成される。プランジャ55は、上側コア53及び下側コア54に対して上下摺動自在に形成される。プランジャ55は、上側コア53の内部に配置される。
バネ56は、プランジャ55を上方に付勢するためのものである。バネ56は、その上端部がプランジャ55と当接すると共に、その下端部が下側コア54と当接する。
上側Oリング57は、上側コア53とボビン40との間をシールするためのものである。下側Oリング58は、ハウジング30とボビン40との間をシールするためのものである。上側Oリング57及び下側Oリング58の詳細については、後述する。
図1に示すバルブ60は、前記流路を開閉するためのものである。バルブ60は、弁軸61及び弁体62を具備する。
弁軸61は、下側コア54に挿通され、下側コア54から上下に突出する。弁軸61は、その上部(下側コア54から上方に突出する部分)がプランジャ55に固定される。弁軸61は、その下部(下側コア54から下方に突出する部分)が、前記流路(不図示)に配置される。
弁体62は、前記流路をシールするための部分である。弁体62は、その外径が弁軸61の外径よりも大きな平面視略円状に形成される。弁体62は、弁軸61の下端部に固定される。弁体62は、前記流路に設けられる弁座(不図示)に着座することで、前記流路を閉塞することができる。
次に、ボビン40、上側Oリング57及び下側Oリング58の詳細について説明する。
ボビン40は、樹脂成形によって略円筒状に成形される。ボビン40は、その軸方向を上下方向に向けて配置される。図2及び図3に示すように、ボビン40は、貫通孔41、上側フランジ部42、下側フランジ部43、上側溝部44、突起部45、当接部46及び下側溝部47を具備する。
貫通孔41は、ボビン40を上下に貫通する孔である。貫通孔41は、平面視略円状に形成される。貫通孔41は、大径部41a及び小径部41bを具備する。
大径部41aは、貫通孔41の上部に形成される。大径部41aは、上側コア53の外径と略同一の内径となるように形成される。
小径部41bは、貫通孔41の下部に形成される。小径部41bは、大径部41aよりも小径に形成される。小径部41bは、下側コア54の大径部54aの外径と略同一の内径となるように形成される。
上側フランジ部42は、ボビン40の上端部に形成される。下側フランジ部43は、ボビン40の下端部に形成される。上側フランジ部42及び下側フランジ部43は、ボビン40の外周面から外側に広がるような略円板状に形成される。
図3及び図4に示す上側溝部44は、上側フランジ部42の上面に形成される窪みである。上側溝部44は、平面視略円環状に形成されると共に、貫通孔41の大径部41aの上端部を拡径するように形成される。
突起部45は、上側フランジ部42の上面に形成される。突起部45は、上側溝部44よりもボビン40の径方向外側に配置され、上側フランジ部42から上方に突出する。本実施形態に係る突起部45は、上側フランジ部42の上面における外縁部と上側溝部44の径方向外側端部との間の、径方向における略中央部に配置される。突起部45は、上方へ向かうにつれて縮径するような略円錐台状に形成され、その上面がケース31の当接面31cと対向する。突起部45は、ボビン40の周方向に間隔をあけて複数形成される。本実施形態に係る突起部45は、互いに等間隔をあけて4つ形成される。
図3及び図5に示す当接部46は、プレート32の上面と当接する部分である。また、当接部46は、下側フランジ部43の下面である。
下側溝部47は、当接部46(下側フランジ部43の下面)に形成される窪みである。下側溝部47は、底面視略円環状に形成されると共に、貫通孔41の小径部41bの下端部を拡径するように形成される。
ボビン40は、図2に示すように、その外周面(上側フランジ部42と下側フランジ部43との間)にコイル51が巻回される。また、ボビン40は、貫通孔41の大径部41aに上側コア53が嵌め合わされると共に、貫通孔41の小径部41bに下側コア54(大径部54a)が嵌め合わされる。また、ボビン40は、ハウジング30に収容されて、ケース31とプレート32との間で上下に挟まれる。図4に示すように、ボビン40の突起部45は、ケース31の当接面31cで押圧されて下方へ潰された状態で当該当接面31cと当接する(図4に二点鎖線及び実線で示す潰される前後の突起部45参照)。
上側Oリング57は、略円環状に形成される。上側Oリング57は、上側溝部44に設けられ、上側コア53の外周面と上側溝部44との間で径方向に潰される。これにより、上側Oリング57は、上側コア53とボビン40との間の径方向の隙間をシールする。
図5に示す下側Oリング58は、略円環状に形成される。下側Oリング58は、下側溝部47に設けられ、プレート32と下側溝部47との間で上下に潰される(図5に二点鎖線及び実線で示す潰される前後の下側Oリング58参照)。これにより、下側Oリング58は、プレート32の上面とボビン40の当接部46(下面)との間の上下方向の隙間をシールする。
このように構成されるバルブ装置10は、図1に示す状態において、前記電源から接続部52の端子52aを介してコイル51に電流を流すことで、コイル51に磁界を発生させる。これにより、プランジャ55は、上側コア53に対して反発すると共に下側コア54に吸引される。これによって、図6に示すように、プランジャ55は、バネ56の付勢力に抗って下方に移動する。当該移動に伴って、バルブ60は下方に移動する。
また、バルブ装置10は、コイル51への通電を停止することで、図1に示すように、バネ56の付勢力によってプランジャ55及びバルブ60を上方へ移動させる。以上のようなバルブ60の上下動によって、バルブ装置10は、前記流路を開閉し、冷却水の流れを制御することができる。
このようなバルブ装置10の動作において、上側Oリング57は、上側コア53とボビン40との間をシールすることで、ボビン40の上部からコイル51へと冷却水が侵入するのを防止している。また、下側Oリング58は、プレート32とボビン40との間をシールすることで、ボビン40の下部からコイル51へと冷却水が侵入するのを防止している。
前述の如く、ボビン40は、樹脂成形によって成形されるため、寸法公差が大きくなり易い。仮に、この寸法公差の影響でハウジング30(ケース31及びプレート32)に対するボビン40の上下位置が変動すると、下側Oリング58の潰し代A2(図5参照)が変動してしまう。この場合、下側Oリング58を十分に潰せずにシール性が低下する可能性がある。
本実施形態に係るバルブ装置10は、ボビン40に突起部45を設けることで、このような下側Oリング58の潰し代A2の変動を抑制している。以下では、図1、図4、図5、図7から図11までを用いてバルブ装置10の組付方法の手順を説明しながら、この潰し代A2の変動の抑制についても説明する。
図7に示すように、前記組付方法において、まず、バルブ装置10の構成部材(ハウジング30、ボビン40及びバルブ60等)を準備する(ステップS10)。ステップS10において、ハウジング30は、ケース31及びプレート32が互いに連結されていない状態で準備される。また、バルブ60は、弁軸61及び弁体62が互いに連結されていない状態で準備される。
図7及び図8(a)に示すように、バルブ装置10の構成部材を準備した後で、ハウジング30のプレート32を所定の位置に配置する(ステップS20)。ステップS20において、プレート32は、その板面を上下に向けて配置される。
プレート32を配置した後で、下側コア54をプレート32に組み付ける(ステップS30)。ステップS30において、下側コア54は、小径部54bがプレート32の貫通孔32aに上方から嵌め合わされる。
図7及び図8(b)に示すように、下側コア54を組み付けた後で、バネ56を弁軸61に組み付ける(ステップS40)。ステップS40において、バネ56は、バルブ60の弁軸61に挿通される。
バネ56を組み付けた後で、プランジャ55を弁軸61に組み付ける(ステップS50)。ステップS50において、プランジャ55は、弁軸61に上方から挿通されて固定される。
図7及び図9に示すように、プランジャ55を組み付けた後で、バルブ60を下側コア54に組み付ける(ステップS60)。ステップS60において、弁軸61は、下側コア54に上方から挿通される。また、弁体62は、当該弁軸61の下端部に固定される。
図7及び図10に示すように、バルブ60を組み付けた後で、ボビン40を下側コア54に組み付ける(ステップS70)。ステップS70において、ボビン40には、コイル51が巻回される。当該コイル51には、接続部52が外装される。また、ボビン40の下側溝部47には、下側Oリング58が取り付けられる。当該ボビン40は、貫通孔41の小径部41bが下側コア54の大径部54aに上方から嵌め合わされる。
図1及び図7に示すように、ボビン40を組み付けた後で、ケース31を組み付ける(ステップS80)。ステップS80において、上側コア53は、上側Oリング57が外嵌されると共に、突出部53aがケース31の貫通孔31bに嵌め合わされる。当該ケース31は、開口部を下に向けた状態でプレート32に上方から接近される。このとき、上側コア53は、ボビン40の貫通孔41の大径部41aに嵌め合わされる。また、上側Oリング57は、上側コア53と上側溝部44との間で径方向に潰される。ケース31は、フランジ部31aがプレート32と当接されて連結される。
これによって、ボビン40及び下側Oリング58は、ハウジング30に収容される。ボビン40は、突起部45がケース31の当接面31cと当接すると共に、当接部46がプレート32の上面と当接する。また、下側Oリング58は、下側溝部47とプレート32との間で上下に潰される。以上により、ステップS80が終了し、前記組付方法を用いたバルブ装置10の構成部材の組付けが完了する。
ここで、ボビン40は、ハウジング30に収容される前の状態において、その上下方向幅(突起部45の上面から当接部46までの上下方向幅)が、ハウジング30の内側の上下方向幅(当接面31cからプレート32の上面までの上下方向幅)よりも大きくなるように形成されている。このため、図4及び図11に示すように、突起部45は、ボビン40がハウジング30に収容される際に、ケース31によって下方へ押圧されて潰される。これによって、ボビン40は、その上下方向幅が小さくなってハウジング30の内側の上下方向幅に合わされる。
このような構成によれば、ボビン40は、その寸法公差を吸収することができる。例えば、前記寸法公差の影響でボビン40の上下方向幅がケース31の内側の上下方向幅に対して大きくなり過ぎた場合、突起部45が大きく潰されて、ボビン40の上下方向幅がケース31の内側の上下方向幅に合わされる。このように、ボビン40は、前記寸法公差に応じて突起部45の変形量A1が変動し、最終的には(ハウジング30に収容されれば)その上下方向幅がハウジング30の内側の上下方向幅に合うようになっている。
また、図4及び図5に示すように、ボビン40は、ハウジング30に収容された状態において、突起部45がケース31の当接面31cと当接すると共に当接部46がプレート32の上面と当接する。こうして、ボビン40は、ハウジング30に対して上下方向の位置が決まった(固定された)状態でハウジング30に固定される。
このようなボビン40によれば、前記寸法公差に関わらず、当接部46とプレート32との間の上下方向の隙間の幅(上下方向幅)を略一定にすることができる。これによれば、下側溝部47の底面(下方を向いた面)からプレート32の上面までの上下方向幅を決めることができる。これにより、下側Oリング58の潰し代A2の変動を抑制することができ、下側Oリング58をボビン40(下側溝部47)とプレート32との間で上下に略一定量潰すことができる(図5に示す潰し代A2参照)。これによって、下側Oリング58を十分に潰せずにシール性が低下するのを抑制できる。こうして、バルブ装置10は、下側Oリング58によってハウジング30とボビン40との間を安定してシールすることができる。
また、ボビン40は、プレート32の上面に当接部46を当接させることで、ハウジング30に対する上下方向の位置決めを安定させることができる。これによれば、当接部46とプレート32との間の上下方向の隙間の幅が一定となり易くなる。これによって、下側溝部47の底面からプレート32の上面までの上下方向幅をより確実に決めることができる。
また、ボビン40は、ケース31の当接面31cに突起部45を当接させると共にプレート32の上面に当接部46を当接させることで、シール性能の長期信頼性を向上させることができる。例えば、本実施形態とは異なり、ボビン40の上方及び下方に設けられるOリングを介して、当該ボビン40がハウジング30に保持される場合、上方に設けられるOリングがクリープすると、ボビン40がハウジング30に対して上方に相対移動してしまう。この場合、下方に設けられるOリングのシール性が低下してしまう。
これに対して、本実施形態に係るボビン40は、ケース31の当接面31cに突起部45を当接させると共にプレート32の上面に当接部46を当接させることで、他の部材を介することなくケース31とプレート32との間で挟まれている。このような構成によれば、他の部材の変形に伴って、ボビン40がハウジング30に対して上下に相対移動するのを防止することができる。これによれば、ボビン40は、下側溝部47の底面からプレート32の上面までの上下方向幅の変動(潰し代A2の変動)を長期に亘って抑制することができる。このため、シール性能の長期信頼性を向上させることができる。
また、ボビン40は、ケース31の当接面31cと当接する突起部45を設けている。これによれば、ケース31でボビン40を押圧するときに作用する荷重を突起部45(上側フランジ部42の上面の一部)に集中させることができる。これによって、上側フランジ部42の上面の全域を変形させる場合よりも、小さい力でボビン40を変形させることができる。このため、ボビン40を変形させ易くすることができる。
また、上側Oリング57は、径方向(突起部45が潰される方向である上下方向とは異なる方向)に潰される構成であるため、突起部45の変形に関わらずボビン40の上部をシールすることができる。このような上側Oリング57と、上述した潰し代A2の変動が抑制される下側Oリング58と、によれば、ボビン40の上部及び下部のそれぞれを、安定してシールすることができる。
以上の如く、本実施形態に係るバルブ装置10は、ハウジング30と、前記ハウジング30に収容され、当該ハウジング30によって軸方向(上下方向)における一側(上側)が変形されることで前記ハウジング30に対して前記軸方向の位置が固定されたボビン40と、前記ボビン40の前記軸方向における他側(下側)と前記ハウジング30との間の、前記軸方向の隙間をシールする下側Oリング58(第一シール部)と、を具備するものである。
なお、一側とは、軸方向における一方向を向いた面である。本実施形態において一側は、ハウジング30との対向面、すなわち上側フランジ部42の上面及び下側フランジ部43の下面のうち、上側フランジ部42の上面である。
また、他側とは、軸方向における他方向(一方向とは反対方向)を向いた面である。本実施形態において他側は、上側フランジ部42の上面とは反対方向を向いた下側フランジ部43の下面である。
なお、一側とは、軸方向における一方向を向いた面である。本実施形態において一側は、ハウジング30との対向面、すなわち上側フランジ部42の上面及び下側フランジ部43の下面のうち、上側フランジ部42の上面である。
また、他側とは、軸方向における他方向(一方向とは反対方向)を向いた面である。本実施形態において他側は、上側フランジ部42の上面とは反対方向を向いた下側フランジ部43の下面である。
このように構成することにより、ハウジング30とボビン40との間を安定してシールすることができる。具体的には、ボビン40の上側(一側)を変形させることで、ボビン40の寸法公差を吸収することができる。これによればボビン40の下側(他側)とハウジング30との間の上下方向の隙間の幅(上下方向幅)が一定となり易くなる。この上下方向の隙間を下側Oリング58でシールすることにより、ハウジング30とボビン40との間を安定してシールすることができる。
また、前記ボビン40の下側には、前記ハウジング30と当接する当接部46と、前記上下方向に窪んだ下側溝部47(凹部)と、が形成され、前記下側Oリング58は、前記下側溝部47に配置されるものである。
このように構成することにより、ボビン40のハウジング30に対する上下方向の位置を安定して決めることができるため、下側溝部47の底面(下方を向いた面)からプレート32の上面までの上下方向幅を確実に決めることができる。これにより、下側Oリング58の潰し代A2が略一定となって、ハウジング30とボビン40との間をより安定してシールすることができる。
また、前記ボビン40は、前記上側の一部が変形されているものである。
このように構成することにより、ボビン40の上側の全域を変形させる場合と比較して、小さい力でボビン40を変形させることができるため、ボビン40を変形させ易くすることができる。
また、前記一部は、前記ボビン40の前記上側に形成され、前記上下方向に突出する突起部45である。
このように構成することにより、ボビン40を変形させ易くすることができる。
また、前記突起部45は、前記ボビン40の全周に亘って等間隔に複数配置されるものである。
このように構成することにより、ボビン40をバランスよく変形させることができる。
また、前記ボビン40と上側コア53(前記ボビン40と隣接する部材)との間の、前記上下方向とは異なる方向の隙間をシールする上側Oリング57(第二シール部)をさらに具備するものである。
このように構成することにより、突起部45の変形に関わらずボビン40の上部をシールすることができる。
また、ハウジング30、ボビン40及び下側Oリング58(シール部)を準備する工程(ステップS10)と、前記ボビン40及び前記下側Oリング58を前記ハウジング30に収容する工程(ステップS80)と、を具備し、前記収容する工程は、前記ハウジング30によって前記ボビン40の前記上側を変形させることで前記ハウジング30に対して前記ボビン40の上下方向の位置を固定すると共に、前記下側Oリング58によって前記ボビン40の前記下側と前記ハウジング30との間の前記上下方向の隙間をシールするものである。
このように構成することにより、ハウジング30とボビン40との間を安定してシールすることができる。
なお、本実施形態に係る下側Oリング58は、本発明に係る第一シール部及びシール部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る下側溝部47は、本発明に係る凹部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上側Oリング57は、本発明に係る第二シール部の実施の一形態である。
本実施形態における上下方向は、本発明に係るボビン40の軸方向に対応する。
また、本実施形態に係る下側溝部47は、本発明に係る凹部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る上側Oリング57は、本発明に係る第二シール部の実施の一形態である。
本実施形態における上下方向は、本発明に係るボビン40の軸方向に対応する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、バルブ装置10は、エンジンの冷却水が流通する流路を開閉する用途に用いられるものとしたが、バルブ装置10の用途は、これに限定されるものではなく、その他の用途に用いられるものであってもよい。
また、本実施形態においては、ボビン40の上面を変形させるものとしたが、ボビン40を変形させる箇所は、これに限定されるものではなく、ハウジング30とボビン40との間で上下に潰されるシール部(下側Oリング58)との相対的な位置関係に応じて適宜決定される。具体的には、前記シール部がボビン40の上端部とハウジング30との間に設けられる場合、ボビン40の下面を変形させることができる。
また、突起部45は、ボビン40に4つ形成されるものとしたが、突起部45の個数は、これに限定されるものではなく、任意の個数を選択することができる。また、突起部45は、必ずしも互いに等間隔をあけて配置される必要はない。
また、突起部45は、略円錐台状に形成されるものとしたが、突起部45の形状は、これに限定されるものではなく、例えば、略円柱状や略直方体状等であってもよい。
また、上側Oリング57がシールする箇所は、ボビン40と上側コア53との間に限定されるものではなく、ボビン40と当該ボビン40と隣接する部材との間を適宜シールすることができる。上側Oリング57は、例えば、上側フランジ部42とケース31との間をシールするように設けることができる。
また、本実施形態においては、ボビン40に下側溝部47を形成して下側Oリング58を設けるスペースを確保したが、当該スペースを確保する手法はこれに限定されるものではない。バルブ装置10においては、プレート32に溝部を形成したり、ボビン40及びプレート32のそれぞれに溝部を形成することで、前記スペースを確保してもよい。
また、前記組付方法においては、ステップS10で準備した構成部材(ハウジング30、ボビン40及びバルブ60等)を無理なく組み付けることができれば、当該構成部材を組付ける順序を適宜変更することができる。前記組付方法においては、例えば、プランジャ55を弁軸61に組み付けた後で、当該弁軸61にバネ56を組み付ける(ステップS40及びステップS50の順序を入れ替える)ことができる。
また、突起部45は、図12に示す第一変形例に係るボビン140の突起部145のように、環状に形成されるものであってもよい。突起部145は、上側フランジ部42から上方へ突出すると共に、上側溝部44の周囲を囲むような平面視略円環状に形成される。このような突起部145によれば、ケース31の当接面31cと上側フランジ部42の上面との間をシールすることができるため、シール性を向上させることができる。なお、突起部145の形状は、平面視略円環状に限定されるものではなく、平面視略矩形環状等であってもよい。
以上の如く、第一変形例において、前記突起部145は、前記ボビン140の全周に亘って延びる環状に形成されるものである。
このように構成することにより、突起部45によりボビン40の上側(一側)をシールすることができるため、シール性を向上させることができる。
また、バルブ装置10においては、ボビン40を変形可能であれば、必ずしもボビン40に突起部45を形成する必要はない。バルブ装置10は、例えば、図13に示す第二変形例のような構成とすることもできる。第二変形例に係るケース231は、当接面31cから下方に突出する略円錐台状の突出部231bを具備する。第二変形例に係るボビン240は、本実施形態のような突起部45を具備しておらず、上側フランジ部42の上面が平らになるように形成される。このような構成において、上側フランジ部42の上面は、ボビン240がハウジング30に収容される際に、ケース231の突出部231bによって下方へ押圧され、突出部231bに食い込むように変形される。このような構成においても、本実施形態に係るバルブ装置10と同様に、ボビン240の寸法公差を吸収することができる。
10 バルブ装置
30 ハウジング
40 ボビン
58 下側Oリング(シール部)
30 ハウジング
40 ボビン
58 下側Oリング(シール部)
Claims (8)
- ハウジングと、
前記ハウジングに収容され、当該ハウジングによって軸方向における一側が変形されることで前記ハウジングに対して前記軸方向の位置が固定されたボビンと、
前記ボビンの前記軸方向における他側と前記ハウジングとの間の、前記軸方向の隙間をシールする第一シール部と、
を具備する、
バルブ装置。 - 前記ボビンの他側には、
前記ハウジングと当接する当接部と、前記軸方向に窪んだ凹部と、が形成され、
前記第一シール部は、
前記凹部に配置される、
請求項1に記載のバルブ装置。 - 前記ボビンは、
前記一側の一部が変形されている、
請求項1又は請求項2に記載のバルブ装置。 - 前記一部は、
前記ボビンの前記一側に形成され、前記軸方向に突出する突起部である、
請求項3に記載のバルブ装置。 - 前記突起部は、
前記ボビンの全周に亘って等間隔に複数配置される、
請求項4に記載のバルブ装置。 - 前記突起部は、
前記ボビンの全周に亘って延びる環状に形成される、
請求項4に記載のバルブ装置。 - 前記ボビンと前記ボビンと隣接する部材との間の、前記軸方向とは異なる方向の隙間をシールする第二シール部をさらに具備する、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のバルブ装置。 - ハウジング、ボビン及びシール部を準備する工程と、
前記ボビン及び前記シール部を前記ハウジングに収容する工程と、
を具備し、
前記収容する工程は、
前記ハウジングによって前記ボビンの前記一側を変形させることで前記ハウジングに対して前記ボビンの軸方向の位置を固定すると共に、前記シール部によって前記ボビンの前記他側と前記ハウジングとの間の前記軸方向の隙間をシールする、
バルブ装置の組付方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017214683A JP2019086086A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | バルブ装置及びバルブ装置の組付方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017214683A JP2019086086A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | バルブ装置及びバルブ装置の組付方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019086086A true JP2019086086A (ja) | 2019-06-06 |
Family
ID=66762678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017214683A Pending JP2019086086A (ja) | 2017-11-07 | 2017-11-07 | バルブ装置及びバルブ装置の組付方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019086086A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021138535A1 (en) * | 2020-01-02 | 2021-07-08 | Proserv Gilmore Valve Llc | Check valve with conforming seat |
US11686402B2 (en) | 2019-06-27 | 2023-06-27 | Proserv Gilmore Valve Llc | Pressure relief valve with bi-directional seat |
WO2023134750A1 (zh) * | 2022-01-14 | 2023-07-20 | 浙江盾安人工环境股份有限公司 | 电磁阀 |
US11976738B2 (en) | 2016-09-15 | 2024-05-07 | Proserv Operations, Inc. | Low friction hydraulic circuit control components |
-
2017
- 2017-11-07 JP JP2017214683A patent/JP2019086086A/ja active Pending
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