JP2019085935A - 片吸込立軸ポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
外部ケーシング123は、上部ケーシング壁114及び羽根車110の外周に設けられた渦室118と、この渦室118に連続し内周壁が内部ケーシング117の外周に配置された案内管121と、羽根車110の下面側を覆う下部ケーシング壁120とで形成されている。
図5に示すように、バレル101の上部の床102に吐出エルボ103が配設され、吐出エルボ103の下端に、揚水管104,ポンプケーシング105が順次連接されてバレル101内に垂下されている。
吐出エルボ103の外壁を貫通突出するポンプ軸106は、カップリング107を介して駆動装置(図示せず)に連結され、ポンプ軸106の下端部には、吸込側が上に向いた羽根車108が配設されている。
揚水管104の下端に連結されたポンプケーシング105には、3本の吐出流路110が形成され、3本の吐出流路110は、ポンプケーシング105の上部で合流している。
ポンプケーシング105の内側には、吸込口を上に向けて開口したベルマウス111が配設され、ベルマウス111の直下に羽根車108の吸込側が、ベルマウス111に対向してポンプ軸106に配設されている。
3本の吐出流路110が合流する位置でポンプケーシング105に水中軸受114が配設されていると共に、揚水管104内に水中軸受115が配設され、水中軸受115にポンプ軸106が軸支されている。
従来の上吸込形の立軸ポンプは、羽根車の吐出側がポンプケーシングに形成された吐出流路に連通され、羽根車の背面下方はポンプケーシングで覆われて閉塞され、羽根車の上方のみが水槽内に開口している。ポンプが運転されると、吸込口から水槽内の流体が羽根車に吸い込まれて昇圧され、羽根車から吐出された流体は吐出室から吐出流路を上向きに流れて吐出流路の上部で合流する。運転中の羽根車は主板側と側板側とから水圧を受け、この水圧のポンプ軸方向の圧力分布の差が軸スラストとして吸込側に向かって作用する。したがって、従来の上吸込形の立軸ポンプにおいては、運転中は羽根車から吐出された流体の圧力が、吐出室の羽根車の背面から大きな上向きのスラスト荷重となってポンプ軸に作用する。そして、ポンプの運転が停止すると、流体の吐出圧力が消失するため、上向きのスラスト荷重の発生はなくなるが、ポンプ軸や羽根車の質量が下向きのスラスト荷重として発生する。そのため、ポンプ軸の上部にスラスト軸受を設け、ポンプ軸に作用する大きな上向きのスラスト荷重と下向きのスラスト荷重との二方向のスラスト荷重を受けている。
しかしながら、ポンプの運転と停止とが繰り返されることにより、スラスト軸受に大きな上向きのスラスト荷重と下向きのスラスト荷重とが交互に負荷され、この負荷変動が継続されることにより、スラスト軸受に摩耗や損傷が生じやすいという問題があった。
また、ポンプ軸の下端部に羽根車が配設されていると共に、羽根車より上方のポンプケーシングにポンプ軸を軸支する水中軸受が配設された片持ち構造のため、質量の大きな回転体である羽根車のアンバランスにより、ポンプ軸に振れ回りが生じやすく、ポンプの振動や水中軸受の異常摩耗が発生するという問題があった。
すなわち、この片吸込立軸ポンプでは、ケーシング底部が、ポンプ軸の下部を回転可能に支持しているので、ポンプ軸の下部が支持され、ポンプ軸に振れ回りの発生が生じ難くなり、ポンプの振動や水中軸受の異常摩耗を抑制することができる。
すなわち、この片吸込立軸ポンプでは、ケーシング底部の貫通孔内にポンプ軸を軸支する下部水中軸受を備えているので、背面室の流体がケーシング底部に設けた下部水中軸受の摺動部(排出用流路)を通ってポンプケーシングの外部に強制的に排出され、軸受の潤滑が促進される。
すなわち、この片吸込立軸ポンプでは、内部ケーシングが、吸込口より上方でポンプ軸を軸支する上部水中軸受を備えているので、ポンプ軸が上下で支持されて羽根車のアンバランスによるポンプ軸の振れ回りの発生がさらに抑制され、ポンプの振動や水中軸受の異常摩耗が防止される。
すなわち、この片吸込立軸ポンプでは、ケーシング底部が、内外に貫通して形成され排出用流路として機能する排出用孔を有しているので、背面室の圧力が上昇した際に、背面室内の流体が、排出用孔を通って、低圧側のポンプケーシングの外部に排出され、背面室の圧力上昇が抑制される。特に、下部水中軸受とポンプ軸の摺動面との隙間(排出用流路)だけでは十分に圧を逃がしきれない場合に、別途設けた排出用孔からも圧を外部に逃がすことができる。
すなわち、本発明の片吸込立軸ポンプによれば、吐出流路と背面室とが、羽根車リング部の外周面及び内周面の少なくとも一方との隙間を介して連通され、ケーシング底部に、内外に貫通して形成され背面室内の流体を外部に排出可能な排出用流路が形成されているので、吐出側の高圧流体による羽根車背面への圧力負荷の影響を減殺でき、ポンプの運転時に大きな上向きのスラスト荷重がポンプ軸に作用することがない。
したがって、本発明の片吸込立軸ポンプでは、ポンプの運転時と停止時とにおけるスラスト荷重によるスラスト軸受への大きな負荷変動が低減され、スラスト軸受の摩耗や損傷が抑制される。
上記羽根車23は、下部にポンプ軸24を中心にした円環状に延在し下方に向けて突出した羽根車側リング部31を備えている。
また、羽根車23とケーシング底部27との間であってケーシング側対向部32の内側の空間が背面室34とされ、吐出流路21と背面室34とが、隙間g1を介して連通されている。
さらに、ケーシング底部27には、内外に貫通して形成され背面室34内の流体を外部に排出可能な排出用流路が形成されている。
すなわち、ケーシング底部27は、ポンプ軸24の下部が貫通した貫通孔29を有し、貫通孔29内にポンプ軸24を軸支する下部水中軸受30を備えている。
この下部水中軸受30とポンプ軸24の摺動面とのわずかな隙間が、上記排出用流路として機能する。
また、上記内部ケーシング20Aは、吸込口35より上方でポンプ軸24を軸支する上部水中軸受28を備えている。
ポンプケーシング20の内側に吸込口35を上に向けて開口したベルマウス22が配設され、ベルマウス22の直下に、羽根車23の吸込側がベルマウス22に対向してポンプ軸24に配設されている。
このケーシング底部27には、上述したように、ポンプケーシング20の内部と外部とを連通する貫通孔29が設けられ、貫通孔29にはポンプ軸24の下端部を軸支する下部水中軸受30が配設されている。
羽根車23の主板26の背面に設けられた羽根車側リング部31と、ケーシング底部27に設けられたケーシング側対向部32とは、それぞれポンプ軸24と同心に配設されている。なお、ケーシング側対向部32は、ケーシング底部27の段差部に設置されたリング状の部材である。
羽根車23の主板26の背面とケーシング底部27と羽根車側リング部31の内周面との間には、上記背面室34が形成され、この背面室34はリング状の隙間g1を介して羽根車23の吐出側と連通されている。
すなわち、ポンプ軸24は、羽根車23の上下において上部水中軸受28及び下部水中軸受30によって軸支されている。なお、ポンプ軸24の上部はスラスト軸受(図示せず)により軸支されている。
まず、ポンプが運転されると、ベルマウス22の吸込口35から水槽内の流体が、羽根車23に吸い込まれて昇圧される。羽根車23から吐出された流体は、吐出室25から3本の吐出流路21を上向きに流れて吐出流路21の上部で合流し、揚水管4内に流入する。
なお、下部水中軸受30とポンプ軸24の摺動面との隙間(排出用流路)は、上述したように背面室34内の圧力が上昇した際に、流体が内部から外部に流通可能な程度の微小な隙間となっている。
特に、ケーシング底部27の貫通孔29内にポンプ軸24を軸支する下部水中軸受30を備えているので、背面室34の流体がケーシング底部27に設けた下部水中軸受30の摺動部(排出用流路)を通ってポンプケーシング20の外部に強制的に排出され、軸受の潤滑が促進される。
上記ケーシング側対向部45は、ケーシング底部44の底面から上方に突出したリング状の突条部に設置されたリング状部材である。
上述したように、羽根車側リング部42の内周面とケーシング側対向部45の外周面とは、リング状のわずかな隙間g2(一例として0.3mm)を空けて対向している。
主板41の背面とケーシング底部44とケーシング側対向部45の内側との間に形成された背面室47は、リング状の隙間g2を介して羽根車40の吐出側と連通されている。
このように第3実施形態の片吸込立軸ポンプ31では、ケーシング底部37が、内外に貫通して形成され排出用流路として機能する排出用孔37aを有しているので、背面室34の圧力が上昇した際に、背面室34内の流体が、排出用孔37aを通って、低圧側のポンプケーシング20の外部に排出され、背面室34の圧力上昇が抑制される。特に、下部水中軸受30とポンプ軸24の摺動面との隙間(排出用流路)だけでは十分に圧を逃がしきれない場合に、別途設けた排出用孔37aからも圧を外部に逃がすことができる。
また、羽根車はクローズド羽根車に限られるものではなく、オープン羽根車であってもよい。さらに、必要に応じて吐出流路に案内羽根を設けてもよい。
Claims (5)
- 回転駆動されるポンプ軸と、前記ポンプ軸の下部に設けられた羽根車と、前記羽根車を収納すると共に、前記羽根車より上方位置で上方に向けて開口した流体の吸込口と前記羽根車から吐出された前記流体の吐出流路とを有するポンプケーシングとを備えた片吸込立軸ポンプにおいて、
前記ポンプケーシングが、前記羽根車の上に前記吸込口を配して設けられた内部ケーシングと、
前記内部ケーシングとの間に前記吐出流路を設けて前記内部ケーシングを覆った外部ケーシングと、
前記外部ケーシングの下部に設けられたケーシング底部とを備え、
前記羽根車が、下部に前記ポンプ軸を中心にした円環状に延在し下方に向けて突出した羽根車側リング部を備え、
前記ケーシング底部が、前記羽根車側リング部と同軸の円環状に形成されていると共に前記羽根車側リング部の外周面及び内周面の少なくとも一方との間に隙間を介して対向したケーシング側対向部を有し、
前記羽根車と前記ケーシング底部との間であって前記ケーシング側対向部の内側の空間が背面室とされ、
前記吐出流路と前記背面室とが、前記隙間を介して連通され、
前記ケーシング底部に、内外に貫通して形成され前記背面室内の流体を外部に排出可能な排出用流路が形成されていることを特徴とする片吸込立軸ポンプ。 - 請求項1に記載の片吸込立軸ポンプにおいて、
前記ケーシング底部が、前記ポンプ軸の下部を回転可能に支持していることを特徴とする片吸込立軸ポンプ。 - 請求項2に記載の片吸込立軸ポンプにおいて、
前記ケーシング底部が、前記ポンプ軸の下部が貫通した貫通孔を有し、前記貫通孔内に前記ポンプ軸を軸支する下部水中軸受を備えていることを特徴とする片吸込立軸ポンプ。 - 請求項2又は3に記載の片吸込立軸ポンプにおいて、
前記内部ケーシングが、前記吸込口より上方で前記ポンプ軸を軸支する上部水中軸受を備えていることを特徴とする片吸込立軸ポンプ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の片吸込立軸ポンプにおいて、
前記ケーシング底部が、内外に貫通して形成され前記排出用流路として機能する排出用孔を有していることを特徴とする片吸込立軸ポンプ。
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