JP2019084517A - 流体送出用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすること。【解決手段】実施の形態における流体送出用容器は、底部と、開口部と、側面部と、嵌合部とを備え、内部に流体を保持する。底部は、流体送出用容器の一方端部に形成される。開口部は、流体送出用容器の他方端部に形成される。側面部は、底部と開口部とをつなぎ、底部と開口部とを結ぶ長軸方向に変形させることが可能に構成されている第1の側面部と、容器内側に向けた短軸方向の加圧により凹む第2の側面部とを有する。嵌合部は、第1の側面部を変形状態に維持する。【選択図】図1
Description
本発明の実施の形態は、流体送出用容器に関する。
被検体の検査を行う簡易検査方法が種々用いられており、このような簡易検査として、例えば、膜やフィルタを用いるメンブレンアッセイ法を挙げることができる。この方法において試料を導入する方法の一例として、例えば、フレキシブルな材質からなり、試料をろ過することができるろ過チューブの内部に試料を入れた状態で、内部に圧力を加え、被検体から採取された検体から調製した試料を加圧ろ過する方法がある。
当該ろ過チューブを使用する場合には、開口部に試料ろ過フィルタを内蔵したノズルを装着し、この状態で上下を転倒させる。その上で両側から操作者の指などで圧力を加えることで内部の試料をノズル先端よりメンブレンアッセイ用のデバイスに滴下する。
このように当該ろ過チューブは、操作者の指などによる加圧により変形する。そのため、綿棒などの器具を用いて被検体から採取した検体を溶媒に溶かす(溶出操作)際に、ろ過チューブの外部から圧力をかけて綿棒をしごくことも可能とされている。
また、上述したろ過チューブとは異なる装置として、例えば、フロースルー式検出装置を挙げることができる。このフロースルー式検出装置には、例えば、標識試薬を含む多孔質材料が流量制御や濃縮手段中に装備されるものがある。このようなフロースルー式検出装置を用いた検査方法では、試料ろ過フィルタとなる多孔質材料内に標識試薬が予め導入されていることから、試料を滴下する際に試薬が媒体液に分散される。
上述したようなチューブを用いる場合、試料等を滴下する際には、例えば操作者がチューブを摘まんで加圧することになる。すなわち、チューブに与えられる圧力によりチューブ内部から外部に試料等が送出されることになるが、圧力によって試料等の容量は変化する。また、複数回送出させる場合、送出ごとに試料等の容量が変化する可能性もある。このように送出される試料等の容量が変化すると、試薬の濃度も変化してしまい、得られる結果にばらつきが生ずることになる。
さらに、チューブに加圧してチューブ内部から外部に試料等を押し出していることから、例えば、途中で加圧を止めると、試料等の送出が止まる。そしてさらに操作者がチューブに掛ける圧力を弱めると、今度は逆に試料等がフィルタを逆流してチューブ内部に戻ってきてしまう。試料等が逆流して再度チューブ内部に流入すると、気泡の発生、混入が生じ、また、濃度の変化を招来する可能性もある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることである。
実施の形態における流体送出用容器は、底部と、開口部と、側面部と、嵌合部とを備え、内部に流体を保持する。底部は、流体送出用容器の一方端部に形成される。開口部は、流体送出用容器の他方端部に形成される。側面部は、底部と開口部とをつなぎ、底部と開口部とを結ぶ長軸方向に変形させることが可能に構成されている第1の側面部と、容器内側に向けた短軸方向の加圧により凹む第2の側面部とを有する。嵌合部は、第1の側面部を変形状態に維持する。
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
[流体送出用容器の構成]
図1は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1の全体構成を示す斜視図である。流体送出用容器1は、その内部に流体を保持し、必要に応じて外部に送出するための容器である。なお、流体送出用容器1において、流体が保持される空間は流体送出用容器1の「内部」であり、その外側を「外部」と表す。また以下に説明する各実施の形態における流体送出用容器は、略円筒形状に形成されている。但し、流体送出用容器はこのような形状に限られるわけではなく、例えば、直方体形状に形成されていても良い。
[流体送出用容器の構成]
図1は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1の全体構成を示す斜視図である。流体送出用容器1は、その内部に流体を保持し、必要に応じて外部に送出するための容器である。なお、流体送出用容器1において、流体が保持される空間は流体送出用容器1の「内部」であり、その外側を「外部」と表す。また以下に説明する各実施の形態における流体送出用容器は、略円筒形状に形成されている。但し、流体送出用容器はこのような形状に限られるわけではなく、例えば、直方体形状に形成されていても良い。
流体送出用容器1は、具体的には、底部11と、開口部12と、側面部13とを備える。底部11は、流体送出用容器1の一方端部に形成される。流体送出用容器1内に流体Rを保持する場合には、当該底部11と後述する第2の側面部132とで構成される空間に保持されることになる。
開口部12は、流体送出用容器1の他方端部に形成される。すなわち、流体Rが流体送出用容器1内に保持される場合には、この開口部12から流体送出用容器1の内部に流体Rが送入される。反対に流体送出用容器1内に保持されている流体Rが外部に送出される際には、当該開口部12から送出される。なお、図1に示す流体送出用容器1は、内部に保持する流体を外部に送出する際の向きで示されている。そのため図1においては、開口部12は見えないので描出されていない。
側面部13は、底部11と開口部12とをつなぐ、いわゆる胴部である。側面部13は、第1の側面部131、第2の側面部132、第3の側面部133、第4の側面部134から構成されている。
第1の側面部131は、流体送出用容器1を長軸方向に変形させることが可能に構成されている。具体的には、二辺がなす内角が鋭角である山部と二辺がなす外角が鋭角である谷部とが交互に現われるように形成されている。
ここで図2は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1を中央部において長軸方向に切断して示す断面図である。なお、図2に示す断面図は、図1に斜視図で示す流体送出用容器1を切断して示すものであるが、その中央部で切断していることから、図1において特に切断線は示していない。また、以下に示す断面図においては、見やすさを優先して、例えば、断面図の奥に見えるはずである蛇腹構造を示す線等を適宜省略して示している。
図2に示す第1の側面部131の切断断面を見ると、山部と谷部とが連続して現れている。ここで、第1の側面部131を流体送出用容器1の外部から(Cの位置から)見た場合に、流体送出用容器1の内側に向かって山形が形成される場合を山部とし、反対に、第1の側面部131を外部から見た場合に外側に向かって山形が形成される場合を谷部とする。
すなわち、図2に示すように、例えば、第1の側面部131を構成する山部に底部11、或いは、開口部12と平行となるように水平に引いた線をAとし、この線Aと隣接する山部と谷部とをつなぐ線を線Bとして、この両線ABの二辺がなす角度をα1とする。この場合α1の角度は90度以下である。従って第1の側面部131は、二辺がなす内角が鋭角である山部と二辺がなす外角が鋭角である谷部とが交互に現われるように形成されている。換言すれば、第1の側面部131の構造は、蛇腹構造とも言いうる。
第1の側面部131についてこのような構造を採用することによって、第1の側面部131を長軸方向に伸縮自在に移動させることが可能となる。つまり、底部11を長軸方向に移動させて開口部12に向けて近づけることで、第1の側面部131が縮み、流体送出用容器1の内部の容量が減少することになるため、流体送出用容器1の内部に保持されている流体Rを外部に送出させることができる。
なお、ここで「長軸方向」とは、底部11と開口部12とを結ぶ方向であり、図1においては符号Xで示されている。また、「短軸方向」とは、流体送出用容器1の底部11において直径で示される向きであり、長軸方向に直交する方向である。図1においては、符号Yで示されている。
また、図1において示すこれらの「長軸方向X」、「短軸方向Y」の方向については、以下の図面においては特に示していないが、いずれの図面においても同じ方向を示すものとする。
第2の側面部132は、底部11と第1の側面部131との間に形成されている。すなわち、底部11から連続して第2の側面部132が形成され、第1の側面部131に接続されている。このように第2の側面部132は底部11と連続して形成されていることから、上述したように、流体Rは底部11と第2の側面部132にて構成される空間に保持される。
また、第2の側面部132は、操作者が当該第2の側面部132を保持し短軸方向Yに加圧した場合に、流体送出用容器1の内部に向けて変形させることが可能とされている。第2の側面部132がこのように構成されていることから、操作者は後述する溶出操作を行うことができる。一方、長軸方向Xには容易に変形できないように構成されている。
第3の側面部133は、第1の側面部131の開口部12側端部と開口部12とをつなぐ位置に形成されている。第3の側面部133は、開口部12において後述する台座部15とも連結され、長軸方向Xに変形可能な第1の側面部131等を支持する。また、第3の側面部133には、後述する第1の嵌合部141が形成されている。
第4の側面部134は、図1や図2に示すように、第1の側面部131と第2の側面部132とが接する位置から開口部12に向けて延伸するように形成されている。また、流体送出用容器1を底部11から開口部12に向けて見た場合に、底部11の周囲よりも大きな周囲を有している。
第4の側面部134はこのような形状を備えていることから、例えば、図1に示すように第1の側面部131が変形せず伸びた状態にある場合には、第1の側面部131の第2の側面部132側の一部を、第4の側面部134が覆う状態となる。図1においては、第4の側面部134に覆われた状態にある第1の側面部131が破線で示されている。
さらに本発明の実施の形態においては、図2に示されている通り、第1の側面部131と第2の側面部132とが接する位置における短軸方向Yの距離よりも、開口部12に向けて延伸した先端部における短軸方向Yの距離の方が大きな値となるように形成されている。
そして、当該先端部には、後述する第2の嵌合部142が形成されている。当該第2の嵌合部142は、第3の側面部133に形成されている第1の嵌合部141と嵌合する。
嵌合部14は、底部11を長軸方向Xに移動させて開口部12側に近づけた際に、第1の側面部131の変形状態、すなわち、第1の側面部131が縮んだ状態を維持する機能を備えている。嵌合部14は、第3の側面部133に形成されている第1の嵌合部141と、第4の側面部134に形成されている第2の嵌合部142とから構成される。
図2により明確に示されているように、第1の嵌合部141は、第3の側面部133であって、第1の側面部131との境界近傍に形成されている。また、第1の嵌合部141は、流体送出用容器1の外部に向けて突出するように形成されている。
一方、第2の嵌合部142は、第4の側面部134の第1の側面部131と対向する内周に設けられている。また、当該第2の嵌合部142は、第4の側面部134において、第1の側面部131と第2の側面部132とが接する位置から開口部12に向けて延伸した先端部に設けられている。また、第2の嵌合部142は、流体送出用容器1の内部に向けて突出するように形成されている。
このように、第1の嵌合部141は外側に突出した形状となるように形成され、一方第2の嵌合部142は内側に突出した形状となるように形成されていることから、第1の嵌合部141と第2の嵌合部142とは連結することができる。そして第1の嵌合部141と第2の嵌合部142とが連結することにより第1の側面部131を変形状態に維持する
ことができる。
ことができる。
なお、本発明の実施の形態においては、図1に示すように、嵌合部14は第3の側面部133と第4の側面部134とのそれぞれ2カ所に形成されている。但し、当該嵌合部14の数は、このように2カ所に限られず、例えば、3カ所設けられていても良い。一方で、嵌合部をあまり数多く設けたり、或いは、第3の側面部133や第4の側面部134の全周にわたって設けることは適切ではない。全周にわたって嵌合部14が形成されていると、例えば、第4の側面部134を開口部12に向けて移動させにくくなるからである。この点については、以下説明する各実施の形態における嵌合部14のいずれにも当てはまる。
台座部15は、第3の側面部133と連結され、さらに、開口部12の周囲に、開口部12が形成される平面と連続する平面部を備えるように形成されている。また本発明の実施の形態における平面部は、図1に示されているように、連結される第3の側面部133から平面部の外縁までは概ね等距離となるように形成されている。
台座部15は上述した形状に形成されていることから、後述するように、操作者が流体送出用容器1から内部に保持されている流体Rを外部に送出する操作を行う場合には、当該台座部15に指を掛けて流体送出用容器1を保持し、その上で、底部11を長軸方向Xに開口部12に向けて移動させる。従って、台座部15は、送出の操作を行う際に操作者の指を掛ける役割を果たす。
また、例えば、図1に示すように底部11を上部に、開口部12を下部となるような向きとした場合には、底部11、側面部13、台座部15の順に短軸方向Yの距離が大きくなるので、流体送出用容器1を安定的に直立させておくこともできる。
流体送出用容器1は、内部に保持する流体Rを外部に送出するに当たっては、開口部12にフィルタFとノズル機構Nとを装着する。図2においては、流体送出用容器1の開口部12にフィルタF及びノズル機構Nを装着した状態を示している。また、以下の図面で示される断面図には、図3及び図10を除き、全てフィルタFとノズル機構Nとが示されている。
フィルタFは、流体送出用容器1の内部に保持された流体Rが外部に送出される際に通過する開口部12に装着される。当該フィルタFは、例えば、流体Rをろ過し、或いは、試薬を含んで流体Rと混合させる等の機能を有している。また、ノズル機構Nは、フィルタFを通過した流体Rを流体送出用容器1の内部から外部に送出するために用いられる。ノズル機構Nは、開口部12の概ね中央に位置するように配置される。
[流体送出用容器の操作]
以上、第1の実施の形態における流体送出用容器1の構成を説明した。次に、当該流体送出用容器1を利用した操作について説明する。まず、操作者が溶出操作を行う場合を説明する。図3は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1と器具Sとを用いて、溶出操作を行う様子を説明する断面図である。
以上、第1の実施の形態における流体送出用容器1の構成を説明した。次に、当該流体送出用容器1を利用した操作について説明する。まず、操作者が溶出操作を行う場合を説明する。図3は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1と器具Sとを用いて、溶出操作を行う様子を説明する断面図である。
操作者は綿棒等の器具Sを用いて被検体から検体を採取する。採取された検体は、流体送出用容器1内に移される。このときの流体送出用容器1の向きは、図3に示すように、上部に開口部12が開口し、下部に底部11が位置する向きである。
操作者は器具Sを開口部12から流体送出用容器1内に挿入する。挿入位置は、採取した検体が付着する器具Sの先端部が底部11及び第2の側面部132にて形成される空間までである。上述したように、第2の側面部132は、長軸方向Xには変形しないものの、短軸方向Yには容易に変形する。
そこで操作者は第2の側面部132を、図3に矢印で示す短軸方向Yであって、容器内側に向けて、例えば指を使って加圧する。加圧されると、第2の側面部132は、容器内部に折れ曲がって凹むように変形する。そして凹むことによって形成される頂部を検体が付着する器具Sの先端部を挟み、挟んだ状態で器具Sを長軸方向Xに上下させる。
すなわち、第2の側面部132を利用して器具Sをしごくことで、採取された検体を流体送出用容器1内に移動させる。移動された検体は、流体送出用容器1内に保持され、或いは、既に流体送出用容器1内に、例えば試薬が保持されていた場合には、当該試薬とともに保持される。
以上で操作者の溶出操作が終了する。次に、流体送出用容器1内に保持される流体を外部に送出する操作について、上述した図2と、新たな図4とを用いて説明する。図4は、第1の実施の形態に係る流体送出用容器1を用いて内部に保持する流体を外部に送出し、嵌合部14が嵌合した状態を示す断面図である。
まず操作者は、開口部12にフィルタF及びノズル機構Nを装着する。流体送出用容器1内に保持されている流体Rは、開口部12から外部に送出されるが、図3に示すように開口部12にはそのままの状態では、特に何も装着されていない。これは溶出操作を行う際の操作性を確保するためである。一方で開口部12には、当初はノズル機構N等が装着されていないことから、この状態のままでは流体送出用容器1から外部に内部に保持する流体Rを送出する際に、その送出の量を制御することが困難である。
そこで開口部12にフィルタF及びノズル機構Nを装着して、送出量を制御可能とするとともに、保持される流体Rに適したフィルタFを選択して装着することによって、例えば不純物の除去等をおこなうことができる。また、例えば、試薬をその内部に含有するフィルタFを使用すると、流体R(検体)がフィルタFを通過する際に含まれる試薬と混合されて流体送出用容器1の外部に送出される。
さらにフィルタFは、いわば蓋の役割も果たすことになるため、開口部12を下部に、底部11が上部となるように流体送出用容器1をひっくり返しても、この状態では内部の流体Rは流体送出用容器1の外部に送出されることはない。
図2はこの状態を示している。すなわち、開口部12には、フィルタFとノズル機構Nとが装着され、流体送出用容器1の内部には、流体Rが保持されている。図2に示す流体送出用容器1では、流体Rの下面はフィルタFとの上面に接し、流体Rの上面は概ね第1の側面部131の中程となるような量が保持されている。
流体送出用容器1の内部に保持されている流体Rを外部に送出するに当たって、操作者は、例えば人差し指と中指とで台座部15を保持するとともに、底部11に添えた親指を開口部12に向けて長軸方向Xに移動させる。当該操作により、いわゆる蛇腹構造に形成されている第1の側面部131が縮む。第1の側面部131がこのように変形することによって、底部11を開口部12に向けて移動させることができる。
底部11が操作者によって押されることによって、第1の側面部131は開口部12に向けて縮むように変形する。これにより、流体Rは流体送出用容器1内の空気によって押し出されるように、フィルタFを通過してノズル機構Nから流体送出用容器1の外部へと送出される。
操作者が底部11を親指で押すことによって流体Rは流体送出用容器1の外部へと送出されるが、フィルタFを通過するために操作者が底部11を急激に大きな力で押さない限り、流体Rの送出量は概ね一定量に制御される。
さらに継続して操作者によって流体送出用容器1の外部への流体Rの送出の操作が行われると、第4の側面部134に形成されている第2の嵌合部142が第3の側面部133に形成されている第1の嵌合部141と接触する。但し、上述したように第1の嵌合部141は外側に突出した形状となるように形成され、一方第2の嵌合部142は内側に突出した形状となるように形成されている。従って、底部11が開口部12に向けて移動している状態では第1の嵌合部141と第2の嵌合部142とは接触しても互いに嵌合することはない。
さらに底部11を開口部12に向けて移動させると、第4の側面部134が台座部15に接触する。この状態になると、これ以上底部11を開口部12に向けて押し込むことはできない。従って流体Rもこれ以上流体送出用容器1の外部に送出することはできない。
これで流体Rを流体送出用容器1から送出する操作は終了する。そこで、操作者は底部11を開口部12に向けて移動させる操作を終了する。第1の側面部131は、いわゆる蛇腹構造であるので、縮んだ後に縮む方向に加えられていた圧力が解放されると今度は今まで圧力が加えられていた方向とは反対の方向に伸びる性質を有している。そのため、流体Rの送出の操作が終わって操作者が底部11から指を離すと、縮んでいた第1の側面部131は、逆に開口部12から底部11に向けて伸びる。従って、このような第1の側面部131の動きに合わせて底部及び第4の側面部134も開口部12から底部11に向けて長軸方向Xに移動する。
但し、第3の側面部133に形成されている第1の嵌合部141と第4の側面部134に形成されている第2の嵌合部142とが接触すると、両嵌合部の形状から第1の嵌合部141と第2の嵌合部142が嵌合する。従って、図2に示すような流体Rを流体送出用容器1の外部に送出する操作が開始される前の第1の側面部131の状態と比べて、第1の側面部131の変形状態(縮まった状態)が維持される。図4は、この状態を示している。
このように、第3の側面部133に第1の嵌合部141が形成され、第4の側面部134に第2の嵌合部142が形成されて、両者が嵌合することによって、底部11が嵌合位置から上部に、すなわち開口部12から離れる位置に移動することが規制される。
すなわち、例えば、図2に示されているような流体Rの流体送出用容器1の外部への送出操作が開始されるような状態まで底部11が開口部12から離れることはない。嵌合部14によってこのような規制が行われることによって、流体Rへの加圧が終了しても流体Rが流体送出用容器1の内部に逆流することを防止することができる。従って、流体送出用容器1内に保持されている流体RとフィルタFを通過した流体Rとが混ざることによって生ずる不都合を回避することができる。
また、第1の嵌合部141は、第3の側面部133であって、開口部12から所定の距離底部11側に離れた位置に形成されている。第1の嵌合部141がこのような位置に形成されているのは、次の理由からである。すなわち、流体Rが流体送出用容器1から送出されると、その後ノズル機構Nの先端に流体Rが留まる可能性がある。そしてこの状態で流体送出用容器1全体を移動させると、流体Rの飛散が発生することが考えられる。
但し、第1の嵌合部141は、上述したように開口部12から所定の距離底部11側に離れた位置に形成されていることから、流体Rの送出操作が完了した状態で第2の嵌合部142と嵌合するわけではない。第2の嵌合部142は第1の側面部131が伸びるに従って、開口部12から離れる方向に台座部15から第1の嵌合部141が形成されている位置まで移動した後、第1の嵌合部141と嵌合する。
すなわち、このような位置に第1の嵌合部141を形成し、この位置で第2の嵌合部142との嵌合を行うようにすることで、第2の嵌合部142が形成されている第4の側面部134が開口部12から離れる方向に移動する余地を生み出すことができる。これによりノズル機構Nの先端に滞留している流体RをフィルタF側に引き込むことができる。従って、ノズル機構Nの先端からの流体Rの飛散をできる限り回避することができる。
以上説明したような構成を採用することによって、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態における流体送出用容器1Aは、基本的に第1の実施の形態における流体送出用容器1と同様の構成を採用している。但し、ガイド機構16を備える点で異なる。図5は、第2の実施の形態に係る流体送出用容器1Aを中央部において長軸方向に切断して示す断面図である。
ガイド機構16は、第4の側面部134の先端部がガイド機構16に接することで底部11の開口部12に向けての移動における短軸方向Yへのずれを規制するために設けられるものである。そのため、ガイド機構16は、長軸方向Xと並行となるように台座部15から上方へ延伸して形成されている。
すなわち、図5に示されているように、ガイド機構16は、台座部15を基点として開口部12側から底部11に向けて延伸するように形成される。また、ガイド機構16は側面部13を取り囲むように形成される。そのため、側面部13はガイド機構16の内側に配置されることになる。また、ガイド機構16の機能から、ガイド機構16は、側面部13の全周にわたって形成される。
上述したように、操作者が流体送出用容器を用いてその外部に流体Rを送出するに当たっては、台座部15を保持した上で底部11を開口部12側に向けて移動させる。当該移動は、第1の側面部131が蛇腹構造を採用していることによって可能となるものである。
但し一方で、蛇腹構造であるが故に、底部11を長軸方向Xに移動させる際に、開口部12に向けて真っ直ぐに移動させることが難しい場合がある。すなわち、長軸方向Xに開口部12に向けて押し下げる場合に、底部11に均等に圧力を加えることができないと底部11が短軸方向Yに移動し、その移動が長軸方向Xからずれることがある。
このように流体送出用容器からの流体Rの送出操作において、操作者による底部11を押し下げる操作がぶれると、第1の側面部131が長軸方向Xに均等に縮まず第1の側面部131が折れ曲がり、加圧効率が低下することが懸念される。そのため流体送出用容器から流体Rを確実に所定量送出することが困難となってしまう。
そこで第2の実施の形態における流体送出用容器1Aにおいては、図5に示すようなガイド機構16を設けている。ガイド機構16が上述した構成を採用することによって、操作者が底部11を開口部12に向けて移動させる際に、操作者はガイド機構16に第4の側面部134を添わせるようにして移動させることができる。
換言すれば、第4の側面部134がガイド機構16に接触してその動きが規制される。そのため底部11を短軸方向Yにぶれさせずに開口部12に向けて移動させることができ、第1の側面部131の不均等な変形が発生しにくくなり、流体送出用容器1からの流体Rの所定量送出を担保することができる。
図6は、第2の実施の形態に係る流体送出用容器1Aを用いて内部に保持する流体Rを外部に送出し、嵌合部14が嵌合した状態を示す断面図である。第2の実施の形態における流体送出用容器1Aにおいても第1の嵌合部141及び第2の嵌合部142が形成されていることから、両者を嵌合させることによって、流体送出用容器1A内への流体Rの逆流の防止、及び、ノズル機構Nの先端からの流体Rの飛散を防止することができる。
以上説明したような構成を採用することによって、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることができる。
特に、第2の実施の形態における流体送出用容器1Aにおいては、ガイド機構16を備えていることから、より確実な流体Rの送出操作を行うことができる。
(第2の実施の形態の変形例)
次に、これまで説明してきた第2の実施の形態の変形例について説明する。第2の実施の形態の変形例における流体送出用容器1Bは、上述した第2の実施の形態における流体送出用容器1A同様、ガイド機構16を備えている。但し、操作者による流体送出用容器1Bからの流体Rの送出操作を行った後に、第1の側面部131を変形状態に維持する嵌合部14の構造が異なる。
次に、これまで説明してきた第2の実施の形態の変形例について説明する。第2の実施の形態の変形例における流体送出用容器1Bは、上述した第2の実施の形態における流体送出用容器1A同様、ガイド機構16を備えている。但し、操作者による流体送出用容器1Bからの流体Rの送出操作を行った後に、第1の側面部131を変形状態に維持する嵌合部14の構造が異なる。
図7は、第2の実施の形態の変形例に係る流体送出用容器1Bを中央部において長軸方向に切断して示す断面図である。また、図8は、第2の実施の形態の変形例に係る流体送出用容器1Bを用いて内部に保持する流体を外部に送出し、嵌合部14が嵌合した状態を示す断面図である。
すなわち、これまで説明してきた第1、或いは、第2の実施の形態における流体送出用容器1,1Aにおいては、嵌合部14は、第3の側面部133に形成される第1の嵌合部141と第4の側面部134に形成される第2の嵌合部142とから構成される。一方、第2の実施の形態の変形例における流体送出用容器1Bにおいては、第1の嵌合部141、第2の嵌合部142に代えて、新たに第3の嵌合部143、第4の嵌合部144が形成されている。
第3の嵌合部143は、ガイド機構16において、側面部13と対向する位置に形成されている。また、第3の嵌合部143は、これまで説明してきた第1の嵌合部141と同様、開口部12(台座部15)から所定の距離底部11側に離れた位置に形成されている。なお、この開口部12からの所定の距離は、例えば、第1の嵌合部141と同じ距離である。また、当該第3の嵌合部143は、ガイド機構16の側面部13と対向するように内側に向けて突出するように形成されている。
一方、第4の嵌合部144は、第4の側面部134であって、第4の側面部134の先端部に形成されている。但し、例えば第2の実施の形態における流体送出用容器1Aとは異なり、第4の嵌合部144はガイド機構16と対向するように外側に向けて突出するように形成されている。
すなわち、第2の実施の形態の変形例における流体送出用容器1Bは第3の側面部133ではなくガイド機構16に第3の嵌合部143が形成され、第4の側面部134の先端部に当該第3の嵌合部143と嵌合させるための第4の嵌合部144が形成されている。
従って、ガイド機構16に第4の側面部134を添わせながら底部11を開口部12に向けて移動させて流体Rの送出操作を行い、当該送出操作が終了すると、第1の側面部131が伸びることによって第4の側面部134が底部11に向けて少し戻る。そして第4の側面部134が移動する途中で第4の嵌合部144が第3の嵌合部143に引っかかる。この状態を示すのが、図8に示す流体送出用容器1Bである。
図8に示すように、第4の側面部134の先端に外側に向けて突出して形成された第4の嵌合部144が、内側に向けて突出するように形成される第3の嵌合部143に引っかかる(嵌合する)ことによって、この位置で第1の側面部131の伸びが止まり、この変形状態が維持される。
以上説明したような構成を採用することによって、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることができる。
また、第2の実施の形態の変形例における流体送出用容器1Bにおいては、ガイド機構16を備えていることから、より確実な流体Rの送出操作を行うことができる。さらに、第3の嵌合部143がガイド機構16に設けられており、当該第3の嵌合部143に合わせて、第4の側面部134にガイド機構16側に突出するように第4の嵌合部144が形成されていることから、第1の側面部131を変形状態に維持することができる。
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第1、或いは、第2の実施の形態において、上述の第1、或いは、第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第1、或いは、第2の実施の形態において、上述の第1、或いは、第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
[流体送出用容器の構成]
第3の実施の形態における流体送出用容器1Cは、一方端部に形成される底部11と、他方端部に形成される開口部12と、底部11と開口部12とをつなぐ側面部13とを有し、内部に流体を保持する。この点でこれまで説明した流体送出用容器1,1A,1Bと同じ構成である。
第3の実施の形態における流体送出用容器1Cは、一方端部に形成される底部11と、他方端部に形成される開口部12と、底部11と開口部12とをつなぐ側面部13とを有し、内部に流体を保持する。この点でこれまで説明した流体送出用容器1,1A,1Bと同じ構成である。
一方で、嵌合部の構造が大きく異なる。すなわち、第3の実施の形態に係る流体送出用容器1Cは、側面部13に、互いに対向する位置に設けられる一対の嵌合部145,146を備え、容器内側に向けた短軸方向Yへの加圧により側面部13を凹ませることで嵌合部145,146を嵌め合わせる構造を採用している。
図9は、第3の実施の形態に係る流体送出用容器1Cを中央部において長軸方向Xに切断して示す断面図である。図9に示す流体送出用容器1Cにおいて、側面部13は、3つの部分に分けられる。すなわち、底部11から開口部12に向けて順に、第5の側面部135と、第6の側面部136と、第7の側面部137である。
第5の側面部135は、底部11と連結されて、例えば溶出操作を行う際には当該底部11とともに、流体Rを保持する役割を果たす。
第6の側面部136は、流体送出用容器1Cの側面部13の概ね中央部を構成する。第6の側面部136は、図9に示す底部11側端部において第5の側面部135と接続し、開口部12側端部において後述する第7の側面部137と接続する。
また、第6の側面部136は、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを備えている。当該第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合される際には、第5の側面部135と第7の側面部137との境界が折れ曲がる構造が採用されている。そのため、第6の側面部136は、短軸方向Yに変形させることが可能とされている。
第7の側面部137は、第6の側面部136の開口部12側端部と開口部12とをつなぐ位置に形成されている。第7の側面部137は、開口部12において台座部15とも連結され、短軸方向Yに変形可能な第6の側面部136等を支持する。
第5の嵌合部145と第6の嵌合部146は、第3の実施の形態における流体送出用容器1Cにおける嵌合部14を構成する。図9に示すように、第5の嵌合部145は、流体送出用容器1Cの内部に突出して凸状の形状となるように形成される。一方、第6の嵌合部146は、第6の側面部136から外部に突出して凸状の形状となるように形成される。
そして、第6の嵌合部146における第6の側面部136から外部に突出することで流体送出用容器1Cの内部に形成される凹状部分に、第5の嵌合部145の凸状部分が嵌め合わせられることによって第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合される。
[流体送出用容器の操作]
以上、第3の実施の形態における流体送出用容器1Cの構成を説明した。次に、当該流体送出用容器1Cを利用した操作について説明する。まず、操作者が溶出操作を行う場合を説明する。図10は、第3の実施の形態に係る流体送出用容器1Cと器具Sとを用いて、溶出操作を行う様子を説明する断面図である。
以上、第3の実施の形態における流体送出用容器1Cの構成を説明した。次に、当該流体送出用容器1Cを利用した操作について説明する。まず、操作者が溶出操作を行う場合を説明する。図10は、第3の実施の形態に係る流体送出用容器1Cと器具Sとを用いて、溶出操作を行う様子を説明する断面図である。
操作者が綿棒等の器具Sを用いて被検体から検体を採取する。採取された検体は、流体送出用容器1C内に移される。このときの流体送出用容器1Cの向きは、図10に示すように、上部に開口部12が開口し、下部に底部11が位置する向きである。
操作者は器具Sを開口部12から流体送出用容器1C内に挿入する。器具Sを流体送出用容器1Cに挿入する際の位置は、採取した検体が付着する器具Sの先端部を第5の嵌合部145と第6の嵌合部146に接触させることが可能な位置である。
操作者は第6の側面部136を、図10に矢印で示す短軸方向Yであって、容器内側に向けて、例えば指を使って加圧する。加圧されると、第6の側面部136は、容器内部に折れ曲がって凹むように変形する。そして第6の側面部136が凹むことによって第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが互いに近接し、検体が付着する器具Sの先端部を挟む。この挟んだ状態で器具Sを長軸方向Xに上下させる。
すなわち、第3の実施の形態においては、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを用いて器具Sをしごくことによって溶出操作が行われ、採取された検体は流体送出用容器1C内に移動される。移動された検体は、流体送出用容器1C内に保持され、或いは、既に流体送出用容器1C内に、例えば試薬が保持されていた場合には、当該試薬とともに保持される。
以上で操作者の溶出操作が終了する。次に、流体送出用容器1C内に保持される流体を外部に送出する操作について、上述した図9と、新たな図11とを用いて説明する。図11は、第3の実施の形態に係る流体送出用容器1Cを用いて内部に保持する流体Rを外部に送出し、嵌合部145,146が嵌合した状態を示す断面図である。
まず操作者は、開口部12にフィルタF及びノズル機構Nを装着する。図9はこの状態を示している。すなわち、開口部12には、フィルタFとノズル機構Nとが装着され、流体送出用容器1Cの内部には、流体Rが保持されている。また流体Rは、第6の側面部136における第5の嵌合部145と第6の嵌合部146が形成されている位置よりも開口部12側に集まっている。
流体Rが流体送出用容器1Cにおいてこのような量となるように保持されているのは、操作者が送出操作を行うと、後述するように、最終的には第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合された状態となる。この際に、保持されている流体Rの上端が元々第5の嵌合部145と第6の嵌合部146が形成されている位置よりも底部11側に近い位置にあると、流体送出用容器1Cの外部に送出されずに残ってしまう流体Rが出てしまうからである。
図9に示すようにフィルタF及びノズル機構Nを装着して、操作者は、開口部12から流体送出用容器1C内に保持されている流体Rを外部に送出する操作を開始する。すなわち、上述した溶出操作と同様に操作者は第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを例えば指で挟み、当該第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを容器内部に向けて短軸方向Yに圧力を加える。当該加圧により流体送出用容器1CからフィルタFとノズル機構Nを介して外部に流体Rが送出される。
操作者による流体Rの送出操作は、上述したように、操作者が第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを指で挟んで加圧することによって行われる。従って、加圧に伴って第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とは次第に近接し、最終的には、両者が嵌合される。この状態を示すのが図11である。
図11は、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合された状態を示している。図11に示すように、これら第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合されると、流体送出用容器1Cにおいて2つの空間が作出される。
1つ目の空間は、底部11と第5の側面部135、及び第6の側面部136のうち、底部11側端部における第5の側面部135との接続位置から第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが形成される位置までの間(以下、第6の側面部136におけるこのような領域を「側面部136a」と表す)で構成される空間Oである。
2つ目の空間は、開口部12(フィルタF)と第7の側面部137、及び第6の側面部136のうち、開口部12側端部における第7の側面部137との接続位置から第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが形成される位置までの間(以下、第6の側面部136におけるこのような領域を「側面部136b」と表す)で構成される空間Pである。
すなわち、底部11、開口部12(フィルタF)、及び側面部13とで形成される流体送出用容器1Cの内部空間が、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合することによって、空間Oと空間Pとに区切られる。そして、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合した状態では、空間Oには流体Rは存在せず、空間Pにのみ存在する。
なお、この状態からさらに操作者が側面部136bを指で加圧することによって、流体Rを流体送出用容器1Cから外部に送出するようにしても良い。一方、側面部136bに対する加圧が停止されると、流体送出用容器1Cから外部への流体Rの送出は停止する。
そして、操作者の指が側面部136bから離れるに従って空間Pに対して加えられる圧力は弱まることから、ノズル機構Nの先端に残っている流体RもフィルタF内に引き込まれることになる。このように、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とを嵌合させることによって、流体送出用容器1C内への流体Rの逆流の防止、及び、ノズル機構Nの先端からの流体Rの飛散を防止することができる。
以上説明したような構成を採用することによって、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることができる。
特に、第3の実施の形態における流体送出用容器1Cにおける嵌合部14は、図9ないし図11に示すような第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とから構成される。これらは上述したような構成を採用していることから、一旦嵌合させると容易に外れることはない。従って、第6の側面部136の変形状態を確実に維持することができる。
また、第5の嵌合部145と第6の嵌合部146とが嵌合された後も、さらに側面部136bに対して加圧することによって、空間P内に残った流体Rを流体送出用容器1Cの外部に送出させることができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、加圧により内部に保持される流体を外部に送出するに当たって、確実に所定量を送出するとともに加圧が停止された後も流体が内部に逆流せず、さらには器具を用いた溶出操作の操作性も損なわないようにすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、1A〜1C 流体送出用容器
11 底部
12 開口部
13 側面部
131 第1の側面部
132 第2の側面部
133 第3の側面部
134 第4の側面部
141 第1の嵌合部
142 第2の嵌合部
15 台座部
F フィルタ
N ノズル機構
R 流体
11 底部
12 開口部
13 側面部
131 第1の側面部
132 第2の側面部
133 第3の側面部
134 第4の側面部
141 第1の嵌合部
142 第2の嵌合部
15 台座部
F フィルタ
N ノズル機構
R 流体
Claims (14)
- 一方端部に形成される底部と、他方端部に形成される開口部と、前記底部と前記開口部とをつなぐ側面部とを有し、内部に流体を保持する流体送出用容器であって、
前記側面部は、
前記底部と前記開口部とを結ぶ長軸方向に変形させることが可能に構成されている第1の側面部と、
前記第1の側面部を変形状態に維持する嵌合部と、
を備えていることを特徴とする流体送出用容器。 - 容器内側に向けた短軸方向の加圧により凹む第2の側面部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の流体送出用容器。
- 前記第1の側面部は、前記流体を前記開口部から送出するために前記底部を前記長軸方向に移動させて前記開口部に近づけることによって、前記長軸方向に縮むように変形することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体送出用容器。
- 前記第1の側面部は、二辺がなす内角が鋭角である山部と二辺がなす外角が鋭角である谷部とが交互に現われるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の流体送出用容器。
- 前記第1の側面部は、蛇腹構造であることを特徴とする請求項4に記載の流体送出用容器。
- 前記側面部は、さらに、
前記第1の側面部の開口部側端部と前記開口部とをつなぐ第3の側面部と、
前記第1の側面部と前記第2の側面部とが接する位置から前記開口部に向けて延伸するように形成され、前記流体送出用容器を前記底部から前記開口部に向けて見た場合に、前記底部の周囲よりも大きな周囲を有する第4の側面部と、
を備えていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の流体送出用容器。 - 前記嵌合部は、
前記第3の側面部であって、前記第1の側面部との境界近傍に設けられる第1の嵌合部と、
前記第4の側面部の前記第1の側面部と対向する内周に設けられる第2の嵌合部と、を備え、
前記第1の嵌合部と前記第2の嵌合部とが連結することにより前記第1の側面部を変形状態に維持することを特徴とする請求項6に記載の流体送出用容器。 - 前記第2の嵌合部は、前記第4の側面部において、前記第1の側面部と前記第2の側面部とが接する位置から前記開口部に向けて延伸した先端部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の流体送出用容器。
- 前記底部を前記開口部に向けて長軸方向に変形させる際に、前記底部の短軸方向へのずれを規制するガイド機構を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の流体送出用容器。
- 前記側面部が備える第3の側面部と連結し、前記開口部の周囲に、前記開口部が形成される平面と連続する平面部を備える台座部を備え、
前記ガイド機構は、前記第1の側面部の全周において、前記長軸方向と並行となるように前記台座部から上方へ延伸して形成され、
前記側面部が備える第4の側面部の先端部が前記ガイド機構に接することで前記底部の前記開口部に向けての移動における前記短軸方向へのずれが規制されることを特徴とする請求項9に記載の流体送出用容器。 - 前記嵌合部は、
前記ガイド機構であって、前記側面部が備える第3の側面部と対向する位置に設けられる第3の嵌合部と、
前記側面部が備える第4の側面部であって、前記ガイド機構と対向する位置に設けられる第4の嵌合部と、を備え、
前記第3の嵌合部と前記第4の嵌合部とが連結することにより前記第1の側面部を変形状態に維持することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の流体送出用容器。 - 一方端部に形成される底部と、他方端部に形成される開口部と、前記底部と前記開口部とをつなぐ側面部とを有し、内部に流体を保持する流体送出用容器であって、
前記側面部は、互いに対向する位置に設けられる一対の嵌合部を備え、
容器内側に向けた短軸方向への加圧により前記側面部を凹ませることで前記嵌合部を嵌め合わせることを特徴とする流体送出用容器。 - 前記嵌合部は、
前記内部に突出して凸状の形状となるように形成される第5の嵌合部と、
前記側面部から外部に突出して凸状の形状となるように形成される第6の嵌合部と、を備え、
前記第6の嵌合部における前記側面部から外部に突出することで前記内部に形成される凹状部分に、前記第5の嵌合部の凸状部分が嵌め合わせられることによって前記第5の嵌合部と前記第6の嵌合部とが嵌合されることを特徴とする請求項12に記載の流体送出用容器。 - 前記開口部に装着され、前記内部に保持された流体が通過するフィルタと、
前記フィルタを通過した前記流体を前記内部から外部に送出するノズル構造と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の流体送出用容器。
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Cited By (1)
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CN114279760A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-05 | 海口市人民医院(中南大学湘雅医学院附属海口医院) | 一种基于医学检测用的试剂取样装置 |
-
2017
- 2017-11-09 JP JP2017216633A patent/JP2019084517A/ja active Pending
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