JP2019083985A - スロットマシン - Google Patents

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Abstract

【課題】 設定値に応じて異なる有利な状態の管理を行う制御プログラム等を、限られた容量内で作成することが可能となるスロットマシンを提供すること。【解決手段】 遊技状態が「上乗せ特化」(遊技状態番号が6)のときは(ステップS126,YES)、役抽選の結果に関わらず終了抽選を行い(ステップS128)、当選したときは上乗せ特化を終了することを示す終了フラグをオンにする(ステップS130,YES→S134)。これに加え、設定差の無い当選役が決定された場合は(ステップS136,YES)、上乗せ抽選を行い、当選したときは終了フラグをオフにしてARTセット数を加算する(ステップS140,YES→S142→S144)。【選択図】 図17

Description

本発明は、スロットマシンに関する。
従来から遊技機の1つとして、スロットマシン(「回胴式遊技機」ともいう。)が広く知られている。この種のスロットマシンでは、遊技者がメダルや遊技球などの遊技媒体を規定数投入すると、スタートスイッチの操作が有効になり、この状態で遊技者がスタートスイッチを操作すると、役抽選が行われ、各々複数の図柄が描かれた複数のリールが回転を開始する。そして、リールの回転速度が一定の速度に達すると、各リールに対応して設けられたストップスイッチの操作が有効になり、遊技者がストップスイッチを操作すると、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御が行われる。
上述したリールの停止制御では、役抽選で何らかの役が当選したときは、その当選役に対応する図柄組合せが可能な限り有効ライン上に揃うように、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内の範囲で引込制御が行われる。これに対して、役抽選の結果がハズレであった場合は、何らかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないように蹴飛ばし制御が行われる。そして、全てのリールが停止し、有効ライン上に何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示された場合は、その役が入賞したことになり、入賞した役に応じた特典が遊技者に付与される。
また、従来のスロットマシンの中には、例えば特許文献1に記載されているスロットマシンのように、中段チェリーに入賞すると主基板(「主制御基板」、「メイン基板」、「メイン制御基板」、「遊技基板」または「遊技制御基板」ともいう。)においてAT期間中フラグがONにされてAT期間が開始される。AT期間中は、遊技者に有利なストップスイッチ(「ストップボタン」、「停止ボタン」または「停止スイッチ」ともいう。)の操作態様が報知可能な状態となり、遊技者にとって有利な状態となる。ここで、報知可能となる操作態様としては、ストップスイッチの操作順序(いわゆる「押し順」)や操作タイミング(より具体的には、いわゆる「目押し」の対象となる図柄(以下、「目押し図柄」ともいう。))などがある。そして、AT期間中に20ゲームが行われるとAT期間中フラグがOFFにされ、AT期間が終了する。
特開2014−150881号公報
従来、上述したようなスロットマシンでは、主基板に実装されたROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって抽選処理やリールの回転/停止制御など、遊技に関する制御を行っている。そして、公的な試験機関によって、上述した制御プログラムおよび制御プログラムが参照するデータ(以下、「制御プログラム等」という。)をチェック可能とするため、ROMに制御プログラム等を記憶することができる容量には制限が設けられている。したがって、特許文献1に記載されているスロットマシンでは、従来の遊技に関する制御に加えて、AT期間に関する管理やAT期間中の報知制御などを行う制御プログラム等を、限られた容量の範囲で作成しなければならない。
また、この種のスロットマシンでは、使用者がいわゆる出玉率を調整可能とするため、複数の設定値(一般的には1〜6の整数)を設けて、設定値に応じてAT期間が継続する長さを異ならせるのが一般的である。したがって、例えばAT期間の終了を抽選によって決定する場合は、その抽選確率を決定する抽選テーブルなどのデータを設定値毎に用意する必要があり、限られた容量の範囲内で制御プログラム等を作成するのをより一層困難にしている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、設定値に応じて異なる有利な状態の管理を行う制御プログラム等を、限られた容量内で作成することが可能となるスロットマシンを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、
複数の設定値のうち指定された設定値に応じた確率に基づいて、前記複数の設定値に応じて決定される確率が変動する第1の抽選結果または変動しない第2の抽選結果のいずれかを決定する抽選を行う抽選手段と、
有利な遊技状態において前記抽選手段によって抽選結果が決定されると、前記有利な状態を終了させるか否かを決定する終了抽選を行う終了抽選手段と、
前記抽選手段によって前記第2の抽選結果が決定されると、前記有利な遊技状態を維持するか否かを決定する維持抽選を行う維持抽選手段と、を備え、
前記終了抽選によって有利な状態の終了が決定されたときに、前記維持抽選によって有利な状態の維持が決定された場合は、前記有利な状態の終了を取り消して前記有利な状態を維持することを特徴とする。
上述した発明によれば、抽選結果に関わらず有利な状態を終了させるか否かの終了抽選を行い、その後、設定値に応じて決定される確率が変動しない第2の抽選結果が決定されたときは維持抽選を行って、当選した場合は、終了抽選によって有利な状態の終了が決定されていたとしても、それを取り消して有利な状態を維持させる。これにより、設定値に応じて決定される確率が変動する第1の抽選結果(ハズレも含む)になったときに、有利な状態の終了が決定されると、その決定が取り消される可能性が無くなるため、有利な状態が終了する可能性が設定値に応じて異なってくる。その一方で、終了抽選および維持抽選に関する処理は設定値に関わらず共通であり、これらの処理を行うための制御プログラム等を設定値ごとに作成する必要がない。このため、設定値に応じて異なる有利な状態の管理を行う制御プログラム等を、限られた容量内で作成することが可能となる。
以上のように、本発明のスロットマシンによれば、設定値に応じて異なる有利な状態の管理を行う制御プログラム等を、限られた容量内で作成することが可能となる。
本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。 同スロットマシンの内部構造を説明するための説明図である。 同スロットマシンのクレジット数表示器およびARTランプの構成を説明するための説明図である。 同スロットマシンが備える各リールの図柄配列を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける条件装置の種類とその図柄組合せを説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける条件装置の種類とその図柄組合せを説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける条件装置の種類とその図柄組合せを説明するための説明図である。 同スロットマシンの機能的な構成を示す機能ブロック図である。 同スロットマシンにおける役抽選によって決定し得る抽選結果の種類を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける役抽選によって決定し得る抽選結果の種類を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける役抽選によって決定し得る抽選結果の種類を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける遊技区間(遊技状態番号)の移行と、その移行条件を示す遊技区間遷移図である。 同スロットマシンの役抽選における抽選状態の移行と、その移行条件を示す抽選状態遷移図である。 同スロットマシンの有利区間において、押し順が報知される抽選結果の種類について説明するための説明図である。 同スロットマシンの主制御手段で実行される遊技の進行を制御するための遊技進行メイン処理の内容を示すフローチャートである。 同スロットマシンの主制御手段で実行されるタイマ割込処理の内容を示すフローチャートである。 同スロットマシンの遊技進行メイン処理で実行されるART関連抽選処理の内容を示すフローチャートである。 同スロットマシンのART関連抽選処理で用いられる抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンのART関連抽選処理で用いられる抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンの遊技進行メイン処理で実行される七星カウンタ抽選処理の内容を示すフローチャートである。 同スロットマシンの画像表示装置に表示される演出画像の変化を説明するための説明図である。 同スロットマシンの七星カウンタ抽選処理で用いられる抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンの副画像表示装置に表示される演出画像の変化を説明するための説明図である。 本発明の他の実施形態に係るスロットマシンの主制御手段で実行されるART制御処理の内容を示すフローチャートである。 同ART制御処理で用いられる抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の各実施形態を詳細に説明する。
図1に、本発明の実施形態であるスロットマシン10の外観斜視図を示す。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部12と、本体部12の前面側(遊技者側)に開閉可能に設けられた前面扉14とによって構成されている。この前面扉14のほぼ中央部には、フロントパネル20が設けられ、図2に示すように、その略中央には表示窓21が形成されている。本体部12の内部には3個のリール40L,40C及び40Rが回転自在に設けられ、表示窓21から各リールの図柄を視認できるようになっている。
リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が水平方向の同一直線上に並ぶように設置されている。各リールの形状はリング状になっており、その外周面には均等に区分された20個の図柄領域に、各々1つずつ図柄が印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示窓21から、各リールに印刷された20個の図柄のうち各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。これにより、表示窓21には3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに停止表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の図柄が停止表示される位置(停止表示位置ともいう)を上段U、中央の図柄が停止表示される位置を中段M、最も下側の図柄が停止表示される位置を下段Dという。
3つのリールが停止したときに何らかの役が入賞したか否かは、上述した9つの図柄のうち、所定の停止表示位置に停止表示された図柄の組合せ(以下、「図柄組合せ」という。)によって判断され、これらの停止表示位置を結ぶ線(右下がりライン)を入賞ラインという。本実施形態では、規定数が「3」であり、3枚のメダルが賭けられた(3枚のメダルがベットされた)状態で遊技が行われると、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M及び右リール40Rの下段D(入賞ラインL)に停止表示された図柄組合せによって入賞したか否かが判断される。
なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」または「図柄組合せが揃った」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ライン上に停止表示された(すなわち、役が入賞した)ことを意味する。また、入賞ラインとなっている停止表示位置のことを、「入賞停止位置」ともいう。また、入賞ラインLとは別に、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を上段ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mを結ぶ線を中段ライン、左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの下段Dを結ぶ線を下段ラインという。さらに、左リール40Lの下段D、中リール40Cの中段Mおよび右リール40Rの上段Uを結ぶ線を右上がりラインという。
フロントパネル20には、表示窓21の他に遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓21の右側には後述するART中に点灯するARTランプARTLP(ATランプATLPともいう。)が設けられている。ARTランプARTLPの発光源は、フロントパネル20の背面に設けられた2つのLED29a,29b(後述する)であり、これらLEDの光が図1中、破線で示す透光領域を透過することによって発光する。表示窓21の左側には演出用の画像を表示するための副画像表示装置22が設けられている。
表示窓21の下側には、クレジット数表示器27(以下、「クレジット枚数表示器27」、「貯留枚数表示器27」ともいう。)、および、獲得枚数表示器28(以下、「払出枚数表示器28」ともいう。)が設けられている。クレジット数表示器27は、2桁の8セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(以下、「貯留」ともいう。)されている(より具体的には、後述する記憶したデータを書き換え可能な不揮発性メモリ(RWM:リードライトメモリ)に記憶されている)メダルの枚数(上限は50枚)を表示する。ここで、8セグメント表示器は、図3に示すように、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる表示器である。クレジット数表示器27の下位桁のセグメントDPは、後述する有利区間ランプ(以下、「有利区間LED」、「有利区間表示器」、「区間表示器」ともいう。)として使用される。なお、セグメントa~gを7セグメント表示部、セグメントDPをドットセグメント表示部ともいう。なお、クレジット数表示器27の代わりに、獲得枚数表示器28の下位桁のセグメントDPを有利区間ランプとして使用してもよい。
スロットマシン10で遊技を行うためにベットするメダルは、遊技媒体の一種である。遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)であってもよいし、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された価値を示す情報であってもよい。ちなみに、記録媒体は、スロットマシン10に直接投入することができるようになっていてもよいし、スロットマシン10以外の外部装置に投入することができ、そこに記録された価値を示す情報が外部装置を介して、スロットマシン10に投入することができるようになっていてもよい。スロットマシン10は、規定数のメダルがベットされると1回の遊技が可能となる。本実施形態における規定数は3枚である。
獲得枚数表示器28は、2桁の8セグメント表示器からなり、遊技の結果(入賞した役)に応じて遊技者へ払い出される(遊技者が獲得する)メダルの枚数を表示する。もちろん、セグメントDPを何かしらの用途に使用する場合は、セグメントa〜gおよびセグメントDPからなる8セグメント表示器を採用する必要があるが、セグメントDPを使用しない場合には、セグメントa〜gのみからなる7セグメント表示器を採用してもよい。また、8セグメント表示器、7セグメント表示器の総称として「セグメント表示器」ともいう。
フロントパネル20の下側には、スロットマシン10の全幅に亘って概略水平に形成され、遊技者方向に突出した操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の前面右側には、本体部12に対して前面扉14を施錠または開錠するドアキー31が設けられている。本実施形態では、ドアキー31に台鍵(図示略)を差し込み、時計回りに回す(前面扉14に向かって右に回転させる)と前面扉14が開錠され、反時計回りに回す(前面扉14に向かって左に回転させる)と異常状態(以下、「エラー状態」ともいう。)の解除(リセット)を行うことができる。
操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。また、スロットマシン10の内部には、投入されたメダルを選別する為のセレクタ80(後述する)が設けられ、セレクタ80内のメダルセンサ(投入センサ)が、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御手段100へメダル検出信号を出力する。主制御手段100は、入力されたメダル検出信号に基づいて、投入されたメダル枚数のカウントや、メダル投入時の不正行為などの異常の検出(以下、「エラーの検出」ともいう。)を行っている。
操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10にベットする(換言すると、賭数を設定する)ためのベットスイッチ34,35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてベットする。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の遊技においてベットすることができる最大枚数(規定数)までのメダルを、遊技の賭けの対象としてベットする。また、規定数のメダルがベットされている状態でメダル投入口32にメダルが投入されると、その投入されたメダルはクレジット(RWMに記憶)される。なお、規定数のメダルがベットされ、かつ、クレジット(RWMに記憶)された枚数が上限(50枚)に達した状態でメダル投入口32にメダルが投入されたときは、そのメダルは後述するメダル払出口60から受け皿61に戻される。
メダル投入口32と、最大ベットスイッチ35との間には、遊技者がスロットマシン10へ情報を入力するための選択スイッチ38および決定スイッチ39が設けられている。選択スイッチ38は、上下左右の方向を指定する上スイッチ、下スイッチ、左スイッチおよび右スイッチの4つのスイッチで構成されている。そして、操作されたスイッチに対応して、上方向、下方向、左方向または右方向のいずれかが指定される。決定スイッチ39は、光が透過する部材で形成され、その内部にはLEDなどの光源が設けられており、決定スイッチ39の操作が無効になっているときはスイッチ内部の光源が消灯し、有効になっているときは点滅(点灯でもよい)するようになっている。また、決定スイッチ39の上面(操作面)は半球状に盛り上がっており、遊技者が操作しやすい形状になっている。
操作パネル部30の正面左側には、リールを回転させるためのスタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルがベットされると操作が有効となる。ただし、後述する再遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃った(再遊技役が入賞した)ときは、次の遊技(再遊技)において、再遊技役(「リプレイ役」ともいう。)が入賞した遊技でベットされていたメダルの枚数と同数分、自動的にベットされ、次の遊技(再遊技)を行うためのスタートスイッチ36の操作が有効となる。なお、この状態(自動的にベットされた状態)でメダル投入口32へメダルが投入された場合、そのメダルを受け皿61に返却するようにしてもよいし、上限(50枚)に達するまでクレジットするようにしてもよい。
スタートスイッチ36の操作が有効になった状態で、遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、3つのリール40L,40C及び40Rが回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、原則として、表示窓21内を上から下へと変動(スクロール)表示されるが、フリーズ演出中は、図柄が下から上へと変動表示される場合がある。フリーズ演出は、遊技の進行が遅延している状態において実行される演出であり、特に、スタートスイッチが操作された直後に遊技の進行を遅延させる場合は、リール40L,40C,40Rを適宜回転させることで、遊技の興趣を向上させるフリーズ演出(以下、「リール演出」ともいう。)を実行することができる。リール演出としては、例えば、通常の回転方向(上から下)とは逆方向(下から上)にリールを回転させたり、リールを所定の図柄数分だけ上から下または下から上に回転させて特定の図柄組合せを停止表示したり、複数のリールのうち所定のリールを停止させたまま、他のリールを回転させたり、リールの回転速度を変化させたり、遊技者の操作に応じてリールの動作を変化させたりしてもよい。
操作パネル部30の正面中央部には、リールの回転を停止させるためのストップスイッチが設けられている。すなわち、リール40L,40C及び40Rに対応してストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられており、遊技者によって操作されたストップスイッチに対応するリールに対して停止制御を行う。ここで、ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が発光するとともに、その発光色が変化し得る構造になっている。例えば、ストップスイッチの操作が無効(受け付けられない状態)になっているときは、そのストップスイッチの押しボタン部分が赤い発光色となり、操作が有効(受け付け可能な状態)になっているときは青い発光色となる。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、リール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば80回転/分。単に「定速」ともいう。)に達したことを条件として、遊技者の操作が有効となる。なお、遊技者のストップスイッチに対する操作が無効になっている間は、ストップスイッチを赤く発光させる代わりに、消灯するようにしてもよい。
また、遊技中に左ストップスイッチ37Lが押動操作されると、当該遊技において左リール40Lの停止制御が行われて回転が停止し、中ストップスイッチ37Cが押動操作されると、中リール40Cの停止制御が行われて回転が停止し、右ストップスイッチ37Rが押動操作されると、右リール40Rの停止制御が行われて回転が停止する。なお、以下では、ストップスイッチを操作することを「停止操作」といい、全リールが回転を開始してから最初の停止操作を第1停止操作、2番目の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。リール40L、40C及び40Rが停止するときは、各リールの外周面に設定された20個の図柄領域のうち表示窓21に停止表示された連続する3つの図柄領域の各中心位置が、上段U、中段Mおよび下段Dの各中央位置に一致するように停止する。ここで、図柄領域の中心位置と、停止表示位置の中央位置とが一致する位置を定位置という。
操作パネル部30の左側には、清算スイッチ33が設けられており、受付期間内に操作されると、ベットされているメダル及びクレジットされていたメダルがすべて払い戻され(返却され)、クレジット数表示器27の表示も「0」になる。ここで、「清算」の文言は「精算」と表記してもよい。上述した受付期間は、例えば、全てのリールが停止してから(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了してから)、規定数のメダルがベットされてスタートスイッチ36の操作がなされたときまでの間とする。
上述した清算スイッチ33は、1回操作すると、ベットされたメダルとクレジットされていた全てのメダルが一度に払い戻されるようになっている。これに限らず、例えば、ベットされているメダルおよびクレジットされているメダルがあるときに清算スイッチ33が操作された場合は、ベットされていたメダルのみを払い戻し、この状態(メダルがベットされていない状態)で、再度、清算スイッチ33が操作された場合に、クレジットされているメダルを全て払い出すようにしてもよい。また、ある遊技で再遊技役が入賞し、次の遊技で再遊技を行うことが可能な状態になったときに、清算スイッチ33が操作された場合は、クレジットされているメダルのみを払い戻し、再遊技はそのまま実行可能な状態にするとよい。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の左側には左サイドランプ52Lが、右側には右サイドランプ52Rが設けられている。サイドランプ52L,52Rは、遊技待機中(以下、「非遊技中」ともいう。)や遊技の結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。
例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが入賞役(「小役」ともいう。)に対応していた場合、その入賞役に対応した枚数のメダルがクレジット(RWMに記憶)されるか、または後述するホッパー83(具体的にはホッパーモータ46)が作動して、ホッパー83に貯留されているメダルのうち、入賞した入賞役に対応する枚数のメダルが実際に払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で清算スイッチ33が操作されると、クレジットされていたメダルが実際に払い出される。そして、メダル払出口60から払い出されたメダルは受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上部には、液晶ディスプレイパネルから構成される画像表示装置70が設けられている。この画像表示装置70は、主に役抽選の結果やストップスイッチの操作態様(操作タイミングまたは操作順序など)を報知するための演出画像(いわゆる演出画面)、スロットマシンの遊技の進行(メダルをベット→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リールの回転停止)に応じた演出画像(いわゆる演出画面)等を表示することができる。また、演出画像の他にも、総遊技回数(総ゲーム数ともいう)やボーナス役の総当選回数等を表示するための遊技履歴用の画像(いわゆる遊技履歴画面)等を表示することができる。さらに、遊技待機中に表示されるデモ用の画像(いわゆるデモ画面。遊技待機画面ともいう。)も表示することができる。
加えて、遊技者が所定のサーバ(例えば、インターネットに接続され、スロットマシン10に関する各種サービスを提供するサーバ)から入手したパスワードの入力画面や、パスワードの入力後からの遊技回数(ゲーム数ともいう)やボーナス役の当選回数等を含んだ二次元コードを表示するための二次元コード用の画像(いわゆる二次元コード画面)なども表示することができる。
なお、画像表示装置70および前述した副画像表示装置22は、液晶ディスプレイパネルに限らず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中や非遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる表示装置を用いることが可能である。
画像表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合や、メダルが払い出されやすい状態(例えば、ボーナス遊技中やART中のように、遊技者にとって有利な状態)になっている場合などに応じて、所定のパターンで点滅(または点灯)する演出用ランプ72が設けられている。演出用ランプ72の左側には、左装飾ランプ72Lが、右側には右装飾ランプ72Rが設けられている。装飾ランプ72L,72Rは、サイドランプ52L,52Rと同様、遊技待機中や遊技結果に応じて所定のパターンに従って点滅(または点灯)する装飾用のランプである。
<スロットマシンの内部構造の説明>
次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図2は前面扉14を開けた状態を示しており、前面扉14の裏側(筐体内部側)と、本体部12の内側とを図示している。
図2において、前面扉14の上方、図1に示した画像表示装置70の裏側には、スロットマシン10で行われる遊技の演出の実行を制御する副制御手段200がケースに収容された状態で取り付けられている。副制御手段200は、後述するように、副制御基板と画像制御基板とによって構成される。これら各制御基板には、プリント基板上に実装されたCPUやその他IC等の電子部品を含む回路が構成されている。図2中、表示窓21の左側には、複数のLEDが設けられており、そのうちLED29a,29bは、図1に示したARTランプARTLPの発光源になっている。
表示窓21の下側には、前述したセレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルの中から正規のメダルを選別する。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口60に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。一方、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するホッパー83のメダル貯留部83a(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。
また、セレクタ80は、第1投入センサ48a、第2投入センサ48bおよびメダル通路センサ49を備えており、これらのセンサによって受入通路81bへ導かれるメダルの検出や、メダルの投入に関する異常を検出している。例えば、第1投入センサ48aおよび第2投入センサ48bによってメダルが検出される時間差や検出される順序などに基づいて、投入されたメダルに関する異常を判断している。また、メダル通路センサ49が所定時間以上、メダルを検出し続けた場合は、セレクタ80内でメダル詰まりが発生したと判断している。前面扉14の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lの位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
次に本体部12の内部において、正面右上には、前面扉14の開閉を検出するドアスイッチ44が取り付けられている。ここで、図2ではドアスイッチ44が本体部12側に設けられているが、前面扉14側に設けてもよい。本体部12の内部、背板上方には、遊技の制御を行う主制御手段100を収容した主制御基板ケース102が取り付けられている。
ドアスイッチ44の下側には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器(いわゆるホールコンピュータや、遊技場に設置された遊技履歴表示装置など)に対して出力するための中継基板である。本体部12内の略中央には、リール40L,40C,40Rを内包するリールユニットが設置されている。リール40L,40C,40Rの内側には、各々対応するリールを回転させるためのステッピングモータ42L,42C,42Rと、対応するリールの基準位置(後述する)を検出するための回胴センサ43L,43C,43Rが設けられている。
本体部12内の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、ホッパー83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常(一部の異常は除く)が検知されたことによって遊技の進行(制御処理)が強制的に停止された場合に、再び遊技の進行(制御処理)を開始させる際に操作されるものである。
なお、図1に示したドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、設定/リセットスイッチ82cを操作した場合と同様の作用を呈する。また、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12内に設けられた電源ユニット82に取り付けられているが、前面扉14の裏側に取り付けてもよい。このように、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cは、本体部12および前面扉14からなる筐体の内部に設けられているため、前面扉14が閉じられた状態では操作が困難になっている。また、「操作が困難」とは、例えば、前面扉14が閉められた状態では、針金や棒状の部材等を使った不正行為によって操作しなければならない、または、前面扉14が開いていることを不正行為によってドアスイッチ44が検出できない状態にした上で、前面扉14を開けて操作しなければならない、といった意味合いも含んでいる。
ホッパー83は、遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、メダルを払い出す装置である。ホッパー83のメダル貯留部83aは、約700枚のメダルを貯留することができるが、許容量以上のメダルが蓄積されるとメダル貯留部83aからメダルが溢れ、メダル補助収容庫84内に収容される。メダル補助収容庫84は、図2に示すように上面に開口Kを有する箱状の部材であり、メダル補助収容庫84の奥側の垂直壁面には、開口Kの近くに2つ、底面の近くに1つ、計3つの丸穴84aが穿設されている。そして、メダル補助収容庫84を、本体部12内の所定位置に置いたときに、本体部12に取り付けられている2本の棒状電極85aと、1本の棒状電極85bとが、各々対応する丸穴84aを通して、メダル補助収容庫84内に貫入される。
これにより、メダル補助収容庫84内にメダルが蓄積されていって、メダルが棒状電極85aの位置まで蓄積されると、メダル自身の導電性によって棒状電極85aと85bとの間が電気的に導通する。主制御手段100は、この導通を検知することで、貯留されているメダルが上限に達したことを検知している。なお、図2に示した棒状電極は、開口Kの近くに2本、底面の近くに1本の計3本になっているが、これに限らず、開口Kの近くに1本、底面の近くに1本の計2本であってもよいし、開口Kの近くに2本、底面の近くに2本の計4本であってもよい。
[図柄および図柄配列の説明]
次に、図4を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。リール40L、40C及び40Rの各外周面には、図4(a)に示すように20個の図柄が印刷されている。なお、図4(a)に示す矢印は、遊技中(ただしフリーズ演出中を除く)でリール40L、40C及び40Rが回転しているときに、各リール上の図柄が表示窓21内でスクロールする方向を示している。
リール上の各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類には、図4(b)に示すように、“BAR”の文字をあしらった「バー」図柄と、数字の7を青色および赤色で表した「青7」図柄および「赤7」図柄と、青色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄と、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄と、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄と、樹木をモチーフにした「ブランク」図柄と、円形の図柄の上半分の部分を示す「上半円」図柄と、同じく円形の図柄の下半分の部分を示す「下半円」図柄と、がある。「上半円」図柄と「下半円」図柄とは、両者を合わせて1つの円形の図柄として認識することもできるため、これら2つの図柄を合わせて二連図柄ともいう。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図4(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御手段100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、各リールについて、表示窓21の各停止表示位置(上段U、中段M、下段D)に表示された図柄を認識する場合などに参照される。図4(a)に示す各リールテープは、図柄番号「5」と「6」の間を切り離して展開した状態を示しており、各リールテープをリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「5」と「6」の図柄が連続することになる。
[図柄組合せと条件装置との対応の説明]
次に、上述した図柄配列の各リールが停止したときに、入賞ラインL上に表示された図柄組合せと、条件装置との対応について図5〜図7を参照して説明する。図5〜図7に示す図柄組合せは、それらの図柄組合せが入賞ライン上に揃うと、遊技者に対して特典が付与されるものを図示している。遊技者に対して付与される特典には、再遊技、入賞(メダルの払い出し)およびボーナス遊技の3種類があり、これらの特典に対して予め定められた図柄組合せが対応付けられている。ここで、図5に示す図柄組合せは再遊技を付与可能な再遊技役(リプレイ役)の図柄組合せに対応し、図6〜図7(a)に示す図柄組合せは入賞を付与可能な小役の図柄組合せに対応し、図7(b)に示す図柄組合せはボーナス遊技として1BB遊技(後述する)を付与可能なボーナス役の図柄組合せに対応している。ここで、1BB遊技を付与可能なボーナス役を1BB役という。
上述した特典のうち、再遊技は、対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃うと、次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技)を行うことができる特典である。入賞は、対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃うと、その図柄組合せに応じた枚数のメダルが遊技者に払い出される特典である。1BB遊技は、対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃うと、次の遊技から所定の終了条件が成立するまで、遊技者に有利なRB遊技(第一種特別役物)が繰り返し行われる特典である。すなわち、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する。以下では、1BB遊技以外の遊技を通常遊技という。
1BB遊技中に実行されるRB遊技は、極めて高確率で小役が入賞する遊技であり、RB遊技中に8回を超えない回数のうち予め定められた回数の入賞、またはRB遊技が開始してから12回の遊技を超えない遊技回数のうち予め定められた遊技回数が行われると終了する。RB遊技が終了すると、1BB遊技の終了条件が成立していなければ、そのまま次の遊技からRB遊技が開始される。なお、RB遊技中に1BB遊技の終了条件が成立した場合は、RB遊技の途中であってもそのRB遊技および1BB遊技は終了する。
なお、以下では図柄組合せを表す場合、左リール、中リール、右リールの順に各リールにおける図柄の名称を記し、カギ括弧で括ることとする。例えば図6に示す入賞01に対応する図柄組合せは「リプレイ−ベル−スイカ」と記す。
図5〜図7に示す図柄組合せには、各々条件装置が対応付けられている。条件装置は、対応付けられた図柄組合せを入賞ライン上に揃えるために必要な条件とされている装置であり、条件装置が作動すると、その条件装置に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃えることが可能となる。どの条件装置が作動するかは、後述する役抽選によって定められる。再遊技役に係る条件装置は、図5に示すように「再遊技01」〜「再遊技11」の11個あり、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。
小役に係る条件装置は、図6〜図7(a)に示すように「入賞01」〜「入賞23」の23個あり、再遊技役と同様に、各条件装置に対して1つまたは複数の図柄組合せが対応している。ここで、入賞20〜23に対応する図柄組合せが揃ったときは、10枚のメダルが払い出され、入賞01または19に対応する図柄組合せが揃ったときは、9枚のメダルが払い出され、入賞10〜12に対応する図柄組合せが揃ったときは、4枚のメダルが払い出され、入賞13または14に対応する図柄組合せが揃ったときは、2枚のメダルが払い出され、入賞02〜09、15〜18に対応する図柄組合せが揃ったときは、1枚のメダルが払い出される。
ボーナス役に係る条件装置は、図7(b)に示すように「1BB」の1つのみであり、1BBに対応する図柄組合せが揃うと、次の遊技から1BB遊技が開始される。1BB遊技中は、RB遊技が連続して実行され、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が290枚を越えると1BB遊技が終了する。なお、1BB遊技の終了条件は、これに限られないが、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が300を超えることは、遊技者の射幸心をそそるおそれがあり望ましくない。
[制御手段の説明]
次に、図8に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御手段について説明する。スロットマシン10の制御手段は、遊技の進行を制御する主制御手段100と、演出の実行を制御する副制御手段200とによって構成されている。主制御手段100は、遊技者の操作に応じて遊技を進行させる制御を行い、副制御手段200は、主制御手段100から送信された情報に基づいて遊技の進行に伴って実行される演出や各種情報の報知(表示等)を制御する。なお、主制御手段100と副制御手段200との間でやりとりされる情報の送信は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御手段の説明≫
<主制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
主制御手段100は、CPU、ROM(リード・オンリー・メモリ。記憶手段ともいう。)、RWM(リード・ライト・メモリ。記憶手段ともいう。)、乱数生成手段(乱数回路)およびタイマカウント手段(タイマ回路)、入力ポートおよび出力ポート(以下、まとめて「I/Oポート」ともいう。)が1つのチップ内に構成されたものである。主制御手段100の機能を実現するための回路は、上述したチップを含め、一枚の主制御基板上に構成され、主制御基板は図2に示した主制御基板ケース102に収容されている。
上述したCPUは、演算を行うためのアキュムレータ(Aレジスタ)と、複数の汎用レジスタ(Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、LレジスタおよびQレジスタ)と、フラグレジスタとを備えている。これらのレジスタはいずれも1バイト(8ビット)で構成されている。また、汎用レジスタのうち、BおよびCレジスタ、DおよびEレジスタ、HおよびLレジスタは、それぞれペアで用いて16ビット(2バイト)のレジスタとして使用することができる。なお、2つの汎用レジスタをペアで使用する場合は、各レジスタを表す2つのアルファベットをまとめて表記する。たとえば、HレジスタとLレジスタをペアで使用する場合は、HLレジスタと表記する。
また、フラグレジスタは各ビットがCPUによる演算結果に関する状態を示すフラグになっているものであるが、本実施形態のフラグレジスタには、キャリーフラグ、ゼロフラグおよび第2ゼロフラグが含まれている。ここで、キャリーフラグは、演算(加算)を行ったときに桁上がりが生じた場合、および演算(減算)を行ったときに桁下がりが生じた場合に「1」となるフラグである。ゼロフラグは、演算結果が「0」になったときに「1」となるフラグである。第2ゼロフラグは、ゼロフラグが「1」になったとき、および、LD命令を行ったときに「0」がセットされときに「1」となるフラグである。
主制御手段100のI/Oポートは、操作手段300、図1に示した各種ランプ(有利区間ランプ等)および表示器、ステッピングモータ42L,42C,42R、回胴センサ43L,43C,43R、ドアスイッチ44、投入センサ48a,48b、メダル通路センサ49および外部集中端子基板86等の各部構成に対する信号を出力し、各部構成からの信号を入力する。
ステッピングモータ42L,42C,42Rは、主制御手段100から出力される励磁信号にしたがって、対応するリール40L,40C,40Rを回転または停止させる。回胴センサ43L,43C,43Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられたインデックス(被検出部材)を検出すると、その検出信号を主制御手段100に対して出力する。これにより主制御手段100は、当該インデックスの検出位置を基準としてステッピングモータのステップ数をカウントし、そのカウント値に基づいて、リールの回転位置(ひいては表示窓21に表示されている図柄)を判断することができる。
本実施形態ではステッピングモータの駆動制御をタイマ割込処理で行っているため、ステッピングモータのステップ数をタイマ割込処理の実行回数に基づいてカウントしてもよい。例えば、本実施形態では、ステッピングモータが定速で回転しているときには、タイマ割込処理を1回実行するごとにステッピングモータを1ステップだけ回動させている。したがって、上述した基準位置を検出するごとにタイマ割込処理の実行回数のカウント値をクリアした場合、ステッピングモータが定速で回転しているときは、タイマ割込処理の実行回数が基準位置からのステップ数と同じ値になる。
ホッパーモータ46は、ホッパー83(図2参照)に設けられ、メダル貯留部83a内のメダルを主制御手段100から出力される駆動信号にしたがってメダル払出口60から排出させる。払出センサ47a,47bは、ホッパーモータ46が駆動することによって払い出されるメダルを検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。ブロッカ45は、セレクタ80(図2参照)内に設置され、主制御手段100からのオン/オフ信号にしたがってメダル流路の形成または解除する。ここで、ブロッカ45がオンのときはメダル流路が形成され、メダル投入口32から投入されたメダルは、受入通路81bを経てホッパー83のメダル貯留部83aに貯留される。一方、ブロッカ45がオフのときはメダル流路が形成されず、メダル投入口32から投入されたメダルは、返却入通路81bを経てメダル払出口60から排出される。ドアスイッチ44は前面扉14の開閉を検出し、その検出信号を主制御手段100へ出力する。
外部集中端子基板86は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部の遊技情報表示装置や、いわゆるホールコンピュータなどの外部装置に対して主制御手段100から出力される各種信号を中継する。ここで、外部集中端子基板86から出力される信号には、スタートスイッチ36の操作に基づいて遊技に賭けられた(ベットされた)ベット数と同数のパルス信号が出力されるメダル投入信号、小役が入賞したことに基づいて払い出されたメダルの枚数と同数のパルス信号が出力されるメダル払出信号、1BB遊技中にオン状態となるBB信号、後述する有利区間中にオン状態となる有利区間信号等がある。有利区間信号に代えて、ART中にオン状態となるART中信号としてもよい。
外部集中端子基板86は、出力する信号ごとにリレー回路を設け、これらリレー回路を開閉することで対応する信号のオン/オフ状態を切り替えているが、リレー回路の代わりに例えばフォトカプラを用いてもよい。
操作手段300は、図1に示したスロットマシン10の前面扉に設けられた各種スイッチの他に、図2に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cを含む。電源スイッチ82aはスロットマシン10内の各装置に供給する電力をオン/オフするスイッチである。キースイッチ82bは鍵穴を有し、当該鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動することでオンまたはオフとなるスイッチである。設定/リセットスイッチ82cはエラーが検出されたときにそのエラーを解除(リセット)したり、設定変更中において設定値を変更したりする際に操作される押しボタン式のスイッチである。ここで、電源スイッチ82aをオフ状態とした後、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させ、オン状態にした状況下で、電源スイッチ82aをオン状態とすると、設定変更中となる。
<主制御手段の機能ブロック>
主制御手段100は、当選役決定手段110と、リール制御手段115と、抽選状態制御手段125と、遊技区間制御手段120と、フリーズ制御手段130と、報知遊技制御手段135と、入賞判定手段145と、異常検出手段150と、LED表示制御手段155と、制御コマンド送信手段160と、外部信号送信手段165と、を含んでいる。以下に説明する各手段の機能は、主制御手段100が備えるCPUが、ROMに記憶された制御プログラム(制御処理)を実行することで実現される。
(当選役決定手段の説明)
当選役決定手段110は、主制御手段100に含まれる乱数生成手段が発生する乱数(数値範囲:0〜65535)と、主制御手段100のROMに記憶されている抽選テーブルとに基づく抽選(役抽選)によって当選役を決定する。決定された当選役を「抽選結果」ともいう。当選役の種類としては、ボーナス役、再遊技役および入賞役(小役)があり、各当選役の当選確率は、上述した抽選テーブルにおいて予め定められている。
また、本実施形態では、出玉率(メダルの払い出されやすさ)を変えられるように、「設定値」(1〜6の整数)を指定することで、特定の当選役に関する当選確率を最大6段階で変化させることが可能になっている。ここでは設定値の値が大きい程、出玉率が高くなるように当選確率が定められている。具体的には、図9〜図11に示す表の「設定差」欄において、○印が付与されている当選役の当選確率が、設定値の値が大きい程、高くなるように設定されている。ただし、必ずしも6段階のすべてで当選確率を変化させなくてもよく、一部の設定値で共通の当選確率であってもよい。例えば、設定値3と4とで当選確率を同じくしてもよい。
設定値の指定は、図2に示した電源スイッチ82a、キースイッチ82bおよび設定/リセットスイッチ82cに対してスロットマシンのユーザが所定の操作を行うことで可能となるが、いずれにせよ、通常は前面扉14を開けた状態でなければ設定値を変更することができないようになっている。
さらに、本実施形態では、設定値毎に「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」、「RT4」、「BB中」という6つの抽選状態があり、当選役決定手段110は、各抽選状態に対応する抽選テーブルを用いて役抽選を行う。抽選状態に応じて、抽選対象となる当選役の一部が異なり、また、再遊技役の合成当選確率が異なっている。
図9〜図11に、抽選結果の種類および各抽選結果が決定されたときに作動する条件装置の種類を示す。ここで、図9はボーナス役に関する抽選結果、図10は再遊技役に関する抽選結果、図11は入賞役(小役)に関する抽選結果を示している。
図9において、Cは役物当選番号、Bは演出グループ番号(後述する)を示している。役物当選番号は、ボーナス役が当選役に決定されたときに作動する条件装置の種類を示す番号である。本実施形態ではボーナス役は1BB役のみであり、1BB役が当選役に決定されると役物当選番号は1となる。また、ボーナス役が当選役に決められていないときは、役物当選番号は0になっている。これにより、1BB役が当選役に決定されると、役物当選番号が0から1へ更新され、条件装置1BBが作動する。そして、条件装置1BBが作動すると、図7(b)に示した図柄組合せ「青7−青7−青7」を揃えることができる状態となる。
図9に示すように、1BB役は他の当選役と共に当選役に決定される。1BB役と共に当選役に決定され得る役には、後述する再遊技−E(作動する条件装置:再遊技03)、再遊技−F(作動する条件装置:再遊技03および再遊技07)、または、入賞−H(作動する条件装置:入賞15)がある。ここで、1BB役と再遊技−Eとが同時に当選する抽選結果を1BB−A、1BB役と再遊技−Fとが同時に当選する抽選結果を1BB−B、1BB役と入賞−Hとが同時に当選する抽選結果を1BB−Cという。なお、1BB役が単独で当選する抽選結果を設けてもよい。
1BB役と共に他の役が当選役に決定されたときは、役物当選番号と共に、当選役に決定された当選役の演出グループ番号が主制御手段100から副制御手段200へ送信される。例えば、1BB役と再遊技−Eとが当選役に決定された場合は、役物当選番号1と演出グループ番号5とが副制御手段200へ送信される(図9の「B」欄参照)。
1BB−A、1BB−Bおよび1BB−Cの抽選結果は、上述した抽選状態のうち、「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」において抽選対象となり、「RT4」および「BB中」においては抽選対象外となっている(図9の「抽選対象の有無」欄参照)。また、1BB−Aが決定される確率は、前述した設定値に応じて異なる(設定差がある)が、1BB−Bおよび1BB−Cが決定される確率は、いずれの設定値においても同じである(設定差が無い)。したがって、図9の「設定差」欄において、1BB−Aについては「○」が記され、1BB−Bおよび1BB−Cについては「×」が記されている。
条件装置1BBが作動したときは、条件装置1BBに対応する図柄組合せ「青7−青7−青7」が揃うまで、次のゲーム以降も条件装置1BBが作動し続ける。この状態を「内部中」または「ボーナス役の持越中」という。これに対して、再遊技役および小役に対応する条件装置が作動した場合は、少なくとも次の遊技が開始されるまでに作動状態が終了する。したがって、1BB役と共に再遊技役または小役が当選役に決定された場合、条件装置1BBは入賞するまで次の遊技以降も作動し続けるが、再遊技役または小役の条件装置は、次の遊技が開始されるまでに作動状態が終了する。
再遊技役は、図10に示すように、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3、再遊技−C〜Hの15種類が設けられている。ここで、再遊技−F以外は単独で当選役に決定される場合があり(再遊技−E以外は1BB役と共に決定されることはない)、以下、これら再遊技役が単独で当選役に決定された場合は、その抽選結果を、決定された当選役の種類で表す。例えば、再遊技−Eは単独で当選役に決定される場合と、1BB役と共に当選役に決定される場合とがあるが、単独で当選役に決定された場合の抽選結果は「再遊技−E」と表し、1BB役と共に当選役に決定された場合の抽選結果は前述したように「1BB−A」と表す。また、再遊技−Fは必ず1BB役と共に当選役に決定され、単独で当選役に決定されることはない。このため、図10では再遊技−Fをかっこ書きで示している。
役抽選で再遊技−A1〜A6の何れかが決定されると、再遊技01、04を含む複数の条件装置が作動し、再遊技−B1〜B3の何れかが当選役に決定されると、再遊技01、02を含む複数の条件装置が作動する。再遊技−Cが当選役に決定されたときは再遊技01、再遊技−Dが当選役に決定されたときは再遊技02の条件装置が単独で作動する。再遊技−Eは単独で当選役に決定されたときは、抽選結果が再遊技−Eとなって再遊技03の条件装置が単独で作動し、1BB役と共に当選役に決定されたときは、抽選結果が1BB−Aとなって再遊技03および1BBの条件装置が作動する。
再遊技−Fが当選役に決定されたときは再遊技03、07の条件装置が作動するが、必ず1BB役も当選役に決定されるので1BBの条件装置も作動する。再遊技−Gが当選役に決定されたときは再遊技02、05、06、10の条件装置が作動し、再遊技−Hが当選役に決定されたときは再遊技02、05〜10が作動する(図10の「作動する条件装置」欄参照)。
また、図10の「抽選対象の有無」欄において○印で示すように、再遊技−A1〜A6は、抽選状態がRT1のときだけ当選役に決定される可能性があり、再遊技−B1〜B3、−Gおよび−Hは、抽選状態がRT2のときだけ当選役に決定される可能性がある。再遊技−Cは抽選状態が非RTおよびRT4のときに当選役に決定される可能性があり、再遊技−Dは抽選状態がRT2〜RT4のときに当選役に決定される可能性がある。さらに、再遊技−Eは抽選状態が非RT〜RT4のときに当選役に決定される可能性があり、再遊技−Fは抽選状態が非RT〜RT3のときに1BB役とともに当選役に決定される可能性がある。
なお、再遊技−Eは、抽選状態が非RT〜RT3においては1BBと共に当選役に決定され得るが(抽選結果が1BB−A)、RT4においては単独で当選役に決定される(抽選結果が再遊技−E)。また、再遊技−Eおよび再遊技−F以外の再遊技役は1BB役と共に当選役に決定されることはない。さらに、同図「設定差」欄において○印で示すように、再遊技−Eと1BB役とが共に当選役に決定され得る場合、および再遊技−Dが当選役に決定され得る場合のみ設定差が設けられており、それ以外の再遊技役には設定差が設けられていない。
なお、前述した各抽選状態において、非RTにおける再遊技役(再遊技−C,E,F)の合成当選確率は、約1/7.3と、遊技状態の中で最も低く設定されている。RT1における再遊技役(再遊技−A1〜A6,E,F)の合成当選確率は、非RTと同じ、またはほぼ同程度(ただし非RTよりも低くはない)の合成当選確率に設定されている。RT2における再遊技役(再遊技−B1〜B3,D,E,F)の合成当選確率は、他の抽選状態に比べて最も高く設定されており、役抽選の結果がハズレとなる確率が極めて低く(0であってもよい)設定されており、ほぼ毎ゲーム、何らかの役が当選している状態になる。
また、RT4における再遊技役(再遊技−C,D,E)の合成当選確率は、RT4に滞在しているときの期待値が1未満となる(すなわち、投入したメダル枚数よりも払い出されるメダル枚数が少なくなる)ように設定されている。加えて、当選したボーナス役を比較的早く入賞できるように、ハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されている。そして、全置数(65536)から全小役、1BB役およびハズレに対する置数を引いた残りが再遊技役に対する置数となる。RT3における再遊技役(再遊技−D,E,F)の合成当選確率は、非RTおよびRT1と、RT2との間の合成当選確率となるように適宜設定されているが、非RTと同じ、またはほぼ同程度に設定されていてもよい。
小役は、図11に示すように、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、入賞−C〜Pの23種類が設けられている。ここで、入賞−H以外は単独で当選役に決定され、以下、これら入賞役が単独で当選役に決定された場合は、その抽選結果を、決定された当選役の種類で表す。例えば、入賞−A1が単独で当選役に決定された場合の抽選結果は「入賞−A1」と表す。また、入賞−Hは単独で当選役に決定される場合と、1BB役と共に当選役に決定される場合とがあるが、単独で当選役に決定された場合の抽選結果は「入賞−H」と表し、1BB役と共に当選役に決定された場合の抽選結果は前述したように「1BB−C」と表す。
役抽選で入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、入賞−Lおよび入賞−Mの何れかが当選役に決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するようになっている。入賞−Eが当選役に決定されたときは、入賞10〜12の条件装置が作動し、入賞−Gが当選役に決定されたときは、入賞13および14の条件装置が作動する。入賞−Hは単独で当選役に決定されたときは、抽選結果が入賞−Hとなって入賞15の条件装置が単独で作動し、1BB役と共に当選役に決定されたときは、抽選結果が1BB−Cとなって入賞15および1BBの条件装置が作動する。また、入賞−Nが当選役に決定されたときは、入賞21および23の条件装置が作動し、入賞−Oが当選役に決定されたときは、入賞20および22の条件装置が作動し、入賞−Pが当選役に決定されたときは、入賞20および21の条件装置が作動する。
さらに、入賞−Cが当選役に決定されたときは入賞01の条件装置が、入賞−Dが当選役に決定されたときは入賞10の条件装置が、入賞−Fが当選役に決定されたときは入賞14の条件装置が、入賞−Iが当選役に決定されたときは入賞16の条件装置が、入賞−Jが当選役に決定されたときは入賞17の条件装置が、入賞−Kが当選役に決定されたときは入賞18の条件装置が、各々の単独で作動する(図11の「作動する条件装置」欄参照)。
また、図11の「抽選対象の有無」欄において○印で示すように、入賞−A1〜A6、B1〜B3、C〜Lは、抽選状態が非RT〜RT4のときに当選役に決定される可能性がある。入賞−Hは、抽選状態が非RT〜RT3のときは1BBと共に当選役に決定され得るが、RT4のときは単独で当選役に決定され得る。入賞−M〜Pは抽選状態が1BB遊技中のみ当選役に決定される可能性がある。このように、入賞−H以外の入賞役は1BB役と共に当選役に決定されることはない
さらに、図11の「設定差」欄において○印で示すように、入賞−C、O、Pについては設定差が設けられているが、それ以外の入賞役には設定差が設けられていない。また、入賞−A1,A3,A5の各当選確率は互いに同じ値になっており、入賞−A2,A4,A6の各当選確率も互いに同じ値になっているが、入賞−A1,A3,A5と、入賞−A2,A4,A6とでは、当選確率は異なるように設定されている。もちろん、全て同じ値になるようにしてもよい。このようにしているのは、ある特定の押し順で遊技を行うと、その他の押し順で遊技を行うよりも有利な遊技結果となることがないようにするためである。
なお、再遊技役および小役について、複数の条件装置が作動する当選役が決定された場合、どの条件装置に対応する図柄組合せについて引込制御を行うかは、ストップスイッチの押し順に応じて異なっている(詳しくは後述する)。また、役抽選によって入賞役または再遊技役が当選役に決定されたときは、決定された当選役に対応する演出グループ番号(図10および図11における「B」欄参照。)が、主制御手段100から副制御手段200へ送信される。これにより、副制御手段200は、受信した演出グループ番号(換言すると、当選役の種類)に応じた演出を実行する。
また、図9〜図11に示した各抽選結果は、各図の「系統」欄に示すように、その他系、レア系、リプレイ系、ベル系および特殊系の5つの系統に分類することができる。ここで、その他系に属する抽選結果は1BB−A、ハズレ、再遊技−D、入賞−Cである。レア系に属する抽選結果は1BB−B,C、再遊技−E,G,H、入賞−D〜Lである。リプレイ系に属する抽選結果は再遊技−A1〜A6,B1〜B3,Cである。ベル系に属する抽選結果は入賞−A1〜A6,B1〜B3である。特殊系に属する抽選結果は入賞−M〜Pである。そして、主制御手段100は後述するように、決定された抽選結果の系統に応じて有利区間内における遊技区間の移行を制御するための各種抽選を行っている。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段115は、リール40L,40C,40Rを回転/停止させるステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動制御する。具体的には、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことに基づいてリール40L,40C,40Rの回転を開始し、リール40L,40C,40Rの回転速度が前述した定速に達した後は、定速を維持する。そして、ストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリール(より正確にはステッピングモータ)について停止制御を行う。
リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されてから対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。これにより、本実施形態のように各リールに20図柄が設けられたリールを、定速(80回転/分)の状態から190ミリ秒以内にリールの回転を停止させる場合は、80(回転)/60(秒)×0.19(秒)×20(図柄)=約5.067図柄分が回動するまでにリールを停止させる。ただし、リール制御手段115は、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインに係る停止表示位置(以下、「入賞停止位置」という。)を通過中の図柄は、その入賞停止位置に停止させないようにステッピングモータを制御する。
したがって、停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄までのうち、いずれかの図柄を入賞停止位置に停止させることができる。ここで、「停止操作されたときに、入賞停止位置を通過している図柄の1つ上流側に位置する図柄から、4つ上流側に位置する図柄まで」の範囲を「停止制御範囲」ともいう。
リール制御手段115は、当選役決定手段110によっていずれかの抽選結果が決定されると、その抽選結果に対応する条件装置の図柄組合せが入賞ラインLに停止するようにリールの回転を停止させる(いわゆる引込制御を行う)。ただし、条件装置の図柄組合せを構成する図柄が停止制御範囲内に無かったときは、当選役以外の役に対応する条件装置の図柄組合せが揃わないようにリールを停止させる(いわゆる蹴飛ばし制御を行う)。
例えば、図5に示した再遊技01の図柄組合せ(6種類)については、図4に示した各リールの図柄配列と、上述した停止制御範囲の関係上、6種類の図柄組合せのうちいずれか1つの図柄組合せを必ず入賞ライン上に揃えることができる(いわゆる「取りこぼし」が無い)。これに対して、例えば、図6に示した入賞02の図柄合せ(2種類)の場合、中リールについて、停止制御範囲に「BAR」図柄が存在しないタイミングで停止操作が行われた場合、引込制御によって「BAR」図柄を入賞ライン上に停止させることができず、入賞02の図柄組合せを揃えることができない(すなわち、取りこぼす)。
また、前述したように、当選役決定手段110によって、複数の条件装置が作動する当選役が決定された場合、リール制御手段115は、ストップスイッチの押し順に応じて引込制御を行う図柄組合せを異ならせる。例えば、再遊技−A1〜A6のいずれかが抽選結果に決定された場合、特定の押し順で停止操作されたとき(押し順正解のとき)は再遊技04の図柄組合せが揃うような引込制御を行うが、それ以外の押し順で停止操作がされたとき(押し順不正解のとき)は、再遊技01の図柄組合せが揃うような引込制御を行う。ここで、特定の押し順は、再遊技−A1が決定されたときは左→中→右、再遊技−A2が決定されたときは左→右→中、再遊技−A3が決定されたときは中→左→右、再遊技−A4が決定されたときは中→右→左、再遊技−A5が決定されたときは右→左→中、再遊技−A6が決定されたときは右→中→左、となる。
また、再遊技−B1〜B3のいずれかが抽選結果に決定された場合、リール制御手段115は、特定のストップスイッチが第1停止操作されたとき(押し順正解のとき)は再遊技02の図柄組合せを引込制御し、特定のストップスイッチ以外が第1停止操作されたとき(押し順不正解のとき)は再遊技01の図柄組合せを引込制御する。ここで、上述した「特定のストップスイッチ」は、再遊技−B1が決定されたときは左ストップスイッチ37L、再遊技−B2が決定されたときは中ストップスイッチ37C、再遊技−B3が決定されたときは右ストップスイッチ37R、となる。
また、再遊技−Gが抽選結果に決定された場合、リール制御手段115は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、再遊技06の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が表示窓21の中段ラインに「赤7」図柄を揃えることができる状態にする(図5、再遊技06の2番目の図柄組合せ参照)。また、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、再遊技02の図柄組合せについて引込制御を行う。右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、再遊技05の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄を停止させることができる状態にする(図5、再遊技05の1番目の図柄組合せ参照)。
また、再遊技−Hが抽選結果に決定された場合、リール制御手段115は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、再遊技05の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が中リール40Cおよび右リール40Rの中段Mに「赤7」図柄を停止させることができる状態にする。また、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されると、再遊技02の図柄組合せについて引込制御を行う。右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されると、再遊技06の図柄組合せについて引込制御を行い、遊技者が表示窓21の中段ラインに「赤7」図柄を揃えることができる状態にする。
また、再遊技−C,Dが抽選結果に決定された場合は、各々、作動した条件装置の図柄組合せについて引込制御を行う。再遊技−Eは、単独で抽選結果に決定される場合と、1BB役と共に抽選結果に決定された場合(1BB−A)とがあるが、いずれの場合も再遊技03の図柄組合せについて引込制御を行う。再遊技−Fが1BB役と共に抽選結果に決定された場合(1BB−B)も、再遊技07の図柄組合せを優先的に引込制御するが、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングによって再遊技07の図柄組合せを入賞ラインLに揃えられない場合は、再遊技03の図柄組合せについて引込制御を行う。
また、役抽選で入賞−A1〜A6の何れかが決定された場合は、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−A1およびA2は左→中→右および左→右→中(すなわち、左ストップスイッチ27Lを第1停止操作)、入賞−A3およびA4は中→左→右および中→右→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)、入賞−A5およびA6は、右→左→中および右→中→左(すなわち、右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)、となっている。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが揃うようなリールの停止制御を行うが、遊技者の操作タイミングによっては、図7(c)に示したパターン01およびパターン02のいずれかの図柄組合せ(RT移行こぼし目)が停止表示され得る。ただし、抽選状態がRT4になっているときに入賞−A1〜A6のいずれかが決定された場合は、押し順に関係なく入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。これは、前述したように、RT4においてはハズレとなる確率が小役の合成当選確率よりも高く設定されているため、RT4に滞在しているときであっても、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行うようにしていると、極端にメダルが払い出されない状態(遊技者に不利な状態)となってしまうからである。
ここで、複数の条件装置が作動しているときに、作動中の条件装置に対応する図柄組合せのうち、ストップスイッチ37L,37C,37Rの押し順に応じて引込制御の対象となる図柄組合せが異なる当選役を「押し順役」という。図68〜図70に示した各当選役の場合、再遊技−A1〜A6,再遊技−B1〜B3,再遊技−G,再遊技−H、および、入賞−A1〜A6,入賞−B1〜B3が押し順役となる。また、特に再遊技役に関する押し順役を「押し順リプレイ」、小役に関する押し順役を「押し順ベル」という。
さらに、押し順役が当選した遊技において、有利な遊技結果が得られる押し順を「正解押し順」といい、そうではない押し順を「不正解押し順」という。ここで、正解押し順とは、小役においてはメダル払出枚数が最も多い図柄組合せが揃うこととなる押し順をいい、再遊技役においては再遊技役の当選確率がより高い抽選状態へ移行(昇格)する図柄組合せが揃うこととなる押し順や、より低い抽選状態へ移行(転落)する図柄組合せが揃ってしまうのを回避できる押し順のことをいう。
役抽選で入賞−B1〜B3の何れかが決定されると、入賞01を含む複数の条件装置が作動するが(図11の「作動する条件装置」欄参照)、特定の押し順でストップスイッチが操作された場合に限って、入賞01に対応する図柄組合せについて引込制御を行う。この「特定の押し順」は、入賞−B1は左→中→右、左→右→中、中→左→右および中→右→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは中ストップスイッチ27Cを第1停止操作)となる。入賞−B2は中→左→右、中→右→左、右→左→中および右→中→左(すなわち、中ストップスイッチ27Cまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。入賞−B3は左→中→右、左→右→中、右→左→中および右→中→左(すなわち、左ストップスイッチ27Lまたは右ストップスイッチ27Rを第1停止操作)となる。
これに対して、特定の押し順でストップスイッチが操作されなかった場合は、入賞01以外の条件装置に対応した図柄組合せが必ず揃うようなリールの停止制御を行う。したがって、役抽選で入賞−B1〜B3の何れかが決定されたときは、入賞−A1〜A6の場合と異なり、図7(c)のパターン01およびパターン02に対応する図柄組合せ(RT移行こぼし目)が停止表示されることはない。
役抽選で入賞−Cが決定された場合は、押し順に関わらず入賞01の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。役抽選で入賞−D〜Lのいずれかが決定された場合は、作動した条件装置の図柄組合せが揃うリールの停止制御を行う。入賞−M〜Pは、1BB遊技中に限って、いずれかが当選する小役であり、入賞−M〜Pのいずれかに当選したときは、それにより作動した条件装置のうち、10枚役(入賞20〜23)の図柄組合せが必ず揃うリールの停止制御を行う。
(遊技区間制御手段の説明)
図8に戻り、遊技区間制御手段120は、通常区間から有利区間への移行および有利区間における性能(「遊技状態」ともいう)の変更(移行)を行う。ここで、「通常区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された(押し順役が当選した)遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間をいう。また、役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率が設定値に関わらず同一である予め定められた役に基づいて、後述する有利区間(または後述する「待機区間」)に移行するか否かを決定することができる遊技区間である。
「有利区間」とは、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、役抽選の結果を表す当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することが可能な遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様を報知可能な区間をいう。
有利区間へ移行した場合、遊技区間制御手段120は、予め定められた終了条件が満たされると通常区間へ移行するが、この終了条件が満たされたとしても、入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることはない。ただし例外として、有利区間の終了条件の一つとして有利区間における遊技が予め定められた遊技回数(本実施形態では1500ゲーム)に達した場合は、有利区間において、たとえ一度も入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されていなくても「通常区間」に移行する。これは、有利区間中に1500ゲームも行い、一度も押し順の報知がなされなかった遊技者が、1回だけ押し順を報知されても、遊技の興趣が向上するとはいえないためである。
例えば、有利区間へ移行し、さらに有利区間においてART1という状態へ移行し、ART1の状態で所定の終了条件が満たされると通常区間へ移行する仕様であった場合でも、有利区間中に入賞01の図柄組合せが揃う押し順を少なくとも1回は報知しないうちは、ART1の終了条件が成立しても通常区間へ移行させないようにする。この場合、ART1の状態をそのまま継続させてよいし、ART1から有利区間内の他の状態(例えば、図12中の「通常」)へ移行させてもよい。これは、有利区間へ移行したにも関わらず、何の恩恵もなく、再び通常区間へ移行させてしまっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまう恐れがあるからである。従来は、ART遊技(遊技者に有利なストップスイッチの操作態様が報知され得る遊技)が開始しても、遊技者の運が悪ければ(押し順が報知されるはずの当選役に当選しなければ)、一度も押し順を報知することなく、ART遊技が終了してしまうこともあり、遊技者の遊技意欲は低下する一方であった。
ただし、有利区間中に1BB役が当選役に決定され、かつ、1BB遊技が開始または終了している場合は、有利区間中に押し順が一度も報知されなくても通常区間へ移行させることができる。例えば、ART1の途中で、1BB役が当選役に決定されて、1BB遊技が終了したときは、有利区間中に1回も入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知していなかったとしても、ART1の終了条件が成立したときに、ART1の状態(有利区間)を終了させてもよい。これは、ボーナス遊技によって遊技者には恩恵が与えられているので、このような場合にまで、少なくとも1回は押し順を報知されなければならないとするのは、逆に遊技の興趣を低下させるおそれがあるからである。
なお、「通常区間」から「有利区間」に移行する権利を有しているものの、未だ「有利区間」に移行していないときの遊技区間として、「待機区間」を設けてもよい。待機区間は、ボーナス役(本実施形態では1BB役のように、条件装置が作動している状態(または当選情報)が次の遊技以降にも持ち越される役)が当選し、かつ、「通常区間」から「有利区間」に移行する抽選(区間移行抽選)に当選した場合に限り移行可能な遊技区間である。また、「待機区間」において、予め定められた条件(例えば、当選していたボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されること)を満たした場合に、「待機区間」が終了して次の遊技から「有利区間」が開始される。
待機区間は、通常区間と同様に、ストップスイッチの操作態様によって有利・不利が発生する役抽選の結果が決定された遊技において、ストップスイッチの有利な操作態様を把握可能な情報(例えば、当選番号や入賞・再遊技当選番号)を副制御手段200へ送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、ストップスイッチの有利な操作態様の報知を禁止する遊技区間でもある。
上述した各種の遊技区間を設けた理由は次の通りである。近年、設定値により高確(ART遊技に移行しやすい状態)やART遊技に移行する確率が異なるスロットマシンが急増しているが、遊技場に設置されたスロットマシンの大半が低い設定値に設定されており、なかなか高確やART遊技に移行しないといった苦情が挙がっていた。また、一部のスロットマシンでは、高い設定値に設定されていると、稀にではあるが1回のART遊技期間中に1万枚以上のメダルが払い出されていることがあり、射幸心を煽っているとの声が挙がっていた。
そこで、高確やART遊技に移行する確率を設定値によって偏りにくくするため、高確やART遊技に移行するための条件となる役抽選により決定される役(当選番号)の当選確率は設定値によって同一となるように定めることとするとともに、決定された役に対応する高確やART遊技に移行するための移行抽選の当選確率も設定値によって同一となるように定めることとした。また、高確やART遊技等のAT(いわゆるアシストタイム)に関する特別な状態に滞在している状況が多くなり過ぎ、一連の遊技によって過度にメダルが払い出されることを防止するため、高確やART遊技等のATに関する特別な状態に滞在できる遊技回数に限度を定めることとした。
これらを踏まえ、高確やART遊技等のATに関する特別な状態とその他の状態を区分するため、本実施形態における遊技区間として「通常区間」、「有利区間」及び「待機区間」を備えている。
また、従来のスロットマシンは、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能なATに関する遊技を開始するか否かを決定する抽選(以下、「AT抽選」ともいう)に当選しても、AT抽選に当選した遊技の次の遊技から所定回数の遊技が行われたことを契機として、AT抽選に当選したことを報知するものが大半であった。なぜなら、AT抽選に当選した遊技で報知すると、遊技者のATに関する遊技への期待感を長期間に亘って煽ることができないと考えていたからである。
このため、遊技者の中には、AT抽選に当選しているのにもかかわらず、そのことに気が付かずに(AT抽選に当選したことを報知する前に)遊技を止めてしまう者がいた。特に、初心者にその傾向が見られた。その一方で、端から自身の力でAT抽選に当選させる気がなく、所定回数の遊技だけを行うことで既にAT抽選に当選しているスロットマシンを見つけ出して遊技を行う者もいる。このような状況において、AT抽選に当選したときに遊技を行っていた者(AT抽選に当選させた者)がATに関する遊技を行わず、AT抽選の当選に何等寄与していない第三者がATに関する遊技を行うのは不条理ではないかという声があった。
このような声に応えるため、ストップスイッチの押し順(および/または操作タイミング)を報知可能な有利区間へ移行するか否かを決定する移行抽選に当選したことに気付かずに、その後の遊技を止めてしまう虞を少なくすることができるスロットマシンを提供する必要があった。そこで、本実施形態では、有利区間への移行抽選(後述するART抽選)に当選したときは、清算スイッチ33の操作が有効になる前に、有利区間ランプを点灯させるようにしている。ただし、次の遊技から有利区間ではなく、待機区間に移行させる場合は除く。
一般に、大半の遊技者は遊技をやめる際に、クレジットにメダルが残っていないか確認をする。そして、クレジットにメダルが残っていたときは、清算スイッチ33を操作することになる。したがって、遊技者が清算スイッチ33を操作する(遊技をやめる)前に、有利区間ランプを点灯させて、区間移行抽選に当選したことを報知することにより、誤って(区間移行抽選に当選していることに気が付かず)遊技をやめてしまうことを抑止できる。
また、本実施形態は、クレジット数表示器27の未使用セグメント(セグメントDP)を有利区間ランプとして利用するようにしている。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、同時に区間移行抽選に当選しているか否かを確認できるようになっている。さらに、クレジット数表示器27の未使用セグメントを利用することで、別途LEDを設ける必要がなく、コストが増えることもない。
なお、有利区間ランプとして、獲得枚数表示器28の8セグメント表示器におけるセグメントDPを使用してもよい。この場合、獲得枚数表示器28をクレジット数表示器27と横並び、または上下に並べて設けることが好ましい。これにより、遊技者がクレジットにメダルが残っていないか確認する際に、同時に区間移行抽選に当選しているか否かを確認できるようになるからである。さらに、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することを決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。これにより、例えば1遊技の終了後(メダルの払い出しがない場合はすべてのリールの停止後であり、メダルの払い出しがある場合は払い出し後)や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、遊技履歴画面や二次元コード画面を画像表示装置70に表示するスロットマシン10では、遊技者が有利区間ランプの点灯を見落としにくくなる。
具体的には、1遊技の終了後や非遊技中に決定スイッチ39が操作されると、メニュー画面を画像表示装置70に表示する。そして、メニュー画面が表示されている状況下では、選択スイッチ38の操作により、遊技履歴画面、パスワード入力するためのパスワード入力画面、二次元コード画面のうち、次にどの画面を表示するか選択可能となっている。すなわち、遊技者は遊技を終えるときに、遊技履歴を確認するため、または携帯端末に備わっている二次元コードリーダーを起動させて二次元コードを取得するため、決定スイッチ39を操作することになる。
そして、獲得枚数表示器28を決定スイッチ39の近傍に設けていることにより、決定スイッチ39を操作する際に、その視界には獲得枚数表示器28が入っているため、有利区間ランプが点灯していれば、点灯に気づかないことは稀であると言える。すなわち、次の遊技から有利区間に移行することに気付かず遊技を終えてしまうことを抑制することができる。もちろん、クレジット数表示器27のセグメントDPを、有利区間ランプとして使用する場合も、クレジット数表示器27は決定スイッチ39の近傍に設け、通常区間から有利区間へ移行することが決定した際は、決定スイッチ39の操作が有効になる前に有利区間ランプを点灯させることが好ましい。
なお、前述した待機区間は、本来は「有利区間」に移行すべきであるが、「有利区間」に移行させてしまうと不都合な事象が発生してしまう可能性があるため、「有利区間」へ移行させることを猶予されている遊技区間といえる。したがって、待機区間に滞在しているときは、有利区間ランプを点灯させなくてもよい。ここで、不都合な事象とは、有利区間ランプを点灯させることで、当選番号が意図しないタイミングで判別できてしまう(ボーナス役が当選しているか否かを最終的に報知する連続演出の実行中に、有利区間ランプが点灯することでボーナス役に当選していることが判別できてしまい、実行中の連続演出が無駄になってしまう)ことなどである。また、不都合な事象が発生する可能性がなければ、「待機区間」に移行させることなく、「有利区間」に移行させてもよい。本実施形態の場合、例えば再遊技−Fが1BBと共に当選役に決定された(抽選結果が1BB−Bになった)場合に、区間移行抽選に当選したときは、「待機区間」に移行させてもよい。このときに、「待機区間」に移行させないと(すなわち「通常区間」から直接「有利区間」へ移行すると)、再遊技03が揃ったときに有利区間ランプが点灯するため、1BBに当選したと判別できてしまうからである。
遊技区間制御手段120は、遊技区間の移行や有利区間内における性能の変更(遊技状態の移行)を制御する。遊技区間の種類(通常区間または有利区間)および有利区間の性能(遊技状態)は、遊技状態番号に基づいて管理している。すなわち、図13に示すように、通常区間には遊技状態番号0が対応付けられ、有利区間には性能に応じて遊技状態番号1〜13が対応付けられている。有利区間の性能には「通常」(遊技状態番号1)、「ART前兆」(遊技状態番号2)、「ART準備」(遊技状態番号3)、「ART1」(遊技状態番号4)、「バトル」(遊技状態番号5)、「上乗せ特化」(遊技状態番号6)、「ART2」(遊技状態番号7)、「エンディング状態」(遊技状態番号8)、「内部中」(遊技状態番号9)、「ボーナス」(遊技状態番号10)、「ボーナス後」(遊技状態番号11)、「バトル準備」(遊技状態番号12)、および、「上乗せ特化準備」(遊技状態番号13)がある。
また、遊技区間制御手段120は、遊技状態番号の他にも複数種類の遊技状態フラグによって遊技状態の移行を制御している。この遊技状態フラグには、ART1フラグ、ART2フラグ、バトルフラグ、上乗せ特化フラグおよびエンディングフラグの5種類がある。
遊技区間の初期状態は通常区間(遊技状態番号0)であり、遊技状態フラグは全てオフになっている。通常区間において、役抽選でレア系の抽選結果(図9〜図11参照)が決定されると、ART抽選(区間移行抽選)が行われる。このART抽選は、通常区間からの移行先を決定するための抽選であり、当選するとART前兆(遊技状態番号2)へ移行し、ART1フラグをオンにする(図12の矢印ア参照)。これに対して、ART抽選にハズレると通常(遊技状態番号1)へ移行し、ART1フラグをオフのままにする(図12の矢印イ参照)。なお、ART抽選の当選確率は適宜定めればよいが、決定された抽選結果の種類に応じて当選確率を異ならせてもよい。通常およびART前兆に滞在中に、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選すると、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知する(指示番号等を表示する)。
通常において、所定ゲーム数(ここでは7ゲームとする)が行われており、後述する七星カウンタの値が0だった場合は、通常区間へ移行する(図12の矢印ウ参照)。ただし、通常に滞在しているときに、入賞−B1〜B3が当選せず、入賞01の図柄組合せが揃う押し順(小役の正解押し順)を一度も報知していなかった場合は、通常に滞在し続ける。以下、この状態を「通常(ナビ待ち)」と称する。そして、通常(ナビ待ち)のときに入賞−B1〜B3が当選して入賞01の図柄組合せが揃う押し順(小役の正解押し順)が報知されると、通常区間へ移行して次の遊技から通常区間で遊技が行われる。
なお、通常において、所定ゲーム数が行われると、次のゲームから毎ゲーム転落抽選を開始し、その転落抽選に当選すると、通常区間へ移行するものであってもよく、その場合も、入賞−B1〜B3が当選せず、正解押し順が一度も報知されていなければ、転落抽選に当選していても通常(ナビ待ち)状態となって有利区間にとどまる。そして、入賞−B1〜B3が当選して正解押し順が報知されると通常区間へ移行する。
通常において前述した七星カウンタの値が7以上になった場合は、主制御手段100は昇格抽選を行い、昇格抽選に当選するとART前兆へ移行するとともに、ART1フラグをオンにする(図12の矢印エ参照)。なお、昇格抽選の当選確率は適宜定めればよい。そして、通常区間から直接、または、有利区間の通常からART前兆へ移行し、ART前兆で7ゲームが行われると、ART準備(遊技状態番号1)へ移行する(図12の矢印オ参照)。
ART準備において、役抽選で再遊技−A1〜A6(以下、「再遊技A群」ともいう。)のいずれかに当選したとき(後述する抽選状態がRT2へ移行したときでもよい)は、遊技状態フラグのオン状態に応じてART1(遊技状態番号4)またはART2(遊技状態番号7)へ移行する。すなわち、ART1フラグがオンになっていたときはART1へ移行し(図12の矢印カ参照)、ART2フラグがオンになっていたときはART2へ移行する(図12の矢印キ参照)。なお、RT2の状態でART準備へ移行したときは、次の遊技からART1またはART2へ移行する。また、ART2フラグがオンになる場合については後述する。
ART1へ移行すると、後述するバトル開始カウンタの加算抽選が毎ゲーム行われ、加算抽選によって当選値(加算値)が決定されるごとにバトル開始カウンタに加算される。そしてバトル開始カウンタの値が1000以上になると、ART1フラグをオフかつバトルフラグをオンにして、バトル(遊技状態番号5)へ移行する(図12の矢印ク参照)。
バトルへ移行すると、役抽選によってリプレイ系、ベル系、レア系のいずれかの抽選結果が決定されたときに後述するバトル抽選が行われ、バトル抽選に当選すると勝利フラグがオンになって、ART2への移行が確定する。バトルへ移行して3ゲームが行われると、バトルフラグをオフかつART1フラグをオンにして、再びART1(遊技状態番号4)へ移行する(図12の矢印ケ参照)。バトルで勝利フラグがオンになってART1へ戻った場合は、ART1において後述する特典決定処理が毎ゲーム行われる。そして、特典決定処理が行われているときに所定の条件を満たすと、上乗せ特化フラグがオンにされる(詳しくは後述する)。
ART1へ移行してから100ゲーム(但しバトルへ移行している間のゲーム数はカウントされない。)が行われるとART1の終了条件が成立して、上述した勝利フラグおよび上乗せ特化フラグに応じて通常区間(遊技状態番号0)、上乗せ特化(遊技状態番号6)およびART2(遊技状態番号7)のいずれかへ移行する。具体的には、勝利フラグがオフであればART1フラグをオフにして通常区間へ移行する(図12の矢印コ参照)。また、勝利フラグがオンかつ上乗せ特化フラグがオフになっているときは、勝利フラグおよびART1フラグをオフかつART2フラグをオンにしてART2へ移行する(図12の矢印サ参照)。さらに、勝利フラグおよび上乗せ特化フラグが共にオンになっているときは、勝利フラグおよびART1フラグをオフにして上乗せ特化へ移行する(図12の矢印シ参照)。
上乗せ特化へ移行すると、後述するように毎ゲーム、終了抽選が行われるとともに、役抽選で特定の抽選結果が決定されたときは、上乗せ抽選が行われる。そして終了抽選に当選すると終了フラグがオンとなり、終了抽選の当選が確定するとART2へ移行する(図12の矢印ス参照)。このとき、終了フラグおよび上乗せ特化フラグがオフにされ、ART2フラグはオンにされる。ART2では、1セット50ゲームのART遊技が行われる。そして、ART2で50ゲームが行われたときに、ART2セット数が0だった場合は、ART2フラグをオフにして通常区間へ移行する(図12の矢印セ参照)。また、ART2で50ゲームが行われたときに、ART2セット数が1以上だった場合は、ART2セット数の値から1を引いて再びART遊技を50ゲーム行う。
ここで、ART2セット数は、ART2において1セットのART遊技を行うことができる回数を示している。したがって、1セットのART遊技が終了するときに、RWMに記憶されているART2セット数が1以上であれば、ART2セット数の値を1つ減算して、引き続きもう1セットのART遊技を行うことができる。このように、ART遊技が引き続き行われることを、「連チャン」という。
なお、ART1に滞在しているときに、有利区間に移行してからそれまで一度も入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選せず、入賞01の図柄組合せが揃う押し順が一度も報知されていなかった場合は、ART1の終了条件(換言すると通常区間への移行条件)が満たされていたとしても、ART1に滞在し続ける。以下、この状態を「ART1(ナビ待ち)」と称する。これと同様に、ART2に滞在しているときに、有利区間に移行してからそれまで一度も入賞−A1〜A6または入賞−B1〜B3が当選せず、入賞01の図柄組合せが揃う押し順が一度も報知されていなかった場合は、ART2の終了条件が満たされていたとしても、ART2に滞在し続ける。以下、この状態を「ART2(ナビ待ち)」と称する。そして、ART1(ナビ待ち)およびART2(ナビ待ち)のときに入賞−B1〜B3が当選して入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されると、通常区間へ移行して、次の遊技から通常区間で遊技が行われる。ちなみに、ART1(ナビ待ち)およびART2(ナビ待ち)のときに入賞−A1〜A6が当選しても入賞01の図柄組合せが揃う押し順は報知されず、ART1(ナビ待ち)およびART2(ナビ待ち)に滞在し続ける。
遊技状態が、前述した通常、ART前兆、ART準備、ART1、バトル、上乗せ特化およびART2、並びに、後述するバトル準備(遊技状態番号12)および上乗せ特化準備(遊技状態番号13)の何れかであるときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1450ゲームになると、現在の遊技状態フラグをオフ、かつエンディングフラグをオンにしてエンディング(遊技状態番号8)へ移行する(図12の矢印ソ参照)。このとき、勝利フラグや終了フラグがオンであれば、それらもオフにする。
エンディング中は、有利区間に滞在することができる残りゲーム数を表示するエンディング演出が実行される。そしてエンディング中に、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1500ゲームになると、画像表示装置70にエンディング画面を表示し、エンディングフラグをオフにしてから通常区間(遊技状態番号0)へ移行する(図12の矢印タ参照)。ここで、画像表示装置70に表示するエンディング画面の内容としては、例えば、有利区間が終了したことを示す画像と共に、有利区間(ART準備やART1でもよい)へ移行してから現在に至るまでに獲得したメダルの枚数(払い出されたメダルの枚数から賭けられたメダルの枚数を減算した枚数)などを表示してもよい。
また、前述した通常、ART前兆、ART準備、ART1、バトル、上乗せ特化、ART2、エンディング、バトル準備および上乗せ特化準備のいずれかにおいて、役抽選で1BB役が当選すると、そのときの遊技状態フラグや勝利フラグのオン/オフ状態を維持したまま、内部中(遊技状態番号9)へ移行する(図12の矢印チ参照)。なお、通常区間(遊技状態番号0)のときに役抽選で1BB役が当選しても、遊技状態の移行は生じない。そして、条件装置1BBに対応する図柄組合せが入賞ラインL上に揃う(表示される)と、ボーナス(遊技状態番号10)へ移行して(図12の矢印ツ参照)、1BB遊技(ボーナス遊技)が開始される。このとき、全ての遊技状態フラグがオフになっていた場合は(通常から内部中へ移行した場合がこれに該当する)、ART1フラグのみをオンにする。1BB遊技中にメダルの払出枚数が290枚を越えると、1BB遊技が終了してボーナス後(遊技状態番号11)へ移行する(図12の矢印テ参照)。
ここで、上述した内部中、ボーナスまたはボーナス後のときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1450ゲームになると、エンディングフラグをオンにして、その他の遊技状態フラグや勝利フラグをオフにする。また、内部中、ボーナスまたはボーナス後のときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1500ゲームになると、エンディングフラグをオフにしてから通常区間(遊技状態番号0)へ移行する(図12の矢印タ参照)。このとき、画像表示装置70に前述したエンディング画面を表示してもよいし、1BB遊技が終了してから、前述したエンディング画面を表示してもよい。
ボーナス後(遊技状態番号11)において、役抽選で入賞−A1〜A6が抽選結果に決定されたときにパターン01およびパターン02(図7(c)参照)のいずれかの図柄組合せが表示された場合は、遊技状態フラグのオン/オフ状態に応じて遊技状態が移行する。具体的には、ART1フラグまたはART2フラグのいずれかがオンになっていた場合は前述したART準備(遊技状態番号3)へ移行する(図12の矢印ト参照)。また、バトルフラグがオンになっていた場合は、バトル準備(遊技状態番号12)へ移行し(図12の矢印ナ参照)、上乗せ特化フラグがオンになっていた場合は、上乗せ特化準備(遊技状態番号12)へ移行する(図12の矢印ニ参照)。さらに、エンディングフラグがオンになっていた場合は、エンディング(遊技状態番号8)へ移行する(図12の矢印ヌ参照)。
ボーナス後からART準備またはエンディングへ移行したときは、前述した移行条件に従って遊技状態が移行する。ボーナス後からバトル準備へ移行したときは、役抽選で再遊技A群の何れかに当選したとき(後述する抽選状態がRT2へ移行したときでもよい)に、前述したバトル(遊技状態番号5)へ移行する(図12の矢印ネ参照)。また、ボーナス後から上乗せ特化準備へ移行したときは、役抽選で再遊技A群の何れかに当選したとき(後述する抽選状態がRT2へ移行したときでもよい)に、前述した上乗せ特化(遊技状態番号6)へ移行する(図12の矢印ネ参照)。
なお、有利区間になっている(遊技状態番号1〜13の何れかになっている)ことは、有利区間ランプを視認することによって可能である。したがって、翌日の遊技場の営業開始時に有利区間中の状態から開始させたくない場合には、スタッフがスロットマシン10の有利区間ランプを確認し、点灯していた場合は設定値を変更するための操作をすることで、遊技状態が初期化されて通常区間から遊技が開始されることとなる。
従来のスロットマシンには有利区間ランプに相当するようなランプが備えられていなかったため、現在の状態が遊技者にとって有利な状態なのか否か(例えば、ART前兆であるか否か)をスタッフが判別できなかった。このため、同じ設定値を翌日も使いたい場合であっても、すべてのスロットマシンのRWMを初期化する(同じ設定値を使う場合にも、設定値を変更する(同じ設定値を指定する)ための操作を行う)ことによって、翌朝、有利な状態から開始されることを防止していた。これに対して、本実施形態は、有利区間ランプを備えることで、同じ設定値(設定値データ)を翌日も使いたい場合において、有利区間ランプが消灯している場合は設定値を変更するための操作を行う必要がないことが分かるため、スタッフの作業の手間を省くことができる。
また、本実施形態では、通常区間で遊技している遊技数が特定の遊技数(例えば1000ゲーム)に達したことに基づいて有利区間へ移行とするような機能(所謂、従来の天井機能)を設けていないため、通常区間において、どの遊技数から遊技を始めても遊技者にとって有利度が変わることはない。
(抽選状態制御手段の説明)
図8に戻り、抽選状態制御手段125は、前述した抽選状態(非RT〜RT4および1BB遊技)の移行を制御する。具体的には図13に示すように、抽選状態の初期状態は非RT(RT0)であり、例えば主制御手段100のRWMが初期化された場合、抽選状態はRT0となる(矢印A参照)。RT0において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されると、非RTへ移行する(矢印D参照)。また、RT1において役抽選で再遊技−A1〜A6のいずれかが当選したときに、再遊技04の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されると、RT2へ移行する(矢印C参照)。
また、RT2において役抽選で再遊技−B1〜B3のいずれかが当選したときに、再遊技01の図柄組合せが停止表示されると、非RTへ移行する(矢印D参照)。また、RT2において役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。
上述した非RT、RT1、RT2および、後述するRT3において、役抽選で1BB役に当選すると、RT4へ移行する(矢印E参照)。そして、RT4において1BB役が入賞すると、1BB遊技となり(矢印F参照)、1BB遊技中にメダルの払出枚数が295枚を超えると、1BB遊技の終了条件が満たされて、RT3へ移行する(矢印G参照)。したがって、1BB遊技中は入賞−M〜Pのいずれかが必ず当選して10枚役が入賞するため、1BB遊技中のゲーム数は30ゲームとなる。RT3では、役抽選で入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、パターン01または02の図柄組合せが停止表示されると、RT1へ移行する(矢印B参照)。
(フリーズ制御手段の説明)
図8において、フリーズ制御手段130は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達したことによって有利区間の終了条件が成立し、次の遊技から通常区間となる場合に、遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行する。ただし、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときに1BB遊技中(ボーナス遊技中)であり、かつ、1BB遊技の終了条件が満たされていないときは、その時点で遊技の進行を遅延させるフリーズ制御を実行せず、1BB遊技は継続して行われる。このように、有利区間中に実行されたゲーム数が1500ゲームに達したときに1BB遊技中であった場合は、有利区間中に行われた遊技が1500ゲームに到達した時点ではフリーズ制御を実行せず、ボーナス遊技が終了したときにフリーズ制御を実行する。
従来のスロットマシンは、ART遊技に対して制限が設けられていなかったため、1回のART中に何万枚ものメダルが払出されてしまう場合が少なからずあり、射幸性が高すぎるのではないという意見があった。そこで、本実施形態では、有利区間における遊技回数の上限を1500ゲームとすることで、射幸性が高くなりすぎないようにしている。また、フリーズ制御手段130は、有利区間で1500ゲームの遊技を行ったときにフリーズを行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等の表示することが可能となる。この表示内容としては、例えば、ART1およびART2(有利区間内におけるその他の遊技状態を含んでも、含まなくてもよい)の総遊技回数や総獲得枚数、ARTの総セット数などが考えられる。
ただし、有利区間である1BB遊技中に1500ゲーム目に達したときは、フリーズ制御手段130は、フリーズ制御を行わないようにしている。したがって、上述した有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等を表示することはない。これは、1BB遊技の途中にフリーズ制御を行ってしまうと、1BB遊技中の爽快感を削いでしまう可能性があるからである。また、1BB遊技が終了したときにフリーズ制御を行うようにしている。これにより、このフリーズ中に、1BB遊技中の総遊技回数や総獲得枚数を表示することが可能となる。
なお、有利区間であるボーナス遊技中に1500ゲーム目に達したときは、ボーナス遊技が終了したときのフリーズ中に、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等を表示してもよい。このときの表示内容としては、前述した様に、ART1およびART2(有利区間内におけるその他の遊技状態を含んでも、含まなくてもよい)の総遊技回数や総獲得枚数、ATの総セット数などが考えられる。さらに、有利区間中の総遊技回数や総獲得枚数等に、1500ゲーム目に到達後の通常区間中のボーナス遊技の総遊技回数や総獲得枚数を加算して表示してもよい。
(報知遊技制御手段の説明)
報知遊技制御手段135は、前述した有利区間に移行した場合(有利区間中のとき)には、当選役に応じて報知する押し順を決定し、報知することが可能となる。押し順の報知は、指示番号という数値を図1に示した獲得枚数表示器28に表示することによって行われる。具体的には、指示番号1〜6は、いわゆる6択の押し順を表しており、指示番号1は左→中→右(順押し)の押し順(押し順1)に対応し、指示番号2は左→右→中(ハサミ押し)の押し順(押し順2)に対応し、指示番号3は中→左→右(順中押し)の押し順(押し順3)に対応し、指示番号4は中→右→左(逆中押し)の押し順(押し順4)に対応し、指示番号5は右→左→中(逆ハサミ押し)の押し順(押し順5)に対応し、指示番号6は右→中→左(逆押し)の押し順(押し順6)に対応している。
また、指示番号7〜9は、いわゆる3択の押し順を表しており、指示番号7は左→中/右→右/中(左第1停止)の押し順(押し順7)に対応し、指示番号8は中→左/右→右/左(中第1停止)の押し順(押し順8)に対応し、指示番号9は右→中/左→左/中(右第1停止)の押し順(押し順9)に対応している。なお、報知遊技制御手段135によって押し順を報知しない場合には、特定の押し順を表さない指示番号0が定められている。
獲得枚数表示器28に指示番号を表示するときは、獲得枚数表示器28の十の位(以下、「上位桁」ともいう)の8セグメント表示器に「=」を表示し、一の位(以下、「下位桁」ともいう)の8セグメント表示器に指示番号を表示する。本実施形態では、獲得枚数表示器28を、メダルの払出枚数の表示と、エラーコードの表示(後述する)と、指示番号の表示とに兼用しているため、指示番号を表示する際には、メダルの払出枚数およびエラーコードを表示するときには表示されない「=」を表示することで、表示されている情報の種類(指示番号であるか否か)を遊技者が判断できるようにしている。なお、獲得枚数表示器28の上位桁は、無表示としてもよい。
なお、指示番号の表示態様として、指示番号0のときは「=0」を表示するようにしているが、無表示としてもよい。また、指示番号の表示態様としては、獲得枚数表示器28の上位桁に指示番号を表示し、下位桁は無表示としてもよい。ここで、無表示の態様としては、8セグメント表示器の全セグメント消灯させることなどが考えられる(有利区間ランプとして使用しているセグメントがあれば、それは消灯させない)。また、無表示の代わりに「=」を表示してもよい。さらに、指示番号を獲得枚数表示器28の上位桁に表示し、現に操作すべきストップスイッチを示す番号(例えば、左ストップスイッチ37は1番(「1」)、中ストップスイッチ37Cは2番(「2」)、右ストップスイッチ37は3番(「3」))を下位桁に順次表示するようにしてもよい。なお、上位桁に表示する内容と下位桁に表示する内容を入れ替えてもよい。
図14を参照して、有利区間における各遊技状態(遊技状態番号)において、正解押し順が報知されることとなる押し順役の種類について説明する。図14中、A群に属する遊技状態(ART準備、ART1、バトル、上乗せ特化、ART2、エンディング、バトル準備、上乗せ特化準備)は、有利区間の中では1BB遊技と並んで有利な状態であり、押し順が報知される対象となる抽選結果は、入賞−A1〜A6、入賞−B1〜B3、再遊技−A1〜A6、再遊技−B1〜B3となる。
また、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が決定されたときに報知される正解押し順は、入賞01の図柄組合せが揃う押し順となる。正解押し順の報知態様は、入賞−A1〜A6の何れかが当選した場合、第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類(左、中、右のいずれか1つ)を示すものである。また、前述したように、入賞−B1〜B3は、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順(第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類)が各々2通りあるが、このうち正解押し順として報知される第1停止操作を行うべきストップスイッチの種類は一方のみである。これは、入賞−B1〜B3が当選したときも、正解押し順の報知態様を入賞−A1〜A6と同様にすることで、どちらの小役が当選したのか遊技者が判別できないようにするためである。
なお、入賞−B1〜B3が当選したときに、2通りある正解押し順のうちどちらを報知するのかについては、入賞・再遊技当選番号に応じて予め定めておいてもよいし、抽選によって決めてもよい。ただし、抽選によって報知する押し順を決定する場合は、2通りある正解押し順から一方を選択する確率は均等であることが望ましい。もちろん、2通りある正解押し順を遊技者にすべて報知するようにしてもよい。また、再遊技−B1〜B3、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3が当選したときに、押し順7(指示番号7)〜押し順9(指示番号9)のいずれかではなく、押し順1(指示番号1)〜押し順6(指示番号6)のいずれかで報知してもよい。いずれを報知するのかについては、入賞・再遊技当選番号に応じて予め定めておいてもよいし、抽選によって決めてもよい。正解押し順の報知態様を再遊技−A1〜A6と同様にすることで、どの役が当選したのか遊技者が判別できないようにするためである。
また、RT1に滞在しているときに再遊技−A1〜A6が当選したときは、再遊技04の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知され、これにより、再遊技04の図柄組合せが揃ったときは、抽選状態がRT2へ移行(昇格)する。RT2に滞在しているときに再遊技−B1〜B3が当選したときは、再遊技02の図柄組合せが揃う押し順が正解押し順として報知される。これにより、正解押し順に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、再遊技01の図柄組合せが揃わずに、再遊技02の図柄組合せが揃い、抽選状態がRT2のまま維持(転落回避)される。
本実施形態のスロットマシンでは、遊技者の射幸心を著しく煽らないようにするため、例えばART2において、想定以上にART2セット数が蓄積されてART遊技がどんなに連チャンしたとしても、有利区間において1500ゲームが行われると、強制的に通常区間へ移行するようになっている。そこで、ART遊技が連チャンしているときに、有利区間へ移行してから行われたゲーム数が1450ゲームに達すると、エンディング(遊技状態番号8)へ移行して、エンディング演出を開始することで、有利区間が終了する(有利区間から通常区間へ移行する)時期が近づいていることを知らせている。この場合、ART遊技が継続しているときにエンディングへ移行したのであるから、正解押し順の報知についてもART中と同様であるべきである。なお、エンディング演出には、有利区間へ移行してから1500ゲームに達するまでART遊技が連チャンしたことに対して、遊技者の満足度や達成感を高める目的もある。
また、可能性としては低いが、有利区間へ移行してから1450ゲームが行われても、一度も入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されなかった場合(例えば、通常(ナビ待ち)で1450ゲーム目を迎えても)も、エンディングへ移行する。この場合、有利区間へ移行してしてから一度も入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知されることなく、通常区間へ移行してしまうのは、遊技者にとって酷である。したがって、せめて1451〜1500ゲームまでの50ゲームの間は、ART1やART2と同様に遊技者に有利な状態の遊技を提供する、という救済的な意味合いも有する。
図14に戻り、B群に属する遊技状態(通常、通常(ナビ待ち)、ART前兆、ART1(ナビ待ち)、ART2(ナビ待ち)、ボーナス後)では、正解押し順が報知される対象となる抽選結果は入賞−B1〜B3のみとなる。ここで、入賞−B1〜B3が決定されたときの正解押し順の報知態様は、A群に属する遊技状態において入賞−B1〜B3が当選したときと同様である。
なお、ART1(ナビ待ち)およびART2(ナビ待ち)では、ART1およびART2の本来の終了条件を満たしているため、画像表示表示70などにおいて、ART遊技が終了して通常区間と同様の演出が行われている(ただし有利区間LEDは点灯し続けている)。したがって、この状態で通常のART1およびART2と同様の押し順報知を行ってしまうと、遊技者に違和感を与える虞がある。よって、この観点からも入賞−B1〜B3が当選したときだけに限って正解押し順の報知を行うようにしている。また、ART1(ナビ待ち)およびART2(ナビ待ち)において、設定差の無い特定の抽選結果が決定されたときに、ART遊技を再開するか否かの抽選(ART再開抽選)を行い、当選した場合は、各遊技状態におけるART遊技を再開してもよい。
内部中(遊技状態番号9)のときは、1BB役を含む当選役が決定されたときに滞在していた遊技状態に応じて報知される押し順が異なっている。すなわち、上述したA群に属する遊技状態に滞在しているときに1BB役を含む当選役が決定された場合は、内部中へ移行すると、入賞−A1〜A6および入賞−B1〜B3のいずれかの抽選結果が決定されたときに、入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知される(厳密には、どの押し順でも入賞01の図柄組合せが揃うけれども)。これに対して、B群に属する遊技状態に滞在しているときに1BB役を含む当選役が決定された場合は、内部中へ移行すると、入賞−B1〜B3のいずれかの抽選結果が決定されたときのみ、入賞01の図柄組合せが揃う押し順が報知される。
上述した有利区間中の各遊技状態番号(換言すると「性能」、「遊技状態」)において、ART1およびART2では、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。これは、本実施形態においては、ART1およびART2において、通常区間より多くのメダルが払い出されるようにして、ARTという遊技状態が遊技者に最も有利な状態と位置付けているためである。
また、ART準備、バトル、上乗せ特化、バトル準備、上乗せ特化準備においても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知している。これらの遊技状態は、いずれART1またはART2へ移行することが確定しており、実質的にART1またはART2の一部ということができるにも関わらず、メダルの払出枚数をART1またはART2よりも少なくしてしまうのは遊技者に酷であるという考えによるものである。
さらに、エンディングにおいても、役抽選で入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃うこととなる押し順を報知している。エンディングは、基本的にはART1へ移行した後、バトル、上乗せ特化、ART2などの遊技状態を経て、有利区間へ移行してから1450ゲームとなったときに移行するものであり、実質的にART1やART2の一部ということができる。一方、極めて低い可能性ながら、通常(遊技状態番号1)において入賞−B1〜B3が当選しなかったため、通常(ナビ待ち)の状態からエンディングへ移行する場合もあり、その場合は、遊技者の興趣が低下しないようエンディングではできるだけメダルが払い出される機会を増やそうという考えによるものでもある。
これに対して、通常においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知している。これは、上述したように、本実施形態においては、ART1およびART2(実質的にそれらの遊技状態の一部であるものも含む)により多くのメダルが払い出されるようにしており、通常ではART1へ移行しない場合もあるため、多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えているためである。すなわち、通常でも多くのメダルが払い出されるようにしてしまうと、販売するための基準を満たすためにART抽選に当選する確率を低くしなければならないためである。
しかし、通常も有利区間であるため、ならば少なくとも一度は押し順が報知されるべきだろうという考えの下、正解押し順を報知することにしている。ここで、通常において、入賞−A1〜A6が当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知してしまうと、正解押し順が報知されない通常区間と比べて、メダルの払出枚数に大きな差が生じてしまう虞があった。そこで、通常においては、役抽選で入賞−B1〜B3のいずれかが当選したときだけ、入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知するようにし、通常区間と比べ、滞在中のメダルの払出枚数に大きな差が生じないようにした。
前述したように、入賞−A1〜A6はストップスイッチの全押し順(6通り)のうち2通りが入賞01の図柄組合せが揃う押し順となるため、押し順が報知されなかった場合は1/3の確率で入賞01の図柄組合せが揃うことになる。これに対して、入賞−B1〜B3は入賞01の図柄組合せが揃う押し順が4通り設定されているため、押し順が報知されなくても2/3の確率で入賞01の図柄組合せが揃うことになる。したがって、入賞−B1〜B3は、入賞−A1〜A6よりも、押し順報知の有無によるメダルの払出枚数の差を少なくすることができるという特徴を有している。
また、ART前兆は、ART準備と同じくART中へ移行することが確定しており、実質的にART中の一部ということができる。しかしながら、ART前兆において、入賞−A1〜A6およびB1〜B3のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃う押し順を報知してしまうと、通常のとき比べて、押し順が報知される機会が極端に多くなる。また、例えば画像表示装置70において、通常とART前兆が判別できないような演出を行っていた場合は、遊技者がどの遊技状態であるか判別できてしまう虞があるため、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときは、押し順の報知を行わないようにした方が好ましい。
また、ボーナス後(遊技状態番号11)については、ART準備、バトル準備、上乗せ特化準備、またはエンディングへの移行条件が、パターン01またはパターン02の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されることとなっている(図12中、矢印ト,ナ,ニ,ヌ参照)。したがって、入賞−A1〜A6のいずれかが当選したときに、入賞01の図柄組合せが揃う押し順の報知を行わないことにより、取りこぼし易くして、パターン01またはパターン02の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示される可能性を高くしている。また、図13に示したように、1BB遊技終了後はRT3へ移行するが(図13中、矢印G参照)、短期間でRT1へ移行できる可能性が高くなる(図13中、矢印B参照)。
なお、本実施形態では、入賞−A1〜A6が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数と、入賞−B1〜B3が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数とは、同じ9枚となっているが、両者のメダル払出枚数に違い設ける場合は、ART抽選に当選したわけではない状態では多くのメダルが払い出されることは好ましくないと考えるのならば、入賞−B1〜B3(すなわち、正解押し順の確率が高い当選役)が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数を増やす方が望ましい。
そして、有利区間中において、入賞−B1〜B3のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は最大枚数の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることがないようにすることが望ましい。有利区間から通常区間へなかなか移行させることができなくなってしまうことを問題視するのならば、入賞−A1〜A6が当選したときに払い出されるメダルの最大枚数を増やす方が望ましい。そして、有利区間中において、入賞−A1〜A6のいずれかが決定されたときに少なくとも1回は最大枚数の図柄組合せが揃う押し順が報知されなければ、通常区間へ移行させることがないようにすることが望ましい。
(入賞判定手段の説明)
図8に戻り、入賞判定手段140は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、図5〜図7(b)に示した図柄組合せのいずれかに対応するか否かを判定する。これにより、1BB役が入賞したと判定された場合は、次の遊技から1BB遊技が開始され、再遊技役が入賞したと判定された場合は、次の遊技で再遊技が行われ、小役(入賞役)が入賞した場合は、入賞した小役に対応する枚数のメダルが払い出される。ここで、メダルの払い出しは、クレジット枚数の上限値(例えば50枚)に達するまでは、入賞した小役に対応するメダル枚数を現在のクレジット枚数に加算し、クレジット枚数の上限(例えば50枚)に達した後は、図1に示したメダル払出口60からメダルを排出するようにしてもよい。
(異常検出手段の説明)
異常検出手段145は、非遊技中および遊技中にスロットマシン10で発生し得る異常な状態や遊技の進行の障害となる事態を検出し、検出した異常または障害(以下、まとめて「エラー」ともいう。)に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示する。異常検出手段145が検出するエラーの種類には、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーがある。
電断復帰エラー(エラーコード:E1)は、スロットマシン10の電源をON(以下、「オン」または「投入」ともいう。)したときに、主制御手段100のRWMの内容が正常でない(例えば、電源遮断時のRWMの内容と、電源投入時のRWMの内容とが一致しない(パリティチェックエラー))ときに検出されるエラーである。出荷後、初めて電源をONしたときにも検出されるエラーである。エンプティエラー(エラーコード:CA)は、ホッパー83のメダル貯留部83aに貯留されているメダルが無くなったときに検出されるエラーである。ドア開放エラー(エラーコード:Cd)は、スロットマシン10の前面扉14が開放されているときに検出されるエラーである。これらのエラーが検出されると、検出されたエラーに対応するエラーコードが後述するLED表示制御手段150によって獲得枚数表示器28に表示される。
上述したエラーのうち、電源復帰エラーは、スロットマシン10の電源投入時に検出され得るエラーであり、エンプティエラーおよびドア開放エラーは、非遊技中(エンプティエラーは除く)および遊技中に検出され得るエラーである。また、各エラーが検出されると、主制御手段スロットマシン10は、遊技の進行が不可能な状態(以下、「遊技不可能状態」ともいう。)となるが、遊技不可能状態から遊技の進行を再開する方法(復帰する方法)は、エラーの種類に応じて異なっている。
まず、エンプティエラーまたはドア開放エラーが発生したことによって遊技不可能状態になった場合は、エラー要因が解消され、リセット/設定スイッチ82c(図2参照)を操作することによって遊技の制御処理が再開することができる。このように、エンプティエラーおよびドア開放エラーはリセット/設定スイッチ82cの操作によって遊技の制御処理を再開(復帰)させることができるため、復帰可能エラーと称する。復帰可能エラーは、ドアキー31において台鍵を反時計回りに回した場合も、遊技の制御処理が再開することができる。また、ドア開放エラーは、ドアが閉じられたことに基づいて、リセット/設定スイッチ82cの操作や台鍵を反時計回りに回すことを要することなくエラーを解除可能としてもよい。
これに対して、電源投入直後に検出され得る電断復帰エラーが発生した場合は、一旦スロットマシン10の電源をオフにして、キースイッチ82bの鍵穴に挿入した設定変更用の鍵(設定キー)を回動させオンにした状態で、電源の再投入を行う必要がある。これにより、設定変更中の状態となり、このときRWMの所定の記憶領域がクリアされる。このように、電断復帰エラーは遊技の制御処理を再開(復帰)させることができないため、復帰不可能エラーと称する。復帰不可能エラーが発生した時は、復帰時にRWMの所定記憶領域がクリアされ、クリアされた記憶領域に記憶されていた遊技に関する情報は維持されないため、初期状態から遊技が行われることになる。
(LED表示制御手段の説明)
LED表示制御手段150は、主制御手段100のROMに記憶されたLEDセグメントテーブルに基づいて、クレジット数表示器27および獲得枚数表示器28の表示制御を行う。LEDセグメントテーブルは、数字、アルファベット、記号などを8セグメント表示器に表示するために、各セグメントa〜g(図3参照)のいずれを点灯させるのかを示すデータであり、換言すると、予め8セグメント表示器の表示態様を定めているデータともいえる。
また、LED表示制御手段150は、有効区間ランプ(クレジット数表示器27の下位桁におけるセグメントDP)の点灯制御も行っている。なお、図2に示したLED29a,29b(ARTランプARTLPの光源)の点灯制御は、副制御手段200が行っている。
(制御コマンド送信手段の説明)
制御コマンド送信手段155は、主制御手段100の各部で決定された遊技に関する各種情報を副制御手段200へ送信する。主制御手段100と副制御手段200との間でやり取りされる情報は、主制御手段100から副制御手段200への一方向に限られており、副制御手段200から主制御手段100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。主制御手段100から副制御手段200へ送信される情報は、シリアル通信によって制御コマンドによって送信される。
制御コマンドは、送信する情報の種別を示す第1制御コマンド(1バイト)と、送信する情報の内容を示す第2制御コマンド(1バイト)とで構成されている。なお、シリアル通信に限らず、パラレル通信(例えば16本のハーネス)によって制御コマンドを送信してもよい。
主制御手段100から副制御手段200へ送信される制御コマンドによって送信される情報のうち、主要なものとしては、設定値に関するもの、遊技状態に関するもの、投入されたメダルの枚数に関するもの、役抽選の結果に関するもの、遊技区間の移行や有利区間内の性能(遊技状態)の移行制御に関するもの(遊技回数、後述する各種カウンタの値や遊技状態の移行に関する各種抽選結果など)、各種スイッチ操作に関するもの、リールの停止制御に関するもの、遊技の結果に関するもの、発生したエラーの種類を示すもの等がある。
遊技状態に関する情報としては、図12に示した各遊技状態番号および図13に示した各抽選状態(非RT、RT1〜RT4、1BB遊技)を示す情報などがある。また、役抽選の結果に関するものとしては、役物当選番号および演出グループ番号などがある。また、各種スイッチ操作に関するものとしては、清算スイッチ33、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたことを示す情報などがある。リールの停止制御に関するものとしては、停止表示させる図柄およびいわゆる滑りコマ数を示す情報などがある。遊技の結果に関するものとしては、停止表示させた図柄や払い出すメダル枚数を示す情報などがある。
エラーの種類を示すコマンドとしては、前述した異常検出手段145によって検出される、電断復帰エラー、エンプティエラーおよびドア開放エラーなどがある。これにより、副制御手段200がエラーの種類を示すコマンドを受信すると、受信したコマンドによって示されるエラーの種類に応じた画像表示や音声を発生する。例えば、副制御手段200がドア開放エラーが発生したことを示すコマンドを受信した場合、画像表示装置70に「扉が開いています」というメッセージを表示する。
また、副制御手段200は、前面扉14が開いているときに、キースイッチ82b(図2参照)がオンにされると、管理者モードへ移行する。この管理者モードは、遊技場のスタッフによってスロットマシン10に関する各種設定が可能となるモードであり、例えば、演出中に発生する演出音の音量調整、遊技待機画面を表示しているときの装飾ランプ74L,74Rの発光色の選択、サイドランプ52L,52Rの点滅パターンのテスト、遊技者に対して遊技に関する各種情報を表示するか否かの選択が可能となる。
(外部信号送信手段の説明)
外部信号送信手段160は、主制御手段100において所定周期(2.235ミリ秒毎)で実行されるタイマ割込処理(後述する)により外部集中端子基板86を介して、前述したメダル投入信号、メダル払出信号、BB信号、および、有利区間信号等を外部へ出力する。本実施形態では、条件装置1BBに対応する図柄組合せ(青7−青7−青7)が入賞ラインL上に揃うとBB信号がオンになり、1BB遊技が終了するとBB信号がオフになる(レベル出力)。また、有利区間が開始されると、有利区間信号がオンになり、有利区間が終了するとオフ状態となる(レベル出力)。なお、有利区間のうち予め定められた性能(例えば、ART1(遊技状態番号4)およびART2(遊技状態番号7)など)に移行したときに、有利区間信号がオンになり、通常区間に移行したときに有利区間信号をオフにしてもよい。上述した各種信号の出力処理(外部信号出力処理)は、図16に示すタイマ割込処理のステップS520で実行される。
≪副制御手段の説明≫
<副制御手段およびその周辺のハードウェア構成>
副制御手段200は、副制御基板202と、画像制御基板204とを含んで構成されている。副制御基板202は、CPU、ROMおよびRWM等で構成され、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、実行する演出を制御する。画像制御基板204は、CPU、ROM、RWMおよびVDP(Video Display Processor)で構成され、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて、画像表示装置70、副画像表示装置22、スピーカ64L,64R、サイドランプ52L,52R、演出用ランプ72および装飾用ランプ74L,74Rなどの演出手段を駆動する。なお、LED29a,29b(ARTランプARTLPの光源)などの一部の演出手段の駆動を副制御基板202が担ってもよい。
<副制御基板の機能ブロック>
副制御基板202は、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出または報知の内容を決定し、決定した演出または報知を実行するためのサブ制御コマンドを生成する演出制御手段210と、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段220と、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを画像制御基板204へ送信するサブ制御コマンド送受信手段230とを含んで構成されている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段210は、遊技に応じた演出を制御する手段であって、演出抽選手段212および演出状態制御手段214を含んで構成されている。ここで、遊技に応じた演出とは、設定値、抽選状態、遊技状態番号(遊技区間の種類および有利区間の性能を表す情報)、役抽選の結果、後述する遊技状態(有利区間の性能)の移行に関わる各種カウンタの値、遊技状態フラグ等の各種フラグや各種抽選の結果などに応じた演出をいう。また、選択スイッチ38および決定スイッチ39からの信号に応じて遊技履歴に関する情報や、図5〜図7(b)に示した各条件装置に対応する図柄組み合わせ(以下、「配当組合せ」や「配当表」ともいう。)などを、画像表示装置70に表示する。
演出制御手段210は、主制御手段100から受信した制御コマンドと、現在の演出状態とに応じた演出を抽選によって決定する演出抽選手段212と、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて演出状態の移行制御を行う演出状態制御手段214とを有している。ここで、演出状態制御手段214によって制御される演出状態は、主制御手段100における遊技状態番号0〜13に対応する演出状態(ただし、必ずしも1対1で対応していなくてよい。)を設け、遊技区間制御手段125と同様の移行制御を行ってもよい。
(制御コマンド受信手段の説明)
制御コマンド受信手段220は、主制御手段100からシリアル通信で送信された制御コマンドを受信し、受信した制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に副制御手段200が有するコマンドバッファ(例えばRWMの記憶領域の一部)に蓄積していく。これにより、演出制御手段210は、コマンドバッファに蓄積されている制御コマンドのうち、最先に蓄積された制御コマンドに基づく処理を順次行っていく。
(サブ制御コマンド送受信受手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段230は、演出制御手段210によって生成されたサブ制御コマンドを、所定周期(例えば1ミリ秒)ごとにシリアル通信によって画像制御基板204に送信する。また、サブ制御コマンド送受信手段230は、後述するサブ制御コマンド送受信手段240から送信されたコマンドを受信する。
<画像制御基板の機能ブロック>
画像制御基板204は、サブ制御コマンド送受信手段240と、画像/サウンド出力手段240とを含み、副制御基板202から送信されたサブ制御コマンドに基づいて画像表示装置70、副画像表示装置22,スピーカ64L,64Rおよび各種ランプ(ARTランプ29a,29b、サイドランプ52L,52R、演出用ランプ72、装飾ランプ74L,74R)を駆動制御し、演出制御手段210によって決定された演出を実行する。
(サブ制御コマンド送受信手段の説明)
サブ制御コマンド送受信手段240は、サブ制御コマンド送受信手段230からシリアル通信で送信されたサブ制御コマンドを受信し、受信したサブ制御コマンドをパラレルデータに変換して、受信した順に、サブコマンドバッファに蓄積していく。また、サブ制御コマンド送受信手段240は、画像制御基板204が正常に作動しているか否かを示すコマンドや、サブ制御コマンド送受信手段230から送信されたコマンドを正常に受信できたか否かを示すコマンドを、サブ制御コマンド送受信手段230に送信する。これにより、副制御基板202は、画像御基板204で発生した異常を検知することができ、画像御基板204がサブ制御コマンドの受信に失敗した場合は、そのサブ制御コマンドを再送することができる。
(画像/サウンド出力手段の説明)
画像/サウンド出力手段250は、画像制御基板204で生成された演出用の画像信号および音声信号を、画像表示装置70、副画像表示装置22およびスピーカ64L,64Rへ出力する。これにより、画像表示装置70と副画像表示装置22には演出画像が表示され、スピーカ64L,64Rから音声が発生する。一方、画像表示装置70および副画像表示装置22やスピーカ64L、64Rからは、正常に作動可能な状態であるか否かを示す正常作動信号が画像制御基板204(または副制御基板202)に対して出力される。正常作動信号が受信できない場合には、画像/音声信号を送ることなく保持してもよいし、遊技の進行に伴い破棄するようにしてもよい。
[制御手段による処理の説明]
≪主制御手段における制御処理の説明≫
以下、図15および図16に示すフローチャートを参照して、主制御手段100が実行する遊技制御の処理内容について説明する。
<遊技進行メイン処理の説明>
まず、図15に示すフローチャート参照して、スロットマシン10で実行される遊技の進行の制御を行うための遊技進行メイン処理の内容について説明する。まず、主制御手段100は、遊技開始処理を行う(ステップS10)。この遊技開始処理では、遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間の設定や、副制御手段200に対して、現在の設定値、遊技状況(次の遊技が再遊技や1BB遊技中であるか否か)、現在の抽選状態、現在の遊技状態番号などの情報の送信が行われる。
次に主制御手段100は、遊技を行うためのメダルが投入されているか否かを判断する(ステップS12)。投入されたメダルがなかった場合は、判断結果がNOとなって、キースイッチ82bのオン/オフ状態に応じて現在の設定値を確認可能とする遊技メダル投入待機時表示処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入待機表示処理では、キースイッチ82bがオフからオンに変化したことが検出されると、設定値の表示を開始することを示す設定値表示開始コマンドを副制御手段200へ送信するとともに、設定確認モードへ移行して、獲得枚数表示器28の下位桁に現在の設定値を表示する(上位桁は、消灯してもよいし、下位桁に設定値を表示していることを示す表示を行ってもよい)。また、設定値を表示しているときに、キースイッチ82bがオンからオフに変化したことが検出されると、現在の設定値の表示を終了して(設定値を表示する前の表示内容に戻してもよいし、消灯してもよいし、「0」を表示してもよい)、設定値の表示を終了することを示す設定値表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する。
ステップS12の判断結果がYESになった(メダルが投入されていた)場合、または、ステップS14の処理を終えると、主制御手段100は、メダルの投入に伴う処理(遊技メダル管理処理)を行う(ステップS16)。この処理としては、例えば、清算スイッチ33が操作された場合の清算処理、メダル投入口32に投入されたメダルの検出処理などが含まれる。次に主制御手段100は、スタートスイッチ36の操作が受付可能状態になり、かつ、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。ここで、スタートスイッチ36の操作は、規定数のメダルが投入された場合または前回の遊技で再遊技役が入賞した場合に受付可能状態になる。スタートスイッチ36が操作されていない場合はステップS18の判断結果がNOとなって、ステップS12の処理に戻る。
ステップS18の判断処理で、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、セレクタ80のブロッカ45をオフにして、メダル投入口32からのメダル投入を無効にする(ステップS20)。そして、現在の抽選状態に応じた役抽選テーブルに基づいて役抽選処理を行う(ステップS22)。次いで、役抽選で決定された抽選結果や、現在の遊技状態番号に応じて、図12に示した通常区間から有利区間への移行制御を行うためのART抽選(図12の矢印ア,イ参照)を行う遊技区間抽選処理を行う(ステップS24)。
次に主制御手段100は、遊技状態番号4〜6のいずれかであった場合は、遊技状態の移行を制御するための各種抽選を行うART関連抽選処理を行う(ステップS26)。このART関連抽選処理については、後に図17〜図20を参照して詳しく説明する。有利区間において、役抽選で押し順役(押し順によって、払い出されるメダルの枚数が異ならない役および有利な状態が維持/非維持で異ならない役は除く)が当選した(換言すると「当選役に決定された」)ときは、現在の遊技状態番号に応じて押し順を報知するための指示番号を獲得枚数表示器28に表示するための指示表示処理を行う(ステップS28)。そして、遊技区間関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS30)。
遊技区間関連情報は、現在の遊技状態番号および遊技状態における遊技に関する情報であり、例えば、有利区間で行われたゲーム数、ART1やART2で行われたゲーム数、ART2セット数、上述したART関連抽選処理によって行われた各種抽選結果や更新された各種カウンタの値や各種フラグなどが該当する。
次に主制御手段100は、役抽選で決定された入賞・再遊技当選番号に応じて副制御手段200で実行される演出を指示するための演出グループ番号を生成するマスク処理を行う(ステップS32)。そして、役抽選の結果に応じた役物当選番号およびマスク処理によって生成された演出グループ番号などの情報を含む役抽選関連情報を副制御手段200へ送信する(ステップS34)。次に主制御手段100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始する前に行うリール回転開始準備処理を行った後(ステップS36)、リール停止管理処理を行う(ステップS38)。
このリール停止管理処理では、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールについて停止制御を行う。ここで、リールの停止制御は、入賞・再遊技当選番号および役物当選番号に基づいて行われる。また、ストップスイッチが操作される毎に、操作されたストップスイッチを示す情報や、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止したことを副制御手段200へ送信する。
次に、全てのリールが停止すると、主制御手段100は、図5〜図7(b)に示した図柄組合せ(配当組合せ)のいずれかに一致するか否かを判断する表示判定処理を行い、表示判定処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに関する情報を副制御手段200へ送信する(ステップS40)。入賞ライン上に停止表示された図柄組合せが、小役の図柄組合せのいずれかに一致していた場合は、入賞した小役に対応するメダル払出枚数をRWMの所定記憶領域に記憶する。そして、クレジットへの加算処理またはホッパーモータ46を駆動して、メダルを払い出すための払出処理を行う(ステップS42)。また、クレジットへの加算またはメダルの払い出し開始時と、クレジットへの加算または払い出し終了時に、そのことを示す情報を副制御手段200に対して送信する。
そして、現在の抽選状態に応じて、入賞した役の種類、1BB役が当選したか否か、1BB役が入賞したか否か、1BB遊技が終了したか否かなどに基づいて、抽選状態の移行処理(図12参照)を行う(ステップS44)。次に主制御手段100は、通常(遊技状態番号1)においてART前兆(遊技状態番号2)への移行制御を行うための七星カウンタ抽選処理を行う(ステップS46)。この七星カウンタ抽選処理については、後に図21〜図23を参照して詳しく説明する。
次いで、現在の遊技状態番号に応じて、1BB役の入賞の有無、1BB遊技の終了の有無、遊技状態番号の移行に関連する各種抽選結果、各種カウンタの値や各種フラグなどに基づいて、遊技状態番号の移行(図12参照)を制御する遊技区間移行処理を行う(ステップS48)。次に主制御手段100は、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号のオン/オフ制御や、副制御手段200に対して遊技が終了したことを示す情報の送信制御などの処理を含む遊技終了チェック処理を行う(ステップS50)。
以上の処理によって1回の遊技が終了すると、主制御手段100は、再びステップS10の遊技開始処理に戻って次の遊技のための処理を行う。
<タイマ割込処理の説明>
次に、図16を参照して、主制御手段100において所定の周期ごとに実行されるタイマ割込処理の内容について説明する。このタイマ割込処理は、約2.235ミリ秒の周期で繰り返し実行され、各種8セグメント表示器およびLEDの表示制御処理、図8に示した操作手段300の各スイッチに対する操作の検出処理、副制御手段200に対する制御コマンドの送信処理、外部集中端子基板86に対する外部信号の出力処理、ステッピングモータ42L,42C,42Rの駆動制御処理(各種制御信号の生成および出力、乱数の値やタイマとして用いる各種カウンタ値の更新など)等の各種処理を行っている。
主制御手段100は、自己が備えるタイマカウント手段(タイマ回路)から割込要求信号(発生周期:約2.235ミリ秒)が出力されるごとに、図16に示すタイマ割込処理を開始する。ここで、タイマ割込処理が実行されると、図15の遊技進行メイン処理等において、実行していた処理の戻り番地等がスタック領域に記憶される。これにより、タイマ割込処理が終了した後に、スタック領域に記憶された戻り番地に基づいて、遊技進行メイン処理などで実行していた処理の続きから処理を開始することが可能となる。
図16のタイマ割込処理が開始されると、まず、主制御手段100は、これから実行するタイマ割込処理の初期処理を行う(ステップS500)。例えば、CPUの各レジスタにセットされていたデータをRWMのスタック領域に格納し、これから行うタイマ割込処理中に、新たなタイマ割込処理が開始されないように、割込禁止フラグをオンにする。
次に主制御手段100は、電源断検知信号に基づいて電源断(電源電圧が所定値よりも下回ったこと)が検知されたか否かを判断する(ステップS502)。この電源断検知信号は、主制御手段100が備えている電源監視回路(図示略)から出力されるものとする。電源断が検知された場合は、ステップ502の判断結果がYESとなり、電断時に行う電源断処理を行う(ステップS504)。この電源断処理では、SPレジスタ(スタックとして使用するRWMの記憶領域のアドレスを格納しているレジスタ)の値をRWMの所定アドレス(例えば前述したスタックポインタ一時記憶領域)に記憶し、電源断処理を行ったことを示す電源断処理済みフラグをセットし、RWMの所定アドレス範囲のチェックサムを算出して、その結果に基づいた値(2の補数)をRWMの所定の記憶領域に記憶する。また、RWMへのアクセスを禁止し、外部から入力されるリセット信号の待機状態となる。
これに対して、ステップS502の判断処理で電源断が検出されなかった場合は、判断結果がNOとなり、クレジット数表示器27や獲得枚数表示器28などの表示制御を行うLED表示処理を実行する(ステップS506)。次に主制御手段100は、所定時間を計時するために汎用的に利用されるタイマの計数値を更新するタイマ計測処理を行う(ステップS508)。このタイマ計測処理では、例えば、RWMの所定記憶領域に保存された遊技待機(いわゆるデモ画面を表示する状態)になるまでの時間、最小遊技時間(4.1秒間)や、各種センサが検出している時間を減算する。最小遊技時間は、規定数のメダルが賭けられた状況でスタートスイッチ36が操作された後にセットされる時間であって、時間値として「1835」がRWMに記憶される。そして、このRWMの記憶領域に「0」が記憶されるまで、次の遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作があったとしても、リールを回転開始するための回転開始制御が実行されないようになっている。
また、各種センサの検出時間としては、メダル投入口32から投入されたメダルがセレクタ内で滞留(メダル詰まり)したか否かを判断するためのメダル通過時間を計測するためのタイマ値やメダルがホッパー内で滞留したか否かを判断するためのメダル通過時間等がある。また、クレジット数が上限(50枚)に達しているときに小役が入賞した場合には、小役に対応した払出し数をホッパーから払い出すが、このときメダルが払い出されていないか否かを判断するためのメダル未払い時間等がある。
次に主制御手段100は、入力ポートに入力された外部からの各種信号を読み込んでRWMの所定アドレスに各々保存する入力ポート読み込み処理を行い(ステップS510)、リール40L,40C,40Rの回転を制御するために、ステッピングモータ42L,42C,42Rの各々について、リール駆動管理処理を行う(ステップS512)。そして、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行ったか否かを判断し(ステップS514)、全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行っていない場合は判断結果がNOとなって、再度ステップS512のリール駆動管理処理を行う。
全てのステッピングモータについてリール駆動管理処理を行った場合はステップS514の判断結果がYESとなって、主制御手段100は、RWMに記憶されているデータ等に基づいて、各種表示器の表示データや、各ステッピングモータ42L,42C,42Rに対する制御信号、ブロッカ駆動信号、ホッパーモータ駆動信号などを、出力ポートから出力するポート出力処理を実行する(ステップS516)。
次に主制御手段100は、RWM内に設定されているリングバッファ領域に保存されている制御コマンドのうち、最先に保存された制御コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS518)。そして、外部集中端子基板86を介して外部へ出力する各種信号を出力する外部信号出力処理を行った後(ステップS520)、ステップS500の初期処理によってRWMの所定アドレス(スタック領域)に格納していた各種レジスタの値等を元に戻す復帰処理を行って(ステップS522)、図16のタイマ割込処理を終了する。
<ART関連抽選処理の説明>
次に図17〜図19を参照して、図15に示した遊技進行メイン処理のステップS26で実行されるART関連抽選処理の内容について説明する。
(遊技状態がART1だったとき)
図15の遊技進行メイン処理においてステップS26の処理へ進むと、主制御手段100は、RWMに記憶された遊技状態番号を読み取り、現在の遊技状態番号が4(ART1)であるか否かを判断する(ステップS100)。現在の遊技状態番号が4だった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、RWMに記憶されている勝利フラグ(後述する)のオン/オフ状態を判断する(ステップS102)。勝利フラグがオンになっていたときは、判断結果がYESとなり、図20を参照して後述する特典決定処理を行う(ステップS104)。この特典決定処理は、ART1からART2への移行が決定されているとき(すなわち、勝利フラグがオン)に、ART2で実行するART遊技のセット数(ART2セット数)を増加させるという特典を付与するための処理である。そして、ステップS104の処理を終えると、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
これに対して、ステップS102の判断処理で、勝利フラグがオフになっていたときは判断結果がNOとなり、RWMに記憶されているバトル開始カウンタの値に加算する値を決定するための第1抽選を行う(ステップS106)。第1抽選は、ROMに記憶されている第1抽選テーブルを用いた乱数抽選であり、数値範囲が0〜255(整数)の乱数を用いて、当選値(バトル開始カウンタの値に加算する値)を0,10,20,30のいずれかに決定する。
ここで、第1抽選テーブルの内容を図18(a)に示す。この図に示す第1抽選テーブルでは、当選値が0となる乱数値の数(置数)は128(当選確率は128/256=1/2)、当選値が10となる置数は124(当選確率は124/256≒1/2.06)、当選値が20となる置数は3(当選確率は3/256≒1/85.33)、当選値が20となる置数は1(当選確率は1/256)と定められている。
そして、第1抽選によって決定された当選値を、RWMに記憶されているバトル開始カウンタの値に加算し(ステップS108)、次に図15のステップS22による役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果(図9〜図11の「系統」欄参照)が決定されたか否かを判断する(ステップS110)。リプレイ系、ベル系またはレア系以外の抽選結果が決定された場合は、ステップS110の判断結果がNOとなって、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
これに対して、役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果が決定された場合は、ステップS110の判断結果がYESとなって、抽選結果の系統に応じた抽選テーブルを用いて、バトル開始カウンタの値に加算する値を決定するための第2抽選を行う(ステップS112)。ここで、ROMに記憶されている各系統に対応する第2抽選テーブルの内容を図18(b−1)〜(b−3)に示す。
図18(b−1)に示す第2抽選テーブルAは、リプレイ系の抽選結果が決定されたときに用いられるものであり、当選値を0,20,40,50のいずれかに決定する。各当選値の置数は、当選値が0となる置数は128(当選確率は128/256=1/2)、当選値が20となる置数は124(当選確率は124/256≒1/2.06)、当選値が40となる置数は3(当選確率は3/256≒1/85.33)、当選値が50となる置数は1(当選確率は1/256)と定められている。
図18(b−2)に示す第2抽選テーブルBは、ベル系の抽選結果が決定されたときに用いられるものであり、リプレイ系と同様、当選値を0,20,40,50のいずれかに決定する。各当選値の置数は、当選値が0となる置数は8(当選確率は8/256=1/32)、当選値が20となる置数は208(当選確率は208/256≒1/1.23)、当選値が40となる置数は32(当選確率は32/256=1/8)、当選値が50となる置数は8(当選確率は8/256=1/32)と定められている。
図18(b−3)に示す第2抽選テーブルCは、レア系の抽選結果が決定されたときに用いられるものであり、当選値を30,50,70,100,200,300,500のいずれかに決定する。各当選値の置数は、当選値が30となる置数は8(当選確率は128/256=1/2)、当選値が50となる置数は64(当選確率は64/256=1/4)、当選値が70となる置数は32(当選確率は32/256=1/8)、当選値が100となる置数は18(当選確率は18/256≒1/14.22)、当選値が200となる置数は8(当選確率は8/256=1/32)、当選値が300となる置数は4(当選確率は4/256=1/64)、当選値が500となる置数は2(当選確率は2/256=1/128)と定められている。
そして、第2抽選によって決定された当選値を、RWMに記憶されているバトル開始カウンタの値に加算すると(ステップS114)、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
このように、遊技状態がART1になっているときは、ART2への移行が決定されていなければ(ステップS100,YES→S102,NO)、毎ゲーム、ステップS106の第1抽選が行われ、決定された当選値がバトル開始カウンタに加算される(ステップS108)。これに加えて、当該ゲームの役抽選で特定の抽選結果が決定された場合は、さらに決定された抽選結果に応じた第2抽選が行われて、決定された当選値がバトル開始カウンタに加算される(ステップS114)。
ここで、バトル開始カウンタの加算値について、例えば毎ゲーム第1抽選だけを行った場合(第2抽選を行わないため、この場合の第1抽選テーブルの内容は図18(a)と異なり、データ容量が増える可能性がある(例えば、当選値が0、10、20、30だけでなく、50、……などもある))、毎ゲーム同じ第1抽選テーブルを使用するため、抽選テーブル全体のデータ容量が少なくて済む可能性があるというメリットがあるものの、役抽選の結果と、第1抽選の結果とに関連性を持たせることができないというデメリットがある。すなわち、役抽選で抽選結果がハズレになったにも関わらず当選値が大きくなったり、当選確率が低い(希少性の高い)抽選結果が決定されたにも関わらず、当選値が小さくなったりすることがあるため、役抽選の抽選結果とバトル開始カウンタの加算値とに対する遊技者の射幸心を、相乗的に高めることができない。
このようなデメリットを解消するために、例えば、役抽選の抽選結果に応じた第1抽選を毎ゲーム行ったとする。この場合、役抽選の結果に応じた第1抽選テーブル(ちなみに、この場合の第1抽選テーブルの内容は図18(b−1)〜(b−3)と異なり、データ容量が増える可能性がある(例えば、リプレイ系の抽選結果が決定されたときに用いられる第1抽選テーブルの当選値が0、20、40、50だけでなく、30、60、……などもある))を用意しなければならないため、抽選テーブル全体のデータ容量が増えてしまう可能性があるというデメリットが生じる。
そこで、本実施形態では、前述した様に、毎ゲーム行う第1抽選に加え、役抽選で決定され得る抽選結果のうち特定の抽選結果が決定されたときだけ、その抽選結果に応じた加算抽選(すなわち第2抽選)を行うようにしている。ここで、第1抽選においては小さい加算値が当たり易く、第2抽選においては大きい加算値が当たり易くしておくとよい。また、第2抽選を行うこととなる「特定の抽選結果」は、役抽選において当選確率に設定差の無い抽選結果であることが望ましい。
このような抽選処理を行うことで、希少性の高い抽選結果が決定されると、バトル開始カウンタの加算値も大きくなり易くすることができると共に、加算値を決定するための抽選テーブル全体のデータ容量も増えすぎないようにすることができる。
なお、ステップS106〜S114の処理では、第1抽選を行ってから第2抽選を行っていたが、第1抽選と第2抽選とを行う順序を入れ換えてもよい。また、図18(b−3)に示したレア系の抽選結果が決定されたときに用いる第2抽選テーブルCでは、当選値が0に決定されることが無いが、レア系の抽選結果が決定されたときに当選値が0になる場合を設けてもよい。また、バトル開始カウンタに加算する値は、第1抽選と第2抽選とで決定された当選値の合計値であってもよいし、双方の当選値を比較して、いずれか大きい方の値をバトル開始カウンタに加算にしてもよい。この当選値の比較処理は、第2抽選が行われなかった場合(役抽選で設定差の有る抽選結果が決定された場合)にも行うようにしてもよい。この場合、役抽選で設定差の有る抽選結果が決定されると、第2抽選の結果は当選値が0となるため、第1抽選の当選値がバトル開始カウンタに加算されることになる。
また、バトル開始カウンタに加算する値を遊技者に報知する場合は、第1抽選によって決定された当選値と、第2抽選によって決定された当選値とを個別に報知してもよいし、双方の当選値を合計して1回で報知してもよい。なお、当選値を個別に報知する場合は、主制御手段100から副制御手段200に対して第1抽選および第2抽選による当選値の合計を送信し、副制御手段200において、受信した合計値を適宜分割して複数回に分けて(例えば、ストップスイッチの操作に応じて)報知してもよい。第1抽選および第2抽選によって決定された当選値を、抽選の都度、個別に送信した場合は、主制御手段100から副制御手段200へ制御コマンドを送信するためのコマンド送信処理の実行回数が増えて処理が重くなってしまうため、上述したように合計値を送信することで、そのようなデメリットを回避することができる。
(遊技状態がバトルだったとき)
ステップS100の判断処理で、現在の遊技状態番号が4でなかった場合は判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、RWMから読み取った遊技状態番号が5(バトル)であるか否かを判断する(ステップS116)。現在の遊技状態番号が5だった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図15のステップS22による役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果(図9〜図11の「系統」欄参照)が決定されたか否かを判断する(ステップS118)。リプレイ系、ベル系またはレア系以外の抽選結果が決定された場合は、ステップS118の判断結果がNOとなって、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
これに対して、役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果が決定された場合は、ステップS118の判断結果がYESとなって、抽選結果の系統に応じた抽選テーブルを用いて、ART2へ移行するか否かを決定するためのバトル抽選を行う(ステップS120)。ここで、バトル抽選の当選確率は適宜定めればよいが、例えば、当選確率の低い抽選結果である程、当選確率を高くしてもよい。また、バトル抽選の当選確率は全ての設定値において同じ値(すなわち設定差が無い、設定値によらず同じ抽選テーブルを用いる)の当選確率であることが望ましい。
次に主制御手段100は、バトル抽選に当選したか否かの判断を行い(ステップS122)、当選していた場合は判断結果がYESとなって、RWMに記憶されている勝利フラグのオン/オフ状態をオン(ART2へ移行することを表す)に更新する(ステップS124)。そして図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。これに対して、当選していた場合は判断結果がNOとなって、そのまま図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
このように、遊技状態がバトルであるときは、役抽選処理でリプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果が決定されたときに、ART2へ移行するか否かを決定するバトル抽選が行われる。
(遊技状態が上乗せ特化だったとき)
ステップS116の判断処理で、現在の遊技状態番号が5でなかった場合は判断結果がNOとなり、次に主制御手段100は、RWMから読み取った遊技状態番号が6(上乗せ特化)であるか否かを判断する(ステップS126)。現在の遊技状態番号が6でなかった場合は判断結果がNOとなって、そのまま図17のART関連抽選処理を終了し、図15のステップS28へ進む。
これに対して、現在の遊技状態番号が6だった場合はステップS126の判断結果がYESとなり、主制御手段100は、上乗せ特化の遊技状態を終了してART2へ移行する(図12の矢印ス参照)か否かを決定する終了抽選を行う(ステップS128)。終了抽選は、ROMに記憶されている終了抽選テーブルを用いた乱数抽選であり、数値範囲が0〜255(整数)の乱数を用いて、バトルの遊技状態を終了するか、継続するかを決定する。ここで、終了抽選テーブルの内容を図19(a)に示す。この図に示す終了抽選テーブルでは、抽選結果が「終了」となる置数が128、「継続」となる置数が128であり、1/2の確率で「終了」または「継続」になる確率が均等(当選確率は1/2)になっている。なお、終了抽選の抽選結果が「終了」に決定された場合を、終了抽選に当選したこととする。
次に主制御手段100は、終了抽選に当選したか否かを判断する(ステップS130)。終了抽選に当選した(すなわち抽選結果が「終了」になった)場合は、判断結果がYESとなり、次に遊技状態が上乗せ特化へ移行してから7ゲーム以上行われたか否かを判断する(ステップS132)。上乗せ特化へ移行してから7ゲーム以上行われていた場合は判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている終了フラグのオン/オフ状態をオン(ART2へ移行することを表す)に更新する(ステップS134)。
そして、主制御手段100は、図15のステップS22による役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果(図9〜図11の「系統」欄参照)が決定されたか否かを判断する(ステップS136)。なお、ステップS130またはステップS132の判断処理で、判断結果がNOとなった場合は、直ちにステップS136の判断処理へ移行する。したがって、ステップS132の判断処理により、上乗せ特化へ移行してから7ゲーム以上行われていなかった場合はステップS134の処理が行われることがないため、最少でも7ゲームは上乗せ特化に滞在することが保証される。
ステップS136の判断処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系以外の抽選結果が決定された場合は、判断結果がNOとなって、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。これに対して、役抽選処理で、リプレイ系、ベル系またはレア系の抽選結果が決定された場合は、判断結果がYESとなって、抽選結果の系統に応じた抽選テーブルを用いて、ART2におけるART遊技のセット数(1セット=50ゲーム)を1つ加算するか否かを決定するための上乗せ抽選を行う(ステップS138)。
ここで、ROMに記憶されている各系統に対応する上乗せ抽選テーブルの内容を図19(b−1)〜(b−3)に示す。図19(b−1)に示す上乗せ抽選テーブルAは、リプレイ系の抽選結果が決定されたときに用いられるものである。図19(b−2)に示す上乗せ抽選テーブルBは、ベル系の抽選結果が決定されたときに用いられるものである。図19(b−3)に示す上乗せ抽選テーブルCは、レア系の抽選結果が決定されたときに用いられるものである。図19(b−1)〜(b−3)に示す上乗せ抽選テーブルは、いずれも抽選結果が「変化無し」になるか「上乗せ(再開)」になるかの二者択一となるが、置数の振り分けが異なっている。
すなわち、上乗せ抽選テーブルAでは「変化無し」と「上乗せ(再開)」の置数がいずれも128(当選確率は128/256=1/2)となっているのに対して、上乗せ抽選テーブルBでは「変化無し」の置数が102(当選確率は102/256≒1/2.510)、「上乗せ(再開)」の置数が154(当選確率は154/256≒1/1.66)となっている。また上乗せ抽選テーブルCでは「変化無し」の置数が0となっており、必ず「上乗せ(再開)」となるように定められている。なお、上乗せ抽選の抽選結果が「上乗せ(再開)」に決定された場合を、上乗せ抽選に当選したこととする。
ステップS138の上乗せ抽選を行うと、主制御手段100は、上乗せ抽選に当選したか否かの判断を行い(ステップS140)、当選していなかった場合は判断結果がNOとなってそのまま図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。これに対して、当選していた場合は判断結果がYESとなって、RWMに記憶されている終了フラグのオン/オフ状態をオフ(上乗せ特化の遊技状態を維持することを表す)に更新する(ステップS142)。そして、RWMに記憶されているART2セット数の値に1を加算してから(ステップS144)、図17のART関連抽選処理を終了して、図15のステップS28へ進む。
上述したように、本実施形態では遊技状態が上乗せ特化になっている場合、毎ゲーム終了抽選を行い(ステップS126,YES→S128)、上乗せ特化の遊技状態を終了させるか否かを抽選により決定している。その後、役抽選で特定の抽選結果が決定されなかった場合は、終了抽選の結果がそのまま遊技状態の移行制御に反映されるが(ステップS136,NO→リターン)、特定の抽選結果が得られた場合はさらに上乗せ抽選を行う(ステップS136,YES→S138)。そして、上乗せ抽選に当選した場合は、先に行った終了抽選で上乗せ特化を終了させることが決まっていたとしても、それを無効にして上乗せ特化の遊技状態を維持する(ステップS140,YES→S142)。
このように、本実施形態では、終了抽選については役抽選によって決定された抽選結果に関係なく毎ゲーム行い、上乗せ抽選については役抽選で特定の抽選結果が決定されたときだけ行う、という二段階の抽選を行っている。これに対して、例えば役抽選によって決定された抽選結果に応じてそれぞれ一段階の抽選を行った場合は、次の様なデメリットが生じる。ここで一例として、役抽選で抽選結果がハズレに決定された場合は上述した終了抽選のみを行い(上乗せ抽選は行わない、上乗せ特化を終了する/継続する、のうちいずれか1つを決定する抽選のみを行い)、抽選結果がリプレイ系またはベル系に決定された場合は終了/上乗せ抽選(上乗せ特化を終了する/継続するがART2セット数は加算しない/継続してART2セット数を加算する、のうちいずれか1つを決定する抽選)を行い、抽選結果がレア系に決定された場合は上乗せ抽選のみを行う(終了抽選は行わない、ART2セット数は加算しない/ART2セット数を加算する、のうちいずれか1つを決定する抽選のみを行う)ものとする。
このような抽選を行った場合、役抽選の抽選結果に応じて複数の抽選テーブルが必要となり、かつ、各々の抽選における抽選結果が異なるため、抽選テーブル全体の容量が増大する可能性があるというデメリットが生じる。また一般に、抽選によって決定され得る抽選結果の数が少ないとき(例えば「終了」か「継続」かの2つしかない場合)は抽選に用いる乱数の数値範囲(換言すると乱数のバイト数)は小さくてもよい(1バイトでもよい)が、決定され得る抽選結果の数が多いときは、乱数の数値範囲は大きい方(例えば、2バイト)が、得られる抽選結果に偏りが生じ難くなり、バランスの良い抽選結果を得られ易くなる。
また、仮に2バイトの乱数を用いて抽選を行う場合には4つの汎用レジスタを使用した処理(例えば、HLレジスタとBCレジスタを使用した処理)になるため、1バイト乱数を用いて抽選を行う場合より(例えば、HLレジスタとAレジスタを使用した処理)も制御プログラム容量が増大することになる。したがって、制御プログラム容量のことだけを考えると乱数のバイト数は小さい方が好ましい。したがって、以上のことを総合的に考慮して、例えば、抽選結果がハズレになったときに行う終了抽選と、抽選結果がレア系になったときに行う上乗せ抽選とでは、1バイトの乱数を使用し、抽選結果がリプレイ系またはベル系になったときに行う終了/上乗せ抽選では2バイトの乱数を使用したとする。
しかしながら、上述したように各抽選で用いる乱数のバイト数が異なると、各乱数のサイズに対応した抽選処理モジュールを作成しなければならないため、制御プログラムの容量が増大するというデメリットが生じてしまう。
そこで、本実施形態のように図17のステップS128〜S144のような抽選処理を行った場合、前述したリプレイ・ベル系が当選したときに行う終了/上乗せ抽選において、「継続するがART2セット数は加算しない」という抽選対象を省略しても(実質、上乗せ抽選のみを行ったとしても)、同様の抽選結果(上乗せ特化を終了する/継続するがART2セット数は加算しない/継続してART2セット数を加算する、のうちいずれか1つ)を得ることができる。したがって、抽選テーブル全体のデータ容量を小さくすることができる。
また、本実施形態では、終了抽選と上乗せ抽選とを個別に行うことで、一度の抽選で決定し得る抽選結果の数を少なくすることができるので、各抽選に用いる乱数のサイズが小さくても(例えば1バイト)、バランスのよい抽選結果を得ることができ、加えて、各抽選処理を行うための制御プログラムを共通化し易くなる。
(ART1で実行される特典決定処理の説明)
次に、図20を参照して、図17のステップS104で実行される特典決定処理およびそれに伴う演出内容について説明する。まず、遊技状態がART1からバトル(遊技状態番号5)へ移行すると、3ゲームの間はバトルに留まるが(図12の矢印ケ参照)、その間にバトル抽選に当選すると勝利フラグがオンにされる(図17のステップS122,YES→S124)。その場合、遊技状態がバトルからART1に戻ると、図17のステップS102の判断結果がNOとなって、ART1で行われたゲーム数が100になるまでステップS104の特典決定処理が行われることになる。
副制御手段200は、主制御手段100から送信されてきた遊技状態番号や勝利フラグのオン/オフ状態などの情報に基づいて、特典決定処理の開始条件が満たされたと判断すると、特典決定処理によって遊技者に付与され得る特典の内容を画像表示装置70に表示する(図20(a)参照)。図20(a)では、遊技者に付与され得る特典の一例として、「ART2セット数+1」、「ART2セット数+2」、「ART2セット数+3」および「上乗せ特化移行」の4種類が用意されていることを示している。ここで、特典決定処理は勝利フラグがオン(すなわちART2へ移行することが確定している)のときに行われるものであるから、特典決定処理によって特典が付与されない場合でも、ART2へ移行して(図12、矢印サ参照)ART遊技を1セット行うことができる。
したがって、特典決定処理により「ART2セット数+1」の特典が決定された場合は、ART1が終了するとART2へ移行して合計2セットのART遊技を行うことができる。同様に、「ART2セット数+2」の特典が決定された場合は合計3セットのART遊技を行うことができ、「ART2セット数+3」の特典が決定された場合は合計4セットのART遊技を行うことができる。また、「上乗せ特化移行」が決定された場合は、上乗せ特化フラグがオンになって、ART1が終了すると上乗せ特化へ移行し(図12、矢印シ参照)、その後ART2へ移行することになる(図12、矢印ス参照)。
特典決定処理が行われているときに、役抽選処理(図15のステップS22)でレア系の抽選結果が決定されると、一定のポイントが付与される。なお、付与されるポイントは抽選によって決定してもよく、レア系の抽選結果が決定されてもポイントが付与されない場合があってもよい。但し、役抽選処理によって1BBが当選した場合(抽選状態が内部中へ移行した場合)は、その後、1BB遊技が終了するまで、役抽選でレア系の抽選結果が決定されたとしても、ポイントは付与されなくなる。そして、付与されたポイントは累計されて主制御手段100のRWMに記憶され、ポイントの累計値は副制御手段200にも送信される。
以後、レア系の抽選結果が決定されるごとに一定のポイントが付与され、その累計値が第1の閾値に達すると、主制御手段100は、付与する特典を「ART2セット数+1」に決定する。また、副制御手段200は、主制御手段100から送信されてきたポイントの累計値が第1の閾値に達したと判断すると、「ART2セット数+1」の特典が付与されることを画像表示装置70に表示する(図20(b)参照)。
さらに遊技を行った結果、ポイントの累計値が第2の閾値に達すると、主制御手段100は、付与する特典を「ART2セット数+1」から「ART2セット数+2」に更新する。また、副制御手段200は、主制御手段100から送信されてきたポイントの累計値が第2の閾値に達したと判断すると、付与される特典が「ART2セット数+1」から「ART2セット数+2」にレベルアップしたことを画像表示装置70に表示する(図20(c)参照)。
図20(c)の状態で、副制御手段200が、主制御手段100から送信されてきた各種情報に基づいて、ART1の終了条件が成立した(ART1で行ったゲーム数が100ゲームに達した)と判断すると、特典決定処理によって遊技者に付与される特典が「ART2セット数+2」に確定したことを、画像表示装置70に表示する(図20(d)参照)。なお、ART1で行ったゲーム数が100ゲームに達したときに、主制御手段100から副制御手段200へ特典決定処理によって遊技者に付与される特典が「ART2セット数+2」に確定したことを送信し、それを受信した副制御手段200が画像表示装置70に表示してもよい(図20(d)参照)。
これに対して、図20(c)の状態でART1の終了条件が成立せず、さらに遊技が行われたことによって、ポイントの累計値が第3の閾値に達すると、付与される特典が「ART2セット数+3」にレベルアップし、さらに遊技が行われてポイントの累計値が第4の閾値に達すると、付与される特典が「上乗せ特化移行」にレベルアップして上乗せ特化フラグがオンになる。そして、ART1の終了条件が成立すると、副制御手段200は、特典決定処理によって遊技者に付与される特典の内容を、図20(d)と同様の表示態様で画像表示装置70に表示する。
なお、特典が「ART2セット数+1」、「ART2セット数+2」および「ART2セット数+3」のいずかれに確定した場合は、遊技状態がART1からART2へ移行するが(図12、矢印サ参照)、「上乗せ特化移行」に確定したときは、遊技状態がART1から上乗せ特化へ移行する(図12、矢印シ参照)。
特典決定処理が行われているときに、副制御手段200が、主制御手段100から送信された各種情報に基づいて、役抽選で抽選結果が再遊技−Eまたは1BB−A(1BB+再遊技−E)に決定されたと判断すると、連続演出を行うか否かを決定する演出抽選を行う。その結果、連続演出を行うことが決定された場合は、所定ゲーム数に亘って展開する連続演出を実行する。例えば、図20(c)の状態で抽選結果が再遊技−Eまたは1BB−Aに決定されたときに、副制御手段200が実行する連続演出CEの一例を図20(e)に示す。この図に示す連続演出CEでは、画像表示装置70に「ざわ…」の文字を複数、例えば5ゲームに亘ってスクロール表示するものとする。
役抽選でレア系の抽選結果が決定されたときは、一定のポイントが付与されるが、抽選状態が内部中(遊技状態番号9)へ移行した場合は、ステップS100の判断結果がNOとなって特典決定処理が行われないためポイントが付与されなくなる。ちなみに、抽選状態が内部中(遊技状態番号9)へ移行した場合であっても、しばらくの間は移行したことを悟られないよう移行する前と同じ演出を行う(特典の内容を画像表示装置70に表示し続ける)。このため、抽選結果が1BB−Aになったときに行われた演出抽選によって連続演出CEが開始された場合は、連続演出CEを実行中にレア系の抽選結果が決定されてもポイントは付与されない。したがって、連続演出CEの実行中に特典がレベルアップすることはない。
これに対して、抽選結果が再遊技−Eになったときに行われた演出抽選によって連続演出CEが開始された場合は、連続演出CEを実行中にレア系の抽選結果が決定されたときに一定のポイントが付与される。したがって、連続演出CEが行われているときに特典のレベルアップが生じてしまうと、内部中ではない(1BB役が当選していない)ことが遊技者に知られてしまい、連続演出CEの興趣が損なわれてしまうことになる。
そこで、例えば図20(c)の状態で抽選結果が再遊技−Eに決定されたことによって連続演出CEが行われているときに、レア系の抽選結果が決定され、その結果、ポイントの累計値が第3の閾値に到達したとしても、副制御手段200は、図20(f)に示すように、画像表示装置70において特典のレベルアップ表示を行わないようにしている。
これにより、本実施形態では、1BB役が当選することなく開始された連続演出CEの実行中に、ポイントの累計値が閾値に到達して、特典のレベルアップが生じた場合は、図20(g−1)に示すように、連続演出CEの終了後に特典のレベルアップ表示を行う。これに対して、1BB役が当選したことにより連続演出CEが開始された場合は、図20(g−2)に示すように、連続演出CEの終了後に1BB役が当選したことを表す画像を表示する。
また、1BB役が当選することなく開始された連続演出CEの実行中に、特典のレベルアップが生じ(特典のレベルアップ表示を行ってはいない)、なおかつ、その後1BBを含む抽選結果が決定された場合は、連続演出CEの終了後にボーナス役が当選したことを表す画像を表示し、さらに1BB遊技の終了後に特典のレベルアップ表示を行うようにしてもよい。
なお、遊技者に付与する特典は、ART遊技のセット数の加算に限らず、ART遊技のゲーム数の加算(ゲーム数の上乗せ)や、ART遊技の継続率の上昇などであってもよい。
<七星カウンタ抽選処理の説明>
次に図21〜図23を参照して、図15に示した遊技進行メイン処理のステップS46で実行される七星カウンタ抽選処理の内容について説明する。
図15の遊技進行メイン処理においてステップS46の処理へ進むと、主制御手段100は、図21の七星カウンタ抽選処理を開始し、まず、RWMに記憶された遊技状態番号を読み取り、現在の遊技状態番号が1(通常)であるか否かを判断する(ステップS150)。現在の遊技状態番号が1でなかった場合は、判断結果がNOとなって、図21の七星カウンタ抽選処理を終了して、図15のステップS48へ進む。これに対して、現在の遊技状態番号が1であった場合は判断結果がYESとなり、主制御手段100は、図15のステップS22による役抽選処理で、リプレイ系またはレア系の抽選結果(図9〜図11の「系統」欄参照)が決定されたか否かを判断する(ステップS152)。
役抽選処理でリプレイ系またはレア系の抽選結果が決定されたときは、ステップS152の判断結果がYESとなり、ROMに記憶されているリプレイ系またはレア系の抽選結果が決定されたときに用いる抽選テーブル(以下、「リプレイ・レア系抽選テーブル」ともいう。)を用いて、RWMに記憶されている七星カウンタの値に加算する値(「当選値」、「加算値」)を決定するための加算抽選を行う(ステップS154)。
図22(a)に、リプレイ・レア系抽選テーブルの内容を示す。この抽選テーブルは、当選値を0〜4(整数)のうちいずれかに決定するためのものであり、当選値が0または1となる置数は0(すなわち、当選値が0または1に決定されることは無い)、当選値が2となる置数は208(当選確率は208/256≒1/1.23)、当選値が3となる置数は32(当選確率は32/256=1/8)、当選値が4となる置数は16(当選確率は16/256=1/1/4)と定められている。
これに対して、役抽選処理でリプレイ系またはレア系の抽選結果が決定されなかったときは、ステップS152の判断結果がNOとなり、主制御手段100は、ベル系の抽選結果(図11の「系統」欄参照)が決定され、かつ、入賞01に対応する図柄組合せが表示された(入賞01の図柄組合せが揃った)か否かを判断する(ステップS156)。役抽選処理でベル系の抽選結果が決定されたときに入賞01の図柄組合せが表示された場合は、ステップS156の判断結果がYESとなり、ROMに記憶されているベル系の抽選結果が決定されたときに用いる抽選テーブル(以下、「ベル系抽選テーブル」ともいう。)を用いて、RWMに記憶されている七星カウンタに対する当選値を決定するための加算抽選を行う(ステップS158)。
図22(b)に、ベル系抽選テーブルの内容を示す。この抽選テーブルもリプレイ・レア系抽選テーブルと同様、当選値を0〜4(整数)のうちいずれかに決定するためのものである。そして、当選値が0または1となる置数は0、当選値が2となる置数は176(当選確率は176/256≒1/1.45)、当選値が3となる置数は48(当選確率は48/256≒1/5.33)、当選値が4となる置数は32(当選確率は32/256=1/8)と定められている。
そして、ステップS154またはS158の加算抽選で決定された当選値を、RWMに記憶されている七星カウンタの値に加算する(ステップS160)。具体的には、ステップS154またはS158の加算抽選を行う前にCPUのAレジスタをリセットしておき、その後、加算抽選によって決定された当選値をAレジスタにセットして、そこにRWMから読み出した七星カウンタの値を加算する。そして、その加算結果を再び読み出したRWMのアドレスに記憶する。
ここで、役抽選処理でリプレイ系またはレア系の抽選結果が決定されず、かつ、ベル系の抽選結果が決定されたときに入賞01の図柄組合せが揃わなかった場合は、ステップS156の判断結果がNOとなる。この場合、Aレジスタに当選値がセットされることはないのでリセットされたままの状態となり、当選値は0となる。したがって、ステップS160の処理を行った後も、AレジスタにはRWMから読み出した七星カウンタの値がそのまま保持されることになる。また、このような場合であっても、RWMから読み出した七星カウンタの値をそのままRWMに記憶する。
次に、七星カウンタの値から1を減算する(ステップS162)。具体的には、CPUのAレジスタを使用せず、RWMに記憶されている七星カウンタの値から直接「1」を減算する。なお、七星カウンタの値が0だった場合は、ステップS162の処理が行われてもその値はマイナスにはならず、0のままとなる。そのような命令を備えているCPUを使用している。そして主制御手段100は、更新後の七星カウンタの値が7以上であるか否かを判断する(ステップS164)。ここでは、ステップS160の処理が行われた後のAレジスタの値(更新後の七星カウンタの値、または当選値が0だった場合はRWMから読み出した七星カウンタの値)から「8」を減算し、キャリーフラグの値が「1」になれば7未満、キャリーフラグの値が「0」になれば7以上であると判断したとする。
一般的には、Aレジスタにセットされた七星カウンタの値が7以上であるか否かは、Aレジスタの値から「7」を減算した結果のキャリーフラグの状態で判断することができる。しかしながら、本実施形態においては、ステップS162における減算処理は、RWMに記憶されている七星カウンタの値に対して直接行われるため、Aレジスタの値にはこの減算処理の結果が反映されていない七星カウンタの値がセットされている。ただし、ステップS162の減算処理は毎ゲーム必ず行われるので、ステップS164の判断処理では、その「1」の減算分を含めて、Aレジスタの値から−(7+1)を減算することで、七星カウンタの値が7以上であるか否かを判断することができる。
なお、ステップS160の処理が行われたときに、七星カウンタの値としてAレジスタの値を副制御手段200へ送信する場合は、副制御手段200において受信したAレジスタの値から「1」を減算し、その値を七星カウンタの値とする。ステップS162の処理が行われた後に七星カウンタの値を副制御手段200へ送信する場合は、副制御手段200において受信した値から「1」を減算する必要はない。
ステップS164の判断処理で、七星カウンタの値が7以上でなかった場合は判断結果がNOとなって図21の七星カウンタ抽選処理を終了して図15のステップS48の処理へ移行する。これに対して、更新後の七星カウンタの値が7以上であった場合は、ステップS164の判断結果がYESとなって、主制御手段はRWMに記憶されている七星カウンタの値を0にクリアする(ステップS166)。次に主制御手段100は、通常からART前兆(遊技状態番号2)へ移行させるか否かを決定する昇格抽選を行い(ステップS168)、昇格抽選に当選したか否かを判断する(ステップS170)。ここで、昇格抽選の当選確率は、役抽選処理によって決定された抽選結果の種類に関わらず一定であり、かつ、設定差も設けられていない。
そして、昇格抽選に当選したときは、ステップS170の判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている各種遊技状態フラグのうち、ART1フラグをオンにして(ステップS172)、図21の七星カウンタ抽選処理を終了する。また、図15のステップS48における遊技区間移行処理で、遊技状態番号が1から2に更新されることになる。一方、昇格抽選に当選しなかったときは、ステップS170の判断結果がNOとなり、そのまま図21の七星カウンタ抽選処理を終了する。
なお、ステップS164の判断結果がYESとなった場合、主制御手段100は、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されるとリール演出を開始する。このリール演出は、まずスタートスイッチ36が操作されても所定時間はリールが回転を開始せず、所定時間を過ぎると全リールを逆方向(表示窓22内を図柄が下から上へ移動する方向)に回転する。そして、左リールから順に、所定の図柄が表示窓21内の所定の位置に到達した所で回転が停止する。
具体的には、まず左リールの「スイカ」図柄が下段Dに到達したところで左リールの回転が停止し、次に中リールの「スイカ」図柄が中段Mに到達したところで中リールの回転が停止し、最後に右に中リールの「スイカ」図柄が上段Uに到達したところで右リールの回転が停止する。これにより、「スイカ」図柄が右上がりラインに揃うことになる。なお、これに限らず「チェリー」図柄が右上がりラインに揃うようにリールを停止させてもよい。昇格抽選に当選したか否かによって、「スイカ」図柄が右上がりラインに揃い易いのか、「チェリー」図柄が右上がりラインに揃い易いのかが異なっていてもよい。そして、「スイカ」図柄が右上がりラインに揃ってから所定時間が経過すると、ステップS168で行われた昇格抽選に当選したか否かが遊技者に報知され、全リールが正方向(表示窓22内を図柄が上から下へ移動する方向)に回転を開始し、リールの回転速度が定速に到達するとストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が可能な状態となる。
このように、上述した七星カウンタ抽選処理では、有利区間の通常(遊技状態番号1)において、まず、役抽選で設定差の無い抽選結果(リプレイ系、ベル系、レア系)が決定されたときに、決定された抽選結果に応じた加算抽選を行って(ステップS154またはS158)、七星カウンタの値に加算する当選値を決定する。その後、役抽選の結果に関わらず、七星カウンタの値から所定値(本実施形態では「1」)を減算している。
また、役抽選で設定差の無い抽選結果が決定されたときに行われる加算抽選では、当選値「0」および「1」の置数が0に設定されている(図22(a),(b)参照)。これにより、ステップS154またはS158で加算抽選が行われた場合は、ステップS162によって役抽選の抽選結果に拘わらず減算される値(本実施形態では「1」)よりも大きい値が決定されるようにして、七星カウンタの値が必ず加算されるようになっている。
すなわち、七星カウンタの値を加減算する処理において、加算する処理と、減算する処理とを分け、減算する処理においては抽選を行うことなく毎ゲーム減算し、加算する処理では役抽選で設定差の無い抽選結果が決定されたときにだけ、加算値抽選を行って加算値を決定する。また、加算する処理では、加算抽選用の抽選テーブルを設定値ごとに用意しない)ため、抽選テーブル全体のデータ容量を少なくすることができる。
また、役抽選の抽選結果に応じて、ステップS154またはS158の加算抽選を行った場合(すなわち、ステップS152またはS156の判断結果がYES)のみステップS160の加算処理を行い(その後はステップS164)、ステップS154またはS158の加算抽選を行わなかった場合(ステップS152およびS156の判断結果がNO)のみステップS162の減算処理を行ったとする(その後はステップS164)。
ステップS162の減算処理はRWMに記憶されている七星カウンタの値に対して行われる(Aレジスタの値から減算されない)ため、ステップS164の判断処理を行う場合、Aレジスタの値から「8」を引くことで、七星カウンタの値が7以上であるかを判断するるのではなく、まずRWMから七星カウンタの値を読み出してAレジスタにセットし、その値から「7」を引いたときのキャリーフラグによって判断しなければならない。これにより、役抽選の抽選結果に応じて七星カウンタの加算処理と減算処理とを分けて行った場合は、ステップS164の判断処理において、RWMから七星カウンタの値を読み出すための処理が増えてしまうことになる。
なお、図21の七星カウンタ抽選処理では、先に抽選結果に応じて加算処理を行い、その後、抽選結果に関わらず減算処理を行っているが、先に抽選結果に関わらず減算処理を行ってから抽選結果に応じて加算処理を行ってもよい。ただし、この場合、抽選結果と七星カウンタの変動との関連性が不自然にならないようにするには、七星カウンタの値に応じて加算抽選テーブルを切り替えるのが好ましいため、演算処理が煩雑になるというデメリットがある。
(七星カウンタの値に応じた演出内容の説明)
次に図23を参照して、上述した七星カウンタの値に応じた演出内容について説明する。七星カウンタの値に応じた演出は、図1に示した副画像表示装置22を用いて行われる。まず、図23(a)を参照して、七星カウンタの値に応じた演出の流れについて説明する。
図23(a)に示すように、遊技区間が通常区間(遊技状態番号0)であるときは、副画像表示装置22に扉が閉じている画像が表示されている。この状態で役抽選でレア系の抽選結果が決定され、それによって行われたART抽選にハズレた場合は有利区間の通常(遊技状態番号1)へ移行する(図12矢印ア参照)。これにより、副画像表示装置22に表示される画像は、図に示すように扉が開いた状態に切り替わり、その中に北斗七星の形状を成す7つの星が消灯状態で表示される。つまり、副画像表示装置22に表示されている扉が開いたことによって、遊技者は有利区間に移行したことを確実に知ることができる。
なお、本実施形態では、遊技者に有利区間へ移行したことを伝えるため、有利区間ランプも設けている。有利区間ランプの点灯による有利区間へ移行したことの報知は、主に遊技をやめようとする遊技者向けであり、副画像表示装置22による有利区間へ移行したことの報知は、主に遊技を続けている遊技者向けである。遊技をやめようとしている段階では、演出にはあまり興味がない状態であると思われるため、清算する際に意識が向きやすい有利区間ランプを点灯させるようにしている。
逆に、遊技を続けている遊技者は、演出に興味がある状態であると思われるため、副画像表示装置22に表示されている扉を開くようにしている。このため、扉を開くタイミングは、精算スイッチの操作が有効になる前でなくてもよい。例えば、次の遊技のためのスタートスイッチの操作がなされる前、操作がなされたときや操作がなされた後であってもよい(ただし、次々の遊技のスタートスイッチの操作がなされるより前である方が好ましい)。
遊技状態が通常になると、主制御手段100において図21に示した七星カウンタ抽選処理が行われ、その処理に応じて七星カウンタの値(厳密には七星カウンタの値に「1」を加えた値)が副制御手段200に送信される。そして、例えば役抽選でリプレイ系の抽選結果が決定され、それによる加算抽選で当選値が2になった場合、七星カウンタの値は2となり、副制御手段200は、副画像表示装置22に表示された北斗七星のうち2つの星を点灯させる。次いで、役抽選でハズレの抽選結果が決定された場合は、七星カウンタの値が1になるため、副制御手段200は、副画像表示装置22に表示された北斗七星の点灯している2つの星のうち1つを消灯させる。
このようにして、副制御手段200は、主制御手段100から送信される七星カウンタの値に応じて副画像表示装置22に表示する北斗七星を構成する星の点灯/消灯を制御する。すなわち、七星カウンタの値に応じて点灯させる星の数を増減させる。そして、主制御手段100から送信された七星カウンタの値が7以上になると、次の遊技で主制御手段100はリール演出を行い、副制御手段200はそれに応じた演出や、図21のステップS168で行われた昇格抽選の結果などを報知する。図23(a)では、昇格抽選に当選して遊技状態がART前兆(遊技状態番号2)へ移行したことを示している。
ここで、七星カウンタの値に応じた演出を行っているときに、役抽選で1BBを含む抽選結果(1BB−A〜1BB−Cのいずれか)が決定された場合の演出内容について、図23(b)を参照して説明する。この場合、1BBを含む抽選結果が決定されるまでは、図23(a)と同様に、主制御手段100から送信される七星カウンタの値の値に応じて副画像表示装置22に表示する北斗七星を構成する星の点灯/消灯を制御する。そして、1BBを含む抽選結果が決定されると、遊技状態番号は1から9になるため、図21の七星カウンタ抽選処理におけるステップS150の判断結果がNOとなり、七星カウンタの値は変動しなくなる。
このとき、主制御手段100から送信された遊技状態番号が1から9へ変化しても、副制御手段200は、副画像表示装置22に表示している北斗七星を構成する星のうち、点灯させる星を役抽選の抽選結果に応じて増減させる。例えば、主制御手段100から送信された演出グループ番号に基づいて決定された抽選結果の系統を判断し、リプレイ系またはレア系の抽選結果が決定された場合は図22(a)に示した抽選テーブルに基づいて、ベル系の抽選結果が決定されて入賞01の図柄組合せが揃った場合は図22(b)に示した抽選テーブルに基づいて、当選値を決定する。なお、図22(a)および(b)に示す抽選テーブルは、副制御手段200のROMにも記憶されているものとする。そして、決定された当選値(厳密には決定した当選値から1を減算した値)に基づいて点灯する星の数を増やす。なお、役抽選で抽選結果がハズレに決定された場合などは点灯する星の数を減らす。
例えば、図23(b)に示すように、七星カウンタの値が1のときに役抽選で1BB−Bが決定された場合は、そのときの演出グループ番号「6」であるから、図22(a)に示した抽選テーブルに基づいて当選値を抽選で決定する。その結果、当選値が2に決定された場合は、その当選値から1を引いた数(この場合は1つ)だけ点灯させる星の数を増やす。このとき、七星カウンタの値は1のままである。次いで、役抽選で抽選結果がハズレに決定されたときは、点灯している星の数を1つ減らすが、この場合も七星カウンタの値は1のままである。
このように、七星カウンタの値に基づいて演出を行っているときに役抽選で1BBを含む抽選結果が決定された場合、その後の遊技では副制御手段200は役抽選によって決定された抽選結果に基づいて副画像表示装置22に表示している星の点灯数を制御する。このため、内部中であることを遊技者に悟られにくくすることができるため、七星カウンタの値に基づく演出の興趣を低下させることがない。
ただし、副制御手段200で行っているに過ぎないため、副画像表示装置22に表示されている北斗七星の星がすべて(すなわち7つ)点灯したとしても、主制御手段100において七星カウンタの値は7に達していない。したがって、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されてもリール演出は実行されない。このため、副制御手段200が、遊技状態番号が9に変化した後の遊技において、役抽選によって決定された抽選結果に基づいて副画像表示装置22に表示している星の点灯数を制御しているときに、図23(c)に示すように、点灯させた星の数が7つ達した場合、副制御手段200は、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されたときに、副画像表示装置22に8つめの星STを表示させる。これにより、遊技者は1BB役が当選したことを察することができる。
なお、上述した図23(c)の場合において、8つ目の星STを点灯させる前に、例えば図20(g−2)に示したようなボーナス確定画面を画像表示装置70に表示して、1BB役に当選したことを遊技者に告知するようにしてもよい。また、図23(c)の場合において、既に点灯している星の数に応じて点灯させる星の増加数を決定することで、七星カウンタの値が7以上になりにくくしてもよい。例えば、既に点灯している星の数が多い程、点灯させる星の増加数が少なくなる確率が高い抽選テーブルを用いて、七星カウンタの値の加算抽選を行ってもよい。
また、七星カウンタの値が7に達したときに、主制御手段100がリール演出を行うか否かを抽選によって決定してもよい。この場合、例えば図23(a)において、七星カウンタの値が7以上になったときに、リール演出を行わないと決定し、かつ、昇格抽選に当選した場合は、次の遊技でスタートスイッチ36が操作されたときに、1BB役が当選していなくても、副制御手段200により副画像表示装置22に8つ目の星STを表示するようにしてもよい。
[ART遊技の終了条件に関する他の実施形態]
上述した実施形態では、ART1はART1で行われたゲーム数が100ゲームになった場合、ART2は1セット50ゲームのART遊技が終了したときにART2セット数が0だった場合に、終了条件が成立していた。以下に説明するART遊技では、ART遊技が開始されると、画像表示装置70に敵キャラクタと味方キャラクタとを表示して、ゲームが行われるごとに互いに戦う。そして、相手からから受けたダメージにより味方キャラクタのヒットポイント(以下、「HP」ともいう。)が0になった場合はART遊技が終了し、敵キャラクタのHPが0になった場合は改めてART遊技を開始する。なお、改めてART遊技を開始する前に数ゲームの準備遊技(A群に属する遊技状態)を設けてもよく、準備遊技中に敵キャラクタを選択する演出を行ってもよい。
以下、他の実施形態におけるART遊技の終了/継続に関する制御処理(以下、「ART制御処理」ともいう。)について、図24および図25を参照して説明する。図24は、他の実施形態におけるART遊技の終了/継続に関する制御の流れを示すフローチャートであり、図25はART制御処理の中で参照される抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。なお、図24に示すART制御処理は、図15に示した遊技進行メイン処理においてステップS48(遊技区間移行処理)の一部として実行されるものとする。また、他の実施形態ではART遊技が開始されるときに、敵キャラクタおよび味方キャラクタのHPの初期値が、RWMの所定アドレスに各々記憶される。
まず、主制御手段100は、図24に示すART制御処理を開始すると、現在、ART遊技を行っているか否かを判断し(ステップS200)、ART遊技を行っていないときは判断結果がNOとなり、図24のART制御処理を終了して、他の遊技区間移行処理を行う。これに対して、ART遊技を行っているときは、判断結果がYESとなり、敵キャラクタの攻撃回数を決定するための敵攻撃回数抽選を行う(ステップS202)。敵攻撃回数抽選は、ROMに記憶されている抽選テーブルを用いた乱数抽選であり、数値範囲が0〜255(整数)の乱数を用いて、攻撃回数を0,1,2,3のいずれかに決定する。
ここで、敵攻撃回数抽選で用いられる抽選テーブルの内容を図25に示す。この図に示すように、敵攻撃回数抽選で用いられる抽選テーブルでは、攻撃回数0,1,2,3に対する置数がいずれも64となっており、各攻撃回数が決定される確率はいずれも64/256=1/4になっている。
次に主制御手段100は、RWMに記憶されている敵攻撃フラグのオン/オフ状態をオンに更新して(ステップS204)、図15に示した遊技進行メイン処理におけるステップS22の役抽選処理により、ベル系またはレア系の抽選結果が決定されたか否かを判断する(ステップS206)。ベル系またはレア系の抽選結果が決定されたときは、ステップS206の判断結果がYESとなり、ステップS204でオンにされた敵攻撃フラグのオン/オフ状態をオフに更新する(ステップS208)。
そして、主制御手段100は、ステップS202の敵攻撃回数抽選によって決定された攻撃回数に応じて、RWMに記憶されている味方キャラクタまたは敵キャラクタのHPから減算する値(減算ポイント)を算出する(ステップS210)。なお、ステップS206の判断処理で、ベル系またはレア系以外の抽選結果が決定されたときは判断結果がNOとなり、ステップS208の処理を行わずにステップS210の処理を行う。また、ステップS210の処理は、ステップS202の処理によって決定された攻撃回数の値に定数を乗じてHPから減算する値を算出してもよい。また、ステップS202の処理によって直接、HPから減算する値を決定してもよく、その場合ステップS210の処理は省略することができる。
次に主制御手段100は、RWMに記憶されている敵攻撃フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップS212)。敵攻撃フラグがオンであった場合は判断結果がYESとなり、RWMの所定アドレスに記憶されている味方キャラクタのHPから、ステップS210で算出した減算ポイントを減算する(ステップS214)。次いで、味方キャラクタのHPの値が0になったか否かを判断し(ステップS216)、味方キャラクタのHPの値が0になった場合は判断結果がYESとなり、ART遊技を終了させる(ステップS218)。
そして、図24のART制御処理を終了して、他の遊技区間移行処理を行う。また、ステップS216の判断処理で味方キャラクタのHPの値が0を越えていた場合は、判断結果がNOとなり、ステップS218の処理を行わずに図24のART制御処理を終了する。したがって、この場合は現在行われているART遊技が継続することになる。
ステップS212の判断処理で、敵攻撃フラグがオフであった場合は判断結果がNOとなり、RWMの所定アドレスに記憶されている敵キャラクタのHPから、ステップS210で算出した減算ポイントを減算する(ステップS220)。次いで、敵キャラクタのHPの値が0になったか否かを判断し(ステップS222)、敵キャラクタのHPの値が0になった場合は判断結果がYESとなり、RWMに記憶されている敵キャラクタおよび味方キャラクタのHPの値を初期値に更新する(ステップS224)。これにより、次の遊技から新たなART遊技が開始することになる。そして、図24のART制御処理を終了して、他の遊技区間移行処理を行う。準備遊技(A群に属する遊技状態)を設ける場合は、準備遊技において敵キャラクタのおよび味方キャラクタのHPの値を決定し、新たなART遊技を開始してもよい。
また、ステップS222の判断処理で敵キャラクタのHPの値が0を越えていた場合は、判断結果がNOとなり、ステップS224の処理を行わずに図24のART制御処理を終了する。したがって、この場合は現在行われているART遊技が継続することになる。
このように、上述したART制御処理では、ART遊技中は、役抽選の抽選結果に関わらず、毎ゲーム敵攻撃回数抽選が行われて、味方キャラクタのHPから減算される値(減算ポイント)が算出される。そして、役抽選で設定差の無い特定の抽選結果が決定されなかった場合は、味方キャラクタのHPから算出された減算ポイントが減算されるが、設定差の無い特定の抽選結果が決定された場合は、敵キャラクタのHPから算出された減算ポイントが減算される。そして、味方キャラクタのHPが0になるとART遊技が終了する。
1BBに当選した遊技でステップS200がNOになる場合(当選した遊技から内部中(遊技状態番号9)に移行するようにした場合)は、設定差のある抽選結果(ハズレも含む)が決定されると、味方キャラクタのHPが敵攻撃抽選によって決定された攻撃回数に応じて確実に減算されるため、ART遊技が終了する可能性が設定値に応じて異なってくる。その一方で、味方キャラクタのHPの減算を回避するか否かが決定される確率は、設定値に関わらず共通であり、これらの処理を行うための制御プログラム等を設定値ごとに作成する必要がない。このため、設定値に応じて異なるART遊技の管理を行うための制御プログラム等を、限られた容量内で作成することが可能となる。なお、1BBに当選した遊技でステップS200がYESになる場合(当選した遊技の次遊技から内部中(遊技状態番号9)に移行するようにした場合)でも、設定差のある抽選結果(ハズレも含む)に決定されると、味方キャラクタのHPが確実に減算されるため、ART遊技が終了する可能性が設定値に応じて異なってくるのではないかと思わせることができる。
なお、ステップS206の判断処理で、ベル系またはレア系の抽選結果が決定された(判断結果がYESになった)ときは、敵キャラクタのHPから減算する値を、新たに抽選を行う等して、改めて決定してもよい。
また、有利区間において図15のステップS22における役抽選処理で1BBを含む抽選結果(1BB−A〜C)が決定された場合は、遊技状態を内部中(遊技状態番号9)に移行させた上で、ステップS26のART関連抽選処理およびステップS46の七星カウンタ抽選処理を行ってもよい。このようにすると、1BBに当せんした遊技から図17のステップS100、ステップS116、ステップS126、図21のステップS150がNOになる。もちろん、有利区間において図15のステップS22における役抽選処理で1BBを含む抽選結果(1BB−A〜C)が決定された場合に、ステップS48で遊技状態を内部中(遊技状態番号9)に移行させてもよい。
図17のART関連抽選処理に示したように、役抽選処理で決定された抽選結果の系統に応じて各種抽選を行うか否かを判断したり(図17、ステップS110、S118、S136)、図17のART関連抽選処理や図21の七星カウンタ抽選処理に示したように、役抽選処理で決定された抽選結果の系統によって異なる抽選テーブルを用いて抽選を行ったり(図17のステップS112、ステップS120、ステップS138、図21のステップS154およびS158)する場合がある。本実施形態では、抽選結果の系統は番号により管理している。例えば、その他系は0番、リプレイ系は1番、ベル系は2番、レア系は3番、特殊系は4番として管理している。なお、各系統に対応する番号は適宜変更できる。まず、役抽選処理での抽選結果にかかわらず0番をセットし、抽選結果が所定の抽選結果(設定差のない抽選結果)であった場合に0番からその抽選結果に対応する番号(例えば、1番など)に書き換えている。
一般に、低い設定値では小役やリプレイ(設定差あり)に対する置数が少なく、ハズレに対する置数が多くなる。これに対して、高い設定値では小役やリプレイ(設定差あり)に対する置数が多くなる分、ハズレに対する置数が少なくなる。このため、設定差のある抽選結果をすべて同じ系統とすると、その系統に属する抽選結果に割り当てられた置数の合計値は、各設定値間で差が生じない(同じ値となる)こととなる。すなわち、設定差のある抽選結果をすべて同じ系統とした場合、役抽選の抽選結果がその系統となる確率は設定差がないこととなる。したがって、設定差のある抽選結果をすべて同じ系統とし、その系統に設定差のない抽選結果が一部含まれていても、その系統は設定差がないものとなる。
すわなち、系統ごとに抽選テーブルを用意しておき、抽選を行う際に当選した系統(役抽選の結果)に対応する抽選テーブルを使用しても、その抽選の結果に設定差はない。
なお、本実施形態と、上述した他の実施形態や各変形例とを適宜組み合わせることは可能である。さらに、本発明は、明細書および図面に記載した構成に限定されるものではなく、それらを上位概念化した態様も含む。
10 スロットマシン
12 本体部
14 前面扉
21 表示窓
22 副画像表示装置
27 クレジット数表示器
28 獲得枚数表示器
33 清算スイッチ
34 1−ベットスイッチ
35 最大ベットスイッチ
36 スタートスイッチ
37L,37C,37R ストップスイッチ
38 選択スイッチ
39 決定スイッチ
40L,40C,40R リール
42L,42C,42R ステッピングモータ
44 ドアスイッチ
45 ブロッカ
46 ホッパーモータ
50 下部パネル
52L、52R サイドランプ
64L、64R、76L、76R スピーカ
70 画像表示装置
72 演出用ランプ
74L、74R 装飾用ランプ
82a 電源スイッチ
82b キースイッチ
82c 設定/リセットスイッチ
83 ホッパー
83a メダル貯留部
86 外部集中端子基板
100 主制御手段
110 当選役決定手段
115 リール制御手段
120 抽選状態制御手段
125 遊技区間制御手段
130 フリーズ制御手段
135 報知遊技制御手段
140 入賞判定手段
145 異常検出手段
150 LED表示制御手段
155 制御コマンド送信手段
160 外部信号送信手段
200 副制御手段
202 副制御基板
204 画像制御基板

Claims (1)

  1. 複数の設定値のうち指定された設定値に応じた確率に基づいて、前記複数の設定値に応じて決定される確率が変動する第1の抽選結果または変動しない第2の抽選結果のいずれかを決定する抽選を行う抽選手段と、
    有利な遊技状態において前記抽選手段によって抽選結果が決定されると、前記有利な状態を終了させるか否かを決定する終了抽選を行う終了抽選手段と、
    前記抽選手段によって前記第2の抽選結果が決定されると、前記有利な遊技状態を維持するか否かを決定する維持抽選を行う維持抽選手段と、を備え、
    前記終了抽選によって有利な状態の終了が決定されたときに、前記維持抽選によって有利な状態の維持が決定された場合は、前記有利な状態の終了を取り消して前記有利な状態を維持する
    ことを特徴とするスロットマシン。

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