JP2019083859A - 音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置 - Google Patents

音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性に優れた音響レンズを提供する。【解決手段】音響レンズ30は、エラストマー基材31と、エラストマー基材31に分散され、平均最大長さが5μm以上100μm以下、かつ平均最大径が0.01μm以上1μm以下のフィラー32と、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置に関する。
超音波診断装置に用いられている超音波プローブには、被検体と接触する最表面に、超音波を集束する音響レンズが設けられている。
音響レンズは、被検体との界面における超音波の反射を抑制するために、被検体と近い音響インピーダンスを有することが必要である。
例えば、特許文献1には、シリコーンゴムに、平均一次粒子径が25nm未満であって、比重が2.0以上10.0以下である無機化合物粒子を分散させた成形体からなる音響レンズが開示されている。
特開2016−107075号公報
しかしながら、上述した従来技術には以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術は、音響波減衰量を低く維持したまま、シリコーン樹脂の硬度および機械強度(引張破断強度、引張破断伸び、引裂強度および耐折疲労性)を大幅に向上させることを目的としている。
しかし、特許文献1に開示された樹脂組成物の実施例の引裂強度は、17N/cm〜75N/cm(1.7N/mm〜7.5N/mm)である。この程度の引裂強度では、例えば、音響レンズが、他の医療機器などの硬質な材料と接触、摺動したり、手拭き洗浄による摺動負荷を受けたりすると、損傷するおそれがある。
特許文献1では、平均一次粒子径が25nm未満の超微粒子が用いられる。しかし、このような超微粒子の含有量は、適正な音響特性を得るため所定の範囲に制約される。超微粒子が添加された構成では、特許文献1に開示された機械強度を大幅に超えることは期待できない。
このため、良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性がさらに向上する音響レンズが強く求められている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性に優れる音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の音響レンズは、エラストマー基材と、前記エラストマー基材に分散され、平均最大長さが5μm以上100μm以下、かつ平均最大径が0.01μm以上1μm以下のフィラーと、を含む。
上記音響レンズにおいては、前記フィラーは、結晶性の無機フィラーを含んでもよい。
上記音響レンズにおいては、前記フィラーの材料は、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、および硫酸マグネシウムから選ばれる群から選択される少なくても1種を含んでもよい。
本発明の第2の態様の超音波プローブは、上記音響レンズを備える。
本発明の第3の態様の超音波診断装置は、上記音響レンズを備える。
本発明の音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置によれば、良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性に優れる。
本発明の第1の実施形態の超音波診断装置である超音波内視鏡の一例を示す模式的な正面図である。 本発明の第1の実施形態の超音波プローブの一例を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の超音波プローブにおける超音波振動子アレイの拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態の超音波診断装置である超音波内視鏡の制御系の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の音響レンズの模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例の音響レンズの模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態の医療機器である超音波診断装置の一例を示す模式的なシステム構成図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
以下では、本発明の第1の実施形態の音響レンズ、超音波プローブ、および超音波診断装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の超音波診断装置である超音波内視鏡の一例を示す模式的な正面図である。図2は、本発明の第1の実施形態の超音波プローブの一例を示す模式的な断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態の超音波プローブにおける超音波振動子アレイの拡大断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態の超音波診断装置である超音波内視鏡の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
なお、各図面は、模式図のため形状や寸法は誇張されている(以下の図面も同じ)。
図1に示す本実施形態の超音波内視鏡1(超音波診断装置)は、患者の体内に挿入して用いられる医療用内視鏡である。超音波内視鏡1は、被検体に超音波を印加することによって、被検体の超音波画像を取得することができる。
超音波内視鏡1は、患者の体内に挿入される細長の挿入部2と、挿入部2の基端に接続された操作部3と、操作部3から延出するユニバーサルコード4と、を備える。
挿入部2は、患者の体内に挿入するため、可撓性を有する管状に形成されている。挿入部2は、挿入方向の先端側から順に、先端硬質部5、湾曲自在な湾曲部6、および細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部7がこの順に設けられている。図1には図示されていないが、挿入部2の内部には、例えば、処置具チャンネル、ライトガイドファイバー、画像伝送ケーブル、操作ワイヤーなどの長尺の内蔵物が挿通している。
先端硬質部5は、硬質の樹脂成形品によって略円筒状に形成されている。先端硬質部5は、超音波内視鏡1において、マニピュレータとしてのエンドエフェクタを備える装置部分である。先端硬質部5の先端部には、超音波プローブ10が設けられている。図示は省略するが、先端硬質部5の内部には、被検体の映像を取得するため、例えばCCDなどの撮像素子、照明光を出射する照明光学系、適宜のレンズを備える撮像光学系などが設けられている。
図2に示すように、先端硬質部5の内部には、処置具などを挿通する処置具チャンネル11が延びている。処置具チャンネル11の開口部11aの前方には、開口部11aが外部に延出する処置具等の向きを変える起上台12が設けられている。
先端硬質部5の先端において起上台12の隣には、超音波プローブ10が固定される超音波プローブ取り付け孔5aが形成されている。
超音波プローブ10は、本体部21と、本体部21の表面に設けられた超音波振動子アレイ22と、を備える。
本体部21の先端には、後述する超音波振動子アレイ22が配置されるアレイ配置面21aが形成されている。本実施形態では、アレイ配置面21aは、円筒面状に形成されている。
本体部21の基端には、超音波プローブ取り付け孔5aに挿入されて先端硬質部5と連結固定される固定部21bが形成されている。
超音波振動子アレイ22は、アレイ配置面21a上に複数の超音波振動子22aが配列されて構成される。
図3に示すように、各超音波振動子22aは、バッキング材24、圧電素子27、第1音響整合層28、第2音響整合層29、および音響レンズ30が、この順に積層して構成される。各超音波振動子22aは、圧電素子27および第1音響整合層28の層厚方向に貫通する隔壁26によって、矩形状に区画されている。
隔壁26で仕切られた超音波振動子22aは、それぞれ超音波の送受信を行うことができ、超音波振動子アレイ22によって取得する超音波画像における単位画素の画像信号を生成する。
バッキング材24は、適宜の接着剤を介して、図示略のアレイ配置面21aに接着されている。バッキング材24は、後述する圧電素子27で発生する超音波振動のうちアレイ配置面21aに向かう振動を吸収するための部材である。
バッキング材24の材質としては、適宜の振動吸収特性を有する樹脂材料が用いられる。
圧電素子27は、図示略の電極によって電圧が印加されることで、超音波振動を発生する。さらに圧電素子27は、超音波プローブ10の外部で反射した超音波が入射すると、超音波振動を電気信号に変換する。
各超音波振動子22aにおける圧電素子27と電気的に接続される図示略の配線は、図2に示すように、ケーブル23にまとめられ、固定部21b(図2参照)から延出している。
固定部21bから延出するケーブル23は、超音波プローブ取り付け孔5aの内部を通って、挿入部2の内部を経由して、後述する操作部3まで延びている。
各圧電素子27および各隔壁26の間には、絶縁層25が設けられている。絶縁層25は、圧電素子27とバッキング材24とを電気的に絶縁する部材である。絶縁層25は、導電体を含まない有機物、例えば接着剤で構成されている。
第1音響整合層28および第2音響整合層29は、被検体と圧電素子27とにおける音響インピーダンスの差を低減する層状部である。被検体の音響インピーダンスに応じて、第1音響整合層28および第2音響整合層29の音響インピーダンスをそれぞれ適正に設定することにより、被検体による超音波の反射が低減される。
本実施形態では、第1音響整合層28は、各隔壁26によって矩形状に区画されているのに対して、第2音響整合層29は、各第1音響整合層28および各隔壁26の先端を覆う層状に設けられている。
ただし、第1音響整合層28および第2音響整合層29は、単層の音響整合層に置き換えられてもよい。
音響レンズ30は、圧電素子27で発生し、第1音響整合層28および第2音響整合層29を通して伝搬する超音波を集束して外部に放射する。さらに、音響レンズ30は、外部で反射された超音波を集束して、各圧電素子27に入射させる。音響レンズ30は、超音波を集束させるための適宜形状に成形されている。
音響レンズ30は、超音波プローブ10の最表面に配置されている。
音響レンズ30の詳細については、超音波内視鏡1の説明を終えた後で説明する。
図1に示すように、湾曲部6は、先端硬質部5の基端側に連結されている。湾曲部6は、先端硬質部5の向きを変更するため、湾曲可能となっている管状の部位である。
湾曲部6は、例えば、円環状の複数の節輪が回動可能に連結され、内部には、操作ワイヤーが挿通されている。
湾曲部6の内部には、例えば、先端硬質部5の撮像素子に接続された電気配線、照明窓まで延ばされたライトガイドファイバーなどの部材が収容されている。
上述した操作ワイヤー、画像伝送ケーブル、ライトガイドファイバー、図示略のケーブル23などの部材は、後述する可撓管部7の内部に挿通され、後述する操作部3まで延びている。
湾曲部6は、樹脂製の外皮チューブによって被覆されている。
可撓管部7は、湾曲部6と、後述する操作部3と、を繋ぐ管状部分である。
可撓管部7は、内腔を有する樹脂チューブを含んで構成される。樹脂チューブの内側には、内腔の円形断面を保つため、例えば、金属または樹脂からなる帯状部材が螺旋状に巻かれたフレックス、網状の金属ブレードなどの補強部材が設けられてもよい。
操作部3は、術者が超音波内視鏡1の操作を行う装置部分である。操作部3を通して行う操作の例としては、湾曲部6の湾曲量を変更するため、図示略の操作ワイヤーを牽引する操作が挙げられる。操作部3を通して行う他の操作の例としては、超音波プローブ10を駆動して、超音波画像を取得するための操作が挙げられる。
操作部3の基端部には、超音波内視鏡1の動作に必要な電源線、信号線などを、外部機器と接続するためのユニバーサルコード4が接続されている。
図4に示すように、超音波内視鏡1は、制御ユニット50と、画像表示を行う表示部53と、をさらに備える。
制御ユニット50は、超音波観測部51と、画像処理部52と、を備える。
超音波観測部51は、ユニバーサルコード4を介して、操作部3および圧電素子27と電気的に接続されている。超音波観測部51は、操作部3からの制御信号に基づいて、圧電素子27を用いた超音波の送受信を行う。具体的には、超音波観測部51は、各超音波振動子22aの各圧電素子27から順次超音波を放射させて、それぞれの反射波を受信する。これにより、超音波観測部51は、エコーデータを取得する。
画像処理部52は、超音波観測部51が取得したエコーデータを解析して、超音波画像を構築する画像処理を行う。
画像処理部52が構築した超音波画像の画像信号は、画像処理部52が接続された表示部53に送出される。これにより、表示部53に超音波画像が表示される。
制御ユニット50の装置構成は、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータからなり、これにより上述のような超音波観測部51および画像処理部52の動作を行うプログラムが実行されるようになっている。
次に、本実施形態の音響レンズ30の詳細構成について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の音響レンズの模式的な断面図である。
図5に模式的に示すように、音響レンズ30は、エラストマー基材31と、フィラー32と、を備える。
エラストマー基材31は、被検体である生体組織との接触に好適な生体適合性を有する樹脂材料の硬化物からなる。エラストマー基材31の材料は、後述するフィラー32の添加によって、被検体の音響インピーダンスに近い音響インピーダンスが得られる適宜の樹脂材料が用いられる。
例えば、エラストマー基材31としては、ジオルガノポリシロキサンを主成分とし、重合度が3000以上10000以下のポリシロキサンを含んで構成された原料樹脂に加硫剤が添加されて加熱硬化されたミラブル型のシリコーンゴムが用いられてもよい。
例えば、エラストマー基材31としては、ジオルガノポリシロキサンを主成分とし、重合度の低いポリシロキサンに硬化剤を添加して硬化させた液状ゴム型のシリコーンゴムが用いられてもよい。このような液状ゴム型のシリコーンゴムは、縮合反応型と付加反応型とがある。特に、付加反応型の場合は硬化中に副生成物が発生しない利点がある。
ただし、エラストマー基材31は、上述の種類、型には限定されない。エラストマー基材31の材料は、例えば、生体適合性、耐滅菌耐性、柔軟性、耐久性、硬化性などを考慮して、上述のシリコーンゴム以外のエラストマー材料のうちから、適宜選択されてもよい。
フィラー32は、エラストマー基材31に分散して配合されている。フィラー32は、平均最大長さが5μm以上100μm以下、かつ平均最大径が0.01μm以上1μm以下の形状を有する。フィラー32は、平均最大長さが10μm以上50μm以下、かつ平均最大径が0.1μm以上0.6μm以下の形状を有することがより好ましい。
ここで、「平均最大長さ」は、音響レンズ30に含まれるフィラー32単体の最大の外形寸法が、音響レンズ30に含まれるフィラー32の集団において平均された値である。「平均最大径」は、音響レンズ30に含まれるフィラー32単体の線状部分における最大線径が、音響レンズ30に含まれるフィラー32の集団において平均された値である。
フィラー32の形状は、平均最大長さおよび平均最大径が、上述の数値範囲を満足していれば、特に限定されない。例えば、フィラー32の形状は、繊維状であってもよい。例えば、フィラー32は、直線状の線状体であってもよいし、湾曲または屈曲した線状体でもよい。例えば、フィラー32は、線状体がツリー状に分岐した形状を有していてもよい。例えば、フィラー32は、断面積が略一定の棒状の線状体であってもよいし、断面積が変化する針状の線状体でもよい。例えば、フィラー32は中空の管状であってもよい。
フィラー32の材質は、無機フィラーであってもよいし、有機フィラーであってもよい。ただし、高比重が得られやすい点では、フィラー32は、無機フィラーであることがより好ましい。低比重ではあるが高強度が得られる点では、フィラー32はカーボンナノチューブが用いられてもよい。
フィラー32が無機フィラーの場合、上述の数値範囲の形状が容易に製造しやすい点では、フィラー32は結晶性材料であることがより好ましい。結晶性材料の場合、結晶成長によって、安定した最大長さおよび最大外径を有する線状体が容易に得られる。フィラー32が結晶性材料で構成される場合、単結晶を成長させて製造されることが特に好ましい。結晶成長によって製造された結晶性の無機フィラーは、機械加工などによって製造されるフィラーに比べてフィラー自体が高強度になるため、補強効果が高くなる。
ただし、上述の数値範囲の形状が得られれば、フィラー32は非結晶性材料(アモルファス材料)によって製造されてもよい。具体的には、フィラー32として、ガラスフィラーなどが用いられてもよい。
フィラー32に好適な材料の例としては、例えば、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。例えば、フィラー32の材料は、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、および硫酸マグネシウムから選ばれる群から選択される少なくても1種を含んでもよい。
本実施形態の音響レンズ30を製造するには、例えば、硬化前のエラストマー基材31に、加硫剤あるいは硬化剤と、フィラー32と、が添加され、略均一に分散混合されて成形用材料が形成される。形成された成形用材料は、音響レンズ30の形状を形成する成形型を用いて硬化される。成形用材料の硬化物から脱型することによって、音響レンズ30が製造される。
このような超音波内視鏡1の作用について、音響レンズ30の作用を中心として説明する。
音響レンズ30は、平均最大長さが5μm以上100μm以下、かつ平均最大径が0.01μm以上1μm以下のフィラー32を含んでいる。
フィラー32は、このようなアスペクト比が大きい形状を有するため、粒状体の充填材に比べて比表面積が大きくなっている。フィラー32は、粒状体よりもエラストマー基材31との接触面積が大きくなるため、エラストマー基材31との一体性が高まる。この結果、フィラー32の長手方向における圧縮および引っ張りの外力に対する補強効果が特に大きくなる。
これに対して、粒状体の充填材では、充填材の粒子径を小さくすることによって、比表面積が大きくなるため、粒子径がより大きい同量の充填材が添加された場合に比べると、ある程度は補強効果が高められる。しかし、補強効果の向上の程度は、アスペクト比が大きいフィラー32に比べると格段に小さい。
フィラー32は、粒状体に比べてアスペクト比が格段に大きいため、1つのフィラー32の補強効果がより広い領域に及ぶ。これに対して、粒状体の充填材では、粒子径が小さくなると代表長さが小さくなるため、1つの充填材の補強効果が及ぶ領域はより狭くなってしまう。
粒状体の充填材によってさらに補強効果を高めるには、含有量を増やす必要がある。この場合、エラストマー基材31との混合物は、硬くなるとともに脆くなるため、特に引き裂き強度などを低下しやすい。さらに、充填材の含有量が多くなりすぎることによって、音響特性が適正な範囲から外れやすくなる。
特に、フィラー32の形状が、枝分かれした線状部を有する場合には、枝分かれした線状部がエラストマー基材31に対するアンカー効果を有するため、フィラー32による補強効果がさらに向上する。
この場合、枝分かれした線状部は、他のフィラー32の線状部と絡みやすくなる作用もある。このため、エラストマー基材31に分散したフィラー32の相互の絡み合いが増えることによって、補強効果が増大することも期待できる。
音響レンズ30では、上述したように、特にフィラー32の長手方向の圧縮強度および引張強度が向上する。
さらに、音響レンズ30では、例えば、フィラー32の長手方向に交差する方向に作用するせん断力に対する強度が向上する。このため、例えば、破断時または引き裂き時にエラストマー基材31に発生するマイクロクラックの進展がフィラー32によって抑制される。このように、音響レンズ30では、粒状体が添加された場合に比べて、破断強度および引き裂き強度も向上する。
フィラー32の高アスペクト比ではあるが、平均最大長さが100μm以下であるため、硬化前のエラストマー基材31に混合する場合の配向性は低い。このため、硬化前のエラストマー基材31とフィラー32とは、略均一に分散するように混合することが可能である。これにより、フィラー32の配向は、略無配向になる。この結果、引張強度、破断強度、および引き裂き強度の異方性が抑制される。
このようなフィラー32の補強作用は、平均最大長さが長いほど、あるいは、平均最大が大きいほど、大きくなる。
一方、フィラー32には、形状および含有量によって、音響特性が変化する作用もある。具体的には、フィラー32は、超音波を減衰させたり、音響インピーダンスを変化させたりする。
フィラー32の比重、平均最大長さ、および平均最大径は、上述の補強効果と、音響レンズ30の音響特性とが適正となるように選ばれる。
例えば、フィラー32の平均最大径が、0.01μm(10nm)未満であると、補強効果が小さくなりすぎる。フィラー32の平均最大径が、1μmを超えると、超音波の減衰率が大きくなりすぎる。
例えば、フィラー32の平均最大長さが、5μm未満であると、補強効果が及ぶ領域が小さくなりすぎる。このため、特に引き裂き強度が低下しすぎる。フィラー32の平均最大長さが、100μmを超えると、超音波の減衰率が大きくなりすぎる。
例えば、含有量をあまり増やすことなく音響インピーダンスを調整できるようにするには、フィラー32の材質として、高比重の材質が選ばれることがより好ましい。フィラー32の比重は、1.3以上10以下がより好ましい。フィラー32の比重は、2以上6以下がさらに好ましい。
例えば、チタン酸カリウム(比重3.3〜3.5)、酸化亜鉛(比重5.6〜5.8)、硫酸マグネシウム(比重2.3〜2.6)などは、比重の点でもより好ましい。
チタン酸カリウム、酸化亜鉛、および硫酸マグネシウムは、結晶性材料であるため、結晶成長によって製造されることで、フィラー自体が高強度になる。このため、平均最大径が小さくても、必要な補強効果が得られるため、減衰率の低下が抑制される。
このように、超音波内視鏡1では、音響レンズ30が上述のフィラー32を含有するため、音響レンズ30が良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性に優れる。例えば、音響レンズ30は、特に引き裂き強度に優れる。このため、音響レンズ30が、他の医療機器などの硬質な材料と接触、摺動したり、手拭き洗浄による摺動負荷を受けたりしても、音響レンズ30が損傷しにくくなる。この結果、音響レンズ30の耐久寿命が向上する。同様に、音響レンズ30を備える超音波プローブ10および超音波内視鏡1の耐久性も向上する。
[変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の変形例の音響レンズの模式的な断面図である。
図1に示すように、本変形例の超音波内視鏡1A(超音波診断装置)は、上記第1の実施形態の超音波内視鏡1の超音波プローブ10に代えて、超音波プローブ10Aを備える。
図2に示すように、超音波プローブ10Aは、上記第1の実施形態における超音波振動子アレイ22に代えて、超音波振動子アレイ22Aを備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図3に示すように、本変形例の超音波振動子アレイ22Aは、上記第1の実施形態の音響レンズ30に代えて、音響レンズ30Aを備える。
図6に模式的に示すように、音響レンズ30Aは、エラストマー基材31およびフィラー32に加えて、さらに充填材33を備える。
充填材33は、エラストマー基材31に比べて平均的なアスペクト比が小さい無機粒子からなる。
充填材33は、フィラー32と合わせて音響レンズ30Aに必要な音響特性が得られる適宜量が含有される。
充填材33は、高比重であることがより好ましい。減衰率が大きくなりすぎないようにするため、充填材33の平均粒子径は、0.01μm以上1μm以下であることがより好ましい。
充填材33として好適な無機フィラーの例としては、シリカ、アルミナ、ベーマイト、酸化セリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、三酸化タングステン、ジルコニア、ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素、サファイヤなどが挙げられる。
充填剤としては、1種類の物質が用いられてもよいし、2種類以上の物質が用いられてもよい。
本変形例の音響レンズ30Aによれば、フィラー32に加えて、充填材33を含有するため、上記第1の実施形態と同様、音響レンズ30Aが機械的な耐久性に優れる。
さらに本変形例によれば、音響特性は、フィラー32および充填材33の配合によって適宜調整できる。例えば、フィラー32として、低比重の材質が用いられる場合、必要な強度が得られるフィラー32の含有量では、音響インピーダンスが低くなりすぎる場合がある。この場合、高比重の充填材33を適宜含有させることによって、音響インピーダンスを適正値に調整できる。
このため、本変形例の音響レンズ30Aは、良好な音響特性を有するとともに機械的な耐久性に優れる。これにより、音響レンズ30Aの耐久寿命が向上する。同様に、音響レンズ30Aを備える超音波プローブ10Aおよび超音波内視鏡1Aの耐久性も向上する。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の超音波プローブおよび超音波診断装置について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態の医療機器である超音波診断装置の一例を示す模式的なシステム構成図である。
図7に示すように、本実施形態の超音波診断装置60は、例えば、内視鏡などを経由して患者の体内に挿入して用いられる。超音波診断装置60は、被検体に超音波を印加することによって、被検体の超音波画像を取得することができる。
超音波診断装置60は、超音波プローブ61、プローブ回転部64、制御ユニット65、およびモニタ66を備える。
超音波プローブ61は、可撓性を有する細長な樹脂製のシース部材で形成されたプローブ本体62と、プローブ本体62の先端部に設けられた超音波印加部63と、を備える。
プローブ本体62は、例えば、内視鏡の処置具チャンネルに挿通できる外径を有し、処置具チャンネルの先端部の開口から延出できる長さを有する。
超音波印加部63は、上記第1の実施形態におけると同様の超音波振動子22aがプローブ本体62の長手方向に複数配列されて構成されている。本実施形態における超音波振動子22aの列は1列には限定されない。例えば、超音波振動子22aの列は、プローブ本体62の中心軸線を挟んで対向するような2列になっていてもよい。
図3に示すように、超音波印加部63の超音波振動子22aの最表面には、上記第1の実施形態と同様な音響レンズ30が配置されている。
各超音波振動子22aの各圧電素子27には、それぞれ図示略の信号線が接続されている。各信号線はプローブ本体62の内部に挿通して後述するプローブ回転部64まで延びている。各信号線は、図7に示すように、信号ケーブル67にまとめられてプローブ回転部64から外部に延出している。信号ケーブル67は、コネクタ67aを介して後述する制御ユニット65に通信可能に接続されている。
プローブ回転部64は、超音波プローブ61の回転操作を行うための装置部分である。本実施形態では、プローブ回転部64は、術者が手動によって、超音波プローブ61をその中心軸線回りに回転できるようになっている。プローブ回転部64の主要部は、互いに相対回転可能に組み立てられた複数の樹脂部材によって構成される。
制御ユニット65は、各圧電素子27(図3参照)を通して、超音波の送受信を制御するとともに、各圧電素子27が受信したエコーデータを解析し、超音波画像の構築等の画像処理を行う装置部分である。制御ユニット65には、コネクタ67aを介して信号ケーブル67が電気的に接続されている。
制御ユニット65の装置構成は、上記第1の実施形態における制御ユニット50と同様な構成が用いられる。
モニタ66は、制御ユニット65が構築した超音波画像などを表示する装置部分である。モニタ66は、信号ケーブル68を介して、制御ユニット65と通信可能に接続されている。
このような構成の超音波診断装置60の超音波プローブ61は、例えば、内視鏡の処置具チャンネルなどを経由して超音波プローブ61の先端部が患者の体内に挿入されて使用される。超音波プローブ61は可撓性を有するため、処置具チャンネルが湾曲していると、処置具チャンネルの湾曲に沿って曲がりながら挿入される。
患者の体内に挿入された超音波プローブ61は超音波印加部63が、患者の体内の被検体に接触するように、プローブ回転部64によって回転される。
超音波印加部63が被検体と接触したら、超音波印加部63の各圧電素子27によって超音波の送受信が行われ、エコーデータが取得される。取得されたエコーデータは、制御ユニット65によって解析され、超音波画像が構築される。超音波画像の画像信号は、モニタ66に送出されて、モニタ66に表示される。
このように、超音波プローブ61の使用に際して、超音波印加部63の表面における音響レンズ30は、処置具チャンネルあるいは被検体と摺動する。さらに、超音波プローブ61の音響レンズ30は、使用前後に、例えば、手拭き洗浄による摺動負荷を受ける。
しかし、音響レンズ30は機械的な耐久性に優れるため、損傷しにくくなっている。
このため、音響レンズ30を備える超音波プローブ61および超音波診断装置60の耐久性も向上する。
なお、上記各実施形態の説明では、音響レンズ30が、エラストマー基材31およびフィラー32を備える場合の例で説明した。音響レンズ30には、必要に応じて、適宜の添加物が含有されてもよい。音響レンズ30として必要な音響特性が得られる範囲であれば、音響レンズ30に含まれる添加物の種類、含有量は特に限定されない。例えば、音響レンズ30として必要な音響特性が得られる範囲であれば、音響レンズ30には、湿潤剤、色材などの添加物が含まれてもよい。
以下では、上記第1の実施形態および変形例に対応する音響レンズを形成する樹脂組成物の実施例について、比較例とともに説明する。
下記[表1]には、実施例1〜5の樹脂組成物の組成および評価結果が、比較例の樹脂組成物の組成および評価結果とともに示されている。
Figure 2019083859
[実施例1]
実施例1は、第1の実施形態の音響レンズ30を形成するための樹脂組成物の実施例である。
[表1]に示すように、実施例1の樹脂組成物は、エラストマー基材31として65質量部のシリコーンゴム、フィラー32として35質量部のチタン酸カリウム製の結晶性フィラーが用いられた。
シリコーンゴムは、二液からなる付加反応型の液状ゴムが用いられた。硬化剤としては、白金系触媒が用いられた。
フィラーの平均最大長さは15μm、平均最大径は0.4μmであった。
実施例1の樹脂組成物の評価用サンプルを製造するため、上述の液状ゴムに上述のフィラーが上述の配合比となるように計量され、均一に混合されて、成形用材料が調製された、この後、成形用材料は、評価用サンプルの成形型に流し込まれて硬化された。
実施例1の評価用サンプルとしては、音響インピーダンス評価用のサンプルAと、引き裂き強度評価用のサンプルBと、が製造された。
サンプルAは、成形用材料が30mm×30mm×1mmのシートに成形されて製造された。硬化方法としては、100℃1時間の加熱硬化が用いられた。
サンプルBは、成形用材料がJIS K 6252に準拠した試験片の形状に成形されて製造された。具体的には、厚さ0.5mm、切り込みなしのアングル型試験片が製造された。硬化方法としては、100℃1時間の加熱硬化が用いられた。
[実施例2]
実施例2の樹脂組成物は、エラストマー基材31として55質量部のシリコーンゴム、フィラー32として45質量部の酸化亜鉛製の結晶性フィラーが用いられた。
シリコーンゴムの材質および硬化剤は、実施例1と同様とされた。
フィラー32の平均最大長さは10μm、平均最大径は0.2μmであった。
実施例2の評価用サンプルは、成形用材料が異なる以外は実施例1と同様のサンプルA、Bが、実施例1と同様にして製造された。
[実施例3]
実施例3は、上記第1の実施形態の変形例の実施例である。
実施例3の樹脂組成物は、フィラー32の含有量が30質量部とされ、充填材33として5質量部のアルミナ(平均粒子径0.03μm)が添加された以外は、実施例1と同様の構成が用いられた。
実施例3の評価用サンプルは、成形用材料が異なる以外は実施例1と同様のサンプルA、Bが、実施例1と同様にして製造された。
[実施例4]
実施例4は、上記第1の実施形態の変形例の実施例である。
実施例4の樹脂組成物は、エラストマー基材31として60質量部のシリコーンゴム、フィラー32として30質量部の硫酸マグネシウム製の結晶性フィラー、充填材33として10質量部のジルコニア(平均粒子径0.1μm)が用いられた。
シリコーンゴムの材質および硬化剤は、実施例1と同様とされた。
フィラー32の平均最大長さは15μm、平均最大径は0.5μmであった。
実施例4の評価用サンプルは、成形用材料が異なる以外は実施例1と同様のサンプルA、Bが、実施例1と同様にして製造された。
[実施例5]
実施例5の樹脂組成物は、フィラー32として、30質量部のチタン酸カリウム製の結晶性フィラーと、5質量部のガラスフィラーが用いられた以外は、実施例1と同様の構成が用いられた。チタン酸カリウム製の結晶性フィラーは、実施例1と同様の材料が用いられた。
ガラスフィラーの平均最大長さは100μm、平均最大径は1μmであった。
実施例5の評価用サンプルは、成形用材料が異なる以外は実施例1と同様のサンプルA、Bが、実施例1と同様にして製造された。
[比較例]
比較例の樹脂組成物は、フィラー32に代えて、35質量部のアルミナ(平均粒子径1μm)が用いられた以外は、実施例1と同様の構成が用いられた。
比較例の評価用サンプルは、成形用材料が異なる以外は実施例1と同様のサンプルA、Bが、実施例1と同様にして製造された。
[評価]
音響インピーダンスは、各実施例、比較例のサンプルAを用いて、各樹脂組成物の密度と、音速とが測定された。音響インピーダンスは、測定された密度と音速との積によって計算された。
引き裂き強度は、各実施例、比較例のサンプルBを用いて、JIS K 6252に準拠した引き裂き強度試験が行われることによって測定された。
[評価結果]
[表1]に示すように、実施例1、3〜5のサンプルAの音響インピーダンスは、1.30MRayl、実施例2の音響インピーダンスは、1.40MRaylであった。
比較例のサンプルAの音響インピーダンスは、1.31MRaylであった。
音響レンズは、生体組織の音響インピーダンスに近い1.3MRayl以上1.6MRaylが好適である。このため、各実施例および比較例はいずれも音響レンズ30として好適な音響インピーダンスを有していた。
[表1]に示すように、実施例1〜5のサンプルBの引き裂き強度は、それぞれ、43N/mm、48N/mm、41N/mm、41N/mm、49N/mmであった。
比較例のサンプルBの引き裂き強度は、11N/mmであった。
一方、各樹脂組成物に用いたシリコーンゴム単体の硬化物の引き裂き強度は、28N/mmであった。このため、実施例1〜5は、シリコーン単体の引き裂き強度に対して、1.46倍から1.75倍になっていたため、引き裂き強度に優れていた。
特に、実施例2は、実施例1に比べてフィラーの含有量が多いため、音響インピーダンスと引き裂き強度とがいずれも実施例1よりも大きくなっていた。
実施例3、4は、実施例1に比べてフィラーの含有量が少ないが、減らされたフィラーの代わりに無機粒子が補充されてため、音響インピーダンスは実施例1と変わらなかった。しかし、実施例3、4は、実施例1に比べて引き裂き強度が少し低下した。
実施例5は、フィラー32として複数の材質のフィラーが混合された例になっている。実施例5では、実施例1におけるチタン酸カリウム製のフィラーの一部が、ガラスフィラーで置換されていた。この場合、ガラスフィラーの添加による音響インピーダンスの変化は生じなかった。しかし、平均最大長さおよび平均最大径がより大きいガラスフィラーが加わることで、引き裂き強度が実施例1よりも大きくなった。
比較例の引き裂き強度は、無機粒子を含有することでシリコーン単体の引き裂き強度の0.39倍に低下していた。
比較例において無機粒子の含有量を減らせば、シリコーン単体の引き裂き強度に近づくことが考えられる。しかし、比較例においては、無機粒子の含有量を0質量部にしても、各実施例の引き裂き強度よりは格段に下回ってしまう。
さらに比較例において無機粒子の含有量を減らすと、音響インピーダンスが1.31よりも低下することは明らかである。このため、音響レンズとしては良好と言えない音響インピーダンスになってしまう可能性が高い。
以上、本発明の好ましい各実施形態、変形例、各実施例を説明したが、本発明はこれらの各実施形態、変形例、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1A 超音波内視鏡(超音波診断装置)
10、10A、61 超音波プローブ
22、22A 超音波振動子アレイ
22a 超音波振動子
30、30A 音響レンズ
31 エラストマー基材
32 フィラー
33 充填材
60 超音波診断装置
63 超音波印加部

Claims (5)

  1. エラストマー基材と、
    前記エラストマー基材に分散され、平均最大長さが5μm以上100μm以下、かつ平均最大径が0.01μm以上1μm以下のフィラーと、
    を含む、音響レンズ。
  2. 前記フィラーは、結晶性の無機フィラーを含む、
    請求項1に記載の音響レンズ。
  3. 前記フィラーの材料は、チタン酸カリウム、酸化亜鉛、および硫酸マグネシウムから選ばれる群から選択される少なくても1種を含む、
    請求項1または2に記載の音響レンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響レンズを含む、
    超音波プローブ。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の音響レンズを含む、
    超音波診断装置。
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