JP2019082255A - 歯車伝動装置の製造方法 - Google Patents

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Yoshiaki Makizoe
義昭 牧添
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Abstract

【課題】クランク軸の嵌合部と伝達歯車との嵌合孔におけるがたつきや騒音を低コストで抑制することが可能になる歯車伝動装置を提供する。【解決手段】歯車伝動装置1は、嵌合部10cを有するクランク軸10と、歯部14a,16aを有する歯車部材14,16と、歯車部材14,16の歯部14a,16aと噛み合う歯部3を有する第1筒部2と、クランク軸10の回転に伴う歯車部材14,16の揺動によって第1筒部2に対して相対的に回転可能な第2筒部4と、クランク軸10の嵌合部10cが嵌合する嵌合孔20bを有する伝達歯車20とを備えている。伝達歯車20の嵌合孔20bは、クランク軸10の軸方向に直交する断面の形状が多角形であり、クランク軸10の嵌合部10cは、クランク軸10の軸方向に直交する断面の形状が嵌合孔20bの断面形状に適合する多角形である。【選択図】図1

Description

本発明は、歯車伝動装置の製造方法に関するものである。
従来、クランク軸に設けられた偏心体の回転に連動させて外歯歯車を揺動回転させることにより、外筒とキャリアとを相対的に回転させる偏心揺動型の歯車伝動装置が知られている。このような歯車伝動装置では、クランク軸の嵌合部に伝達歯車(スパーギヤ)が取り付けられている。この伝達歯車は、入力軸の回転を受けてクランク軸を回転させる役割を担う。
一般に、クランク軸と伝達歯車との結合には、インボリュートスプラインを用いたスプライン結合が採用されている(例えば、特許文献1,2参照)。具体的に、このスプライン結合では、例えば図9に示すように、スプライン加工によりクランク軸の嵌合部111の外周面に形成された歯112と、伝達歯車120の嵌合孔121の内周面に形成された歯122とが嵌合する。
ところで、歯車伝動装置の使用時には、クランク軸及び伝達歯車に大きな外力が加わる。この外力に耐えうる強度をクランク軸及び伝達歯車に付与するために、クランク軸及び伝達歯車は、スプライン加工後に熱処理(焼き入れ)が施される。
特開2010−286098号公報 特開平10−252638号公報
しかしながら、熱処理時の変形に起因してクランク軸の嵌合部の外径寸法及び伝達歯車の嵌合孔の内径寸法にばらつきが生じる。このため、嵌合部と嵌合孔の隙間を、熱処理時の変形による嵌合部の外径及び嵌合穴の内径の寸法ばらつきを含め、大きめに設計しておく必要がある。その結果、熱処理時の変形による寸法ばらつきが大きい場合、互いに嵌合された嵌合部及び嵌合孔においてがたつきが発生し、このがたつきに起因する騒音が生じることがある。
このようながたつきや騒音を抑制するために、熱処理後に嵌合部及び嵌合孔に仕上げ加工を施して熱処理に起因する寸法ばらつきを小さくすることも可能である。しかし、インボリュートスプラインを用いたスプライン結合の場合、クランク軸の嵌合部を仕上げ加工するには、ハードホブによる仕上げが必要になり、また、伝達歯車の嵌合孔を仕上げ加工するには、ハードブローチによる仕上げが必要になる。いずれの仕上げ加工も高価な専用工具や高価な追加設備が必要になるので、コストアップにつながる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、クランク軸の嵌合部と伝達歯車との嵌合孔におけるがたつきや騒音を低コストで抑制することが可能になる歯車伝動装置の製造方法を提供することである。
本発明に係る歯車伝動装置の製造方法は、偏心部及び嵌合部を有するクランク軸と、前記偏心部が挿入される貫通孔を有するとともに歯部を有する歯車部材と、前記歯車部材の前記歯部と噛み合う歯部を有する第1筒部と、前記クランク軸を回転可能に支持し、前記クランク軸の回転に伴う前記歯車部材の揺動によって前記第1筒部に対して相対的に回転可能な第2筒部と、前記クランク軸の前記嵌合部が嵌合する嵌合孔を有し、前記クランク軸を軸回りに回転させるための伝達歯車と、を備えている。前記伝達歯車の前記嵌合孔は、前記クランク軸の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が多角形であり、前記クランク軸の前記嵌合部は、前記クランク軸の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が前記嵌合孔の断面形状に適合する多角形であり、前記伝達歯車の前記嵌合孔と前記クランク軸の前記嵌合部は、熱処理による歪みが抑えられる多角形に形成されており、かつ、仕上げ加工が施されている、歯車伝動装置の製造方法であって、前記クランク軸の前記嵌合部と前記円柱状部位とを、加工時の中心位置を同心にして、加工する、歯車伝動装置の製造方法。
この構成では、伝達歯車における嵌合孔の前記断面の形状を多角形とし、クランク軸における嵌合部の前記断面の形状を、嵌合孔の断面形状に適合する多角形としている。これにより、熱処理後の嵌合孔及び嵌合部の仕上げ加工を低コストで施すことができる。具体的に、クランク軸の嵌合部については、その断面形状が多角形であるので、熱処理後に例えばカム研削盤を用いて仕上げ加工することができる。したがって、高価な専用工具や高価な追加設備は不要である。また、伝達歯車の嵌合孔については、熱処理後にハードブローチによる仕上げ加工を施すことになるが、断面形状が多角形であるので、従来のインボリュートスプライン形状に比べて専用工具の製作が容易である。したがって、従来に比べて低コストで仕上げ加工を施すことができる。
以上のことから、本発明によれば、嵌合孔及び嵌合部の仕上げ加工において、高価な専用工具や高価な追加設備が不要となるので、クランク軸の嵌合部と伝達歯車の嵌合孔におけるがたつきや騒音を低コストで抑制することが可能になる。
前記歯車伝動装置の製造方法において、前記加工は熱処理後に行うのが好ましい。
前記歯車伝動装置の製造方法において、前記クランク軸の前記嵌合部と前記円柱状部位とを同じ工具で加工するのが好ましい。
以上説明したように、本発明の歯車伝動装置によれば、クランク軸の嵌合部と伝達歯車との嵌合孔におけるがたつきや騒音を低コストで抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る歯車伝動装置を示す断面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 前記歯車伝動装置を示す平面図である。 前記歯車伝動装置におけるクランク軸と伝達歯車との嵌合構造を示す斜視図である。 図1におけるV−V線断面図である。 前記歯車伝動装置の変形例1を示す平面図である。 変形例1の歯車伝動装置における要部の断面図である。 前記歯車伝動装置の変形例2を示す断面図である。 従来の歯車伝動装置におけるクランク軸と伝達歯車を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る歯車伝動装置1について図面を参照して詳細に説明する。歯車伝動装置1は、例えばロボットの旋回胴や腕関節等の旋回部、各種工作機械の旋回部等に減速機として適用されるものである。
<歯車伝動装置の全体構造>
本実施形態に係る歯車伝動装置1は、クランク軸10の第1偏心部10aに連動して第1外歯歯車14を揺動回転させるとともにクランク軸10の第2偏心部10bに連動して第2外歯歯車16を揺動回転させることにより入力回転から減速した出力回転を得るように構成されている。
図1に示すように、歯車伝動装置1は、第1筒部としての外筒2と、第2筒部としてのキャリア4と、入力軸8と、複数(例えば3つ)のクランク軸10と、歯車部材としての第1外歯歯車14及び第2外歯歯車16と、複数(例えば3つ)の伝達歯車20とを備えている。
図2に示すように、外筒2は、歯車伝動装置1の外面を構成するものであり、略円筒形状を有している。外筒2の内周面には、多数のピン溝2bが形成されている。各ピン溝2bは、外筒2の軸方向に延びているとともに、軸方向に直交する断面において半円形の断面形状を有している。これらのピン溝2bは、外筒2の内周面に周方向に等間隔で並んでいる。各ピン溝2bには、内歯ピン3が嵌め込まれている。すなわち、外筒2は、歯部としての多数の内歯ピン3を有している。
各内歯ピン3は、円柱形状を有しており、対応するピン溝2bにおいて外筒2の軸方向に延びる姿勢で配置されている。ピン溝2bにおいて、各内歯ピン3はその軸回りに回転可能である。これらの内歯ピン3には、第1外歯歯車14及び第2外歯歯車16が噛み合う。
図1に示すように、キャリア4は、外筒2と同軸上に配置された状態でその外筒2内に収容されている。キャリア4は、外筒2に対して同じ軸回りに相対回転する。具体的に、キャリア4は、軸方向に互いに離間して設けられた一対のキャリア軸受6によって外筒2に対して相対回転可能に支持されている。キャリア4は、基部4aと、端板部4bと、複数(例えば3つ)のシャフト部4cとを備えている。
基部4aは、外筒2内において軸方向の一端部近傍に配置されている。この基部4aの径方向中央部には円形の貫通孔4dが設けられている。貫通孔4dの周囲には、複数(例えば3つ)のクランク軸取付孔4e(以下、単に取付孔4eという)が周方向に等間隔で設けられている。
端板部4bは、基部4aに対して軸方向に離間して設けられており、外筒2内において軸方向の他端部近傍に配置されている。端板部4bの径方向中央部には貫通孔4fが設けられている。貫通孔4fの周囲には、複数(例えば3つ)のクランク軸取付孔4g(以下、単に取付孔4gという)が基部4aの複数の取付孔4eと対応する位置に設けられている。外筒2内には、端板部4bと基部4aの互いに対向する双方の内面と、外筒2の内周面とで囲まれた閉空間が形成されている。
3つのシャフト部4cは、基部4aに一体的に設けられており、基部4aから端板部4b側へ直線的に延びている。この3つのシャフト部4cは、周方向に等間隔で配設されている(図2参照)。各シャフト部4cは、端板部4bにボルト4hによって締結されている(図1参照)。これにより、基部4a、シャフト部4c及び端板部4bが一体化されている。
入力軸8は、図略の駆動モータによって回転が入力される入力部として機能するものである。入力軸8は、端板部4bの貫通孔4f及び前記基部4aの貫通孔4dに挿入されている。入力軸8は、その軸心が外筒2及びキャリア4の軸心と一致するように配置されており、その軸回りに回転する。入力軸8の先端部の外周面には入力ギア8aが設けられている。
3つのクランク軸10は、外筒2内において入力軸8の周囲に等間隔で配置されている(図2参照)。各クランク軸10は、対応する基部4aの取付孔4eと端板部4bの取付孔4gにそれぞれ取り付けられている(図1参照)。具体的に、各クランク軸10の軸方向の一端から所定長さだけ軸方向内側の部分は、基部4aの取付孔4e内に第1クランク軸受12aを介して取り付けられている。一方、各クランク軸10の軸方向の他端部は、端板部4bの取付孔4g内に第2クランク軸受12bを介して取り付けられている。各クランク軸10は、両クランク軸受12a,12bによりキャリア4に対して軸回りに回転可能に支持されている。なお、図1では、クランク軸10の断面を示すハッチング(斜線)は省略している。
各クランク軸10は、偏心部を有する。前記偏心部は、両クランク軸受12a,12bによって支持された部分の間に軸方向に並んで配置された第1偏心部10aと第2偏心部10bとを含む。第1偏心部10aと第2偏心部10bは、それぞれ円柱形状を有している。第1偏心部10aと第2偏心部10bは、それぞれクランク軸10の軸心から所定の偏心量で偏心しており、互いに所定角度の位相差を有するように配置されている。また、クランク軸10の一端部、すなわち、基部4aの取付孔4e内に取り付けられる部分の軸方向外側の部位には、伝達歯車20が取り付けられる嵌合部10cが設けられている。嵌合部10cの詳細については、後述する。
図1及び図2に示すように、第1外歯歯車14は、外筒2内の前記閉空間に配設されているとともに各クランク軸10の第1偏心部10aに第1ころ軸受18aを介して取り付けられている。第1外歯歯車14は、各クランク軸10が回転して第1偏心部10aが偏心回転すると、この偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
第1外歯歯車14は、外筒2の内径よりも少し小さい大きさを有している。第1外歯歯車14は、第1外歯14aと、中央部貫通孔14bと、複数(例えば3つ)の第1偏心部挿通孔14cと、複数(例えば3つ)のシャフト部挿通孔14dとを有している。
図2に示すように、第1外歯14aは、第1外歯歯車14の外周面に設けられている。第1外歯14aの歯面は、軸方向に直交する断面において、周方向全体にわたって滑らかに連続する波形状を有している。すなわち、第1外歯14aの歯面は、径方向外側に位置する山部と、径方向内側に位置する谷部とが周方向に沿って交互に並んでいる。第1外歯14aにおける山部の先端(峰)は、第1外歯歯車14の揺動回転時において、内歯ピン3への接触が抑制されるように、径方向外側への突出量が調整されるのが好ましい。第2外歯16aにおける山部の先端についても同様である。
第1外歯14aの歯数は、内歯ピン3の数よりも若干少なく設定されている。本実施形態では、第1外歯14aの歯数は、内歯ピン3の数よりも1つ少なく設定されている。
中央部貫通孔14bは、第1外歯歯車14の径方向中央部に設けられている。中央部貫通孔14bには、入力軸8が遊びを持った状態で挿通されている。
3つの第1偏心部挿通孔14cは、第1外歯歯車14において中央部貫通孔14bの周囲に周方向に等間隔で設けられている。各第1偏心部挿通孔14cには、第1ころ軸受18aが介装された状態で各クランク軸10の第1偏心部10aがそれぞれ挿通されている。
3つのシャフト部挿通孔14dは、第1外歯歯車14において中央部貫通孔14bの周りに周方向に等間隔で設けられている。各シャフト部挿通孔14dは、周方向において、3つの第1偏心部挿通孔14c間の位置にそれぞれ配設されている。各シャフト部挿通孔14dには、対応するシャフト部4cが遊びを持った状態で挿通されている。
第2外歯歯車16は、外筒2内の前記閉空間に配設されているとともに各クランク軸10の第2偏心部10bに第2ころ軸受18bを介して取り付けられている。第1外歯歯車14とこの第2外歯歯車16は、第1偏心部10aと第2偏心部10bの配置に対応して軸方向に並んで設けられている。第2外歯歯車16は、各クランク軸10が回転して第2偏心部10bが偏心回転すると、この偏心回転に連動して内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。
第2外歯歯車16は、外筒2の内径よりも少し小さい大きさを有している。第2外歯歯車16は、第2外歯16a、中央部貫通孔16b、複数(例えば3つ)の第2偏心部挿通孔16c及び複数(例えば3つ)のシャフト部挿通孔16dを有している。これらは、第1外歯歯車14の第1外歯14a、中央部貫通孔14b、複数の第1偏心部挿通孔14c及び複数のシャフト部挿通孔14dと同様の構造を有している。各第2偏心部挿通孔16cには、第2ころ軸受18bが介装された状態でクランク軸10の第2偏心部10bが挿通されている。
各伝達歯車20は、入力ギア8aの回転を対応するクランク軸10に伝達するものである。各伝達歯車20は、対応するクランク軸10の一端部に設けられた嵌合部10cにそれぞれ外嵌されている。具体的に、各伝達歯車20は、クランク軸10の嵌合部10cが嵌合する嵌合孔20bを有している。嵌合孔20bは、伝達歯車20のほぼ中心(径方向のほぼ真ん中)に設けられた貫通孔である。各伝達歯車20は、クランク軸10の回転軸と同じ軸回りにこのクランク軸10と一体的に回転する。各伝達歯車20は、入力ギア8aと噛み合う外歯20aを有している。
<クランク軸と伝達歯車の嵌合構造>
以下、クランク軸10と伝達歯車20の嵌合構造について説明する。図3は、歯車伝動装置1を示す平面図であり、図4は、歯車伝動装置1におけるクランク軸10と伝達歯車20との嵌合構造を示す斜視図である。図5は、図1におけるV−V線断面図である。図5は、クランク軸10及び伝達歯車20を、クランク軸10の軸方向に直交する平面で切断したときの断面を示している。
図3〜図5に示すように、伝達歯車20の嵌合孔20bは、クランク軸10の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が多角形である。また、クランク軸10の嵌合部10cは、クランク軸10の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が嵌合孔20bの断面形状に適合する多角形である。
嵌合孔20bの断面形状は、正多角形であるのが好ましい。そして、嵌合部10cの断面の形状は、嵌合孔20bの断面形状に適合する正多角形であるのが好ましい。また、嵌合孔20b及び嵌合部10cにおける正多角形の辺の数は、4以上の偶数であるのがより好ましい。本実施形態では、嵌合孔20bの断面形状及び嵌合部10cの断面形状は、正六角形である。
図4に示すように、クランク軸10の嵌合部10cは、クランク軸10における第1クランク軸受12aによって支持された略円柱形状の円柱状部位10fから軸方向に延びる六角柱形状を有している。すなわち、嵌合部10cは、クランク軸10の軸方向に平行な6つの平面を有している。
伝達歯車20には、嵌合孔20bよりも軸方向外側に位置する凹部20cを有している。凹部20cは、伝達歯車20の外面20dから軸方向に凹んだ部位である。嵌合孔20bの内周面は、凹部20cの内周面よりも径方向内側に位置している。嵌合部10cは、嵌合孔20bよりも軸方向外側に突出している。すなわち、嵌合部10cの端面10dは、嵌合孔20bよりも軸方向外側に位置している。
図1及び図4に示すように、クランク軸10には、第1止め輪31と、第2止め輪32とが設けられている。第1止め輪31及び第2止め輪32は、クランク軸10に固定されている。第1止め輪31及び第2止め輪32は、環形状をそれぞれ有している。第1止め輪31は、伝達歯車20よりも軸方向内側に配置されている。第2止め輪32は、伝達歯車20よりも軸方向外側に位置し、凹部20c内に配置されている。これらの止め輪31,32は、伝達歯車20を軸方向の両側から挟み込むことにより、伝達歯車20をクランク軸10に対して位置決めしている。なお、図4では、第1止め輪31及び第2止め輪32の図示を省略しており、これらが設けられる位置を二点鎖線31,32でそれぞれ示している。
図5に示すように、嵌合部10cの断面における複数の角部(多角形の角部)10eのそれぞれは、円弧形状を有している。また、嵌合孔20bの断面における複数の角部20eのそれぞれは、円弧形状を有している。すなわち、嵌合部10cの互いに隣接する平面間の各角部10eは、外側に凸の湾曲面となるように面取りされている。また、嵌合孔20bの各角部20eは、対応する嵌合部10cの角部10eを構成する湾曲面に対向する凹曲面となるように面取りされている。嵌合部10cにおける角部10eの曲率半径及び嵌合孔20bにおける角部20eの曲率半径は、特に限定されないが、3〜5mm程度であるのが好ましい。また、嵌合部10cにおける角部10eの曲率半径は、嵌合孔20bにおける角部20eの曲率半径よりも大きくなるように設計されているのがより好ましい。
<動作>
次に、歯車伝動装置1の動作について説明する。まず、例えば図略のモータの駆動によって歯車伝動装置1の入力軸8に回転が入力される。これにより、入力軸8とともに入力ギア8aが回転する。この入力ギア8aの回転は、各伝達歯車20を介して各クランク軸10に伝達される。
そして、各クランク軸10が回転するのに伴って各クランク軸10の第1偏心部10a及び第2偏心部10bが偏心回転する。これにより、第1偏心部10aの偏心回転に連動して第1外歯歯車14が内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転するとともに、第2偏心部10bの偏心回転に連動して第2外歯歯車16が内歯ピン3に噛み合いながら揺動回転する。第1外歯歯車14及び第2外歯歯車16の揺動回転は、各クランク軸10を通じてキャリア4に伝達され、キャリア4全体が前記入力回転から減速された回転数で外筒2に対して相対回転する。
<変形例1>
図6は、歯車伝動装置1の変形例1を示す平面図である。図7は、図6に示す歯車伝動装置1における要部の断面図である。この変形例1では、伝達歯車20がクランク軸10に対して位置決めされる構造が上述の実施形態と異なっている。具体的には次の通りである。
この変形例1では、クランク軸10の嵌合部10cは、図5に示す上述の実施形態と同様の断面形状を有している。すなわち、嵌合部10cは、六角柱形状を有している。そして、図7に示すように、クランク軸10において、第1クランク軸受12aによって支持された円柱状部位10fは、略円柱形状であり、嵌合部10c及び嵌合孔20bよりも大きな外径を有している。したがって、円柱状部位10fと嵌合部10cとの境界部分には、段差10gが形成されている。伝達歯車20は、段差10gに接することによって軸方向の一方側(内側)への動きが規制されている。
また、伝達歯車20は、ボルト33及びワッシャ34によって軸方向の他方側(外側)への動きが規制されている。ワッシャ34は、嵌合孔20bよりも大きな外径を有しており、ワッシャ34の内面は、伝達歯車20の外面20dに接している。ボルト33は、嵌合部10c及び円柱状部位10fに設けられたネジ穴に螺合されている。これにより、伝達歯車20は、クランク軸10に対して位置決めされている。
したがって、この変形例1では、図1及び図4に示す歯車伝動装置1においてクランク軸10に設けられていた第1止め輪31が不要である。なお、図7では、クランク軸10の断面を示すハッチング(斜線)は省略している。
<変形例2>
図8は、歯車伝動装置1の変形例2を示す断面図である。図8に示すように、伝達歯車20の嵌合孔20bは、クランク軸10の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が正四角形である。また、クランク軸10の嵌合部10cは、クランク軸10の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が嵌合孔20bの断面形状に適合する正四角形である。
また、嵌合部10cの断面における複数の角部10eのそれぞれは、円弧形状を有しており、嵌合孔20bの断面における複数の角部20eのそれぞれは、円弧形状を有している。嵌合部10cにおける角部10eの曲率半径は、嵌合孔20bにおける角部20eの曲率半径よりも大きくなるように設計されている。
以上説明したように、本実施形態では、伝達歯車20における嵌合孔20bの前記断面形状を多角形とし、クランク軸10における嵌合部10cの前記断面形状を、嵌合孔20bの断面形状に適合する多角形としている。これにより、熱処理後の嵌合孔20b及び嵌合部10cの仕上げ加工を低コストで施しつつ、クランク軸10の嵌合部10cと伝達歯車20の嵌合孔20bにおけるがたつきや騒音を抑制することが可能になる。なお、歯車伝動装置1において生じる騒音は、入力軸8の入力ギア8aと伝達歯車20の外歯20aとの噛み合い部の歯当たり音が支配的であり、クランク軸10と伝達歯車20との嵌合部分において生じるがたつきが大きく影響する。したがって、本実施形態に係る歯車伝動装置1は、騒音低減対策として有効である。
また、嵌合孔及び嵌合部が図9に示すインボリュートスプライン形状である場合に比べて、嵌合孔20b及び嵌合部10cが多角形状である本実施形態では、熱処理前後の歪み自体を小さく抑えることができる。したがって、本実施形態では、熱処理後の仕上げ処理を施さなくてもある程度の精度を確保でき、がたつきを小さくすることができる。なお、本実施形態においては、熱処理後に仕上げ加工をすれば、より高い寸法精度を得ることができる。
また、前述したように、クランク軸10の嵌合部10cについては、その断面形状が多角形であるので、熱処理後に例えばカム研削盤を用いて仕上げ加工することができる。しかも、嵌合部10cは、円柱状部位10f(ジャーナル部)と同じ工具で加工することができる。具体的に、嵌合部10cは、加工時の中心位置を円柱状部位10fと同心にすることができる。したがって、嵌合部10cと円柱状部位10fの同心度を良好にすることができる。これにより、クランク軸の軸ぶれを抑制できる。また、嵌合部10cと円柱状部位10fの加工を1つの工程で行うことができ、追加の設備が不要になる。
また、本実施形態では、嵌合孔20b及び嵌合部10cの断面形状が正多角形であるので、特にクランク軸10の嵌合部10cの加工が容易になる。具体的に、クランク軸10の嵌合部10cが正多角形である場合には、例えば旋削による多角取りが可能な加工装置などを用いて嵌合部10cを正多角形に容易に加工することができる。これにより、加工コストをより低減することができる。
また、本実施形態では、嵌合孔20b及び嵌合部10cの断面形状における正多角形の辺の数が4以上の偶数であるので、各辺は、互いに平行な対向する辺を有している。したがって、嵌合孔20b及び嵌合部10cの寸法を計測する場合には、対向する一対の辺の間隔を計測すればよいので、寸法計測が容易になる。
また、本実施形態では、嵌合孔20bにおける複数の角部20e及び嵌合部10cにおける複数の角部10eが円弧状に面取りされたような形状を有しているので、各角部に応力が集中するのを抑制できる。これにより、各角部の耐久性が向上する。
また、本実施形態では、嵌合部10cにおける角部10eの曲率半径は、嵌合孔20bにおける角部20eの曲率半径よりも大きいので、クランク軸10の嵌合部10cを伝達歯車20の嵌合孔20bに挿入しやすくなる。これにより、作業性が向上する。
また、歯車伝動装置1において、嵌合孔20bと嵌合部10cの嵌合を締まりばめ、もしくは40μm以下の隙間ばめとする場合には、がたつきによる伝達歯車20の振れをさらに抑制し、騒音を一層低減させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、嵌合孔20b及び嵌合部10cの断面形状が正多角形である場合を例示したが、正多角形ではない多角形であってもよい。
また、前記実施形態では、嵌合孔20b及び嵌合部10cにおける正多角形の辺の数が4以上の偶数である場合を例示したが、辺の数は奇数であってもよい。
また、前記実施形態では、嵌合部10cにおける角部10eの曲率半径が嵌合孔20bにおける角部20eの曲率半径よりも大きい場合を例示したが、これらの曲率半径は、例えば同じであってもよい。
また、前記実施形態では、入力軸8が径方向のセンターに設けられている場合を例示したが、これに限定されない。入力軸8は、センターから径方向にずれた位置に設けられていてもよい。
また、前記実施形態では、複数(例えば3つ)のクランク軸が設けられている場合を例示したが、例えば1つのクランク軸が径方向のセンターに設けられた形態であってもよい。この場合、貫通孔4d、貫通孔4f、貫通孔14b、貫通孔16bに筒体が嵌め込まれた構成を採用することもできる。この筒体内には例えばケーブルなどが配置される。
また、キャリア4と外筒2は、どちらが固定されていてもよい。すなわち、キャリア4を固定して外筒2がキャリア4に対して相対的に回転する形態であってもよく、外筒2を固定してキャリア4が外筒2に対して相対的に回転する形態であってもよい。
また、前記実施形態では、クランク軸10の嵌合部10cがクランク軸10の一端部に設けられている場合を例示したが、これに限定されない。嵌合部10cは、例えばクランク軸10の他端部に設けられていてもよく、また、一端部と他端部との間の中間部に設けられていてもよい。
1 歯車伝動装置
2 外筒
3 内歯ピン
4 キャリア
10 クランク軸
10a 第1偏心部
10b 第2偏心部
10c 嵌合部
14 第1外歯歯車
16 第2外歯歯車
20 伝達歯車
20b 嵌合孔

Claims (3)

  1. 偏心部、円柱状部位及び嵌合部を有するクランク軸と、
    前記偏心部が挿入される貫通孔を有するとともに歯部を有する歯車部材と、
    前記歯車部材の前記歯部と噛み合う歯部を有する第1筒部と、
    前記クランク軸を回転可能に支持し、前記クランク軸の回転に伴う前記歯車部材の揺動によって前記第1筒部に対して相対的に回転可能な第2筒部と、
    前記クランク軸の前記嵌合部が嵌合する嵌合孔を有し、前記クランク軸を軸回りに回転させるための伝達歯車と、を備え、
    前記伝達歯車の前記嵌合孔は、前記クランク軸の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が多角形であり、前記クランク軸の前記嵌合部は、前記クランク軸の軸方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が前記嵌合孔の断面形状に適合する多角形であり、
    前記伝達歯車の前記嵌合孔と前記クランク軸の前記嵌合部は、熱処理による歪みが抑えられる多角形に形成されており、かつ、仕上げ加工が施されている、歯車伝動装置の製造方法であって、
    前記クランク軸の前記嵌合部と前記円柱状部位とを、加工時の中心位置を同心にして、加工する、歯車伝動装置の製造方法。
  2. 前記加工は熱処理後に行う、請求項1に記載の歯車伝動装置の製造方法。
  3. 前記クランク軸の前記嵌合部と前記円柱状部位とを同じ工具で加工する、請求項2に記載の歯車伝動装置の製造方法。
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