JP2019081436A - 車両のバッテリパック構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、内部機器の交換や修理やメンテナンスに伴う作業の容易化が図れる車両のバッテリパック構造を提供する。【解決手段】本発明は、車両のフロアを形成するフロアパネル1と、フロアパネルの下面に設けられ車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ5と、フロアパネルの下面に設けられ一対のサイドメンバ間に掛け渡される前後一対のクロスメンバ17と、周縁部がサイドメンバとクロスメンバの下面に設けられ、フロアパネルとの間に閉空間19を形成するトレイ15と、トレイの上面に搭載され閉空間に位置するバッテリモジュール13と、閉空間を形成するフロアパネルの下面に設けられた温調装置51を具備するものとした。【選択図】図2
Description
本発明は、フロアパネル下にバッテリパックを設ける車両のバッテリパック構造に関する。
ハイブリッド車、EV車といったモータが搭載される車両では、車体下部にモータの駆動源となるバッテリパックを搭載することが行われている。
一般的にはバッテリパックとしては、特許文献1にも開示されているようにトレイとカバーとを接合して、複数のバッテリモジュールをパック化した構造が用いられる。そして、このパック化したバッテリパックをフロアパネル下に搭載している。
一般的にはバッテリパックとしては、特許文献1にも開示されているようにトレイとカバーとを接合して、複数のバッテリモジュールをパック化した構造が用いられる。そして、このパック化したバッテリパックをフロアパネル下に搭載している。
ところで、バッテリパックでは、内部に収められるバッテリモジュールを温調することが求められる。
そのため、通常、バッテリパックは、バッテリモジュールを含む内部機器を温調する手段が組み付けられる。多くは冷却装置が用いられ、車室内からバッテリパックの内部へ冷風を導入する手段を設けたり、特許文献1のようにバッテリパックの内部に蒸発器(冷凍サイクルを構成する機器)を設けたりしている。
そのため、通常、バッテリパックは、バッテリモジュールを含む内部機器を温調する手段が組み付けられる。多くは冷却装置が用いられ、車室内からバッテリパックの内部へ冷風を導入する手段を設けたり、特許文献1のようにバッテリパックの内部に蒸発器(冷凍サイクルを構成する機器)を設けたりしている。
ところで、一般的にバッテリパックは、フロアパネル下で着脱可能に固定される。つまり、内部機器の交換や修理やメンテナンスなどを行うため、バッテリパック全体がフロアパネル下から取り外せるようにしている。
しかしながら、バッテリパックをフロアパネル下で着脱可能に固定する構造は、内部機器の交換や修理やメンテナンスの際、バッテリパック全体を車体から切り離す作業や、通電系を切り離す作業や、冷却装置を車体から切り離す作業といった多くの作業が必要となる。このため、かなりの負担が作業者に強いられてしまう。
しかしながら、バッテリパックをフロアパネル下で着脱可能に固定する構造は、内部機器の交換や修理やメンテナンスの際、バッテリパック全体を車体から切り離す作業や、通電系を切り離す作業や、冷却装置を車体から切り離す作業といった多くの作業が必要となる。このため、かなりの負担が作業者に強いられてしまう。
そこで、本発明の目的は、内部機器の交換や修理やメンテナンスに伴う作業の容易化が図れる車両のバッテリパック構造を提供する。
本発明の態様は、車両のフロアを形成するフロアパネルと、フロアパネルの下面に設けられ車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、フロアパネルの下面に設けられ一対のサイドメンバ間に掛け渡される前後一対のクロスメンバと、周縁部がサイドメンバとクロスメンバの下面に設けられ、フロアパネルとの間に閉空間を形成するトレイと、トレイの上面に搭載され閉空間に位置するバッテリモジュールと、閉空間を形成するフロアパネルの下面に設けられた温調装置とを具備するものとした。
本発明によれば、フロアパネル下に設けられたサイドメンバと、サイドメンバ間に掛け渡されてトンネル部の車両前後方向の連通を閉鎖する閉鎖部分を備えたクロスメンバと、周縁部がサイドメンバとクロスメンバの下面に設けられたトレイとを有することで、フロアパネル下およびトンネル部内にバッテリモジュールを納める閉空間が形成し、この
閉空間を形成するフロアパネルの下面に温調装置を設ける構造なので、内部機器の交換や修理やメンテナンスに伴う作業は、トレイをフロアパネルから取り外す作業、通電系を切り離す作業だけでよく、温調装置を切り離す作業は不要となる。
閉空間を形成するフロアパネルの下面に温調装置を設ける構造なので、内部機器の交換や修理やメンテナンスに伴う作業は、トレイをフロアパネルから取り外す作業、通電系を切り離す作業だけでよく、温調装置を切り離す作業は不要となる。
したがって、内部機器の交換や修理やメンテナンスに伴う作業の容易化を図ることができ、作業者の負担を抑えることができる。
以下、本発明を図1から図5に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、バッテリパック構造が適用された車両を車室内側から見た図を示し、図2(a)〜(c)は、同バッテリパック構造の各部を示し、図3は、フロアパネルの下面の各部を示し、図4,5は同バッテリパック構造の各部を車両前後方向沿い(図2(a)のA−A線)、車両幅方向沿い(図2(a)のB−B線)に断面した図をそれぞれ示している。
図1は、バッテリパック構造が適用された車両を車室内側から見た図を示し、図2(a)〜(c)は、同バッテリパック構造の各部を示し、図3は、フロアパネルの下面の各部を示し、図4,5は同バッテリパック構造の各部を車両前後方向沿い(図2(a)のA−A線)、車両幅方向沿い(図2(a)のB−B線)に断面した図をそれぞれ示している。
本実施形態で適用される車両(自動車)は、ハイブリッド車、EV車など、モータ(図示しない)が搭載される車両を対象としている。
同車両の主な車体構造を説明すると、図1中1は、車両の車室内のフロアを形成するフロアパネルである。フロアパネル1は、車両前側から後側へ延びていて、上面に前席、後席(いずれも図示しない)が設置される。またフロアパネル1の車幅方向中央側(左右方向中央)には、上方が凸となるトンネル部3が車両前後方向に沿って延びるように設けられ、フロアパネル1の中央にバックボーンを形成している。またフロアパネル1の車幅方向両端側の下面には、車両前後方向に延びる一対のサイドメンバ5が設けられる。フロアパネル1の車幅方向両端には、車両前後方向に延びる一対のサイドシル7(図5に二点鎖線で図示)が設けられる。これらバッグボーン、サイドメンバ5、サイドシル7などは車体の骨格をなす。
同車両の主な車体構造を説明すると、図1中1は、車両の車室内のフロアを形成するフロアパネルである。フロアパネル1は、車両前側から後側へ延びていて、上面に前席、後席(いずれも図示しない)が設置される。またフロアパネル1の車幅方向中央側(左右方向中央)には、上方が凸となるトンネル部3が車両前後方向に沿って延びるように設けられ、フロアパネル1の中央にバックボーンを形成している。またフロアパネル1の車幅方向両端側の下面には、車両前後方向に延びる一対のサイドメンバ5が設けられる。フロアパネル1の車幅方向両端には、車両前後方向に延びる一対のサイドシル7(図5に二点鎖線で図示)が設けられる。これらバッグボーン、サイドメンバ5、サイドシル7などは車体の骨格をなす。
上記フロアパネル1の下面には、図2、図4および図5に示されるようなバッテリパック11が設けられる。バッテリパック11には、フロアパネル1をバッテリカバーとして流用し、これに複数のバッテリモジュール13を搭載したトレイ15を組み合わせた構造が用いられている。
このバッテリパック11のバッテリカバー側(フロアパネル1側)の構造を説明すると、図2〜図5に示されるようにフロアパネル1の車室前後となる前後位置(トンネル部3に沿う方向)の下面には、一対のクロスメンバ17が設けられている。クロスメンバ17は、サイドメンバ5間に掛け渡されるように設けられる。このクロスメンバ17は、バッテリパック11の搭載位置と対応した前後の位置に配置されるものである。
このバッテリパック11のバッテリカバー側(フロアパネル1側)の構造を説明すると、図2〜図5に示されるようにフロアパネル1の車室前後となる前後位置(トンネル部3に沿う方向)の下面には、一対のクロスメンバ17が設けられている。クロスメンバ17は、サイドメンバ5間に掛け渡されるように設けられる。このクロスメンバ17は、バッテリパック11の搭載位置と対応した前後の位置に配置されるものである。
さらに説明を加えるとクロスメンバ17は、いずれも例えばハット形断面で、車幅方向に延びるリンフォース部材が用いられる。クロスメンバ17は、いずれも図1〜図5に示されるように例えば一対のサイドメンバ5間に渡る全長および同サイドメンバ5の高さ寸法をもつ本体部17aと,同本体部17aの上部中央からトンネル部3内の凸形状に合わせて突き出た凸部17b(本願の閉鎖部分に相当)とを有している。本体部17aの両端部は、左右のサイドメンバ5の側面に取着され、本体部17aの上面はフロアパネル1の下面に取着される。また凸部17bの上面はトンネル部3の内面に取着され、トンネル部3の車両前後方向の連通を閉鎖している。
これにより、フロアパネル1下におけるサイドメンバ5間の空間およびトンネル部3内の空間は、各クロスメンバ17にて閉鎖される。そして、サイドメンバ5、クロスメンバ17によって囲まれるフロアパネル1下の領域に、下側が開口した枠形の空間部19(図2)を形成している。
上記トレイ15は、図2(a),(b),図4および図5に示されるように空間部19の開口19aを覆う大きさをもつパネルから構成される。さらに述べればトレイ15は、例えば全周の縁部に、サイドメンバ5の下面やクロスメンバ17の下面と組み合う取付座21を有する鋼板部材から形成される。取付座21で囲まれるトレイ部分には、車両前後方向に沿って、車両前後方向に延びるバッテリ据付用の凹部23、同じく補強用の隆起部24(図2(b)に図示)が交互に形成される。ちなみに凹部23の底面には、バッテリ受け座23aが設けられる。このバッテリ受け座23a上に、それぞれバッテリモジュール13(複数のバッテリセルを組み合わせてモジュール化したもの)が組み付けられる。つまり、トレイ15の上面には、複数のバッテリモジュール13が搭載される。
上記トレイ15は、図2(a),(b),図4および図5に示されるように空間部19の開口19aを覆う大きさをもつパネルから構成される。さらに述べればトレイ15は、例えば全周の縁部に、サイドメンバ5の下面やクロスメンバ17の下面と組み合う取付座21を有する鋼板部材から形成される。取付座21で囲まれるトレイ部分には、車両前後方向に沿って、車両前後方向に延びるバッテリ据付用の凹部23、同じく補強用の隆起部24(図2(b)に図示)が交互に形成される。ちなみに凹部23の底面には、バッテリ受け座23aが設けられる。このバッテリ受け座23a上に、それぞれバッテリモジュール13(複数のバッテリセルを組み合わせてモジュール化したもの)が組み付けられる。つまり、トレイ15の上面には、複数のバッテリモジュール13が搭載される。
このトレイ15の取付座21が、図2(a)、図4および図5のようにサイドメンバ5の下面やクロスメンバ17の下面と重なり合うように配置される。取付座21は、締結具、例えばボルト部材29により、サイドメンバ5、クロスメンバ17と締結され、開口19aを塞ぎ、フロアパネル1下の空間部19全体(トンネル部3内を含む)を密閉化する。これにより、フロアパネル1とトレイ15との間には、空間部19の開口19aの閉鎖がもたらす閉空間が形成される。そして、このトレイ15の組み付けの際、トレイ15上のバッテリモジュール13が、開口19aを通じ、閉空間(閉じられた空間部19)内に収納される。つまり、バッテリモジュール13は、フロアパネル1とトレイ15とが着脱可能に組み合うバッテリパック構造にて、フロアパネル1下に密閉状態に搭載される。ちなみに、取付座21と、サイドメンバ5およびクロスメンバ17との間はシール部材28によってシールされる。
またトレイ15には、車幅方向に対する補強を行う補強部31が設けられている。補強部31は、例えば図1(c)および図4に示されるようにトレイ15の上面となる隆起部24の上壁の上面に、車幅方向に延びる細長の補強部材33(例えば断面角形の部材)を取着し、トレイ15の下面となる上壁の下面に、車幅方向に延びる細長の補強部材35(例えばハット形断面の部材)を取着して、両補強部材31,33で挟み付ける構造が用いられる。上側の補強部材33端は、サイドメンバ5の近く(近傍)まで延び、下側の補強部材35端は、バッテリトレイ15の幅方向両端(取付座21を含む)まで延びていて、バッテリトレイ15を装着すると、車両側方からの衝突、すなわち側突に耐える強度が得られる構造となっている。
また閉空間(閉じられた空間部19)内のバッテリモジュール13は、図2(a),図4に示されるようにトンネル部3内を挿通する配線類、例えば中継配線45を通じて、車両に搭載のモータやインバータ(いずれも図示しない)に接続される。同接続には、例えばトレイ15の上面の前後方向端(例えば端側の隆起部24の上面)にコネクタユニット37を設置し、クロスメンバ17にコネクタユニット37につながる中継配線45を設けて、トレイ15上のバッテリモジュール13と、車体側のモータやインバータとを導通させる配線構造が用いられる。
具体的には配線構造は、コネクタユニット37の上部に、導通接続をなす接続部41を設置する。またクロスメンバ17のうちトンネル部3内を閉鎖する凸部17bの一部に、配線を挿通させる筒形の挿通具43(本願の挿通部に相当)を設ける。この挿通具43を通して、中継配線45を空間部19の内外に挿通させる。この空間部19の内外に配置される中継配線45の各挿通端に、導通ジョイント部47a,47bを設けて構成される。
つまり、空間部19内に配置された導通ジョイント部47aと、コネクタユニット37の上面の接続部41とが接続され、空間部19外に配置された導通ジョイント部47bと、モータやインバータにつながる車両側配線設けた導通ジョイント部(いずれも図示しない)とが接続されることにより、中継配線45を通じて、バッテリモジュール13とモータやインバータなど機器との間が導通される。もちろん、挿通具43の内面と中継配線45の外面との間はシールされる。
また、閉空間を形成するフロアパネル1の下面には、図2、図4および図5に示されるようにバッテリモジュール13を温調する温調装置、例えばバッテリモジュール13を含む内部機器を冷却する冷却装置が設けられている。冷却装置には、例えば冷凍サイクルの蒸発器51が用いられる。ちなみに蒸発器51は、熱交換パイプ51aから構成される。
この蒸発器51の熱交換パイプ51aが、図2、図4および図5のようにトンネル部3内の空間を含む上記閉空間(閉じられた空間部19)を形成するフロアパネル1の下面に沿って設けられている。
この蒸発器51の熱交換パイプ51aが、図2、図4および図5のようにトンネル部3内の空間を含む上記閉空間(閉じられた空間部19)を形成するフロアパネル1の下面に沿って設けられている。
この蒸発器51の入・出口部とつながる各冷媒配管53a,53b(図2,4に一部図示)は、トンネル部3a内を閉鎖する凸部17bの一部に設けた貫通具55を挿通している。
すなわち貫通具55は、空間部19内外を連通する筒形の部品から構成される。この貫通具55を通じ、蒸発器51とつながる冷媒配管53a,53b(本願の中継部材に相当)が、閉空間内から閉空間外へ導出されている。そして、この貫通具55を挿通した冷媒配管53a,53bが、例えば車両に搭載された内部機器冷却用の冷凍サイクル装置57に接続される。ちなみに冷凍サイクル装置57は、例えばコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁など各種冷凍サイクル機器を組み合わせて構成され、冷凍サイクル運転(冷却運転)が行われると、蒸発器51により、閉空間内に納めたバッテリモジュール13を含む内部機器は冷却される。つまり、バッテリモジュール13を含む内部機器の温度上昇が抑えられる。
すなわち貫通具55は、空間部19内外を連通する筒形の部品から構成される。この貫通具55を通じ、蒸発器51とつながる冷媒配管53a,53b(本願の中継部材に相当)が、閉空間内から閉空間外へ導出されている。そして、この貫通具55を挿通した冷媒配管53a,53bが、例えば車両に搭載された内部機器冷却用の冷凍サイクル装置57に接続される。ちなみに冷凍サイクル装置57は、例えばコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁など各種冷凍サイクル機器を組み合わせて構成され、冷凍サイクル運転(冷却運転)が行われると、蒸発器51により、閉空間内に納めたバッテリモジュール13を含む内部機器は冷却される。つまり、バッテリモジュール13を含む内部機器の温度上昇が抑えられる。
つぎに、このように構成されたバッテリパック構造の作用について説明する。
車両にバッテリモジュール13を組み付けるときは、図2(a)に示されるように、まずコネクタユニット37の接続部41と、空間部19内へ突き出ている中継配線45端の導通ジョイント部47aとを接続する。ついで、トレイ15の取付座21をそれぞれクロスメンバ17の下面、サイドメンバ5の下面と重ね合わせる。この際、シール部材28を挟み込む。これにより、図4および図5に示されるように空間部19の開口19aは、トレイ15にて塞がれると共にクロスメンバ17の凸部17bは、トンネル部3内に嵌り、トンネル部3内の車両前後方向の連通を閉鎖する。これにより、空間部19は密閉化され、フロアパネル1下およびトンネル部3内には、バッテリモジュール13などトレイ15上の機器を納める閉空間が形成される。
車両にバッテリモジュール13を組み付けるときは、図2(a)に示されるように、まずコネクタユニット37の接続部41と、空間部19内へ突き出ている中継配線45端の導通ジョイント部47aとを接続する。ついで、トレイ15の取付座21をそれぞれクロスメンバ17の下面、サイドメンバ5の下面と重ね合わせる。この際、シール部材28を挟み込む。これにより、図4および図5に示されるように空間部19の開口19aは、トレイ15にて塞がれると共にクロスメンバ17の凸部17bは、トンネル部3内に嵌り、トンネル部3内の車両前後方向の連通を閉鎖する。これにより、空間部19は密閉化され、フロアパネル1下およびトンネル部3内には、バッテリモジュール13などトレイ15上の機器を納める閉空間が形成される。
このとき、トレイ15の上面に搭載されたバッテリモジュール13は、開口19aを通じ、同閉空間内に位置する。つまり、バッテリモジュール13は、フロアパネル1下およびトンネル部3内に形成される閉空間内に納まる。
この後、トレイ15の取付座21の各部から、ボルト部材29をクロスメンバ17の下面やサイドメンバ5の下面へねじ込むことにより、トレイ15は、車体の骨格をなすクロスメンバ17、サイドメンバ5に締結される。これにより、バッテリモジュール13は、フロアパネル1下およびトンネル部3内に形成された閉空間内に納まりながら、パック化される。つまり、バッテリモジュール13は、フロアパネル1がバッテリカバーを兼ねるパック構造で、フロアパネル1下に密閉状態で搭載される。
この後、トレイ15の取付座21の各部から、ボルト部材29をクロスメンバ17の下面やサイドメンバ5の下面へねじ込むことにより、トレイ15は、車体の骨格をなすクロスメンバ17、サイドメンバ5に締結される。これにより、バッテリモジュール13は、フロアパネル1下およびトンネル部3内に形成された閉空間内に納まりながら、パック化される。つまり、バッテリモジュール13は、フロアパネル1がバッテリカバーを兼ねるパック構造で、フロアパネル1下に密閉状態で搭載される。
こうしたパック構造により、例えば内部機器の交換や修理やメンテナンスなどを行うときは、まず作業者は、安全スイッチ(図示しない)を操作してから、トレイ15をフロアパネル1から取り外す作業を行う。その後、導通ジョイント部47aをコネクタユニット37の接続部41から取り外し、トレイ15上の通電系を車両側から切り離す。これにより、トレイ15は、バッテリモジュール13を載せたまま車両側から切り離される。そして、バッテリモジュール13やその周辺の機器(図示しない)を点検したり修理したり、交換作業したりすればよい。このとき、蒸発器51は、フロアパネル1側に組み付けられた機器であるから、切り離す必要はない。
このように本実施形態によれば、クロスメンバ17を用いて、フロアパネル1下およびトンネル部3内にバッテリモジュール13を納める閉空間を形成し、閉空間を形成するフロアパネル1の下面に蒸発器51(温調装置)を設けたので、内部機器の交換や内部機器の修理やメンテナンスに伴う作業は、トレイ15をフロアパネル1から取り外す作業、通電系を切り離す作業だけですみ、蒸発器51(温調装置)を取り外さずにすむ。
したがって、バッテリ交換や内部機器の修理やメンテナンスの作業の容易化を図ることができ、作業者の負担を抑えることができる。それ故、効率よく各種作業を進めることができる。
特に蒸発器51(温調装置)は、フロアパネル1下の閉空間を形成するフロアパネル1の下面に設けたので、限られたスペースの中で効果的にバッテリモジュール13を含む内部機器を冷却することができる。しかも、蒸発器51は、トンネル部3内の空間を含む閉空間を形成するフロアパネル1の下面に沿って設けられるので、バッテリモジュール13を含む内部機器を効果的に冷却できる。そのうえ、蒸発器51とつながる冷媒配管53a,53bは、クロスメンバ17の凸部17bから内外へ挿通させているので、内部機器に負担を与えずに蒸発器51の据付面積の増加が図れ、一層、効果的にバッテリモジュール13を含む内部機器の冷却ができる。
特に蒸発器51(温調装置)は、フロアパネル1下の閉空間を形成するフロアパネル1の下面に設けたので、限られたスペースの中で効果的にバッテリモジュール13を含む内部機器を冷却することができる。しかも、蒸発器51は、トンネル部3内の空間を含む閉空間を形成するフロアパネル1の下面に沿って設けられるので、バッテリモジュール13を含む内部機器を効果的に冷却できる。そのうえ、蒸発器51とつながる冷媒配管53a,53bは、クロスメンバ17の凸部17bから内外へ挿通させているので、内部機器に負担を与えずに蒸発器51の据付面積の増加が図れ、一層、効果的にバッテリモジュール13を含む内部機器の冷却ができる。
またフロアパネル1は、補強部31によって車幅方向から補強されるので、高い剛性強度が確保できる。特にトレイ1の補強は、補強部材33,35にてトレイ15を上面、下面から挟み付けるという補強構造により、高い剛性強度が確保できるだけでなく、衝突荷重に耐え得る強度が確保できる。
具体的には、図5中の二点鎖線で示されるような車両側方(サイドシル7)から荷重Fが加わる衝突、すなわち側突のときは、図5中に示されるサイドシル7の変形ですむような状態にでき、容易に衝突荷重に耐え得る強度を得ることができる。特に上側の補強部材33端がサイドメンバ5の近傍に配置され、上側の補強部材35端がサイドメンバ5の直下に配置される構造にすると、サイドシル7から加わる荷重Fをサイドメンバ5を介して、補強部材33,35にて効果的に受け止めることができ、有効に側突に対処できる。ちなみに補強部材33,35は、上下のうちの一方だけでも構わない。
具体的には、図5中の二点鎖線で示されるような車両側方(サイドシル7)から荷重Fが加わる衝突、すなわち側突のときは、図5中に示されるサイドシル7の変形ですむような状態にでき、容易に衝突荷重に耐え得る強度を得ることができる。特に上側の補強部材33端がサイドメンバ5の近傍に配置され、上側の補強部材35端がサイドメンバ5の直下に配置される構造にすると、サイドシル7から加わる荷重Fをサイドメンバ5を介して、補強部材33,35にて効果的に受け止めることができ、有効に側突に対処できる。ちなみに補強部材33,35は、上下のうちの一方だけでも構わない。
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、温調装置として冷却装置、例えば冷凍サイクルの蒸発器をフロアパネルの下面(トンネル部を含む)に設ける装置を挙げたが、これに限らず、フロアパネルの下面に設けられる温調装置は、冷却装置ではなく、バッテリモジュールを含む内部機器の加温を行う加温装置、例えば電気ヒータでもよい。また温調装置は、冷却機能と加温機能の両方を備えている温調機器を用いても構わない。
1 フロアパネル
3 トンネル部
5 サイドメンバ
13 バッテリモジュール
15 トレイ
17 クロスメンバ
17b 凸部(閉鎖部分)
19 空間部(閉空間)
31 補強部
33,35 補強部材
51 蒸発器(温調装置)
53a,53b 冷媒配管(中継部材)
3 トンネル部
5 サイドメンバ
13 バッテリモジュール
15 トレイ
17 クロスメンバ
17b 凸部(閉鎖部分)
19 空間部(閉空間)
31 補強部
33,35 補強部材
51 蒸発器(温調装置)
53a,53b 冷媒配管(中継部材)
Claims (5)
- 車両のフロアを形成するフロアパネルと、
前記フロアパネルの下面に設けられ、車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、
前記フロアパネルの下面に設けられ、前記一対のサイドメンバ間に掛け渡される前後一対のクロスメンバと、
周縁部が前記サイドメンバと前記クロスメンバの下面に設けられ、前記フロアパネルとの間に閉空間を形成するトレイと、
前記トレイの上面に搭載され、前記閉空間に位置するバッテリモジュールと、
前記閉空間を形成する前記フロアパネルの下面に設けられた温調装置と
を具備したことを特徴とする車両のバッテリパック構造。 - 前記フロアパネルは、車幅方向中央側に上方が凸となり車両前後方向に延びるトンネル部を有し、
前記クロスメンバは、前記トンネル部に向かって突出し、前記トンネル部の前記車両前後方向の連通を閉鎖する閉鎖部分を備え、
前記温調装置は、前記トンネル部内の空間を含む前記閉空間を形成するフロアパネルの下面に沿って設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のバッテリパック構造。 - 前記閉鎖部分は、前記温調装置とつながる中継部材が挿通する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のバッテリパック構造。 - 前記トレイは、当該トレイを車幅方向から補強する補強部を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両のバッテリパック構造。 - 前記補強部は、前記トレイの上面と下面とに、車幅方向に延びる補強部材を、前記トレイを挟み付けるように設けて構成される
ことを特徴とする請求項4に記載の車両のバッテリパック構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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- 2017-10-30 JP JP2017209373A patent/JP2019081436A/ja active Pending
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