JP2019081388A - 衝撃吸収フィルム - Google Patents

衝撃吸収フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2019081388A
JP2019081388A JP2019041372A JP2019041372A JP2019081388A JP 2019081388 A JP2019081388 A JP 2019081388A JP 2019041372 A JP2019041372 A JP 2019041372A JP 2019041372 A JP2019041372 A JP 2019041372A JP 2019081388 A JP2019081388 A JP 2019081388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impact
layer
hardness
film
shock absorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019041372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6845271B2 (ja
Inventor
智則 有馬
Tomonori Arima
智則 有馬
悠里 小林
Yuri Kobayashi
悠里 小林
悠 雨宮
Yu Amemiya
悠 雨宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Matai Co Ltd
Original Assignee
Nihon Matai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Matai Co Ltd filed Critical Nihon Matai Co Ltd
Priority to JP2019041372A priority Critical patent/JP6845271B2/ja
Publication of JP2019081388A publication Critical patent/JP2019081388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6845271B2 publication Critical patent/JP6845271B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】未発泡でありながら、発泡体と同等以上の衝撃吸収性が得られるフィルムを提供する。【解決手段】衝撃吸収フィルム10は、ショアA硬度が40以下であり、JIS K7244−4による損失正接が−20〜80℃の温度環境下において0.1以上である未発泡樹脂からなる衝撃吸収層11と、これに積層されたポリオレフィンまたはポリエステルの表面層12とを有する。これにより、未発泡でありながら、発泡体と同等以上の衝撃吸収性を得ることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、衝撃を吸収する未発泡樹脂フィルム層と、これに積層された一層以上のポリオレフィンまたはポリエステルのフィルム層とを有する衝撃吸収フィルムに関する。
いわゆるスマートフォン等の電子機器においては、液晶画面の縁部を固定するために両面テープが用いられている。この両面テープにおいては、液晶画面で受けた衝撃により剥がれたりしないよう衝撃を吸収可能なものが用いられている(たとえば特許文献1参照)。
このような衝撃吸収性を有するテープに用いられるシートとしては、ポリウレタンフォーム等の発泡体が使用されることが多い。
特開2009−242541号公報
ここで、近年の電子機器の小型化に伴い、縁部の幅は狭くなる傾向にある。しかしながら、発泡体は気泡があることから、シート強度が低くなる、気密性が不足する等の問題が生じていた。
一方、未発泡樹脂を使用した場合、発泡体と同等の衝撃吸収性を得ることが困難であった。
本発明の目的は、未発泡でありながら、発泡体と同等以上の衝撃吸収性が得られるフィルムを提供することにある。
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。つまり、硬度および損失正接が特定範囲にある樹脂からなる未発泡樹脂層を有することで、未発泡でありながら、発泡体と同等以上の衝撃吸収性が得られるという知見である。
本発明は、この本発明者の知見に基づき、上述の課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 衝撃を吸収する未発泡樹脂フィルム層と、これに積層された一層以上のポリオレフィンまたはポリエステルのフィルム層とを有し、前記未発泡樹脂フィルム層は、ショアA硬度が40以下であり、JIS K7244−4による損失正接が−20〜80℃の温度環境下において0.1以上である樹脂からなり、かつ下記による衝撃吸収性の測定値が52以下であることを特徴とする衝撃吸収フィルムである。
衝撃吸収性の測定:X(縦)、Y(横)、Z(高さ)の三方向の振幅を計測する装置にて、記録計の検知部に試料を置き、その置いた試料上に30cmの高さから7gの鉄球を落下させた際の振動数を計測し、計測した三方向の振動数の内、Z軸のデータを、衝撃吸収性の測定値とする。
<2> 前記未発泡樹脂フィルム層の両面に、それぞれ一層の前記ポリオレフィンまたはポリエステルの同じ材料からなるフィルム層を積層した<1>に記載の衝撃吸収フィルムである。
<3> 前記未発泡樹脂フィルム層の厚さが全体の厚さの3/4以上である<1>または<2>に記載の衝撃吸収フィルムである。
なお、「損失正接が−20〜80℃の温度環境下において0.1以上である」とは、−20〜80℃の範囲で0.1以上の損失正接を維持することを意味する。
本発明の衝撃吸収フィルムは、衝撃を吸収する未発泡樹脂フィルム層と、これに積層されたポリオレフィンまたはポリエステルのフィルム層とを有し、未発泡樹脂フィルム層に、ショアA硬度40以下、損失正接が所定範囲の温度環境下で0.1以上の樹脂を使用したことにより、未発泡でありながら、発泡体と同等以上の衝撃吸収性を得ることが可能となる。
図1は、本発明の衝撃吸収フィルムの層構成の一形態を示す断面図である。 図2は、未発泡樹脂フィルム層の材料を変えた場合の−80〜80℃における損失正接データを示すグラフである。 図3は、未発泡樹脂フィルム層の材料を変えた場合の0〜80℃における損失正接データを示すグラフである。
本発明の衝撃吸収性フィルムは、衝撃を吸収する未発泡樹脂フィルム層(以下「衝撃吸収層」という。)と、これに積層されたポリオレフィンまたはポリエステルのフィルム層(以下「表面層」という。)とを有する。
図1は、本発明の衝撃吸収フィルムの層構成の一形態例を示した図であり、この図に示す衝撃吸収フィルム10は、中央の衝撃吸収層11と、その両面に、それぞれ積層された表面層12,13とから構成されている。
衝撃吸収層11の未発泡樹脂としては、ショアA硬度が40以下で、かつ損失正接が−20〜80℃の範囲の温度環境下で0.1以上のものを用いる。ここで、ショアA硬度とは、一般ゴムの硬さを測定する規格であり、デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)を用い、JIS K6253にしたがって測定することができる。また、損失正接は、応力およびひずみの位相(正弦波)の波形ピーク値と時間軸上における位相差(ひずみの遅れ)との関係に基づく物体の粘性要素と弾性要素の指標であり、JIS K7244−4にしたがって測定することができる。
ショアA硬度が40を超えると、反発が大きく、発泡体と同程度の衝撃吸収性が得られ難い。また、ショアA硬度は、低いほど衝撃吸収性を顕著に発揮させることでは好ましいが、値が低すぎると表面層の積層が困難になることがあるので、フィルム作製のためには、所望の衝撃吸収性さえ得られれば、40以下の条件を満たしていればよい。
損失正接を上述の温度範囲で測定したのは、本発明の衝撃吸収フィルムを通常の生活環境で使用した場合に想定され得る温度のためであり、損失正接が上述の温度範囲で0.1未満になることがあると、力が加わった際に柔軟に変形し難く、発泡体と同程度の衝撃吸収性が得られ難い。
衝撃吸収層11に用いられる具体的な未発泡樹脂としては、上述の硬度と損失正接を満たせば特に制限はないが、たとえばスチレンエラストマーが、ショアA硬度が低いことから、好適に挙げられる。
また、スチレンエラストマーとしては、上述の硬度と損失正接を満たしていれば特に制限は無く、たとえば、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレンブタジエン(SB)、スチレンブロック共重合体(SBC)など、通常知られるいずれかの樹脂を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。ただし、これらの中では、ショアA硬度が低く、かつ高い衝撃吸収性を示すことから、SEPSが特に好ましい。
衝撃吸収層11の厚さの衝撃吸収フィルム10全体に占める割合は、本発明の所望の衝撃吸収性が得られれば特に制限はないが、全体の厚さの3/4以上であることが好ましい。衝撃吸収層11が、このフィルムにおいて衝撃吸収性を示す本質的な部分であるので、これが薄いと所望の衝撃吸収性が得られないことがある。ただし、たとえば、衝撃吸収層11と各表面層12,13の厚さを同じにした場合に、高い衝撃吸収性が得られることがあるので、所望の衝撃吸収性さえ得られれば必ずしも厚くしなくてもよい。
表面層12,13としては、衝撃吸収層11による衝撃吸収効果を維持向上させる観点から、衝撃吸収層11に用いられる未発泡樹脂よりも硬い材料として知られている、ポリオレフィンまたはポリエステルが好適に用いられる。
ポリオレフィンとしては、特に制限はなく、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の他、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂も挙げられる。さらに、これらのポリエチレン以外のポリオレフィン樹脂についても使用可能である。なお、これらは、1種単独であっても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ただし、衝撃吸収層11の機能をより強く発揮させられることと、汎用性を考慮すると、ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンのいずれであってもよいが、汎用性の面からLDPEが好ましい。
また、ポリエステルとしては、汎用性の面から、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適に挙げられるが、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等、特に種類は問わず、これらを単独または2種以上、組み合わせて使用してもよい。
なお、表面層は、一層以上あればよいが、電子機器の縁部の両面テープに用いるようにするためには、図1に示すように、衝撃吸収層の両面に、それぞれ一層以上、積層されることが好ましい。
この際に、表面層を三層以上積層する場合には、たとえば、表面層/衝撃吸収層/表面層/衝撃吸収層/表面層のように、表面層と衝撃吸収層を交互に積層しても、表面層/表面層/衝撃吸収層/表面層/表面層のように、衝撃吸収層を挟んで表面層を複数層ずつ積層してもよい。ただし、衝撃吸収性を効率的に発揮させるには、前者のように交互に積層することが好ましい。このように、表面層を三層以上積層することで、表面層が二層以下の場合に比して、衝撃吸収層の厚さの衝撃吸収フィルム全体の厚さに占める割合が低くても高い衝撃吸収性が得られ易くなることがある。
また、表面層は、衝撃吸収層の両面に積層する場合、双方で材料や厚さが異なっていてもよいが、製造しやすいことや性能ムラが無いことを考慮すると、同じであることが好ましい。
なお、衝撃吸収層や表面層には、上述した樹脂以外にも、たとえば、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤など、通常、上述した樹脂に添加され得る材料を、物性に影響を与えない範囲で添加してもよい。また、衝撃吸収層や表面層の各材料は、市販品を用いてもよいし、常法にしたがって調製してもよい。
本発明の衝撃吸収フィルムは、粘着剤を塗布することで、たとえば、タブレット、スマートフォン等の携帯用の小型電子機器の縁部を固定する両面テープとして、好適に使用することができる。
その場合に塗布する粘着剤としては、特に制限はないが、たとえば、特開2009−242541号公報の[0059]〜[0072]に記載されるアクリル系粘着剤を好適に使用することができる。
本発明の衝撃吸収フィルムは、衝撃吸収層に表面層を積層させることができれば、通常知られている方法を適宜選択すればよく、たとえば、衝撃吸収層に対して表面層を押出ラミネートすることする方法などが挙げられる。
また、衝撃吸収性を利用して、たとえば、傷口保護膜、経皮吸収薬膜等の医療用途、音響振動材料、吸音材料、制振材料等の音響用途などにも使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されない。
検証1.硬度と衝撃吸収性の関係について
まず、本発明者らは、相応しい衝撃吸収層の未発泡樹脂を検索するために、その硬度に着目して衝撃吸収性との関係について検証を行った。
つまり、衝撃吸収層として、物性の異なる各未発泡樹脂を用い、ショアA硬度と衝撃吸収性を以下のように測定し、LDPEからなる発泡体(PEフォーム)を衝撃吸収層として用いた場合と比較した。結果を表1に示す。なお、各樹脂の比重や物性データは、JIS等で定められている常法にしたがって測定した(特に記載が無い限り後述の検証でも同じく)。また、PEフォームについては、厚さ0.1mm、発泡倍率1.1〜1.2の発泡シートの市販品を用いた。
ショアA硬度の測定:デュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)を用い、JIS K6253にしたがって測定した。
衝撃吸収性の測定:コスミック エム イー社製の三方向衝撃・振動記録計「SOROCABA−1」を用いて、振動数を計測した。詳細には、当該記録計はX(縦)、Y(横)、Z(高さ)の三方向の振幅を計測する装置であり、記録計の検知部に試料を置き、その置いた試料上に30cmの高さから7gの鉄球を落下させた際の振動数を計測した。そして、計測した三方向の振動数の内、落下に対する衝撃吸収性に最も影響し得るZ軸のデータを、衝撃吸収性のデータとして採用した。この数値が低い程、振動数が少なく衝撃吸収性が高いことを意味する。なお、この値がマイナスを示す例は、試料の上方よりも下方への振れが多かったことを表している。また、「感知無し」とは振れが無かったことを意味する。
なお、厚さは、次のように測定することで確認した。つまり、株式会社尾崎製作所製の膜厚測定器「ダイヤルゲージ0.001mm」を用い、JIS Z1072に準じて測定した。
表1の結果より、衝撃吸収層として、ショアA硬度40以下の未発泡樹脂を用いると、発泡体を用いた場合より優れた衝撃吸収性が得られ易く、衝撃吸収フィルムにおいて発泡体に代わり得る未発泡樹脂として使用可能であることがわかった。また、ショアA硬度が低くなる程、衝撃吸収性が優れることもわかった。
一方、衝撃吸収層の材料としては、スチレンエラストマーとりわけSEPSが、ショアA硬度が低く、かつ高い衝撃吸収性を示し易く、好ましいことがわかった。
ただし、ショアA硬度40以下のSEPSであっても、衝撃吸収性が十分でない例も存在し、優れた衝撃吸収性を得るためには、さらなる指標についての検討が必要であることもわかった。
検証2.損失正接と衝撃吸収性の関係について
検証1に基づき、本発明者らは、ショアA硬度が40以下である場合に、確実に所望の衝撃吸収性を示すようにする指標として、損失正接に着目して衝撃吸収性との関係について検証した。
つまり、衝撃吸収層として、物性の異なる各未発泡樹脂を用い、検証1と同様にショアA硬度と衝撃吸収性を測定するとともに、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製の動的粘弾性測定装置「Q800」を用いて25℃環境下でJIS K7244−4にしたがって損失正接を測定した。結果を表2に示す。
表2の結果より、衝撃吸収層として、ショアA硬度が40以下で、かつ25℃環境下の損失正接が0.1以上の樹脂の場合に、初めて優れた衝撃吸収性が得られることがわかった。
つづいて、表2中の5種のスチレン樹脂、SEPS(それぞれショアA硬度が36、12、5のもの)、SBR、SEBSにつき、−80〜80℃における上述の損失正接の変動を測定した。全体結果を図2に、0〜60℃における詳細結果を図3に示す。
図2および図3に示すように、表2中の3種のSEPSは、いずれも−20〜80℃という生活環境で想定し得る温度で損失正接が0.1以上を維持しており、生活環境下における温度変化があっても、優れた衝撃吸収性が得られることがわかった。
検証3.表面層について
製品においては、衝撃吸収層を保護するために表面層が必要になるが、表面層として、どのような材料が適用可能かを検証するため、上述の検証1および2において優れた衝撃吸収性を示したSEPSについて、図1に示すように、両面に表面層12,13を押出ラミネートにより積層し、三層構造の衝撃吸収フィルム10を作製した。
この際の表面層12,13に用いる樹脂を変えて、検証1または2で述べた方法と同様にして、厚さ、ショアA硬度、25℃環境下の損失正接、衝撃吸収性を測定した。結果を表3に示す。
なお、表3中、PET、LDPE、HDPEについては、以下の試料を使用した。
PET:厚さ0.038mmの二軸延伸フィルム、
LDPE:JIS K7215に基づくショアD硬度が49、JIS K7112に基づく密度が0.924g/cmの試料、
HDPE:JIS K7215に基づくショアD硬度が66、JIS K7112に基づく密度が0.963g/cmの試料である。
表3の結果から、衝撃吸収層において、ショアA硬度40以下であって、25℃における損失正接が所定温度で0.1以上を維持する未発泡樹脂を用いていれば、表面層として、ポリエステルおよびポリオレフィンのいずれを使用しても、良好な衝撃吸収性が得られることがわかった。ただし、両者の比較では、ポリオレフィンを使用した場合の方が、若干、良好な衝撃吸収性を得ることができ、好ましいこともわかった。
検証4.衝撃吸収層と表面層の厚さの関係等について
衝撃吸収層のフィルム全体における厚さを変えることで、衝撃吸収性に変化があるか、さらには表面層のみで、どの程度の衝撃吸収性を示すのか検証するため、上述の検証3で使用した、SEPSによる衝撃吸収層とLDPEによる表面層の組み合わせ(LDPE/SEPS/LDPE)において、衝撃吸収層および表面層の厚さを変えて衝撃吸収性を測定した。
また、層数を増やした場合に衝撃吸収性に影響が生じるかについても、LDPE/SEPS/LDPEからなる三層構成に、さらに衝撃吸収層と表面層(SEPS/LDPE)を一層ずつ積層して、五層構成としたものを例として検証した。それぞれの結果を表4に示す。
表4の結果より、衝撃吸収層の厚さが全体の厚さ(総厚)の3/4以上あると、優れた衝撃吸収性を有し、この厚さが全体に占める割合が高くなる程、衝撃吸収性が向上することがわかった。なお、上述の検証3でも、衝撃吸収層の厚さが総厚の3/4以上あり、所望の衝撃吸収性が得られていることからも、このことは裏付けられる。
また、層数を増やした例では、衝撃吸収層の厚さは総厚の3/4未満であっても、三層構成で衝撃吸収層の厚さを総厚の3/4以上とした場合と同程度の優れた衝撃吸収性が得られることがわかった。
一方、衝撃吸収層が無い例では、所望の衝撃吸収性が得られなかった。これらのことから、本発明の衝撃吸収フィルムにおいては、衝撃吸収層が、このフィルムの本来の機能である衝撃吸収性を発揮していることがわかるとともに、この部分の割合が高くなる程、当該機能を発揮し得る部分の占める割合が増すので、衝撃吸収性が向上すると判断された。
さらに、衝撃吸収層と両面の表面層との三層の厚さが同じ場合にも、優れた衝撃吸収性を示していた。そのため、各層の厚さが均衡していると、衝撃吸収層の機能が表面層に効率良く伝わり、衝撃吸収性が向上するような相乗効果を奏していることも推測された。このことは、上述の層数を増やした例において、衝撃吸収層の厚さの総厚に占める割合が若干、低い場合であっても、三層で衝撃吸収層の厚さを総厚の3/4以上とした場合と同程度の衝撃吸収性が得られていることからも裏付けられていると考えられる。
以上、本発明の実施の形態および実施例を詳細に説明したが、本発明の衝撃吸収フィルムは、上記実施の形態に限定されず、その範囲内で想定されるあらゆる技術的思想を含んでもよい。
本発明は、電子機器の縁部を固定する両面テープや、傷口保護膜、経皮吸収薬膜等の医療用途、音響振動材料、吸音材料、制振材料等の音響用途などに用いることができる。
10 衝撃吸収フィルム
11 衝撃吸収層
12,13 表面層

Claims (3)

  1. 衝撃を吸収する未発泡樹脂フィルム層と、これに積層された一層以上のポリオレフィンまたはポリエステルのフィルム層とを有し、
    前記未発泡樹脂フィルム層は、ショアA硬度が40以下であり、JIS K7244−4による損失正接が−20〜80℃の温度環境下において0.1以上である樹脂からなり、
    かつ下記による衝撃吸収性の測定値が52以下であることを特徴とする衝撃吸収フィルム。
    衝撃吸収性の測定:X(縦)、Y(横)、Z(高さ)の三方向の振幅を計測する装置にて、記録計の検知部に試料を置き、その置いた試料上に30cmの高さから7gの鉄球を落下させた際の振動数を計測し、計測した三方向の振動数の内、Z軸のデータを、衝撃吸収性の測定値とする。
  2. 前記未発泡樹脂フィルム層の両面に、それぞれ一層の前記ポリオレフィンまたはポリエステルの同じ材料からなるフィルム層を積層した請求項1に記載の衝撃吸収フィルム。
  3. 前記未発泡樹脂フィルム層の厚さが全体の厚さの3/4以上である請求項1または2に記載の衝撃吸収フィルム。
JP2019041372A 2019-03-07 2019-03-07 衝撃吸収フィルム Active JP6845271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041372A JP6845271B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 衝撃吸収フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019041372A JP6845271B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 衝撃吸収フィルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015089766A Division JP6555921B2 (ja) 2015-04-24 2015-04-24 衝撃吸収フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019081388A true JP2019081388A (ja) 2019-05-30
JP6845271B2 JP6845271B2 (ja) 2021-03-17

Family

ID=66669984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019041372A Active JP6845271B2 (ja) 2019-03-07 2019-03-07 衝撃吸収フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6845271B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000212352A (ja) * 1998-11-19 2000-08-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム
JP2005023315A (ja) * 2003-06-13 2005-01-27 Jsr Corp 透明シート及びその製造方法
JP2012082389A (ja) * 2010-09-13 2012-04-26 Mitsui Chemicals Inc 衝撃吸収材および衝撃吸収部材
JP2014111368A (ja) * 2012-11-08 2014-06-19 Mitsubishi Plastics Inc ストレッチ包装用フィルム
JP2016022639A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 三井化学株式会社 積層体およびその用途

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000212352A (ja) * 1998-11-19 2000-08-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム
JP2005023315A (ja) * 2003-06-13 2005-01-27 Jsr Corp 透明シート及びその製造方法
JP2012082389A (ja) * 2010-09-13 2012-04-26 Mitsui Chemicals Inc 衝撃吸収材および衝撃吸収部材
JP2014111368A (ja) * 2012-11-08 2014-06-19 Mitsubishi Plastics Inc ストレッチ包装用フィルム
JP2016022639A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 三井化学株式会社 積層体およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP6845271B2 (ja) 2021-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI678933B (zh) 具高內阻尼之多層積層體及其用途
JP4832245B2 (ja) 吸音体
JP6193980B2 (ja) 粘着テープ及び電子機器
CN106281076B (zh) 粘合片及磁盘装置
JP5881391B2 (ja) 防水用両面粘着テープ
WO2014156642A1 (ja) 粘着テープ及び電子機器
CN101480857A (zh) 一种表面保护膜及制造方法和该保护膜的袋及制造方法
JP5441833B2 (ja) ドアホールカバーおよび車両のドア構造
US10397705B2 (en) Multi-layer composite for acoustic membranes
JP6845271B2 (ja) 衝撃吸収フィルム
JP6555921B2 (ja) 衝撃吸収フィルム
JP5632595B2 (ja) 吸音体および吸音構造
JP2013145778A (ja) 積層体及び電磁波シールドカバー
JP5859695B2 (ja) 制振材
JP2016030394A (ja) 衝撃吸収フィルム
JP6955947B2 (ja) 積層体
JP7274151B2 (ja) 圧電センサ構造体
WO2020213685A1 (ja) 吸音材
JP3633407B2 (ja) 非拘束型制振材
KR20170126951A (ko) 개선된 바닥 매트
JP2016033218A5 (ja) 粘着テープ
JP2020145187A (ja) 電気絶縁材料、及び電気絶縁物品
JP2021054961A (ja) 発泡体シート及び粘着テープ
TW201012707A (en) Composite package
JP2011039357A (ja) 吸音体および吸音構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20201016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6845271

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250