JP2019081329A - 樹脂成形品、プリンター、加工方法、および成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外観が良好である樹脂成形品を提供することを目的とする。【解決手段】 梨地模様を有する樹脂成形品であって、前記梨地模様は、段差を有し、前記段差は、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されている。【選択図】 図5
Description
本発明は、マシニングセンタを用いた複数の凹凸形状から成る梨地形状の金型を用いた樹脂成形品、プリンター、加工方法、成形品の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の意匠性を高めるために、樹脂成形品からなる外装部材の表面に梨地模様(しぼ)を付加することが行なわれている。梨地模様により、電子機器等の外装部材に高級感を与えることができる。一般的に、梨地模様を樹脂成形品に付与する方法として、化学エッチングにより金型に複数の凹凸形状から成る梨地形状を付加し、樹脂成形品に梨地模様を転写する方法が知られている。
化学エッチングにおいては、まず、予め梨地模様と同じ形状をしたエッチングシートを作成する。次いで、エッチングシートを金型に手作業で張り付けて硬化させた後、エッチングシートを張り付けた金型をエッチング用の液体に浸すことで、金型の表面を化学的に溶解させ、複数の凹凸形状から成る梨地形状を生成する。このように複数工程を経て金型を製造しているため、加工工数が長いという問題がある。さらに、エッジングシートの張り付けを手作業で行っているため、同じ箇所に張り付ける事が困難であり、また、化学的に金型を溶解しているため、同じ金型を2つ以上作成することができない。さらに、金型を溶解する為、凹凸梨地形状の勾配角度等、その形状を調整することが困難である。
特許文献1には、梨地形状ではないが、魚眼ステップと呼ばれるレンズを製造するため、マシニングセンタを使用してNCデータを基にエンドミルなどの切削工具を用いて複数凹凸形状の金型を加工することが記載されている。
しかしながら、梨地模様の付与が求められている例えば電子機器等の外装部材は大面積のものが多い。特許文献1に記載されているような切削工具を用いて複数凹凸形状の金型を加工する方法は、複数の凹凸部を切削している途中で切削工具を交換しなければならなくなる。凹凸工具が新しくなると加工面が変化するため、工具交換の前後で段差が発生してしまう。その段差を有する金型で外装部材等の樹脂成形品を成形すると、成形された樹脂成形品に段差が転写され、樹脂成形品の外観品位を損なわせてしまう場合があった。
そこで本発明は、加工面に段差がなく表面精度が良好である金型を提供すること、また、外観が良好である樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明の樹脂成形品は、梨地模様を有する樹脂成形品であって、前記梨地模様は、段差を有し、前記段差は、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の加工方法は、加工装置を用いて、第一の工具および第二の工具を用いて梨地形状を加工する加工方法であって、前記梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域に境界線を設定する工程と、前記第一の工具を用いて前記境界線まで加工する工程と、前記第二の工具を用いて前記境界線から加工する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の成形品の製造方法は、加工装置を用いて、第一の工具および第二の工具を用いて梨地形状を有する金型を用いて成形品を成形する成形品の製造方法であって、前記梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域に境界線を設定する工程と、前記第一の工具を用いて前記境界線まで前記金型を加工する工程と、前記第二の工具を用いて前記境界線から前記金型を加工する工程と、前記金型に加工した梨地形状を樹脂に転写させて成形品を製造することを特徴とする。
本発明により、加工面に段差がなく表面精度が良好である金型を提供することが可能となり、また、外観が良好である樹脂成形品を提供することが可能となる。
以下本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明の成形品の製造方法は、例えば家電製品や電子機器製品、自動車などの車両の外装品や内装品に用いられる金型を用いて樹脂成形品を製造する方法に好適に用いられる。
図1は、成形品の主な例として原稿読取装置を備えたプリンターの斜視図を示す。図1において、1は複合型プリンターであり、原稿カバー12や本体などを形成する筐体10は、例えば黒色の樹脂で成形されている。また、外観面11はユーザーの目に触れるため、高品位な外観が求められる。
図2は、例えば図1で示した複合型プリンター1の原稿カバー12や筐体10であって、凹凸形状の梨地模様が形成されている樹脂成形品を製造する為に必要な金型の略図を示す。21は第一の駒、22は第二の駒を示し、第一の駒21と第二の駒22を合わせることで形成されるキャビティに溶融させた樹脂を注入し、固化させることで成形品が製造される。第一の駒21には、凹凸形状の梨地模様を有する外観面の形状を樹脂に転写させるための梨地形状が形成されている。第二の駒22には、外観面の裏側の非外観面の形状を樹脂に転写させるための形状が形成されている。23は金型の開閉をガイドする為のダイポスト、24は金型を閉じる際に加えられる圧力を受けるダイセットである。
本明細書において梨地模様とは、たとえば家電製品や電子機器製品、自動車などの車両の外装品や内装品の表面に形成されている細かい凹凸形状を有する模様のことである。また、梨地形状とは、梨地模様を成形品に転写するために金型に形成する凹凸形状である。また、梨地形状を有する面を梨地面、あるいは梨地模様を有する面を梨地面と称する場合がある。
図3は図2に示した、第一の駒21の略図を示す。32は第一の駒21に加工された梨地形状を有する面(梨地面)を示す。331は梨地形状を第一の切削工具で加工した領域を示している。332は梨地形状を第二の切削工具で加工した領域を示している。333は梨地形状を第三の切削工具で加工した領域を示している。334は梨地形状を第四の切削工具で加工した領域を示している。そして、それぞれの領域の間には、工具の刃先抵抗、刃先形状等の違いによる段差(341〜343)が形成される。
次に、第一の駒21の製造方法について説明する。
第一の駒21に形成する梨地形状は、図6に示すようなマシニングセンタ61によって加工される。
まず、マシニングセンタ61に入力するNCデータの生成方法について説明する。図7は加工に必要な工具経路を含んだNCデータの生成方法を説明する図である。図中の71はNCデータの生成装置本体であり、72はNCデータの生成装置を使用して生成した工具の経路計算に必要な入力データである。入力データとして、使用工具本数、使用工具形状、加工条件、同じ工具で切削する領域、加工方法、加工モデル等を入力する。73は入力データ72を基に計算された出力のNCデータであり、切削加工で使用するX軸の移動量、Y軸の移動量、Z軸の移動量、主軸の回転数、X軸の送り速度、Y軸の送り速度、Z軸の移動速度、などの指令が記載されている。
次に、同じ工具で切削する領域の設定方法を説明する。図8はNCデータ生成装置の入力データとして使用する加工モデルを説明するフロー図である。加工モデルは、梨地形状の凹凸の高さのデータを有しており、梨地形状の凹部の一番低い部分を0%、凸部の一番高い部分を100%とし、梨地形状のそれぞれの場所における凹凸の高さを%で示すことができる。図8において、81は、梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域つまり凸部の領域を抽出した平面図の略図である。83(白色)が、梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域、つまり凸部の領域を示す。82(灰色)は、梨地形状の、凹凸の高さが50%未満の領域、つまり凹部の領域を示す。84は抽出した高さの50%以上の領域82を通る線をつないで閉じた領域(クローズ形状)を作成したものである。85はクローズ形状を作成するための50%以上の領域82を通る線(境界線)である。86は境界線85を任意でつなげて加工エリア内を分割する領域を作成した略図であり、87は1つ目の工具で切削する領域、88は2つめの工具で切削する領域を示す。
次に一例として、2つに分割した領域を2本の工具で加工する方法について説明する。
ステップ1として加工エリア内の梨地面(梨地形状)を、凹凸の高さが50%以上の領域81(つまり凸部の領域)と50%未満の領域82(つまり凹部の領域)に分ける。次にステップ2として梨地形状の、凹凸の高さが50%以上の領域81のみを通り、かつ梨地形状の、凹凸の高さが50%未満の領域82を通らない線をつないで、閉じた領域(クローズ形状)を作成する。この際に、全体の梨地形状の、高さが50%以上の領域81に書く線の位置は、梨地形状の、高さが50%以上の領域81内であればどこでもよく、書く位置は制限しない。次にステップ3として、前記ステップ2で書いた線を任意につなげて領域を分割する。これらのステップにより加工エリア内の梨地形状(梨地面)の凹凸の、高さの50%以上の領域81のみを通過する線を作成することができる。
次にNCデータの算出方法を説明する。
前記ステップ1〜ステップ3により作成した領域87、88をNCデータの生成装置71に入力情報として入力し、領域87を1本目の工具A、領域88を2本目の工具Bで加工するように設定する。そして、各工具A、工具Bの工具経路を含んだNCデータを算出する。
次にNCデータを使用した金型の加工方法について説明する。
梨地形状を有する梨地面の金型の第一の駒21を製造するには、まず、第一の駒21となる被加工物64をマシニングセンタ61などの加工装置のテーブルに設置する。
図6は図3における第一の駒21を加工する際に使用するマシニングセンタの構成を示す図である。61はマシニングセンタであり、直線軸X、直線軸Y、直線軸Zの3軸で構成されている。62は工具を取り付け回転させることで切削加工を行う主軸、63は切削工具である。64は被加工物(第一の駒21)、65は被加工物64を切削工具63に対してY方向に移動させるためのテーブルである。66は被加工物64を切削工具63に対してX方向に移動させるための主軸サドル、67は被加工物64を切削工具63に対してZ方向に移動させるための主軸ガイドである。68は切削加工で使用するX軸の移動量、Y軸の移動量、Z軸の移動量、主軸の回転数、X軸の送り速度、Y軸の送り速度、Z軸の移動速度、などの指令が記載されたNCデータである。まず、主軸62をNCデータ68に記載された回転数、各軸の送り速度、送り量で移動、回転させる。そして、マシニングセンタ61の主軸62に、切削工具63として工具Aを取り付け、主軸62を回転させながら被加工物64に対して相対的に移動を行うことにより、領域87の梨地形状を加工する。
領域87の加工が終了したら、切削工具63として、工具Aを取り外し、工具Bを取り付ける。そして、主軸62をNCデータ68に記載された回転数、各軸の送り速度、送り量で移動、回転させる。マシニングセンタ61の主軸62に切削工具63として取り付けられた工具Bを用いて、主軸62を回転させながら被加工物64に対して相対的に移動を行うことにより、領域88の梨地形状を加工する。
このように、前記NCデータ作成装置71で作成した工具交換などの指令が記載されたNCデータ68を使用して、切削工具63を回転させXYZ軸に動かす事で被加工物64を切削加工し金型の第一の駒21を製造する。これにより梨地面は、工具Aと工具Bのつなぎ目が金型の加工エリア内の梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域(つまり凸部の領域)のみに形成できる。
図5は図3の第一の駒21に加工された梨地面32の平面図を示す。図中の白色で示す領域51は梨地面32の、凹凸の高さの50%以上の範囲である。53は工具Aで加工するエリア(領域)を示し、54は工具Aとは別の工具Bで加工するエリア(領域)を示す。そして、52は前記梨地面32の工具Aと、工具Bで加工するエリアの境界線(分割線)を示している。55は加工エリア(分割領域)53内を加工する工具Aの工具経路の一例であり、56は加工エリア(分割領域)54内を加工する工具Bの工具経路の一例である。この金型を用いて成形し、梨地面(加工面)を樹脂に転写する。転写された成形品では工具A、工具Bで加工された領域の境界線(分割線)は、金型の梨地形状が転写された梨地模様の凹凸の高さの50%以下のみを通過することになる。つまり、梨地模様の凹部のみに形成されることになるため、目視で繋ぎ目を視認しづらくなるという効果がある。
図9は比較例として、通常加工で複数工具を使用して梨地形状を有する梨地面の加工を行った際の各工具の加工エリアを示す。通常、大面積の梨地形状を有する梨地面のエリアの切削加工を行う場合、1本の工具で加工することはできないため、梨地形状を有する梨地面のエリアを分割して複数の工具を使用して加工を行なわなければならない。通常加工では工具に設定された形状に与えられた形状誤差の許容値を超えてしまった時点(寿命に達した時点)で工具Aを加工面から退避させ、新たな工具Bに交換して再度加工を再開する。つまり、工具Aは、新しく交換した時の形状(初期形状)から、形状誤差の許容値分、加工によって形状が変化してしまっている。その状態で工具Aを新しく初期形状を有する工具Bに交換するため、その境界部は、工具Aと工具Bの形状の差による段差が形成されてしまう。つまり、工具Aの加工したエリア91と工具Bの加工したエリア92の境界部が段差93となり、境界線(直線形状)が表面に現れてしまう。図中91は1本目の工具の加工エリア、92は2本目の工具の加工エリア、93は1本目の工具と2本目の工具の形状の違いによって加工されてしまう段差である。94は1本目の工具と2本目の工具の段差93が形成されてしまった梨地面の凹凸の高さ50%未満の部分(凹部の部分)を示している。つまり、図9の1本目の工具Aと2本目の工具Bの加工による段差93が、梨地面の凹凸の高さ50%未満の部分(凹部の部分)を通過してしまう。そのため、成形した際に段差による境界線が梨地模様の凹凸の、凸の部分(高い部分)に形成されてしまっているため、境界部の段差が視認されてしまい、外観不良が発生してしまう。
しかし、本発明の成形品における、例えば、図1の11に示す外観面においては、工具交換による段差は、梨地模様の凹凸の、凹の部分(低い部分)に形成される。よって、段差による境界線が視認されてしまうことによる外観不良が抑制され、高品位な外観を有する成形品を得ることが可能となる。
図4(a)は図3のA−A’断面の拡大図を示す。図4(a)において、41は金型の梨地形状が形成された面(梨地面)の凹部を示している。42は凸部、43は梨地面の形状の最も低い位置からの距離(凹凸の高さと称する)を示している。つまり形状の最も低い位置と最も高い位置の差分を形状の高さとする。44は境界線(分割線)を形成する領域(つまり凸部)を示している。45は、梨地面のベース面である。ベース面は、形状測定器を使用して表面を計測した形状における測定して求めることができる。加工領域を分割する際に、梨地面のベース面45からの凹凸の高さ43の50%以上の範囲44に境界線(分割線)を設定する。
段差による境界線の全体が、凹凸の高さ43の50%以上の範囲44に設定されていることが好ましいが、段差全体の90%が、凹凸の高さ43の50%以上の範囲44に設定されていれば本発明の効果は発現される。前記境界線の90%以上とは、境界線(分割線)の全体の長さをLとした場合Lの90%以上の長さである。
図4(b)は、図3の第一の駒を用いて図2の金型によって第一の駒の梨地形状が転写され梨地模様が形成された樹脂成形品の断面の拡大図を示したものである。
141は梨地模様が形成された面(梨地面)の谷部(凹部)を示している。142は山部(凸部)、143は梨地面の凹凸の高さを示している。144は、凹凸の高さが50%以下の部分を示している。この144の部分(領域)に段差である境界線(分割線)が転写されることになる。145は、成形品における梨地面のベース面である。成形品における梨地面のベース面とは、成形品の梨地面を形状測定器で測定する。その結果から、梨地模様(凹凸形状)の高さの50%の点を結んだ面と平行な面であって、凹部の一番低い点を通る面とする。また、成形品の凹凸の高さは、形状測定器を用いて測定した値である。
樹脂に転写されることにより、図4(a)の凹部が凸部に、凸部が凹部となる。つまり、成形品においては、金型における凹凸の高さ43の50%以上の範囲44に形成された工具交換による段差である境界線(分割線)は、凹凸の高さの50%以下の範囲144(成形品の凹凸の凹部)に形成されることになる。これにより、段差を視認しづらくさせることができ、良好な外観を有する成形品を得ることができる。
また、前記段差である境界線の90%以上が、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されていれば本発明の効果は発現される。前記境界線の90%以上とは境界線の長さをLとした場合、Lの90%以上が、凹凸の高さ43の50%以上の範囲44に設定されていれば本発明の効果は発現される。本実施形態においては、境界線の一部である連続する100mmの境界線が形成されている部分の梨地面の凹凸の高さを測定する。その100mmの境界線のうち90mm以上が凹凸の高さの50%以下の領域に形成されていた場合、前記段差である「前記境界線の90%以上が、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されている」と定義する。
以下、本実施例では、プリンターの部品において本発明を実施した凹凸形状の梨地面を与えて成形した具体的事例について述べる。
<金型キャビティ表面の加工方法>
図6に示すような3軸制御マシニングセンタ61、主軸62、切削工具63からなる構成の装置を用いて切削加工で使用するNCデータ68に基づいて加工した。NCデータは、X軸の移動量、Y軸の移動量、Z軸の移動量、主軸の回転数、X軸の送り速度、Y軸の送り速度、Z軸の移動速度、などの指令が記載されている。このNCデータ68に記載された指令を基に、被加工物64に対して切削加工実験を行った。今回のテスト加工では被加工物は梨地面を樹脂に転写して梨地模様を有する成形品を製造するための金型とした。
図6に示すような3軸制御マシニングセンタ61、主軸62、切削工具63からなる構成の装置を用いて切削加工で使用するNCデータ68に基づいて加工した。NCデータは、X軸の移動量、Y軸の移動量、Z軸の移動量、主軸の回転数、X軸の送り速度、Y軸の送り速度、Z軸の移動速度、などの指令が記載されている。このNCデータ68に記載された指令を基に、被加工物64に対して切削加工実験を行った。今回のテスト加工では被加工物は梨地面を樹脂に転写して梨地模様を有する成形品を製造するための金型とした。
テスト加工に使用した梨地模様を転写するための梨地面を加工する第一の駒(被加工物64)の表面サイズは300mm×400mmとし、梨地面を加工するエリアは250mm×350mmとした。このエリア内に2本のエンドミル工具を使用して切削加工で梨地面を加工した。使用した工具は工具先端が円弧形状をしたボールエンドミルとした。
加工した梨地形状はベース面(凹部の一番低い部分)からの高さ(距離)が0.05mmと0.1mmであり、使用した加工条件は、主軸回転数20000RPM、送り速度1000mm/minである。
図10は本発明の実施例1、2を示している。実施例1、2は、梨地面のベース面からの高さ(距離)を、0.05mmとした。図10(a)は実施例1の凹凸の高さの50%以上の領域を白く示しており、白く示した領域に1本目の工具と2本目の工具の段差である境界線(分割線)101が形成されるように設定した。図10(b)は、実施例1を加工する際に必要なNCデータを算出する際に使用する工具ごとの加工領域を示しており、102は1本目の工具の加工領域、103は2本目の加工領域を示している。図10(c)は実施例2の凹凸の高さの50%以上の領域を白く示しており、図10(d)は、実施例2を加工する際に必要なNCデータを算出する際に使用する工具ごとの加工領域を示している。
図11は本発明の実施例3、4を示している。実施例3、4は、梨地面のベース面からの高さ(距離)を、0.05mmとした。図11(a)は実施例3の凹凸の高さの50%以上の領域を白く示しており、白く示した領域に1本目の工具と2本目の工具の段差である境界線(分割線)111が形成されるように設定した。図11(b)は、実施例3を加工する際に必要なNCデータを算出する際に使用する加工領域を示しており、112は1本目の工具の加工領域、113は2本目の加工領域を示している。図11(c)は実施例4の凹凸の高さの75%以上の領域を白く示しており、白く示した領域に1本目の工具と2本目の工具の段差である境界線(分割線)111が形成されるように設定した。図11(d)は、実施例4を加工する際に必要なNCデータを算出する際に使用する加工領域を示しており、112は1本目の工具の加工領域、113は2本目の加工領域を示している。
比較例1は、梨地面のベース面からの高さ(凹凸の高さ)を、0.05mmとした。そして、凹凸の高さの領域を選択せず、工具交換による段差による境界線が形成されるように設定した。図12は比較例2を示しており、梨地面のベース面からの高さ(凹凸の高さ)を、0.05mmとした。比較例1は、凹凸の高さの領域を選択せず、工具交換による段差による境界線が形成されるように設定した。図12(a)は比較例2を示している。図12(a)は、凹凸の高さの25%以上の領域を白く示しており、白く示した領域に1本目の工具と2本目の工具の段差による境界線(分割線)121が形成されるように設定した。図12(b)は、比較例2を加工する際に必要なNCデータを算出する際に使用する加工領域を示しており、122は1本目の工具の加工領域、123は2本目の加工領域を示している。
実施例5〜8、比較例3〜4は、梨地面のベース面からの高さ(凹凸の高さ)を、0.1mmとした。それ以外は、実施例5は実施例1と同じ、実施例6は実施例2と同じ、実施例7は実施例3と同じ、実施例8は実施例4と同じ、比較例3は比較例1と同じ、比較例4は比較例2と同じである。
<樹脂成形品成形方法>
製作した梨地面を加工した金型を使用して成形を行い、成形品を得た。使用樹脂は東レ製のPSで色は黒を用いて射出成形を行い、記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状を成形品に転写させ成形品を取得した。成形機は、J180ELIII射出成形機(日本製鋼所(株))を用い、上記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状が十分に転写できるように成形条件を設定した。
製作した梨地面を加工した金型を使用して成形を行い、成形品を得た。使用樹脂は東レ製のPSで色は黒を用いて射出成形を行い、記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状を成形品に転写させ成形品を取得した。成形機は、J180ELIII射出成形機(日本製鋼所(株))を用い、上記金型キャビティ表面に加工した凹凸形状が十分に転写できるように成形条件を設定した。
<評価項目と評価方法>
射出成形によって得られた樹脂成形品の表面凹凸形状の評価は通常外観判定を実施している熟練者5名に比較してもらい、複数工具の繋ぎ目が目視で確認できるかを5段階で評価した。評価基準は「×」は5名の評価結果の平均が2以下、「○」は5名の評価結果の平均が3〜4、「◎」は5名の評価結果の平均が5とした。
射出成形によって得られた樹脂成形品の表面凹凸形状の評価は通常外観判定を実施している熟練者5名に比較してもらい、複数工具の繋ぎ目が目視で確認できるかを5段階で評価した。評価基準は「×」は5名の評価結果の平均が2以下、「○」は5名の評価結果の平均が3〜4、「◎」は5名の評価結果の平均が5とした。
<実験結果>
得た成形品と評価結果を以下の表1に示す。
得た成形品と評価結果を以下の表1に示す。
この結果から、実施例1〜8の樹脂成形品は、領域分割線が視認されてしまうことによる外観不良が抑制され、高品位な外観を有する成形品を得ることできた。
21 第一の駒
32 梨地面
331 梨地形状を第一の切削工具で加工した領域
332 梨地形状を第二の切削工具で加工した領域
333 梨地形状を第三の切削工具で加工した領域
334 梨地形状を第四の切削工具で加工した領域
341〜343 段差
32 梨地面
331 梨地形状を第一の切削工具で加工した領域
332 梨地形状を第二の切削工具で加工した領域
333 梨地形状を第三の切削工具で加工した領域
334 梨地形状を第四の切削工具で加工した領域
341〜343 段差
Claims (6)
- 梨地模様を有する樹脂成形品であって、
前記梨地模様は、段差を有し、
前記段差は、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されていることを特徴とする樹脂成形品。 - 前記段差は、前記段差の90%以上が、前記梨地模様の凹凸の高さの50%以下の領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
- 請求項1または2に記載の樹脂成形品を有するプリンター。
- 加工装置を用いて、第一の工具および第二の工具を用いて梨地形状を加工する加工方法であって、
前記梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域に境界線を設定する工程と、
前記第一の工具を用いて前記境界線まで加工する工程と、
前記第二の工具を用いて前記境界線から加工する工程と、
を有することを特徴とする加工方法。 - 前記第一の工具および前記第二の工具は、エンドミル工具であることを特徴とする請求項4に記載の加工方法。
- 加工装置を用いて、第一の工具および第二の工具を用いて梨地形状を有する金型を用いて成形品を成形する成形品の製造方法であって、
前記梨地形状の、凹凸の高さの50%以上の領域に境界線を設定する工程と、
前記第一の工具を用いて前記境界線まで前記金型を加工する工程と、
前記第二の工具を用いて前記境界線から前記金型を加工する工程と、
前記金型に加工した梨地形状を樹脂に転写させて成形品を製造することを特徴とする成形品の製造方法。
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2017
- 2017-10-31 JP JP2017210839A patent/JP2019081329A/ja active Pending
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