JP2019080728A - 放射線量管理装置及び放射線量管理方法 - Google Patents

放射線量管理装置及び放射線量管理方法 Download PDF

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健治 松江
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伊知朗 前田
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さゆり 薄井
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章宏 篠原
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Abstract

【課題】ダイナミックレンジが広くても放射線量の分布を識別しやすくすること。【解決手段】実施形態に係る放射線量管理装置は、医用画像取得部と、放射線量情報取得部と、分割部と、割り当て部とを備える。医用画像取得部は、被検体の医用画像を取得する。放射線量情報取得部は、医用画像に対応する被検体の放射線量を表す放射線量情報を取得する。分割部は、医用画像を複数の領域に分割する。割り当て部は、放射線量情報取得部によって取得された放射線量情報に基づいて、分割部によって分割された少なくとも一つの領域に、放射線量の分布を識別する線量識別情報を割り当てる。【選択図】 図3

Description

本発明の実施形態は、放射線量管理装置及び放射線量管理方法に関する。
放射線治療は、患部(治療ターゲット)にのみ放射線を照射するのが難しく、治療ターゲット周辺にも放射線が照射されてしまう。被曝低減を考慮した放射線治療装置の開発は進んでいるものの治療ターゲット周辺への放射線の照射は避けられない。治療ターゲット周辺の正常組織に放射線が照射されると、その組織はダメージを受け、副作用、後遺症、腫瘍等が発生するおそれがある。
被検体の放射線量を管理する技術として、例えば、放射線量の分布を複数の色によって識別可能に表示するものが知られている。しかし、放射線量の管理範囲(ダイナミックレンジ)が広いと、例えば、治療ターゲットとその周辺が同じ色で表され、当該領域において放射線量を識別できない。
特開2007−97909号公報
本発明が解決しようとする課題は、ダイナミックレンジが広くても放射線量の分布を識別しやすくすることである。
実施形態に係る放射線量管理装置は、医用画像取得部と、放射線量情報取得部と、分割部と、割り当て部とを備える。医用画像取得部は、被検体の医用画像を取得する。放射線量情報取得部は、医用画像に対応する被検体の放射線量を表す放射線量情報を取得する。分割部は、医用画像を複数の領域に分割する。割り当て部は、放射線量情報取得部によって取得された放射線量情報に基づいて、分割部によって分割された少なくとも一つの領域に、被検体の放射線量の分布を識別する線量識別情報を割り当てる。
図1は、従来のカラーマップ表示における問題点を説明する模式図。 図2は、実施形態に係る放射線量管理装置の概念的な構成図。 図3は、第1の実施形態に係る放射線量管理装置の機能構成例を示す機能ブロック図。 図4は、第1の実施形態に係る放射線量管理装置の動作の一例を示すフローチャート。 図5は、領域を分割する第1の方法を説明する模式図。 図6は、第2の実施形態に係る放射線量管理装置の機能構成例を示す機能ブロック図。 図7は、第2の実施形態に係る放射線量管理装置の動作の一例を示すフローチャート。 図8は、領域を分割する第2の方法を説明する模式図。 図9は、治療ターゲット領域内の組織が正常組織か否かを判定する判定処理を規定するテーブル。 図10は、処理Aを説明する模式図。 図11は、処理Bを説明する模式図。 図12は、処理Cを説明する模式図。 図13は、分割された領域を説明する模式図。 図14は、領域毎の被曝線量の数値範囲とカラーマップの色範囲とを関連付ける方法を説明する模式図。 図15は、人体モデルにおいて選択された部位の被曝線量を領域毎に表示する第1の表示例を説明する模式図。 図16は、人体モデルにおいて選択された部位の被曝線量を領域毎に表示する第2の表示例を説明する模式図。 図17は、他の検査による被曝線量を加算した累積被曝線量を医用画像上に表示する表示例を説明する模式図。 図18は、放射線治療の治療経過を表示すると共に放射線治療における累積被曝線量を医用画像上に表示する表示例を説明する模式図。
放射線量のダイナミックレンジ(管理範囲)が広いと、図1に示すカラーマップIMG1のように、被検体の放射線量の分布を正確に識別できないことがある。例えば、肝臓にできた腫瘍等の治療ターゲット領域TAに向けて3方向から放射線を照射した場合、治療ターゲットTAとその周辺が同じ色やハッチングで表示されてしまうため、当該領域における放射線量の分布を正確に識別できない。
本発明者は、このような問題に着目し、医用画像を複数の領域に分割し、分割した領域毎の放射線量を独立的に利用できる構成とし、放射線量のダイナミックレンジが広くても、被検体の放射線量の分布を識別しやすい放射線量管理装置を提供する。
[全体構成]
図2に示すように、放射線量管理装置1は、モダリティ2、画像サーバ3、放射線治療装置4及び治療計画装置5などの病院内外に設置された様々な装置にネットワークNを介して接続されている。ネットワークNは、ローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)等から構成される。
モダリティ2は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、X線CT(Computed Tomography)装置、超音波装置、アンギオ装置など被検体の体内の形態的な情報を画像化する医用画像診断装置である。
画像サーバ3は、モダリティ2で取得された医用画像データを蓄積するサーバである。ここで、サーバとは、例えば、ネットワークNを通じてクライアント端末から受けた要求に対し、何らかのデータや機能を提供するコンピュータの意味である。
画像サーバ3には、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した医用画像データが記憶される。DICOM規格は、医用情報を共通化するために米国で標準化され、医用画像のデータの保存形式、通信方法などの医用画像データの取り扱い方法が規定されたコンテナフォーマットである。また、DICOMは、医用画像の付帯情報を記憶するデータ領域を有し、医用画像データは、付帯情報として検査情報や患者情報などの医療情報を有する。付帯情報にはX線による医用画像の撮像で被曝した線量が含まれてもよい。
放射線治療装置4は、直線加速器を備え、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、重粒子線などの治療用の放射線を照射中心(アイソセンタ)に配置された治療ターゲットに照射する装置である。放射線治療装置4は、絞りの開口を調整することによって放射線源から照射される治療用放射線の照射範囲を変更する。
治療計画装置5は、放射線治療を行うための治療計画データ及び治療計画スケジュールデータを生成する。例えば、放射線治療では、放射線を照射する治療が数か月おきに複数回実施される。治療計画スケジュールデータには、放射線治療における全行程における日程を管理する情報項目が含まれる。例えば、放射線治療の実施日、検査日などの治療の時系列に沿った日程を規定した情報項目が含まれる。治療計画スケジュールにおいて、治療日と治療日との間には治療における効果を検証するための検査日が設けられている。検査で取得された医用画像データに基づいて次の放射線治療における治療計画データが作成される。
治療計画データには、治療ターゲットの位置、寝台の初期位置、照射中心、被検体Pの体位、放射線を照射する範囲(治療ターゲット領域情報)、照射線量及び線量分布などの治療情報項目が含まれる。治療計画装置5は、治療計画データの作成に必要な放射線の照射の方向、照射野の大きさ、照射線量及び体内の線量分布などの治療情報項目を算出する。
なお、治療計画データに含まれる治療ターゲットの位置や放射線の照射範囲は、治療前にモダリティ2で取得された医用画像データに基づいて決定される。また、治療用放射線の照射線量及び線量分布は、過去の治療における被検体の累積被曝線量を加味して決定される。治療計画データに含まれる線量分布及び累積被曝線量は、医用画像データに関連付けされて記憶されている。即ち、放射線量情報は、被検体の位置(照射位置)と当該位置における放射線量とが関連付けされている。被検体の位置は、例えば、装置座標系における座標や医用画像の画素の位置により規定される。以下、線量分布及び累積被曝線量と医用画像データとが関連付けされた情報を放射線量情報と称する。
放射線量管理装置1は、被検体の放射線量情報を管理する装置である。放射線量管理装置1で管理される放射線量情報には、放射線治療における放射線量情報に加えて、放射線を用いて被検体を撮像するモダリティ2における放射線量情報も含まれる。
なお、放射線量情報は、医療情報に関連付けされて記憶されてもよい。医療情報には、例えば、検査情報、治療情報及び患者情報が含まれる。検査情報は、例えば、検査ID(identification)、検査日、検査対象の解剖学的部位、X線強度や撮像時間などの撮像条件が含まれる。治療情報は、放射線治療を含む放射線を用いた被検体の治療に関する情報であって、例えば、治療ID、治療日、治療対象の解剖学的部位、X線強度や治療時間などの治療条件が含まれる。患者情報には、例えば、患者の年齢や性別、体格や既往歴が含まれる。
なお、放射線量管理装置1は、放射線量情報を生成し、生成した放射線量情報を外部記憶装置に蓄積するように構成してもよい。
放射線量管理装置1は、通信制御回路10、記憶回路20、入力回路30、ディスプレイ40及び処理回路50を有する。
通信制御回路10は、ネットワーク形態に応じた種々の通信プロトコルを実装する。この各種通信プロトコルに従って、画像サーバ3や治療計画装置5等の外部装置や、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの外部接続機器から医用画像データや治療計画データを取得する。また、通信制御回路10は、放射線量管理装置1に記憶されている放射線量情報を外部装置や外部接続機器に送信する。
記憶回路20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスクなどによって構成される。記憶回路20は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)などの可搬型メディアを脱着自在な回路して構成されてもよい。記憶回路20は、処理回路50において実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)、プログラムの実行に必要なデータ、及び画像データを記憶する。また、記憶回路20には、OSを制御するための各種コマンドを入力回路30から入力可能とするためのGUI(Graphical User Interface)のプログラムが記憶されていてもよい。
入力回路30は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチスクリーン、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、光学センサを用いた非接触入力回路及び音声入力回路などの入力デバイスからの信号を入力する回路である。ここでは一例として、入力デバイス自体も入力回路30に含まれるものとする。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路30はその操作に応じた入力信号を生成し、この入力信号を処理回路50に出力する。
ディスプレイ40は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。ディスプレイ40は、処理回路50の制御に従って画像を表示する。
処理回路50は、共通信号伝送路としてのバスを介して、放射線量管理装置1を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。処理回路50は、専用のハードウェアで構成してもよいし、内蔵のプロセッサによるソフトウェア処理で各種機能を実現するように構成してもよい。ここでは一例として、プロセッサによるソフトウェア処理によって処理回路50が各種機能を実現する場合について説明する。
上記プロセッサとは、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)などの回路を意味する。上記プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)などが挙げられる。処理回路50は、記憶回路20に記憶されたプログラム又は処理回路50のプロセッサ内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、各機能を実現する。
また、処理回路50は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組合せによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶回路20が設けられると共に、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶回路20が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。また、各機能に対応するプログラムが複数の記憶回路に分散して配置され、処理回路50は、個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としてもよい。
[第1の実施形態]
(1)構成
図3は、第1の実施形態に係る放射線量管理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。放射線量管理装置1の処理回路50Aは、分割機能51a、割り当て機能52、放射線量情報取得機能53及び医用画像取得機能54を有する。
医用画像取得機能54は、画像サーバ2から医用画像データを取得する。
放射線量情報取得機能53は、放射線量管理装置1Aの記憶回路20に蓄積された放射線量情報を取得する。また、放射線量情報取得機能53は、治療計画データに含まれる放射線量情報を取得する。治療計画データには、これから実施される治療における放射線量情報が含まれる。
分割機能51aは、医用画像データを複数の領域に分割する。また分割された領域に当該領域の放射線量情報を関連付けて記憶する。分割機能51aは、例えば、治療ターゲット領域などの解剖学的情報や放射線量の大小などの放射線量情報に基づいて医用画像データを分割する。
割り当て機能52は、ユーザが指定した領域の線量識別情報を医用画像に割り当てて表示する。線量識別情報は、例えば、医用画像に領域毎の被曝線量の大小を色の違いで識別的に表示したカラーマップにより示される。
記憶回路20は、線量管理テーブル22を記憶する。線量管理テーブル22は、放射線量情報を有する。また、線量管理テーブル22は、分割領域に当該領域の放射線量情報を関連付けしたデータを蓄積する。線量管理テーブル22は、例えば、各領域の輪郭が設定された医用画像データ、当該領域の放射線量情報及び分割した領域に関連する医療情報を一意に特定するためのIDが関連付けされたデータである。また、線量管理テーブル22は、医用画像データの画素毎の領域種別と各画素の被曝線量とを関連付けしたデータであってもよい。
(2)動作
図4は、第1の実施形態に係る放射線量管理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートのステップ番号に従って、第1の実施形態に係る放射線量管理装置1Aの動作を説明する。
ステップS101において、医用画像取得機能54は、画像サーバ2から医用画像データを取得する。また、放射線量情報取得機能53は、線量管理テーブル22又は治療計画装置5から医用画像データに関連する放射線量情報を取得する。
ステップS102において、分割機能51aは、医用画像を分割する。分割機能51aは、例えば、放射線量情報に基づいて医用画像を高線量照射領域HAと低線量照射領域とに分割する。分割機能51aは、放射線量情報から高線量照射領域HAを特定する。高線量照射領域HAは、例えば、1回の放射線治療において複数の治療用放射線が重複して照射される領域であってもよいし、照射される放射線量が所定の閾値以上である領域であってもよい。ここで、所定の閾値は、ユーザにより予め設定された値であってもよいし、治療対象の部位や疾患に応じて予め規定された値であってもよい。ここで「予め」とは、領域分割処理前のことである。
分割機能51aは、高線量照射領域HA以外の領域を低線量照射領域と判定する。なお、低線量照射領域の外縁は、例えば、被検体の医用画像のアキシャル断面における被検体の外縁(体表)に一致する。したがって、低線量照射領域は、高線量照射領域HAの外縁から、被検体の外縁(体表)までの範囲である。
図5は、領域を分割する第1の方法を説明する模式図である。図5の上段は、被曝線量のカラーマップIMG1を示しており、図5の下段は、直線L1における画素毎の被曝線量を示すグラフである。グラフの横軸は、直線L1における画素の配列順序を示し、縦軸は、被曝線量を示している。
カラーマップIMG1において、丸の破線内の領域は、治療ターゲット領域TAである。また、一番濃いハッチングで示された六角形の領域は、高線量照射領域HAである。分割機能51aは、放射線量情報に基づいて、医用画像を高線量照射領域HAとそれ以外の領域、即ち、低線量照射領域とに分割する。
以上が領域を分割する第1の方法の説明である。図4に戻ってフローチャートの説明を続ける。
ステップS103において、分割機能51aは、分割された領域と夫々の領域における被検体の被曝線量とを関連付けして線量管理テーブル22に記憶する。線量管理テーブル22は、医用画像の各画素の被曝線量と、医用画像上に各領域の輪郭線を重畳した画像とを関連付けて記憶してもよいし、各領域の輪郭線を重畳した画像の各画素に被曝線量を関連付けて記憶してもよい。
ステップS104において、割り当て機能52は、ユーザが指定した領域の線量識別情報を医用画像の分割領域に割り当てて表示する。
第1の実施形態では、医用画像を複数の領域に分割し、分割された領域に当該領域の放射線量情報を関連付して線量管理テーブル22に蓄積する。このように、領域毎に放射線量情報を独立して記憶するため、放射線量情報を夫々利用して領域毎の線量識別情報を表示することができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、高線量照射領域と低線量照射領域とに分割して夫々の領域を独立に管理する放射線量管理装置1Aを説明した。しかしながら、領域の分割方法は、高線量照射領域と低線量照射領域とに分割する方法には限定されない。以下、第2の実施形態として、治療ターゲット領域と治療ターゲットの周辺領域とを夫々複数の領域に分割する放射線管量理装置1Bを説明する。
(1)構成
図6は、第2の実施形態に係る放射線量管理装置1Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。放射線量管理装置1Bの処理回路50bは、分割機能51b、割り当て機能52、放射線量情報取得機能53及び医用画像取得機能54を有する。
分割機能51bは、第1の実施形態の機能に加えて、治療ターゲット領域と治療ターゲットの周辺領域とを夫々複数の領域に分割する機能を有する。分割機能51bにより分割される複数の領域については、後述の図8で詳細に説明する。また、分割機能51bにおける領域の分割方法については、後述の図8乃至図12で詳細に説明する。
放射線量情報取得機能53は、これから実施される放射線治療における治療計画データに含まれる放射線量情報(照射予定の放射線量情報)に加えて、過去に実施された放射線治療における放射線量情報(照射済みの放射線量情報)を取得する。また、放射線量情報取得機能53は、照射予定の放射線量情報と照射済みの放射線量情報とを合算した放射線量情報を取得してもよい。
割り当て機能52は、被曝線量の違いに応じて異なる色を医用画像の各画素に割り当てたカラーマップを線量識別情報として生成する。なお、ここで「色」とは、色相、明度、飽和度の3次元を全て含む有彩色と、明度の次元しか含まない無彩色(グレースケール)とを含むものとする。割り当て機能52は、ユーザが入力回路30を介して選択した領域の被曝線量の分布を示すカラーマップを生成する。
割り当て機能52は、ユーザが選択した領域の被曝線量の数値範囲に合わせてカラーマップの色範囲を適応的に変化させる。即ち、割り当て機能52は、ユーザが選択した領域の被曝線量の数値範囲に応じてカラーマップの色範囲を決定する。ここで、被曝線量の数値範囲とは、ある領域の被曝線量の最小値から最大値の範囲のことである。また、カラーマップの色範囲とは、カラーマップで表現できる色のセットのことである。デジタル画像の分野においては、例えば、RGB(Red Green Blue)で表現される数値範囲のことである。
割り当て機能52におけるカラーマップの色範囲の決定方法については、後述の図14で詳細に説明する。また、割り当て機能52が生成する被曝線量の表示については、後述の図15乃至図18で詳細に説明する。
記憶回路20bは、判定処理テーブル21b及び線量管理テーブル22を記憶する。
判定処理テーブル21bは、分割機能51bが治療ターゲット領域TAを治療完了領域(領域1)と治療未完了領域(領域2)とに分割するための判定処理を規定する。判定処理は、治療ターゲット領域の解剖学的部位又は疾患名に関連付けされている。さらに、判定処理は、前回の治療の有無に関連付けされていてもよい。判定処理テーブル21bについては、後述の図9で詳細に説明する。
(2)動作
図7は、第2の実施形態に係る放射線量管理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図7のフローチャートのステップ番号に従って、第2の実施形態に係る放射線量管理装置1Bの動作を説明する。なお、図4で説明した第1の実施形態と同一処理には同一の符号を付し、説明を省略する。
ステップS101及びS102において、分割機能51bは、放射線量情報に基づいて医用画像を高線量照射領域HAと低線量照射領域(領域4)とに分割する。
ステップS201において、分割機能51bは、高線量照射領域HAを治療ターゲット領域TAと非治療ターゲット領域(領域3)とに分割する。高線量照射領域HAから治療ターゲット領域TAを除いた領域を非治療ターゲット領域(領域3)とする。図8に示すように、治療ターゲット領域の外縁から高線量照射領域HAの外縁までが非治療ターゲット領域(領域3)である。
図8は、領域を分割する第2の方法を説明する模式図である。図8は、図5と同様に、被曝線量のカラーマップIMG1と直線L1における画素毎の被曝線量を示すグラフとを示す。
図5と同様に、丸の破線内の領域は、治療ターゲット領域TAである。また、一番濃いハッチングで示された六角形の領域は、高線量照射領域HAである。図8のカラーマップIMG1において、高線量照射領域HA以外の領域は、低線量照射領域(領域4)である。即ち、低線量照射領域(領域4)は、カラーマップ上で一番薄いハッチングと二番目に薄いハッチングが示された領域である。
また、高線量照射領域HAから、高線量照射領域HA内で最も照射線量が高い治療ターゲット領域TAを除いた領域が非治療ターゲット領域(領域3)である。
以上が領域を分割する第2の方法の説明である。なお、分割機能51bは、治療ターゲット領域TAを領域1及び領域2の2つの領域にさらに分割する。図7に戻って、フローチャートの説明を続ける。
ステップS202において、分割機能51bは、治療ターゲット領域TAを放射線治療によって治癒した領域と治癒していない領域とに分割する。分割機能51bは、放射線治療により治癒した領域を治療完了領域(領域1)、治癒していない領域を治療未完了領域(領域2)とする。
なお、分割機能51bは、治療ターゲット領域TA内の組織が正常組織か否かに基づいて治療ターゲット領域TAを治療完了領域と治療未完了領域とに分割する。治療ターゲット領域TA内の組織が正常組織か否かは、疾患が認められる解剖学的部位の特徴や腫瘍の種類などに応じて様々に異なる。そこで、分割機能51bは、判定対象となる治療ターゲット領域TAの解剖学的部位や腫瘍の種類などの条件にあった判定処理の種類を判定処理テーブル21bに基づいて選択することで、正常組織か否かを判定する。
分割機能51bは、分割された領域と当該領域の放射線量情報とを関連付けて線量管理テーブル22を更新し(ステップS103)、割り当て機能52は、領域毎の放射線量情報に基づいて領域毎の線量識別情報を医用画像の各領域に割り当てて表示する(ステップS104)。
以下、分割機能51bにおける判定処理テーブル21bを用いた領域の分割方法について説明する。
図9は、治療ターゲット領域TA内の組織が正常組織か否かを判定する判定処理を規定するテーブルである。図9の判定処理テーブル21bは、疾患名、前回治療の有無及び判定処理の項目を含む。
疾患名には、治療ターゲットの解剖学的部位や腫瘍の種類が含まれる。前回治療の有無には、前回の放射線治療があるか否かが含まれる。図9の判定処理テーブルには、3つの判定処理、処理A、処理B及び処理Cが示されている。例えば、判定処理テーブルの上から2行目及び3行目の疾患名は、何れも「前立腺がん」である。判定処理テーブルの上から2行目は、前回の治療がある場合を示しており「処理C」が規定されている。一方、判定処理テーブルの上から3行目は、前回の治療がない場合を示しており、「処理A」が規定されている。
また、判定処理テーブルの上から4行目及び5行目の疾患名は、何れも「肺がん」であり、4行目は、前回治療の有無が「あり」で5行目は「なし」である。しかしながら、判定処理は何れも「処理B」である。このように、疾患の種類や前回の治療の有無に応じて治療ターゲット領域TA内の組織が正常組織か否かを判定するための最適な処理が判定処理テーブルに規定されている。分割機能51bは、判定処理テーブル21bに規定された判定処理を実行して治療ターゲット領域TAを治療完了領域(領域1)と治療未完了領域(領域2)とに分割する。
図10は、処理Aを説明する模式図である。処理Aは、医用画像の画素値が所定の閾値以上又は以下の場合、当該画素に対応する組織を正常組織と判定する処理である。以下、医用画像がCT画像であり、画素値がCT値である場合を例として説明する。
図10の上段は、治療ターゲット領域TAを示し、下段は、治療ターゲット領域TAの直線L2における画素毎のCT値を示すグラフである。グラフの横軸は、直線L2における画素の配列順序を示し、縦軸は、CT値を示す。
CT値は、組織のX線減弱係数に対して線形関係にあり、その単位はHU(Hounsfield Unit)である。通常、空気は−1000HU、水は0HU、骨などの硬組織は+1000HUで示される。即ち、組織を構成する物質の密度は組織毎に異なるため、組織毎にCT値は異なる。また、組織に腫瘍など疾患が生じた場合、疾患がある領域における組織の物質の密度は正常組織とは異なる組成となる。この原理に従い、処理Aでは、人体の正常組織における標準的なCT値に基づいて、治療ターゲット領域TA内の組織が正常組織か否かを判定する。
より具体的には、図10のグラフに示すように、処理Aは、CT値がある閾値TS1以下の画素を正常組織と判定し、CT値が閾値TS1より大きい画素を非正常組織と判定する。
なお、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて閾値TS1は予め規定されていてもよい。また、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて閾値を上回るか下回るかの判定処理は異なっていてもよい。処理Aにおける諸条件は、記憶回路20に予め記憶されていてもよい。なお、ここでの「予め」は前述同様である。
図11は、処理Bを説明する模式図である。処理Bは、医用画像の画素値が所定の閾値範囲に含まれる場合、当該画素に対応する組織を正常組織と判定する処理である。したがって、図11において図10と異なるのは、CT値が閾値TS2を中心とした所定の範囲内に入るか否かに基づいて、正常組織か否かを判定する点である。
図11では、CT値が閾値TS2±10%の範囲内にある画素を正常組織と判定する例を示している。処理Aの場合と同様に、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて閾値TS2は予め規定されていてもよい。また、正常組織と判定する範囲は、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて異なっていてもよいし、ユーザが予め設定できてもよい。処理Bにおける諸条件は、記憶回路20に予め記憶されていてもよい。なお、ここでの「予め」は前述同様である。
図12は、処理Cを説明する模式図である。処理Cは、医用画像の画素値の経時的な変化に基づいて当該画素に対応する組織を正常組織か否かをと判定する処理である。図12の上段は、治療ターゲット領域TAの直線L2における画素毎のCT値を示すグラフである。図12の上段のグラフは、放射線治療開始前のグラフである。グラフの横軸は、直線L2における画素の配列順序を示し、縦軸は、CT値を示す。
図12の下段左は、画素AのCT値の経時的な変化を示すグラフであり、図12の下段右は、画素BのCT値の経時的な変化を示すグラフである。図12の下段のグラフにおいて、横軸は、治療回数を示し、縦軸は、CT値を示す。画素A及び画素Bは、夫々放射線治療開始前において非正常組織と判断された画素である。
画素Aのグラフは、治療回数が増えるにしたがってCT値が低下し、3回目以降CT値に変化が見られない。一方、画素Bのグラフは、CT値の変化が横ばいで、CT値が高い状態に維持されている。処理Cは、例えば、CT値が低下し、かつ、変化が横ばいになった画素を非正常組織から正常組織に変化(治癒)した組織と判定し、CT値の変化が横ばいで変化しない画素を治癒していない組織と判定する。
このように、処理Cは、画素の経時的変化に基づいて当該画素に対応する組織が治癒したか否かを判断する処理である。例えば、今回の治療後のCT値が前回の治療後のCT値に対してどれだけ変化したかに基づいて当該画素が治癒したか否かを判定してもよい。また、CT値が変化し、かつ、定常状態が続いた場合に治癒したと判定してもよい。処理Cにおける判定基準は、処理Aの場合と同様に、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて予め規定されていてもよい。また、正常組織と判定する判定基準は、疾患が生じた組織や解剖学的部位に応じて異なっていてもよいし、ユーザが予め設定できてもよい。処理Cにおける諸条件は、記憶回路20に予め記憶されていてもよい。なお、ここでの「予め」は前述同様である。
なお、図10乃至図12では、正常な組織か否かをCT値で判定する方法を説明したが、他のモダリティで取得された医用画像の画素値に基づいて正常組織か否かを判定してもよい。例えば、MRI装置や超音波装置においても医用画像の画素値に基づいて組織性状や腫瘍を判定する方法が確立されている。したがって、本実施形態では正常組織か否かを判定する処理に様々な医用画像を利用できる。
図13は、分割された領域を説明する模式図である。図13は、分割機能51bにより分割された各領域の分布を医用画像上に重畳した画像IMG2を示している。丸の破線内の領域は、治療ターゲット領域TAであり、六角形の破線内の領域は、高線量照射領域HAである。
分割機能51bで分割される領域は、治療完了領域(領域1)、治療未完了領域(領域2)、非治療ターゲット領域(領域3)及び低線量照射領域(領域4)の4つである。図13の例では、治療完了領域(領域1)、治療未完了領域(領域2)、非治療ターゲット領域(領域3)及び低線量照射領域(領域4)に異なるハッチングを示すことで、4つの領域を識別的に示している。
なお、前述では、分割機能51bが医用画像のスライス断面、即ち2次元画像において領域を分割する例を説明したが、分割機能51bが領域を分割する対象は2次元画像には限定されない。医用画像データが3次元画像である場合は、分割機能51bは、各領域を立体的な形状で分割する。
以上が分割機能51bによる領域の分割方法の説明である。以下、割り当て機能52における領域毎の線量識別情報をカラーマップにより表示する方法を図14乃至図18を参照して説明する。
図14は、領域毎の被曝線量の数値範囲とカラーマップの色範囲とを関連付ける方法を説明する模式図である。図14の右側は、図1の医用画像上の直線L1における各画素の被曝線量を示すグラフである。図14の左側上段は、治療完了領域(領域1)及び治療未完了領域(領域2)を含む治療ターゲット領域TAの被曝線量の数値範囲にカラーマップの色範囲を適合させた場合の凡例G3を示している。図14の左側下段は、低線量照射領域(領域4)の被曝線量の数値範囲にカラーマップの色範囲を適合させた場合の凡例G4a及び凡例G4bを示している。以下、説明を簡略化するため、カラーマップの色範囲が4段階の場合を例として説明する。
治療完了領域(領域1)及び治療未完了領域(領域2)を含む治療ターゲット領域TAの被曝線量が最大値が8500mGy、最小値が7500mGyの数値範囲である場合、割り当て機能52は、カラーマップの各色に7500mGyから8500mGyの数値範囲を均等に割り当ててもよい。具体的には、カラーマップを構成する4つの異なる色に7500mGy以上7750mGy未満、7750mGy以上8000mGy未満、8000mGy以上8250mGy未満、8251mGy以上8500mGy未満の被曝線量を夫々割り当てる。
したがって、医用画像において被曝線量が7500mGy以上7750mGy未満の数値範囲にある画素には、凡例G3の一番薄いハッチングで示す色が割り当てられる。同様に、被曝線量が7750mGy以上8000mGy未満の数値範囲にある画素には、凡例G3の2番目に薄いハッチングで示す色が割り当てられる。被曝線量が8000mGy以上8250mGy未満の数値範囲にある画素には、凡例G3の2番目に濃いハッチングで示す色が割り当てられる。被曝線量が8250mGy以上8500mGy未満の数値範囲にある画素には、凡例G3の一番濃いハッチングで示す色が割り当てられる。
同様に、凡例G4aは、低線量照射領域(領域4)の被曝線量の数値範囲(500mGyから3000mGy)をカラーマップの4つの色に均等に割り当てて生成される。なお、凡例G4aの左側に示した凡例G4bは、凡例G4aにおける被曝線量の数値範囲の最小値及び最大値に夫々500mGyの余裕を持たせたて、0mGyから3500mGyの数値範囲をカラーマップの4つの色に均等に割り当てた例を示している。
被曝線量の数値範囲の最小値及び最大値に対する余裕分は、例えば、最小値及び最大値に対する割合で決められていてもよいし、最小値から最大値までの数値範囲の大きさに応じて決められていてもよい。また、余裕分の数値をユーザが設定できるように放射線治療装置1の各部を構成してもよい。
このように、割り当て機能52は、ユーザが選択した領域における被曝線量の最小値及び最大値をカラーマップの色範囲の最小値及び最大値に夫々対応させて、カラーマップの色範囲に対して被曝線量の数値範囲を均等に割り当てもよい。なお、被曝線量の数値範囲とカラーマップの色範囲とを関連付けする方法は、上述の方法には限定されない。
例えば、被曝線量の平均値や分散をカラーマップの色範囲の平均値や分散に一致させるように被曝線量の数値範囲とカラーマップの色範囲とを関連付けしてもよい。即ち、各色に割り当てられる被曝線量の数値範囲がカラーマップの各色に均等に割り当てられなくともよい。被曝線量の数値範囲とカラーマップの色範囲とを関連付けする方法は、カラーマップ生成に関する従来技術が適用可能であるため、詳細な説明を省略する。
以上が、被曝線量の数値範囲をカラーマップの数値範囲に適用する方法の説明である。以下、被曝線量の数値範囲をカラーマップの数値範囲に適用することで、選択した領域の被曝線量の大小を識別的に表示する表示例について説明する。
図15は、人体モデルにおいて選択された部位の被曝線量を領域毎に表示する第1の表示例を説明する模式図である。第1の表示例は、治療完了領域(領域1)及び治療未完了領域(領域2)を含む治療ターゲット領域TAの被曝線量の表示例である。治療ターゲット領域TAの被曝線量は、例えば、次回の放射線治療における治療計画を作成する際に、照射可能な放射線量の算出や照射範囲の決定に利用される。
図15の左側は、放射線治療における全身の被曝線量を示すカラーマップを人体モデルIMG3の表面に重畳した表示D1である。図15の右上は、治療ターゲット領域TAを含む任意の医用画像断面に被曝線量を示すカラーマップを重畳した画像IMG4を示す。図15の右下は、ユーザが選択した領域を示す表示D2である。人体モデルIMG3は、臓器の形状、臓器間の相対的な位置関係、血管の配置及び相対的位置関係などの解剖学的部位間の相対的な位置関係が規定された画像データである。
表示D1は、1回の放射線治療における被検体の体内の被曝線量を体軸に垂直な方向に積算して人体モデルの表面に表示している。なお、放射線治療では、体内の被曝線量とは別に被検体の体表における被曝線量を測定する場合があり、表示D1において人体モデルIMG3に重畳される被曝線量は、体表の被曝線量であってもよい。
また、人体モデルIMG3は、治療ターゲット領域TAと位置的に関連付けされている。例えば、治療ターゲット領域TAが描出された医用画像データの座標と人体モデルIMG3の座標とが関連付けされている。例えば、表示D1の人体モデルIMG3において、所望の位置を矢印ARで選択した場合、矢印ARの位置に対応する医用画像データのスライス断面に被曝線量を示すカラーマップが重畳された画像IMG4が表示される。
画像IMG4は、治療ターゲット領域TAを含む医用画像に、治療完了領域(領域1)及び治療未完了領域(領域2)における被曝線量を示すカラーマップを重畳した画像である。凡例G3は、治療完了領域(領域1)及び治療未完了領域(領域2)における被曝線量の数値範囲にカラーマップの色範囲を適合させた表示である。したがって、画像IMG4のカラーマップは、7500mGyから8500mGyの被曝線量の大小を識別的に表示している。
表示D2において、ユーザが選択した領域にはチェックマークが表示される。また、各領域を示す文言の左側に示す四角形は、チェックボックスになっている。ユーザが選択した領域のカラーマップが画像IMG4を示される。即ち、ユーザは、表示D2に示された各領域にチェックマークを入力することで、被曝線量を示すカラーマップの表示対象の領域を自由に選択することができる。
図15に示すように、ユーザは複数の領域を同時に選択できても良く、複数の領域が選択された場合、割り当て機能52は、当該複数の領域を1つの領域としてカラーマップを生成する。即ち、割り当て機能52は、選択された複数の領域の被曝線量の最小値から最大値までの数値範囲をカラーマップの色範囲に適合させてカラーマップを生成する。
図16は、人体モデルにおいて選択された部位の被曝線量を領域毎に表示する第2の表示例を説明する模式図である。図16が図15と異なるのは、図16ではユーザが選択した領域が低線量照射領域(領域4)である点である。例えば、図16は、図15の表示D2において領域4にチェックマークが入力された場合を示している。
図16の右上の画像IMG5は、低線量照射領域(領域4)における被曝線量を示すカラーマップを重畳した画像である。凡例G4aは、低線量照射領域(領域4)における被曝線量の数値範囲にカラーマップの色範囲を適合させた表示である。したがって、画像IMG5のカラーマップは、500mGyから3000mGyの被曝線量の大小を識別的に表示している。なお、画像IMG5の中央の六角形の領域は、領域1乃至領域3を含む高線量照射領域HAであり、当該領域は表示D3において非選択であるため、当該領域の被曝線量の大小は、カラーマップには表現されない。
治療ターゲット領域TA以外の領域の被曝線量は、例えば、被検体の他の解剖学的部位に腫瘍などの疾患が生じ、放射線治療を適用しようとした場合、新たに治療が必要な領域について被曝線量が規定の上限値に達したか否かを検討する際に利用できる。この場合、割り当て機能52は、治療ターゲット領域TAに対する過去の治療で被曝した累積被曝線量に関する表示を生成してもよい。また、検査や他の疾患の診断などで被曝した線量を治療ターゲット領域TAに対する治療で被曝した累積被曝線量に加算して表示してもよい。
図17は、他の検査による被曝線量を加算した累積被曝線量を医用画像上に表示する表示例を説明する模式図である。図17の右側は、他の検査を示す表示D5である。図17の右上は、他の検査による被曝線量を2017/6/19に実施された放射線治療における被曝線量に加算した累積被曝線量を示すカラーマップを医用画像に重畳した画像IMG6である。図17の右下は、ユーザが選択した領域を示す表示D5である。表示D5では、低線量照射領域(領域4)が選択されている。
表示D4には、表示D5の放射線治療の治療実施日(2017/6/19)以前に同一の被検体に対して実施された3つの検査が表示されている。各検査は、放射線治療の治療ターゲット領域TAを撮像範囲に含む。表示D4の上段の検査1は、造影した肝臓をX線CT装置で撮像した検査を示し、中段の検査2は、造影した肝臓をX線アンギオ装置で撮像した検査を示し、下段の検査3は、非造影で胃をX線CT装置で撮像した検査である。なお、表示D4に表示される項目には、例えば、X線アンギオ装置を利用したインターベンション手術などの治療が含まれてもよい。
表示D4の各検査を示すチェックボックスにはチェックマークが示されている。チェックされた検査における被曝線量が領域4の被曝線量に加算されたカラーマップが重畳された画像IMG6が表示される。凡例G4bに示すように、画像IMG6は、他の検査における被曝線量を加算するため、領域4の被曝線量の数値範囲に余裕分を持たせてカラーマップの色範囲に関連付けされる。
各検査における被曝線量は、各検査で取得された医用画像と領域毎の被曝線量が関連付けされた医用画像とを位置合わせすることで算出される。即ち、各領域の画素毎の被曝線量に当該画素に位置的に対応する各検査で取得された医用画像の各画素の被曝線量が加算される。なお、各検査における各画素の被曝線量は、各検査の撮像条件に基づいて算出可能である。また、X線CT装置の場合、CTDI(CT dose index)と呼ばれる線量指標に基づいて被曝線量を算出してもよい。
また、割り当て機能52は、算出された累積被曝線量に基づいて、それぞれの領域についてこれ以上の放射線の照射が可能か否かを判定してもよい。また、割り当て機能52は、判定結果を示す表示を生成してもよい。例えば、割り当て機能52は、ユーザが医用画像上で指定した領域について、照射の可否を判定してもよい。さらに、割り当て機能52は、安全性の観点から定められている被曝線量の上限値までの放射線量(放射線量の上限値と累積線量との差)を表示してもよい。
以上が被検体の1回の放射線治療における照射線量や累積線量を領域毎に表示する表示例の説明である。なお、照射線量の表示は、1回の放射線治療における被曝線量に限定されない。例えば、複数の放射線治療における被曝線量を示すカラーマップを治療経過に沿って順次表示することで、放射線治療による治療ターゲットの経時的変化や被曝線量の経時的な分布を観察できる。
図18は、放射線治療の治療経過を表示すると共に放射線治療における累積被曝線量を医用画像上に表示する表示例を説明する模式図である。図18の上段は、放射線治療の治療スケジュールを示すタイムチャートを示す表示D6である。
図18の下段の左側は、治療2回目の治療ターゲット領域TA2の解剖学的形状を示す医用画像IMG7を示す。図18の下段の中央は、治療3回目の治療ターゲット領域TA3の解剖学的形状を示す医用画像IMG8を示す。治療ターゲット領域TAの解剖学的形状を示す医用画像は、各治療の開始前に撮像される。
図18の下段の右側は、治療開始時の治療ターゲット領域TA1の解剖学的形状を示す医用画像に治療1回目から治療3回目までの累積被曝線量を示すカラーマップを重畳した画像IMG9を示す。
表示D6のタイムチャートには、治療開始日から終了予定日までの治療日実施日又は治療予定日が示されている。治療開始日は、「2016/12/10」であり、例えば、この日に撮像した医用画像上で治療ターゲット領域TA1が決定される。1回目の治療日は、「2016/12/19」であり、その後、約3ヶ月おきに放射線治療を実施し、合計5回の治療を実施する治療スケジュールが示されている。
表示D6において、2回目及び3回目が線で囲まれ、その下に治療2回目の治療ターゲット領域TA2の解剖学的形状を示す医用画像IMG7と治療3回目の治療ターゲット領域TA3の解剖学的形状を示す医用画像IMG8とが示されている。このように、複数の治療結果を並べて表示することで、各治療による治療効果を比較することができる。また、医用画像IMG9には治療1回目から3回目(2016/12/19〜2017/6/19)までの累積被曝線量を示すカラーマップが表示され、被曝線量と治療効果との関係を検証することができる。
各画像は位置合わせされた上で一定の時間間隔で切り替えられて表示されてもよい。具体的には、表示D6の治療スケジュールのタイムチャートに沿って、治療効果を示す医用画像が順次表示されることで、治療ターゲット領域TAの大きさの変化を容易に観察できる。また、累積被曝線量を示すカラーマップが治療スケジュールのタイムチャートに沿って順次表示される。累積被曝線量を示すカラーマップは、時系列順に被曝線量が積算されて表示されてもよい。
また、治療効果を示す画像と累積被曝線量を示す画像とをタイムチャートに同期させて表示してもよい。このように、治療効果を示す画像と累積被曝線量を示す画像とを並べて表示することで、治療経過と被曝線量の変化とを合わせて観察することができる。
なお、図18は、治療効果を検証する場合を例として説明したが、当該表示態様は、治療効果を検証する場合には限定されない。例えば、図18の表示態様は、治療計画を作成する場合にも適用できる。
例えば、3回目の治療が終了し4回目の治療計画を行う場合について説明する。この場合、治療効果を示す画像として治療後に取得された医用画像に治療ターゲット領域TAが重畳された医用画像が表示される。より具体的には、2回目の治療が終了した後に取得された医用画像上に2回目の治療ターゲット領域TA2が重畳された医用画像が表示される。
2回目の治療ターゲット領域TA2が重畳された医用画像と3回目の治療ターゲット領域TA3が重畳された医用画像とを並べて表示することで、各治療における治療効果の違いを観察することができる。即ち、放射線治療によってどれだけ腫瘍が縮小したかを視覚的に確認することができる。治療経過に沿った累積被曝線量の経時的な変化と併せて観察することで、照射線量と治療効果とを比較することができる。
なお、図15乃至図18では、各表示が放射線量管理装置1のディスプレイ40に表示される例を示したが、治療計画装置5や他の装置上に表示されてもよい。また、割り当て機能52は、ユーザが実行中のアプリケーションの種類や、線量管理テーブル22に記憶されている領域毎の放射線量情報を使用しようとしているアプリケーションの種類に適合した表示を生成してもよい。具体的には、アプリケーションの種類に応じて、表示する領域を決定してもよい。又、アプリケーションの種類に応じて、各領域における被曝線量を累積するか、他の検査の被曝線量を累積するかといった表示する被曝線量の算出方法を決定してもよい。
また、割り当て機能52で生成された各表示は、例えば、読影レポートや電子カルテなどの医療情報に画像データとして添付してもよい。具体的には、被曝線量の分布を示すカラーマップに治療ターゲット領域を含む医用画像が重畳された画像をキー画像として読影レポートに表示できてもよい。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ダイナミックレンジが広くても放射線量の分布を識別することができる。
請求項の用語と実施形態との対応関係は、例えば以下の通りである。なお、以下に示す対応関係は、参考のために示した一解釈であり、本発明を限定するものではない。
上記実施形態における分割機能51a及び分割機能51bは、分割部及び分割手段の一例である。放射線量情報取得機能53は、放射線量情報取得部及び放射線量情報取得ステップの一例である。医用画像取得機能54は、医用画像取得部及び医用画像取得ステップの一例である。割り当て機能52は、割り当て部及び割り当てステップの一例である。記憶回路20は、記憶部の一例である。入力回路30は、入力部の一例である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 放射線量管理装置
22 線量管理テーブル
40 ディスプレイ
50 処理回路
51 分割機能
52 割り当て機能

Claims (11)

  1. 被検体の医用画像を取得する医用画像取得部と、
    前記医用画像に対応する前記被検体の放射線量を表す放射線量情報を取得する放射線量情報取得部と、
    前記医用画像を複数の領域に分割する分割部と、
    前記放射線量情報取得部によって取得された前記放射線量情報に基づいて、前記分割部によって分割された少なくとも一つの領域に、放射線量の分布を識別する線量識別情報を割り当てる割り当て部と、を備える、
    放射線量管理装置。
  2. 前記分割部は、前記放射線量情報取得部によって取得された前記放射線量情報に基づいて、前記医用画像を複数の領域に分割し、
    前記割り当て部は、前記分割部によって分割された少なくとも一つの領域に前記線量識別情報を割り当てる、
    請求項1に記載の放射線量管理装置。
  3. 前記分割部は、前記放射線を照射する領域を表す治療ターゲット領域情報を取得し、取得した前記治療ターゲット領域情報に基づいて前記医用画像から治療ターゲット領域を特定し、
    前記割り当て部は、前記治療ターゲット領域および当該領域以外の領域の少なくとも一方の領域に前記線量識別情報を割り当てる、
    請求項1または2に記載の放射線量管理装置。
  4. 前記分割部は、前記治療ターゲット領域を、治療が完了した治療完了領域と治療が未完了である治療未完了領域とに分割し、
    前記割り当て部は、前記治療完了領域および前記治療未完了領域の少なくとも一方の領域に前記線量識別情報を割り当てる、
    請求項3に記載の放射線量管理装置。
  5. 前記分割部は、前記医用画像の画素値に基づいて、前記治療ターゲット領域を前記治療完了領域と前記治療未完了領域とに分割する、
    請求項4に記載の放射線量管理装置。
  6. 前記分割部は、前記医用画像の画素値の経時変化に基づいて、前記治療ターゲット領域を前記治療完了領域と前記治療未完了領域とに分割する、
    請求項4に記載の放射線量管理装置。
  7. 前記分割部は、前記治療ターゲット領域の組織について予め定められた基準に基づいて、前記治療ターゲット領域を前記治療完了領域と前記治療未完了領域とに分割する、
    請求項4に記載の放射線量管理装置。
  8. 前記放射線量情報取得部は、放射線治療において治療ターゲットに治療用放射線を照射するための治療計画データに含まれる照射予定の放射線量情報、既に実施された放射線治療における照射済みの放射線量情報及び前記照射予定の放射線量情報及び前記照射済みの放射線量情報を合算した累積線量の何れかの放射線量情報を取得する、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載の放射線量管理装置。
  9. 解剖学的部位間の相対的な位置関係を含む人体モデルと前記領域毎の被曝線量とが関連付けて記憶される記憶部と、
    前記割り当て部は、人体モデルにおいて指定された位置に対応する前記被検体の医用画像を表示し、前記分割部によって分割された領域の中から少なくとも1以上の領域を選択し、選択した領域に割り当てた前記線量識別情報を前記医用画像に重畳させて表示する、
    請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線量管理装置。
  10. 前記割り当て部は、前記分割領域に割り当てられた線量識別情報を治療スケジュールに沿って取得された複数の医用画像に前記分割領域に割り当てられた線量識別情報が重畳された画像を、前記医用画像を取得したタイミングに基づいて順次表示する、
    請求項9に記載の放射線量管理装置。
  11. 被検体の医用画像を取得する医用画像取得ステップと、
    前記医用画像に対応する前記被検体の放射線量を表す放射線量情報を取得する放射線量情報取得ステップと、
    前記医用画像を複数の領域に分割する分割ステップと、
    前記放射線量情報取得ステップで取得された前記放射線量情報に基づいて、前記分割ステップによって分割された少なくとも一つの領域に、放射線量の分布を識別する線量識別情報を割り当てる割り当てステップと、
    を含む放射線量管理方法。
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