JP2019080147A - マイクロ波送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マグネトロンをマイクロ波増幅器として用い、且つ広帯域・高速の情報信号の送信を行うマイクロ波送信装置を提供する。また、情報信号の送信を低コストに構成できるようにしたマイクロ波送信装置を提供する。【解決手段】マイクロ波送信装置101は、マイクロ波を自励発振するマグネトロン11と、マグネトロン11に対して電源電圧を印加する電源回路10と、送信信号を周波数変調または位相変調して変調信号を発生する変調回路12と、変調信号をマグネトロン11に注入して、マグネトロン11の発振を変調信号に注入同期させる変調信号注入回路9と、マグネトロン11からの出力波を送信するアンテナ15と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ波で情報信号を送信する装置に関し、特に発信源にマグネトロンを用いたマイクロ波送信装置に関する。
一般に、マイクロ波発振器としてのマグネトロンは、マイクロ波半導体発振器と比較して、高効率、高出力、安価、軽量といった利点があり、電子レンジに代表されるマイクロ波加熱分野では専らマグネトロンが利用されている(特許文献1)。
一方、マグネトロンをマイクロ波エネルギー伝送におけるマイクロ波電力源として利用する研究が進められている(非特許文献1)。
特開2013−26023号公報 特開2002−43848号公報
三谷 友彦,篠原 真毅,宮田侑是,松嶋 孝明,"民生用CWマグネトロンの高機能化に関する研究開発",信学技報SPS2006-15 (2007-02),2007年
上述のとおり、従来、マグネトロンはマイクロ波加熱分野やマイクロ波エネルギー伝送におけるマイクロ波電力源として用いられてきたが、マイクロ波を情報送信用の電波として用いるためにマグネトロンを利用することは、これまで事例が無かった。
一般に、自励発振のマグネトロンは発振周波数が不安定、発生される雑音が大きい、位相・振幅の制御が困難、といった問題がある。過去の研究において、注入同期法とPLL(Phase-Locked Loop)によるアノード電流フィードバックを併用して発振周波数と位相を制御する位相制御マグネトロン(PCM : Phase Controlled Magnetron)が開発されている(特許文献2)。
このようなPCMを利用してマイクロ波の情報送信を行おうとしても、移相器の過渡応答特性の制限を受けて、フィードバックループの応答速度が遅いので、高い周波数での周波数変調または位相変調はできない。そのため、広帯域・高速の送信はできない。
また、マグネトロンのアノードに直流高電圧を印加する高電圧直流安定化電源回路を必要とするので、この電源回路が非常に高コストであり、マイクロ波発生装置全体が非常に高価格なものとなる。
本発明の目的は、マグネトロンをマイクロ波増幅器として用い、且つ広帯域・高速の情報信号の送信を行うマイクロ波送信装置を提供することにある。また、情報信号の送信を低コストに構成できるようにしたマイクロ波送信装置を提供することにある。
(1)本発明のマイクロ波送信装置は、
マイクロ波を自励発振するマグネトロンと、
前記マグネトロンに対して直流高電圧の電源電圧を印加する電源回路と、
送信信号を周波数変調または位相変調して変調信号を発生する変調回路と、
前記変調信号を前記マグネトロンに注入して、前記マグネトロンの発振を前記変調信号に注入同期させる変調信号注入回路と、
前記マグネトロンからの出力波を送信するアンテナと、
を備えることを特徴とする。
本発明において、「マイクロ波」はマグネトロンで発振可能な周波数帯である。例えば1GHz以上30GHz以下の周波数の電磁波である。または、ISM用周波数、例えば2.45GHz帯、5.8GHz帯、24.125GHz帯等である。
上記構成によれば、フィードバックループの応答速度の制限を受けないので、高い周波数での周波数変調または位相変調が可能となる。そのため、情報信号を広帯域・高速で送信できる。
(2)前記変調信号注入回路は、
前記変調信号を増幅する増幅回路と、
前記増幅回路の出力信号を前記マグネトロンへ注入し、前記マグネトロンからの出力波を前記アンテナへ導くサーキュレータと、
を備えることが好ましい。
上記構成により、マグネトロンへ変調信号を注入する回路を簡素に構成でき、例えば電子レンジ用やマイクロ波加熱用の一般的なマグネトロンをそのまま利用できるので、低コスト化できる。
(3)前記変調回路は、例えば、映像信号と音声信号を多重化した信号で前記送信信号を変調する回路である。
上記構成によれば、マイクロ波を用いたTV放送局側の装置として用いることができる。
(4)前記電源回路は、
1次側に入力される商用電源電圧を昇圧して2次側へ出力するトランスと、
前記トランスの2次側に接続された、2つのダイオードおよび2つのコンデンサを有する全波倍電圧整流回路と、
前記全波倍電圧整流回路の出力に直列接続されたインダクタと、
で構成されることが好ましい。
上記構成によれば、マグネトロンに対して直流高電圧の電源電圧を印加する電源回路を、高周波でスイッチングするDC/DCコンバータ方式のスイッチング電源回路に比べて非常に低コストに構成でき、且つ連続したマイクロ波を発生させることができるので、そのことでスプリアスの抑制されたマイクロ波で情報信号を送信できる。
本発明によれば、広帯域・高速で情報信号を送信できる。また、マグネトロンに対して直流高電圧の電源電圧を印加する電源回路を非常に低コストに構成でき、且つスプリアスの抑制されたマイクロ波で情報信号を送信できる。
図1は第1の実施形態に係るマイクロ波送信装置101の構成を示すブロック図である。 図2は第1の実施形態に係るマイクロ波受信装置201の構成を示すブロック図である。 図3は第1の実施形態に係る電源回路10の回路図である。 図4は、電源回路10から出力される直流高電圧の波形図である。 図5は、第1の実施形態に係るマグネトロン11の出力電力とアノード電圧の波形図である。 図6は第2の実施形態に係るマイクロ波送信装置102の構成を示すブロック図である。 図7は第2の実施形態に係るマイクロ波受信装置202の構成を示すブロック図である。 図8(A)は音声信号の波形図、図8(B)は映像信号の波形図、図8(C)は送信電波の周波数スペクトルを示す図である。 図9は、第3の実施形態に係るマイクロ波送信装置のマグネトロンから出力されるマイクロ波の周波数スペクトルを示す図である。 図10は、PCM方式のデジタル位相変調による通信装置の構成を示す図である。 図11は、PCM方式のアナログ位相変調による通信装置の構成を示す図である。 図12は、PCM方式のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。 図13は、位相制御マグネトロン110の構成を示す図である。 図14(A)、図14(B)は、比較例としての電源回路の回路図である。 図15(A)は、図14(A)に示す電源回路の出力電圧の波形図であり、図15(B)は、図14(B)に示す電源回路の出力電圧の波形図である。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るマイクロ波送信装置101の構成を示すブロック図であり、図2はマイクロ波受信装置201の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、マイクロ波送信装置101は、マグネトロン11と、電源回路10と、変調回路12と、変調信号注入回路9と、アンテナ15と、を備える。
マグネトロン11はマイクロ波を自励発振する。電源回路10はマグネトロン11に対して直流高電圧の電源電圧を印加する。
マグネトロン11は、フィラメント(ヒーター)により加熱されるカソードと、加熱されないアノードとを有する管と、管の軸方向に強力な磁場を形成する永久磁石とを備える。カソードは管の中央に配置され、アノードはカソードを囲むように配置されている。アノードには、カソードに対して正の高電圧が印加される。カソードをフィラメントで加熱すると熱電子が放出され、アノードとカソードとの間の電界により、熱電子はアノード方向へ加速される。このとき、管の軸方向の強力な磁場の影響で、熱電子は進行方向が曲げられる。この作用により、電子はカソードとアノードとの間の作用空間でサイクロイド曲線を描いて振動しながら周回運動を始める。アノードには規則的に形成された複数のキャビティがあるので、キャビティの開口部をサイクロイド振動している電子が通過すると、キャビティの共振周波数で定まるマイクロ波が発生する。こうして発生したマイクロ波は、スリットを介し、導波管型の伝送路で外部へ出力される。
変調回路12は、送信信号を入力し、この送信信号を周波数変調または位相変調して変調信号を発生する。変調信号注入回路9は、変調信号をマグネトロン11に注入して、マグネトロン11の発振を変調信号に同期させる。アンテナ15はマグネトロン11からの出力波を送信する。
変調信号注入回路9は、増幅回路13と、サーキュレータ14と、で構成されている。増幅回路13は変調信号を増幅する。サーキュレータ14は、増幅回路13の出力信号をマグネトロン11へ注入し、マグネトロン11からの出力波をアンテナ15へ導く。図1中のサーキュレータ14とマグネトロン11との間の導波路を介してサーキュレータ14からマグネトロン11へ注入信号Siが注入され、発振出力信号Soが出力される。
上記電源回路10は、例えば単相100V、単相200V、三相200V等の商用電源を入力して、マグネトロン11のアノードに例えば−3.6kVp〜−5.5kVpの直流高電圧を印加する。また、マグネトロンのフィラメントに例えば3V〜5Vの交流電圧を印加する。
マグネトロンの注入同期法は、マグネトロンの自励発振周波数に近い周波数を持った注入信号(基準信号)をマグネトロンに注入することにより、マグネトロンの発振周波数を注入信号の周波数にロックさせる方法である。ここで、周波数ロック幅をΔf、注入信号の周波数をf、注入信号Siの電力をPi、出力信号の電力をPo、マグネトロンの外部Q値をQe、でそれぞれ表すと、
Δf/f=(2/Qe)√(Pi/Po)
と示せる。このように、注入電力が大きい程、マグネトロンの発振周波数のロック幅は大きくなる。
本実施形態のマグネトロン11はパナソニック株式会社製2M236-M42であり、アノード電圧は−3.68kV、アノード電流は140mA、出力電力は309W、注入電力は5W、発振周波数は2.45GHz帯である。
図2に示すように、マイクロ波受信装置201は、アンテナ21と、増幅回路22と、復調回路23と、を備える。アンテナ21は上記マイクロ波送信装置101のアンテナ15から送信されたマイクロ波を受けて、受波信号を増幅回路22へ出力する。増幅回路22は受波信号を所定ゲインで増幅する。復調回路23はこの増幅された受波信号を上記周波数変調または位相変調に応じた方式で復調することで受信信号を出力する。
本実施形態のマイクロ波送信装置101においては、フィードバックループが無く、フィードバックループの応答速度の制限を受けないので、高い周波数での周波数変調または位相変調が可能となる。そのため、情報信号を広帯域・高速で送信できる。
また、マグネトロン11へ変調信号を注入する回路を簡素に構成でき、例えば電子レンジ用の一般的なマグネトロンをそのまま利用できるので、低コスト化できる。
図3は上記電源回路10の回路図である。この電源回路10は、トランスTと、全波倍電圧整流回路VDRと、インダクタLと、を備える。
トランスTは、1次巻線N1に入力される商用電源電圧を昇圧して第1の2次巻線N21へ出力する。また、トランスTは、1次巻線N1に入力される商用電源電圧を降圧して第2の2次巻線N22へ出力する。全波倍電圧整流回路VDRは、トランスTの2次巻線N21の出力電圧を全波倍電圧整流する。インダクタLは、全波倍電圧整流回路VDRの出力に直列接続され、その平滑作用によって全波倍電圧整流回路VDRの出力電圧リプルを抑制する。
図3において、マグネトロン11の発振開始電圧は−3.60kVである。コンデンサC1,C2のキャパシタンスはそれぞれ2.06μFに設定し、インダクタLのインダクタンスは15Hに設定した。
図4は、上記電源回路10から出力される直流高電圧の波形図である。破線はマグネトロン11の発振電圧を示している。図4に表れているように、マグネトロン11のアノードに印加される直流高電圧は商用電源周波数の2倍の周波数のリプルを含んでいるが、実質的に常に発振開始電圧を超えている(絶対値で超えている)。したがって、連続発振する。
図5は、マグネトロン11の出力電力とアノード電圧の波形図である。このように、アノード電圧に、商用電源周波数60Hzと、その2倍の周波数のリプルが発生するので、マイクロ波の出力電力は60Hzと120Hzの周期で変動するが、アノード電圧のリプル率は5%以下、と小さい。そのため、マイクロ波の長時間の平均出力電力は安定している。また、このように連続発振することで、放送または通信に用いる周波数帯以外の周波数成分(雑音)の発生が抑制される。
図14(A)、図14(B)は、比較例としての電源回路の回路図である。図15(A)は図14(A)に示す電源回路の出力電圧の波形図であり、図15(B)は図14(B)に示す電源回路の出力電圧の波形図である。
図14(A)は電子レンジに多用されている電源回路の例であり、トランスの2次側に半波整流回路が構成されている。図14(B)の例は、トランスの2次側に半波倍電圧整流回路が構成されている。
図14(A)に示す半波整流回路は、コンデンサCとダイオードDで構成されている。この半波整流回路の場合、図15(A)に表れているように、商用電源周波数の周期で発振開始電圧を下回る(絶対値で下回る)期間が生じて間欠発振する。このことで、発振周波数は大きく変化する。これはマグネトロンの発振周波数がアノード電流により変動するためである。つまり、マグネトロンの不連続発振により、マグネトロンのアノード電流が激しく変動することで発振周波数が大きく変動する。
図14(B)に示す半波倍電圧整流回路は、コンデンサC10,C20とダイオードD10,D20で構成されている。この半波倍電圧整流回路の場合、図14(B)に示すコンデンサC20のキャパシタンスを所定値以上に大きくすることで、出力電圧を発振開始電圧以上に維持することができる。この場合のコンデンサC20の所要キャパシタンスは
C=ΔQ/ΔV=I・Δt/ΔV
で表される。ここで、ΔQはコンデンサC20に蓄えられる電気量、ΔVは電源回路の出力リプル電圧、電流Iは電源回路の出力電流、ΔtはコンデンサC20の放電時間である。
商用電源周波数を60Hzとすると、放電時間は半周期の8msである。リプル電圧率を5%に設定すれば、マグネトロンのアノード電流が100mAのとき、コンデンサC20のキャパシタンスは約4.5μF必要である。また、このコンデンサC20の耐圧は4kV以上必要である。
本実施形態の電源回路10においては、図14(A)に示した半波整流回路を用いた場合とは異なり、マグネトロンを連続発振させることができる。また、本実施形態の電源回路10の整流回路は全波整流回路であるので、コンデンサの放電時間が短く、小さなキャパシタンスのコンデンサで、出力電圧のリプルを低減できる。更に、全波倍電圧整流回路の出力にインダクタLを直列接続しているので、出力電流が平滑化され、出力電圧のリプルは更に抑制される。また、コンデンサC1,C2それぞれの必要耐圧は、図14(B)に示したコンデンサC20の必要耐圧の半分に低減される。
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)高い周波数での周波数変調または位相変調が可能となり、情報信号を広帯域・高速で送信できる。
(2)例えば電子レンジ用やマイクロ波加熱用の一般的なマグネトロンをそのまま利用できるので、クライストロン、TWT、マイクロ波半導体発振器等に比べて、高出力のマイクロ波による情報送信装置を低コストに構成できる。また、70%以上の高いDC-RF変換効率でマイクロ波を発生させることができる。
(3)マグネトロンに対して直流高電圧の電源電圧を印加する電源回路を、高周波でスイッチングするDC/DCコンバータ方式のスイッチング電源回路に比べて非常に低コストに構成できる。例えば、マグネトロンのアノードに印加する直流高電圧を発生するスイッチング電源回路は数十万円から数百万円を要するのに対し、本実施形態の電源回路10は数千円程度で構成できる。
(4)低コストの電源回路を用いながらも、連続したマイクロ波を発生させることができるので、そのことでスプリアスの抑制されたマイクロ波で情報信号を送信できる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、映像信号と音声信号の放送および視聴を行うためのマイクロ波送信装置およびマイクロ波受信装置について示す。
図6は第2の実施形態に係るマイクロ波送信装置102の構成を示すブロック図であり、図7はマイクロ波受信装置202の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、マイクロ波送信装置102は、マグネトロン11と、電源回路10と、周波数変調回路12と、変調信号注入回路9と、アンテナ15と、を備える。
周波数変調回路12は、例えばNTSC信号等の映像信号およびステレオ音声信号を入力し、それらを周波数変調した変調信号を出力する。この周波数変調回路12は、輝度信号とクロマ信号とを合成した映像信号で映像信号搬送波を振幅変調した信号と、周波数変調したステレオ音声信号とを合成した信号である。このステレオ音声信号は、差信号で副搬送波を周波数変調した信号とパイロット信号とを和信号に多重化して周波数変調した信号である。
本実施形態では、マグネトロン11は、自励発振周波数が5.8GHz帯のマグネトロンである。また、アンテナ15はホーンアンテナである。その他の構成は図1に示したものと同じである。
図7に示すように、マイクロ波受信装置202は、アンテナ21と、増幅回路22と、周波数復調回路23と、再生出力装置24とを備える。
アンテナ21はホーンアンテナである。周波数復調回路23は、増幅回路22で増幅された受波信号を周波数変調に応じた方式で復調することで、映像信号およびステレオ音声信号を出力する。再生出力装置24は例えばテレビ受像機である。その他の構成は図2に示したものと同じである。
図8(A)は音声信号の波形図、図8(B)は映像信号の波形図、図8(C)は送信電波の周波数スペクトルを示す図である。
本実施形態で示したように、複数の信号を多重化して放送および視聴することもできる。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、マグネトロンのフィラメント制御によるスプリアス低減の例について示す。
図9はマグネトロンから出力されるマイクロ波の周波数スペクトルを示す図である。図9において、スペクトルSP1はフィラメントの通電を遮断した状態での発振信号の周波数スペクトルであり、スペクトルSP2は、フィラメントの通電を維持した状態での発振信号の周波数スペクトルである。
マイクロ波送信装置の構成は第1の実施形態で示したとおりである。その第1の実施形態で示したとおり、マグネトロンは連続発振させることができるので、マグネトロンのフィラメントの通電を遮断しても、フィラメント(カソード)の余熱によって発振は維持される。そして、発振後にフィラメントの通電を遮断することでマグネトロンの発振周波数は安定化する。このように、マグネトロンのカソードの温度が、フィラメントの通電を遮断しても電子放出可能な温度に達した後は、フィラメントの通電を遮断することで、送信されるマイクロ波のスプリアスが低減される。
このフィラメントの通電制御は、例えば図1に示した電源回路10に設ける。例えば、フィラメント用電源出力をスイッチ制御する回路と、フィラメントへの通電開始からの経過時間が所定時間を経過したことを検出して、その出力を遮断する制御回路とを設ける。
《他の実施形態》
以上に示した実施形態では、発振周波数が2.45GHz帯または5.8GHz帯のマグネトロンを用いる例を示したが、発振周波数はこれに限らない。その他の発振周波数のマグネトロンを用いることもできる。
以上に示した実施形態では、アナログ信号の周波数変調信号をマグネトロンに注入する例を示したが、搬送波周波数をデジタル信号で周波数変調または位相変調した変調信号をマグネトロンに注入することで、デジタル信号を送信するようにしてもよい。また、変調方式についても、単純な周波数変調や単純な位相変調に限らず、複数の副搬送波を用いるマルチキャリア変調であってもよい。例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)(直交周波数分割多重)であってもよい。
なお、図6等に示した例では、導波管型のサーキュレータ14とホーンアンテナ15を用いるので、マグネトロン11の出力部も導波管型であることが適しているが、マグネトロンに接続される回路が同軸型である場合には、そのマグネトロンの出力部の結合回路は電磁結合(ループ)型であってもよい。
《参考実施形態》
図3に示した電源回路10は、図1、図6等に示したマイクロ波送信装置のマグネトロンに対する電源回路に限らず、既に述べた位相制御マグネトロン(PCM)方式の電源回路にも適用できる。また、放送や通信に限らず、マイクロ波加熱装置におけるマグネトロンの電源回路にも適用できる。
図10は、PCM方式のデジタル位相変調による通信装置の構成を示す図である。この通信装置は、マイクロ波送信装置104とマイクロ波受信装置204とで構成される。マイクロ波送信装置104は、マグネトロン11と、このマグネトロン11に対する電源回路10とを備える。基準信号発生器5は基準周波数信号を発生し、分配器6は基準周波数信号の分配信号を第1移相器7および第2移相器8へ与える。第1移相器7は送信すべき二値の情報信号に応じて、分配器6から受けた信号をBPSK変調し、ミキサ(ダブル・バランスド・ミキサ)17にローカル信号Loとして与える。
方向性結合器16はサーキュレータ14から出力される送信波電力の一部を取り出してミキサ17へRF信号として与える。これにより、ミキサ17からはIF信号が出力される。このIF信号のうち、ローパスフィルタ18を通過する所定周波数帯の信号が制御回路19へ与えられる。制御回路19は、マグネトロン11から出力される信号の周波数と第1移相器7から出力される信号の周波数とが一致するように第2移相器8の移相量を制御する。増幅回路13は第2移相器8からの出力信号を増幅し、サーキュレータ14を介してマグネトロン11へ注入する。マグネトロン11から出力される主電力は、サーキュレータ14→方向性結合器16→アンテナ15の経路で伝播される。
マイクロ波受信装置204は、アンテナ21、基準信号発生器25、およびミキサ26で構成される。基準信号発生器25は基準周波数信号を発生する。アンテナ21で受けた受信信号は、ミキサ26で基準周波数信号と混合されることによって、情報信号に復調される。
図11は、PCM方式のアナログ位相変調による通信装置の構成を示す図である。この通信装置は、マイクロ波送信装置105とマイクロ波受信装置205とで構成される。マイクロ波送信装置105は、マグネトロン11と、このマグネトロン11に対する電源回路10とを備える。基準信号発生器5は基準周波数信号を発生し、分配器6は基準周波数信号の分配信号を第1移相器7および第2移相器8へ与える。第1移相器7は送信すべきアナログ信号に応じて、分配器6から受けた信号を位相変調し、ミキサ17にローカル信号Loとして与える。
PLL制御回路4は、ミキサ17から出力されたIF信号に基づいて、マグネトロン11から出力される信号の周波数と第1移相器7から出力される信号の周波数とが一致するように第2移相器8の移相量を制御する。その他の構成と作用は図10に示したものと同じである。
マイクロ波受信装置205は、アンテナ21、基準信号発生器25、ミキサ26、およびローパスフィルタ27で構成される。基準信号発生器25は基準周波数信号を発生する。アンテナ21で受けた受信信号は、ミキサ26で基準周波数信号と混合され、ローパスフィルタ27で不要周波数帯が除去されることによって、アナログ信号に復調される。
図10、図11のいずれの通信装置においても、電源回路10には、図3に示した全波倍電圧整流回路を備える電源回路を用いることができる。
図12は、PCM方式のマイクロ波加熱装置の構成を示す図である。このマイクロ波加熱装置は、基準信号発生器5と、複数の位相制御マグネトロン110A,110B・・・110Nと、合成器111と、加熱空間とを備えている。
位相制御マグネトロン110A,110B・・・110Nの出力は合成器111で電力合成されて、加熱空間内にマイクロ波が照射され、加熱空間内の被加熱物がマイクロ波加熱される。
上記位相制御マグネトロン110A,110B・・・110Nの構成は同じである。図13は上記位相制御マグネトロン110A,110B・・・110Nのうち一つの位相制御マグネトロン110の構成を示す図である。この位相制御マグネトロン110は、マグネトロン11と、このマグネトロン11に対する電源回路10とを備える。分配器6は外部から与えられる基準信号を分配してミキサ17へローカル信号Loとして与える。また、移相器8へ基準信号を与える。
PLL制御回路4は、ミキサ17から出力されたIF信号に基づいて、マグネトロン11から出力される信号の周波数と基準信号の周波数とが一致するように移相器8の移相量を制御する。その他の構成と作用は図11に示したものと同じである。
このようなマイクロ波加熱装置におけるマグネトロンの電源回路10にも、図3に示した全波倍電圧整流回路を備える電源回路を用いることができる。
C,C1,C2,C10,C20…コンデンサ
L…インダクタ
N1…1次巻線
N21…第1の2次巻線
N22…第2の2次巻線
Si…注入信号
So…発振出力信号
T…トランス
VDR…全波倍電圧整流回路
4…PLL制御回路
5…基準信号発生器
6…分配器
7…第1移相器
8…第2移相器、移相器
9…変調信号注入回路
10…電源回路
11…マグネトロン
12…変調回路,周波数変調回路
13…増幅回路
14…サーキュレータ
15…アンテナ
16…方向性結合器
17…ミキサ
18…ローパスフィルタ
19…制御回路
21…アンテナ
22…増幅回路
23…復調回路,周波数復調回路
24…再生出力装置
25…基準信号発生器
26…ミキサ
27…ローパスフィルタ
101,102,104,105…マイクロ波送信装置
110A,110B・・・110N…位相制御マグネトロン
111…合成器
201,202,204,205…マイクロ波受信装置

Claims (4)

  1. マイクロ波を自励発振するマグネトロンと、
    前記マグネトロンに対して電源電圧を印加する電源回路と、
    送信信号を周波数変調または位相変調して変調信号を発生する変調回路と、
    前記変調信号を前記マグネトロンに注入して、前記マグネトロンの発振を前記変調信号に注入同期させる変調信号注入回路と、
    前記マグネトロンからの出力波を送信するアンテナと、
    を備えるマイクロ波送信装置。
  2. 前記変調信号注入回路は、
    前記変調信号を増幅する増幅回路と、
    前記増幅回路の出力信号を前記マグネトロンへ注入し、前記マグネトロンからの出力波を前記アンテナへ導くサーキュレータと、
    を備える、請求項1に記載のマイクロ波送信装置。
  3. 前記変調回路は、映像信号と音声信号を多重化した信号で前記送信信号を変調する回路である、請求項1または2に記載のマイクロ波送信装置。
  4. 前記電源回路は、
    1次側に入力される商用電源電圧を昇圧して2次側へ出力するトランスと、
    前記トランスの2次側に接続された、2つのダイオードおよび2つのコンデンサを有する全波倍電圧整流回路と、
    前記全波倍電圧整流回路の出力に直列接続されたインダクタと、
    で構成される、請求項1から3のいずれかに記載のマイクロ波送信装置。
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