JP2019079640A - 有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光の均一性や視野角特性を改善することの可能な有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態の有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えている。第1電極の端部は、第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している。【選択図】図6
Description
本開示は、有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法に関する。
インクジェット装置を用いて、有機電界発光素子を画素ごとに形成することにより、有機電界発光パネルを製造する方法が知られている。この方法で、有機電界発光パネルを製造する際、インクを滴下するパネルには、各画素を区画するバンクが設けられている(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、インクをパネルに滴下した際に、インクの一部がバンクの側面に濡れ広がり、インクの表面にメニスカスが形成されることがある。その場合、インク層において、バンク近傍が極端に厚くなり、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりする。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することの可能な有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法を提供することが望ましい。
本開示の一実施形態の有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えている。第1電極の端部は、第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している。
本開示の一実施形態の有機電界発光パネルは、画素ごとに有機電界発光素子を備えている。各有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有している。第1電極の端部は、第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している。
本開示の一実施形態の有機電界発光装置は、画素ごとに有機電界発光素子を有する発光パネルと、発光パネルを駆動する駆動回路とを備えている。有機電界発光装置における発光パネルは、上記の有機電界発光パネルと同一の構成要素を有している。
本開示の一実施形態の有機電界発光素子の製造方法は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えた有機電界発光素子の製造方法である。この製造方法は、第1電極の端部の表面を、第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化することを含んでいる。
本開示の一実施形態の有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法によれば、第1電極の端部の表面を、第1電極に対する酸化処理によって高抵抗にしたので、有機層のうち、第1電極の端部と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。これにより、製造過程で有機層を塗布により形成したときに、第1電極の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置)
2.変形例(有機電界発光素子)
3.適用例(電子機器、照明装置)
1.実施の形態(有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置)
2.変形例(有機電界発光素子)
3.適用例(電子機器、照明装置)
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る有機電界発光装置1の概略構成の一例を表したものである。図2は、有機電界発光装置1に設けられた各画素11の回路構成の一例を表したものである。有機電界発光装置1は、例えば、有機電界発光パネル10、コントローラ20およびドライバ30を備えている。ドライバ30は、有機電界発光パネル10の外縁部分に実装されている。有機電界発光パネル10は、行列状に配置された複数の画素11を有している。コントローラ20およびドライバ30は、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づいて、有機電界発光パネル10(複数の画素11)を駆動する。
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る有機電界発光装置1の概略構成の一例を表したものである。図2は、有機電界発光装置1に設けられた各画素11の回路構成の一例を表したものである。有機電界発光装置1は、例えば、有機電界発光パネル10、コントローラ20およびドライバ30を備えている。ドライバ30は、有機電界発光パネル10の外縁部分に実装されている。有機電界発光パネル10は、行列状に配置された複数の画素11を有している。コントローラ20およびドライバ30は、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づいて、有機電界発光パネル10(複数の画素11)を駆動する。
(有機電界発光パネル10)
有機電界発光パネル10は、コントローラ20およびドライバ30によって各画素11がアクティブマトリクス駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づく画像を表示する。有機電界発光パネル10は、行方向に延在する複数の走査線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTLおよび複数の電源線DSLと、行列状に配置された複数の画素11とを有している。
有機電界発光パネル10は、コントローラ20およびドライバ30によって各画素11がアクティブマトリクス駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づく画像を表示する。有機電界発光パネル10は、行方向に延在する複数の走査線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTLおよび複数の電源線DSLと、行列状に配置された複数の画素11とを有している。
走査線WSLは、各画素11の選択に用いられるものであり、各画素11を所定の単位(例えば画素行)ごとに選択する選択パルスを各画素11に供給するものである。信号線DTLは、映像信号Dinに応じた信号電圧Vsigの、各画素11への供給に用いられるものであり、信号電圧Vsigを含むデータパルスを各画素11に供給するものである。電源線DSLは、各画素11に電力を供給するものである。
複数の画素11は、例えば、赤色光を発する複数の画素11、緑色光を発する複数の画素11および青色光を発する複数の画素11で構成されている。なお、複数の画素11は、例えば、さらに、他の色(例えば、白色や、黄色など)を発する複数の画素11を含んで構成されていてもよい。
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ31の出力端に接続されている。各画素列には、例えば、複数の信号線DTLが1本ずつ、割り当てられている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ32の出力端に接続されている。各画素行には、例えば、複数の走査線WSLが1本ずつ、割り当てられている。各電源線DSLは、電源の出力端に接続されている。各画素行には、例えば、複数の電源線DSLが1本ずつ、割り当てられている。
各画素11は、例えば、画素回路11−1と、有機電界発光素子11−2とを有している。有機電界発光素子11−2の構成については、後に詳述する。
画素回路11−1は、有機電界発光素子11−2の発光・消光を制御する。画素回路11−1は、後述の書込走査によって各画素11に書き込んだ電圧を保持する機能を有している。画素回路11−1は、例えば、駆動トランジスタTr1、書込トランジスタTr2および保持容量Csを含んで構成されている。
書込トランジスタTr2は、駆動トランジスタTr1のゲートに対する、映像信号Dinに対応した信号電圧Vsigの印加を制御する。具体的には、書込トランジスタTr2は、信号線DTLの電圧をサンプリングするとともに、サンプリングにより得られた電圧を駆動トランジスタTr1のゲートに書き込む。駆動トランジスタTr1は、有機電界発光素子21−2に直列に接続されている。駆動トランジスタTr1は、有機電界発光素子21−2を駆動する。駆動トランジスタTr1は、書込トランジスタTr2によってサンプリングされた電圧の大きさに応じて有機電界発光素子11−2に流れる電流を制御する。保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に所定の電圧を保持するものである。保持容量Csは、所定の期間中に駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsを一定に保持する役割を有する。なお、画素回路11−1は、上述の2Tr1Cの回路に対して各種容量やトランジスタを付加した回路構成となっていてもよいし、上述の2Tr1Cの回路構成とは異なる回路構成となっていてもよい。
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ31の出力端と、書込トランジスタTr2のソースまたはドレインとに接続されている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ32の出力端と、書込トランジスタTr2のゲートとに接続されている。各電源線DSLは、電源回路の出力端と、駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインに接続されている。
書込トランジスタTr2のゲートは、走査線WSLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースまたはドレインが信号線DTLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースおよびドレインのうち信号線DTLに未接続の端子が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインが電源線DSLに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち電源線DSLに未接続の端子が有機電界発光素子11−2の陽極11に接続されている。保持容量Csの一端が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。保持容量Csの他端が駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち有機電界発光素子11−2側の端子に接続されている。
(ドライバ30)
ドライバ30は、例えば、水平セレクタ31およびライトスキャナ32を有している。水平セレクタ31は、例えば、制御信号の入力に応じて(同期して)、コントローラ20から入力されたアナログの信号電圧Vsigを、各信号線DTLに印加する。ライトスキャナ32は、複数の画素11を所定の単位ごとに走査する。
ドライバ30は、例えば、水平セレクタ31およびライトスキャナ32を有している。水平セレクタ31は、例えば、制御信号の入力に応じて(同期して)、コントローラ20から入力されたアナログの信号電圧Vsigを、各信号線DTLに印加する。ライトスキャナ32は、複数の画素11を所定の単位ごとに走査する。
(コントローラ20)
次に、コントローラ20について説明する。コントローラ20は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号Dinに対して所定の補正を行い、それにより得られた映像信号に基づいて、信号電圧Vsigを生成する。コントローラ20は、例えば、生成した信号電圧Vsigを水平セレクタ41に出力する。コントローラ20は、例えば、外部から入力された同期信号Tinに応じて(同期して)、ドライバ30内の各回路に対して制御信号を出力する。
次に、コントローラ20について説明する。コントローラ20は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号Dinに対して所定の補正を行い、それにより得られた映像信号に基づいて、信号電圧Vsigを生成する。コントローラ20は、例えば、生成した信号電圧Vsigを水平セレクタ41に出力する。コントローラ20は、例えば、外部から入力された同期信号Tinに応じて(同期して)、ドライバ30内の各回路に対して制御信号を出力する。
次に、図3、図4、図5を参照して、有機電界発光素子11−2について説明する。図3は、有機電界発光パネル10の概略構成例を表したものである。図4は、図3の有機電界発光パネル10のA−A線での断面構成例を表したものである。図5は、図3の有機電界発光パネル10のB−B線での断面構成例を表したものである。
有機電界発光パネル10は、行列状に配置された複数の画素11を有している。複数の画素11は、例えば、上述したように、赤色光を発する画素11(11R)、緑色光を発する画素11(11G)、および青色光を発する画素11(11B)を含んで構成されている。複数の画素11において、例えば、画素11R、画素11Gおよび画素11Bが、カラー表示における画素(カラー画素12)を構成している。
画素11Rは、赤色の光を発する有機電界発光素子11−2(11r)を含んで構成されている。画素11Gは、緑色の光を発する有機電界発光素子11−2(11g)を含んで構成されている。画素11Bは、青色の光を発する有機電界発光素子11−2(11b)を含んで構成されている。画素11R,11G,11Bは、例えば、ストライプ配列となっている。各画素11において、例えば、画素11R,11G,11Bが、列方向に並んで配置されている。さらに、各画素行において、例えば、同一色の光を発する複数の画素11が、行方向に一列に並んで配置されている。
有機電界発光パネル10は、基板21上に、行方向に延在する複数のラインバンク13と、列方向に延在する複数のバンク14とを有している。複数のラインバンク13および複数のバンク14は、有機電界発光パネル10の画素領域を区画する。複数のラインバンク13は、各カラー画素12において、各画素11を区画する。複数のバンク14は、各画素行において、各画素11を区画する。つまり、各画素11は、複数のラインバンク13および複数のバンク14によって区画されている。各バンク14は、列方向において互いに隣接する2つのラインバンク13の間に設けられている。各バンク14の両端部が、列方向において互いに隣接する2つのラインバンク13に連結されている。
基板21は、例えば、各有機電界発光素子11−2や、各ラインバンク13、各バンク14などを支持する基材と、基材上に設けられた配線層とによって構成されている。基板21内の基材は、例えば、ガラス基板、またはフレキシブル基板などによって構成されている。基板21内の配線層には、例えば、各画素11の画素回路11−1が形成されている。基板21は、複数のバンク14の底面に接するとともに複数のバンク14を支持している。
ラインバンク13およびバンク14は、例えば、絶縁性の有機材料を含んで構成されている。絶縁性の有機材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられる。ラインバンク13およびバンク14は、例えば、耐熱性、溶媒に対する耐性を持つ絶縁性樹脂によって形成されていることが好ましい。ラインバンク13およびバンク14は、例えば、絶縁性樹脂をフォトリソグラフィおよび現像によって所望のパターンに加工することによって形成される。ラインバンク13の断面形状は、例えば、図4に示したような順テーパ型であってもよく、裾が狭くなった逆テーパ型であってもよい。バンク14の断面形状は、例えば、図5に示したような順テーパ型であってもよく、裾が狭くなった逆テーパ型であってもよい。
互いに平行で、かつ互いに隣接する2つのラインバンク13および両端のバンク14によって囲まれた領域が、溝部15なっている。さらに、互いに平行で、かつ互いに隣接する2つのラインバンク13と、互いに平行で、かつ互いに隣接する2つのバンク14によって囲まれた領域が、画素11に相当する。つまり、各有機電界発光素子11−2は、互いに平行で、かつ互いに隣接する2つのラインバンク13と、互いに平行で、かつ互いに隣接する2つのバンク14によって囲まれた領域に1つずつ配置されている。
各有機電界発光素子11−2は、例えば、発光層25と、発光層25を挟み込むように配置された、陽極22および陰極28を備えている。陽極22は、本開示の「第1電極」の一具体例に相当する。陰極28は、本開示の「第2電極」の一具体例に相当する。有機電界発光素子11−2は、例えば、さらに、陽極22と、発光層25との間に、正孔注入層23および正孔輸送層24を陽極22側からこの順に備えている。なお、正孔注入層23および正孔輸送層24のうち少なくとも一方が省略されていてもよい。有機電界発光素子11−2は、例えば、さらに、発光層25と、陰極28との間に、電子輸送層26および電子注入層27を発光層25側からこの順に備えている。なお、電子輸送層26および電子注入層27のうち少なくとも一方が省略されていてもよい。有機電界発光素子11−2は、例えば、陽極22、正孔注入層23、正孔輸送層24、発光層25、電子輸送層26、電子注入層27および陰極28を基板21側からこの順に含んで構成された素子構造となっている。有機電界発光素子11−2において、さらに他の機能層が含まれていてもよい。
陽極22は、例えば、基板21の上に形成されている。陽極22は、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムもしくは銀の合金等、または、反射性を有する反射電極である。なお、陽極22は、反射電極に限るものではなく、例えば、透光性を有する透明電極であってもよい。透明電極の材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性材料が挙げられる。陽極22は、反射電極と透明電極とが積層されたものであってもよい
正孔注入層23は、陽極22から注入された正孔を正孔輸送層24、発光層25へ注入する機能を有する。正孔注入層23は、例えば、陽極22の表面に接して設けられている。正孔注入層23は、正孔注入性を有する有機材料によって構成されている。正孔注入性を有する有機材料としては、例えば、PEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料などが挙げられる。正孔注入層23は、例えば、有機材料の塗布膜で構成されている。正孔注入層23は、例えば、有機材料を溶質とする溶液の塗布および乾燥により形成されている。正孔注入層23は、蒸着膜で構成されていてもよい。
正孔輸送層24は、陽極22から注入された正孔を発光層25へ輸送する機能を有する。正孔輸送層24は、例えば、陽極22から注入された正孔を発光層25へ輸送する機能を有する材料(正孔輸送性材料)によって構成されている。上記の正孔輸送性材料としては、例えば、アリールアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン化合物、ポリスチレン誘導体、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、テトラフェニルベンジン誘導体等、または、これらの組み合わせからなる材料が挙げられる。
発光層25は、陽極22から注入された正孔と、陰極28から注入された電子とが、発光層25内で再結合することで励起子が生成されて発光する層である。発光層25は、例えば、有機発光材料によって構成されている。発光層25は、例えば、塗布膜であり、例えば、有機発光材料を溶質とする溶液の塗布および乾燥により形成されている。発光層25は、蒸着膜で構成されていてもよい。
発光層25の原料(材料)である有機発光材料は、例えば、ホスト材料とドーパント材料とが組み合わされた材料である。発光層25の原料(材料)である有機発光材料は、ドーパント材料単独であってもよい。ホスト材料は、主に電子又は正孔の電荷輸送の機能を担っており、ドーパント材料は、発光の機能を担っている。ホスト材料およびドーパント材料は1種類のみに限られるものではなく、2種類以上の組み合わせであってもよい。
発光層25のホスト材料としては、例えば、アミン化合物、縮合多環芳香族化合物、ヘテロ環化合物が用いられる。アミン化合物としては、例えば、モノアミン誘導体、ジアミン誘導体、トリアミン誘導体、テトラアミン誘導体が用いられる。縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン誘導体、ナフタレン誘導体、ナフタセン誘導体、フェナントレン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、トリフェニレン誘導体、ペンタセン誘導体、または、ペリレン誘導体等が挙げられる。ヘテロ環化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、フラン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロール誘導体、インドール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、または、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。
また、発光層25のドーパント材料としては、例えば、ピレン誘導体、フルオランテン誘導体、アリールアセチレン誘導体、フルオレン誘導体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラセン誘導体、または、クリセン誘導体が用いられる。また、発光層25の蛍光ドーパント材料としては、金属錯体が用いられてもよい。金属錯体としては、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、金(Au)、レニウム(Re)、もしくは、ルテニウム(Ru)等の金属原子と配位子とを有するものが挙げられる。
電子輸送層26は、陰極28から注入された電子を発光層25へ輸送する機能を有する。電子輸送層26は、例えば、陰極28から注入された電子を発光層25へ輸送する機能を有する材料(電子輸送性材料)を含んで構成されている。電子輸送層26は、例えば、蒸着膜またはスパッタ膜で構成されている。電子輸送層26は、塗布膜で構成されていてもよい。電子輸送層26は、発光層25から陰極28への電荷(本実施の形態では正孔)の突き抜けを抑制する電荷ブロック機能や、発光層25の励起状態の消光を抑制する機能等を有していることが好ましい。
上記の電子輸送性材料は、例えば、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物である。芳香族ヘテロ環化合物としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ベンズイミダゾール環、フェナントロリン環、キナゾリン環等を骨格に含む化合物が挙げられる。上記の電子輸送性材料には、電子輸送性を有する金属がドープされている場合がある。この場合、電子輸送層26は、ドープ金属を含む有機電子輸送層である。電子輸送性を有する金属が電子輸送層26に含まれていることで、電子輸送層26の電子輸送性を向上できる。電子輸送層26に含まれるドープ金属としては、例えば、Yb(イッテルビウム)などの遷移金属が挙げられる。
電子注入層27は、陰極28から注入された電子を電子輸送層26、発光層25へ注入する機能を有する。電子注入層27は、例えば、陰極28から電子輸送層26、発光層25への電子の注入を促進させる機能を有する材料(電子注入性材料)によって構成されている。上記の電子注入性材料は、例えば、電子注入性を有する有機材料に、電子注入性を有する金属がドープされたものであってもよい。電子注入層27に含まれるドープ金属は、例えば、電子輸送層26に含まれるドープ金属と同じ金属である。
陰極28は、例えば、ITO膜等の透明電極である。なお、陰極28は、透明電極に限るものではなく、光反射性を有する反射電極であってもよい。反射電極の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が用いられる。本実施の形態において、基板21及び陽極22が反射性を有し、陰極28が透光性を有している場合には、有機電界発光素子11−2は、陰極28側から光が放出するトップエミッション構造となっている。なお、本実施の形態において、基板21及び陽極22が透光性を有し、陰極28が反射性を有している場合には、有機電界発光素子11−2は、基板21側から光が放出するボトムエミッション構造となっている。
次に、図6を参照して、陽極22について説明する。図6は、図3の各画素11に含まれる有機電界発光素子11−2の断面構成例を拡大して表したものである。
本実施の形態では、陽極22の端部の表面(陰極28側の表面であって、かつ陽極22の端部に接する領域の表面)が、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化されている。陽極22がAl合金で構成されている場合、酸化処理としては、例えば、熱酸化処理、または、酸素プラズマ処理などが挙げられる。陽極22は、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化された高抵抗領域22Aを、陽極22の端部の表面に有している。陽極22がAl合金で構成されている場合、高抵抗領域22Aは、Al合金の酸化物で構成されている。陽極22の表面において、高抵抗領域22A以外の領域は、高抵抗領域22Aのような酸化処理(もしくは高抵抗化処理)のなされていない領域、または、高抵抗領域22Aよりも程度の低い酸化処理(もしくは高抵抗化処理)しかなされていない領域を指している。また、陽極22の表面において、高抵抗領域22Aは、それ以外の領域の平均抵抗値よりも高い平均抵抗値を有する領域を指している。
陽極22の表面がラインバンク13に接している場合には、高抵抗領域22Aは、陽極22の表面のうち、少なくともラインバンク13に接する箇所に設けられている。陽極22の表面がさらにバンク14にも接している場合には、高抵抗領域22Aは、陽極22の表面のうち、少なくともラインバンク13およびバンク14に接する箇所に設けられている。高抵抗領域22Aは、例えば、陽極22の表面のうち、外縁全体に設けられている。高抵抗領域22Aは、陽極22の端部の表面(陰極28側の表面)だけでなく、陽極22の端部の端面の全体または一部にも設けられていてもよい。
高抵抗領域22Aは、例えば、発光層25における平坦領域αと非対向の領域全体に設けられている。高抵抗領域22Aは、さらに、例えば、平坦領域αと非対向の領域から、平坦領域αの外縁部分と対向する領域に渡って設けられていてもよい。ここで、平坦領域αとは、発光層25の表面(陰極28側の表面)の中央位置の高さ(陽極22の表面からの高さ)を基準として、その基準となる高さから±10%の範囲内の高さにある領域を指している。高抵抗領域22Aは、例えば、陽極22の端部の表面のうち、ラインバンク13やバンク14と対向する領域にも形成されている。なお、高抵抗領域22Aは、陽極22の端部の表面のうち、ラインバンク13やバンク14と対向する領域での形成が省略されていてもよい。つまり、高抵抗領域22Aは、陽極22の端部の表面のうちラインバンク13やバンク14と接する領域に形成されている必要はない。
高抵抗領域22Aの厚さは、高抵抗領域22Aの厚さ方向の抵抗値が陽極22の中央部分での抵抗値よりも十分に高くなる範囲内の値となっており、例えば、3nmとなっている。高抵抗領域22Aは、陽極22の端部の表面(陰極28側の表面)だけでなく、陽極22の端部の端面にも設けられていてもよい。このとき、高抵抗領域22Aは、陽極22の端部の端面のうち、少なくとも陽極22の端部の表面(陰極28側の表面)寄りの領域に設けられている。
次に、図7を参照して、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順について説明する。図7は、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順の一例を表したものである。
まず、陽極22上の所定の箇所にレジスト層110を形成する(図7(A))。「所定の箇所」とは、例えば、陽極22の表面のうち、外縁を除いた領域を指している。次に、レジスト層110をマスクとして、陽極22に対して酸化処理を行う(図7(B))。これにより、陽極22の端部の表面を、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化する。ここで、陽極22がAl合金で構成されている場合には、陽極22の端部に対して上記酸化処理を行うことにより、陽極22の端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させる。その結果、陽極22の端部の表面に高抵抗領域22Aが形成される。その後、レジスト層110を除去する(図7(C))。このようにして、陽極22の端部の表面に高抵抗領域22Aを製造する。
[効果]
次に、本実施の形態の有機電界発光装置1の効果について説明する。
次に、本実施の形態の有機電界発光装置1の効果について説明する。
インクジェット装置を用いて、有機電界発光素子を画素ごとに形成することにより、有機電界発光パネルを製造する方法が知られている。この方法で、有機電界発光パネルを製造する際、インクを滴下するパネルには、各画素を区画するバンクが設けられている。
ところで、インクをパネルに滴下した際に、インクの一部がバンクの側面に濡れ広がり、インクの表面にメニスカスが形成されることがある。その場合、インク層において、バンク近傍が極端に厚くなり、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりする。
一方、本実施の形態では、陽極22の端部の表面が、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化されている。これにより、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
また、本実施の形態において、陽極22がAl合金で構成され、陽極22の端部の表面(高抵抗領域22A)がAl合金の酸化物で構成されている場合には、高抵抗領域22Aの抵抗値を十分に高くすることができる。これにより、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
<2.変形例>
以下に、上記実施の形態の有機電界発光素子11−1の変形例について説明する。
以下に、上記実施の形態の有機電界発光素子11−1の変形例について説明する。
[変形例A]
図8は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。
図8は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。
次に、図9を参照して、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順について説明する。図9は、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順の一例を表したものである。
まず、陽極22上の所定の箇所にレジスト層110を形成する(図9(A))。「所定の箇所」とは、例えば、陽極22の表面のうち、外縁を除いた領域を指している。次に、レジスト層110をマスクとして、陽極22に対して酸化処理を行う(図9(B))。これにより、陽極22の端部の表面を、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化する。このとき、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。例えば、酸化処理に伴って陽極22が体積膨張を起こす条件で、陽極22に対して酸化処理を行う。ここで、陽極22がAl合金で構成されている場合には、陽極22の端部に対して上記酸化処理を行うことにより、陽極22の端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させるとともに、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。その結果、陽極22の端部の表面に高抵抗領域22Aが形成され、さらに、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなる。その後、レジスト層110を除去する(図9(C))。このようにして、陽極22の端部の表面に高抵抗領域22Aを製造する。
本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。従って、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が厚くなった分だけ、メニスカスに溜まるインク量を減らすことができる。
[変形例B]
図10は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22が、Al合金層22aおよびITO層22bの積層体で構成されている。ITO層22bは、Al合金層22aの表面のうち、Al合金層22aの端部以外の表面に接して形成されており、Al合金層22aの端部の表面を避けて形成されている。Al合金層22aの端部のうち、ITO層22bによって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物(高抵抗領域22A)で構成されている。
図10は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22が、Al合金層22aおよびITO層22bの積層体で構成されている。ITO層22bは、Al合金層22aの表面のうち、Al合金層22aの端部以外の表面に接して形成されており、Al合金層22aの端部の表面を避けて形成されている。Al合金層22aの端部のうち、ITO層22bによって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物(高抵抗領域22A)で構成されている。
次に、図11を参照して、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順について説明する。図11は、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順の一例を表したものである。
まず、Al合金層22aの表面全体にITO層22bを形成する(図11(A))。次に、ITO層22b上の所定の箇所にレジスト層110を形成する(図11(B))。「所定の箇所」とは、例えば、ITO層22bの表面のうち、外縁を除いた領域を指している。次に、レジスト層110をマスクとして、ITO層22bを選択的にエッチングする(図11(C))。これにより、Al合金層22aの端部の表面が露出する。
続いて、レジスト層110を残したままで、Al合金層22aに対して酸化処理を行う(図11(D))。これにより、Al合金層22aの端部の表面を、Al合金層22aに対する酸化処理によって高抵抗化する。これにより、Al合金層22aの端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させる。その結果、Al合金層22aの端部の表面に高抵抗領域22Aが形成される(図11(E))。その後、レジスト層110を除去する(図11(F))。このようにして、陽極22の端部(Al合金層22aの端部)の表面に高抵抗領域22Aを製造する。
本変形例では、陽極22の端部(Al合金層22aの端部)の表面が、陽極22の端部に対する酸化処理によって高抵抗化されている。これにより、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
[変形例C]
図12は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。例えば、製造過程において、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。例えば、酸化処理に伴って陽極22が体積膨張を起こす条件で、陽極22に対して酸化処理を行う。
図12は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。例えば、製造過程において、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。例えば、酸化処理に伴って陽極22が体積膨張を起こす条件で、陽極22に対して酸化処理を行う。
本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。従って、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が厚くなった分だけ、メニスカスに溜まるインク量を減らすことができる。
[変形例D]
図13は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22が、Al合金層22aおよびWOx層22cの積層体で構成されている。WOx層22cは、Al合金層22aの表面に形成されており、Al合金層22aの端部の表面を避けて形成されている。Al合金層22aの端部のうち、WOx層22cによって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物(高抵抗領域22A)で構成されている。
図13は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22が、Al合金層22aおよびWOx層22cの積層体で構成されている。WOx層22cは、Al合金層22aの表面に形成されており、Al合金層22aの端部の表面を避けて形成されている。Al合金層22aの端部のうち、WOx層22cによって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物(高抵抗領域22A)で構成されている。
次に、図14を参照して、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順について説明する。図14は、陽極22への高抵抗領域22Aの製造手順の一例を表したものである。
まず、Al合金層22aの表面全体にW層22dを形成する(図14(A))。次に、W層22d上の所定の箇所にレジスト層110を形成する(図14(B))。「所定の箇所」とは、例えば、W層22dの表面のうち、外縁を除いた領域を指している。次に、レジスト層110をマスクとして、W層22dを選択的にエッチングする(図14(C))。これにより、Al合金層22aの端部の表面が露出する。
続いて、レジスト層110を除去した上で、W層22dおよびAl合金層22aに対して酸化処理を行う(図14(D))。これにより、W層22dをWOx層22cに変化させるとともに、Al合金層22aの端部の表面を、Al合金層22aに対する酸化処理によって高抵抗化する。これにより、Al合金層22aの端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させる。その結果、Al合金層22aの端部の表面に高抵抗領域22Aが形成される(図11(E))。このようにして、陽極22の端部(Al合金層22aの端部)の表面に高抵抗領域22Aを製造する。
本変形例では、陽極22の端部(Al合金層22aの端部)の表面が、陽極22の端部に対する酸化処理によって高抵抗化されている。これにより、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
[変形例E]
図15は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。例えば、製造過程において、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。例えば、酸化処理に伴って陽極22が体積膨張を起こす条件で、陽極22に対して酸化処理を行う。
図15は、本変形例に係る有機電界発光素子11−1の断面構成例を表したものである。本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。例えば、製造過程において、陽極22の端部の膜厚を、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くする。例えば、酸化処理に伴って陽極22が体積膨張を起こす条件で、陽極22に対して酸化処理を行う。
本変形例では、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が、酸化処理に伴う体積膨張によって、陽極22の中央部分よりも厚くなっている。従って、陽極22の端部(高抵抗領域22A)の膜厚が厚くなった分だけ、メニスカスに溜まるインク量を減らすことができる。
[変形例F]
上記実施の形態および変形例A〜Eでは、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化されていた。しかし、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が、陽極22に対する、酸化処理以外の処理によって高抵抗化されていてもよい。このようにした場合であっても、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
上記実施の形態および変形例A〜Eでは、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が、陽極22に対する酸化処理によって高抵抗化されていた。しかし、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が、陽極22に対する、酸化処理以外の処理によって高抵抗化されていてもよい。このようにした場合であっても、発光層25のうち、陽極22の端部(高抵抗領域22A)と対向する箇所で発光がほとんど起こらない。その結果、製造過程で発光層25を塗布により形成したときに、陽極22の端部と対向する箇所が極端に厚くなった場合であっても、発光の均一性が損なわれたり、視野角特性が悪化したりするおそれがない。従って、発光の均一性や視野角特性を改善することができる。
[変形例G]
また、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が均質となっていてもよいし、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)の一部が不均質となっていてもよい。「不均質」とは、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)内に、抵抗値の相対的に低い領域(例えば部分的に酸化されていない領域)があってもよいことを意味している。例えば、図16に示したように、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13と接する箇所にだけ形成されていてもよい。また、例えば、図17に示したように、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13と接する箇所の一部にだけ形成されていてもよい。また、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、例えば、図18に示したように、電極22がラインバンク13だけでなくバンク14にも接している場合に、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13およびバンク14と接する箇所に形成されていてもよい。このようにした場合であっても、上記の実施の形態と同等の効果が得られる。
また、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)が均質となっていてもよいし、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)の一部が不均質となっていてもよい。「不均質」とは、陽極22の端縁の表面(陰極28側の表面)内に、抵抗値の相対的に低い領域(例えば部分的に酸化されていない領域)があってもよいことを意味している。例えば、図16に示したように、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13と接する箇所にだけ形成されていてもよい。また、例えば、図17に示したように、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13と接する箇所の一部にだけ形成されていてもよい。また、上記実施の形態および変形例A〜Fにおいて、例えば、図18に示したように、電極22がラインバンク13だけでなくバンク14にも接している場合に、高抵抗領域22Aが、ラインバンク13およびバンク14と接する箇所に形成されていてもよい。このようにした場合であっても、上記の実施の形態と同等の効果が得られる。
[変形例H]
上記実施の形態および変形例A〜Gにおいて、複数のラインバンク23および複数のバンク24の代わりに、例えば、図19に示したようなピクセルバンク26が発光パネル20に設けられていてもよい。このようにした場合であっても、上記の実施の形態と同様、発光効率の高い有機電界発光装置1を実現することができる。
上記実施の形態および変形例A〜Gにおいて、複数のラインバンク23および複数のバンク24の代わりに、例えば、図19に示したようなピクセルバンク26が発光パネル20に設けられていてもよい。このようにした場合であっても、上記の実施の形態と同様、発光効率の高い有機電界発光装置1を実現することができる。
<3.適用例>
[適用例その1]
以下では、上記実施の形態で説明した有機電界発光装置1の適用例について説明する。有機電界発光装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、シート状のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
[適用例その1]
以下では、上記実施の形態で説明した有機電界発光装置1の適用例について説明する。有機電界発光装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、シート状のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
図20は、本適用例に係る電子機器2の外観を斜視的に表したものである。電子機器2は、例えば、筐体310の主面に表示面320を備えたシート状のパーソナルコンピュータである。電子機器2は、電子機器2の表示面320に、有機電界発光装置1を備えている。有機電界発光装置1は、表示パネル20が外側を向くように配置されている。本適用例では、有機電界発光装置1が表示面320に設けられているので、視野角特性に優れた電子機器2を実現することができる。
[適用例その2]
以下では、上記実施の形態で説明した有機電界発光素子11−1の適用例について説明する。有機電界発光素子11−1は、卓上用もしくは床置き用の照明装置、または、室内用の照明装置など、あらゆる分野の照明装置の光源に適用することが可能である。
以下では、上記実施の形態で説明した有機電界発光素子11−1の適用例について説明する。有機電界発光素子11−1は、卓上用もしくは床置き用の照明装置、または、室内用の照明装置など、あらゆる分野の照明装置の光源に適用することが可能である。
図21は、有機電界発光素子1が適用される室内用の照明装置の外観を表したものである。この照明装置は、例えば、1または複数の有機電界発光素子11−1を含んで構成された照明部410を有している。照明部410は、建造物の天井420に適宜の個数および間隔で配置されている。なお、照明部410は、用途に応じて、天井420に限らず、壁430または床(図示せず)など任意の場所に設置することが可能である。
これらの照明装置では、有機電界発光素子11−1からの光により、照明が行われる。これにより、発光効率の高い照明装置を実現することができる。
以上、実施の形態および適用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備え、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光素子。
(2)
前記第1電極は、Al合金で構成されており、
前記第1電極の端部の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
(1)に記載の有機電界発光素子。
(3)
前記第1電極の端部の膜厚が、前記第1電極の中央部分よりも厚くなっている
(2)に記載の有機電界発光素子。
(4)
前記第1電極は、Al合金層およびWOx層もしくはITO層の積層体で構成されており、
前記WOx層もしくは前記ITO層は、前記Al合金層の端部の表面のうち、前記Al合金層の端部以外の表面に接して形成されており、
前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
(1)に記載の有機電界発光素子。
(5)
前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の膜厚は、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くなっている
(4)に記載の有機電界発光素子。
(6)
画素ごとに有機電界発光素子を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光パネル。
(7)
画素ごとに有機電界発光素子を有する発光パネルと、
前記発光パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光装置。
(8)
第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えた有機電界発光素子の製造方法であって、
前記第1電極の端部の表面を、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化することを含む
有機電界発光素子の製造方法。
(9)
前記第1電極は、Al合金で構成されており、
当該製造方法は、前記第1電極の端部に対して前記酸化処理を行うことにより、前記第1電極の端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させることを含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(10)
前記第1電極の端部の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記第1電極の中央部分よりも厚くすることを含む
(9)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(11)
前記第1電極は、Al合金層およびITO層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記ITO層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を残したままで、前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(12)
前記第1電極は、Al合金層およびW層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記W層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を除去した上で、前記W層および前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記W層をWOx層に変化させるとともに、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(13)
前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くする
(11)または(12)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(1)
第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備え、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光素子。
(2)
前記第1電極は、Al合金で構成されており、
前記第1電極の端部の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
(1)に記載の有機電界発光素子。
(3)
前記第1電極の端部の膜厚が、前記第1電極の中央部分よりも厚くなっている
(2)に記載の有機電界発光素子。
(4)
前記第1電極は、Al合金層およびWOx層もしくはITO層の積層体で構成されており、
前記WOx層もしくは前記ITO層は、前記Al合金層の端部の表面のうち、前記Al合金層の端部以外の表面に接して形成されており、
前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
(1)に記載の有機電界発光素子。
(5)
前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の膜厚は、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くなっている
(4)に記載の有機電界発光素子。
(6)
画素ごとに有機電界発光素子を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光パネル。
(7)
画素ごとに有機電界発光素子を有する発光パネルと、
前記発光パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光装置。
(8)
第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えた有機電界発光素子の製造方法であって、
前記第1電極の端部の表面を、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化することを含む
有機電界発光素子の製造方法。
(9)
前記第1電極は、Al合金で構成されており、
当該製造方法は、前記第1電極の端部に対して前記酸化処理を行うことにより、前記第1電極の端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させることを含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(10)
前記第1電極の端部の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記第1電極の中央部分よりも厚くすることを含む
(9)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(11)
前記第1電極は、Al合金層およびITO層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記ITO層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を残したままで、前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(12)
前記第1電極は、Al合金層およびW層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記W層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を除去した上で、前記W層および前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記W層をWOx層に変化させるとともに、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
(8)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
(13)
前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くする
(11)または(12)に記載の有機電界発光素子の製造方法。
1…有機電界発光装置、2…電子機器、10…有機電界発光パネル、11…画素、11−1…画素回路、11−2…有機電界発光素子、12…カラー画素、13…ラインバンク、14…バンク、15…溝部、16…ピクセルバンク、20…コントローラ、21…基板、22…陽極、22A…高抵抗領域、22a…Al合金層、22b…ITO層、22c…WOx層、22d…W層、23…正孔注入層、24…正孔輸送層、25…発光層、26…電子輸送層、27…電子注入層、28…陰極、29…封止層、30…ドライバ、31…水平セレクタ、32…ライトスキャナ、110…レジスト層、310…筐体、320…表示面、410…照明部、420…天井、430…壁、Cs…保持容量、DTL…信号線、DSL…電源線、Tr1…駆動トランジスタ、Tr2…書込トランジスタ、Vgs…ゲート−ソース間電圧、Vsig…信号電圧、WSL…走査線、α…平坦領域。
Claims (13)
- 第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備え、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光素子。 - 前記第1電極は、Al合金で構成されており、
前記第1電極の端部の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
請求項1に記載の有機電界発光素子。 - 前記第1電極の端部の膜厚が、前記第1電極の中央部分よりも厚くなっている
請求項2に記載の有機電界発光素子。 - 前記第1電極は、Al合金層およびWOx層もしくはITO層の積層体で構成されており、
前記WOx層もしくは前記ITO層は、前記Al合金層の表面のうち、前記Al合金層の端部以外の表面に接して形成されており、
前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の表面は、Al合金の酸化物で構成されている
請求項1に記載の有機電界発光素子。 - 前記Al合金層の端部のうち、前記WOx層もしくは前記ITO層によって被覆されていない箇所の膜厚は、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くなっている
請求項4に記載の有機電界発光素子。 - 画素ごとに有機電界発光素子を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光パネル。 - 画素ごとに有機電界発光素子を有する発光パネルと、
前記発光パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
各前記有機電界発光素子は、第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に有し、
前記第1電極の端部は、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化された表面を有している
有機電界発光装置。 - 第1電極、塗布膜で構成された有機層および第2電極をこの順に備えた有機電界発光素子の製造方法であって、
前記第1電極の端部の表面を、前記第1電極に対する酸化処理によって高抵抗化することを含む
有機電界発光素子の製造方法。 - 前記第1電極は、Al合金で構成されており、
当該製造方法は、前記第1電極の端部に対して前記酸化処理を行うことにより、前記第1電極の端部の表面を、Al合金の酸化物に変化させることを含む
請求項8に記載の有機電界発光素子の製造方法。 - 前記第1電極の端部の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記第1電極の中央部分よりも厚くすることを含む
請求項9に記載の有機電界発光素子の製造方法。 - 前記第1電極は、Al合金層およびITO層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記ITO層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を残したままで、前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
請求項8に記載の有機電界発光素子の製造方法。 - 前記第1電極は、Al合金層およびW層の積層体で構成されており、
当該製造方法は、
前記第1電極の中央部分にレジスト層を選択的に形成した後、前記レジスト層をマスクとして前記W層を選択的にエッチングすることにより、前記第1電極の端部に前記Al合金層を露出させることと、
前記レジスト層を除去した上で、前記W層および前記Al合金層に対して酸化処理を行うことにより、前記W層をWOx層に変化させるとともに、前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の表面を、Al合金の酸化物に変化させることと
を含む
請求項8に記載の有機電界発光素子の製造方法。 - 前記Al合金層のうち、前記第1電極の端部に露出した部分の膜厚を、前記酸化処理に伴う体積膨張によって、前記Al合金層の中央部分よりも厚くする
請求項11または請求項12に記載の有機電界発光素子の製造方法。
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JP2017204382A JP2019079640A (ja) | 2017-10-23 | 2017-10-23 | 有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法 |
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JP2017204382A Pending JP2019079640A (ja) | 2017-10-23 | 2017-10-23 | 有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置、および有機電界発光素子の製造方法 |
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JP (1) | JP2019079640A (ja) |
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2017
- 2017-10-23 JP JP2017204382A patent/JP2019079640A/ja active Pending
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