JP2019078280A - 被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管 - Google Patents
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Abstract
【課題】超電導ケーブル等の超電導体と冷却用の液化ガス冷媒を内蔵した内管を有する真空断熱管において、重力方向に高低差がある場所に設置されても、液化ガスの気相部に露出した超電導体を良好に冷却し、超電導状態を維持できる低コストな真空断熱管を提供する。【解決手段】ステンレスやアルミニュウム合金の素材で気密的に製造された内管の円周方向や長手方向の気相部の内管壁を、液相部の液化ガス冷媒で良好に冷却する熱伝導率の良好な熱伝導体を内管に一体化して真空断熱管を構成したものである。【選択図】図2
Description
本発明は、真空断熱管に係り、特に、被冷却体および該被冷却体を超電導状態維持のために冷却する液化ガスの冷媒を内蔵する内管と、該内管を大気と真空隔離する外管で構成する真空断熱管において、内管の円周方向および管長方向の温度差を小さくすることで、良好に被冷却体を極低温度状態に維持し、超電導状態を良好に維持する被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管として好適なものである。
従来の超電導ケーブルでは、電力を送電する電気抵抗がゼロの超電導ケーブルコアーと液体窒素等の液化ガス冷媒が真空断熱管の極低温度の内管に内蔵されており、その構造が特許公開公報平9−152089(特許文献1)に開示されている。また、極低温度の内管をステンレスやアルミニュウムの材質で構成することが特許公開公報平9−184594(特許文献2)に開示されている。
しかしながら、都市の電力送電網に使用される超電導ケーブルでは、重力方向に高低差がある場所に敷設される。特許文献1および特許文献2の断熱管では、超電導ケーブルコアーと液体窒素等の液化ガス冷媒を内蔵される内管の材質は、内管の強度確保のために高強度のステンレスや高強度のアルミニュウム合金が使用される。
しかし、内管の素材であるステンレスやアルミニュウム合金は熱伝導率が低く、高低差を有する場所に設置された内管内の液化ガス冷媒は、液相部と気相部の界面が生じ、液相部の冷媒より冷却性能が低い冷媒の気相部に露出した内管壁の温度は、管壁の熱伝導による冷却能力が低いため内管外の高温部からの侵入熱で上昇し、該気相部に露出した被冷却体である超電導ケーブルコアーの温度が温度上昇した内管壁に接触して上昇し、超電導状態が維持できず、電気抵抗が発生して送電中の電流での自己発熱で超電導ケーブルが焼損する問題があった。
本発明の目的は、内管の強度を有する素材が、強度が高いステンレスやアルミニュウム合金である場合においても、内管の円周方向および断熱管長手方向の熱伝導率を高くし、液相部の冷媒による高い冷却機能により、内管外の高温部から内管への侵入熱がある場合においても気相部に露出した内管壁温度の上昇を低減する被冷却体および液化ガス冷媒を有する低コストの真空断熱管を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明はステンレスやアルミニュウム合金の素材で気密的に製造された内管の円周方向や長手方向の気相部の内管壁を、液相部の液化ガス冷媒で良好に冷却するステンレスやアルミニュウム合金の熱伝導率より高い熱伝導率を有する熱伝導体を熱的に一体化して内管を構成したものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管は、外管で大気と隔離された真空空間内に、被冷却体および液化ガス冷媒を内蔵し該真空空間から気密隔離された内管を配置して構成され、該内管の素材よりも熱伝導率が高い熱伝導体を該内管に熱的に一体化することを特徴としている。
請求項2に記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管は、前記熱伝導体を前記内管の素材よりも熱伝導率が高く、該内管の形状に嵌合する形状を少なくとも一部に有する金属板で構成したことを特徴としている。
請求項3に記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管は、前記熱伝導体を前記内管の素材よりも熱伝導率が高い粒状の金属群で構成したことを特徴としている。
請求項4に記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管は、前記熱伝導体を前記内管の素材よりも熱伝導率が高く可撓性が良好な金属箔で構成したことを特徴としている。
本発明によれば、ステンレスやアルミニュウム合金の素材で気密的に製造された内管の内壁面もしくは外壁面に、ステンレスやアルミニュウム合金の熱伝導率より高い熱伝導率の銅や純度の高いアルミニュウム製の熱伝導体を熱的に一体化しているので、内管の円周方向および断熱管長手方向の熱伝導率を高くし、内管に内蔵された液相部の液化ガス冷媒により熱伝導体を通じて冷却性能を高くでき、内管外の高温部から内管への侵入熱がある場合においても気相部に露出した内管壁温度の上昇を低減して、内管に内蔵された被冷却体である超電導ケーブルコアーの超電導状態を維持するに好適な被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管を提供することができる。
以下、本発明の複数の実施例について図を用いて説明する。各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(実施例1)
本発明の第1実施例の真空断熱管について、図1および図2を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1は本発明の第1実施例の真空断熱管の構成を示す径方向の断面図、図2は図1の真空断熱管のX―X矢視図である。
本発明の第1実施例の真空断熱管について、図1および図2を参照しながら、さらに具体的に説明する。図1は本発明の第1実施例の真空断熱管の構成を示す径方向の断面図、図2は図1の真空断熱管のX―X矢視図である。
本実施例の都市の電力送電網に使用される超電導ケーブルにおいて、重力方向に高低差がある場所にも敷設される真空断熱管1は、ステンレスやアルミニュウム合金の素材で大気と気密的に内部に真空空間2を有する外管3と、極低温度の液化ガス冷媒の液相部4で沸騰伝熱により良好に超電導臨界温度以下の極低温度に冷却され、超電導状態で電気を送電する超電導ケーブルコアー5を内蔵し、真空空間2と気密的に隔離された内管6と、該内管外周部に内管の素材であるステンレスやアルミニュウム合金の熱伝導率より高い熱伝導率の銅や純度の高いアルミニュウムを溶接や、圧接や、圧着や、ろう付け等の冶金的、メッキや蒸着等もしくは接着剤等で熱的に一体化した湾曲平板状の熱伝導体7と、該熱伝導体7および内管6への外管3からの輻射侵入熱を防ぐために外周に巻きつけられた積層断熱材8とで構成される。前記熱伝導体7の一部は内管6管長手方向の抵抗溶接等の接合線の施工を邪魔しないように切欠き部9を設けている。
重力方向に高低差がある場所にも敷設される真空断熱管1では、内管6内の液化ガス冷媒は、液相部4と侵入熱で蒸発した気相部10が存在する。
前記内管6は液化ガス冷媒の液相部4で極低温に冷却されるが、冷媒の気相部10に露出した内管6の部分は液相部4に比べ冷却性能が極端に低下し、液相部4に浸漬した内管6の素材の熱伝導率が低いため伝導伝熱での冷却性能も低く、良好に冷却できず前記侵入熱で温度が上昇する危惧があるが、内管6に熱的に一体化された熱伝導体7は強度部材である必要が無く、強度が弱いが熱伝導率が内管6の素材よりも大きな純銅や純アルミニュウム等の材質で構成されるので、気相部10に露出した内管6の円周方向および長手方向部分が、液相部4で内管6を介して冷却される熱伝導体7の伝導伝熱で良好に極低温度に冷却される。したがって、気相部10に露出した内管6は、熱伝導体7で良好に極低温度に冷却される。
本実施例の真空断熱管によれば、前記内管6内に配置する超電導ケーブルコアー5が前記内管内側に接触しても、超電導ケーブルコアー5の温度が大きく上昇することが無く、超電導ケーブルコアー5の超電導状態を維持できる効果がある。
なお、本実施例では熱伝導体7を内管6の外表面の一部もしくは全部を熱的に一体化した場合について説明したが、熱伝導体7を内管6の内表面の一部もしくは全部を熱的に一体化した場合についても同様な効果が生じる。
内管6の内部に熱伝導体7を設けることにより、外部に設ける場合に生じるリスク、すなわち熱的一体化部のハンダ等の接合部に生じうる微小空気空洞が、前記真空空間2に露出するために、空洞内の空気が漏れ真空空間の圧力が上昇して断熱性能が劣化し、侵入熱が増大して内管6の温度が上昇し、超電導ケーブルコアー5の温度が増加して生じる超電導状態の破壊を防止できる効果がある。
また、本実施例では内管6がストレートな円管の場合で説明したが、少なくとも内管6がフレキシブル管や、螺旋波形管である場合においても、同様な効果が生じる。
(実施例2)
次に、本発明の第2実施例について図3を用いて説明する。図3は本発明の第2実施例の真空断熱管の長手方向の断面図である。
次に、本発明の第2実施例について図3を用いて説明する。図3は本発明の第2実施例の真空断熱管の長手方向の断面図である。
この第2実施例では、熱伝導体が前記内管6の素材よりも熱伝導率が高い金属粒子で構成した金属粒群11である。金属粒群11はハンダ等の低温度融点の金属や、銅や炭素等の高熱伝導物質を含んだエポキシ樹脂系の接着剤で内管6と熱的に一体化したり、銅等の溶融金属を噴射して接合させる溶射処理で内管6壁に熱的に一体化されている。
本実施例では、第1実施例と同様に、気相部10に露出した内管6の円周方向および長手方向部分が、液相部4で内管6を介して冷却される金属粒群11の伝導伝熱で良好に極低温度に冷却される。したがって、気相部10に露出した内管6は、金属粒群11で良好に極低温度に冷却される効果が生じる。なお、本構造では、内管6を製造した後、金属粒群11を施工できるので、さらに低コストの真空断熱管1を製造できる効果がある。
(実施例3)
次に、本発明の第3実施例について図4を用いて説明する。図4は本発明の第3実施例の真空断熱管の断面図である。
次に、本発明の第3実施例について図4を用いて説明する。図4は本発明の第3実施例の真空断熱管の断面図である。
この第3実施例は、熱伝導体を前記内管6の素材よりも熱伝導率が高く可撓性が良好な例えば純アルミニュウムや純銅製の金属箔12を内管6の外周部に巻付け、その一部をステンレス製の針金13で内管6に締付け熱的に一体化して熱伝導体を構成している。金属箔12には真空排気用の通気孔(図面表示せず)が施工されている。
本実施例では、第1実施例と同様に、気相部10に露出した内管6の円周方向および長手方向部分が、液相部4で内管6を介して冷却される金属箔12の伝導伝熱で良好に極低温度に冷却される。したがって、気相部10に露出した内管6は、金属箔12で良好に極低温度に冷却される効果が生じる。なお、本構造では、内管6を製造した後、金属箔12を容易に施工できるので、さらに低コストで真空断熱管1を製造できる効果がある。また、前記締付けにより熱的に一体化した部分に、接着剤を使用することで締付け部の熱伝導を良好にすることで、熱伝導体の金属箔12の冷却性能を向上できる。
したがって、本発明によれば内管の素材が、ステンレスやアルミニュウム合金である場合においても、低コストで熱的に一体化された熱伝導率が高い純銅や純アルミニュウム等の材質で構成される熱伝導体により、内管の円周方向および断熱管長手方向の熱移動による冷却性能を高くし、液相部の冷媒による高い冷却性能により、内管外の高温部から内管への侵入熱がある場合においても、気相部に露出した内管壁温度の上昇を低減し、被冷却体の超電導ケーブルコアーを良好に超電導臨界温度以下に冷却して超電導状態を維持できる、低コストの被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管を提供できる。
以上の実施例では、地上に静止配置する超電導送電用の超電導ケーブルを構成する真空断熱管の場合について説明したが、船舶や飛行機等における配置箇所の姿勢が重力方向に傾いて変化する場所で使用される超電導ケーブルコアーおよび液化ガス冷媒を内蔵した真空断熱管であっても同様の作用、効果を生じる。
また、以上の実施例では、単数の内管を真空断熱管内に配置した場合について説明したが、それぞれに超電導ケーブルコアーと液化ガス冷媒を内蔵する複数の内管群を同一の外管内に配置した真空断熱管でも同様な効果が生じる。
1…真空断熱管、2…真空空間、3…外管、4…液化ガス冷媒液相部、5…超電導ケーブルコアー、6…内管、7…熱伝導体、8…積層断熱材、10…液化ガス冷媒気相部
Claims (4)
- 大気と気密隔離する真空空間を内部に有する外管と、該真空空間内に保持され、被冷却体および液化ガス冷媒を内蔵する内管とで構成される真空断熱管において、
該内管を構成する素材の熱伝導率より大きい熱伝導率の素材で製作された熱伝導体を該真空空間内で熱的に内管に一体化したことを特徴とする被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管。 - 前記熱伝導体が、前記内管の素材よりも熱伝導率が高く、少なくとも一部が前記内管の外面形状に嵌合した形状を有する金属板であることを特徴とする請求項1記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管。
- 前記熱伝導体が、前記内管の素材よりも熱伝導率が高い金属粒群であることを特徴とする請求項1記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管。
- 前記熱伝導体が前記内管の素材よりも熱伝導率が高い可撓性を有する金属箔であることを特徴とする請求項1記載の被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管。
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JP2017203294A JP2019078280A (ja) | 2017-10-20 | 2017-10-20 | 被冷却体および液化ガス冷媒を有する真空断熱管 |
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CN112046336A (zh) * | 2020-08-28 | 2020-12-08 | 中山大学 | 一种应用于电动汽车动力总成的新型热管理装置 |
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- 2017-10-20 JP JP2017203294A patent/JP2019078280A/ja active Pending
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