JP2019078213A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴射された尿素水と排気ガスの混合部を有利に保温する。【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、還元剤を噴射する噴射弁と、噴射弁の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒23と、噴射弁の下流側かつNOx触媒の上流側に設けられ、還元剤と排気ガスを混合させるための混合通路管10Pと、NOx触媒の下流側に設けられ、混合通路管を覆う下流側通路管13Pとを備える。【選択図】図2
Description
本開示は内燃機関の排気浄化装置に係り、特に、ディーゼルエンジンに主に適用される排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジンの排気通路には、排気中のNOx(窒素酸化物)を還元除去する選択還元型NOx触媒が設けられる。NOx触媒の上流側には還元剤としての尿素水を噴射する噴射弁が設けられる。NOx触媒は、尿素水を加水分解して得られるアンモニアNH3とNOxを反応させ、排気中のNOxを窒素N2に還元する。
NOx触媒を高効率で作動させるには、尿素水の加水分解を促進し、尿素水の単位容量当たりのアンモニア生成量すなわちアンモニア生成効率をできるだけ高い水準に維持することが望ましい。そして尿素水の加水分解を促進するためには、排気通路内に噴射された尿素水と排気ガスの混合部を可能な限り保温することが好ましい。
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、噴射された尿素水と排気ガスの混合部を有利に保温できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
還元剤を噴射する噴射弁と、
前記噴射弁の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記噴射弁の下流側かつ前記NOx触媒の上流側に設けられ、還元剤と排気ガスを混合させるための混合通路管と、
前記NOx触媒の下流側に設けられ、前記混合通路管を覆う下流側通路管と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
還元剤を噴射する噴射弁と、
前記噴射弁の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記噴射弁の下流側かつ前記NOx触媒の上流側に設けられ、還元剤と排気ガスを混合させるための混合通路管と、
前記NOx触媒の下流側に設けられ、前記混合通路管を覆う下流側通路管と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置が提供される。
好ましくは、前記排気浄化装置が、前記NOx触媒を収容するNOx触媒収容管をさらに備え、
前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管をも覆う。
前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管をも覆う。
好ましくは、前記混合通路管と前記NOx触媒収容管とが並列に配置され、前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管に接触した状態で前記混合通路管と前記NOx触媒収容管を覆う。
好ましくは、前記排気浄化装置が、
前記噴射弁の上流側に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタを収容するフィルタ収容管と、をさらに備え、
前記下流側通路管が、前記フィルタ収容管をも覆う。
前記噴射弁の上流側に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタを収容するフィルタ収容管と、をさらに備え、
前記下流側通路管が、前記フィルタ収容管をも覆う。
好ましくは、前記混合通路管と前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管とが並列に配置され、前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管に接触した状態で、前記混合通路管と前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管とを覆う。
好ましくは、前記排気浄化装置が、前記NOx触媒、前記混合通路管および前記下流側通路管を収容するケーシングをさらに備える。
好ましくは、前記下流側通路管が、前記混合通路管を覆う内側管と、前記内側管を覆う外側管と、前記内側管に設けられ前記内側管と前記外側管の内部同士を連通する開口部とを備え、前記内側管の単位面積当たりにおける前記開口部の開口面積の割合が、前記内側管の下流側よりも前記内側管の上流側の方で大きい。
本開示によれば、噴射された尿素水と排気ガスの混合部を有利に保温できる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお本発明は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
[第1実施形態]
図1〜図3に、本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置の全体構造を示す。便宜上、直交三軸の各方向、すなわち前後左右上下の各方向を図示の如く定める。但しこれら各方向が図示の配置に関して説明の便宜上定められたものに過ぎない点に留意されたい。図1は後方斜視図、図2は後方斜視断面図(図1のII−II断面図)、図3は前方斜視図である。
図1〜図3に、本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置の全体構造を示す。便宜上、直交三軸の各方向、すなわち前後左右上下の各方向を図示の如く定める。但しこれら各方向が図示の配置に関して説明の便宜上定められたものに過ぎない点に留意されたい。図1は後方斜視図、図2は後方斜視断面図(図1のII−II断面図)、図3は前方斜視図である。
排気浄化装置が適用される内燃機関(図示せず、エンジンともいう)は、車両に搭載されるディーゼルエンジンである。車両(図示せず)はトラック等の大型車両である。但し車両および内燃機関の種類、用途等に限定はなく、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジンはガソリンエンジンであってもよい。
図示するように、排気浄化装置1は、後述する複数の部材(触媒等)をコンパクトに纏めてキャニング(canning)状態で収容する密閉箱型のケーシング2を備える。本実施形態のケーシング2は全体として略直方体形状とされる。ケーシング2は、前後方向に延び前後端が開放された角筒状のケーシング本体2Aと、ケーシング本体2Aの前後端の開口部を着脱可能に閉止する前端板および後端板とを備える。但し前端板および後端板は取り外され図示省略されている。ケーシング本体2Aの前後端の周縁部にフランジ2BF、2BRが設けられ、前端板および後端板はこれらフランジ2BF、2BRに重ねられ、図示しないボルト等により着脱可能に取り付けられる。
ケーシング2の左側板2Lには、ケーシング2内にエンジンの排気ガスGを導入するための装置入口管3が貫通して取り付けられている。またケーシング2の右側板2Rには、ケーシング2内から排気ガスGを排出するための装置出口管4が貫通して取り付けられている。但し装置入口管3と装置出口管4の設置位置は任意に設定できる。
ケーシング2内では、金属製(本実施形態ではステンレス製)の複数の管および板が溶接等で取り付けられることにより、適宜空間が仕切られ、これにより排気ガスGが流される排気通路5が画成されている。ここで「排気通路」とは、排気ガスGが流される任意の空間をいい、その形状は任意である。管状であってもよいしチャンバ状であってもよい。排気通路5は排気ガスGを前後方向に複数回折り返すように構成されている。
ケーシング本体2A内には、ケーシング2内を前後に仕切る前側隔壁板6と後側隔壁板7とが設けられている。前側隔壁板6とケーシング2の前端板との間に前端チャンバ8Fが画成されている。後側隔壁板7とケーシング2の後端板との間に後端チャンバ8Rが画成されている。前側隔壁板6と後側隔壁板7の間に中間チャンバ8Mが画成されている。なお図2では後側隔壁板7が図示省略される。
以下、ケーシング2内における排気ガスGのメインの流れを概略説明する。このメインの流れは図1〜図3に矢示する通りである。
装置入口管3内を流れてきた排気ガスは、ケーシング2内左下に配置され前後方向に延びる第1通路9内を前向きに直進し、このときに第1酸化触媒21とフィルタ22を順に通過する。その後排気ガスは、前端チャンバ8F内に配置された送り管19P内の送り通路19を通じて、ケーシング2内右下に配置された混合通路としての第2通路10内に入る。このときに排気ガスは前向きから後向きへ折り返される。そして排気ガスは、第2通路10内を前方から後方に流れた後、後端チャンバ8R内に入り、ここで図1に示すように二方向に分岐して、ケーシング2内右上に配置された第3通路11と、ケーシング2内左上に配置された第4通路12とに入る。このときに排気ガスは後向きから前向きへ折り返される。
排気ガスは、第3および第4通路11,12内を後方から前方に流れ、このときにNOx触媒23と第2酸化触媒24を順に通過する。その後排気ガスは、前端チャンバ8F内に入り、図3に示すように、ケーシング2内の中央部から右下にかけて配置された第5通路13へと集約される。このときに排気ガスは前向きから後向きへ折り返される。その後排気ガスは、第5通路13内を前方から後方に流れ、装置出口管4を通じて装置外に排出される。
このように排気通路5は、第1通路9、第2通路10、第3通路11、第4通路12、第5通路13、送り通路19、前端チャンバ8Fおよび後端チャンバ8Rを含む。
第2通路10の上流側には、還元剤としての尿素水を噴射する噴射弁14(仮想線で示す)が設けられている。噴射弁14は、第2通路10と同軸に後向きに配置され、第2通路10の軸方向後方下流側に向かって尿素水を噴霧状に噴射する。なお噴射弁14はケーシング2の前端板および送り管19Pに取り付けられる。
噴射弁14は、尿素水の供給対象物である選択還元型NOx触媒23の上流側に配置される。そして噴射弁14の下流側かつNOx触媒23の上流側に位置する第2通路10は、噴射弁14から噴射された尿素水と排気ガスを混合するための混合通路としての役割を果たす。
排気通路5には4種類の後処理部材、すなわち第1酸化触媒21、フィルタ22、選択還元型NOx触媒23および第2酸化触媒24が、上流側から順に直列に配置されている。
第1酸化触媒21は、排気ガス中の未燃成分(炭化水素HCおよび一酸化炭素CO)を酸化して浄化すると共に、このときの反応熱で排気ガスを加熱昇温する。
フィルタ22は、所謂ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF: Diesel Particulate Filter)または触媒付煤フィルタ(CSF: Catalyzed Soot Filter)と称されるもので、触媒を担持した連続再生式フィルタである。フィルタ22は、ウォールフロー型とされ、排気中に含まれる粒子状物質(以下PM: Particulate Matterという)を捕集すると共に、捕集したPMを触媒反応により連続的に酸化して燃焼除去する。
選択還元型NOx触媒(SCR: Selective Catalytic Reduction)23は、尿素水を加水分解して得られるアンモニアNH3とNOxを反応させ、排気中のNOxを窒素N2に還元する。
第2酸化触媒24は、アンモニアスリップ酸化触媒とも称され、NOx触媒23から排出された(スリップした)余剰アンモニアを酸化除去する。
本実施形態において、NOx触媒23および第2酸化触媒24の組み合わせは、第3通路11と第4通路12に互いに並列して計二つ設けられる。
第1〜第5通路9〜13および送り通路19は、第1〜第5通路管9P〜13Pおよび送り通路管19Pにより画成されている。第1〜第5通路管9P〜13Pは、いずれも前後方向に延びて互いに平行に並列されている。本実施形態において、第1〜第4通路管9P〜12Pは断面円形に形成されている。第5通路管13Pは、図1および図2に示すように略ひょうたん形の断面形状を有し、第2通路管10Pを外側から覆っている。これについては後に詳述する。送り通路管19Pは、前端チャンバ8F内に固定されて前側隔壁板6と共に送り通路19を画成し、第1通路9を第2通路10のみに連通させ、第5通路13に連通させないよう構成されている。なお各管の断面形状は適宜変更可能である。
第1通路管9Pは、後端板から前側隔壁板6まで延び、その後端が後端板によって閉止される。第2通路管10Pは、前側隔壁板6から後側隔壁板7まで延びる。第3通路管11Pおよび第4通路管12Pは後側隔壁板7から前側隔壁板6まで延びる。第5通路管13Pは前側隔壁板6から後側隔壁板7まで延び、その後端が後側隔壁板7によって閉止される。
さて、NOx触媒23を高効率で作動させるには、尿素水の加水分解を促進し、尿素水の単位容量当たりのアンモニア生成量すなわちアンモニア生成効率をできるだけ高い水準に維持することが望ましい。そして尿素水の加水分解を促進するためには、排気通路内に噴射された尿素水と排気ガスの混合部を可能な限り保温することが好ましい。こうすることで尿素水の熱分解が促進されるからである。
本実施形態の場合、第2通路10および第2通路管10Pが、噴射弁14から噴射された尿素水と排気ガスを混合するための混合通路および混合通路管として機能する。よって尿素水の加水分解を促進するには、第2通路10および第2通路管10Pの内部を可能な限り保温することが好ましい。
そこで本実施形態では、第2通路管10Pを第5通路管13Pにより覆っている。第5通路管13P内には、後に装置外へと排出される、廃熱を含む排気ガスが流されている。本実施形態では、第5通路管13Pが第2通路管10Pを覆っているので、第5通路管13P内の廃熱を利用して第2通路管10Pの内部を保温することができる。従って、第5通路管13P内の廃熱を有効利用し、第2通路管10P内を有利に保温できる。そして尿素水の加水分解および熱分解を促進し、アンモニア生成効率を高め、NOx触媒を高効率で作動させ、排気浄化性能を高めることができる。なお覆う態様には、全体を覆う態様と一部を覆う態様とが含まれ、本実施形態では全体を覆う態様が採用される。
ここで第5通路管13Pは、NOx触媒23の下流側に設けられ、NOx触媒23から排出された排気ガスを流すための下流側通路管として機能する。本実施形態の場合、NOx触媒23から排出され第2酸化触媒24を通過した後の排気ガスが第5通路管13P内を流れる。
なお、本実施形態では混合通路管たる第2通路管10Pを独立して設けたため、噴射された尿素水と排気ガスの混合距離および混合時間をできるだけ多く確保し、排気熱を利用した尿素水の加水分解および熱分解を促進することができる。本実施形態は特に、尿素水が加水分解され難い低温条件下で非常に有利である。
一般に、混合通路管内に特別なミキサー部材を設けて尿素水と排気ガスを積極的に攪拌混合することが行われている。しかし、こうすると排気抵抗および圧力損失が増大し、低燃費化に不利である。またミキサー部材の複雑な通路を尿素水と排気ガスが通過するため、その通路内にやがて尿素水由来の白色堆積物(デポジット)が堆積し、通路を閉塞する虞がある。
これに対し本実施形態の構造は、第2通路管10P内にミキサー部材を設けないので、これらの問題を解消可能である。もっとも必要であれば、ミキサー部材を設けてもよい。
図1および図2に示すように、第2通路管10Pは、断面円形の直管により形成されている。また第5通路管13Pは、第2通路管10Pを覆う内側管31と、内側管31を覆う外側管32と、内側管31に設けられ内側管31と外側管32の内部同士を連通する開口部33とを備える。
内側管31は、第2通路管10Pより大径の断面円形の直管により形成され、第2通路管10Pと同軸に配置され、第2通路管10Pの全体(全長および全周)を隙間を隔てて覆う。外側管32は、略U字状の断面形状を有する板材34の両端部を内側管31の外壁に溶接等により固着することにより形成される。その両端部は断面フレア状に拡張される。外側管32は、第1〜第4通路管9P〜12Pによって囲まれ比較的空いたケーシング2内の中央部(上下左右方向の中央部)のスペースに突出するよう配置される。これによりケーシング2内のスペース効率を高められる。
開口部33は、内側管31を貫通して設けられた複数の孔33Aにより形成される。本実施形態の孔33Aは円形であるが、孔33Aの形状は変更してもよい。特に、周方向の一部に複数の孔33Aが明けられたパンチングメタルにより内側管31が形成されている。これにより開口部33を有する内側管31の作製が容易となる。開口部33は、内側管31の前後長さ方向の略全長に亘って設けられてもよい。前側の開口部33が便宜上図6に示される。なお開口部33は、内側管31の長さ方向の一部に設けられてもよい。
前端チャンバ8Fには外側管32のみが直接連通されている。第2酸化触媒24を通過し前端チャンバ8F内に流入した排気ガスGは、外側管32に入り、開口部33を通過して内側管31内に入る。そして内側管31内を後方に向かって流れ、内側管31の後端側面部に接続された装置出口管4を通じて外部に排出される。内側管31内を流れる過程で、内側管31内の排気ガスの熱すなわち廃熱が、第2通路管10P内の尿素水および排気ガスに伝達され、加水分解が促進される。
ところで、前端チャンバ8Fから内側管31内に排気ガスが流れる過程で、圧力損失は、内側管31の前方上流側の開口部33を通過するときに大きくなる傾向にある。逆に内側管31の後方下流側の開口部33を通過するときには、装置出口管4がより近くにあるため、それ程大きくならない傾向にある。よってこの点を考慮し、本実施形態では、内側管31の単位面積当たりにおける開口部33の開口面積の割合が、内側管31の後方下流側よりも内側管31の前方上流側の方で大きくされている。これにより、内側管31の前方上流側の開口部33を通過するときの圧力損失を低下させ、低燃費化に有利な構造とすることができる。また、内側管31の前方上流側でより多くの排気ガスを内側管31内に導入し、内側管31内で排気ガスができるだけ長い距離流れるようにし、より多くの廃熱を回収して第2通路管10P内を有利に保温できる。他方、内側管31の後方下流側では必要以上に開口部33を設けずに済み、製造コストの低減が図れる。なお、内側管31の後方下流側で開口面積の割合をゼロとし、すなわち開口部33を無くしてもよい。
開口部33の開口面積割合を後方下流側より前方上流側で大きくする方法は、様々考えられる。例えば前者より後者の方で、孔の面積を大きくしたり、孔の数を増やしたり、孔の間隔を密にしたりする方法が考えられる。
このように本実施形態では、第5通路管13Pにより第2通路管10Pを覆ったので、第5通路管13P内の廃熱を有効利用して第2通路管10P内を有利に保温することができる。
また、NOx触媒23、第2通路管10Pおよび第5通路管13P等を収容するケーシング2を設けたため、第2通路管10P内をさらに有利に保温することができる。
なお本実施形態の変形例について様々なものが考えられる。例えば第5通路管13Pにより第2通路管10Pの一部を覆ってもよい。第5通路管13Pは必ずしも内側管31および外側管32で構成する必要はなく、単一の管で構成してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお第1実施形態と同様の部分には図中同一符号を付して説明を割愛し、以下、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図4〜図6に、本実施形態に係る排気浄化装置の全体構造を示す。図4は後方斜視図、図5は後方斜視断面図(図4のV−V断面図)、図6は前方斜視図である。
図示するように、本実施形態は第5通路管13Pの構成が第1実施形態と主に異なる。本実施形態の第5通路管13Pは、第2通路管10Pに加え、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pをも覆う。ここで第3通路管11Pおよび第4通路管12Pは、NOx触媒23を収容するNOx触媒収容管として機能する。
具体的には第5通路管13Pは、内側管31と外側管32と開口部33とを備える。内側管31と開口部33については第1実施形態と同様である。しかしながら外側管32については第1実施形態と異なり、本実施形態の外側管32は、内側管31に加え、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pをも覆う。従って外側管32の内側には比較的広いスペースが形成される。
外側管32は、第3通路管11Pと第4通路管12Pを覆う1枚の板材35の両端部を内側管31の外壁に溶接等により固着することにより形成される。こうして出来た外側管32は、第3通路管11Pと第4通路管12Pがそれぞれ部分嵌合される断面円弧状の湾曲部36,37と、内側管31、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pの各々の間の隙間を閉止する閉止部38,39,40とを有する。湾曲部36,37は第3通路管11Pおよび第4通路管12Pに面接触される。閉止部38,39,40は内側に向かって滑らかにくびれた形状とされている。こうして第5通路管13Pは、全体として略三角形の断面形状とされる。そして第5通路管13Pは、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pに接触した状態で、第2通路管10P、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pを覆う。
なお図示しないが、内側管31、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pを1枚の板材35で覆う代わりに、内側管31と第3通路管11P、第3通路管11Pと第4通路管12P、および第4通路管12Pと内側管31の間の隙間をそれぞれ短い板材(図示せず)で閉止してもよい。この場合の構造も図示例の構造と等価である。
前端チャンバ8Fには外側管32のみが直接連通されている。従って前側隔壁板6には、外側管32の断面形状と略同一形状の比較的大きな開口部41が形成されている。
本実施形態によれば、第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を発揮することができる。すなわち、第5通路管13Pにより第3通路管11Pおよび第4通路管12Pをも覆ったので、第5通路管13P内の廃熱を利用してNOx触媒23も保温することができる。よってNOx触媒23の活性化の維持促進に有利となり、排気浄化性能を高めることができる。
また、第5通路管13Pが、第3通路管11Pと第4通路管12Pに接触した状態で、第2通路管10Pと第3通路管11Pと第4通路管12Pを覆うので、これらの全体構成をコンパクトにできる。特に第5通路管13Pを第3通路管11Pと第4通路管12Pに接触させたので、両者の間に隙間を設ける場合に比べ、コンパクト化を達成できる。また、第5通路管13Pの熱を第3通路管11Pと第4通路管12Pに直接伝達し、その熱を利用して通路管11P,12P内部のNOx触媒23を保温できるので、NOx触媒23の活性化に有利である。
さらに、1枚の板材35で外側管32を形成したので、外側管32の作製が容易になると共に、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pと外側管32との組み付けも容易となる。
なお本実施形態の構成が、第3通路管11Pおよび第4通路管12P内部の第2酸化触媒24の保温にも有利なことは言うまでもない。本実施形態においても、開口部33の開口面積の割合を内側管31の後方下流側よりも前方上流側の方で大きくするのが好ましい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ここでは第2実施形態との相違点を主に説明する。図7〜図9に、本実施形態に係る排気浄化装置の全体構造を示す。図7は後方斜視図、図8は後方斜視断面図(図7のVIII−VIII断面図)、図9は前方斜視図である。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ここでは第2実施形態との相違点を主に説明する。図7〜図9に、本実施形態に係る排気浄化装置の全体構造を示す。図7は後方斜視図、図8は後方斜視断面図(図7のVIII−VIII断面図)、図9は前方斜視図である。
図示するように、本実施形態は第5通路管13Pの構成が第2実施形態と主に異なる。本実施形態の第5通路管13Pは、第2通路管10Pと、第3通路管11Pおよび第4通路管12Pとに加え、第1通路管9Pをも覆う。ここで第1通路管9Pは、フィルタ22を収容するフィルタ収容管として機能する。
具体的には第5通路管13Pは、内側管31と外側管32と開口部33とを備える。内側管31と開口部33については第2実施形態と同様である。しかしながら外側管32については第2実施形態と異なり、本実施形態の外側管32は、内側管31と第3通路管11Pおよび第4通路管12Pとに加え、第1通路管9Pをも覆う。従って外側管32の内側にはさらに広いスペースが形成される。
外側管32は、第3通路管11Pと第4通路管12Pと第1通路管9Pを覆う1枚の板材42の両端部を内側管31の外壁に溶接等により固着することにより形成される。こうして出来た外側管32は、第3通路管11Pと第4通路管12Pと第1通路管9Pがそれぞれ部分嵌合される断面円弧状の湾曲部36,37,43と、内側管31、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pの各々の間の隙間を閉止する閉止部38,39,44,45とを有する。湾曲部36,37,43は第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pに面接触される。閉止部38,39,44,45は内側に向かって滑らかにくびれた形状とされている。こうして第5通路管13Pは、全体として略四角形の断面形状とされる。そして第5通路管13Pは、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pに接触した状態で、第2通路管10P、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pを覆う。
なお図示しないが、内側管31、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pを1枚の板材42で覆う代わりに、内側管31と第3通路管11P、第3通路管11Pと第4通路管12P、第4通路管12Pと第1通路管9P、第1通路管9Pと内側管31の間の隙間をそれぞれ短い板材(図示せず)で閉止してもよい。この場合の構造も図示例の構造と等価である。
前端チャンバ8Fには外側管32のみが直接連通されている。従って前側隔壁板6には、外側管32の断面形状と略同一形状のさらに大きな開口部46が形成されている。
本実施形態によれば、第2実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を発揮することができる。すなわち、第5通路管13Pにより第1通路管9Pをも覆ったので、第5通路管13P内の廃熱を利用してフィルタ22も保温することができる。よってフィルタ22に担持された触媒の活性化を維持促進でき、PMの燃焼効果を高め、排気浄化性能を高めることができる。
また、第5通路管13Pが、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pに接触した状態で第2通路管10P、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pを覆うので、これらの全体構成をコンパクトにできる。特に第5通路管13Pを第1通路管9Pに接触させたので、両者の間に隙間を設ける場合に比べ、コンパクト化を達成できる。また、第5通路管13Pの熱を第1通路管9Pに直接伝達し、その熱を利用して通路管9P内部のフィルタ22を保温できるので、フィルタ22の触媒の活性化に有利である。
さらに、1枚の板材42で外側管32を形成したので、外側管32の作製が容易になると共に、第3通路管11P、第4通路管12Pおよび第1通路管9Pと外側管32との組み付けも容易となる。
なお本実施形態の構成が、第1通路管9P内部の第1酸化触媒21の保温にも有利なことは言うまでもない。本実施形態においても、開口部33の開口面積の割合を内側管31の後方下流側よりも前方上流側の方で大きくするのが好ましい。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態は他にも様々考えられる。
(1)本開示は、上述のような密閉箱型ケーシング2を有する排気浄化装置のみならず、ケーシング2を有しない通常の排気浄化装置にも適用可能である。
(2)本開示は、よりシンプルな実施形態によっても実施可能である。例えば、第1酸化触媒21、フィルタ22および第2酸化触媒24の少なくとも一つを省略してもよい。また上記実施形態ではNOx触媒23と、これを収容するNOx触媒収容管(第3通路管11P、第4通路管12P)とを二つずつ設けたが、これらを一つずつ設けてもよい。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 排気浄化装置
2 ケーシング
9P 第1通路管
10P 第2通路管
11P 第3通路管
12P 第4通路管
13P 第5通路管
14 噴射弁
22 フィルタ
23 NOx触媒
31 内側管
32 外側管
33 開口部
2 ケーシング
9P 第1通路管
10P 第2通路管
11P 第3通路管
12P 第4通路管
13P 第5通路管
14 噴射弁
22 フィルタ
23 NOx触媒
31 内側管
32 外側管
33 開口部
Claims (7)
- 還元剤を噴射する噴射弁と、
前記噴射弁の下流側に設けられた選択還元型NOx触媒と、
前記噴射弁の下流側かつ前記NOx触媒の上流側に設けられ、還元剤と排気ガスを混合させるための混合通路管と、
前記NOx触媒の下流側に設けられ、前記混合通路管を覆う下流側通路管と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記NOx触媒を収容するNOx触媒収容管をさらに備え、
前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管をも覆う
請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記混合通路管と前記NOx触媒収容管とが並列に配置され、前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管に接触した状態で前記混合通路管と前記NOx触媒収容管を覆う
請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記噴射弁の上流側に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
前記フィルタを収容するフィルタ収容管と、をさらに備え、
前記下流側通路管が、前記フィルタ収容管をも覆う
請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記混合通路管と前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管とが並列に配置され、前記下流側通路管が、前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管に接触した状態で、前記混合通路管と前記NOx触媒収容管と前記フィルタ収容管とを覆う
請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記NOx触媒、前記混合通路管および前記下流側通路管を収容するケーシングをさらに備える
請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記下流側通路管が、前記混合通路管を覆う内側管と、前記内側管を覆う外側管と、前記内側管に設けられ前記内側管と前記外側管の内部同士を連通する開口部とを備え、前記内側管の単位面積当たりにおける前記開口部の開口面積の割合が、前記内側管の下流側よりも前記内側管の上流側の方で大きい
請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017205270A JP2019078213A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017205270A JP2019078213A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019078213A true JP2019078213A (ja) | 2019-05-23 |
Family
ID=66628756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017205270A Pending JP2019078213A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019078213A (ja) |
-
2017
- 2017-10-24 JP JP2017205270A patent/JP2019078213A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20171024 |