JP2019078128A - 構造物の剥落防止構造 - Google Patents
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これによれば、帯板の突起が剥落防止ネットの網目に入り込むことによって剥落防止ネットにかかる荷重が帯板に沿って平均的に分散されるので、ネットを構成する糸の局所的な切断がなく、大荷重の剥落に耐えることができる。また、帯板と剥落防止ネットの位置関係を固定することができ、剥落防止ネットの設置位置からの位置ずれを防止することができる。従って、剥落防止ネットの弛みや垂れ下がりを無くして、構造物の表面に剥落防止ネットを略密接させ、安定して沿設することができることから、高い安定性で大荷重の剥落を防止することができる。また、剥落防止ネットの位置ずれ、弛み、垂れ下がりを防止し、剥落防止ネットを構造物の表面に安定して略密接させることができることから、構造物の表面に対する良好な目視点検を行うことが可能となる。
これによれば、帯板幅方向の両側領域にそれぞれ長手方向に列設される複数の突起を剥落防止ネットの網目に入り込ませることにより、アンカー部材による固定部分の両側で荷重を分散支持させることができると共に、両側で剥落防止ネットの位置関係を固定することができ、剥落防止ネットの荷重分散効果と位置ずれ防止効果をより高い安定性で発揮することができる。また、帯板幅方向の両側領域に列設される複数の突起を構造物の表面を押圧するようにして構造物の表面に略当接させ、帯板を幅方向において剥落防止ネットや構造物の表面と略並行にした状態で設置、固定することができ、帯板の設置状態の安定性を高めることができる。
これによれば、剥落防止ネットの剛性を高め、剥落防止ネットの緩みや垂れ下がりをより確実に防止することができる。更に、PVCコーティングされたPETメッシュは所定の剛性を有すると共に所定の可撓性を有し、例えばトンネルの内周面等のように湾曲した構造物の表面にも沿うように追従することが可能であり、汎用性に優れる剥落防止ネットとすることができる。また、剥落防止ネットをPVCコーティングされたPETメッシュとすることにより、剥落防止ネットの耐候性、耐水性、耐久性を向上することができ、ひいては剥落防止構造の耐久性を高めることができる。更に、PVCコーティングされたPETメッシュは現場で所要の寸法に切断して使用可能であり、構造物の表面の形状が複雑な場合でも対応することができ、施工現場への高い適応力を有する。
これによれば、樹脂注入式の拡開アンカーにより、アンカー部材と帯板を高い強度で且つ安定して構造物の奥のほう、即ち剥落が懸念される脆弱な表層部ではなく健全な躯体深部に固定することができ、剥落防止ネットの設置状態の安定性をより高めることができる。また、コンクリート躯体の表層部位に劣化の兆候がありアンカーの機械定着力にムラがある場合でも、樹脂注入によってアンカー定着力を安定的に確保することができる。さらに、拡開アンカーの後端近傍の鍔部で帯板を付勢することにより、拡開アンカーの後端部にナットを設ける必要が無くなり、ナットが落下する危険性を無くすことができる。
本発明による実施形態の構造物の剥落防止構造は、例えばトンネル、橋梁等の構造物に設けられ、好ましくはコンクリートで形成されているコンクリートの構造物に対して設けられる。図1の例では、トンネルのコンクリート躯体100を構造物として、本実施形態の構造物の剥落防止構造が設置されている。
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
Claims (4)
- 構造物の表面に沿って略密接して配置される網目状の剥落防止ネットと、
前記剥落防止ネットに対して前記構造物と逆側に設けられ、前記剥落防止ネットを定置させる帯板と、
前記帯板を前記構造物に固定するアンカー部材を備え、
前記帯板の前記剥落防止ネット側に複数の突起が間隔を開けて形成され、前記複数の突起がそれぞれ前記剥落防止ネットの網目に対応して入り込んでいる
ことを特徴とする構造物の剥落防止構造。 - 前記帯板の幅方向の中央部に前記アンカー部材の挿通孔が形成され、
前記中央部の両側の領域に、前記帯板の長手方向に間隔を開けて複数の前記突起がそれぞれ列設されていることを特徴とする請求項1記載の構造物の剥落防止構造。 - 前記剥落防止ネットが、PVCコーティングされたPETメッシュであることを特徴とする請求項1又は2記載の構造物の剥落防止構造。
- 前記アンカー部材が、樹脂注入式の拡開アンカーであり、
前記拡開アンカーの拡開部が拡開され且つ前記拡開アンカーの隙間に硬化樹脂が充填された状態で、前記拡開アンカーが前記構造物に固定され、
前記拡開アンカーの後端近傍に設けられている鍔部で前記帯板が前記構造物側に付勢されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の構造物の剥落防止構造。
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- 2017-10-27 JP JP2017207854A patent/JP6993067B2/ja active Active
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