(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態のコンテンツ配信システム1の構成を示すブロック図である。コンテンツ配信システム1は、配信事業者設備300−1,300−2,300−3、ユニキャスト・マルチキャスト変換装置(以下「U−M変換装置」という)10a,10s、コアルータ30−1,30−2、伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−1,50−2、マルチキャスト・ユニキャスト変換装置(以下「M−U変換装置」という)20−1,20−2、OLT(Optical Line Terminal)60−1,60−2、光スプリッタ61−1,61−2、ONU(Optical Network Unit)62−1−1,62−1−2,62−1−3,62−2−1,62−2−2,62−2−3、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−4,70−5,70−6、表示装置71−1,71−2,71−3,71−4,71−5,71−6、及びOSS(Operating Support System)400を備える。
配信事業者設備300−1,300−2,300−3の各々は、例えば、異なる配信事業者によって運営されており、各々が現用系と予備系の装置であるコンテンツ配信装置310−1a,310−1s、コンテンツ配信装置310−2a,310−2s、コンテンツ配信装置310−3a,310−3sを備える。コンテンツ配信装置310−1a,310−2a,310−3aは現用系の装置であり、コンテンツ配信装置310−1s,310−2s,310−3sは予備系の装置である。予備系の装置は、常に現用系の装置が内部に記憶する情報を共有して同一の状態を維持して現用系の装置と同様の処理を行っており、現用系の装置が、障害の発生等によって動作を停止した場合、コンテンツ情報の配信の処理等を継続して行う。
配信事業者設備300−1,300−2,300−3を運営する配信事業者の各々には、予め異なる配信事業者ID(Identification)が付与されており、各々に、配信事業者IDとして、例えば、「1」,「2」,「3」が予め付与されているものとする。
コンテンツ配信装置310−1a,310−1s,310−2a,310−2s,310−3a,310−3sは、例えば、図2に示すデータ形式によりコンテンツ情報を送信する。図2に示すデータ形式は、図42を参照して定義したトラヒックに相当しており、IPv6パケットを含むEthernet(登録商標)フレームを示したものである。なお、図2では、IPv6ヘッダとペイロードとの間にUDPヘッダを付与した例を示している。コンテンツ情報は、IPv6パケットのペイロードである46〜1500Byteの大きさのデータ部分に格納されて送信される。なお、以下の説明において、ユニキャストとマルチキャストを区別して、図2に示すデータ形式のトラヒックを示す場合、ユニキャストIPトラヒック、または、マルチキャストIPトラヒックという。
SNIからUNIまでの部分は、例えば、通信事業者によって運営される通信ネットワークの部分となる。U−M変換装置10aは、コンテンツ配信装置310−1a,310−2a,310−3aからユニキャストIPトラヒックを受信する。ユニキャストIPトラヒックは、ユニキャスト送信により送信されるIPパケットを表す。また、U−M変換装置10aは、受信したユニキャストIPトラヒックに応じて、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換してコアルータ30−1に送信したり、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄したりする。マルチキャストIPトラヒックは、マルチキャスト送信により送信されるIPパケットを表す。
U−M変換装置10sは、コンテンツ配信装置310−1s,310−1s、310−2s,310−3sからユニキャストIPトラヒックを受信する。また、U−M変換装置10sは、受信したユニキャストIPトラヒックに応じて、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換してコアルータ30−2に送信したり、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄したりする。
U−M変換装置10aとU−M変換装置10sとは、現用系と予備系の関係にある装置である。予備系のU−M変換装置10sは、現用系のU−M変換装置10aが内部に記憶する情報を共有して同一の状態を維持して現用系の装置と同様の処理を行っている。ただし、現用系のU−M変換装置10aが正常に動作している間は、予備系のU−M変換装置10sは、コアルータ30−2に対して送信を行わない。予備系のU−M変換装置10sは、現用系のU−M変換装置10aが障害の発生等によって動作を停止した場合、コアルータ30−2への送信を開始する。
コアルータ30−1,30−2、及びエッジルータ50−1,50−2は、いわゆるIPパケットを転送するルータであり、受信したユニキャストまたはマルチキャストのIPトラヒックの宛先アドレスと、内部に記憶する経路情報とに基づいて、受信したユニキャストまたはマルチキャストのIPトラヒックの転送を行う。なお、マルチキャストIPトラヒックを送信する場合に必要となるMLD(Multicast Listener Discovery)は、中継を行うコアルータ30−1,30−2、及びエッジルータ50−1,50−2に静的に設定されているものとする。なお、静的な設定に限られず、PIM(Protocol Independent Multicast)−SSM(Source Specific Multicast)等によって動的に設定される方式が適用されてもよい。
伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2は、例えば、BOADM(Bidirectional Optical Add/Drop Multiplexer)及びROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)等のIPトラヒックを光信号に変換して伝送を行う伝送装置である。なお、BOADM(Bidirectional Optical Add/Drop Multiplexer)及びROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)に限られず、他の方式の伝送装置が適用されてもよい。
M−U変換装置20−1は、エッジルータ50−1から受信したコンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックを当該コンテンツ情報の配信を要求した受信者端末装置70−1〜70−3の数に応じて複製する。また、M−U変換装置20−1は、複製したマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを当該コンテンツ情報の配信を要求した受信者端末装置70−1〜70−3に付与されているグローバルIPアドレスに書き換えてユニキャストIPトラヒックに変換して送信する。
M−U変換装置20−2は、エッジルータ50−2から受信したコンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックを当該コンテンツ情報の配信を要求した受信者端末装置70−4〜70−6の数に応じて複製する。また、M−U変換装置20−2は、複製したマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを当該コンテンツ情報の配信を要求した受信者端末装置70−4〜70−6に付与されているグローバルIPアドレスに書き換えてユニキャストIPトラヒックに変換して送信する。
M−U変換装置20−1,20−2の各々には、アクセスネットワークとしてPON(Passive Optical Network)が接続されている。M−U変換装置20−1に接続するPONは、OLT60−1と、光スプリッタ61−1と、ONU62−1−1〜62−1−3を備えており、M−U変換装置20−2に接続するPONは、OLT60−2と、光スプリッタ61−2と、ONU62−2−1〜62−2−3を備えている。
ONU62−1−1〜62−1−3,62−2−1〜62−2−3の各々は、受信者端末装置70−1〜70−6に接続する。受信者端末装置70−1〜70−6の各々には、受信したコンテンツ情報を表示する表示装置71−1〜71−6が接続されている。受信者端末装置70−1〜70−6は、例えば、STB(Set Top Box)であり、受信者端末装置70−1〜70−6が受信したコンテンツ情報を表示する表示装置71−1〜71−6は、例えば、テレビである。
なお、受信者端末装置70−1〜70−6の各々には異なるグローバルIPアドレスが予め付与されており、更に、エンドユーザIDとして、例えば、VLAN(Virtual LAN)−IDが予め付与されている。すなわち、個々の受信者端末装置70−1〜70−6は、グローバルIPアドレスとVLAN−IDの組み合わせによって一意に特定される。また、受信者端末装置70−1〜70−6は、マルチキャスト非対応の装置であり、ユニキャストトラヒックのみを送受信する。
以下の説明において、受信者端末装置70−1〜70−6の順にグローバルIPアドレスとして、例えば、「2001:158:2443:1:1」、「2001:158:2443:1:2」、「2001:158:2443:1:3」、「2001:158:2443:1:4」「2001:158:2443:1:5」、「2001:158:2443:1:6」が付与されており、VLAN−IDは、全て「1」が付与されているとする。
OSS400は、U−M変換装置10a,10s及びM−U変換装置20−1,20−2に通信回線を介して接続されており、通信ネットワークの運営者の操作を受けて、U−M変換装置10a,10sと、M−U変換装置20−1,20−2に対して各種の設定情報を送信し、送信した設定情報に基づく設定を行う。
図3は、コンテンツ配信装置310−1a,310−1s,310−2a,310−2s,310−3a,310−3sの内部構成を示すブロック図である。コンテンツ配信装置310−1a,310−1s,310−2a,310−2s,310−3a,310−3sは、同一の内部構成を有している。そのため、図3では、「−1a」等の符号の枝記号を除いて、コンテンツ配信装置310として説明する。また、以下の説明において、個々のコンテンツ配信装置310−1a,310−1s,310−2a,310−2s,310−3a,310−3sの内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に枝記号を付して示すものとする。
コンテンツ配信装置310は、NW−IF(Network-Interface)311、要求受付部312、コンテンツ配信部313、コンテンツ情報記憶部314及び配信事業者ID記憶部315を備える。NW−IF311は、現用系の場合にはSNIを介してU−M変換装置10aに接続し、予備系の場合にはSNIを介してU−M変換装置10sに接続する。
コンテンツ情報記憶部314は、図3に示すように、「チャネルID」と「コンテンツ情報」の項目を有するテーブルを予め記憶する。「コンテンツ情報」の項目には、例えば、映像のコンテンツ情報が書き込まれる。コンテンツ情報の各々には、予め異なるチャネルIDが付与されており、「チャネルID」の項目には、コンテンツ情報に対応するチャネルIDの番号が書き込まれる
配信事業者ID記憶部315は、配信事業者ごとに付与されている配信事業者IDを予め記憶する。上述したように、配信事業者設備300−1,300−2,300−3の各々には、配信事業者IDとして「1」,「2」,「3」が予め付与されている。
なお、現用系と予備系の関係にある装置は、同一の配信事業者IDを記憶する。例えば、コンテンツ配信装置310−1aの配信事業者ID記憶部315−1aと、コンテンツ配信装置310−1sの配信事業者ID記憶部315−1sは、配信事業者IDとして「1」を予め記憶する。
要求受付部312は、NW−IF311を介して、受信者端末装置70−1〜70−6が送信する配信事業者ID及びチャネルIDを含む配信開始要求情報を受信する。また、要求受付部312は、受信した配信開始要求情報の送信元アドレスと、配信開始要求情報に含まれるチャネルIDとを関連付けてコンテンツ配信部313に出力する。
コンテンツ配信部313は、要求受付部312から受けたチャネルIDに対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報記憶部314から読み出し、読み出したコンテンツ情報に対して、チャネルIDと、配信事業者ID記憶部315が記憶する配信事業者IDとを付加してユニキャストIPトラヒックを生成する。また、コンテンツ配信部313は、要求受付部312から受けた送信元アドレスを、生成したユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスとして書き込み、当該ユニキャストIPトラヒックをNW−IF311を介して送信する。
図4は、U−M変換装置10a,10sの内部構成を示すブロック図である。U−M変換装置10a,10sは、同一の内部構成を有している。そのため、図4では、「a」や「s」の記号を除いて、U−M変換装置10として説明する。また、以下の説明において、個々のU−M変換装置10a,10sの内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「a」や「s」の記号を付して示すものとする。
U−M変換装置10は、NW−IF120,121,122、送信選択判定部100、記憶部101、宛先アドレス変換部102、送出トラヒックバッファ部103及びコマンド送受信部105を備える。NW−IF120は、現用系のU−M変換装置10aの場合にはSNIを介して現用系のコンテンツ配信装置310−1a,310−2a,310−3aに接続し、予備系のU−M変換装置10sの場合にはSNIを介して予備系のコンテンツ配信装置310−1s,310−2s,310−3sに接続する。NW−IF121は、現用系のU−M変換装置10aの場合にはコアルータ30−1に接続し、予備系のU−M変換装置10sの場合にはコアルータ30−2に接続する。NW−IF122は、OSS400に接続する。
記憶部101は、図5に示すU−M変換テーブル111を記憶する。U−M変換テーブル111は、「配信事業者ID」、「チャネルID」、「選択状態」、「変換前のユニキャストIPアドレス」、「変換後のマルチキャストIPアドレス」の項目を有する。「配信事業者ID」の項目には、配信事業者IDの情報が書き込まれる。「チャネルID」の項目には、チャネルIDの情報が書き込まれる。「選択状態」の項目には、「○」または「−」の情報が書き込まれる。「変換前のユニキャストIPアドレス」の項目には、受信者端末装置70−1〜70−6に付与されているIPアドレスの情報が書き込まれる。「変換後のマルチキャストIPアドレス」の項目には、コンテンツ情報ごと、すなわち配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせごとに予め付与されるマルチキャストIPアドレスの情報が書き込まれる。
図3を参照して説明したように、コンテンツ配信装置310の各々において、コンテンツ情報ごとに異なるチャネルIDが付与されており、個々の配信事業者には異なる配信事業者IDが付与されている。そのため、配信事業者IDとチャネルIDとの組み合わせによってコンテンツ情報を一意に特定することができる。すなわち、配信事業者IDとチャネルIDとの組み合わせが異なれば、異なるコンテンツ情報を示すことになる。
図5に示すU−M変換テーブル111では、配信事業者IDとチャネルIDとの組み合わせごと、すなわち異なるコンテンツ情報ごとに、異なるマルチキャストIPアドレスを関連付けて記憶させておくことで、マルチキャストIPアドレスとコンテンツ情報とを一対一に関連付けている。また、図5に示す通り、U−M変換テーブル111は、配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者端末装置70−1〜70−6に付与されているIPアドレスとからなる組み合わせの全ての組み合わせを予め記憶する。
U−M変換テーブル111の「選択状態」の項目は、当該項目において「○」が付けられているレコードに対応するユニキャストIPトラヒックがマルチキャストIPトラヒックに変換されて送信されることを示している。なお、「選択状態」の項目には、初期情報として「−」が書き込まれる。
以下に説明する送信選択判定部100、宛先アドレス変換部102、及び送出トラヒックバッファ部103は、ユニキャストIPトラヒックからマルチキャストIPトラヒックへの変換処理を行うユニキャスト・マルチキャスト変換処理部である。
送信選択判定部100は、NW−IF120を介してコンテンツ配信装置310からユニキャストIPトラヒックを受信し、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれる配信事業者IDとチャネルIDと宛先アドレスの情報を読み出す。また、送信選択判定部100は、記憶部101のU−M変換テーブル111を参照し、読み出した配信事業者IDとチャネルIDとに基づいて、ユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報がマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録されているか否かを判定する。
また、送信選択判定部100は、記憶部101のU−M変換テーブル111を参照し、読み出した配信事業者IDとチャネルIDと宛先アドレスとに基づいて、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するか否かを判定する。また、送信選択判定部100は、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換しないと判定した場合、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄する。
また、送信選択判定部100は、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換すると判定した場合、受信したユニキャストIPトラヒックと、当該コンテンツ情報に対応するマルチキャストIPアドレスの情報とを対応付けて宛先アドレス変換部102に出力する。
宛先アドレス変換部102は、送信選択判定部100が出力するユニキャストIPトラヒックに対して、当該ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、送信選択判定部100が出力するマルチキャストIPアドレスに書き換えてマルチキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部103に出力する。
送出トラヒックバッファ部103は、例えば、キュー方式のバッファであり、取り込んだIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF121に出力する。コマンド送受信部105は、NW−IF122を介してOSS400との間で情報の送受信を行う。コマンド送受信部105は、OSS400が、例えば、通信ネットワークの運用者の操作を受けて送信するU−M変換テーブル111に書き込む各種情報を受信し、受信した各種情報を記憶部101のU−M変換テーブル111に書き込んで記憶させる。
なお、NW−IF121とNW−IF120とを直接接続する接続線は、NW−IF121からNW−IF120に向かう情報、すなわちコアルータ30−1,30−2からコンテンツ配信装置310に向かう情報を伝送する。
図6は、M−U変換装置20−1,20−2の内部構成を示すブロック図である。M−U変換装置20−1,20−2は、同一の内部構成を有しており、図5では、「−1」や「−2」の枝番号を除いて、M−U変換装置20として説明する。また、以下の説明において、個々のM−U変換装置20−1,20−2の内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「−1」や「−2」の枝番号を付して示すものとする。
M−U変換装置20は、NW−IF220,221,222、複製判定部200、記憶部201、宛先アドレス変換部202、送出トラヒックバッファ部203、情報検出処理部204、及びコマンド送受信部205を備える。NW−IF220は、M−U変換装置20−1の場合、エッジルータ50−1に接続し、M−U変換装置20−2の場合、エッジルータ50−2に接続する。NW−IF221は、M−U変換装置20−1の場合、OLT60−1に接続し、M−U変換装置20−2の場合、OLT60−2に接続する。NW−IF222は、OSS400に接続する。
記憶部201は、図7に示すM−U変換テーブル211を記憶する。M−U変換テーブル211は、「配信事業者ID」、「チャネルID」、「変換前のマルチキャストIPアドレス」、「配信要求」、「変換後のユニキャストIPアドレス」、「エンドユーザID」の項目を有する。「配信事業者ID」の項目には、配信事業者IDの情報が書き込まれる。「チャネルID」の項目には、チャネルIDの情報が書き込まれる。「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目には、コンテンツ情報ごとに付与されるマルチキャストIPアドレスの情報が書き込まれる。「配信要求」の項目には、「○」または「−」の情報が書き込まれる。「変換後のユニキャストIPアドレス」の項目には、受信者端末装置70−1〜70−6に付与されているIPアドレスの情報が書き込まれる。「エンドユーザID」の項目には、受信者端末装置70−1〜70−6に付与されているVLAN−IDが書き込まれる。
図7に示すM−U変換テーブル211では、U−M変換テーブル111と同様に、異なるコンテンツ情報ごとに、異なるマルチキャストIPアドレスを関連付けて記憶させている。これにより、マルチキャストIPアドレスとコンテンツ情報とを一対一に関連付けておくことができる。また、図7に示す通り、M−U変換テーブル211は、配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者端末装置70−1〜70−6に付与されているIPアドレス及びVLAN−IDとからなる組み合わせの全ての組み合わせを予め記憶する。
M−U変換テーブル211の「配信要求」の項目は、当該項目において「○」が付けられているレコードに対応するコンテンツ情報が、同じレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」で示される受信者端末装置70−1〜70−6から配信要求されたことを示している。なお、「配信要求」の項目には、初期情報として「−」が書き込まれる。
以下に説明する複製判定部200、宛先アドレス変換部202、及び送出トラヒックバッファ部203は、マルチキャストIPトラヒックからユニキャストIPトラヒックへの変換処理を行うマルチキャスト・ユニキャスト変換処理部である。
複製判定部200は、NW−IF220を介してエッジルータ50−1,50−2からマルチキャストIPトラヒックを受信する。また、複製判定部200は、記憶部201のM−U変換テーブル211を参照し、受信したマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスに基づいて、当該マルチキャストIPトラヒックの受信者数、当該マルチキャストIPトラヒックを受信している受信者端末装置70−1〜70−6のIPアドレスとVLAN−IDとを検出する。ここで、受信者数とは、当該マルチキャストIPトラヒックを受信している受信者端末装置70−1〜70−6の数である。
また、複製判定部200は、検出した受信者端末装置70−1〜70−6のIPアドレスとVLAN−IDの組み合わせの情報を宛先アドレス変換部202に出力する。また、複製判定部200は、M−U変換テーブル211から検出した受信者数分のマルチキャストIPトラヒックを複製し、複製したマルチキャストIPトラヒックを宛先アドレス変換部202に出力する。
宛先アドレス変換部202は、複製判定部200が出力するマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、複製判定部200が出力するIPアドレスに書き換え、更に、VLAN−IDを付加し、ユニキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部203に出力する。送出トラヒックバッファ部203は、例えば、キュー方式のバッファであり、取り込んだIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221に出力する。
情報検出処理部204は、NW−IF221において受信する情報を監視しつつ、受信した情報をNW−IF220に転送する。また、情報検出処理部204は、監視する情報の中から受信者端末装置70−1〜70−6が送信する配信開始要求情報を検出した場合、配信開始要求情報に含まれる配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDを読み出す。また、情報検出処理部204は、記憶部201のM−U変換テーブル211を参照し、読み出した配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDに対応するレコードを検出し、検出したレコードの「配信要求」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
また、情報検出処理部204は、監視する情報の中から受信者端末装置70−1〜70−6が送信する配信終了要求情報を検出した場合、配信終了要求情報に含まれる配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDを読み出す。また、情報検出処理部204は、記憶部201のM−U変換テーブル211を参照し、読み出した配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDに対応するレコードを検出し、検出したレコードの「配信要求」の項目に「−」を書き込んで記憶させる。
コマンド送受信部205は、OSS400が、例えば、通信ネットワークの運用者の操作を受けて送信するM−U変換テーブル211に書き込む各種情報を受信し、受信した各種情報を記憶部201のM−U変換テーブル211に書き込んで記憶させる。
(第1の実施形態のU−M変換装置によるトラヒック変換処理)
図8は、第1の実施形態のU−M変換装置10が行うトラヒック変換処理の流れを示すフローチャートである。以下では、現用系のU−M変換装置10aの処理として説明するが、現用系のU−M変換装置10aが障害の発生等により停止した場合、予備系のU−M変換装置10sが同様の処理を行う。
U−M変換装置10aの送信選択判定部100aは、NW−IF120aを介して、いずれかのコンテンツ配信装置310からコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する(ステップSa1)。ここでは、コンテンツ配信装置310−1aからユニキャストIPトラヒックを受信したとし、当該ユニキャストIPトラヒックは、配信事業者ID「1」、チャネルID「1」に対応するコンテンツ情報を含み、宛先アドレスとして受信者端末装置70−1に付与されている「2001:158:2443:1::1」を含んでいるものとする。
送信選択判定部100aは、受信したユニキャストIPトラヒックから配信事業者ID、チャネルID、宛先アドレスの情報を読み出す。送信選択判定部100aは、記憶部101aのU−M変換テーブル111aを参照して、読み出した配信事業者ID、チャネルIDに対応する全てのレコードを検出する。送信選択判定部100aは、検出した全てのレコードの「選択状態」の項目を参照し、いずれかのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されているか否かを判定する。これにより、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報がマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録されているか否かを判定する(ステップSa2)。
送信選択判定部100aは、配信事業者ID、チャネルIDに対応する全てのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されていないと判定した場合、すなわち、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報がマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録されていないと判定した場合(ステップSa2−NO)、以下の処理を行う。すなわち、送信選択判定部100aは、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者ID、チャネルID、宛先アドレスの情報に対応するレコードを検出し、検出したレコードの「選択状態」の項目に「○」を書き込んで記憶させる(ステップSa3)。その後、送信選択判定部100aは、処理をステップSa5に進める。
一方、送信選択判定部100aは、配信事業者ID、チャネルIDに対応するいずれかのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されていると判定した場合(ステップSa2−YES)、次に、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するか否かを判定する(ステップSa4)。
送信選択判定部100aは、いずれかのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されており、「○」が記憶されているレコードの「変換前のユニキャストIPアドレス」が読み出した宛先アドレスに一致する場合、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換すると判定する(ステップSa4−YES)。
一方、送信選択判定部100aは、いずれかのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されており、「○」が記憶されているレコードの「変換前のユニキャストIPアドレス」が読み出した宛先アドレスに一致しない場合、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換しないと判定する(ステップSa4−NO)。
例えば、複数の受信者端末装置70−1〜70−6が、同一のコンテンツ情報、すなわち同一の配信事業者IDであって同一のチャネルIDのコンテンツ情報を受信している場合を想定する。例えば、U−M変換装置10aが、同一の配信事業者のコンテンツ配信装置310−1aから同一のチャネルIDのコンテンツ情報を複数のユニキャストIPトラヒックとして受信しているとする。この場合、コンテンツ情報が、例えば、連続した映像のコンテンツ情報である場合、ロスしたり、重複したりすることを防ぐためには、いずれか1つの受信者端末装置70−1〜70−6を宛先とするユニキャストIPトラヒックのみを選択して、選択したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信し、それ以外の同一のチャネルIDのコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックについては送信しないで破棄する必要がある。上記のステップSa4の判定処理は、ステップSa2の判定処理の結果、ステップSa3の処理において選択したいずれか1つのユニキャストIPトラヒックのみをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信するための判定処理である。
送信選択判定部100aは、ステップSa4の処理において、「NO」の判定を行った場合、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄する。これに対して、送信選択判定部100aは、ステップSa4の処理において、「YES」の判定を行った場合と、ステップSa3の処理を行った場合、以下の処理を行う。
送信選択判定部100aは、ステップSa3の処理において検出したレコード、またはステップSa4の処理において検出したレコードの「変更後のマルチキャストIPアドレス」の項目からマルチキャストIPアドレスを読み出す。ここで、ステップSa3の処理において検出したレコードとは、「選択状態」の項目に「○」を書き込んだレコードであり、ステップSa4の処理において検出したレコードとは、「選択状態」の項目に「○」が記憶されているレコードであって「変換前のユニキャストIPアドレス」が読み出した宛先アドレスに一致するレコードである。U−M変換テーブル111aが、図5に示すU−M変換テーブル111と同一の情報を記憶している場合、送信選択判定部100aは、マルチキャストIPアドレスとして「FF3E:8001::1」を読み出す。
送信選択判定部100aは、受信したユニキャストIPトラヒックと、読み出したマルチキャストIPアドレスを宛先アドレス変換部102aに出力する。宛先アドレス変換部102aは、送信選択判定部100aが出力するユニキャストIPトラヒックに対して、当該ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、送信選択判定部100aが出力するマルチキャストIPアドレスの「FF3E:8001::1」に書き換える。宛先アドレス変換部102aは、ユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部103aに出力する。送出トラヒックバッファ部103aは、宛先アドレス変換部102aから受けたマルチキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF121aを介してコアルータ30−1に送信する(ステップSa5)。
(第1の実施形態のM−U変換装置によるトラヒック変換処理)
図9は、第1の実施形態のM−U変換装置20が行うトラヒック変換処理の流れを示すフローチャートである。以下では、M−U変換装置20−1の処理として説明するが、M−U変換装置20−2についても同様の処理が行われる。
M−U変換装置20−1の複製判定部200−1は、NW−IF220−1を介して、エッジルータ50−1からマルチキャストIPトラヒックを受信する(ステップSb1)。ここでは、当該マルチキャストIPトラヒックは、配信事業者ID「1」、チャネルID「1」に対応するコンテンツ情報を含み宛先アドレスとしてマルチキャストIPアドレスの「FF3E:8001::1」を含んでいるものとする。
複製判定部200−1は、マルチキャストIPトラヒックから宛先アドレスの情報を読み出す。複製判定部200−1は、記憶部201−1のM−U変換テーブル211−1を参照して、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が、読み出した宛先アドレスに一致するレコードのうち「配信要求」の項目が「○」になっているレコードを全て検出する(ステップSb2)。
複製判定部200−1は、検出したレコードの数をカウントし、カウントした数が2以上であるか否かを判定することにより、複数の受信者端末装置70−1〜70−6が、当該コンテンツ情報の配信を要求しているか否かを判定する(ステップSb3)。
複製判定部200−1は、カウントした数が、2以上であると判定した場合(ステップSb3−YES)、マルチキャストIPトラヒックを複製してカウントした数のマルチキャストIPトラヒックを生成する。複製判定部200−1は、ステップSb2の処理において、検出した複数のレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」の項目に記憶されているIPアドレスとVLAN−IDとを読み出す。複製判定部200−1は、読み出した複数のIPアドレス及びVLAN−IDと、複製した複数のマルチキャストIPトラヒックとを宛先アドレス変換部202−1に出力する(ステップSb5)。
一方、複製判定部200−1は、カウントした数が、1であると判定した場合(ステップSb3−NO)、ステップSb2の処理において、検出した1つのレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」の項目に記憶されている情報を読み出す。複製判定部200−1は、読み出したIPアドレス及びVLAN−IDと、受信したマルチキャストIPトラヒックとを宛先アドレス変換部202に出力する(ステップSb4)。
宛先アドレス変換部202−1は、複製判定部200−1が出力するマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、複製判定部200−1が出力するIPアドレスに書き換え、更に、VLAN−IDを付加し、ユニキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。
送出トラヒックバッファ部203−1は、宛先アドレス変換部202−1が出力するユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する(ステップSb6)。
例えば、M−U変換テーブル211−1が、図7に示すM−U変換テーブルと同一の情報を記憶しているとする。この場合、複製判定部200−1は、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が「FF3E:8001::1」に一致するレコードのうち配信要求の項目が「○」になっているレコードとして、以下の2つのレコードを検出する。すなわち、「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」が「2001:158:2443:1::1」及び「1」のレコードと、「2001:158:2443:1::2」及び「1」のレコードの2つのレコードを検出する。
2つのレコードを検出したため、複製判定部200−1は、受信したマルチキャストIPトラヒックを複製して2つのマルチキャストIPトラヒックを生成して宛先アドレス変換部202−1に出力する。また、複製判定部200−1は、検出した2つのレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」の項目からIPアドレスとVLAN−IDと読み出して宛先アドレス変換部202−1に出力する。
宛先アドレス変換部202−1は、1つめのマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを「2001:158:2443:1::1」に書き換え、VLAN−IDとして「1」を加えて送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。
宛先アドレス変換部202−1は、2つめのマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを「2001:158:2443:1::2」に書き換え、VLAN−IDとして「1」を加えて送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。送出トラヒックバッファ部203−1は、宛先アドレス変換部202−1が出力した2つのユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する。
(第1の実施形態におけるコンテンツ配信システムの処理)
次に、図10から図14を参照しつつ第1の実施形態のコンテンツ配信システム1によるコンテンツ配信処理について説明する。なお、コンテンツ配信装置310−1a〜310−3sから受信者端末装置70−1〜70−6に向かう下り方向の破線の矢印は、コンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを示しており、点線の矢印は、コンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックを示している。また、上りと下りの実線の矢印は、コンテンツ情報以外の情報を含むユニキャストIPトラヒックを示している。
コンテンツ情報の受信者であるユーザの操作を受けて受信者端末装置70−1が、ユニキャストIPトラヒックとして配信開始要求情報を送信する(ステップSc1)。当該ユーザは、例えば、配信事業者IDが「1」の配信事業者との間でコンテンツ情報を受信する契約を行っているものとする。ここでは、当該ユーザは、チャネルID「1」のコンテンツ情報の配信を要求しているものとし、そのため、配信開始要求情報には、配信事業者ID「1」と、チャネルID「1」とが含まれる。
また、配信開始要求情報の宛先アドレスは、配信事業者ID「1」に対応する現用系のコンテンツ配信装置310−1aに付与されているIPアドレスであり、送信元アドレスは、受信者端末装置70−1のIPアドレスの「2001:158:2443:1::1」である。また、配信開始要求情報は、受信者端末装置70−1のVLAN−IDの「1」も含む。
配信開始要求情報は、ONU62−1−1、光スプリッタ61−1、及びOLT60−1を経由してM−U変換装置20−1に伝送される。M−U変換装置20−1の情報検出処理部204−1は、NW−IF221−1を介して受信する情報の中から配信開始要求情報を検出する(ステップSc2)。
情報検出処理部204−1は、受信した配信開始要求情報をNW−IF220−1を介してエッジルータ50−1に転送する。情報検出処理部204−1は、配信開始要求情報に含まれる配信事業者ID「1」と、チャネルID「1」を読み出す。また、情報検出処理部204−1は、配信開始要求情報に送信元アドレスとして含まれている受信者端末装置70−1のIPアドレスである「2001:158:2443:1::1」を読み出し、VLAN−IDの「1」を読み出す。
情報検出処理部204−1は、記憶部201−1のM−U変換テーブル211−1から「配信事業者ID」が「1」、「チャネルID」が「1」、「変換後のユニキャストIPアドレス」が「2001:158:2443:1::1」、「エンドユーザID」が「1」のレコードを検出する。情報検出処理部204−1は、検出したレコードの「配信要求」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
配信開始要求情報は、エッジルータ50−1、伝送装置40−1−2,40−1−1、コアルータ30−1を経由してU−M変換装置10aに伝送される。配信開始要求情報は、U−M変換装置10aのNW−IF121a、及びNW−IF120aを経由して転送され、コンテンツ配信装置310−1aが受信する。
コンテンツ配信装置310−1aの要求受付部312−1aは、NW−IF311−1aを介して配信開始要求情報を受信する。要求受付部312−1aは、配信開始要求情報に含まれるチャネルID「1」と、配信開始要求情報に送信元アドレスとして含まれている受信者端末装置70−1のIPアドレスである「2001:158:2443:1::1」を読み出す。
要求受付部312−1aは、読み出したチャネルID「1」、IPアドレス「2001:158:2443:1::1」をコンテンツ配信部313−1aに出力する。コンテンツ配信部313−1aは、チャネルID「1」に対応するコンテンツ情報をコンテンツ情報記憶部314−1aから読み出す。コンテンツ配信部313−1aは、読み出したコンテンツ情報に対して、配信事業者ID記憶部315が記憶する「1」の配信事業者IDの情報と、当該コンテンツ情報のチャネルIDである「1」の情報を加えてユニキャストIPトラヒックを生成する。
コンテンツ配信部313−1aは、生成したユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを要求受付部312−1aが出力したIPアドレス「2001:158:2443:1::1」とし、送信元アドレスを自装置のIPアドレスとする。コンテンツ配信部313−1aは、当該ユニキャストIPトラヒックをNW−IF311−1aを介してU−M変換装置10aに送信する(ステップSc3)。
図11に進み、U−M変換装置10aの送信選択判定部100aは、NW−IF120aを介してコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する(ステップSc4)。
送信選択判定部100aは、図8に示すトラヒック変換処理を行う。この時点では、U−M変換装置10aは、マルチキャストIPトラヒックを送信していないため、U−M変換テーブル111aのいずれのレコードにおいても「選択状態」は、「−」となっており、送信選択判定部100aは、ステップSa2の処理において、「YES」の判定を行う。
送信選択判定部100aは、ステップSa3の処理において、ユニキャストIPトラヒックから配信事業者ID「1」、チャネルID「1」、宛先アドレス「2001:158:2443:1::1」を読み出す。送信選択判定部100aは、記憶部101aのU−M変換テーブル111aを参照して、「配信事業者ID」が「1」、「チャネルID」が「1」、「変換前のユニキャストIPアドレス」が「2001:158:2443:1::1」のレコードを検出し、検出したレコードの「選択状態」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
送信選択判定部100aは、ステップSa5の処理において、検出したレコード、すなわち「選択状態」に「○」を書き込んだレコードの「変換後のマルチキャストIPアドレス」の項目から「FF3E:8001::1」のマルチキャストIPアドレスを読み出す。送信選択判定部100aは、受信したユニキャストIPトラヒックと、当該マルチキャストIPアドレスとを宛先アドレス変換部102aに出力する。宛先アドレス変換部102aは、送信選択判定部100aが出力したユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、送信選択判定部100aが出力したマルチキャストIPアドレスに書き換えてマルチキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部103aに出力する(ステップSc5)。
送出トラヒックバッファ部103aは、NW−IF121aを介してコアルータ30−1にマルチキャストIPトラヒックを送信する。マルチキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1、伝送装置40−1−1,40−1−2、エッジルータ50−1によりM−U変換装置20−1に伝送される。また、当該マルチキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1からコアルータ30−2に転送され、コアルータ30−2、伝送装置40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−2によりM−U変換装置20−2に伝送される(ステップSc6)。
M−U変換装置20−1の複製判定部200−1は、NW−IF220−1を介してマルチキャストIPトラヒックを受信する。複製判定部200−1は、図9に示すトラヒック変換処理を行う。
複製判定部200−1は、マルチキャストIPトラヒックから宛先アドレスの情報を読み出す。複製判定部200−1は、記憶部201−1のM−U変換テーブル211−1を参照して、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が、読み出した宛先アドレスに一致するレコードのうち「配信要求」の項目が「○」になっているレコードを検出する。
ここでは、受信者端末装置70−1の1台だけがマルチキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報の配信要求を行っており、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が「FF3E:8001::1」であって「配信要求」が「○」となっているレコードは1つしか存在しない。そのため、複製判定部200−1は、ステップSb3の処理において、「NO」の判定を行う。
複製判定部200−1は、ステップSb4の処理において、検出したレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」の項目から「2001:158:2443:1::1」及び「1」の情報を読み出して宛先アドレス変換部202−1に出力する。複製判定部200−1は、受信したマルチキャストIPトラヒックをそのまま宛先アドレス変換部202−1に出力する。
宛先アドレス変換部202−1は、ステップSb6の処理において、複製判定部200−1が出力するマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、複製判定部200−1が出力するIPアドレス「2001:158:2443:1::1」に書き換え、更に、VLAN−ID「1」を付加し、ユニキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部203−1に出力する(ステップSc7)。
図12に進み、送出トラヒックバッファ部203−1は、ユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する。ユニキャストIPトラヒックは、OLT60−1、光スプリッタ61−1、ONU62−1−1を介して伝送される(ステップSc8)。
受信者端末装置70−1は、ユニキャストIPトラヒックを受信する(ステップSc9)。受信者端末装置70−1は、ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスが自装置のIPアドレスに一致するか否かを判定し、一致する場合、ユニキャストIPトラヒックからコンテンツ情報を読み出して表示装置71−1に出力して表示させる。一方、ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスが自装置のIPアドレスに一致しない場合、受信者端末装置70−1は、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄する。
図13に進み、他の受信者端末装置70−2が、配信事業者ID「1」及びチャネルID「1」に対応するコンテンツ情報の配信要求情報を送信する(ステップSc10)。配信開始要求情報の宛先アドレスは、配信事業者ID「1」に対応する現用系のコンテンツ配信装置310−1aに付与されているIPアドレスであり、送信元アドレスは、受信者端末装置70−2のIPアドレスの「2001:158:2443:1::2」である。また、配信開始要求情報は、受信者端末装置70−2のVLAN−IDの「1」も含む。
配信開始要求情報は、ONU62−1−2、光スプリッタ61−1、及びOLT60−1を経由してM−U変換装置20−1に伝送される。M−U変換装置20−1の情報検出処理部204−1は、NW−IF221−1を介して受信する情報の中から配信開始要求情報を検出する(ステップSc11)。
情報検出処理部204−1は、受信した配信開始要求情報をNW−IF220−1を介してエッジルータ50−1に転送する。情報検出処理部204−1は、配信開始要求情報に含まれる配信事業者ID「1」と、チャネルID「1」を読み出す。また、情報検出処理部204−1は、配信開始要求情報に送信元アドレスとして含まれている受信者端末装置70−2のIPアドレスである「2001:158:2443:1::2」を読み出し、VLAN−IDの「1」を読み出す。
情報検出処理部204−1は、記憶部201−1のM−U変換テーブル211−1から「配信事業者ID」が「1」、「チャネルID」が「1」、「変換後のユニキャストIPアドレス」が「2001:158:2443:1::2」、「エンドユーザID」が「1」のレコードを検出する。情報検出処理部204−1は、検出したレコードの「配信要求」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
配信開始要求情報は、エッジルータ50−1、伝送装置40−1−2,40−1−1、コアルータ30−1を経由してU−M変換装置10aに伝送される。配信開始要求情報は、U−M変換装置10aのNW−IF121a、及びNW−IF120aを経由して転送され、コンテンツ配信装置310−1aが受信する。
図14に進み、コンテンツ配信装置310−1aは、ステップSc3と同様の処理を行う。すなわち、コンテンツ配信装置310−1aのコンテンツ配信部313−1aは、配信事業者ID「1」、チャネルID「1」に対応するコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを生成する。コンテンツ配信部313−1aは、生成したユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを受信者端末装置70−2のIPアドレスの「2001:158:2443:1::2」とし、送信元アドレスを自装置のIPアドレスとして、NW−IF311−1aを介してU−M変換装置10aに送信する(ステップSc12)。
U−M変換装置10aの送信選択判定部100aは、NW−IF120aを介してコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する。送信選択判定部100aは、図8に示すトラヒック変換処理を行う。ここでは、U−M変換装置10aは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれる配信事業者ID「1」及びチャネルID「1」のコンテンツ情報を既にマルチキャストIPトラヒックとして送信するコンテンツ情報として登録している。そのため、送信選択判定部100aは、ステップSa2の処理において、「YES」の判定を行う。送信選択判定部100aは、受信したユニキャストIPトラヒックが、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックではないため、ステップSa4の処理において、「NO」の判定を行い、受信した受信者端末装置70−2を宛先とするユニキャストIPトラヒックを破棄する(ステップSc13)。
M−U変換装置20−1の複製判定部200−1は、NW−IF220−1を介してマルチキャストIPトラヒックを受信する。複製判定部200−1は、図9に示すトラヒック変換処理を行う。
複製判定部200−1は、マルチキャストIPトラヒックから宛先アドレスの情報を読み出す。複製判定部200−1は、記憶部201−1のM−U変換テーブル211−1を参照して、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が、読み出した宛先アドレスに一致するレコードのうち「配信要求」の項目が「○」になっているレコードを検出する。
ここでは、受信者端末装置70−1,70−2の2台がマルチキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報の配信要求を行っているため、「変換前のマルチキャストIPアドレス」の項目が「FF3E:8001::1」であって「配信要求」が「○」となっているレコードは2つ存在する。そのため、複製判定部200−1は、ステップSb3の処理において、「YES」の判定を行い、マルチキャストIPトラヒックの複製を行う。複製判定部200−1は、ステップSb5の処理において、受信したマルチキャストIPトラヒックを複製して2つのマルチキャストIPトラヒックを生成する。
複製判定部200−1は、検出した2つのレコードの「変換後のユニキャストIPアドレス」及び「エンドユーザID」の項目からIPアドレスとVLAN−IDの組み合わせの情報、すなわち「2001:158:2443:1::1」及び「1」と、「2001:158:2443:1::2」及び「1」とを読み出す。
複製判定部200−1は、読み出した2つのIPアドレスとVLAN−IDの組み合わせの情報と、複製した2つのマルチキャストIPトラヒックとを宛先アドレス変換部202−1に出力する。
宛先アドレス変換部202−1は、複製判定部200−1が出力する1番目のマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、複製判定部200−1が出力するIPアドレス「2001:158:2443:1::1」に書き換え、更に、VLAN−ID「1」を付加し、ユニキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。
宛先アドレス変換部202−1は、複製判定部200−1が出力する2番目のマルチキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、複製判定部200−1が出力するIPアドレス「2001:158:2443:1::2」に書き換え、更に、VLAN−ID「1」を付加し、ユニキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部203−1に出力する(ステップSc14)。
送出トラヒックバッファ部203−1は、2つのユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する。一方のユニキャストIPトラヒックは、OLT60−1、光スプリッタ61−1、ONU62−1−1を介して受信者端末装置70−1に伝送され、他方のユニキャストIPトラヒックは、OLT60−1、光スプリッタ61−1、ONU62−1−2を介して受信者端末装置70−2に伝送される。
受信者端末装置70−2は、ユニキャストIPトラヒックを受信する(ステップSc15)。受信者端末装置70−2は、ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスが自装置のIPアドレスに一致するか否かを判定し、一致する場合、ユニキャストIPトラヒックからコンテンツ情報を読み出して表示装置71−2に出力して表示させる。一方、ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスが自装置のIPアドレスに一致しない場合、受信者端末装置70−2は、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄する。
上記の第1の実施形態の構成により、異なるコンテンツ情報を一意に識別可能な配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせごとに異なるマルチキャストIPアドレスを関連付けておき、M−U変換装置20は、配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせに対応するマルチキャストIPアドレスと、当該配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせに対応するコンテンツ情報の送信先となる受信者端末装置70−1〜70−6に予め付与されるユニキャストIPアドレスとの関連付けを行う。U−M変換装置10は、コンテンツ配信装置310から受信するユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報の配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせの各々に対して当該ユニキャストIPトラヒックの宛先のユニキャストIPアドレスのいずれか1つを関連付け、受信したユニキャストIPトラヒックの宛先のユニキャストIPアドレスが、当該ユニキャストIPトラヒックに含まれるに配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせに関連付けたユニキャストIPアドレスと一致する場合、ユニキャストIPトラヒックの宛先を当該配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせに対応するマルチキャストIPアドレスに書き換えてマルチキャストトラヒックとして送信する。M−U変換装置20は、マルチキャストIPトラヒックを受信した場合、受信者端末装置70−1〜70−6の数に応じた数のユニキャストIPトラヒックであって宛先として当該マルチキャストIPトラヒックの宛先である前記マルチキャストIPアドレスに関連付けた受信者端末装置70−1〜70−6のユニキャストIPアドレスを有するユニキャストIPトラヒックを生成して送信する。
すなわち、異なるコンテンツ情報を一意に識別可能な配信事業者ID及びチャネルIDの組み合わせごとに異なるマルチキャストIPアドレスを付与しておくことで、ヘッダ情報である宛先アドレスをU−M変換装置10と、M−U変換装置20との間で引き継ぐことが可能となる。これにより、送信側と受信側の装置であるコンテンツ配信装置310と受信者端末装置70−1〜70−6においてユニキャスト方式の装置を利用し、かつ通信ネットワークにおいてマルチキャスト方式による伝送を行う際、通信ネットワークにおける入出力のIPトラヒックの同一性を確保することが可能となる。そのため、通信ネットワーク内をマルチキャストとすることで、効率的なコンテンツ情報の送信を行うことが可能となる。また、SNIとUNIのIF条件をユニキャストとすることで、マルチキャストの送信、またはマルチキャストの受信に対応していてない装置を適用することができ、より多様なコンテンツ情報の配信を行う配信事業者が参入することができる可能性を高めることができる。
なお、上記の第1の実施形態において、ステップSc3,Sc12の処理がコンテンツ配信装置310−1aによって行われる際、予備系のコンテンツ配信装置310−1sは、現用系のコンテンツ配信装置310−1aと同様の処理を行って同一のコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを予備系のU−M変換装置10sに送信する。U−M変換装置10sは、予備系のコンテンツ配信装置310−1sからユニキャストIPトラヒックを受けて現用系のU−M変換装置10aと同様の処理を行うがマルチキャストIPトラヒックの送信は行わない。
また、上記の第1の実施形態において、図14に示すステップSc13と、ステップSc14とは、ステップSc13の次にステップSc14の処理が行われる連続した処理ではない。ステップSc14の処理は、ステップSc11の処理、すなわち、M−U変換装置20−1のM−U変換テーブル211−1における受信者端末装置70−2に対応する「配信要求」の項目に「○」を書き込む処理が完了することにより開始される処理であり、場合によっては、ステップSc13の処理よりも先に開始される処理である。
また、上記の第1の実施形態において、配信開始要求情報や配信終了要求情報は、コンテンツ配信装置310のいずれかを選択し、選択したコンテンツ配信装置310のユニキャストIPアドレスを宛先として送信している。そのため、上記の第1の実施形態では、例えば、ステップSc3やステップSc12の処理において、要求受付部312−1aが、配信開始要求情報を受信した際、配信開始要求情報に含まれている配信事業者IDをチェックしない構成としている。しかしながら、本発明の構成は、当該実施の形態に限ら得ず、要求受付部312−1aが、配信開始要求情報や配信終了要求情報を受信した際に、配信事業者IDを読み出して、自装置の配信事業者ID記憶部315−1aに記憶されている配信事業者IDに一致するか否かを判定するようにしてもよい。判定の結果、一致しない場合、要求受付部312−1aは、受信した配信開始要求情報や配信終了要求情報は誤っている情報としてエラーメッセージを受信者端末装置70−1〜70−6に送信するようにしてもよい。
また、上記の第1の実施形態において、U−M変換テーブル111における「選択状態」の項目は、例えば、送信選択判定部100aが、一定時間、「選択状態」が「○」になっているレコードに対応するユニキャストIPトラヒックをコンテンツ配信装置310−1aから受信しない場合、当該コンテンツ情報の配信が終了したと判定し、「−」を書き込んで初期化するようにしてもよい。また、U−M変換装置10が、受信者端末装置70−1〜70−6が送信する配信終了要求情報を検出する構成を備えて、当該構成が、配信終了要求情報を検出した際、当該配信終了要求情報に含まれる情報に基づいて「選択状態」に「−」を書き込んで初期化するようにしてもよい。
また、上記の第1の実施形態において、ステップSb2の処理を行う際、複製判定部200は、受信したマルチキャストIPトラヒックのマルチキャストIPアドレスに基づいて、「配信要求」の項目が「○」になっているレコードを検出する処理としているが、配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせを用いて検出するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態におけるコンテンツ配信システム2の構成を示すブロック図である。第2の実施形態において、第1の実施形態のコンテンツ配信システム1と同一の構成については、同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
例えば、第1の実施形態において、同一の配信事業者IDであって同一のチャネルIDのコンテンツ情報を受信する受信者数が少ない間、U−M変換装置10aやM−U変換装置20−1,20−2においてユニキャストIPトラヒックのまま転送し、受信者数が増加した場合に、マルチキャストIPトラヒックで送信するという構成も考えられる。このような構成にすることで、受信者数が少ない間、U−M変換装置10aやM−U変換装置20−1,20−2における判定等の処理に要する負荷を軽減することができ、また、IPトラヒックの変換を行わないため遅延時間も短くすることができる。
しかしながら、U−M変換装置10aとM−U変換装置20−1,20−2のいずれか一方のみがトラヒックの変換を行い、他方がトラヒックの変換を行わないといった状態や、変換するタイミングが異なるといった状態が発生すると、以下のような問題が生じてしまう。例えば、トラヒックに欠損が生じたり、欠損のために誤った再送がされトラヒックに重複が生じたりして、受信者端末装置70−1〜70−6が想定しないトラヒックを受信してしまうといった問題が生じる可能性がある。
例えば、図16に示すように、第1の実施形態のコンテンツ配信装置310−1aが、4つのユニキャストIPトラヒック「Pn,Pn+1,Pn+2,Pn+3」を順に送信したとする。U−M変換装置10aは、例えば、受信者数の増加状況から、Pn+2からマルチキャストIPトラヒックに変換すると独自に選択しており、M−U変換装置20−2は、Pn+3からユニキャストIPトラヒックに変換すると独自に選択していたとする。
このとき、「Pn,Pn+1」については、変換が行われることなく、ユニキャストIPトラヒックのまま、U−M変換装置10a及びM−U変換装置20−2によって転送される。そのため、受信者端末装置70−4は、ユニキャストIPトラヒックを問題なく受信してコンテンツ情報を読み出し、表示装置71−4に出力して表示させることができる。
しかし、「Pn+2」については、U−M変換装置10aがマルチキャストIPトラヒックに変換するのに対して、M−U変換装置20−2は、「Pn+3」からユニキャストIPトラヒックに変換するようにしている。そのため、M−U変換装置20−2は、受信した「Pn+2」をマルチキャストIPトラヒックのまま受信者端末装置70−4に送信する。受信者端末装置70−4は、マルチキャスト非対応の装置であるため、受信したマルチキャストIPトラヒックを破棄することになり、「Pn+2」のトラヒックにロスが発生することになる。
第2の実施形態の構成では、上記のような、ユニキャストIPトラヒックとマルチキャストIPトラヒックを切り替えて送信する構成であっても、問題なく受信者端末装置70−1〜70−6がコンテンツ情報を受信することを可能としている。
図15に示すように、コンテンツ配信システム2は、配信事業者設備300A−1,300A−2,300A−3、U−M変換装置10Aa,10As、コアルータ30−1,30−2、伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−1,50−2、M−U変換装置20A−1,20A−2、OLT60−1,60−2、光スプリッタ61−1,61−2、ONU62−1−1,62−1−2,62−1−3,62−2−1,62−2−2,62−2−3、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−4,70−5,70−6、表示装置71−1,71−2,71−3,71−4,71−5,71−6を備える。また、図示していないが、コンテンツ配信システム2は、第1の実施形態と同様に、U−M変換装置10Aa,10As、及びM−U変換装置20A−1,20A−2に接続するOSS400を備えている。
第2の実施形態のコンテンツ配信システム2は、U−M変換装置10Aaと、M−U変換装置20A−1,20A−2とを接続する通信回線500aと、U−M変換装置10Asと、M−U変換装置20A−1,20A−2とを接続する通信回線500sとを備える。
第1の実施形態と同様に、配信事業者設備300A−1,300A−2,300A−3の各々は、異なる配信事業者によって運営されており、各々が現用系と予備系の装置であるコンテンツ配信装置310A−1a,310A−1s、コンテンツ配信装置310A−2a,310A−2s、コンテンツ配信装置310A−3a,310A−3sを備える。
コンテンツ配信装置310A−1a,310A−2a,310A−3aは、現用系の装置であり、コンテンツ配信装置310A−1s,310A−2s,310A−3sは、予備系の装置である。配信事業者設備300A−1,300A−2,300A−3を運営する配信事業者の各々には、予め異なる配信事業者IDが付与されており、各々に、配信事業者IDとして、例えば、「1」,「2」,「3」が予め付与されているものとする。
図17は、コンテンツ配信装置310A−1a,310A−1s,310A−2a,310A−2s,310A−3a,310A−3sの内部構成を示すブロック図である。コンテンツ配信装置310A−1a,310A−1s,310A−2a,310A−2s,310A−3a,310A−3sは、同一の内部構成を有しており、図17では、「−1a」等の符号の枝記号を除いて、コンテンツ配信装置310Aとして説明する。また、以下の説明において、個々のコンテンツ配信装置310A−1a,310A−1s,310A−2a,310A−2s,310A−3a,310A−3sの内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に枝記号を付して示すものとする。
コンテンツ配信装置310Aは、NW−IF311、要求受付部312A、コンテンツ配信部313、コンテンツ情報記憶部314、配信事業者ID記憶部315、及び受信者情報記憶部316を備える。
受信者情報記憶部316は、図18に示すように、「配信先のユニキャストIPアドレス」と「チャネルID」の項目を有するテーブルを記憶する。「配信先のユニキャストIPアドレス」の項目には、「チャネルID」の項目に記憶されているチャネルIDに対応するコンテンツ情報の送信先となる受信者端末装置70−1〜706のIPアドレスが書き込まれる。
要求受付部312Aは、第1の実施形態の要求受付部312が有する構成に加えて、以下の構成を有する。すなわち、要求受付部312Aは、配信開始要求情報を受信した際、配信開始要求情報から読み出した送信元アドレスとチャネルIDの各々を、受信者情報記憶部316の「配信先のユニキャストIPアドレス」と「チャネルID」の項目に書き込む。また、要求受付部312Aは、配信終了要求情報を受信した際、配信終了要求情報から読み出した送信元アドレスとチャネルIDの組み合わせに対応する情報を受信者情報記憶部316から削除する。
また、要求受付部312Aは、NW−IF311を介してU−M変換装置10Aa,10Asから配信事業者IDとチャネルIDを含む受信者数要求情報を受信し、受信した受信者数要求情報からチャネルIDの情報を読み出す。また、要求受付部312Aは、受信者情報記憶部316を参照して、読み出したチャネルIDに一致するレコードの数をカウントする。
また、要求受付部312Aは、カウントしたレコードの数を当該チャネルIDの受信者数とし、配信事業者ID記憶部315が記憶する自装置の配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者数とを含む受信者数応答情報を生成する。また、要求受付部312Aは、生成した受信者数応答情報をNW−IF311を介して受信者数要求情報の送信元のU−M変換装置10Aa,10Asに送信する。
図19は、U−M変換装置10Aa,10Asの内部構成を示すブロック図である。U−M変換装置10Aa,10Asは、同一の内部構成を有しており、図19では、「a」や「s」の記号を除いて、U−M変換装置10Aとして説明する。また、以下の説明において、個々のU−M変換装置10Aa,10Asの内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「a」や「s」の記号を付して示すものとする。
U−M変換装置10Aは、NW−IF120,121,122,123,124、送信選択判定部100A、記憶部101、宛先アドレス変換部102、送出トラヒックバッファ部103、コマンド送受信部105A、及びクロック補正・生成部106を備える。
NW−IF123は、現用系のU−M変換装置10Aaの場合、通信回線500aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に接続し、予備系のU−M変換装置10Asの場合、通信回線500sを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に接続する。
NW−IF124は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の外部のクロック供給源に接続する。クロック補正・生成部106は、NW−IF124を介して外部のクロック供給源から供給されるクロック信号を取得し、クロック信号に基づいて自装置のクロックを補正する。また、クロック補正・生成部106は、取得したクロック信号に基づいて、M−U変換装置20A−1,20A−2と時刻同期するためのクロック信号を生成してコマンド送受信部105Aに出力する。
なお、M−U変換装置20A−1,20A−2へのクロック信号の送信は、通常時は、現用系のU−M変換装置10Aaのみが行う。予備系のU−M変換装置10Asは、現用系のU−M変換装置10Aaが障害の発生等により停止した場合のみM−U変換装置20A−1,20A−2へのクロック信号の送信を行う。
また、時刻同期の手法は、どのような手法を適用してもよいが、具体例として、勧告化されているSync−EやPTP(Precision Time Protocol)等を適用してもよいし、下記の参考文献に示されるような、これらの手法を併用したハイブリッドな時刻同期手法を適用するようにしてもよい。
「参考文献:中西隆、坂井勝太、高田祐、小倉康夫、小林正人、”高精度時刻同期アクセスシステムの性能向上に向けた検討”、信学技報、2016年11月、CS2016-44、pp.23-28」
以下に説明する送信選択判定部100A、宛先アドレス変換部102、及び送出トラヒックバッファ部103は、ユニキャストIPトラヒックからマルチキャストIPトラヒックへの変換処理を行うユニキャスト・マルチキャスト変換処理部である。
送信選択判定部100Aは、NW−IF120を介してコンテンツ配信装置310からユニキャストIPトラヒックを受信し、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれる配信事業者IDとチャネルIDと宛先アドレスの情報を読み出す。
また、送信選択判定部100Aは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録しているか否かを判定する。
また、送信選択判定部100Aは、ユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDとを含む受信者数要求情報を生成し、NW−IF120を介して受信者数の問い合わせを行うコンテンツ配信装置310に対して受信者数要求情報を送信する。また、送信選択判定部100Aは、NW−IF120を介してコンテンツ配信装置310から受信者数応答情報を受信し、受信した受信者数応答情報から配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者数とを読み出す。
また、送信選択判定部100Aは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していないと判定した場合、受信者数が予め定めるMの値以上であるか否かを判定する。ここで、Mの値は、1以上の整数値であり予め定められる値である。また、送信選択判定部100Aは、受信者数が予め定めるMの値以上である場合、自装置が全てのコンテンツ情報をユニキャストIPトラヒックとして送信している状態であるか否かを判定する。
また、送信選択判定部100Aは、自装置が全てのコンテンツ情報をユニキャストIPトラヒックとして送信している状態であると判定した場合、マルチキャストへの変換開始のタイミングを合わせる処理を行う。すなわち、送信選択判定部100Aは、コマンド送受信部105Aに対してM−U変換装置20A−1,20A−2に変換開始指示情報を送信させる指示情報を出力する。この変換開始指示情報には、マルチキャストIPトラヒックへの変換を開始するタイミングを示す情報、例えば、時刻を示す情報が含まれている。
また、送信選択判定部100Aは、受信者数が予め定めるMの値以上である場合、マルチキャストによる送信を開始する処理を行う。
また、送信選択判定部100Aは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していると判定した場合、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するか否かを判定する。
また、送信選択判定部100Aは、受信者数が予め定めるNの値未満であるか否かを判定する。ここで、Nの値は、M以上の整数値であり予め定められる値である。なお、Mの値とNの値は、例えば、運用者がOSS400を操作することによって、コマンド送受信部105AにMの値とNの値の情報を送信し、コマンド送受信部105Aが送信選択判定部100Aの内部の記憶領域に書き込んで記憶させることにより予め定められる。
また、送信選択判定部100Aは、受信者数が予め定めるNの値未満であると判定した場合、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応するコンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックの送信を停止した場合に自装置がユニキャストIPトラヒックのみを送信することになるか否かを判定する。
また、送信選択判定部100Aは、自装置がユニキャストIPトラヒックのみを送信することになると判定した場合、マルチキャストへの変換の停止のタイミングを合わせる処理を行う。すなわち、送信選択判定部100Aは、コマンド送受信部105に対してM−U変換装置20A−1,20A−2に変換停止指示情報を送信させる指示情報を出力する。この変換停止指示情報には、マルチキャストIPトラヒックに変換することを停止するタイミングを示す情報、例えば、時刻を示す情報が含まれている。
また、送信選択判定部100Aは、受信者数が予め定めるNの値未満である場合、以下の処理を行う。すなわち、送信選択判定部100Aは、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応するコンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックの送信を停止し、受信したユニキャストIPトラヒックをそのまま送信する処理に戻す処理を行う。
コマンド送受信部105Aは、第1の実施形態のコマンド送受信部105が有する構成に加えて、以下の構成を有する。コマンド送受信部105Aは、送信選択判定部100Aから変換開始指示情報、または変換停止指示情報を送信する指示情報を受けた場合、NW−IF123を介してM−U変換装置20A−1,20A−1に変換開始指示情報、または変換停止指示情報を生成して送信する。
なお、変換開始指示情報及び変換停止指示情報は、確実にM−U変換装置20A−1,20A−1に送信する必要があるため、到達確認が可能なプロトコルを用いて行われる。到達確認が可能なプロトコルであればどのようなプロトコルを適用してもよいが、例えば、TCPやSNMP(Simple Network Management Protocol)のInform等が適用される。
また、コマンド送受信部105Aは、クロック補正・生成部106からクロック信号を受けた場合、当該クロック信号をNW−IF123を介してM−U変換装置20A−1,20A−1に送信する。
図20は、M−U変換装置20A−1,20A−2の内部構成を示すブロック図である。M−U変換装置20A−1,20A−2は、同一の内部構成を有しており、図20では、「−1」や「−2」の枝番号を除いて、M−U変換装置20Aとして説明する。また、以下の説明において、個々のM−U変換装置20A−1,20A−2の内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「−1」や「−2」の枝番号を付して示すものとする。
M−U変換装置20Aは、NW−IF220,221,222,223、複製判定部200A、記憶部201、宛先アドレス変換部202、送出トラヒックバッファ部203、情報検出処理部204、コマンド送受信部205A、及びクロック同期部206を備える。
NW−IF223は、通信回線500aと通信回線500sに接続しており、通信回線500aを介してU−M変換装置10Aaに接続し、通信回線500sを介してU−M変換装置10Asに接続する。
コマンド送受信部205Aは、第1の実施形態のコマンド送受信部205が有する構成に加えて以下の構成を有する。コマンド送受信部205Aは、NW−IF223を介してU−M変換装置10Aからクロック信号を受信し、受信したクロック信号をクロック同期部206に出力する。
また、コマンド送受信部205Aは、NW−IF223を介してU−M変換装置10Aから変換開始指示情報、または変換停止指示情報を受信し、受信した変換開始指示情報、または変換停止指示情報を複製判定部200Aに出力する。
クロック同期部206は、コマンド送受信部205Aから受けたクロック信号に同期するように自装置のクロックを補正する。これにより、U−M変換装置10AとM−U変換装置20Aとの間で時刻同期が行われることになる。
以下に説明する複製判定部200A、宛先アドレス変換部202、及び送出トラヒックバッファ部203は、マルチキャストIPトラヒックからユニキャストIPトラヒックへの変換処理を行うマルチキャスト・ユニキャスト変換処理部である。
複製判定部200Aは、NW−IF220を介してエッジルータ50−1,50−2からユニキャスト、またはマルチキャストのIPトラヒックを受信する。また、複製判定部200Aは、コマンド送受信部205Aから変換開始指示情報、または変換停止指示情報を受信しているか否かを判定する。
また、複製判定部200Aは、コマンド送受信部205Aから変換開始指示情報を受信していると判定した場合、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであるか否かを判定する。
また、コマンド送受信部205Aから変換開始指示情報を受信していない場合や、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックでない場合、複製判定部200Aは、以下の処理を行う。すなわち、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックはユニキャストIPトラヒックであるため、受信したユニキャストIPトラヒックをそのまま送出トラヒックバッファ部203に出力する処理を行う。
また、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであると判定した場合、第1の実施形態の図9に示した処理に相当するマルチキャストIPトラヒック送信処理を行い、その後、以下の受信判定処理を行う。
受信判定処理において、複製判定部200Aは、コマンド送受信部205Aから変換停止指示情報を受信していると判定した場合、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであるか否かを判定する。
また、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のユニキャストIPトラヒックであると判定した場合、受信したIPトラヒックはユニキャストIPトラヒックであるため受信したIPトラヒックを変換せずに送出トラヒックバッファ部203に出力する。
また、コマンド送受信部205Aから変換停止指示情報を受信していない場合や、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックでない場合、複製判定部200Aは、以下の処理を行う。すなわち、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックが、ユニキャストであるか、マルチキャストであるかを判定する処理を行う。また、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックがユニキャストIPトラヒックであると判定した場合、受信したIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203に出力する。また、複製判定部200Aは、受信したIPトラヒックがマルチキャストIPトラヒックであると判定した場合、上述したマルチキャストIPトラヒック送信処理を行う。
(第2の実施形態のU−M変換装置によるトラヒック変換処理)
図21は、第2の実施形態のU−M変換装置10Aが行うトラヒック変換処理の流れを示すフローチャートである。以下では、現用系のU−M変換装置10Aaの処理として説明するが、現用系のU−M変換装置10Aaが障害の発生等により停止した場合、予備系のU−M変換装置10Asについても同様の処理が行われる。
U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介して、いずれかのコンテンツ配信装置310Aからコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する(ステップSd1)。ここでは、コンテンツ配信装置310A−1aからユニキャストIPトラヒックを受信したとする。送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックから配信事業者ID、チャネルID、宛先アドレスの情報を読み出す。
送信選択判定部100Aaは、記憶部101aのU−M変換テーブル111aを参照して、読み出した配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応する全てのレコードを検出する。送信選択判定部100Aaは、検出した全てのレコードの「選択状態」の項目を参照し、いずれかに「○」が記憶されているか否かを判定する。これにより、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録しているか否かを判定する(ステップSd2)。
送信選択判定部100Aaは、検出した全てのレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されていないと判定した場合、すなわち受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していないと判定した場合(ステップSd2−NO)、以下の処理を行う。すなわち、送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部103aに出力する。送出トラヒックバッファ部103aは、送信選択判定部100Aaが出力するユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF121をa介してコアルータ30−1に送信する(ステップSd3)。
送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDを含む受信者数要求情報を生成する。送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介して、受信したユニキャストIPトラヒックの送信元、すなわち読み出した配信事業者IDに対応するコンテンツ配信装置310A−1aに対して受信者数要求情報を送信する。
当該受信者数要求情報を受信したコンテンツ配信装置310A−1aの要求受付部312A−1aは、受信者数要求情報からチャネルIDを読み出す。要求受付部312A−1aは、受信者情報記憶部316−1aを参照して、チャネルIDに対応するレコードをカウントして受信者数を算出する。要求受付部312A−1aは、配信事業者ID記憶部315−1aが記憶する自装置の配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者数とを含む受信者数応答情報を生成する。要求受付部312A−1aは、生成した受信者数応答情報をNW−IF311−1aを介して受信者数要求情報の送信元のU−M変換装置10Aaに送信する。
U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介してコンテンツ配信装置310A−1aから受信者数応答情報を受信する。送信選択判定部100Aaは、受信した受信者数応答情報から配信事業者IDと、チャネルIDと、受信者数の情報を読み出す(ステップSd4)。
送信選択判定部100Aaは、読み出した受信者数が予め定めるMの値以上であるか否かを判定する(ステップSd5)。送信選択判定部100Aaは、読み出した受信者数がMの値以上でないと判定した場合(ステップSd5−NO)、ステップSd1に戻って処理を継続する。
一方、送信選択判定部100Aaは、読み出した受信者数がMの値以上であると判定した場合(ステップSd5−YES)、自装置が全てのコンテンツ情報をユニキャストIPトラヒックとして送信している状態であるか否かを判定する(ステップSd6)。この判定は、例えば、送信選択判定部100Aaが、記憶部101aのU−M変換テーブル111aの「選択状態」の項目を参照することによって行われる。全てのレコードの「選択状態」の項目に「○」が存在していない場合、U−M変換装置10Aaは、マルチキャストIPトラヒックを送信していないことになる。
送信選択判定部100Aaは、自装置がいずれかのコンテンツ情報をマルチキャストIPトラヒックとして送信を行っていると判定した場合(ステップSd6−NO)、処理をステップSd8に進める。一方、送信選択判定部100Aaは、自装置が全てのコンテンツ情報をユニキャストIPトラヒックとして送信している状態であると判定した場合(ステップSd6−YES)、マルチキャストに変換を開始するタイミングを算出する。例えば、送信選択判定部100Aaは、内部のクロックが示す現在時刻から予め定められる所定の時間を加えた時刻をマルチキャストへの変換を開始するタイミングとして算出する。
送信選択判定部100Aaは、コマンド送受信部105Aaに対してM−U変換装置20A−1,20A−2にマルチキャストへの変換を開始するタイミングの情報を含む変換開始指示情報を送信させる指示情報を出力する。コマンド送受信部105Aaは、当該指示情報を受けて変換開始指示情報を生成し、生成した変換開始指示情報をNW−IF123aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に送信する(ステップSd7)。
送信選択判定部100Aaは、U−M変換テーブル111aを参照し、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDと宛先アドレスの組み合わせに対応するレコードの「選択状態」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。これにより、当該配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応するコンテンツ情報についてユニキャストIPトラヒックによる送信が停止され、マルチキャストIPトラヒックによる送信が開始されることになる(ステップSd8)。なお、ステップSd7を経由して、ステップSd8の処理を行う場合、送信選択判定部100Aaは、マルチキャストに変換することを開始するタイミングにおいて、「選択状態」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
ステップSd2の処理において、「選択状態」の項目のいずれかに「○」が記憶されている場合、送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれているコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していると判定する(ステップSd2−YES)。送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するか否かを判定する(ステップSd9)。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd2の処理において検出した「選択状態」の項目に「○」が記憶されているレコードの「変換前のユニキャストIPアドレス」が読み出した宛先アドレスに一致する場合、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換すると判定する(ステップSd9−YES)。
一方、送信選択判定部100Aaは、ステップSd2の処理において検出した「選択状態」の項目に「○」が記憶されているレコードの「変換前のユニキャストIPアドレス」が読み出した宛先アドレスに一致しない場合、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換しないと判定する(ステップSd9−NO)。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd9の処理において、「NO」の判定を行った場合、受信したユニキャストIPトラヒックを破棄する(ステップSd11)。これに対して、送信選択判定部100Aaは、ステップSd9の処理において、「YES」の判定を行った場合、ステップSd2の処理において検出した「選択状態」の項目に「○」が記憶されているレコードの「変更後のマルチキャストIPアドレス」の項目からマルチキャストIPアドレスを読み出す。
送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックと、読み出したマルチキャストIPアドレスを宛先アドレス変換部102aに出力する。宛先アドレス変換部102aは、送信選択判定部100Aaが出力するユニキャストIPトラヒックに対して、当該ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、送信選択判定部100aが出力するマルチキャストIPアドレスに書き換える。これにより、宛先アドレス変換部102aは、ユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部103aに出力する。
送出トラヒックバッファ部103aは、宛先アドレス変換部102aから受けたマルチキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF121aを介してコアルータ30−1に送信する(ステップSd10)。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd4と同様の処理によりコンテンツ配信装置310から受信者数の情報を取得する(ステップSd12)。送信選択判定部100Aaは、取得した受信者数が予め定めるNの値未満であるか否かを判定する(ステップSd13)。送信選択判定部100Aaは、読み出した受信者数が予め定めるNの値未満でないと判定した場合(ステップSd13−NO)、ステップSd1に戻って処理を継続する。
一方、送信選択判定部100Aaは、読み出した受信者数が予め定めるNの値未満であると判定した場合(ステップSd13−YES)、読み出した配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応するコンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックの送信を停止した場合に自装置がユニキャストIPトラヒックのみを送信することになるか否かを判定する(ステップSd14)。この判定は、例えば、送信選択判定部100Aaが、記憶部101aのU−M変換テーブル111aの「選択状態」の項目を参照することによって行われる。「選択状態」の項目が「○」であるレコードが残り1つである場合、当該マルチキャストIPトラヒックの送信を停止するとU−M変換装置10AaがユニキャストIPトラヒックのみを送信することになる。
送信選択判定部100Aaは、当該コンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックの送信を停止した場合に自装置がユニキャストIPトラヒックのみを送信することにならないと判定した場合(ステップSd14−NO)、処理をステップSd16に進める。
一方、送信選択判定部100Aaは、当該コンテンツ情報を含むマルチキャストIPトラヒックの送信を停止した場合に自装置がユニキャストIPトラヒックのみを送信することになると判定した場合(ステップSd14−YES)、マルチキャストに変換することを停止するタイミングを算出する。例えば、送信選択判定部100Aaは、内部のクロックが示す現在時刻から予め定められる所定の時間を加えた時刻をマルチキャストに変換することを停止するタイミングとして算出する。
送信選択判定部100Aaは、コマンド送受信部105Aaに対してM−U変換装置20A−1,20A−2にマルチキャストに変換することを停止するタイミングを示す情報を含む変換停止指示情報を送信させる指示情報を出力する。コマンド送受信部105Aaは、当該指示情報を受けて変換停止指示情報を生成し、生成した変換停止指示情報をNW−IF123aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に送信する(ステップSd15)。
送信選択判定部100Aaは、U−M変換テーブル111aを参照し、受信したユニキャストIPトラヒックから読み出した配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせに対応する全ての「選択状態」の項目をU−M変換テーブル111において参照し、「選択状態」の項目のうち「○」となっている項目に「−」を書き込んで記憶させる。これにより、当該コンテンツ情報についてマルチキャストでの送信を停止してユニキャストでの送信が開始されることになる(ステップSd16)。なお、ステップSd15を経由して、ステップSd16の処理を行う場合、送信選択判定部100Aaは、マルチキャストに変換することを停止するタイミングにおいて、「選択状態」の項目に「−」を書き込んで記憶させる。
(第2の実施形態のM−U変換装置によるトラヒック変換処理)
図22から図24は、第2の実施形態のM−U変換装置20Aが行うトラヒック変換処理の流れを示すフローチャートである。以下では、M−U変換装置20A−1の処理として説明するが、M−U変換装置20A−2についても同様の処理が行われる。
M−U変換装置20A−1の複製判定部200A−1は、NW−IF220−1を介してエッジルータ50−1からIPトラヒック、すなわち、ユニキャストIPトラヒック、またはマルチキャストIPトラヒックを受信する(ステップSe1)。複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205A−1から変換開始指示情報を受信しているか否かを判定する(ステップSe2)。
複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205Aから変換開始指示情報を受信していると判定した場合(ステップSe2−YES)、次に、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであるか否かを判定する(ステップSe3)。
複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205A−1から変換開始指示情報を受信していないと判定した場合(ステップSe2−NO)、または、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックでないと判定した場合(ステップSe3−NO)、以下の処理を行う。すなわち、これらの場合、受信したIPトラヒックはユニキャストIPトラヒックであるため、複製判定部200A−1は、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。
送出トラヒックバッファ部203−1は、複製判定部200A−1から受けたユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する(ステップSe4)。
一方、複製判定部200A−1は、受信したIPトラヒックが変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであると判定した場合(ステップSe3−YES)、当該IPトラヒックは、マルチキャストIPトラヒックに変換されている。そのため、複製判定部200A−1は、当該マルチキャストIPトラヒックをユニキャストIPトラヒックに変換して送信を行う図23に示すマルチキャストIPトラヒック送信処理を行う(ステップSe5)。その後、複製判定部200A−1は、図24に示す受信判定処理を開始する(ステップSe6)。
図23に示すマルチキャストIPトラヒック送信処理におけるステップSf1,Sf2,Sf3,Sf4,Sf5の処理の各々は、図9に示した第1の実施形態のM−U変換装置20によるステップSb2,Sb3,Sb4,Sb5,Sb6に対応する処理である。したがって、第1の実施形態の複製判定部200−1、宛先アドレス変換部202−1、送出トラヒックバッファ部203が行ったステップSb2,Sb3,Sb4,Sb5,Sb6の処理と同様の処理を、第2の実施形態の複製判定部200A−1、宛先アドレス変換部202−1、送出トラヒックバッファ部203−1が行う。ステップSf5の処理の後、マルチキャストIPトラヒック送信処理のサブルーチンを抜けてサブルーチンの呼び出し元の処理に戻る。
図24に示す受信判定処理において、複製判定部200A−1は、NW−IF220−1を介してエッジルータ50−1からIPトラヒックを受信する(ステップSg1)。複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205A−1から変換停止指示情報を受信しているか否かを判定する(ステップSg2)。
複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205A−1から変換停止指示情報を受信していると判定した場合(ステップSg2−YES)、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであるか否かを判定する(ステップSg3)。
複製判定部200A−1は、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックであると判定した場合、受信したIPトラヒックはマルチキャストへの変換が停止されたユニキャストIPトラヒックである。そのため、複製判定部200A−1は、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。
送出トラヒックバッファ部203−1は、複製判定部200A−1から受けたユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する(ステップSg4)。複製判定部200A−1は、図22に示すステップSe1以降の処理を継続する。
複製判定部200A−1は、コマンド送受信部205Aから変換停止指示情報を受信していないと判定した場合(ステップSg2−NO)、または、受信したIPトラヒックが変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックでないと判定した場合(ステップSg3−NO)、以下の処理を行う。
これらの場合、コンテンツ配信装置310A−1a〜310A−3sは、あるコンテンツ情報についてはユニキャストIPトラヒックとして送信し、他のコンテンツ情報についてはマルチキャストIPトラヒックとして送信している可能性がある。すなわち、通信ネットワーク部分には、コンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックとマルチキャストIPトラヒックとが混在している状態となる。そのため、複製判定部200A−1は、受信したIPトラヒックが、ユニキャストIPトラヒックであるか、マルチキャストIPトラヒックであるかを判定する(ステップSg5)。
複製判定部200A−1は、受信したIPトラヒックが、ユニキャストIPトラヒックであると判定した場合(ステップSg5、ユニキャスト)、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。送出トラヒックバッファ部203−1は、複製判定部200A−1から受けたユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF221−1を介してOLT60−1に送信する(ステップSg6)。
一方、複製判定部200A−1は、受信したIPトラヒックが、マルチキャストIPトラヒックであると判定した場合(ステップSg5、マルチキャスト)、図23に示すマルチキャストIPトラヒック送信処理を行う(ステップSg7)。
(第2の実施形態におけるコンテンツ配信システムの処理)
次に、図25から図34を参照しつつ第2の実施形態のコンテンツ配信システム2によるコンテンツ配信処理について説明する。前提として、U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaに予め定められるMの値は「5」であり、Nの値は「3」であるとする。なお、図25から図34においては、予備系のコンテンツ配信装置310A−1sの処理を示す矢印の記載を省略しているが、第1の実施形態と同様に、予備系のコンテンツ配信装置310A−1sは、現用系のコンテンツ配信装置310A−1aと同様の処理を行う。
図25は、受信者端末装置70−1が配信開始要求情報を送信し、当該配信開始要求情報を受信したコンテンツ配信装置310A−1aがコンテンツ情報の送信を開始した状態を示している。U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介してコンテンツ配信装置310A−1aからコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する。
送信選択判定部100Aaは、図21に示すトラヒック変換処理を行う。受信したユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していないため、送信選択判定部100Aaは、ステップSd2の処理において、「NO」の判定を行う。送信選択判定部100Aaは、ステップSd3の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部103aに出力する。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd4の処理において、コンテンツ配信装置310A−1aに対して、当該コンテンツ情報の受信者数要求情報を送信して、受信者数応答情報を受信する。この時点において、当該コンテンツ情報を受信しているのは受信者端末装置70−1の1台のみであるため、受信者数応答情報には、受信者数が「1」である情報が含まれる。送信選択判定部100Aaは、ステップSd5の処理において、受信者数が、M(=5)以上でないため、「NO」の判定を行い、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックへ変換する処理を行わない(ステップSh1)。
送出トラヒックバッファ部103aは、送信選択判定部100Aaが出力したユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順でユニキャストIPトラヒックを送信する。ユニキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1、伝送装置40−1−1,40−1−2、エッジルータ50−1により伝送される(ステップSh2)。
M−U変換装置20A−1の複製判定部200A−1は、NW−IF220−1を介してエッジルータ50−1からユニキャストIPトラヒックを受信する。複製判定部200A−1は、図22に示すトラヒック変換処理を行い、U−M変換装置10Aaから変換開始指示情報を受信していないため、ステップSe2の処理において、「NO」の判定を行う。
複製判定部200A−1は、ステップSe4の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203−1に出力する。送出トラヒックバッファ部203−1は、複製判定部200A−1が出力したユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順でユニキャストIPトラヒックを送信する(ステップSh3)。
ユニキャストIPトラヒックは、OLT60−1、光スプリッタ61−1、ONU62−1−1を介して伝送され、受信者端末装置70−1が、ユニキャストIPトラヒックを受信する。
図26に進み、受信者端末装置70−2,70−3,70−5が、受信者端末装置70−1が受信しているコンテンツ情報と同一のコンテンツ情報の配信を要求する。すなわち、受信者端末装置70−2,70−3,70−5は、受信者端末装置70−1が受信しているコンテンツ情報の配信事業者ID及びチャネルIDを含む配信開始要求情報を送信する。
コンテンツ配信装置310A−1aは、受信者端末装置70−1に加えて、受信者端末装置70−2,70−3,70−5に対して同一の配信事業者ID及びチャネルIDのコンテンツ情報の送信を開始する。すなわち、コンテンツ配信装置310A−1aは、同一の配信事業者ID及びチャネルIDのコンテンツ情報を含む4つのユニキャストIPトラヒックを送信する。
U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介してコンテンツ配信装置310A−1aからコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する。
送信選択判定部100Aaは、図21に示すトラヒック変換処理を行う。送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していないため、ステップSd2の処理において、「NO」の判定を行う。送信選択判定部100Aaは、ステップSd3の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部103aに出力する。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd4の処理において、コンテンツ配信装置310A−1aに対して、当該コンテンツ情報の受信者数要求情報を送信して、受信者数応答情報を受信する。この時点において、当該コンテンツ情報を受信しているのは4台存在するため、受信者数応答情報には、受信者数が「4」である情報が含まれる。しかし、送信選択判定部100Aaは、受信者数が未だ「4」であるため、ステップSd5の処理において、「NO」の判定、すなわち受信者数が、M(=5)以上でないと判定し、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックへ変換する処理を行わない(ステップSh4)。
送出トラヒックバッファ部103aは、送信選択判定部100Aaが出力したユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順でユニキャストIPトラヒックを送信する。受信者端末装置70−1,70−2,70−3へのユニキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1、伝送装置40−1−1,40−1−2、エッジルータ50−1により伝送される。受信者端末装置70−5へのユニキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1,30−2、伝送装置40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−2により伝送される(ステップSh5)。
M−U変換装置20A−1,20A−2の複製判定部200A−1,200A−2は、NW−IF220−1,220−2を介してエッジルータ50−1,50−2からユニキャストIPトラヒックを受信する。複製判定部200A−1,200A−2は、図22に示すトラヒック変換処理を行い、U−M変換装置10Aaから変換開始指示情報を受信していないため、ステップSe2の処理において、「NO」の判定を行う。
複製判定部200A−1,200A−2は、ステップSe4の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部203−1,203−2に出力する。送出トラヒックバッファ部203−1,203−2は、複製判定部200A−1,200A−2が出力したユニキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順でユニキャストIPトラヒックを送信する(ステップSh6)。
M−U変換装置20A−1が送信したユニキャストIPトラヒックは、OLT60−1、光スプリッタ61−1、ONU62−1−1,62−1−2,62−1−3を介して伝送され、受信者端末装置70−1,70−2,70−3が、ユニキャストIPトラヒックを受信する。M−U変換装置20A−2が送信したユニキャストIPトラヒックは、OLT60−2、光スプリッタ61−2、ONU62−2−2を介して伝送され、受信者端末装置70−5が、ユニキャストIPトラヒックを受信する。
図27に進み、5台目の受信者端末装置70−6が、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−5が受信しているコンテンツ情報と同一のコンテンツ情報の配信を要求する。すなわち、受信者端末装置70−6は、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−5が受信しているコンテンツ情報の配信事業者ID及びチャネルIDを含む配信開始要求情報を送信する(ステップSh7)。
配信開始要求情報は、ONU62−2−3、光スプリッタ61−2、及びOLT60−2を経由してM−U変換装置20A−2に伝送される。M−U変換装置20A−2の情報検出処理部204−2は、NW−IF221−2を介して受信する情報の中から配信開始要求情報を検出する(ステップSh8)。情報検出処理部204−2は、受信した配信開始要求情報をNW−IF220−2を介してエッジルータ50−2に転送する。
情報検出処理部204−2は、第1の実施形態のステップSc2の処理において、情報検出処理部204−1が、配信開始要求情報を検出した際に行う処理と同様の処理を行う。すなわち、情報検出処理部204−2は、配信開始要求情報から配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDとを読み出す。情報検出処理部204−2は、読み出した配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDとに一致するレコードを記憶部201−2のM−U変換テーブル211−2から検出し、検出したレコードの「配信要求」の項目に「○」を書き込んで記憶させる。
この時点で、M−U変換装置20A−1のM−U変換テーブル211−1には、受信者端末装置70−1,70−2,70−3に対応する「配信要求」の項目に「○」が書き込まれており、M−U変換装置20A−2のM−U変換テーブル211−2には、受信者端末装置70−5,70−6に対応する「配信要求」の項目に「○」が書き込まれている。
配信開始要求情報は、エッジルータ50−2、伝送装置40−2−2,40−2−1、コアルータ30−2,30−1、U−M変換装置10Aaを経由してコンテンツ配信装置310A−1aに伝送される。コンテンツ配信装置310A−1aは、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−5に加えて、受信者端末装置70−6に対して同一の配信事業者ID及びチャネルIDのコンテンツ情報の送信を開始する。すなわち、コンテンツ配信装置310A−1aは、同一の配信事業者ID及びチャネルIDのコンテンツ情報を含む5つのユニキャストIPトラヒックを送信する。
図28に進み、U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介してコンテンツ配信装置310A−1aからコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する。
送信選択判定部100Aaは、図21に示すトラヒック変換処理を行う。送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録していないため、ステップSd2の処理において、「NO」の判定を行う。送信選択判定部100Aaは、ステップSd3の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックを送出トラヒックバッファ部103aに出力する。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd4の処理において、コンテンツ配信装置310A−1aに対して、当該コンテンツ情報の受信者数要求情報を送信して、受信者数応答情報を受信する。この時点において、当該コンテンツ情報を受信しているのは5台存在するため、受信者数応答情報には、受信者数が「5」である情報が含まれる。送信選択判定部100Aaは、受信者数が「5」であるため、ステップSd5の処理において、「YES」の判定を行う。
この時点では、U−M変換装置10Aaは、ユニキャストIPトラヒックのみを送信している。そのため、記憶部101aのU−M変換テーブル111aの「選択状態」の項目は、全て「−」である。
したがって、送信選択判定部100Aaは、ステップSd6の処理において、「YES」の判定を行い、マルチキャストへの変換を開始するタイミングを算出し、ステップSd7の処理において、コマンド送受信部105Aaに対して、マルチキャストへの変換を開始するタイミングを示す情報を含む変換開始指示情報を送信させる指示情報を出力する。コマンド送受信部105Aaは、NW−IF123aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に変換開始指示情報を送信する(ステップSh9)。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd8の処理において、コンテンツ配信装置310A−1aから受信している5つのユニキャストIPトラヒックからいずれか1つを選択する。ここでは、送信選択判定部100Aaは、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックを選択し、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックから配信事業者ID、チャネルID、宛先アドレスを読み出す。
送信選択判定部100Aaは、U−M変換テーブル111aを参照し、マルチキャストに変換することを開始するタイミングにおいて、読み出した配信事業者ID、チャネルID、宛先アドレスに対応するレコードの「選択状態」の項目に「○」を書き込む。また、送信選択判定部100Aaは、当該レコードの「変更後のマルチキャストIPアドレス」の項目からマルチキャストIPアドレスを読み出す。
送信選択判定部100Aaは、選択したマルチキャストへの変換を開始するタイミングで、選択しなかった残りの4つのユニキャストIPトラヒックを破棄し、選択したユニキャストIPトラヒック及び読み出したマルチキャストIPアドレスを宛先アドレス変換部102aに出力する。
宛先アドレス変換部102aは、送信選択判定部100Aaが出力するユニキャストIPトラヒックに対して、当該ユニキャストIPトラヒックの宛先アドレスを、送信選択判定部100Aaが出力するマルチキャストIPアドレスに書き換える。これにより、宛先アドレス変換部102aは、ユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送出トラヒックバッファ部103aに出力する。
送出トラヒックバッファ部103aは、宛先アドレス変換部102aから受けたマルチキャストIPトラヒックを一時的に記憶し、記憶した順にNW−IF121aを介してコアルータ30−1に送信する。これにより、マルチキャストIPトラヒックにより伝送が開始される(ステップSh10)。
図29に進み、マルチキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1、伝送装置40−1−1,40−1−2、エッジルータ50−1によりM−U変換装置20A−1に伝送される。また、マルチキャストIPトラヒックは、コアルータ30−1からコアルータ30−2に転送され、コアルータ30−2、伝送装置40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−2によりM−U変換装置20A−2に伝送される。
M−U変換装置20A−1,20A−2の複製判定部200A−1,200A−2は、マルチキャストIPトラヒックを受信し、図22に示すトラヒック変換処理を開始する。複製判定部200A−1,200A−2は、U−M変換装置10Aaから変換開始指示情報を受信しているため、ステップSe2の処理において、「YES」の判定を行う。
U−M変換装置10AaとM−U変換装置20A−1,20A−2との間で時刻同期が正しく行われている場合、受信したマルチキャストIPトラヒックは、変換開始指示情報が示すタイミング以降のトラヒックとなる。そのため、複製判定部200A−1,200A−2は、ステップSe3の処理において、「YES」の判定を行う。
複製判定部200A−1,200A−2は、ステップSe5の処理において、マルチキャストIPトラヒックをユニキャストIPトラヒックに変換して送信するマルチキャストIPトラヒック送信処理を行う(ステップSh11)。
図30は、ステップSh9〜Sh11の処理におけるユニキャストからマルチキャストに切り替えて送信を行う際のIPトラヒックの状態の変化を示した図である。U−M変換装置10Aaは、IPトラヒックのPn+1を送信した後、Pn+2を送信するまでの間の時刻をマルチキャストIPトラヒックへの変換を開始するタイミングとして選択したとする。U−M変換装置10Aaは、当該タイミングを含む変換開始指示情報をM−U変換装置20A−1,20A−2に送信し、Pn+2以降のIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信する。
M−U変換装置20A−1,20A−2は、U−M変換装置10Aaから受信した変換開始指示情報に含まれるタイミングの情報に基づいて、Pn+1までがユニキャストIPトラヒックであり、Pn+2以降がマルチキャストIPトラヒックであることを検出している。したがって、M−U変換装置20A−1,20A−2は、Pn+1までのIPトラヒックについては、ステップSe3の処理において、「NO」の判定を行い、ステップSe4の処理によりそのまま送信する。一方、Pn+2のIPトラヒックについては、ステップSe3の処理において、「YES」の判定を行い、ステップSe5の処理により、ユニキャストIPトラヒックに変換して送信する。
これにより、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−5,70−6に到達するIPトラヒックは、全てユニキャストIPトラヒックとなる。そのため、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−5,70−6は、連続して送信されるコンテンツ情報をロスすることなく受信することができる。
図31に進み、受信者端末装置70−3,70−5,70−6が、受信しているコンテンツ情報の配信終了要求情報をコンテンツ配信装置310A−1aに送信する(ステップSh12)。
M−U変換装置20A−1,20A−2の情報検出処理部204−1,204−2は、配信終了要求情報を検出し、検出した配信終了要求情報に含まれる配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDを検出する。情報検出処理部204−1,204−2は、記憶部201−1,201−2のM−U変換テーブル211−1,211−2を参照し、検出した配信事業者IDとチャネルIDと送信元アドレスとVLAN−IDに対応するレコードを検出し、検出したレコードの「配信要求」の項目に「−」を書き込んで記憶させる(ステップSh13)。
コンテンツ配信装置310A−1aの要求受付部312A−1aは、配信終了要求情報を受信すると、コンテンツ配信部313−1aに対して、受信者端末装置70−3,70−5,70−6へのコンテンツ情報の送信を終了させる指示情報を出力する。コンテンツ配信部313−1aは、受信者端末装置70−3,70−5,70−6へのコンテンツ情報の送信を終了する。
要求受付部312A−1aは、配信終了要求情報を受信した際、配信終了要求情報から読み出した送信元アドレスとチャネルIDの組み合わせに対応する受信者情報記憶部316−1aの「配信元のユニキャストIPアドレス」と「チャネルID」のレコードを検出し、検出したレコードを削除する(ステップSh14)。
図32に進み、コンテンツ配信装置310A−1aは、受信者端末装置70−1を宛先とするコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックと、受信者端末装置70−2を宛先とするコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックとを送信する。U−M変換装置10Aaの送信選択判定部100Aaは、NW−IF120aを介してコンテンツ配信装置310A−1aから受信者端末装置70−1、または、受信者端末装置70−2を宛先とするコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを受信する。
送信選択判定部100Aaは、図21に示すトラヒック変換処理を行う。送信選択判定部100Aaは、受信したユニキャストIPトラヒックに含まれるコンテンツ情報をマルチキャストとして送信するコンテンツ情報として登録しているため、ステップSd2の処理において、「YES」の判定を行う。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd9の処理において、受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するか否かを判定する(ステップSd9)。前述したように、送信選択判定部100Aaは、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換するように選択している。そのため、記憶部101aのU−M変換テーブル111aにおいて「変換前のユニキャストIPアドレス」が、受信者端末装置70−1のIPアドレスになっているレコードの「選択状態」の項目に「○」が記憶されている。
したがって、送信選択判定部100Aaは、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックについては、ステップSd9の処理において、「YES」の判定を行う。送信選択判定部100Aaは、ステップSd10の処理において、受信者端末装置70−1を宛先とするユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信する。
一方、送信選択判定部100Aaは、受信者端末装置70−2を宛先とするユニキャストIPトラヒックについては、ステップSd9の処理において、「NO」の判定を行い、ステップSd11の処理において、受信者端末装置70−2を宛先とするユニキャストIPトラヒックを破棄する。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd12の処理において、コンテンツ配信装置310A−1aに対して、当該コンテンツ情報の受信者数要求情報を送信して、受信者数応答情報を受信する。
この時点において、当該コンテンツ情報を受信しているのは2台であるため、受信者数応答情報には、受信者数が「2」である情報が含まれる。送信選択判定部100Aaは、受信者数が「2」であるため、ステップSd13の処理において、「YES」の判定、すなわち受信者数が、N(=3)未満であると判定する。送信選択判定部100Aaは、記憶部101aのU−M変換テーブル111aを参照し、「選択状態」の項目が「○」となっているレコードが残り1つであるため、ステップSd14の処理において、「YES」の判定を行う。
送信選択判定部100Aaは、マルチキャストへの変換を停止するタイミングを算出し、ステップSd15の処理において、コマンド送受信部105Aaに対して、マルチキャストへの変換を停止するタイミングを示す情報を含む変換停止指示情報を送信させる指示情報を出力する。コマンド送受信部105Aaは、当該指示情報を受けて、NW−IF123aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に変換停止指示情報を送信する(ステップSh15)。
送信選択判定部100Aaは、ステップSd16の処理において、U−M変換テーブル111aを参照し、マルチキャストに変換することを停止するタイミングにおいて、当該コンテンツ情報に対応するマルチキャストIPアドレスの「選択状態」の項目のうち「○」となっている項目に「−」を書き込んで記憶させる。これにより、当該コンテンツ情報についてマルチキャストでの送信を停止してユニキャストでの送信が開始されることになる(ステップSh16)。
最終的には、図33に示すように、コンテンツ配信装置310A−1aが、2つの受信者端末装置70−1,70−2の各々に対して、同一の配信事業者IDであって同一のチャネルIDのコンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックを送信する状態となる。
図34は、ステップSh12〜Sh16の処理におけるマルチキャストからユニキャストに切り替えて送信を行う際のIPトラヒックの状態の変化を示した図である。U−M変換装置10Aaは、IPトラヒックのPn+1を送信した後、Pn+2を送信するまでの間の時刻をマルチキャストIPトラヒックへの変換を停止するタイミングとして選択したとする。U−M変換装置10Aaは、当該タイミングを含む変換停止指示情報をM−U変換装置20A−1,20A−2に送信し、Pn+2以降のユニキャストIPトラヒックについてマルチキャストへの変換を行わずそのまま送信する。
M−U変換装置20A−1,20A−2は、U−M変換装置10Aaから受信した変換停止指示情報に含まれるタイミングの情報に基づいて、Pn+1までがマルチキャストIPトラヒックであり、Pn+2以降がユニキャストIPトラヒックであることを検出している。したがって、M−U変換装置20A−1,20A−2は、Pn+1までのIPトラヒックについては、ステップSg3の処理において、「NO」の判定を行い、ステップSg7の処理によりユニキャストに変換して送信する。
一方、Pn+2以降のユニキャストIPトラヒックについては、ステップSg3の処理において、「YES」の判定を行い、ステップSg4の処理において、ユニキャストIPトラヒックのまま送信する。これにより、受信者端末装置70−1,70−2に到達するIPトラヒックは、全てユニキャストIPトラヒックとなる。そのため、受信者端末装置70−1,70−2は、連続するコンテンツ情報をロスすることなく受信することができる。
上記の第2の実施形態の構成により、U−M変換装置10Aが、コンテンツ情報に対応する配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせごとの受信者数に応じて、コンテンツ配信装置310から受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信するか否かを判定する。U−M変換装置10Aが、コンテンツ配信装置310から受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信すると判定した場合、U−M変換装置10Aは、マルチキャストへの変換を開始するタイミングを示す情報を含む変換開始指示情報をM−U変換装置20Aに送信し、当該タイミングにしたがって受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信する。M−U変換装置20Aは、変換開始指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックからユニキャストIPトラヒックに変換して受信者端末装置70−1〜70−6に送信する。
また、上記の第2の実施形態の構成により、U−M変換装置10Aが、コンテンツ情報に対応する配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせごとの受信者数に応じて、コンテンツ配信装置310から受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換せずにそのまま送信するか否かを判定する。U−M変換装置10Aが、コンテンツ配信装置310から受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換せずにそのまま送信すると判定した場合、U−M変換装置10Aは、マルチキャストへの変換を停止するタイミングを示す情報を含む変換停止指示情報をM−U変換装置20Aに送信し、当該タイミングにしたがって受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換せずに送信する。M−U変換装置20Aは、変換停止指示情報に示されるタイミング以降のIPトラヒックを変換せずにユニキャストIPトラヒックのまま受信者端末装置70−1〜70−6に送信する。
これにより、例えば、コンテンツ情報の受信者数が少ない間は、U−M変換装置10Aは、マルチキャストIPトラヒックへの変換処理を行うことなく受信したユニキャストIPトラヒックのまま送信することができる。また、M−U変換装置20Aは、マルチキャストIPトラヒックからユニキャストIPトラヒックへの変換処理を行うことなく、受信したIPトラヒックをそのまま受信者端末装置70−1〜70−6に送信する。したがって、U−M変換装置10A及びM−U変換装置20Aにおける変換処理の負荷を軽減することができ、遅延時間も短くすることができる。
また、U−M変換装置10Aは、マルチキャストへの変換を開始するタイミングを示す変換開始指示情報をM−U変換装置20Aに送信し、また、U−M変換装置10Aは、マルチキャストへの変換を停止するタイミングを示す変換停止指示情報をM−U変換装置20Aに送信するようにしているので、変換処理の開始と停止のタイミングを動的に設定することが可能となる。そのため、受信者端末装置70−1〜70−6は、コンテンツ情報をロスすることなく受信することが可能となる。
また、上記の第2の実施形態では、図24のM−U変換装置20Aにおける受信判定処理のステップSg5に示すように、いずれかのコンテンツ情報についてマルチキャストIPトラヒックによる送信が開始すると、その後に受信するIPトラヒックについては、ユニキャストIPトラヒックであるか、マルチキャストIPトラヒックであるかを判定する必要が生じることになる。第2の実施形態における処理において、受信者端末装置70−1〜70−6がマルチキャストIPトラヒックを受信することはないため、M−U変換装置20Aは、常に、受信するIPトラヒックについては、ユニキャストIPトラヒックであるか、マルチキャストIPトラヒックであるかを判定する構成とし、マルチキャストIPトラヒックの場合にはユニキャストIPトラヒックに変換する処理を行う構成とすることもできる。しかし、そのような構成にするよりも、第2の実施形態の構成とする方が、受信者数が少ない間は、M−U変換装置20Aにおける変換処理を行う必要がないため、M−U変換装置20Aにおける変換処理の負荷を軽減することができ、また、遅延時間を短くすることができる。
なお、上記の第2の実施形態の構成では、コンテンツ配信装置310Aの要求受付部312Aが、受信者数要求情報を受信した際に、チャネルIDの情報のみを読み出すようにしているが、本発明は、当該実施の形態に限られない。例えば、U−M変換装置10Aの送信選択判定部100Aが、コンテンツ配信装置310Aの全てに対して、受信者数要求情報を送信するような構成としている場合、受信した受信者数要求情報から配信事業者IDの情報を読み出すようにしてもよい。配信事業者IDを読み出すようにすることで、要求受付部312Aは、読み出した配信事業者IDが、配信事業者ID記憶部315が記憶する配信事業者IDに一致する場合、チャネルIDに対する受信者数の検出を行って受信者数応答情報を送信する。一方、読み出した配信事業者IDが、配信事業者ID記憶部315が記憶する配信事業者IDに一致しない場合、要求受付部312Aは、受信者数要求情報を破棄するという処理を行うようにしてもよい。
また、上記の第2の実施形態の構成では、M−U変換装置20A−1,20A−2へのクロック信号の送信は、現用系のU−M変換装置10Aaが行うようにしているが、本発明は、当該実施の形態に限られない。予備系のU−M変換装置10Asは、IPトラヒックを送信する以外の処理については、現用系のU−M変換装置10Aaと同様の処理を行っている。そのため、予備系のU−M変換装置10Asも、現用系のU−M変換装置10Aaと同様に外部のGPS等のクロック供給源からクロック信号を得ているため、現用系のU−M変換装置10Aaと時刻同期されていることになる。したがって、現用系のU−M変換装置10Aaが、M−U変換装置20A−1に対してクロック信号を送信し、予備系のU−M変換装置10Asが、M−U変換装置20A−2に対してクロック信号を送信するといった構成であってもよい。この場合、現用系のU−M変換装置10Aaが、障害の発生等により停止した場合には、予備系のU−M変換装置10Asが、M−U変換装置20A−2に加えて、M−U変換装置20A−1に対してクロック信号を送信することになる。
また、上記の第2の実施形態の構成では、現用系のU−M変換装置10Aaが、変換開始指示情報及び変換停止指示情報を通信回線500aを介してM−U変換装置20A−1,20A−2に送信するようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。予備系のU−M変換装置10Asは、IPトラヒックを送信する以外の処理については、現用系のU−M変換装置10Aaと同様の処理を行っている。したがって、現用系のU−M変換装置10Aaが、通信回線500aによってM−U変換装置20A−1に変換開始指示情報及び変換停止指示情報を送信し、予備系のU−M変換装置10Asが、通信回線500sによってM−U変換装置20A−2に変換開始指示情報及び変換停止指示情報を送信するような構成としてもよい。なお、通信回線500aや通信回線500sを利用するアウトチャネル方式ではなく、コアルータ30−1,30−2、伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−1,50−2を経由してM−U変換装置20A−1,20A−2に送信するインチャネル方式によって変換開始指示情報や変換停止指示情報を送信するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
図35は、第3の実施形態におけるコンテンツ配信システム3の構成を示すブロック図である。第3の実施形態において、第1及び第2の実施形態のコンテンツ配信システム1,2と同一の構成については、同一の符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
図35に示すように、コンテンツ配信システム3は、配信事業者設備300A−1,300A−2,300A−3、U−M変換装置10Ba,10Bs、コアルータ30−1,30−2、伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2、エッジルータ50−1,50−2、M−U変換装置20B−1,20B−2、OLT60−1,60−2、光スプリッタ61−1,61−2、ONU62−1−1,62−1−2,62−1−3,62−2−1,62−2−2,62−2−3、受信者端末装置70−1,70−2,70−3,70−4,70−5,70−6、表示装置71−1,71−2,71−3,71−4,71−5,71−6を備える。
また、コンテンツ配信システム3は、U−M変換装置10Baと、M−U変換装置20B−1,20B−2とを接続する通信回線500aと、U−M変換装置10Bsと、M−U変換装置20B−1,20B−2とを接続する通信回線500sとを備える。また、図示していないが、コンテンツ配信システム3は、第1及び第2の実施形態と同様に、U−M変換装置10Ba,10Bs、及びM−U変換装置20B−1,20B−2に接続するOSS400を備えている。
図36は、U−M変換装置10Ba,10Bsの内部構成を示すブロック図である。U−M変換装置10Ba,10Bsは、同一の内部構成を有しており、図36では、「a」や「s」の記号を除いて、U−M変換装置10Bとして説明する。また、以下の説明において、個々のU−M変換装置10Ba,10Bsの内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「a」や「s」の記号を付して示すものとする。
U−M変換装置10Bは、NW−IF120,121,122,123,124、送信選択判定部100B、記憶部101、宛先アドレス変換部102、送出トラヒックバッファ部103、コマンド送受信部105B、クロック補正・生成部106、及び通信品質情報収集部107を備える。
コマンド送受信部105Bは、第2の実施形態のコマンド送受信部105Aが有する構成に加えて、以下の構成を有する。すなわち、コマンド送受信部105Bは、NW−IF123を介して、M−U変換装置20B−1,20B−2が送信する通信品質に関する情報を受信し、受信した通信品質に関する情報を通信品質情報収集部107に出力する。M−U変換装置20B−1,20B−2が送信する通信品質に関する情報には、例えば、M−U変換装置20B−1,20B−2が、OLT60−1,60−2を介して取得する受信者端末装置70−1〜70−6ごとのQoE(Quality of Experience)や統計情報が含まれている。また、当該通信品質に関する情報には、M−U変換装置20B−1,20B−2に接続するエッジルータ50−1,50−2やOLT60−1,60−2の帯域使用状況や負荷の状態を示す情報も含まれている。
通信品質情報収集部107は、コマンド送受信部105Bが出力する通信品質に関する情報を取得する。また、通信品質情報収集部107は、NW−IF121を介してU−M変換装置10Bに接続するコアルータ30−1,30−2の帯域使用状況や負荷の状態を示す通信品質に関する情報を繰り返し収集する。また、通信品質情報収集部107は、収集した通信品質に関する情報と、コマンド送受信部105Bから取得した通信品質に関する情報とを定期的に送信選択判定部100Bに出力する。
以下に説明する送信選択判定部100B、宛先アドレス変換部102、及び送出トラヒックバッファ部103は、ユニキャストIPトラヒックからマルチキャストIPトラヒックへの変換処理を行うユニキャスト・マルチキャスト変換処理部である。
送信選択判定部100Bは、第2の実施形態の送信選択判定部100Aが有する構成に加えて、以下の構成を有する。すなわち、送信選択判定部100Bは、通信品質情報収集部107が出力する通信品質に関する情報に基づいて、パラメータMの値を増減させる処理を行う。例えば、送信選択判定部100Bは、受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質が悪くなっている場合、受信者数の増加に伴ってマルチキャストIPトラヒックでの送信が早めに開始されるようにMの値を減少させる。マルチキャストIPトラヒックでの送信にすることにより帯域使用状況の改善を行うことができ、それにより受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を改善することができる。
また、送信選択判定部100Bは、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2等の通信装置の負荷が高くなっている場合、マルチキャストIPトラヒックでの送信が早めに開始されるようにMの値を減少させる。マルチキャストIPトラヒックでの送信にすることにより帯域使用状況の改善を行うことができ、それにより通信装置の負荷状態を低減することができる。
また、送信選択判定部100Bは、通信装置の負荷が低くなっている場合、通信装置のリソースには余裕があるため、ユニキャストIPトラヒックでの送信を継続させるように、Mの値を増加させる。
図37は、M−U変換装置20B−1,20B−2の内部構成を示すブロック図である。M−U変換装置20B−1,20B−2は、同一の内部構成を有しており、図37では、「−1」や「−2」の枝番号を除いて、M−U変換装置20Bとして説明する。また、以下の説明において、個々のM−U変換装置20B−1,20B−2の内部構成を示す場合、各内部構成を示す符号に「−1」や「−2」の枝番号を付して示すものとする。
M−U変換装置20Bは、NW−IF220,221,222,223、複製判定部200A、記憶部201、宛先アドレス変換部202、送出トラヒックバッファ部203、情報検出処理部204、コマンド送受信部205B、クロック同期部206、及び通信品質情報収集部207を備える。
通信品質情報収集部207は、NW−IF220,221を介してM−U変換装置20Bに接続するエッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の帯域使用状況や負荷の状態を示す情報を繰り返し収集する。また、通信品質情報収集部207は、NW−IF221に接続するOLT60−1,60−2を介して受信者端末装置70−1〜70−6ごとのQoEや統計情報を繰り返し収集する。
また、通信品質情報収集部107は、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の帯域使用状況や負荷の状態を示す情報、並びに受信者端末装置70−1〜70−6ごとのQoEや統計情報を含む通信品質に関する情報を収集するごとにコマンド送受信部205Bに出力する。
コマンド送受信部205Bは、通信品質情報収集部207から通信品質に関する情報を受けるごとに、当該通信品質に関する情報をNW−IF223を介してU−M変換装置10Ba,10Bsに送信する。
(第3の実施形態のU−M変換装置によるパラメータ変更処理)
図38及び図39は、第3の実施形態のU−M変換装置10Bが行うパラメータ変更処理の流れを示すフローチャートである。以下では、現用系のU−M変換装置10Baの処理として説明するが、現用系のU−M変換装置10Baが障害の発生等により停止した場合、予備系のU−M変換装置10Bsについても同様の処理が行われる。
なお、Mの値とNの値の初期値は、例えば、運用者がOSS400を操作することによって、コマンド送受信部105BaにMの値とNの値の初期値を送信し、コマンド送受信部105Baが送信選択判定部100Baの内部の記憶領域に書き込んで記憶させることにより予め定められているものとする。
U−M変換装置10Baの送信選択判定部100Baは、定期的に通信品質情報収集部107aから通信品質に関する情報を取得し、取得した通信品質に関する情報の中から受信者端末装置70−1〜70−6ごとQoEや統計情報を選択する(ステップSi1)。送信選択判定部100Baは、受信者端末装置70−1〜70−6ごとのQoEや統計情報に基づいて、受信者端末装置70−1〜70−6ごとの通信品質を示す値を算出する。送信選択判定部100Baは、予め定められる閾値に基づいて、いずれかの受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値が閾値未満であるか否かを判定する(ステップSi2)。
送信選択判定部100Baは、いずれかの受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値が閾値未満であると判定した場合(ステップSi2−YES)、予め定められるMの値を減少させる(ステップSi3)。減少させる量は、予め定める減少量であってもよいし、通信品質を示す値と閾値との差に基づいて求められる値であってもよい。
ステップSi3の処理の後、及び、送信選択判定部100Baが、全ての受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値が閾値未満でないと判定した場合(ステップSi2−NO)、送信選択判定部100Baは、取得した通信品質に関する情報から受信者端末装置70−1〜70−6以外の情報を選択する。すなわち、送信選択判定部100Baは、取得した通信品質に関する情報からコアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の帯域使用状況や負荷の状態を示す情報を選択する(ステップSi4)。送信選択判定部100Baは、選択した帯域使用状況や負荷の状態を示す情報に基づいて、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の各々の通信装置ごとの負荷を示す値を算出する。
送信選択判定部100Baは、予め定められる高負荷判定用閾値に基づいて、いずれかの通信装置の負荷を示す値が高負荷判定用閾値以上であるか否かを判定する(ステップSi5)。送信選択判定部100Baは、いずれかの通信装置の負荷を示す値が高負荷判定用閾値以上であると判定した場合(ステップSi5−YES)、予め定められるMの値を減少させ(ステップSi6)、処理を終了する。減少させる量は、予め定める減少量であってもよいし、負荷を示す値と高負荷判定用閾値との差に基づいて求められる値であってもよい。
送信選択判定部100Baは、全ての通信装置の負荷を示す値が高負荷判定用閾値未満であると判定した場合(ステップSi5−NO)、予め定められる低負荷判定用閾値に基づいて、いずれかの通信装置の負荷を示す値が低負荷判定用閾値未満であるか否かを判定する(ステップSi7)。
送信選択判定部100Baは、いずれかの通信装置の負荷を示す値が低負荷判定用閾値未満であると判定した場合(ステップSi7−YES)、Mの値を増加させ(ステップSi8)、処理を終了する。増加させる量は、予め定める増加量であってもよいし、負荷を示す値と低負荷判定用閾値との差に基づいて求められる値であってもよい。
送信選択判定部100Baは、全ての通信装置の負荷を示す値が低負荷判定用閾値以上であると判定した場合(ステップSi7−NO)、処理を終了する。
図39は、図38に示した処理の順番を一部変更した処理の流れを示すフローチャートである。送信選択判定部100Baは、最初に、図38のステップSi1及びSi4に対応するステップSj1及びSj2の処理を行う。送信選択判定部100Baは、図38のステップSi2及びSi5に対応するステップSj3及びSj4における両方の処理において、「YES」の判定をした場合に、ステップSj5の処理において、Mの値を減少させる。すなわち、送信選択判定部100Baは、いずれかの受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値が閾値未満であって、かついずれかの通信装置の負荷を示す値が高負荷判定用閾値以上である場合、Mの値を減少させる。
一方、送信選択判定部100Baは、図38のステップSi2に対応するステップSj3の処理において、「NO」の判定を行い、かつステップSi7に対応するSj6の処理において、「YES」の判定をした場合に、ステップSj7の処理において、Mの値を増加させる。すなわち、送信選択判定部100Baは、全ての受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値が閾値未満であって、かついずれかの通信装置の負荷を示す値が低負荷判定用閾値未満である場合、Mの値を増加させる。
上記の第3の実施形態の構成により、U−M変換装置10Bは、受信者端末装置70−1〜70−6のQoE等の通信品質や、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の各々の通信装置の通信品質に応じて、Mの値を増減させ、増減させたMの値と、コンテンツ情報に対応する配信事業者IDとチャネルIDの組み合わせごとの受信者数とに基づいて、コンテンツ配信装置310から受信したユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信するか否かを判定する。
例えば、U−M変換装置10Bが、第2の実施形態において説明したように、受信者数が、Mの値以上の場合、ユニキャストIPトラヒックをマルチキャストIPトラヒックに変換して送信する処理を行うとする。受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質が悪くなってきた場合、Mの値を減少させることで、マルチキャストIPトラヒックでの送信の開始を早めることができる。マルチキャストIPトラヒックでの送信にすることにより帯域使用状況の改善を行うことができ、それにより、受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を改善することができる。
また、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2等の通信装置の負荷が高くなっている場合にも、Mの値を減少させことで、マルチキャストIPトラヒックでの送信の開始を早めることができる。マルチキャストIPトラヒックでの送信にすることにより帯域使用状況の改善を行うことができ、それにより通信装置の負荷状態を低減することができる。
したがって、第3の実施形態におけるコンテンツ配信システム3では、例えば、受信者端末装置70−1〜70−6のユーザが要求する通信品質でコンテンツ情報の配信を行うことができる等、きめ細やかな通信サービスを提供することが可能となる。また、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2の各々の通信装置の通信品質に基づいて、IPトラヒックをユニキャストにしたり、マルチキャストにしたりすることができる。そのため、通信装置の負荷を最適化したり、消費電力を削減したりするといった制御を行うことが可能となる。
なお、上記の第3の実施形態において、図38のステップSi3の処理及び、ステップSi6の処理において、Mの値を減少させるようにしているが、Mの値ではなく、Nの値を減少させるようにしてもよいし、MとNの値の両方を減少させるようにしてもよい。Nの値を減少させることにより、受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質が悪くなっている場合、受信者数が減少したとしても、マルチキャストでの送信を継続することで、受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を改善して良い状態に維持することできる。また、Nの値を減少させることにより、コアルータ30−1,30−2、エッジルータ50−1,50−2、及びOLT60−1,60−2等の通信装置の負荷が高くなっている場合、受信者数が減少したとしても、マルチキャストでの送信を継続することで、通信装置の負荷の状態を改善して低い状態に維持することができる。
MとNの値の両方を減少させた場合、上述したMを減少させた際の効果と、Nを減少させた際の両方の効果が得られることになる。
また、図38のステップSi8の処理において、Mの値を増加させるようにしているが、Mの値ではなく、Nの値を増加させるようにしてもよいし、MとNの値の両方を増加させるようにしてもよい。前述した通り、ステップSi8の場合、通信装置のリソースには余裕がある。そのため、Nの値を増加させておくことで、受信者数が減少した場合、すぐにマルチキャストIPトラヒックでの送信を停止し、ユニキャストIPトラヒックでの送信を開始させることができる。
MとNの値の両方を増加させた場合、上述したMを増加させた際の効果と、Nを増加させた際の両方の効果が得られることになる。
図39の処理についても同様に、ステップSj5の処理において、Mの値ではなく、Nの値を減少させるようにしてもよいし、MとNの値の両方を減少させるようにしてもよい。また、ステップSj7の処理において、Mの値ではなく、Nの値を増加させるようにしてもよいし、MとNの値の両方を増加させるようにしてもよい。
なお、図38のステップSi8や図30のステップSj7の処理において、Mの値を増加させたり、Nの値を増加させたり、MとNの値の両方を増加させるといった処理を行わない構成としてもよい。
また、図38及び図39に示すフローチャートでは、処理を終了させるようにしているが、一定周期で、図38及び図39に示す処理を繰り返し行うようにしてもよいし、任意のタイミングで、例えば、運用者の操作を受けて処理を行うようにしてもよい。
なお、上記の第3の実施形態では、M−U変換装置20Bの通信品質情報収集部207が、OLT60−1,60−2を介して受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質に関する情報の収集を行う。また、通信品質情報収集部207が、更に、OLT60−1,60−2及びエッジルータ50−1,50−2の通信品質に関する情報の収集を行う。また、U−M変換装置10Bの通信品質情報収集部107が、コアルータ30−1,30−2の通信品質に関する情報の収集を行う。しかし、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。これらの通信品質に関する情報が、OSS400によって収集されている場合、U−M変換装置10Bのコマンド送受信部105BがOSS400からこれらの情報を取得するようにしてもよい。その際、U−M変換装置10Bは、通信品質情報収集部107を備えなくてもよく、また、M−U変換装置20Bも、通信品質情報収集部207を備えなくてもよい。
また、上記の第3の実施形態では、受信者端末装置70−1〜70−6の通信品質を示す値と予め定められる閾値との比較、通信装置ごとの負荷を示す値と高負荷判定用閾値との比較、及び通信装置ごとの負荷を示す値と低負荷判定用閾値との比較を行っているが、例えば、OSS400から通信品質に関する情報を取得する場合、上記以外の通信品質に関する情報を取得し、別の閾値を定めて比較を行うようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、配信事業者IDとチャネルIDとの組み合わせによってコンテンツ情報を一意に識別するようにしているが、2つのIDの組み合わせではなく、コンテンツ情報を一意に識別できる識別情報をコンテンツ情報に関連付けるようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、コンテンツ情報は、例えば、映像のコンテンツ情報であるとしているが、映像の情報に限られるものではない。例えば、画像情報や、Webページのデータや、OS(Operating System)のアップデータファイルや、ウイルス対策のソフトウェアの定義ファイル等の複数の受信者端末装置への配信の対象となる配信情報であればどのようなものであってもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、U−M変換装置10,10A,10Bの記憶部101に記憶されるU−M変換テーブル111の「選択状態」以外の各種情報は、NW−IF122を介して接続するOSS400から受信し、受信した各種情報をコマンド送受信部105,105A,105BがU−M変換テーブル111に書き込むことによって設定するとしている。また、M−U変換装置20,20A,20Bの記憶部201に記憶されるM−U変換テーブル211の「配信要求」以外の各種情報は、NW−IF222を介して接続するOSS400から受信し、受信した各種情報をコマンド送受信部205,205A,205BがM−U変換テーブル211に書き込むことによって設定するとしている。しかし、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、U−M変換装置10,10A,10B、及びM−U変換装置20,20A,20Bの制御用のインタフェースに制御端末装置を接続し、制御端末装置のCLI(Command Line Interface)によって個々のU−M変換装置10,10A,10BのU−M変換テーブル111、及びM−U変換装置20,20A,20BのM−U変換テーブル211に各種情報を書き込んで記憶させるようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、U−M変換テーブル111の「選択状態」以外の各種情報、及びM−U変換テーブル211の「配信要求」以外の各種情報は、OSS400によって予め設定されるとしているが、本発明は、当該実施の形態に限れず、コンテンツ情報を含むユニキャストIPトラヒックの受信の際や、配信開始要求情報及び配信終了要求情報の受信の際に、動的に各種情報を設定するようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、図1、図15、及び図35に示すように、配信事業者設備300−1〜300−3、または配信事業者設備300A−1〜300A−3のように、3つ存在するように示しているが、2つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。また、配信事業者設備300−1〜300−3、または配信事業者設備300A−1〜300A−3は、二重化の構成としているが、一重化の構成であってもよいし、三重化以上の構成であってもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態において、SNIについても、二重化の構成としているが、配信事業者設備300−1〜300−3、または配信事業者設備300A−1〜300A−3を、一重化の構成としたり、三重化以上の構成としたりする場合、SNIもそれに応じて一重化の構成としたり、三重化以上の構成としたりする。
また、上記の第1から第3の実施形態では、図2に示すように、Ethernet(登録商標)のフレームにIPv6パケットを含むフォーマットとしているが、IPv4やIEEE802.3のパケット等の別の形式のパケットや、IPパケット以外のパケットを含むフォーマットとしてもよい。また、エンドユーザIDとして、VLAN−IDを適用するようにしているが、VLAN−ID以外を適用するようにしてもよいし、エンドユーザIDを適用しない構成であってもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、コンテンツ配信装置310−1a〜310−3s,310A−1a〜310A−3sが送信するユニキャストIPトラヒックは、例えば、配信事業者IDとチャネルIDで一意に特定される映像コンテンツ情報を時系列に分割したコンテンツ情報を含むものとしているが、本発明の構成は当該実施の形態に限られない。例えば、受信者端末装置70−1が、同一の配信事業者から2つ以上のチャネルIDの配信を要求した場合、1つのユニキャストIPトラヒックに2つ以上のコンテンツ情報を含むようにしてもよい。この場合、コンテンツ配信装置310−1a〜310−3s,310A−1a〜310A−3sは、それぞれのコンテンツごとに異なるポート番号を付与する事で、受信者端末装置70−1においてそれらのコンテンツを識別する事ができる。この際のポート番号は、例えばTCPヘッダまたはUDPヘッダに付与されるポート番号を用いてもよいし、独自のヘッダを定義しそこに付与してもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、U−M変換装置10,10A,10Bを二重化の構成としているが、一重化の構成としてもよいし、三重化以上の構成としてもよい。U−M変換装置10,10A,10Bの構成は、上記のSNIの多重化構成や、配信事業者設備300−1〜300−3、または配信事業者設備300A−1〜300A−3の多重化構成とは独立に多重化数を定めることができる。
また、上記の第1から第3の実施形態において、配信開始要求情報や、配信終了要求情報は、受信者端末装置70−1〜70−6から送信されて、アクセスネットワークであるPONを経由してM−U変換装置20,20A,20B、エッジルータ50−1,50−2,伝送装置40−1−1,40−1−2,40−2−1,40−2−2、コアルータ30−1,30−2、及びU−M変換装置10,10A,10Bを経由してコンテンツ配信装置310,310Aに伝送される構成となっているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、M−U変換装置20,20A,20Bや、U−M変換装置10,10A,10Bを経由しない経路で伝送されてもよい。ただし、M−U変換装置20,20A,20Bを経由しない場合、配信開始要求情報や、配信終了要求情報を伝送するいずれかの装置、例えばOLT60−1,60−2等が、M−U変換装置20,20A,20Bが備える情報検出処理部204を備え、当該情報検出処理部204が、M−U変換装置20,20A,20Bに検出した情報を送信するようにしておく必要がある。
また、上記の第1から第3の実施形態では、U−M変換装置10,10A,10Bが送信するユニキャストIPトラヒックやマルチキャストIPトラヒックの転送処理を、通信ネットワーク内の通信装置であるコアルータ30−1,30−2、及びエッジルータ50−1,50−2が行う構成となっているが、本発明は、当該実施の形態に限られない。U−M変換装置10,10A,10Bが、コアルータ30−1,30−2を内部に備え、M−U変換装置20,20A,20Bが、エッジルータ50−1,50−2を内部に備え、各々が、ユニキャストIPトラヒックやマルチキャストIPトラヒックの転送処理を行うようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、M−U変換装置20,20A,20Bを、エッジルータ50−1とOLT60−1の間と、エッジルータ50−2とOLT60−2の間に設置するようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。例えば、エッジルータ50−1と伝送装置40−1−2の間に設置したり、エッジルータ50−2と伝送装置40−2−2の間に設置したりしてもよく、また、U−M変換装置10,10A,10BからのIPトラヒックを受信できる位置であればどのような位置に設置してもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、エッジルータ50−1,50−2一台につき、M−U変換装置20,20A,20Bを一台設置するようにしているが、エッジルータ50−1,50−2一台につき、2台以上のM−U変換装置20,20A,20Bを設置する冗長構成としてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、アクセスネットワークとして、OLT60−1,光スプリッタ61−1,ONU62−1−1,62−1−2,62−1−3からなるPONと、OLT60−2,光スプリッタ61−2,ONU62−2−1,62−2−2,62−2−3からなるPONとを備えるようにしているが、本発明の構成は、当該実施の形態に限られない。アクセスネットワークとして、SS(Single Star)やADS(Active Double Star)を適用するようにしてもよい。
また、上記の第1から第3の実施形態では、送出トラヒックバッファ部103、及び送出トラヒックバッファ部203を、キュー方式のバッファであるとしており、記憶した順にIPトラヒックを送信するとしているが、記憶した順ではなく、優先制御により、送出順を変えるバッファであってもよい。
また、上記の第2の実施形態の図21のステップSd5,Sd13、並びに第3の実施形態の図38のステップSi2,Si5,Si7、及び図39のステップSj3,Sj4,Sj6の処理において、「以上であるか否か」または「未満であるか否か」といった判定処理を行っている。しかしながら、本発明は、当該実施の形態に限られるものではなく、「以上であるか否か」または「未満であるか否か」という判定は一例に過ぎず、閾値の定め方に応じて、ぞれぞれ「超過しているか否か」、「以下であるか否か」を判定するようにしてもよい。
上述した実施形態におけるU−M変換装置10,10A,10B、及びM−U変換装置20,20A,20Bをコンピュータとプログラムによっても実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。また、この機能を実現するためのプログラムをインターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介して提供するようにしてもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。