JP2019074177A - 自動変速機 - Google Patents

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義男 安井
Yoshio Yasui
義男 安井
宗幸 岡本
Muneyuki Okamoto
宗幸 岡本
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Abstract

【課題】二重噛み合いを抑制可能な自動変速機を提供する。【解決手段】自動変速機は、動力源に対し機械的な第2クラッチを介して接続する第1変速機と、第1変速機の出力部と駆動輪との間に設けられた第2変速機と、動力源に対し機械的な第1クラッチを介して接続する入力ギヤと、第2変速機の出力部と駆動輪との間に設けられ、入力ギヤと常時噛み合う出力ギヤと、を有する直結ギヤ機構と、を備え、、第1クラッチ及び第2クラッチの切り替えが必要と判断したときには、動力源と入力ギヤとの間の相対回動方向及び動力源と第1変速機の入力部との間の相対回動方向を第1変速機の変速によって変更する切り替え手段と、第1クラッチ及び第2クラッチを切り替えるときに、第1クラッチと第2クラッチとの両方が締結する二重噛み合いを検知する二重噛み合い検知手段と、を設けた。【選択図】図18

Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機に関する。
特許文献1には、動力源に接続された無段変速機と、1速と2速を有し駆動輪に接続された副変速機とを動力伝達経路において直列に接続すると共に、動力源と駆動輪との間で無段変速機や副変速機を介すことなく直接動力を伝達可能な直結ギヤを備えた自動変速機が開示されている。
特許文献1に記載の自動変速機では、直結ギヤを断接する際、3ポジション式の噛み合いクラッチを操作するため、動力伝達経路が遮断される場面があり、空走感が生じるという問題があった。そこで、例えば特許文献2に示すメカニカルダイオード(セレクタブルワンウェイクラッチとも言う。)を採用することが考えられる。この場合、動力伝達経路が遮断されることなく空走感を抑制できるからである。
特許第5977458号公報 国際公開WO2015/001642
しかしながら、発明者が鋭意検討した結果、メカニカルダイオードで動力伝達経路を切り替える際、走行条件によっては、自動変速機内でトルク循環する、いわゆる二重噛み合が発生することを見出した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、二重噛み合いを抑制可能な自動変速機を提供することを目的とする。
本発明の自動変速機は、動力源に対し第2クラッチを介して接続する第1変速機と、
前記第1変速機の出力部と駆動輪との間に設けられた第2変速機と、
前記動力源に対し第1クラッチを介して接続する入力ギヤと、前記第2変速機の出力部と前記駆動輪との間に設けられ、前記入力ギヤと常時噛み合う出力ギヤと、を有する直結ギヤ機構と、
を備え、
前記第1クラッチは、前記第2クラッチが解放しているときに締結し、前記第2クラッチが締結するときに前記動力源と前記第1変速機の入力部との相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
前記第2クラッチは、前記第1クラッチが解放しているときに締結し、前記第1クラッチが締結するときに前記動力源と前記入力ギヤとの間の相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
前記第1クラッチ及び第2クラッチの切り替えが必要と判断したときには、前記動力源と前記入力ギヤとの間の相対回動方向及び前記動力源と前記第1変速機の入力部との間の相対回動方向を前記第1変速機の変速によって変更する切り替え手段と、
前記第1クラッチ及び第2クラッチを切り替えるときに、前記第1クラッチと前記第2クラッチとの両方が締結する二重噛み合いを検知する二重噛み合い検知手段と、を設けた。
よって、二重噛み合いを早期に検知することができ、トルク循環による加速度変動といった違和感を抑制できる。
実施例1の自動変速機を備えた車両の駆動系ユニットの要部の構成図である。 実施例1の自動変速機を備えた車両の駆動系ユニットの要部の軸配置図である。 実施例1の自動変速機を備えた車両の駆動系ユニットの動力伝達モードを説明する図であり(a)はCVTローモード、(b)はCVTハイモード、(c)は直結モードを示す。 実施例1の自動変速機の変速マップの一例を示す図である。 実施例1の直結ギヤ機構を表す概略断面図である。 実施例1の第2ノッチプレートの正面図、及び断面図である。 実施例1のポケットプレートの背面図、及び断面図である。 実施例1のポケットプレートの背面図である。 実施例1の第2SOWCの模式図である。 実施例1の第2SOWCの模式図である。 実施例1のモード切り替え時のSOWCの作用を表す概略図である。 実施例1のモード切り替え時のSOWCの作用を表す概略図である。 実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際の変速制御処理を表すフローチャートである。 実施例1のドライブ・コースト判定マップである。 実施例1のドライブ時変速制御処理を表すフローチャートである。 実施例1の切り替え制御処理におけるAテーブルである。 実施例1の切り替え制御処理における変速速度テーブルである。 実施例1のコースト時変速制御処理を表すフローチャートである。 実施例1のかけかえ制御処理を表すフローチャートである。 実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際のドライブ時変速制御処理を表すタイムチャートである。 実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際のコースト時変速制御処理を表すタイムチャートである。 実施例1と比較例1−3における二重噛み合い発生の有無を表す図である。
[実施例1]
図1は、実施例1の自動変速機を備えた車両の駆動系ユニットの要部の構成図、図2は、実施例1の自動変速機を備えた車両の駆動系ユニットの要部の軸配置図である。実施例1の電気自動車(以下、単に車両ともいう)は、電動モータのみを駆動源として走行する電気自動車(EVともいう)である。尚、電動モータと内燃機関とを選択的に駆動源として走行するハイブリッド電気自動車や、内燃機関のみを備えた車両であってもよく、特に限定しない。
〔駆動系ユニットの構成〕
図1及び図2に示すように、この駆動系ユニットは、車両の駆動源である駆動用モータ(単に、電動モータとも言う)1と、駆動用モータ1の出力軸と一体連結された変速機入力軸(以下、入力軸という)2Aを有する自動変速機2と、自動変速機2に接続された減速機構6と、減速機構6に接続された差動機構7と、を有する。差動機構7の左右のサイドギヤには、駆動輪WDがそれぞれ結合された車軸7L,7Rを有する。
自動変速機2は、動力伝達用のベルト37を有し、プライマリプーリ30Pが入力軸2Aと相対回転可能に配置されたベルト式無段変速機構(以下、バリエータともいう)3と、このバリエータ3のセカンダリプーリ30Sの回転軸36に連結された常時噛み合い型平行軸式歯車変速機構(以下、副変速機構ともいう)4と、バリエータ3及び副変速機構4を迂回するようにして入力軸2Aと自動変速機2の出力軸である回転軸43とを直結する直結ギヤ機構20と、を有する。
バリエータ3は、回転軸33を有する固定プーリ31と可動プーリ32とからなるプライマリプーリ30Pと、回転軸36を有する固定プーリ34と可動プーリ35とからなるセカンダリプーリ30Sと、プライマリプーリ30Pとセカンダリプーリ30SとのV溝に巻き掛けられたベルト37と、を有する。プライマリプーリ30Pの回転軸33は、入力軸2Aと相対回転可能に配置されている。
なお、図1には、バリエータ3のプライマリプーリ30P,セカンダリプーリ30S及びベルト37を、変速比がロー側の状態とハイ側の状態とを示している。プライマリプーリ30P,セカンダリプーリ30Sの各外側(互いに離隔している側)の半部にロー側の状態を示し、各内側(互いに接近している側)の半部にハイ側の状態を示している。ベルト37については、ロー側の状態を実線で模式的に示し、ハイ側の状態を各プーリ30P,30Sの内側に二点鎖線で模式的に示している。但し、二点鎖線で示したハイ状態は、プーリとベルトの半径方向の位置関係を示すのみであり、実際のベルト位置がプーリの内側半部に現れることはない。
このバリエータ3のプライマリプーリ30P及びセカンダリプーリ30Sのベルト巻き掛け半径の変更による変速比の調整及びプーリ軸推力(単に、推力とも言う)、即ちベルト狭圧力の調整は、電動アクチュエータと機械式反力機構とによって実行される。機械式反力機構としては、トルクカム機構が用いられている。このトルクカム機構は、それぞれ端部に螺旋状に傾斜したカム面を有する一対の環状のカム部材で構成され、各カム面が互いに摺接するようにして同軸上に配置され、また一対のカム部材の相対回転に応じて、一対のカム部材が軸方向に相互に離接し、一対のカム部材の全長が変更されることにより一方のカム部材に圧接した回転部材(プーリ30P,30S)の推力を調整するものである。
ここでは、プライマリプーリ30P及びセカンダリプーリ30Sの何れにも、機械式反力機構としてトルクカム機構が用いられている。これにより、ベルト37がプライマリプーリ30P及びセカンダリプーリ30Sを押圧する力(プーリを離隔させようとする力)の反力として両プーリの各トルクカム機構が作用してベルト37の伝達トルクに応じた推力が油圧等を用いることなく両プーリ30P,30Sに発生する。また、プライマリプーリ30Pには、一対のカム部材の一方を能動的に回転駆動する電動アクチュエータが装備され、一対のカム部材の全長を変更して、プライマリプーリ30PのV溝の溝幅を調整するように構成される。プライマリプーリ30Pの電動アクチュエータ及びトルクカム機構からなる機構を変速機構8とも呼ぶ。一方、セカンダリプーリ30Sのトルクカム機構は、これによりセカンダリプーリ30Sの推力を発生させるため、推力発生機構9とも呼ぶ。
この推力発生機構9には、端面カムであるトルクカム機構90を有する。トルクカム機構90は、可動プーリ35の背面に固設された駆動カム部材91と、駆動カム部材91に隣接して固定プーリ34の回転軸36に固設された被駆動カム部材92と、を有する。カム部材91,92は、互いのカム面を摺接させており、トルク伝達時に生じる互いの回転位相差に応じて推力を発生する。車両の停止時等には、駆動トルクも制動トルクも作用しないため、可動プーリ35を固定プーリ34に接近する方向に付勢するコイルスプリング93を有する。
副変速機構4は、複数の変速段(ここでは、ハイ,ローの2段)を有し、バリエータ3のセカンダリプーリ30Sの回転軸36と同軸一体の回転軸43に相対回転可能に装備されたギヤ41,42と、回転軸43と平行な回転軸46に一体回転するように固設されたギヤ44,45と、を有する。ギヤ41とギヤ44とは常時噛み合っており、2速(ハイ)ギヤ段を構成する。ギヤ42とギヤ45とは常時噛み合っており、1速(ロー)ギヤ段を構成する。
副変速機構4は、2速ギヤ段及び1速ギヤ段を選択的に切り替える3ポジション式の噛み合いクラッチ機構5Bを有する。噛み合いクラッチ機構5Bは、回転軸43と一体回転するクラッチハブ54と、クラッチハブ54に設けられた外歯54aにスプライン係合する内歯55aを有するスリーブ55と、スリーブ55をシフト方向(軸方向)に移動させるシフトフォーク56と、シフトフォーク56を駆動する切替用電動アクチュエータ50Bと、を有する。
ギヤ41は、スリーブ55の内歯55aと噛合しうる外歯41aを有する。ギヤ42は、スリーブ55の内歯55aと噛合しうる外歯42aを有する。スリーブ55は、ニュートラルポジション(N)と、高速側変速比である2速(ハイ)ギヤ段を設定する2速ポジション(H)と、低速側変速比である1速(ロー)ギヤ段を設定する1速ポジション(L)との各ポジションと、を有する。切替用電動アクチュエータ50Bは、シフトフォーク56を駆動し、スリーブ55をギヤ41側(即ち、2速ポジション)に移動させ、スリーブ55の内歯55aとギヤ41の外歯41aと噛み合わせる。これにより、回転軸43とギヤ41とが一体となり、2速ギヤ段を設定する。2速ギヤ段が設定されると、駆動用モータ1から出力された駆動力は、バリエータ3のセカンダリプーリ30Sの回転軸36(即ち、回転軸43)からギヤ41,ギヤ44,回転軸46を経て減速機構6に伝達される。
切替用電動アクチュエータ50Bは、シフトフォーク56を駆動し、スリーブ55をギヤ42側(即ち、1速ポジション)に移動させ、スリーブ55の内歯55aがギヤ42の外歯42aと噛み合わせる。これにより、回転軸43とギヤ42とが一体となり、1速ギヤ段を設定する。1速ギヤ段が設定されると、駆動用モータ1から出力された駆動力は、バリエータ3のセカンダリプーリ30Sの回転軸36(即ち、回転軸43)からギヤ42,ギヤ45,回転軸46を経て減速機構6に伝達される。なお、スリーブ55の内歯55aをギヤ41の外歯41aやギヤ42の外歯42aと円滑に噛合させるために回転同期制御を行なうことができ、これにより噛み合い箇所にシンクロ機構は不要となる。
直結ギヤ機構20は、第1及び第2セレクタブルワンウェイクラッチ(以下、SOWCとも記載する。)100,200と、入力軸2Aと相対回転可能に配置された入力ギヤ(入力歯車)21を有する。第1SOWC100は、入力軸2Aと入力ギヤ21との間を断接し、第2SOWC200は、入力軸2Aと回転軸33との間を断接する。図2に示すように、入力ギヤ21が回転軸46に固定された出力ギヤ22と常時噛合して駆動連結されている。なお、入力ギヤ21と出力ギヤ22の変速比(以下、ダイレクトギヤ比と記載する。)は、バリエータ3が最Lowで副変速機構4が2速のときの変速比よりもハイ側で、かつ、バリエータ3が最Highで副変速機構4が1速のときの変速比よりもLow側となるように設定されている。
第1及び第2SOWC100,200は、図1に示すように、スリーブ52をシフト方向(軸方向)に移動させるシフトフォーク53と、シフトフォーク53を駆動する切替用電動アクチュエータ50Aと、を有する。スリーブ52は、バリエータ3を経由する動力伝達経路を設定するCVTポジション(C)と、直結ギヤ機構20を経由する動力伝達経路を設定する直結ポジション(D)とを有し、各ポジション間を、シフトフォーク53によってスライド駆動される。尚、SOWCの詳細な構成については後述する。
減速機構6は、副変速機構4の回転軸46に一体回転するように固設されたギヤ61と、回転軸46と平行な回転軸65に一体回転するように固設されてギヤ61と噛合するギヤ62と、回転軸65に一体回転するように固設されたギヤ63と、差動機構7の入力ギヤであってギヤ63と噛合するギヤ64とから構成される。ギヤ61とギヤ62との間でそのギヤ比に応じて減速され、さらに、ギヤ63とギヤ64との間でそのギヤ比に応じて減速される。
〔変速機構〕
図1に示すように、プライマリプーリ30Pに装備される変速機構8は、電動アクチュエータ80Aと機械式反力機構80Bとから構成される。機械式反力機構80Bに採用されたトルクカム機構は、プライマリプーリ30Pの可動プーリ32の背部に配置され、回転軸33上に同軸に配置された一対のカム部材83,84を有している。各カム部材83,84には、それぞれ、回転軸33と直交する方向に対して傾斜する螺旋状のカム面83a,84aが形成されていて、一対のカム部材83,84は、それぞれのカム面83a,84aを接触させて配置されている。
カム部材83もカム部材84も回転軸33と相対回転可能であり、プライマリプーリ30Pの固定プーリ31及び可動プーリ32とは独立して回転軸33と同軸に配設される。つまり、プライマリプーリ30Pが回転してもカム部材83,84は回転しない。ただし、カム部材84は回転方向にも軸方向にも固定されている固定カム部材であるのに対して、カム部材83はカム部材84に対して相対回転可能で且つ軸方向にも移動可能な可動カム部材である。また、可動カム部材83には、カム面83aと逆側に可動プーリ32の背面32aとスラストベアリング等を介して摺接する摺接面83bが設けられている。
電動アクチュエータ80Aは、可動カム部材83を回転駆動して、可動カム部材83のカム面83aを固定カム部材84のカム面84aに対して回転させることによって、カム面83a,カム面84aの傾斜に沿って可動カム部材83を回転軸33の軸方向に移動させて、可動プーリ32を回転軸33の軸方向に移動させ、プライマリプーリ30PのV溝の溝幅を調整する。
また、電動アクチュエータ80Aは、ウォーム82aとこのウォーム82aと噛合するウォームホイール82bとからなるウォームギヤ機構82と、ウォーム82aを回転駆動する変速用モータ81とから構成され、ウォームホイール82bは、回転軸33と同軸上に配置され、可動カム部材83と一体回転し且つ軸方向には可動カム部材83の移動を許容するように可動カム部材83の外周にセレーション結合されている。これにより、変速用モータ81を作動させてウォーム82aを回転駆動すると、ウォームホイール82bが回転し可動カム部材83を回動させ、プライマリプーリ30PのV溝の溝幅を調整する。
この変速機構8によるプライマリプーリ30PのV溝の溝幅調整は、推力発生機構9による発生するセカンダリプーリ30Sの推力を受けながら実施される。プライマリプーリ30PのV溝の溝幅を狭める際には、ベルトを介して接続されたセカンダリプーリ30SのV溝の溝幅を広げることになり、推力発生機構9による推力に対抗することになる。プライマリプーリ30PのV溝の溝幅を広げる際には、セカンダリプーリ30SのV溝の溝幅を狭めることになり、推力発生機構9による推力を利用することになる。
〔制御装置〕
図1に示すように、この車両には、電気自動車をトータルに制御するEVECU110及び自動変速機(副変速機構付きCVT)2の要部を制御するCVTECU100をそなえている。各ECUは、それぞれメモリ(ROM,RAM)及びCPU等で構成されるコンピュータである。CVTECU100は、変速機構8の電動アクチュエータ80Aを構成する変速用モータ81、切替用電動アクチュエータ50A,50Bの作動等をEVECU110からの指令又は情報や他のセンサ類からの情報に基づいて制御する。車両は、センサ群SZを有する。センサ群SZには、車両の前後加速度を検出する前後加速度センサ、駆動用モータ1の回転速度を検出する駆動用モータ回転速度センサ、プライマリプーリ回転速度Npriを検出するプライマリセンサ、セカンダリプーリ回転速度Nsecを検出するセカンダリセンサ等を有する。自動変速機2は、CVTECU100内に設定された、図4に示す変速マップを使用して、図3に示すような大別して3つの動力伝達モードを選択して使用することができる。以下、バリエータ3の変速比と副変速機構4の変速比とを組み合わせた自動変速機2の変速比をスルー変速比と記載する。
通常の車両発進時には、スルー変速比が最ローに設定されることから、図3(a)に示すように、バリエータ3を使用し副変速機構4を1速(ロー)としたCVTローモードを選択する。発進後、車速が上がると、スルー変速比がアップシフトするため、図3(b)に示すように、バリエータ3を使用し副変速機構4を2速(ハイ)としたCVTハイモードを選択する。通常、このCVTハイモードで多くの走行態様に対応することができる。このように、副変速機構4を使用することにより、図4に示すように、副変速機構4を1速(ロー)としたCVTローモードでバリエータ3を最ローとした状態(1st Low)から、副変速機構4を2速(ハイ)としたCVTハイモードでバリエータ3を最ハイとした状態(2nd High)までの広い変速比範囲で走行することができる。
さらに、副変速機構4を1速から2速もしくは2速から1速へ変速するとき、動力伝達経路が遮断される場面があり、空走感が生じる。そこで、実施例1では、目標スルー変速比がダイレクトギヤ比を超えると判断すると、図3(c)に示すように、直結ギヤ機構20の第1SOWC100を締結し、第2SOWC200を解放し、駆動用モータ1の動力を直接出力ギヤ22に伝達する。この状態で、副変速機構4を変速し、副変速機構4の変速が終了後、第1SOWC100を解放し、第2SOWC200を締結することで、図3(a)もしくは図3(b)に示す動力伝達経路を達成する。これにより、副変速機構4の変速時であっても、常に駆動輪WDに対して駆動力を出力することができる。
(直結ギヤ機構の詳細)
次に、直結ギヤ機構の詳細について説明する。図5は、実施例1の直結ギヤ機構を表す概略断面図である。直結ギヤ機構20は、第1SOWC100と第2SOWC200とを有する。図5に示すように、第1SOWC100は、回転トルクが伝達される入力軸2Aと、入力軸2Aの軸心O上に入力軸2Aに対して回転自在に配置される入力ギヤ21との連結または連結解除を行うための装置である。第2SOWC200は、回転トルクが伝達される入力軸2Aと、入力軸2Aの軸心O上に入力軸2Aに対して回動自在に配置される回転軸33との連結または連結解除を行うための装置である。以下、第1SOWC100と第2SOWC200との基本的な構成は同じであるため、第2SOWC200について説明する。
第2SOWC200は、入力軸2Aがスプライン嵌合される第2ノッチプレート210と、第2ノッチプレート210が内挿され回転軸33がスプライン嵌合されるポケットプレート220と、ポケットプレート220と第2ノッチプレート210とを連結するストラット230と、ストラット230をポケットプレート220に向けて押圧するための駆動力を発生する駆動部240とを備えている。実施例1では、駆動部240はソレノイド241を備えている。
シフトフォーク53は、入力軸2Aと同軸上に配設される円盤状の円盤部材249に他端側が当接される。円盤部材249は、シフトフォーク53の操作力を複数の軸状部材250に伝達するための部材であり、軸状部材250は、シフトフォーク53の操作力を第2リング部材251の軸方向端面に伝達するための部材である。
第2リング部材251は、円筒状に形成される部材であり、ストラット230に軸方向の押圧力を伝達するための部材である。ストラット230は、ポケットプレート220に揺動可能に固定され、ねじりコイルばね235により一端側が第2ノッチプレート210側へ押圧される。なお、コイルスプリング245の初期荷重は、ねじりコイルばね235が発生する押圧力よりも大きく、ソレノイド241が発生する押圧力よりも小さい荷重に設定されている。
以上のように構成される駆動部240によれば、ソレノイド241に電流を流し、シフトフォーク53を図5中の左側に移動すると、円盤部材249の押圧力が発生し、ねじりコイルばね235の付勢力に抗して、軸状部材250が第2リング部材251をポケットプレート220側へ押圧し、第2リング部材251によりストラット230を揺動不能にできる。また、ソレノイド241の電流を逆転すると、シフトフォーク53が図5中の右側に移動し、円盤部材249の押圧力が消失し、ねじりコイルばね235の付勢力によって、ストラット230が揺動可能な状態となる。以上のようにソレノイド241に流す電流の向きを変えることによって、ストラット230の揺動可否を切り替えることができる。
次に図6A及び図6Bを参照して第2ノッチプレート210について説明する。図6Aは第2ノッチプレート210の正面図であり、図6Bは図6AのIIb−IIb線における第2ノッチプレート210の断面図である。第2ノッチプレート210は、入力軸2Aに外嵌される円筒状のスプライン嵌合部211と、スプライン嵌合部211の軸方向一端から径方向外側に張り出す円盤状のフランジ部212と、フランジ部212の外周縁からスプライン嵌合部211と軸方向の反対側に延設された円筒状のリング部213とを備え、それらが一体に形成されている。
フランジ部212の平坦面状に形成された配設面212a(軸方向端面)には、リング溝214及び複数(実施例1では8個)の第2係合凹部215が凹設され、フランジ部212を厚さ方向(軸方向)に貫通する貫通孔216が第2係合凹部215に成形される。リング溝214は、第2リング部材251(図5参照)を周方向に移動可能に収容する部位であり、正面視円形に形成され、軸心Oを含む断面において矩形の断面形状を有している。
第2係合凹部215は、ポケットプレート220に揺動可能に支持されるストラット230の一端側が挿入される部位であり、揺動して第2係合凹部215内に進入したストラット230の一端が周方向に位置する壁部215bに当接される。第2係合凹部215は、正面視略矩形の開口を有し、リング溝214の円周上に略均等な間隔で形成される。貫通孔216は、軸状部材250(図5参照)を摺動可能に内嵌する部位であり、第2係合凹部215の底面(軸方向端面)に凹設されたリング溝214の位置からフランジ部212の厚さ方向に貫通形成されている。リング部213は、径方向内側にポケットプレート220が回動可能に挿入される部位であり、内周面に嵌合されたスナップリング217(図5参照)によりポケットプレート220の軸方向の移動が阻止される。
次に図3を参照してポケットプレート220について説明する。図7Aはポケットプレート220の背面図であり、図7Bは図7AのIIIb−IIIb線におけるポケットプレート220の断面図である。ポケットプレート220は、軸心Oを有する円筒形状に構成されており、内周面220bには、回転軸33と嵌合するスプラインが形成される。ポケットプレート220は、第2ノッチプレート210(フランジ部212)の配設面212aと対向する対向配設面220a(軸方向端面)が平坦面状に形成される。
対向配設面220aは、対向配設面220aの外周縁部に対して軸方向寸法が少し小さめに設定される凹部220cが径方向内側に凹設されている。凹部220cは、第2規制部材260(後述する)が収容される部位であり、背面視して円形状の周壁を有し、軸方向端面が平坦面状に形成される。
対向配設面220aは、配設面212a(図6A参照)に形成された第2係合凹部215に対応する位置に、複数(実施例1では合計8個)の第1収納凹部221及び第2収納凹部222が凹設される。第1収納凹部221及び第2収納凹部222は、ストラット230及びねじりコイルばね235がそれぞれ収容される部位であり、対向配設面220aの円周方向に交互に設けられている。
第1収納凹部221及び第2収納凹部222は、互いに異なる方向の回転トルクを伝達する第1ストラット231及び第2ストラット232がそれぞれ収納される。第1収納凹部221は、ねじりコイルばね235が収容される窪みであって背面視が矩形状に形成されるコイル収容部221aと、コイル収容部221aの開口に連設される浅い窪みであって対向配設面220aの円周方向に延びるストラット配置部221bと、ストラット配置部221bの径方向両側に延設されるストラット軸支部221cとを備えている。
第2収納凹部222は、ねじりコイルばね235が収容される窪みであって背面視が矩形状に形成されるコイル収容部222aと、コイル収容部222aの開口に連設される浅い窪みであって対向配設面220aの円周方向に延びるストラット配置部222bと、ストラット配置部222bの径方向両側に延設されるストラット軸支部222cとを備えている。第2収納凹部222のストラット配置部222b及びストラット軸支部222cは、第1収納凹部221のストラット配置部221b及びストラット軸支部221cと向き合う位置に形成される。また、第2収納凹部222のストラット配置部222b及びストラット軸支部222cは、第1収納凹部221のストラット配置部221b及びストラット軸支部221cより周方向長さが大きく設定されている。
ポケットプレート220は、円周方向に延びる略円弧状の溝部223が対向配設面220aの径方向内側寄りの凹部220c内に凹設されている。溝部223は、凹部220cに配置される第2規制部材260(図8A及び図8B参照)を周方向の一方に付勢するコイルスプリング236(図9A参照)が配置される部位である。
次に図8を参照して第1ストラット231、第2ストラット232及び第2規制部材260について説明する。図8Aは第1ストラット231、第2ストラット232及び第2規制部材260が組み付けられたポケットプレート220の背面図であり、図8Bは第1ストラット231、第2ストラット232及び第2規制部材260が組み付けられたポケットプレート220において、第2ストラット232がスライドしたポケットプレート220の背面図である。なお、図8A及び図8Bでは理解を容易にするため、第1収納凹部221及び第2収納凹部222のコイル収容部221a,222aの図示を省略する。
図8Aに示すように、ポケットプレート220は、対向配設面220aに凹設された第1収納凹部221及び第2収納凹部222に、それぞれ第1ストラット231及び第2ストラット232が配設される。第1ストラット231及び第2ストラット232は、第2ノッチプレート210とポケットプレート220とを連結するための部材である。なお、第1ストラット231及び第2ストラット232は、第1収納凹部221及び第2収納凹部222に配設される向きが異なる以外は同一に構成されている。よって、第2ストラット232は、第1ストラット231と同一の部分には同一の符号を付して、各部の説明は省略する。
第1ストラット231は、第1収納凹部221の開口形状に対応した正面視略T字状の板状体として構成され、正面視して略矩形状に形成される板状部233と、板状部233の端部の両側縁から両側に突設される略棒状の腕部234とを備えている。板状部233は、ポケットプレート220に凹設された第1収納凹部221のコイル収容部221a側に一端側が配置され、他端側がストラット配置部221bに配置される。板状部233の他端側に延設された腕部234は、第1収納凹部221のストラット軸支部221c内に挿入される。コイル収容部221aに収容されたねじりコイルばね235によって板状部233の一端側が押圧されることにより、第1ストラット231は腕部234を中心に揺動される。
第2ストラット232は、第2収納凹部222に配設される。第2収納凹部222のストラット配置部222b及びストラット軸支部222cは、第1収納凹部221のストラット配置部221b及びストラット軸支部221cより周方向長さが大きく設定されている。従って第2ストラット232は、腕部234が、ストラット軸支部222c内を周方向にスライド可能とされる。
第2規制部材260は、第1ストラット231の揺動を規制するための板状体であり、ポケットプレート220の対向配設面220a(凹部220c内)と第2ノッチプレート210の配設面212aとの間に配置される。第2規制部材260は、円環状に形成された円環部261と、円環部261の外周から径方向外側に突設された複数(実施例1では4つ)の第1凸状部262と、第1凸状部262の間に突設された複数(実施例1では4つ)の第2凸状部263とを備えている。第1凸状部262は、第1収納凹部221に配設された第1ストラット231の一端側に被さって第1ストラット231の揺動を規制する係止部262aを備えている。係止部262aは、円環部261と同一面内に位置する第1凸状部262の径方向外側を折り曲げて、円環部261及び第1凸状部262よりわずかに軸方向(図8A紙面手前側)に位置するように段差状に形成される。第2凸状部263は、第2収納凹部222に配設された第2ストラット232の他端(腕部234側)が当接される当接部263aを備えている。当接部263aは第2凸状部263の周方向の端縁に形成される。
なお、第2規制部材260は、第1凸状部262及び第2凸状部263の径方向長さ(外径)が、第2リング部材251の内径より小さく設定される。第2規制部材260と第2リング部材251とが干渉することを防ぐためである。
ポケットプレート220には、対向配設面220aの径方向内側寄りに凹設された溝部223(図7A参照)にコイルスプリング236(図9A参照)が配置される。そのコイルスプリング236によって、円環部261の軸方向端面から軸方向に突設された突起部261aが周方向の一方側(図8A時計回り)に向けて押圧されることにより、第2規制部材260は周方向の一方側(図8A時計回り)に付勢される。その結果、第2凸状部263の当接部263aが第2ストラット232の他端(腕部234の周方向端面)に当接され、第2ストラット232が周方向に押圧される。押圧された第2ストラット232の腕部234がストラット軸支部222cの周方向端部に突き当たる位置で、第2規制部材260は停止する。このとき、第1ストラット231の一端側に係止部262aが被さった状態となる。この場合には第1ストラット231の揺動が規制される。
図8Bに示すように、周方向の他方側(図8B反時計回り)に向けて第2ストラット232に荷重を付与すると、第2ストラット232に当接する当接部263aが第2ストラット232の他端に押圧される。その荷重がコイルスプリング236の付勢力より大きい場合には、ストラット配置部222b及びストラット軸支部222c内を第2ストラット232がスライドして、第2規制部材260が周方向の他方側(図8B反時計回り)に回動される。係止部262aの位置が周方向の他方側(図8B反時計回り)にずれるので、第1ストラット231は係止部262aから開放される。この場合には第1ストラット231の揺動が可能となる。
次に図9及び図10を参照して、第2SOWC200の動作について説明する。図9Aはストラット230の揺動が規制された状態でポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第1の方向(矢印A方向)へ相対回転するときの第2SOWC200の模式図であり、図9Bはストラット230の揺動が許容された状態でポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第1の方向へ相対回転するときの第2SOWC200の模式図であり、図9Cはポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第1の方向へ相対回転しつつ第2ストラット232が揺動する第2SOWC200の模式図である。
また、図10Aは第2ストラット232が第2係合凹部215に係合した第2SOWC200の模式図であり、図10Bは第2ストラット232が第2係合凹部215に係合した状態でポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第2の方向(矢印B方向)へ相対回転するときの第2SOWC200の模式図であり、図10Cは第1ストラット231及び第2ストラット232が第2係合凹部215に係合しつつポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第2の方向へ相対回転する第2SOWC200の模式図である。なお、図9及び図10では、理解を容易にするために第2ノッチプレート210及びポケットプレート220の一部を簡略化して図示する。
図9Aに示すように、コイルスプリング236によって第2規制部材260はポケットプレート220に対して第1の方向(矢印A方向、図8A時計回り)へ付勢されている。その結果、第1ストラット231の一端側と第2ノッチプレート210との間に係止部262aが介設され、第2ストラット232の他端に当接部263aが当接される。第2ストラット232は当接部263aに押圧されて、ストラット軸支部222cの周方向端部に腕部234が固定される。また、第1ストラット231及び第2ストラット232は、ねじりコイルばね235によって第2ノッチプレート210側へ付勢されている。しかし、第2リング部材251が軸状部材250に押されて第2ノッチプレート210の第2係合凹部215内に進入した状態では、第1ストラット231及び第2ストラット232は第2係合凹部215内へ揺動できない。よって、第2ノッチプレート210とポケットプレート220との間の動力伝達は遮断される。
図9B及び図9Cに示すように、第2リング部材251が第2ノッチプレート210の第2係合凹部215から退出した状態では、第2ストラット232は揺動可能な状態となる。しかし、第2ストラット232は、ポケットプレート220に対する第2ノッチプレート210の相対回転方向(矢印A方向)に向かってポケットプレート220から第2ノッチプレート210へ傾斜しているので、第2ストラット232は、ストラット軸支部222cと当接部263aとの間に挟まれた腕部234を中心に揺動するだけである。第2ストラット232は第2係合凹部215に係合できない。
一方、第1ストラット231は、第1ストラット231の一端側と第2ノッチプレート210との間に係止部262aが介設されるので、揺動が規制される。その結果、第2ノッチプレート210とポケットプレート220との相対回転によって第1ストラット231の一端と第2係合凹部215の壁部215bとの位置が合致したときも、第1ストラット231が揺動して第2係合凹部215内に進入することを防止できる。
図10Aに示すように、ポケットプレート220の回転速度が第2ノッチプレート210の回転速度と略等しくなると、第2ストラット232の一端が第2係合凹部215との位相差がなくなった瞬時に、第2ストラット232の一端が第2係合凹部215の壁部215bに当接する。このとき、ポケットプレート220に対する第2ノッチプレート210の相対回転差が発生する。この相対回転差は、回転速度がなくなった瞬時における上記位相差と相対回転の変化率に基づき決まるが、相対回転差が小さい場合、イナーシャ変化はほとんど生じず、係合によるショックを抑制できる。第2ストラット232が係合することで、ポケットプレート220に対し第2ノッチプレート210が第1の方向と反対の方向である第2の方向(反矢印A方向)に回動することを規制し、ポケットプレート220と第2ノッチプレート210は、同一回転速度で回転し、動力伝達を始める。
図10Bに示すように、第2ストラット232の一端が第2係合凹部215の壁部215bに当接する瞬時、ポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が、第1の方向と反対の方向である第2の方向(図10B矢印B方向)へ相対的に回動する。第2ストラット232の周方向に作用する荷重がコイルスプリング236の付勢力より大きくなると、第2ストラット232は、一端が第2係合凹部215の壁部215bに当接しているので、第2の方向(図10B矢印B方向)へ押される。その結果、第2ストラット232は、ストラット配置部222b及びストラット軸支部222c内を周方向にスライドされ、第2規制部材260が第2の方向(矢印B方向)へ回動される。なお、係止部42aは、当接部43aに当接する第2ストラット232の他端(腕部234側)がストラット軸支部222c(第2収納凹部222)の壁部(図10B左側)に突き当たると、第1ストラット231を開放するような位置に設けられている。
図10Cに示すように係止部262aが第1ストラット231を開放すると、第1ストラット231はねじりコイルばね235の付勢力によって第2ノッチプレート210側へ揺動される。なお、周方向に隣り合う第2係合凹部215は、第2ストラット232の一端が一方の第2係合凹部215の壁部215bに係合したときに、第1ストラット231の一端が他方の第2係合凹部215の壁部215bに係合できる位置に設けられている。その結果、第2ノッチプレート210側へ揺動した第1ストラット231は、第2係合凹部215の壁部215bの規定の位置に一端が当接され、係合される。第1ストラット231が係合することで、ポケットプレート220に対し第2ノッチプレート210が第1の方向(矢印A方向)に回動することを規制する。
なお、第2リング部材251を第2係合凹部215内に進入させることにより、第2係合凹部215内に一端側が挿入された第1ストラット231及び第2ストラット232を第2係合凹部215から退出させることができる。第2ストラット232は周方向にスライド可能に構成されているが、第2リング部材251は円筒状に形成されている(周方向に連続している)ので、周方向にスライドした第2ストラット232を適宜、第2係合凹部215から退出させることができる。
以上、第2SOWC200について説明したが、第1SOWC100についても同様の構成を備える。具体的には、外周に入力ギヤ21が形成され、入力軸2Aに軸受を介して支持された第1ポケットプレート120と、第2ノッチプレート210と一体的に形成された第1ノッチプレート110と、第1ポケットプレート120と第1ノッチプレート110とを連結するストラット130と、ストラット130を第1ポケットプレート120に向けて押圧するための駆動力を発生する駆動部240とを備えている。そして、シフトフォーク53は、入力軸2Aと同軸上に配設される円盤状の円盤部材149に他端側が当接される。円盤部材149は、シフトフォーク53の操作力を複数の軸状部材150に伝達するための部材であり、軸状部材150は、シフトフォーク53の操作力を第1リング部材151の軸方向端面に伝達するための部材である。
第1リング部材151は、円筒状に形成される部材であり、ストラット130に軸方向の押圧力を伝達するための部材である。ストラット130は、第1ポケットプレート120に揺動可能に固定され、ねじりコイルばね135により一端側が第1ノッチプレート110側へ押圧される。なお、コイルスプリング245の初期荷重は、ねじりコイルばね135が発生する押圧力よりも大きく、ソレノイド241が発生する押圧力よりも小さい荷重に設定されている。
以上のように構成される駆動部240によれば、ソレノイド241に電流を流し、シフトフォーク53を図5中の右側に移動すると、円盤部材149の押圧力が発生し、ねじりコイルばね135の付勢力に抗して、軸状部材150が第1リング部材151を第1ポケットプレート120側へ押圧し、第1リング部材151によりストラット130を揺動不能にできる。また、ソレノイド241の電流を逆転すると、円盤部材149の押圧力が消失し、ねじりコイルばね135の付勢力によって、ストラット130が揺動可能な状態となる。以上のようにソレノイド241に流す電流の向きを変えることによって、ストラット130の揺動可否を切り替えることができる。尚、シフトフォーク53を図5中の右側に移動したときは、第2SOWC200が係合可能状態となり、第1SOWC100は解放可能状態となる。一方、シフトフォーク53を図5中の左側に移動したときは、第1SOWC100が係合可能状態となり、第2SOWC200は解放可能状態となる。
第1SOWC100における、第1ノッチプレート110、第1ポケットプレート120、第1ストラット131、第2ストラット132、第1規制部材160の関係は、回転方向において第2SOWC200の係合関係と全て逆向きに構成されている。第2SOWC200では、ポケットプレート220に対して第2ノッチプレート210が第1の方向(図9Aの矢印A方向)へ相対回転する状態から、第2の方向(図10Bの矢印B方向)へ相対回転する状態に変化したときに、第2ストラット232が第2係合凹部215内に進入し、壁部215bとの係合によって第2規制部材260を押し込み、第1ストラット231が第2係合凹部215内に進入することで、第2ノッチプレート210とポケットプレート220との係合を行った。これに対し、第1SOWC100では、第1ポケットプレート120に対して第1ノッチプレート110が第2の方向(図10Bの矢印B方向:図9Aの矢印A方向と反対方向)へ相対回転する状態から、第1の方向(図9Aの矢印A方向:図10Bの矢印B方向と反対方向)へ相対回転する状態に変化したときに、第2ストラット132が第1係合凹部115内に進入し、壁部115bとの係合によって第1規制部材160を押し込み、第1ストラット131が第1係合凹部115内に進入することで、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との係合を行う点が異なる。
(モード切り替え時の作用)
次に、走行モードの切り替え時における作用を説明する。図11及び図12は、実施例1のモード切り替え時のSOWCの作用を表す概略図である。第2SOWC200をCVT側と記載し、第1SOWC100をDirect側と記載する。バリエータ3を経由する走行状態をCVTモードと記載し、直結ギヤ機構20を経由する走行状態をDirectモードと記載する。以下、モード切り替え時における各フェーズをP1からP5で示す。
(ドライブ状態のモード切り替え作用)
図11は、ドライブ走行状態において、第2SOWC200が締結、かつ、第1SOWC100が解放中、かつバリエータ3の変速比がハイ側変速比で走行中のCVTモードから、第2SOWC200を解放、かつ、第1SOWC100を締結のDirectモードに切り替えるときの各SOWC100,200の概略説明図である。
フェーズP1において、シフトフォーク53はDirect側に移動しており、第2SOWC200が締結しているため、入力軸2Aのトルクはバリエータ3に伝達されている。ドライブ状態であるため、第2ノッチプレート210から第2ストラット132を介して第2ポケットプレート220へトルク伝達が行われている。また、第1SOWC100は解放しているため、入力軸2Aと入力ギヤ21とは相対回転している。尚、出力ギヤ22により入力ギヤ21が回されており、バリエータ3の変速比がハイ側変速比であることから、入力ギヤ21の回転速度、すなわち第1ポケットプレート120の回転速度は、第1ノッチプレート110の回転速度よりも高回転速度状態である。
フェーズP2において、CVTモードからDirectモードへの切り替え要求が出力されると、バリエータ3をダウンシフトし、プライマリプーリ回転速度Npriを上昇させる。具体的には、第1ノッチプレート110の回転速度を入力ギヤ21の回転速度よりも高くなるように上昇させる。また、シフトフォーク53をDirect側からCVT側に押し付けると、第1SOWC100の第1リング部材151が押し戻され、第2ストラット132が揺動可能となる。また、第2SOWC200の第2リング部材251に軸方向の付勢力が作用する。
フェーズP3において、第1ノッチプレート110の回転速度が入力ギヤ21の回転速度と等しくなり、その後、第2ストラット132が第1ノッチプレート110の第1係合凹部115の位相があった時、第2ストラット132が第1ノッチプレート110の第1係合凹部115と当接する。尚、当接する瞬時は、第1ノッチプレート110の回転速度が入力ギヤ21の回転速度より高い状態である。そして、第2ストラット132がコイルスプリング136の付勢力に抗して第1規制部材160を回動する。よって、第1ストラット131も第1係合凹部115内に進入可能な状態となる。尚、第2ストラット132と第1係合凹部115との位相があった瞬時の、第1ノッチプレート110の回転速度と第1ポケットプレート120の回転速度との相対回転速度が大きいほど、第2ストラット132が第1係合凹部115と係合する際の係合ショックが大きくなる。
フェーズP4において、第1ストラット131及び第2ストラット132の係合により、第1ノッチプレート110の回転速度と第1ポケットプレート120の回転速度とが同期すると共に、トルク伝達経路が、CVTモードから直結ギヤ機構20を経由するDirectモードに切り替わる。また、ポケットプレート220の回転速度は、バリエータ3のダウンシフトにより上昇するため、第2ポケットプレート220の回転速度が第2ノッチプレート210の回転速度よりも高くなり、第2ストラット232と第2係合凹部215との係合が解除される。
フェーズP5において、第2リング部材251に付勢力が作用しており、第2ストラット232と第2係合凹部215との間のトルクも抜けているため、第1ストラット231及び第2ストラット232がポケットプレート220内に格納される。また、コイルスプリング236の付勢力により第2規制部材260が回動し、第1ストラット231の一端側に被さって第1ストラット231の揺動を規制する。
(コースト状態のモード切り替え作用)
図12は、コースト走行状態において、第2SOWC200が締結、かつ、第1SOWC100が解放中、かつバリエータ3の変速比がハイ側変速比で走行中のCVTモードから、第2SOWC200を解放、かつ、第1SOWC100を締結のDirectモードに切り替えるときの各SOWCの概略説明図である。
フェーズP1において、シフトフォーク53はDirect側に移動しており、第2SOWC200が締結しているため、駆動輪WDからのトルクはバリエータ3に伝達されている。そして、コースト状態であるため、第2ポケットプレート220から第1ストラット231を経由して、第2ノッチプレート210へトルク伝達がなされる。また、第1SOWC100は解放しているため、入力軸2Aと入力ギヤ21とは相対回転している。尚、出力ギヤ22により入力ギヤ21が回されており、入力ギヤ21の回転速度、すなわち第1ポケットプレート120の回転速度は、バリエータ3の変速比がハイ側変速比であることから、第1ノッチプレート110の回転速度よりも高回転速度状態である。
フェーズP2において、CVTモードからDirectモードへの切り替え要求が出力されると、バリエータ3をダウンシフトし、プライマリプーリ回転速度Npriを上昇させる。具体的には、第1ノッチプレート110の回転速度を入力ギヤ21の回転速度よりも高くなるように上昇させる。また、シフトフォーク53をDirect側からCVT側に押し付けると、第1SOWC100の第1リング部材151が押し戻され、第2ストラット132が揺動可能となる。また、第2SOWC200の第2リング部材251に軸方向の付勢力が作用する。
フェーズP3において、第1ノッチプレート110の回転速度が第1ポケットプレート120の回転速度より高くなり、その後、第2ストラット132と第1ノッチプレート110の第1係合凹部115との位相があった時、第2ストラット132が第1ノッチプレート110の第1係合凹部115と当接する。そして、第2ストラット132がコイルスプリング136の付勢力に抗して第1規制部材160を回動する。よって、第1ストラット131も第1ノッチプレート110の第1係合凹部115内に進入可能な状態となる。このとき、第2ポケットプレート220の第1ストラット231と第2ノッチプレート220の第2係合凹部215とがトルク伝達しているため、第2ストラット132と第1ノッチプレート110の第1係合凹部115とが係合すると、第2SOWC200と第1SOWC100とが共に係合し、動力伝達する二重噛み合い状態となり、トルク循環が発生する。この場合、バリエータ3でダウンシフトを継続しても、ドライブ状態とは異なり、第1ストラット231が第2ノッチプレート210の第2係合凹部215から外れない。
フェーズP4において、第1ストラット131及び第2ストラット132の係合により、第1ノッチプレート110の回転速度と第1ポケットプレート120の回転速度とが同期すると共に、二重噛み合いを解除する制御として、例えば、バリエータ3の変速方向をダウンシフトからアップシフトに切り替えることにより、第2ポケットプレート220の回転速度を第2ノッチプレート210の回転速度よりも低下させ、第2ノッチプレート210の回転速度が第2ポケットプレート220の回転速度よりも低くなり、第2ストラット232と第2係合凹部215との係合が解除される。この結果、トルク伝達経路がCVTモードからDirectモードに切り替わる。
フェーズP5において、第2リング部材251に付勢力が作用しており、第2ストラット232と第2係合凹部215との間のトルクも抜けているため、第1ストラット231及び第2ストラット232が第2ポケットプレート220内に格納される。また、コイルスプリング236の付勢力により第2規制部材260が回動し、第1ストラット231の一端側に被さって第1ストラット231の揺動を規制する。
図13は、実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際の変速制御処理を表すフローチャートである。尚、図13には、2速から1速へのダウンシフト変速制御処理を示すが、副変速機構のアップシフト変速制御処理についても同様の制御が実施される。
ステップS1では、副変速機構4の現在の変速段が2速であり、かつ、目標スルー変速比がダイレクトギヤ比より小さい条件を満たしたか否かを判断し、条件を満たしたときは、副変速機構4が2速から1速へダウンシフトすると判断してステップS2に進み、条件を満たしていないときは、本制御フローを終了する。
図14は、実施例1のドライブ・コースト判定マップである。横軸に路面の勾配を取り、縦軸に入力軸2Aに入力される入力トルクを取る。尚、路面勾配は、例えば前後加速度センサのセンサ値と、駆動用モータ1から出力されるトルクとに基づいて算出可能であり、他の勾配センサ等を備えていてもよい。上述のフェーズP4において説明したように、コースト状態では、直結ギヤ機構20において二重噛み合いが発生する。よって、第2ポケットプレート220に作用するトルクが正か否かを正確に判断する必要がある。そこで、入力トルクと路面勾配との関係に基づいたマップから、ドライブ・コースト状態を正確に把握する。具体的には、下り勾配において、駆動用モータ1からトルクが出力されていたとしても、駆動輪WDから作用するトルクが大きいため、コースト状態と判断する領域を広く設定する。
ステップS2では、車両の走行状態がドライブ状態か、コースト状態か否かを判断し、ドライブ状態のときはステップS100に進んでドライブ時変速制御処理を行い、コースト状態にときはステップS200に進んでコースト時変速制御処理を行う。
図15は、実施例1のドライブ時変速制御処理を表すフローチャートである。
ステップS101では、CVTモードからDirectモードに切り替える切り替え制御処理を実行する。具体的には、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、ダイレクトギヤ比によって決まる入力ギヤ21の回転速度(以下、MD回転速度Nmdと記載する。)に所定値Aを加算した値を算出する。そして、バリエータ3の目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を現在のセカンダリプーリ回転速度Nsec(以下、実セカンダリプーリ回転速度と記載)で除した値に設定する。ここで、所定値Aは、CVTCU100内に予め設定されたテーブルから算出される値である。図16は、実施例1の切り替え制御処理におけるAテーブルである。図16に示すように、アクセルペダルが大きく踏み込まれており、加速要求が強いときは、大きな値に設定され、加速要求が小さいときは、小さな値に設定される。また、図17は、実施例1の切り替え制御処理における変速速度テーブルである。このテーブルは、バリエータ3が目標プーリ変速比に到達するまでの変速比勾配、すなわち変速速度が設定されている。この変速速度は、加速要求が大きいときは、速い変速速度が設定され、加速要求が小さいときは、遅い変速速度が設定される。
すなわち、図11のフェーズP3で説明したように、第2SOWC200でのトルク伝達状態から第1SOWC100でのトルク伝達状態への切り替えは、第1ポケットプレート120よりも、第1ノッチプレート110の回転速度が大きくなり、第2ストラット132と第1係合凹部115の壁部115bとが係合することで達成される。ただし、第1ポケットプレート120の第2ストラット132と第1ノッチプレート110の第1係合凹部115との位相差は、第1ポケットプレート120と第1ノッチプレート110の回転速度が等しくなった時点で、どの程度生じているか不明である。実施例1の場合、4つの第2ストラット132を備えているため、最も位相差が生じている場合は、第1ノッチプレート110が第1ポケットプレート120よりも90度進んだ位置で係合可能となる。
このとき、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との相対速度が小さいと、なかなか係合が完了しないおそれがある。そこで、実施例1では、運転者の加速要求に応じた相対速度(所定値Aの値)を設定することとした。加速要求が大きいときは、所定値Aとして大きな値が設定される。よって、仮に位相差が大きい場合であっても、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との位相差が素早く解消して第2ストラット132と第1係合凹部115の壁部115bとが係合し、トルク伝達状態の切り替えを素早く行うことができる。加えて、目標プーリ変速比に到達するまでの変速速度として、加速要求が大きいときは速い変速速度が設定されるため、より素早くトルク伝達状態をバリエータ3で動力伝達するCVTモードからDirectモードへ切り替えることができる。
一方、加速要求が小さいときは、所定値Aとして小さな値が設定される。よって、第1ポケットプレート120と第1ノッチプレート110の回転速度が等しくなった時点での位相差が大きな場合であっても、位相差が解消した時点の第1ポケットプレート120と第1ノッチプレート110の相対速度は小さくなるので、第1ポケットプレート120の第2ストラット132と第1係合凹部115の壁部115bとが係合する際のショックを抑制することができる。加えて、目標プーリ変速比に到達するまでの変速速度として、加速要求が小さいときは遅い変速速度が設定されるため、目標プーリ変速比に到達する途中で第2ストラット132と壁部115bとが係合したとしても、係合時におけるショックを抑制することができる。
図15に戻り、ステップS102では、現在のプライマリプーリ回転速度Npri(以下、実プライマリ回転速度)がMD回転速度Nmdより大きく、かつ、MD回転速度Nmdと駆動用モータ1のモータ回転速度Nmとが一致する条件を満たしたか否かを判断し、条件を満たしたときは、トルク伝達経路が切り替わったと判断してステップS4に進み、条件を満たしていないきは、ステップS101へ戻って切り替え制御処理を継続する。
ステップS103では、副変速機構4において2速から1速へのかけかえ制御(同期制御を含む)を実施する。尚、かけかえ制御の詳細については後述する。
ステップS104では、セカンダリプーリ回転速度が回転軸46の回転速度に1速のギヤ比を掛けた値と一致したか否かを判断し、一致したときは、かけかえ制御が完了し、ダイレクトギヤ比で駆動された回転軸46の回転速度Noutと同期していると判断してステップS105へ進み、不一致のときは、同期していないと判断してステップS103に戻り、かけかえ制御及び同期制御を継続する。
ステップS105では、DirectモードからCVTモードへの切り替え準備処理を行う。具体的には、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、MD回転速度Nmdに所定値Bを加算した値を算出する。そして、バリエータ3の目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を実セカンダリプーリ回転速度Nsecで除した値に設定し、バリエータ3の変速を開始する。ここで、所定値Bは、CVTCU100内に予め設定されたテーブルから算出される値であり、第2SOWC200の第2ポケットプレート220の回転速度と第2ノッチプレート210の回転速度とが同期する直前の状態に設定される。尚、所定値Bの設定内容は、所定値Aと同様であるため、説明を省略する。
ステップS106では、実プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdに所定値Bを加算した値に到達したか否かを判断し、到達したときは、第2SOWC200の第2ポケットプレート220の回転速度と第2ノッチプレート210の回転速度とが同期したと判断してステップS107に進み、到達していないときは、ステップS105に戻って切り替え準備処理を継続する。
ステップS107では、DirectモードからCVTモードへの切り替え制御処理を実行する。具体的には、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、MD回転速度Nmdから所定値Cを減算した値を算出する。そして、バリエータ3の目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を実セカンダリプーリ回転速度で除した値に設定する。ここで、MD回転速度Nmdから所定値Cを減算するのは、第2SOWC200が締結するには、第2ポケットプレート220の回転速度が第2ノッチプレート210の回転速度よりも低くなって、初めて第2ストラット232が第2係合凹部215の壁部215bと係合できるからである。尚、所定値Cの設定内容は、所定値Aと同様であるため、説明を省略する。
ステップS108では、実プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdより小さく、かつ、プライマリプーリ回転速度Npriがモータ回転速度Nmと一致する条件が成立するか否かを判断し、条件が成立したときは、トルク伝達経路が切り替わったと判断して本制御フローを終了し、条件を満たしていないきは、ステップS107へ戻って切り替え制御処理を継続する。
図18は、実施例1のコースト時変速制御処理を表すフローチャートである。
ステップS201では、バリエータ3をダウンシフトする。このとき、変速速度を予め設定された遅い変速速度minで変速する。これにより、上述のフェーズP3で示す二重噛み合いが発生するときの、第1ノッチプレート110の第1係合凹部115と第1ポケットプレート120と一体に移動する第2ストラット132との係合時におけるショックを抑制できる。
ステップS202では、二重噛み合いが発生したか否かを判断し、二重噛み合いが発生したと判断したときはステップS203へ進み、それ以外はステップS201を繰り返す。実施例1では、二重噛み合いが発生を検知するために、ベルトスリップ率を用いて検知する(二重噛み合い検知手段に相当)。ベルトスリップ率とは、設定されたプーリ変速比と、実際の実プライマリプーリ回転速度Npri及び実セカンダリプーリ回転速度Nsecとの関係に基づいて算出される。例えば、プーリ変速比=(Nsec/Npri)と定義する。プーリ変速比は、バリエータ3のV溝幅によって決まるため、変速用モータ81の回転角に応じたV溝幅から得られる。そして、実際のNsecを代入したときに得られるNpri(1)をNpriで除した値がベルトスリップ率である。二重噛み合いが発生すると、実プライマリプーリ回転速度Npriと実セカンダリプーリ回転速度Nsecとは、強制的にダイレクトギヤ比に応じた関係となる。よって、プーリ変速比がダイレクトギヤ比よりもロー側にある場合、ベルト37と各プーリとの間でスリップすることを検知し、二重噛み合いが生じていると判断する。
ステップS203では、バリエータ3をアップシフトする。このとき、変速速度を予め設定された速い変速速度maxで変速する。これにより、二重噛み合い発生時に、第1ストラット231と、第2ノッチプレート210の第2係合凹部215の壁部215bとの間に作用するトルクを素早く解除する。このトルク解除により、第2リング部材251によって第1ストラット231及び第2ストラット232を第2係合凹部215内に収納することができ、第2ノッチプレート210と第2ポケットプレート220との係合を解除する。
ステップS204では、プライマリプーリ回転速度Npriがモータ回転速度Nmに所定値αを減算した値よりも低下し、かつ、モータ回転速度NmがMD回転速度Nmdと一致している条件を満たしたか否かを判断し、条件を満たしたときは、ステップS205に進み、条件を満たしていないときは、ステップS203を繰り返す。ここで、所定値αは、プライマリプーリ回転速度Npriがプーリ変速比に応じて回転し始めていることを表す所定値である。第2SOWC200が解放されると、プライマリプーリ回転速度Npriは、ダイレクトギヤ比ではなくプーリ変速比に応じて回転するからである。また、モータ回転速度NmとMD回転速度Nmdとが一致する、とは、第1SOWC100が締結していることを表す。すなわち、トルク伝達状態が切り替わったことを表す。
ステップS205では、副変速機構4において2速から1速へのかけかえ制御(同期制御を含む)を実施する。尚、かけかえ制御の詳細については後述する。
ステップS206では、セカンダリプーリ回転速度が回転軸46の回転速度に1速のギヤ比を掛けた値と一致したか否かを判断し、一致したときは、かけかえ制御が完了し、ダイレクトギヤ比で駆動された回転軸46の回転速度Noutと同期していると判断してステップS207へ進み、不一致のときは、同期していないと判断してステップS205に戻り、かけかえ制御及び同期制御を継続する。
ステップS207では、DirectモードからCVTモードへの切り替え準備処理を行う。具体的には、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、MD回転速度Nmdに所定値βを加算した値を算出する。そして、バリエータ3の目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を実セカンダリプーリ回転速度Nsecで除した値に設定し、バリエータ3の変速を開始する。ここで、所定値βは、CVTCU100内に予め設定されたテーブルから算出される値であり、第2SOWC200のポケットプレート220の回転速度と第2ノッチプレート210の回転速度とが同期する直前の状態に設定される。コースト走行時における減速度が大きめに設定されている場合には、素早く位相差を解消するために大きなβが設定され、減速度が小さめに設定されている場合には、小さなβを設定することでショックを抑制する。
ステップS208では、プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdに所定値βを加算した値に到達したか否かを判断し、到達したときは、第2SOWC200のポケットプレート220の回転速度と第2ノッチプレート210の回転速度とが同期したと判断してステップS209に進み、到達していないときは、ステップS207に戻って切り替え準備処理を継続する。
ステップS209では、DirectモードからCVTモードへの切り替え制御処理を実行する。具体的には、バリエータ3をアップシフトする。このとき、変速速度を予め設定された遅い変速速度minで変速する。これにより、二重噛み合いが発生するときの、第2ノッチプレート210の第2係合凹部215と第2ポケットプレート220と一体に移動する第2ストラット232との係合時におけるショックを抑制できる。
ステップS210では、二重噛み合いが発生したか否かを判断し、二重噛み合いが発生したと判断したときはステップS211へ進み、それ以外はステップS209を繰り返す。
ステップS211では、バリエータ3をダウンシフトする。このとき、変速速度を予め設定された速い変速速度maxで変速する。これにより、二重噛み合い発生時に、第1ストラット131と、第1ノッチプレート110の第1係合凹部115の壁部115bとの間に作用するトルクを素早く解除する。このトルク解除により、第1リング部材151によって第1ストラット131及び第2ストラット132を第1係合凹部115内に収納することができ、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との係合を解除する。
ステップS212では、プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdより大きく、かつ、プライマリプーリ回転速度Npriがモータ回転速度Nmと一致する条件が成立するか否かを判断し、条件が成立したときは、トルク伝達経路が切り替わったと判断して本制御フローを終了し、条件を満たしていないきは、ステップS211へ戻って切り替え制御処理を継続する。
(副変速機構のかけかえ制御処理)
図19は、実施例1のかけかえ制御処理を表すフローチャートである。
ステップS21では、1速から2速へのかけかえ、もしくは2速から1速へのかけかえか否かを判断し、1速から2速へのかけかえの場合はステップS22に進み、2速から1速へのかけかえの場合はステップS26に進む。
ステップS22では、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションを1速からニュートラルに変更する。
ステップS23では、目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*として、回転軸46の回転速度Noutに2速のギヤ比を掛けた値に設定する。また、エラー量ΔNとして、目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*から実セカンダリプーリ回転速度Nsecを減算した値を算出する。次に、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、実プライマリプーリ回転速度Npriに、エラー量ΔNにPゲインを乗算した値P×ΔNと、エラー量ΔNの積分値にIゲインを乗算した値I×∫ΔNを加算する。そして、目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を実セカンダリプーリ回転速度Nsecで除した値に設定する。これにより、回転軸43の回転速度を、回転軸46に2速のギヤ比を掛けた値に同期させる。
ステップS24では、実セカンダリプーリ回転速度Nsecが目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*と略一致したか否かを判断し、略一致したと判断したときは、ステップS25に進み、それ以外はステップS23に戻って同期処理を継続する。
ステップS25では、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションをニュートラルから2速に変更する。
ステップS26では、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションを2速からニュートラルに変更する。
ステップS27では、目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*として、回転軸46の回転速度に1速のギヤ比を掛けた値に設定する。また、エラー量ΔNとして、目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*から実セカンダリプーリ回転速度Nsecを減算した値を算出する。次に、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、現在のプライマリプーリ回転速度Npriに、エラー量ΔNにPゲインを乗算した値P×ΔNと、エラー量ΔNの積分値にIゲインを乗算した値I×∫ΔNを加算する。そして、目標プーリ変速比として、目標プライマリプーリ回転速度Npri*を実セカンダリプーリ回転速度Nsecで除した値に設定する。これにより、回転軸43の回転速度を、回転軸46に1速のギヤ比を掛けた値に同期させる。
ステップS28では、実セカンダリプーリ回転速度Nsecが目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*と略一致したか否かを判断し、略一致したと判断したときは、ステップS29に進み、それ以外はステップS27に戻って同期処理を継続する。
ステップS29では、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションをニュートラルから1速に変更する。
図20は、実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際のドライブ時変速制御処理を表すタイムチャートである。尚、第1ノッチプレート110の回転速度及び第2ノッチプレート210の回転速度は、モータ回転速度Nmと一致し、第2ポケットプレート220の回転速度は、プライマリプーリ回転速度Npriと一致し、第1ポケットプレート120の回転速度は、MD回転速度Nmdと一致する。
時刻t1において、運転者がアクセルペダルを踏み込み、目標スルー変速比がダイレクトギヤ比よりもロー側となると、副変速機構4に対してダウンシフト要求が行われる。よって、CVTモードからDirectモードに切り替えるために、バリエータ3がダウンシフトを開始し、モータ回転速度Nm及びプライマリプーリ回転速度Npriが上昇を開始する。
時刻t2において、図11のフェーズP3で説明したように、第1ポケットプレート120よりも、第1ノッチプレート110の回転速度が大きくなり、プライマリプーリ回転速度Npriが目標プライマリプーリ回転速度Npri*に到達し、維持する。
時刻t3において、第2ストラット132と第1係合凹部115と第1ポケットプレート120の第2ストラット132との位相があった瞬時、第1係合凹部115の壁部115bと第2ストラット132とが係合し、第2SOWC200でのトルク伝達状態から第1SOWC100でのトルク伝達状態へ切り替わる。この結果、駆動用モータ1のトルクは、直結ギヤ機構20を介して駆動輪WDに伝達される。このときのスルー変速比は、ダイレクトギヤ比で一定となる。尚、このとき、加速要求が小さいときは、変速速度が小さく、かつ、所定値Aも小さいため、第2ストラット132の第1係合凹部115への係合時におけるショックの発生を抑制できる。一方、加速要求が大きいときは、変速速度が大きく、かつ所定値Aも大きいため、位相差を素早く解消することができ、トルク伝達経路を素早く変更できる。特にキックダウン時のように、素早い加速が要求される場面での変速比の停滞を抑制できる。
時刻t4において、第2SOWC200でのトルク伝達状態から第1SOWC100でのトルク伝達状態への切り替わりを検出後、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4を2速からニュートラルに切り替える。そして、副変速機構4が1速となった場合に対応した目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*が算出され、この目標セカンダリプーリ回転速度Nsec*に応じた目標プライマリプーリ回転速度Npri*及び目標プーリ変速比が設定される。設定後、バリエータ3はアップシフトを行い、プライマリプーリ回転速度Npriが低下し、セカンダリプーリ回転速度Nsecは上昇する。これにより、副変速機構4が1速にダウンシフトした場合における、回転軸43の回転速度と1速を達成するギヤ41とを同期させる。
時刻t5において、回転軸43の回転速度とギヤ41とが同期すると、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4をニュートラルから1速に切り替える。そして、DirectモードからCVTモードへの切り替えを開始するため、第2SOWC200のポケットプレート220の回転速度が、第2ノッチプレート210の回転速度よりも低くなるように、バリエータ3の目標プーリ変速比(目標プライマリプーリ回転速度Npri*)を設定し、ダウンシフトが実行される。そして、時刻t6において、バリエータ3は、目標プーリ変速比に到達し、時刻t7において、位相差が解消して第2ストラット232と第2係合凹部215とが係合すると、トルク伝達経路が第1SOWC100から第2SOWC200へと切り替わる。そして、時刻t8において、トルク伝達経路の第1SOWC100から第2SOWC200への切り替わりを検出し、目標スルー変速比に応じた目標プライマリプーリ回転速度Npri*(スルー)となるようにバリエータ3の変速比を制御し、副変速機構4のダウンシフト及びそれに伴うスルー変速比の制御が終了する。
図21は、実施例1の副変速機構4が2速から1速へダウンシフトする際のコースト時変速制御処理を表すタイムチャートである。
時刻t1において、コースト走行であることから、予め設定された遅い変速速度minでバリエータ3をダウンシフトする。これにより、上述のフェーズP3で示す二重噛み合いが発生するときの、第1ノッチプレート110の第1係合凹部115と第1ポケットプレート120と一体に移動する第2ストラット132との係合時におけるショックを抑制する。
時刻t2において、二重噛み合いが発生し、プライマリプーリ回転速度Npriとセカンダリプーリ回転速度Nsecとは、強制的にダイレクトギヤ比に応じた関係となる。ただし、バリエータ3はダウンシフトを継続しており、徐々にベルトスリップ率が増大する。
時刻t3において、ベルトスリップ率が二重噛み合いを表す所定値を超えると、バリエータ3を予め設定された速い変速速度maxでアップシフトする。
時刻t4において、二重噛み合い発生時に、第1ストラット231と、第2ノッチプレート210の第2係合凹部215の壁部215bとの間に作用するトルクが素早く解除され、第2リング部材251によって第1ストラット231及び第2ストラット232を第2係合凹部215内に収納する。これにより、第2ノッチプレート210と第2ポケットプレート220との係合を解除する。
時刻t5において、プライマリプーリ回転速度Npriがモータ回転速度Nmに所定値αを減算した値よりも低下し、かつ、モータ回転速度NmがMD回転速度Nmdと一致しているため、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションを2速からニュートラルに変更する。そして、セカンダリプーリ回転速度を、回転軸46の回転速度に1速のギヤ比を掛けた値となるようにプーリ変速比を制御する。
時刻t6において、セカンダリプーリ回転速度Nsecが、ダイレクトギヤ比で駆動された回転軸46の回転速度Noutと同期したとき、切替用電動アクチュエータ50Bを作動して副変速機構4のギアポジションをニュートラルから1速に変更する。そして、DirectモードからCVTモードへの切り替え準備処理を開始し、目標プライマリプーリ回転速度Npri*として、MD回転速度Nmdに所定値βを加算した値を設定し、バリエータ3の変速を開始する。
時刻t7において、プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdに所定値βを加算した値に到達すると、第2SOWC200の第2ポケットプレート220の回転速度と第2ノッチプレート210の回転速度とが同期したと判断し、DirectモードからCVTモードへの切り替え制御処理として、バリエータ3を予め設定された遅い変速速度minでアップシフトする。時刻t8において、プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdを下回り始め、時刻t9において、二重噛み合いが発生する。
時刻t10において、二重噛み合いの発生が検知されると、バリエータ3を予め設定された速い変速速度maxでダウンシフトする。これにより、二重噛み合い発生時に、第1ストラット131と、第1ノッチプレート110の第1係合凹部115の壁部115bとの間に作用するトルクを素早く解除する。このトルク解除により、第1リング部材151によって第1ストラット131及び第2ストラット132を第1係合凹部115内に収納し、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との係合を解除する。
時刻t11において、トルク伝達経路が第1SOWC100から第2SOWC200に切り替わると、プライマリプーリ回転速度NpriがMD回転速度Nmdより大きく、かつ、プライマリプーリ回転速度Npriがモータ回転速度Nmと一致するため、切り替え制御処理を終了する。
(規制部材と第1及び第2ストラットの関係について)
次に、規制部材と第1及び第2ストラットの方向の関係性について説明する。第1ストラットは、規制部材が回動するまで揺動が規制されるストラットであり、第2ストラットは、規制部材を回動して第1ストラットの規制を解除するストラットである。ここで、ドライブ時におけるCVTモードにおいて、第2ストラット232でトルク伝達を行うタイプをAタイプとし、第1ストラット231でトルク伝達を行うタイプをBタイプとする。また、ドライブ時におけるDirectモードにおいて、第2ストラット132でトルク伝達を行うタイプをCタイプとし、第1ストラット131でトルク伝達を行うタイプをDタイプとする。
上述したように、実施例1では、ドライブ状態におけるCVTモードにおいて、第2SOWC200の第2ストラット232でトルク伝達を行い、ドライブ状態におけるDirectモードにおいて、第1SOWC100の第2ストラット132でトルク伝達を行う組み合わせである。よって、実施例1では、AタイプとCタイプを組み合わせたものである。この組み合わせは、他にも取りうることから、AタイプとDタイプを組み合わせたものを比較例1、BタイプとCタイプを組み合わせたものを比較例2、BタイプとDタイプを組み合わせたものを比較例3と定義する。
図21は、実施例1と比較例1−3における二重噛み合い発生の有無を表す図である。実施例1及び比較例1−3のそれぞれの形式において、ドライブ状態とコースト状態にわけ、CVTモードからDirectモードに切り替える場合、DirectモードからCVTモードに切り替える場合のそれぞれ4つの場面において、二重噛み合いが発生する場面の有無の検討を行った。セレクタブルワンウェイクラッチの機械的な構成により、実施例1及び比較例1−3のいずれの形式であっても、必ず2つの場面で二重噛み合いが発生するからである。
実施例1では、ドライブ状態のモード切り替えでは二重噛み合いが発生しないが、コースト状態のモード切り替えでは二重噛み合いが発生する。他の比較例1−3では、いずれもドライブ状態のモード切り替えで二重噛み合いが発生することが分かる。上述したように、二重噛み合いが発生した場合、ストラットに作用するトルクが大きいと、ストラットが解除できずに二重噛み合い時におけるトルク循環量が増大する。よって、二重噛み合いが発生したとしても、ストラットに作用するトルクが小さいことが重要である。
基本的に、ドライブ状態は伝達するトルクがコースト状態に比べて大きいため、ストラットに作用するトルクが大きく、コースト状態はストラットに作用するトルクが小さい。よって、実施例1のように、ドライブ状態でのモード切り替えでは、二重噛み合いが発生しないようにすることで、大きなトルクが作用してもトルク変動を抑制できる。特にキックダウン時のように応答性が求められる変速時であっても、二重噛み合い抑制、あるいは解除する制御を行う必要が無く、機械的に切り替えが行われるため、スムーズな変速を実現できる。また、コースト状態でのモード切り替えは、ストラットに作用するトルクが小さく、キックダウンのような変速応答性も要求されないため、二重噛み合いが発生しても、運転者への違和感は小さく、また、二重噛み合い抑制制御を平行して行えば、さらに運転者に違和感を与えることなくトルク変動を抑制できる。尚、副変速機構4の変速は、相対的に変速速度を必要としないため、実施例1の構成を採用したとしても、他の変速に与える影響を最小限にできる。
以上説明したように、実施例1にあっては、下記の作用効果が得られる。
(1)駆動用モータ1(動力源)に対し第2SOWC200(第2クラッチ)を介して接続するバリエータ3(第1変速機)と、
バリエータ3の出力部と駆動輪WDとの間に設けられた副変速機構4(第2変速機)と、
駆動用モータ1に対し第1SOWC100(第1クラッチ)を介して接続する入力ギヤ21と、副変速機構4の出力部と駆動輪WDとの間に設けられ、入力ギヤ21と常時噛み合う出力ギヤ22と、を有する直結ギヤ機構20と、
を備え、
第1SOWC100は、第2SOWC200が解放しているときに締結し、第2SOWC200が締結するときに駆動用モータ1とバリエータ3の入力部との間の相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
第2SOWC200は、第1SOWC100が解放しているときに締結し、第1SOWC100が締結するときに駆動用モータ1と入力ギヤ21との間の相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
第1SOWC100及び第2SOWC200の切り替えが必要と判断したときには、駆動用モータ1と入力ギヤ21との間の相対回動方向及び駆動用モータ1とバリエータ3の入力部との間の相対回動方向を、バリエータ3の変速によって変更する切り替え制御(切り替え手段)と、
第1SOWC100及び第2SOWC200を切り替えるときに、第1SOWC100と第2SOWC200との両方が締結する二重噛み合いを検知する二重噛み合い検知手段と、
を設けた。
よって、二重噛み合いを早期に検知することができ、トルク循環による加速度変動といった違和感を抑制できる。
(2)二重噛み合い検知手段は、ベルトスリップ率に基づいて二重噛み合いを検知することとした。
よって、正確に二重噛み合いを検知できる。
(3)切り替え制御は、二重噛み合いを検知したときは、バリエータ3の変速方向を二重噛み合い検知前とは反対方向に変速することで二重噛み合いを解除する。
よって、素早く二重噛み合いを解除すると共に、動力伝達経路を素早く切り替えることができる。
(4)第1SOWC100は、配設面112aに凹設される複数の第1係合凹部115を有する第1ノッチプレート110と、第1ノッチプレート110の配設面に対向する面に凹設される複数の第1及び第2収納凹部121,122を有する第1ポケットプレート120と、第1及び第2収納凹部121,122にそれぞれ収納され、第1係合凹部115側に揺動されて第1係合凹部115と係合することで第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120との相対回動を規制する複数の第1クラッチ側ストラット130と、を有し、第1ノッチプレート110と第1ポケットプレート120のいずれか一方は駆動用モータ1と接続され、他方は入力ギヤ21と接続されており、
第2SOWC200は、配設面に凹設される複数の第2係合凹部215を有する第2ノッチプレート210と、第2ノッチプレート210の配設面に凹設される複数の第1及び第2収納凹部221,222を有する第2ポケットプレート220と、第1及び第2収納凹部221,222にそれぞれ収納され、第2係合凹部215側に揺動されて第2係合凹部215と係合することで第2ノッチプレート210と第2ポケットプレート220との相対回動を規制する複数の第2クラッチ側ストラット230と、を有し、第2ノッチプレート210と第2ポケットプレート220のいずれか一方は駆動用モータ1と接続され、他方はバリエータ3の入力部に接続されており、
第1クラッチ側ストラット130は、第1ノッチプレート110が第1ポケットプレート120に対して一方側に回動することを規制する第1クラッチ側第1ストラット131と、第1ノッチプレート110が第1ポケットプレート120に対して他方側に回動することを規制する第1クラッチ側第2ストラット132と、を有し、
第2クラッチ側ストラット230は、第2ノッチプレート210が第2ポケットプレート220に対して一方側に回動することを規制する第2クラッチ側第1ストラット231と、第2ノッチプレート210が第2ポケットプレート220に対して回動することを規制する第2クラッチ側第2ストラット232と、を有し、
第1クラッチ側第2ストラット132の一端が第1係合凹部115に係合するまで第1クラッチ側第1ストラット131の第1係合凹部115側への揺動を規制する第1規制部材160と、
第2クラッチ側第2ストラット232の一端が第2係合凹部215に係合するまで第2クラッチ側第1ストラット231の第2係合凹部215側への揺動を規制する第2規制部材260と、
第1クラッチ側第1ストラット131及び第1クラッチ側第2ストラット132の第1係合凹部115側の揺動の可否及び第2クラッチ側第1ストラット231及び第2クラッチ側第2ストラット232の第2係合凹部215側への揺動の可否を切り替える第1及び第2リング部材151,251(切り替え部材)と、
を備え、
駆動用モータ1から駆動輪WDへ動力伝達が行われる状態をドライブ状態としたとき、ドライブ状態では他方側へ回動するよう設定され、
二重噛み合い検知手段は、コースト走行時に二重噛み合いを検知する。
よって、実施例1のように、ドライブ状態でのモード切り替えでは、二重噛み合いが発生しないようにすることで、大きなトルクが作用してもトルク変動を抑制できる。特にキックダウン時のように応答性が求められる変速時であってもスムーズな変速を実現できる。一方、コースト状態でのモード切り替えでは、二重噛み合いが発生しても、素早く検知することで、トルク変動を抑制できる。
(5)副変速機構4は、有段式の変速機であって、第1SOWC100を締結し、第2SOWC200を解放してから変速する。
よって、直結ギヤ機構20によるトルク伝達経路を確保した状態で変速することができ、変速速度や変速ショックを気にすることなく、安定的に変速できる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、二重噛み合いを検知する手段としてバリエータ3のベルトスリップ率を用いたが、変速用モータ81のモータトルクに基づいて検知してもよい。具体的には、バリエータ3が変速を行っている際に二重噛み合いが発生すると、変速用モータ81の負荷が増大する。この変速用モータ81の負荷の増大に伴うモータトルク上昇に基づいて二重噛み合いを検知してもよい。
また、ベルトスリップ率が大きくなるとは、目標プーリ変速比と実プーリ変速比とが乖離することを表すことから、両者の乖離に基づいて二重噛み合いを検知してもよい。
また、バリエータ3にプライマリプーリ30Pの溝幅を検出するストロークセンサを備えた場合には、ストロークセンサに基づくプーリ変速比と実プーリ変速比との乖離を検知してもよい。
また、実施例1では、第1変速機としてバリエータ3を採用した例を示したが、有段式の変速機であってもよい。また、バリエータ3の変速を変速用モータ81により変速したが、油圧式のバリエータを用いてもよい。また、動力源として駆動用モータ1を採用したが、内燃機関でもよいし、内燃機関と電動モータとを組み合わせたハイブリッド駆動機関でもよい。また、副変速機構4として3ポジション式の噛み合いクラッチ機構5Bを採用した例を示したが、クラッチのかけかえ制御により変速する変速機構を採用してもよい。また、実施例1で説明したセレクタブルワンウェイクラッチに代えて、相対回動により断接可能な構成であれば、他のクラッチ機構を採用してもよい。
1 駆動用モータ
2 自動変速機
3 バリエータ
4 副変速機構
5B クラッチ機構
20 直結ギヤ機構
21 入力ギヤ
22 出力ギヤ
30P プライマリプーリ
30S セカンダリプーリ
33 回転軸
36 回転軸
37 ベルト
43 回転軸
46 回転軸
50A,50B 切替用電動アクチュエータ
53 シフトフォーク
81 変速用モータ
WD 駆動輪
100 第1セレクタブルワンウェイクラッチ(第1SOWC)
110 第1ノッチプレート
112a 配設面
115 第1係合凹部
120 第1ポケットプレート
121 第1収納凹部
122 第2収納凹部
130 第1クラッチ側ストラット
131 第1クラッチ側第1ストラット
132 第1クラッチ側第2ストラット
151 第1リング部材
160 第1規制部材
200 第2セレクタブルワンウェイクラッチ(第2SOWC)
210 第2ノッチプレート
212a 配設面
215 第2係合凹部
220 第2ポケットプレート
221 第1収納凹部
222 第2収納凹部
230 第2クラッチ側ストラット
231 第2クラッチ側第1ストラット
232 第2クラッチ側第2ストラット
251 第2リング部材

Claims (8)

  1. 動力源に対し第2クラッチを介して接続する第1変速機と、
    前記第1変速機の出力部と駆動輪との間に設けられた第2変速機と、
    前記動力源に対し第1クラッチを介して接続する入力ギヤと、前記第2変速機の出力部と前記駆動輪との間に設けられ、前記入力ギヤと常時噛み合う出力ギヤと、を有する直結ギヤ機構と、
    を備え、
    前記第1クラッチは、前記第2クラッチが解放しているときに締結し、前記第2クラッチが締結するときに前記動力源と前記第1変速機の入力部との相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
    前記第2クラッチは、前記第1クラッチが解放しているときに締結し、前記第1クラッチが締結するときに前記動力源と前記入力ギヤとの間の相対回動方向の切り替わりを用いて機械的に解放するクラッチであり、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチの切り替えが必要と判断したときには、前記動力源と前記入力ギヤとの間の相対回動方向、及び前記動力源と前記第1変速機の入力部との間の相対回動方向を、前記第1変速機の変速によって変更する切り替え手段と、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチを切り替えるときに、前記第1クラッチと前記第2クラッチとの両方が締結する二重噛み合いを検知する二重噛み合い検知手段と、
    を設けたことを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記第1変速機の変速比を変更する変速用モータを有し、
    前記二重噛み合い検知手段は、前記変速用モータのモータトルク変化に基づいて二重噛み合いを検知することを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記二重噛み合い検知手段は、前記第1変速機の目標変速比と実変速比との乖離に基づいて二重噛み合いを検知することを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記二重噛み合い検知手段は、前記第1変速機の入力側の回転速度と、前記入力ギヤの回転速度との関係に基づいて二重噛み合いを検知することを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記第1変速機は二つのプーリの間にかけ渡されたベルトを有するベルト式無段変速機であり、
    前記二重噛み合い検知手段は、前記プーリと前記ベルトとの間のスリップ率に基づいて二重噛み合いを検知することを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項1ないし5いずれか一つに記載の自動変速機において、
    前記切り替え手段は、二重噛み合いを検知したときは、前記第1変速機の変速方向を二重噛み合い検知前とは反対方向に変速することで二重噛み合いを解除することを特徴とする自動変速機。
  7. 請求項1ないし6いずれか一つに記載の自動変速機において、
    前記第1クラッチは、配設面に凹設される複数の第1係合凹部を有する第1ノッチプレートと、前記第1ノッチプレートの配設面に対向する面に凹設される複数の第1収納凹部を有する第1ポケットプレートと、前記複数の第1収納凹部にそれぞれ収納され、前記第1係合凹部側に揺動されて前記第1係合凹部と係合することで前記第1ノッチプレートと前記第1ポケットプレートとの相対回動を規制する複数の第1クラッチ側ストラットと、を有し、前記第1ノッチプレートと前記第1ポケットプレートのいずれか一方は前記動力源と接続され、他方は前記入力ギヤに接続されており、
    前記第2クラッチは、配設面に凹設される複数の第2係合凹部を有する第2ノッチプレートと、前記第2ノッチプレートの配設面に凹設される複数の第2収納凹部を有すると共に、前記第1変速機の入力側と接続された第2ポケットプレートと、前記複数の第2収納凹部にそれぞれ収納され、前記第2係合凹部側に揺動されて前記第2係合凹部と係合することで前記第2ノッチプレートと前記第2ポケットプレートとの相対回動を規制する複数の第2クラッチ側ストラットと、を有し、前記第2ノッチプレートと前記第2ポケットプレートのいずれか一方は前記動力源と接続され、他方は前記第1変速機の入力部に接続されており、
    前記第1クラッチ側ストラットは、前記第1ノッチプレートが前記第1ポケットプレートに対して一方側に回動することを規制する第1クラッチ側第1ストラットと、前記第1ノッチプレートが前記第1ポケットプレートに対して他方側に回動することを規制する第1クラッチ側第2ストラットと、を有し、
    前記第2クラッチ側ストラットは、前記第2ノッチプレートが前記第2ポケットプレートに対して一方側に回動することを規制する第2クラッチ側第1ストラットと、前記第2ノッチプレートが前記第2ポケットプレートに対して他方側に回動することを規制する第2クラッチ側第2ストラットと、を有し、
    前記第1クラッチ側第2ストラットの一端が前記第1係合凹部に係合するまで前記第1クラッチ側第1ストラットの前記第1係合凹部側への揺動を規制する第1規制部材と、
    前記第2クラッチ側第2ストラットの一端が前記第2係合凹部に係合するまで前記第2クラッチ側第1ストラットの前記第2係合凹部側への揺動を規制する第2規制部材と、
    前記第1クラッチ側ストラットの前記第1係合凹部側の揺動の可否及び前記第2クラッチ側ストラットの前記第2係合凹部側への揺動の可否を切り替える切り替え部材と、
    を備え、
    前記駆動源から前記駆動輪へ動力伝達が行われる状態をドライブ状態としたとき、ドライブ状態では前記他方側へ回動するよう設定され、
    前記二重噛み合い検知手段は、コースト走行時に二重噛み合いを検知することを特徴とする自動変速機。
  8. 請求項1ないし7いずれか一つに記載の自動変速機において、
    前記第2変速機は、有段式の変速機であって、前記第1クラッチを締結し、前記第2クラッチを解放してから変速することを特徴とする自動変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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