JP2019073599A - 有機無機複合粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷重の変動に対して追従して変形でき、塑性変形がより抑制された有機無機複合粒子を提供する。【解決手段】シロキサン結合を有する化合物からなる粒径Zの有機無機複合粒子であって、荷重F0で負荷して2秒間保持した後、除荷するサイクルを10回繰り返した際、前記粒径Zの変位量が下記式(1)および(2)の条件を満たすことを特徴とする。{(DR−DL)/DL)}×100<10%式(1)、{(D(10)−D(1))/Z}×100<1%式(2)(ここで、DLおよびDRは、それぞれ1サイクル目での荷重Fm(F0<Fm<F)における負荷時および除荷時の(Z−D0)を基準とした変位量であり、D(10)は(Z−D0)を基準とした10サイクル目の荷重F時の変位量であり、D(1)は(Z−D0)を基準とした1サイクル目の荷重F時の変位量である。)【選択図】図1

Description

本発明は、有機無機複合粒子に関するものである。
一般に、電子部材における基板等、二つの部品の間隔が一定になるよう制御する際には、ギャップ材(スペーサ)が用いられる。特に、液晶ディスプレイ(LCD)、高分子分散型液晶(PDLC)フィルムなどの液晶表示素子、有機ELディスプレイ(OLED)においては、設計上、ミクロンオーダーかつ高精度なスペーサが求められている。こうした電子部材では、シリカ粒子等の無機粒子あるいは樹脂粒子などの微粒子がスペーサとして用いられている。
無機粒子は、粒径精度やギャップ保持性に優れるものの、硬さが大きいときはギャップ材として使用できない場合がある。硬い無機粒子は、負荷により生じたギャップ変動に追従して変形できないため、基板の配線や周辺部材を傷つけてしまう。硬い無機粒子は、液晶の熱膨張率や熱収縮による厚み変化に追従して変形することもできず、低温発泡することもある。
一方、樹脂粒子は、柔軟性を有しているので、配線等を傷つけるおそれが小さく、熱膨張や熱収縮による厚み変化にも追従して変形しやすい。しかしながら、樹脂粒子は、タッピングや振動、熱衝撃などによる繰り返しの負荷やギャップ変動があった場合に、負荷−除荷時のタイムラグによる粒径回復の遅れが生じる。すなわち、荷重に対する応答性が悪い。
さらに、樹脂粒子は、ストレスを繰り返して受けた際、塑性変形によるへたりが生じてギャップ保持性が損なわれてしまう。樹脂粒子は、中長期的なギャップ保持性が不十分である。一般的に、樹脂粒子の粒径は、繰り返されるギャップ変動に追従して変化することができない。ギャップ変動が繰り返されると、基板と樹脂粒子との間に隙間が生じて、樹脂粒子が移動する。あるいは、樹脂粒子の粒径が変動することによって、ギャップを精密に保持できなくなる。
近年、電子デバイス等の薄型化や小型化に伴って、設計上ギャップ精度が厳密になっている。また、持ち運び、車載などの使用エリアの拡大や、タッチパネル等の圧力感知機能の活用により、移動・使用時において繰り返し微振動や熱衝撃が加わる環境下での部材使用も増加している。微振動の熱衝撃は、基板間のギャップ変動をもたらす。したがって、荷重変動に対し即座に応答し、繰り返しの圧縮に対する塑性変形(永久歪み)が極力抑制されたスペーサ粒子が望まれる。
そこで、ポリオルガノシロキサンに代表される有機無機ハイブリッド粒子がスペーサとして有望とされている。有機無機ハイブリッド粒子は、樹脂粒子並みの柔軟さに加えてシリカに匹敵する粒径精度を備えている。
特定のポリシロキサンを主成分とし、硬さと機械的復元性とを備えた有機質−無機質複合体粒子が、液晶表示板用スペーサ用の有機無機ハイブリッド粒子として開示されている(例えば、特許文献1)。ここでのポリシロキサンは、有機基中の少なくとも1個の炭素原子が直接ケイ素原子に化学結合した有機ケイ素を分子内に有している。特許文献1に記載の有機質−無機質複合体粒子は、10%変形後の残留変位が5%以下に規定されている。
特開平7−140472号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている有機質−無機質複合体粒子は、繰り返し荷重に供されるギャップスペーサとして十分な機械的復元力を備えていない。特許文献1では、高回復性の定義を、10%変形後の残留変位0〜5%としている。この指標は、粒子径に対する残留変位量を表わしている。特許文献1の実施例に開示されている負荷された変位量によれば、最大でも1/2程度変位が戻っていない。このことから、特許文献1に記載されている有機質−無機質複合体粒子は、荷重を負荷し、その後に除荷した後には、粒径が元通りには回復しないことがわかる。
従来の有機質−無機質複合体粒子からなるスペーサ粒子を用いた場合には、物理的要因や熱衝撃により繰り返しストレスがかかった場合に基板−粒子間に隙間が生じることがあった。そのようなスペーサ粒子は、変形の蓄積によってギャップを精密に保持できない。すなわち、そのようなスペーサ粒子は、ギャップ保持性が損なわれるおそれがある。
繰り返し微振動が加わる環境下であっても優れたギャップ保持性を維持するスペーサ粒子、荷重の変動に対し即座に反応し(高応答性)、繰り返し圧縮に対して歪みの残らずに粒径の回復率が高く、塑性変形がより抑制されたスペーサ粒子として好適な有機無機複合粒子が求められている。
そこで本発明は、荷重の変動に対して追従して変形でき、塑性変形がより抑制された有機無機複合粒子を提供することを目的とする。
本発明に係る有機無機複合粒子は、シロキサン結合を有する化合物からなる粒径Zの有機無機複合粒子であって、荷重Fで負荷して変位量Dとし、その後、変位量Dが0.08Z≦D≦0.15Zとなる荷重F(F>F)で負荷して2秒間保持した後、荷重Fまで除荷するサイクルを10回繰り返した際、前記粒径Zの変位量が下記式(1)および(2)の条件を満たすことを特徴とする。
{(D−D)/D)}×100<10% 式(1)
{(D(10)−D(1))/Z}×100<1% 式(2)
(ここで、DおよびDは、それぞれ1サイクル目での荷重F(F<F<F)における負荷時および除荷時の(Z−D)を基準とした変位量であり、D(10)は(Z−D)を基準とした10サイクル目の荷重F時の変位量であり、D(1)は(Z−D)を基準とした1サイクル目の荷重F時の変位量である。なお、荷重F、F、Fおよび変位量D、D、D、D、D(10)、D(1)の値は、いずれも微小圧縮試験機を用いて得られる測定値である。)
本発明の有機無機複合粒子は、所定の荷重を印加して除去した際、粒径の変位量が所定の範囲内である。本発明の有機無機複合粒子は、荷重の変動に即座に反応できることから、応答性に優れている。さらに、本発明の有機無機複合粒子は、負荷−除荷サイクルを繰り返しても変位量が蓄積されることはない。本発明の有機無機複合粒子は、塑性変形がより抑制された高弾性粒子である。
本実施形態の有機無機複合粒子の負荷−除荷サイクルにおける変位量を説明する模式図である。 本実施形態の有機無機複合粒子の1回目の負荷−除荷サイクルにおける変位量を説明する模式図である。 従来の複合粒子の応力歪み曲線である。 本実施形態の有機無機複合粒子の1回目の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。 本実施形態の有機無機複合粒子の10回の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。 本実施形態の有機無機複合粒子の弾性を説明する模式図である。 実施例1の有機無機複合粒子の1回目の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。 実施例1の有機無機複合粒子の10回の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。 比較例1の有機無機複合粒子の1回目の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。 比較例1の有機無機複合粒子の10回の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.全体構成
本実施形態の有機無機複合粒子(以下、単に複合粒子とも称する)は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を有する化合物からなる。本発明の複合粒子は、負荷−除荷のサイクルを繰り返した際、粒径の変位量が所定の条件を満たす。
具体的には、本実施形態の複合粒子は、荷重Fで負荷して変位量Dとし、その後、変位量Dが0.08Z≦D≦0.15Zとなる荷重F(F>F)で負荷して2秒間保持した後、荷重Fまで除荷するという負荷−除荷サイクルを10回繰り返した際、下記式(1)および(2)の条件を満たす。Zは、無荷重時の粒径である。本明細書において、粒径Zとは、コールターカウンター法により求めた平均粒径を意味する。
{(D−D)/D)}×100<10% 式(1)
{(D(10)−D(1))/Z}×100<1% 式(2)
およびDは、それぞれ1サイクル目での荷重F(F<F<F)における負荷時および除荷時の(Z−D)を基準とした変位量であり、D(10)は(Z−D)を基準とした10サイクル目の荷重F時の変位量であり、D(1)は(Z−D)を基準とした1サイクル目の荷重F時の変位量である。
図1,2を参照して、本発明の複合粒子に負荷−除荷のサイクルを繰り返した際の粒径の変化について説明する。
複合粒子10は、図1に示すように無荷重時に粒径Zを有している。複合粒子10を平面加圧板上に配置し、直径50μmのダイヤモンド製の円形平板圧子を用いて変位量D(Dは0.08Zより非常に小さい値である)となる除荷荷重Fを印加する。1サイクル目の除荷荷重を、初期荷重と称する。複合粒子10には、変位量D(0.08Z≦D≦0.15Z)となる荷重Fを、さらに印加する。
複合粒子10に荷重Fを印加した状態で2秒間保持して、複合粒子10を変形させる。この際の変位量を、初期荷重を負荷したときの粒径(Z−D)を基準粒径として求めて、1サイクル目の負荷荷重時の変位量D(1)とする。除荷荷重Fまで除荷して1サイクル目を終了し、2サイクル目の負荷−除荷を行う。複合粒子10の変位量を測定しつつ同様の負荷−除荷サイクルを10回繰り返して、10サイクル目の負荷荷重F時の変位量D(10)を求める。
1回目の負荷−除荷サイクルにおける荷重と粒径の変化を、図2に示す。負荷時の荷重は、初期荷重Fから途中荷重Fを経て、負荷荷重Fまで増加する。除荷時の荷重は、負荷荷重Fから途中荷重Fを経て、除荷荷重Fまで減少する。理想的には、除荷荷重F時における粒径は、初期荷重F時と同等となる。負荷時の途中荷重Fにおける変位量をDとし、除荷時の途中荷重Fにおける変位量をDとする。負荷時および除荷時の途中荷重Fは、例えば0.5Fである。変位量DおよびDは、上述と同様に基準粒径からの変位量として求める。
上述したとおり、本実施形態の複合粒子10は、下記式(1)の条件を満たす。
{(D−D)/D)}×100<10% 式(1)
{(D−D)/D)}×100の値は、荷重に対する追従性の指標となる。{(D−D)/D)}×100の値が正に大きいほど、つまり、除荷時の変位量が同一荷重での負荷時の変位量より大きいほど、荷重に対する追従性が悪いことを示す。弾性ヒステリシス損による歪みが多く残ると、荷重を取り除いた際、粒径が回復するのに時間を要して応答性が悪くなることに起因する。
本実施形態の複合粒子10は{(D−D)/D)}×100の値が10%未満に規定されているので、複合粒子10の粒径は、荷重に対して迅速に追従して変化できる。{(D−D)/D)}×100の値は、5%以下が好ましく、0%未満(D<D)がより好ましい。(D−D)が負の値を示すことについては、追って説明する。
本実施形態の複合粒子10は、上記式(1)の条件に加えて、下記式(2)の条件も満たす。
{(D(10)−D(1))/Z}×100<1% 式(2)
{(D(10)−D(1))/Z}×100の値は、塑性変形性の指標となる。{(D(10)−D(1))/Z}×100の値が正に大きいほど、つまり、負荷荷重時の10サイクル目の変位量が、負荷荷重時の1サイクル目の変位量より大きいほど、塑性変形性が大きい。
そのような複合粒子は、除荷後に粒径が回復するまでに遅れ(タイムラグ)が生じて、粒子内部に歪みが蓄積される。変位量は、負荷−除荷のサイクルを繰り返す毎に増加して、粒子の潰れがより大きくなる。そのような粒子は、ギャップ材として用いた際、精度よくギャップを保持することができない。
本実施形態の複合粒子10は、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値が1%未満に規定されているので、塑性変形が十分に抑制されている。したがって、本実施形態の複合粒子10は、弾性が大きい。{(D(10)−D(1))/Z}×100の値は、0.5%以下であることが好ましい。本実施形態の複合粒子10は、10サイクル目の負荷荷重時の変位量D(10)が、1サイクル目の負荷荷重時の変位量D(1)より小さくなる場合がある。(D(10)<D(1))の場合については、追って説明する。
本発明の複合粒子は、10%圧縮弾性率が2GPa以上20GPa以下であることが好ましい。10%圧縮弾性率が小さすぎる粒子は、柔らかすぎて荷重に対する変位が大きい。このため、10%圧縮弾性率が小さすぎる粒子は、スペーサとしての機能を十分に発揮できない。一方、10%圧縮弾性率が大きすぎる粒子は、スペーサとしては硬すぎる。10%圧縮弾性率が大きすぎる粒子は、この粒子が接触している周辺部材の破損等の原因となる。
シロキサン結合を有する化合物からなる複合粒子の10%圧縮弾性率が2GPa以上であれば、荷重が変化しても適切な基板間隔を保持できるので、10%圧縮弾性率が2GPa以上の複合粒子は、スペーサとして使用することができる。10%圧縮弾性率が20GPa以下であれば、複合粒子の弾性体的性質は、より好ましいものとなる。
本発明の複合粒子は、コールターカウンター法により求めた平均粒径が0.5〜200μmであることが好ましい。平均粒径がこの範囲内である複合粒子は、電子部材等において、スペーサとして好適に用いることができる。本発明の複合粒子の平均粒径は、1〜100μmであることがより好ましい。特に、液晶パネル用途に用いる場合には、複合粒子の平均粒径は、1〜15μmが好ましく、2〜12μmがより好ましく、3〜7μmが最も好ましい。
また、本発明の複合粒子の粒度分布の変動係数CV値は、5%以下であることが好ましい。CV値は、後述する数式(A1)で示すように、粒径の標準偏差と平均粒径とによって求められる。CV値の算出法については、追って説明する。CV値が5%以下の複合粒子は、粒径のばらつきが小さいので、スペーサとして好適に用いることができる。複合粒子のCV値は、2.5%以下であることがより好ましい。また、本実施形態の複合粒子は、真球形状の単分散粒子であることが好ましい。
複合粒子の適切な平均粒径の範囲は、用途に応じて異なる。適切な平均粒径は、例えば有機EL用途の場合には6〜16μm、PDLC用途では7〜25μm、3Dシャッター用途では25〜50μm、LED照明用用途では40〜120μmである。
2.製造方法
次に、本発明の有機無機複合粒子の製造方法を説明する。
本発明の有機無機複合粒子は、ゾルゲル法により合成されたポリシロキサン粒子に由来する。かかるポリシロキサン粒子は、シード粒子形成工程、粒子成長工程、および焼成工程を含む方法により製造することができる。以下、各工程について説明する。
<シード粒子形成工程>
シード粒子形成工程においては、原料としてのケイ素化合物を、触媒とともに水性溶媒中で加水分解縮合させて液滴状のシード粒子を形成する。これによって、シード粒子が水性溶媒に分散したシード粒子液が得られる。原料として用いられるケイ素化合物は、非加水分解性有機基および加水分解性有機基がケイ素原子に結合したアルコキシドであり、下記一般式(PS1)で表される。
1 nSi(OR24-n 一般式(PS1)
上記一般式(PS1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、および炭素数7〜20のアラルキル基から選択される非加水分解性有機基である。アルキル基における少なくとも1つの水素原子は、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、またはエポキシ基で置換されていてもよい。Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。nが2以上の場合、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。nが2以下の場合、複数の加水分解性有機基ORは、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(PS1)で表わされるケイ素化合物は、トリアルコキシシラン(n=1)であることが好ましい。トリアルコキシシランは、原料全体の60%以上(モル換算)を占めることが好ましく、80%以上(モル換算)を占めることがより好ましい。好ましいトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、およびγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中で、加水分解縮合の反応性に優れていることから、メチルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシランが好適である。ケイ素化合物は、単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
組み合わせてもよい成分としては、下記一般式(PS2)で表わされる化合物が挙げられる。
3 mSi(OR44-m 一般式(PS2)
上記一般式(PS2)中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、および炭素数7〜20のアラルキル基から選択される非加水分解性有機基である。アルキル基における少なくとも1つの水素原子は、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、またはエポキシ基で置換されていてもよい。R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、mは0〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のR3は互いに同一でも異なっていてもよい。mが2以下の場合、複数の加水分解性有機基OR4は、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(PS2)において、m=0のケイ素化合物(テトラアルコキシシラン)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(PS2)において、m=2のケイ素化合物(ジアルコキシシラン)としては、例えばジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(PS2)において、m=3のケイ素化合物(モノアルコキシシラン)としては、例えばトリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、ジイソブチルメチルメトキシシラン、およびトリエチルメトキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(PS2)においてm=1の場合には、非加水分解性有機基R3および加水分解性有機基OR4が、上記一般式(PS1)における非加水分解性有機基R1および加水分解性有機基OR2とは異なるトリアルコキシシランが用いられる。
ケイ素化合物は、触媒とともに水性溶媒に溶解して原料溶液を調製する。原料溶液中のケイ素化合物の濃度は、20質量%以下が好ましい。ケイ素化合物の濃度が5〜15質量%の範囲の場合には、生成するシード粒子の粒径および容積効率などの点から有利である。
水性溶媒としては、水と水混和性有機溶剤との混合溶媒、または水を用いることができる。水混和性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノール等の低級アルコール類、アセトン、ジメチルケトン、およびメチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、およびジプロピルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。水混和性有機溶剤は、単独で水と混合して用いることがきる。二種以上の水混和性有機溶剤を組み合わせて、水と混合して用いてもよい。
触媒としては、塩基性触媒が好ましく、アンモニアまたはアミンを用いることができる。アミンは、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミンおよびエチレンジアミンから選択することができる。触媒は、単独でも二種以上を組み合わせて用いてもよい。触媒の中でも、毒性が少なく、粒子から除去することが容易であり、かつ安価であるという観点から、アンモニアが好適である。
原料溶液には、安定化剤が含有されていてもよい。安定化剤は、ケイ素化合物の溶解性を高めるとともに、生成したシード粒子を安定化させる。安定化剤としては、例えば界面活性剤および高分子分散剤が挙げられる。
上記一般式(PS1)で表わされるケイ素化合物は、ケイ素原子に結合した加水分解性有機基(OR)を有しているので、原料溶液を所定条件で撹拌することで加水分解縮合が生じる。原料溶液は、周知の撹拌機を用いて撹拌することができる。反応開始時のpHは、原料としてのケイ素化合物の種類に応じて適宜設定される。例えばメチルトリメトキシシランの場合、反応開始時のpHは、9.7〜11.7が好ましく、9.7〜11.2がより好ましい。反応温度は、ケイ素化合物の種類に応じて適宜設定されるが、例えば0〜50℃の範囲が好適である。
ケイ素化合物が加水分解縮合することで、Si−C結合を有するポリオルガノシロキサンからなるシード粒子が生成される。ポリオルガノシロキサンは、例えばアルコールに対しては可溶であるものの、例えば水とアルコールとの混合液に対しては不溶である。このため、液滴状のシード粒子が水性溶媒に分散したシード粒子液が得られる。
液滴状のシード粒子は、従来知られている固形状のシード粒子とは性状が異なる。液滴状のシード粒子は、洗浄工程や乾燥工程を経た粒子ではなく、基本的には、シード粒子が形成された液中のみで存在が確認される。液滴状態は、例えば、シード粒子液に大量のアルコールを添加し、粒子の溶解を観察して判断することができる。あるいは、光学顕微鏡観察の前に、スライドガラス上のカバーガラスを指で加圧し、その後に光学顕微鏡で粒子の潰れた状態を観察して、液滴状態を判断することもできる。
シード粒子の粒径の精度は、例えばCV値により評価することができる。上述したように、粒子のCV値は、粒径の標準偏差と平均粒径とによって求められる。シード粒子の平均粒径は、例えば1〜50μmの範囲である。シード粒子のCV値は、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
一般に、親水性物質と疎水性物質とを混合すると相分離という現象を生ずる。あるいは、界面活性剤などに代表される一つの分子内に親水性基と疎水性基を有する物質は、同じ性質の官能基が向き合ったミセルを形成することが知られている。このような水との混ざりやすさの違いにより形成される会合体は、会合体内で結合が生じていないため柔軟であり、弾性的な性質を示す。
一方、一般式(PS1)で表わされるケイ素化合物の加水分解物は、疎水性の有機基部(非加水分解性有機基R1)と、加水分解性有機基OR2から得られる親水性のシラノール基とを有している。有機基部は、会合体を形成して、負荷に応じて変形できる大きな弾性体部となり得る。上記一般式(PS1)で表わされるケイ素化合物を、触媒量が比較的多い環境で反応させた場合、シラノール基の脱水縮合による分子間のSi−O−Si結合の形成が促進される。会合体形成における自由度が失われるため、大きな会合体を得ることができない。
弾性的な性質を示す大きな有機基部による会合体を得るためには、Si−O−Si結合の形成を適度に抑制することが必要となる。また、大きな有機基部による会合体を形成することで、緻密なSi−O骨格の形成が阻害されるため、架橋密度の増大を抑制することができる。会合体およびSi−O−Si結合は、それぞれソフトセグメントおよびハードセグメントとして、擬似的なエラストマー構造を形成し、結果として、適度な硬さで塑性変形がより抑制された有機無機複合粒子が得られたと考えられる。
シード粒子内の緻密なSi−O骨格は、シード粒子の成長が完結すると形成される。シード粒子の成長途中であれば、緻密なSi−O骨格は生じない。シード粒子の成長が完結する時間は、合成条件によって一義的に決定される。予め同一の原料溶液を用いて同条件で粒子を合成し、原料溶液の状態および粒径変化を観察することで、シード粒子の成長が完結する時間を把握できる。シード粒子の成長が完結する時間は、原料溶液が白濁してからシード粒子の成長が停止するまでの時間である。この時間を成長停止時間とする。
本実施形態においては、シード粒子形成工程における合成時間は、成長停止時間の40〜80%であることが好ましいが、必ずしも限定されない。シード粒子の合成時間が長すぎる場合には、緻密なSi−O骨格が形成される。一方、シード粒子の合成時間が短すぎる場合には、単分散のシード粒子を得ることが困難となる。成長停止時間の40〜80%の時間でシード粒子の合成を行なうことによって、Si−O骨格が比較的疎であるシード粒子を効率よく形成することができる。シード粒子の成長が完結する前に、粒子成長工程に供することができるので、成長粒子内での有機基部の会合体形成も阻害されにくくなる。
荷重に応じて変形できる粒子を得るためには、触媒量を低く抑えることが求められる。原理的には、シード粒子が合成される際にも、触媒量を抑えることが望ましい。しかしながら、シード粒子の合成時に触媒量が少ないと、粒子成長に長時間を要し、最悪の場合には核が発生しないこともある。また、得られる粒子の粒径の変動が大きく、CV値で表わされる粒径精度も高くなる傾向がある。
適切な粒径およびCV値を有するシード粒子を得るためには、シード粒子形成工程における触媒濃度は、例えばメチルトリメトキシシランを単独で使用する場合、0.001mol/L以上とすることが好ましく、0.005〜0.020mol/L程度がより好ましい。
<粒子成長工程>
粒子成長工程では、シード粒子を成長させて成長粒子を得た後、成長粒子を固化させて固化粒子を得る。まず、上記一般式(PS1)で表わされるケイ素化合物を水性溶媒に溶解して、粒子成長用溶液を調製する。すでに説明したように、ケイ素化合物としては、メチルトリメトキシシランまたはビニルトリメトキシシランが好適である。例えば、シード粒子の形成に用いたものと同種のケイ素化合物を用いることができるが、異種のケイ素化合物を用いてもよい。
水性溶媒としては、すでに説明したような水混和性有機溶媒、または水を用いることができる。上述したように、水混和性有機溶剤は、単独で水と混合することができる。水混和性有機溶媒は、二種以上を組み合わせて水と混合してもよい。粒子成長用溶液は、周知の撹拌機を用いて調製することができる。
粒子成長用溶液には、安定化剤が含有されていてもよい。安定化剤は、ケイ素化合物の溶解性を高める作用を有する。安定化剤は特に限定されないが、界面活性剤、例えばアニオン系界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、炭素数6〜30のアルキル基を有するアルキル硫酸塩が好ましい。
アルキル硫酸塩は、例えばカリウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩から選択することができ、ドデシル硫酸ナトリウムやドデシル硫酸アンモニウムが好適である。安定化剤は、粒子成長用溶液をシード粒子液と混合する際、Si−O骨格の形成が疎であるシード粒子の表面保護剤としても機能する。
こうして調整された粒子成長用溶液とシード粒子液とを混合し、撹拌することで、シード粒子にケイ素化合物を吸収させる。これにより、シード粒子が成長して成長粒子となって、成長粒子液が得られる。
粒子成長工程では、Si−O骨格を疎にするために、触媒濃度が低い状態で合成することが好ましい。触媒が含有されたシード粒子液と粒子成長用溶液とを混合するので、液中の触媒濃度は小さくなる。例えばメチルトリメトキシシランの場合、溶液全体における触媒濃度が0.005mol/L以下になるように、シード粒子液を粒子成長用溶液中に添加することが望ましい。粒子成長工程における最終触媒濃度は、0.005mol/L以下であることが好ましい。
目的とされる成長粒子の粒径が大きい場合には、粒子成長工程を複数回繰り返してもよい。粒子成長工程を繰り返すことによって、溶液中の触媒濃度が低下することがある。触媒が少なすぎる場合には、目的の大きさの成長粒子を得ることが困難になるので、必要に応じて適宜触媒を加えて、0.005mol/L以下の適切な触媒濃度に保つことが望まれる。
成長粒子が目的の粒径に達したら、成長粒子液に新たに触媒を添加して、成長粒子に含まれるケイ素化合物を加水分解縮合させる。触媒としては、シード粒子の形成において説明したような塩基性触媒が挙げられる。ケイ素化合物の加水分解縮合を進行させることによって、成長粒子が熟成して固化し、固化粒子が得られる。固化粒子は、Si−C結合を有するポリオルガノシロキサンからなる。
固化粒子と水性溶媒とを分離した後、固化粒子に含まれる微小粒子等を洗浄により適宜除去する。洗浄後の固化粒子を乾燥することで、Si−O骨格が疎であり、かつ、有機基部による会合体を有する複合粒子が得られる。
<焼成工程>
乾燥後の固化粒子は、Si−C結合が維持される条件で焼成する。Si−C結合が維持されることによって、得られる複合粒子中に有機基部による会合体が残留する。適切な条件で焼成することによって、用途に応じた圧縮強度を備えた複合粒子を得ることができる。焼成は、窒素などの不活性雰囲気下または真空中、200℃〜1000℃で行なうことが好ましい。こうした条件で焼成を行なうことにより、スペーサとして適切な圧縮強度と硬さとを備えた複合粒子が得られる。焼成温度は、400〜800℃がより好ましい。
焼成温度は、粒子に含まれている有機基の種類に応じて選択する。熱分解しやすい有機基を有する粒子の場合、上述の焼成温度範囲内で、比較的低い温度で処理するのが望ましい。一方、熱分解しにくい有機基を有する粒子の場合には、上述の焼成温度の範囲内で、より高温で処理するのが好ましい。
例えば、メチルトリメトキシシラン由来の粒子の場合、適切な焼成温度は600〜730℃であり、ビニルトリメトキシシラン由来の粒子の場合には、適切な焼成温度は250〜350℃である。いずれの場合も、目的の粒子に要求される破壊強度や弾性率に応じて適切な条件を選択すればよい。焼成装置は特に限定されず、電気炉やロータリーキルンなどを用いることができる。ロータリーキルンを用いる場合には、粒子を攪拌しつつ焼成できるので有利である。
焼成は、酸素共存下(例えば、空気中)で行なうことも可能である。酸素共存下での焼成によって、有機成分の酸化分解や燃焼熱の発生が促進される。このため、酸素が存在する場合には、不活性雰囲気下または真空中における焼成よりも低い温度で焼成する。好ましい温度範囲は、固化粒子中に含まれる有機基の分解温度より100℃低い温度以上で、かつ当該有機基の分解温度未満の範囲である。
当該有機基の分解温度以上の温度に直ちに昇温して焼成すると、当該有機基が急激に分解、脱離して、得られる粒子の破壊強度が低下する。場合によっては、急激な収縮に耐えきれずに粒子に割れが生じる。さらに、当該有機基が過剰に失われて、求められる柔軟性を有する粒子を得ることができない。有機基の種類に応じた適切な温度で焼成することで、そのような問題を避けることができる。
具体的には、メチルトリメトキシシランから得られる粒子に対しては、250〜350℃の範囲の温度で焼成処理するのが好ましい。分解、脱離した有機成分がその場で燃焼した場合には、過剰に熱が伝わることがある。例えば酸素濃度を10容量%以下に低減することによって、分解、脱離した有機成分がその場で燃焼するのを避けることができる。分解、脱離した有機成分を、送風などで直ちに系外に除去することも、有効な措置の1つである。
有機基の分解量は、例えば、赤外分光分析(IR)や炭素・硫黄分析装置等の元素分析装置を用いて、焼成前後の当該有機基のピーク強度や炭素含有量を比較して、把握することが可能である。分解量の割合は、必要となる破壊強度や弾性率に応じて最適な割合を選定することができる。なお、有機基の残留率は、炭素の残留率を測定することにより類推することができる。炭素の残留率は、20%以上であることが好ましく、30〜95%の範囲がより好ましい。
3.作用および効果
上記のように製造された複合粒子は、Si−C結合を有するポリシロキサンからなり、所定の負荷−除荷のサイクルを繰り返した際、粒径の変位量が所定の条件を満たす。具体的には、本実施形態の複合粒子は、変位量Dが0.08Z≦D≦0.15Zとなる荷重Fで負荷して2秒間保持した後、除荷するという負荷−除荷サイクルを10回繰り返した際、上記式(1)および(2)の条件を満たす。
このような特性は、従来の複合粒子には見られない。従来の複合粒子に同様の負荷−除荷サイクルを10回行った際の応力歪み曲線には、図3に示すような弾性ヒステリシス損が確認される。負荷時には、矢印A方向に荷重とともに変位量が増加して、粒子が圧縮される。除荷時には、矢印B方向に荷重とともに変位量が減少するものの、荷重F(除荷荷重)でも粒子の変位量は負荷前の状態に戻らない。この現象が負荷−除荷サイクルのたびに繰り返されて、荷重F(負荷荷重)時の変位量が増大している。
図3においては、F=0.5Fとして、1サイクル目での負荷途中の変位量Dと除荷途中の変位量Dとを求めている。除荷途中の変位量Dは、負荷途中の変位量Dより大きい。従来の複合粒子は、除荷時の粒径の変化が負荷時より遅く、応答性が悪いことが示されている。従来の複合粒子は、このように応答性が悪いため、{(D−D)/D)}×100の値が10%以上である。
上述したように、従来の複合粒子は、負荷−除荷サイクルの繰り返しによって負荷荷重時の変位量が増大している。これは、負荷−除荷サイクルを繰り返すことで従来の複合粒子に歪みが蓄積され、それによって粒子が潰れて塑性変形することが原因である。従来の複合粒子は、このように塑性変形しやすいので、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値が1%以上である。
本実施形態の複合粒子の応力歪み曲線の一例を、図4に示す。図4には、1サイクル目の負荷および除荷における変位量を示している。負荷時には、矢印A方向に荷重とともに変位量が増加して、粒子が圧縮される。除荷時には、矢印B方向に荷重とともに変位量が減少している。除荷により荷重F(除荷荷重)になると、粒子は負荷前の状態に戻っている。
図4の場合、荷重0.5Fにおける負荷途中の変位量Dと除荷途中の変位量Dとがほぼ等しい。すなわち、(D−D)の値は、実質的に0である。本実施形態の粒子は、除荷時においても負荷時と同等の速さで粒径が変化し、荷重に対する変位の追従性が優れていることがわかる。本実施形態の複合粒子は、このように応答性が良好であるため、{(D−D)/D)}×100の値が10%未満である。
本実施形態の複合粒子について、負荷−除荷サイクルを10回繰り返して得られた応力歪み曲線の一例を、図5に示す。この場合、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値は、1%未満である。本実施形態の複合粒子は、上記式(2)の条件を満たすので、負荷−除荷のサイクルを繰り返しても潰れる程度が小さく、初期の粒径程度まで回復する。このため、ギャップ保持性が損なわれることはない。
しかも、図5に示す例では、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値がマイナスである。10サイクル目の負荷荷重時の変位量が、1サイクル目の負荷荷重時の変位量より小さい。これは、本実施形態の複合粒子が完全弾性体に近い弾性的性質が強いことを示す証拠である。その理由を、以下に説明する。
一般に弾性領域では、応力と歪みは静的には一義的に決まるが、動的にはその限りではない。ばね(弾性体)に吊るされた錘が、ばね定数から求められる伸びを中心に上下に振動している状態に例えることができる。本実施形態で複合粒子が供される負荷除荷試験は、動的試験に相当する。複合粒子は、負荷荷重が印加されて2秒間保持する間に歪みが少なくなる方向に揺り戻していると考えられる。
{(D(10)−D(1))/Z}×100の値がマイナスになることは、粒子に生じた歪みは弾性変形であって、粒子が弾性体であることを示している。本実施形態の複合粒子は、弾性体であるゆえに、圧縮に対し元の粒径に戻ろうとする力(反発力)が強く、負荷に対して優れた追従性(応答性)を示すことに加え、中長期的なギャップ保持性という観点において、さらに効果的に作用すると考えられる。同様の理由から、{(D−D)/D)}×100の値もマイナスとなり得る。
図6には、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値がマイナスになる状態を示す。1サイクル目の負荷後、除荷荷重Fまで除荷した際の粒径は(Z−D0*)となる。2サイクル目においては、除荷荷重Fの際の変位量D0*は、D0*<Dとなり、負荷荷重Fの際の変位量D(2)は、D(2)<D(1)となる。負荷−除荷サイクルを繰り返した後、10サイクル目の負荷荷重Fの際の変位量D(10)は、D(10)<D(1)となる。複合粒子は反発力が大きいことは、このような粒径の変化に現れる。
なお、本発明の負荷除荷試験においては、装置の都合上、基準粒径(Z−D)からの変位量を求めている。Dは、初期荷重Fの際の変位量である。本実施形態の複合粒子は反発力が大きいので、除荷荷重Fまで除荷した際に、無荷重時の粒径Zに戻ることもあり得る。この場合、変位量は負の値、具体的には−Dとなる。
本実施形態の複合粒子は、制限された合成時間でシード粒子を形成し、このシード粒子を成長させた後、所定の条件で焼成することによって製造されるので、上記式(1)および式(2)の条件を満たす。
一般的に、ポリオルガノシロキサン粒子の合成においては、触媒(アンモニア)の濃度が高ければ緻密な粒子が成長し、触媒の濃度が低ければ、粒子は疎な状態で成長することが知られている。シード粒子の合成の際、触媒量は比較的多く、緻密なSi−O骨格がシード粒子内に形成される。このため、シード粒子におけるSi−O骨格の密度と成長した部分におけるSi−O骨格の密度とは異なるものとなる。
こうして生じるSi−O骨格の密度の違いは、製造工程を経ても完全に解消されるものではなく、製造された複合粒子中にも残存する。Si−O骨格の密度の違いは、複合粒子における屈折率差を引き起こすことが知られている。Si−O骨格の密度の境界は、シード粒子をコアとし、成長した部分をシェルとするコアシェル構造の界面として確認される。
本実施形態の複合粒子を製造する際には、シード粒子の合成時間を短く設定して成長停止時間の40〜80%としているので、シード粒子の成長は完結していない。このようなシード粒子を成長させるので、コアシェル構造が存在しない複合粒子を製造することができる。複合粒子中にコアシェル構造が存在しないことは、一般的な光学観察により確認することができる。
複合粒子がコアシェル構造を有しないことは、シード粒子内における緻密なSi−O骨格の形成が抑制されたことを示す証拠となる。上述したとおり、Si−O骨格の密度差は、界面の屈折率差として複合粒子中に存在する。複合粒子中に界面の屈折率差が確認されない場合、複合粒子中にはSi−O骨格の密度差は存在しない。すなわち、複合粒子内の骨格が一様である。
コアシェル構造を有しない複合粒子は、シード粒子の緻密なSi−O骨格の形成が抑制されたことに起因して、粒子内の有機基部は自由度が高い状態で一様に存在する。複合粒子には、より大きな有機基部による会合体が形成されて弾性体的性質が増す。その結果、Si−O骨格に起因する塑性変形や弾性ヒステリシス損の発生が抑制された複合粒子が得られた。
本実施形態の複合粒子を液晶パネル等のギャップ材として使用した場合、衝撃や外力を受けて粒子が圧縮変形して粒径が変化しても、回復速度が速いため、基板のギャップに追従することができる。基板とギャップ材との間に隙間ができ難くなり、ギャップ材が動くことを防止できる。さらに、優れた追従性により歪みが少なくなる結果、繰り返し荷重に対しても優れたギャップ保持性を示すことができる。
本実施形態の複合粒子と接着剤樹脂とを混合し、ギャップ保持用接着剤として用いる場合には、接着剤樹脂自体の塑性変形の影響を抑制することができる。この場合には、長期使用時にも信頼性の高いギャップ保持用接着剤となることが期待できる。
本実施形態の複合粒子は、荷重が印加されると、その荷重に応じた変位量に直ちに変化することから応答速度が非常に速い。しかも、本実施形態の複合粒子は、長期的に精度を維持することができる、このような特性を有しているので、本実施形態の複合粒子は、高感度圧力センサ等のギャップ保持材としても好適に使用できる。
本実施形態の複合粒子を製造する際には、原料となるケイ素化合物を触媒とともに水性溶媒中で撹拌してシード粒子が形成されるので、原料が粒子内に染み込んで膨潤のような状態でシード粒子の粒径が成長する。合成途中の粒子は、固体状ではなく液滴状である。例えば、合成途中の粒子にアルコールを添加すると、粒子界面が消失して、粒子が溶出していることが確認される。こうした現象から、合成途中の粒子が液滴状であることを確認することができる。
液滴状のシード粒子内には、有機基部が自由度の高い状態で存在するために、より大きな会合体が形成される。これによって、得られる複合粒子の弾性体的性質が増すことから、塑性変形が抑制される。さらに、自由度の高い有機基部の存在によりSi−O骨格の形成を妨害するため、Si−O骨格に起因する塑性変形を抑制することができる。その結果、弾性体的性質に優れた粒子が得られる。
なお、従来の一般的なポリオルガノシロキサン粒子の合成方法では、触媒量が比較的多く、徐々に原料が供給される。こうした方法は、二層法や均一法と称され、Si−O骨格を形成しながら粒子成長していく。従来の製造方法では、有機基部の存在範囲が限られるので、大きな弾性体部は形成されない。
従来の製造方法では、得られる粒子の弾性率は低下するが、弾性体的性質、塑性変形の抑制の点では十分ではなかった。また、従来の二層法では、比重が溶媒よりも低くなければならないという原料としてのケイ素化合物に制限があり、特定のケイ素化合物しか用いることができなかった。
本実施形態の複合粒子を製造する方法では、二層法等の従来の方法より反応時間を著しく短縮でき、生産性が向上する。粒子が短時間で成長する。このことも、Si−O骨格の形成が疎となって大きな有機基部による会合体が得られる一因である。しかも、本実施形態の複合粒子を製造する方法は、原料としてのケイ素化合物が制限されず、原料として使用できるケイ素化合物の選択の幅が広いという利点がある。
4.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態においては、負荷時に印加する荷重Fには、複合粒子10の粒径Zの10%が変形する荷重を用いることができるが、荷重Fはこれに限定されない。複合粒子10の粒径Zの8〜15%変形する荷重Fで2秒間保持して除荷すれば、同様の結果を得ることができる。また、除荷荷重Fは任意の値とできるが、0に近いほうが望ましく、具体的には微小圧縮試験機における最小荷重(原点荷重)の値が好ましく用いられる。Fは、0<F<0.1Fの範囲で適宜設定することができる。
複合粒子10に荷重Fを印加する円形平板圧子の直径は、測定される複合粒子10の粒径Zに応じて適宜選択することできる。円形平板圧子の直径は、例えば、200μm、500μmに変更することができる。
実施形態の複合粒子を母粒子として、表面に被覆処理を施して機能層を設けることで、以下のような機能性粒子を得ることもできる。機能性粒子としては、導電性粒子および固着粒子が挙げられる。
導電性粒子は、母粒子としての複合粒子の表面に機能性層としての導電層を設けることによって、製造することができる。導電性粒子は、例えば、液晶表示素子、半導体素子における、上下基板間の電気伝導性を有するギャップ保持粒子として、あるいは、このギャップ保持粒子を含有する異方性導電材料等として用いることができる。
このような導電性粒子は、中長期的に荷重のかかる環境下でもギャップ変動しないため、安定した電気接続性を維持することができる。本実施形態の複合粒子を含む導電性粒子は、長期信頼性に優れたスペーサとなる。
導電層は、導通の得られる任意の材料を用いて形成することができる。使用し得る材料としては、例えば金属、金属塩、および導電性樹脂などが挙げられる。好ましい材料は、金、銀、または合金(はんだ等)である。導電層の厚さは特に限定されないが、50nm以上の厚さを有していれば、安定した導電性を発揮できる。複合粒子の表面に金属核を形成させて前処理を施したり、シランカップリング剤等による表面処理を施すことによって、複合粒子と導電層との密着性を高めることができる。
導電性粒子は、電気抵抗値が30Ω以下であれば、電気的接続を確保できる。
固着粒子は、母粒子としての複合粒子の表面に熱可塑性樹脂からなる固着層を設けることによって、製造することができる。固着粒子を液晶表示素子用の面内スペーサとして使用する場合には、固着層が加熱溶融することで固着粒子が基板に固着する。固着粒子からなるスペーサは、液晶注入時に液晶が流動しても、基板に固着しているので移動が抑制される。
このような固着粒子は、上下基板間に挟まれた状態において、圧縮変形に対する潜在的な反発力を有するため、より移動しにくい粒子となる。固着粒子における固着層は、液晶注入時の液晶の流動、実使用時の衝撃や外力に対する移動防止の作用を発揮する。したがって、本実施形態の複合粒子を含む固着粒子は、より移動が抑制されたスペーサとなる。
反発力が大きい粒子が、より移動しにくくなる理由を以下のように説明する。最大静止摩擦力Fは、静止摩擦係数μおよび垂直抗力Nを用いて、F=μNで表わされる。垂直抗力Nとは、物体が接触している他の物体や地面等の固体の面を押しているとき、その力の面に垂直な成分に対し、同じ大きさで反対向きに固体の面が物体を押し返す力である。ここで、上下基板間に固着粒子が挟まれると、物体(固着粒子)の反発力が大きい場合、固体(基板)の面を押す力が大きくなるため、垂直抗力Nが大きくなり、最大静止摩擦力Fも大きくなる。そのため、固着力と反発力とを併せ持つ固着粒子は、従来の固着粒子と比べ、より移動しにくいスペーサとすることができる。
このような固着粒子は移動しにくい面内スペーサとして、通常の真空注入方式や滴下注入(ODF)方式の液晶表示素子に用いることができる。特にODF方式において、固着粒子は効果的に用いることができる。ODF方式は、従来の真空注入方式に比べて、液晶使用量の削減や工程数および工程時間の短縮が可能であり、液晶セルの製造コストを減らすことができるとして注目されている。
このODF方式では、セルギャップから計算して見積もった所定量の液晶を滴下して狭持する。このため、張り合わせ時に面内に圧力変化が生じると共に、液晶が周囲に向かって広がり流動する。本実施形態の複合粒子を含む固着粒子は、圧力変化に追従可能な高い弾性回復特性と、液晶流動により移動しない固着性とを備えているので、基板上に配置するスペーサとして好適に用いることができる。
固着層の形成には、熱可塑性成分を含有する任意の材料を用いることができる。熱可塑性成分は、ガラス転移点温度が150℃以下であることが好ましい。熱可塑性成分としては、単官能ビニル系モノマーの重合体を好ましく用いることができ、例えばスチレン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
単官能ビニル系モノマーとは、炭素−炭素不飽和二重結合を1個有するモノマーである。具体例としては、ビニル芳香族炭化水素(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン等)、アクリル酸、アクリル酸のエステル(メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−アミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、γ−ヒドロキシプロピルアクリレート等)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−アミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、γ−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等)、およびビニルシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等)が挙げられる。
これらの単官能ビニル系モノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、より強固な接合力を付与するために、エポキシ樹脂等の硬化性成分や、硬化剤を混合してもよい。単官能ビニル系モノマーを重合することにより、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂などのビニル系重合体からなる樹脂被膜が形成される。
固着層の厚さは、特に限定されないが、複合粒子の直径の0.05%〜10%程度が好ましい。固着層の厚さがこの範囲内であれば、ギャップ幅に悪影響を及ぼさずに十分な固着力を得ることができる。
固着層を設ける前に、複合粒子の表面にシランカップリング剤等による表面処理を施すことによって、複合粒子と樹脂層との密着性を高めることができる。シランカップリング剤としては、ビニル系シランカップリング剤が好ましく用いられる。複合粒子表面のシラノール基との反応性を有するシラン基(例えばアルコキシシラン基、ハロゲノシラン基、アセトキシシラン基など)を有し、かつ熱可塑性樹脂層形成用モノマーとの反応性を有するビニル基を有する任意のカップリング剤を使用できる。
上記ビニル基とは最広義に解釈し、ビニル基それ自体に加え、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などを含むものとする。上記のビニル系シランカップリング剤の具体例としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、およびγ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
固着粒子は、所定条件で加熱して基板上に固定することができる。150℃以下で1時間以内の加熱を行なえば、生産性に問題を及ぼすことはない。
固着粒子は、吹き飛ばし試験における固着率が50%以上であることが好ましい。固着率が50%以上の固着粒子は、液晶注入時における液晶の流動に耐えることができる。固着粒子がパネルの縁部分に流されることはないので、面内のギャップを安定に保持することができる。
5.評価方法
後述する実施例においては、有機無機複合粒子について、以下の負荷除荷サイクル試験を行う。有機無機複合粒子の各物性値は、以下の手法により評価する。
<負荷除荷サイクル試験>
図1に示したように、平面加圧板上に複合粒子10を配置し、直径50μmのダイヤモンド製の円形平板圧子を用いて、初期荷重Fを印加する。その後、0.14mN/秒の速度で所定の負荷荷重Fまで荷重を増加する。負荷荷重Fは、複合粒子10の粒径Zの8〜15%が変形する荷重とする。この負荷荷重Fで2秒間保持し、1回目の負荷における負荷荷重時の変位量D(1)を求める。その後、除荷荷重Fまで同速度で除荷する。
負荷荷重Fとしては、予め10%圧縮弾性率を測定した際に印加した荷重を用いた。変位比率が10%から僅かにずれるのは、微小圧縮試験にて印加される個々の複合粒子の粒径のバラツキの影響を受けるためであるが、変位比率が8〜15%の範囲に含まれていれば良い。負荷荷重Fの値に対応して、装置上設定可能な初期荷重(除荷荷重)Fは変動する。本実施例においては、F<1.96mNの場合F=0.01mN、19.6mN≦F<196mNの場合F=0.2mN、F≧196mNの場合F=2mNとした。
さらに、荷重F(F=0.5F)時点での負荷時における変位量D、および同様の荷重F時点での除荷時における変位量Dとを用いて、{(D−D)/D)}×100の値を算出する。
同様の負荷除荷サイクルを10回繰り返し、10回目の負荷における負荷荷重時の変位量D(10)を求める。無荷重時の粒径Z、1回目の変位量D(1)、および10回目の変位量D(10)を用いて、{(D(10)−D(1))/Z}×100の値を算出する。
<粒径、CV値>
複合粒子の平均粒径Zおよび粒径の標準偏差は、コールターカウンター(マルチサイザーIVe、ベックマン・コールター(株)製)を用いて求める。粒度分布の変動係数CV値は、下記数式(A1)により算出することができる。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)X100 数式(A1)
<10%圧縮弾性率>
複合粒子の10%圧縮弾性率は、圧縮挙動に基づいて求めることができる。圧縮挙動は、微小圧縮試験機(MCTM−200、(株)島津製作所製)を用いて複合粒子に荷重を印加して観察する。10%圧縮弾性率は、以下の方法により算出することができる。
試料としての複合粒子を、平面加工板(材質:SKS平板)上に散布し、一定速度で荷重を印加して圧縮変位量が粒径Zの10%となるまで粒子を変形させる。荷重の印加には、直径50μmのダイヤモンド製の円形平板圧子を用いる。粒子が10%変形した際の荷重Fと、圧縮変位量Dxを求め、下記数式(A2)を用いて、10%圧縮弾性率Eを算出する。なお、Kは粒子のポアソン比(定数0.38)、rは粒子の半径である。
Figure 2019073599
<炭素の残留率>
試料としての複合粒子について、粒子中の炭素含有量測定を行った。炭素含有量測定では、炭素・硫黄分析装置(LECO社製、CS844型)を用いた高周波誘導加熱燃焼−赤外線吸収法によって炭素を定量した。炭素・硫黄分析装置の運転条件は、以下の通りである。
分析時間:40秒
サイクルタイム:90秒
キャリアガス:酸素(純度99.6%)
駆動ガス:窒素
キャリアガス流量:3L/分
なお、炭素・硫黄分析装置のガスドージングは使用せず、標準試料としてLECO社製スチールレンズを使用して、1点検量線で定量した。固化粒子中の炭素含有量の理論値に対し、上記測定で得られた定量値の割合を炭素の残留率として算出した。固化粒子中の炭素含有量は、原料に用いるケイ素化合物の組成により異なる値をとる。固化粒子中の炭素含有量の理論値は、例えば、原料にメチルトリメトキシシランを用いた場合は17.9%であり、ビニルトリメトキシシランを用いた場合は30.4%である。
<電気抵抗値>
導電性粒子の電気接続性は、電気抵抗値を測定して評価する。具体的には、微小圧縮試験機((株)島津製作所製)を用いて、20個の複合粒子それぞれについて電気抵抗値を測定し、20個の測定値の平均値を電気抵抗値とする。
<固着率>
固着粒子の固着性能は、吹き飛ばし試験により評価する。吹き飛ばし試験を行なうには、まず、固着粒子をスライドガラス上に散布し、120℃にて30分加熱する。スライドガラス上の粒子個数を、吹き飛ばし試験前の個数N0とする。
その後、スライドガラスを室温まで冷却し、窒素ガスを所定の条件で30秒間吹き付ける。吹き付けの条件は、ノズル圧0.01MPa、ノズル−スライドガラス間距離10mm、吹き付け角度45°とする。吹き飛ばし試験後にスライドガラス上に存在する粒子の個数をN1として、下記数式(A3)により固着率bpを算出する。
bp=(N1/N0)x100 数式(A3)
6.実施例
次に、本発明に係る実施例について説明する。
<実施例1>
(シード粒子形成工程)
原料としてのメチルトリメトキシシラン(以下、MTMSと略記する)360gとイオン交換水48gを1Lプラスチック容器に収容し、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。
水1800gと1規定アンモニア水溶液18gを2Lガラス容器に収容し、前述の均一溶液を加えて原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、均一溶液を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例1におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約6.3μmであった。
(粒子成長工程)
水14962g、MTMS3000g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液38gを20L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液1500gを加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ、約80rpmで撹拌した。これによってシード粒子が成長して、成長粒子が得られた。粒子成長工程におけるアンモニア濃度は、0.0006mol/Lとなる。
約2時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水200gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、デカンテーションにより固液分離し、メタノールで3回洗浄した。次いで、2日間かけて自然乾燥し、さらに110℃で加熱して乾燥させた。乾燥した固化粒子は、平均粒径が16.34μm、CV値が1.37%であった。
(焼成工程)
乾燥させた固化粒子を、傾斜型ロータリーキルン((株)長門電気工作所製)で撹拌しつつ窒素雰囲気下640℃で6時間焼成して、実施例1の複合粒子を得た。
実施例1の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。図7には、1回目の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線を示し、図8には、10回の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線を示す。
実施例1の複合粒子は、図7に示すように、除荷時においても負荷時と同等に粒径が変化することから、荷重に対する変位の追従性が優れていることがわかる。また、実施例1の複合粒子は、図8に示すように、10サイクル目の負荷荷重時の変位量が1サイクル目より小さいことから、反発力が大きいことがわかる。
<実施例2>
ロータリーキルンでの固化粒子の焼成温度を680℃に変更した以外は実施例1と同様の手法により、実施例2の複合粒子を得た。
実施例2の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例3>
焼成工程において、強制熱風循環方式の乾燥機(エスペック(株)製、SPHH−202)を用い、固化粒子を、空気雰囲気下300℃で6時間焼成した以外は、実施例1と同様の手法により実施例3の複合粒子を得た。
実施例3の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例4>
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS180gとイオン交換水1800gを2Lのガラス容器に収容し、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。均一溶液に1規定アンモニア水18gを加えて、原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、アンモニア水を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例4におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約2.1μmであった。
(粒子成長工程)
水17955g、MTMS1800g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液45gを20L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液を全量加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ約80rpmで撹拌した。これによってシード粒子が成長し、成長粒子が得られた。粒子成長工程におけるアンモニア濃度は、0.0008mol/Lとなる。
約1時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水50gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、実施例1と同様の手法により、粒子の分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が4.53μm、CV値が1.68%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して実施例4の複合粒子を得た。実施例4の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例5>
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS180g、イオン交換水1800g、およびドデシル硫酸ナトリウム0.1gを2Lガラス容器に収容し、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。均一溶液に1規定アンモニア水18gを加えて、原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、アンモニア水を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例5におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約1.1μmであった。
(粒子成長工程)
水17955g、MTMS1800g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液45gを20L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液を全量加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ約80rpmで撹拌した。これによってシード粒子が成長し、成長粒子が得られた。粒子成長工程におけるアンモニア濃度は、0.0008mol/Lとなる。
約1時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水50gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、実施例1と同様の手法により、粒子の分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が2.15μm、CV値が1.98%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して実施例5の複合粒子を得た。実施例5の複合粒子の荷重追従持性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例6>
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS240gとイオン交換水24gを1Lプラスチック容器に収容し、30℃、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた、
水1200gと1規定アンモニア水12gを2Lガラス容器に収容し、20℃、80rmpで撹拌しつつ、前述の均一溶液を全量加えて原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、均一溶液を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例6におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約14.8μmであった。
(粒子成長工程)
本実施例においては、粒子成長工程を3回繰り返して、粒径の大きな固化粒子を得る。
・初回
水936g、MTMS192g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液24gを2L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液500g加え、25℃、50rpmで撹拌した。このとき、アンモニア濃度は0.0025mol/Lとなる。シード粒子が成長して、35分後には、23.7μmの粒径の粒子が確認された。
・2回目以降
初回と同様の操作を、さらに2回行なった。なお、2回目におけるアンモニア濃度は、0.00075mol/Lであり、2回目終了時に得られた粒径は36.4μmであった。最終合成工程である3回目におけるアンモニア濃度は、0.00047mol/Lであった。
その後、実施例1と同様の熟成、分離、洗浄、乾燥を行なって、乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が53.84μm、CV値が2.04%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して実施例6の複合粒子を得た。実施例6の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例7>
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS240gとイオン交換水16gを1Lプラスチック容器に収容し、30℃、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。
水1200gと1規定アンモニア水12gを2Lガラス容器に収容し、20℃、80rpmで撹拌しつつ、前述の均一溶液を全量加えて原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、均一溶液を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例7におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約10.0μmであった。
(粒子成長工程)
本実施例においては、粒子成長工程を4回繰り返して、粒径の大きな固化粒子を得る。
・初回
水936g、MTMS192g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液24gを2L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液400gを加え、25℃、50rpmで撹拌した。このとき、アンモニア濃度は0.0021mol/Lとなる。シード粒子が成長し、40分後には、粒径15.8μmの粒径の粒子が確認された。
・追加(2回目、3回目、4回目)
初回と同様の操作を、さらに3回行なった。2回目においては、アンモニア濃度は0.00050mol/Lであり、終了時の粒径は27.7μmであった。3回目においては、アンモニア濃度は0.00037mol/Lであり、終了時の粒径は49.5μmであった。最終合成工程である4回目では、アンモニア濃度は0.00016mol/Lであった。
その後、実施例1と同様の熟成、分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が106.0μm、CV値が1.15%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して実施例7の複合粒子を得た。実施例7の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例8>
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS240gとイオン交換水16gを1Lプラスチック容器に収容し、33℃、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。
水1200gと1規定アンモニア水12gを2Lガラス容器に収容し、20℃、80rpmで撹拌しつつ、前述の均一溶液を全量加えて原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。原料溶液は、均一溶液を加えてから数十秒で白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例8におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約13.5μmであった。
(粒子成長工程)
本実施例においては、粒子成長工程を5回繰り返して、粒径の大きな固化粒子を得る。
・初回
水936g、MTMS192g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液24gを2L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液400gを加え、25℃、50rpmで撹拌した。このとき、アンモニア濃度は0.0021mol/Lとなる。シード粒子が成長し、40分後には、粒径23.2μmの粒子が確認された。
・追加(2回目、3回目、4回目、5回目)
初回と同様の操作を、さらに4回行なった。なお、2回目においては、アンモニア濃度は0.00050mol/Lであり、終了時の粒径は38.6μmであった。3回目においては、アンモニア濃度は0.00037mol/Lであり、終了時の粒径は56.9μmであった。4回目においては、アンモニア濃度は0.00035mol/Lであり、終了時の粒径は77.7μmであった。最終合成工程である5回目においては、アンモニア濃度は、0.00015mol/Lであった。
その後、実施例1と同様の熟成、分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が156.3μm、CV値が1.79%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して実施例8の複合粒子を得た。実施例8の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<実施例9>
実施例4で得られた複合粒子を母粒子として用い、以下の手順で表面に導電層を設けて導電性粒子を作製した。
まず、所定量の複合粒子の表面に金属核を形成した。金属核の形成にあたっては、複合粒子10gを、イソプロピルアルコールとメタノールとの混合溶媒130mLに浸漬し、塩化金酸(HAuCl・4HO) 0.2gと3−アミノプロピルトリメトキシシラン2.6mlを加え、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(NaBH) 0.084gで還元した。
表面に金属核が形成された粒子10gを水475mLに分散させ、ポリビニルピロリドン28g、硝酸銀28.65g、および25質量%アンモニア水溶液375mLを加えた。3.57mol/Lホルマリン水溶液250mLを加えて液中の銀イオンを還元することにより、複合粒子の表面に銀被膜を形成した。こうして、導電層としての銀被膜を有する本実施例の複合粒子が得られた。銀被膜の金属厚みは0.14μmであった。
実施例9の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表2にまとめる。
<実施例10>
実施例4で得られた複合粒子を母粒子として用い、以下の手順で表面に固着樹脂層を設けて固着粒子を作製した。
(シランカップリング剤表面処理)
実施例4で得られた複合粒子100gに、メタノール1200gと25質量%アンモニア水500gを加えて、粒子分散液を調製した。得られた粒子分散液を、30℃にて100rpmで攪拌しつつ、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン40gを5g/minで滴下した。粒子分散液は、70℃にて3時間撹拌した。
撹拌後の粒子は、遠心分離機により液体から分離し、メタノールに分散してデカンテーションを行なった。この操作を数回繰り返した後、メタノールを除去して粒子を風乾した。風乾後の粒子は、150℃に加熱して乾燥させて、シランカップリング剤で表面処理された複合粒子が得られた。
(固着層被覆)
表面処理後の複合粒子50gを、メタノール1000gとエチレングリコール2500gとの混合液に分散させた。得られた粒子分散液を、30℃にて100rpmで攪拌しつつ、ポリビニルピロリドン(PVP)150gを添加した。添加から30分後、PVPが十分に溶解していることを確認し、スチレン120g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル25g、およびメルカプト酢酸3gを加えた。混合物は、65℃にて60rpmで8時間撹拌した。
粒子は、遠心分離機により液体から分離した後、水に分散してデカンテーションを行なった。この操作を数回繰り返した後、粒子の水分散液を液体窒素により凍結させ、凍結乾燥機を用いて乾燥させた。こうして、表面に固着層としてのポリスチレン(PSt)層が形成された実施例10の複合粒子が得られた。
実施例10の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表2にまとめる。
<実施例11>
実施例10とは異なる複合粒子を母粒子として用い、実施例10と同様の手順で表面に固着樹脂層を設けて固着粒子を作製した。
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS500gとイオン交換水5000gを6Lガラス容器に収容し、約100rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。均一溶液に1規定アンモニア水50gを加えて、原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。
原料溶液は、アンモニア水を加えてから数十秒後に白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
実施例11におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約1.8μmであった。
(粒子成長工程)
水33000g、MTMS4950g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液16.5gを50L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液5500gを加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ、約20rpmで撹拌した。これによってシード粒子が成長して、成長粒子が得られた。粒子成長工程におけるアンモニア濃度は、0.0011mol/Lとなる。
約3時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水500gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、デカンテーションにより固液分離し、メタノールで3回洗浄した。次いで、2日間かけて自然乾燥し、さらに150℃で加熱して乾燥させた。乾燥した固化粒子は、平均粒径が3.65μm、CV値が2.56%であった。
(焼成工程)
乾燥させた固化粒子を、傾斜型ロータリーキルン((株)長門電気工作所製)で撹拌しつつ大気雰囲気下300℃で5時間焼成して、実施例11に用いる複合粒子を得た。
(シランカップリング剤表面処理)
得られた複合粒子100gに、実施例10と同様の手法によりシランカップリング剤で表面処理を施した。
(固着層被覆)
表面処理後の複合粒子50gを、メタノール1000gとエチレングリコール2500gとの混合液に分散させた。スチレン120gをメタクリル酸エチル120gに変更した以外は実施例10と同様の処理を施した。こうして、表面に固着層としてのポリメタクリル酸エチル(PEMA)層が形成された実施例11の複合粒子が得られた。
実施例11の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表2にまとめる。
<実施例12>
(シード粒子形成工程)
原料としてのビニルトリメトキシシラン(以下、VTMSと略記する)300gとイオン交換水1500gを2Lガラス容器に収容し、約200rpmで撹拌した。1時間後、均一な溶液が得られた。均一溶液に1規定アンモニア水0.5gを加えて、原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。
原料溶液は、アンモニア水を加えてから17分後に白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから60分で停止した。成長停止時間は60分である。
実施例12におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち30分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、30分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約6.5μmであった。
(粒子成長工程)
水1350g、VTMS500g、および1%ドデシル硫酸アンモニウム水溶液150gを5L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液に、1050gのシート粒子液と1規定アンモニア水0.1gと加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ約80rpmで撹拌した。シード粒子が成長して、成長粒子が得られた。粒子成長工程でのアンモニア濃度は、0.00013mol/Lとなる。
約3時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水10gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、デカンテーションにより固液分離し、メタノールで3回洗浄した。次いで、2日間かけて自然乾燥し、さらに80℃加熱して乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が11.12μm、CV値が1.85%であった。
(焼成工程)
乾燥した固化粒子を、前述と同様のロータリーキルンで撹拌しつつ、窒素雰囲気下200℃で6時間焼成して、実施例12の複合粒子を得た。
実施例12の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに下記表1にまとめる。
<実施例13>
シード粒子形成工程での粒子の合成時間を成長停止時間の80%に設定した以外は、実施例1と同様の手法により実施例13の複合粒子を得た。
実施例13の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表1にまとめる。
<比較例1>
焼成工程において、マッフル炉(光洋サーモシステム(株)製、KBF728N)を用い、空気中360℃で6時間焼成した以外は実施例1と同様の手法により、比較例1の複合粒子を得た。
比較例1の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表3にまとめる。図9には、1回目の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線を示し、図10には、10回の負荷−除荷サイクルの際の応力歪み曲線を示す。
比較例1の複合粒子は、除荷時の粒径の変化が負荷時より遅く、荷重追従性が劣ることが図9に示されている。また、比較例1の複合粒子は、図10に示すように、負荷−除荷サイクルを繰り返すことによって、負荷荷重時の変位量が増大していることから、塑性変形しやすいことがわかる。
<比較例2>
従来の二層法により、比較例2の複合粒子を作製する。
イオン交換水1600gと25質量%アンモニア水1gを2Lガラス容器に収容し、約20rpmで撹拌した。ここに、MTMS160gを徐々に加え、アンモニアを含む水相の上にMTMS相を形成させた。本合成におけるアンモニアは、0.008mol/Lとなる。
約5時間経過後、MTMS相が消失して均一となった。ここに、25質量%アンモニア水10gを加えて粒子を熟成させた。次いで、実施例1と同様の手法により、粒子の分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が4.58μm、CV値が1.83%であった。
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して比較例2の複合粒子を得た。比較例2の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表3にまとめる。
<比較例3>
従来の均一法により、比較例3の複合粒子を作製する。
MTMS360gとイオン交換水48gを1Lプラスチック容器に収容し、約200rpmで撹拌した。3時間経過後、均一なMTMS水溶液が得られた。
水1800gと1規定アンモニア水18gとを2Lガラス容器に収容し、MTMS水溶液を全量加えた。得られた混合物中におけるアンモニア濃度は、0.008mol/Lとなる。
約1時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水10gを添加して粒子を熟成させた。次いで、実施例1と同様の手法により、粒子の分離、洗浄、乾燥を行なって乾燥した固化粒子を得た。乾燥した固化粒子は、平均粒径が6.05μm、CV値が1.47%であった。
乾燥した固化粒子を、実施例1と同様の条件で焼成して比較例3の複合粒子を得た。比較例3の複合粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表3にまとめる。
<比較例4>
シリカ粒子を母粒子として、表面に固着層を形成する。
(シード粒子形成工程)
原料としてのMTMS180gとイオン交換水1800g、およびドデシル硫酸ナトリウム0.1gを2Lガラス容器に収容し、約200rpmで撹拌した。3時間後、均一な溶液が得られた。均一溶液に1規定アンモニア水18gを加えて、原料溶液を調製した。この原料溶液を用いてシード粒子を成長させて、成長停止時間を求めた。
原料溶液は、アンモニア水を加えてから数十秒後に白濁し、液中に粒子の核が発生した。シード粒子の粒径成長は、原料溶液が白濁してから20分で停止した。成長停止時間は20分である。
比較例4におけるシード粒子形成工程での粒子の合成時間は、成長停止時間の50%、すなわち10分に設定する。
前述と同様の原料溶液を用いて、10分間合成を行なってシード粒子を形成し、シード粒子液が得られた。光学顕微鏡画像から求めたシード粒子の粒径は、約2.78μmであった。
(粒子成長工程)
水18000gおよびMTMS2700gを20L反応容器内で撹拌して、粒子成長用溶液を調製した。粒子成長用溶液にシード粒子液全量を加え、光学顕微鏡で粒径を随時確認しつつ、約80rpmで撹拌した。これによってシード粒子が成長して、成長粒子が得られた。粒子成長工程におけるアンモニア濃度は、0.0008mol/Lとなる。
約1時間経過後、粒径の成長が停止した。ここで、25質量%アンモニア水50gを添加して粒子を熟成させた。粒子は固化して、固化粒子が得られた。その後、デカンテーションにより固液分離し、メタノールで3回洗浄した。次いで、2日間かけて自然乾燥し、さらに110℃で加熱して乾燥させた。乾燥した固化粒子は、平均粒径が6.10μm、CV値が1.41%であった。
(焼成工程)
乾燥させた固化粒子を、傾斜型ロータリーキルン((株)長門電気工作所製)で撹拌しつつ空気中460℃で13時間焼成した。13時間の焼成を行っているので、固化粒子の原料中のSi−C結合は維持されない。こうして、比較例4に用いるシリカ粒子が得られた。
(シランカップリング剤表面処理)
得られたシリカ粒子に、実施例10と同様の手法によりシランカップリング剤で表面処理を施した。
(固着層被覆)
実施例10と同様に固着層被覆を行い、表面に固着層としてのポリスチレン(PSt)層が形成された比較例4のシリカ粒子が得られた。
比較例4のシリカ粒子の荷重追従性{(D−D)/D)}×100、および塑性変形性{(D(10)−D(1))/Z}×100を、その他の物性値とともに、下記表2にまとめる。
Figure 2019073599
Figure 2019073599
Figure 2019073599
上記表1に示すように、実施例1〜8,12,13の複合粒子は、所定の荷重を印加して負荷除荷を繰り返した際、{(D−D)/D)}×100<10%、かつ{(D(10)−D(1))/Z}×100<1%という条件を備えている。これらの複合粒子は、荷重に対して迅速に追従して変形できる。しかも、これらの複合粒子は、塑性変形性が小さいので大きな弾性を有している。
実施例1〜8,12,13では、成長停止時間の40〜80%に制限された合成時間でシード粒子を形成し、このシード粒子を成長させたことによって、成長粒子中に有機基部による会合体が形成された。いずれの場合も、粒子成長工程における最終触媒濃度は比較的小さく、0.0008mol/L以下である。しかも、実施例1〜8,12,13では、Si−C結合が維持される条件で焼成されたので、十分な弾性を確保することができた。
上記表2に示すように、実施例4の複合粒子を母粒子として機能層を設けた場合(実施例9、10,11)も、{(D−D)/D)}×100<10%、かつ{(D(10)−D(1))/Z}×100<1%という条件を備えている。導電層を設けた実施例9の複合粒子は適切な導電性を有し、固着層を設けた実施例10,11の複合粒子は、優れた固着性を有することが示されている。
上記表3に示すように、比較例1〜3の複合粒子は、所定の荷重を印加して負荷除荷を繰り返した際、{(D−D)/D)}×100<10%、かつ{(D(10)−D(1))/Z}×100<1%という条件を備えていない。比較例1の複合粒子は、空気中360℃で焼成したことにより原料(MTMS)中の有機基が過剰に失われて荷重追従性が損なわれ、塑性変形性が増大したものと推測される。
比較例2の複合粒子は従来の二層法により製造し、比較例3の複合粒子は従来の均一法により製造した。比較例2,3においては、シード粒子の合成時間は、成長停止時間とは無関係に設定された。しかも、粒子成長工程における最終触媒量が0.008mol/Lと多い。このため、比較例2,3では、シード粒子の成長が完結して、シード粒子中に緻密なSi−O骨格が形成されたものと推測される。この場合には、Si−C結合を維持できる条件(窒素雰囲気中、640℃)で焼成しても、実施例の複合粒子のようなSi−O骨格が疎で弾性の大きな粒子とすることはできず、塑性変形性が増大したものと推測される。
固着層を設けた比較例4のシリカ粒子は、焼成時間が13時間と長いため、原料中の有機基が失われて母粒子が硬く弾性を有さない。このような固着粒子は、固着層(樹脂層)の塑性変形性による影響を受け、粒子全体としての塑性変形性が増大したものと推測される。
本実施形態の複合粒子は、上下基板間の隙間(ギャップ)を一定の距離に保持するための任意の用途に適用することができる。例えば、高分子分散型液晶や3Dシャッター等を含む液晶表示素子、有機ELやLED等の半導体素子、接着剤、異方性導電膜、および圧力センサ等のギャップ保持材として広く用いることができる。
本実施形態の複合粒子は、タッチパネル、ポータブル、フレキシブル、およびウェアラブル(時計等)といった、中長期的に荷重が加わる環境下で使用する部材において、特に効果を発揮する。

Claims (5)

  1. シロキサン結合を有する化合物からなる粒径Zの有機無機複合粒子であって、
    荷重Fで負荷して変位量Dとし、その後、変位量Dが0.08Z≦D≦0.15Zとなる荷重F(F>F)で負荷して2秒間保持した後、荷重Fまで除荷するサイクルを10回繰り返した際、前記粒径Zの変位量が下記式(1)および(2)の条件を満たすことを特徴とする有機無機複合粒子。
    {(D−D)/D)}×100<10% 式(1)
    {(D(10)−D(1))/Z}×100<1% 式(2)
    (ここで、DおよびDは、それぞれ1サイクル目での荷重F(F<F<F)における負荷時および除荷時の(Z−D)を基準とした変位量であり、D(10)は(Z−D)を基準とした10サイクル目の荷重F時の変位量であり、D(1)は(Z−D)を基準とした1サイクル目の荷重F時の変位量である。)
  2. 10%圧縮弾性率が2〜20GPaであることを特徴とする請求項1記載の有機無機複合粒子。
  3. 前記粒径Zが0.5〜200μmであり、粒度分布の変動係数CV値が5%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の有機無機複合粒子。
  4. 表面が導電層により被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機無機複合粒子。
  5. 表面が固着層により被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機無機複合粒子。
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