JP2019073060A - 鉄道車両用台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、踏面削正後の車体の高さ調整作業を容易に行うことができる鉄道車両用台車を提供する。【解決手段】軸ばね装置19は、台車枠12に取り付けられる上側部材20と、軸箱18の前後に延出する腕部18aに取り付けられる下側部材21と、上側部材と下側部材との間に介装されるコイルばね22とから構成され、下側部材の下部を腕部に設けた支持孔18bに内嵌するとともに、あらかじめ設定された車輪の削正深さの最大値より、下側部材の支持孔への内嵌深さを大きくした。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄道車両用台車に関し、詳しくは、台車枠と軸箱との間に介装されて、走行時に軌道から台車枠に伝わる振動を吸収する軸ばねを備えた鉄道車両用台車に関する。
鉄道車両用台車は、一般に、輪軸を転動可能に保持した軸箱と台車枠との間に軸ばねを介装するとともに、台車枠と車体との間に空気ばねを介装して車体を弾性的に支持することにより、走行時に軌道から車体に伝わる振動を吸収して乗り心地を向上させている。このような、車体を安定支持して走行可能にする台車を備えた鉄道車両は、踏面の削正によって車輪の直径が小さくなると車体高が下がるので、台車と空気ばねとの間に隙間を設け、該隙間にスペーサを挿入して車体の高さを調整している。このため、台車と空気ばねとの間に設置したシリンダ装置で車体と共に空気ばねを押し上げ、台車と空気ばねとの間にスペーサ挿入用隙間を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、車体高さの調整後には、同一車軸の車輪間に生じた輪重差を一定内にするための輪重調整が行われている。輪重調整では、軸ばねが負担する荷重を変化させることによって輪重が調整される。具体的には、軸箱と軸ばねとの間に設置したシリンダ装置で台車枠と共に軸ばねを押し上げ、軸箱と軸ばねとの間に形成された隙間にスペーサを挿入、もしくは既に挿入されているスペーサを抜き取り、軸ばねの伸縮量を変化させることによって輪重の調整が行われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2009−18758号公報 特開2014−37191号公報
しかしながら、特許文献1に記載された高さ調整方法では、空気ばね下面と台車上面との間の狭隘部にシリンダ装置を配置するので、専用の特殊な機器や治具を用意する必要があるだけでなく、スペーサの挿入作業にかなりの手間と時間を要していた。また、特許文献2に記載された輪重調整方法では、軸箱上面と軸ばね下面との間の狭隘部にシリンダ装置を配置するので、高さ調整方法と同様に、別途に専用の治具を用意する必要があった。このように、異なる部位でそれぞれの調整作業を進める必要があるため、多大な手間と時間を要していた。
そこで本発明は、簡単な構造で、踏面削正後の車体の高さ調整作業を容易に行うことができる鉄道車両用台車を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の第1の鉄道車両用台車は、車体を支持する台車枠と、車軸と一対の車輪とからなる輪軸と、該輪軸を転動可能に保持する軸箱と、前記台車枠と前記軸箱とを接続する軸ばね装置とを備える鉄道車両用台車において、前記軸ばね装置は、前記台車枠に取り付けられる上側部材と、前記軸箱の前後に延出する腕部に取り付けられる下側部材と、前記上側部材と前記下側部材との間に介装される弾性部材とから構成され、前記下側部材の下部を前記腕部に設けた支持孔に内嵌するとともに、あらかじめ設定された前記車輪の削正深さの最大値より、前記下側部材の前記支持孔への内嵌深さを大きくしたことを特徴としている。
また、本発明の第2の鉄道車両用台車は、車体を支持する台車枠と、車軸と一対の車輪とからなる輪軸と、該輪軸を転動可能に保持する軸箱と、前記台車枠と前記軸箱とを接続する軸ばね装置とを備える鉄道車両用台車において、前記軸ばね装置は、前記台車枠に取り付けられる上側部材と、前記軸箱の上面に取り付けられる下側部材と、前記上側部材と前記下側部材との間に介装される弾性部材とから構成され、前記軸箱の上面に突設した支持突起を、前記下側部材の下面に設けた支持孔に内嵌するとともに、あらかじめ設定された前記車輪の削正深さの最大値より、前記支持突起の前記支持孔への内嵌深さを大きくしたことを特徴としている。
さらに、前記軸箱の側面に、水平方向に延出する梁部が設けられ、前記台車枠に前記梁部の先端部が連結される連結腕を設けるとともに、該連結腕に前記梁部を水平に保持した状態で連結させるための位置調節部が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、第1の構成では、あらかじめ設定された車輪の削正深さの最大値より、下側部材の支持孔への内嵌深さを大きくしたので、下側部材の下部外周に高さ調整用のスペーサを挿入できる隙間を確保しつつ、下側部材の下端部が支持孔から抜け出ることを防止できる。この結果、軸ばね装置の取付部で車体の高さ調整と輪重調整とを一体で行うことができるので、従来の高さ調整方法では必要であった、空気ばね下面と台車上面との間の狭隘部にシリンダ装置を配置する面倒な作業を省略することが可能となり、大幅な作業効率化を図ることができる。
また、第2の構成では、あらかじめ設定された車輪の削正深さの最大値より、支持突起の支持孔への内嵌深さを大きくしたので、下側部材の下面と軸箱の上面との間にスペーサを挿入する隙間を確保しつつ、支持突起が支持孔から抜け出ることを防止できる。従って、軸ばね装置の取付部で高さ調整と輪重調整とを一体で行うことが可能となり、大幅な作業効率化を図ることができる。
さらに、連結腕に梁部を水平に保持した状態で連結させるための位置調節部が設けられているので、高さ調整によって台車枠と軸箱との相対位置が上下方向に変化した状態となっても、梁部が過度に傾斜することはなく、車体支持機能に悪影響を及ぼすことを防止できる。
本発明の鉄道車両用台車の第1形態例を示す側面図である。 同じく軸箱支持装置の要部断面図である。 同じくスペーサの平面図及びスペーサの挿入方法を示す説明図である。 同じくスペーサを挿入するための隙間を形成した状態を示す説明図である。 同じくスペーサを挿入した状態を示す説明図である。 同じく第1形態例の第1の変形例を示す鉄道車両用台車における軸箱支持装置のスペーサを挿入するための隙間を形成した状態を示す説明図である。 同じく第1形態例の第2の変形例を示す鉄道車両用台車における他の軸箱支持装置のスペーサを挿入するための隙間を形成した状態を示す説明図である。 本発明の第2形態例を示す鉄道車両用台車における軸箱支持装置の要部断面図である。 同じくスペーサを挿入した状態を示す説明図である。 同じく第2形態例の第1の変形例を示す鉄道車両用台車における軸箱支持装置のスペーサを挿入した状態を示す説明図である。 同じく第2形態例の第2の変形例を示す鉄道車両用台車における他の軸箱支持装置のスペーサを挿入した状態を示す説明図である。
まず、図1乃至図5は、本発明の鉄道車両用台車の第1形態例を示すもので、本形態例に示す鉄道車両の台車11は、図1に示すように、いわゆるボルスタレス式を採用した構造であり、台車枠12と車体13との間に空気ばね14を介装して車体13を弾性的に支持することにより、走行時に軌道15から車体13に伝わる振動を吸収して乗り心地を向上させるものである。
台車枠12の前後には、それぞれ軸箱支持装置16を介して保持された前後一対の輪軸17を備えている。軸箱支持装置16は、いわゆるウイング式であり、輪軸17の車輪17aを台車枠12の車体内方側に収容した状態で、車軸17bの両端部をそれぞれ転動可能に保持する軸箱18が設けられるとともに、台車枠12と軸箱18の前後両方向に延出する腕部18aとの間に一対の軸ばね装置19がそれぞれ介装されている。
軸ばね装置19は、図2に示すように、台車枠12の下面に取り付けられた上側部材20と腕部18aに取り付けられた下側部材21と、上側部材20と下側部材21との間に介装された金属製の弾性部材からなるコイルばね22及びコイルばね22と同軸に内包された円筒ゴムばね23を主要構成部品とするものである。
上側部材20は、金属製の円柱部材からなり、上端部に周状に張り出したフランジ部20aが形成されるとともに、軸方向の中間部に段付き部20bが形成されている。また、上側部材20は、段付き部20bから下方に向かって支軸20cが突設され、フランジ部20aの上面中央部に突設した支持突起(図示せず)が台車枠12の下面に形成された支持孔(図示せず)に内嵌されている。このように形成された上側部材20は、フランジ部20aの下面に下方からコイルばね22の上端が当接することにより、ばね受け部材24を台車枠12の下面に押し付けた状態で支持されている。
下側部材21は、上部が開口した金属製の有底筒状部材からなり、下部が腕部18aを上下方向に貫通する支持孔18bに内嵌された状態で、支軸20cが下側部材21の内周に挿入されている。また、下側部材21の外周面には、周状に張り出したフランジ部21aが形成されている。このように形成された下側部材21は、フランジ部21aの上面がコイルばね22の下端に当接され、フランジ部21aの下面が腕部18aの上面に係止されることにより、支持孔18bから抜け落ちないように保持されている。
さらに、フランジ部21aは、下側部材21の支持孔18bへの内嵌深さが、あらかじめ設定された車輪17aの削正深さの最大値よりも大きくなるように、下側部材21の下端から上方に離間させた位置に設けられており、車体の高さを調整するために台車枠12を軸ばね装置19と共に腕部18aから離間させたときに、下側部材21の下端部が支持孔18bから抜け出ることを防止できる内嵌深さを確保している。
ここで、上述の削正深さとは、車輪17aの削正前後における半径寸法差であり、削正深さの最大値とは、走行時の安全性を確保できる車輪17aの外径を考慮して、あらかじめ設定されている最大の切削しろ(切り込み量)である。例えば、新品車輪径860mmの車輪17aを定期的な削正を繰り返すことによって780mmまで使用された後に交換される場合では、削正深さの最大値は40mmとなる。従って、高さ調整と輪重調整とを一体で行うためには、下側部材21の支持孔18bへの内嵌深さが40mm以上確保されていることが望ましい。
円筒ゴムばね23は、円筒形状のゴム部材23aを金属製の内周管23bと外周管23cとによって挟み込むようにして一体的に形成されたものである。また、円筒ゴムばね23は、支軸20cを内周管23bに嵌入するとともに、内周管23bの上端を段付き部20bに当接させた状態で、支軸20cの下端面にボルト25で締結された円板形状の係止部材26によって上下方向のガタを生じないように保持されている。さらに、支軸20cが円筒ゴムばね23と共に下側部材21の内周に挿入された状態において、外周管23cが下側部材21に圧入嵌合されたブッシュ27の内周面に上下方向に摺接可能となっている。
このように構成された軸ばね装置19は、コイルばね22が、台車枠12と軸箱18との間の上下方向の荷重を受け、円筒ゴムばね23が、台車枠12と軸箱18との間の水平方向の荷重を受ける。また、コイルばね22及び円筒ゴムばね23は、台車枠12の荷重変動の状況に応じて同時に作用する。
このような軸箱支持装置16を備えた鉄道車両の台車11は、同一車軸の車輪間に生じる輪重差を一定内にするための輪重調整が行われており、その調整方法は、スペーサ28をフランジ部21aの下面と腕部18aの上面との間に挿入、もしくは既に挿入されているスペーサ28をフランジ部21aの下面と腕部18aの上面との間から抜き取ることによって調整される。
スペーサ28は、図3(A)及び(B)に示すように、C字状に形成された所定の厚さの鋼板であり、下側部材21のフランジ部21aと同じ外径に形成されている。また、開口部28aと反対側の周縁に突部28bが形成され、開口部28aに下側部材21を通過させて腕部18aの上面に載置されるとともに、腕部18aの先端部から上方に突設した左右一対の係止片18cの間に、突部28bが嵌め込まれることによって脱落しないように保持されている。なお、後述する車体の高さ調整を行う際には、複数のスペーサ28を積み重ねて厚さを調節することができ、係止片18cの高さも、スペーサ28の厚さに対応させて高く形成されている(図2)。
このような軸箱支持装置16を備えた鉄道車両の台車11は、踏面の削正によって車輪17aの直径が小さくなり、車体13の高さが所定量(例えば10〜20mm)低下すると、車両メンテナンスの際に車体の高さ調整及び輪重調整が行われる。
ここで、図4及び図5を参照しながら、車体の高さ調整を行う手順を説明する。まず、車両をピットなどの保守位置に移動させて、図4に示すように、油圧シリンダ装置等の押し上げ手段29を下側部材21の真下に配置させた状態で、油圧装置(図示せず)を操作し、ピストンロッド29aを伸長させることによって下側部材21の下面を直接押し上げる。この結果、フランジ部21aの下面が既存のスペーサ28の上面から離間し、下側部材21の下部外周に追加のスペーサ28を挿入するための隙間30が形成される。
続いて、既存のスペーサ28の上面に、複数のスペーサ28を積み重ねて厚さを調節するとともに、適宜に押し上げ手段29を伸縮作動させ、スペーサ28の抜き差しを行うことによって厚さを微調整し、車体の高さ調整と輪重調整とが一体で行われる。最後に、ピストンロッド29aを全縮小させて押し上げ手段29を台車11の下部から取り除くことにより、図5に示すように、軸ばね装置19が嵩上げされた状態で、車体の高さ調整及び輪重調整が完了する。
このように、あらかじめ設定された車輪17aの削正深さの最大値より、下側部材21の支持孔18bへの内嵌深さを大きくしたので、下側部材21の下部外周、すなわち、フランジ部21aの下面と腕部18aの上面との間に、高さ調整を行うためのスペーサ28を挿入できる隙間30を確保しつつ、下側部材21の下端部が支持孔18bから抜け出ることを防止できる。従って、軸ばね装置19の取付部で車体の高さ調整と輪重調整とを一体で行うことができるので、従来の高さ調整方法では必要であった、空気ばね14下面と台車11上面との間の狭隘部にシリンダ装置を配置する面倒な作業を省略することが可能となり、大幅な作業効率化を図ることができる。
また、下側部材21が支持孔18bから抜け落ちないように、フランジ部21aで保持されているので、押し上げ手段29を下側部材21の真下に配置して押し上げることが容易となり、簡単な構造でスペーサ28の挿入を迅速に行うことができる。
図6及び図7は、前述の第1形態例における変形例をそれぞれ示している。図6に示す第1の変形例は、軸ばね装置19に備えられるコイルばね22の内側に、複数のゴム板と金属板とを重ね合わせて形成した積層ばね部31を有し、上側部材20の支軸20cと、支持孔18bに嵌入された下側部材21とによって挟み込まれるようにして保持されたものである。また、下側部材21の下部が上部よりも小径に形成されるとともに、下端が開口されている。また、下側部材21の下部が支持孔18bに内嵌された状態において、下側部材21の外周面から周状に張り出したフランジ部21aにより、下側部材21が支持孔18bから抜け落ちないように保持されている。このように軸ばね装置19を構成することにより、下側部材21の下部と同径の当接部材29bを介して、下側部材21を押し上げ手段29で押し上げることにより、下側部材21の下部外周に、スペーサ28を挿入可能な隙間30を形成することができる。
図7に示す第2の変形例は、軸ばね装置32に備えられるセンターロッド33の上部に、複数のゴム板と金属板とが径方向に交互に積層され、最外部のゴム板がケーシング34に接着されて一体的に形成されたものである。また、センターロッド33の下部が支持孔18bに内嵌された状態において、センターロッド33の外周面から周状に張り出したフランジ部33aにより、センターロッド33が支持孔18bから抜け落ちないように保持されている。このように軸ばね装置32を構成することにより、ピストンロッド29aをセンターロッド33の下端に当接させてセンターロッド33を直接に押し上げることにより、センターロッド33の下部外周に、スペーサ28を挿入可能な隙間30を形成することができる。
図8及び図9は、鉄道車両用台車の第2形態例を示している。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示した鉄道車両用台車の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本形態例に示す鉄道車両用台車に備えられる軸箱支持装置41は、いわゆる軸はり式であり、台車枠42の前後に、車軸17bの両端部をそれぞれ転動可能に保持する軸箱43が設けられるとともに、軸箱43の前後方向における台車中心側の側面には、軸はり43aが軸箱43と一体的に形成されている。また、軸箱43と台車枠42との間に軸ばね装置44が介装されている。
軸ばね装置44は、台車枠42の先端部に設けたばね帽42aに収容された金属製のコイルばね45を主要構成部品とするものである。コイルばね45は、ばね帽42aの天板に取り付けられた上側部材46と、軸箱43の上面に取り付けられた下側部材47との間に介装されることにより、台車枠42と軸箱43との間の上下方向の荷重を受ける。
上側部材46は、円筒部材からなり、上部がばね帽42aの天板に形成された挿通孔42bに内側から内嵌され、外周面から周状に張り出したフランジ部46aに下方からコイルばね45の上端が当接することにより、ばね帽42aの天板に押し付けられた状態で支持されている。
下側部材47は、金属製で上部が小径となる円錐台状のブロック体からなり、下面に支持孔47aが設けられるとともに、上部に下側部材47を軸箱43から離間させるための引き上げ手段(図示せず)を螺合させる雌ねじ孔47bが設けられている。また、下側部材47の下端部外周面から周状に張り出したフランジ部47cにコイルばね45の下端が当接されている。
軸箱43の中央上面側には、支持孔47aに内嵌される金属製で円柱形状の支持突起43bが突設されている。また、支持突起43bは、支持孔47aへの内嵌深さが、あらかじめ設定された車輪17aの削正深さの最大値よりも大きくなる長さに形成されており、車体の高さを調整するために下側部材47の下面を軸箱43の上面から離間させたうえで、支持突起43bの上端部が支持孔47aから抜け出ることを防止できる内嵌深さを確保している。
軸はり43aは、軸箱43の前後方向における台車中心側の側面から台車枠42に設けられた連結腕42cに向かって水平方向に延出するとともに、先端部に内周面が円筒形状で車幅方向両側が開口する筒状部43c有している。また、筒状部43cの内部空間には、ゴム製のブッシュ48を介して心棒49が挿通されるとともに、心棒49の両端部に形成された断面四角形状の突起部49aが、連結腕42cに形成された下方が開口した嵌入溝42dに嵌入され、金属製の環状体からなる複数のスペーサ50と共にボルト51で連結腕42cに締結されている。
嵌入溝42dは、支持突起43bの支持孔47aへの内嵌深さに対応させた深さに形成されており、後述する軸はり43aの傾斜調整を行う際に、嵌入溝42d内を下方に移動させた突起部49aが嵌入溝42dの開口部から抜け出ることを防止できる内嵌深さを確保している。
ここで、車体の高さ調整を行う手順を説明する。まず、車両をピットなどの保守位置に移動させて、台車枠42をリフターなどの昇降機能を備えた台車保持装置(図示せず)で保持する。次に、前記特許文献2に示す方法や、従来のように上側部材46の開口部からボルト(図示せず)を雌ねじ孔47bにねじ込むなどの引き上げ手段を使用して下側部材47の下面を軸箱43の上面から離間させることにより、コイルばね45が上下方向に圧縮される。これにより、図9に示すように、下側部材47の下面と軸箱43の上面との間に形成された隙間52に、複数のスペーサ53を積み重ねて挿入することができる。
スペーサ53は、所定の厚さの円形鋼板であり、フランジ部47cの外径と同様な外径に形成されるとともに、中心から周縁方向に延びた切欠き部53aに支持突起43bを通過させて軸箱43の上面に載置される。また、適宜にスペーサ53の抜き差しを行うことによって厚さを微調整し、車体の高さ調整と輪重調整とが一体で行われる。最後に、引き上げ手段を取り除くとともに、台車保持装置による台車枠42の保持を解除することによって高さ調整が完了する。このように、あらかじめ設定された車輪17aの削正深さの最大値より、支持突起43bの支持孔47aへの内嵌深さを大きくしたので、下側部材47の下面と軸箱43の上面との間に、高さ調整を行うためのスペーサ53を挿入する隙間を確保しつつ、支持突起43bが支持孔47aから抜け出ることを防止できる。従って、軸ばね装置44の取付部で高さ調整と輪重調整とを一体で行うことができるので、従来の高さ調整方法では必要であった、空気ばね14下面と台車11上面との間の狭隘部にシリンダ装置を配置する面倒な作業を省略することが可能となり、大幅な作業効率化を図ることができる。
なお、スペーサ53を挿入した後に下側部材47の引き上げを解除させると、コイルばね45によって台車枠42が押し上げられるとともに、軸はり43aが心棒49の中心軸線回りに下方に揺動して傾斜した状態になり、ブッシュ48にこじり荷重が負荷される状態になる。この状態を持続させた場合にはブッシュ48の寿命や性能に影響を与えるため、高さ調整を行う際には、軸はり43aを水平に保持させ、ブッシュ48に負荷されるこじり荷重を除去させる必要があるので、軸はり43aの傾斜調整が行われる。
軸はり43aの傾斜調整方法は、心棒49を既存の高さ位置から下方に移動させることによって行われるもので、まず、ボルト51を抜き取り、突起部49a下面のスペーサ50を嵌入溝42dから取り出し、突起部49aを嵌入溝42dに対し下方に移動させて、軸はり43aが水平に保持されるまで適宜な数量のスペーサ50を突起部49aの上面に載置させる。最後に、突起部49aをスペーサ50と共にボルト51で締結することにより、軸はり43aの傾斜調整が完了する。このように、連結腕42cに、軸はり43aを水平に保持した状態で連結するための位置調節部として、所定の深さを有する嵌入溝42dが形成されているので、嵌入溝42d内の突起部49aとスペーサ50とを上下方向に組み替えるだけで、軸はり43aを水平に保持することが可能となり、ブッシュ48に与えられるこじり荷重負荷の偏りなどによって生じる車体支持機能の低下を防止することができる。
図10及び図11は、前述の第2形態例における変形例をそれぞれ示している。図10に示す第1の変形例は、いわゆる支持板式であり、水平方向に延出した上下2枚の板ばね54,54が対となり、一端側が軸箱43の前後方向における台車中心側の側面に突設した固定部43dを上下方向に挟持してボルト55及びナット56で締結され、他端側が連結腕42cの先端に形成された連結ブロック42eを一対の取付座57,57を介して上下方向に挟持するとともに、板ばね54と取付座57との各接触面に形成したセレーション54a,57aを噛み合わせてボルト55及びナット56で締結されている。また、連結ブロック42eと取付座57との間に、高さ調整によって板ばね54が上下方向に撓むことを防止するためのスペーサ58が挿入されている。このように、連結腕42cに、板ばね54を水平に保持した状態で連結するための位置調節部として、連結ブロック42eが形成されているので、連結ブロック42eの上面側又は下面側に挿入するスペーサ58の厚みを適宜に調節するだけで、板ばね54を水平に保持することが可能となり、板ばね54に負荷される荷重の偏りが防止されることなどにより、車体支持機能の低下を防止できる。
図11に示す第2の変形例は、いわゆるモノリンク式であり、水平方向に延出したリンク59の両端部にゴム製のブッシュ60を介して心棒61がそれぞれ挿通されるとともに、心棒61の両端部に断面四角形状の突起部61aがそれぞれ形成されている。また、リンク59は、一端側の突起部61aを軸箱43の前後方向における台車中心側の側面に突設した固定部43dに当接してボルト62で締結されている。また、他端側の突起部61aを連結腕42cに形成された鉛直方向の壁部42fに当接するとともに、各接触面に形成したセレーション42g,61bを噛み合わせてボルト62及びナット64で締結されている。このように、連結腕42cに、リンク59を水平に保持した状態で連結するための位置調節部として、壁部42fが形成されているので、突起部60aの位置を壁部42fに沿って上下方向にセレーション42g,61bの噛み合わせ位置を調節するだけで、リンク59を水平に保持することが可能となり、前後方向に大きな負荷が与えられたとしても、ブッシュ60によって良好に弾性支持することができる。また、左右方向に与えられる負荷に対しては、コイルばね45と同軸に内包された積層ばね部63によって弾性支持されているので、台車枠42をより安定支持させることができる。
なお、本形態例では、ボルスタレス台車を示したが、ボルスタ付き台車であってもよい。この場合、車体とボルスタとの間に空気ばねが介装される。また、軸箱と軸ばね装置との間に高さ調整用のスペーサを挿入するための隙間を確保することができれば軸箱支持装置の構成は任意である。
11…台車、12…台車枠、13…車体、14…空気ばね、15…軌道、16…軸箱支持装置、17…輪軸、17a…車輪、17b…車軸、18…軸箱、18a…腕部、18b…支持孔、18c…係止片、19…軸ばね装置、20…上側部材、20a…フランジ部、20b…段付き部、20c…支軸、21…下側部材、21a…フランジ部、22…コイルばね、23…円筒ゴムばね、23a…ゴム部材、23b…内周管、23c…外周管、24…ばね受け部材、25…ボルト、26…係止部材、27…ブッシュ、28…スペーサ、28a…開口部、28b…突部、29…押し上げ手段、29a…ピストンロッド、29b…当接部材、30…隙間、31…積層ばね部、32…軸ばね装置、33…センターロッド、33a…フランジ部、34…ケーシング、41…軸箱支持装置、42…台車枠、42a…ばね帽、42b…挿通孔、42c…連結腕、42d…嵌入溝、42e…連結ブロック、42f…壁部、42g…セレーション、43…軸箱、43a…軸はり、43b…支持突起、43c…筒状部、43d…固定部、44…軸ばね装置、45…コイルばね、46…上側部材、46a…フランジ部、47…下側部材、47a…支持孔、47b…雌ねじ孔、47c…フランジ部、48…ブッシュ、49…心棒、49a…突起部、50…スペーサ、51…ボルト、52…隙間、53…スペーサ、53a…切欠き部、54…板ばね、54a…セレーション、55…ボルト、56…ナット、57…取付座、57a…セレーション、58…スペーサ、59…リンク、60…ブッシュ、61…心棒、61a…突起部、61b…セレーション、62…ボルト、63…積層ばね部、64…ナット

Claims (3)

  1. 車体を支持する台車枠と、車軸と一対の車輪とからなる輪軸と、該輪軸を転動可能に保持する軸箱と、前記台車枠と前記軸箱とを接続する軸ばね装置とを備える鉄道車両用台車において、前記軸ばね装置は、前記台車枠に取り付けられる上側部材と、前記軸箱の前後に延出する腕部に取り付けられる下側部材と、前記上側部材と前記下側部材との間に介装される弾性部材とから構成され、前記下側部材の下部を前記腕部に設けた支持孔に内嵌するとともに、あらかじめ設定された前記車輪の削正深さの最大値より、前記下側部材の前記支持孔への内嵌深さを大きくしたことを特徴とする鉄道車両用台車。
  2. 車体を支持する台車枠と、車軸と一対の車輪とからなる輪軸と、該輪軸を転動可能に保持する軸箱と、前記台車枠と前記軸箱とを接続する軸ばね装置とを備える鉄道車両用台車において、前記軸ばね装置は、前記台車枠に取り付けられる上側部材と、前記軸箱の上面に取り付けられる下側部材と、前記上側部材と前記下側部材との間に介装される弾性部材とから構成され、前記軸箱の上面に突設した支持突起を、前記下側部材の下面に設けた支持孔に内嵌するとともに、あらかじめ設定された前記車輪の削正深さの最大値より、前記支持突起の前記支持孔への内嵌深さを大きくしたことを特徴とする鉄道車両用台車。
  3. 前記軸箱の側面に、水平方向に延出する梁部が設けられ、前記台車枠に前記梁部の先端部が連結される連結腕を設けるとともに、該連結腕に前記梁部を水平に保持した状態で連結させるための位置調節部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の鉄道車両用台車。
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