JP2019072376A - 子守帯および音出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳幼児を泣き止ませる音楽を聞かせることに特化したプロダクツを提供する。【解決手段】泣き止み音源をダウンロードしたスマートフォンと通信して泣き止み音を流すスピーカ12を子守帯Kの肩ベルト2aに装着する。肩ベルト2aにはスピーカ取付部3が設けられ、フラップ5を開放して電磁シールドウレタン7の開口部にスピーカ12を収めてフラップ5を閉じて面ファスナ6を閉じ合わせることによりフラップ5を肩ベルトの表生地21側に閉じた状態で保持する。スピーカ12は電磁シールド生地9と電磁シールドメッシュ8とで挟まれた状態でスピーカ取付部3内に収納されるため、スピーカ12からの電磁波による乳幼児への悪影響を低減できる。【選択図】図1

Description

本発明は、着用者が乳幼児を抱えた状態で保持する子守帯およびその子守帯に取付けられる音出力装置に関する。
近年、核家族化や地域社会のサポート機能の低下から母親の育児負担が増加しており、育児ストレスからノイローゼや虐待が社会問題化している。新生児の場合、生後1〜2ヶ月に泣きのピークを迎え、何をやっても泣き止まない時期がある。この時期、新生児をあやしている最中に泣き止まないイライラから新生児の頭を激しく前後に揺さぶってしまう行動を取る親もいる。その結果、新生児が乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)を引き起こし、脳に重大な損傷あるいは命にかかわる事態が生じる虞がある。
このような事態を受け、厚生労働省は、平成25年から、乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)に対して啓発DVDやガイドブックによる注意喚起を行っている。以上のような社会問題を抱えている現代の日本では、母親の育児ストレスを軽減し多くの子供たちが健康に育つサポートプロダクツの開発が急務である。
このような社会的ニーズに応えるものとして、乳幼児が聞くことにより泣き止む効果音等の音楽をアプリダウンロードサイトからスマートフォンにダウンロードして、乳幼児に聞かせるものがあった(例えば、非特許文献1参照)。
"乳児、幼児の泣き止む音楽を無料でダウンロードする方法。効果は日産が検証済!"、更新日2016年04月07日、[online]、[平成29年10月5日検索]、インターネット<http://new5.info/668.html>
このようにインターネットを介して音楽をスマートフォンにダウンロードする方式は、ユーザにとって多種多様な音源を手軽に入手できる利点がある。しかし、スマートフォン等のモバイル端末にダウンロードされた音楽をそのモバイル端末から流して乳幼児に聞かせる場合、種々の問題が生じる。
先ず、モバイル端末から発生する電磁波が乳幼児に与える悪影響の問題である。乳幼児に音楽(泣き止み効果音)を聞かせるには極力乳幼児の近くにモバイル端末を設置する必要があるが、乳幼児にモバイル端末を近づければ近づけるほどそのモバイル端末からの電磁波を乳幼児が浴びて悪影響を受ける。これは、スマートフォン等のモバイル端末は乳幼児用には設計されていないのが一般的であり、乳幼児を考慮しての最適設計がなされていないのが原因である。また、世界保健機関(WHO)は、電子レンジなど電化製品や高圧送電線から発せられる超低周波電磁波による人体への影響について、「小児白血病発症との関連が否定できない」として、各国に対策法の整備など予防的な措置を取ることを求める勧告「環境保健基準」をまとめているところでもある。
次に、赤ちゃんの泣き声は自宅よりも外出中のときがより深刻な状態となる。自宅では種々のおもちゃ等によりあやすことができる。しかし、外出中では、あやすおもちゃが限られ、しかも周囲の人に迷惑をかけてしまう。例えば、母親が子守帯を使用して乳幼児を抱っこして外出した場合、買い物籠やバッグ等を手に持っている場合が多々ある。そもそも子守帯は母親が手を使わなくても乳幼児を楽に抱っこできるように作られたものであるため、母親は買い物で外出する際にはよく子守帯を用いて乳幼児を抱っこする。よって、外出中の母親にとって、モバイル端末を手に持って乳幼児の耳元に近づけた状態で音楽を聞かせ続ける行為は負担となる場合が多い。
そこで、子守帯の肩ベルト等にモバイル端末を括り付けて乳幼児に音楽を聞かせる方法が考えられるが、万一括り付けがほどけてモバイル端末が脱落して損傷した場合には、ユーザにとって大きな損失となる。しかも、モバイル端末は汎用製品であるため泣き止み効果音(泣き止み音楽)を乳幼児に聞かせ終わった後はモバイル端末を他の用途に用いるべく子守帯から取り外さなくてはならず、いちいち着脱する手間がかかるという欠点がある。これも、スマートフォン等のモバイル端末が、泣き止み効果音(泣き止み音楽)を乳幼児に聞かせることに特化して最適設計されたものではないことが原因である。
以上要するに、スマートフォン等のモバイル端末は汎用性のある端末であり、乳幼児を泣き止ませる音楽(泣き止み効果音)を聞かせることに特化したものでないことが原因で、上記種々の欠点が生じる。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、乳幼児を泣き止ませる音楽(泣き止み効果音)を聞かせることに特化したプロダクツを提供することを目的とする。
本発明のある局面に従う子守帯は、着用者が乳幼児を抱えた状態で保持する子守帯であって、音を出力する音出力装置を、保持された乳幼児の頭部の近傍位置において前記音出力装置の出力面を前記着用者側に向けて取り付けるための取付部を備える。
このような構成によれば、泣き止ませるために要する負担を軽減できる。また、音出力装置の出力面を着用者側に向けることにより、音出力装置から出力される音を着用者の胸等で反射させて乳幼児に聞かせることができる。このため、音を分散させて乳幼児に聞かせることができ、乳幼児の泣き止む効果をより一層高めることができる。
好ましくは、前記乳幼児を抱えた状態で保持する本体部と、前記本体部から延びて前記着用者の肩に掛けられる肩ベルトとを備え、前記取付部は、前記肩ベルトのうちの前記本体部から延びて前記着用者の肩に到達するまでの位置に設けられている。
上記の構成によれば、取付部が着用者との間において空間を生じさせる位置に設けられているため、音出力装置の出力面が着用者と接触して塞がれてしまうといった不都合の発生を防止できる。
好ましくは、前記取付部は、前記音出力装置を、当該子守帯の表面と裏面との間に埋め込ませて取り付けるための埋め込み部として構成されている。
上記の構成によれば、音出力装置を埋め込み部に埋め込むことにより取り付けることができるため、意図せずして音出力装置が外れてしまうことを防止できる。また、別個に取り付けるための部材を設ける必要がなく、利便性を向上させることができる。
好ましくは、前記取付部は、前記音出力装置の出力面と対面し、かつ、当該子守帯の裏面に設けられた孔を塞ぐように配置されるメッシュ状の電磁波シールド部材を有する
上記の構成によれば、音出力装置から出力される音が遮られてしまうことを防止しつつ、電磁波による乳幼児への悪影響を低減できる。
好ましくは、前記埋め込み部には、保持された乳幼児の頭部が位置する側と異なる側から前記音出力装置を埋め込ませるための開口が設けられている。
上記の構成によれば、抱っこされている乳幼児の手が取付部に取り付けられた音出力装置まで届きにくくすることができる。
好ましくは、前記取付部は、前記音出力装置を保持するホルダ部材を、当該子守帯の裏面に着脱可能に取り付けるためのホルダ取付部として構成されている。
上記の構成によれば、音出力装置を保持するホルダ部材の着脱を容易にすることができる。
本発明の他の局面に従う音出力装置は、子守帯が備える取付部において、音を出力する出力面を前記着用者側に向けて取り付け可能である。
上記の構成によれば、音出力装置の出力面を着用者側に向けることにより、音出力装置から出力される音を着用者の胸等で反射させて乳幼児に聞かせることができる。このため、音が分散させて乳幼児に聞かせることができ、乳幼児の泣き止む効果をより一層高めることができる。
第1実施の形態を示し、(A)はスピーカ取付部を備えた子守帯の斜視図とその要部拡大図であり、(B)はスピーカ取付部のフラップを開放した状態を示す図であり、(C)はスピーカ取付部の分解斜視図である。 第1実施の形態を示し、(A)はスピーカ取付部を備えた子守帯の使用状態説明図であり、(B)は子守帯の使用状態での音の伝わり方を模式的に示した説明図である。 第1実施の形態を示し、乳幼児を泣き止ませる音楽アプリをダウンロードしたユーザとのCRM(Customer Relationship Management)を構築する説明図である。 第2実施の形態でのスピーカ取付部を示し、(A)はスピーカ取付部へのスピーカの挿入取付け手法を示す説明図であり、(B)はスピーカ取付部の分解斜視図であり、(C)は肩ベルトの裏面側から見たスピーカ取付部を示す図である。 第3実施の形態でのスピーカ取付部を示し、(A)はスピーカ取付部へのスピーカの挿入取付け方法およびそのスピーカ取付部を肩ベルトに装着する方法を示す説明図であり、(B)は分解斜視図である。 第4実施の形態でのスピーカ取付部を示し、(A)はスピーカ取付部へのスピーカの挿入取付け方法およびそのスピーカ取付部を肩ベルトに装着する方法を示す説明図であり、(B)は樹脂クリップの斜視図であり、(C)は肩ベルトに設けられているスピーカ取付部の断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
(第1実施の形態)
図1(A)を参照し、母親等の着用者が乳幼児を抱えた状態で保持する子守帯Kにスピーカ取付部3が備えられている。子守帯Kは、乳幼児を保持して運ぶためのキャリヤ本体部1と、その上端部にそれぞれの一端が接続(連結)された左右一対の肩ベルト2a、2bとを備えている。肩ベルト2a、2bの他端は、キャリヤ本体部1の上端部以外の箇所(たとえば下端部)に接続されている。着用者は、肩ベルト2a、2bを両肩に掛けた状態でキャリヤ本体部1と着用者の胴部分との間に乳幼児を保持して抱っこする。
一方の肩ベルト2aには、スピーカ取付部3が設けられている。他方の肩ベルト2bには、スピーカ取付部3は設けられていない例について説明するが、スピーカ取付部3が設けられているものであってもよい。肩ベルト2aは、その表面を構成する表生地21と、その裏面を構成する裏生地20とを有しており、表生地21の一部が切り欠かれた切り欠き部分21aに、スピーカ取付部3が設けられている。表生地21の切り欠き部分21aには、図1(B)に示すように、開閉自在なフラップ5が設けられている。また、裏生地20のうち切り欠き部分21aに対応する部分には、例えば円形の貫通孔27が形成されている。
フラップ5の上端部は、裏生地20または表生地21に縫い付けられており、フラップ5は、下方側から捲り上げられるように設けられている。フラップ5の上端部を除く縁部と裏生地20(または表生地21の切り欠き部分21aの周縁部)との対向面には、着脱可能な面ファスナ6が設けられていることが望ましい。これら双方に形成されている面ファスナ6を閉じ合わせることにより、フラップ5と裏生地20との間に収納空間が形成される。この収納空間は、音出力装置の一例であるスピーカ12が収容される。つまり、本実施の形態において、スピーカ取付部3は、子守帯Kのうちの肩ベルト2aの表面と裏面との間に埋め込ませて取り付けるための埋め込み部として構成されている。
図1(C)に示すように、裏生地20とフラップ5との間(収納空間)に、メッシュ状の電磁シールド部材(以下「電磁シールドメッシュ」という)8、および、スピーカ保持部7が配置される。また、フラップ5は、表側に位置するカバー材10と裏側に位置する布状の電磁シールド材(以下「電磁シールド生地」という)9とで構成されている。このように、スピーカ取付部3は、複数層で構成されている。
電磁シールドメッシュ8は、肩ベルト2aの裏生地20の貫通孔27を塞ぐように設けられている。電磁シールドメッシュ8およびスピーカ保持部7は、肩ベルト2aの裏生地20に固定されている。電磁シールドメッシュ8は、スピーカ保持部7と肩ベルト2aの裏生地20との間に挟み込まれている。
スピーカ保持部7は、弾性を有し、厚み方向に貫通孔7aを有する筒部材であり、例えばウレタンにより構成されている。このスピーカ保持部7もまた、電磁シールド機能を有することが望ましい。本実施の形態では、スピーカ保持部7を以下、電磁シールドウレタン7という。電磁シールドウレタン7の貫通孔7aにスピーカ12が嵌め込まれる。なお、スピーカ12は、後述するように、音を出力する表面(以下「出力面」という)12aと、出力面12aの反対側の面である裏面12bとを有する薄型の音出力装置である。スピーカ12は、平面視において略円形であるが、その形状は問わない。
電磁シールドウレタン7の貫通孔7aにスピーカ12を嵌め込んだ状態でフラップ5を閉じることにより、スピーカ取付部3内にスピーカ12を装着することができる。
スピーカ12は、振動することにより音を発生するフィルム状の振動板26を備えたフィルムスピーカである。振動板26は、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムで構成されている。PENフィルムは、PETフィルムを上回る特製を持ったバランスのとれた高機能フィルムであり、薄型スピーカに適している。スピーカ12は、振動板26を振動させて出力面12a側から音を発する。振動板26の周囲は、シリコンフレーム25で保持されている。スピーカ12の裏面12bには、操作部としてのスイッチ13が設けられている。スイッチ13を押圧することにより、スピーカ12がON状態となる。
スピーカ12は、振動板26を取り囲む囲み部と、囲み部から外側に突出する突出部とを有しており、この突出部にスイッチ13が設けられている。この場合、電磁シールドウレタン7には、突出部の表面(出力面12aと同じ方向を向く面)に対面して配置される対面部7bが設けられる。これにより、スピーカ12を所定方向に配置可能となるとともに、スイッチ13に掛かる押圧力を対面部7bにおいて吸収することができる。
フラップ5には、図1(A)に示すようにスイッチマーク4が付されている。スイッチマーク4は、フラップ5を閉じた状態において、スピーカ12のスイッチ13に対応する箇所に形成されている。このため、着用者がフラップ5の上からスイッチマーク4を押圧することにより、スピーカ12のスイッチ13が押圧操作されてスピーカ12がON状態となる。また、スピーカ12がON状態のときにスイッチマーク4を再度押圧することによりスピーカ12がOFFとなる。図3を参照して後述するが、スピーカ12は、スマートフォン16と例えばBluetooth(登録商標)で通信するための通信モジュールが搭載されているワイヤレススピーカである。この場合、スピーカ12およびスマートフォン16のバッテリーの消費電力を軽減するために、例えば、Bluetooth Low Energyが用いられる。
図1(C)に基づいて説明したように、スピーカ取付部3に取付け保持されたスピーカ12は、電磁シールドメッシュ8と電磁シールド生地9とに挟まれた状態となる。そのため、スピーカ12から発せられる電磁波を良好にシールドすることができ、電磁波が乳幼児に与える悪影響を低減することができる。また、スピーカ12の出力面12aに対向させて電磁シールドメッシュ8を配置している。電磁シールドメッシュ8はメッシュ状となっているために、音がメッシュの隙間および裏生地20の貫通孔27を通過して、肩ベルト2aの裏面側から着用者側に向かって良好に発せられる。
次に、スピーカ取付部3を備えた子守帯Kの使用状態を図2(A)(B)に基づいて説明する。子守帯Kの肩ベルト2aには、表側にフラップ5を有するスピーカ取付部3が設けられている。このために、乳幼児の手がスピーカ取付部3のフラップ5側に届きにくく、スピーカ12が埋め込まれたスピーカ取付部3の近辺を乳幼児が触ってスイッチ13が不測にON操作されたり、フラップ5が捲り上げられる等の不都合を極力防止できるとともに、着用者がスイッチ13を操作しやすくすることができる。
スピーカ取付部3は、肩ベルト2aのうちのキャリヤ本体部1から延びて(標準体型の)着用者の肩に到達するまでの位置に設けられている。具体的には、スピーカ取付部3は、肩ベルト2aのうち、キャリヤ本体部1との境界部(連結部)から使用状態において上端付近に位置する部分との間に設けられ、望ましくは、キャリヤ本体部1との境界部に近接する位置に設けられる。境界部に近接する位置とは、境界部とスピーカ取付部3との間隔が10cm以下であり、5cm以下であることが望ましい。
なお、スピーカ取付部3は、キャリヤ本体部1と肩ベルト2aとの境界部に近接する位置に設けられているものであれば、キャリヤ本体部1に設けられているものであってもよく、あるいは、キャリヤ本体部1と肩ベルト2aとに亘って設けられているものであってもよい。
スピーカ取付部3が設けられた位置は、図2(B)に示すように着用者と子守帯Kとの間に空間を生じさせる位置でもある。このため、スピーカ12の出力面12aが着用者あるいは乳幼児と接触して塞がれてしまうといった不都合の発生を防止できる。スピーカ取付部3は、(標準体型の)着用者が着用した場合に、子守帯Kとの間に空間を生じさせる位置に設けられているものであればよい。
また、スピーカ取付部3にスピーカ12を保持した際には、図2(B)に示すように、スピーカ12から発せられる音(全部あるいは一部)が着用者の胸方向に向けて出力される。このため、乳幼児に対して、着用者の胸などで反射して複数方向に分散された音を聞かせることができる。その結果、乳幼児の泣き止む効果をより一層高めることができる。
次に、乳幼児を泣き止ませる音楽アプリをダウンロードしたユーザとベビー用品販売店17との間でCRM(Customer Relationship Management)を構築する仕組みを図3に基づいて説明する。ベビー用品販売店等の業者が運営するサーバ14には、乳幼児の泣き止み効果がある音楽(泣き止み効果音)を発生するための泣き止みアプリが登録されている。泣き止み効果音は、乳幼児の定位反射を利用したものである。定位反射とは、別名「おや何だ反射」とよばれる生体反応の1つであり、生体が新奇刺激を受けると、そちらの方に防衛反応として注意を向ける現象のことである。
ユーザは、ベビー用品販売店17においてスピーカ12を購入(スピーカ12単体を購入した場合、およびスピーカ12と子守帯Kとをセット購入した場合を含む)する。次に、ユーザは、スマートフォン16を操作してスピーカ12のパッケージあるいは取扱説明書に貼付されている二次元バーコードなどに基づきサーバ14へアクセスして、所定のアカウント情報を入力して登録することにより泣き止みアプリ15をスマートフォン16にダウンロードすることが可能となる。スマートフォン16とスピーカ12とは、Bluetoothにより互いに通信可能に構成されている。泣き止みアプリ15をダウンロードしたスマートフォン16と子守帯Kに取付けられたスピーカ12とは、Bluetoothによって通信することにより、泣き止みアプリ15に基づいた泣き止み効果音(泣き止み音楽)をスピーカ12から出力することができる。
アカウント登録では、例えば、IDとパスワードの他に、ユーザの生年月日、性別、住所、Eメールアドレス、乳幼児の生年月日、性別等がサーバ14に登録(格納)される。業者は、アカウント登録情報に基づいて、新製品の入荷情報やクーポンあるいはイベント等の各種広告メッセージを各ユーザにメール送信することが可能となる。さらに、乳幼児の成長に合った情報提供などを長期的に送信することも可能となる。また、メール送信に代えてまたはそれに加えて、スマートフォン16に新規メッセージの配信がある旨のプッシュ配信を行ってポップアップ通知を行い、それを見たユーザがそのポップアップ通知をタップすることによりウェブサイトにアクセスして新規メッセージを閲覧できるように制御してもよい。
業者は、CRMのための顧客データベースをサーバ14に構築する。CRMとは、特定の顧客との関係を継続的に築き上げて、その結果として売上げや利益、さらには企業価値を向上させる経営手法である。CRMを実施する際には次のような流れで行う。
a 顧客情報を個客データベースに集め、セグメンテーションの切り口や顧客ニーズの把握・特定を行う。
b 自社にとって重要な顧客を選別し、ランク付けする。
c ターゲットとした顧客のニーズに対応する製品やサービスを重点的に提供し、顧客を獲得する。
d その顧客を維持するための取組みを行い、それにより増収をはかる。
業者は、以上のような手順でCRMを実施し、顧客生涯価値(Lifetime Value:LTV)、顧客の選別などの考え方に基づき、ターゲットごとにメリハリをつけたマーケティングを行うことで、顧客の満足度を高め、重要顧客の獲得・維持を図る。
さらに、業者は、サーバ14により育児コミュニティサイトを開設してユーザに提供してもよい。例えば、ユーザがスマートフォン16によりその育児コミュニティサイトにアクセスすることにより、多数のユーザからの育児に関する悩みやノウハウや各種情報の投稿および閲覧ができるようにする。なお、サーバ14は、ベビー用品販売店17自身の自社サーバであってもよいが、クラウドサーバを利用してもよい。
(第2実施の形態)
第2実施の形態を図4に基づいて説明する。第1実施形態では、肩ベルト2aの表生地21の切り欠き部分21aを塞ぐフラップ5と肩ベルト2aの裏生地20との間にスピーカを(出し入れ可能に)埋め込む構成としたが、本実施の形態では、表生地21と裏生地20との間にスピーカを(出し入れ可能に)埋め込む構成である。つまり、本実施の形態では、表生地21と裏生地20との間に、スピーカの収納空間が形成されている。
第2実施の形態では、スピーカ取付部3として、肩ベルト2aの側端部に設けられた開口部22からスピーカ12を内部に挿入して保持する例を説明する。なお、第2実施の形態においてもスピーカ取付部3は、肩ベルト2aのうちのキャリヤ本体部1から延びて着用者の肩に到達するまでの位置において、スピーカ12Aの出力面12aが着用者側へ向くように取り付け可能に構成されている。スピーカ12Aもまた、出力面12aの反対側の裏面12bにスイッチ13を有しているが、このスイッチ13は、裏面12bの中央部分に設けられている。
肩ベルト2aは、側端部において裏生地20と表生地21とが縫合されている。しかし、側端部の一部分は縫合されておらず、縫合されていない部分により開口部25が形成されている。開口部25は、肩ベルト2aにおける乳幼児とは反対側の側端部(外側)に形成されている。開口部25は、例えば線状のファスナー18により閉鎖可能となっている。開閉つまみ19を肩ベルト2aの側端部に沿ってスライドさせることにより、ファスナー18が開閉するように構成している。ファスナー18を開いた状態とすることで、スピーカ12Aを開口部25から挿入できる。その際、スピーカ12Aの出力面12aを着用者側に向けて挿入する。
また、スイッチマーク4は、スピーカ12Aを開口部25から挿入してファスナー18を閉じた状態において、スイッチ13に対応する箇所に形成されている。着用者は、スイッチマーク4を押圧することにより収納されているスピーカ12Aのスイッチ13を押圧してスピーカ12AをONにすることができる。
第2実施の形態におけるスピーカ取付部3は、図4(B)に示すような層構造となっている。スピーカ取付部3は、裏生地20の貫通孔27を塞ぐように裏生地20に接着された電磁シールドメッシュ8と、表生地21の裏面に接着された電磁シールド生地9とを含む。これにより、電磁シールドメッシュ8と電磁シールド生地9との間に、開口部25に連通する収納空間が形成される。
この場合、ファスナー18を開いた状態でスピーカ12Aを収納空間に挿入することにより、スピーカ12Aが電磁シールドメッシュ8と電磁シールド生地9とで挟まれた状態に保持される。そのため、スピーカ12Aから発せられる電磁波をシールドして乳幼児への悪影響を低減することができる。
図4(C)は、第2実施の形態における肩ベルト2aを裏側から見た図である。電磁シールドメッシュ8は、肩ベルト2aの裏生地20に形成された貫通孔27から露出している。スピーカ12Aから発せられた音は、電磁シールドメッシュ8および貫通孔27を通過し、着用者の胸で反射して乳幼児の耳に届く。
第2実施の形態では、保持された乳幼児の頭部が位置する側と異なる側からスピーカ12Aを埋め込ませるための開口部25(およびファスナー18)が設けられているため、乳幼児を子守帯Kで保持している状態でもスピーカ12Aを容易に埋め込んでセット可能となる利点がある。また、乳幼児の手が開口部25側に届き難いため、ファスナー18が開けられてしまうこと等を防止できる。また、スイッチ13にも乳幼児の手が届き難いため、乳幼児によりスイッチ13が不測にON操作されてしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態のいては、スピーカ12Aを表生地21と裏生地20との間にしっかりと保持できるため、スピーカ12Aを保持する保持部材が設けられていないが、第1実施の形態と同様に、保持部材(電磁シールドウレタン7)を設けてもよい。
(第3実施の形態)
次に第3実施の形態を図5に基づいて説明する。第1および第2実施の形態においては、スピーカ取付部3は、スピーカを、肩ベルト2a(子守帯K)の表面と裏面との間に埋め込ませて取り付けるための埋め込み部として構成されることとしたが、本実施の形態では、スピーカを子守帯Kの裏面に取り付ける。具体的には、スピーカ取付部3は、スピーカを保持するホルダ部材を、肩ベルト2aの裏面(裏生地20)に着脱可能に取り付けるためのホルダ取付部として構成されている。
より具体的には、第3実施の形態におけるスピーカ取付部3は、たとえば円柱状のスピーカ取付けホルダ(ホルダ部材)24を取り付けるための面ファスナ6bにより構成されている。なお、第3実施の形態においてもスピーカ取付部3は、肩ベルト2aのうちのキャリヤ本体部1から延びて着用者の肩に到達するまでの位置において、スピーカ12Aの出力面12aが着用者側へ向くように取り付け可能に構成されている。
スピーカ取付けホルダ24は、円筒部(筒状部)22と、円筒部22の両端の開口をそれぞれ閉鎖する電磁シールドメッシュ8および電磁シールド生地9と、円筒部22内に嵌め込まれた電磁シールドウレタン7とを含む。円筒部22には線状のファスナー18が形成されている。開閉つまみ19によりファスナー18を開いてスピーカ12Aをスピーカ取付けホルダ24内に挿入する。
スピーカ取付けホルダ24の電磁シールド生地9の外表面には、面ファスナ6aが設けられている。この面ファスナ6aは、フック面を有する係合部材であり、上記面ファスナ6bは、ループ面を有する被係合部材である。
スピーカ取付けホルダ24の構造は、図5(B)に示すように、複数層の構造となっている。紙面最下位層に電磁シールドメッシュ8が設けられ、その上にファスナー18が形成された円筒部22が設けられ、その円筒部22の上半分位置にまで電磁シールドウレタン7が挿入され、その電磁シールドウレタン7の上に電磁シールド生地9が設けられ、その上に面ファスナ6aが設けられている。
スピーカ12Aの出力面12aが面ファスナ6aとは反対側に向くように(つまり、電磁シールドメッシュ8に対面するように)、スピーカ12Aをスピーカ取付けホルダ24内に挿入する。そして開閉つまみ19を操作してファスナー18を閉じてスピーカ12Aを収納する。面ファスナ6a側の側面には、スイッチマーク4が形成されている。スピーカ12Aの収納状態で、スイッチマーク4がスイッチ13に対応する位置となるように構成されている。
肩ベルト2aの裏生地20には、スピーカ取付部3としての面ファスナ6bが設けられている。前述の面ファスナ6aは、多数のフック状の突起が形成されているが、この面ファスナ6bは多数のループが形成されている。面ファスナ6bに面ファスナ6aを押し付けることにより、多数のフックが多数のループに係合して肩ベルト2aの裏面側にスピーカ取付けホルダ24を装着することができる。肩ベルト2aからスピーカ取付けホルダ24を取り外した状態では面ファスナ6bが露出した状態となり、乳幼児の手等の体の一部がその面ファスナ6bに接触する場合が想定される。しかし、面ファスナ6bは、面ファスナのうちループ形状となっている側である。このため、スピーカ取付けホルダ24を取り付けていない状態で接触しても痛くなく、乳幼児の皮膚を傷めることがない。
なお、肩ベルト2aには、面ファスナ6bの平面状態を維持するための平面部材が設けられているものであってもよい。例えば、肩ベルト2aの表生地21と裏生地20との間であって面ファスナ6bに対応する位置に、金属製の薄い平面部材を収納してもよい。これにより、面ファスナ6bの平面状態を維持することができるため、意図せずしてスピーカ取付けホルダ24が外れてしまうことなどを防止できる。
(第4実施の形態)
次に第4実施の形態を図6に基づいて説明する。第3実施の形態では、スピーカ取付けホルダ24を肩ベルト2aの裏面に取り付けるために、係合部材としての面ファスナ6aと被係合部材としての面ファスナ6bとを設けることとしたが、本実施の形態では、係合部材としてクリップ23を設け、被係合部材としてクリップ取付部40を設けている。
図6(A)を参照し、この第4実施の形態におけるスピーカ取付部3は、クリップ23が挿入しやすく取れ難くなるように形成されたクリップ取付部40により構成されている。なお、第4実施の形態においてもスピーカ取付部3は、肩ベルト2aのうちのキャリヤ本体部1から延びて着用者の肩に到達するまでの位置において、スピーカ12Aの出力面12aが着用者側へ向くように取り付け可能に構成されている。図6(B)は、クリップ23の斜視図を示している。
第4実施の形態におけるスピーカ取付けホルダ24は、図5(B)に示した構造とほぼ同じ構造を有しており、面ファスナ6aの代わりにクリップ23が設けられている点において異なる。クリップ23は、樹脂あるいは金属などの可撓性を有する薄板部材が、一方方向においてR状に折り返されて形成されている。クリップ23は、電磁シールド生地9に固着される基部と、基部に対面する折り返し部とが接触または近接する部分を有しており、この部分が挟み込み部23aを構成している。
スピーカ12Aをスピーカ取付けホルダ24内に挿入保持した状態で子守帯Kの肩ベルト2aに形成されているクリップ取付部40をクリップ23で挟み込むことにより、スピーカ取付けホルダ24を肩ベルト2aに取付けることができる。肩ベルト2aに形成されているクリップ取付部40は、図6(C)に示されるように、肩ベルト2aにおける乳幼児とは反対側の側端部41からクリップ23を挿入した際に、肩ベルト2aを挟み込みやすく取れ難い構造となるように形成されている。これにより、乳幼児がスピーカ取付けホルダ24を取り外し難くすることができる。
挟み込みやすく取れ難い構造とは、例えば、肩ベルト2aの側端部41側の厚みを薄くし、肩ベルト2aの中央部に向かうに従って徐々に厚みを増していき、表生地21の所定の位置(例えば中央部)にクリップ23の挟み込み部23aが入り込むような窪み42が設けられているような構造であってもよい。これにより、クリップ23により肩ベルト2aを挟み込みやすく、ある程度挟み込ませた位置で窪み42に入り込むことにより取れ難くすることができる。なお、肩ベルト2aの中央付近において厚みが最も厚くなる部分には、その厚みを維持するために、肩ベルト2a内部に例えば円柱部材を配置させてもよい。これにより、窪み42を確実に保持できるため、意図せずしてスピーカ取付けホルダ24が外れてしまうことなどを防止できる。
一方、肩ベルト2aにおける乳幼児側の側端部は、クリップ23により挟み込み難い構造となるように形成されている。挟み込み難い構造とは、例えば、クリップ23を挟み込ますことができない程度に厚みを持たせた構造であってもよい。これにより、乳幼児側の側端部からクリップ23を挿入してしまうことを防止できる。
次に、以上説明した実施形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施形態では、スピーカとスマートフォン16とがBluetoothで通信しているが、通信形態はこれに限らず、例えばLTE(Long Term Evolution)を用いてもよく、さらには有線で通信してもよい。
(2) スピーカの取付け方法として、図5の面ファスナ6a,6bや図6のクリップ23に替えて紐を用いて肩ベルト2aに括り付けてもよい。この場合、スピーカ取付部は、例えば、紐を通す穴が形成されているものであってもよい。
(3) 前述の実施形態では、スピーカ取付部を肩ベルト2aに設けた例について説明した。特に、第1実施の形態では、肩ベルト2aの表側および裏側のいずれにも開口が形成されることになる。このため、スピーカ取付部には、肩ベルト2aの強度を補強するための補強部材が設けられているものであってもよい。例えば、図1(B)を参照し、フラップ5の周囲および肩ベルト生地に線状のファスナーを設け、当該ファスナーを閉じることによりフラップ5自体を補強部材として用いるようにしてもよく、補強するために別個の部材を用いてもよい。また、裏生地20の全体がメッシュ材で構成されている場合には、裏生地20に貫通孔27を設けなくてもよい。
(4) 前述の実施形態では、子守帯として、着用者の胸側で保持するものを例示したが、これに限らず、着用者の背中側で保持するものであってもよい。また、子守帯として、乳幼児の頭を上にし、乳幼児の足を下にして縦抱き状態で保持するものを例示したが、これに限らず、乳幼児を略水平にして横抱き状態で保持するものであってもよい。
(5) 前述の実施形態によれば、インターネットを介して泣き止み音源(泣き止みアプリ)をスマートフォン16にダウンロードするために多種多様な音源を手軽に入手できる利便性をユーザに提供しつつも、電磁波の発生源であるスマートフォン16からではなく電磁波をシールドしたスピーカから泣き止み効果音(泣き止み音楽)をながして乳幼児に聞かせることができ、電磁波による乳幼児への悪影響を低減できる利点がある。しかも、インターネットを介しての泣き止み音源(泣き止みアプリ)のスマートフォン16へのダウンロードに際して、ユーザのアカウント登録を条件としてユーザとベビー用品店等の業者との間でパイプを築き、CRMを構築できるという利点もある。ユーザ(母親等)に業者から育児に有益な情報を提供し続けることができ、ユーザの育児負担や精神的不安の軽減となる仕組みを構築できると共に、業者も顧客情報を蓄積し、マーケティング活動に活用できる情報源となる利点がある。
(6) 前述の実施形態によれば、スマートフォン16等のモバイル端末自体を肩ベルト2aに装着するのではなくスピーカを装着する。このため、肩ベルト2aに装着したスピーカが万一脱落して損傷したとしても、モバイル端末自体の損傷に比べればユーザの損失を低減できる利点がある。しかも、泣き止み効果音(泣き止み音楽)を乳幼児に聞かせることに特化した乳幼児用のスピーカであるため、一旦肩ベルト2aに装着すれば取り外すことなく取付けたままにすることができ、いちいち着脱する手間を省くことができる。
また、音出力装置が薄型のスピーカであることとしたが、音を出力する出力面12aを有する装置であれば、他種の装置であってもよい。また、上記各実施形態で示したスピーカ取付部3を有する子守帯Kとこのような音出力装置とをパッケージ化し、子守帯ユニットとして提供してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
K 子守帯、2a、2b 肩ベルト、3 スピーカ取付部、6,6a,6b 面ファスナ、8 電磁シールドメッシュ、9 電磁シールド生地、12 スピーカ、16 スマートフォン、18 ファスナー、24 スピーカ取付けホルダ。

Claims (5)

  1. 着用者が乳幼児を抱えた状態で保持する子守帯であって、
    音を出力する音出力装置を、保持された乳幼児の頭部の近傍位置において前記音出力装置の出力面を前記着用者側に向けて取り付けるための取付部を備える、子守帯。
  2. 前記乳幼児を抱えた状態で保持する本体部と、
    前記本体部から延びて前記着用者の肩に掛けられる肩ベルトとを備え、
    前記取付部は、前記肩ベルトのうちの前記本体部から延びて前記着用者の肩に到達するまでの位置に設けられている、請求項1に記載の子守帯。
  3. 前記取付部は、前記音出力装置を、当該子守帯の表面と裏面との間に埋め込ませて取り付けるための埋め込み部として構成されている、請求項1または請求項2に記載の子守帯。
  4. 前記取付部は、前記音出力装置の出力面と対面し、かつ、当該子守帯の裏面に設けられた孔を塞ぐように配置されるメッシュ状の電磁波シールド部材を有する、請求項3に記載の子守帯。
  5. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の子守帯が備える取付部において、音を出力する出力面を前記着用者側に向けて取り付け可能である、音出力装置。
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