JP2019072263A - 人工肺 - Google Patents

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亮平 和泉
Ryohei Izumi
亮平 和泉
吉田 伸一
Shinichi Yoshida
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Abstract

【課題】圧力損失が増大したり、血液損傷を生じさせたりすることなく、血液のガス分圧の不均一を改善する。【解決手段】血液流路11を流れる血液に対してガス交換を行うガス交換部40は、第1交換部40a及び第2交換部40bを含む。第1及び第2交換部のそれぞれは、血液流路を横切るように、血液流路内の血液の流れ方向に垂直な一方向に沿って配置された複数の中空糸膜41を備え、中空糸膜の内腔内を酸素を含有するガスが流れるように構成される。ガスが第1交換部を構成する中空糸膜を流れる方向と、ガスが第2交換部を構成する中空糸膜を流れる方向とが逆である。【選択図】図3

Description

本発明は、体外循環中の血液に対してガス交換を行う人工肺に関する。
心臓手術では、患者の心臓を停止させ、その間の呼吸及び血液循環機能を代行するために、体外血液循環用の人工心肺回路が用いられる。人工心肺回路の要部を構成する人工肺は、患者の肺に代わって血液に対するガス交換機能(血液に対して酸素を供給し、二酸化炭素を排出させる機能)を提供する。人工肺の構造としては、中空糸膜型人工肺が広く用いられている。
中空糸膜型人工肺は、酸素を含むガスと血液とを多孔質中空糸膜を介在させて流動させ、血液とガスとの間でガス交換を行うガス交換部を備える(特許文献1参照)。ガス交換部では、ハウジング内の血液が流れる血液流路に、多数本の中空糸膜を積層した中空糸膜束が、中空糸膜が血液の流れ方向に直角になるように配置される。血液流路に血液を流しながら、中空糸膜に酸素含有ガスを流す。血液が中空糸膜の間の隙間を通過するときに、中空糸膜を介して血液に対してガス交換、すなわち酸素加、脱二酸化炭素が行われる。このような中空糸膜型人工肺は、血液側境膜抵抗の有効破壊により、効率のよいガス交換と低い圧力損失を実現でき、基本性能では高効率であることが知られている。
上記の従来の中空糸膜型人工肺では、ガス交換部での血液流路の断面が血液の流れ方向において一定であるので、血液流速は血液流路断面において略均一となり、血液は、血液流路を実質的に層流として流れる。これは、ガス交換効率の向上と圧力損失の低下に有利である。その一方で、血液流れが層流であるために、ガス交換部を出た血液のガス分圧(特に二酸化炭素分圧)が血液流路断面内において不均一になりやすい。具体的には、血液の流れ方向に対して中空糸膜が垂直に配置されているので、中空糸膜の配向方向において血液のガス分圧が不均一になる。
一般的な人工肺では、ガス交換後の血液性状を確認するために血液を採取するためのサンプリングポートが、血液が人工肺から流出する血液流出ポートの近傍に設けられている。血液のガス分圧が不均一であると、サンプリングポートから採取した血液と、血液流出ポートから流出した血液とで、血液性状に差異が生じうる。
特許文献2には、血液流出ポート又はその近傍に、ガス交換後の血液を混合するための混合部を設けた人工肺が記載されている。混合部は、例えば、環状凸部や板状凸部で構成される。混合部が血液を撹拌混合するので、上記の血液性状の差異が低減される。
特開2004−160217号公報 特開2005−192780号公報
特許文献2の人工肺は、混合部が血液の流れを乱し撹拌するので、圧力損失の増大や、物理的刺激による血液損傷を招く。
本発明は、圧力損失が増大したり、血液損傷を生じさせたりすることなく、血液のガス分圧の不均一を改善することを可能にする人工肺を提供することを目的とする。
本発明の人工肺は、血液流入ポート及び血液流出ポートが設けられたハウジングと、前記ハウジング内に設けられた血液流路であって、血液が前記血液流入ポートから前記血液流路を通って前記血液流出ポートへ流れる、血液流路と、前記血液流路を流れる血液に対して酸素加、脱二酸化炭素を行うガス交換部と、前記ガス交換部を通過した血液を採取するためのサンプリングポートとを備える。前記ガス交換部は、第1交換部及び第2交換部を含む。前記第1交換部及び前記第2交換部のそれぞれは、前記血液流路を横切るように、前記血液流路内の血液の流れ方向に垂直な一方向に沿って配置された複数の中空糸膜を備え、前記中空糸膜の内腔内を酸素を含有するガスが流れるように構成されている。前記ガスが前記第1交換部を構成する前記中空糸膜を流れる方向と、前記ガスが前記第2交換部を構成する前記中空糸膜を流れる方向とが逆である。
本発明によれば、圧力損失が増大したり、血液に対する物理的刺激による血液損傷を生じさせたりすることなく、血液のガス分圧の不均一を改善することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる人工肺の斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態にかかる人工肺の、血液流出ポート側から見た正面図である。 図3は、図2の3−3線を含む上下方向面に沿った、本発明の一実施形態にかかる人工肺の矢視断面図である。
上記の本発明の人工肺において、前記第1交換部及び前記第2交換部は、血液の流れ方向に沿って配置されていてもよい。かかる態様によれば、第1及び第2交換部のうちの一方で生じた血液流路断面内でのガス分圧の不均一が、他方で相殺される。これは、血液のガス分圧の不均一を改善するのに有利である。
前記第1交換部を構成する前記中空糸膜と前記第2交換部を構成する前記中空糸膜とが直列に接続されていてもよい。かかる態様は、ガス交換部及び人工肺の構成を簡単化するのに有利である。
前記第1交換部を構成する前記中空糸膜の数と、前記第2交換部を構成する前記中空糸膜の数とが同じであってもよい。かかる態様は、血液のガス分圧の不均一を改善するのに有利である。
前記ガス交換部は、前記第1交換部と前記第2交換部とからなるガス交換ユニットを複数備えていてもよい。かかる態様は、血液のガス分圧の不均一を改善するのに有利である。
前記サンプリングポートは、前記血液流出ポートから、前記中空糸膜の配向方向に又は前記配向方向に対して垂直方向に離れた位置に設けられていてもよい。このようにサンプリングポートを血液流出ポートとは別に設けることは、血液流出ポートの構成の簡単化や、血液流出ポートの圧力損失の低下に有利である。
前記ガス交換部において、前記血液流路の断面が血液の流れ方向において一定であってもよい。これは、血液が血液流路を実質的に層流として流れるので、ガス交換効率の向上と圧力損失の低下に有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。
図1は、本発明の一実施形態にかかる人工肺1の斜視図である。図2は人工肺1の正面図である。図3は、図2の3−3線を含む上下方向面に沿った人工肺1の矢視断面図である。以下の説明の便宜のため、図2及び図3の紙面の上下方法を人工肺1の「上下方向」と呼ぶ。「上」及び「下」は、図2及び図3に基づいて定義する。
人工肺1は、複数の部材を組み合わせて構成された略直方体形状のハウジング10を備える。図3に示されているように、ハウジング10内に、血液流路11が、図3において左右方向に沿って形成されている。血液流路11は、ポリウレタン樹脂またはエポキシ樹脂等からなるシール材を用いて形成されたシール部12によって規定される。血液の流れ方向に垂直な面に沿った血液流路11の断面(以下、単に「断面」という)は円形である。血液流路11の両端に対応するハウジング10の後ろ壁10b及び前壁10aには、血液流入ポート15及び血液流出ポート16がそれぞれ設けられている。血液流入ポート15、血液流路11、及び血液流出ポート16は、実質的に同軸に、この順に配置されている。血液Bは、血液流入ポート15を通ってハウジング10内に流入し、血液流路11を流れ、血液流出ポート16を通ってハウジング10外に流出する。
血液流出ポート16には、サンプリングポート17、予備ポート18、検温用管19が設けられている。サンプリングポート17及び予備ポート18は、血液流出ポート16と連通し、これらを介して血液流出ポート16を流れる血液を採取することができる。サンプリングポート17を介して採取した血液を用いて、例えば血液ガス分析(ガス分圧の測定など)を行うことができる。予備ポート18を介して採取した血液は、例えば心筋保護や脳分離体外循環のために使用することができる。なお、予備ポート18は、使用しない場合には封止される。検温用管19の先端は血液流出ポート16内の流路に突出している。検温用管19に、温度プローブ(図示せず)を挿入して、血液流出ポート16を流れる血液の温度を測定することができる。なお、予備ポート18及び検温用管19は、省略することができる。
血液の流れ方向に沿って、ハウジング10内に、熱交換部30、ガス交換部40、フィルタ部50がこの順に配置されている。
熱交換部30は、複数の伝熱管31の束を備える。伝熱管31は、ステンレス鋼等からなる。伝熱管31は、血液流路11を横切るように、血液流路11内の血液の流れ方向に対して垂直な方向(図3の紙面に対して垂直な方向)に沿って血液流路11上に配置され、その両端部分はシール部12で保持されている。ハウジング10の側壁の熱交換部30に対応する領域に、熱媒体流入ポート35及び熱媒体流出ポート36が設けられている(図2参照)。熱媒体(冷水又は温水)は、熱媒体流入ポート35を通って熱交換部30に流入し、伝熱管31内を通過し、熱媒体流出ポート36を通って熱交換部30から流出する。血液流路11を流れる血液は、熱交換部30の隣り合う伝熱管31の間の隙間を通過する。このとき、伝熱管31を介して血液と熱媒体との間で熱交換が行われる。
ガス交換部40は、多数の中空糸膜41を積層して形成された中空糸膜束42を備える。中空糸膜41としては、例えば、ポロプロピレンからなる多孔質中空糸膜を用いうる。中空糸膜41は、血液流路11を横切るように、血液流路11内の血液の流れ方向に対して垂直な一方向(図3において上下方向)に沿って血液流路11上に配置され、その両端部分はシール部12で保持されている。
ハウジング10の上壁とシール部12との間に、第1室46及び第2室47が設けられている。第1室46と第2室47とは、隔壁45によって隔てられている。ハウジング10の上壁には、第1室46に連通するガス流入ポート43と、第2室47に連通するガス流出ポート44とが設けられている。ハウジング10の下壁とシール部12との間には、密閉された中間室48が設けられている。ガス交換部40は、第1室46と中間室48とを連通させる複数の中空糸膜41で構成された第1交換部40aと、第2室47と中間室48とを連通させる複数の中空糸膜41で構成された第2交換部40bとを含む。第1交換部40aを構成する中空糸膜41の配列方向と第2交換部40bを構成する中空糸膜41の配列方向とは同じ(または平行)である。第1交換部40aは、第2交換部40bに対して、血液流路11を流れる血液の流れ方向の下流側に配置されている。酸素含有ガスは、ガス流入ポート43、第1室46、第1交換部40aを構成する中空糸膜41、中間室48、第2交換部40bを構成する中空糸膜41、第2室47、ガス流出ポート44を順に流れる。酸素含有ガスは、第1交換部40a及び第2交換部40bを流れるとき、血液流路11を横切る。血液流路11を流れる血液は、ガス交換部40において、第2交換部40bを構成する中空糸膜41の間の隙間を通過し、次いで、第1交換部40aを構成する中空糸膜41の間の隙間を通過する。このとき、中空糸膜41を介して血液と酸素含有ガスとの間でガス交換が行われる。矢印G1は、ガス流入ポート43に流入する酸素含有ガスを示し、矢印G2は、ガス流出ポート44から流出する上記ガス交換後の二酸化炭素含有ガス(排ガス)を示す。
フィルタ部50は、濾材として機能するフィルタ51を備える。フィルタ51としては、限定されないが、一実施例ではポリエチレンテレフタレートからなり、目開きが40μmのメッシュ状のシート材を用いうる。フィルタ51には、山折りと谷折りとを一定間隔で交互に繰り返すことにより形成された、規則的な複数のプリーツが形成されている。フィルタ51の外周端部は、略円形のリング形状を有するフレーム53に保持される。フレーム53の外周端縁は、シール部12に保持される。これにより、フィルタ51は、血液流路11内を流れる血液の流れ方向に垂直な面に沿って血液流路11に配置される。
フィルタ51に対向する、ハウジング10の前壁10aの上部に排気ポート57が設けられている。排気ポート57内に、互いに独立した第1流路58aと第2流路58bとが設けられている。第1流路58aは、フレーム53を貫通し、フィルタ51に対して上流側(ガス交換部50側)の空間(第1空間50a)と連通している。第2流路58bは、フィルタ51に対して下流側(血液流出ポート16側)の空間(第2空間50b)と連通している。
血液Bは、血液流入ポート15を通って人工肺1に流入し、血液流路11を通過し、血液流出ポート16を通って人工肺1から流出する。熱交換部30は、血液を所望の温度に調整し、ガス交換部40は血液に対して酸素加、脱二酸化炭素を行う。フィルタ部50では、フィルタ51が血液中の気泡や異物を捕捉する。捕捉された気泡は、第1流路58a又は第2流路58bを通って人工肺1の外に排気される。
血液流路11の断面は、血液の流れ方向において一定である。従って、従来の人工肺と同様に、血液は血液流路11を実質的に層流として流れる。これは、ガス交換効率の向上と圧力損失の低下に有利である。
ガス交換部40では、ガス流入ポート43から流入した酸素含有ガスは、第1交換部40a及び第2交換部40bを順に通り、ガス流出ポート44から流出する。血液の流れ方向に沿って見たとき、第1交換部40aを構成する中空糸膜41を流れる酸素含有ガスの流れ方向(第1方向)と、第2交換部40bを構成する中空糸膜41を流れる酸素含有ガスの流れ方向(第2方向)とは逆である。即ち、本実施形態では、酸素含有ガスは、ガス交換部40内を略「U」字状に折り返して流れ、血液流路11を逆向きに2回横切る。
従来の人工肺において、血液流路断面内での血液のガス分圧の不均一は、血液の流れ方向に直交するように配置された中空糸膜を、酸素含有ガスが一方向にのみ流れるために発生する。酸素含有ガスは、血液に対してガス交換しながら中空糸膜を通過するので、中空糸膜内の酸素及び二酸化炭素の各分圧は、ガスの流れ方向において徐々に変化する。このため、血液中の二酸化炭素分圧は、酸素含有ガスの流れ方向の上流側で相対的に低く、酸素含有ガスの流れ方向の下流側で相対的に高くなる。その結果、ガス交換部を通過した血液の血液流路断面での二酸化炭素分圧は、中空糸膜の配向方向において不均一になるのである。
これに対して、本実施形態では、酸素含有ガスが、第1交換部40aを第1方向に流れ、第2交換部40bを第1方向とは逆の第2方向に流れる。第1交換部40aと第2交換部40bとは、血液流路断面内で、互いに逆向きの二酸化炭素分圧分布を発生させる。このため、血液が第2交換部40bを通過した時点で発生する血液流路断面内でのガス分圧の不均一は、その後、血液が第1交換部40aを通過することによって相殺される。その結果、本実施形態では、ガス交換部40を通過した血液のガス分圧の不均一が改善されるのである。
ガス交換部40を構成する中空糸膜41の総数は、本実施形態の人工肺1と要求仕様が同じ従来の人工肺のガス交換部を構成する中空糸膜の総数と同じであってもよい。また、本実施形態では、特許文献2に記載されたような、血液を撹拌するための混合部が不要である。従って、本実施形態によれば、圧力損失が増大したり、血液に対する物理的刺激による血液損傷を生じさせたりすることなく、血液のガス分圧の不均一を改善することが可能である。また、ガス交換部40及びこれを含む人工肺1の構成は簡単である。
第1交換部40aを構成する中空糸膜41の数と、第2交換部40bを構成する中空糸膜41の数とは、同じであってもよい。これは、一般に、血液のガス分圧の不均一を改善するのに有利である。但し、各種条件によっては、第1交換部40aを構成する中空糸膜41の数と、第2交換部40bを構成する中空糸膜41の数とが異なっている方が好ましい場合がありうる。
上記の実施形態は、例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態では、第1交換部40aの中空糸膜41と、第2交換部40bの中空糸膜41とは、中間室48を介して連通されていた。但し、本発明はこれに限定されない。例えば、多数の中空糸膜41からなる中空糸膜束を「U」字状に折り曲げて、各中空糸膜41の一端を第1室46に連通させ、他端を第2室47に連通させてもよい。この場合、中間室48は不要となる。
上記の実施形態では、酸素含有ガスが第1交換部40a及び第2交換部40bを順に流れるように第1交換部40aと第2交換部40bとを直列に接続し、第2交換部40bを第1交換部40aよりも血液流れ方向の上流側に配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態とは逆に、第1交換部40aを第2交換部40bよりも血液流れ方向の上流側に配置してもよい。
上記の実施形態では、第1交換部40aと第2交換部40bとが直列に接続された。これは、ガス交換部40及び人工肺1の構成を簡単化するのに有利である。但し、本発明はこれに限定されず、第1交換部40aと第2交換部40bとが並列に接続されてもよい。例えば、第1交換部40a及び第2交換部40bのそれぞれに対して、ガス流入ポート及びガス流出ポートを設けることができる。人工肺1の外でガス流路を分岐させて、酸素含有ガスを、第1交換部40a及び第2交換部40bのそれぞれのガス流入ポートに流入させる。また、ガス交換後の二酸化炭素含有ガスを、第1交換部40a及び第2交換部40bのそれぞれのガス流出ポートから流出させて回収する。この構成でも、第1交換部40aを流れる酸素含有ガスの流れ方向(第1方向)と、第2交換部40bを流れる酸素含有ガスの流れ方向(第2方向)とを逆にすることができ、上記の実施形態と同様に、圧力損失が増大したり、血液損傷を生じさせたりすることなく、血液のガス分圧の不均一を改善することができる。第1交換部40aと第2交換部40bとを並列に接続する構成は、第1交換部40aと第2交換部40bとを直列に接続する構成に比べて、ガス流路の圧力損失が小さくなるので、酸素含有ガスの流速を抑えることができ、ガス交換性能に関して有利である。
ガス交換部40が、酸素含有ガスの流れ方向が互いに逆である1つの第1交換部40aと1つの第2交換部40bとからなるガス交換ユニットを複数有していてもよい。複数のガス交換ユニットは、血液流れ方向に沿って配置される。ガス交換部40が複数のガス交換ユニットを備えることは、血液のガス分圧の不均一を改善するのに有利である。この場合、全ての第1交換部40aと全ての第2交換部40bとは、第1交換部40aと第2交換部40bとが交互に接続されるように、直列に接続されてもよい。あるいは、全ての第1交換部40aが並列に接続され、全ての第2交換部40bが並列に接続されてもよい。並列に接続された第1交換部40aと並列に接続された第2交換部40bとは、直列に接続されてもよく、もしくは、並列に接続されてもよい。ガス交換部40に設けられる上記ガス交換ユニットの数は、1以上であればよく、上限に制限はないが、好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下である。ガス交換ユニットの数を前記上限よりも多くしても、血液のガス分圧の不均一の改善効果が飽和してしまい、却って、ガス交換部40及び人工肺1の構成が複雑化したり、ガス流路の圧力損失が大きくなるのでガス交換性能が低下したりする等の問題が生じる可能性がある。
サンプリングポート17は、血液流出ポート16とは別に設けられていてもよい。これは、血液流出ポート16の構成の簡単化や、血液流出ポート16の圧力損失の低下に有利である。例えば、サンプリングポート17を、血液流出ポート16が設けられたハウジング10の前壁10aに、血液流路11と連通するように設けることができる。第1配置例では、サンプリングポート17を、前壁10aの、血液流出ポート16から中空糸膜41の配向方向に離れた位置に配置してもよい。上述したように、従来の人工肺では、血液流路断面内でのガス分圧の不均一は中空糸膜の配向方向において発生するので、従来の人工肺に当該第1配置例を適用すると、サンプリングポートから採取した血液と、血液流出ポートから流出した血液との間での血液性状の差異を増大させてしまう可能性が高い。本発明では、サンプリングポート17を第1配置例のように配置しても、サンプリングポート17から採取した血液と、血液流出ポート16から流出した血液とで、ガス分圧に差異がほとんど生じない。第2配置例では、サンプリングポート17を、前壁10aの、血液流出ポート16から中空糸膜41の配向方向に垂直な方向に離れた位置に配置してもよい。上述したように、血液流路断面内でのガス分圧の不均一は、中空糸膜41の配向方向に垂直な方向において相対的に小さい。従って、サンプリングポート17を第2配置例のように配置した場合には、サンプリングポート17から採取した血液と、血液流出ポート16から流出した血液との間でのガス分圧の差異がさらに低減される。
上記の実施形態では、ガス交換部40を構成する中空糸膜41の配向方向が上下方向に平行であったが、本発明はこれに限定されない。中空糸膜41の配向方向は、血液の流れ方向に直交する限り任意であり、例えば、水平方向や、上下方向に対して傾斜した方向であってもよい。
上記の実施形態に示した人工肺1は、ハウジング10内に、熱交換部30、ガス交換部40、フィルタ部50が収納されていたが、本発明の人工肺はこれに限定されない。例えば、熱交換部30が、ガス交換部40及びフィルタ部50を収納するハウジング外に配置された人工肺であってもよい。
フィルタ部50の構成は、上記の実施形態に限定されない。例えば、フィルタ51に複数のプリーツが形成されている必要はない。フィルタ51の材料は、上記の実施形態以外の任意の材料を用いうる。排気ポート57内の第1流路58a及び第2流路58bのうちの一方又は両方が省略されてもよい。
本発明は、体外血液循環のための人工心肺回路を構成する人工肺として広範囲に利用することができる。
1 人工肺
10 ハウジング
11 血液流路
15 血液流入ポート
16 血液流出ポート
17 サンプリングポート
40 ガス交換部
40a 第1交換部
40b 第2交換部
41 中空糸膜
42 中空糸膜束
43 ガス流入ポート
44 ガス流出ポート

Claims (7)

  1. 血液流入ポート及び血液流出ポートが設けられたハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられた血液流路であって、血液が前記血液流入ポートから前記血液流路を通って前記血液流出ポートへ流れる、血液流路と、
    前記血液流路を流れる血液に対して酸素加、脱二酸化炭素を行うガス交換部と、
    前記ガス交換部を通過した血液を採取するためのサンプリングポートとを備えた人工肺であって、
    前記ガス交換部は、第1交換部及び第2交換部を含み、
    前記第1交換部及び前記第2交換部のそれぞれは、前記血液流路を横切るように、前記血液流路内の血液の流れ方向に垂直な一方向に沿って配置された複数の中空糸膜を備え、前記中空糸膜の内腔内を酸素を含有するガスが流れるように構成され、
    前記ガスが前記第1交換部を構成する前記中空糸膜を流れる方向と、前記ガスが前記第2交換部を構成する前記中空糸膜を流れる方向とが逆であることを特徴とする人工肺。
  2. 前記第1交換部及び前記第2交換部は、血液の流れ方向に沿って配置されている請求項1に記載の人工肺。
  3. 前記第1交換部を構成する前記中空糸膜と前記第2交換部を構成する前記中空糸膜とが直列に接続されている請求項1又は2に記載の人工肺。
  4. 前記第1交換部を構成する前記中空糸膜の数と、前記第2交換部を構成する前記中空糸膜の数とが同じである請求項1〜3のいずれか一項に記載の人工肺。
  5. 前記ガス交換部は、前記第1交換部と前記第2交換部とからなるガス交換ユニットを複数備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の人工肺。
  6. 前記サンプリングポートは、前記血液流出ポートから、前記中空糸膜の配向方向に又は前記配向方向に対して垂直方向に離れた位置に設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載の人工肺。
  7. 前記ガス交換部において、前記血液流路の断面が血液の流れ方向において一定である請求項1〜6のいずれか一項に記載の人工肺。
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