JP2019066001A - メカニカルシール - Google Patents

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Abstract

【課題】シール面同士の摺接により摩耗する密封環の摩耗量を把握することができるメカニカルシールを提供する。【解決手段】メカニカルシール1は、回転軸SとケーシングCとの間において互いに相対回転可能であり且つ軸方向に対向して配置された回転密封環25及び静止密封環31と、回転密封環25及び静止密封環31の互いに対向するシール面25a,31b同士が摺接するように、回転密封環25を軸方向に付勢することで、回転密封環25を静止密封環31に押圧させる付勢部材21と、回転密封環25側に設けられ、回転密封環25と共に軸方向に変位する被変位検出部41と、ケーシングCに直接又は間接的に固定され、被変位検出部41の軸方向への変位距離Lを検出する変位検出部42と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、メカニカルシールに関する。
従来より、回転機器の内部の被密封流体をシールするものとして、ケーシング側に固定された静止密封環と、回転軸側に一体回転可能に取り付けられた回転密封環とを軸方向に並べて配置し、静止密封環及び回転密封環の互い対向するシール面同士を摺接させるメカニカルシールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このようなメカニカルシールでは、静止密封環及び回転密封環のうちの一方が、スプリング等の付勢部材により他方に押圧付勢されており、シール面同士の摺接により静止密封環又は回転密封環が摩耗しても、シール面同士の間に隙間が生じるのを防止するようになっている。
特開2017−078460号公報
しかし、従来の前記メカニカルシールでは、回転機器の運転中に、シール面同士の摺接により静止密封環又は回転密封環が摩耗しても、その摩耗量を把握することができないため、的確な予防保全や運用方法を提案したり、静止密封環又は回転密封環の寿命を予測したりすることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、密封環の摩耗量を把握することができるメカニカルシールを提供することを目的とする。
(1)本発明のメカニカルシールは、回転軸、及び当該回転軸を包囲しているケーシングの間において、互いに相対回転可能であり且つ軸方向に対向して配置された第1の密封環及び第2の密封環と、前記第1及び第2の密封環の互いに対向するシール面同士が摺接するように、前記第1の密封環を軸方向に付勢することで、当該第1の密封環を前記第2の密封環に押圧させる付勢部材と、を備えたメカニカルシールであって、前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の一方に設けられた被変位検出部と、前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の他方に設けられた変位検出部と、を備え、前記変位検出部は、当該変位検出部と前記被変位検出部との間の軸方向への変位距離を検出する。
ここで、「前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の一方に設けられた」及び「前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の他方に設けられた」のケーシング側に設けられた場合とは、ケーシングに対して、軸方向に変位不能な状態で、直接又は間接的に固定されていることを意味する。
また、「前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の一方に設けられた」及び「前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の他方に設けられた」の第1の密封環側に設けられた場合とは、第1の密封環と共に軸方向に変位可能な状態で、当該第1の密封環に直接又は間接的に取り付けられていることを意味する。
このメカニカルシールによれば、第1及び第2の密封環の互いに対向するシール面同士が摺接して一方の密封環が摩耗すると、第1の密封環側に設けられた被変位検出部または変位検出部が、付勢部材の付勢力によって第1の密封環と共に軸方向に変位する。したがって、変位検出部が、当該変位検出部と被変位検出部との間の軸方向への変位距離を検出することで、前記シール面同士の摺接により摩耗する密封環の摩耗量を把握することができる。
(2)前記メカニカルシールにおいて、前記被変位検出部は、前記第1の密封環側に設けられ、前記変位検出部は、前記ケーシング側に設けられているのが好ましい。
この場合、被変位検出部をケーシング側に設けるとともに変位検出部を第1の密封環側に設ける場合に比べて、メカニカルシールの構造を簡素化することができる。
(3)前記メカニカルシールにおいて、前記第1の密封環は、前記付勢部材により付勢される付勢側ユニット部の少なくとも一部として構成されており、前記付勢側ユニット部の構成部品が、前記被変位検出部として用いられているのが好ましい。
この場合、付勢側ユニット部の構成部品以外に、被変位検出部を設ける必要がないので、メカニカルシールの構造をさらに簡素化することができる。
(4)前記メカニカルシールにおいて、前記付勢部材、前記第1の密封環及び前記被変位検出部は、前記回転軸側に設けられ、前記第2の密封環は、前記ケーシング側に設けられた静止側ユニットの少なくとも一部として構成され、前記変位検出部は、前記被変位検出部との間に前記静止側ユニットを介在して配置されており、前記静止側ユニットの構成部品には、前記変位検出部が前記変位距離を検出するために前記被変位検出部に向けて照射した光又は超音波を通す照射路が形成されているのが好ましい。
このように、付勢部材が回転軸側に設けられている、いわゆる回転型のメカニカルシールの場合、変位検出部と被変位検出部との間に静止側ユニットが介在する。しかし、このような構成であっても、変位検出部が被変位検出部に向けて照射した光又は超音波は、静止側ユニットの構成部品に形成された照射路を通るので、変位検出部は、静止側ユニットに邪魔されることなく確実に前記変位距離を検出することができる。
(5)前記メカニカルシールは、前記ケーシング側に設けられた静止側ユニットをさらに備え、前記静止側ユニットは、前記ケーシングに固定され且つ前記付勢部材を有する固定側ユニット部と、前記固定側ユニット部に対して前記付勢部材により付勢される付勢側ユニット部と、を有し、前記第1の密封環及び前記被変位検出部は、前記付勢側ユニット部の少なくとも一部として構成され、前記第2の密封環は、前記回転軸側に設けられ、前記変位検出部は、前記被変位検出部との間に前記固定側ユニット部を介在して配置されており、前記固定側ユニット部の構成部品には、前記変位検出部が前記変位距離を検出するために前記被変位検出部に向けて照射した光又は超音波を通す照射路が形成されているのが好ましい。
このように、付勢部材がケーシンング側(静止側ユニット)に設けられている、いわゆる静止型のメカニカルシールの場合、変位検出部と被変位検出部との間に固定側ユニット部が介在する。しかし、このような構成であっても、変位検出部が被変位検出部に向けて照射した光又は超音波は、固定側ユニット部の構成部品に形成された照射路を通るので、変位検出部は、固定側ユニット部に邪魔されることなく確実に前記変位距離を検出することができる。
(6)前記メカニカルシールは、前記変位検出部が検出した前記変位距離に基づいて、前記第1及び第2の密封環のうち、前記シール面同士の摺接により摩耗する一方の密封環の単位時間当たりの摩耗量を算出する処理を行う制御部をさらに備えるのが好ましい。
この場合、制御部により前記一方の密封環の単位時間当たりの摩耗量を容易に把握することができる。
(7)前記メカニカルシールにおいて、前記制御部は、算出した前記摩耗量が異常である場合、所定の警告を報知する指令を出力する処理を行うのが好ましい。
この場合、前記一方の密封環の単位時間当たりの摩耗量が異常であることを容易に把握することができる。
(8)前記メカニカルシールにおいて、前記制御部は、算出した前記摩耗量に基づいて、前記一方の密封環の摩耗寿命を予測する処理を行ってもよい。
この場合、前記一方の密封環の摩耗寿命を容易に把握することができる。
(9)前記メカニカルシールは、前記変位検出部が検出した変位距離を含む情報を外部に送信する送信部をさらに備えるのが好ましい。
この場合、例えば、メカニカルシールを外部から監視する監視装置に前記変位距離を含む情報を送信することで、メカニカルシールの摩耗状況等を遠隔において把握することができる。
(10)前記メカニカルシールは、前記変位検出部が検出した変位距離を含む情報、及び前記制御部が行った処理に関する情報のうち、少なくとも一方の情報を外部に送信する送信部をさらに備えていてもよい。
この場合、例えば、メカニカルシールを外部から監視する監視装置に、前記変位距離を含む情報や、制御部が行った処理に関する情報を送信することで、前記一方の密封環の摩耗状況や、制御部が行った処理等を遠隔において把握することができる。
本発明によれば、メカニカルシールのシール面同士の摺接により摩耗する密封環の摩耗量を把握することができる。
本発明の第1実施形態に係るメカニカルシールを示す断面図である。 図1の要部拡大断面図である。 静止密封環のノーズ部における軸方向の残り長さの経時変化を示す曲線グラフである。 ノーズ部の残り長さの算出方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るメカニカルシールを示す断面図である。 図5の要部拡大断面図である。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るメカニカルシールを示す断面図である。図1において、本実施形態のメカニカルシール1は、ポンプ又は撹拌機等の回転機器に用いられ、この回転機器の回転軸Sと、この回転軸Sを包囲しているケーシングCとの間に配置された、いわゆる回転型のメカニカルシールである。
メカニカルシール1は、機外側領域Aと機内側領域Bとの間をシールするものであり、回転軸Sに一体回転可能に設けられた回転側ユニット2と、ケーシングCに設けられた静止側ユニット3とを備えている。なお、本明細書において、図1の左側を機外側、図1の右側を機内側という(図2、図5及び図6についても同様)。
メカニカルシール1の静止側ユニット3は、ケーシングCに固定された環状のシールケース30と、このシールケース30の内側に設けられた(内嵌された)環状の静止密封環31と、後述する変位検出部42とを備えている。
シールケース30は、ケーシングCの機外側の端面に当接して固定されている。シールケース30の機内側の端面には、ケーシングCの機外側の端面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング32が設けられている。ケーシングCには、フラッシング流体をケーシングC内に供給する供給路c1、及びケーシングC内のフラッシング流体を外部に排出する排出路(図示省略)がそれぞれ形成されている。
静止密封環31は、例えばカーボンからなり、その機内側の端部には、機内側に突出するノーズ部31aが形成されている。ノーズ部31aの機内側の端面は、シール面31bとされている。静止密封環31の外周には、その軸方向の二箇所にシールケース30の内周面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング33,34が設けられている。
メカニカルシール1の回転側ユニット2は、回転軸Sに固定された固定側ユニット部2Aと、固定側ユニット部2Aに対して軸方向の機外側に付勢される付勢側ユニット部2Bとを有している。
固定側ユニット部2Aは、スプリングリテーナ20、及び付勢部材21を備えている。付勢側ユニット部2Bは、ドライブピン22、ドライブカラー23、リテーナ24、回転密封環25、及び後述する被変位検出部41を備えている。
スプリングリテーナ20には、径方向に貫通する複数のねじ孔20aが周方向に所定間隔をあけて形成されている。各ねじ孔20aにはセットスクリュー26が螺合されており、このセットスクリュー26を締め付けることで、その先端部が回転軸Sの外周面を押し付けている。これにより、スプリングリテーナ20は、セットスクリュー26によって回転軸Sに固定されている。
スプリングリテーナ20には、軸方向に貫通する複数の貫通孔20b(図1では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。各貫通孔20bには、ドライブピン22が挿入されており、ドライブピン22は、スプリングリテーナ20に対して軸方向の所定範囲で移動自在に保持されている。
ドライブピン22の機外側の端部は、スプリングリテーナ20の機外側において、回転軸Sの外周面に対して軸方向に摺動可能に取り付けられた環状のドライブカラー23に固定されている。具体的には、ドライブカラー23には、軸方向に貫通する複数のねじ孔23a(図1では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて形成されており、各ねじ孔23aには各ドライブピン22の前記端部に形成された雄ねじ部22aが螺合されている。これにより、ドライブカラー23は、ドライブピン22を介してスプリングリテーナ20に対して軸方向に移動可能に保持されながら、スプリングリテーナ20に対する相対回転が規制されている。
スプリングリテーナ20は、周方向に所定間隔をあけて複数の付勢部材21(図1では1個のみ図示)における機内側の端部を保持している。付勢部材21は、例えば圧縮コイルばねからなり、その機外側の端部は、ドライブカラー23の機内側の端面に当接している。これにより、ドライブカラー23は、付勢部材21の付勢力によって機外側に付勢されている。
ドライブカラー23の機外側には、環状のリテーナ24が隣接して配置されている。リテーナ24は、回転軸Sの外周面に対して軸方向に摺動可能に取り付けられている。リテーナ24の機内側の端面には、機内側に突出する複数の係合ピン24a(図1では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて一体に形成されている。各係合ピン24aは、ドライブカラー23に形成された係合孔23bに係合されている。これにより、リテーナ24は、ドライブカラー23と共に回転軸Sに対して軸方向に移動可能に保持されながら、ドライブカラー23に対する相対回転が規制されている。リテーナ24の内周には、回転軸Sの外周面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング27が設けられている。
リテーナ24の機外側の端部には、環状の回転密封環25が内嵌されている。回転密封環25は、例えば、耐摩耗性及びシール性能に優れた炭化ケイ素(SiC)の焼結体からなり、静止密封環31に対して軸方向に対向して配置されている。回転密封環25の機外側の端面は、静止密封環31のシール面31bに対向して配置された状態で、当該シール面31bに摺接(摺動しながら接触)するシール面25aとされている。回転密封環25のシール面25aと静止密封環31のシール面31bとの摺接部分は、供給路c1から供給されるフラッシング流体によって冷却及び潤滑される。
以上の構成により、ドライブカラー23がドライブピン22を介してスプリングリテーナ20から回転軸Sの駆動トルクを受けることによって、リテーナ24が係合ピン24aを介して回転駆動される。これにより、ドライブカラー23、リテーナ24及び回転密封環25は回転軸Sと一体回転する。その際、ドライブカラー23は、ドライブピン22を介してスプリングリテーナ20に対して軸方向へ移動可能に保持された状態で、付勢部材21によって機外側に付勢されている。これにより、回転密封環25のシール面25aは、静止密封環31のシール面31bに所定圧力で押圧されながら摺接することで、機外側領域Aと機内側領域Bとの間をシールしている。
本実施形態では、回転密封環25は、付勢部材21により軸方向に付勢される「第1の密封環」とされ、静止密封環31は、第1の密封環により押圧される「第2の密封環」とされている。また、本実施形態では、シール面25a,31b同士の摺接により、カーボンからなる静止密封環31が、SiCの焼結体からなる回転密封環25に対して摩耗するため、静止密封環31が、シール面25a,31b同士の摺接により摩耗する「一方の密封環」とされている。
<密封環の摩耗量を検出する構成>
本実施形態のメカニカルシール1は、シール面25a,31b同士の摺接により摩耗する静止密封環31の摩耗量を検出するために、第1の密封環側(回転密封環25側)に設けられた被変位検出部41と、ケーシングC側に設けられた変位検出部42とを備える。
ここで、本明細書において、「第1の密封環側に設けられ」とは、第1の密封環と共に軸方向に変位可能な状態で、当該第1の密封環に直接又は間接的に取り付けられていることを意味する。また、「ケーシングC側に設けられ」とは、ケーシングCに対して、軸方向に変位不能な状態で、直接又は間接的に固定されていることを意味する。
図2は、図1の要部拡大断面図である。図2において、被変位検出部41は、付勢側ユニット部2Bのリテーナ24の内周面における機外側の端部から、径方向内方に突出して一体に形成されている。すなわち、本実施形態では、付勢側ユニット部2Bの構成部品であるリテーナ24の一部が、被変位検出部41として用いられている。これにより、被変位検出部41は、回転密封環25に間接的に取り付けられている。なお、被変位検出部41は、回転密封環25に直接取り付けられていてもよい。
以上により、被変位検出部41は、シール面25a,31b同士が摺接して静止密封環31が摩耗すると、付勢部材21の付勢力によって、回転密封環25と共に軸方向の機外側(換言すれば、変位検出部42に近づく方向)に変位するようになっている。被変位検出部41の機外側の端面には、回転密封環25よりも径方向内方に延びる反射面41aが形成されている。
変位検出部42は、シールケース30の機外側の端面における周方向の所定箇所に、ボルト35により固定されている(図1参照)。これにより、変位検出部42は、ケーシングCに対して、軸方向に変位不能な状態で、シールケース30を介して間接的に固定されている。なお、変位検出部42は、ケーシングCに直接固定されていてもよい。
本実施形態の変位検出部42は、例えばレーザ光を用いた光学変位センサからなり、変位検出部42と被変位検出部41との間の軸方向への変位距離Lを検出するものである。変位検出部42の機内側の内周端部には、前記変位距離Lを検出するために、レーザ光を照射及び受光する投受光部42aを有している。投受光部42aは、被変位検出部41の反射面41aに対向して配置されている。
図2の右向きの破線矢印で示すように、投受光部42aから機内側に照射されたレーザ光は、被変位検出部41の反射面41aで反射し、その反射したレーザ光(反射光)は、図2の左向きの破線矢印で示すように、投受光部42aで受光される。変位検出部42は、投受光部42aがレーザ光を照射してから反射光を受光するまでの経過時間を計測し、その経過時間に基づいて、変位検出部42と被変位検出部41との間の軸方向への変位距離Lを検出する。その際、変位検出部42は、数ミリ秒(ms)〜数十秒(s)の範囲で適宜設定された時間間隔でレーザ光を照射して前記変位距離Lを検出する。
変位検出部42の投受光部42aと被変位検出部41との間には、静止側ユニット3の構成部品である静止密封環31が介在している。このため、静止密封環31の内周部には、投受光部42aが照射したレーザ光を通し、且つ反射面41aからの反射光を通す照射路43が形成されている。
具体的には、照射路43は、静止密封環31の内周面における周方向の所定箇所を、軸方向全長にわたって切り欠いて形成されている。なお、本実施形態の照射路43は、静止側ユニット3の構成部品である静止密封環31に設けられているが、投受光部42aと被変位検出部41との間に静止側ユニット3の他の構成部品が介在している場合には、当該他の構成部品に設ければよい。
<制御構成>
図1において、本実施形態のメカニカルシール1は、変位検出部42が検出した変位距離Lに基づいて所定の処理を行う制御部44と、所定の情報を外部に送信する通信部(送信部)45とをさらに備えている。本実施形態の制御部44及び通信部45は、例えば回転機器の外側に配置されている。
制御部44は、変位検出部42に接続されており、変位検出部42から所定時間毎に変位距離Lを取得する。この変位距離Lは、シール面25a,31b同士が摺接して静止密封環31が摩耗することで、付勢部材21の付勢力により、被変位検出部41が回転密封環25と共に軸方向に変位したときの距離である。したがって、変位距離Lは、静止密封環31が摩耗前の状態(新品の状態。以下、同様。)から摩耗した摩耗量を示している。
制御部44は、取得した変位距離Lに基づいて、まず静止密封環31の単位時間当たりの摩耗量を算出する処理を行う(第1処理)。静止密封環31の単位時間当たりの摩耗量は、前記変位距離Lを前記単位時間で除算することにより得ることができる。
本実施形態の制御部44は、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量、及び静止密封環31の第2の単位時間t2当たりの摩耗量をそれぞれ算出する。第1の単位時間t1は、例えば60分に設定されている。第2の単位時間t2は、第1の単位時間t1よりも長い時間であり、例えば24時間に設定されている。
<異常摩耗の警告制御>
制御部44は、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量が異常である場合に、所定の警告を報知する処理を行う(第2処理)。その際、制御部44は、予め用意された、図3に示す曲線グラフを用いて第2の処理を行う。図3の実線で示す曲線は、回転機器を正常運転した場合に推定される、静止密封環31のノーズ部31aにおける軸方向の残り長さLnの経時変化を示している。以下、この曲線を、推定曲線という。
図4は、ノーズ部31aの残り長さLnの算出方法を示す説明図である。ノーズ部31aの残り長さLnは、ノーズ部31aの摩耗前の状態における軸方向の初期長さL0から、変位距離Lを減算した値である。したがって、ノーズ部31aの残り長さLnは、変位距離Lが長くなるに従って(ノーズ部31aの摩耗量が増加するに従って)、徐々に減少する。
図3に示すように、ノーズ部31aの残り長さLnは、一般的に、摩耗前の状態から、シール面25a,31b同士の摺接が馴染むまでの初期摩耗期間において、減少度合が大きくなる傾向にある。この初期摩耗期間を終えた時点では、ノーズ部31aの軸方向の長さL1(<初期長さL0)が、残り長さLnとなる。その後、ノーズ部31aの残り長さLnは、減少度合が小さくなる状態が長く継続する傾向にある。したがって、これらの傾向に基づいて、前記推定曲線を作成することができる。
制御部44は、前記残り長さLnの実際の減少度合を示す、静止密封環31(ノーズ部31a)の第1の単位時間t1当たりの摩耗量が、図3の推定曲線で示す減少度合に対してずれている割合が閾値以上であるか否かを判定する。そして、制御部44は、前記ずれている割合が閾値以上であると判定した場合には、前記第1の単位時間t1当たりの摩耗量が異常であると認定し、報知手段(図示省略)に対して、所定の警告を報知する指令を出力する。
本実施形態の制御部44は、前記閾値を、第1閾値、第2閾値(>第1閾値)、及び第3閾値(>第2閾値)の3段階に分けて設定している。第1閾値〜第3閾値は、例えば、順に5%、10%、及び15%にそれぞれ設定されている。
そして、制御部44は、前記ずれている割合が各段階で対応する閾値以上になったときに、報知手段が報知する警告内容を、各段階に応じて変更するように制御する。具体的には、制御部44は、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量が、図3の二点鎖線で示す曲線のように経時変化する場合、以下のように制御する。
まず、第1時点Taにおいて、制御部44は、前記ずれている割合が、最も小さい値である第1閾値以上であると判定した場合、報知手段に対して、例えば警報音を鳴動させる指令や、警報ランプを点灯させる指令等の簡易的な注意喚起を促す指令を出力する。
そして、次の第2時点Tbにおいて、制御部44は、前記ずれている割合が、第1閾値よりも大きい第2閾値以上であると判定した場合、報知手段に対して、例えば具体的な不具合箇所(例えば、フラッシング流体の流路が閉塞している可能性があること)を、音声や文字表示等により報知する指令を出力する。
さらに、次の第3時点Tcにおいて、制御部44は、前記ずれている割合が、最も大きい値である第3閾値以上であると判定した場合、報知手段に対して、例えば回転機器の運転を停止する旨を音声や文字表示等により報知する指令を出力した後、図示しない回転機器の駆動部に対して駆動停止させる指令を出力する。
なお、本実施形態の制御部44は、3種類の閾値を用いているが、2種類以下の閾値を用いてもよいし、4種類以上の閾値を用いてもよい。また、本実施形態の制御部44は、全ての閾値について、前記ずれている割合が閾値以上であるか否かで判定しているが、少なくとも1種類の閾値については、前記ずれている割合が閾値を超えているかで判定してもよい。
<摩耗寿命の予測制御>
制御部44は、前記第1処理で算出した静止密封環31の第2の単位時間t2当たりの摩耗量に基づいて、静止密封環31の摩耗寿命を予測する処理を行う(第3処理)。
前記第2の単位時間t2当たりの摩耗量は、静止密封環31をシールとして使用可能なノーズ部31aの軸方向の長さが、第2の単位時間t2の間にどれだけ減少したかを示している。
そこで、制御部44は、まず、前記初期摩耗期間が経過した後、変位検出部42から変位距離Lを取得し、静止密封環31の初期摩耗期間以後における第2の単位時間t2当たりの摩耗量を算出する。ここで、初期摩耗期間以後としているのは、ノーズ部31aの長さの減少度合が大きくなる初期摩耗期間を含むと、静止密封環31の寿命摩耗を高い精度で予測することが困難になるためである。
具体的には、制御部44は、以下の式に示すように、変位検出部42と変位検出部41との間の変位距離L、ノーズ部31aの初期長さL0、及びノーズ部31aの初期摩耗期間を終えた時点での長さL1を用いて、ノーズ部31aが初期摩耗期間以後に減少した軸方向の長さΔLを算出する(図4参照)。
ΔL=(L−(L0−L1))
そして、制御部44は、算出した前記長さΔLを第2の単位時間t2で除算する。この除算した値が、静止密封環31の初期摩耗期間以後における第2の単位時間t2当たりの摩耗量となる。
次に、制御部44は、ノーズ部31aの残り長さLnを、前記長さΔLを用いて算出した第2の単位時間t2当たりの摩耗量で除算する。この除算した値は、ノーズ部31aが残り長さLnからゼロになるまでに要する摩耗時間(摩耗寿命)を示している。これにより、制御部44は、第2の単位時間t2当たりの摩耗量に基づいて、静止密封環31の摩耗寿命を高い精度で予測することができる。その後、制御部44は、予測した静止密封環31の摩耗寿命を、前記報知手段に対して、音声や文字表示等により報知する指令を出力する。
<外部送信>
図1に示すように、本実施形態の通信部45は、制御部44に接続されており、例えば、回転機器の外部からメカニカルシール1を監視する監視装置(図示省略)との間で、所定の情報を無線又は有線により送受信する機能を有している。通信部45は、制御部44から外部の監視装置に送信する指令を受けると、制御部44から取得した所定の情報を、監視装置に対して無線又は有線で送信する。具体的には、通信部45は、変位検出部42が検出した変位距離Lを含む第1の情報、及び制御部44が行った処理に関する第2の情報を監視装置に送信する。
前記第2の情報には、例えば、下記(1)〜(5)の情報が含まれている。
(1)第1処理で算出した、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量
(2)第1処理で算出した、静止密封環31の第2の単位時間t2当たりの摩耗量
(3)第2処理で算出した、ノーズ部31aの残り長さLn
(4)第2処理において、第1〜第3閾値の各閾値に対応する所定の警告を、報知手段に対して報知する指令を出力したこと
(5)第3処理で予測した、静止密封環31の摩耗寿命
なお、本実施形態の通信部45は、第1及び第2の情報を送信しているが、いずれか一方の情報のみを送信するようにしてもよい。また、本実施形態の第2の情報には、上記(1)〜(5)の情報が含まれているが、これらの情報のうち少なくとも1つの情報が含まれていればよい。
監視装置は、メカニカルシール1の通信部45から受信した第1及び第2の情報を収集して蓄積する。これにより、監視装置において、メカニカルシール1の摩耗状況等を遠隔において把握することができる。また、監視装置において、例えば、複数の同型の回転機器にそれぞれ備えられたメカニカルシール1の通信部45から前記第1及び第2の情報を受信することで、これらの情報を以下のように活用することができる。
すなわち、監視装置が各回転機器から受信した第1及び第2の情報を収集して蓄積することで、前記同型の回転機器における静止密封環31の摩耗の挙動や摩耗寿命をより正確に把握することができる。これにより、各回転機器を使用しているユーザに対して、メカニカルシール1の的確な予防保全や運用方法を提案することができる。
具体的には、監視装置に蓄積された静止密封環31の摩耗の経時変化に基づいて、フラッシング流体が流れているか否かを正確に予測することが可能になるため、フラッシング流体が流れていないと予測された場合には、ユーザに対してフラッシング流体の流路が閉塞している可能性が高いことをアドバイスすることができる。
また、監視装置で収集・蓄積された静止密封環31の摩耗の経時変化等に関する情報は、監視装置からメカニカルシール1の通信部45に送信され、制御部44にフィードバックされる。これにより、制御部44は、前記フィードバックされた情報に基づいて、図3に示す推定曲線をより高い精度で推定することができ、且つ第1〜第3閾値をより的確な値に設定することができる。その結果、第2処理において、報知手段に対して、より正確な警告を報知する指令を出力することできる。
<作用効果>
以上、本実施形態のメカニカルシール1によれば、シール面25a,31b同士が摺接して静止密封環31が摩耗すると、被変位検出部41は、付勢部材21の付勢力によって回転密封環25と共に軸方向に変位する。したがって、変位検出部42が、当該変位検出部42と被変位検出部41との間の軸方向への変位距離Lを検出することで、静止密封環31の摩耗量を把握することができる。
また、被変位検出部41が回転密封環25側に設けられ、変位検出部42がケーシングC側に設けられているので、被変位検出部41をケーシングC側に設けるとともに変位検出部42を回転密封環25側に設ける場合に比べて、メカニカルシール1の構造を簡素化することができる。
また、付勢側ユニット部2Bの構成部品であるリテーナ24が、被変位検出部41として用いられているので、付勢側ユニット部2Bの構成部品以外に、被変位検出部41を設ける必要がない。このため、メカニカルシール1の構造をさらに簡素化することができる。また、SiCの焼結体からなる回転密封環25に被変位検出部41を一体に形成する場合に比べて、被変位検出部41を安価に製作することができる。
また、付勢部材21が回転軸S側に設けられている、いわゆる回転型のメカニカルシール1の場合、変位検出部42の投受光部42aと被変位検出部41との間に静止側ユニット3が介在する。しかし、このような構成であっても、変位検出部42が被変位検出部41に向けて照射したレーザ光、及び被変位検出部41で反射した反射光は、静止側ユニット3の静止密封環31に形成された照射路43を通るので、変位検出部42は、静止側ユニット3に邪魔されることなく確実に変位距離Lを検出することができる。
また、制御部44は、変位検出部42が検出した変位距離Lに基づいて、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量、及び第2の単位時間t2当たりの摩耗量を算出する処理を行うので、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量、及び第2の単位時間t2当たりの摩耗量を容易に把握することができる。
また、制御部44は、静止密封環31の第1の単位時間t1当たりの摩耗量が異常である場合、所定の警告を報知する指令を出力する処理を行うので、前記摩耗量が異常であることを容易に把握することができる。
また、制御部44は、静止密封環31の第2の単位時間t2当たりの摩耗量に基づいて、静止密封環31の摩耗寿命を予測する処理を行うので、静止密封環31の摩耗寿命を容易に把握することができる。
また、通信部45は、変位検出部42が検出した変位距離Lを含む第1の情報、及び制御部44が行った処理に関する第2の情報を、外部の監視装置に送信するので、メカニカルシール1の摩耗状況等を遠隔において把握することができる。また、監視装置において、前記第1及び第2の情報を収集・蓄積することで、各回転機器を使用しているユーザに対して、メカニカルシール1の的確な予防保全や運用方法をアドバイスすることができる。
監視装置としては、プラント等において各機器の運転状態等を一括で監視や制御を行うシステムのみならず、パソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等を含む。タブレット端末等を監視装置とした場合には、監視制御システムのように制御室等の場所に居なくても、現場で作業等をしながら、メカニカルシール1の摩耗状況の監視等を行うことができる。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係るメカニカルシールを示す断面図である。図5において、第2実施形態のメカニカルシールは、いわゆる静止型のメカニカルシールであり、この点において、第1実施形態における回転型のメカニカルシールと相違する。
第2実施形態のメカニカルシール1において、回転側ユニット2は、回転軸Sに外嵌されたスリーブ51と、スリーブ51の機内側の端部に外嵌されたリテーナ52と、リテーナ52の機外側の端部に内嵌されている環状の回転密封環25とを備えている。
スリーブ51の機外側に端部は、ストッパリング53が外嵌されており、このストッパリング53に螺合されている複数のセットスクリュー54を締め付けることで、スリーブ51は、回転軸Sに固定されている。スリーブ51の機内側の端部の内周には、回転軸Sの外周面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング55が設けられている。
リテーナ52の機内側の端部には、径方向に貫通する複数のねじ孔52a(図5では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。各ねじ孔52aにはセットスクリュー56が螺合されており、このセットスクリュー56を締め付けることで、その先端部がスリーブ51の外周面を押し付けている。これにより、リテーナ52は、セットスクリュー56によってスリーブ51に固定されている。リテーナ52の内周には、スリーブ51の外周面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング57が設けられている。
リテーナ52の機外側の端面には、機外側に突出する複数の係合ピン52b(図5では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて一体に形成されている。各係合ピン52bは、環状の回転密封環25に形成された係合孔25bに係合されている。これにより、回転密封環25は、リテーナ52を介してスリーブ51に対する相対回転が規制されている。回転密封環25は、例えば、耐摩耗性及びシール性能に優れたSiCの焼結体からなる。回転密封環25の機内側の端面は、シール面25aとされている。回転密封環25の外周には、リテーナ52との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング58が設けられている。
本実施形態の静止側ユニット3は、ケーシングCに固定された固定側ユニット部3Aと、固定側ユニット部3Aに対して軸方向の機内側に付勢される付勢側ユニット部3Bとを有している。
固定側ユニット部3Aは、シールケース61、フランジ62、固定リング63、及び付勢部材64、及び後述する変位検出部42を備えている。付勢側ユニット部3Bは、ドライブピン65、ドライブカラー66、リテーナ67、静止密封環31、及び後述する被変位検出部81を備えている。
シールケース61は、環状に形成されており、ケーシングCの機外側の端面に当接して固定されている。シールケース61には、フラッシング流体をケーシングC内に供給する供給路61a、及びケーシングC内のフラッシング流体を外部に排出する排出路61bがそれぞれ形成されている。シールケース61の機内側の端面には、ケーシングCの機外側の端面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング68が設けられている。フランジ62は、環状に形成されており、ボルト69によりシールケース61の機外側の端面に固定されている。
固定リング63は、シールケース61の機外側の内周面に内嵌されている。固定リング63には、軸方向に貫通する複数の貫通孔63a(図5では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。各貫通孔63aには、ドライブピン65が挿入されており、ドライブピン65は、固定リング63に対して軸方向の所定範囲で移動自在に保持されている。
ドライブピン65の機内側の端部は、固定リング63よりも機内側に配置された環状のドライブカラー66に固定されている。ドライブカラー66は、スリーブ51の外周面に対して軸方向に摺動可能に取り付けられている。これにより、ドライブカラー66は、ドライブピン65を介して固定リング63に対して軸方向に移動可能に保持されながら、スリーブ51に対する相対回転が規制されている。
固定リング63は、周方向に所定間隔をあけて複数の付勢部材64(図5では1個のみ図示)における機外側の端部を保持している。付勢部材64は、例えば圧縮コイルばねからなり、その機内側の端部は、ドライブカラー66の機外側の端面に当接している。これにより、ドライブカラー66は、付勢部材64の付勢力によって機内側に付勢されている。
ドライブカラー66の内周には、径方向内方に突出する複数の係合ピン66a(図5では1個のみ図示)が周方向に所定間隔をあけて形成されている。各係合ピン66aは、リテーナ67に形成された係合孔67aにそれぞれ係合されている。これにより、リテーナ67は、ドライブカラー66と共に固定リング63に対して軸方向に移動可能に保持されながら、ドライブカラー66に対する相対回転が規制されている。リテーナ67の外周面には、シールケース61の内周面との間をシール(二次シール)するゴム製のOリング70が設けられている。
リテーナ67の機内側の端部には、環状の静止密封環31が内嵌されている。静止密封環31は、例えば、カーボンからなり、回転密封環25に対して軸方向に対向して配置されている。静止密封環31の機内側の端部には、機内側に突出するノーズ部31aが形成されている。ノーズ部31aの機内側の端面は、回転密封環25のシール面25aに対向して配置された状態で、当該シール面25aが摺接するシール面31bとされている。回転密封環25のシール面25aと静止密封環31のシール面31bとの摺接部分は、供給路61aから供給されるフラッシング流体によって冷却及び潤滑される。
以上の構成により、リテーナ52がスリーブ51を介して回転軸Sの駆動トルクを受けることによって、回転密封環25が係合ピン52bを介して回転駆動される。これにより、リテーナ52及び回転密封環25は回転軸Sと一体回転する。その際、静止密封環31は、リテーナ67、ドライブカラー66、及びドライブピン65を介して、固定リング63に対して軸方向へ移動可能に保持された状態で、付勢部材64によって機内側に付勢されている。これにより、静止密封環31のシール面31bが、回転密封環25のシール面25aに所定圧力で押圧されながら、両シール面25a,31bが摺接することで、機外側領域Aと機内側領域Bとの間をシールしている。
本実施形態では、静止密封環31は、付勢部材64により軸方向に付勢される「第1の密封環」とされ、回転密封環25は、第1の密封環により押圧される「第2の密封環」とされている。また、本実施形態では、シール面25a,31b同士の摺接により、カーボンからなる静止密封環31が、SiCの焼結体からなる回転密封環25に対して摩耗するため、静止密封環31が、シール面25a,31b同士の摺接により摩耗する「一方の密封環」とされている。
本実施形態のメカニカルシール1は、シール面25a,31b同士の摺接により摩耗する静止密封環31の摩耗量を検出するために、第1の密封環側(静止密封環31側)に設けられた被変位検出部81と、ケーシングC側に設けられた変位検出部42とを備える。
図6は、図5の要部拡大断面図である。図6において、被変位検出部81は、付勢側ユニット部3Bのドライブカラー66における機外側の端部から、径方向内方に突出して一体に形成されている。すなわち、本実施形態では、付勢側ユニット部3Bの構成部品であるドライブカラー66の一部が、被変位検出部81として用いられている。これにより、被変位検出部41は、静止密封環31に間接的に取り付けられている。なお、被変位検出部41は、静止密封環31に直接取り付けられていてもよい。
以上により、被変位検出部81は、シール面25a,31b同士が摺接して静止密封環31が摩耗すると、付勢部材64の付勢力によって、静止密封環31と共に軸方向の機内側(換言すれば、変位検出部42から遠ざかる方向)に変位するようになっている。被変位検出部81の機外側の端面には、反射面81aが形成されている。
変位検出部42は、フランジ62の機内側の端面における周方向の所定箇所に形成された切欠部62aに嵌め込まれている。そして、変位検出部42は、シールケース61の機外側の端面に対して、ボルト71(図5参照)により、フランジ62と共に固定されている。これにより、変位検出部42は、ケーシングCに対して、軸方向に変位不能な状態で、シールケース61を介して間接的に固定されている。なお、変位検出部42は、ケーシングCに直接固定されていてもよい。また、本実施形態の変位検出部42は、第1実施形態と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
変位検出部42の投受光部42aと被変位検出部81との間には、固定側ユニット部3Aの構成部品である固定リング63が介在している。このため、固定リング63の内周部には、変位検出部42の投受光部42aが照射したレーザ光(図6の右向きの破線矢印)を通し、且つ反射面81aからの反射光(図6の左向きの破線矢印)を通す照射路43が形成されている。
具体的には、照射路43は、固定リング63の内周面における周方向の所定箇所を、軸方向全長にわたって切り欠いて形成されている。なお、本実施形態の照射路43は、固定側ユニット部3Aの構成部品である固定リング63に設けられているが、投受光部42aと被変位検出部81との間に、固定側ユニット部3Aの他の構成部品が介在している場合には、当該他の構成部品に設ければよい。
図5において、本実施形態のメカニカルシール1は、変位検出部42が検出した変位距離Lに基づいて所定の処理を行う制御部44と、所定の情報を外部に送信する通信部(送信部)45とをさらに備えている。本実施形態の制御部44及び通信部45の構成、及び制御部44が行う制御処理は、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
以上、本実施形態のメカニカルシール1によれば、シール面25a,31b同士が摺接して静止密封環31が摩耗すると、被変位検出部81は、付勢部材64の付勢力によって静止密封環31と共に軸方向に変位する。したがって、変位検出部42が、当該変位検出部42と被変位検出部81との間の軸方向への変位距離Lを検出することで、静止密封環31の摩耗量を把握することができる。
また、被変位検出部81が静止密封環31側に設けられ、変位検出部42がケーシングC側に設けられているので、被変位検出部81をケーシングC側に設けるとともに変位検出部42を静止密封環31側に設ける場合に比べて、メカニカルシール1の構造を簡素化することができる。
また、付勢側ユニット部3Bの構成部品であるドライブカラー66が、被変位検出部81として用いられているので、付勢側ユニット部3Bの構成部品以外に、被変位検出部81を設ける必要がない。このため、メカニカルシール1の構造をさらに簡素化することができる。
また、付勢部材64がケーシングC側に設けられている、いわゆる静止型のメカニカルシール1の場合、変位検出部42の投受光部42aと被変位検出部81との間に固定側ユニット部3Aが介在する。しかし、このような構成であっても、変位検出部42が被変位検出部81に向けて照射したレーザ光、及び被変位検出部81で反射した反射光は、固定側ユニット部3Aの固定リング63に形成された照射路43を通るので、変位検出部42は、固定側ユニット部3Aに邪魔されることなく確実に変位距離Lを検出することができる。
[その他]
上記実施形態における変位検出部42は、光学変位センサとしてレーザ光を用いているが、赤外線光を用いてもよい。また、変位検出部42は、光学変位センサ以外に、超音波を用いた変位センサを用いてもよい。また、変位検出部42のケーシングC側への取り付け構造は、上記実施形態に限定されるものではない。また、上記実施形態では、変位検出部42をケーシングC側に設け、被変位検出部41(81)を第1の密封環25(31)側に設けているが、変位検出部42を第1の密封環25(31)側に設け、被変位検出部41(81)をケーシングC側に設けてもよい。
上記実施形態では、被変位検出部41(81)及び変位検出部42を1セットのみ設けているが、2セット以上設けてもよい。例えば、2セットの被変位検出部41(81)及び変位検出部42を、ケーシングCに対して周方向に180度間隔で設けてもよい。この場合には、回転機器を構成する部品同士の間に微小な芯ずれが生じることによって、一方のシール面が他方のシール面に対して傾いていても、2セットの被変位検出部41(81)及び変位検出部42によって、変位距離Lをより正確に検出することができる。
上記実施形態における被変位検出部41(81)は、付勢側ユニット部2B(3B)の構成部品であるリテーナ24(ドライブカラー66)と一体に形成されているが、付勢側ユニット部2B(3B)の他の構成部品に一体に形成されていてもよいし、付勢側ユニット部2B(3B)の構成部品とは別体に設けられていてもよい。
上記実施形態における制御部44及び通信部45の少なくとも一方は、変位検出部42と一体に形成されていてもよい。また、通信部45は、変位検出部42が検出した変位距離Lを含む第1の情報のみを外部に送信する場合には、制御部44を介さずに、変位検出部42に直接接続されていてもよい。
上記実施形態における通信部45は、監視装置との間で情報を送受信しているが、メカニカルシール1の外部に設置された他の装置との間で情報を送受信してもよい。また、上記各実施形態における通信部45は、外部との間で情報を送受信する機能を有しているが、少なくとも外部に情報を送信する機能を有していればよい。
また、本発明のメカニカルシールは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、他の構成のメカニカルシールにも適用することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 メカニカルシール
2 静止側ユニット
2B 付勢側ユニット部
3 静止側ユニット
3A 固定側ユニット部
3B 付勢側ユニット部
21 付勢部材
25 回転密封環
25a シール面
31 静止密封環
31b シール面
41 被変位検出部
42 変位検出部
43 照射路
44 制御部
45 通信部(送信部)
64 付勢部材
81 被変位検出部
C ケーシング
L 変位距離
S 回転軸

Claims (10)

  1. 回転軸、及び当該回転軸を包囲しているケーシングの間において、互いに相対回転可能であり且つ軸方向に対向して配置された第1の密封環及び第2の密封環と、
    前記第1及び第2の密封環の互いに対向するシール面同士が摺接するように、前記第1の密封環を軸方向に付勢することで、当該第1の密封環を前記第2の密封環に押圧させる付勢部材と、を備えたメカニカルシールであって、
    前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の一方に設けられた被変位検出部と、
    前記第1の密封環側及び前記ケーシング側の他方に設けられた変位検出部と、を備え、
    前記変位検出部は、当該変位検出部と前記被変位検出部との間の軸方向への変位距離を検出する、メカニカルシール。
  2. 前記被変位検出部は、前記第1の密封環側に設けられ、
    前記変位検出部は、前記ケーシング側に設けられている、請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記第1の密封環は、前記付勢部材により付勢される付勢側ユニット部の少なくとも一部として構成されており、
    前記付勢側ユニット部の構成部品が、前記被変位検出部として用いられている、請求項2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記付勢部材、前記第1の密封環及び前記被変位検出部は、前記回転軸側に設けられ、
    前記第2の密封環は、前記ケーシング側に設けられた静止側ユニットの少なくとも一部として構成され、
    前記変位検出部は、前記被変位検出部との間に前記静止側ユニットを介在して配置されており、
    前記静止側ユニットの構成部品には、前記変位検出部が前記変位距離を検出するために前記被変位検出部に向けて照射した光又は超音波を通す照射路が形成されている、請求項2又は3に記載のメカニカルシール。
  5. 前記ケーシング側に設けられた静止側ユニットをさらに備え、
    前記静止側ユニットは、前記ケーシングに固定され且つ前記付勢部材を有する固定側ユニット部と、前記固定側ユニット部に対して前記付勢部材により付勢される付勢側ユニット部と、を有し、
    前記第1の密封環及び前記被変位検出部は、前記付勢側ユニット部の少なくとも一部として構成され、
    前記第2の密封環は、前記回転軸側に設けられ、
    前記変位検出部は、前記被変位検出部との間に前記固定側ユニット部を介在して配置されており、
    前記固定側ユニット部の構成部品には、前記変位検出部が前記変位距離を検出するために前記被変位検出部に向けて照射した光又は超音波を通す照射路が形成されている、請求項2又は3に記載のメカニカルシール。
  6. 前記変位検出部が検出した前記変位距離に基づいて、前記第1及び第2の密封環のうち、前記シール面同士の摺接により摩耗する一方の密封環の単位時間当たりの摩耗量を算出する処理を行う制御部をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
  7. 前記制御部は、算出した前記摩耗量が異常である場合、所定の警告を報知する指令を出力する処理を行う、請求項6に記載のメカニカルシール。
  8. 前記制御部は、算出した前記摩耗量に基づいて、前記一方の密封環の摩耗寿命を予測する処理を行う、請求項6又は7に記載のメカニカルシール。
  9. 前記変位検出部が検出した変位距離を含む情報を外部に送信する送信部をさらに備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
  10. 前記変位検出部が検出した変位距離を含む情報、及び前記制御部が行った処理に関する情報のうち、少なくとも一方の情報を外部に送信する送信部をさらに備える請求項6〜8のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
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