JP2019065974A - 内燃機関 - Google Patents

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JP2019065974A JP2017192459A JP2017192459A JP2019065974A JP 2019065974 A JP2019065974 A JP 2019065974A JP 2017192459 A JP2017192459 A JP 2017192459A JP 2017192459 A JP2017192459 A JP 2017192459A JP 2019065974 A JP2019065974 A JP 2019065974A
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朋彦 俊野
Tomohiko Shunno
朋彦 俊野
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Abstract

【課題】気筒の内筒面の損傷を抑制しつつ、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる内燃機関を提供することである。【解決手段】気筒11、ピストン12、リング溝16、及びピストンリング17を備えた内燃機関10において、リング溝16及びピストンリング17に合口18をy1方向を中心とした周方向の所定角度の範囲内に拘束する拘束機構20を備えて、拘束機構20により、ピストン12が気筒11のy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、ピストン12で合口18を塞ぐと共に合口18の角による内筒面11aの損傷を回避する構成にした。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に関し、より詳細には、ブローバイガス及びオイル消費を低減する内燃機関に関する。
ピストンリングに第1係合部を形成すると共に、リング溝に第2係合部を形成して、第1係合部と第2係合部とが係合することにより、合口がスラスト方向側に向いた状態でピストンリングを回り止めしたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の内燃機関は、ピストンがスラスト方向に押し付けられることにより、合口の開口面積が小さくなることで、シール性を向上している。
特開2014−20303号公報
しかし、特許文献1に記載の内燃機関では、ピストンがスラスト方向に押し付けられたときに、ピストンリングの合口の角が気筒の内筒面に押し付けられることになり、その内筒面が損傷するという問題があった。また、ピストンに形成されたリング溝において、ピストンリングの合口が存在する部分は、直接的に気筒の内筒面に押し付けられる。それ故、その部分のリング溝の上下に形成される角により、その内筒面が損傷するという問題もあった。
本発明の目的は、気筒の内筒面の損傷を抑制しつつ、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる内燃機関を提供することである。
上記の目的を達成する本発明の内燃機関は、気筒と、この気筒の内部に設置されて筒軸方向に往復するピストンと、このピストンの外筒面を筒径方向外側から内側に向って窪ませたリング溝と、このリング溝に配置されて周方向の一箇所に合口が形成されてなるC環状のピストンリングとを備えた内燃機関において、前記リング溝及び前記ピストンリングに前記合口をスラスト方向を中心とした周方向の所定角度の範囲内に拘束する拘束機構を備えて、この拘束機構により、前記ピストンが前記気筒のスラスト方向の側の内筒面に押し付けられたときに、前記ピストンで前記合口を塞ぐと共に前記合口の角によるその内筒面の損傷を回避する構成にしたことを特徴とする。
ピストンで合口を塞いだ状態は、ピストンが上死点に達成した直後にスラスト方向の側圧により気筒の内筒面に押し付けられたときに、筒軸方向に見てピストンにより合口が覆われた状態である。このとき、合口の全域がピストンにより塞がれて合口の隙間が見えない状態が好ましい。
また、ピストンが気筒のスラスト方向の側の内筒面に押し付けられたときに、内筒面の損傷を回避する手段としては、ピストンに設置されたリング溝のピストンリングの合口部分に配置された突起により、ピストンリングの合口及びリング溝の合口部分に存在する角に掛かる側圧をその突起に分散させるものが例示される。また、別の回避する手段としては、ピストンリングの合口及びリング溝の合口部分に存在する角と内筒面とを非接触にす
るものが例示される。さらに、別の回避する手段としては、ピストンリングの合口及びリング溝の合口部分に存在する角の位置を周方向に移動させて、その角が常に内筒面における固定の位置に当接することを回避するものが例示される。
本発明によれば、拘束機構によりピストンが気筒のスラスト方向の側の内筒面に押し付けられたときに、ピストンで合口を塞ぐと共にピストンリングの合口及びリング溝の合口部分に存在する角によるその内筒面の損傷を回避する。それ故、それらの角による気筒の内筒面の損傷を抑制しつつ、合口の開口面積を小さくするには有利になり、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる。
本発明の内燃機関の第一実施形態を例示する斜視図である。 図1の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが下死点に到達した直後を示す。 図1の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが上死点に到達した直後を示す。 図1の拘束機構の突起部を例示する側面図である。 本発明の内燃機関の第二実施形態の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが下死点に到達した直後を示す。 図5の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが上死点に到達した直後を示す。 図5の拘束機構のうちの突起部を例示する側面図である。 本発明の内燃機関の第三実施形態の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが下死点に到達した直後を示す。 図8の拘束機構を例示する横断面図であり、ピストンが上死点に到達した直後を示す。 図8の拘束機構を例示する横断面図であり、合口の移動範囲を示す。
以下に、本発明の内燃機関の実施形態について説明する。図中では、x方向を気筒11の径方向である水平方向のうちのスラスト方向に直交する方向とし、y1方向をスラスト方向とし、y2方向をスラスト方向の反対側の方向とし、z方向を気筒11の筒軸方向とする。
図1に例示するように、本発明の第一実施形態の内燃機関10は、複数の気筒11を備えるものであるが、本明細書では、内燃機関10の複数の気筒11のうちの一つについてのみ説明する。内燃機関10の気筒11の数やその配列について、特に限定されるものではない。
内燃機関10は、気筒11、ピストン12、コネクティングロッド13、燃料噴射弁19、及び拘束機構20を備える。
気筒11は、図示しないシリンダブロックをz方向の筒軸を有する貫通孔で構成されて、略円筒状を成して、その内部にピストン12が配置される。気筒11の下端は、クランクケース(オイルパン)に連通する。
ピストン12は、z方向に柱軸方向が向いた円柱形状を成しており、その頂面に燃焼室15が形成されて、その外筒面にリング溝16が形成されて、そのリング溝16にピストンリング17が装着される。
リング溝16は、ピストン12の外筒面の周方向に渡って径方向外側から内側に向って窪んでいる。ピストンリング17は、略C環状のリングであり、合口18が形成される。合口18は、ピストンリング17の切れ目であり、換言するとピストンリング17の周方向の両端どうしの間の隙間である。
コネクティングロッド13は、上端がピストン12に傾動自在に連結されて、下端が図示しないクランクシャフトを回転可能にそのクランクシャフトに固定される。コネクティングロッド13は、ピストン12の往復運動を軸回転運動に変換する機構の一部であり、ピストン12の上死点P1又はその近傍、及び、下死点P2又はその近傍を除いてz方向に対して傾く。このコネクティングロッド13の傾きにより、ピストン12にはy1方向の側圧(サイドスラスト)の反力が生じる。特に、この反力は、ピストン12の上死点P1の直後にy1方向(スラスト方向)に大きくなり、ピストン12及びピストンリング17をy1方向に押し付ける。
図2〜図4に例示するように、拘束機構20は、合口18をy1方向(y1方向を中心とした周方向の所定角度の範囲内)に向けた状態でピストンリング17を拘束する機構である。具体的に、拘束機構20は、突起部21を有して構成されて、突起部21が合口18に嵌合することにより合口18がy1方向に向いた状態でピストンリング17を拘束する。換言すると、拘束機構20は、ピストンリング17の回り止めとして機能する。
また、拘束機構20は、ピストン12が気筒11のy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、合口18の角に掛かる側圧を負担して合口18の角による内筒面11aの損傷を回避する手段を有して構成される。具体的に、拘束機構20は、回避する手段として、突起部21をピストン12が内筒面11aに押し付けられたときに内筒面11aに接触させるよう構成される。
突起部21は、z方向に見てリング溝16のy1方向に向く部位に配置されていて、リング溝16の内周からy1方向に向って突出し、y1方向に向いた外周面21aがピストン12の外筒面12aまで突出する。突起部21は、リング溝16を切削加工により形成する過程で、ピストン12のy1方向の側に向いた部位の外筒面12aを残すことで形成される。つまり、突起部21の外周面21aはピストン12の外筒面12aで構成されて、ピストン12のy1方向の側に向いた部位は、リング溝16が形成されていない状態であり、ピストン12の外筒面12aが途切れることなく繋がった状態である。
合口18の周方向の長さは、気筒11の内部の温度が最高温度に達して熱膨張によりピストンリング17が周方向に伸びたときに、ピストンリング17の周方向の両端である合口端17aと突起部21とが非接触の状態を維持可能な長さに設定される。つまり、突起部21を設けない従来技術のピストンリングと比較して、合口18の周方向の長さが突起部21の周方向の長さ分長くなる。
突起部21の突出長(リング溝16の深さ)は、ピストン12が下死点P2に到達した直後にy2方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、その外周面21aが合口18に存在する長さに設定される。また、ピストン12が上死点P1に到達した直後にy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、その外周面21aがピストン12の外筒面12aから突出しない長さに設定される。
図2に例示するように、下死点P2に到達した直後にピストン12は気筒11のy2方向(スラスト方向の反対側の方向)の側の内筒面11aに押し付けられる。このとき、合口18の一部はピストン12により覆われておらず、z方向に見て気筒11と図示しない
クランクケースとが連通する隙間(斜線部分)が存在する状態になる。
図3に例示するように、上死点P1に到達した直後にピストン12は気筒11のy1方向(スラスト方向)の側の内筒面に押し付けられる。このとき、合口18の全域はピストン12により覆われて、隙間が塞がった状態になる。また、突起部21の外周面21aが気筒11の内筒面11aに接触して、合口18の角に掛かる側圧を負担する。また、突起部21とピストン12の外表面に段差が無く、リング溝16の上下に形成される角が無い。
このように第一実施形態の内燃機関10によれば、突起部21がピストンリング17の回り止めとして機能することで、合口18をy1方向に向けた状態でピストンリング17の周方向の動きを拘束する。それ故、ピストン12が上死点P1の直後にy1方向に押し付けられたときに、ピストン12が合口18の全域を覆って合口18による隙間を小さくすることができる。これにより、膨張行程におけるクランクケースに流出するブローバイガスの流出量を低減でき、その流出量の低減に伴ってブローバイガスによるエンジンオイルの劣化を抑制できる。
また、この内燃機関10によれば、突起部21が合口18の角に掛かる側圧を負担して、内筒面11aの損傷を回避する手段として機能することで、合口18の角に生じる力を分散することができる。これにより、合口18の角による気筒11の内筒面11aの損傷を抑制しつつ、合口18の開口面積を小さくするには有利になり、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる。
加えて、この内燃機関10によれば、突起部21とピストン12の外表面に段差が無く、リング溝16の上下に形成される角が無い。それ故、従来技術でリング溝16の合口18が存在する部分に形成されていたリング溝16の上下に形成される角により気筒11の内筒面11aを損傷することを回避することができる。
この内燃機関10は、突起部21の外周面21aがピストン12の外筒面12aで構成されて、ピストン12のy1方向の側に向いた部位の外筒面12aが途切れることなく繋がった状態にすることで、突起部21に対する側圧の負担を大きくすることができる。これにより、合口18の角による内筒面11aの損傷を抑制するには有利になる。
また、この内燃機関10は、合口18がy1方向(スラスト方向)に向いた状態でピストンリング17の動きが拘束されることで、ピストン12が上死点P1の直後にy1方向に押し付けられたときに、ピストン12により合口18の全域を完全に覆うことができる。これにより、ブローバイガス及びオイル消費を低減するには有利になる。
図5〜図7に例示するように、本発明の第二実施形態の内燃機関10は、第一実施形態に対して、拘束機構20が異なる。この実施形態の拘束機構20は、合口18をy1方向から周方向に角度θ1ずれた位置(y1方向を中心とした周方向の所定角度の範囲内)に向けた状態でピストンリング17を拘束する機構である。具体的に、拘束機構20は、リング溝16の溝内部に設けられた突起部21及びピストンリング17の内周に形成された窪み部22を有して構成されて、突起部21が窪み部22に嵌まることにより合口18をy1方向からずれた位置に向けた状態でピストンリング17を拘束する。
また、拘束機構20は、合口18の角による内筒面11aの損傷を回避する手段として、ピストン12が気筒11のy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、合口18の角と気筒11の内筒面11aとの接触を回避する手段を有して構成される。具体的に、拘束機構20は、合口18をピストン12が内筒面11aに押し付けられたときに合口18の角がy1方向の内筒面11aと非接触の状態となる位置に拘束させるよう構成される。
窪み部22はピストンリング17の内周の一部が径方向外側に向って窪んで形成される。突起部21は、窪み部22の位置に合わせてリング溝16の溝内部に形成される。
図7に例示するように、突起部21は、側面視で、リング溝16のz方向の下端から上端又は上端から下端に向かう中途位置まで突出する。突起部21のz方向の突出長はできるだけ短いことが好ましい。突起部21のz方向の突出長が短くなることに伴って、窪み部22の窪みのz方向の深さを浅くできる。これにより、窪み部22を形成することで生じるピストンリング17の強度の低下を抑制するには有利になる。
角度θ1は、ピストン12がy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、ピストン12により合口18の隙間の少なくとも一部が塞がれる角度に設定されることが好ましく、この実施形態のように合口18の隙間の略全域が塞がれる角度に設定されることがより好ましい。ここでいう略全域とは、ピストン12がy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、z方向に見て、合口18の隙間の八割以上がピストン12により塞がれた状態を示す。
また、角度θ1は、ピストン12がy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、合口18がy1方向の側の内筒面11aと接触しない部位を向いた状態となり、合口18及びリング溝16の合口部分の角の両方が内筒面11aのy1方向と非接触の状態となる角度が好ましい。気筒11とピストン12とは直径が異なることから、ピストン12が気筒11の内筒面11aに押し付けられたときに、気筒11とピストン12とはy1方向の側では面接触する。一方、y1方向の側から周方向に向って気筒11とピストン12との間は除々に離間する。つまり、合口18の角の両方が内筒面11aと非接触の状態となる角度は、気筒11とピストン12とが離間し始める部位に合口18を向ける角度であることがより好ましい。
図5に例示するように、下死点P2に到達した直後にピストン12は気筒11のy2方向の側の内筒面11aに押し付けられる。このとき、合口18の一部はピストン12により覆われておらず、z方向に見て気筒11と図示しないクランクケースとが連通する隙間(斜線部分)が存在する状態になる。
図6に例示するように、上死点P1に到達した直後にピストン12は気筒11のy1方向の側の内筒面11aに押し付けられる。このとき、合口18はピストン12により覆われて、隙間が略塞がった状態になる。また、合口18の角は内筒面11aに対して非接触の状態になる。
以上のように第二実施形態の内燃機関10は、突起部21及び窪み部22がピストンリング17の回り止めとして機能することで、合口18をy1方向から周方向にずらした位置で、ピストン12が上死点P1の直後にy1方向に押し付けられたときに、ピストン12が合口18の略全域を覆う位置にピストンリング17を拘束する。それ故、ピストン12が上死点P1の直後にy1方向に押し付けられたときに、合口18による隙間を小さくすることができる。これにより、膨張行程におけるクランクケースに流出するブローバイガスの流出量を低減でき、その流出量の低減に伴ってブローバイガスによるエンジンオイルの劣化を抑制できる。
また、この内燃機関10は、突起部21及び窪み部22が、合口18の角及びリング溝16における合口18が存在する部分に形成される角の両方が内筒面11aと非接触の状
態となる位置にピストンリング17を拘束して、内筒面11aの損傷を回避する手段として機能する。それ故、合口18の角及びリング溝16における合口18が存在する部分に形成される角の両方と内筒面11aとの接触を回避することができる。これにより、それらの角による気筒11の内筒面11aの損傷を抑制しつつ、合口18の開口面積を小さくするには有利になり、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる。
図8〜図10に例示するように、本発明の第三実施形態の内燃機関10は、第一実施形態に対して、拘束機構20が異なる。この実施形態の拘束機構20は、合口18をy1方向を中心とした周方向の所定角度の範囲(θ2〜θ3)内で移動可能にピストンリング17を拘束する機構である。具体的に、拘束機構20は、突起部21及び窪み部22を有して構成されて、突起部21が長穴で構成された窪み部22に嵌まり、その長穴の長手方向に移動することで、合口18を周方向に移動可能な状態でピストンリング17を拘束する。これは突起部21をピストンリング17に、長穴で構成された窪み部22をリング溝16に設けてもよく、逆に突起部21をリング溝16に、長穴で構成された窪み部22をピストンリング17に設けてもよい。
また、拘束機構20は、合口18の角及びリング溝16における合口18が存在する部分に形成される角による内筒面11aの損傷を回避する手段として、合口18の位置を周方向に移動させて、合口18の角及びリング溝16における合口18が存在する部分に形成される角が常に内筒面11aにおける固定の位置に当接することを回避する手段を有して構成される。具体的に、拘束機構20は、合口18を周方向に移動可能な状態でピストンリング17を拘束する。
突起部21は、z方向に見てピストンリング17のy1方向を向く部位及び合口18以外に配置されて、ピストンリング17から径方向内側に向って突出する。突起部21は、z方向に見てピストンリング17のy1方向を向く部位及び合口18以外のうちのピストンリング17のx方向を向く部位に配置されることが望ましい。
また、突起部21は、側面視で、ピストンリング17のz方向の下端から上端に向かう中途位置まで突出する。突起部21のz方向の突出長はできるだけ短いことが好ましい。突起部21のz方向の突出長が短くなることに伴って、窪み部22の窪みの深さを浅くできる。
窪み部22は、z方向に見てリング溝16のy1方向を向く部位及び合口18と径方向に対向する部位以外に配置されて、リング溝16から径方向外側に向って窪んで形成される。窪み部22も、突起部21と同様にリング溝16のy2方向の側に配置されることが望ましい。
窪み部22は、周方向に長手方向が向いた長穴で構成される。この長穴の長手方向の長さが、合口18が周方向に移動可能な範囲を規定することになる。
所定角度の範囲(θ2〜θ3)は、ピストン12がy1方向の側の内筒面11aに押し付けられたときに、ピストン12により合口18の隙間の少なくとも一部が塞がれる範囲に設定されることが好ましく、この実施形態のように合口18の隙間の略全域が塞がれる範囲に設定されることがより好ましい。ピストン12が気筒11の内筒面11aに押し付けられたときに、気筒11とピストン12とはy1方向の側では面接触する一方で、y1方向の側から周方向に向って気筒11とピストン12との間は除々に離間する。そこで、合口18の隙間の略全域が塞がれる範囲としては、ピストン12が気筒11の内筒面11aに押し付けられたときに、気筒11とピストン12とが離間し始める部位どうしの間の範囲が例示される。
図8に例示するように、下死点P2に到達した直後にピストン12は気筒11のy2方向の側の内筒面11aに押し付けられる。このとき、合口18の一部はピストン12により覆われておらず、z方向に見て気筒11と図示しないクランクケースとが連通する隙間(斜線部分)が存在する状態になる。
図9に例示するように、上死点P1に到達した直後にピストン12は気筒11のy1方向の側の内筒面11aに押し付けられる。このとき、合口18はピストン12により覆われて、隙間が略塞がった状態になる。
図10に例示するように、ピストンリング17は、合口18がy1方向を中心とした所定角度の範囲(θ2〜θ3)内を移動可能な状態で拘束される。それ故、合口18の角の位置を周方向に移動させて、合口18の角及びリング溝16における合口18が存在する部分に形成される角が常に気筒11の内筒面11aにおける固定の位置に当接することを回避する。
以上のように第三実施形態の内燃機関10は、突起部21及び窪み部22が合口18を所定角度の範囲(θ2〜θ3)内で移動可能にピストンリング17を拘束することで、ピストン12が上死点P1の直後にy1方向に押し付けられたときに、合口18による隙間を小さくすることができる。これにより、膨張行程におけるクランクケースに流出するブローバイガスの流出量を低減でき、その流出量の低減に伴ってブローバイガスによるエンジンオイルの劣化を抑制できる。
また、この内燃機関10は、突起部21及び窪み部22が、突起部21及び窪み部22が合口18を所定角度の範囲(θ2〜θ3)内で移動可能にピストンリング17を拘束することで、内筒面11aの損傷を回避する手段として機能する。つまり、合口18及びリング溝16の合口部分の角の位置を周方向に移動させて、それらの角が常に気筒11の内筒面11aにおける固定の位置に当接することを回避することができる。これにより、それらの角による気筒11の内筒面11aの損傷を抑制しつつ、合口18の開口面積を小さくするには有利になり、ブローバイガス及びオイル消費を低減することができる。
第二実施形態において、突起部21をピストンリング17に、窪み部22をリング溝16に形成してもよく、第三実施形態において、突起部21をリング溝16に、窪み部22をピストンリング17に形成してもよい。
また、第二実施形態及び第三実施形態で、突起部21を径方向に突出させ、窪み部22を径方向に窪ませたが、突起部21を筒軸方向であるz方向に突出させ、窪み部22をz方向に窪ませてもよい。
10 内燃機関
11 気筒
11a 内筒面
12 ピストン
16 リング溝
17 ピストンリング
20 拘束機構
21 突起部
22 窪み部

Claims (5)

  1. 気筒と、この気筒の内部に設置されて筒軸方向に往復するピストンと、このピストンの外筒面を筒径方向外側から内側に向って窪ませたリング溝と、このリング溝に配置されて周方向の一箇所に合口が形成されてなるC環状のピストンリングとを備えた内燃機関において、
    前記リング溝及び前記ピストンリングに前記合口をスラスト方向を中心とした周方向の所定角度の範囲内に拘束する拘束機構を備えて、この拘束機構により、前記ピストンが前記気筒のスラスト方向の側の内筒面に押し付けられたときに、前記ピストンで前記合口を塞ぐと共に前記合口の角によるその内筒面の損傷を回避する構成にしたことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記拘束機構が、前記リング溝のスラスト方向を向く部位からスラスト方向に向って前記ピストンの外筒面まで突出する突起部を有してなり、
    前記突起部が前記合口に嵌り、その合口をスラスト方向に向けた状態で前記ピストンリングを拘束すると共に前記ピストンが前記内筒面に押し付けられたときにその内筒面に接触してその合口の角に掛かる側圧を負担する構成にした請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記リング溝が、前記ピストンのスラスト方向の側に向いた部位以外に形成されて、前記突起部のスラスト方向の側に向いた面が、前記ピストンの外筒面で構成される請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記拘束機構が、前記リング溝のスラスト方向を向く部位及び前記合口に対して径方向に対向する部位を除いた部位に配置されてそのリング溝から径方向外側に突出する突起部と前記ピストンリングのスラスト方向を向く部位及び前記合口を除いた部位に配置されてそのピストンリングの内周の一部が径方向外側に窪んだ窪み部と、あるいは、前記リング溝のスラスト方向を向く部位及び前記合口に対して径方向に対向する部位を除いた部位に配置されてそのリング溝の一部が径方向内側に窪んだ窪み部と前記ピストンリングのスラスト方向を向く部位及び前記合口を除いた部位に配置されてそのピストンリングの内周から径方向内側に突出する突起部と、を有してなり、
    前記突起部が前記窪み部に嵌ることにより、前記合口をスラスト方向から周方向にずらして、前記合口の角が前記内筒面と非接触の状態となる位置で前記ピストンリングを拘束する構成にした請求項1に記載の内燃機関。
  5. 前記拘束機構が、前記リング溝のスラスト方向を向く部位及び前記合口に対して径方向に対向する部位を除いた部位に配置されてそのリング溝から径方向外側に突出する突起部と前記ピストンリングのスラスト方向を向く部位及び前記合口を除いた部位に配置されてそのピストンリングの内周の一部が径方向外側に窪んだ窪み部と、あるいは、前記リング溝のスラスト方向を向く部位及び前記合口に対して径方向に対向する部位を除いた部位に配置されてそのリング溝の一部が径方向内側に窪んだ窪み部と前記ピストンリングのスラスト方向を向く部位及び前記合口を除いた部位に配置されてそのピストンリングの内周から径方向内側に突出する突起部と、を有してなり、
    前記窪み部は周方向に長手方向が向いた長穴で構成されて、
    前記突起部が前記窪み部に嵌ることにより、その突起部がその窪み部に沿って往復して、前記合口をスラスト方向を中心にして前記所定角度の範囲内で移動可能に拘束する構成にした請求項1に記載の内燃機関。
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