JP2019065917A - クランクプーリ装置 - Google Patents
クランクプーリ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019065917A JP2019065917A JP2017190207A JP2017190207A JP2019065917A JP 2019065917 A JP2019065917 A JP 2019065917A JP 2017190207 A JP2017190207 A JP 2017190207A JP 2017190207 A JP2017190207 A JP 2017190207A JP 2019065917 A JP2019065917 A JP 2019065917A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crankshaft
- piston
- outer ring
- inner ring
- crank pulley
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000003825 pressing Methods 0.000 claims description 14
- 238000003780 insertion Methods 0.000 claims description 6
- 230000037431 insertion Effects 0.000 claims description 6
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 abstract description 3
- 230000002250 progressing effect Effects 0.000 abstract 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 14
- 238000004880 explosion Methods 0.000 description 12
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 7
- 238000002485 combustion reaction Methods 0.000 description 6
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 6
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 6
- 239000000463 material Substances 0.000 description 5
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 5
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 4
- 238000013461 design Methods 0.000 description 4
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 3
- 229910000851 Alloy steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 2
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 2
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- FXNGWBDIVIGISM-UHFFFAOYSA-N methylidynechromium Chemical group [Cr]#[C] FXNGWBDIVIGISM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 2
- 229910001018 Cast iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000760 Hardened steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 238000005255 carburizing Methods 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 239000002360 explosive Substances 0.000 description 1
- 239000004973 liquid crystal related substance Substances 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 230000001629 suppression Effects 0.000 description 1
Images
Abstract
Description
一般に、自動車等のエンジンのクランクシャフトは、気筒内の爆発力によって回転力が付与されるので、その回転速度に変動が生じる。そして、このようなクランクシャフトの回転速度の変動が補機駆動ベルトシステムに伝達されると、それに伴いベルトの走行速度も変動する。そのため、補機の駆動軸に連結されたプーリとベルトとの間でスリップが生じたり、ベルトの張力が大きく変動したりする。このようなベルトのスリップや張力の変動は、ベルトの異音の発生やベルト等他の部分の寿命低下等の原因となる。また、ベルトのスリップを防止するために、当該ベルトの初期張力を比較的高く設定することがあり、この場合には、クランクシャフトの回転抵抗が増大し、エンジンの燃費性能を低下させることもあった。
前記クランク軸の駆動状態において、所定以上の回転トルクがクランク軸に伝達される場合、すなわち前記クランク軸への過大トルク入力時は、前記先端部が前記クランク軸の回転方向と反対側の前記頂部を乗り越えて前記内輪から前記外輪へ前記通常トルクよりも過大な回転トルクが伝達されない。すなわち、乗り越えた直後は、内輪が急加速状態にもかかわらず、ばねによるピストンのカム面への押圧力が一気に減少に転じる。再びカム面への押圧力が増加に転じ始めるまでの間、内輪と外輪との間に係合作用がほとんど働かない状態で内輪と外輪とが顕著に相対回転する。その結果、内輪から外輪へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクが伝達されない。そのため、エンジン始動等によりクランクシャフトへ過大なトルクが入力される際に生じるベルト張力の過大な増加やベルト張力の過大な変動を効果的に抑制できる。
まず、第1実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。
エンジンの出力は、Vリブドベルトのような1本のベルト215を介して、クランクプーリ装置1から時計回りに、オルタネータプーリ212、ACプーリ213に対してそれぞれ伝達されて、オルタネータ、エアコン・コンプレッサの各補機が駆動される。
転がり軸受15,16は、外輪12と内輪11との間に介装され、これらを互いに相対回転可能に支持する。
カム機構部13は、内輪11の外周に設けられたカム面21と、外輪12の内周に設けられ半径方向に向くピストン挿入孔23と、ピストン挿入孔23内にスライド自在に設けられるピストン22と、ピストン22の先端部をカム面21に向けて押圧しつつ遠心力に抗してカム面21に常に接触するように付勢するばね24と、から成る。
ピストン22/ばね24の配置数は、最小は1、最大はカム面21の分割数、即ち、凹状係合面33の数の範囲内で決定される。
これらにより、内輪11の外周に設けられたカム面21と、外輪12の内周に設けられ、カム面21に向けてスライド自在に設けられると共にばね24で付勢されたピストン22と、を備えてなるカム機構部13が構成される。
また、これらにより、外輪12の内周に設けられ半径方向に向くピストン挿入孔23内にスライド自在に設けられ、ピストン22のスライド位置に応じたばね24の付勢力により、ピストン22の先端部をカム面21に向けて押圧しつつ常に接触させるピストン22が構成される。
ピストン22の先端部は、球面に形成されるものが好ましい。
各分割部分にクランク軸からの距離が最小となる底部31を有する。なお、このカム面21上の底部31の位置を「基準位置」と呼ぶことにする。
ピストン21の先端部が底部31に係合した状態では、ばね24により付勢されてピストン22がカム面21を押圧する押圧力が最も小さい。
各分割部分の境界部分にクランク軸からの距離が最大となる頂部32を有する。ピストン22の先端部が頂部32に係合した状態では、ばね24により付勢されてピストン22がカム面21を押圧する押圧力が最も大きい。
各分割部分は、底部31から頂部32に向かうにつれてクランク軸からの距離が周方向に増加する凹状係合面33に形成されている。
底部31の形状は、ゆるやかな曲線状の底であってもよく、ゆるやかな直線の交点であってもよい。内輪11と外輪12との間に、回転トルクが作用しない場合、ピストン22の先端部が安定して収まる様な形状であればよい。
頂部32の形状は、断面が丸い山形の頂点に形成され、ピストン22の先端部が乗り越えやすい形状であることが望ましい。
このようなカム面21とピストン22を備えたカム機構部13、なかでも、頂部32及び底部31を含む凹状係合面33の形状は、所定以上の回転トルクがクランク軸211に伝達されると、ピストン22の先端部が、クランク軸の回転方向と反対側にある頂部32を乗り越えるように形成されている。
また、カム面21の各分割部分が周方向に等配されていない場合は、同じ運転条件でも、内輪11と外輪12との相対回転により生じる位相差にムラが生じ、内輪11と外輪12間のトルク伝達にもムラが生じる原因となる。したがって、カム面21の各分割部分は、等配されていることが望ましい。
ばね24は、所定のばね特性が得られるよう、コイルばねとするのがよく、ばね線は、JISG3560:1994に準拠した、断面円形等のばね用オイルテンパー線とするのがよい。
また、ピストン22の先端部が底部31に係合している際に、ばね24による押圧力(弾性復元力)が十分に確保され、ピストン先端部が頂部を乗り越える際に、ばね24またはピストン22が底付きしないように、ばね24の自由長やばね定数、およびピストン22のスライド代が設定される。
クランク軸211に入力される回転トルクの大きさにより、つぎのような動作となる。
この場合、下記1)、2)の2つの場合がある。
1)内輪11の回転速度が外輪12の回転速度より速くなった場合(内輪11が加速する場合)。
この場合、内輪11は、外輪12に対して回転方向(図2の矢印方向)と同じ方向に相対回転する。
カム機構部13の構成により、ピストン22のカム面21への押圧力が次第に増加し、内輪11と外輪12との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪11と外輪12との間に付与される。
クランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内につき、ピストン22の先端部が頂部32を乗り越えない程度の係合作用で、基準位置(底部31)から頂部32よりも手前の弾性的に釣り合う位置まで凹状係合面33に係合しつつ内輪11と外輪12とが周方向に弾性的に相対回転しながら内輪11から外輪12へ正回転方向の正のトルクが伝達される。
そのため、従来のクランクプーリ装置と同様に、ベルトの張力変動を抑制できる。
基準位置(底部31)を起点とすると、ピストン22の先端部とカム面21との係合位置が、凹状係合面33における底部31からクランク軸211の回転方向側の頂部32に向かう側へずれる。
カム機構部13の構成により、ピストン22のカム面21への押圧力が次第に増加し、内輪11と外輪12との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪11と外輪12との間に付与される。
クランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内につき、ピストン22の先端部が頂部32を乗り越えない程度の係合作用で、基準位置(底部31)から頂部32よりも手前の弾性的に釣り合う位置まで凹状係合面33に係合しつつ内輪11と外輪12とが周方向に弾性的に相対回転しながら内輪11から外輪12へ負のトルクが伝達される。
そのため、従来のクランクプーリ装置と同様に、ベルトの張力変動を抑制できる。
カム機構部13の構成により、ピストン22のカム面21への押圧力が次第に増加し、内輪11と外輪12との相対回転により生じた位相差を解消する方向の回動付勢力が内輪11と外輪12との間に付与される。
クランク軸211へ入力されるトルクが通常トルクよりも過大なため、ピストン22の先端部がクランク軸211の回転方向と反対側の頂部32を乗り越える。
このとき(図3に示すように、頂部32を乗り越えた直後の状態)、ピストン22のカム面21への押圧力が一気に減少に転じる。そのため、再び押圧力が増加に転じ始めるまでの間(ピストン22の先端部が頂部32を乗り越えた側の底部31に係合するまでの間)、内輪11と外輪12との間に係合作用がほとんど働かない状態で内輪11と外輪12とが顕著に相対回転する(つまり、内輪11は急加速状態のまま空転し、外輪12は急加速しない)。
その結果、内輪11から外輪12へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクが伝達されない。
そのため、エンジン始動等によりクランク軸211へ過大なトルクが入力される際に生じるベルト張力の過大な増加やベルト張力の過大な変動を効果的に抑制できる。
なお、上述の第1実施形態の動作と同様に、クランク軸の過大な回転変動(例えばエンジン始動時、あるいは突発故障によるエンジン停止)により、内輪11の回転速度が外輪12の回転速度より顕著に遅くなった場合(内輪11が急減速した場合)は、ピストン22の先端部がクランク軸211の回転方向側の頂部32を乗り越えることができる。この場合でも、内輪11は急減速状態のまま空転し、外輪12の急減速を回避できるため、補機駆動ベルトシステムへの影響を抑制することが可能である。
第2実施形態のクランクプーリ装置101は、ISGを搭載した補機駆動ベルトシステム202に組み入れることがより望ましい実施形態である。図4にこのISGを搭載した補機駆動ベルトシステム202のレイアウトを示す。
ISGにより、エンジンの始動を行う場合、車両側の電子制御装置からエンジン始動信号がISGに送られ、ISGが電動機(スタータモータ)として起動する。この際、ベルト215の緩み側に設けられたオートテンショナ216が有効に作動する。
一方、凹状係合面133における底部131からクランク軸211の回転方向側の頂部132に至る部分は、クランク軸211からの距離が周方向に急に増加するように形成されている。
この急に増加する程度は、ピストン22の先端部が突き当たって係止する程度である。なお、図5の例では、ピストン22の先端部が底部(基準位置)131に係合している。
クランク軸211の常用回転域などクランク軸211へ入力されるトルクが通常の範囲内の場合に、ピストン22の先端部が頂部32を乗り越えず、
エンジン始動等によりクランク軸211へ入力されるトルクが上記通常時よりも過大な場合に、ピストン22の先端部が頂部132を乗り越えるように詳細設計されている(以上、第1実施形態に同じ)。
無端ベルト215を介してモータ・ジェネレータ217からクランクプーリ装置101の外輪12に動力が伝達され、この外輪12から停止状態の内輪11(クランク軸211)へトルクが伝達される。
このとき、外輪12の回転速度(順方向)が内輪11の回転速度よりも顕著に速くなる(即ち外輪が急加速する)が、ピストン22の先端部は、底部(基準位置)131を起点とすると、凹状係合面133の底部131からクランク軸211の回転方向側の頂部132に向かう側にずれて、頂部132の際に突き当たった状態に係合される。この構成の場合、頂部132を乗り越える虞はない。
そのため、外輪12と内輪11とが確実に相対回転不能に係合され、モータ・ジェネレータ217による回転トルクを外輪12から内輪11(クランク軸211)へ確実に伝達できる。
図1に示す通常の補機駆動ベルトシステム201に組み込まれた第1実施形態のクランクプーリ装置1を用いた。
内輪12は、機械構造用合金鋼(SCM415)で形成させ、外周面(カム面21)は、耐摩耗性確保のため、浸炭による表面硬化処理を施した。
外輪11は、鋳鉄(FC250)製とし、外輪11と内輪12との間に、転がり軸受15,16を幅方向に対向させて2個介装した。
ピストン22は、先端部等に耐摩耗性が必要なため、高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ2)で形成させた。
ばね24は、コイルばねとし、ばね線は、断面円形のばね用オイルテンパー線(JISG3560:1994に準拠)とした。
ピストン22/ばね24の配置数は、後述するカム面21の分割数と同じにした。つまりカム面21の各分割部分(凹状係合面33)に1つずつ、合計6ケ配置した。
分割数は6とし、各分割部分(凹状係合面33)は周方向に等配させた(各分割部分の角度範囲は60°である)。
頂部32の高さ(頂部32/底部31間半径方向距離)は、約7mmである。
凹状係合面33の形状は、クランクプーリ装置1を幅方向に直交する断面において、頂部32および底部31は曲線で形成され、これら頂部32の曲線と底部31の曲線との間は勾配約5°の直線(両者の接線)で形成されている。従って、凹状係合面33は、底部31から頂部32(クランク軸211の回転方向と反対側の頂部32、および底部31からクランク軸211の回転方向側の頂部32)に向かうにつれて、上記直線部分(直線勾配)に沿って、クランク軸211からの距離が周方向に漸次増加するように形成されている。
従来のクランクプーリ装置を想定したものであり、実施例1と異なる点は、カム面(内輪)の形状、特には頂部332の高さ(頂部/底部間半径方向距離:約9mm)が実施例1に比べて高くなっていることである。この頂部332の高さの水準は、内輪と外輪との相対回転によりピストンの先端部が凹状係合面における基準位置(底部)からクランク軸の回転方向と反対側の頂部に向かう側にずれても、ばねまたはピストンが底付きしてしまい、物理的にピストンの先端部が頂部332を乗り越えることができない水準である。
従って、エンジン始動等によりクランク軸へ入力されるトルクが通常時よりも過大となった場合は、ピストンの先端部がクランク軸の回転方向と反対側の頂部を乗り越えることができず、頂部332の際に突き当たった状態に係合される。つまり、この状態では、内輪と外輪とが相対回転不能に固定されたクランクプーリ(汎用品)と実質的に同じものになり得る。
なお、底部から頂部332(クランク軸の回転方向と反対側の頂部332、および底部からクランク軸の回転方向側の頂部332)際に至る部分は、実施例1と同様に勾配約5°で略同等長さの直線で形成されている。このため、クランク軸の常用回転域などクランク軸へ入力されるトルクが通常の範囲内の場合は、実施例1と同様の動作が為されるようになっている。
上記実施例1と上記比較例1のクランクプーリ装置を、図1のベルトシステムに取り付けて、エンジン始動試験を行った。このエンジン始動試験で、エンジン始動時の下記評価項目について、時系列に検出、記録し、実施例1(図2)と比較例1(図7)との比較により本発明の効果の検証を行った。なお、クランクプーリ径は、両者ともに140mmである。
第1評価項目は、クランクプーリ(外輪)の回転速度である。
第2評価項目は、ベルト張力(張り側)である。
図8に示すエンジンベンチ試験機200は、図1の補機駆動ベルトシステム201を含む試験装置であって、エンジン210のクランク軸211に取り付けられたクランクプーリ装置(実施例1及び比較例1)1と、オルタネータ(ALT)の軸218に接続されたオルタネータプーリ212と、エアコン・コンプレッサ(AC)に接続されたACプーリ213とを有する。また、クランクプーリ装置1とオルタネータプーリ212とのベルトスパン間に、オートテンショナ(A/T)214が設けられる。
エンジンの出力は、1本のベルト(Vリブドベルト)215を介して、クランクプーリ装置1から時計回りに、オルタネータプーリ212、ACプーリ213に対してそれぞれ伝達されて、各補機(オルタネータ、エアコン・コンプレッサ)は駆動される。
図1において、クランクプーリ装置1(外輪12)の回転速度の検出は、レーザー光の反射を利用した計測装置で行い、これを電気信号に変換する。
ベルト張力の検出は、張り側B部ベルトスパン間のベルト背面に押し当てたアイドラプーリ(不図示)の軸に取り付けたひずみ計(不図示)により、軸ひずみを検出し、これを電気信号に変換する。
これらの電気信号は、PC(不図示)の演算制御部に送られ、当該演算制御部により、ひずみ計で検出された軸ひずみの電気信号はベルト張力(データ)に演算される。最終的に、PCの演算制御部により、クランクプーリ装置1(外輪12)の回転速度データ、およびベルト張力データは、デジタル表示可能な液晶画面などからなる表示部に数字表示されるとともに、デジタル出力され記録される。なお、PCは、操作盤(タッチパネル)、演算制御部、及び、表示部を備えたパーソナルコンピュータである。
雰囲気温度25℃、ベルトの初期張力400Nにて、エンジンの始動(クランキング)試験を行った。雰囲気温度は、実車によるエンジン始動時を想定した温度である。
電子制御装置(不図示)からエンジン始動信号がスタータモータ(不図示)に送られ、スタータモータが起動し、クランキングが始まる。このとき(各気筒における燃焼爆発前)の、クランク軸の回転速度は200rpm程度である。
電子制御装置から燃料噴射信号および点火信号が燃料噴射装置(不図示)および着火装置(不図示)に送られ、各気筒における燃焼爆発が順々に開始される。
各気筒における燃焼爆発時期に同期して、クランク軸の回転速度が上昇してゆく。クランク軸の回転トルク(動力)がクランクプーリ(外輪)に伝達されて、更に、補機駆動ベルトシステム201に伝達される。
エンジンが始動されると、スタータモータによるクランキング動作が停止する。
評価結果を、図9及び図10のグラフに基づいて説明する。
図10で、ベルト張力の値(縦軸の目盛り)は不図示とした。
クランキング終了時(約1秒後)のベルト張力は、実施例1、比較例1ともに500N程度であった。
ちなみに、図10において「m」で表示した部分は、2発目の気筒内爆発時(図中b)のベルト張力およびベルト張力変動の大きさに関し、実施例1と比較例1との差異部分である。図示例では、その差異量は、750Nである。これは、実施例1の比較例1に対するベルト張力およびベルト張力変動の抑制効果に相当する。図示例では、その抑制効果は約30%に達する。
具体的な、気筒内爆発時のベルト張力の値を下記の表1に示す。
クランクプーリ(外輪)の回転速度およびベルト張力(張り側B部のベルト張力)は、クランキング中(約1秒間)の各気筒における燃焼爆発中、特に、1発目の気筒内爆発時(図中a)と2発目の気筒内爆発時(図中b)において、最も過大に増加し、かつ最も過大に変動することがわかった。
この1発目の気筒内爆発時(図中a)と2発目の気筒内爆発時(図中b)に着目すると、クランクプーリ(外輪)の回転速度およびベルト張力(張り側B部のベルト張力)の大きさおよび変動幅は、実施例1の方が比較例1の場合よりも顕著に小さい。ベルト張力の過大な増加やベルト張力の過大な変動を効果的に抑制できていることがわかった。
実施例1において、エンジン始動時には、内輪から外輪へ伝達されるトルクのうち、通常トルクよりも過大なトルクは伝達されない結果となった。これは、通常トルクの入力時よりも過大なトルクがクランク軸に入力された際に、内輪と外輪との間に係合作用がほとんど働かない状態で内輪を急加速状態のまま空転させて、外輪を急加速させないこと、が可能であったためと考えられる。
結果として、補機駆動ベルトシステムで特に問題となる、エンジン始動によりクランクシャフトへ過大なトルクが入力される際に生じるベルト張力の過大な増加やベルト張力の過大な変動を効果的に抑制できることが判った。
12 外輪
13 カム機構部
21 カム面
22 ピストン
23 ピストン挿入孔
24 ばね
31 底部
32 頂部
33 凹状係合面
Claims (2)
- エンジンのクランク軸上に相対回転可能に同心配置された内輪と外輪との間で回転トルクの伝達を行うクランクプーリ装置であって、
前記内輪と前記外輪とは、前記内輪の外周に設けられたカム面と、前記外輪の内周に設けられ、前記カム面に向けてスライド自在に設けられると共にばねで付勢されたピストンと、を備えてなるカム機構部を介して連結され、
前記ピストンは、前記外輪の内周に設けられ半径方向に向くピストン挿入孔内にスライド自在に設けられ、前記ピストンのスライド位置に応じた前記ばねの付勢力により、前記ピストンの先端部を前記カム面に向けて押圧しつつ常に接触させるものであり、
前記カム面は、周方向に分割され、各分割部分に前記クランク軸からの距離が最小となる底部と、前記各分割部分の境界部分に前記クランク軸からの距離が最大となる頂部とを有し、各分割部分は、前記底部から前記頂部に向かうにつれて前記クランク軸からの距離が周方向に増加する凹状係合面に形成され、
前記凹状係合面は、所定以上の回転トルクがクランク軸に伝達されると、前記ピストンの前記先端部が、前記クランク軸の回転方向と反対側にある前記頂部を乗り越えるように形成されていることを特徴とするクランクプーリ装置。 - 前記凹状係合面における前記底部から前記クランク軸の回転方向側の前記頂部に至る部分は、前記頂部に向かうにつれて前記クランク軸からの距離が周方向に急に増加し、前記先端部が前記凹状係合面に突き当たるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクランクプーリ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017190207A JP6836978B2 (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | クランクプーリ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017190207A JP6836978B2 (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | クランクプーリ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019065917A true JP2019065917A (ja) | 2019-04-25 |
JP6836978B2 JP6836978B2 (ja) | 2021-03-03 |
Family
ID=66337714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017190207A Active JP6836978B2 (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | クランクプーリ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6836978B2 (ja) |
-
2017
- 2017-09-29 JP JP2017190207A patent/JP6836978B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6836978B2 (ja) | 2021-03-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8602930B2 (en) | Drive belt tensioner for motor generator unit | |
US9133762B2 (en) | Drive belt tensioner for motor generator unit | |
CN100430625C (zh) | 用在皮带传动装置中的双臂式皮带松紧器 | |
US6768215B2 (en) | High rotational speed optimized engine starter having clutch connection to engine | |
US8602928B2 (en) | Isolator | |
CA2983031C (en) | Dual arm tensioner | |
US20110065539A1 (en) | Engine Accessory Drive With Belt Tensioner and Same Plane Idler | |
CN106461033B (zh) | 带传动系统 | |
JP2007530857A (ja) | デュアル比ベルト駆動システム | |
JP2015025483A (ja) | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 | |
CN107532690B (zh) | 带传动系统 | |
CN106931111B (zh) | 一种双摆臂式自动张紧器 | |
KR20160038483A (ko) | 차량용 알터네이터 댐퍼 풀리 | |
JP6836978B2 (ja) | クランクプーリ装置 | |
JP6662272B2 (ja) | 駆動及び従動回転機器用プーリ装置 | |
JP2017155804A (ja) | プーリユニット | |
JP6571599B2 (ja) | プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法及び耐摩耗性試験装置 | |
JP5071561B2 (ja) | 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 | |
CN107646079A (zh) | 具有特别的夹紧斜面的夹紧滚子自由轮离合器 | |
JP7145715B2 (ja) | プーリ構造体の試験方法およびプーリ構造体の試験装置 | |
US20100041501A1 (en) | Non-positive continuously variable transmission with out-of-round rotary disk | |
JP2022039999A (ja) | クランクプーリ装置 | |
Michelotti et al. | In-vehicle experimental tests to evaluate the performance of alternator pulleys | |
US20160363196A1 (en) | Belt auto-tensioner | |
JP2022003267A (ja) | プーリ構造体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191115 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201104 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210208 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6836978 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |