JP2019065818A - ランキンサイクルシステム及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ランキンサイクルシステムにおいて、ポンプでのキャビテーションを防ぐとともに、作動流体が大気圧よりも低圧になることを防ぐ。【解決手段】本発明は、ポンプ12によって圧送された作動流体が蒸発器14、膨張器16、凝縮器18を順に介して流れて、ポンプ12によって再び圧送される、ランキンサイクルシステムに関する。本発明の一態様のランキンサイクルシステム10は、作動流体の圧力を可変とするように構成された圧力可変手段PVと、前記膨張器の下流かつ前記ポンプの上流の圧力を大気圧より高い圧力に保つように、かつ、前記凝縮器を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つように、前記圧力可変手段を制御するように構成された制御手段とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ランキンサイクルシステム及びその制御方法に関する。
ランキンサイクルは公知であり、例えば省エネの観点から、車載エンジンの廃熱回収などに適用されている。ランキンサイクルシステムは、ポンプ、蒸発器、膨張器、凝縮器が順に配置されて、作動流体が循環する閉回路を主構成として有する。ポンプは、ランキンサイクルシステムの閉回路において作動流体を循環させるように、蒸発器に向けて作動流体を圧送する。車載エンジンに適用される例では、蒸発器は熱源としてのエンジンからの廃熱で作動流体を加熱蒸発するように熱交換器として構成され、膨張器は蒸発器を経た作動流体から動力を取り出すように構成され、凝縮器は膨張器を経た作動流体を凝縮液化させるように熱交換器として構成され得る。
このようなランキンサイクルシステムにおいて、サイクル効率を向上させるべく、閉回路を循環する作動流体の流量を可変とすることが、特許文献1において提案されている。より具体的には、特許文献1のランキンサイクルシステムでは、凝縮器及びポンプをバイパスするとともにレシーバタンクが配置されたバイパス路が設けられ、このバイパス路に電磁弁が設けられている。そして、特許文献1のシステムでは、凝縮器を経由した後の作動流体の過冷却度を演算し、この過冷却度に応じて、前述の電磁弁を制御することで閉回路を循環する冷媒量を制御する。
特開2008−231981号公報
ところで、ランキンサイクルシステムにおける蒸発器での加熱能力及び凝縮器での冷却能力は、それぞれ、作動流体と熱交換する媒体の状態(特に温度)に応じて、変化する。加えて、ランキンサイクルシステムにおいて、凝縮器を経ることでの作動流体の温度は、作動流体の圧力と相関関係がある。ここで、蒸発器において作動流体の加熱にエンジンの排気ガスを用い、かつ、凝縮器において作動流体の冷却にエンジン冷却水を用いるランキンサイクルシステムにおいて、エンジン冷却水の温度がその想定値を大幅に下回っているときを想定する。この場合、ランキンサイクルの各種設定を想定値のままで一定とすると、作動流体の圧力が全体的に低下し、その結果、膨張器出口での作動流体の圧力が必要以上に、具体的には大気圧よりも低い圧力にまで低くなる虞がある。このような膨張器出口での作動流体の圧力低下は、ランキンサイクルシステムの配管接合部の密閉構造に過度の負担をもたらす虞があり、配管接合部の寿命の点で好ましくない。
一方で、上で述べたような凝縮器での冷却能力の低下等に伴い、凝縮器を経た作動流体の過冷却度が小さくなりすぎると、ポンプでキャビテーションが生じるという問題も生じ得る。
そこで、本発明の目的は、ランキンサイクルシステムにおいて、ポンプでのキャビテーションを防ぐとともに、作動流体が大気圧よりも低圧になることを防ぐことにある。
本発明の一態様によれば、ポンプによって圧送された作動流体が蒸発器、膨張器、凝縮器を順に介して流れて、前記ポンプによって再び圧送される、ランキンサイクルシステムにおいて、作動流体の圧力を可変とするように構成された圧力可変手段と、前記膨張器の下流かつ前記ポンプの上流の作動流体の圧力を大気圧より高い圧力に保つように、かつ、前記凝縮器を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つように、前記圧力可変手段を制御するように構成された制御手段とを備えた、ランキンサイクルシステムが提供される。
好ましくは、前記圧力可変手段は、前記作動流体の気液分離を図るように前記凝縮器と前記ポンプとの間に設けられたタンクに、該タンク内の容量を可変とするように構成された容量可変手段を備える。具体的には、前記制御手段は、取得した前記ポンプの上流かつ前記凝縮器の下流の作動流体の温度及び圧力に基づいて作動流体の過冷却度を算出し、算出した当該過冷却度が前記所定過冷却度以上になるように、前記容量可変手段を制御するとよい。
本発明の更なる態様によれば、ポンプによって圧送された作動流体が蒸発器、膨張器、凝縮器を順に介して流れて、前記ポンプによって再び圧送される、ランキンサイクルシステムにおける制御方法であって、前記ランキンサイクルシステムは、作動流体の気液分離を図るように前記凝縮器と前記ポンプとの間に設けられたタンクに、該タンク内の容量を可変とするように構成された容量可変手段を備え、取得した前記ポンプの上流かつ前記凝縮器の下流の作動流体の温度及び圧力に基づいて、凝縮器を経た作動流体の過冷却度を算出するステップと、算出した過冷却度を所定過冷却度以上にするように、かつ、前記膨張器の下流かつ前記ポンプの上流の作動流体の圧力を大気圧より高い圧力に保つように、前記容量可変手段を制御するステップと、を含む、制御方法が提供される。
本発明の上記態様に係るランキンサイクルシステムは、上記構成を備えるので、凝縮器を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つとともに、膨張器の下流かつポンプの上流の作動流体の圧力を大気圧より高い圧力に保つことができる。したがって、本発明の上記態様によれば、ポンプでのキャビテーションの発生と、作動流体が大気圧よりも低圧になることを好適に防ぐことができる。
本発明の第1実施形態に係るランキンサイクルシステムを備える動力回収装置の概略構成図である。 第1実施形態における制御のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るランキンサイクルシステムを備える動力回収装置における、バルーン機構及びその周囲の概略構成図である。
以下、本発明に係る実施形態を図に基づいて説明する。まず、本発明に係る第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のランキンサイクルシステム10を備えた動力回収装置1の概略構成図である。この動力回収装置1は、以下に説明するランキンサイクルシステム10の膨張器によって車両用の内燃機関(以下、エンジン)の排気ガスから動力を取り出すものである。なお、動力回収装置1は、膨張器で回収した動力で発電機を駆動するように構成されているが、他の機械、例えばエンジンを膨張器負荷とするものであってもよい。
ランキンサイクルシステム10は、ポンプ12、蒸発器14、膨張器16及び凝縮器18を備えている。ポンプ12、蒸発器14、膨張器16及び凝縮器18は、作動流体が流通する環状通路20に順に配置されていて、これらは閉回路を形成する。ここでは、作動流体としてエタノールを用いるが、本発明は作動流体をエタノールに限定するものではない。
ポンプ12は、作動流体を蒸発器14側に圧送してランキンサイクルシステム10の環状通路20を循環させるものである。ここでは、ポンプ12はモータ12aによって駆動されるが、他の動力源の動力(駆動力)を用いて駆動されてもよい。
また、蒸発器14は、熱交換器として構成されている。蒸発器14は、対向流型の熱交換器として構成されている。つまり、蒸発器14において、排気ガスの流れ方向と、作動流体の流れ方向とは概ね逆向きである。蒸発器14は、ポンプ12が圧送した(液相の)作動流体を、熱源としてのエンジン22の排気管24内を流通する排気ガスと熱交換させて加熱するものである。蒸発器14において排気ガスの熱(廃熱)で加熱されることによって作動流体は蒸気化し(蒸発し)、蒸気化した作動流体は膨張器16に流入する。
膨張器16は、蒸発器14で蒸気化した作動流体の膨張エネルギーを動力(機械的エネルギー)として取り出し、駆動軸16aを回転させるものである。ここでは、膨張器16は所謂タービンとして構成され、その駆動軸16aは発電機26に接続されている。
凝縮器18は、膨張器16が膨張させた作動流体を冷却して凝縮液化させるものである。凝縮器18は、対向流型の熱交換器として構成されている。そして、凝縮器18の作動流体の冷却源としてエンジン22の冷却水(エンジン冷却水)が用いられる。つまり、凝縮器18において、エンジン冷却水の流れ方向と、作動流体の流れ方向とは概ね逆向きである。凝縮器18は、膨張器16を経た(気相又はガス状の)作動流体を、冷却源としてのエンジン冷却水と熱交換させて冷却するものである。凝縮器18においてエンジン冷却水との熱交換で冷却されることによって作動流体は凝縮する(液化する)。なお、ここでは、エンジン冷却水は、ラジエータ28を経た後、凝縮器18に流入するが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、凝縮器18を経た後にラジエータ28で冷却されてもよい。凝縮器18で凝縮された作動流体はポンプ12に吸引され、環状通路20内を再び循環する。
さて、ランキンサイクルシステム10では、凝縮器18とポンプ12との間にタンク30が設けられている。タンク30は、作動流体の気液分離を図るように設けられている。凝縮器18側からタンク30に向けて延びる作動流体流路(上流側流路部分)32は、タンク30内の上方領域に連通するように設けられている。また、タンク30からポンプ12側に向けて延びる作動流体流路(下流側流路部分)34は、タンク30内の下方領域に連通するように設けられている。ここでは、タンク30内の下方領域は、液相の作動流体が溜まる領域であるので、液相領域と称され得る。これに対して、タンク30内の液相領域の鉛直方向上方の前述の上方領域は、気相の作動流体が溜まる領域であるので、気相領域と称され得る。つまり上流側流路部分32はタンク30内の気相領域に開口部32aを有し、下流側流路部分34はタンク30内の液相領域に開口部34aを有する。
また、環状通路20には、作動流体の圧力を可変とするように構成された圧力可変手段PVが設けられている。具体的には、圧力可変手段PVとして、タンク30内の容量を可変とするように構成されたピストン機構36がタンク30に設けられている。ピストン機構36は、容量可変手段に相当する。図1に簡略化して表すように、ピストン機構36は、シリンダ部36aと、シリンダ部36a内を可動に設けられたピストン部36bとを備える。なお、シリンダ部36aの内壁面に沿ってピストン部36bが動かされたときそれらの間での気密性が十分に保たれるように、ピストン機構36は、Oリング等を備えた既知の密閉構造(不図示)を有する。また、シリンダ部36a内をピストン部36bが気密性良く動くことを可能にするように、シリンダ部36aには通気孔36cが形成されている。ピストン機構36の作動は、後で詳述する電子制御ユニット(以下、ECU)60により制御される。より詳しくは、ピストン部36bの作動用に設けられたアクチュエータ36dは、ECU60により制御され、それによりピストン部36bは図1に矢印で示すように上下動され得る。ピストン部36bのシリンダ36a内での位置に応じた容量に、ピストン機構36を制御することで、タンク32内の容量は可変とされる。なお、ここではピストン機構36はピストン部36bが鉛直方向上下に動くようにタンク30に設けられているが、ピストン機構36の設置位置及び設置方向、ピストン部36bの動く方向などは設計変更可能である。更に、本実施形態では、ピストン機構36はタンク30内の気相領域側に設けられているが、液相領域側に設けられてもよい。
さて、ランキンサイクルシステムでは、ポンプ12でのキャビテーションを防ぐようにポンプ12に流入する作動流体は、液相であることを必要とする。そこで、上記したようにタンク30を設け、液相の作動流体のみをポンプ12に供給するように、ランキンサイクルシステム10は構成されている。
一方で、凝縮器18を経た作動流体の過冷却度が小さ過ぎると、ポンプ12でキャビテーションが生じる可能性がある。エンジン22の運転状態又は作動状態に応じてエンジンの廃熱量が変化する他、エンジン冷却水の温度などによって凝縮器18での作動流体の凝縮温度、凝縮圧力が変化する。そこで、本実施形態では、ポンプ12でのキャビテーションを防止するように凝縮器18を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つために、容量可変手段としての上記ピストン機構36が設けられている。
本実施形態では、上記ピストン機構36を用いることで、凝縮器18を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つように、つまり、実質的に、所定圧での所定過冷却度以上の作動流体に相当する状態に作動流体の状態を調節するように、ランキンサイクルシステム10内の作動流体の圧力を可変とする。より具体的には、ここでは、凝縮器18を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つように、上記ピストン機構36を制御し、タンク30内の容量を可変とする。このピストン機構36の制御を含めたECU60による制御について以下説明する。
ピストン機構36の制御のために、タンク30の下流かつポンプ12の上流に、圧力センサ62が設けられている。また、タンク30の下流かつポンプ12の上流に、温度センサ64が設けられている。なお、圧力センサ62及び温度センサ64はそれぞれポンプの上流かつ凝縮器の下流の他の個所に設けられてもよい。更に、上記エンジン22及び動力回収装置1には、各種センサが設けられている。例えば、エンジン回転速度を検出するためのエンジン回転速度センサ66、及び、エンジン負荷を検出するためのエンジン負荷センサ68がエンジン22に対して設けられている。エンジン負荷センサは例えばエアフローメーター(流量センサ)である。また、エンジン冷却水温を検出するための水温センサ70が設けられている。
これらセンサからの出力は、上記ECU60に入力される。ECU60は、ランキンサイクルシステム10やエンジン22の各種制御を行うように、所謂コンピュータとして構成され、公知の演算処理装置(例えばCPU)や記憶装置(例えばROM、RAM)、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。ECU60は、それらセンサからの出力に基づいて各種値を取得し(検出し)、予め記憶しているプログラム及びデータに基づいて所定の演算をし、エンジン22(例えばインジェクタやスロットルバルブ)の作動、モータ12aの駆動、ピストン機構36のピストン駆動用のアクチュエータ36dの駆動等のためにそれらのそれぞれに作動信号を出力する。つまり、ECU60は、エンジンの制御手段、モータ12aの制御手段、(圧力可変手段又は容量可変手段の)ピストン機構36の制御手段(すなわちアクチュエータ36dの制御手段)のそれぞれに相当する機能部を有し、これらは互いに関連付けられている。なお、ECU60は1つの電子制御ユニットであることに限定されず、複数の電子制御ユニットの複合体として構成されてもよい。
上記ECU60によるピストン機構36の制御について図2に基づいて詳述する。なお、図2のフローは、所定時間間隔で実行される。
まず、ECU60は、過冷却度を算出する(ステップS201)。具体的には、ECU60は、圧力センサ62及び温度センサ64の各出力に基づいて、作動流体の圧力及び温度を取得する。そして、所定のプログラムやデータに基づいて、ECU60は作動流体の過冷却度を算出する。過冷却度は、例えば、作動流体の飽和蒸気線図(データ)を取得した作動流体の圧力で検索して飽和温度(凝縮温度)を求め、この求めた飽和温度と取得した温度との差(絶対値)を算出することにより求めることができる。
次に、ECU60は、作動流体の温度を取得した温度のままとして、作動流体の過冷却度を所定過冷却度にするための作動流体の目標圧力を算出する(ステップS203)。この目標圧力は、上記した作動流体の飽和蒸気線図(データ)を用いて所定の演算をすることで算出される。ここでの作動流体の目標圧力は、膨張器16の下流かつポンプ12の上流の圧力の目標値であり、より具体的には膨張器16の下流かつ凝縮器18の上流の圧力の目標値である。なお、ECU60は水温センサ70の出力に基づいて取得されるエンジン冷却水の温度や、エンジン回転速度センサ66の出力やエンジン負荷センサ68の出力に基づいて定まるエンジン運転状態に応じて算出される排気ガスの温度に基づいて、そのような目標圧力を補正してもよい。より適切に、ランキンサイクルシステムを稼働させるためである。
ここでより具体的に目標圧力について説明する。ランキンサイクルシステムでの基本仕様において、圧力センサ62及び温度センサ64の各出力に基づいて取得される作動流体の圧力及び温度として、作動流体の圧力PA(bar)及び作動流体の温度TA(℃)が定められているときを仮定する。そして、圧力センサ62及び温度センサ64の各出力に基づいて作動流体の圧力PB(bar)(<PA)及び温度TB(℃)(<TA)が取得される場合を考える。この場合、凝縮器18を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度に保つためには、作動流体の圧力を上げることが必要である。このときに目標とされる圧力が目標圧力として算出される。
目標圧力を算出すると、ECU60は算出した目標圧力が大気圧を超えているか否かを判定する(ステップS205)。この判定は、この制御により膨張器16の出口での作動流体の圧力が大気圧よりも低い圧力にまで低くなることを防ぐために行われる。大気圧は大気圧センサにより検出(取得)されてもよいが、ここでは既定値として定められて記憶装置に記憶されている。
算出した目標圧力が大気圧を超えているのでステップS205で肯定判定されると、ECU60はステップS207へ進む。ステップS207では、その算出した目標圧力になるように、ピストン機構36のアクチュエータ36dに対する目標制御量が、予め定められたデータ等に基づく所定の演算で算出される。そして、その制御量で、アクチュエータ36dが制御される。ステップS207を経ることで当該ルーチンは終了する。
一方、算出した目標圧力が大気圧を超えていないのでステップS205で否定判定されると、ECU60はステップS209へ進む。ステップS209では、その算出した目標圧力に代えて、所定圧が目標圧力として設定される。この所定圧は、作動流体の過冷却度を前述の所定過冷却度を超える過冷却度にする圧力であり、大気圧以上の圧力であり、ランキンサイクルシステム10に固有の値として予め実験に基づいて定められているとよい。なお、この場合の所定圧は大気圧でもよいが、それ以上であるとなおよい。膨張器出口での作動流体の圧力が大気圧よりも低い圧力になることをより確実に防ぐためである。ステップS209を経ることで、上記ステップS207へ進み、当該ルーチンは終了する。これにより、上で述べたようなピストン機構36の制御が実行される。
以上述べたように、本実施形態によれば、(ポンプ12前の)凝縮器18を経た後の作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つべく、作動流体の圧力を調節するようにピストン機構36は制御される。したがって、ポンプでのキャビテーションの発生を好適に防ぐことができる。
そして、このときの、作動流体の圧力の目標値は、膨張器16の下流かつポンプ12の上流の作動流体の圧力を大気圧以上に保つようにも設定される。つまり、作動流体の過冷却度を所定過冷却度にするための圧力が大気圧より低い場合、その圧力を大気圧以上にするように作動流体の圧力の上昇量又は目標値は補正され、アクチュエータ64の上記目標制御量は設定される。これにより、上記制御により、膨張器16の下流かつポンプ12の上流の作動流体の圧力を、特に膨張器16下流かつ凝縮器18の上流の作動流体の圧力を大気圧以上の圧力に維持することができる。よって、作動流体の圧力が大気圧より下がること防ぐことができ、作動流体流路に大気圧による内向きの力(管部材が潰れる方向の力)が作用することを防ぐことができる。一般的に、ランキンサイクルシステムでは、作動流体流路の配管等の接合部は(配管の)内圧が高いときの密閉性を確保するように設計され、逆にその内圧が大気圧未満のときを考慮して設計されていない。しかし、上述のごとく、上記実施形態によれば、作動流体の圧力が大気圧より下がることを防ぐことができるので、作動流体流路の配管等の接合部の密閉性が損なわれることがない。
なお、上記実施形態では、算出した過冷却度に応じてピストン機構36のピストン部36bを継続して制御するようにした。しかし、算出した過冷却度が所定過冷却度以上であり、かつ、作動流体の圧力が大気圧を超えているときは、ピストン機構36を制御しなくてもよい。ポンプでのキャビテーションの問題や、作動流体流路の接合部での密閉性の問題は生じないからである。これは、次の第2実施形態においても同様である。
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。本第2実施形態は、タンク30に設けた容量可変手段の構成の点でのみ上記第1実施形態と相違する。そこで、以下では、第2実施形態に係るランキンサイクルシステムを備えた動力回収装置の全体的な説明は行わず、図3に基づいてその相違点を主として説明する。なお、以下では、既に説明した構成要素に相当する構成要素に、上述の符号を同様に付して、その重複する説明を省略する。
本第2実施形態では、容量可変手段として、ピストン機構の代わりに、バルーン機構80が設けられている。バルーン機構80は、タンク30内に配設されたバルーン部82と、バルーン部82内にガスを供給するために設けられたエアタンク(ガス供給手段)84と、三方弁である制御弁86とを備える。なお、バルーン部82は弾性袋体として構成され、内部のガス量(ガス圧)に応じて膨らんだり縮んだりすることができるものである。また、エアタンク84内に所定圧以上のエアガスを貯め続けるように、図示しない圧力センサの出力に基づいて検出されるタンク内圧を所定圧以上に維持するように、ECU60(の補助ポンプの制御手段に相当する機能部)は所定の時期に(エアタンクに接続する)補助ポンプを駆動するように構成されている。なお、補助ポンプはここでは電動式であるが、エンジンの動力で駆動する形式のものでもよい。
本第2実施形態でも、図2に基づいて説明した制御が同様に行われ、ステップS201からS205、S209に関しては同じ演算処理が行われる。本第2実施形態では、ECU60(のバルーン機構80の制御弁86の制御手段に相当する機能部)は、上記ステップS207において、ステップS205又はS209で定められた作動流体の目標圧力に応じた目標制御量を算出する。この目標制御量は、制御弁86(のアクチュエータ)に対する制御量である。ECU60はバルーン部82内の圧力を検出するための圧力センサ88からの出力に基づいて、予め定められたプログラムやデータに基づいて所定の演算をすることで、制御弁86(のアクチュエータ)に対する制御量を算出する。そして、その結果、その制御量で、ECU60は制御弁86を制御する。
(作動流体の圧力を高めるために)タンク30内の容量(作動流体が溜まることができる空間)を少なくしたいとき、ECU60は、エアタンク84内のエアガスをバルーン部82に送るように、エアタンク84内をバルーン部82内に開通し、外部空間Eに閉じるように、制御弁86を制御する(図3(a)の矢印A1参照)。これによりバルーン部82がタンク30内に占める容積が増加し、タンク30内の容積(作動流体側の空間)が減少する。一方、(作動流体の圧力を低めるために)タンク30内の容量を多くしたいとき、ECU60は、エアタンク84からのエアガスの供給を行わず、バルーン部82内のエアガスを外部空間Eに排出するように制御弁86を制御する(図3(b)の矢印A2参照)。これによりバルーン部82がタンク30内に占める容積が減少し、タンク30内の容積(作動流体側の空間)が増加する。
なお、ガス供給手段は、上記の如くエアタンク84を備えることに限定されない。例えば、補助ポンプが直接的に制御弁86につながれてもよい。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は種々の変更が可能である。本願の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、種々の置換、変更が可能である。
上記ランキンサイクルシステムでは、凝縮器での冷却にエンジン冷却水を用いたが、本発明はこれに限定されず、凝縮器は作動流体を外気で冷却するように構成されてもよい。また、上記実施形態では、圧力可変手段としてタンクに設けた容量可変手段を用いたが、本発明はそれに限定されず、作動流体の循環通路に他の構成の圧力可変手段を設けてもよい。例えば、上記バルーン機構をタンク以外の作動流体の流路に設けてもよい。また、上記実施形態では、作動流体の目標圧力の上限値を設けなかったが、その上限値を設定してもよい。
1 動力回収装置
10 ランキンサイクルシステム
12 ポンプ
12a モータ
12b 駆動軸
14 蒸発器
16 膨張器
18 凝縮器
20 環状通路
22 エンジン
24 排気管
26 発電機
36 ピストン機構
60 電子制御ユニット(ECU)(制御手段)
62 圧力センサ
64 温度センサ
80 バルーン機構
PV 圧力可変手段

Claims (4)

  1. ポンプによって圧送された作動流体が蒸発器、膨張器、凝縮器を順に介して流れて、前記ポンプによって再び圧送される、ランキンサイクルシステムにおいて、
    作動流体の圧力を可変とするように構成された圧力可変手段と、
    前記膨張器の下流かつ前記ポンプの上流の圧力を大気圧より高い圧力に保つように、かつ、前記凝縮器を経た作動流体の過冷却度を所定過冷却度以上に保つように、前記圧力可変手段を制御するように構成された制御手段と
    を備えた、ランキンサイクルシステム。
  2. 前記圧力可変手段は、
    前記作動流体の気液分離を図るように前記凝縮器と前記ポンプとの間に設けられたタンクに、該タンク内の容量を可変とするように構成された容量可変手段
    を備える、
    請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
  3. 前記制御手段は、取得した前記ポンプの上流かつ前記凝縮器の下流の作動流体の温度及び圧力に基づいて作動流体の過冷却度を算出し、算出した当該過冷却度が前記所定過冷却度以上になるように、前記容量可変手段を制御する、
    請求項2に記載のランキンサイクルシステム。
  4. ポンプによって圧送された作動流体が蒸発器、膨張器、凝縮器を順に介して流れて、前記ポンプによって再び圧送される、ランキンサイクルシステムにおける制御方法であって、
    前記ランキンサイクルシステムは、作動流体の気液分離を図るように前記凝縮器と前記ポンプとの間に設けられたタンクに、該タンク内の容量を可変とするように構成された容量可変手段を備え、
    取得した前記ポンプの上流かつ前記凝縮器の下流の作動流体の温度及び圧力に基づいて、凝縮器を経た作動流体の過冷却度を算出するステップと、
    算出した過冷却度を所定過冷却度以上にするように、かつ、前記膨張器の下流かつ前記ポンプの上流の圧力を大気圧より高い圧力に保つように、前記容量可変手段を制御するステップと、
    を含む、制御方法。
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