JP2019065232A - スチール被覆用ゴム組成物 - Google Patents

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秀忠 藤澤
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Abstract

【課題】本発明は、スチール被覆用ゴム組成物の耐亀裂進展性を低下することなく、低発熱性であるものとし、低燃費化したタイヤの部品又は部材を提供することを目的とする。【解決手段】本発明においては、ゴム成分が、天然ゴム50〜100質量%を含み、前記ゴム成分100質量部に対して、熱硬化性樹脂0.5〜10質量部、前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤0.5〜10質量部、CTAB比表面積が170m2/g以上のシリカ、及び、カーボンブラックを含み、シリカとカーボンブラックとの合計配合量が、35〜100質量部であり、シリカとカーボンブラックとの合計配合量に対する、シリカの配合比率が、0.1〜0.4であることを特徴とするスチール被覆用ゴム組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、スチール被覆用ゴム組成物に関する。
従来、空気入りタイヤの構造を形成する部品又は部材として、ゴム組成物により被覆されたベルト状又はコード状スチールが用いられている。例えば、スチールベルト、スチールコードを用いたカーカス等が例として挙げられる。
スチールを被覆するスチール被覆用ゴム組成物は、タイヤの構造上強い力が加わる部品又は部材に用いられるため、耐亀裂進展性が求められる。
一方、近年、低燃費化への要求は更に強まり、トレッドだけでなく、タイヤのあらゆる部品又は部材の改良により、低燃費化を行うことが必要になっている。タイヤに用いられるスチール被覆用ゴム組成物を低発熱化することによる低燃費化は、特に、長距離走行を行う重荷重用タイヤの部品又は部材、例えば、トラック、バス用タイヤの部品又は部材においてその影響が顕著である。
しかし、ゴム組成物における低発熱性と耐亀裂進展性とは二律背反であり、低発熱性のゴム組成物は、耐亀裂進展性が低いという問題点があった。
上記問題点に関し、これまでに、タイヤ周方向に走るコードを埋設したキャッププライが配設された空気入りタイヤにおいて、コードを被覆するキャッププライのトッピングゴムにタイヤ周方向に配向された短繊維を配合し、転がり抵抗を低減した例が知られている。(特許文献1)
しかし、特許文献1には、特定の比表面積以上となる小粒径のシリカと、カーボンブラックとを特定量ゴム組成物に配合し、耐亀裂進展性を低下させることなく低発熱性及び転がり抵抗を改良することについては記載されていない。
特開2006−76407号公報
本発明は、上記従来技術の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、スチールベルト、スチールコードを用いたカーカス等に用いるスチール被覆用ゴム組成物の耐亀裂進展性を低下することなく、低発熱性であるものとし、低燃費化した重荷重用タイヤの部品又は部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、ゴム成分が、天然ゴム50〜100質量%を含み、前記ゴム成分100質量部に対して、熱硬化性樹脂0.5〜10質量部、前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤0.5〜10質量部、CTAB比表面積が170m/g以上のシリカ、及び、カーボンブラックを含み、シリカとカーボンブラックとの合計配合量が、35〜100質量部であり、シリカとカーボンブラックとの合計配合量に対する、シリカの配合比率が、0.1〜0.4であることを特徴とするスチール被覆用ゴム組成物により、耐亀裂進展性が高く、かつ、低ロス性を有するスチールコーティング用ゴム組成物が提供できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
このように構成される本発明のスチール被覆用ゴム組成物が、何故、耐亀裂進展性が高く、かつ、低ロス性を有するスチールコーティング用ゴム組成物となるのかのメカニズム等は不明な点等も若干あるが、以下のよう推察される。
本発明においては、カーボンブラックに対するシリカの粒径の倍率を、従来よりも著しく小さくする、具体的には、通常粒径のカーボンブラックと、微粒径シリカとを用いる、又は、大粒径のカーボンブラックと、通常粒径〜微粒径のシリカとを用いることにより、カーボンブラック及びシリカそれぞれのゴム組成物中の分散状態が改善され、転がり抵抗及び耐亀裂性が改善される。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(9)に存する。
(1)ゴム成分が、天然ゴム50〜100質量%を含み、
前記ゴム成分100質量部に対して、
熱硬化性樹脂0.5〜10質量部、
前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤0.5〜10質量部、
CTAB比表面積が170m/g以上のシリカ、及び、カーボンブラックを含み、
シリカとカーボンブラックとの合計配合量が、35〜100質量部であり、
シリカとカーボンブラックとの合計配合量に対する、シリカの配合比率が、0.1〜0.4であることを特徴とするスチール被覆用ゴム組成物。
(2)熱硬化性樹脂が、重合体である上記(1)に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
(3)ゴム成分100質量部に対して、更に硫黄を0.3〜10質量部配合することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
(4)カーボンブラックのCTAB比表面積(m/g)の値/シリカのCTAB比表面積の(m/g)の値が、0.55以下であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のスチールコーティング用ゴム組成物。
(5)前記カーボンブラックのCTAB比表面積が、90m/g以下であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のスチール被覆用ゴム組成物。
(6)熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のスチール被覆用ゴム組成物。
(7)硬化剤が多価メチロールメラミン誘導体であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のスチールコーティング用ゴム組成物。
(8)スチールベルト又はスチール製カーカスコードを被覆した上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のスチール被覆用ゴム組成物。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載のスチール被覆用ゴム組成物を用いたタイヤ。
本発明によれば、耐亀裂進展性が高く、かつ、低発熱性であるため部品又は部材として用いた場合にタイヤの転がり抵抗が低いものとなり、低燃費となるタイヤとすることができるスチール被覆用ゴム組成物を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のスチール被覆用ゴム組成物は、ゴム成分が、天然ゴム50〜100質量%を含み、前記ゴム成分100質量部に対して、熱硬化性樹脂0.5〜10質量部、前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤0.5〜10質量部、CTABが170m/g以上のシリカ、及び、カーボンブラックを含み、シリカとカーボンブラックとの合計配合量は、35〜100質量部であり、シリカとカーボンブラックとの合計配合量に対する、シリカの配合比率が、0.1〜0.4であることを特徴とする、スチール被覆用ゴム組成物であり、スチールベルト、スチールコードを用いたカーカス等に用いられる。
〔ゴム成分〕
本発明の実施形態に係る被覆用ゴム組成物のゴム成分は、天然ゴム50〜100質量%、好ましくは、80〜100質量%を含む。
その他のゴム成分としては、タイヤ、工業用ベルト等のゴム製品に用いられるゴムであれば特に限定されず、例えば、天然ゴム及び/又はジエン合成系ゴムが用いられる。具体的には、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等の少なくとも1種を使用することができる。
〔天然ゴム〕
本発明の実施形態に係るスチール被覆用ゴム組成物のゴム成分に含まれる天然ゴム(NR)の例としては、タイヤ用として一般に用いられているRSS、TSR#10、TSR#20などの他、恒粘度剤含有天然ゴム、高純度化天然ゴム、酵素処理天然ゴム、けん化処理天然ゴム等が挙げられる。恒粘度剤としては、例えば、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド(NHCONHNH)、またはその塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジド化合物(例えば、プロピオン酸ヒドラジド)などを用いることができる。高純度化天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスを遠心分離にかけ、タンパク質等の非ゴム成分が除去された天然ゴムである。酵素処理天然ゴムは、プロテアーゼ、リパーゼ、ホスフォリパーゼ等の酵素により酵素処理された天然ゴムである。けん化処理天然ゴムは、アルカリ(例えば、NaOH)等でけん化処理された天然ゴムである。
〔熱硬化性樹脂〕
本発明の実施形態に係るスチール被覆用ゴム組成物に含まれる熱硬化性樹脂は、ゴム成分と一定の相溶性を有し、かつ耐亀裂進展性を損なわない樹脂であれば特に制限はない。
前記熱硬化性樹脂は、硬化剤と反応する主剤が単量体であっても、重合体であっても良い。
前記熱硬化性樹脂の主剤が単量体である場合、前記主剤単量体としては、重合性官能基が1個の単量体であっても良いが、2官能、3官能等の多官能の単量体を用いても良い。
本発明に用いる硬化剤は、主剤となる熱硬化性樹脂が単量体である場合には、2官能、3官能等の多官能の単量体を用いても良く、3官能であって重合して網目状のマトリックスを生じ得る硬化剤を用いても良い。必要に応じ、複数の種類の硬化剤を用いても良い。
熱硬化性樹脂重合体を、硬化剤により重合・架橋する樹脂、具体的には、例えば、後述する硬化剤としての多価メチロールメラミン誘導体等のメチレン供与体により架橋可能な重合体を用いてもよい。
本願中、熱硬化性樹脂とは、硬化剤により重合・架橋可能な樹脂をいい、前記熱硬化性樹脂が重合体である場合には、重合・架橋反応前の物性は、熱硬化性に限定されない。
本発明の実施形態に係るスチール被覆用ゴム組成物には、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性の樹脂が使用される。これらの中でもフェノール樹脂が好ましい。
前記フェノール樹脂は、好ましくは、多官能、例えば2価のビスフェノール等のフェノール誘導体が酸塩基等の反応により重合した構造を有するか、又は、更にアルデヒド等と反応することにより重合した構造を有する。
フェノール誘導体としては、例えば、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F等が挙げられる。
フェノール誘導体は、広義に解され、ノニルフェノール、カシュー油、リグニンなどの高級フェノール、レゾルシン、カテコール、などの二価のフェノールなど、置換基を有するものや、変性した物を含んでも良い。 フェノール樹脂として、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂などが挙げられる。
前記フェノール樹脂は100%フェノール樹脂のほか、天然樹脂変性フェノール樹脂、油変性フェノール樹脂等を用いることができる。
前記フェノール樹脂は、ゴムの耐破壊性の低下を抑えながらゴムをより高弾性化することができる。このことにより、本発明のスチール被覆用ゴム組成物の低発熱性が改良され得る。
このようなフェノール樹脂としては、上述の他、具体的には、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型クレゾール樹脂、ノボラック型キシレノール樹脂、ノボラック型レゾルシノール樹脂、またはこれらの樹脂をオイル変性した樹脂などが挙げられ、これらの樹脂を単独で、又は複数用いることができる。
上記フェノール樹脂をオイル変性する場合、用いるオイルとしては、ロジン油、トール油、カシュー油、リノール酸、オレイン酸およびリノレイン酸が挙げられ、これらのオイルを少なくとも1種又は2種以上用いても良い。
本発明の実施形態に係るスチール被覆ゴム組成物に含まれる熱硬化性樹脂の分子量は、耐亀裂進展性を増強する効果を生じる範囲であれば、特に制限はない。
既に重合した樹脂を、再度硬化剤により重合する場合には、硬化剤との反応前の分子量は、ゴム成分との相溶性を向上するためオリゴマー程度の低いものとしても良い。
〔硬化剤〕
硬化剤としては、メチレン供与体等により熱硬化性樹脂に網目状のマトリックスを形成せしめ、ゴム高分子の伸縮等の運動を制限するものであっても良い。このことにより、ゴム組成物が、低発熱性となり得る。メチレン供与体である硬化剤として、具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。
樹脂及び硬化剤は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に選ぶことができ、また、前記樹脂及びその硬化剤はそれぞれ複数選択しても良い。また、反応前の硬化剤を樹脂に含有させを用いてもよい。
本発明に用いる硬化剤は、熱硬化性樹脂と共に配合される。前記熱硬化性樹脂を重合・架橋させる場合には、本発明に用いる硬化剤は、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン等の多価メチロールメラミン誘導体、オキサゾリジン誘導体、多価メチロール化アセチレン尿素、アセトアルデヒドアンモニア、α−ポリオキシメチレン、パラホルムアルデヒドなどが挙げられ、これらのうち少なくとも1種を用いるのが好ましい。本発明に用いる硬化剤は、より好ましくは、多価メチロールメラミン誘導体、より更に好ましくは、硬化速度の速さ等の点から、ヘキサメトキシメチルメラミンを用いるのが好適である。
これらメチレン供与体などの硬化剤の含有量は、上記フェノール樹脂及びメチレン供与体の総量(樹脂及びその硬化剤の総量)100質量%中、通常5〜80質量%、好ましくは30〜60質量%の量である。メチレン供与体の含有量が5質量%未満であると、フェノール樹脂の硬化が充分に進まないおそれがあり、一方、80質量%を超えると、ゴムの架橋系に悪影響を及ぼす場合がある。
〔シリカ〕
本発明に用いるシリカは、CTAB比表面積が170m/g以上、好ましくは、180m/g以上、より好ましくは、190m/g以上である。
本願において、シリカのCTAB比表面積は、セチルトリメチル−アンモニウムブロマイド(CTAB)を用いたASTM−D3765−80の方法に準拠した方法で測定することができる。
本発明のスチール被覆用ゴム組成物に用いるシリカの製法としては、上記CTAB比表面積に関する条件を満たすものであれば特に制限がなく、従来公知のものを広く使用できる。例えば、乾式法による無水ケイ酸、湿式法による含水ケイ酸、合成ケイ酸塩などがあげられる。シランカップリング剤で変成したシリカなども挙げることができる。
シリカのCTAB比表面積の上限は特に制限されないが、現時点において、300m/gを超える製品は、市販品として入手することはできない。
CTAB比表面積が170m/g以上となるシリカは、市販品でもよく、例えば、ローディア社のZeosil Premium200MP(商品名)、Evonik社の9500GR(商品名)として、入手することができる。
本発明のゴム組成物中におけるシリカの含量は、ゴム成分100質量部に対して3.5質量部以上、好ましくは6質量部以上、であり、40質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
本発明のスチール被覆用ゴム組成物では、そのゴム組成物中熱可塑性樹脂を硬化させた系においてCTAB比表面積が大きい微粒径のシリカを用いることで、耐亀裂進展性を低下させることなく、低発熱性を改良することができる。通常、微粒径のシリカは、低発熱性を有するゴム組成物に配合されないところ、本発明のスチール被覆用ゴム組成物では、熱硬化性樹脂及び硬化剤並びにカーボンブラックの存在により、微粒径のシリカを含有したゴム組成物において低発熱性が向上する。
更に、本発明のスチール被覆用ゴム組成物においては、後述するCTAB比表面積が特定の値より小さく粒径の大きいカーボンブラックを用いることにより、ゴム組成物において低発熱性が更に向上する。
〔カーボンブラック〕
本願において、カーボンブラックのCTAB比表面積は、セチルトリメチル−アンモニウムブロマイド(CTAB)を用いたISO 6810に準拠して測定され、m/gで表される。
カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K 6217−4:2001(オイル吸収量の求め方)によって求められる。
本発明のスチール被覆用ゴム組成物は、カーボンブラックを含有する。前記ゴム組成物において用いることができるカーボンブラックは、CTAB比表面積が、好ましくは、90m/g以下、より好ましくは、85m/g以下である。比較的大粒径のカーボンブラックを微粒径のシリカと共に用いることで、低発熱性を有するゴム組成物となり得る。
カーボンブラックのCTAB比表面積(m/g)の値/シリカのCTAB比表面積の(m/g)の値が、0.55以下、好ましくは、0.50以下、より好ましくは、0.45以下であると、カーボンブラックの粒径がシリカの粒径に比べて大きくなる。
カーボンブラックのCTAB比表面積(m/g)の下限値は、特に限定されないが、30m/g以上であることが好ましい。
カーボンブラックのCTAB比表面積(m/g)の値/シリカのCTAB比表面積の(m/g)の値の下限値は、特に限定されないが、0.1以上であることが好ましく、0.2以上がより好ましい。
カーボンブラックの種類は、CTAB比表面積が上記範囲となるものであれば特に制限されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられる。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は70m/g以上が好ましい。カーボンブラックのNSAが70m/g以上であることで、架橋ゴム及びタイヤの耐破壊性及び耐亀裂性をより向上することができる。また、カーボンブラックのNSAは140m/g以下が好ましい。140m/g以下であることでゴム組成物中のカーボンブラックの分散性に優れる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001(比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法)のA法によって求められる。
また、ジブチルフタレート吸油量(DBP吸油量)は70ml/100g以上が好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量が70ml/100g以上であることで、架橋ゴム及びタイヤの耐破壊性及び耐亀裂性をより向上することができる。また、ゴム組成物の加工性の観点から、カーボンブラックのDBP吸油量は140ml/100g以下が好ましい。
ゴム組成物中含まれる熱硬化性樹脂が、該熱可塑性樹脂を硬化させるための硬化剤により硬化したゴム組成物において、カーボンブラックの粒径をシリカの粒径に比べて大きくすることで、熱可塑性樹脂により耐亀裂進展性を向上させつつ、低発熱性であるものとすることができる。
本発明のスチール被覆用ゴム組成物には、上記ゴム成分100質量部に対してカーボンブラックが20質量部以上、より好ましくは30部以上、更に好ましくは、40部以上であり、好ましくは80部以下、更に好ましくは、70部以下である。なお、発熱性を維持する観点から、100質量部以下が好ましい。
上記カーボンブラックは、通常ゴム業界で用いられるものから適宜選択することができ、種類またはグレードに制限はない、例えば、SRF、GPF、FER、HAF、ISAF等を挙げることができる。
〔シリカ及びカーボンブラックの配合部数の合計及びそれに対するシリカの配合比率〕
本発明においてゴム組成物中、シリカ及びカーボンブラックは、ゴム成分100質量部に対し、合計35〜100質量部、好ましくは、40〜70質量部配合される。
この範囲で配合することで、充填剤配合時の発熱性の上昇を抑え、低発熱性を維持できる。更に、シリカ及びカーボンブラックの配合部数の合計を前記範囲とすることで、低発熱性を維持しつつ耐摩耗性等の性能を向上することができる。
本発明においてゴム組成物中、シリカ及びカーボンブラックの配合部数の合計に対するシリカの配合部数の比は、0.1〜0.4であり、好ましくは、0.1〜0.3である。
この範囲で適量のカーボンブラックを配合することで、発熱性を抑えることができる。
〔接着性向上剤〕
また、本発明においてスチール被覆ゴム組成物中、コバルト塩を、接着性を向上させるために配合しても良い。例えば、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、また、有機酸コバルト塩として、酢酸コバルト、クエン酸コバルト、グルコン酸コバルトおよびアセチルアセトナトコバルトなどから少なくとも1種が選択されるコバルト塩の水溶液を用いることができる。その他遷移金属塩を含む水溶液として、鉄:Feや銀:Agの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩の内、可溶性のものを用いることができる。
本発明においてスチール被覆ゴム組成物中、接着性を向上させるため、接着性向上剤としての樹脂を、被覆用ゴム組成物の接着性能の点から配合しても良い。前記樹脂として、例えば、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−プロピレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール系化合物等を加えることによりスチールとスチール被覆用ゴム組成物との接着性を向上させても良い。
上記の通り、コバルト塩、接着性向上剤としての樹脂等の接着性向上剤を加え接着性が向上することで、前記ゴム組成物とスチールとの複合体の強度が向上する。
〔添加剤〕
本発明の実施形態に係るスチール被覆ゴム組成物は、タイヤ業界及びゴム業界で慣用される各種添加剤を含んでも良い。また、加硫剤として硫黄を含むことができる。
各種添加剤は、例えば、加硫剤、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤、充填剤、軟化剤、ステアリン酸、加硫促進剤等である。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
〔被覆用スチール〕
本発明の実施形態に係るスチール被覆ゴム組成物は、耐亀裂進展性が高く、低発熱性であるため、例えば、スチールベルトを被覆するために好適に用いられる。
スチール被覆ゴム組成物は、均一平面状にスチールを被覆するものであっても、一定の形状、パターンなどを有してスチールを被覆するものであっても良い。
スチールベルトである場合は、ゴム組成物により被覆された1枚のスチールベルトからなっても、ゴム組成物により被覆された2枚以上のスチールベルトからなっても良い。
〔ゴム組成物による被覆〕
本発明に係る被覆用ゴム組成物はバンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール等の混練機を用いて混練することによって得られ、成形加工後、加硫を行い、上記特性を必要とするタイヤの各種部材並びに各種工業用品に用いることができる。
特に、タイヤのスチールベルト被覆用ゴム組成物、例えば、スチールコードコーティング用ゴムとして好適に使用されると、その走行時或いは超重量付加時等にタイヤに発熱等が生じても上述のような耐環境ストレス接着性能を発揮することができる。特に、補強材・ゴム複合体部での剪断歪みが抑制されるので、タイヤは耐久性及耐劣化性が向上する。
本発明に係るスチール被覆用ゴム組成物は、上記ゴム組成物と、スチール製部材とを含んで構成される。具体的には、本発明に係る上記被覆用ゴム組成物でスチール部材を被覆してなるものである。上記スチール製部材は、そのゴム製品によってその形状を異ならせることができ、特に制限されるものではなく、例えば、タイヤにおけるスチールベルト、スチールコード等、特に重荷重用タイヤのスチールベルトが好ましい。スチールのコーティング処理の方法は特に制限されず、通常用いる方法を適宜用いることができ、例えば、メッキ処理法、各種CVD法、PVD法などを挙げることができる。
〔タイヤ〕
本発明の実施形態に係るスチール被覆用ゴム組成物は、スチールと共にタイヤの部品又は部材を構成する。それらの部品又は部材が好適に用いられるタイヤは、それら部品又は部材の用途から、空気入りタイヤに好適に用いられる。しかしながら、前記ゴム組成物の耐亀裂進展性及び低発熱性が適用される部品又は部材を用いるタイヤであれば、特に制限はない。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
実施例及び比較例は、表1に示す配合によりゴム組成物の混練、調製を行った。それらのゴム組成物又はそれらを用いて作成したタイヤについて、下記に示す方法により特性を測定した。
〔転がり抵抗〕
上記各タイヤをタイヤのビード幅に対応した幅のリムに装着して、室内の一軸転がり抵抗測定ドラム試験機により、80km/hでの転がり抵抗の評価を行った。
なお、転がり抵抗は、比較例1の値を100としたときの指数で示し、値が小さい程、転がり抵抗に優れることを示す。
〔耐亀裂進展性〕
加硫条件(160℃×14分)で加硫したゴム組成物を、ダンベル状に打ち抜き、中心部に1mmの予亀裂を入れたサンプルを疲労試験機にて、80℃、チャック間距離20mmで一定応力で5Hzのストロークを与え、完全に破断するまでの回数の常用対数を、比較例1の場合を100とし、指数で表示した。
この値が大きいほど寿命が長く、耐亀裂進展性が優れていることを示す。
〔実施例1及び比較例1〜3〕
実施例1及び比較例1〜3は、下記表1に示す組成を有するゴム組成物を調製し、転がり抵抗及び耐亀裂進展性の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2019065232
*1 天然ゴム: RSS#3
*2 カーボンブラック(通常)(旭カーボン社製、商品名「旭#70」(CTAB:83m/g、DBP吸油量:77ml/100g、NSA:101m/g)

*3 老化防止剤6C(N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」)
*4 有機酸コバルト塩(商品名:マノボンドC225(登録商標)、OM Group Inc.製、コバルト含有率22.5%)
*5 加硫促進剤DZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、商品名:商品名「ノクセラーDZ」、大内新興化学工業株式会社製)
*6 熱硬化性樹脂(フェノールホルムアルデヒド樹脂、商品名:RP−50235、住友ベークライト社製)
*7 硬化剤 ヘキサメトキシメチルメラミン(商品名:CYREZ 964 RPC、ALLNEX USA INC製)
*8 シリカ(通常粒径)(商品名「ニップシールAQ」、日本シリカ工業株式会社製、CTAB比表面積150m/g)
*9 シリカ(微粒径)(CTAB比表面積220m/g、商品名:9500GR、Evonik社製、商品名「9500GR」)
実施例及び比較例からわかる通り、本願実施例1のゴム組成物は、良好な耐亀裂進展性及び低発熱性を示している。
より詳細には、カーボンブラックの粒径に対してシリカの粒径の小さい(CTAB比表面積が大きい)、即ち、カーボンブラックの粒径に対するシリカの粒径の倍率が小さい実施例1のゴム組成物は、シリカを含まない比較例1〜2、及び、カーボンブラックの粒径に対してシリカの粒径が通常程度である(CTAB比表面積が通常程度である)比較例3のゴム組成物に比べて、良好な耐亀裂進展性及び低発熱性を示している。
本発明では、耐亀裂進展性を有するタイヤが得られるので、特に、トラック、バス等の重荷重用空気入りタイヤに好適に適用することができる。

Claims (9)

  1. ゴム成分が、天然ゴム50〜100質量%を含み、
    前記ゴム成分100質量部に対して、
    熱硬化性樹脂0.5〜10質量部、
    前記熱硬化性樹脂を硬化させるための硬化剤0.5〜10質量部、
    CTAB比表面積が170m/g以上のシリカ、及び、カーボンブラックを含み、
    シリカとカーボンブラックとの合計配合量が、35〜100質量部であり、
    シリカとカーボンブラックとの合計配合量に対する、シリカの配合比率が、0.1〜0.4であることを特徴とするスチール被覆用ゴム組成物。
  2. 熱硬化性樹脂が、重合体である請求項1に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
  3. ゴム成分100質量部に対して、更に硫黄を0.3〜10質量部配合することを特徴とする請求項1又は2に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
  4. カーボンブラックのCTAB比表面積(m/g)の値/シリカのCTAB比表面積の(m/g)の値が、0.55以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチールコーティング用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックのCTAB比表面積が、90m/g以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
  6. 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
  7. 硬化剤が多価メチロールメラミン誘導体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスチールコーティング用ゴム組成物。
  8. スチールベルト又はスチール製カーカスコードを被覆した請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチール被覆用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のスチール被覆用ゴム組成物を用いたタイヤ。
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