JP2019063789A - セラミックハニカムフィルタの製造方法及びセラミックハニカムフィルタ - Google Patents

セラミックハニカムフィルタの製造方法及びセラミックハニカムフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルタ再生時等に熱衝撃が作用した場合でも目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生し難い耐熱衝撃性が維持されたセラミックハニカムフィルタの製造方法およびセラミックハニカムフィルタを得る。【解決手段】第1の焼成を行って得られるコーディエライト質セラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止材を導入、乾燥後、第2の焼成を行って目封止部を形成する方法であって、目封止材は第2の焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト配合原料20〜50質量%と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末50〜80質量%とからなるセラミックス粒子と、前記セラミックス粒子100質量部に対して造孔材を0.5〜20質量部有し、コーディエライト配合原料のメジアン粒子径が3〜10μm、D90が25μm以下、コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径が100〜180μm、造孔材のメジアン粒子径が35〜55μmである。【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックハニカム構造体の所定の流路が目封止されたセラミックハニカムフィルタの製造方法およびセラミックハニカムフィルタに関する。
ディーゼルエンジンなど自動車の排気ガス中に含まれるPM(Particulate Matter:微粒子状物質)を捕集、浄化するためのフィルタが自動車の排気ガス系に搭載されている。図1は、排気ガス中のPMを捕集、浄化するセラミックハニカムフィルタ10の一例を示し、(a)は正面図、(b)は一部断面の側面図である。図1で、セラミックハニカム構造体11は、外周壁11aの内側に隔壁14で仕切られた略四角形状の流路15a、15bを有する。そして、セラミックハニカム構造体11の両端面12a、12bの所定の流路15a、15bが目封止部13a、13bで交互に目封止され、セラミックハニカムフィルタ10とされている。セラミックハニカムフィルタ10は、セラミックハニカム構造体11の外周壁11aの外周が、金属メッシュあるいはセラミックス製のマットなどで形成された把持部材で使用中に動かないように把持され、金属製の収納容器に配置されて使用されている(図示せず)。
図1に示すセラミックハニカムフィルタ10において、排気ガスの浄化は以下の通り行われる。排気ガス(点線矢印で示す)は、一方の端面12aに開口する流路15bに流入して流路15b内を流通する。そして、流路15b内を流通する排気ガスは隔壁14を通過して隣接する流路15aへ流通し、流路15a内を流通して他方の端面12bから排出される。この時、排気ガス中に含まれるPMは、隔壁14を通過する際に隔壁に捕集され、浄化された排気ガスが、大気中に放出される。そして、隔壁に捕集されたPMは、圧力損失の上昇を抑えるため電気ヒーターやバーナ等の外部着火手段を用いて定期的に燃焼させて、セラミックハニカムフィルタの再生を行う必要がある。
図1に示すセラミックハニカムフィルタ10は、セラミックハニカム構造体11の両端面12a、12bの流路15a、15bを各々目封止部13a、13bで封止して製造される。図2(a)〜(d)は、この目封止部を形成する工程の一部を模式図である。図2(a)で、セラミックハニカム構造体11の端面12a、12bに、目封止用フィルム21a、21bを貼付け、この目封止用フィルム21に例えばレーザーなどで貫通孔22を流路15aの位置にあわせて千鳥状に形成する。この時、一方の端面12aに開口する流路15bと他方の端面12bに開口する流路15aが形成されるように貫通孔22を配置する。次に、図2(b)に示すように、目封止材23を容器40に貯留させ、図2(c)に示すように、セラミックハニカム構造体11の一方の端面12aを、目封止材23に浸漬し、この目封止材23を目封止用フィルム21の貫通孔22から流路15a内に導入し、所定深さまで充填させる。次いで、セラミックハニカム構造体11の他方の端面12bを、同様に目封止材23に浸漬し、目封止材23を目封止用フィルム21の貫通孔22から流路15b内に導入し、所定深さまで充填させる。そして、図2(d)で、充填後の目封止材23を硬化、乾燥、焼成し、端面12a、12bが目封止部13a、13bで千鳥状に目封止されたセラミックハニカムフィルタ10とする。このようなセラミックハニカムフィルタにおいては、フィルタ再生時等にフィルタに熱衝撃が作用した場合であっても、隔壁にクラックが生じ難い耐熱衝撃性が必要であるとともに、目封止部が隔壁と良好に接合されることが必要である。
そのようなセラミックハニカムフィルタとして、本出願人は特許文献1において、コーディエライト基材からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路が目封止材で目封止されたコーディエライト質セラミックハニカムフィルタであって、前記目封止材のうちのセラミックス原料は、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから構成され、前記コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.5以上であり、かつ、前記セラミックス原料に対して質量比で30〜70%であることを特徴とするコーディエライト質セラミックハニカムフィルタを開示している。特許文献1の発明を実施するための形態では、コーディエライト質のセラミックハニカム構造体形成用セラミックス原料、バインダー、潤滑剤、造孔材を添加し、乾式混合後、水を添加し混練を行って可塑化したセラミック坏土を作製し、ハニカム構造の成形体とし、1425℃の温度で焼成してコーディエライト質ハニカム構造体とした後に、目封止材として、コーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とを配合し、水、有機バインダーを加えて混練し、ハニカム構造体に目封止を行った後、目封止されたハニカムフィルタを1400℃の温度で、隔壁と目封止材との固着一体化を図っている。すなわち、ハニカム構造体を焼成した後に、目封止を形成して焼成するという焼成を2回行う方法であり、ハニカム構造体の焼成温度より、目封止を焼成するハニカムフィルタの焼成温度が25℃低い方法を記載している。特許文献1によれば、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少することが抑制される。これにより、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難くなり、PMの捕集率が良好となり、隔壁と目封止部との接合強度が良好で、安定した長さの目封止部を有するセラミックハニカムフィルタが得られる。
また、本出願人は特許文献2において、セラミックハニカム構造体の隔壁の気孔率が50〜80%、目封止材の気孔率が隔壁の気孔率より大きく、目封止厚さが3〜15mmであるセラミックハニカムフィルタを開示している。特許文献2の発明の実施の形態では、コーディエライト生成原料粉末に、成形助剤と造孔剤を添加し、規定量の水を注入して更に十分な混合を行って坏土を調整し、押出成形用金型を用いて押出成形し、乾燥後焼成を行い、ハニカム構造体を作製した。続いて、コージェライト化原料粉末に球状造孔剤であるメチルメタクルレート−アクリロニトリル共重合体樹脂製ビーズを添加し、水、成形助剤等を添加したコージェライト質セラミックスラリーを作成してハニカム構造体に目封止を行った。次いで、目封止材の焼成を行いセラミックハニカムフィルタを得た。特許文献2によれば、圧力損失が小さく、フィルタ再生時の熱衝撃によるクラックの発生が防止できるセラミックハニカムフィルタが得られる。
特開2011−212582号公報 特開2003−236322号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2に開示されるセラミックハニカムフィルタの発明の場合、セラミックハニカムフィルタの隔壁に捕集されたPMを定期的に燃焼して再生する際に、その燃焼で生じる熱衝撃により目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生する場合があり、必ずしも耐熱衝撃性が十分でないおそれもあった。目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生すると、PM、特にナノサイズのPMがセラミックハニカムフィルタから排出されてPM捕集率が低下し、今後、規制の適用が見込まれているPM粒子数規制を満たさなくなるおそれもあり、改善が求められていた。
したがって、本発明の課題は、目封止部と隔壁との接合強度が良好で、目封止部の長さのばらつきが小さく、かつ、フィルタ再生時等に熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生し難い、耐熱衝撃性が維持されたセラミックハニカムフィルタの製造方法およびセラミックハニカムフィルタを得ることにある。
本発明者は、特許文献1に開示されたコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの隔壁に捕集されたPMを定期的に燃焼して再生する際に、その燃焼で生じる熱衝撃により、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生することの要因について鋭意検討を重ねた。その結果、特許文献1に開示されたコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末から形成された目封止部を有するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタでは、ハニカム構造体の焼成温度より目封止部の焼成温度が低いため、目封止部の熱膨張係数が大きく、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向の熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数の差が大きいことが原因であることを見い出し本発明に想到した。
具体的に、本発明は、少なくともコーディエライト化原料粉末を混合、混練してハニカム状に押出成形後、第1の焼成を行って得られる多孔質の隔壁で区画された流路を有するコーディエライト質セラミックハニカム構造体の所定の流路に、少なくともセラミックス粒子と造孔材からなる目封止原料粉と、水とを混練した目封止材を導入、乾燥した後、第2の焼成を行って目封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、
前記セラミックス粒子は、前記第2の焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト配合原料20〜50質量%と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末50〜80質量%とからなり、前記目封止原料粉は、前記セラミックス粒子100質量部に対して造孔材を0.5〜20質量部の割合で有しており、
前記コーディエライト配合原料の粒子径と累積体積との関係を示す曲線において、全体積の50%に相当する累積体積での粒子径を示すメジアン粒子径(D50)が3〜10μm、
全体積の90%に相当する累積体積での粒子径を示すD90が25μm以下であり、
前記コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径が100〜180μmであり、
前記造孔材のメジアン粒子径が35〜55μmであることを特徴とする、セラミックハニカムフィルタの製造方法である。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記コーディエライト配合原料はタルク、シリカ、仮焼カオリン、アルミナからなり、前記コーディエライト配合原料中に前記仮焼カオリンを40質量%以下含むことが好ましい。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記コーディエライト焼成粉末は、焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト化配合粉末からなる顆粒を、最高温度1350〜1450℃で焼成した後、冷却過程の1000℃〜100℃の間を60℃/hr以上の降温速度で冷却することが好ましい。
他の実施の形態において、本発明は、多孔質の隔壁で区画された流路を有するコーディエライト質セラミックハニカム構造体の所定の流路に、少なくともコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから形成された目封止部を有するセラミックハニカムフィルタであって、
前記隔壁の40〜800℃間の流路方向熱膨張係数Twが10×10-7/℃以下であり、
前記目封止部の40〜800℃間の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twが0〜5×10-7/℃、
前記目封止部は、主結晶相がコーディエライトであり、前記目封止部の気孔率が40〜65%であることを特徴とする、セラミックハニカムフィルタである。
前記目封止部のマイクロクラック密度が0.020〜0.050ヶ/μmであることが好ましい。
前記目封止部の断面における気孔のうち、0.15mm2を超える断面積を有する気孔が全気孔断面積の5〜25%であることが好ましい。
本発明によれば、コーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末から形成された目封止部を有するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタにおいて、目封止部と隔壁との接合強度が良好で、目封止部の長さのばらつきが小さく、かつフィルタ再生時等に熱衝撃が作用した際に、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生し難い、耐熱衝撃性が維持されたセラミックハニカムフィルタの製造方法およびセラミックハニカムフィルタを得ることができる。
本発明に係るセラミックハニカムフィルタ10の一例を示し、(a)はその正面図、(b)は部分断面図である。 本発明に係る目封止部を形成する工程の一部をを示した模式図である。 本発明に係るセラミックハニカムフィルタの製造方法における撹拌装置を示した模式図である。 本発明におけるマイクロクラック密度の測定を示した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例の目封止部の軸方向に平行な断面の電子顕微鏡写真である。 目封止部長さの測定位置を示した図である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
[1]セラミックハニカムフィルタの製造方法
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法について説明する。
[A]セラミックハニカム構造体の製造
少なくとも焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト化原料粉末と造孔材、有機バインダーを混合する。コーディエライト化原料として、カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミを用いることができる。この時、カオリンやタルクは板状のものを用い、カオリンはへき開指数が0.80以上であるもの、タルクは形態係数が0.5以上であるものを用いるのが好ましい。
混合された混合物に水、潤滑剤等を添加して混練して坏土とする。そして、公知の押出成形用金型を通じて、外径が好ましくは150mm以上、壁厚が0.05〜0.5mm、セル密度が50〜500セル/平方インチのハニカム形状に押出成形する。次に、押出成形されたセラミックハニカム成形体を熱風炉、もしくは、マイクロ波乾燥装置等で乾燥させた後、最高保持温度1380〜1420℃で第1の焼成を行ってコーディエライト質セラミックハニカム構造体とする。次に、ダイヤモンド砥石で端面12a、12bを研削加工して、所定の長さを有するセラミックハニカム構造体11とする。このようにコーディエライト化原料粉末に板状のカオリン及びタルクを用いてハニカ形状に押出成形した成形体を1380〜1420℃の温度で焼成することにより、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向の40〜800℃の熱膨張係数Twを10×10-7/℃以下とすることができる。
コーディエライト化原料に用いるカオリンのへき開指数は、カオリン粒子の形状を定量的に示す指数であり、特開2006-265034号に記載されているように、一定量のカオリン粒子を容器内にプレス充填し、プレスした面のX線回折測定を行い、得られた(200)面、(020)面及び(002)面の各ピーク強度I(200)、I(020)及びI(002)から、
へき開指数 = I(002)/[I(200)+I(020)+I(002)]
により求めることができる。へき開係数が大きいほどカオリン粒子の配向が良好であると言える。
コーディエライト化原料に用いるタルクの形態係数は、米国特許第5,141,686号に記載されているように、板状のタルク粒子をX線回折測定し、得られた(004)面の回折強度Ix、及び(020)面の回折強度Iyから次式: 形態係数 = Ix/(Ix+2Iy)
により求めることができる。形態係数が大きいほどタルク粒子の平板度が高い。
[B]目封止材の調整
(1)目封止原料粉
目封止材23の目封止原料粉は、焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト配合原料20〜50質量%と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末50〜80質量%のセラミックス粒子と造孔材とからなる。目封止原料粉のセラミックス粒子が、第2の焼成後にセラミックハニカム構造体と同材質となるため、耐熱衝撃性が良好となる。前記造孔材は前記セラミックス粒子100質量部に対して0.5〜20質量部の割合である。コーディエライト配合原料の粒子径と累積体積との関係を示す曲線において、全体積の50%に相当する累積体積での粒子径を示すメジアン粒子径(D50)が3〜10μmであり、全体積の90%に相当する累積体積での粒子径を示すD90が25μm以下であり、前記予め焼成されたコーディエライト焼成済粉末はメジアン粒子径が100〜180μmである。また、前記造孔材はメジアン粒子径が35〜55μmである。
目封止材23の目封止原料粉を上記構成とすることにより、目封止部の熱膨張係数を従来よりも小さくすることができ、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数との差を小さくすることができる。そして、セラミックハニカムフィルタの隔壁の40〜800℃間の流路方向熱膨張係数Twと、前記目封止部の40〜800℃間の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twが0〜5×10-7/℃で、前記目封止部は、主結晶相がコーディエライトであり、前記目封止部の気孔率が40〜65%であるセラミックハニカムフィルタが得られるのである。さらに、第2の焼成の焼成温度が第1の焼成の焼成温度より20℃以上低い場合であっても、同様のセラミックハニカムフィルタを得ることができる。
そして、フィルタ再生時等に熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが発生し難く、耐熱衝撃性が維持され、かつ目封止部と隔壁との接合強度が良好で、目封止部の長さのばらつきが小さいセラミックハニカムフィルタを得ることができる。
(1-1)セラミックス粒子
(i)第2の焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末の割合
セラミックス粒子のコーディエライト配合原料は20〜50質量%、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末は50〜80質量%である。予め焼成されたコーディエライト焼成粉末を50〜80質量%含有していることから、第2の焼成において目封止材を焼成する際に、目封止材の焼成収縮を抑制することができ、目封止部と隔壁との間に隙間が生じることを防ぐことができる。コーディエライト配合原料が20質量%未満、すなわち予め焼成されたコーディエライト焼成粉末が80質量%超の場合、第2の焼成によってコーディエライト焼成粉末を固着するコーディエライト配合原料の量が相対的に少なくなるので、目封止部を焼成した際にコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成済粉末とが固着一体化され難く、目封止部の強度が低下して目封止部が隔壁から脱落するおそれがある。
一方、コーディエライト配合原料が50質量%超、すなわち予め焼成されたコーディエライト焼成粉末が50質量%未満の場合、第2の焼成において目封止材が焼成収縮する際の目封止材全体としての体積収縮の抑制効果が小さくなって、目封止部と隔壁との間に隙間が生じやすくなり、隔壁と目封止部の接合強度が低下するおそれがある。
コーディエライト配合原料の下限は25質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。また、コーディエライト配合原料の上限は45質量%が好ましい。予め焼成されたコーディエライト焼成粉末の下限は55質量%が好ましい。また、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末の上限は75質量%が好ましく、70質量%がより好ましい。
(ii)第2の焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料
第2の焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料は、焼成後にコーディエライト組成(SiO2:48-52質量%、Al2O3:33〜37質量%、MgO:12〜15質量%)となるよう、カオリン、仮焼カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの粉末を用いる。
コーディエライト配合原料のメジアン粒子径は3〜10μmである。比較的メジアン径の大きなコーディエライト焼成粉末の間に、メジアン径3〜10μmのコーディエライト配合原料が存在するため、第2の焼成においてコーディエライト配合原料同士によるコーディエライト化焼成反応が促進されるとともに、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末と結合し、バインダーとしての機能を果たし、目封止部の熱膨張係数を、従来よりも小さくすることに貢献する。コーディエライト配合原料のメジアン粒子径が3μm未満の場合、目封止部を焼成する際の焼成反応による寸法変化が大きくなり、一つのセラミックハニカム構造体に形成される目封止部の長さにばらつきを生じる。一方、コーディエライト配合原料のメジアン粒子径が10μm超の場合、第2の焼成時にコーディエライト化反応が不十分となって目封止部の熱膨張係数を小さくすることが難しくなる。その結果、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数との差を小さくすることが難しくなり、目封止部の40〜800℃の熱膨張係数Tpと隔壁の流路方向の40〜800℃の熱膨張係数Twとの差Tp−Twが0〜5×10-7/℃とならない場合がある。コーディエライト配合原料のメジアン粒子径の下限は4μmが好ましく、コーディエライト配合原料のメジアン粒子径の上限は9μmであることが好ましい。
コーディエライト配合原料の粒子径D90は25μm以下である。コーディエライト配合原料の粒子径D90が25μmを超える場合、粗大な粒子が多くなるため、目封止部が焼成された際にコーディエライト化反応が促進され難くなって、目封止部の熱膨張係数を小さくすることが難しくなる。その結果、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数との差が小さくなり難くなる。コーディエライト配合原料の粒子径D90の下限は5μmが好ましく、コーディエライト配合原料の粒子径D90の上限は20μmであることが好ましい。
コーディエライト配合原料のメジアン径およびD90は、カオリン、仮焼カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの粉末を乾式混合した後に、後述する測定方法に基づき測定する。
本発明の好ましい実施の形態において、コーディエライト配合原料は、焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト化原料粉末として、タルク、シリカ、仮焼カオリン、アルミナからなることが好ましく、コーディエライト配合原料中に仮焼カオリンを40質量%以下含むことが好ましい。コーディエライト配合原料中に仮焼カオリンを40質量%以下含むことで、目封止部の熱膨張係数を従来よりもより小さくすることができる。そして、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数との差をより小さくすることができる。好ましくは35質量%以下である。仮焼カオリンが40質量%を超えて含むと目封止材を焼成した際に、目封止部と隔壁との隙間が大きくなるおそれがあり、目封止部と隔壁との接合強度が低下する場合がある。一方、仮焼カオリンは、第2の焼成後の目封止部の熱膨張係数を小さくするために、下限は12質量%が好ましい。仮焼カオリンの下限は15質量%がより好ましく、20質量%が更に好ましい。
(iii)コーディエライト焼成粉末
コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径は100〜180μmである。コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径が、100μm未満の場合、目封止部を焼成する際の焼成反応による目封止部の寸法変化が大きくなり、一つのセラミックハニカム構造体に形成される目封止部の長さにばらつきを生じる。一方、コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径が、180μm超の場合、目封止材自体の強度が弱くなり、目封止部が脱落する場合がある。コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径の下限は110μmが好ましく、120μmがより好ましい。また、コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径の上限は170μmが好ましく、160μmがより好ましい。
コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.6以上であることが好ましい。コーディエライト焼成粉末の真球度が0.6以上であることで、コーディエライト焼成粉末の表面積が小さくなり、コーディエライト配合原料が、コーディエライト焼成粉末に付着し易くなり、目封止材の結合強度が良好となり、目封止材と隔壁との接合強度も良好となる。また、目封止材の流動性が良好となり、目封止材を流路に充填する際の粘度上昇が抑制され、安定した長さの目封止部を得ることができるので好ましい。
コーディエライト焼成粉末の真球度は、好ましくは0.7以上であり、さらに好ましくは0.8以上である。真球度は、SEM写真から画像解析装置により得られた10個の粒子の画像の各面積と、各粒子の画像の重心を通る直線が粒子外周と交叉する2点間の長さの最大値を直径とした円の面積との比を平均した値である。
本発明の好ましい実施の形態において、コーディエライト焼成粉末は、例えば次のようにして得ることができる。焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト化配合粉末に、水を加えてコーディエライト化原料スラリーを作製した後、スプレー乾燥機により、水分を蒸発させることで、コーディエライト化顆粒を得る。このコーディエライト化顆粒を1300℃以上の温度で焼成することにより、球状のコーディエライト焼成粉末が得られる。この時、最高温度1350〜1450℃で焼成した後、1000℃〜100℃の間を60℃/hr以上の降温速度で冷却することで、コーディエライト焼成粉末の熱膨張係数が小さくなり、目封止部の熱膨張係数を、従来よりも小さくすることができる。そして、セラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向熱膨張係数と目封止部の熱膨張係数との差を小さくすることができるので好ましい。より好ましくは、1000℃〜100℃の間の降温速度を70℃/hr以上とすることである。
(1-2)造孔材
造孔材はセラミックス粒子100質量部に対して0.5〜20質量部の割合である。造孔材がセラミックス粒子100質量部に対して0.5質量部未満の場合、目封止部の気孔率が小さくなり、熱衝撃が作用した場合、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部に発生する応力が大きくなりやすくなる。これにより、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックを生じ易くなり耐熱衝撃性が低下する。一方、セラミックス粒子100質量部に対して20質量部を超える場合、目封止部の気孔率が大きくなり、目封止部と隔壁との実質的接合面積が低下するので、目封止部と隔壁との接合強度が低下する。造孔材は後述するように中空の発泡済み樹脂粒子であることが好ましく、その場合は、セラミックス粒子100質量部に対して10質量部以下が好ましく、6質量部以下がさらに好ましい。
造孔材のメジアン粒子径が35μm未満の場合、目封止部の気孔が少なくなり、熱衝撃が作用した場合、熱衝撃が緩和され難くなって、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックを生じ易くなり耐熱衝撃性が低下する場合がある。一方、造孔材のメジアン粒子径が55μmを超える場合、目封止部の断面における気孔が多くなり、目封止部と隔壁との接合強度が低下する。造孔材のメジアン粒子径の下限は37μmが好ましく、造孔材のメジアン粒子径の上限は52μmであることが好ましい。
造孔材は、中空の発泡済み樹脂粒子であることが好ましく、樹脂としては、(ポリ)メタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリルエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体等が好適である。中空の樹脂粒子は、外殻厚さが0.1〜3μmであるのが好ましく、炭化水素等のガスを内包させているのが好ましく、前記樹脂粒子はその表面に70〜95%の水分を含有するものが好ましい。真比重は0.01〜0.05であるのが好ましい。
尚、コーディエライト配合原料、コーディエライト焼成粉末、造孔材のメジアン粒子径、D90は、日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3000)を用いて測定することができる。
(1-3)有機バインダー
目封止材には、目封止材の粘度を調整する目的と、目封止材が乾燥した後のセラミックス粒子を結合させる目的で有機バインダーを含んでも良い。そして、この目的を達成するものであれば、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等を好適に用いることができる。
(2)水
目封止材に含まれる水は、蒸留水、イオン交換水、純水等を用いることができる。なかでも、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックが生じ難くなるように、イオン交換水をセラミックス粒子100質量%に対して質量%で40〜65%添加することが好ましい。40%未満の場合、目封止材が流動し難くなり、流路に目封止部が形成されない場合があるので好ましくない。一方、65%を超えると目封止材を流路内に導入しても目封止材が流路内で留まらずに目封止部が形成されなくなる場合があるので好ましくない。好ましくは、45〜63%である。
(3)混練
本発明において、前記セラミックス粒子と造孔材、必要に応じて有機バインダー等を乾式混合した後、水を加えて混練を行い、スラリー状の目封止材を得る。混練は、減圧した雰囲気下で行うのが好ましく、減圧混練ミキサーを用いることができる。
(4)目封止材の粘度
混練を完了したスラリー状の目封止材は、粘度が0.1〜20Pa・sであることが好ましい。目封止材の粘度が0.1Pa・s未満の場合、目封止材を流路内へ導入した後、流路内から目封止材が流出して所望の長さの目封止部が形成されない場合があるので好ましくない。一方、20Pa・sを超える場合、目封止材が流路内に導入され難くなる場合があり、目封止部の長さのばらつきが大きくなることがあるので好ましくない。
(5)混練後の目封止材の撹拌
本発明において、目封止原料粉と水とを混練したスラリー状の目封止材を、撹拌装置で撹拌した後にセラミックハニカム構造体の端面から所定の流路内に導入することが好ましい。
目封止部を形成する工程において、混練後のスラリー状目封止材を、セラミックハニカム構造体の所定の端面から所定の流路内に目封止材を所定量ずつを供給し、複数のセラミックハニカム構造体に対して目封止部を形成する。混練を完了した目封止材23中には、メジアン粒子径の相対的に大きいセラミックス粒子である予め焼成されたコーディエライト焼成粉末と、メジアン粒子径の相対的に小さいセラミックス粒子であるコーディエライト配合原料と、メジアン粒子径がそれらの中間である造孔材とが水中に均一に分散しているため、目封止材を導入する作業の時間の経過とともに、混練されたスラリー状の目封止材は、メジアン粒子径の相対的に大きいセラミックス粒子が沈降して、混練された目封止材の分散状態が解消されてしまい、本発明のセラミックハニカムフィルタを安定して得られない場合がある。そのため、混練後の目封止材23を速やかに図3に示す攪拌装置30に移し、目封止材を導入する作業の時間の経過とともに、混練された目封止材の分散状態が解消されないよう、先端に撹拌羽根32を有する撹拌部材31を、撹拌羽根先端での周速度を5〜40m/sで回転させて撹拌させる。この時、撹拌羽根32の直径Dは、攪拌装置30の内周径の0.4倍から0.9倍の範囲で設定する。そして、撹拌を開始して少なくとも3分以上経過した後、撹拌装置30から目封止材を所定量、容器40内に投入し、速やかに目封止用フィルム21a、21bの貫通孔22から流路15b、15a内へ導入することが好ましい。
これにより、混練により分散していた目封止材中のメジアン粒子径の相対的に大きいセラミックス粒子と、メジアン粒子径の相対的に小さいセラミックス粒子と造孔材とが偏ることなく、分散された状態を維持したまま流路内へ導入されるので、本発明のセラミックハニカムフィルタの製造に用いられる目封止原料粉を用いても、目封止部と隔壁との接合強度が良好で、目封止部の長さのばらつきが小さいセラミックハニカムフィルタを安定して得られ易くなるのである。
撹拌羽根先端での周速度が5m/s未満の場合、目封止材中に分散していたメジアン粒子径の相対的に大きいセラミックス粒子が沈降して、分散が不十分な状態で流路内へ導入され、目封止部が形成された場合に、本発明のセラミックハニカムフィルタを好適に得られない場合があるので好ましくない。一方、40m/sを超えると、目封止材の温度が上昇し、目封止材に有機バインダーとして好適に用いられるメチルセルロースが添加されている場合には、メチルセルロースがゲル化し目封止材として使用できなくなる場合があるので好ましくない。撹拌羽根先端での周速度は好ましくは、7〜35m/sであり、さらに好ましくは10〜30m/sである。
目封止材23は撹拌終了後、速やかに流路内へ導入することが好ましいが、撹拌終了後10分以内であれば、目封止材中の相対的に大きい粒子径のセラミックス粒子と、相対的に小さい粒子径のセラミックス粒子と造孔材との分散が維持されるので好ましい。10分を超えると、目封止材中に分散していたメジアン粒子径の相対的に大きいセラミックス粒子が沈降して、分散が不十分な状態で流路内へ導入されることになるので、本発明のセラミックハニカムフィルタが得られない場合があるので好ましくない。好ましくは、撹拌後5分以内であり、さらに好ましくは撹拌後3分以内である。
[C]目封止部の形成
(1)目封止用フィルムへの貫通孔の形成
セラミックハニカム構造体11の両端面12a、12bの所定の流路15a、15bを各々目封止部13a、13bで封止する。図2(a)〜(c)に示すように、セラミックハニカム構造体11の端面12a、12bに、目封止用フィルム21a、21bを貼付け、この目封止用フィルム21にレーザーで貫通孔22を流路15aの位置にあわせて市松模様に形成する(図2(a))。この時、端面12aに開口する流路15bと端面12bに開口する流路15aが形成されるように貫通孔22を配置する。ここで、貫通孔22の形成には、目封止用フィルムを開孔することができれば良く、先端の鋭い金属棒でフィルムを穿孔する方法や、加熱された金属棒を押し付ける方法も可能である。
(2)流路内への目封止材の導入
混練後の目封止材を撹拌装置で撹拌した後、撹拌装置から目封止材23の所定量を容器40へ投入して貯留させる(図2(b))。そして、セラミックハニカム構造体11の一方の端面12aを容器40内へ押し込み、他方の端面12bから荷重を負荷して、セラミックハニカム構造体11の端面12aから流路15b内に、目封止材23を導入する(図2(c))。
続いて、セラミックハニカム構造体11のもう一方の端面12bから流路15a内に、同様に目封止材23を導入し、流路15a内に所定深さまで充填させる。
その後、充填後の目封止材23を乾燥し、第2の焼成を行い、端面12a、12bが目封止部13a、13bで交互に目封止されたセラミックハニカムフィルタ10とする(図2(d))。
この時、第2の焼成は、コーディエライト質セラミックハニカム構造体に焼成した第1の焼成での焼成温度よりも20℃以上低い温度、かつ1350〜1390℃の最高保持温度で行うのが好ましい。第1の焼成の焼成温度より、第2の焼成の焼成温度を20℃以上低くすることで、ハニカム構造体を焼成した後に、目封止を形成して焼成するという焼成を2回行う方法であっても、第1の焼成で形成されたハニカム構造体の隔壁の細孔の形態を変化させることなく、第2の焼成を行うことができる。
[2]セラミックハニカムフィルタ
本発明のセラミックハニカムフィルタについて説明する。本発明のセラミックハニカムフィルタは、図1に示すように、多孔質の隔壁14で区画された流路15を有するコーディエライト質セラミックハニカム構造体11の所定の流路に、少なくともコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから形成された目封止部13を有するセラミックハニカムフィルタ10であって、前記隔壁の流路方向の40〜800℃の熱膨張係数Twが10×10-7/℃以下であり、前記目封止部の40〜800℃の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twが0〜5×10-7/℃、前記目封止部は、主結晶相がコーディエライトであり、前記目封止部の気孔率が40〜65%である。
本構成により、主結晶相がコーディエライトである目封止部の熱膨張係数とコーディエライト質セラミックハニカム構造体である隔壁の流路方向の熱膨張係数との差が小さくなる。そして、フィルタ再生時等の熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の熱膨張係数と隔壁の流路方向の熱膨張係数との差でこれまで生じていた、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部のクラックが発生し難くなるのである。それにより、耐熱衝撃性が維持されたセラミックハニカムフィルタを得られる。
(1)熱膨張係数
本発明のセラミックハニカムフィルタの隔壁の40〜800℃間の流路方向熱膨張係数Twは10×10-7/℃以下である。本発明において、隔壁の40〜800℃間の流路方向熱膨張係数Twが10×10-7/℃を超える場合、ディーゼルエンジンの排出ガス中に含まれる微粒子を除去するためのセラミックハニカムフィルタとして使用した場合の熱衝撃に、十分に実用に耐えることができなくなる場合がある。好ましくは3×10-7/℃以上10×10-7/℃以下、さらに好ましくは、3.5×10-7/℃以上9.5×10-7/℃以下である。
また、本発明のセラミックハニカムフィルタの目封止部の40〜800℃間の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twは0〜5×10-7/℃以下である。目封止部の40〜800℃の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twが5×10-7/℃を超えると、目封止部の熱膨張係数と隔壁の流路方向の熱膨張係数との差が大きくなり、フィルタ再生時等の熱衝撃が作用した場合、目封止部近傍の隔壁交点部のクラックが発生し易くなる。好ましくは0〜4×10-7/℃である。
(2)目封止部の気孔率
本発明において、目封止部の気孔率が40〜65%であることで、熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックがより生じ難くなるので好ましい。
ここで、目封止部の気孔率が40%未満の場合、目封止部の速熱性が低下し、熱衝撃が作用した場合、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部に発生する応力が大きくなりやすくなる。これにより、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックを生じ易くなり耐熱衝撃性が低下する。一方、気孔率が65%を超える場合、目封止部の気孔が多くなり、目封止部と隔壁との接合面積が低下するので、目封止部と隔壁との接合強度が低下する。好ましくは、気孔率は、45〜60%である。
(3)目封止部のマイクロクラック密度
本発明において、目封止部のマイクロクラック密度が0.020〜0.050ヶ/μmであることで、目封止部の熱膨張係数がセラミックハニカム構造体の隔壁の流路方向の熱膨張係数により近付き、熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックがより生じ難くなるので好ましい。より好ましくは、0.030〜0.040ヶ/μmである。尚、マイクロクラック密度が0.020〜0.050ヶ/μmとなる目封止部は、第2の焼成における1350〜1390℃の最高保持温度から800℃までの降温過程における降温速度を40〜300℃/hrとすることで、セラミックハニカムフィルタの目封止部に生成するマイクロクラック数を増やし、マイクロクラック密度を0.020〜0.05ケ/μmとすることができる。
マイクロクラック密度は次のようにして求める。目封止部を切断してその断面を研磨し、電子顕微鏡で倍率2000倍で10視野写真撮影する。そして、図4に示すように写真の四隅から対角線を2本引き、2本の対角線がマイクロクラックと交差する点(写真中の矢印)の数N(個)をカウントする。次に、2本の対角線の細孔部分を除いた長さの合計L(μm)を算出し、N/L(個/μm)とし、10視野の平均値をマイクロクラック密度とした。
(4)目封止部の断面における気孔
本発明において、目封止部の断面における気孔のうち、0.15mm2を超える断面積を有する気孔が全気孔断面積の5〜25%であることで、熱衝撃が作用した場合であっても、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックがより生じ難くなるので好ましい。
ここで、前記気孔のうち、0.15mm2を超える断面積を有する気孔が全気孔断面積の5%未満の場合、目封止部の速熱性が低下し、熱衝撃が作用した場合、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部に発生する応力が大きくなり易くなる。これにより、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部にクラックを生じ易くなり耐熱衝撃性が低下する場合がある。好ましくは8%以上である。一方、25%を超えると、目封止部の気孔が多くなり、目封止部と隔壁との接合面積が低下するので、目封止部と隔壁との接合強度が低下する。好ましくは、22%以下である。0.15mm2を超える断面積を有する気孔が全気孔断面積の5〜25%である目封止部は、メジアン粒子径が100〜180μmであるコーディエライト焼成粉末をセラミックス粒子に対して50〜80質量%、セラミックス粒子100質量部に対してメジアン粒子径が35〜55μmである造孔材を0.5〜20質量部で配合することで好適に得ることができる。
ここで、本発明において目封止部の断面における気孔率、目封止部の断面における気孔の断面積は次のようにして求める。目封止部を軸方向に平行に切断して、その断面を研磨し、電子顕微鏡で30倍の倍率で写真撮影し、その写真から画像解析ソフト(Media Cybernetics 社製 Image-Pro Plus ver.7.0)で解析して求める。具体的には、画像解析ソフトがインストールされたパーソナルコンピュータにおいて、撮影された写真の画像データを読み込む。読み込んだ画像データの2値化処理を行い、目封止部の気孔部分と目封止基材部分とを分離する。そして、測定処理を実行して、気孔部分の面積(断面積)を算出する。算出された気孔部分の面積(断面積)が、0.15mm2を超える気孔の面積(断面積)の合計値を、全気孔の面積(断面積)で除算して割合(%)を算出する。
また、目封止部の気孔率は、上記した解析において、解析した目封止部の全気孔の合計断面積を視野面積で除算した割合(%)として算出する。
(実施例1〜6)
カオリン(へき開指数0.92)6.0質量部、タルク(形態係数0.59)41.2質量部、シリカ18.1質量部、アルミナ23.3質量部、水酸化アルミニウム11.3質量部の粉末を混合して、コーディエライト生成原料粉末とし、これに造孔材として発泡済み樹脂5.5質量部、およびメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダー、潤滑剤を添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック杯土を作成した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、切断して、直径270mm×長さ300mmの成形体とした。次に、成形体を、乾燥し、最高保持温度1400℃で第1の焼成を行い、セル壁が、厚さ0.3mm、セルピッチ1.5mm、気孔率58%、平均細孔径13μm、流路方向の熱膨張係数8.0×10-7/℃(40〜800℃)のコーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得た。
次に、目封止部を以下のようにして形成した。まず、セラミックハニカム構造体10の端面12a、12bを研削加工し、両端面に目封止用フィルムとして、厚さ0.09mmの樹脂製のフィルムを貼付し、目封止すべき流路を覆っている箇箇所のフィルムを市松模様にレーザー光で開孔して貫通孔を形成した(図2(a))。
実施例1〜6の目封止材の製造に使用したコーディエライト配合原料、コーディエライト焼成粉末、及び造孔材の種類、メジアン粒子径、D90、真球度を表1に示す。コーディエライト焼成粉末は、カオリン、タルク、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム粉末を焼成後にコーディエライト組成となるように配合、湿式混合してコーディエライト化原料スラリーを作製し、スプレー乾燥により球状顆粒とした後、この顆粒を1400℃の温度で焼成し、焼成後の1000℃〜100℃の間を80℃/hrの降温速度で冷却して得た。
実施例1〜6の目封止材はコーディエライト配合原料を構成するタルク、シリカ、仮焼カオリン、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、及び、コーディエライト焼成粉末からなるセラミックス粒子に、造孔材、バインダー(メチルセルロースをセラミックス粒子100質量部に対して2.5質量部)を加えて目封止原料粉として乾式混合した後に、セラミックス粒子100質量部に対してイオン交換水を52質量部添加して減圧混練ミキサー(愛工舎製型式ACM)で30分間混練を行った。コーディエライト配合原料を構成するタルク、シリカ、仮焼カオリン、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウの配合割合を表2に、コーディエライト配合原料(タルク、シリカ、仮焼カオリン、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウの合計)、コーディエライト焼成粉末、造孔材の配合割合を表3に示す。なおコーディエライト配合原料のメジアン径とD90は、コーディエライト配合原料を構成するタルク、シリカ、仮焼カオリン、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウムの各粉末を表2に示す割合で混合した後に測定した。結果を同じく表2に示す。
セラミックス粒子であるコーディエライト焼成粉末、コーディエライト配合原料(混合前及び後)、及び造孔材のメジアン径(D50)及びD90は、日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3000)を用いて測定した。
次に、図3に示す内径が300mmで、回転直径Dが200mmの撹拌羽根32を備えた撹拌装置30に、混練後の目封止材を速やかに移して撹拌する。このとき、表3に示す撹拌羽根先端での周速度で3分以上撹拌し、撹拌後目封止材を導入開始するまでの時間で、目封止材をセラミックハニカム構造体の一方の端面から流路内に導入し、端面から10mmの深さまで充填させる(図2(c))。続いて、セラミックハニカム構造体の他方の端面からも同様に流路内に目封止材を導入し、端面から10mmの深さまで充填させる。
その後、流路内に充填された目封止材を乾燥後、1370℃の最高保持温度から800℃までの降温速度を90℃/hrで第2の焼成を行い、端面が目封止部で交互に目封止された実施例1〜6のセラミックハニカムフィルタを得た。
(比較例1〜3)
コーディエライト配合原料、コーディエライト焼成粉末、及び造孔材の種類、配合量を表2、表3に示すように変更した以外は、実施例1〜6のセラミックハニカムフィルタと同様にして比較例1〜3のセラミックハニカムフィルタを製造した。比較例1はセラミックス粒子をコーディエライト配合原料のみとした例であり、比較例2はセラミックス粒子をコーディエライト配合原料のみとし造孔材を添加した例であり、比較例3はセラミックス粒子をコーディエライト配合原料及びコーディエライト焼成粉末とし、造孔材を添加しない例である。
実施例1〜6、比較例1〜3で作製したセラミックハニカムフィルタの隔壁と目封止部の熱膨張係数、目封止部の気孔率、マイクロクラック密度、目封止部の断面における気孔の断面積、耐熱衝撃性、目封止部と隔壁と接合強度、目封止部長さのばらつきの評価を行った。
(隔壁の熱膨張係数)
隔壁の熱膨張係数は、断面形状4.5mm×4.5mm×全長50mmの寸法の試験片を、全長の方向が流路方向にほぼ一致するように切り出し、熱機械分析装置(TMA、リガク社製ThermoPlus、圧縮荷重方式/示差膨張方式)を用いて、一定荷重20gをかけながら、昇温速度10℃/min.で室温から800℃まで加熱したときの全長方向の長さの増加量を測定して、40〜800℃間の平均熱膨張係数として求めた。
(目封止部の熱膨張係数)
目封止部の熱膨張係数は、混練が完了した目封止材を、加工後に断面形状4.5mm×4.5mm×全長50mmの試験片が得られるサイズに硬化させ、セラミックハニカム構造体と同時に乾燥、焼成した後、断面形状4.5mm×4.5mm×全長50mmの寸法の試験片を作製する。この試験片を、隔壁の熱膨張係数の測定と同様に、熱機械分析装置で測定した。
(目封止部のマイクロクラック密度)
マイクロクラック密度は次のようにして求める。目封止部を切断してその断面を研磨し、電子顕微鏡で倍率2000倍で10視野写真撮影する。図4に示すように写真の四隅から対角線を2本引き、2本の対角線がマイクロクラックと交差する点(図中の矢印)の数Nをカウントする。次に、2本の対角線のうち細孔部分を除いた長さの合計Lを算出し、N/Lとし、10視野の平均値をマイクロクラック密度とした。
(目封止部の気孔率、気孔の断面積)
目封止部の断面を電子顕微鏡で写真撮影し、その写真から画像解析ソフト(Media Cybernetics 社製 Image-Pro Plus ver.7.0)で解析して求める。具体的には、画像解析ソフトがインストールされたパーソナルコンピュータにおいて、30倍の倍率で撮影された写真の画像データを読み込む。読み込んだ画像データの2値化処理を行い、目封止部の気孔部分と目封止基材部分とを分離する。そして、測定処理を実行して、気孔部分の面積(断面積)を算出する。算出された気孔部分の面積(断面積)が、0.15mm2を超える気孔の面積(断面積)の合計値を、全気孔の面積(断面積)で除算して割合(%)を算出する。また、目封止部の気孔率は、上記した解析において、全気孔の断面積を解析した目封止部の全気孔の断面積を視野面積で除算した割合(%)として算出する。
(耐熱衝撃性)
耐熱衝撃性の評価試験は、セラミックハニカムフィルタを電気炉で550℃に30分間加熱し、その後室温に急冷した後、目封止部の流路内端面から10mmの位置で切断し、目封止部の流路内端面近傍の隔壁交点部に生じるクラックの有無を目視で確認した。以下の基準で評価し表2に示した。
クラックが発生していなかったものを(〇)、
クラックが発生していたものを(×)とした。
(目封止部と隔壁との接合強度)
目封止部と隔壁との接合強度は、先端が平面で直径0.8mmのステンレス製の押抜き棒を端面側から目封止部に押し当て、押抜き棒が目封止部を押し潰したとき、もしくは、目封止部が隔壁から外れて抜けたときの荷重を押抜き棒断面積(0.50mm2)で除して目封止強度(MPa)とし、10箇所の平均値を算出して求めた。そして、目封止部強度が、
40MPa以上であった場合を(◎)、
30MPa以上40MPa未満であった場合を(〇)、
30MPa未満であった場合を(×)
として評価し表1に示した。
(目封止部長さのばらつき)
目封止部長さのばらつきは、1つのセラミックハニカムフィルタに形成された目封止部の長さを測定して評価を行った。測定する封止部は、図6に示すようにセラミックハニカムフィルタの各端面においてXで示す17箇所で、1つのセラミックハニカムフィルタとして合計34箇所とし、次のように測定した。直径0.8mm、全長がセラミックハニカム構造体よりも長いステンレス製棒状部材をセラミックハニカム構造体の端面の流路に挿入する。棒状部材は、その端部からセラミックハニカム構造体の全長である300mmの位置に印を付している。そして、目封止部に接触した時に端面から突出している棒状部材の端部から印までの長さを0.5mm単位で測定し、セラミックハニカム構造体の全長との差で目封止部の長さとした。そして、1つのセラミックハニカムフィルタに形成された目封止部の長さの標準偏差を算出した。そして目封止部長さの標準偏差が、
0.50未満であった場合を(◎)、
0.50以上0.60未満であった場合を(○)
0.60以上であった場合を(×)、
として評価し表4に示した。
Figure 2019063789
Figure 2019063789
Figure 2019063789
Figure 2019063789
表4から、本発明の実施例1〜6のセラミックハニカムフィルタは、耐熱衝撃性を維持しつつ、目封止部と隔壁との接合強度が確保されたセラミックハニカムフィルタが得られたことがわかる。一方、比較例1〜3のセラミックハニカムフィルタは、耐熱衝撃性や目封止部と隔壁との接合強度の何れかで問題があることがわかる。
10:セラミックハニカムフィルタ
11:セラミックハニカム構造体
11a:外周壁
12a、12b:端面
13a、13b:目封止部
14:隔壁
15a、15b:流路
21a、21b:目封止用フィルム
22:貫通孔
23:目封止材
30:撹拌装置
31:撹拌棒
32:撹拌羽根
40:容器

Claims (6)

  1. 少なくともコーディエライト化原料粉末を混合、混練してハニカム状に押出成形後、第1の焼成を行って得られる多孔質の隔壁で区画された流路を有するコーディエライト質セラミックハニカム構造体の所定の流路に、少なくともセラミックス粒子と造孔材からなる目封止原料粉と、水とを混練した目封止材を導入、乾燥した後、第2の焼成を行って目封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、
    前記セラミックス粒子は、前記第2の焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト配合原料20〜50質量%と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末50〜80質量%とからなり、前記目封止原料粉は、前記セラミックス粒子100質量部に対して造孔材を0.5〜20質量部の割合で有しており、
    前記コーディエライト配合原料の粒子径と累積体積との関係を示す曲線において、全体積の50%に相当する累積体積での粒子径を示すメジアン粒子径(D50)が3〜10μm、
    全体積の90%に相当する累積体積での粒子径を示すD90が25μm以下であり、
    前記コーディエライト焼成粉末のメジアン粒子径が100〜180μmであり、
    前記造孔材のメジアン粒子径が35〜55μmである
    ことを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記コーディエライト配合原料はタルク、シリカ、仮焼カオリン、アルミナからなり、
    前記コーディエライト配合原料中に前記仮焼カオリンを40質量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記コーディエライト焼成粉末は、焼成後にコーディエライトとなるように配合されたコーディエライト化配合粉末からなる顆粒を、最高温度1350〜1450℃で焼成した後、冷却過程の1000℃〜100℃の間を60℃/hr以上の降温速度で冷却することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  4. 多孔質の隔壁で区画された流路を有するコーディエライト質セラミックハニカム構造体の所定の流路に、少なくともコーディエライト配合原料と予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから形成された目封止部を有するセラミックハニカムフィルタであって、
    前記隔壁の40〜800℃間の流路方向熱膨張係数Twが10×10-7/℃以下であり、
    前記目封止部の40〜800℃間の熱膨張係数Tpとの差Tp−Twが0〜5×10-7/℃、
    前記目封止部は、主結晶相がコーディエライトであり、前記目封止部の気孔率が40〜65%であることを特徴とするセラミックハニカムフィルタ。
  5. 前記目封止部のマイクロクラック密度が0.020〜0.050ヶ/μmであることを特徴とする請求項4に記載のセラミックハニカムフィルタ。
  6. 前記目封止部の断面における気孔のうち、0.15mm2を超える断面積を有する気孔が全気孔断面積の5〜25%であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のセラミックハニカムフィルタ
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