JP2019063200A - 呼吸評価システム、解析システム、及びプログラム - Google Patents

呼吸評価システム、解析システム、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて対象者の不快感が少なく、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを簡易に収集できるデータ収集システム、呼吸評価システム、呼吸評価方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】データ収集システム1は、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータを収集する。データ収集システム1は、対象者9に取り付けられる収集装置11と、対象者9に取り付けられて対象者9の呼吸音を集音し、集音した呼吸音に応じた信号である呼吸音信号をS2収集装置11へ出力する集音装置12と、を備える。収集装置11は、対象者9の動きの加速度に応じた信号である加速度信号S1を生成する加速度センサ111と、加速度信号S1を加速度データとして記憶し、呼吸音信号S2を呼吸音データとして記憶するコントローラ112と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、データ収集システム、呼吸評価システム、呼吸評価方法、及びプログラムに関する。
従来、睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の検査を行うために、例えば特許文献1の検査装置(従来の検査装置)が提案されている。
この従来の検査装置は、対象者の顔面に装着されるハウジングを備えており、ハウジング内には、2つの光センサと、気流センサとを備えている。光センサは、対象者の顔面内の血量を検出して、心拍数、脈拍数、血液酸素飽和データ、及びフォトプレチスモグラフィデータなどの生理学的データを収集する。気流センサは、対象者の呼吸の際の気流などの生理学的データを収集する。そして、コンピュータが、上述のように収集された生理学的データから、異常な呼吸イベントを識別している。
特表2016−504064号公報
従来の検査装置では、人間の顔面にハウジングを装着する必要があり、対象者にはハウジングの装着による不快感があった。また、対象者には、気流センサによる鼻孔の不快感もあった。したがって、睡眠中の対象者が、不快感などによって無意識に顔からハウジングを取り外し、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを収集できない可能性があった。
そこで、本発明の目的は、従来に比べて対象者の不快感が少なく、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを簡易に収集できるデータ収集システム、呼吸評価システム、呼吸評価方法、及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係るデータ収集システムは、対象者の睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータを収集するデータ収集システムである。前記データ収集システムは、前記対象者に取り付けられる収集装置と、前記対象者に取り付けられて前記対象者の呼吸音を集音し、集音した前記呼吸音に応じた信号である呼吸音信号を前記収集装置へ出力する集音装置と、を備える。前記収集装置は、前記対象者の動きの加速度に応じた信号である加速度信号を生成する加速度センサと、前記加速度信号を加速度データとして記憶し、前記呼吸音信号を呼吸音データとして記憶するコントローラと、を有する。
本発明の一態様に係る呼吸評価システムは、対象者について睡眠時の呼吸状態の評価を行う呼吸評価システムである。前記呼吸評価システムは、上述のデータ収集システムと、前記加速度データ及び前記呼吸音データに基づいて、対象者の睡眠時の呼吸状態を評価する解析システムと、を備える。
本発明の一態様に係る呼吸評価方法は、対象者の動きの加速度のデータである加速度データ、及び前記対象者の呼吸音のデータである呼吸音データを収集するデータ収集ステップと、前記加速度データ及び前記呼吸音データに基づいて、対象者の睡眠時の呼吸状態を評価する解析ステップと、を備える。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上述の呼吸評価方法を実行させる。
本発明では、従来に比べて対象者の不快感が少なく、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを簡易に収集できるという効果がある。
図1は、実施形態における呼吸評価システムを示すブロック図である。 図2は、同上の呼吸評価システムのデータ収集システムを示す外観図である。 図3Aは、同上のデータ収集システムの集音装置の取り付けを示す図である。図3Bは、同上のデータ収集システムの収集装置の取り付けを示す図である。 図4は、同上のデータ収集システムを示すブロック図である。 図5Aは、同上の呼吸評価システムの加速度信号及び加速度パワーを示す波形図である。図5Bは、同上の呼吸音信号を示す波形図である。 図6は、同上の呼吸評価システムの呼吸音信号を示す別の波形図である。 図7は、同上の呼吸評価システムによる呼吸状態の評価と、睡眠ポリグラフシステムによる呼吸状態の評価とを示すグラフである。 図8は、同上の呼吸評価システムの第1変形例におけるサウンドスペクトログラムを示す波形図である。 図9は、同上の呼吸評価システムの第2変形例を示すブロック図である。
本実施形態は、データ収集システム、呼吸評価システム、呼吸評価方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本実施形態は、睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータ収集システム、呼吸評価システム、呼吸評価方法、及びプログラムに関する。
以下に説明する呼吸評価システムは、呼吸による人の動き及び呼吸音に基づいて睡眠時の呼吸状態を評価する。本実施形態において睡眠時の呼吸状態の評価とは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関する評価である。以下、呼吸状態の評価の対象となる人を、対象者と称す。
近年、睡眠時無呼吸症候群による弊害が問題になっている。睡眠時無呼吸症候群は睡眠呼吸障害であり、睡眠呼吸障害には、閉塞性無呼吸、中枢性無呼吸、閉塞性無呼吸及び中枢性無呼吸のハイブリッドがある。閉塞性無呼吸は、上気道が炎症、腫瘍、肥満、顔面骨格などにより狭くなることまたは閉塞することによって発生する。中枢性無呼吸は、脳の信号伝達に問題があり、脳が一瞬の間「呼吸をせよ」というメッセージを筋肉に送り損なうことによって発生する。
さらに、睡眠時無呼吸症候群では、上気道が閉塞して息が吸えない無呼吸、上気道が狭くなって息が吸いにくい低呼吸、またはいびきが発生する。そして、本実施形態では、無呼吸及び低呼吸を異常呼吸と呼ぶ。そして、10秒以上の異常呼吸(無呼吸及び低呼吸)が1時間に発生する回数を無呼吸低呼吸指数(AHI:Apnea Hypopnea Index)という。AHIが5以上であれば睡眠時無呼吸症候群の可能性があると判断され、日本においてAHIが20以上である人は医療機関での治療の対象となる。しかしながら、小児を対象とするAHIによる睡眠時無呼吸症候群の評価基準は確立されておらず、小児の睡眠時無呼吸症候群の評価に対する医学的なエビデンスが望まれている。
人は、覚醒しているときには気道周囲の筋肉の緊張が保たれており、無呼吸になり難い。一方、人は、睡眠中に筋肉の緊張が緩んで、気道が閉塞し、異常呼吸になり易くなる。この場合、睡眠中の人は、換気をできなくなるために、寝息すら発しないことがある。そして、睡眠時無呼吸症候群を治療しないで放置すると、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などの危険性が高まる。
睡眠時無呼吸症候群の主な症状としては、以下の症状がある。
・大きないびきをかく。
・睡眠時呼吸が苦しそう。
・息が苦しくて目が覚める。
・朝起きたときに頭痛がある。
・昼間に強い眠気を感じる。
上述のような症状がある人は、睡眠時無呼吸症候群の診断を受けることが好ましい。また、特に小児、及びバス、トラックなどの運転手は、睡眠時無呼吸症候群の診断を受ける必要性が高い。例えば、小児は、睡眠時無呼吸症候群によって、注意力不足、集中力不足、攻撃性、学習障害、発育不良、うつなどの症状を引き起こす場合がある。
従来、睡眠時無呼吸症候群の診断では、例えば対象者が病院などの医療機関に入院し、精密検査を受ける。精密検査では、睡眠ポリグラフ検査などが行われ、例えば多数のセンサによって対象者の脳波、眼球運動、筋電図、鼻口気流、胸郭・腹壁呼吸運動、心電図、酸素飽和度などを計測する多チャンネル同時計測が行われる。そして、この計測結果に基づいて診断が行われる。しかし、この多チャンネル同時計測による診断は、プロセスが煩雑であり、かつ診断に要する費用が高かった。また、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある全ての人を医療機関が精密検査することは困難である。
そこで、診断の前段階のスクリーニング検査(評価)として、対象者の自宅において簡易検査が実施されることが多い。この場合、対象者は、自宅でスクリーニング検査を行い、その結果をNPO法人または医療機関などが判定する。そして、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い対象者は、医療機関で改めて精密検査を受ける。
スクリーニング検査としては、気流センサまたはパルスオキシメータによって計測を行う方法が広く用いられている。気流センサは、鼻孔カニューラ圧センサまたは感熱式センサであり、呼吸による気流を測定する。パルスオキシメータは、血中の酸素濃度(酸素飽和度)、脈拍数などを測定する。
しかし、気流センサは対象者の鼻孔と口唇の間に設置するため、対象者に不快感を与える可能性が高く、夜間の測定中に対象者が気流センサを無意識に外してしまい、良好な測定ができないことが少なくない。また、パルスオキシメータは、対象者が小児である場合、血中の酸素濃度によって無呼吸状態であるか否かを判定することが困難であった。
そこで、気流センサ及びパルスオキシメータを用いない簡易的なスクリーニング検査として、感圧センサを多数収納したマットを就寝中の対象者の身体の下に設置して、対象者の胸郭の動きを計測することで、睡眠時無呼吸の検査を行う方法が実用化されている。しかし、このマットを用いる方法は、検査装置が大きくなり、検査装置の持ち運びに難点がある。また、対象者が小児である場合、マット上で親が対象者に添い寝をすることがあり、正確な測定を行うことが困難であった。
そこで、本実施形態の呼吸評価システムは、図1、図2に示す構成を備えており、従来に比べて対象者の不快感が少なく、簡易に睡眠時の呼吸状態を評価することができる。図1は呼吸評価システムA1のブロック図である。
呼吸評価システムA1は、データ収集システム1と、解析システム2とを備える。データ収集システム1は、対象者9について睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータ(評価用データ)を収集する。解析システム2は、データ収集システム1が収集した評価用データに基づいて、睡眠時の呼吸状態の評価を行う。
データ収集システム1は、収集装置11と、集音装置12とを別体に備える。図2はデータ収集システム1の外観図である。
集音装置12は、マイクロホン121と、取付部122とを有している。
マイクロホン121は取付部122に固定されている。そして、図3Aに示すように、取付部122は対象者9の咽喉91(例えば、咽喉仏の下方で且つ正中線上の位置)に取り付けられる。取付部122は、例えば、対象者9の咽喉91に貼着可能な粘着テープなどの接着部、対象者9の咽喉91に吸着可能な吸着部、または対象者9の咽喉91に嵌め込み可能な嵌め込み部などを有する。また、取付部122は、ゴム等の弾性変形可能な樹脂製のアダプターを具備して、アダプターを対象者9の咽喉91に密着させることで位置決めをしてもよい。なお、取付部122の具体的な構造は特定の構造に限定されず、対象者9の咽喉91に取り付け及び取り外し可能な構造であればよい。
マイクロホン121は、ECM(Electret Condenser Microphones)などで構成されており、対象者9の気管呼吸音を集音する。マイクロホン121は、集音した音を電気信号に変換し、呼吸音信号S2として信号伝送路13に出力する。呼吸音信号S2は、信号伝送路13を介して収集装置11に伝送される。また、本実施形態のマイクロホン121は直径6mm程度の円盤形状に形成されているが、マイクロホン121の形状及びサイズは特定の形状及びサイズに限定されない。
収集装置11は、80mm×60mm×5mm程度の矩形箱状のケース110を備えており、ケース110内に加速度センサ111、コントローラ112、通信インターフェース113(以降、通信IF113と称す)を収納している。そして、図3Bに示すように、ケース110は、ベルト、粘着テープ、または面ファスナなどの少なくとも1つによって、対象者9の胸部92に取り付けられる。なお、ケース110のサイズ及び形状は、対象者9の胸部92に取り付け可能なサイズ及び形状であればよく、特定のサイズ及び形状に限定されない。
加速度センサ111は、ピエゾ抵抗素子または静電容量素子などの検出素子を内蔵した3軸の加速度センサである。加速度センサ111は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の加速度に応じた電気信号を生成し、この電気信号を加速度信号S1として出力する。加速度信号S1は、X軸方向の加速度に対応する加速度信号S1x、Y軸方向の加速度に対応する加速度信号S1y、Z軸方向の加速度に対応する加速度信号S1zで構成されている。
そして、対象者9の胸郭は呼吸に連動して動き、胸部92は胸郭に連動して動く。すなわち、対象者9の胸部92は呼吸に連動して動いている。したがって、対象者9の胸部92に取り付けられたケース110内の加速度センサ111は、対象者9の呼吸運動に応じた加速度信号S1を生成できる。なお、対象者9が横臥している状態では、加速度センサ111のX軸は対象者9の左右方向に沿い、Y軸は対象者9の身長方向に沿い、Z軸は対象者9の胴体の厚み方向になる。
コントローラ112は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processer)などのプロセッサ及びメモリを主構成とするコンピュータシステムを備える。そして、コントローラ112は、加速度信号S1及び呼吸音信号S2を入力されて、データ収集期間(所定期間)の加速度信号S1及び呼吸音信号S2を加速度データ及び呼吸音データとして記憶する。すなわち、コントローラ112は、加速度データ及び呼吸音データを評価用データとして記憶する。
具体的にコントローラ112は、図4に示すように、フィルタ112a,112d、増幅部112b,112e、ADコンバータ112c,112f、演算部112g、メモリ112h、電源回路112iを備える。なお、演算部112g及びメモリ112hが、上述のコンピュータシステムに相当する。
加速度センサ111が生成する加速度信号S1は、重力加速度、呼吸運動による加速度(呼吸加速度)、心拍にともなう胸壁の動きによる加速度(心拍加速度)、及び体動(寝返りなど)による加速度(体動加速度)の各情報を含んでいる。すなわち、加速度信号S1には、重力加速度による信号成分として0Hzの直流成分、呼吸加速度による信号成分として0.2−0.6Hzの交流成分、心拍加速度による信号成分として0.8−2.0Hzの交流成分が含まれている。そして、対象者9の呼吸運動は呼吸加速度に対応しているので、加速度信号S1の0.2−0.6Hzの交流成分(呼吸加速度による信号成分)を解析することで、対象者9の呼吸運動を解析できる。また、就寝中の体動は、呼吸運動及び心拍のように定常的に継続することは少なく、さらに呼吸運動及び心拍に比べて変動幅が大きいので、信号成分の変動継続時間及び変動幅に基づいて、呼吸運動及び心拍による信号成分と区別できる。
そこで、フィルタ112aは、上述の心拍加速度による信号成分を減衰させ、呼吸加速度及び体動加速度による信号成分を残すローパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成される。
増幅部112bは、フィルタ112aを通過した加速度信号S1を増幅する。増幅部112bの増幅度は、加速度センサ111の出力レンジ及びADコンバータ112cの入力レンジなどに応じて設定されている。
A/Dコンバータ112cは、増幅部112bで増幅された加速度信号S1をアナログ信号からデジタル信号に変換するAD変換を行い、演算部112gに出力する。本実施形態のA/Dコンバータ112cでは、分解能が16ビット、サンプリング周波数が10Hzである。なお、サンプリング周波数は、呼吸加速度による信号成分である0.2−0.6Hzの交流成分を解析するために、5Hz以上であることが好ましい。また、呼吸運動は微弱なことがあり、呼吸加速度による信号成分は重力加速度による信号成分に比べて著しく小さい場合があるので、分解能は16ビット以上であることが好ましい。
集音装置12が出力する呼吸音信号S2は、気管呼吸音の信号成分として1−2kHz程度までの交流成分を含んでいる。そこで、フィルタ112dは、気管呼吸音による信号成分の残して不要な周波数成分を減衰させるローパスフィルタまたはバンドパスフィルタで構成される。また、気管呼吸音は約5kHzまでの信号成分を含んでいるが、評価のために必要な帯域は約2kHz以下の帯域である。そこで、フィルタ112dは、2kHzより高い信号成分を急峻に減衰させるアナログフィルタであることが好ましい。
増幅部112eは、フィルタ112dを通過した呼吸音信号S2を増幅する。増幅部112e増幅度は、マイクロホン121の出力レンジ及びADコンバータ112fの入力レンジに応じて設定されている。
A/Dコンバータ112fは、増幅部112eで増幅された呼吸音信号S2をアナログ信号からデジタル信号に変換するAD変換を行い、演算部112gに出力する。本実施形態のA/Dコンバータ112fでは、分解能が16ビット、サンプリング周波数が8kHzである。なお、気管呼吸音の信号成分として1−2kHz程度までの交流成分を解析するためには、サンプリング周波数は5kHz以上であることが好ましい。また、A/Dコンバータ112fの分解能は16ビット以上であることが好ましい。
そして、演算部112gは、A/Dコンバータ112cからデジタルの加速度信号S1を受け取り、A/Dコンバータ112fからデジタルの呼吸音信号S2を受け取る。演算部112gは時計機能を有しており、加速度信号S1及び呼吸音信号S2を受け取った時刻をそれぞれの測定時刻とする。演算部112gは、測定時刻に対応させた加速度信号S1を加速度データとしてメモリ112hに順次格納する。また、演算部112gは、測定時刻に対応させた呼吸音信号S2を加速度データとしてメモリ112hに順次格納する。すなわち、メモリ112hは、データ収集期間の加速度信号S1及び呼吸音信号S2を加速度データ及び呼吸音データとして記憶する。なお、加速度データは、測定時刻に対応させた加速度信号S1x、測定時刻に対応させた加速度信号S1y、測定時刻に対応させた加速度信号S1zの各加速度データを含んでいる。
電源回路112iは、バッテリを内蔵しており、バッテリの電圧を昇圧して制御電圧を生成し、この制御電圧をコントローラ112の各部(少なくとも増幅部112b,112e、ADコンバータ112c,112f、演算部112gなど)に供給する。なお、バッテリは、一次電池及び二次電池のいずれでもよく、形状も円筒型、扁平型、シート型、角型などのいずれでもよい。但し、バッテリとしては小型のものが好ましい。また、バッテリの種類は、アルカリ電池、マンガン電池、リチウムイオン電池などのいずれでもよい。また、バッテリとしては、少なくとも対象者9の就寝時間である7〜8時間程度の電力供給能力を有していることが好ましい。なお、バッテリの種類及び形状は特定の種類及び形状に限定されない。
そして、対象者9は、データ収集システム1を身体に取り付けた状態で横臥して就寝し、データ収集システム1は、就寝中の加速度データ及び呼吸音データを評価用データとして収集する。収集された評価用データはメモリ112hに格納される。メモリ112hは、最大収集時間(例えば12―24時間程度)の評価用データを記憶することができるメモリ容量を有している。また、メモリ112hは、フラッシュメモリなどのようにデータの消去と書き込みが可能な不揮発性メモリであることが好ましい。
上述のように、データ収集システム1では、収集装置11と集音装置12とが分離している。そして、収集装置11が対象者9の胸部92に取り付けられて、3軸の加速度センサ111が対象者9の呼吸運動に応じた加速度信号S1を生成する。また、集音装置12が対象者9の咽喉91に取り付けられて、対象者9の気管呼吸音を集音した呼吸音信号S2を生成する。集音装置12が生成した呼吸音信号S2は、信号伝送路13を介して収集装置11に伝送される。
そして、集音装置12は、対象者9の顔以外の箇所に取り付けられても、対象者9の気管呼吸音を集音できるので、対象者9の不快感を低減できる。本実施形態では、集音装置12は、対象者9の顔ではなく、咽喉91に取り付けられるので、顔にセンサを取り付けられる場合に比べて対象者9の不快感を低減できる。また、評価用データとして加速度データ及び呼吸音データの両方を収集しても、対象者9の負担になりにくく、簡易に睡眠時の呼吸状態の評価を行うことができる。さらに、加速度データ及び呼吸音データの両方を収集するので、対象者9の呼吸状態を評価する際に2つの評価データを用いることができ、呼吸状態の評価精度を十分に維持することができる。
また、信号伝送路13が有線の伝送路である場合、2線または3線のケーブルによって信号伝送路13を構成できるので、信号伝送路13を細くできる。したがって、収集装置11と集音装置12との間を接続するケーブル(信号伝送路13)に対して、対象者9が覚える不快感は低減される。
また、信号伝送路13が無線の伝送路である場合、電波または赤外線などを利用して呼吸音信号S2を伝送できるので、信号伝送用のケーブルが不要になる。したがって、収集装置11と集音装置12との間を接続するケーブルが不要になり、対象者9が覚える不快感はさらに低減される。
したがって、睡眠時の呼吸状態の評価を行うための評価用データ(加速度データ及び呼吸音データ)を収集する際に、従来に比べて対象者9の不快感が少なくなる。
さらに、データ収集システム1は、収集装置11を対象者の胸部92に取り付け、集音装置12を対象者9の咽喉91に取り付けるだけで、加速度データ及び呼吸音データを収集できる。したがって、データ収集システム1は、対象者9の自宅などの医療機関以外の場所で評価用データを簡易に収集できるので、評価用データの収集プロセスが簡易になり、より多くの人を対象者9として評価用データを収集できる。すなわち、データ収集システム1は、睡眠時の呼吸状態の評価を行うための評価用データを簡易に収集できる。
また、データ収集システム1は、対象者9が小児であっても、評価用データを簡易に収集でき、データ収集時の不快感を低減させることができる。すなわち、データ収集システム1は、特に小児を対象者9として評価用データを収集する場合により有効である。
なお、集音装置12、及び加速度センサ111は、咽喉91、及び胸部92にそれぞれ取り付けられる形態に限定されない。集音装置12、及び加速度センサ111は、対象者9の顔以外の部位のうち、対象者9の加速度データ及び呼吸音データを収集できる部位であればよい。
また、本実施形態では、加速度信号S1はアナログの電気信号であるが、デジタルの電気信号であってもよい。また、本実施形態では、呼吸音信号S2はアナログの電気信号であるが、デジタルの電気信号であってもよい。この場合、収集装置11は、ADコンバータ112c,112fを省略できる。
次に、解析システム2の解析処理について説明する。
解析システム2は、医療機関、NPO法人、評価結果をサービスとして提供する法人などの評価施設に設けられている。そして、対象者9の評価用データを収集したデータ収集システム1が、評価施設に持ち込まれて、解析システム2によって対象者9の呼吸状態の評価が行われる。
解析システム2は、CPU、MPU、またはDSPなどのプロセッサ及びメモリ(22)を主構成とするコンピュータシステムを備える。そして、解析システム2は、加速度データ及び呼吸音データをデータ収集システム1の収集装置11から取得して、対象者9について睡眠時の呼吸状態の評価を行う。メモリ(22)には、プロセッサを解析システム2として動作させるためのアプリケーションのプログラムが記憶されている。そして、プロセッサがこのプログラムを実行することで、コンピュータシステムが解析システム2として動作する。なお、本実施形態において、解析システム2は、モニタ装置、キーボード、マウスなどの入出力装置を備えたパーソナルコンピュータで構成されている。
具体的に解析システム2は、図1に示すように、通信インターフェース21(以降、通信IF21と称す)、メモリ22、データ処理部23、第1判定部24、第2判定部25、第3判定部26、評価部27、通知部28を備える。
通信IF21は、収集装置11の通信IF113との間で通信経路3を介して信号を授受することができる。通信経路3が有線の通信経路である場合、通信経路3はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル、LAN(Local Area Network)ケーブル、または専用通信線などのいずれかで構成され、通信IF113及び通信IF21は、有線の通信経路3を介した所定の通信プロトコルに従って互いに通信する。有線通信の仕様は特定の仕様に限定されない。また、通信経路3が無線の通信経路である場合、通信IF113及び通信IF21が用いる無線通信の仕様としては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などから適宜に選択されればよく、無線通信の仕様は特定の仕様に限定されない。
そして、通信IF21は、収集装置11の通信IF113を介して、メモリ112h(図4参照)に記憶されている加速度データ及び呼吸音データを取得し、加速度データ及び呼吸音データはメモリ22に格納される。
データ処理部23は、加速度データに基づいて加速度パワーの算出処理を行う。
具体的に、図5Aに示すように、加速度データは、測定時刻に対応させた加速度信号S1x、測定時刻に対応させた加速度信号S1y、測定時刻に対応させた加速度信号S1zの各加速度データを含んでいる。そこで、データ処理部23は、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zのそれぞれについて、一定時間毎(例えば2秒毎)に一定区間のサンプルデータを所定の窓関数によって抽出する。例えば、データ処理部23は、加速度信号のサンプリング周波数が10Hzである場合、128点のサンプルデータを抽出する。また、窓関数としては、例えばハニング窓が用いられる。なお、図5A、図5Bは、メモリ22に格納されている加速度データ及び呼吸音データのうち20分間の各データの波形に対応する。
そして、データ処理部23は、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zのそれぞれから抽出したサンプルデータに対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)をそれぞれ行う。データ処理部23は、サンプルデータにFFT処理を施した後、呼吸加速度に対応する周波数成分である0.2−0.6Hzのパワースペクトルを、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zのそれぞれについて求める。データ処理部23は、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zのそれぞれのパワースペクトルの和を加速度パワーPrとして求める。そして、データ処理部23は、抽出する128点のサンプルデータを順次更新して、図5Aに示す加速度パワーPrの時系列データを求める。このとき、データ処理部23は、加速度パワーPrを対数変換して、加速度パワーPrの単位をdBにしている。さらに、データ処理部23は、加速度パワーPrの時系列データを、ローパスフィルタによって平滑することが好ましい。本実施形態において、このローパスフィルタの遮断周波数は0.033Hzであるが、遮断周波数の値は特定の値に限定されない。加速度パワーPrには3軸の各加速度の情報が含まれており、対象者9の呼吸運動による胸部92の上下方向、左右方向、前後方向の各動きが反映されている。
第1判定部24は、加速度パワーPrの時系列データを解析して、対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。
具体的に、第1判定部24は、加速度パワーPrの波形から、予め決められた異常検出条件に従って、異常呼吸が発生した異常呼吸イベントDnを検出する(但し、nは正の整数)。本実施形態において、第1判定部24は、異常検出条件として以下の[条件1]−[条件5]の全てを満たした場合に、異常呼吸イベントDnを検出する。なお、以下の[条件1]−[条件5]の各数値は一例であり、特定の値に限定されない。また、異常検出条件は、実際に多数の人から収集されたデータ、及び異常呼吸に関する知見などから適宜決められればよく、その具体的な内容は以下の[条件1]−[条件5]に限定されない。
[条件1]加速度パワーPrの下降速度
・例えば、加速度パワーPrが20秒間で3dB以上、下降する。
[条件2]加速度パワーPrが下降し始めてから上昇し始めるまでの時間
・例えば、加速度パワーPrが下降を開始してから40秒以内に上昇を開始する。
[条件3] 加速度パワーPrの上昇速度
・例えば、加速度パワーPrが、20秒間で3dB以上上昇する。
[条件4] 加速度パワーPrの下降脚と上昇脚の比
・例えば、加速度パワーPrの下降脚と上昇脚の比(上昇脚/下降脚)が33%−300%の範囲内である。
[条件5] 互いに隣接する異常呼吸イベントDnと異常呼吸イベントDn−1との時間間隔
・例えば、異常呼吸イベントDnと異常呼吸イベントDn−1との時間間隔が150秒以内である。
すなわち、第1判定部24は、加速度パワーPrが[条件1]−[条件5]の全てを満たすように下降した後に上昇する箇所(加速度パワーPrの一過性の低下)を、異常呼吸イベントDnとして検出する。図5Aでは、異常呼吸イベントDnとして、9個の異常呼吸イベントD1,D2,D3,D5,D6,D7,D8,D9,D10が検出されている。
第2判定部25は、加速度データに基づいて、対象者9の体位を判定する。
具体的に、第2判定部25は、Z軸方向の加速度信号S1zの時系列データに基づいて、対象者9の体位を判定する。例えば、第2判定部25は、加速度信号S1zの時系列データから、横臥している対象者9が仰向き、横向き、うつ伏せなどのいずれの状態であるかを判定できる。すなわち、第2判定部25は、就寝中の対象者9の体位(仰向き、横向き、うつ伏せなど)を時系列に沿って検出できる。
また、第2判定部25は、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zの少なくとも1つに閾値以上の変化があった場合、対象者9が覚醒したと判定する。したがって、第2判定部25は、データ収集期間を、対象者9が覚醒している覚醒期間、及び対象者9が就寝姿勢である就寝期間に分けることができる。
第3判定部26は、呼吸音データに基づいて、対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。
具体的に、呼吸音データは呼吸音信号S2の時系列データであり、第3判定部26は、図5Bに示す呼吸音信号S2の波形から、異常呼吸が発生した異常呼吸イベントDmを検出する(但し、mは正の整数)。
例えば図6に示す呼吸音信号S2の波形では、期間Trにおいて正常な呼吸が行われており、呼気及び吸気が交互に発生することによって、呼吸音信号S2の音圧は基準レベルL1の一方側及び他方側に交互に変化する。一方、呼吸運動が異常呼吸になると、呼吸音信号S2の音圧は基準レベルL1付近で殆ど変化せず、ほぼ一定の値が継続する。呼吸音信号S2の音圧が基準レベルL1付近で殆ど変化しない期間を異常呼吸期間とすると、図6において、比較的長い異常呼吸期間Taは無呼吸状態の期間であり、比較的短い異常呼吸期間Thは低呼吸状態の期間である。
したがって、第3判定部26は、呼吸音信号S2の波形において、予め決められた所定時間以上に亘って閾値以上の音圧変化がなければ、異常呼吸イベントDmが発生したと判定する。図5Bでは、異常呼吸イベントDmとして、10個の異常呼吸イベントD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8,D9,D10が検出されている。
評価部27は、第1判定部24、第2判定部25、及び第3判定部26の各判定結果に基づいて、対象者9の呼吸状態を評価する。
まず、対象者9が覚醒している期間では異常呼吸の正確なデータを収集できない。そこで、評価部27は、第2判定部25の判定結果を参照して、対象者9が覚醒している覚醒期間に判定された異常呼吸イベントDn,Dmを本評価処理に用いない。この結果、評価部27は、評価精度の向上を図ることができる。
評価部27は、異常呼吸イベントDn及び異常呼吸イベントDmの各検出結果から、AHIを求める。このとき、評価部27は、検出時刻が同じ(または、検出時刻の差が所定時間内に収まっている)異常呼吸イベントDn及び異常呼吸イベントDmは、同じ異常呼吸イベントとして処理する。また、評価部27は、ある時刻において第1判定部24及び第3判定部26の少なくとも一方が異常呼吸イベントを検出していれば、1回の異常呼吸イベントが発生したと判定する。したがって、評価部27は、加速度センサ111及び集音装置12のいずれか一方が異常呼吸イベントによる変動を捉えることができなかったとしても、異常呼吸イベントによる変動を捉えた他方が出力する信号によって、異常呼吸イベントを検出できる。異常呼吸イベントによる変動を捉えることができない要因としては、加速度センサ111または集音装置12が対象者9の身体から外れるシステム不良、対象者9の体動の影響、バーストノイズなどが挙げられる。
なお、評価部27は、ある時刻において第1判定部24及び第3判定部26の両方が異常呼吸イベントをそれぞれ検出しているときのみ、1回の異常呼吸イベントが発生したと判定してもよい。
また、評価部27は、対象者9の体位とAHIとの対応関係を評価することもできる。すなわち、評価部27は、体位別のAHIを求めることができる。この結果、評価部27は、異常呼吸が就寝中の体位によるものか否かを判断することができ、異常呼吸の抑制方法として、対象者9にとって有効な就寝中の体位を特定することもできる。
そして、評価部27は、上述の評価結果を評価者(システム管理者、医療従事者、または対象者9)に通知するための画像データを作成し、画像データを通知部28に出力する。
通知部28は、モニタ装置を備えており、評価部27の評価結果をモニタ装置の画面上に表示する。表示内容は、対象者の時刻毎のAHI、体位別のAHI、異常呼吸を抑制するために対象者9にとって有効な就寝中の体位などである。通知部28は、さらには光、音などを用いて評価結果を示してもよい。なお、通知部28の表示内容は、上述の内容に限定されず、他の異常呼吸に関する情報を含んでいてもよい。
出願人は、同じ対象者9に対して、呼吸評価システムA1による呼吸状態の評価と、睡眠ポリグラフ検査による呼吸状態の評価とを同時に行う比較実験を50例行った。睡眠ポリグラフ検査では、脳波、心電図、胸部の動き、血中の酸素量、眼球運動などの各データに基づく評価方法を用いる。
図7は、50例の各評価によるAHIの値(評価値)を示しており、呼吸評価システムA1によるAHIの評価値N1を横軸に示し、睡眠ポリグラフシステムによるAHIの評価値M1を縦軸に示している。AHI:15以上を陽性と定義した場合、呼吸評価システムA1の評価精度(AHIのカットオフ値15)は、感度93%、特異度95%と良好であった。さらに、評価値N1及び評価値M1について、ピアソンの相関係数は0.94となり、評価値N1と評価値M1との相関は十分に高かった。
なお、データ処理部23は、加速度信号S1x、加速度信号S1y、加速度信号S1zのそれぞれのパワースペクトルの二乗和平方根の値を求めて、この二乗和平方根の値を加速度パワーとしてもよい。
なお、本実施形態の解析システム2は、パーソナルコンピュータ以外で構成されてもよく、例えばスマートフォン、タブレット端末などの携行可能な情報端末であってもよい。この場合、解析システム2を評価施設に設ける必要はなく、対象者9が所有する情報端末によって、呼吸状態の評価を行うことができる。情報端末は、プロセッサ及びメモリ(コンピュータシステム)を内蔵しており、メモリには、プロセッサを解析システム2として動作させるためのアプリケーションのプログラムが記憶されている。そして、プロセッサがこのプログラムを実行することで、スマートフォン、タブレット端末など情報端末が解析システム2として動作する。
また、解析システム2が通知部28を備えることは必須ではなく、通知部は、解析システム2とは別のシステムによって構成されてもよい。
(第1変形例)
データ処理部23は、呼吸音データに対してFFTを施して、呼吸音信号S2のサウンドスペクトログラム(Sound Spectrogram)を生成し、第3判定部26は、このサウンドスペクトログラムに基づいて対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定してもよい。
本変形例において、データ処理部23は、時間軸及び周波数軸を圧縮したサウンドスペクトログラム(図8参照)を生成することで、サウンドスペクトログラムのデータ量を低減させている。データ処理部23は、一定時間毎に一定区間のサンプルデータを所定の窓関数によって抽出し、抽出したサンプルデータにFFT処理を施すことで、サウンドスペクトログラムを生成する。
例えば、データ処理部23は、呼吸音信号S2のサンプリング周波数が5kHzである場合、呼吸音信号S2について1000点のサンプルデータ毎(0.2秒毎)に512点のサンプルデータを窓関数によって抽出する。そして、データ処理部23は、抽出したサンプルデータにFFT処理を施し、20−635Hzの周波数範囲において9.77Hz毎のパワースペクトルを求める。データ処理部23は、上述のように求めたパワースペクトルの時系列データをサウンドスペクトログラムとする。このとき、データ処理部23は、パワースペクトルを対数変換して、パワースペクトルの単位をdBにしている。なお、窓関数としては、例えばハニング窓が用いられる。
第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析して、対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。
具体的に、第3判定部26は、気管呼吸音の成分である400−600Hzの周波数範囲における短時間パワー(dB)の移動平均曲線を求める。そして、第3判定部26は、この移動平均曲線においてパワーの一過性の低下(例えば、12dB以上の一過性の低下)があれば、異常呼吸イベントとして検出する。さらに、第3判定部26は、異常呼吸イベントのうち、移動平均曲線のパワーが背景音+5dB以下である異常呼吸イベントを無呼吸イベントとして検出する。また、第3判定部26は、異常呼吸イベントのうち、移動平均曲線のパワーが背景音+5dBを上回る異常呼吸イベントを低呼吸イベントとして検出する。
さらに、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析して、対象者9のいびき(いびきイベント)を検出することもできる。具体的に、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析し、100−300Hzにおけるピークパワースペクトルが80dB/10Hz以上であるか否かを判定する。そして、第3判定部26は、100−300Hzにおけるピークパワースペクトルが80dB/10Hz以上であれば、いびきイベントを検出する。
また、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析して、対象者9の体位、体動、覚醒/睡眠状態を検出することも可能である。さらに、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析して、いびきイベントと対象者の会話とを区別することも可能である。例えば、図8のサウンドスペクトログラムでは、時間t1(50分あたり)でサウンドスペクトログラムの時間変動が小さくなっており、第3判定部26は、時間t1で対象者9が覚醒状態から睡眠状態に移行したと判定できる。すなわち、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムを解析して、パワーに閾値以上の変化があった場合、対象者9の体位、体動、覚醒/睡眠状態のそれぞれを検出することが好ましい。この場合、パワーと比較される閾値は、検出対象(対象者9の体位、体動、覚醒/睡眠状態など)毎に設定される。
なお、第3判定部26による対象者9の体位、体動、覚醒/睡眠状態の各検出処理は、人工知能、機械学習、深層学習などを用いることによって検出精度のさらなる向上を図ることができる。
また、第3判定部26による各判定処理のうち一部の判定処理は、評価者がサウンドスペクトログラムを視覚的に確認することで評価者自身が判定してもよい。すなわち、第3判定部26による各判定処理のうち一部の判定処理は、評価者による視覚的な判定処理に置き換えてもよい。
(第2変形例)
図8は、本実施形態の第2変形例の呼吸評価システムA2を示す。
呼吸評価システムA2では、解析システム2はサーバ5に設けられている。すなわち、対象者9の自宅、医療施設などから離れた遠隔地に設置されているサーバ5が解析システム2として機能する。サーバ5は、インターネット及び公衆通信網などを含む広域ネットワークNT1に接続している。さらに、広域ネットワークNT1には、通知端末6が接続している。なお、呼吸評価システムA2は、広域ネットワークNT1を構成要件には含まない。
そして、データ収集システム1の通信IF113(図4参照)は、無線ルータ4を介して広域ネットワークNT1に接続する。そして、通信IF113は、無線ルータ4、広域ネットワークNT1を経由して、サーバ5と通信できる。したがって、データ収集システム1は、メモリ112hに格納している評価用データ(加速度データ及び呼吸音データ)を、通信IF113を介してサーバ5へ送信できる。
サーバ5が有している解析システム2は、通信IF21、メモリ22、データ処理部23、第1判定部24、第2判定部25、第3判定部26、評価部27を備える。通信IF21は、広域ネットワークNT1を経由して、通知端末6と通信できる。すなわち、通信IF21は、広域ネットワークNT1を経由して、評価部27の評価結果(画像データなど)を通知端末6へ送信できる。
通知端末6は、評価施設、または対象者9の自宅などに設けられたパーソナルコンピュータ、評価者(システム管理者、医療従事者、または対象者9)が所有するスマートフォン、タブレット端末、専用端末などである。そして、通知端末6は、モニタ装置を備えており、評価部27の評価結果をモニタ装置の画面上に表示する。
本変形例では、対象者9の評価用データを収集したデータ収集システム1を評価施設に持ち込む必要がなく、評価者の通知端末6に評価結果が送信される。したがって、評価に要する対象者9の負担を低減することがでる。この結果、対象者9が小児または高齢者であっても、睡眠時の呼吸状態の評価を気軽に受けることができる。
また、解析システム2は、1台のサーバ5で実現される構成以外に、複数のサーバによるクラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
なお、上述の実施形態及び各変形例におけるデータ収集システム1、及び解析システム2は、コンピュータシステムを含むことが好ましい。この場合、コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるデータ収集システム1、及び解析システム2の各機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
上述のように、実施形態に係る第1の態様のデータ収集システム1は、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータを収集する。データ収集システム1は、対象者9に取り付けられる収集装置11と、対象者9に取り付けられて対象者9の呼吸音を集音し、集音した呼吸音に応じた信号である呼吸音信号をS2収集装置11へ出力する集音装置12と、を備える。収集装置11は、対象者9の動きの加速度に応じた信号である加速度信号S1を生成する加速度センサ111と、加速度信号S1を加速度データとして記憶し、呼吸音信号S2を呼吸音データとして記憶するコントローラ112と、を有する。
したがって、データ収集システム1は、従来に比べて対象者9の不快感が少なく、睡眠時の呼吸運動の評価を行うためのデータを簡易に収集できる。
また、実施形態に係る第2の態様のデータ収集システム1では、第1の態様において、加速度センサ111は、3軸の加速度センサであることが好ましい。
したがって、データ収集システム1では、対象者9の3軸方向の各呼吸運動に関する情報が加速度信号S1に含まれる。さらに、対象者9の体位に関する情報も加速度信号S1に含まれる。この結果、加速度データは、睡眠時の呼吸運動の評価を行うためのデータとして十分な情報量を有することができる。
また、実施形態に係る第3の態様のデータ収集システム1では、第1または第2の態様において、集音装置12は、呼吸音を集音するマイクロホン121と、マイクロホン121を対象者9の咽喉91に取り付ける取付部122と、を備えることが好ましい。
したがって、データ収集システム1は、集音装置12を対象者9の咽喉91に取り付けるだけで、呼吸音データを収集できる。この結果、集音装置12が顔に取り付けられる場合に比べて、集音装置12による対象者9の不快感を低減できる。
上述のように、実施形態に係る第4の態様の呼吸評価システムA1,A2は、対象者9について睡眠時の呼吸状態の評価を行う。呼吸評価システムA1,A2は、第1乃至第3の態様のいずれか一つのデータ収集システム1と、加速度データ及び呼吸音データに基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価する解析システム2と、を備える。
したがって、呼吸評価システムA1,A2は、データ収集システム1が収集したデータ(評価用データ)に基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価することができる。
また、実施形態に係る第5の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第4の態様において、呼吸評価システムA1,A2は、第1判定部24と、第2判定部25と、第3判定部26と、評価部27と、を備える。第1判定部24は、加速度データに基づいて、対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。第2判定部25は、加速度データに基づいて、対象者9の体位を判定する。第3判定部26は、呼吸音データに基づいて、呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。評価部27は、第1判定部24、第2判定部25、及び第3判定部26の各判定結果に基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価する。
したがって、呼吸評価システムA1,A2では、評価部27は、対象者9の体位と異常呼吸との対応関係を評価することができる。
また、実施形態に係る第6の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第5の態様において、第2判定部25は、加速度データに基づいて、対象者9が覚醒状態であるか否かをさらに判定することが好ましい。そして、評価部27は、対象者9が覚醒状態である期間に対応する第1判定部24及び第3判定部26の各判定結果を、呼吸状態の評価に用いない。
したがって、呼吸評価システムA1,A2では、評価精度の向上を図ることができる。
上述のように、実施形態に係る第7の態様の呼吸評価方法は、データ収集ステップと、解析ステップと、を備える。データ収集ステップでは、対象者9の動きの加速度のデータである加速度データ、及び対象者9の呼吸音のデータである呼吸音データを収集する。解析ステップでは、加速度データ及び呼吸音データに基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価する。
したがって、呼吸評価方法は、データ収集システム1が収集したデータ(評価用データ)に基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価することができる。なお、本呼吸評価方法では、第1乃至第3の態様のいずれか一つのデータ収集システム1が加速度データ及び呼吸音データを収集することが好ましい。
上述のように、実施形態に係る第8の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第7の態様の呼吸評価方法を実行させる。
したがって、プログラムは、データ収集システム1が収集したデータ(評価用データ)に基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
A1,A2 呼吸評価システム
1 データ収集システム
11 収集装置
110 ケース
111 加速度センサ
112 コントローラ
12 集音装置
121 マイクロホン
122 取付部
2 解析システム
24 第1判定部
25 第2判定部
26 第3判定部
27 評価部
9 対象者
91 咽喉
92 胸部
S1 加速度信号
S2 呼吸音信号
したがって、呼吸評価システムA1,A2では、評価精度の向上を図ることができる。
また、実施形態に係る第7の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第5または第6の態様において、データ取集システム1の加速度センサ111は、3軸の各方向の加速度にそれぞれ対応する3つの加速度信号S1x、S1y、S1zを生成することが好ましい。データ取集システム1のコントローラ112は、3つの加速度信号S1x、S1y、S1zを加速度データとして記憶する。
また、実施形態に係る第8の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第7の態様において、解析システム2は、データ処理部23をさらに備えることが好ましい。データ処理部23は、3つの加速度信号S1x、S1y、S1zのそれぞれのパワースペクトルの和を加速度パワーPrとして求め、加速度パワーPrの時系列データを求める。そして、第1判定部24は、加速度パワーPrの時系列データに基づいて、対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。
また、実施形態に係る第9の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第8の態様において、第1判定部24は、加速度パワーPrの時系列データにおいて加速度パワーPrが下降した後に上昇している箇所から、異常呼吸が発生した異常呼吸イベントDnを検出する。
また、実施形態に係る第10の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第9の態様において、第1判定部24は、前記箇所が複数ある場合、前記複数の箇所のうち、加速度パワーPrの下降速度、加速度パワーPrが下降し始めてから上昇し始めるまでの時間、加速度パワーPrの上昇速度、加速度パワーPrの下降脚と上昇脚の比、及び互いに隣接する一対の異常呼吸イベントの時間間隔のそれぞれが所定の条件を満たす箇所を、異常呼吸イベントDnとして検出することが好ましい。
また、実施形態に係る第11の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第8乃至10の態様のいずれか一つにおいて、データ処理部23は、呼吸音データに対してFFTを施して、呼吸音信号のサウンドスペクトログラムを生成することが好ましい。そして、第3判定部26は、サウンドスペクトログラムに基づいて対象者9の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。
また、実施形態に係る第12の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第7乃至11の態様のいずれか一つにおいて、第2判定部25は、3つの加速度信号S1x、S1y、S1zのうち、対象者9の胴体の厚み方向の加速度に対応する加速度信号の時系列データに基づいて、対象者9の体位を判定することが好ましい。
また、実施形態に係る第13の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第5乃至12の態様のいずれか一つにおいて、第1判定部24及び第3判定部26の少なくとも一方によって異常呼吸があると判定された場合、評価部27は、異常呼吸があると判定することが好ましい。
また、実施形態に係る第14の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第5乃至12の態様のいずれか一つにおいて、第1判定部24及び第3判定部26によって異常呼吸があると判定された場合、評価部27は、異常呼吸があると判定することが好ましい。
また、実施形態に係る第15の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第4乃至14の態様のいずれか一つにおいて、解析システム2は、携行可能な情報端末に設けられることが好ましい。
また、実施形態に係る第16の態様の呼吸評価システムA1,A2では、第4乃至14の態様のいずれか一つにおいて、解析システム2は、サーバ5に設けられることが好ましい。
上述のように、実施形態に係る第17の態様の呼吸評価方法は、データ収集ステップと、解析ステップと、を備える。データ収集ステップでは、対象者9の動きの加速度のデータである加速度データ、及び対象者9の呼吸音のデータである呼吸音データを収集する。解析ステップでは、加速度データ及び呼吸音データに基づいて、対象者9の睡眠時の呼吸状態を評価する。
上述のように、実施形態に係る第18の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第17の態様の呼吸評価方法を実行させる。
本発明は、吸評価システム、データ収集システム、解析システム、及びプログラムに関する。
そこで、本発明の目的は、従来に比べて対象者の不快感が少なく、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを簡易に収集できる吸評価システム、データ収集システム、解析システム、及びプログラムを提供することにある。
本発明の一態様に係る呼吸評価システムは、対象者について睡眠時の呼吸状態の評価を行う呼吸評価システムであって、データ収集システムと、解析システムと、を備える。前記データ収集システムは、前記対象者の睡眠時の前記呼吸状態を評価するための加速度データ及び呼吸音データを収集する。前記解析システムは、前記加速度データ及び前記呼吸音データに基づいて、前記対象者の睡眠時の前記呼吸状態を評価する。前記データ収集システムは、前記対象者に取り付けられる収集装置と、前記対象者に取り付けられて前記対象者の呼吸音を集音し、集音した前記呼吸音に応じた信号である呼吸音信号を前記収集装置へ出力する集音装置と、を備える。前記収集装置は、前記対象者の動きの加速度に応じた信号である加速度信号を生成する加速度センサと、前記加速度信号を前記加速度データとして記憶し、前記呼吸音信号を前記呼吸音データとして記憶するコントローラと、を有する。前記加速度センサは、3軸の各方向の加速度にそれぞれ対応する3つの前記加速度信号を生成し、前記コントローラは、前記3つの加速度信号を前記加速度データとして記憶する。前記解析システムは、第1判定部と、第2判定部と、第3判定部と、評価部と、データ処理部と、を備える。前記第1判定部は、前記加速度データに基づいて、前記対象者の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。前記第2判定部は、前記加速度データに基づいて、前記対象者の体位を判定する。前記第3判定部は、前記呼吸音データに基づいて、前記呼吸運動に前記異常呼吸があるか否かを判定する。前記評価部は、前記第1判定部、前記第2判定部、及び前記第3判定部の各判定結果に基づいて、前記対象者の睡眠時の前記呼吸状態を評価する。前記データ処理部は、前記3つの加速度信号のそれぞれのパワースペクトルの和を加速度パワーとして求め、前記加速度パワーの時系列データを求める。前記第1判定部は、前記加速度パワーの時系列データにおいて前記加速度パワーが下降した後に上昇している箇所から、前記異常呼吸が発生した異常呼吸イベントを検出する。
本発明の一態様に係るデータ収集システムは、上述の呼吸評価システムに用いられるデータ収集システムであって、対象者に取り付けられる収集装置と、集音装置と、を備える。前記集音装置は、前記対象者に取り付けられて前記対象者の呼吸音を集音し、集音した前記呼吸音に応じた信号である呼吸音信号を前記収集装置へ出力する。前記収集装置は、前記対象者の動きの加速度に応じた信号である加速度信号を生成する加速度センサと、前記加速度信号を加速度データとして記憶し、前記呼吸音信号を呼吸音データとして記憶するコントローラと、を有する。前記加速度センサは、3軸の各方向の加速度にそれぞれ対応する3つの前記加速度信号を生成し、前記コントローラは、前記3つの加速度信号を前記加速度データとして記憶する。
本発明の一態様に係る解析システムは、上述の呼吸評価システムに用いられる解析システムであって、第1判定部と、第2判定部と、第3判定部と、評価部と、データ処理部と、を備える。前記第1判定部は、前記加速度データに基づいて、対象者の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する。前記第2判定部は、前記加速度データに基づいて、前記対象者の体位を判定する。前記第3判定部は、前記呼吸音データに基づいて、前記呼吸運動に前記異常呼吸があるか否かを判定する。前記評価部は、前記第1判定部、前記第2判定部、及び前記第3判定部の各判定結果に基づいて、前記対象者の睡眠時の呼吸状態を評価する。前記データ処理部は、前記3つの加速度信号のそれぞれのパワースペクトルの和を加速度パワーとして求め、前記加速度パワーの時系列データを求める。そして、前記第1判定部は、前記加速度パワーの時系列データにおいて前記加速度パワーが下降した後に上昇している箇所から、前記異常呼吸が発生した異常呼吸イベントを検出する。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上述の解析システムの前記第1判定部、前記第2判定部、前記第3判定部、前記評価部、及び前記データ処理部の各機能を実現させる。
本実施形態は、吸評価システム、データ収集システム、解析システム、及びプログラムに関する。より詳細には、本実施形態は、睡眠時の呼吸状態を評価するための吸評価システム、データ収集システム、解析システム、及びプログラムに関する。

本発明は、呼吸評価システム、解析システム、及びプログラムに関する。
そこで、本発明の目的は、従来に比べて対象者の不快感が少なく、睡眠時の呼吸状態の評価を行うためのデータを簡易に収集できる呼吸評価システム、解析システム、及びプログラムを提供することにある。
本実施形態は、呼吸評価システム、解析システム、及びプログラムに関する。より詳細には、本実施形態は、睡眠時の呼吸状態を評価するための呼吸評価システム、解析システム、及びプログラムに関する。

Claims (8)

  1. 対象者の睡眠時の呼吸状態を評価するためのデータを収集するデータ収集システムであって、
    前記対象者に取り付けられる収集装置と、
    前記対象者に取り付けられて前記対象者の呼吸音を集音し、集音した前記呼吸音に応じた信号である呼吸音信号を前記収集装置へ出力する集音装置と、を備え、
    前記収集装置は、
    前記対象者の動きの加速度に応じた信号である加速度信号を生成する加速度センサと、
    前記加速度信号を加速度データとして記憶し、前記呼吸音信号を呼吸音データとして記憶するコントローラと、を有する
    ことを特徴とするデータ収集システム。
  2. 前記加速度センサは、3軸の加速度センサであることを特徴とする請求項1記載のデータ収集システム。
  3. 前記集音装置は、
    前記呼吸音を集音するマイクロホンと、
    前記マイクロホンを前記対象者の咽喉に取り付ける取付部と、を備える
    ことを特徴とする請求項1または2記載のデータ収集システム。
  4. 対象者について睡眠時の呼吸状態の評価を行う呼吸評価システムであって、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ収集システムと、
    前記加速度データ及び前記呼吸音データに基づいて、対象者の睡眠時の呼吸状態を評価する解析システムと、を備える
    ことを特徴とする呼吸評価システム。
  5. 前記解析システムは、
    前記加速度データに基づいて、前記対象者の呼吸運動に異常呼吸があるか否かを判定する第1判定部と、
    前記加速度データに基づいて、前記対象者の体位を判定する第2判定部と、
    前記呼吸音データに基づいて、前記呼吸運動に前記異常呼吸があるか否かを判定する第3判定部と、
    前記第1判定部、前記第2判定部、及び前記第3判定部の各判定結果に基づいて、前記対象者の睡眠時の前記呼吸状態を評価する評価部と、を備える
    ことを特徴とする請求項4記載の呼吸評価システム。
  6. 前記第2判定部は、前記加速度データに基づいて、前記対象者が覚醒状態であるか否かをさらに判定し、
    前記評価部は、前記対象者が覚醒状態である期間に対応する前記第1判定部及び前記第3判定部の各判定結果を、前記呼吸状態の評価に用いない
    ことを特徴とする請求項5記載の呼吸評価システム。
  7. 対象者の動きの加速度のデータである加速度データ、及び前記対象者の呼吸音のデータである呼吸音データを収集するデータ収集ステップと、
    前記加速度データ及び前記呼吸音データに基づいて、対象者の睡眠時の呼吸状態を評価する解析ステップと、を備える
    ことを特徴とする呼吸評価方法。
  8. コンピュータシステムに、請求項7記載の呼吸評価方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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