JP2019062860A - 脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】喫食時の咀嚼(喫食咀嚼)に依り、より効果的に脳を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法、さらに詳しくは、一定の咀嚼硬度を有するチューインガムを喫食咀嚼することでより効果的に前頭前野領域を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法を提供する。【解決手段】喫食時の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化用チューインガムであって、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることを特徴とする脳活性化用チューインガムにより上記課題を解決する。(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする【選択図】なし

Description

本発明は、喫食時の咀嚼(喫食咀嚼)に依り、より効果的に脳を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法、さらに詳しくは、一定の咀嚼硬度を有するチューインガムを喫食咀嚼することでより効果的に前頭前野領域を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法に関する。
咀嚼は、食物を口腔内で咬断、磨砕し、唾液と混ぜ合わせて軟らかくし、嚥下しやすい食塊にする一連の工程であるが、直接関与する口腔内の器官や機能の他に、口腔外の器官や機能も関与している。具体的には、咀嚼は、末梢効果器系、感覚入力系、中枢神経系の3つの構成要素の相互関連によって機能する複合システムである。
1つ目の末梢効果器系とは、直接食物を噛み潰す歯、歯を支える顎、顎骨を動かす筋肉、顎の関節、噛み易いように食物を運ぶ舌、噛み潰された食物を混ぜて小さな塊に(食塊形成)する唾液を分泌する唾液腺などの総称である。2つ目の感覚入力系は、咀嚼中に末梢効果器系で発生した刺激を受け取る器官と、受け取った刺激を感覚情報(咀嚼情報)として中枢神経系に伝える感覚神経とからなる。3つ目の中枢神経系は、咀嚼情報を受け取って処理し、筋への運動指令をつくる中枢神経系つまり大脳皮質、脳幹、脊髄などが挙げられる。咀嚼中は口腔内の咀嚼状況が常時変化し絶えず咀嚼情報が送られてくるので、これを的確に捉えて、それに見合った運動指令(咀嚼指令)をフィードバックし、末梢効果器系を効果的に作動させ、咀嚼を継続する(例えば、非特許文献1参照)。
上記の通り、咀嚼には大脳皮質等の中枢神経系が関与していることから、咀嚼を繰り返し行い、脳に継続して咀嚼情報を送ることのできるチューインガム等の咀嚼組成物は、脳を活性化する食品として有用であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。該咀嚼組成物はガムベース単体による均一で単調な食感に、特定の大きさのシルク繊維を配合し不均一な食感を付与することでチューインガム咀嚼時の脳の血流量を増加させると共に脳が活性化し、憂鬱な気分を低減する効果があることを開示している。該咀嚼組成物による脳活性化は、特定物質を添加して食感を設計するものであるが、チューインガムの硬さ(応力)に重点を置く食感設計とは異なるものである。
他方、チューインガム咀嚼時の酸素摂取量、心拍数、右鼓膜温、右咀嚼筋上の皮膚温度、右総頸動脈血流量、血圧等の測定結果の検証から、チューインガムの硬さが脳血流量に影響を与える可能性が示されている。(例えば、非特許文献2参照)。しかしながら、この検証はチューインガムの硬さの指標を「粘度(単位;poise)」におき、直接脳血流量を測定するのではなく、間接的な現象からの考察であることから、チューインガムの粘性(粘りの程度)と脳血流量との関係性を推測したに過ぎない。したがって、チューインガムの硬さの程度(硬度)を示す応力が与える脳血流量への直接的な影響については不明であった。
また、本発明者らは、チューインガムの特定の硬さと容積を指標として、歯表面の付着汚れに対し咀嚼して高除去能を有するチューインガムについて開示している(例えば、特許文献2参照)。歯表面の汚れを除去するには咀嚼初期が重要となるため、該チューインガムの指標とする硬さには事前の咀嚼や揉み洗いなどの前処理はなく、香料等の風味剤も含有する状態のままで設定されている。また、その設定された硬さとは歯面汚れの除去の可否を意味するもので、脳活性化効果については不明であった。
したがって、チューインガムにチューインガムとは異なる食感付与成分を添加して脳活性化を図ること、咀嚼初期において特定の応力をもつチューインガムが歯表面の付着汚れの除去に有効であることは知られているが、チューインガムの食感、特に、継続して咀嚼する際に機能する時間帯の硬さを指標とする、より効果的に脳を活性化させるチューインガムや脳活性化方法は、現在提案されていない。
日本咀嚼学会編、「誰も気づかなかった噛む効用 咀嚼のサイエンス」、株式会社日本教文社、平成9年9月5日、p.27−29 鈴木政登、外5名、「日本咀嚼学会雑誌」、1994年、第4巻、第1号、p.51−62
特開2005−179207号公報 特開2015−177789号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、喫食時の咀嚼(喫食咀嚼)に依り、より効果的に脳を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法、さらに詳しくは、一定の咀嚼硬度を有するチューインガムを喫食咀嚼することでより効果的に前頭前野領域を活性化する脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法を提供することにある。
本発明は、喫食時の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化用チューインガムであって、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることを特徴とする脳活性化用チューインガムにより上記目的を達成する。
(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
また、本発明は、チューインガムを喫食する際の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化方法であって、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることを特徴とする脳活性化方法により上記目的を達成する。
(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
すなわち、本発明者らは、歯表面の付着汚れに対する高除去能とは異なる、チューインガムの食感に起因する機能性について鋭意検討した。まず一定の咀嚼硬度のあるチューインガムを設計するために、チューインガムの硬さの指標について検討し、他に一般的なチューインガムである市販品の硬さについて調査した。その結果、チューインガムを継続して咀嚼する際に、その硬さが機能する時間帯の食感を、すなわち、咀嚼初期に発現する香料、甘味料等の風味原料の影響を受けないチューインガムの硬さを、指標として設定した。具体的には、「チューインガムの5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする」という測定用処理をしたときの応力を硬さの指標とした。次に、この硬さの指標を用いて、市販品のチューインガムについて測定した(表1参照)。
次いで、上記測定用処理したときの硬さの指標を用いて、一般的な市販品より高い2.84N以上に設計すると、やや強い弾力のある食感となり咀嚼感に優れるチューインガムとすることができた。また、測定用処理したときの硬さが2.84N以上となるように設計されたチューインガムは、喫食時の咀嚼に依り脳血流量がより上昇することから、単にチューインガムを喫食咀嚼するのではなく、一定の咀嚼硬度を付与したチューインガムを喫食咀嚼することに依り、より効果的に脳を活性化できることを見出し、本発明に到達した。
本発明の脳活性化用チューインガム及び脳活性化方法は、喫食時の咀嚼に依り、より効果的にヒトの脳、特に前頭前野領域を活性化できる。ひいては、本発明により、脳機能向上を期待できる。
被験者が脳血流量測定装置を装着し、認知課題を実施する様子を横から写した図である。 額上部に接する側の、チャンネル位置を示したヘッドセットの断面図である。 本発明のチューインガム(実施例1)と、比較例1のチューインガムを測定用処理したときの硬さを示した図である。 脳の活性化試験を示すフローチャートである。 チューインガムの喫食咀嚼中、及び喫食咀嚼後の安静時の脳血流量測定結果を示した図である。 チューインガムの喫食咀嚼前後に行なった認知課題実施中の脳血流量を比較した図である。
本発明の脳活性化用チューインガムは、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることが、咀嚼性、及び喫食時の咀嚼によってより効果的に脳活性化作用を付与する点で重要である。(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
上記硬さとは、「(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする」測定用処理を行なうことで、チューインガム咀嚼初期の硬さの要因である香料、甘味料等の風味原料の影響を除き、一定の食感になったチューインガムの硬さを指す。具体的には、次のような処理を行った測定用処理チューインガムを圧縮した際の応力(単位N)であり、レオメーターを用いて以下の条件で測定する。
まず、チューインガムを3g計量する。該チューインガムを5分間の測定用咀嚼した後、口中から取り出し36±3℃の水で5分間揉み洗いする。好ましくは、36±3℃の流水で充分に風味原料が洗い流されるよう5分間揉み洗いする。ここで「揉み洗い」とは、該チューインガムを両手でもんだり、引き伸ばしたり、こすり合わせたりして、チューインガム中の風味原料を排出させる工程をいう。
次いで、厚みが13mmの略球体状に形を整える。さらに、36±3℃の水中に30分間保管した後、水中から取り出し表面の水気を拭き取り、測定用処理チューインガムを得る。次いで、下記応力測定条件で、この測定用処理チューインガムの硬さを測定する。
なお、本発明では、上記のように、計量するところから、表面の水気を拭き取るまでの一連の工程を経たチューインガムを測定用処理チューインガムと定義する。また、上記測定用咀嚼とは、測定用処理チューインガムを得るための咀嚼を意味し、また、上記5分間の測定用咀嚼は、24±3℃の静かな室内で、メトロノームのテンポ(80回/分)に合わせて行う。
<応力測定条件>
レオメーター;レオメーターC12−500DX(株式会社サン科学社製)
プランジャー形状;直径15mm円柱
スピード;600mm/min
侵入距離;5mm
サンプルの厚み;13mm
測定温度;36±3℃
また、本発明の脳活性化用チューインガムは、上記測定用処理チューインガムの硬さを2.84N以上、好ましくは3.2N以上に設計することが、咀嚼性、より効果的な脳活性化作用の点で重要である。
更に好ましくは、10N以下に設計することが、支障なく継続して喫食咀嚼できる、すなわち硬すぎず繰り返し咀嚼できることからより効果的に良好な咀嚼性を得る点で好適である。その結果、脳活性化作用の点でも好適である。
より好ましくは、測定用処理チューインガムの硬さが3.2±0.36Nであることが
、効果的な脳活性化作用の点で好適である。
上記「咀嚼性」とは、測定用咀嚼とは別に、本発明の脳活性化用チューインガムの喫食時にチューインガムを繰り返し喫食咀嚼できること、及び喫食咀嚼における食感特性を意味する。また、本発明における「良好な咀嚼性」とは、上記測定用処理チューインガムの硬さを2.84N以上に設定することで得られる、やや強い弾力のある食感を意味し、喫食咀嚼の際、すなわち繰り返す歯入れの都度感じる、弾力のある食感を指す。
また、「脳活性化」とは、一般には外部からの刺激により大脳皮質が活動を活発にする、或いは大脳皮質の反応性が高まる状態になることを意味する。本発明では、外部からの刺激を、チューインガムを喫食する際の咀嚼(喫食咀嚼)とし、「脳活性化」は、チューインガム喫食時の咀嚼により大脳皮質が活動を活発にする、或いは大脳皮質の反応性が高まる状態になることと定義する。
そして、脳が活性化すると、活性化によって消費された栄養や酸素を補うよう働くため脳血流量が増加する。したがって、脳活性化の有無は、チューインガムを喫食する際の、咀嚼中、咀嚼前後の安静時、咀嚼前後に行なう認知課題実施中の脳血流量を測定することで判定できる。なお、認知課題の詳細については後述する。
脳血流量を測定する方法としては、例えば、機能的核磁気共鳴画法(fMRI)、近赤外線分光法(以後、NIRSと記す)又はポジトロン断層法(PET)などが挙げられ、これらの中でも、頭皮の上から非侵襲的に測定でき被験者への負担が少ないNIRSによる測定方法が好適であり、測定装置としては、例えば、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のウェアラブル光トポグラフィ装置、株式会社島津製作所製の光脳機能イメージング装置や近赤外光脳機能イメージング装置などが挙げられる。
次に、脳血流量の測定方法について、図1〜2を用いて具体的に説明する。まず、図1は、被験者が脳血流量測定装置を装着し、認知課題を実施する様子を横から写した図である。脳血流量測定装置は株式会社日立ハイテクノロジーズ製のウェアラブル光トポグラフィ装置WOT−220を使用しており、図1では、被験者の頭部に該装置のヘッドセット40が装着されている。該ヘッドセット40には、被験者の額上部に接する位置に、22個のチャンネル(計測点)と、他に近赤外光の光源と受光部が内臓されている。認知課題がモニター画面30に順番に表示され、その表示順に両手で抱えているコントローラー50で回答する。なお、認知課題への回答は図1のコントローラー50のほかに、「はい、いいえ」や「ON、OFF」を表示できるスイッチ盤などを採用してもよく、好ましくは回答動作による振動が測定ノイズとならないよう工夫されたものが好適である。また、図1では、測定ノイズ低減のために、被験者は首にネックピローを装着し、背中側の壁や椅子を使って姿勢を統制している。
なお、図1では脳血流量測定と認知課題を同時に実施している様子を示しているが、チューインガム喫食時の咀嚼中及び咀嚼前後の安静時に脳血流量測定のみを実施する場合は、モニター画面30は使用せず、両手は机上、膝上などに置き被験者のリラックスできる状態にして測定すればよい。
図2は、額上部に接する側の、チャンネル位置を示したヘッドセットの断面図である。すなわち、図1のヘッドセット40において、額上部に直接接する側が手前に向いており、22個のチャンネル位置がアラビア数字1〜22で示されている。「右」表示側を額上部の右側に、「左」の表示側を額上部の左側に装着する。頭頂部側から額部側にかけての額上部の脳血流量を、22個のチャンネル位置で測定することができる。本発明では、側頭筋付近に接する両端の各3個のチャンネル(1〜3と20〜22)を除く、前頭前野領
域に接する4〜19の16チャンネルの脳血流量を測定することが、チューインガム喫食時の咀嚼により脳活性化する様子を的確に捉える点で重要である。
また、脳活性化の判定は、脳血流量を測定するほかに、脳機能向上を確認する認知課題の正答率も一般に採用されており、本発明でも用いることができる。すなわち、チューインガム咀嚼前後に認知課題を実施しその正答率の比較により判定することができる。
上記認知課題としては、言語情報または視空間情報の単純な記憶を求める短期記憶(Short−term Memory。)課題や、言語情報または視空間情報の記憶と同時に処理を求めるワーキングメモリー(Working Memory。以後、WMと記す)課題が挙げられる。好ましくは、情報の一時的な保持(記憶)と、記憶後再表示の際の位置判断、記憶後再表示の正誤判断、記憶内容の更新などの処理を同時に遂行するWM課題が好適に用いられる。例えば、言語性WM課題、視空間(空間)性WM課題、Nバック課題(N−back課題。例えば、1−back課題、2−back課題、3−back課題など)、スパン課題などが挙げられる。
次に、本発明の脳活性化用チューインガムの一例を以下に示す。該チューインガムは、ガムベースと副原料等からなり、後述する原料を適宜選択し単独もしくは複数組み合わせて用いられる。
まず、ガムベースとしては、従来から用いられているものであればよく、例えば、樹脂、弾性体、ワックス類、無機質、乳化剤等が適宜選択して使用される。樹脂としては、例えば、チクル、ジェルトン、ソルバ等の天然樹脂、酢酸ビニル樹脂やエステルガム等の合成樹脂が挙げられる。弾性体はゴム様物質とも言われ、例えば、ポリイソブチレン(イソブチレン重合体)、ポリブテン、ブチルゴム、ポリイソプレン、天然ゴム等が挙げられる。ワックス類(炭化水素、ロウ)としては、例えば、ライスワックス、キャンデリラワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ等が挙げられる。無機質としては、炭酸カルシウムやタルク等が挙げられる。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
副原料としては、糖質甘味料、非糖質甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム等)、酸味料(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)、安定剤、軟化剤(グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール等)、可塑剤(プロピレングリコールジアセテート、トリアセチン等)、着色料、香料、ゼラチン、ビタミン類、ミネラル、フッ素、果汁、乾燥果肉、乳酸菌、乳酸菌生成物、食物繊維、茶抽出物、フッ素含有茶抽出物等の微量機能成分等が挙げられ、これらは必要に応じて適宜選択して用いればよい。
糖質甘味料としては、例えば、グルコースなどの単糖類、スクロース、マルトース、トレハロース、パラチノース等の二糖類、マルトトリオース、パノース等の三糖類、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖及びこれらの還元物、水飴、還元水飴、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、還元パラチノース等の糖アルコール、プルラン等の多糖類等が挙げられ、単独でも複数組み合わせてもよい。
本発明の脳活性化用チューインガムは、上記ガムベース原料を適宜選択し組み合わせて、測定用処理チューインガムとしたときに本発明の目的の硬さである2.84N以上になるよう調整すればよい。また、可塑剤や軟化剤を用いて硬さを調整してもよい。
次に、本発明の脳活性化用チューインガムは、例えば、次のようにして調製される。まず、ガムベース、及び糖質甘味料等の必要な副原料を準備し、ニーダー等を用いて各原料
を混合分散させ、チューインガム生地とした後、エクストルーダー等の公知の押し出し成形機を用いてロープ状又は板状に押出した後、成形、切断することにより調製される。他の調製方法としては、硬さの異なる複数のチューインガム生地を調製し、公知の方法を用いて、これらを混合、成形、切断し、測定用処理チューインガムとしたときに2.84N以上の目的の硬さとなるように調整する方法を用いてもよい。
なお、上記のようにして調製された本発明の脳活性化用チューインガムの形態としては、例えば、板状、ブロック状、粒状、棒状等が挙げられる。
次に、本発明の脳活性化方法は、チューインガムを喫食する際の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化方法であり、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることが、咀嚼性、及び喫食時の咀嚼に依り、より効果的に脳を活性化できる点で重要である。(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
以下、実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。
<実施例1、比較例1>
<チューインガムの調製>
表2に示す組成となるよう、各原料を準備しニーダーを用いて混合分散させ、チューインガム生地とした後、エクストルーダーにて板状に押出した後、成形、切断することにより、板状のチューインガム(幅19mm×長さ80mm×厚み1.65mm、重量3.1g/枚)を得た。
<硬さ測定>
上記で得られた実施例1及び比較例1のチューインガムの硬さは、上述の方法に準じ、3g計量したチューインガムから測定用処理チューインガムを得た後、その応力を測定した(n=10)。
その結果を図1に示す。応力の測定結果(平均値±標準偏差)は、実施例1が3.2±
0.36N、比較例1が2.6±0.25Nであり、t検定を行なった結果、実施例1と比較例1間には有意な差があることを確認した(p<0.05)。
また、上記測定用処理チューインガムの5分間の測定用咀嚼を10分間の測定用咀嚼に替えて、同様に硬さ測定を行なったところ、実施例1、比較例1のどちらも、それぞれ5分間の測定用咀嚼した後の硬さと差がないことも確認した。
≪脳の活性化試験−試験デザイン≫
実施例1及び比較例1の板状のチューインガムのそれぞれについて、図4のフローチャートに示す一連の試験を実施し、この一連の試験中継続して被験者の脳血流量を測定した。脳血流量測定装置は、ウェアラブル光トポグラフィ装置WOT−220(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。なお、被験者は健常成人10名(男性5名、女性5名、年齢35.0±9.3歳(平均値±標準偏差))であった。
図4に示すように、試験に関する事前説明をした後、3種類の認知課題を順に実施(認知課題(A))した。続けて実施例1又は比較例1の板状のチューインガムを5分間喫食咀嚼(ガム咀嚼)した後、喫食咀嚼前と同様の3種類の認知課題を実施(認知課題(B))した。なお、喫食咀嚼は、測定用処理チューインガムの硬さ測定と同様に、24±3℃の静かな室内で、メトロノームのテンポに合わせて一定の速さ(80回/分)で行なった。
上記図4のフローチャートの一連の試験実施中、図2に示すように、4〜19の16チャンネルの脳血流量を測定した。また、測定ノイズ低減のために、図1に示すように、被験者は首にネックピローを装着させ、背中側の壁や椅子を使って姿勢を統制した。
<認知課題>
上記認知課題(A)、(B)は、同様に次の3種類の認知課題を(1)から(3)の順に実施した。
(1)空間性WM課題(視空間性WM課題)
モニター画面に表示された点灯位置を記憶し、一旦消灯後に再度表示される点灯位置が最初に表示された位置と同じか否かを回答する。
(2)言語性WM課題
モニター画面に表示された4個の平仮名を記憶し、一旦消灯後に再度表示される1個のカタカナと同じ読み方の文字が最初に表示された平仮名の中に有るか否かを回答する。
(3)2−back課題
モニター画面に文字が1文字ずつ続けて表示され、その表示順に文字を記憶し、3文字め以降に表示される文字が、2つ前に表示された文字と同一か否かを連続して回答する。
<脳血流量測定結果−喫食咀嚼中及び喫食咀嚼後の安静時>
板状のチューインガムの喫食咀嚼中、及び喫食咀嚼後の安静時の脳血流量測定結果を図5に示す。図5は、図4のフローチャート中のガム咀嚼の詳細(実線吹き出し部)に示すうち、ガム咀嚼300秒(開始0秒を含む)及び休憩60秒中の50秒の脳血流量の経時変化を示している。なお、図5に示す脳血流量の測定データは、体動ノイズを除外してベースライン補正を行なった後、被験者10名の平均値によるものである。
測定の結果、図5に示すように、チューインガムの喫食咀嚼中はチューインガムの喫食咀嚼開始時点(0秒)よりも、実施例1及び比較例1のどちらも喫食咀嚼時間が経過するにつれて脳血流量が徐々に増加した。
一方、実施例1と比較例1を比較すると、実施例1のほうが常に脳血流量が高い状態を
維持した。また、実施例1は喫食咀嚼開始時点より常時高い状態を維持していたが、比較例1は全体的に実施例1に比べ脳血流の増加の割合が低く、時間帯によっては喫食咀嚼開始時の脳血流量レベルにまで低下することもあった。更に、喫食咀嚼後の50秒間も実施例1のほうが脳血流量の高い状態を継続していた。
すなわち、チューインガムの喫食咀嚼中及び喫食咀嚼後の安静時において、比較例1に比べ実施例1の方が脳血流量は高い状態を維持し、より脳が活性化されたことが分かる。
<脳血流量測定結果−認知課題実施中>
チューインガムの喫食咀嚼前後に行なった認知課題実施中の脳血流量を比較した結果を図6に示す。脳血流量は、認知課題実施中継続して図2の4〜19の合計16チャンネル(前頭前野領域)で測定したが、図1に示すように、モニター画面30に認知課題が表示された直後からコントローラ50で回答開始直後の右前頭前野領域において特に高い脳血流量変化が観察された(図示せず)。そこで、図6は、図4のフローチャート中の認知課題実施の詳細(点線吹き出し部)に示すうち、各課題が表示された直後から回答開始4秒までの、図2の4〜8の合計5チャンネル(右前頭前野領域)で平均して得られた波形データの最大値による比較値を示している。なお、脳血流量の測定データは、体動ノイズを除外してベースライン補正を行い、多重性を考慮しBonferroni補正を行い、有意水準5%でWilcoxonの符号付き順位検定を行なった。
測定の結果、図6に示すように、チューインガムの喫食咀嚼前後を比較すると、認知課題実施中の脳血流量は、認知課題3種類全て、実施例1では喫食咀嚼前よりも喫食咀嚼後のほうが有意に高かった(p<0.05)。比較例1では、喫食咀嚼前後において有意な差は認められなかった。すなわち、チューインガムの喫食咀嚼前後において、比較例1に比べ実施例1の方が脳血流量は高い状態を維持し、より脳が活性化されたことが分かる。
<認知課題の正答率>
チューインガム喫食咀嚼前後に実施した認知課題の正答率は、実施例1及び比較例1の3つの認知課題の何れもほぼ90%を超えており、差は見られなかった(図示せず)。
以上のことから、下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上である脳活性化用チューインガムに依り、より効果的に脳を活性化することができる。(1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
30 モニター画面
40 ヘッドセット
50 コントローラー

図4に示すように、試験に関する事前説明をした後、3種類の認知課題を順に実施(認知課題(A))した。続けて実施例1又は比較例1の板状のチューインガムを5分間喫食咀嚼(ガム咀嚼)した後、喫食咀嚼前と同様の3種類の認知課題を実施(認知課題(B))した。なお、喫食咀嚼は、測定用処理チューインガムの硬さ測定と同様に、24±3℃の静かな室内で行なった。また、試験時の咀嚼速度は、事前説明時にメトロノームのテンポ(80回/分)に合わせて実際にチューインガムを噛んで記憶させ、記憶したテンポを再現するようにして咀嚼させた。

Claims (2)

  1. 喫食時の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化用チューインガムであって、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることを特徴とする脳活性化用チューインガム。
    (1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
  2. チューインガムを喫食する際の咀嚼により前頭前野領域が活性化する脳活性化方法であって、該チューインガムの下記(1)の測定用処理をしたときの硬さが2.84N以上であることを特徴とする脳活性化方法。
    (1)5分間の測定用咀嚼後36±3℃の水で5分間揉み洗いする
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総合ニュースサイト「NEWSポストセブン」の次のURLに掲載された記事「ガムを噛むと脳が活性化 高齢者の, vol. [検索日:2012年3月31日], JPN6021012739, 5 October 2012 (2012-10-05), ISSN: 0004483062 *

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