JP2019059923A - 有機溶剤系グラビアインキおよび印刷物 - Google Patents

有機溶剤系グラビアインキおよび印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は基材の極性など表面性質が異なる基材においても耐ブロッキング性および接着性を両立することができ、かつ印刷適性の優れた表刷りグラビアインキを提供することを目的とする。【解決手段】顔料、バインダー樹脂、炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィン樹脂を含有し、下記(1)および(2)を満たす、有機溶剤系グラビアインキ。(1)炭化水素系ワックスのJIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が0.5〜12であり、炭化水素系ワックスをグラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。(2)塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は5,000〜100,000であり、グラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、有機溶剤系グラビアインキおよびその印刷物に関する。
各種プラスチック基材を包装材料に使用する場合、通常基材の装飾または表面保護のために印刷インキを用いた印刷が施される。印刷を施した基材は、その後スリット工程を経て、最終的には食品包装用、化粧品包装、その他あらゆる用途に向けたパッケージとなる。
フィルム基材に印刷される多くの場合には輪転印刷方式、すなわちフレキソまたはグラビア印刷方式が採用されている。特にグラビア印刷方式に用いられる版は文字や模様などの部分が凹版であり、このセルにインキが入る程度に版にインキを浸し、版を回転させながら、表面をドクターブレードにより余分なインキを掻き落とし、グラビアインキを基材へ印刷され、これは一度に連動した動作で行われる。グラビア印刷方式は高精細印刷かつ高速印刷が可能であるため大量生産に向いている。ただし、印刷における作業環境改善の推進が成されてきており、トルエンなどの芳香族溶剤を含有しないノントルエン系溶剤のインキが好まれる。一方、食品メーカーやコンバーターなどからは包装物の多様化、包装技術の高度化に伴い、印刷インキに対して高度の品質が要求されている。
フィルム基材への表刷り印刷の分野においてのグラビアインキに求められる特性としては、包装袋の最外面に印刷層が形成されるため、インキそのものの印刷適性に加えて印刷層の被膜物性が重要となる。特には基材への密着性と耐擦傷性の高いレベルでの両立が求められる。一般的に表刷り印刷用グラビアインキはポリプロピレン基材などのポリオレフィン基材、特殊な基材では防曇基材などが知られている。当該基材は種類ごとに極性、親水性、硬さ、更には延伸基材と未延伸基材など様々なので、あらゆる基材において一様に接着性や被膜特性を得ることが難しく、それらを同時に高いレベルで耐擦傷性および基材への接着性を両立して維持するには困難を伴うものであった。
そこで、特許文献1などではポリアミド樹脂とセルロース樹脂をバインダーとする印刷インキが開示されているが、ポリアミド樹脂を主なバインダーとするインキはインキ被膜が脆いため、印刷機のガイドロールとの摩擦によりインキが転移し、印刷物の外観を損ねてしまう問題があった。そこで特許文献2のようにポリウレタン系で高速印刷に適したインキが提案され、更には高速印刷かつ耐ブロッキング性を改善したポリウレタン系グラビアインキでは、キレート化剤、アミドワックス成分を使用することが例示されている(特許文献3、4、5)。また、特許文献6では網点再現性、接着性と臭気に優れた紙用グラビアインキが例示されている。しかしながら、印刷性能や物性は更に高レベルなものが必要とされており、印刷適性、インキ被膜物性を満足するものは未だ発明されていない。
特開平9−296143号公報 特開2012−012597号公報 特開2013‐127038号公報 特開2015−205993号公報 特開2016−043600号公報 特開2014−058653号公報
本発明は基材の表面処理の有無や延伸の有無が異なる基材においても耐擦傷性および接着性を両立することができ、かつ印刷適性の優れた有機溶剤系グラビアインキを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下に記載のグラビアインキを用いることで上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
顔料、バインダー樹脂、炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィン樹脂を含有し、下記(1)および(2)を満たす、有機溶剤系グラビアインキに関する。
(1)炭化水素系ワックスのJIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が0.5〜12であり、炭化水素系ワックスをグラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
(2)塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は5,000〜100,000であり、グラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
また、本発明は、表刷り印刷用である、前記有機溶剤系グラビアインキに関する。
また、本発明は、バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を含有する、前記有機溶剤系グラビアインキに関する。
また、本発明は、バインダー樹脂は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂およびロジン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、前記有機溶剤系グラビアインキに関する。
また、本発明は、更に、金属キレートを含有する、前記有機溶剤系グラビアインキに関する。
また、本発明は、基材上に、前記有機溶剤系グラビアインキからなる印刷層を有する印刷物に関する。
本発明により、基材の表面処理の有無や延伸の有無が異なる基材においても耐擦傷性および接着性を両立することができ、かつ印刷適性の優れた有機溶剤系グラビアインキを提供することができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明の有機溶剤系グラビアインキは以下、単に「グラビアインキ」または「インキ」と略記する場合があるが同義である。また、有機溶剤系グラビアインキが印刷された層は「印刷層」、「インキ層」または「インキ被膜」と記載する場合があるが同義である。
本明細書において、「表刷り」とは、プラスチック基材に印刷した場合、インキ層側からみて印刷模様や絵柄が確認できる印刷方法をいう。なお、包装袋とした場合は袋の外面がインキ層となる。
本発明の一実施態様は、顔料、バインダー樹脂、炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィン樹脂を含有し、有機溶剤系グラビアインキであって下記(1)および(2)を満たすものである。
(1)炭化水素系ワックスのJIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が0.5〜12であり、炭化水素系ワックスをグラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
(2)塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は5,000〜100,000であり、グラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
本発明者らは、グラビアインキ100質量%(総量)中に、JIS K 2207における
硬度(針入度)が0.5〜12である炭化水素系ワックスを0.1〜2.5質量%含有、および重量平均分子量は5,000〜100,000である塩素化ポリオレフィン樹脂を0.1〜2.5質量%含有することで、異なる性質の基材であっても耐擦傷性と接着性を両立できることを見出した。また炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィンの組み合わせにより印刷適性が良好であることを見出した。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂とは本発明のグラビアインキにおける結着樹脂をいい、有機溶剤に可溶な熱可塑性樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂はガラス転移温度が−60℃以上40℃未満である樹脂と、ガラス転移温度が40℃以上200℃以下である樹脂とを併用することが好ましい。更に好ましくは、ガラス転移温度が−50℃〜0℃である樹脂と、ガラス転移温度が50℃〜190℃である樹脂とを併用することである。なお、本明細書においてガラス転移温度とは、示差走査熱量計(DSC)における測定値である。
バインダー樹脂の例としては、以下に限定されるものではないが、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル系共重合樹脂、ロジン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ダンマル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、ポリアセタール樹脂、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、バインダー樹脂には塩素化ポリオレフィン樹脂は含まれないものとする。
上記の中でも、ポリウレタン系樹脂および/またはポリアミド樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂総量中、ポリウレタン系樹脂および/またはポリアミド樹脂を合計で30〜95質量%含有することが好ましい。基材への接着性が良好となるためである。バインダー樹脂は、更にセルロース系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、およびロジン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有することが好ましい。耐ブロッキング性が良好となるためである。
また、バインダー樹脂は少なくとも2種の樹脂を含有することが好ましい。好ましくは、ポリウレタン樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂/セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂/セルロース系樹脂、から選ばれるいずれかの組み合わせであり、バインダー樹脂100質量%中、前記組み合わせ2種の樹脂を合計で70〜100質量%含むことが好ましく、さらに好ましくは90〜100質量%である。
更に、ポリウレタン樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂/セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂/セルロース系樹脂、は、それぞれ質量比で95/5〜30/70であることが好ましい。より好ましくは質量比で90/10〜50/50である。この配合比および組み合わせのとき、後述する炭化水素系ワックスを併用することにより、印刷層の耐ブロッキング性および接着性が向上する。
また更に塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、ダンマル樹脂、ケトン樹脂および環化ゴムなどを含有することが好ましいが、これらに限定されない。
<ポリウレタン樹脂>
ポリウレタン樹脂は、重量平均分子量が10,000〜100,000のものが好ましく、ガラス転移温度が0℃以下であることが好ましい。−60℃〜0℃であることがなお好ましく、−40〜−5℃であることが更に好ましい。炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィン樹脂との親和性が良好となるためである。
また、ポリウレタン樹脂は、アミン価および/または水酸基価を有するものが好ましく、アミン価は0.5〜30mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1〜20mgKOH/gである。また、水酸基価は0.5〜30mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは1〜20mgKOH/gである。上記範囲であると、基材への接着性が向上する。
ポリウレタン樹脂は、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、その含有量の合計は、ポリウレタン樹脂固形分100質量%中、5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%であり、更に好ましくは10〜50質量%である。
ポリウレタン樹脂は特に制限はなく、公知の方法により適宜製造される。ポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂や、ポリオールとポリイソシアネートからなる末端イソシアネートのウレタンプレポリマーと、アミン系鎖延長剤を反応させることにより得られるポリウレタン樹脂などが好ましい。製造方法としては例えば、特開2013−256551号公報に記載の方法などが挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。好ましくはポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールである。
ポリエーテルポリオールは、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリトリメチレングリコールなどが挙げられる。数平均分子量は200〜5000であることが好ましい。数平均分子量は、末端を水酸基として水酸基価から計算するものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1× 水酸基の価数/水酸基価
ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとのエステル化反応により得られる縮合物等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシル
ジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
ジオールは、なかでも分岐構造を有するジオールが好ましい。分岐構造とは、ジオールに
含まれるアルキレン基の水素原子の少なくとも1つがアルキル基によって置換された、アルキル側鎖を有するジオールを意味し、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは、印刷適性、印刷効果、耐ブロッキング性を向上させるため特に好ましい。
これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、二塩基酸としてはセバシン酸、アジピン酸が特に好ましい。また、ヒドロキシル基を3個以上有するポリオール、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは200〜5000である。数平均分子量は、前記(式1)により求めることが可能である。
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましい。脂環族ジイソシアネートとしてはイソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水素添加キシリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが好ましい。これらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていてもよい。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体である。
アミン系鎖延長剤としては、以下に限定されるものではないが、分子量500以下が好ましく、ジアミン系、多官能アミン系等が挙げられる。ジアミン系鎖延長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、p−フェニレンジアミンなどが挙げられ、他に、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンなどの水酸基を有するジアミン系鎖延長剤も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
<ポリアミド樹脂>
ポリアミド樹脂は以下に限定されるものではないが、好ましくは多塩基酸と多価アミンとを重縮合して得ることができる有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリアミドである。特に、重合脂肪酸および/またはダイマー酸を含有する酸成分と、脂肪族および/または芳香族ポリアミンの反応物を含むポリアミド樹脂であることが好ましく、更には一級および二級モノアミンを一部含有するものが好ましい。
ポリアミド樹脂の原料で使用される多塩基酸としては、以下に限定されるものではないが、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、スベリン酸、グルタル酸、フマル酸、ピメリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、トリメリット酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、重合脂肪酸などが挙げられ、その中でもダイマー酸あるいは重合脂肪酸に由来する構造を主成分(ポリアミド樹脂中に50質量%以上)含有するポリアミド樹脂が好ましい。ここで、重合脂肪酸とは、不飽和脂肪酸脂肪酸の環化反応等により得られるもので、一塩基性脂肪酸、二量化重合脂肪酸(ダイマー酸)、三量化重合脂肪酸等を含むものである。なお、ダイマー酸あるいは重合脂肪酸を構成する脂肪酸は大豆油由来、パーム油由来、米糠油由来など天然油に由来するものを好適に挙げることができ、オレイン酸およびリノール酸から得られるものが好ましい。
多塩基酸には、モノカルボン酸を併用することもできる。併用されるモノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
多価アミンとしては、ポリアミン、一級または二級モノアミンなど挙げることができる。ポリアミド樹脂に使用されるポリアミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミンを挙げることができ、脂環族ポリアミンとしては、シクロヘキシレンジアミン、イソホロンジアミン等を挙げることができる。また、芳香脂肪族ポリアミンとしてはキシリレンジアミン、芳香族ポリアミンとしてはフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等を挙げることができる。さらに、一級及び二級モノアミンとしては、n−ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどを挙げることができる。
また、ポリアミド樹脂は軟化点が80〜140℃であることが好ましく、当該範囲においてインキ被膜が強くなる。また、ポリアミド樹脂の溶解性の観点から重量平均分子量は2,000〜50,000の範囲であることが好ましい。2,000〜10,000であることがなお好ましい。軟化点が80℃以上の場合は、印刷物のインキ被膜の表面タック切れが良好となり、ブロッキングを防ぐ。軟化点が140℃以下の場合はインキ被膜が柔軟となり基材への接着性が向上する。重量平均分子量の範囲はとしては2,000以上の場合はインキの被膜強度が良好となり、耐擦傷性、耐熱性、高速印刷適性が向上する。分子量が50,000以下の場合はインキの粘度が低粘度化でき、貯蔵安定性が良好となる。なお、軟化点はJISK2207(環球法)で測定された値を表す。
<セルロース系樹脂>
セルロース系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはニトロセルロースである。分子量としては重量平均分子量で5,000〜200,000のものが好ましく、10,000〜50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃〜180℃であるものが好ましい。ポリウレタン樹脂またはポリアミド樹脂との併用で耐ブロッキング性、耐擦傷性その他のインキ被膜物性が向上するためである。
(ニトロセルロース)
上記ニトロセルロースは、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましく、平均重合度20〜200、更には30〜150の範囲のものが好ましい。平均重合度が20以上の場合、インキ被膜の強度が向上し、耐擦傷性が向上するため好ましい。又、平均重合度が200以下の場合、溶剤への溶解性、インキの低温安定性、併用樹脂との相溶性が向上するため好ましい。また、窒素分は10.5〜12.5質量%であることが好ましい。
<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000のものが好ましく、10,000〜70,000が更に好ましい。塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1〜30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70〜95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐擦傷性等が良好となる。
また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応、変性反応あるいは共重合でビニルアルコール構造由来の水酸基を含むものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<ロジン系樹脂>
ロジン系樹脂は、ロジン骨格を有する樹脂であれば特に限定されないが、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステル、ロジンフェノール、重合ロジンなどが好ましい。軟化点(環球法による)が90〜200℃であることが好ましい。耐ブロッキング性を向上させるためである。またロジン系樹脂はポリウレタン樹脂と併用することが好ましい。
<炭化水素系ワックス>
炭化水素系ワックスは、硬度(針入度)が0.5〜12である炭化水素系ワックスをいう。以下に限定されるものではないが、ポリエチレンワックス、およびフィッシャー・トロプシュ・ワックス、パラフィンワックス、マイクロスタリンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でも、ポリエチレンワックスおよび/またはフィッシャー・トロプシュ・ワックスを含む炭化水素系ワックスが好ましい。当該炭化水素系ワックスはグラビアインキ中に0.1〜2.5質量%含有する。基材への接着性、耐擦傷性およびインキの経時安定性が両立するため0.3〜2.5質量%で含有することが好ましい。
炭化水素系ワックスの硬度(針入度)とは、JISK2207における測定値をいう。その値が0.5〜12(単位:10−1mm)の範囲内の場合、バインダー樹脂との親和性・相溶性が良好となり、更に塩素化ポリオレフィン樹脂との相乗効果で、各種基材に対する接着性および耐擦傷性が双方向上する。炭化水素系ワックスは、JISK7112(B法)に規定された23℃における密度が、900〜990kg/mであることが好ましい。更に好ましくは925〜990kg/mである。この密度範囲で適切な結晶性を示しバインダー樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂とより親和するためである。また、炭化水素系ワックスは、DSC測定における融点が90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜125℃である。炭化水素系ワックスの融点は、DSC昇温曲線における吸熱ピークのピークトップ(極小値)の融点を表す。
またグラビアインキ印刷層の光沢および印刷適性(例えばドクタースジ)が向上するため、平均粒子径が0.5〜12μmであることが好ましく、1〜10μmであることがなお好ましい。また、2〜8μmが更に好ましい。なお、炭化水素系ワックスにおける平均粒子径とは、レーザー回折・光散乱法での測定におけるD50の値を表す。
炭化水素系ワックスと、塩素化ポリオレフィン樹脂との質量比率は、炭化水素系ワックス:塩素化ポリオレフィン樹脂が90:10〜10:90であることが好ましく、より好ましくは85:15〜15:85である。
ポリエチレンワックスは、特に限定されるわけではないが、例えば、高密度重合ポリエチレン、低密度重合ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、および特殊モ
ノマー変性ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレンワックスは、JISK7112(B法)に規定された23℃における密度が、925〜990kg/mであることが好ましく、JISK6862に準拠して測定された140℃における溶融粘度が、50〜8000mPa・sであることが好ましい。また、ポリエチレンワックス(b1)は、酸価を有していてもよい。酸価を有する場合、酸価は0.5〜70mgKOH/gであることが好ましい。また、ポリエチレンワックス(b1)は、DSC測定における融点が90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜125℃である。
フィッシャー・トロプシュ・ワックスとは、フィッシャー・トロプシュ製法により一酸化炭素と水素を原料に製造されたワックスであり、ほぼ飽和の、分枝を有しない直鎖の分子構造からなる。その直鎖構造により、高融点、低粘度、硬質である。フィッシャー・トロプシュ・ワックスは長期間熱に晒されても劣化がほとんどなく、極めて高い熱安定性を示す。フィッシャー・トロプシュ・ワックスは、数平均分子量が400〜2000であることが好ましい。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックスは、JISK7112(B法)に規定された23℃における密度が、925〜990kg/mであることが好ましい。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックスは、酸価を有していてもよい。酸価を有する場合、好ましくは0.5〜50mgKOH/gである。また、フィッシャー・トロプシュ・ワックスは、DSC測定における融点が90〜130℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜120℃である。
炭化水素系ワックスのグラビアインキへの添加方法は特に制限は無く、インキの顔料分散工程において顔料、バインダー樹脂と共に炭化水素系ワックスを混合して分散してもよいし、あらかじめ炭化水素系ワックスを有機溶剤で分散したものをグラビアインキ中に添加して含有させてもよい。分散の方法は特に制限は無く、ディスパー、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
<塩素化ポリオレフィン樹脂>
本願における塩素化ポリオレフィン樹脂とは、水素原子の少なくとも一部が塩素原子により置換されたポリオレフィン樹脂をいう。塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量は、5,000〜100,000であるとバインダー樹脂との相溶性および炭化水素系ワックスとの親和性が良好である。5,000〜70,000であることがなお好ましく7,000〜50,000であることが更に好ましい。また、塩素化ポリオレフィン樹脂は基材への接着性向上するため、その塩素含有率が25〜45質量%であることが好ましい。なお、ノントルエン有機溶剤への溶解性の観点から、塩素含有率は26〜43質量%であることが更に好ましい。ここで、塩素含有率とは、塩素化ポリオレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%をいう。また、耐ブロッキング性とのバランスの観点から、塩素化ポリオレフィン樹脂はインキ100質量%中に0.1〜2.5質量%含有し、好ましくは0.2〜2.3質量%である。
本明細書において、塩素化ポリオレフィン樹脂とは、下記一般式(2)で示されるα−オレフィンの重合体の水素を塩素置換した構造を有するものが好ましい。
一般式(2)

CH=CH−R

(式中、Rは炭素数1以上のアルキル基である。)

塩素化ポリオレフィン樹脂は、柔軟性を持つアルキル基を分枝構造として有するため、低温下でも柔軟な樹脂であり、上記使用量にて基材接着性を向上させる。塩素化ポリオレフィン樹脂におけるポリオレフィン樹脂の構造は、特に制限はない。例えば、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系不飽和
炭化水素の単独重合体又は共重合体を含有する樹脂が好ましい。中でもポリプロピレン構造(すなわち塩素化ポリプロピレン構造)を含むものが特に好ましい。この場合、炭化水素系ワックスとの併用による相乗効果で各種基材への接着力が向上する。
<脂肪酸アミド>
本発明の有機溶剤系グラビアインキでは、更に脂肪酸アミドを含有することが好ましい。使用する脂肪酸アミドは、炭素数10〜25の脂肪族炭化水素基とアミド基を有するものが好ましい。脂肪酸アミドは、グラビアインキ中では溶解、あるいは分散されているが、印刷後にはインキ被膜の表面に配向し、滑り性を発現させて耐ブロッキング性を向上させると考えられる。
脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド(融点87℃)、パルミチン酸アミド(融点100℃)、ステアリン酸アミド(融点101℃)、ベヘン酸アミド(融点110℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(融点107℃)、オレイン酸アミド(融点75℃)、エルカ酸アミド(融点81℃)等が挙好ましい。脂肪酸アミドの含有量は、グラビアインキ100質量%中0.0.1〜2.5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
<顔料>
本発明のグラビアインキは、顔料を含む。バインダー樹脂と顔料の質量比率(バインダー樹脂/顔料)は99/1〜10/90であることが好ましい。更には80/20〜20/80であることがより好ましい。なお、顔料は、有機顔料、無機顔料、体質顔料のいずれでも使用は可能であるが、無機顔料では酸化チタンを含むもの、体質顔料としては、シリカ、硫酸バリウム、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好ましい。有機顔料では、有機化合物、有機金属錯体からなるものの使用が好ましい。ただし、当該顔料はニトロセルロースからなる被覆層を有するアルミニウム蒸着膜細片である場合を除く。
有機顔料は、以下の例には限定されないが、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。
本発明のグラビアインキにおける色相は、必要に応じて他の色相のグラビアインキ(基本色として、黄、紅、藍、墨、白の合計5色、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色、更に透明黄、牡丹、朱、茶、パール)と混合して使用してもよい。
一方、無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカなどの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは、白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングタイプまたはノンリーフィングタイプいずれでもよい。
顔料は、グラビアインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総質量に対して1〜50質量%、インキ組成物中の固形分質量比では10〜90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
<有機溶剤>
本発明のグラビアインキは、有機溶剤を含む。以下に限定されるものではないが、使用される有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤など公知の有機溶剤を使用でき、混合して使用してもよい。中でも炭化水素系ワックスを含有した場合のグラビアインキの経時安定性が良好となるため、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)が好ましく、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤を質量比50:50〜90:10で含有する混合有機溶剤がより好ましい。更にインキ100質量%中、5質量%以下の量でグリコールエーテル系有機溶剤を含んでよい。
<添加剤>
本発明のグラビアインキは、添加剤として従来公知のものを適宜含むことができ、グラビアインキの製造においては必要に応じて添加剤、例えば顔料誘導体、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、粘度調整剤、金属キレート、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、上記以外のワックス成分、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
<金属キレート>
本発明のグラビアインキには、金属キレートを使用することが好ましい。金属キレートとしてはチタンキレートが好ましい。例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテトナート、チタニウムテトラアセチルアセトナート、テトライソプロポキシチタン、チタニウムエチルアセトアセテテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、n−ブチルリン酸エステルチタン、プロパンジオキスチタンビス(エチルアセチルアセテート)などのチタンキレートを挙げることができる。金属キレートのなかでも、架橋反応後にアセチルアセトンを発生しない金属キレートが、環境上の観点から好ましい。
バインダー樹脂の有する活性水素と架橋するため、金属キレートの含有量はグラビアインキ中、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であればさらに好ましい。含有量が0.1質量%以上であると耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性が向上し、5質量%以下の場合は、インキの経時安定性が良好となる。これらの金属キレートを使用することによって、特にプラスチック基材や表面コートされた紙基材に対する接着性が高くなるとともに、形成されたインキ被膜の強度が向上する。
<グラビアインキの製造>
本発明のグラビアインキは、バインダー樹脂、炭化水素系ワックス等を液状媒体中に溶解および/または分散することにより製造することができる。例えば、顔料、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレンワックスおよび必要に応じて分散させておき、顔料分散体に、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンワックス分散体、必要に応じて有機溶剤、その他樹脂や添加剤などを配合することによりグラビアインキを製造することができる。また、グラビアインキの粘度や色味は分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。
なお、本発明に使用する炭化水素系ワックスは有機溶剤にあらかじめ微分散させておき、適宜グラビアインキの製造工程中に添加することが好ましい
分散機としては一般に使用される、例えばローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。サンドミルを用いて製造することが好ましい。
グラビアインキの粘度は、グラビアインキの経時安定性の観点から、B型粘度計での25℃における粘度が40〜500cpsの粘度範囲であることが好ましい。より好ましくは50〜400cpsである。この粘度範囲は、ザーンカップ#4での粘度が9秒〜40秒程度に相当する。なお、グラビアインキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば顔料、バインダー樹脂、有機溶剤などの量を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の有機顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
<印刷物>
基材上に、本発明のグラビアインキを用いて印刷した後、揮発成分を除去することによって印刷層を形成し、印刷物を得ることができる。印刷方法としてはグラビア印刷方式であり、例えば、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給され、塗布される。その後、オーブンによる乾燥によって被膜を定着することで得ることができる
<基材>
基材は特に限定されないが、フィルム基材であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル基材、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系基材、ナイロン基材、ポリアミド基材、ポリ塩化ビニル基材、ポリ塩化ビニリデン基材、セロハン基材などのフィルム基材、およびこれらの複合材料からなるフィルム基材が挙げられる。プラスチック基材は、コロナ処理されていてもよいし、未処理であってもよい。また、延伸された基材であってもよいし、未延伸の基材であってもよい。
基材は更にシリカ、アルミナ、アルミニウムなどの金属あるいは金属酸化物が蒸着されていても良く、更に蒸着面をポリビニルアルコールなどの塗料でコーティング処理を施されていてもよい。一般的に、印刷される基材表面はコロナ処理などの表面処理が施されている場合が多く、さらに予め防曇剤の塗工、練り込み、マット剤の表面塗工、練り込みなどプラスチックフィルムを加工して得られるフィルムも使用する事が可能である。
また、基材は、単層でもよいし、2つ以上の基材が積層された積層体(基材層)であってもよい。基材層を構成する基材は、同じでも異なっていてもよい。
防曇剤は界面活性剤が好ましく、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステルやエチレンオキサイド付加物などのイオン系界面活性剤を1種あるいは複数用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、部および%は、特に注釈の無い場合、それぞれ質量部および質量%を表わす。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(酸価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJISK0070に準じて以下の方法に従って求めた。
試料を0.5〜2g精秤した(試料固形分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、下記(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
(重量平均分子量)
重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
東ソー株式会社製TSKgelG5000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG4000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG3000HXL
東ソー株式会社製TSKgelG2000HXL
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用し、測定温度範囲−70〜250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づく吸熱開始温度と終了温度との中点をガラス転移温度とした。
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1]
数平均分子量700のポリプロピレングリコール(以下「PPG700」)200部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)127部、および酢酸エチル81.8部を窒素気流下にて80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)49.5部、2−エタノールアミン3部、酢酸エチル/イソプロパノール(以下「IPA」)=50/50(質量比)の混合溶剤803.9部を混合したものに、得られた末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価3.5mgKOH/g、水酸基価7.3mgKOH/g、重量平均分子量40000のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。ガラス転移温度は−32℃であった。
(合成例2)[ポリウレタン樹脂PU2]
アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとの反応により得られる数平均分子量1000のポリエステルポリオール(以下「PMPA」)150部、PPG700を50部、IPDI 103.4部、および酢酸エチル75.8部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を得た。次いでIPDA44.6部、酢酸エチル/IPA=50/50(質量比)の混合溶剤736.2部を混合したものに、上記末端イソシアネートウレタンプレポリマーの樹脂溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価9.5mgKOH/g、水酸基価0.0mgKOH/g、重量平均分子量50000のポリウレタン樹脂溶液PU2を得た。ガラス転移温度は−21℃であった。
(実施例1)[グラビアインキS1の作製]
バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂溶液PU1(固形分30%)を30部、炭化水素系ワックスとしてポリエチレンワックス(ハネウェル社製A−C400A)を固形分換算で0.8部、塩素化ポリプロピレン樹脂(日本製紙社製 製品名:370M 塩素含有率30% 固形分50%)を固形分換算で0.5部、藍顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4を10部、メチルエチルケトン(以下「MEK」)/酢酸n−プロピル(以下「NPAC」)/IPA=40/40/20(質量比)の溶液58.7部を混合し、アイガーミルで15分間分散し、グラビアインキS1を得た。
以下の実施例に用いた炭化水素系ワックスは表1−1に記載のものを用いた。また、比較例に用いた炭化水素系ワックスは表1−2に記載のものを用いた。なお、
・硬度(針入度)は、JIS K2207に従い、25℃において測定した。
・密度は、JIS K7112(B法)に従い、23℃において測定した。
・融点は、DSC(示差走査熱量測定測定)により融点を求めた。なお、測定機は株式会社リガク製 DSC8231を使用して求めた。(測定温度範囲25〜180℃、昇温速度10℃/分)
・平均粒子径は、炭化水素系ワックスに酢酸エチルを添加・分散した固形分10%の分散液を、レーザー回折・散乱法にて測定し、D50の値を平均粒子径とした。なお、D50
とは体積基準の累積分布におけるメジアン径を表す。なお、測定機はマイクロトラックベル社製 マイクロトラックMT3000IIを用いた。
(実施例2〜27)[グラビアインキS2〜S27の作成]
表2に記載された原料および配合に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、グラビアインキS2〜S27をそれぞれ得た。表中の略称は以下を表す。
・ポリアミドA:オレイン酸およびリノール酸を原料とするダイマー酸由来の構造単位を50質量%以上含有する、アミン価3.5mgKOH/gであるポリアミド樹脂 軟化点116℃ 重量平均分子量6,000(固形分30%イソプロパノール溶液)
・ソルバインTAO:日信化学社製 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 組成:塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=91/2/7(質量比)の共重合樹脂(固形分30%酢酸エチル溶液)ガラス転移温度78℃
・マルキードNo.5:荒川化学社製 ロジン変性マレイン酸樹脂 軟化点145℃(固形分30%酢酸エチル溶液)
・DLX5−8:ICI Novel enterprises社製 ニトロセルロース
窒素分12.0% ガラス転移温度150℃ (固形分30%イソプロパノール溶液)
・814B:日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 重量平均分子量18,000 塩素含有率41%
・370M:日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 重量平均分子量10,000 塩素含有率30%
・803LT:日本製紙社製 塩素化ポリオレフィン樹脂 重量平均分子量55,000 塩素含有率26.5%
・ラウリン酸アミド:脂肪酸アミド 融点99℃
(実施例28)<グラビアインキの印刷>
上記で得られたグラビアインキS1を、MEK/NPAC/IPA=40/40/20(質量比)からなる混合溶剤により、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈しヘリオ175線グラデーション版(版式コンプレスト グラデーション
100%〜3%)を備えたグラビア印刷機により、以下の基材(OPPの場合はコロナ放電処理面)に、印刷を印刷速度80m/分で行い、印刷物J1(OPP)、K1(CPP)を得た。
<基材>
・OPP:片面コロナ放電処理の2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学社製 FOR 厚さ25μm)
・CPP:コロナ処理無の未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(三井化学東セロ社製 CP−S厚さ30μm)
(実施例29〜54)
表2に記載されたグラビアインキS2〜S27について、表4に記載の印刷構成にて印刷を行い、印刷物J2〜J27(OPP)、K2〜K27(CPP)を得た。
(比較例1〜11)[グラビアインキT1〜T11の作製]
表3に示す原料を使用する以外は上記実施例1と同様の方法にてグラビアインキT1〜T11を得た。表中の略称は以下を表す。
・803M:日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 重量平均分子量16万 塩素含有率30% (スーパークロン803M)
(比較例12〜22)
表3に記載されたグラビアインキT1〜T11について、表5に記載の印刷構成にて実施例28と同様の方法で表刷り印刷を行い、印刷物JJ1〜JJ11(OPP)、KK1〜KK11(CPP)を得た。
<評価>
グラビアインキS1〜S27、T1〜T11、および印刷物J1〜J27(OPP)、印刷物K1〜K27(CPP)、印刷物JJ1〜JJ11(OPP)、印刷物KK1〜KK11(CPP)を用いて、以下の評価を行った。
<インキの経時安定性>
グラビアインキS1〜S27、T1〜T11についてそれぞれを密閉容器に入れ、40℃で10日間保存を行った。その後、粘度を測定して保存前との粘度変化を評価した。なお粘度の測定は25℃でザーンカップNo.4の流出秒数にて行った。なお、いずれのインキも保存前のB型粘度計における粘度は40〜500cps(25℃)の範囲内であった。
[判定基準]
5.粘度変化が2秒未満(良好)
4.粘度差が2秒以上5秒未満(実用可)
3.粘度差が5秒以上10秒未満(やや不良)
2.粘度差が10秒以上15秒未満(不良)
1.粘度差が15秒以上(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<ドクタースジ評価>
グラビアインキS1〜S27、T1〜T11についてドクタースジ評価を行った。なお、希釈溶剤はMEK:NPAC:IPA=40:40:20とし、粘度をザーンカップ#3で16秒(25℃)とし、印刷機における版の空転100m/分で60分後の、ドクタースジの面積を目視判定し、評価を行った。なおドクターブレードはセラミック製の市販品を使用して評価した。
なおドクタースジとは、回転する版からインキをドクターブレードで掻き取った際に、版上に回転方向で発生しうる、インキに由来する細いスジ状の印刷不具合をいう。
[判定基準]
5.ドクタースジが無い若しくは薄いドクタースジが1〜2本程度である(良好)
4.薄いドクタースジが3〜5本程度である(実用可)
3.薄いドクタースジが5〜10本である(やや不良)
2.濃いドクタースジが1〜3本である(不良)
1.濃いドクタースジが4本以上である(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<耐擦傷性>
印刷物J1〜J27(OPP)、印刷物K1〜K27(CPP)、印刷物JJ1〜JJ11(OPP)、印刷物KK1〜KK11(CPP)を用いて、印刷層表面を爪で3ヶ所を擦り、印刷層の傷つき度合を評価した。
[判定基準]
5.印刷層の傷つきなし(良好)
4.印刷層の傷はつかないが僅かに爪の跡が残る。(実用可)
3.印刷層の傷がつき、印刷層表面が僅かに抉れる。(やや不良)
2.印刷層の傷がつき、基材が僅かに見える。(不良)
1.印刷層の傷がつき、基材がはっきり見える。(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
<接着性>
印刷物J1〜J27(OPP)、印刷物K1〜K27(CPP)、印刷物JJ1〜JJ11(OPP)、印刷物KK1〜KK11(CPP)について、それぞれ印刷3時間後に、印刷面に幅12mmの粘着テープ(ニチバン社製 セロハンテープ)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷面の外観の状態を目視判定した。尚、判定基準は以下の通りとした。
[判定基準]
5.印刷面のインキ被膜が全く剥離しないもの(良好)
4.インキ被膜の剥離面積が1%以上5%未満であるもの(実用可)
3.インキ被膜の剥離面積が5%以上20%未満のもの(やや不良)
2.インキ被膜の剥離面積が20%以上50%未満のもの(不良)
1.インキ被膜が50%以上剥がれるもの(極めて不良)
なお、5、4は実用上問題がない範囲である。
本発明の有機溶剤系グラビアインキは、極性など表面性質が異なる基材、および延伸または未延伸の基材においても一様に耐ブロッキング性および接着性を満たし、特性を両立することができた。更に炭化水素ワックス粒子を含有した場合でもドクタースジなどが無く、印刷適性優れたグラビアインキを提供することができた。












Claims (6)

  1. 顔料、バインダー樹脂、炭化水素系ワックスおよび塩素化ポリオレフィン樹脂を含有し、下記(1)および(2)を満たす、有機溶剤系グラビアインキ。
    (1)炭化水素系ワックスのJIS K 2207で規定された25℃における硬度(針入度)が0.5〜12であり、炭化水素系ワックスをグラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
    (2)塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は5,000〜100,000であり、グラビアインキ総量中に0.1〜2.5質量%含有する。
  2. 表刷り印刷用である、請求項1に記載の有機溶剤系グラビアインキ。
  3. バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂および/またはポリアミド樹脂を含有する、請求項1または2に記載の有機溶剤系グラビアインキ。
  4. バインダー樹脂は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース系樹脂およびロジン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する、請求項1〜3いずれかに記載の有機溶剤系グラビアインキ。
  5. 更に、金属キレートを含有する、請求項1〜4いずれかに記載の有機溶剤系グラビアインキ。
  6. 基材上に、請求項1〜5いずれかに記載の有機溶剤系グラビアインキからなる印刷層を有する印刷物。



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