JP2019059825A - 高分子化合物、感光性組成物及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents

高分子化合物、感光性組成物及び有機薄膜トランジスタ Download PDF

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JP2019059825A JP2017184462A JP2017184462A JP2019059825A JP 2019059825 A JP2019059825 A JP 2019059825A JP 2017184462 A JP2017184462 A JP 2017184462A JP 2017184462 A JP2017184462 A JP 2017184462A JP 2019059825 A JP2019059825 A JP 2019059825A
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優季 横井
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Abstract

【課題】パターニング性を有し、かつ絶縁層に用いることでキャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを製造できる感光性組成物及び当該感光性組成物に有用な高分子化合物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、式(1)で表される繰り返し単位と、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位とを含む高分子化合物であり、前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、下記式(1)で表される繰り返し単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である高分子化合物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物、感光性組成物及び有機薄膜トランジスタに関する。
近年、有機薄膜トランジスタにおいて、絶縁層をパターニングすることが求められており、有機薄膜トランジスタの絶縁層に用いられる組成物として、感光性組成物が利用されている。
前記感光性組成物として、例えば、下記繰り返し単位(括弧の添え数字は繰り返し単位のモル分率を表す)を有する高分子化合物を含む感光性組成物が報告されている(特許文献1)。
Figure 2019059825
特開2013−125902号公報
前記特許文献1に記載の感光性組成物を用いた有機薄膜トランジスタにおいて、さらなるキャリア移動度の向上が求められており、キャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを提供できる感光性組成物及び当該感光性組成物に有用な高分子化合物が求められている。
本発明の目的は、パターニング性を有し、かつ絶縁層に用いることでキャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを製造できる感光性組成物及び当該感光性組成物に有用な高分子化合物を提供することにある。
即ち、本発明は、下記[1]〜[10]を提供する。
[1]下記式(1)で表される繰り返し単位と、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位とを含む高分子化合物であり、
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、下記式(1)で表される繰り返し単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である高分子化合物。
Figure 2019059825
(1)
(式(1)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、炭素原子数1〜20の2価の有機基、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、−NHCO−で表される基又は−NHCOO−で表される基を表す。これらの基のそれぞれ2つの結合手は、どちらがRが結合する炭素原子側に位置していてもよい。
は、酸により脱離しうる基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
n1は、1〜5の整数を表す。
n2は、1〜5の整数を表す。)
[2]前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位が、下記式(2)で表される繰り返し単位又は下記式(3)で表される繰り返し単位である、[1]に記載の高分子化合物。
Figure 2019059825
(2)
Figure 2019059825
(3)
(式(2)及び(3)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
は、炭素原子数1〜20の2価の有機基を表す。
Xは、酸素原子又は−NR−で表される基を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。)
[3]重量平均分子量が1,000以上15,000以下である、[1]又は[2]に記載の高分子化合物。
[4]前記高分子化合物が有する繰り返し単位の末端がカルボキシ基である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の高分子化合物。
[5][1]〜[4]のいずれか一つに記載の高分子化合物及び光酸発生剤を含む感光性組成物。
[6][5]に記載の感光性組成物及び有機溶媒を含むインク。
[7][5]に記載の感光性組成物の硬化物からなるレジスト膜。
[8][6]に記載のインクを対象材料に塗布し、膜を得る工程と、
得られた膜を加熱し有機溶媒を除去する工程と、
有機溶媒が除去された膜を露光する工程と、
露光された膜と現像液とを接触させて現像する工程と、
現像された膜を加熱し硬化させる工程とを含む、レジスト膜の製造方法。
[9][7]に記載のレジスト膜を含む、電子デバイス。
[10][7]に記載のレジスト膜を含む有機薄膜トランジスタ。
本発明によれば、パターニング性を有し、かつ絶縁層に用いることでキャリア移動度が高い有機薄膜トランジスタを製造できる感光性組成物及び当該感光性組成物に有用な高分子化合物を提供することができる。
ボトムゲートトップコンタクト型の有機薄膜トランジスタの構造を模式的に示す概略的な図である。 ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を模式的に示す概略的な図である。 トップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を模式的に示す概略的な図である。 トップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を模式的に示す概略的な図である。
次に、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。なお、参照される各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。説明に用いられる図面において、同様の構成要素については同一の符号を付して示し、重複する説明については省略する場合がある。また、本発明の実施形態にかかる構成は、必ずしも図面に示された配置で、製造されたり、使用されたりするわけではない。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「高分子化合物」は、ポリスチレン換算の数平均分子量が1,000以上である化合物を意味する。
「繰り返し単位」とは、高分子化合物中に2個以上存在する単位構造を意味する。
「アミノ基」とは、−NHで表される基を意味する。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子である。
「炭素原子数1〜20の1価の有機基」は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの態様であってもよく、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。
炭素原子数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素原子数1〜20の1価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜20の1価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数2〜20のアシル基、炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基及び炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
これらの基は、基中の水素原子が、炭素原子数1〜19のアルキル基、炭素原子数3〜19のシクロアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜19のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素原子数1〜20の1価の有機基は、好ましくは、炭素原子数1〜6の1価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜6の1価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜6の1価の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、炭素原子数2〜7のアシル基、炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基及び炭素原子数7〜20のアリールオキシカルボニル基である。
これらの基は、基中の水素原子が、炭素原子数1〜19のアルキル基、炭素原子数3〜19のシクロアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜19のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
炭素原子数1〜20の1価の有機基の具体例としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチニル基、シクロヘキシニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、トリル基、キシリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メチルナフチル基、ジメチルナフチル基、トリメチルナフチル基、ビニルナフチル基、エテニルナフチル基、メチルアントリル基、エチルアントリル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジル基などが挙げられる。
炭素原子数1〜20の1価の有機基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基が挙げられる。
炭素原子数1〜20のアルキル基は、置換基として、炭素原子数3〜19のシクロアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はフッ素原子を有していてもよい。
置換基を有する炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基が挙げられる。
炭素原子数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数3〜20のシクロアルキル基は、置換基として、炭素原子数1〜19のアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜19のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はフッ素原子を有していてもよい。
「炭素原子数1〜20の2価の有機基」は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの態様であってもよく、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。
炭素原子数1〜20の2価の有機基は、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、−NHCO−で表される基及び−NHCOO−で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基と、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基とを組み合わせた基であってもよい。
炭素原子数1〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素原子数1〜20の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜20の2価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜20の2価の脂環式炭化水素基及び炭素原子数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、並びにこれらの基を組み合わせた基が挙げられる。
これらの基は、基中の水素原子が、炭素原子数1〜19のアルキル基、炭素原子数3〜19のシクロアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜19のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
中でも、炭素原子数1〜20の2価の有機基としては、炭素原子数1〜6の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜6の2価の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素原子数3〜6の2価の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20の2価の芳香族炭化水素基が好ましい。
これらの基は、基中の水素原子が、炭素原子数1〜19のアルキル基、炭素原子数3〜19のシクロアルキル基、炭素原子数1〜19のアルコキシ基、炭素原子数3〜19のシクロアルコキシ基、炭素原子数6〜19の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
2価の脂肪族炭化水素基及び2価の脂環式炭化水素基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、シクロプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、シクロブチレン基、1−メチル−シクロプロピレン基、2−メチル−シクロプロピレン基、n−ペンチレン基、1−メチル−n−ブチレン基、2−メチル−n−ブチレン基、3−メチル−n−ブチレン基、1,1−ジメチル−n−プロピレン基、1,2−ジメチル−n−プロピレン基、2,2−ジメチル−n−プロピレン基、1−エチル−n−プロピレン基、シクロペンチレン基、n−ヘキシレン基、1−メチル−n−ペンチレン基、シクロヘキシレン基、1−メチル−シクロペンチレン基、2−メチル−シクロペンチレン基、3−メチル−シクロペンチレン基などが挙げられる。
炭素原子数6〜20の2価の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ジメチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、エチレンフェニレン基、ジエチレンフェニレン基、トリエチレンフェニレン基、プロピレンフェニレン基、ブチレンフェニレン基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチレン基、トリメチルナフチレン基、ビニルナフチレン基、エテニルナフチレン基、メチルアントリレン基、エチルアントリレン基などが挙げられる。
<高分子化合物>
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される繰り返し単位と、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位とを含む高分子化合物であり、
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、下記式(1)で表される繰り返し単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である高分子化合物である。
前記高分子化合物は、重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜20,000であることがより好ましく、1,000〜15,000であることがさらに好ましい。
前記高分子化合物は、直鎖状、分岐状、環状のいずれの態様であってもよい。
前記高分子化合物が有する繰り返し単位の末端は、カルボキシ基であることが好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位
Figure 2019059825
(1)
(式(1)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、炭素原子数1〜20の2価の有機基、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、−NHCO−で表される基又は−NHCOO−で表される基を表す。これらの基のそれぞれ2つの結合手は、どちらがRが結合する炭素原子側に位置していてもよい。
は、酸により脱離しうる基を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
n1は、1〜5の整数を表す。
n2は、1〜5の整数を表す。)
及びRは、互いに独立に、水素原子であることが好ましく、いずれも水素原子であることがより好ましい。
は、単結合が好ましい。
は、水素原子であることが好ましい。
n1は、1であることが好ましい。
n2は、1であることが好ましい。
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、
高分子化合物中の式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、パターニング性、及び有機薄膜トランジスタのキャリア移動度を高くするという観点から、3モル%以上20モル%未満であることが好ましく、5モル%以上19モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上18モル%以下であることがさらに好ましい。 高分子化合物に含まれる前記繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の製造時に使用される各繰り返し単位に対応する原料モノマーの使用量から求められる。
(酸により脱離しうる基)
式(1)中、Rは、酸により脱離しうる基を表す。式(1)中、−COORで表される基に対して酸が作用した場合には、Rが脱離して、−COOHで表される基が生成する。
としては、下記式(A1)で表される基及び下記(A2)で表される基(以下、本明細書において、それぞれ酸不安定基(A1)及び酸不安定基(A2)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 2019059825
式(A1)
(式(A1)中、
A1、RA2及びRA3は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数3〜20の脂環式炭化水素基を表し、RA1及びRA2は互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素原子数3〜20の環を形成してもよい。*は結合手を表す。)
A1、RA2及びRA3で表される脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式、並びに飽和及び不飽和のいずれでもよい。
単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基などが挙げられる。
多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基並びに下記に示す基などが挙げられる。
Figure 2019059825
A1、RA2及びRA3の脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基であることが好ましく、その炭素原子数は1〜16であるものが好ましい。
A1及びRA2が互いに結合して環を形成する場合、式(A1)で表される基として、例えば、下記に示す基が挙げられる。
Figure 2019059825
環を形成するRA1及びRA2の合計炭素原子数としては3〜12であることが好ましい。
酸不安定基(A1)を有する−COORの具体例は、
2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(A1)中、RA1及びRA2が互いに結合し、これらが結合する炭素原子とともにアダマンチル環を形成し、RA3がアルキル基である基)及び
1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(A1)中、RA1及びRA2がアルキル基であり、RA3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
酸不安定基(A1)が、炭素原子数5〜20の脂環式炭化水素基を含んでいることが好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーであって、酸不安定基(A1)を有するモノマー(以下、本明細書において、モノマー(A1)と記載することがある)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
これらの中でも、モノマー(A1)としては、4−ビニル安息香酸(2−メチルアダマンタン−2−イルエステル)、4−ビニル安息香酸(2−エチルアダマンタン−2−イルエステル)及び4−ビニル安息香酸(2−イソプロピルアダマンタン−2−イルエステル)が好ましい。
Figure 2019059825
(A2)
(式(A2)中、
A4及びRA5はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜12のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。但し、RA4とRA5とが共に水素原子を表すことはなく、RA4及びRA5の少なくとも一方はアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
A6は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。
A4とRA5とは、互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RA5と、RA6とは、互いに結合して、それらが結合する炭素原子及び酸素原子とともに環状エーテルを形成してもよい。*は結合手を表す。)
前記式(A2)において、RA4、RA5及びRA6がアルキル基を表す場合、前記アルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素原子数数1〜8であることが好ましく、炭素原子数1〜6であることがより好ましく、炭素原子数1〜4であることが更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
前記式(A2)において、RA4、RA5及びRA6がシクロアルキル基を表す場合、シクロアルキル基としては、炭素原子数3〜10であることが好ましく、炭素原子数4〜8であることがより好ましく、炭素原子数4〜6であることが更に好ましい。
A4、RA5又はRA6で表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
A4、RA5又はRA6で表される、前記アルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基及びアルコキシ基が例示できる。さらに、前記アルキル基は、置換基として炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよく、シクロアルキル基は、置換基として炭素原子数1〜10のアルキル基を有していてもよい。これらのアルキル基及びシクロアルキル基は、さらに置換基として前記ハロゲン原子、アリール基及びアルコキシ基を有していてもよい。
アルキル基が置換基としてハロゲン原子を有する場合、例えばRA4、RA5及びRA6はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、例えばRA4、RA5及びRA6はアラルキル基となる。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でも、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
前記アリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、炭素原子数6〜12のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
前記アルコキシ基としては、炭素原子数1〜6のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が更に好ましい。
前記式(A2)において、RA4、RA5及びRA6がアリール基を表す場合、前記アリール基は炭素原子数6〜12であることが好ましく、炭素原子数6〜10であることがより好ましい。前記アリール基は置換基を有していてもよく、前記置換基としては炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
A4とRA5とが結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びアダマンチル基等を挙げることができる。RA5とRA6とが結合した場合の環構造としては、例えばテトラヒドロフラニル基及びテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
前記式(A2)において、RA4及びRA5のいずれか一方が、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーであって、酸不安定基(A2)を有するモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
Figure 2019059825
ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位
ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の構造は、その原料となるモノマーの化学構造に基づく。
以下、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の原料となるモノマーの例を示す。
ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の原料となるモノマーの例としては、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基と不飽和結合とを分子内に有するモノマーが挙げられる。
ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基と不飽和結合とを分子内に有するモノマーは、イソシアナト基及びイソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基と不飽和結合とを分子内に有する化合物と、ブロック化剤とを反応させることにより製造することができる。不飽和結合としては、二重結合が好ましい。
分子内に二重結合とイソシアナト基とを有する化合物の例としては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2’−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
分子内に二重結合とイソチオシアナト基とを有する化合物の例としては、2−アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−(2’−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソチオシアネート等が挙げられる。
分子内に二重結合とブロック化イソシアナト基とを有するモノマーの例としては、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート、2−〔N−[1’、3’−ジメチルピラゾリル]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−アクリレート、2−〔N−[1’、3’−ジメチルピラゾリル]カルボキシアミノ〕エチル−アクリレート、2−〔[ビス(エトキシカルボニル)メチル]カルボニルアミノ〕−エチルメタクリレート、2−〔[ビス(エトキシカルボニル)メチル]カルボニルアミノ〕−エチルアクリレート等が挙げられる。
分子内に二重結合とブロック化イソチオシアナト基を有するモノマーとしては、2−アクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソチオシアネート、2−(2’−メタクリロイルオキシエチル)オキシエチルイソチオシアネート等が挙げられる。
ブロック化剤は、イソシアナト基及びイソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基と反応した後でも、170℃以下の温度での加熱又は電磁波照射により、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基から保護基を脱離させることができる化合物であることが好ましい。
ブロック化剤としては、例えば、アルコ−ル化合物、フェノ−ル化合物、活性メチレン化合物、メルカプタン化合物、酸アミド化合物、酸イミド化合物、イミダゾール化合物、尿素化合物、オキシム化合物、アミン化合物、イミン化合物、重亜硫酸塩、ピリジン化合物、ピラゾール化合物が挙げられる。これらのブロック化剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。好ましいブロック化剤としては、オキシム化合物、ピラゾール化合物が挙げられる。
以下に、適用しうるブロック化剤を具体的に示す。
アルコ−ル化合物の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
フェノール化合物の例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
活性メチレン化合物の例としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられる。
メルカプタン化合物の例としては、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
酸アミド化合物の例としては、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等が挙げられる。
酸イミド化合物の例としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
イミダゾール化合物の例としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
尿素化合物の例としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
オキシム化合物の例としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
アミン化合物の例としては、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。
イミン化合物の例としては、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
重亜硫酸塩の例としては、重亜硫酸ソーダ等が挙げられる。
ピリジン化合物の例としては、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
ピラゾール化合物の例としては、3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジエチルピラゾール等が挙げられる。
ブロック化イソシアナト基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)カルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルカルボニル)アミノ基、[ビス(エトキシカルボニル)メチル]カルボニルアミノ基、[ビス(メトキシカルボニル)メチル]カルボニルアミノ基、[(メトキシカルボニル)(エトキシカルボニル)メチル]カルボニルアミノ基等が挙げられる。
ブロック化イソチオシアナト基としては、例えば、O−(メチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−エチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−(1−メチルエチリデンアミノ)チオカルボキシアミノ基、O−[1−メチルプロピリデンアミノ]チオカルボキシアミノ基、(N−3,5−ジメチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3,5−ジエチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−プロピル−5−メチルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、(N−3−エチル−5−プロピルピラゾリルチオカルボニル)アミノ基、[ビス(エトキシカルボニル)メチル]チオカルボニルアミノ基、[ビス(メトキシカルボニル)メチル]チオカルボニルアミノ基、[(メトキシカルボニル)(エトキシカルボニル)メチル]チオカルボニルアミノ基等が挙げられる。
本発明の高分子化合物が有する、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基としては、ブロック化イソシアナト基が好ましい。
本発明の高分子化合物が有し得るブロック化イソシアナト基又はブロック化イソチアシアナト基を有する繰り返し単位は、下記式(2)で表される基又は下記式(3)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式(2)又は式(3)で表される繰り返し単位
Figure 2019059825
(2)
Figure 2019059825
(3)
(式(2)及び(3)中、
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
は、炭素原子数1〜20の2価の有機基を表す。
Xは、酸素原子又は−NR−で表される基を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。)
及びRは、互いに独立に、水素原子であることが好ましい。
Xは、酸素原子又は−NH−で表される基を表される基が好ましい。
は、酸素原子であることが好ましい。
は、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基又はn−ブチレン基が好ましい。
本発明の一実施形態では、前記式(2)中のR及びRは、それぞれ独立に、メチル基及びエチル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、他の実施形態では、前記式(3)中のR及びR11はメチル基であり、R10は水素原子であることが好ましい。
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、高分子化合物中の式(2)又は(3)で表される繰り返し単位の含有量は、薄膜トランジスタのキャリア移動度を高くするという観点から、0.1モル%以上29モル%以下であることが好ましく、1モル%以上20モル%以下であることがより好ましく、1モル%以上15モル%以下であることがさらに好ましく、1モル%以上8モル%以下であることが特に好ましい。
高分子化合物に含まれる前記繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の製造時に使用される各繰り返し単位に対応する原料モノマーの使用量から求められる。
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、高分子化合物中のブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の含有量は、有機薄膜トランジスタのキャリア移動度を高くするという観点から、0.1モル%以上29モル%以下であることが好ましく、1モル%以上20モル%以下であることがより好ましく、1モル%以上15モル%以下であることがさらに好ましく、1モル%以上8モル%以下であることが特に好ましい。
高分子化合物に含まれる前記繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の製造時に使用される各繰り返し単位に対応する原料モノマーの使用量から求められる。
本明細書において、高分子化合物が有するブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を「第1の官能基」と称することがある。第1の官能基に電磁波又は熱が作用すると、イソシアナト基及びイソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基(「第2の官能基」と称することがある)が生成し、生成した第2の官能基が活性水素と反応できるようになる。つまり、この第1の官能基は、電磁波又は熱が作用することによりブロック化剤に由来する保護基が脱離して、活性水素と反応する第2の官能基を生成することができる官能基である。
高分子化合物が、第1の官能基を有することにより、本発明の高分子化合物は、良好な貯蔵安定性を有する。
ここで、活性水素とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子のような炭素原子以外の原子に結合した水素原子をいう。
本発明の高分子化合物は、前記式(1)で表される繰り返し単位、並びに前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでもよい。
前記高分子化合物は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位以外に、それぞれ後述するヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位並びに/又は後述する式(4)で表される繰り返し単位を含んでもよい。
以下、前記高分子化合物が含み得る繰り返し単位について説明する。
ヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位
本発明の高分子化合物は、ヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含んで含んでもよい。前記高分子化合物は、ヒドロキシ基を有しカルボキシ基を有しない繰り返し単位を含んでいてもよく、カルボキシ基を有しヒドロキシ基を有しない繰り返し単位を含んでいてもよく、ヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。ヒドロキシ基を有しカルボキシ基を有しない繰り返し単位、カルボキシ基を有しヒドロキシ基を有しない繰り返し単位、並びにヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する繰り返し単位からなる群から選ばれる2種以上の繰り返し単位を含んでいてもよい。
前記高分子化合物に含まれるヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の原料となるモノマーの例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、8−ヒドロキシオクチルアクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシフェニルエチルアクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート、2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、カルボキシメチルアクリレート、2−カルボキシエチルアクリレート、2−カルボキシプロピルアクリレート、3−カルボキシプロピルアクリレート、2−カルボキシブチルアクリレート、4−カルボキシブチルアクリレート、6−カルボキシヘキシルアクリレート、8−カルボキシオクチルアクリレート、4−カルボキシメチルシクロヘキシルアクリレート、2−カルボキシ−1−メチルエチルアクリレート、2−カルボキシフェニルエチルアクリレート、3−カルボキシ−1−アダマンチルアクリレート、2−カルボキシシクロヘキシルアクリレート、3−カルボキシシクロヘキシルアクリレート、2−カルボキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、8−ヒドロキシオクチルメタクリレート、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−ヒドロキシフェニルエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、2−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、カルボキシメチルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、2−カルボキシプロピルメタクリレート、3−カルボキシプロピルメタクリレート、2−カルボキシブチルメタクリレート、4−カルボキシブチルメタクリレート、6−カルボキシヘキシルメタクリレート、8−カルボキシオクチルメタクリレート、4−カルボキシメチルシクロヘキシルメタクリレート、2−カルボキシ−1−メチルエチルメタクリレート、2−カルボキシフェニルエチルメタクリレート、3−カルボキシ−1−アダマンチルメタクリレート2−カルボキシシクロヘキシルメタクリレート、3−カルボキシシクロヘキシルメタクリレート、2−カルボキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−プロペン−1−オール、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−アリルフェノール、3−アリルオキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ安息香酸アリル、エチレングリコールモノアリルエーテル、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、6−アクリルアミドヘキサン酸、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、2,2−ビス(アリルオキシメチル)−1−ブタノール、1,3−ジアリルオキシ−2−プロパノール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−カルボキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート等が挙げられる。
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、
高分子化合物中のヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基とを有する繰り返し単位の含有量は、該高分子化合物を硬化した膜を含む有機薄膜トランジスタのキャリア移動度を高くするという観点から、
0.1モル%以上29モル%以下であることが好ましく、1モル%以上20モル%以下であることがより好ましく、1モル%以上15モル%以下であることがさらに好ましく、1モル%以上8モル%以下であることが特に好ましい。
高分子化合物に含まれる前記繰り返し単位の含有量は、高分子化合物の製造時に使用される各繰り返し単位に対応する原料モノマーの使用量から求められる。
(式(4)で表される繰り返し単位)
前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する高分子化合物は、下記式(4)で表される繰り返し単位を含んでいることが好ましい。
Figure 2019059825
(式(4)中、
20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
23は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
は、炭素原子数1〜20の2価の有機基、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、−NHCO−で表される基、又は−NHCOO−で表される基を表す。これらの基のそれぞれ2つの結合手は、どちらがR20が結合する炭素原子側に位置していてもよい。
n3は、0〜5の整数を表す。
n4は、0〜6の整数を表す。
が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
23が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。)
前記式(4)中、R20、R21及びR22は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記式(4)中、Rは、炭素原子数1〜20の2価の有機基又は−COO−で表される基であることが好ましい。炭素原子数1〜20の2価の有機基はメチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
前記式(4)中、n3は、0〜2の整数であることが好ましい。
前記式(4)中、n4は、0〜2の整数であることが好ましい。
前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、
高分子化合物中の前記式(4)で表される繰り返し単位の含有量は、該高分子化合物を硬化した膜の絶縁破壊強度を高めることができるという観点から、1モル%以上90モル%以下であることが好ましく、10モル%以上85モル%以下であることがより好ましく、30モル%以上80モル%以下であることがさらに好ましい。
前記式(4)で表される繰り返し単位の原料となるモノマーの例としては、スチレン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、2,4,5−トリメチルスチレン、ペンタメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、2−ビニルビフェニル、3−ビニルビフェニル、4−ビニルビフェニル、4−ビニル−p−ターフェニル、α−メチルスチレン、o−イソプロペニルトルエン、m−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,5−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロピルベンゼン、4−(メトキシメトキシ)スチレン、4−(メトキシエトキシメチルオキシ)スチレン、4−(1−エトキシエチルオキシ)スチレン、2−(メトキシメトキシカルボニル)スチレン、2−(メトキシエトキシメチルオキシカルボニル)スチレン、2−(1−エトキシエチルオキシカルボニル)スチレン、2−(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)スチレン、3−(メトキシメトキシカルボニル)スチレン、3−(メトキシエトキシメチルオキシカルボニル)スチレン、3−(1−エトキシエチルオキシカルボニル)スチレン、3−(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)スチレン、4−(メトキシメトキシカルボニル)スチレン、4−(メトキシエトキシメチルオキシカルボニル)スチレン、4−(1−エトキシエチルオキシカルボニル)スチレン、4−(テトラヒドロピラニルオキシカルボニル)スチレン、ベンジルメタクリレート、2−トリフルオロメチルスチレン、3−トリフルオロメチルスチレン、4−トリフルオロメチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2−フルオロ−α―メチルスチレン、3−フルオロ−α―メチルスチレン、4−フルオロ−α―メチルスチレン、4−フルオロ−β―メチルスチレン、4−トリフルオロメチル−α―メチルスチレン、4−フルオロ−2,6−ジメチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアクリレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルメタクリレート、2−フルオロベンジルアクリレート、2−フルオロベンジルメタクリレート、3−フルオロベンジルアクリレート、3−フルオロベンジルメタクリレート、4−フルオロベンジルアクリレート、4−フルオロベンジルメタクリレート、4−トリフルオロメチルベンジルアクリレート、4−トリフルオロメチルベンジルメタクリレート、3−(4−フルオロフェニル)−1−プロペン、3−ペンタフルオロフェニル−1−プロペン、3−(4―トリフルオロメチルフェニル)−1−プロペン、(4−フルオロフェニル)アクリレート、(4−フルオロフェニル)メタクリレート、ペンタフルオロフェニルアクリレート、ペンタフルオロフェニルメタクリレート、2−(ペンタフルオロフェニル)エチルアクリレート、2−(ペンタフルオロフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−フルオロフェニル)エチルアクリレート、2−(4−フルオロフェニル)エチルメタクリレート、N−(4−フルオロフェニル)アクリルアミド、N−(4−フルオロフェニル)メタクリルアミド、N−(ペンタフルオロフェニル)アクリルアミド、N−(ペンタフルオロフェニル)メタクリルアミド等が挙げられる。
その他の繰り返し単位
前記高分子化合物は、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位、前記ヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位、並びに前記式(4)で表される繰り返し単位以外の「その他の繰り返し単位」を含んでもよい。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル及びその誘導体、メタクリル酸エステル及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体、メタクリロニトリル及びその誘導体、アクリロニトリル及びその誘導体、有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体、フマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体、マレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、イタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体、有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体、マレイミド及びその誘導体、末端不飽和炭化水素及びその誘導体等、有機ゲルマニウム誘導体等が挙げられる。「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーとして記載する各誘導体は、ヒドロキシ基及びカルボキシ基を含まない。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるアクリル酸エステル類及びその誘導体としては、単官能のアクリレートや、多官能のアクリレートを使用することができる。
アクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−sec−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、2−シアノエチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアクリレート、1H、1H、3H−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H、1H、5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、1H、1H、9H−ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルアクリレート、1H、1H、3H−ヘキサフルオロブチルアクリレート等を挙げることができる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるメタクリル酸エステル類及びその誘導体としては、単官能のメタクリレート、多官能のメタクリレートを使用することができる。
メタクリル酸エステル及びその誘導体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−sec−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルメタクリレート、1H、1H、3H−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H、1H、5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H、1H、7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、1H、1H、9H−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチルメタクリレート、1H、1H、3H−ヘキサフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるアクリルアミド及びその誘導体の例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−tert-ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリンが挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるメタクリルアミド及びその誘導体の例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−tert-ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタアクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、
が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるアクリロニトリル及びその誘導体の例としては、アクリロニトリル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるメタクリロニトリル及びその誘導体の例としては、メタクリロニトリル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーである有機カルボン酸のビニルエステル及びその誘導体の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、アジピン酸ジビニル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーである有機カルボン酸のアリルエステル及びその誘導体の例としては、酢酸アリル、安息香酸アリル、アジピン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるフマル酸のジアルキルエステル及びその誘導体の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジベンジル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるマレイン酸のジアルキルエステル及びその誘導体の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジ−sec−ブチル、マレイン酸ジイソブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、マレイン酸ジベンジル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるイタコン酸のジアルキルエステル及びその誘導体の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジ−sec−ブチル、イタコン酸ジイソブチル、イタコン酸ジ−n−ブチル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジベンジル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーである有機カルボン酸のN−ビニルアミド誘導体の例としては、N−メチル−N−ビニルアセトアミド等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーであるマレイミド及びその誘導体の例としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーである末端不飽和炭化水素及びその誘導体の例としては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサン、塩化ビニル等が挙げられる。
「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーである有機ゲルマニウム誘導体の例としては、アリルトリメチルゲルマニウム、アリルトリエチルゲルマニウム、アリルトリブチルゲルマニウム、トリメチルビニルゲルマニウム、トリエチルビニルゲルマニウム等が挙げられる。
これらの「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーは、絶縁層に要求される特性に応じて適宜選択される。「その他の繰り返し単位」の原料となるモノマーとしては、メタクリル酸エステル及びその誘導体、アクリル酸エステル及びその誘導体、アクリロニトリル及びその誘導体、メタアクリロニトリル及びその誘導体並びに有機ゲルマニウム誘導体が好ましく、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル及びアリルトリメチルゲルマニウムがより好ましい。
本発明の高分子化合物の具体例を下記に示すが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
Figure 2019059825
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これらの式中、Rr1〜Rr12は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
<高分子化合物の製造方法>
高分子化合物は、例えば、前記式(1)で表される繰り返し単位の原料となるモノマー(重合性モノマー)と前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基を含む群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位の原料となるモノマー(重合性モノマー)と、要すればそれ以外の前記高分子化合物が含み得る繰り返し単位の原料となる他のモノマー(重合性モノマー)とを、光重合開始剤もしくは熱重合開始剤を用いて共重合させる方法により製造することができる。
末端にカルボキシ基を導入する方法は特に限定されないが、カルボキシ基を有する重合開始剤又は重合停止剤を用いる方法が挙げられる。
高分子化合物の製造に用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカルボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラキノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキノン又はチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられる。
高分子化合物の製造に用いられる熱重合開始剤としては、ラジカル重合の開始剤となるものであればよく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)4水和物等のアゾ化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等のケトンパーオキシド、イソブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド等のヒドロパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、トリス(tert−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキルパーオキシド、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネートが挙げられる。
カルボキシ基を有するラジカル重合開始剤としては4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)又は2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)4水和物が挙げられる。
<感光性組成物>
本発明の感光性組成物は、前記式(1)で表される繰り返し単位と、前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位とを含む高分子化合物と、光酸発生剤とを含有する。
本発明の感光性組成物は、増感剤及び高分子化合物を架橋させる際に通常用いられる添加剤などを含んでいてもよい。添加剤としては、架橋反応を促進するための触媒、レベリング剤、粘度調節剤、界面活性剤などが挙げられる。
前記高分子化合物は、感光性組成物全体に対し好ましくは80質量%以上99.99質量%以下であり、より好ましくは90質量%以上99.95質量%以下であり、さらに好ましくは95質量%以上99.9質量%以下であり、特に好ましくは97質量%以上99.7質量%以下である。
これに伴い、次段落以下に説明する光酸発生剤の含有率は、高分子化合物を基準として好ましくは0.01質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以上5質量%以下であり、特に好ましくは0.3質量%以上3質量%以下である。
<光酸発生剤>
光酸発生剤は、光を照射されることにより酸を発生する化合物である。光酸発生剤としては、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる。
光酸発生剤は、イオン系(イオンを有する光酸発生剤)と非イオン系(イオンを有しない光酸発生剤)とに分類されるが、いずれを用いてもよい。
イオン系光酸発生剤は、公知のカチオンと公知のアニオンとの組み合わせからなる光酸発生剤が挙げられ、オニウムカチオンを含むオニウム塩が代表的である。オニウム塩としては、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
非イオン系光酸発生剤は、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、リン酸エステル化合物、スルホンベンゾトリアゾール化合物などを用いることができる。
イオン系光酸発生剤であるスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムトリフリオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブチルフェニル・ジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが挙げられる。
イオン系光酸発生剤であるヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有複素環式化合物、ハロアルキル基含有炭化水素化合物が挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、スチリル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のs−トリアジン誘導体;1,10−ジブロモ−n−デカン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、市販品であるみどり化学社製のTAZ107、TAZ123などが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるジアゾメタン化合物の具体例としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−4−トリルスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタンなどが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるスルホン化合物としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物及びこれらの化合物のα−ジアゾ化合物が挙げられる。好ましいスルホン化合物の具体例としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェナシルスルホニル)メタン、4−クロロフェニル−4−トリルジスルホンなどが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるスルホン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホン酸エステル化合物などが挙げられる。
好ましい具体例としては、例えば、ベンゾイン−4−トリルスルホネート、ピロガロールトリス(メチルスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアンスリル−2−スルホネート、2,6−(ジニトロベンジル)フェニルルホネートなどが挙げられる。
イミノスルホン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、ベンジルモノオキシム−4−トリルスルホネート、ベンジルモノオキシム−4−ドデシルフェニルスルホネート、ベンジルモノオキシムヘキサデシルスルホネート、4−ニトロアセトフェノンオキシム−4−トリルスルホネート、4,4’−ジメチルベンジルモノオキシム−4−トリルスルホネート、4,4’−ジメチルベンジルモノオキシム−4−ドデシルフェニルスルホネート、ジベンジルケトンオキシム−4−トリルスルホネート、α−(4−トリルオキシ)イミノ−α−シアノ酢酸エチル、フリルモノオキシム−4−(アミノカルボニル)フェニルスルホネート、アセトンオキシム−4−ベンゾイルフェニルスルホネート、3−(ベンジルスルホニルオキシ)イミノアセチルアセトン、ビス(ベンジルモノオキサイド)ジオクチルナフチルジスルホネート、α−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノベンジルシアニド、α−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノ−4−メトキシベンジルシアニド(「PAI−101」、商品名、みどり化学(株)製)、α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ−4−メトキシベンジルシアニド(「PAI−106」、商品名、みどり化学(株)製)、5−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノ−5H−チオフェン−2−イリデン−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(「CGI−1311」、商品名、BASF製)などが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるカルボン酸エステル化合物の具体例としては、例えば、カルボン酸2−ニトロベンジル絵ステルなどが挙げられる。
非イオン系光酸発生剤であるスルホンイミド化合物の具体例としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−トリルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−トリルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−トリルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−トリルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミドなどが挙げられる。
<増感剤>
本発明の感光性組成物は、増感剤を含有してもよい。増感剤は、活性光線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。このため、増感剤を含有させることで、光酸発生剤の分解を促進させることができる。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物群に属しており、かつ350〜450nmの波長域に吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族化合物(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン化合物(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン化合物(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン化合物(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン化合物(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン化合物、オキソノール化合物、チアジン化合物(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン化合物(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン化合物(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン化合物(例えば、アントラキノン)、スクアリウム化合物(例えば、スクアリウム)、スチリル化合物、ベーススチリル化合物(例えば、2−[2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル]ベンゾオキサゾール)、クマリン化合物(例えば、7−ジエチルアミノ4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
<インク>
本発明の実施形態は、感光性組成物及び有機溶媒を含むインク(本明細書において、塗布溶液と記載することがある。)であってもよい。
有機溶媒としては、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテルなどのエーテル溶媒、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素溶媒、ペンテン等の不飽和炭化水素溶媒、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、シクロペンタノン、2−ヘプタノン及びアセトンなどのケトン溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートブチルアセテートなどのアセテート溶媒、2−エトキシエタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルムなどのハロゲン化物溶媒、並びにこれらの混合溶媒が挙げられる。
均一な塗布膜を形成しやすいという観点からは、常圧での沸点が100℃〜200℃である有機溶媒が好ましく、具体的には2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロペンタノン、2−エトキシエタノール等が挙げられる。
本発明のインクを後述の硬化膜の作製に用いる場合、該インクの総質量を100質量%として、該インクに含まれる有機溶媒の含有量は、30質量%〜95質量%であることが好ましい。
<硬化膜>
本発明の実施形態は、上述した本発明の感光性組成物の硬化物からなる膜(本明細書において、硬化膜と記載することがある。)であってもよい。
本発明の感光性組成物は、パターニング性に優れることから、硬化膜は、パターンが形成された膜(本明細書では、レジスト膜と記載することがある。)として得ることができる。
本発明の硬化膜の厚さは、好ましくは1nm〜100μm、より好ましくは10nm〜10μm、さらに好ましくは100nm〜5μmである。
本発明の硬化膜は、耐溶剤性に優れるため、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層として採用することで、有機薄膜トランジスタのキャリア移動度を効果的に向上させることができる。
本発明の感光性組成物は、硬化したときに絶縁性、封止性、密着性及び耐溶剤性に優れるため、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層及び保護層(オーバーコート層、アンダーコート層)の材料としても好適に用いることができる。
<硬化膜の製造方法>
本発明の硬化膜(レジスト膜)の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を含むことが好ましい。
(1)前記インクを対象材料に塗布し、膜を得る工程(塗布工程)
(2)得られた膜から有機溶媒を除去する工程(プリベーク工程)
(3)有機溶媒が除去された膜を露光する工程(露光工程)
(4)露光された膜と現像液とを接触させて現像する工程(現像工程)
(5)現像された膜を硬化させる工程(ポストベーク工程)
パターニングが不要な場合には、(4)の工程を実施せず、パターニングを有しない硬化膜を得てもよい。
レジスト膜を得る場合、(3)の工程と(4)の工程との間に、更に(3−2)加熱処理工程(PEB工程:ポストエクスポージャーベーク工程)を行うことが好ましい。
以下に各工程を順に説明する。
(1)(塗布工程)
インクを塗布する方法としては、スピンコート法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。対象材料にインクを塗布することで、膜を形成することができる。
塗布工程で用いる対象材料としては、例えば、シリコンウエハー、セラミックス基板又は有機系基板が挙げられる。セラミックス基板としては、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス若しくは石英ガラス等のガラス基板、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板又は炭化ケイ素基板が挙げられる。有機系基板としては、例えば、エポキシ基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムが挙げられる。
(2)(プリベーク工程)
(2)の工程では、上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱等により、有機溶媒を除去して乾燥膜を形成させる。加熱条件は、インク中の高分子化合物の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは40℃〜130℃で30〜600秒間の範囲、より好ましくは50℃〜120℃で30〜600秒間の範囲、さらに好ましくは60℃〜110℃で30〜600秒間の範囲で選択される。
これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を用いることができる。
温度と時間が上記範囲である場合、後述する(4)の工程を行う際にパターンの密着性がより良好で、且つ残渣もより低減できる傾向にある。
(3)(露光工程)
(3)の工程では、膜に所定のパターンの形状に合わせて光線を照射する。この工程では、活性光線の照射によって、光酸発生剤が分解して酸が発生する。そして、発生した酸の触媒作用により、乾燥膜中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、露光部にカルボキシ基を生成する。したがって、露光部における現像液への溶解性が向上する。
例えば、マスク(又はレティクル)に描かれた電子回路のパターンを、露光装置を使ってプリベーク後の乾燥膜に転写する。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レンズスキャナ、レーザー露光、など各種方式の露光機を用いることができる。また、いわゆる超解像技術を用いた露光をすることもできる。超解像技術としては、複数回露光する多重露光や、位相シフトマスクを用いる方法、輪帯照明法などが挙げられる。
露光装置が備える活性光線の光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、発光ダイオード(LED)光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)などの300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。露光量は1〜5000mJ/cm2であることが好ましく、より好ましくは10〜2000mJ/cm2であり、さらに好ましくは、50〜500mJ/cm2である。
(3−2)(PEB工程)
(3−2)の工程では、前記酸により脱離しうる基における脱保護反応(酸により脱離し得る基が脱離し、−COOHが生成する反応)を促進するために加熱処理を行う。加熱温度は、通常50℃〜150℃であることが好ましく、
より好ましくは70℃〜120℃である。
(4)(現像工程)
(4)の工程では、露光した乾燥膜と現像液とを接触させ、感光した領域又は未感光領域を溶解除去することにより、現像する。
現像の手法は液盛り法(パドル法)、シャワー法、ディップ法等の何れでもよい。
現像工程の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水、イソプロピルアルコールなどで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げる事ができる。
活性光線が照射された部分(以降、露光部という)と活性光線が照射されなかった部分(以降、未露光部という)の現像液に対する溶解速度の差である溶解コントラストが現像時に重要となる。溶解コントラストが大きくなる現像液を用いることで、低い活性光線の照射量で、微細なパターンを形成することが可能となる。
溶解コントラストは、現像液が含有する高分子化合物の良溶媒と貧溶媒との質量比を変えることにより調整することができる。
現像時間は、通常5秒〜500秒である。好ましくは、10秒〜300秒であり、より好ましくは、15秒〜200秒であり、さらに好ましくは、20秒〜100秒である。現像時間が短いと、残渣が残ることがあり、長いと、パターンが剥離することがある。
溶解コントラストは、高分子化合物のモノマー組成、分子量、必要に応じて実施される露光後ベーク条件(温度、時間)等により変わる為、現像液組成、現像時間及び現像温度は、適宜最適になるように調整する。
現像液としてアルカリ溶液又はアルコールが好ましく、アルカリ溶液がより好ましい。アルカリ溶液は、レジスト分野で用いられる各種のアルカリ溶液であればよい。アルカリ溶液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
アルカリ溶液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が挙げられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はコリンの少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、10質量%以下であることが好ましい。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、有機溶媒を添加することもできる。前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
アルカリ性水溶液において、前記有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましく、50容量%以下がより好ましく。30容量%以下がさらに好ましい。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等が挙げられる。
(5)(ポストベーク工程)
(5)の工程では、上記現像工程終了後、得られた膜に対し加熱工程(ポストベーク工程)を行い、膜を硬化させ感光性樹脂組成物の硬化物からなる層である絶縁層を形成する。加熱条件は、感光性組成物中の高分子化合物の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは100℃〜220℃で10分間〜180分間の範囲、より好ましくは100℃〜200℃で30分間〜120分間の範囲、さらに好ましくは120℃〜200℃で30分間〜120分間の範囲、特に好ましくは120℃〜180℃で30分間〜120分間の範囲で選択される。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を用いることができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、好ましくは100〜3000mJ/cm2が、より好ましくは100〜500mJ/cm2である。
本発明の樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。ポストベーク工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
<パターニング性の評価方法>
感光性組成物のパターニング性は、感光性組成物を用いて硬化膜(絶縁層)を製造する工程で、以下の測定をおこなうことで評価することができる。
(1)塗布工程及び(2)プリベーク工程の後の膜を分割し、(3)露光工程、(3−2)PEB工程及び(4)現像工程をおこなわず、ポストベーク工程を実施し、触針式膜厚計を用いて膜の厚さを測定し、d1とする。
また、前記分割した膜に、(3)露光工程(、(3−2)PEB工程)、(4)現像工程、及び(5)ポストベーク工程を実施し、触針式膜厚計を用いて未露光部及び露光部の膜の厚さを測定し、それぞれd2及びd3とする。
(d2/d1)×100の値を、(4)現像工程の後の未露光部の残膜率とする。
(d3/d1)×100の値を、(4)現像工程の後の露光部の残膜率とする。
パターニング性が良好であるとは、露光部の残膜率が低く、未露光部の残膜率が高いことを意味する。
<電子デバイス>
上述の硬化膜を含む電子デバイスについて説明する。本実施形態の感光性組成物は、低温で硬化させることができるため、当該感光性組成物を用いた硬化膜(レジスト膜)は、有機薄膜トランジスタ、有機LED、センサーなどの種々の電子デバイスに用いることができる。
当該組成物を用いた硬化膜(レジスト膜)を含む電子デバイスとしては、有機薄膜トランジスタが好適である。有機薄膜トランジスタは、当該硬化膜(レジスト膜)を、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁層として含むことが好適である。
有機薄膜トランジスタは、例えば、本発明の感光性組成物を硬化した膜であるゲート絶縁層に加え、さらに本発明の感光性組成物を硬化した膜を保護層として備えていてもよい。
以下、本発明の硬化膜を含む有機薄膜トランジスタについて説明する。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明の有機薄膜トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、上記本発明の硬化膜からなるゲート絶縁層とを有する。
<ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極>
ゲート電極を構成する材料、ソース電極を構成する材料及びドレイン電極を構成する材料としては、クロム、金、銀、アルミニウム等が挙げられる。
<有機半導体層>
有機薄膜トランジスタが備える有機半導体層は、有機半導体化合物を含有する層である。
有機半導体層の材料である有機半導体化合物としては、π共役ポリマーが広く用いられ、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリアリルアミン類、フルオレン類、ポリカルバゾール類、ポリインドール類、ポリ(p−フェニレンビニレン)類などを用いることができる。
また、有機半導体層の材料である有機半導体化合物としては、有機溶媒への溶解性を有する低分子化合物を用いることもできる。このような低分子化合物としては、例えば、ペンタセンなどの多環芳香族の誘導体、フタロシアニン誘導体、ペリレン誘導体、テトラチアフルバレン誘導体、テトラシアノキノジメタン誘導体、フラーレン類、カーボンナノチューブ類などが挙げられる。このような低分子化合物の例としては、具体的には、9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジ(エチレンボロネート)と5,5’−ジブロモ−2,2’−バイチオフェンとの縮合物等が挙げられる。
有機半導体化合物としては、例えば、下記式で表される構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2019059825
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<ゲート絶縁層>
本発明の有機薄膜トランジスタが備えるゲート絶縁層は、前記感光性組成物又はその硬化物からなる膜からなる。
<その他の層>
有機薄膜トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極以外に、保護層及び基板などを備えてもよい。
有機薄膜トランジスタを保護するため、有機薄膜トランジスタ上に保護層を形成することが好ましい。これにより、有機薄膜トランジスタが大気から遮断され、有機薄膜トランジスタの特性の低下を抑制することができる。また、有機薄膜トランジスタの上に駆動する表示デバイスを形成する場合、その形成工程における有機薄膜トランジスタへの影響も該保護層により低減することができる。
保護層を構成する化合物は、有機化合物であってもよく、無機化合物であってもよい。保護層を構成する化合物としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、SiON(x>0)等が挙げられる。本発明の感光性組成物の硬化物からなる膜を、保護層として使用することも可能である。
通常、薄膜トランジスタは、最下層に基板を備える。基板としては、プラスチックフィルム、ガラス板、シリコン板などが挙げられる。
<有機薄膜トランジスタの構造>
本発明の有機薄膜トランジスタは、ボトムゲート型構造であってもトップゲート型構造であってもよい。
有機薄膜トランジスタは、基板、有機半導体層及びゲート絶縁層がこの順で配置されるトップゲート型構造が好ましい。
ボトムゲート型構造を有する有機薄膜トランジスタとしては、ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ、ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタが挙げられる。
トップゲート型構造を有する有機薄膜トランジスタとしては、トップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ、トップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタが挙げられる。
(ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ)
図1は、本発明の一実施形態であるボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタ10は、基板1と、基板1の主表面に接合するように設けられたゲート電極2と、ゲート電極2を覆うように基板1に設けられたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3に接合しており、かつ基板1の厚さ方向に見たときに(平面視で)チャネル領域がゲート電極2と重なるように互いに離間させて設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5及びドレイン電極6に接合し、かつゲート絶縁層3に隣接して接合しており、ゲート電極2の直上を覆うように設けられた有機半導体層4と、有機半導体層4を覆うように設けられた保護層7とを、備えている。
ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタは、ゲート絶縁層3とゲート電極との間に、ゲート絶縁層3とは異なるゲート絶縁層をさらに設けてもよい。
(ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタ)
図2は、本発明の一実施形態であるボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタ10は、基板1と、基板1の主表面に接合するように設けられたゲート電極2と、ゲート電極2を覆うように基板1に設けられたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3に隣接して接合しており、ゲート電極
2の直上を覆うように設けられた有機半導体層4と、有機半導体層4に接合しており、かつ基板1の厚さ方向に見たときに(平面視で)チャネル領域がゲート電極2と重なるように互いに離間させて設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、有機半導体層4を覆うように設けられた保護層7とが、備えられている。
ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタは、ゲート絶縁層3とゲート電極2との間に、ゲート絶縁層3とは異なるゲート絶縁層をさらに設けてもよい。
(トップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタ)
図3は、本発明の一実施形態であるトップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタ10には、基板1と、基板1に接合しており、かつ基板1の厚さ方向に見たときに(平面視で)チャネル領域がゲート電極2と重なるように互いに離間させて設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5、ドレイン電極6及び基板に接合し、ゲート電極2の直下を覆うように設けられた有機半導体層4と、有機半導体層4に隣接するゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3に接合するように設けられたゲート電極2と、ゲート電極2を覆うように設けられた保護層7とを、備えている。
トップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタは、ゲート絶縁層3とゲート電極との間に、ゲート絶縁層3とは異なるゲート絶縁層をさらに設けてもよい。
(トップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタ)
図4は、本発明の一実施形態であるトップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの構造を示す模式断面図である。この有機薄膜トランジスタ10には、基板1と、基板1の主表面に接合するように設けられた有機半導体層4と、有機半導体層4に接合しており、かつ基板1の厚さ方向に見たときに(平面視で)チャネル領域がゲート電極2と重なるように互いに離間させて設けられたソース電極5及びドレイン電極6と、ソース電極5、ドレイン電極6及び有機半導体層4に接合し、ゲート電極2の直下を覆うように設けられたゲート絶縁層3と、ゲート絶縁層3に接合するように設けられたゲート電極2と、ゲート電極2を覆うように設けられた保護層7とを、備えている。
トップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタは、ゲート絶縁層3とゲート電極との間に、ゲート絶縁層3とは異なるゲート絶縁層をさらに設けてもよい。
本発明の有機薄膜トランジスタにおいて、ソース電極及びドレイン電極と、有機半導体層との間には、電子輸送性を有する低分子化合物、ホール輸送性を有する低分子化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、これらの金属と有機化合物との錯体、ヨウ素、臭素、塩素、塩化ヨウ素等のハロゲン、硫酸、無水硫酸、二酸化硫黄、硫酸塩等の酸化硫黄化合物、硝酸、二酸化窒素、硝酸塩等の酸化窒素化合物、過塩素酸、次亜塩素酸等のハロゲン化化合物、アルキルチオール化合物、芳香族チオール類及びフッ素化アルキル芳香族チオール類等の芳香族チオール化合物等からなる群より選ばれる1種以上を含む層が設けられていてもよい。
<有機薄膜トランジスタの製造方法>
有機薄膜トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。
基板1、ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6及び有機半導体層4は、従来公知の有機薄膜トランジスタの製造方法に通常使用される材料及び方法で構成すればよい。
(基板1の提供)
基板1としては樹脂基板又は樹脂フィルム、プラスチック基板又はプラスチックフィルム、ガラス基板、シリコン基板などが用いられる。
(ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6の製造方法)
ゲート電極2、ソース電極5及びドレイン電極6は、上述の材料を用いて、蒸着法、スパッタ法、インクジェット印刷法などの塗布法等の公知の方法により形成することができる。
(ゲート絶縁層3の製造方法)
ゲート絶縁層3には、既に説明した、硬化膜(レジスト膜)の製造方法と同様の方法で製造することができる。
ゲート絶縁層3の有機半導体層4側の表面には、自己組織化単分子層を形成してもよい。この自己組織化単分子層は、例えば、有機溶媒にアルキルクロロシラン化合物もしくはアルキルアルコキシシラン化合物を1〜10質量%溶解した溶液でゲート絶縁層3を処理することにより形成することができる。
自己組織化単分子層を形成するためのアルキルクロロシラン化合物としては、例えば、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン等が挙げられる。
自己組織化単分子層を形成するためのアルキルアルコキシシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
塗布する方法としては、スピンコート法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、インクジェット法等が挙げられる。塗布溶液は、必要に応じてレベリング剤、界面活性剤、硬化触媒等を含んでいてもよい。
当該有機溶媒としては、当該ゲート絶縁層を構成する材料を溶解させるものであれば特に制限はないが、好ましくは、常圧での沸点が100℃〜200℃のものである。当該有機溶媒としては、均一な塗布膜を形成しやすいという観点からは、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、2−エトキシエタノール等が挙げられる。積層時に他の層を溶解しにくいという観点からは、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、アセトンなどのケトン溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートブチルアセテートなどのアセテート溶媒、2−エトキシエタノールなどのアルコール溶媒が好ましい。
(有機半導体層4の製造方法)
有機半導体層4の形成工程は、例えば、前記有機半導体化合物に要すれば溶媒などを添加して有機半導体層4の形成用の塗布液を調製し、これを塗布し、塗布層を乾燥させることにより行う。ゲート絶縁層3を構成する感光性組成物に含まれる前記高分子化合物が芳香族炭化水素基を有する場合、感光性組成物と有機半導体化合物との親和性が良好である。それゆえ、上記塗布ステップ及び乾燥ステップによって、有機半導体層4とゲート絶縁層3との間に均一で平坦な界面を形成することができる。
有機半導体層4の形成工程に使用することができる溶媒としては有機半導体化合物を溶解又は分散させることができる溶媒であれば特に制限はない。このような溶媒としては、常圧での沸点が50℃〜200℃の溶媒が好ましい。このような溶媒の例としては、クロロホルム、トルエン、アニソール、2−ヘプタノン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。有機半導体層4の形成用の塗布液は、既に説明した絶縁層3の形成用の塗布液と同様に、公知のスピンコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法により基板1又はゲート絶縁層3上に塗布することができる。
(保護層の製造方法)
オーバーコート層7(保護層)は、既に説明したゲート絶縁層3の形成工程と同様にして、例えば、既に説明した本発明の感光性組成物を用いて形成することができる。また、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等で覆う方法等も挙げられる。
また、図示されていないアンダーコート層についてもオーバーコート層7と同様にして形成することができる。
(ボトムゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの製造方法)
本発明の一実施態様であるボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば以下の工程(I)〜工程(V)を含む方法により製造することができる。
(I) 基板の主表面にゲート電極を形成する工程、
(II) ゲート電極を覆うように、ゲート電極が設けられた基板の表面にゲート絶縁層を形成する工程、
(III)ゲート絶縁層上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程、
(IV) ソース電極及びドレイン電極にまたがり、ソース電極、ドレイン電極及びチャネル領域を含むゲート絶縁層を覆うように、有機半導体層を形成する工程、
(V) 有機半導体層を覆うよう保護層形成する工程。
(ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの製造方法)
本発明の一実施態様であるボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば以下の工程(I)〜工程(V)を含む方法により製造することができる。
(I) 基板の主表面にゲート電極を形成する工程、
(II) ゲート電極を覆うように、ゲート電極が設けられた基板の表面にゲート絶縁層を形成する工程、
(III)ゲート絶縁層上に、有機半導体層を形成する工程
(IV) 有機半導体層上にソース電極及びドレイン電極を形成する工程。
(V) 有機半導体層を覆うよう保護層形成する工程。
(トップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタの製造方法)
本発明の一実施態様であるトップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば以下の工程(I)〜工程(V)を含む方法により製造することができる。
(I) 基板上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程、
(II) ソース電極及びドレイン電極にまたがるように、基板上に有機半導体層を形成する工程、
(III)有機半導体層上に、ゲート絶縁層を形成する工程、
(IV) ゲート絶縁層上に、ゲート電極を形成する工程、
(V) ゲート電極と有機半導体層を覆うよう保護層形成する工程。
(トップゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタの製造方法)
本発明の一実施態様であるトップゲートボトムコンタクト型有機薄膜トランジスタは、例えば以下の工程(I)〜工程(V)を含む方法により製造することができる。
(I) 基板上に有機半導体層を形成する工程、
(II) 有機半導体層をまたぐように、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程、
(III)有機半導体層上に、ゲート絶縁層を形成する工程、
(IV) ゲート絶縁層上に、ゲート電極を形成する工程。
(V) ゲート電極とゲート絶縁層を覆うよう保護層形成する工程。
<有機薄膜トランジスタの用途>
本発明の有機薄膜トランジスタを用いて、有機薄膜トランジスタを含むディスプレイ用部材を製造することができる。また該有機薄膜トランジスタを含むディスプレイ用部材を用いて、ディスプレイ用部材を備えるディスプレイを製造することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、OFETセンサに用いることもできる。OFETセンサは、入力信号を電気信号に変換して出力する信号変換素子として有機薄膜トランジスタ(有機電界効果トランジスタ:OFET)を用いたセンサであり、電極、絶縁層及び有機半導体層のいずれかの構造中に、感応性機能又は選択性機能を付与したものである。OFETセンサとしては、例えば、バイオセンサ、ガスセンサ、イオンセンサ、湿度センサが挙げられる。
例えばバイオセンサは、上記のとおりの構成を有する有機薄膜トランジスタを備える。有機薄膜トランジスタは、チャネル領域及び/又はゲート絶縁層に、標的物質と特異的に相互作用するプローブ(感応性領域)を有している。標的物質の濃度が変化すると、プローブの電気的特性が変化することにより、バイオセンサとして機能させることができる。
被検試料中の標的物質を検出する方法としては、例えば、核酸、タンパク質等の生体分子、又は、人工的に合成した官能基を固相担体の表面に固定して、これらをプローブとして用いる方法が挙げられる。
この方法では、相補的な配列を有する核酸鎖の相互作用、抗原−抗体反応、酵素−基質反応、受容体−リガンドの相互作用等の物質同士又は官能基同士の特異的な親和性を利用して、標的物質を固相担体のプローブで捕捉する。そのため、標的物質に対して特異的な親和性を有する物質又は官能基が、プローブとして選択される。
プローブは、選択されたプローブの種類や固相担体の種類に応じた方法により、固相担体の表面に固定される。また、固相担体の表面でプローブを合成する(例えば、核酸伸長反応によりプローブを合成する。)こともできる。いずれの場合も、固相担体の表面に固定されたプローブと被検試料とを接触させ、適当な条件下で処理することにより、固相担体の表面でプローブ−標的物質複合体が形成される。有機薄膜トランジスタのチャネル領域及び/又はゲート絶縁層自体が、プローブとして機能してもよい。
ガスセンサは、上記のとおりの構成を備える有機薄膜トランジスタを備える。この場合の有機薄膜トランジスタにおいては、チャネル領域及び/又はゲート絶縁層が、ガス感応部として機能する。ガス感応部に被検知ガスが接触した際に、ガス感応部の電気的な特性(導電率、誘電率等)に変化が生じることにより、ガスセンサとして機能させることができる。
被検知ガスとしては、例えば、電子受容性ガス、電子供与性ガスが挙げられる。電子受容性ガスとしては、例えば、F、Cl等のハロゲンガス、窒素酸化物ガス、硫黄酸化物ガス、酢酸等の有機酸ガスが挙げられる。電子供与性ガスとしては、例えば、アンモニアガス、アニリン等のアミン類ガス、一酸化炭素ガス、水素ガスが挙げられる。
本発明の組成物を用いて形成された有機薄膜トランジスタは、圧力センサの製造に用いることもできる。圧力センサは、上記のとおりの構成を備える有機薄膜トランジスタを備える。この場合、有機薄膜トランジスタにおいては、チャネル領域及び/又はゲート絶縁層が、感圧部として機能する。感圧部に応力が加わった場合に、感圧部の電気的な特性に変化が生じることにより、感圧センサとして機能させることができる。
チャネル領域が感圧部として機能する場合、チャネル領域に含有される有機半導体の結晶性をより高めるため、有機薄膜トランジスタはさらに配向層を有していてもよい。配向層としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤を用いてゲート絶縁層に接合するように設けられた単分子層が挙げられる。
また、本発明の組成物を用いて形成された有機薄膜トランジスタは、電導度変調型センサの製造に用いることもできる。本発明の電導度変調型センサは、入力信号を電気信号に変換して出力する信号変換素子として電導度計測素子を用いたものであり、本発明の組成物を含有する膜、又は、本発明の組成物を含有する膜に、検出対象の入力に対する感応性機能又は選択性機能を付与したものである。電導度変調型センサは、検出対象の入力を、本発明の組成物の電導度の変化として検出する。電導度変調型センサとしては、例えば、バイオセンサ、ガスセンサ、イオンセンサ、湿度センサが挙げられる。
また、本発明の組成物を用いて形成された有機薄膜トランジスタは、バイオセンサ、ガスセンサ、イオンセンサ、湿度センサ、圧力センサ等の各種センサからの出力信号を増幅するための、有機薄膜トランジスタを含む増幅回路の製造に用いることもできる。
また、本発明の組成物を用いて形成された有機薄膜トランジスタは、バイオセンサ、ガスセンサ、イオンセンサ、湿度センサ、圧力センサ等の各種センサが複数個集積されたセンサアレイの製造に用いることもできる。
また、本発明の組成物を用いて形成された有機薄膜トランジスタは、バイオセンサ、ガスセンサ、イオンセンサ、湿度センサ、圧力センサ等の各種センサが複数個集積され、各センサからの出力信号を個別に増幅するための、有機薄膜トランジスタを含む増幅回路付きセンサアレイの製造に用いることもできる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。本発明は以下に説明する実施例に限定されない。
(分子量分析)
後述する高分子化合物Cの数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC、Waters社製、商品名:Alliance GPC 2000)を用いて求めた。測定される高分子化合物Cは、オルトジクロロベンゼンに溶解させ、GPCに注入した。GPCの移動相にはオルトジクロロベンゼンを用いた。カラムは、「TSKgel GMHHR−H(S)HT(2本連結、東ソー社製)」を用いた。検出器にはUV検出器を用いた。
高分子化合物C、高分子化合物(2−1)、高分子化合物(2−2)及び高分子化合物(2−3)の数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC、東ソー社製)を用いて求めた。GPCの移動相にはTHFを用いた。カラムは、「PLgel 10μm MIXED−B(1本、アジレント・テクノロジー社製)」を用いた。検出器にはUV検出器を用いた。
(パターニング性の評価)
感光性組成物を用いて膜(絶縁層)を製造し、パターニング性を評価した。
(1)塗布工程及び(2)プリベーク工程により膜を製造し、得られた膜を分割した。
分割した膜に対し、(3)露光工程及び(4)現像工程を実施せずに、ポストベーク工程を実施し、触針式膜厚計(DEKTAK(登録商標))を用いて膜の厚さを測定し、d1とした。
また、分割した膜に対し、(3)露光工程、(3−2)PEB工程、(4)現像工程、及び(5)ポストベーク工程を実施し、触針式膜厚計(DEKTAK(登録商標))を用いて未露光部及び露光部の膜の厚さを測定し、それぞれd2及びd3とした。
(d2/d1)×100の値を、現像工程の後の未露光部の残膜率とした。
(d3/d1)×100の値を、現像工程の後の露光部の残膜率とした。
4−ビニル安息香酸(テトラヒドロピラン−2−イルエステル)は特開2013−125902に記載の方法で合成した。
4−ビニル安息香酸(テトラヒドロフラン−2−イルエステル)は4−ビニル安息香酸(テトラヒドロピラン−2−イルエステル)の合成において3、4−2H−ジヒドロピランの代わりに2、3−ジヒドロフランを使用することで合成した。
合成例1(高分子化合物Cの合成)
下記のスキームに沿って、高分子化合物Cを合成した。
反応容器内の気体を窒素ガスで置換した後に、下記化合物B−1(286.8mg、0.200ミリモル)、下記化合物B−2(77.6mg、0.200ミリモル)、テトラヒドロフランを19mL、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを7.3mg及びトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレートを9.3mg加えて、撹拌した。得られた反応溶液に、3モル/Lのリン酸カリウム水溶液を1.0mL滴下し、3時間還流させた。得られた反応溶液に、フェニルボロン酸を24.4mg加えて、1時間還流させた。得られた反応溶液に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物を0.1g加えて、3時間還流させた。得られた反応溶液を水に注ぎ、トルエンを加え、トルエン層を抽出した。得られたトルエン溶液を、酢酸水溶液及び水で洗浄した後、シリカゲルカラムを用いて精製した。得られたトルエン溶液をアセトンに滴下したところ、析出物が得られた。得られた析出物を、アセトンを溶媒として用いてソックスレー洗浄し、下記式で表される繰り返し単位を含む高分子化合物Cを得た。高分子化合物Cの得量は244mgであり、ポリスチレン換算の数平均分子量は3.1×10であり、重量平均分子量は6.5×10であった。
Figure 2019059825
実施例1(高分子化合物(2−1)の合成)
スチレン(純正化学社製)3.615g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI−BM」)0.755g、4−ビニル安息香酸(テトラヒドロピラン−2−イルエステル)1.550g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−501」)0.499g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(東京化成工業株式会社製)57.77gを、125mL耐圧容器(ACE GLASS社製)に入れ、窒素ガスでバブリングした後、75℃のオイルバス中で6.5時間重合させて、下記式の繰り返し単位及び組成を有する高分子化合物(2−1)が溶解している粘稠なPGMEA溶液を得た。得られた高分子化合物(2−1)のポリスチレン換算の数平均分子量は4.2×10であり、重量平均分子量は7.3×10であった。
ポリマー中のスチレン単位:2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート単位:4−ビニル安息香酸(テトラヒドロピラン−2−イルエステル)単位は仕込み比率で78モル%:7モル%:15モル%であった。
Figure 2019059825
高分子化合物(2−1)
比較例1(高分子化合物(2−2)の合成)
スチレン(純正化学社製)2.559g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI−BM」)0.661g、4−ビニル安息香酸(テトラヒドロフラン−2−イルエステル)2.718.g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−501」)0.437g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(東京化成工業株式会社製)57.38gを、125mL耐圧容器(ACE GLASS社製)に入れ、窒素ガスでバブリングした後、75℃のオイルバス中で6時間重合させて、下記式の繰り返し単位および組成を有する高分子化合物(2−2)が溶解している粘稠なPGMEA溶液を得た。得られた高分子化合物(2−2)のポリスチレン換算の数平均分子量は6.0×10であり、重量平均分子量は10.7×10であった。
ポリマー中のスチレン単位:2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート単位:4−ビニル安息香酸(テトラヒドロフラン−2−イルエステル)単位は仕込み比率で63モル%:7モル%:30モル%であった。
Figure 2019059825
高分子化合物(2−2)
比較例2(高分子化合物(2−3)の合成)
スチレン(純正化学社製)3.025g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工社製、商品名「カレンズMOI−BM」)0.533g、4−ビニル安息香酸(テトラヒドロフラン−2−イルエステル)0.036g、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(和光純薬工業株式会社製、商品名「V−501」)0.352g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(東京化成工業株式会社製)35.51gを、125mL耐圧容器(ACE GLASS社製)に入れ、窒素ガスでバブリングした後、75℃のオイルバス中で6時間重合させて、下記式の繰り返し単位および組成を有する高分子化合物(2−3)が溶解している粘稠なPGMEA溶液を得た。得られた高分子化合物(2−3)のポリスチレン換算の数平均分子量は5.9×10であり、重量平均分子量は3.5×10であった。
ポリマー中のスチレン単位:2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート単位:4−ビニル安息香酸(テトラヒドロフラン−2−イルエステル)単位は仕込み比率で92.5モル%:7モル%:0.5モル%であった。
Figure 2019059825
高分子化合物(2−3)
実施例2(塗布溶液(a)の調製)
実施例1で得られた高分子化合物(2−1)のPGMEA溶液のうち59.76gをエバポレーターで濃縮し19.92gとした後、得られた溶液0.9978g、α−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノベンジルシアニド(PAI01:みどり化学株式会社製)0.0045gを、5mLのサンプル瓶に入れ、撹拌して溶解することにより均一な塗布溶液(a)を調整した。
比較例3(塗布溶液(b)の調製)
比較例1で得られた高分子化合物(2−2)のPGMEA溶液のうち59.48gをエバポレーターで濃縮し19.84gとした後、得られた溶液1.0024g、α−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノベンジルシアニド(PAI01:みどり化学株式会社製)0.0046gを、5mLのサンプル瓶に入れ、撹拌して溶解することにより均一な塗布溶液(b)を調整した。
比較例4(塗布溶液cの調製)
比較例2で得られた高分子化合物(2−3)のPGMEA溶液のうち35.26gをエバポレーターで濃縮し11.75gとした後、得られた溶液1.0001g、α−(4−トリルスルホニルオキシ)イミノベンジルシアニド(PAI01:みどり化学株式会社製)0.0045gを、5mLのサンプル瓶に入れ、撹拌して溶解することにより均一な塗布溶液(c)を調整した。
実施例3(有機薄膜トランジスタ(1)の作製及び評価)
まず、ガラス基板に対し、オゾンUVを照射した後、アルカリ洗浄液により洗浄し、純水によりリンスした。
次に、ガラス基板上に、スパッタリング法により、基板側からクロム、金の順で積層し、フォトリソグラフィによりパターニングすることで、ソース電極及びドレイン電極を形成した。このときのソース電極、及びドレイン電極のチャネル長は10μm、チャンネル幅は2mmとした。その後、2、3、5、6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルベンゼンチオールのイソプロピルアルコール希釈液に、ガラス基板を2分間浸漬することにより、ガラス基板上に形成した電極(特に金)の表面を修飾した。
続いて合成例1で得られた0.5質量%の高分子化合物Cのトルエン溶液をソース電極およびドレイン電極側にスピンコートし、ホットプレートを用いて150℃で7分間加熱処理することで、有機半導体層を形成した。
この有機薄半導体層の上に、実施例2で得られた塗布溶液(a)を、スピンコート法により塗布し、ホットプレート上で90℃で1分間乾燥した。次に、アライナー(Canon製;PLA−521)を用いて、マスクを使用することでソースドレイン以外の部分に180mJ/cmのUV光(波長365nm)を照射した。
次に、大気中、ホットプレート上で70℃で1分間焼成した。
次に、0.5%KOH水溶液に膜を室温で1分間浸漬して現像し、パターンが形成された膜を得た。
次に150℃で30分間加熱処理することで、ゲート絶縁層を形成した。形成されたゲート絶縁層の厚さは、540nmであった。
さらに、このゲート絶縁層上に、蒸着法によりアルミニウムを成膜して、ゲート電極を形成することで有機薄膜トランジスタ(1)を得た。
得られた有機薄膜トランジスタ(1)の特性を評価した。
具体的には、有機薄膜トランジスタ(1)のゲート電極に電圧を印加して、ソース・ドレイン間電圧Vsdを−30Vの条件で、ゲート電圧Vgを20V〜−40Vに変化させ、キャリア移動度を半導体パラメータアナライザー(4200−PA;Keithley製)を用いて測定し、評価した。
有機薄膜トランジスタ(1)のキャリア移動度は、0.38cm/Vsであった。結果を表1に表す。
比較例5(有機薄膜トランジスタ(2)の作製及び評価)
実施例2で得た塗布溶液(a)に代えて、比較例3で得た塗布溶液(b)を含む溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、有機薄膜トランジスタ(2)を作製し、キャリア移動度を測定した。キャリア移動度は、0.19cm/Vsであった。結果を表1に表す。
Figure 2019059825
実施例4
実施例2で得た塗布溶液(a)を孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、シリコン基板上にスピンコートした(塗布工程)後、ホットプレート上で90℃で1分間乾燥させ(プリベーク工程)、高分子化合物(2−1)を含む組成物からなる膜を得た。
次に、膜を分割した後、分割後の膜に、ライン/スペースが22μm/22μmのマスク及びアライナー(Canon製;PLA−521)を用いて、180mJ/cmのUV光(波長365nm)を照射した(露光工程)。
次に、大気中、ホットプレート上で70℃で1分間焼成した(PEB工程)。
次に、0.5%KOH水溶液に膜を室温で1分間浸漬して現像し(現像工程)、パターンが形成された膜を得た。
得られたパターンが形成された膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で30分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。
得られた絶縁層について、マスクどおりのパターンが得られたことを目視により確認できた。
得られた絶縁層の露光部の厚さ(d2)は、0nmであり、未露光部の厚さ(d3)は、899nmであった。
また、分割した膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で10分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。得られた絶縁層の厚さ(d1)を測定した。厚さ(d1)は、900nmであった。
未露光部の残膜率((d2/d1)×100)は、99.9%であり、露光部の残膜率((d3/d1)×100)は、0%であった。
比較例6
塗布溶液(a)に代えて比較例3で得られた塗布溶液(b)を用いた以外は、実施例4と同様にして塗布工程及びプリベーク工程の後の膜を得た。
次に、得られた膜を分割した後、実施例4と同様にして、露光工程及び現像工程、PEB工程を実施し、パターンが形成された膜を得た。
得られたパターンが形成された膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で30分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。
得られた絶縁層について、マスクどおりのパターンが得られたことを目視により確認できた。
得られた絶縁層の未露光部の厚さ(d2)は、901nmであり、露光部の厚さ(d3)は、0nmであった。
また、分割した膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で30分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。得られた絶縁層厚さ(d1)を測定した。厚さ(d1)は、901nmであった。
未露光部の残膜率((d2/d1)×100)は、100%であり、露光部の残膜率((d3/d1)×100)は、0%であった。
比較例7
塗布溶液(a)に代えて比較例4で得られた塗布溶液(c)を用いた以外は、実施例4と同様にして塗布工程及びプリベーク工程の後の膜を得た。
次に、得られた膜を分割した後、実施例4と同様にして、露光工程及び現像工程、PEB工程を実施し、パターンが形成された膜を得た。
得られたパターンが形成された膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で30分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。
得られた絶縁層について、マスクどおりのパターンが得られたことを目視により確認できた。
得られた絶縁層の未露光部の厚さ(d2)は、908nmであり、露光部の厚さ(d3)は、893nmであった。
また、分割した膜を、大気中、ホットプレート上で150℃で30分間焼成して(ポストベーク工程)絶縁層を得た。得られた絶縁層厚さ(d1)を測定した。厚さ(d1)は、910nmであった。
未露光部の残膜率((d2/d1)×100)は、99.8%であり、露光部の残膜率((d3/d1)×100)は、98.1%であった。
Figure 2019059825
表2及び表1から明らかなように、実施例1で作製した高分子化合物(2−1)はパターニング性を有し、当該高分子化合物を採用した有機薄膜トランジスタは、キャリア移動度が高かった。
1…基板、
2…ゲート電極、
3…ゲート絶縁層、
4…有機半導体層、
5…ソース電極、
6…ドレイン電極、
7…オーバーコート層(保護層)、
10…有機薄膜トランジスタ。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位と、ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位とを含む高分子化合物であり、
    前記高分子化合物に含まれる全ての繰り返し単位の合計含有量を100モル%として、下記式(1)で表される繰り返し単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である高分子化合物。
    Figure 2019059825
    (1)
    (式(1)中、
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
    は、単結合、炭素原子数1〜20の2価の有機基、−O−で表される基、−CO−で表される基、−COO−で表される基、−NHCO−で表される基又は−NHCOO−で表される基を表す。これらの基のそれぞれ2つの結合手は、どちらがRが結合する炭素原子側に位置していてもよい。
    は、酸により脱離しうる基を表す。
    は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
    が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
    が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
    が複数個ある場合、それらは互いに異なっていてもよい。
    n1は、1〜5の整数を表す。
    n2は、1〜5の整数を表す。)
  2. 前記ブロック化イソシアナト基及びブロック化イソチオシアナト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する繰り返し単位が、下記式(2)で表される繰り返し単位又は下記式(3)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2019059825
    (2)
    Figure 2019059825
    (3)
    (式(2)及び(3)中、
    、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
    は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
    〜R11は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。
    は、炭素原子数1〜20の2価の有機基を表す。
    Xは、酸素原子又は−NR−で表される基を表す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜20の1価の有機基を表す。)
  3. 重量平均分子量が1,000以上15,000以下である、請求項1又は2に記載の高分子化合物。
  4. 前記高分子化合物が有する繰り返し単位の末端がカルボキシ基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の高分子化合物及び光酸発生剤を含む感光性組成物。
  6. 請求項5に記載の感光性組成物及び有機溶媒を含むインク。
  7. 請求項5に記載の感光性組成物の硬化物からなるレジスト膜。
  8. 請求項6に記載のインクを対象材料に塗布し、膜を得る工程と、
    得られた膜を加熱し有機溶媒を除去する工程と、
    有機溶媒が除去された膜を露光する工程と、
    露光された膜と現像液とを接触させて現像する工程と、
    現像された膜を加熱し硬化させる工程とを含む、レジスト膜の製造方法。
  9. 請求項7に記載のレジスト膜を含む、電子デバイス。
  10. 請求項7に記載のレジスト膜を含む有機薄膜トランジスタ。
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