JP2019058486A - 眼測定装置及び方法 - Google Patents

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三橋 俊文
Toshibumi Mihashi
俊文 三橋
広原 陽子
Yoko Hirohara
陽子 広原
俊一 森嶋
Shunichi Morishima
俊一 森嶋
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Abstract

【課題】角膜頂点をOCT測定の走査の中心としてアライメントを行うための眼測定装置及び方法を提供する。【解決手段】処理S103〜S107では、OCTのBスキャンにより1経線測定する。そのとき断面像から角膜の一番高いところ(最高位とする)を解析により得る。処理S109では、処理S107で見つけた角膜の最高位から、処理S103〜S107の走査と異なる方向又は垂直方向に走査して断面像を得る。処理S111では、前記処理を繰り返すことで、自動的に角膜頂点を見つけることができる。例えば、回転対象面であれば理論的には2回で、その他でも数回くりかえすことで、頂点が得られると想定される。処理S113では、実際の測定に必要な走査を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、眼測定装置及び方法に係り、特に、OCT(光干渉断層画像診断法、光干渉断層像:Optical Coherence Tomography)によるアライメントを行うための眼測定装置及び方法に関する。
特許文献1には、「被検眼の固有情報を測定する測定手段と、被検眼の基準位置を検出する検出手段と、前記測定手段と前記検出手段とを含む光学部を駆動する駆動手段と、前記各手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、被検眼の前記基準位置と前記測定手段との位置合わせの測定許容領域を複数の領域に分割し、被検眼の前記基準位置が前記複数の領域の内のどの領域に存在するかによって前記測定手段と前記駆動手段の少なくとも一方の制御方法を変えることを特徴とする眼科装置」(請求項1)が開示されている。
特開2010−162424号公報
しかしながら眼の測定において、角膜の一番高いところである角膜頂点をOCTの走査の中心としたいという要望がある。また、角膜頂点を基準に測定をしておけば瞳孔中心等のデータに変換可能であり、都合がよい。
特許文献1の眼屈折力測定装置は、角膜頂点に対してアライメントを用する眼科装置であって、前眼部を正面から観察する前眼部観察系及びひとつまたは複数のアライメント指標を角膜上に投影する必要があり、光学系が複雑、大型化する場合が想定される。

本発明は、以上の点に鑑み、角膜頂点をOCT測定等の眼測定の走査の中心としてアライメントを行うための眼測定装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の解決手段によると、
眼測定装置であって、
測定光を出力する光源を有し、被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号を出力する測定ユニットと、
得られた検出信号に基づく断層画像を形成し、被検眼の角膜頂点を求める演算制御ユニットと、
前記演算制御ユニットから入力した角膜頂点を通る角膜断面信号を取得するよう制御するアライメント制御ユニットと、
を備え、
前記演算制御ユニットは、少なくとも角度の異なる2以上の断層画像を取得し、被検眼の角膜頂点位置を検出する、眼測定装置が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
眼測定方法であって、
測定ユニットにより、測定光を出力する光源を有し、被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号を出力し、
演算制御ユニットにより、得られた検出信号に基づく断層画像を形成し、被検眼の角膜頂点を求め、
アライメント制御ユニットにより、前記演算制御ユニットから入力した角膜頂点を通る角膜断面信号を取得するよう制御し、
前記演算制御ユニットは、少なくとも角度の異なる2以上の断層画像を取得し、被検眼の角膜頂点位置を検出する、
眼測定方法が提供される。
本発明によると、角膜頂点をOCT測定等の眼測定の走査の中心としてアライメントを行うための眼測定装置及び方法を提供することができる。
アライメントの前提についての説明図。 被検眼の断層画像の取得が可能な前眼部眼測定装置。 OCTユニットの構成図。 前眼部OCTの測定手順を表すフローチャートを示す。 前眼部OCTの測定手順の説明図。 角膜(前眼部)断面の1走査から最高位を求める処理(S107)の説明図。 角膜(前眼部)断面の1走査から最高位を求める処理(S107)のフローチャート。 断面が円と仮定した場合の説明図。

A.概要

図1に、アライメントの前提についての説明図を示す。図1(A)には被検眼の正面図、図1(B)には被検眼の断面図が示される。なお、図中x、y、zの各方向が示される。本明細書中では、xy平面上の(x、y)座標を水平座標と呼ぶことがある。水平座標は、例えば、視軸(Visual Axis)か現実的にはLine of Sightと呼ばれる、固視点と瞳中央を結ぶ線、あるいは固視点と角膜頂点を結ぶ線、又は、眼球の光学モデルなどでは利用価値のある光軸に垂直な平面上の座標である。なお、視軸や光軸(optic axis)の他にも、視線、注視線(fixation axis)、照準線、瞳孔中心線(pupillary axis)など、適宜の眼球の参照軸を用いることができる。
ここで、アライメントの前提は、次の通りである。なお、本説明で、角膜頂点又は角膜最高位は、例えば、角膜の一番高いところ、あるいは、角膜の最も眼の外に向かって突出しているところ、あるいは、Visual Axis(現実的にはLine of Sight)に沿って、もっとも眼の外部に凸になっている部分の頂点等を意味する。
1.角膜の一番高いところ、即ち角膜頂点をOCTの走査の中心としたい。
2.角膜頂点と瞳孔中心等の位置関係は他の装置でもわかるので、角膜頂点を基準に測定をしておけば瞳孔中心等のデータに変換可能である。
3.本発明及び/又は本実施の形態により、角膜頂点基準での測定が容易となる。
また、図1(B)におけるx座標の決め方としては、両眼間の瞳中心を結んだ直線など、両眼の位置関係を基準とした座標を利用することも考えられる。
本発明に則せば、両眼の角膜頂点間をx軸の基準に置くことも考えられる。
また、装置の水平をそのまま使うことも考えられる。この場合、あるいは、必要とされる場合に、虹彩紋理、あるいは強膜付近の血管パターンを、x座標の基準、あるいは関連性をもたせておくことも考えられる。
これらは、この技術が利用される装置から、被験者が離れた場合でも、他の装置でも、再測定のときにも、この座標県が再設定できる、ということで検査、手術において、重要である。
以上のようなアライメントについて、本発明及び/又は本実施の形態において、演算制御ユニットは、例えば、以下の各処理を実行する。
処理1.OCT等の被検眼の角膜断面又は前眼部断面測定装置のBスキャンにより1経線測定する。そのとき断面像から角膜の一番高いところ(最高位とする)を解析により得る。
処理2.処理1で見つけた角膜の最高位から、処理1の走査と垂直に走査して断面像を得る。なお、本明細書中では、主に、処理1の走査と垂直に走査する場合について説明するが、垂直に限らず、処理1の走査と異なる方向に走査するようにしてもよい。
処理3.処理1及び処理2を繰り返すことで、自動的に角膜頂点を見つけることができる。例えば、回転対象面であれば理論的には2回で、その他でも数回くりかえすことで、頂点が得られると想定される。
処理4.実際の測定に必要な走査を行う。
処理5.あるいは、実際の測定中に、ある周期で処理1,2のパターンを入れて角膜頂点位置のずれを確認・修正するようにしてもよい。
本発明及び/又は本実施の形態によると、アライメントの際、前眼部像が必要ない、あるいは、高速な前眼部像の取得・解析が必要なく、アライメント処理を高速とすることができる。
また、本発明及び/又は本実施の形態では、角膜の断層画像が取得可能な構成である眼科装置に於いて、得られる角膜断面画像に基づきアライメントが可能となるので、前眼部を略正面から観察する光学系やアライメント指標を投影する光学系を必要としない。
B.眼測定装置の構成

以下に前眼部OCTの光学系の構成について説明する(特開2017−93992 号公報参照)。この構成は一例にすぎず、周知又は公知の適宜のOCT測定装置を用いることができる。また、OCT測定装置以外にも、例えば、光切断法等による測定装置を用いて、被検眼の角膜断面又は前眼部断面の画像を得るようにしても良い。さらに、本発明及び/又は本実施の形態は、OCT測定装置以外の各種の眼測定装置にも組み合わせて適用することができる。

前眼部OCTに於いて、得られた断面画像を用いて角膜の前面もしくは後面の形状を求める場合、角膜頂点を通る断面像の取得が必要となるため、スキャンの基準位置(装置光軸又は他の眼球の参照軸)を角膜頂点に一致させるアライメントが必要になる。このため、従来の装置に於いては前眼部を略正面から観察する前眼部観察光学系及び、前眼部正面画像から角膜頂点を特定するためのアライメント指標を角膜に投影するアライメント指標投影光学系が必要であった。(特開2010−162424号公報参照)。
その他、角膜頂点に対してアライメントを必要とする検査装置であるケラトメータ、レフラクトメータ、非接触眼圧計(トノメータ)、角膜内皮細胞撮影装置(スペキュラマイクロスコープ)などと前眼部OCT装置の複合機の場合であれば、各検査に必要なアライメントを当願の方法で実施することが可能となる。
また、さらに直接的ではあるが、方法にかかわらず、眼軸長測定装置でも実施することが可能である。
また、眼底の測定でも、眼のアライメントが重要であれば、眼底観察用のOCT、カラー眼底カメラ、高解像度カメラ、蛍光眼底カメラ、補償光学眼底カメラ、これらとOCTが結合した装置、などでも、角膜のアライメントや、制御系の測定系として、あるいは角膜を基準とした形状測定に、撮影倍率の如何によらず、実施することが可能である。
さらに、眼の周囲の組織、隅角、虹彩、毛様体、瞼などの(形状および状態などの)測定、とくにOCTで実施する可能性があるが、その基準軸として、先に紹介したLine of Sightに垂直な、角膜の最も高い点をとおる平面を基準とすることが便利であることがあり、その場合にも、実時間的な補正に本アライメントが実施される可能性がある。
図2は、被検眼の前眼部の断層画像の取得が可能な眼測定装置である。以下に、一例として、前眼部OCT装置を用いた眼測定装置について、説明する。
本実施の形態の眼測定装置は、OCTユニット100、演算制御ユニット200、アライメント制御ユニット300、表示装置3、OCT光学系4、メモリ5を備える。表示装置が無い場合、あるいはその代わりに、制御装置への転送機能、メモリー機能を有する場合もある。
なお、OCT測定装置以外にも、例えば、光切断法や他の方法による測定装置を使用して被検眼の角膜断面又は前眼部断面の断層画像を得る場合、OCTユニット100及びOCT光学系4等を、使用する各装置・方法に従い、測定ユニット及び測定光学系等にそれぞれ変更すれば良い。
OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構が設けられている。演算制御ユニット200はプロセッサを含む。被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが、OCT光学系4に対向する位置に設けられている。OCTユニット100は、光スキャナ44により定められたラインで被検眼を走査することで、被検眼の検出信号(例、断層画像測定データ)を測定・検出する。演算制御ユニット200は、OCTユニット100が測定・検出した検出信号に基づき、断層画像を求め、求めた角膜頂点(角膜最高位)の水平座標(視軸又は光軸又は他の眼球の参照軸に垂直な平面上の座標)をアライメント制御ユニット300に出力する。アライメント制御ユニット300は、演算制御ユニット200から入力した角膜頂点(角膜最高位)の水平座標に合わせるように、光スキャナ44のアライメントを制御する。光スキャナ44は、アライメント制御ユニット300の指示に従い、角膜頂点(角膜最高位)を中心に被検眼を走査する。なお、光スキャナ44を制御する代わりにOCT光学系4とOCTユニット100を搭載した可動部を備え、可動部を動かして角膜頂点(角膜最高位)を中心に合わせてもよい。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Disital Signal Processor)等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
OCTユニット100からの測定光は、OCT光学系4内の光路を通じて被検眼Eに導かれ、その戻り光は、同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
対物レンズ22と被検眼Eとの間の光路には前眼部レンズ23が配置される。前眼部レンズ23は、被検眼Eの前眼部の撮影(特にOCT)を行うときに光路に挿入され、被検眼Eに投射される光の焦点の位置を前眼部又はその近傍にする。前眼部レンズ23は、対物レンズ22に取り付け可能なアタッチメントとして構成されてもよいし、後述の前眼部レンズ移動機構23Aにより光路に対して挿入/退避されるよう構成されてもよい。眼底の断層画像を取得する際は前眼部レンズを光路から退避する。なお、前眼部レンズ23を設ける代わりに、眼底Efの断層像を取得する際に光路に挿入される眼底レンズを設けてもよい。眼底レンズは、アタッチメントでもよいし、図示しない眼底レンズ移動機構により光路に対して挿入/退避されるよう構成されてもよい。
OCT光学系4では、OCT用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40、光路長変更部41、分散補償部材42、OCT合焦レンズ43、光スキャナ44、及びリレーレンズ45が設けられ、ミラー46にて偏向し対物レンズ22、前眼部レンズ23を介して被検眼Eに至る。
光路長変更部41は、図2に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT用の光路の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含む。
眼底の断層画像取得時、光スキャナ44は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ44は、測定光LSの進行方向を変更する。それにより、被検眼Eが測定光LSでスキャンされる。光スキャナ44は、xy平面の任意方向に測定光LSを偏向可能であり、例えば、測定光LSをx方向に偏向するガルバノミラーと、y方向に偏向するガルバノミラーとを含む。光スキャナ44は、被検眼に投射される測定光LSを2次元的に偏向可能な光偏向器(前述)の一例である。前眼部断層画像の取得時、前眼部レンズ23が光路に挿入されると、光スキャナ44の像は前眼部とは異なる位置となり、前眼部Ea又はその近傍のxy面内を測定光LSでスキャンすることができる。前眼部に対して無限遠方に配置されることが望ましい。
〈OCTユニット100〉
図3に、OCTユニットの構成図を示す。この構成は一例にすぎず、周知又は公知の適宜のOCTユニットを用いることができる。
図3に例示するように、OCTユニット100には、被検眼EのOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系の構成は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。すなわち、この光学系は、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系を含む。干渉光学系により得られる検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、一般的なスウェプトソースOCTと同様に、出射光の波長を高速で変化させる波長掃引型(波長走査型)光源を含む。波長掃引型光源は、例えば、近赤外レーザ光源である。光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。更に、光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。コーナーキューブ114は、入射した参照光LRの進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ114に対する参照光LRの入射方向と出射方向は互いに平行である。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
図2及び図3に示す構成では、測定光LSの光路(測定光路、測定アーム)の長さを変更するための光路長変更部41と、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114の双方が設けられているが、光路長変更部41とコーナーキューブ114のいずれか一方のみが設けられもよい。また、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバ119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバ121によりファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれてコリメータレンズユニット40により平行光束に変換され、光路長変更部41、分散補償部材42、OCT合焦レンズ43、光スキャナ44及びリレーレンズ45を経由し、ミラー46により反射され、対物レンズ22、及び前眼部レンズ23により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode)である。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力する。検出器125は、その検出結果(検出信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。
DAQ130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長掃引型光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、検出器125から入力される検出信号をクロックKCに基づきサンプリングする。DAQ130は、検出器125からの検出信号のサンプリング結果を演算制御ユニット200に送る。
〈演算制御ユニット200〉
演算制御ユニット200は、表示装置3及びOCTユニット100、OCT光路内の各部を制御する。また、演算制御ユニット200は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算制御ユニット200は、一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器125により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等の信号処理を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算制御ユニット200は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。そのための演算処理は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。
演算制御ユニット200は、例えば、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には各種コンピュータプログラムが格納されている。演算制御ユニット200は、操作デバイス、入力デバイス、表示デバイスなどを含んでよい。
なお、ミラー46を含まず対物レンズ22の後方にOCT光路を直線的に配置しても良い。更に、ミラー46をダイクロイックミラーとして、OCT測定光の近傍の波長(1000nm前後)を反射し、その他の波長域を必要に応じて透過する構成とすることで、ミラー46の透過方向に被検眼を固視させる固視光を投影する光学系を配置したり、大まかなアライメントを行うために前眼部を観察するための光学系を配置することもできる。また、レフラクトメータや眼底カメラなどの光学系を配置することで複合機を構成しても良い。
C.測定処理

図4に、前眼部OCTの測定手順を表すフローチャートを示す。
また、図5に、前眼部OCTの測定手順の説明図を示す。

以下に、演算制御ユニット200が実行する各ステップについて説明する。
(S101)
処理がスタートすると、操作者等により測定装置の眼へのラフアライメントが行われる。すなわち、被験者又は操作者等が測定装置を操作し、だいたい合わせた図5(1)(括弧の数字は、図では丸数字で示す。以下同様。)のラインで、演算制御ユニット200は、OCTユニット100により、OCT測定を行う。なお、走査長や測定エリア・範囲等は適宜予め定めておくことができる。

(S103)
走査1回目では、演算制御ユニット200は、OCTユニット100により、装置光学系の光軸又は他の眼球の参照軸において被検眼を測定する(図5(1)参照)。OCTユニット100が測定した検出信号により、演算制御ユニット200は、角膜(前眼部)断層画像(図5(2))を取得する。演算制御ユニット200は、得られた断層画像をメモリ5に記憶し、適宜読み出すようにしてもよい。
(S105)
解析(1)では、演算制御ユニット200は、得られた角膜(前眼部)の第1の断層画像に基づき、角膜前面の位置・ライン等の形状を検出する。
(S107)
解析(2)では、演算制御ユニット200は、検出した角膜前面の位置・ライン等の形状について、角膜最高位を求める。この詳細処理は後述する。
(S109)
次の走査では、演算制御ユニット200は、OCTユニット100により光スキャナ44を制御して角膜最高位を通り、前回の走査方向に対して角度の異なる方向(この実施例では垂直方向)に走査して、被検眼の第2の断層画像を測定する(図5(3))。
(S111)
演算制御ユニット200は、終了条件を満たさなければ、得られた第2の角膜(前眼部)断層画像からステップS105及びS107と同様に角膜最高位を求める。演算制御ユニット200は、求めたステップ105〜109の手続きを、終了条件を満たすまで、例えば、予め定めた回数(例、数回)、繰り返す。
演算制御ユニット200は、終了条件を満たしたら、ステップS111に移行する。なお、終了条件の詳細については後述する。
(S113)
演算制御ユニット200は、最後に得られた角膜最高位を角膜頂点とする。演算制御ユニット200は、角膜頂点の水平座標をメモリ5に記憶し、適宜読み出すことができる。演算制御ユニット200は、OCTユニット100により得られた角膜頂点を中心に、radial 走査、ラスター走査、などの本測定を行う。
図6及び図7に、それぞれ、角膜(前眼部)断面の1走査から最高位を求める処理(S107)の説明図及びフローチャートを示す。高さhは、例えば、頂点から所定幅下の高さ等、予め適宜定めることができる。
(S1071)演算制御ユニット200は、画像の適当な予め定めた高さhで水平線を引く。
(S1072)演算制御ユニット200は、その水平線と角膜ディテクト(角膜前面の位置・ライン等の形状)の線との交点(x)を求める。
(S1073)演算制御ユニット200は、求めた2つの交点の中点を角膜最高位の水平座標とする。
(S1075)演算制御ユニット200は、求めた中点における角膜の高さを求める。
(S1076)演算制御ユニット200は、その高さで水平線を引く。
(S1077)その水平線と角膜前面の位置・ライン等の形状との交点が1点になるか、あるいは、新たにもとめた二つの交点の距離が、あらかじめ決められた距離よりも小さくなったか判定する。演算制御ユニット200は、判定の結果、NOの場合ステップS1075に戻り以降の処理を繰り返し、一方、YESの場合ステップS1078に移行する。
(S1078)演算制御ユニット200は、1点になった交点、あるいは、二つの交点のその中点を角膜最高位の水平座標とする。演算制御ユニット200は、求めた水平座標をメモリ5に記憶して、適宜読み出すようにしてもよい。
なお、ステップS1075〜S1078は追加のアルゴリズムであり省略してもよい。
つぎにステップS111の終了条件について説明する。
演算制御ユニット200は、終了条件として、例えば次の場合に、終了と判定することができる。
1.予め決められた繰返し回数に達した場合、又は、
2.最高位の角膜高さ座標が、繰り返し前回に得られた高さとの差が予め決められた値以下になった場合
D.変形例

以下に、本実施の形態の変形例について説明する。
(1)本測定中の処理
本測定中に、角膜頂点を求めるようにして、補正的な走査を行っても良い。この場合、例えば、測定された最後の走査画像を使えば、一回だけ、この測定の走査方向と角度の異なる方向(例えば、垂直方向)の走査を行うことで、角膜頂点位置の補正が可能となる。
(2)断層画像、角膜前面形状から角膜頂点を求める方法
(方法1)
演算制御ユニット200は、単に画像の一番高い位置を頂点とする(最大値が一番高い位置と対応すると仮定する)ことができる。最大値が複数検出された場合は追加の判断が必要である。例えば、演算制御ユニット200は、位置の平均をとり最高位とすることができる。
その他、演算制御ユニット200は、等距離の3点をサンプリングし、中央が最大、左右両方の高さが同じになる位置を探すことで、最高位を求めるようにしてもよい。
(方法2)
演算制御ユニット200は、角膜前面のディテクトデータ(位置・ライン等の形状)から円にフィットし、その中心に対応する角膜上の位置(画像で横方向の位置)を角膜頂点位置とするようにしてもよい。なお、円にフィットするのは計算負荷が比較的高いと想定されるので、演算制御ユニット200は、予め定めた数(例、数点)で円の中心を得るようにしてもよい。
図8に、断面が円と仮定した場合の説明図を示す。 なお、図では左が上方向とする。
円上の点の座標(x,z)は、
z=R−sqrt(R−(x−x)−z
で表される。ここで、x,zは図1(B)で説明した、座標系と関係する。ただし、xはOCTの走査方向により、図1(B)でxのこともあれば、yのこともあるし、その間の方位の座標のこともある。つまり原典からの距離と考えて差し支えない。またzは、この場合、光の入射の方向を正とする。xとzはこの座標系での角膜前面の曲率中心位置になる。Rは角膜前面の曲率半径である。
よって、演算制御ユニット200は、3か所以上の円上の点の座標がわかれば、3個からは簡単案幾何学的計算で、4個以上であれば最小自乗法で、円を決定することができる。演算制御ユニット200は、決定した円からx軸にもっとも近い点、つまり最高位を求めることができる。
本発明の眼測定方法又は眼測定装置・システムは、その各手順をコンピュータに実行させるための眼測定プログラム、眼測定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、眼測定プログラムを含みコンピュータの内部メモリにロード可能なプログラム製品、そのプログラムを含むサーバ等のコンピュータ、等により提供されることができる。
100 OCTユニット
200 演算制御ユニット
300 アライメント制御ユニット
3 表示装置
4 OCT光学系
5 メモリ

Claims (13)

  1. 眼測定装置であって、
    測定光を出力する光源を有し、被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号を出力する測定ユニットと、
    得られた検出信号に基づく断層画像を形成し、被検眼の角膜頂点を求める演算制御ユニットと、
    前記演算制御ユニットから入力した角膜頂点を通る角膜断面信号を取得するよう制御するアライメント制御ユニットと、
    を備え、
    前記演算制御ユニットは、少なくとも角度の異なる2以上の断層画像を取得し、被検眼の角膜頂点位置を検出する、眼測定装置。
  2. 請求項1に記載の眼測定装置において、
    前記測定ユニットは、測定光を出力する光源を有し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、干渉光により得られる被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号を出力するOCTユニットであることを特徴とする眼測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の眼測定装置において、
    被検眼に向かって任意方向に測定光の進行方向を変更可能とし且つ被検眼を測定光でスキャンする光スキャナを有し、測定光を前記光スキャナを経て被検眼に導き、被検眼からの戻り光を前記測定ユニットに導くための測定光学系、
    をさらに備え、
    前記演算制御ユニットは、前記光スキャナにより被検眼を予め定められたラインで走査して、前記測定ユニットにより測定した被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号により、被検眼の断面画像を形成し、角膜前面の形状を検出して角膜最高位を求め、
    前記演算制御ユニットは、前記光スキャナにより、角膜最高位を通り且つ前回の走査方向と異なる方向のラインで走査して、前記測定ユニットにより測定した被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号により、被検眼の断面画像を形成し、角膜前面の形状を検出して角膜最高位を求める処理を、予め定められた終了条件が満たされるまで繰り返し、
    前記演算制御ユニットは、終了条件が満たされると、前記測定ユニットにより、求めた角膜最高位を角膜頂点として、角膜頂点を中心に本測定を行う、
    ことを特徴とする眼測定装置。
  4. 請求項3に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、被検眼の断面画像について、視軸又は他の眼球の参照軸又は測定軸に対して予め定められた高さの水平線と角膜前面の形状との交点の中点を角膜最高位として求めることを特徴とする眼測定装置。
  5. 請求項4に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、さらに前記中点の高さの水平線と角膜前面の形状との交点が1点の場合はその点を、又は、二つの交点の距離が予め決められた距離よりも小さくなった場合は中点を、角膜最高位として求めることを特徴とする眼測定装置。
  6. 請求項3に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、角膜最高位となる位置が複数検出された場合、各位置の平均を角膜最高位とすることを特徴とする眼測定装置。
  7. 請求項3に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、被検眼の断面画像について、等距離の3点をサンプリングし、中央が最大、左右両方の高さが同じになる位置を角膜最高位とすることを特徴とする眼測定装置。
  8. 請求項3に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、被検眼の断面画像について、角膜前面の形状に基づきフィットする円を求め、その円の中心に対応する角膜前面の形状上の位置を角膜最高位とすることを特徴とする眼測定装置。
  9. 請求項3乃至8のいずれかに記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、終了条件として、予め決められた繰返し回数に達した場合、又は、角膜最高位と繰り返し前回に得られた角膜最高位との差が予め決められた値以下になった場合とすることを特徴とする眼測定装置。
  10. 請求項3乃至9のいずれかに記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、本測定中に、さらに、前記光スキャナにより、角膜最高位を通り且つ前回の走査方向と異なる方向のラインで走査して、前記測定ユニットにより測定した被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号により、被検眼の断面画像を形成し、角膜前面の形状を検出して角膜最高位を求める修正処理を実行し、求めた角膜最高位を修正した角膜頂点とすることを特徴とする眼測定装置。
  11. 請求項10に記載の眼測定装置において、
    前記演算制御ユニットは、前記修正処理を、予め定められた終了条件が満たされるまで繰り返し、終了条件が満たされると、前記測定ユニットにより、求めた角膜最高位を角膜頂点として、角膜頂点を中心に本測定を行うことを特徴とする眼測定装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の眼測定装置において、
    前回の断面方向と異なる方向の断面は、前回の断面方向に垂直方向の断面であることを特徴とする眼測定装置。
  13. 眼測定方法であって、
    測定ユニットにより、測定光を出力する光源を有し、被検眼の角膜断面又は前眼部断面についての検出信号を出力し、
    演算制御ユニットにより、得られた検出信号に基づく断層画像を形成し、被検眼の角膜頂点を求め、
    アライメント制御ユニットにより、前記演算制御ユニットから入力した角膜頂点を通る角膜断面信号を取得するよう制御し、
    前記演算制御ユニットは、少なくとも角度の異なる2以上の断層画像を取得し、被検眼の角膜頂点位置を検出する、
    眼測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020199210A (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社トプコン 眼科装置及び眼科装置の制御方法
EP3798944A1 (en) * 2019-09-30 2021-03-31 Hoya Lens Thailand Ltd. Learning model generation method, computer program, eyeglass lens selection support method, and eyeglass lens selection support system

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