<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から見た(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な演出ボタン40kが設けられている。演出ボタン40kは演出ボタン装置40に含まれる。演出ボタン装置40については後述する。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが演出ボタン装置40を避けるように形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
また、前枠23mの前面右部および前面左部にも、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの前面の上部には枠可動装置55が設けられている。枠可動装置55については後述する。また、前枠23mの上部には、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に沿った湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎなども構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置56が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。
盤可動装置56は、動作可能な盤可動体56kを備える。盤可動体56kは、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤1と画像表示装置50との間で隠れている。待機状態において、盤可動体56kの下端が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。よって、盤可動体56kの下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている。そして、盤可動体56kは、初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体56kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体56kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図3に示すように、表示器類には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特図1抽選、および特図1の可変表示を実行する権利を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち留保されている特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち留保されている特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」や「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13の通過を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
次に、図4を用いて演出ボタン装置40について説明する。前述の通り、演出ボタン装置40は、下方に押下操作可能な演出ボタン40kを備えている。演出ボタン40kは、正面視で、透明板23tの下端部の左右方向の中央に配されている。また、演出ボタン40kは、透明な合成樹脂で構成されている。演出ボタン40kの形状は、全体的に底のない略円筒状である。演出ボタン40kの上端部は、球体の中心より少し上側を水平面で切り取った球冠形状に成形されている。その球冠形状の部分から下側の大部分は円筒形状であり、球冠形状部分となだらかに繋がっている。演出ボタン40kの円筒形状の大部分は、上皿34の内部に挿入されており、視認できない。
演出ボタン40kの内部には、発光可能なボタンランプ54が設けられている。ボタンランプ54は、発光可能なボタン光源541と、ボタン光源541を覆うボタンカバー部材542と、を備える。ボタン光源541は、複数のLEDで構成されており、上方に対して3次元的な放射状に発光可能である。ボタンカバー部材542は、透明な合成樹脂製部材からなり、基本的には演出ボタン40kの上端部を縮小したような形状に成形されている。また、ボタンカバー部材542の表面には、所定のデザイン543が施されている。そして、ボタン光源541が発光するとデザイン543が光っているように見える。
また、演出ボタン40kの後方側の内面には、ボタン光源541の光を遮る遮光シート544が貼り付けられている。詳細には、遮光シート544は、演出ボタン40kの内面において、ボタン光源541から後方に向かって発光される光の中でステージ61sより下方に形成されている遊技領域6(以下、「遊技領域内特定部」という)を照射する光を遮るように形成されている。逆説的に言えば、演出ボタン40kの内面において、ボタン光源541から前方に向かう光、透明板23tに平行な方向に向かう光、およびボタン光源541から後方のうちで遊技領域内特定部を除く部分に向かう光が当たる範囲には、遮光シート544が貼り付けられていない。よって、ボタンランプ54を発光させる発光演出を実行させると共に、ボタンランプ54によって、遊技領域6の中でも始動口11、12や大入賞口14が形成されている主要な遊技領域内特定部を覆う透明板23tが照らされて遊技に支障を来すことを防ぐことができる。
さらに、図5に示すように、演出ボタン40kは、縦長矩形状の透明板23tの左右方向中央に配されている。そして、ボタン光源541は平面視で演出ボタン40kの中心に配されている。また、遮光シート544は、平面視において演出ボタン40kの中心C0を通る左右方向の直線X0から後方に所定距離D0セットバックした点を通る鉛直面で切断されるように形成されている。この所定距離D0は、例えば、当該パチンコ遊技機PY1の前に普通の姿勢で着座した一般的な身長の遊技者が遮光シート544の頂点部分を見ることができるか否かの境界付近に設定されている。これは、遊技領域内特定部に向けて発光される光を遮りつつ、遊技者から遮光シート544が見えることによって演出ボタン40kの意匠性が低下することを抑えるためである。
なお、演出ボタン40k、ボタン光源541、およびボタンカバー部材542の形状や位置は上述の説明に限られない。例えば、演出ボタン40k、又は/及びボタンカバー部材542の上端部の形状を円柱や角柱の上端部のようにしても良い。また、上皿34にはボタンランプ54は設けられているが、演出ボタン40kは設けられていない構成にしても良い。さらに、上皿34には、供給球貯留穴34Aが形成されていない構成にしても良い。
また、演出ボタン40k、およびボタン光源541は透明板23tの下方で前方に突出している上皿34に設けられているが、上皿34に設けられておらず、前枠23mの前面で透明板23tの周辺に直接設けられていても良い。また、前枠23mの前面で透明板23tの周辺に前方に突出する突出体を設け、その突出体に演出ボタン40k、およびボタン光源541を配置しても良い。
また、遮光シート544の直線X0からセットバックさせる所定距離D0も適宜に設定しても良い。さらに、上述の説明では遮光シート544を直線X0からセットバックさせる所定距離D0は一定であるが、例えば、頂点から両端にかけて徐々に又は段階的に遠くなるなど場所に応じて異なるように構成しても良い。また、演出ボタン40kでボタン光源541を覆わず、ボタン光源541から特定領域に向かう光が通る範囲に、遮光性の遮光部材を配置しても良い。
次に、枠可動装置55について説明する。図6に示すように、枠可動装置55は、側方から見て時計回りに又は反時計回りに、換言すると、正面視で前回りまたは後ろ回りで回転可能な枠可動体55kと、前枠23m(図示ない)に固定され、枠可動体55kを支持する支持部材55sと、枠可動体55kを回転させる枠可動体モータ55mと、を備えている。
支持部材55sは、左右一対に構成されている。具体的には、支持部材55sは、向かって左側に配された左支持部材55Lsと、向かって右側に配された右支持部材55Rsと、を有する。前枠23mに固定された左支持部材55Ls、および右支持部材55Rsは前方に突出している。枠可動体モータ55mは右支持部材55Rsの下側端部に設けられている。
枠可動体55kは、全体的に円柱状に成形されている。枠可動体55kの円柱軸は常に左右方向に直交しており、作動していない状態では前後方向に沿って保持されている。枠可動体55kの側面には左右方向に平行な一対の枠可動体回転軸部55Aが突出して形成されている。枠可動体回転軸部55Aは、枠可動体55kの円柱軸に直交する水平線に沿って形成されている。枠可動体55kは、枠可動体回転軸部55Aを介して左支持部材55Ls、および右支持部材55Rsの先端に支持されている。そして、枠可動体55kは、枠可動体回転軸部55Aを回転軸として前回り方向または後回り方向に複数回、回転可能に構成されている。なお、枠可動体55kはパチンコ遊技機PY1の左右方向における中央に配されている。
枠可動体55kは回転可能であるが、図6(A)に示す状態を枠可動装置55(枠可動体55kなど、枠可動装置55を構成するものも含む)が初期位置におかれた待機状態とする。そして、図6(B)に示すように枠可動体55kが回転をして、図6(C)に示すように待機状態から180度回転すると、待機状態で隠れていた後方側の面が前方を向いて現れる。この図6(C)に示す状態を枠可動装置55(枠可動体55kなど、枠可動装置55を構成するものも含む)が作動位置におかれた第1特別状態とする。
なお、以下において、枠可動装置55(枠可動体55kなど、枠可動装置55を構成するものも含む)を単体で見るときは、待機状態における枠可動体55kの位置や方向を基準に考える。すなわち、待機状態のときに前方を向いている面を枠可動装置55に係る前面とし、枠可動体55kが待機状態のときに後方を向いている面を枠可動装置55に係る後面とする。また、待機状態のときの後面側から前面側に向かう方向を枠可動装置55に係る前方とし、待機状態のときの前面側から後面側に向かう方向を枠可動装置55に係る後方とする。さらに、待機状態のときの上下左右方向を枠可動装置55に係る上下左右方向とする。
図6(A)、図6(C)に示すように、枠可動体55kは、枠可動体55kの基幹をなす円柱状の本体90と、本体90の前方側に設けられて発光可能な第1枠可動体ランプ91と、本体90の後方側に設けられて発光可能な第2枠可動体ランプ92と、本体90と第2枠可動体ランプ92との間に設けられた羽根部材93と、を備える。なお、羽根部材93の枚数は5枚である。また、枠可動装置55が待機状態、および第1特別状態にあるとき、5枚の羽根部材93は、枠可動体55kの円柱軸に沿った方向で見ると、本体90と第2枠可動体ランプ92との間に視認困難に格納されている。
また、枠可動体55kは、第1特別状態からさらに作動可能である。具体的には、図7(A)〜図7(C)に示すように、正面視で、第2枠可動体ランプ92が時計回りに90度回転すると共に、5枚の羽根部材93が180度回転して出現する。図7(C)に示す状態を枠可動装置55(枠可動体55kなど、枠可動装置55を構成するものも含む)の第2特別状態とする。なお、枠可動装置55が待機状態から第1特別状態を経由せずにいきなり第2特別状態に移行することはできない。
このように、枠可動体55kには、発光可能な第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92や、作動可能な第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93が含まれている。次に、このように発光させ、または作動させるための信号(以下、「特定信号」という)を枠可動体55kの内部に送信するための構造について説明する。なお、後述するように特定信号は、画像表示装置50の背面側に取り付けられた演出制御基板120から出力される。
図8は、左支持部材55Lsの内部が透視化された枠可動装置55を左側からみた側面図である。左支持部材55Lsには、後述する演出制御基板120から送信されてきた特定信号を中継する中継基板180と、中継基板180に電気的に接続され、特定信号を送信可能な3枚のフレキシブル基板551とが収納されている。
中継基板180は、左支持部材55Lsの上下方向と前後方向の2軸からなる基面と平行に設置されている。3枚のフレキシブル基板551は、中継基板180に搭載された3つのコネクタ181に接続されている。3つのコネクタ181は、接続されたフレキシブル基板551が同一方向に沿って重なるように一方向に所定間隔をおいて並んで配置されている。なお、3枚のフレキシブル基板551は、第1枠可動体ランプ91を発光させるための信号を第1枠可動体ランプ91に送信するためのフレキシブル基板551と、第2枠可動体ランプ92を発光させるための信号を第2枠可動体ランプ92に送信するためのフレキシブル基板551と、第2枠可動体ランプ92および羽根部材93を作動させるための信号を羽根部材モータ93mに送信するためフレキシブル基板551と、からなる。
そして、左支持部材55Lsには内部空間が形成され、フレキシブル基板551を収納するケーブル収納部552と、中継基板180からケーブル収納部552にフレキシブル基板551を誘導するケーブル誘導部553と、枠可動体回転軸部55Aの先端でその回転軸に沿って連結され、フレキシブル基板551を固定するケーブル固定部554と、が形成されている。なお、枠可動体回転軸部55Aは、ケーブル収納部552の内部空間に回転可能に入り込んでいる。そして、枠可動体回転軸部55Aの先端面は、ケーブル収納部552の基面より少し突出している。
中継基板180の表面に沿って3つのコネクタ181に接続された3枚のフレキシブル基板551は、中継基板180とケーブル誘導部553との間で3枚に重ねられている。そして、重ねられたフレキシブル基板551は、90度に捻じれ、左支持部材55Lsの底面に直交した状態で保持されている。
ケーブル誘導部553は、3枚のフレキシブル基板551が中継基板180からケーブル収納部552に向けて緩やかに90度で折れ曲がるように2箇所に配置されている。ケーブル誘導部553には、フレキシブル基板551を挿通させつつ保持するためのケーブル挿通部571が形成されている。
ケーブル収納部552は、左支持部材55Lsの基面から垂直に立設されたガイド部材581を有する。ガイド部材581がケーブル収納部552の外周部分を構成している。また、ガイド部材581は略円形状に形成されているが、閉じられてはいない。ガイド部材581の先端同士が所定距離をおいて隣接しており、先端同士の間に3mm程度の隙間が形成されている。この隙間は、3枚のフレキシブル基板551をまとめてケーブル収納部552の内部へ導く入口582を形成している。入口582に導かれた3枚のフレキシブル基板551は、ガイド部材581の内面に沿って何重にも巻き取られた状態でケーブル固定部554に固定されている。
ケーブル固定部554は全体的に円柱状に成形されている。ケーブル固定部554の円柱軸は左支持部材55Lsの基面に直交し、前述の枠可動体回転軸部55Aの軸、すなわち、枠可動体55kの回転軸と一致している。言い換えると、ケーブル固定部554は、枠可動体回転軸部55Aと同心円状に形成されている。そして、ケーブル固定部554は、枠可動体回転軸部55Aの先端を覆っている。
ケーブル固定部554の高さは、フレキシブル基板551の幅より少し大きく構成されている。これは、ケーブル固定部554は、フレキシブル基板551を内部に取り込んで固定させるからである。
また、ケーブル固定部554の側面の周方向に対する所定箇所には全長にわたって、フレキシブル基板551をガイドしつつ内部へ引き込むためのケーブル引込部591が設けられている。ケーブル引込部591は、ケーブル固定部554の円柱軸を中心とする放射方向に延びて形成されている。なお、第1実施形態では、このケーブル引込部591が形成されている放射方向は、待機状態における枠可動装置55の上下方向に平行である。また、ケーブル引込部591は上方向に延びて形成されている。
ケーブル引込部591の先端には、ケーブル固定部554の円柱軸を中心とする放射方向に沿ったケーブル引込口592が形成されている。そして、3枚のフレキシブル基板551は、ケーブル引込口592を通してケーブル固定部554の内部に引き込まれて固定されている。なお、引き込まれた3枚のフレキシブル基板551は、ケーブル固定部554の内部において、所定箇所で90度に折り返されている。そして、折り返された箇所より先の部分は、枠可動体回転軸部55Aの先端から内部を通って枠可動体55kの内部に引き込まれている。
また、ケーブル引込部591のケーブル引込口592で分断された一方の先端には、フレキシブル基板551が巻き取られる方向の方向付けをする方向付け部593が形成されている。具体的には、側面視でケーブル引込部591のケーブル引込口592より時計回り方向側の部分、すなわち枠可動体55kが前回りで回転する方向(以下、「順方向」という)側の部分に方向付け部593が形成されている。
方向付け部593は、全体としてケーブル固定部554の円柱軸に対して外側に延びて形成されている。また、方向付け部593は湾曲状に成形されている。詳細には、方向付け部593は、円柱状のケーブル固定部554の周方向に対してケーブル引込口592が形成されている側が傾倒するような湾曲状に成形されている。さらに、方向付け部593の先端は、円柱状のケーブル固定部554の周方向に対してケーブル引込口592の反対側に位置している。言い換えると、方向付け部593は、ケーブル引込口592に沿った放射線と交差している。
このように、方向付け部593の基端部(根本)がケーブル引込口592に沿った放射線上よりも順方向側に形成され、方向付け部593の先端部がケーブル引込口592に沿った放射線上よりも順方向と反対方向側に位置しているので、ケーブル固定部554から突出するフレキシブル基板551がケーブル引込口592に沿った放射線上よりも順方向側に移動するのを阻止すると共に、順方向と反対方向側に向けて曲がるよう方向付けをすることができる。フレキシブル基板551が順方向と反対方向に向けて湾曲状に曲がることにより、枠可動体55kが回転したときに、フレキシブル基板551はその回転に沿った自然な形で巻き取られる。その結果、フレキシブル基板551の損傷を軽減することができる。
また、方向付け部593の先端は、湾曲状に形成されているので、ケーブル引込部591の先端から放射方向外側に位置し、そこでフレキシブル基板551に当接する。そのため、緩やかな曲線状にフレキシブル基板551をケーブル固定部554の内部に引き込むことができる。その結果、フレキシブル基板551の損傷を軽減することができる。
さらに、ケーブル収納部552の中心と、ケーブル固定部554の円柱軸(中心)とはズレている。そして、方向付け部593が傾いている側にケーブル収納部552の中心が位置する。そのため、フレキシブル基板551のケーブル収納部552に沿って巻き付けられている部分と、ケーブル引込口592に引き込まれて固定されている部分との距離を確保することが可能である。その結果、これらの両部分間が緩やかに繋がるので、フレキシブル基板551の損傷を抑えることが可能である。
また、後述するように枠可動体55kを回転させるためのサブドライブ基板162は、枠可動体55kを支持する左支持部材55Lsよりも上流側、具体的には盤用演出ユニットEUの背面側に設置されている。よって、複雑な信号がフレキシブル基板551の回転を伴うケーブル固定部554および枠可動体回転軸部55Aを通って枠可動体55kの内部に送信されることを防ぎ、枠可動体55kの回転動作に影響を与えることを防ぐことができる。
なお、枠可動体55kを回転させるために薄膜状のフレキシブル基板551が設けられているが、フレキシブル基板551の代わりに線状のケーブルを用いても良い。また、中継基板180、ケーブル収納部552、ケーブル誘導部553、および、ケーブル固定部554の左支持部材55Lsにおける位置や形状・寸法も適宜に設定しても良い。例えば、ケーブル固定部554の形状が半円柱状であり、具体的には図8においてケーブル固定部554が右側半分で構成されており、フレキシブル基板551がケーブル固定部554の平面部分に沿って配置されても良い。この場合、ケーブル引込口592が形成されていないことになり、フレキシブル基板551はケーブル固定部554の外部に露出していることになる。また、ケーブル固定部554は、フレキシブル基板551の枠可動体55kの回転軸に沿った部分が当該回転軸に沿った状態を保持できれば、フレキシブル基板551を固定していなくても良い。また、ケーブル固定部554に対して枠可動体55kの反対側のフレキシブル基板551は、ケーブル固定部554の内部で直角に折れ曲がるのではなく、90度と異なる角度で折れ曲がる、すなわち、枠可動体55kの回転軸に交差するように折れ曲がっても良い。さらには、折れ曲がるのではなく、ケーブル固定部554の高さが第1実施形態よりも長く、らせん状にケーブル固定部554に巻き付くように保持されても良い。
また、方向付け部593の内面(反時計回り方向側の表面)の形状が湾曲に形成され、この内面がケーブル引込部591の内面(ケーブル引込口592の内壁面)に連続し、これら連続する内面に沿ってフレキシブル基板551が配置されるようにしても良い。すなわち、ケーブル引込部591の先端から所定距離おいた位置で方向付け部593の先端がフレキシブル基板551に当接するのではなく、方向付け部593の内面の全面がフレキシブル基板551に当接し、方向付けをするようにしても良い。
さらに、ケーブル固定部554の側面にケーブル引込部591が設けられておらず、ケーブル固定部554の本体部分にケーブル引込部591を切り取ったようなケーブル引込口592が形成されていても良い。この場合、ケーブル引込口592の時計回り方向側の脇に方向付け部593を設けることが可能である。
次に、枠可動体55kの構造について説明する。図10(A)、図10(B)に示すように、枠可動体55kは、全体的に略円柱形状の本体90と、本体90の前面側に取り付けられた第1枠可動体ランプ91と、本体90の後面側に取り付けられた第2枠可動体ランプ92と、本体90と第2枠可動体ランプ92の間に取り付けられた5枚の羽根部材93と、を有する。
第1枠可動体ランプ91および第2枠可動体ランプ92は、正面視で本体90の円柱軸C1に直交する底面と同一の円形状に成形されている。そして、第1枠可動体ランプ91および第2枠可動体ランプ92は、本体90に同心円状に取り付けられている。
5枚の羽根部材93は、本体90の後面の周縁部に、周方向に所定間隔で取り付けられている。また、本体90の後面側には5枚の羽根部材93を挟んで第2枠可動体ランプ92が取り付けられている。通常の待機状態では、5枚の羽根部材93は、本体90と第2枠可動体ランプ92との間に格納されて隠れている。
ところで、5枚の羽根部材93は、羽根部材93を回転させる機構95(以下、「羽根部材作動機構95」という)に接続されている。羽根部材作動機構95は、本体90の後方側半分、換言すると、第2枠可動体ランプ92側の半分で構成されている。また、羽根部材作動機構95には、第2枠可動体ランプ92も接続されている。そして、羽根部材作動機構95によって羽根部材93が回転するときに第2枠可動体ランプ92も回転する。すなわち、羽根部材作動機構95によって、5枚の羽根部材93と第2枠可動体ランプ92が同時に回転する。羽根部材作動機構95の駆動源となる羽根部材モータ93mは、羽根部材作動機構95の前面に取り付けられている。羽根部材モータ93mの回転軸は後方側に延びて、羽根部材作動機構95の内部に挿入している。なお、本体90の羽根部材作動機構95を除く前方側の半分は、第1枠可動体ランプ91を支持し、第1枠可動体ランプ91の土台として機能する第1枠可動体ランプベース部94を構成している。
羽根部材作動機構95は、羽根部材93を作動させる各種部品が格納された機構本体部951と、羽根部材作動機構95の蓋として機能する機構カバー部952とで構成されている。機構本体部951と機構カバー部952は共に、全体的に一方の端部が開放した円筒状である。機構本体部951と機構カバー部952は概ね同一の高さで同一方向を向いている。そして、機構カバー部952が第1枠可動体ランプ91寄り(前方側)に配され、機構本体部951が第2枠可動体ランプ92寄り(後方側)に配されている。
図11(A)、図11(B)に示すように、機構カバー部952には、羽根部材モータ93mの回転軸が挿通する円形の羽根部材モータ挿通孔952aが形成されている。また、機構カバー部952の中央には、後述する第2枠可動体ランプ取付板963が嵌入する円形の取付板嵌入孔952bが形成されている。さらに、機構カバー部952の周縁部には所定間隔をおいて、後述する第2回転ギア965の回転軸に沿った端部が嵌入する第2回転軸部嵌入孔952cが形成されている。また、機構カバー部952の後面、すなわち、機構カバー部952の機構本体部951に対向する面には、後述する回転板962を係止する一対の第1係止部953d、および第2係止部953eが垂直に設けられている。第1係止部953dと第2係止部953eは同一形状に成形されており、第2係止部953eは、第1係止部953dを機構カバー部952の中心に対して所定角度、回転させた位置に形成されている。
次に、機構本体部951について説明する。図12(A)〜図12(C)は、羽根部材93が取り付けられた機構本体部951を単体で前方側から見た図である。詳細には、図12(A)は第1特別状態のときに機構本体部951を前方側から見た図、図12(C)は第2特別状態のときに機構本体部951を前方側から見た図、図12(B)は第1特別状態から第2特別状態に移行する中間の状態のときに機構本体部951を前方側から見た図である。
機構本体部951は、羽根部材93を取り付けると共に、羽根部材93を作動させる各種部品を格納して取り付けるための収納ケース960と、各羽根部材93を個別に回転させる5つの個別回転機構961と、5つの個別回転機構961を同時に回転させる回転板962と、第2枠可動体ランプ92を取り付けて固定する第2枠可動体ランプ取付板963と、を備える。
収納ケース960は、前方側が開放する円筒状に成形されている。収納ケース960の開口部分に対面する基面に、5枚の羽根部材93を回転させるための5つの個別回転機構961が設けられている。図12(A)の第1特別状態では、各羽根部材93(図示なし)は完全に収納ケース960の陰に隠れており正面から視認できない。反対に、図12(C)の第2特別状態では、各羽根部材93が収納ケース960の外側に出現しており、正面から視認可能である。なお、個別回転機構961については後述する。
回転板962は全体として円盤状に成形されている。回転板962の中心は収納ケースの中心C2(以下、「第2中心C2」という)に一致している。すなわち、回転板962は収納ケース960と同心円状に配されている。
回転板962の外側面の連続した1/4の部分、具体的には90度の範囲には、羽根部材モータ93mの回転軸の先端に取り付けられたギア(不図示)が噛み合う羽根部材モータ用ギア970が形成されている。よって、羽根部材モータ93mの回転に合わせて回転板962が第2中心C2を中心に回転する。なお、第1実施形態では、回転板962は図12(A)の状態から、反時計回りに90度回転可能である。反対に、回転板962は図12(C)の状態から、時計回りに90度回転可能である。
ここで、図13(A)、図13(B)を用いて回転板962について説明する。図13(A)は、第2枠可動体ランプ取付板963が取り付けられた回転板962を前方側から見た図、図13(B)は、第2枠可動体ランプ取付板963が取り付けられた回転板962のみを後方側から見た図である。回転板962の外周における第2中心C2を挟んで羽根部材モータ用ギア970の中央と反対側には、回転板962を回転方向に係止させるための被係止片971が回転板962の外側に突出して設けられている。第1特別状態では、被係止片971は第1係止部953dに係止されている。一方、第2特別状態では、被係止片971は第2係止部953eに係止されている。
また、回転板962の前面の中央部分には、円形状の第2枠可動体ランプ取付板963が第2中心C2で同心円状に取り付けられている。第2枠可動体ランプ取付板963の中央部には、中心孔963aが形成されている。また、第2枠可動体ランプ取付板963の中心孔963aの縁には、対向する一対の取付片963bが第2中心C2の方に延びるように形成されている。
さらに、回転板962の中央部分には、円形状の接続部挿入孔972が第2中心C2で同心円状に形成されている。接続部挿入孔972の直径は第2枠可動体ランプ取付板963の直径よりも小さい。よって、前方側から見ると接続部挿入孔972は第2枠可動体ランプ取付板963に覆われている。
ここで、後述するように、収納ケース960の基面の中央には、円筒状の第2枠可動体ランプ接続部960aが垂直に立設されている。第2枠可動体ランプ接続部960aは、第2中心C2を円柱軸として形成されている。第2枠可動体ランプ接続部960aの内部はその円柱軸方向に貫通している。この内部には、後述する第2枠可動体ランプ92に形成された第2枠可動体ランプ回転軸部982が挿入される。
そして、第2枠可動体ランプ接続部960aの先端部分が接続部挿入孔972に挿入され、第2枠可動体ランプ接続部960aに挿入した第2枠可動体ランプ回転軸部982の先端が、取付片963bの後面に当接した状態で固定される。すなわち、第2枠可動体ランプ92が第2枠可動体ランプ取付板963に固定されることになる。よって、回転板962の回転に伴って、第2枠可動体ランプ92も第2中心C2、言い換えると本体90の円柱軸C1を中心に回転する。
また、第2枠可動体ランプ92を発光させるための配線は、中心孔963aを通って第2枠可動体ランプ回転軸部982の内部に挿通し、第2枠可動体ランプ92の内部に引き込まれる。
さらに、回転板962の接続部挿入孔972付近には、各個別回転機構961に対する5つのカム溝973が、接続部挿入孔972を中心にした捻じれた放射状に形成されている。各カム溝973の内側の壁面は、第2中心C2寄りの端部において直線状に成形された第1直線部973Aと、反対側の端部において直線状に成形された第2直線部973Cと、第1直線部973Aと第2直線部973Cとの間で円弧状に成形された円弧部973Bと、で構成されている。
図14は、基本的には図12(C)における回転板962および第2枠可動体ランプ取付板963を取り除いた図である。機構本体部951の基面の中央には、第2枠可動体ランプ接続部960aが垂直に立設されている。第2枠可動体ランプ接続部960aは円柱軸に沿った両端が貫通した円筒状に成形されている。第2枠可動体ランプ接続部960aの内部には、第2枠可動体ランプ92に形成された第2枠可動体ランプ回転軸部982が挿入される。
第2枠可動体ランプ接続部960aの周辺には、5つの個別回転機構961が周方向に沿って並んで設置されている。個別回転機構961は、収納ケース960と回転板962の間に設けられている。なお、個別回転機構961と収納ケース960および回転板962との間には数mm(例えば、1〜2mm)程度の隙間が形成されている。各個別回転機構961は、それぞれ対応する1つの羽根部材93に接続されている。また、各個別回転機構961は、対応する各カム溝973で回転板962に連結されている。具体的には、各個別回転機構961が具備する摺動突部974が各カム溝973に摺動可能に嵌入している。
各個別回転機構961は同一の構造からなり、同一の挙動を示すので、図14に加えて、1つの個別回転機構961を図示した図15を用いて、個別回転機構961の構造および挙動について説明する。なお、図15(A)〜図15(C)はそれぞれ、図12(A)〜図12(C)に対応しており、図12(A)〜図12(C)に図示した1つの個別回転機構961を拡大した図である。
図14、図15に示すように、個別回転機構961は、第1回転軸O1を中心に回転可能な第1回転ギア964と、第2回転軸O2を中心に回転可能な第2回転ギア965と、第3回転軸O3を中心に回転可能なトーションばね966と、を備える。なお、第1回転軸O1、第2回転軸O2、および第3回転軸O3は、収納ケース960の基面に直交している。
第1回転ギア964は、第1回転軸O1を中心とした略半円形状の板状部材である。第1回転軸O1は、第2中心C2と外周の中間付近に設けられている。第1回転ギア964の周縁部における時計回り方向に進んだ側の端部には、前述のカム溝973に摺動する摺動突部974が第1回転ギア964に垂直に設けられている。摺動突部974は、直径がカム溝973の幅と大体同じ円柱状に成形されている。また、第1回転ギア964の外側面上における反時計回り方向に進んだ側の後半半分の90度の範囲には、第1歯形部975が形成されている。
第2回転ギア965は、第2回転軸O2に沿って全体として略円柱状に形成されている。第2回転軸O2は、収納ケース960の周縁部に設けられている。なお、第2回転軸O2は第2中心C2と第1回転軸O1とを結ぶ直線上に設けられている。
第2回転ギア965における高さ方向の中間付近で収納ケース960の基面付近には、第2歯形部976が形成されている。第2歯形部976は、全体として円盤状に成形されており、全周にわたって第1歯形部975に噛み合うギアが外向きに形成されている。第2歯形部976は、図15(A)に示す第1特別状態において、第1歯形部975の反時計回り方向に進んだ側の端部に接続されている。
図15(A)に示す第1特別状態から第1回転ギア964が反時計回りに回転すると、第2歯形部976が第1歯形部975と噛み合った状態で第2回転軸O2を中心に時計回りに回転しながら第1歯形部975の上を時計回り方向に進む(図15(B)参照)。そして、最終的に第1回転ギア964が第1回転軸O1を中心に反時計回りに90度回転すると、第2歯形部976を含む第2回転ギア965が第2回転軸O2を中心に時計回りに180度回転する。このとき、第1歯形部975における第1回転軸O1を中心とした時計回り方向側の端部に接続されている(図15(C)参照)。
また、第2回転ギア965のうちで第2歯形部976よりも図15の手前側に突出している方の端部は、機構カバー部952に形成された第2回転軸部嵌入孔952cに挿入されている。一方、第2回転ギア965のうちで第2歯形部976よりも図15の奥側に突出している部分は、収納ケース960の反対側に突出している。この反対側に突出している部分には羽根部材93が直接接続されている。よって、羽根部材93は、第2回転ギア965の回転に伴って回転する。
すなわち、第1回転ギア964が第1特別状態から反時計回りに90度回転すると、羽根部材93が第2回転ギア965を介して時計回りに180度回転して、完全に出現し、第2特別状態となる。反対に、第1回転ギア964が第2特別状態から時計回りに90度回転すると、羽根部材93が第2回転ギア965を介して反時計回りに180度回転して、完全に隠れ、第1特別状態となる。
トーションばね966の一方の端部T1(以下、「回転端部T1」という)は、第1回転ギア964における第1歯形部975から時計回り方向に少し離れた箇所に固定されている。一方、トーションばね966の他方の端部T2(以下、「固定端部T2」という)は第3回転軸O3上で固定されている。第3回転軸O3は、第2中心C2を中心とした反時計回り方向に第2回転軸O2から所定角度進んだ位置付近に設けられている。
トーションばね966の取り付けられる前の自然な状態でのアーム角は180度である。しかし、トーションばね966は、取り付けられて待機状態や第1特別状態におかれているときは、トーションばね966の巻かれている部分が第2回転軸O2、すなわち、進む方向と反対側を向き、且つアーム角が約120〜150度の状態で保持されている(図15(A)参照)。このとき、回転端部T1は、第1回転軸O1と第3回転軸O3とを結ぶ直線X2(以下、「第2直線X2」という)を挟んで第2回転軸O2、すなわち、進む方向と反対側に位置している。具体的に、回転端部T1は、第1回転軸O1を中心として第2直線X2を時計回りに45度回転させた線上に配されている。また、回転端部T1と第3回転軸O3との距離はこの状態のときが最も遠く、トーションばね966のアーム角はこの状態のときが最も大きい。このような第1特別状態では、トーションばね966は、第1回転ギア964を時計回りに回転させる向きに付勢する。
ここで、第1回転ギア964が反時計回りに回転すると、回転端部T1は、第2直線X2を挟んで第2回転軸O2と反対側の範囲において、第1回転軸O1を中心とし、第1回転軸O1から回転端部T1までの距離を直径とする円の円弧上を反時計回りに進む。この回転端部T1の回転に伴って、回転端部T1が徐々に第3回転軸O3に近づき、トーションばね966のアーム角が徐々に小さくなる。このように回転端部T1が第2直線X2を挟んで第2回転軸O2と反対側の範囲を進んでいる状態では、トーションばね966は、第1回転ギア964を時計回りに回転させる向きに付勢する。
そして、図15(B)に示すように、第1特別状態(図15(A))からの第1回転ギア964の回転角度が45度になると、回転端部T1が第2直線X2に到達し、回転端部T1と第3回転軸O3との距離が最も近くなり、トーションばね966のアーム角が最も小さい90度となる。このとき、トーションばね966は、第1回転ギア964を時計回りおよび反時計回りの何れの向きにも付勢しない。すなわち、回転端部T1が第2直線X2に到達したときが、トーションばね966による付勢の向きの変曲点となる。
第1回転ギア964の回転がさらに進むと、回転端部T1が第2直線X2よりも第2回転軸O2側の範囲を進む。この回転端部T1の移動に伴って、回転端部T1と第3回転軸O3との距離が徐々に離れ、トーションばね966のアーム角が徐々に大きくなる。このように回転端部T1が第2直線X2よりも第2回転軸O2側の範囲を進んでいる状態では、トーションばね966は、第1回転ギア964を反時計回りに回転させる向きに付勢する。
そして、最終的に図15(C)に示すように、第1特別状態(図15(A))からの第1回転ギア964の回転角度が90度になって第2特別状態になったとき、回転端部T1は、第1回転軸O1を中心として第2直線X2から反時計回りに45度回転させた位置に到達している。このような回転完了状態では、トーションばね966は、第1回転ギア964を反時計回りに回転させる向きに付勢する。また、このときの回転端部T1と第3回転軸O3との距離、およびトーションばね966のアーム角は第1特別状態(図15(A))のときと同一である。すなわち、第1回転ギア964の回転前の待機状態と90度回転した回転完了状態のとき、回転端部T1と第3回転軸O3との距離が最も遠く、トーションばね966のアーム角が最も大きい。
このように、回転端部T1と第3回転軸O3との距離は、第1特別状態のときに最大であり、第1回転ギア964の回転が進むにつれて徐々に近づき、第1回転ギア964が最大回転角度に対する半分回転し、回転端部T1が第2直線X2に差し掛かった時点で最も近い。そして、回転端部T1と第3回転軸O3との距離は、第1回転ギア964の回転がさらに進むにつれて徐々に離れ、第1回転ギア964が最大回転角度回転し、第2特別状態になった時点で再び最も遠くなる。
また、トーションばね966のアーム角は、第1特別状態のときに最大であり、第1回転ギア964の回転が進むにつれて徐々に小さくなり、第1回転ギア964が最大回転角度に対する半分回転し、回転端部T1が第2直線X2に差し掛かった時点で最も小さくなる。そして、トーションばね966のアーム角は、第1回転ギア964の回転がさらに進むにつれて徐々に大きくなり、第1回転ギア964が最大回転角度回転し、第2特別状態になった時点で再び最も大きくなる。
そして、回転端部T1が第1特別状態と同じ第2直線X2よりも第2回転軸O2と反対側に配されている間は、トーションばね966は、第1回転ギア964を時計回りに回転させる向き、すなわち羽根部材93を、収納された第1特別状態に保持させる向きに付勢する。第1回転ギア964が時計回りに回転すると、羽根部材93は収納されるからである。一方、回転端部T1が第2特別状態(回転完了状態)と同じ第2直線X2よりも第2回転軸O2と同一側に配されている間は、トーションばね966は、第1回転ギア964を反時計回りに回転させる向き、すなわち羽根部材93を、出現した第2特別状態に保持させる向きに付勢する。第1回転ギア964が反時計回りに回転すると、羽根部材93は出現されるからである。また、回転端部T1が第2直線X2に配されて第1特別状態と第2特別状態との中間の状態になるときは、トーションばね966が第1回転ギア964を何れの方向にも付勢しない変曲点に到達する。
ここで、前述の通り、カム溝973には、第1直線部973A、円弧部973B、および第2直線部973Cが形成されている。そして、回転板962が回転するとき、摺動突部974はカム溝973に沿って移動する。しかし、摺動突部974が第1直線部973Aおよび第2直線部973Cの範囲を移動しているときは、各第1回転ギア964は摺動突部974を介して回転しない。一方、摺動突部974が、円弧部973Bの範囲を移動しているときは、第1回転ギア964は摺動突部974を介して回転板962から荷重を受けながら回転する。
よって、例えば、摺動突部974が第1直線部973Aの範囲に位置しているときは、第1回転ギア964は回転板962から荷重を受けない。その代わりに、第1回転ギア964は、トーションばね966によって羽根部材93を収納させる向きに付勢される。なお、その状態では、羽根部材93は後述する一対の係止凸部934および係止凹部977の内壁と、一対の羽根部材側突部935および収納ケース側突部978によってそれ以上その向きに回転することを阻止されている。そのため、羽根部材93を収納する向きに付勢されている第1回転ギア964は回転せずに収納されている状態を保つ。また、このとき、第1回転ギア964は回転していないが、回転板962は回転しているので、摺動突部974は相対的にカム溝973を反対側の端部に向かって移動する。
そして、摺動突部974が円弧部973Bに差し掛かると、第1回転ギア964が回転板962から荷重を受けて回転し始め、その回転に伴って第2回転ギア965を介して各羽根部材93も回転して出現し始める。回転端部T1が第2直線X2に到達するまでは、第1回転ギア964がトーションばね966によって羽根部材93を収納させる向きに付勢されるものの、摺動突部974が円弧部973Bに沿って移動し、その移動に伴って第1回転ギア964が回転するため、羽根部材93は第1回転ギア964に連結された第2回転ギア965の回転に伴って、第2特別状態に向かって回転する。
次に、回転端部T1が第2直線X2に到達すると、トーションばね966が付勢する向きが羽根部材93を収納させる向きから出現させる向きに切り替わる変曲点となる。ここで、摺動突部974が第2直線部973Cに到達するまでは、第1回転ギア964がトーションばね966によって羽根部材93を出現させる向きに付勢されるものの、摺動突部974が円弧部973Bに沿って移動し、その移動に伴って第1回転ギア964が回転するため、羽根部材93は第1回転ギア964に連結された第2回転ギア965の回転に伴って、出現する第2特別状態に向かって回転する。
そして、摺動突部974が第2直線部973Cに差し掛かると、第1回転ギア964は再び回転板962から荷重を受けない状態になる。ここで、第1回転ギア964はトーションばね966によって羽根部材93を出現させる向きに付勢されているため、第1回転ギア964がトーションばね966の付勢力によって羽根部材93を出現させる向きに回転する。その回転に伴って、羽根部材93は出現する第2特別状態に向かって回転する。この第1回転ギア964が回転板962から荷重を受けない状態では、第1回転ギア964に形成された摺動突部974は、トーションばね966の付勢力によって第2直線部973C内を端部に向かって移動する。そして、最終的には後述する係止凸部934と係止凹部977の内壁、および羽根部材側突部935と収納ケース側突部978によって、羽根部材93は180度回転したときにそれ以上回転することを阻止されている。このときに第1回転ギア964の回転も停止する。
なお、図15(C)に示す第2特別状態から図15(A)に示す第1特別状態になる場合も、第1回転ギア964、羽根部材93、およびトーションばね966などは逆向きに同様の挙動を示す。すなわち、図15(C)に示す第2特別状態から図15(A)に示す第1特別状態になる終盤の摺動突部974が第1直線部973Aに差し掛かる状態になると、第1回転ギア964は回転板962から荷重を受けない状態になる。ここで、第1回転ギア964はトーションばね966によって羽根部材93を収納させる向きに付勢されているため、第1回転ギア964がトーションばね966の付勢力によって羽根部材93を収納させる向きに回転する。その回転に伴って、羽根部材93は収納する第1特別状態に向かって回転する。この第1回転ギア964が回転板962から荷重を受けない状態では、第1回転ギア964に形成された摺動突部974は、トーションばね966の付勢力によって第1直線部973A内を端部に向かって移動する。
次に、羽根部材93について説明する。図16(A)は、第2特別状態のときに羽根部材93が取り付けられた羽根部材作動機構95を後方側から見た図、図16(B)は、第1特別状態のときに羽根部材93が取り付けられた羽根部材作動機構95を後方側から見た図である。
羽根部材93は全体的に平板状に成形されている。羽根部材93は、前述の第2回転ギア965に接続される接続部931と、接続部931から形成され、第2枠可動体ランプ92からの光によって光っているように見せる装飾部932と、を有する。
接続部931は、線対称の略楕円状を呈している。接続部931の長軸部分および短軸部分の中心に第2回転軸O2が配されるように第2回転ギア965が接続部931に接続されている。接続部931の円弧部分は、直径が収納ケース960の直径と同一の長さで中心角が60度より少し大きい角度の円弧と同一形状になっている。なお、接続部931は第1特別状態および第2特別状態においても正面から視認されない部分である。
装飾部932は、直径が収納ケース960の直径より25mmほど長い長さで中心角が60度より少し小さい角度の扇形の中心から収納ケース960の直径と同一長さまでの部分を除去したような形状(以下、「アーチ形状」という)に成形されている。以下において、このアーチ形状における内側の円弧状の曲線部分を「内円弧部分」といい、外側の円弧状の曲線部分を「外円弧部分」という。なお、装飾部932は第2特別状態において正面から完全に視認される部分である。
なお、接続部931と装飾部932とは一体的に成形されている。そして、装飾部932は内円弧部分で接続部931の一方の円弧部分に連接している。すなわち、内円弧部分は、接続部931と装飾部932との境界を構成している。
また、羽根部材93は透明な合成樹脂からなる。そして、装飾部932の収納ケース960側の表面には、その形状に合わせた両面が銀色の反射シート932sが貼り付けられている。これは、後述するように羽根部材93に向けて発光される光を効果的に反射させて、発光演出の演出効果を高めるためである。
さらに、装飾部932の第2枠可動体ランプ92側の表面には多数の乱反射用溝933が形成されている。乱反射用溝933は、断面V字形状で、第2中心C2を中心とした円弧に沿って形成されている。このように乱反射用溝933が形成されているのは、後述するように第2枠可動体ランプ92から羽根部材93、特に装飾部932に向けて発光される光を乱反射させて、発光演出の演出効果を高めるためである。
以上のように構成された羽根部材93は第2回転軸O2を中心に回転可能である。そして、羽根部材93の回転が終えた第2特別状態では、羽根部材93は、装飾部932の内円弧部分、すなわち、接続部931と装飾部932との境界が、羽根部材93に垂直な方向において収納ケース960の外周と重なった状態で保持される。よって、装飾部932が収納ケース960の外側に出現する。
一方、羽根部材93が回転していない通常状態(枠可動装置55の待機状態、および第1特別状態)では、図16(B)に示すように、各羽根部材93は、接続部931の装飾部932と反対側の円弧部分が羽根部材93に垂直な方向において収納ケース960の外周と重なった状態で保持される。よって、装飾部932を含む羽根部材93は収納ケース960の内側に隠れる。
羽根部材93が通常状態で保持されているとき、羽根部材93に直交する方向に見ると、羽根部材93は隣接する羽根部材93と端部で重なる。これは、羽根部材93が隣接する羽根部材93と羽根部材93に直交する方向にズレて取り付けられているからである。
ここで、5枚の羽根部材93の配置について詳細に説明する。5枚の羽根部材93はそれぞれ、全体的に大体60度の中心角からなる形状に成形されている。そして、羽根部材93の第2回転軸O2は、第2中心C2を中心とした周方向に対して60度おきに設けられている。よって、全ての羽根部材93が基本姿勢状態から180度回転して第2特別状態になると、第2中心C2を中心とする周方向に沿った300度の範囲に5枚の羽根部材93が周方向に並ぶ。一方、第2中心C2を中心とする周方向に沿った60度の範囲では羽根部材93が欠損している。
以下において、羽根部材93が回転したときに第2中心C2を中心とする周方向に沿って羽根部材93が形成されていない範囲を「羽根部材欠損部93X」と称する。羽根部材欠損部93Xは、収納ケース960の円周における最下部に位置し、第2中心C2を通る上下方向の直線に対して左右対称である。このように羽根部材欠損部93Xを設けるのは、表示部50aに対する視認性を確保するためである。また、各羽根部材93について、羽根部材欠損部93Xから反時計回りに第1羽根部材93A、第2羽根部材93B、第3羽根部材93C、第4羽根部材93D、および第5羽根部材93Eという。
そして、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eと、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dがそれぞれ、第2回転軸O2の軸方向に対して同一平面上に設けられている。具体的には、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eは、第2回転軸O2の軸方向に対して収納ケース960の表面から数ミリ(例えば、3mm)程度離れて設けられ、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dは、第2回転軸O2の軸方向に対して第1羽根部材93Aなどから数ミリ(例えば、3mm)程度離れて設けられている。また、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dは、第2回転軸O2の軸方向に対して第2枠可動体ランプ92の表面から数ミリ(例えば、3mm)程度離れて設けられている。
また、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eの接続部931の収納ケース960側の表面には、当該表面に直交する柱状の係止凸部934が形成されている。係止凸部934は、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eの装飾部932を外側に配置して乱反射用溝933が形成された表面側から見ると、接続部931の長軸上の第2回転軸O2の左隣りに形成されている。第2回転軸O2と係止凸部934との間の距離は、収納ケース960の外径から、第2中心C2から第2回転軸O2までの距離を引いた距離と同じである。なお、係止凸部934の断面は略正方形状である。
さらに、収納ケース960の第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに対向する表面には、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに係る第2回転軸O2を中心とし、中心角を180度とする円弧に沿った係止凹部977が形成されている。係止凹部977は、円弧の弦が第2中心C2と第2回転軸O2とを結ぶ直線に直交し、且つ、円弧部分が放射方向外側を向くように形成されている。また、第2回転軸O2と係止凹部977との間の距離は第2回転軸O2と係止凸部934との間の距離に一致している。さらに、係止凹部977の幅は係止凸部934の幅と同一である。
このように、係止凸部934と係止凹部977が形成されており、係止凸部934は、係止凹部977に沿って回転可能である。そして、通常状態にあるとき、トーションばね966によって収納される方向に付勢されている係止凸部934が係止凹部977の円周方向に沿った一方の端部の内壁に係止される。一方、第2特別状態にあるとき、トーションばね966によって出現する方向に付勢されている係止凸部934は係止凹部977の円周方向に沿った他方の端部の内壁に係止される。
また、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dの接続部931の収納ケース960側の表面には、当該表面に直交する柱状の羽根部材側突部935が形成されている。羽根部材側突部935は、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dの装飾部932を外側に配置して乱反射用溝933が形成された表面側から見ると第2回転軸O2から第2中心C2に向かって延びて形成されている。
羽根部材側突部935の第2回転軸O2に直交する断面は等脚台形状である。羽根部材側突部935の断面形状の等脚台形の高さ方向は接続部931の短軸方向に平行である。そして、この等脚台形の上底部分は第2回転軸O2から遠い方に形成され、下底部分は第2回転軸O2に近い方に形成されている。
また、収納ケース960の第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに対向する表面には、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに係る羽根部材側突部935を係止させる収納ケース側突部978が垂直に形成されている。収納ケース側突部978は、第2回転軸O2を中心とし、中心角を約170度とする円弧に沿って形成されている。
このように、羽根部材側突部935と収納ケース側突部978が形成されており、羽根部材側突部935は、収納ケース側突部978に係る円弧を含む円周の当該円弧以外の部分に沿って回転可能である。そして、通常状態にあるとき、トーションばね966によって収納される方向に付勢されている羽根部材側突部935は収納ケース側突部978の第2中心C2から遠い方の端面に係止される。一方、第2特別状態にあるとき、羽根部材側突部935は、トーションばね966によって出現する方向に付勢されている収納ケース側突部978の第2中心C2に近い方の端面に係止される。
以上のように、各羽根部材93は、第1特別状態から第2特別状態に移行する場合、摺動突部974が円弧部973Bの範囲を摺動しているときには、羽根部材モータ93mの駆動によって回転し、最後の第2直線部973Cの範囲を摺動しているときには、トーションばね966の付勢によって回転する。反対に、各羽根部材93は、第2特別状態から第1特別状態に移行する場合、摺動突部974が円弧部973Bの範囲を摺動しているときには、羽根部材モータ93mの駆動によって回転し、最後の第1直線部973Aの範囲を摺動しているときには、トーションばね966の付勢によって回転する。このように、各羽根部材93の回転の駆動源が切り替わることによって各羽根部材93の回転態様が変化するので、羽根部材93の回転動作による動作演出の視覚的な演出効果が向上する。
また、各羽根部材93は、最終的にはトーションばね966によって回転され、係止凸部934と係止凹部977の内壁、および羽根部材側突部935と収納ケース側突部978によって係止する。よって、各羽根部材93の回転動作にキレを出し、演出効果を向上させることができる。さらに、係止凸部934と係止凹部977の内壁、または羽根部材側突部935と収納ケース側突部978が衝突する際に音がでるので、臨場感を出して演出効果を向上させることもできる。
さらに、5枚の羽根部材93を、羽根部材モータ93mを駆動源とする1枚の回転板962の回転によって一斉に回転させることができる。ここで、回転動作の最終段階である第1直線部973A又は第2直線部973Cの区間では、各羽根部材93は回転板962から荷重を受けず、間接的に連結されたトーションばね966に付勢されて確実に回転する。よって、カム溝973や摺動突部974の製造誤差や経時変化などによって、5枚の羽根部材93の回転動作が揃わないという事態を避けることができる。
なお、羽根部材93の形状、枚数、および設置箇所は上述の説明に限られずに適宜に設定可能である。それに伴って、個別回転機構961の構造、個数、および設置箇所も適宜に設定可能である。さらに、羽根部材93を回転させるための羽根部材作動機構95の構造も、5枚の羽根部材93を同時に作動させることができるのであれば適宜に設定可能である。
次に、第2枠可動体ランプ92について説明する。図17に示すように、第2枠可動体ランプ92は、光源となる光源ユニット921と、光源ユニット921を格納する格納部材922と、を有する。
格納部材922は、全体的に円形平板の底部980と、底部980の一方の表面の周縁部から立設され、内部を保護しつつ第2枠可動体ランプ92としての装飾性を高めるためのドーム状の装飾保護部981と、羽根部材作動機構95に接続され、回転軸となる第2枠可動体ランプ回転軸部982と、を備える。
底部980、装飾保護部981、および第2枠可動体ランプ回転軸部982は共に、透明の合成樹脂からなる。装飾保護部981の表面全体には、所定のデザイン(第1実施形態では、ハート)を表す有色の合成樹脂製部材981dが設けられている。また、第2枠可動体ランプ回転軸部982は円筒状に成形されており、底部980の装飾保護部981が形成されている方と反対側の表面の中心に垂直に設けられている。詳細には、第2枠可動体ランプ回転軸部982は底部980の中心C3(以下、「第3中心C3」という)で底部980と同心円状に形成されている。そして、第2枠可動体ランプ回転軸部982の円柱軸方向に形成された中空部は、そのまま格納部材922の内部に連通している。すなわち、底部980には、第2枠可動体ランプ回転軸部982の中空部に沿った孔が形成されている。この第2枠可動体ランプ回転軸部982と底部980にわたって形成され、格納部材922の内部から外部に連通している部分を配線挿通孔922Aとする。配線挿通孔922Aには、光源ユニット921を発光させるための配線が挿通される。
光源ユニット921は、底部980の装飾保護部981に対向する表面に取り付けられている。ここで図18を交えて光源ユニット921について説明する。光源ユニット921は、光源となる素子を搭載する光源ユニット本体983と、光源ユニット本体983の装飾保護部981に対向する面上に搭載された複数の光源素子984(以下、「第2枠ランプ用光源素子984」という)と、光源ユニット本体983の底部980に対向する面上に搭載された複数の光源素子985(以下、「羽根用光源素子985」という)と、を備える。なお、以下において、光源ユニット本体983の第2枠ランプ用光源素子984が搭載されている側の面を「第1表面」という。また、光源ユニット本体983の羽根用光源素子985が搭載されている側の面を「第2表面」という。
光源ユニット本体983は、市販されている一般的な合成樹脂製のLED基板からなり、底部980より一回り小さい円形に成形されている。なお、光源ユニット本体983は、その中心が第3中心C3と一致するように底部980と同心円状に配されている。
また、第2枠ランプ用光源素子984、および羽根用光源素子985は、発光面が平面視矩形状の同一のリフレクター付チップLEDからなる。なお、第2枠ランプ用光源素子984、および羽根用光源素子985を構成する発光体の種類は特に制限されず適宜に設定しても良い。また、LEDに限らず蛍光灯などの他の種類の発光体を第2枠ランプ用光源素子984や羽根用光源素子985に用いても良い。この場合、発光体の種類に応じて光源ユニット本体983の種類を設定する。
さらに、第2枠ランプ用光源素子984と羽根用光源素子985とは、同じ種類のLEDでも異なる種類のLEDでも良い。この場合、第2枠ランプ用光源素子984の種類と羽根用光源素子985の種類が異なる場合、各光源素子984、985に合わせた光源ユニット本体983を用いて、これらを一体化しても良い。
図18(A)に示すように、複数の第2枠ランプ用光源素子984は、光源ユニット本体983の第1表面の全体に散在している。そして、第2枠ランプ用光源素子984は、装飾保護部981に向かって発光可能である。一方、図18(B)に示すように、複数の羽根用光源素子985は、光源ユニット本体983の第2表面の周縁部に第3中心C3を中心とする周方向に沿って所定間隔をおいて並んで設けられている。また、各羽根用光源素子985は、その短辺方向が第3中心C3を中心とする放射線(以下、「特定放射線」という)に沿うように取り付けられている。そして、羽根用光源素子985は、底部980を介して羽根部材93に向かって発光可能である。
ここで、羽根用光源素子985の配置について詳細に説明する。図18(B)に示すように、光源ユニット本体983には、20個の羽根用光源素子985が搭載されている。羽根用光源素子985は、第3中心C3を中心とする所定の半径長の円周上に沿って配置されている。第1実施形態において、所定の半径長は光源ユニット本体983の半径よりも5mm短い長さに設定されている。
そして、20個の羽根用光源素子985は、4個で1つのグループを構成している。よって、光源ユニット本体983には、4個の羽根用光源素子985で構成された羽根用光源素子985のグループが5つ設けられていることになる。各羽根用光源素子985のグループは、円形状の光源ユニット本体983の周方向に沿った60度の範囲で編成されている。そのため、光源ユニット本体983の所定の60度の範囲には羽根用光源素子985が設けられていないことになる。
以下において、羽根用光源素子985が設けられていない光源ユニット本体983の周方向に沿った60度の範囲を「羽根用光源素子非搭載部985X」と称する。また、各羽根用光源素子985のグループについて、羽根用光源素子非搭載部985Xから時計回りに第1羽根用光源グループ985A、第2羽根用光源グループ985B、第3羽根用光源グループ985C、第4羽根用光源グループ985D、および第5羽根用光源グループ985Eという。
各羽根用光源グループ985A〜985Eにおける羽根用光源素子985の配置は相対的に同一である。具体的には、各羽根用光源グループ985A〜985Eでは、光源ユニット本体983の周方向に沿った60度の範囲において、周方向に沿った両端のやや内側に羽根用光源素子985が配置され、その間に2つの羽根用光源素子985が等間隔で配置されている。
ところで、第1特別状態から第2特別状態に変化するときに第2枠可動体ランプ92が時計回りに90度回転する。この第2特別状態にあるときに、第1羽根用光源グループ985A〜第5羽根用光源グループ985Eと、第1羽根部材93A〜第5羽根部材93Eが対面する。同様に、光源ユニット本体983に垂直な方向において、羽根用光源素子非搭載部985Xと羽根部材欠損部93Xが対面する。そして、第1羽根用光源グループ985A〜第5羽根用光源グループ985Eのそれぞれが、出現して視認可能な第1羽根部材93A〜第5羽根部材93Eに向けて発光する。
なお、待機状態および第1特別状態にあるときには、第1羽根用光源グループ985A〜第5羽根用光源グループ985E、および羽根用光源素子非搭載部985Xと、第1羽根部材93A〜第5羽根部材93E、および羽根部材欠損部93Xとは、第2特別状態のように揃った状態で対面していない。
ここで、光源ユニット921の説明に戻す。底部980には、各羽根用光源素子985に対して、平面視矩形状の孔986が形成されている。孔986の各長辺部分は特定放射線に直交している。また、光源ユニット本体983に垂直な方向において、孔986の光源ユニット本体983の第3中心C3から遠い方の長辺部分と、羽根用光源素子985の第3中心C3に近い方の長辺部分と、が大体対向している。そして、各孔986の光源ユニット本体983の第3中心C3から遠い方の長辺部分の外側の縁には放射方向外側に向かって上昇する傾斜面987が形成されている。なお、孔986および傾斜面987の長辺方向長さは羽根用光源素子985の長辺方向長さの5〜6倍である。また、孔986および傾斜面987の長辺方向の中心と羽根用光源素子985の長辺方向中心は、同一の特定放射線上に位置している。
さらに、底部980の周方向に沿った所定間隔、具体的には60度おきに3つの切欠部988が形成されている。切欠部988は、第3中心C3に対して60度の範囲で同一幅に成形されている。切欠部988は、光源ユニット本体983に垂直な方向において、第1羽根用光源グループ985A、第3羽根用光源グループ985C、および第5羽根用光源グループ985Eに対面している。また、切欠部988の幅は5mmである。すなわち、切欠部988は、切欠部988が形成されていない底部980の外周に対して5mm第3中心C3側にセットバックされるように形成されている。
このように、底部980には、傾斜面987、および切欠部988が形成されているが、これらは羽根用光源素子985が効果的に羽根部材93を発光するために形成されている。次に、図19を用いて羽根用光源素子985から発光される光と、傾斜面987、および切欠部988との関係について説明する。
図19(A)は、第1羽根用光源グループ985Aを構成する羽根用光源素子985の中心を通る特定放射線上の部分断面図である。図19(A)の部分断面図は羽根用光源素子985付近を拡大したものである。図19(A)には、羽根用光源素子985の他に、光源ユニット本体983、底部980、孔986、傾斜面987、および切欠部988が含まれている。
羽根用光源素子985の直上で底部980の第3中心C3に対する外側に傾斜面987が形成されている。羽根用光源素子985は、上方に向けて三次元的な放射状に発光することが可能である。なお、以下において、第1羽根用光源グループ985Aを構成する羽根用光源素子985から発光された光を「第1羽根用光源光」という。
第1羽根用光源光の中には、底部980に対して斜めに入射し、底部980との境界面で屈折して底部980の内部を進み、傾斜面987での屈折角が臨界角未満であるため、反射せずに空気中に出るものや、底部980に対して斜めに入射し、底部980との境界面で屈折して底部980の内部を進むが、傾斜面987での屈折角が臨界角以上であるため、反射して再び底部980を進むものもある。また、底部980に対して斜めに入射し、底部980との境界面で屈折して底部980の内部を進むが、傾斜面987より外側の表面での屈折角が臨界角以上であるため、反射して再び底部980を進むものもある。
このように、底部980の内部を進み、傾斜面987での屈折角が臨界角未満であるため、反射せずに空気中に出る第1羽根用光源光の中には、そのまま第1羽根部材93Aの接続部931に向けて進むものもある。また、傾斜面987またはそれより外側の表面で反射して再び底部980を進むものの中にも傾斜面987より外側の表面での屈折角が臨界角未満であるため、空気中に出て、そのまま第1羽根部材93Aの接続部931に向けて進むものもある。そして、接続部931に向けて進む第1羽根用光源光の中には、接続部931の境界面で屈折して接続部931に入射し、接続部931の内部を進み、入射した方と反対側の表面での屈折角が臨界角以上であるため、反射して再び接続部931を進むものもある(以下、この光を「第1羽根部材進行光」という)。
第1羽根部材進行光の中で進行方向が第3中心C3を中心とする放射方向成分および周方向成分の何れも持っているものは、接続部931から装飾部932に向かって放射状に広がるように進行する。ここで、第1羽根部材93Aに対して4つの羽根用光源素子985が周方向に並んで設けられているので、装飾部932に向かって進行する光は装飾部932の内部全体に広がる。そして、装飾部932には反射シート932sが貼り付けられているので、装飾部932の内部全体に広がる光が反射シート932sに反射し、出現している第1羽根部材93Aの装飾部932が全体的に発光する(図20参照)。
さらに、底部980の内部を進むが空気との境界面で反射して再び底部980を進む第1羽根用光源光の中には、反射を繰り返すなどして最終的に切欠部988との境界である外側面から空気中に再び入射するものもある。この中にはさらに底部980の外側面から第1羽根部材93Aに向けて進むものもある。この再び空気中に入射して第1羽根部材93Aに向かう第1羽根用光源光の外側面から出る位置や屈折角は様々である。よって、第1羽根用光源光は、第1羽根部材93Aの表面上の特定放射線方向に沿った様々な位置に到達する。その結果、第1羽根部材93Aは、第1羽根用光源グループ985Aを構成する羽根用光源素子985を通る特定放射線に沿った線状に照射される(図20参照)。
図19(B)は、第2羽根用光源グループ985Bを構成する羽根用光源素子985の中心を通る特定放射線上の部分断面図である。図19(B)の部分断面図も、図19(A)と同様に、羽根用光源素子985付近を拡大したものである。図19(B)には、羽根用光源素子985の他に、光源ユニット本体983、底部980、孔986、および傾斜面987が含まれている。
図19(B)に示すように、第2羽根用光源グループ985Bの特定放射線に沿った外側には切欠部988が形成されていないので、底部980の肉厚部分は図19(A)に比べて特定放射線に沿った外側に延びている。第2羽根用光源グループ985Bを構成する羽根用光源素子985から照射された光(以下、「第2羽根用光源光」という)の中には、第1羽根用光源光と同様に底部980の内部を進むものがある。よって、第2羽根用光源光の底部980の外側面から出る位置や屈折角は様々である。そのため、第2羽根用光源光は、第1羽根用光源光と同様に、第2羽根部材93Bの表面における特定放射線方向に沿った様々な位置に到達する。その結果、第2羽根部材93Bは、第2羽根用光源グループ985Bを構成する羽根用光源素子985を通る特定放射線に沿った線状に照射される(図20参照)。
また、第1羽根用光源光と同様に、第2羽根用光源光の中には、接続部931との境界面で屈折して接続部931に入射し、接続部931の内部を進み、入射した方と反対側の表面での屈折角が臨界角以上であるため、反射して再び接続部931を進むものもある(以下、この光を「第2羽根部材進行光」という)。第2羽根部材進行光の中で進行方向が第3中心C3を中心とする放射方向成分および周方向成分の何れも持っているものは、接続部931から装飾部932に向かって放射状に広がるように進行する。ここで、第2羽根部材93Bに対して4つの羽根用光源素子985が周方向に並んで設けられているので、装飾部932に向かって進行する光は装飾部932の内部全体に広がる。そして、装飾部932には反射シート932sが貼り付けられているので、装飾部932の内部全体に広がる光が反射シート932sに反射し、出現している第2羽根部材93Bの装飾部932が全体的に発光する(図20参照)。
このように、羽根用光源素子985、底部980、傾斜面987、平坦で透明な接続部931、および一方の表面に乱反射用溝933が形成され、他方の表面に反射シート932sが貼り付けられた装飾部932によって羽根部材93を全体的に照射すると共に、第3中心C3を中心とする放射線状に照射することができるので、発光演出の演出効果が向上する。
なお、ここでは、第1羽根用光源グループ985Aを構成する羽根用光源素子985による第1羽根部材93Aへの発光と第2羽根用光源グループ985Bを構成する羽根用光源素子985による第2羽根部材93Bへの発光について説明したが、第3羽根用光源グループ985Cおよび第5羽根用光源グループ985Eを構成する羽根用光源素子985は、第1羽根用光源グループ985Aと同様に、第3羽根部材93Cおよび第5羽根部材93Eを発光させる。また、第4羽根用光源グループ985Dを構成する羽根用光源素子985は、第2羽根用光源グループ985Bと同様に、第4羽根部材93Dを発光させる。
ここで、第1羽根用光源グループ985A、第3羽根用光源グループ985C、および第5羽根用光源グループ985Eを構成する羽根用光源素子985から発光されて底部980の内部を外側面に進む光の光路長は、第2羽根用光源グループ985B、および第4羽根用光源グループ985Dを構成する羽根用光源素子985から発光されて底部980の内部を外側面に進む光の光路長よりも短い。これは、切欠部988の有無の違いによるものである。よって、底部980の外側面から再び空気中に入射する光の強さは、第2羽根用光源グループ985B、および第4羽根用光源グループ985Dを構成する羽根用光源素子985から発光された光よりも、第1羽根用光源グループ985A、第3羽根用光源グループ985C、および第5羽根用光源グループ985Eを構成する羽根用光源素子985から発光された光の方が強い。
しかしながら、前述のように、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eは、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dよりも、第2枠可動体ランプ92の表面から遠い位置に設けられている。すなわち、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eから底部980までの距離D1の方が、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dから底部980までの距離D2よりも遠い。よって、底部980の外側面から第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに向かう光が空気中を進む光路長は、底部980の外側面から第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに向かう光が空気中を進む光路長より長い。底部980の外側の側面からの光路長が長い分、底部980の外側面から再び空気中に入射する光は、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに到達する場合に比べて第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに到達する場合の方が弱くなる。その結果、第1羽根用光源グループ985A、第3羽根用光源グループ985C、および第5羽根用光源グループ985Eを構成する羽根用光源素子985によって第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eが線状に照射される光の強さと、第2羽根用光源グループ985B、および第4羽根用光源グループ985Dを構成する羽根用光源素子985によって第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dが線状に照射される光の強さとは大体均一になる。よって、発光演出の演出効果が向上する。
このように、第1羽根部材93A〜第5羽根部材93Eに発光される光の強さのバラツキを軽減することで、第2枠可動体ランプ92による発光演出の演出効果の低下を押さえることができる。
なお、上述の説明では、装飾部932の表面に乱反射用溝933が形成されているが、この断面形状、全体的な形状、位置、本数は適宜に設定しても良い。また、これらの乱反射用溝933の構成要素は、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eと、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dとがそれぞれ同一となるようにしても良い。さらに、乱反射用溝933は平坦な表面をカットして成形するのではなく、予め凹凸を有する型に押し当てて成形するようにしても良い。
また、接続部931と装飾部932の形状も上述の説明に限られず適宜に設定しても良い。さらに、羽根部材93については、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eの方が、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dよりも底部980から遠い位置に取り付けられているが、位置関係は反対であっても良い。
さらに、羽根用光源素子985の全体的な数、1枚の羽根部材93に対する数や位置も上述の説明に限られずに適宜に設定可能である。また、1枚の羽根部材93に対して全て同じ仕様の発光素子を用いても全て異なる仕様の発光素子を用いても良い。さらに、1枚の羽根部材93に対する発光素子の仕様パターンを全ての羽根部材93で同一にしても異なるようにしても良い。
また、羽根用光源素子985から発光された光は底部980の肉厚部分を通って屈折して羽根部材93に到達している。よって、底部980の光源素子985よりも外側の部分は光を屈折させる屈折部を構成していることになる。そして、前述の例では第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに対応する屈折部が切欠部988の脇に形成されることによって、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに照射される光の強さと、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに照射される光の強さとを均一にしているが、均一にする手段はこれに限られない。例えば、切欠部988を形成せずに、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに係る屈折部の材質を第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに係る屈折部の材質よりも、光を減衰させる材質にしても良い。また、切欠部988を形成せずに、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに係る羽根用光源素子985の光の強さを第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに係る羽根用光源素子985の光の強さよりも弱くしても良い。
さらに、羽根用光源素子985から発光された光が底部980の肉厚部分(屈折部)を通して羽根部材93に到達しているが、屈折部がなく、底部980を通さずに直接、羽根部材93に到達するようにしても良い。すなわち、底部980において、羽根用光源素子985から羽根部材93に向かって発光された光が通る範囲には底部980に直交する方向に貫通した孔が形成されていても良い。この場合、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに発光される光と、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに発光される光の強さを均一にするために、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dとそれらに係る光源素子985の距離を、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eとそれらに係る光源素子985の距離よりも遠くする必要がある。例えば、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに係る光源素子985を、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに係る光源素子985よりも第3中心C3側に近づける。また、底部980に直交する方向において、第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに係る光源素子985を、第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに係る光源素子985よりも羽根部材93と反対側に移動させる。
2.遊技機の電気的構成
次に、図21〜図22に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を備えている。遊技制御基板100、演出制御基板120、および払出制御基板170等は、ユニット化されて盤用演出ユニットEUの背面側に設置されている。
なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、演出ボタン40kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
また、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。一方、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、ボタンランプ54、枠可動体55k、盤可動装置56、第1枠可動体ランプ91、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図21に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)101、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)103、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、始動入賞コマンド特定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連情報と特図2関連情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限数は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限数は「4」に設定されている。なお、特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数は適宜に設定しても良い。また特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数を設けなくても良い。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72kが含まれる。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。また、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図22に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。また、演出用RAM124には、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125が設けられている。
演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、演出ボタン検知センサ40aが含まれている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。演出ボタン検知センサ40aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
演出制御基板120に接続された各種モータ類には、枠可動体モータ55m、盤可動体モータ56m、および羽根部材モータ93mが含まれている。枠可動体モータ55mは、枠可動体55kを駆動して、枠可動体55kを前回りの向きおよび後ろ回りの向きに回転させることが可能である。盤可動体モータ56mは、盤可動体56kを駆動して、盤可動体56kを下降および上昇させることが可能である。羽根部材モータ93mは、羽根部材93および第2枠可動体ランプ92を駆動して、5枚の羽根部材93を同時に180度回転させると共に、第2枠可動体ランプ92を90度回転させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93の動作を制御する。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92等の点灯制御、および、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技制御基板100による遊技の説明
次に、遊技制御基板100により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。遊技制御基板100は、発射された遊技球がゲート13に入賞すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。遊技制御基板100は、普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13への入賞に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13に入賞することを「普図変動始動条件の成立」という。
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関連判定情報を取得する。取得する普図関連判定情報には、図23(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。普通図柄乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜65535である。
次に、普図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図24(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図24(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、遊技制御基板100は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、遊技制御基板100は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器82で行われる。
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、補助遊技が実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。すなわち、補助遊技構成要素は、各遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられた補助遊技制御テーブルに格納されている。遊技制御基板100は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図24(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。よって、遊技制御基板100は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが1回開放する。このときの開放時間は0.2秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。
時短状態における補助遊技では、電チュー12Dが2回開放する。1回目の開放時間は2.5秒である。そして、1回目の開放が終了し、一旦電チュー12Dが閉鎖してから1.0秒のインターバル時間を挟んで2回目の開放が行われる。2回目の開放時間は2.5秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口12に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに遊技球が第1始動口11に入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が4未満であるときに遊技球が第2始動口12に入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
遊技制御基板100は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関連判定情報を取得し、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図23(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜9である。リーチ乱数の範囲は、0〜99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。なお、各種乱数の範囲は、これらに限られず適宜に設定することができる。
次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図25(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、後述する通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。遊技制御基板100は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図25(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図25(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典(通常よりも遊技者に有利になる有利遊技状態の内容)などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。
第1始動口11に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口12に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eの2種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図25(A)および図25(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図25(B)に示す5種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図25(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、ボタンランプ54、枠可動装置55、盤可動装置56、および演出ボタン40kなどの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出では、画像表示装置50の表示部50aにおいて、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄の可変表示が行われているときには、表示部50aで行われる特図変動演出として、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄とは異なる演出画像(静止画や動画)の表示が行われる。
演出図柄は、例えば、表示部50aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図31など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3または演出図柄EZ1〜EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。第1実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」〜「8」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部50aの上から下にスクロールする。このとき、表示部50aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部50a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図表示器81にて停止表示される特図、すなわち特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器81aや特図2表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50の表示部50aにて把握する。
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図32(D)や図33(A)参照)。
なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部50a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部50a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定しても良い。
ここで、リーチ判定テーブルの説明に戻す。リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図25(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。
リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
次に、特別図柄変動パターン判定について説明する。特別図柄変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、図26〜図27に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。
特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図26)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図27)とに大別される。
そして、特別図柄の種別に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、遊技制御基板100は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器81で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、通常の通常特図変動演出と、通常特図変動演出よりも演出時間が長く、通常特図変動演出よりも大当たり期待度が高い特別特図変動演出とがある。
また、特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図26〜図27に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、およびスペシャルリーチ(SPリーチ)がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが街中で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部50aで流れる)。
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部50aで流れる)。
なお、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
また、図26〜図27の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。
例えば、ハズレに係る特図変動パターン全般のことを「ハズレ変動」ともいい、大当たりに係る特図変動パターン全般のことを「大当たり変動」ともいう。また、リーチ有りハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」ともいい、リーチ無しハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ無しハズレ変動」ともいう。また、大当たりおよびハズレに関係なくSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」ともいう。さらに、大当たりおよびハズレに関係なくLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」ともいう。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動〜通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。
そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。
各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、これらの各要素は、大当たり遊技制御テーブルに格納されている。図28(A)に示すように、大当たり遊技制御テーブルは、大当たり図柄の種別に対応付けられている。遊技制御基板100は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。すなわち、遊技制御基板100は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから8Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。
そして、遊技制御基板100は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口12の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者には、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者には、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態である。一方、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。前述のように、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いように設定された特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる。その結果、時短状態では、非時短状態に比べて特図保留の消化のペースが速くなり、始動口11、12への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易い遊技状態でもある。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するからである。
加えて、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/66536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/66536の確率で当たりと判定されるからである。
以上のことから、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなるので、第2始動口12への入賞がし易くなる。よって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。
なお、時短状態では、非時短状態に比べて、当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる普図に係る遊技についての3つの点で、遊技者に有利に設定されるが、この遊技者に有利に設定される点はこれらの中の任意の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞がし易くなればよい。
また、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
ここで、大当たり遊技後の遊技状態についての説明に戻す。前述の通り、新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。具体的には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに対応付けられた新たな遊技状態は、高確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄A、大当たり図柄B、または大当たり図柄Dが停止表示すると、大当たり遊技の後は、高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。一方、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに対応付けられた新たな遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eが停止表示すると、大当たり遊技の後は、通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。
このように、大当たり当選に伴って、大当たり遊技後は新たな遊技状態にて遊技が進行するが、通常遊技状態に比べて遊技者に有利になる新たな遊技状態の期間は規定されている。具体的には、遊技者に有利な新たな遊技状態が設定されて、大当たりに当選することなく特図の可変表示が所定の規定回数、実行されると、遊技者に有利な遊技状態が終了する。この規定回数は、大当たり図柄の種別と、遊技状態の種別とに関連付けられている。
大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dで高確率状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dで時短状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eで時短状態が設定される場合の規定回数は100回に設定されている。
そして、高確率状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、高確率状態が終了して通常確率状態に移行する。また、時短状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、時短状態が終了して非時短状態に移行する。
なお、以下において、高確率状態に対する規定回数を「高確率規定回数」という。また、時短状態に対する規定回数を「時短規定回数」という。また、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後に通常確率状態で遊技が進行するが、この遊技状態についての規定回数は設定されていない。
このように、大当たり図柄に応じて新たな遊技状態および規定回数が対応付けられている。遊技制御基板100は、図28(B)に示す遊技状態設定テーブルに基づいて、大当たり遊技後の新たな遊技状態、並びに高確率規定回数、および時短規定回数を設定する。
以上のように、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技が実行され、大当たり図柄の種別に応じた遊技状態および規定回数が設定される。大当たり遊技の種別、遊技状態の種別および規定回数は、遊技者の遊技利益となるので、大当たり図柄の種別は、遊技者に付与する遊技利益を表しているということができる。ここで、特図1抽選に係る大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに係る遊技利益と、特図2抽選に係る大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る遊技利益とを比べると、大当たり遊技に係る出玉性能の点から特図2抽選の方が遊技者に有利といえる。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行させる大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
ところで、遊技制御基板100は、遊技球が始動口11、12に入賞して、特図関連判定情報を取得すると、一旦、遊技用RAM104の特図保留記憶部105とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該特図関連判定情報に基づいて始動入賞コマンドを特定して演出制御基板120に送信する。
始動入賞コマンドには、取得された特図関連判定情報に基づいて行われる特図変動パターン判定で決定される特図変動パターンの情報(特図変動パターン情報)が含まれている。前述の通り、特図変動パターンには、始動口の種別、言い換えれば、特図の種別に関する情報が含まれているので、始動入賞コマンドには、その始動入賞コマンドを発生させた始動口の種別に関する情報(入賞始動口情報)、言い換えれば、その始動入賞コマンドを発生させた入賞により行われる可変表示の特図の種別(特図種別情報)も含まれている。また、特図変動パターンには、大当たり、またはハズレの何れであるかの情報(当否情報)と、リーチの有無の情報(リーチ情報)も含まれているので、始動入賞コマンドには、当否情報とリーチ情報も含まれていることになる。
遊技制御基板100は、取得した特図関連判定情報に基づいて、図29、図30に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。始動入賞コマンド特定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第1始動入賞コマンド特定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第2始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
また、始動入賞コマンド特定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(非時短用始動入賞コマンド特定テーブル)と時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(時短用始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
つまり、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、がある。
なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関連判定情報に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関連判定情報に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などを演出制御基板120に送信することで、所謂「保留変化予告」などの大当たり期待度を示唆する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
4.演出制御基板120による演出の説明
前述のように、遊技制御基板100は、遊技球が始動口11、12に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、演出制御基板120は、これらの遊技制御基板100が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、演出制御基板120により行われる種々の演出の具体例について図31〜図34を用いて説明する。
4−1.特図変動演出
最初に、特図可変表示に応じた特図変動演出について説明する。
演出制御基板120は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
次に、特図変動演出の具体例について説明する。例えば、図31(A)に示すように、表示部50aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図31(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図31(C)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に図31(D)に示すように、右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図15(E)に示すように、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図31(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。
なお、図31の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図32(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図32(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば図32(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図32(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が表示部50aの上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。
なお、図32の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も表示部50aの上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図32(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図33(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図33(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が表示部50aの上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図33(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図33(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図33(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、図33(C−2)に示すように、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、LリーチやSPリーチへと発展する。
NリーチからLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(図34(A−1)参照)。また、通常用背景画像G100からLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像)G101に切り替わる(図34(A−1)参照)。Lリーチ用背景画像G101は、街中で主人公キャラと敵キャラとがバトルする2DCGによる映像(シーン)で構成されている。
一方、NリーチからSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部50aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部50aの右上に移動する(図34(A−2)参照)。また、通常用背景画像G100からSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像)G102に切り替わる(図34(A−2)参照)。SPリーチ用背景画像G102は、敵のアジトで主人公キャラと敵キャラとがバトルする3DCGによる映像(シーン)で構成されている。
そして、LリーチであってもSPリーチであっても、ハズレであると、最終的には図34(B−1)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、LリーチであってもSPリーチであっても、最終的には図34(B−2)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図35〜図44に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図35に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図36に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図35の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図37〜図38を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S212)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図30に示す第2始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S219)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図29に示す第1始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検出処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S222でYES)、センサ検出処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検出処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図39に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普図待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図40に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、その大当たり遊技に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、遊技状態設定テーブルに基づいて、遊技状態を設定する処理である。終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄を遊技状態設定テーブルに照合して、当該大当たり遊技後の遊技状態を設定する。高確率状態を設定する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく高確率状態を設定(継続)できる規定回数(高確率規定回数)を、遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、時短状態を設定する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく時短状態を設定(継続)できる規定回数(時短規定回数)を、遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図41を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図42を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、リーチ判定を行う(S1655)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1655でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)におけるその他の処理(S107)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン101は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図43を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図44を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在高確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、高確率状態であれば(S1752でYES)、高確率状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(高確率残り回数)を計測する高確率残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1753)、高確率残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、高確率状態から通常確率状態に移行させる(高確率フラグをOFFする)(S1755)。
ステップS1756において、遊技制御用マイコン101は、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。時短状態でなければ(S1756でNO)、ステップS1760に進み、現在、時短状態であれば(S1756でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1757)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1758)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1758でNO)、ステップS1760に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1758でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1759)。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1760)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1761)。大当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1765)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1761において大当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1762)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1763)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図45〜図49のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図45に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体56kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出、保留演出、および保留連演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図46を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、演出ボタン検知センサ40aからの検出信号に基づいて演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4204)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93を駆動させるべく、駆動データ(枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93の駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93を所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図47を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出、操作促進演出、および、客待ち演出などの各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4202)。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4203)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4204)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図48〜図49を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの抽選を行う。先読み演出には、特図保留数を特別態様で表示する保留演出の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止図柄の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止演出図柄を決定して、決定した停止演出図柄を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン121は、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容である特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットし、特図変動演出パターンを表す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53、ボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93で行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介してボタンランプ54、第1枠可動体ランプ91、および第2枠可動体ランプ92を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、枠可動体55k、盤可動体56k、第2枠可動体ランプ92、および羽根部材93を作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4309でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4310)。演出制御用マイコン121は、オープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じたオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればオープニング演出の演出内容(オープニング演出パターン)を選択し、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4311でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4312)。演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4316に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4314)および演出モード設定処理(S4315)を行う。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。例えば、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率状態且つ時短状態を示唆する演出モードに設定する。また、大当たり図柄B、または大当たり図柄Cであると、高確率状態且つ時短状態、または通常確率状態且つ時短状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な演出モードに設定する。さらに、大当たり図柄Eであると、通常確率状態且つ時短状態を示唆する演出モードに設定する。ただし、大当たり図柄と演出モードの関係はこれに限られない。
ステップS4316において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4316でNO)、ステップS4318に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4316でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4317)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4318において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4318でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4318でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4319)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態で説明した構成以外の変更例について説明する。
第1実施形態では、大当たり遊技で開放可能な大入賞領域として大入賞口14のみが設けられているが、複数の大入賞領域を設けても良い。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口14の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口14の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口14の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口14の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
また、第1実施形態では、高確率回数が160回に設定され、時短回数が160回と100回に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている他の発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A〜発明Eが開示されている。発明A〜発明Eの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A7の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B4の総称であり、発明Cは、以下の発明C1〜C5の総称であり、発明Dは、以下の発明D1〜D4の総称であり、発明Eは、以下の発明E1〜E6の総称である。
8−1−1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
回転可能な回転体(枠可動体55k)と、
前記回転体に搭載された電子部品に接続された配線部材(フレキシブル基板551)と、を備え、
前記配線部材を前記回転体の回転軸に沿った状態に保持して前記回転体側に導く保持部(ケーブル固定部554)が前記回転体に設けられ、
前記保持部は、前記回転体の回転に応じて、前記保持部に対して前記回転体と反対側の前記配線部材を巻き取り可能であることを特徴とする。
8−1−2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記保持部の外面には、前記保持部に対して前記回転体と反対側の前記配線部材の方向付けを行う方向付け部(方向付け部593)が設けられていることを特徴とする。
8−1−3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記保持部の外周面は略円柱の外周面のように成形され、
前記保持部の外周面には、前記回転軸を中心とする1本の放射線に沿って外側に突出した引込部(ケーブル引込部591)が形成され、
前記引込部に、前記配線部材が内部に引き込まれる引込口(ケーブル引込口592)が形成され、
前記引込部における前記引込口の縁に前記方向付け部が設けられていることを特徴とする。
8−1−4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記回転体は、前記回転軸を中心として時計回り及び反時計回りに360度回転することが可能であることを特徴とする。
8−1−5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記回転体を回転させるためのドライバ基板(サブドライブ基板162)が前記保持部に対して前記回転体と反対側に設けられていることを特徴とする。
8−1−6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A3乃至発明A5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記引込口から外側に所定距離をおいた箇所で前記方向付け部が前記配線部材に当接していることを特徴とする。
8−1−7.発明A7
発明A7に係る遊技機は、
発明A2乃至発明A6の何れか1つに係る遊技機であって、
前記回転体を回転可能に支持する支持部材(左支持部材55Ls)をさらに備え、
前記保持部は前記支持部材の内部に配置され、
前記支持部材の内部には、前記保持部に対して前記回転体と反対側の前記配線部材を略周状にガイド可能なガイド部(ケーブル収納部552)が形成され、
前記方向付け部は、前記保持部と前記ガイド部との間で前記配線部材を方向付けしていることを特徴とする。
なお、発明Aによれば、先行技術文献としての特開2017−99823号公報、および特許第6112588号公報に記載の遊技機について、次に説明する課題Aに対して、遊技興趣の低下を抑えることができるという効果を奏する。従来、遊技機は、作動可能な可動体を備えた可動装置を備える。可動体を所定のタイミングで所定の動作を行わせることによって、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている。例えば、特開2017−99823号公報に記載の遊技機では、遊技機の前方側に配された前枠に設けられた可動体を用いて動作による動作演出が実行される。また、特許第6112588号公報に記載の遊技機では、遊技盤に配された回転体を用いて回転による動作演出が実行される。このように、可動体を用いた動作演出を行うことによって遊技興趣が向上するが、動作演出は可動体の動作を伴うため、可動体と、可動体を取り付ける取付部とがまたがって接続されている場合は、配線を損傷させないことが重要になる。これは、配線が損傷すると可動体を動作させるための信号などを可動体に送信することができず、遊技者に可動体による演出を安定的に提供することができないからである。そこで、課題Aとするところは、可動体による演出を安定的に実行させ、遊技興趣の低下を抑えることが可能な遊技機を提供することである。そして、発明A1は、この課題Aに対して「回転体を回転可能に支持する支持部材の内部に、薄膜状または線状に形成され、巻き取り可能な所定部材を固定する固定部は、回転体の回転軸上に設けられ、所定部材は、固定部の内部を通って回転体の内部に引き込まれ、固定部の外面には、内部に引き込まれる所定部材の方向付けを行う方向付け部が設けられている」という、特開2017−99823号公報、および特許第6112588号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、可動体による演出を安定的に実行させ、遊技興趣の低下を抑えることができるという有利な効果を奏する。
8−2−1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
所定の第1状態と第2状態との間で可逆的に作動可能な可動体(羽根部材93)と、
前記可動体を所定方向に付勢可能な付勢手段(トーションばね966)と、
前記付勢手段が付勢する方向を切り替える切替手段(第1回転ギア964)と、を備え、
前記付勢手段は、前記可動体が前記第1状態で保持されているときに前記可動体を前記第1状態に保持させる第1付勢方向(羽根部材93を第1特別状態に保持させる方向)に付勢する一方、前記可動体が前記第2状態で保持されているときに前記可動体を第2状態に保持させる第2付勢方向(羽根部材93を第2特別状態に保持させる方向)に付勢し、
前記切替手段は、前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に移行する間に前記第1付勢方向から前記第2付勢方向に切り替える一方、前記可動体が前記第2状態から前記第1状態に移行する間に前記第2付勢方向から前記第1付勢方向に切り替えることを特徴とする。
8−2−2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記可動体が設置されるベース部材(収納ケース960)と前記可動体に、前記付勢手段によって前記第1付勢方向に付勢されている前記可動体を係止して前記第1状態を保持させ、前記付勢手段によって前記第2付勢方向に付勢されている前記可動体を係止して前記第2状態を保持させる係止手段(係止凸部934、羽根部材側突部935、係止凹部977、および収納ケース側突部978)が設けられていることを特徴とする。
8−2−3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B2に係る遊技機であって、
前記可動体、前記付勢手段、および前記切替手段からなる1組の作動機構が複数設けられ、
前記付勢手段は前記切替手段に接続され、
前記切替手段は作動可能であり、
前記切替手段の作動に応じて前記可動体が作動し、
複数の前記切替手段を同調させて作動させることが可能な特定部材(回転板962)を有し、
前記特定部材は、所定の第1位置と第2位置との間で可逆的に作動可能であり、
前記第1位置から前記第2位置に向けて進んだ第3位置と、前記第2位置に到達する手前の第4位置との間で前記切替手段に荷重を与えて作動させることが可能であり、
前記第3位置から前記第4位置に向けて進んでいるときは前記可動体が前記第1状態から前記第2状態に移行させるように前記切替手段を作動させることが可能であり、
前記第4位置から前記第3位置に向けて進んでいるときは前記可動体が前記第2状態から前記第1状態に移行させるように前記切替手段を作動させることが可能であり、
前記切替手段は、前記特定部材が前記第3位置から前記第4位置に向けて進んでいるときに前記第1付勢方向から前記第2付勢方向に切り替える一方、前記第4位置から前記第3位置に向けて進んでいるときに前記第2付勢方向から前記第1付勢方向に切り替え、
前記特定部材が前記第3位置から前記第4位置に到達すると、前記第2付勢方向に付勢する前記付勢手段によって前記切替手段が作動させられ、最終的に前記可動体が前記係止手段によって係止されて前記第2状態が保持される一方、
前記特定部材が前記第4位置から前記第3位置に到達すると、前記第1付勢方向に付勢する前記付勢手段によって前記切替手段が作動させられ、最終的に前記可動体が前記係止手段によって係止されて前記第1状態が保持されることを特徴とする。
8−2−4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B3に係る遊技機であって、
前記可動体、前記切替手段、および前記特定部材の作動態様は回転であり、
前記可動体および前記切替手段は、それぞれ前記特定部材の回転軸を中心に周方向に所定間隔をおいて設置され、
前記特定部材には、前記回転軸付近から外側に向けて捻れた放射状のカム溝(カム溝973)が複数形成され、
前記切替手段には、前記特定部材の回転に応じて前記カム溝に沿って摺動可能な摺動突部(摺動突部974)が形成され、
前記カム溝は、前記回転軸寄りの端部から前記外側寄りの端部に向けて直線状に形成された第1直線部(第1直線部973A)と、前記外側寄りの端部から前記回転軸寄りの端部に向けて直線状に形成された第2直線部(第2直線部973C)と、前記第1直線部と前記第2直線部の間で円弧状に形成された円弧部(円弧部973B)と、からなり、
前記摺動突部は、前記特定部材が前記第1位置に位置するときには前記カム溝の前記回転軸寄りの端部に位置し、前記特定部材が前記第2位置に位置するときには前記カム溝の前記外側寄りの端部に位置し、前記特定部材が前記第3位置に位置するときには前記カム溝の前記第1直線部と前記円弧部の境界に位置し、前記特定部材が前記第4位置に位置するときには前記カム溝の前記第2直線部と前記円弧部の境界に位置し、
前記付勢手段はトーションばねからなり、一方の端部は固定され、他方の端部は前記切替手段に接続され、
前記切替手段の回転に伴って前記他方の端部が前記一方の端部を中心に回転し、
前記第1状態および前記第2状態において、前記トーションばねの角度が最小であり、且つ、前記一方の端部と前記他方の端部とは最も離間し、
前記第1状態と前記第2状態との中間において、前記トーションばねの角度が最大であり、且つ、前記一方の端部と前記他方の端部とは最も近接していることを特徴とする。
なお、発明Bによれば、先行技術文献としての特許第6112588号公報、特許第6187997号公報、および特許第6191975号公報に記載の遊技機について、次に説明する課題Bに対して、遊技興趣の低下を抑えることができるという効果を奏する。従来、遊技機は、作動可能な可動体を備えた可動装置を備える。可動体を所定のタイミングで所定の動作を行わせることによって、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている。例えば、特許第6112588号公報に記載の遊技機では、可動体を回転させる動作演出が実行される。また、特許第6187997号公報に記載の遊技機では、可動体を下降・上昇させる動作演出が実行される。さらに、特許第6191975号公報に記載の遊技機では、可動体を所定の待機位置から動作位置に移動させる動作演出が実行される。このように、可動体を用いた動作演出を行うことによって遊技興趣が向上するが、動作演出は基本的には、モータなどの駆動手段が可動体を駆動することによって行われる。そこで、課題Bとするところは、可動体による動作演出によって遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明B1は、この課題Bに対して「所定の第1状態と第2状態との間で可逆的に作動可能な可動体と、可動体を所定方向に付勢可能な付勢手段と、付勢手段が付勢する方向を切り替える切替手段と、を備え、付勢手段は、可動体が第1状態で保持されているときに可動体を第1状態に保持させる第1付勢方向に付勢する一方、可動体が第2状態で保持されているときに可動体を第2状態に保持させる第2付勢方向に付勢し、切替手段は、可動体が第1状態から第2状態に移行する間に第1付勢方向から第2付勢方向に切り替える一方、可動体が第2状態から第1状態に移行する間に第2付勢方向から第1付勢方向に切り替える」という、特許第6112588号公報、特許第6187997号公報、および特許第6191975号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、可動体による動作演出によって遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−3−1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
第1部と、前記第1部(接続部931)に隣接された第2部(装飾部932)とが形成された透明部材(羽根部材93)と、
前記第2部の裏面に接着され、表面側に向けて光を反射させることが可能な反射部材(反射シート932s)と、
前記第1部に向けて発光可能な発光手段(羽根用光源素子985、および底部980)と、を備えることを特徴とする。
8−3−2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記発光手段は前記第2部に向けても発光可能であることを特徴とする。
8−3−3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記発光手段は、発光面が前記透明部材を向いて配された発光素子(羽根用光源素子985)と、前記発光素子と前記透明部材の間に配され、前記発光素子からの光を入射光として内部へ入射させ、内部を進行する光を前記第1部および前記第2部に向けて空気中に屈折して入射させることが可能な屈折部(底部980の羽根用光源素子985より外側の部分)と、を有することを特徴とする。
8−3−4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C3に係る遊技機であって、
前記屈折部は、平板で構成され、
前記屈折部には、前記第1部から前記第2部に向けて前記発光素子から前記透明部材に近づくように傾斜する傾斜面(傾斜面987)が形成され、
前記入射光は前記傾斜面で反射可能であり、
前記傾斜面で反射した前記入射光は前記平板の外側の側面から前記第2部に向けて空気中に入射可能であることを特徴とする。
8−3−5.発明C5
発明C5に係る遊技機は、
発明C3又は発明C4に係る遊技機であって、
前記発光手段は、前記第1部から前記第2部に進む第1方向に交差する第2方向に所定間隔をおいて複数設けられており、
前記屈折部は、入射光を前記第1方向および前記第2方向に沿って屈折させることが可能であることを特徴とする。
なお、発明Cによれば、先行技術文献としての特許第6172813号公報に記載の遊技機について、次に説明する課題Cに対して、遊技興趣の低下を抑えることができるという効果を奏する。従来、遊技機は、発光可能な発光手段を備える。発光手段を所定のタイミングで発光させることによって、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている。例えば、特許第6172813号公報に記載の遊技機では、可動部材が固定される支持部材に配設された発光手段が可動部材を発光する発光演出が実行される。このように、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣が向上するが、さらに遊技興趣を向上させるために多種多様な発光演出が求められている。そこで、課題Cとするところは、発光手段による発光演出によって遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明C1は、この課題Cに対して「第1部と、第1部に隣接された第2部とが形成された透明部材と、第2部の裏面に接着され、表面側に向けて光を反射させることが可能な反射部材と、第1部に向けて斜め方向に発射可能な発光手段と、を備える」という、特許第6172813号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−4−1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
発光可能な第1発光部(第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに対する羽根用光源素子985、並びに底部980)と、
前記第1発光部の近傍に設けられ、発光可能な第2発光部(第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに対する羽根用光源素子985、並びに底部980)と、
前記第1発光部に光を当てられる第1被照射面(第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eの表面)と、
前記第1被照射面の近傍に設けられ、前記第2発光部に光を当てられる第2被照射面(第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dの表面)と、を備え、
前記第1被照射面と前記第2被照射面とは平行であり、
前記第1発光部から照射される光よりも前記第2発光部から照射される光の方が強く、
前記第1発光部から前記第1被照射面までの距離よりも、前記第2発光部から前記第2被照射面までの距離の方が近いことを特徴とする。
8−4−2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記第1発光部は、第1発光素子(第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに対する羽根用光源素子985)と、前記第1発光素子と前記第1被照射面との間に配された第1屈折部(底部980の第1羽根部材93A、第3羽根部材93C、および第5羽根部材93Eに対する羽根用光源素子985より外側の部分)と、を有し、
前記第2発光部は、第2発光素子(第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに対する羽根用光源素子985)と、前記第2発光素子と前記第2被照射面との間に配された第2屈折部(底部980の第2羽根部材93B、および第4羽根部材93Dに対する羽根用光源素子985より外側の部分)と、を有し、
前記第1発光素子から発光される光の強さと前記第2発光素子から発光される光の強さは同一または略同一であり、
前記第1発光素子から発光される光が前記第1屈折部に入射可能であり、
前記第2発光素子から発光される光が前記第2屈折部に入射可能であり、
前記第1屈折部よりも前記第2屈折部の方が入射した光を減衰させることを特徴とする。
8−4−3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記第1発光素子と前記第2発光素子は同一の特定平面上に配され、
前記第1屈折部と前記第2屈折部は同一の平板部材(底部980)に形成され、
前記平板部材の端部における前記第1被照射面に対応する所定範囲に切り欠き(切欠部988)が形成され、
前記第1屈折部は前記切り欠きの内側に形成され、前記第1発光素子からの入射光を内部で屈折させて、その屈折した入射光を、前記切り欠きが形成されている第1外側面から空気中に入射させて前記第1被照射面に向けて進行させることが可能であり、
前記第2屈折部は、前記平板部材の前記切り欠きが形成されていない範囲に形成され、前記第2発光素子からの入射光を内部で屈折させて、その屈折した入射光を、前記切り欠きが形成されていない第2外側面から空気中に入射させて前記第2被照射面に向けて進行させることが可能であることを特徴とする。
8−4−4.発明D4
発明D4に係る遊技機は、
発明D3に係る遊技機であって、
前記第1被照射面の方が第2被照射面よりも前記特定平面に対して離れて配され、
前記第1被照射面、および前記第2被照射面は作動可能であり、待機状態においては少なくとも一部が重なった状態で視認困難に格納され、作動すると出現して視認容易になることを特徴とする。
なお、発明Dによれば、先行技術文献としての特許第6172813号公報に記載の遊技機について、次に説明する課題Dに対して、遊技興趣の低下を抑えることができるという効果を奏する。従来、遊技機は、発光可能な発光手段を備える。発光手段を所定のタイミングで発光させることによって、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている。例えば、特許第6172813号公報に記載の遊技機では、可動部材が固定される支持部材に配設された発光手段が可動部材を発光する発光演出が実行される。このように、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣が向上するが、さらに遊技興趣を向上させるために多種多様な発光演出が求められている。そこで、課題Dとするところは、発光手段による発光演出によって遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明D1は、この課題Dに対して「第1発光部から光を当てられる第1被照射面と第2発光部から光を当てられる第2被照射面とは平行であり、第1発光部から照射される光よりも第2発光部から照射される光の方が強く、第1発光部から第1被照射面までの距離よりも、第2発光部から第2被照射面までの距離の方が近い」という、特許第6172813号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−5−1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域6)が形成された遊技盤(遊技盤1)と、前記遊技盤が取り付けられた枠体(遊技機枠2)と、を備え、前記枠体の前面には前記遊技領域を覆う透明な透明部材(透明板23t)が設けられた遊技機において、
前記透明部材の周辺に配され、前記透明部材に向けて発光可能な発光手段(ボタンランプ54)と、
前記発光手段を覆うカバー部材(演出ボタン40k)と、を備え、
前記発光手段から前記遊技領域に向かって照射された光が当たる前記カバー部材の被照射面には光を遮光する遮光部(遮光シート544)が設けられていることを特徴とする。
8−5−2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記遊技領域に開口部(開口部1A)が形成され、
前記遊技領域における前記開口部より下側の特定領域には、遊技球が進入可能な始動領域(始動口11、12)が設けられ、
前記被照射面は、前記発光手段から前記特定領域に向かって照射された光が当たる範囲で構成されていることを特徴とする。
8−5−3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E1又は発明E2に係る遊技機であって、
前記遮光部は遊技者から視認困難な範囲に設けられていることを特徴とする。
8−5−4.発明E4
発明E4に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記透明部材の周辺に前方に突出した突出体(上皿34)が形成され、
前記発光手段は前記突出体に設けられていることを特徴とする。
8−5−5.発明E5
発明E5に係る遊技機は、
発明E4に係る遊技機であって、
前記突出体は前記透明部材の下方に設けられていることを特徴とする。
8−5−6.発明E6
発明E6に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記カバー部材は、押下操作可能な操作手段を構成していることを特徴とする。
なお、発明Eによれば、先行技術文献としての特許第6081557号公報に記載の遊技機について、次に説明する課題Eに対して、遊技興趣の低下を抑えることができるという効果を奏する。従来、遊技機は、発光可能な発光手段を備える。発光手段を所定のタイミングで発光させることによって、視覚的な演出効果を向上させて遊技の興趣を高めている。例えば、特許第6081557号公報に記載の遊技機では、遊技機の前方側に配されたガラス扉の下部に、遊技球を貯留させる受け皿が設けられている。そして、受け皿には、発光可能な発光手段が、遊技者が操作可能な操作手段の内部に設けられている。このように、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣が向上するが、発光手段はガラス扉から少し前方に離れた位置に配設されているため、発光手段によって発光された光がガラス扉に反射し、遊技に支障を来すおそれがある。そこで、課題Eとするところは、発光手段による発光演出が遊技に支障を来すことを防止することができる遊技機を提供することである。そして、発明E1は、この課題Eに対して「発光手段から遊技領域に向かって照射された光が当たるカバー部材の被照射面には光を遮光する遮光シートが設けられている」という、特許第6081557号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、発光手段を用いた発光演出を行うことによって遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。